説明

皮膚刺激状態評価のためのSKALP発現の測定方法及びそのためのキット

【課題】 皮膚刺激状態を、簡便で、効率的で、短時間で評価することができる手段の提供。
【解決手段】 上流プライマー及び下流プライマー、並びにレポーターとクエンチャーを有し前記両プライマーに挟まれた領域内で鋳型核酸とハイブリダイズする認識プローブを用い、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有するDNA ポリメラーゼによりポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行うことによって皮膚由来抗ロイコプロテイナーゼ(SKALP)のmRNA又はcDNAを測定する方法において、特定の配列を有するプライマー対及びプローブを使用することを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚刺激状態の評価のため、皮膚由来抗ロイコプロテイナーゼ(Skin-Derived AntiLeukoproteinase:以下、「SKALP」と称する場合がある)の発現の測定のための方法及びそのためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
SKALPは多形核白血球由来エラスターゼやプロテイナーゼ−3などのプロテナイーゼの特異的なインヒビターとして知られ、そしてこのような弾性分解プロテイナーゼに対するSKALPの基質特異性はSKALPが皮膚炎の調節に携わっていることを示唆する。事実、SKALP活性は正常表皮では認められないが、乾癬などの炎症性皮膚炎を起こした皮膚や、テープストリッピングを施した皮膚においては認められることが報告されている(例えば、Schalkwijk J. et al., Br J Dermatol 1990; 122:631-641)。
【0003】
SKALPは皮膚刺激状態のマーカーとして利用できることが報告されている(Boelsma E. et al., Acta Derm Venereol (Stockh) 1998; 78:107-113(非特許文献1)。皮膚上でのSKALPの発現は、皮膚へのテープストリッピングのような物理的な刺激の適用のみならず、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸といった刺激物の皮膚への塗布によっても亢進することがin vitro試験により明らかにされている。しかもその発現は、in vitro試験における皮膚の培養条件、例えば添加する成長因子などの補助剤の種類や濃度にあまり影響されないことから、SKALPが皮膚刺激の極めて優れたマーカーとなり得ることを物語っている。
【0004】
一方で、生体においてアレルギー等を誘発する物質(感作性物質)を評価する方法としては、実験動物に被験物質を適用し、そして該実験動物の皮膚などに生ずる反応を視察しる方法が主流である。しかしながら、この方法は動物愛護等の見地から見直しがせまられていおり、皮膚刺激状態のin vitro評価手段が期待される。SKALPの測定も皮膚刺激状態の手段の一つとして有望視されるが、Boelsma et al.前掲に記載の方法では、皮膚上のSKALPを免疫染色によりタンパク質レベルで半定量的にしか測定していない。SKALPの発現を遺伝子レベルにおいて、迅速に精度高く、なおかつ高感度で測定する方法の開発ができれば、SKALP遺伝子の発現の測定は皮膚刺激状態評価手段としての有効活用され得る。
【0005】
DNA ポリメラーゼの連鎖反応法(PCR法)は核酸の増幅方法として広く使用されている。このPCR 法の1用途として、リポーター色素1とクエンチャー色素2を結合させたプローブを用いて核酸を測定する方法がある。この方法においては、PCR 法において使用するフォワードプライマーがハイブリダイズする鋳型上の部位とリバースプライマーがハイブリダイズする鋳型上の部位とに挟まれた鋳型上の部位にハイブリダイズし、且つリポーター色素1とクエンチャー色素2が結合しているプローブを用い、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有するDNA ポリメラーゼを用いてPCR 反応を行う。
【0006】
例えば、図1の(A)〜(D)において、フォワードプライマーがDNA ポリメラーゼの使用により伸長してプローブに対すると、プローブを構成するオリゴヌクレオチドは、DNA ポリメラーゼが有する5′→3′エキソヌクレアーゼ活性の作用により分解され、その後を追ってフォワードプライマーの伸長生成物が生成する。
【0007】
この場合、レポーター1とクエンチャー2がプローブに結合している間は近い位置にある両者の相互作用により蛍光を発しないが、プライマーの伸長と共にプローブを構成するオリゴヌクレオチドが分解されればレポーター1とクエンチャー2が切り離され、レポーター1はクエンチャー2の作用を受けないので励起光の照射により蛍光を発する。従って、特定のDNA に特異的にハイブリダイズするプライマー及びプローブを選択することにより、蛍光強度によって特定の核酸を選択的に測定することができる。
この方法はすでにTaqMan PCR(商標)等として広く使用されている(Shibata M. et al., Toxicological Sciences 49: 290-296 (1999)(非特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】特開2002-330792
【非特許文献1】Acta Derm Venereol (Stockh) 1998; 78:107-113
【非特許文献2】Toxicological Sciences 49: 290-296 (1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の方法においては、被験核酸、すなわち鋳型核酸上の上記のごとき位置関係にある1対のプライマー、及びプローブを選択する必要があるが、それのみならず同一のハイブリダイゼーション条件下でプライマーよりも早くプローブが鋳型核酸にハイブリダイズしなければならない。なぜなら、プライマーの伸長生成物(1本鎖核酸)がプローブがハイブリダイズすべき位置を超えて伸長してしまえば、もはやプローブがハイブリダイズすることができず、従ってDNA ポリメラーゼの5′→3′エキソヌクレアーゼ活性により分解されることもできないからである。
【0010】
特定のヌクレオチド配列が既知である2つの核酸がハイブリダイズする場合のハイブリダイズの生じやすさは、融点(Tm)の計算によりある程度推定することができる。しかしながらこの推定によって選択したプライマーとプローブとの組合せが、必ずしも上記DNA 測定法において好結果をもたらすわけではなく、測定すべき特定の核酸につき試行錯誤によりプローブとプライマーの組合せを選択する必要がある。
【0011】
本発明は、皮膚刺激状態を、簡便で、効率的で、短時間で評価することができる手段を提供しようとするものであり、そのために、SKALPをコードする遺伝子の発現量、すなわちmRNA量を測定するための手段として、前記のPCR 法を使用する。そして、本発明は、上記PCR 法の実施のために特に適するプライマー対及びプローブを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明は、上流プライマー及び下流プライマー、並びにレポーターとクエンチャーを有し前記両プライマーに挟まれた領域内で鋳型核酸とハイブリダイズする認識プローブを用い、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有するDNA ポリメラーゼによりポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行うことによってmRNA又はcDNAを測定する方法において、下記のプライマー対及びプローブを使用する。
【0013】
上流プライマー 5' CCTGACACCATGAGGGCCCAG 3' (配列番号:1)
下流プライマー 5' GCTCTTGCGCTTTGACTT 3' (配列番号:2)
認識プローブ 5' CTTGATCGTGGTGGTGTTCCTCATCGCTG 3'(配列番号:3)
あるいは、
上記各配列中の1又は数個、好ましくは4個以下のヌクレオチドの置換、欠失及び/又は付加により修飾されており、且つ対応する領域にハイブリダイズすることができ、長さが少なくとも10個のヌクレオチドであるヌクレオチド配列をそれぞれが有する上流プライマー、下流プライマー及び認識プローブの組合せを用いることもできる。
本発明においてはさらに、ヌクレオチド配列が知られている核酸を特異的に測定することができることが確認されているプライマー及びプローブを用いて該核酸を測定し、これを対照として用いることができる。この様な対照としてグリセロアルデヒド−3−ホスフェート・デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を用いることができる。
【0014】
グリセロアルデヒド−3−ホスフェート・デヒドロゲナーゼ遺伝子測定用の好ましいプライマー及びプローブのヌクレオチド配列は次の通りである。
上流プライマー 5′GAAGGTGAAGGTCGGAGTC 3′ (配列番号:4)
下流プライマー 5′GAAGATGGTGATGGGATTTC 3′ (配列番号:5)
認識プローブ 5′AGGCTGAGAACGGGAAGCTTGT 3′(配列番号:6)
上記各配列中の1又は数個のヌクレオチドの置換、欠失及び/又は付加により修飾されており、且つ対応する領域にハイブリダイズすることができ、長さが少なくとも10個のヌクレオチドであるヌクレオチド配列をそれぞれが有する上流プライマー、下流プライマー及び認識プローブの組合せを用いることもできる。
【0015】
上記の種々のプライマー及びプローブ用のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド数は10〜40個、そして好ましくは20〜30個である。プライマー及びプローブのサイズが長ければ、1本鎖DNA にハイブリダイズしにくくなり、短かすぎるとハイブリダイゼーションの特異性が低下するからである。
【0016】
プライマー及びプローブの上記の特定のヌクレオチド配列は特に好ましい配列であるが、例えば10ヌクレオチド以上、好ましくは20ヌクレオチド以上からなるプライマー又はプローブは、鋳型鎖との間に少数のミスマッチが存在してもハイブリダイズし、PCRのプライマーとして、又は検出用プローブとして機能し得ることが知られている。従って本発明プライマー及びプローブは、上記の特定のヌクレオチド配列を有するものに限定されず、例えば上記の具体的なヌクレオチド配列に対して1又数個、好ましくは4個以下のヌクレオチドの置換、欠失及び/又は付加により修飾されており、且つ所定の領域にハイブリダイズすることができるプライマー及びプローブも本発明に含まれる。
【0017】
本発明に用いるプローブはその一端、例えば5′−末端にレポーター色素を結合しており、そして他端、例えば3′−末端にクエンチャー色素を結合している。レポーター色素が例えば励起光の照射によって蛍光を発する物質であるのに対して、クエンチャーは、該レポーター色素に距離的に接近して存在する場合レポーター色素に作用して蛍光の発生を消去する作用を有するものである。レポーター色素としては、例えば6−カルボキシ−フルオレッセイン(FAM)、テトラクロロ−6−カルボキシフルオレッセイン(TET)、2,7−ジメトキシ−4,5−ジクロロ−6−カルボキシフルオレッセイン(JOE)、ヘキソクロロ−6−カルボキシフルオレッセイン(HEX)等が挙げられ、他方クエンチャー色素としては6−カルボキシ−テトラメチル−ローダミン(TAMRA)等が使用される。
【0018】
プローブオリゴヌクレオチドへのレポーター色素及びクエンチャー色素の結合は、例えばプローブの5′側は、通常数個のメチレン鎖をリンカーとし、末端のリン酸基にFAM分子をリン酸エステルの形で結合し、また、3′側については下に示す構造単位を介し、アミド結合によりTAMRA分子を結合する。
【0019】
【化1】

【0020】
本発明の皮膚刺激状態の評価方法は、皮膚の性状、即ち刺激状態の有無を調べるためだけでなく、例えば皮膚刺激状態改善薬剤をスクリーニングする、又は皮膚感作を及ぼすアレルギー物質の同定のためにも有用である。
皮膚刺激状態の評価方法は、例えば測定対象となる生物体の組織又は細胞を、必要であれば培養し、当該組織又は細胞から常法に従ってmRNAを抽出し、次にそれに対して相補性のcDNAを常法に従って合成した後、本発明のプライマーとプローブを用いて、PCRを行えばよい。対照として、皮膚刺激の既知の試料、例えば顕著な皮膚刺激の認められる皮膚試料及び/又は顕著な皮膚刺激の認められない皮膚試料を用いれば、皮膚状態の相対的な評価が可能となり得る。
皮膚刺激状態改善薬剤のスクリーニングの場合、例えばSKALPを発現する生物体の組織又は細胞に予め候補薬剤をin vitro又はin vivoで作用させ、または当該組織又は細胞を当該候補薬剤の存在下で培養し、当該組織又は細胞から常法に従ってmRNAを抽出し、次にそれに対して相補性のcDNAを常法に従って合成した後、本発明のプライマーとプローブを用いて、PCRを行えばよい。対照薬剤として、例えば皮膚刺激状態の改善効果を有することが既知の薬剤を用いれば、候補薬剤の効能の相対的な評価が可能となり得る。
皮膚感作を及ぼすアレルギー物質の同定の場合も同様に、例えばSKALPを発現する生物体の組織又は細胞に予めアレルギー候補物質をin vitro又はin vivoで作用させ、または当該組織又は細胞を当該物質の存在下で培養し、当該組織又は細胞から常法に従ってmRNAを抽出し、次にそれに対して相補性のcDNAを常法に従って合成した後、本発明のプライマーとプローブを用いて、PCRを行えばよい。対照薬剤として例えば感作刺激の既知な物質を用いれば、物質の感作性の相対的な評価が可能となり得る。
【0021】
本発明はさらに、上記の方法の実施のために使用されるキットをも提供する。このキットは上に定義したプライマー及びプローブを含んで成る。本発明のキットはさらに、対照として使用する核酸及びその核酸を測定するためのプライマー及びプローブを含んでいてもよい。
【0022】
本発明の方法の実施のために使用する組織又は細胞としては任意の動物組織又は細胞を使用することができ、例えば表皮細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞、色素細胞(メラノサイト)、毛母細胞、外毛根鞘細胞、毛乳頭細胞、これらの細胞の培養細胞株等を使用することができ、これらの細胞や組織の由来としては、マウス、ラット、ヒト等の任意の動物からの細胞や組織を使用することができるが、ヒトへの応用の見地からヒト由来の細胞を用いるのが好ましい。
【実施例】
【0023】
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
細胞の調製
ヒトケラチノサイト(倉敷紡績株式会社より購入)を12穴プレートの2×104細胞/ウェル/ml播種し、HuMedia-KG2培地の中で37℃で7日間培養した。コンフルエントになった状態でその細胞培養物を被験物質で処理し、さらに48時間培養し、SKALPの発現の亢進した細胞を調製した。
【0024】
RNA の単離
細胞を2.2ml のチューブに入れ、2000 x g、5分間、4℃で遠心を行い培養液を除去する。残った細胞にISOGEN(ニッポンジーン)を1ml加え、撹拌し室温で5分間放置する。
【0025】
0.2ml のクロロホルムを加え、15秒間撹拌を行う。2−3分間、室温で放置後12000 x g 、15分間、4℃で遠心後、水層を別のチューブに移す。それに0.5ml のイソプロパノールを加え、5−10分間室温で放置後12000 x g 、10分間、4℃で遠心を行い、沈殿物を得る。得られた沈殿物に75%エタノールを加え、12000 x g 、5分間、4℃で遠心を行い、沈殿物を得る。沈殿物を風乾後、蒸留水に溶かす(この溶液をRNA 溶液とする。)。
【0026】
cDNAの合成
1μgのRNA を含むRNA 溶液19μlに200ng/μl random hexmer (Pharmacia) 1μlを加え、65℃で10分間インキュベート後、氷上急冷する。その後、5 x First Strand Buffer (Gibco BRL) 4μl、0.1 M DTT (Gibco BRL) 2μl、2.0mM dNTP (dATP, dTTP, dGTP, dCTP) (宝酒造)5μl、1U/μl RNase Inhibitor(Promega)1μl、200 U/μl M-MLV Reverse Transcriptase (Gibco BRL) 1μlを加え、25℃で10分間、42℃にて50分間、70℃にて15分間インキュベートする。
【0027】
cDNAの測定
cDNA 5μl、10 x PCR緩衝液(Perkin Elmer)5μl、25mM MgCl2 (Perkin Elmer) 7μl、10μMフォワードプライマー1.5 μl、10μMリバースプライマー1.5 μl、3μMプローブ5μl、2.5mM dATP (Perkin Elmer) 1μl、2.5mM dGTP (Perkin Elmer) 1μl、2.5mM dCTP (Perkin Elmer) 1μl、5mM dUTP (Perkin Elmer)1μl、蒸留水20.25 μl、AmpErase(商標) UNG(Perkin Elmer) 0.5μl、AmpliTaq Gold(商標) DNA Polymerase (Perkin Elmer) 0.25μlの混合液をABI PRISM7700 (Perkin Elmer)にセットし、PCR 反応を行う。温度条件は、50℃で2分間、95℃で10分間で保温した後に、(95℃で15秒間、60℃で1分間)のサイクルを40回行い、各サイクルごとに蛍光強度を測定する。
【0028】
SKALPをコードする遺伝子の測定における標準曲線
SKALPをコードする遺伝子(鋳型)の初期分子数(濃度)と、蛍光強度がベースラインから離脱して増加し始めるまでのPCR のサイクル数(Threshold Cycle)CT との関係を試験した。鋳型遺伝子、フォワードプライマー、リバースプライマー及びプローブは次の通りとした。尚、プライマーの設計はオリゴヌクレオチド検索ソフトウェアのPrimer Expressにて行った。
【0029】
遺伝子
鋳型:
上流プライマー:配列番号:1
下流プライマー:配列番号:2
認識プローブ:配列番号:3
レポーター色素:FAM
クエンチャー色素:TAMRA
【0030】
この際、TaqMan PCR 反応条件は、以下のように設定した。
50℃にて2分;95℃にて10分;95℃にて15秒、60℃にて1分の40サイクルまで。結果を図2に示す。これらの結果、遺伝子の測定においても核酸の分子数(濃度)と CT の間に直線関係があり、本発明の方法によって核酸の正確な測定が可能であることが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明の測定法の原理を示す図である。
【図2】TaqMan PCRによる、SKALP遺伝子の標準曲線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流プライマー及び下流プライマー、並びにレポーターとクエンチャーを有し前記両プライマーに挟まれた領域内で鋳型核酸とハイブリダイズする認識プローブを用い、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有するDNA ポリメラーゼによりポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行うことによって皮膚由来抗ロイコプロテイナーゼ(以下、「SKALP」)のmRNA又はcDNAを測定する方法において、
下記の配列を有する上流プライマー、下流プライマー及び認識プローブの組合せ:
上流プライマー 5' CCTGACACCATGAGGGCCCAG 3' (配列番号:1)
下流プライマー 5' GCTCTTGCGCTTTGACTT 3' (配列番号:2)
認識プローブ 5' CTTGATCGTGGTGGTGTTCCTCATCGCTG 3'(配列番号:3)
あるいは、
該各配列中の1又は数個のヌクレオチドの置換、欠失及び/又は付加により修飾されており、且つ対応する領域にハイブリダイズすることができ、長さが少なくとも10個のヌクレオチドであるヌクレオチド配列をそれぞれが有する上流プライマー、下流プライマー及び認識プローブの組合せを用いることを特徴とする、皮膚刺激状態の評価方法。
【請求項2】
対照としてさらに、グリセロアルデヒド−3−ホスフェート・デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子中の、下記の配列を有する上流プライマー、下流プライマー及び認識プローブの組合せ:
上流プライマー 5′GAAGGTGAAGGTCGGAGTC 3′ (配列番号:4)
下流プライマー 5′GAAGATGGTGATGGGATTTC 3′ (配列番号:5)
認識プローブ 5′AGGCTGAGAACGGGAAGCTTGT 3′(配列番号:6)
あるいは、
該各配列中の1又は数個のヌクレオチドの置換、欠失及び/又は付加により修飾されており、且つ対応する領域にハイブリダイズすることができ、長さが少なくとも10個のヌクレオチドであるヌクレオチド配列をそれぞれが有する上流プライマー、下流プライマー及び認識プローブの組合せを用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上流プライマー及び下流プライマー、並びにレポーターとクエンチャーを有し前記両プライマーに挟まれた領域内で鋳型核酸とハイブリダイズする認識プローブを含んで成る、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有するDNA ポリメラーゼによりポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行うことにでSKALPのmRNA又はcDNAを測定し、それにより皮膚刺激状態の評価を行うためのキットであって、
下記の配列を有する上流プライマー及び下流プライマー並びに認識プローブの組合せ:
上流プライマー 5' CCTGACACCATGAGGGCCCAG 3' (配列番号:1)
下流プライマー 5' GCTCTTGCGCTTTGACTT 3' (配列番号:2)
認識プローブ 5' CTTGATCGTGGTGGTGTTCCTCATCGCTG 3'(配列番号:3)
あるいは、
該各配列中の1又は数個のヌクレオチドの置換、欠失及び/又は付加により修飾されており、且つ対応する領域にハイブリダイズすることができ、長さが少なくとも10個のヌクレオチドであるヌクレオチド配列をそれぞれが有する上流プライマー、下流プライマー及び認識プローブの組合せ、
を含んで成るキット。
【請求項4】
対照としてさらに、グリセロアルデヒド−3−ホスフェート・デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子中の、下記の配列を有する上流プライマー、下流プライマー及び認識プローブの組合せ:
上流プライマー 5′GAAGGTGAAGGTCGGAGTC 3′ (配列番号:4)
下流プライマー 5′GAAGATGGTGATGGGATTTC 3′ (配列番号:5)
認識プローブ 5′AGGCTGAGAACGGGAAGCTTGT 3′(配列番号:6)
あるいは、
該各配列中の1又は数個のヌクレオチドの置換、欠失及び/又は付加により修飾されており、且つ対応する領域にハイブリダイズすることができ、長さが少なくとも10個のヌクレオチドであるヌクレオチド配列をそれぞれが有する上流プライマー、下流プライマー及び認識プローブの組合せを用いる、請求項3に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−20569(P2006−20569A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201603(P2004−201603)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】