説明

目標追跡装置及び目標判定方法

【課題】目標エコーを確実に追跡可能な目標追跡装置を提供すること。
【解決手段】本実施形態に係る目標追跡装置は、参照光を発生する参照光発生装置2と、参照光を目標に向け照射する光学部品12と、参照光による目標からの反射光を撮像面に結像させることにより目標エコーを撮像するカメラ11と、カメラ11により撮像された画像上で目標候補を抽出し、カメラ11の視軸と光学部品12の角度とに基づいて、画像上での目標エコーの出現予測範囲を算出し、出現予測範囲にある目標候補を目標エコーと判定する制御装置3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、飛翔体等の目標を捕捉追跡する目標追跡装置及び目標判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
目標追跡装置は、カメラにより撮像された画像情報から目標を捕捉し、捕捉した目標に対し所定の波長域の参照光を照射し、参照光による目標からの反射光(目標エコー)を追跡することを目的とした装置であり、目標エコーを的確に捕捉・追跡する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3111218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、画像上に目標エコーと反射光以外の目標が出現した場合、目標エコーを捕捉・追跡することが困難であった。
【0005】
本実施形態の目的は、目標エコーを確実に追跡可能な目標追跡装置及び目標判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る目標追跡装置は、参照光を発生する発生器と、前記参照光を目標に向け照射する光学部品と、前記参照光による前記目標からの反射光を撮像面に結像させることにより目標エコーを撮像する撮像器と、前記撮像器により撮像された画像上で目標候補を抽出する抽出手段と、前記撮像器の視軸と前記光学部品の角度とに基づいて、前記画像上での前記目標エコーの出現予測範囲を算出する算出手段と、前記出現予測範囲にある目標候補を前記目標エコーと判定する判定手段とを具備する。
【0007】
本実施形態に係る目標判定方法は、参照光を目標に向け照射する光学部品と、前記参照光による前記目標からの反射光を撮像面に結像させることにより目標エコーを撮像する撮像器と備える目標追跡装置に用いられる目標判定方法であって、前記撮像器により撮像された画像上で目標候補を抽出し、前記撮像器の視軸と前記光学部品の角度とに基づいて、前記画像上での前記目標エコーの出現予測範囲を算出し、前記出現予測範囲にある目標候補を前記目標エコーと判定するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る目標追跡装置を示す図。
【図2】目標エコーの出現予測範囲を示す図。
【図3】目標判定処理を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る目標追跡装置及び目標判定方法を説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る目標追跡装置を示す構成図である。この目標追跡装置は、カメラ11、参照光を照射する方向を決めるミラー等の光学部品12、参照光による目標(飛翔体など)からの反射光を受信する受信機13を搭載した追跡装置1と、参照光を発生する参照光発生装置3と、追跡装置1及び参照光発生装置2を制御する制御装置3とを備える。参照光の波長は、可視、赤外線、紫外線のいずれでもよく、また参照光の形態はサーチライト、LED(Light-Emitting Diode)、レーザのいずれでもよい。カメラ11は、参照光の波長域に感度を有する撮像装置で構成される。
【0011】
次に、このように構成された目標追跡装置の動作について説明する。
【0012】
制御装置3は、カメラ11による撮像画像から所定の閾値を用いて目標候補を抽出する。制御装置3は、追跡装置1におけるカメラ11の視軸と光学部品12の角度とに基づいて、光学部品12の角度を画像の座標に変換し、反射光の像(目標エコー)が出現する画像の座標範囲(出現予測範囲)を算出する。図2に、目標エコーの出現予測範囲を示す。
【0013】
このとき、目標との相対距離に応じて出現予測範囲の広さを調整するようにしてもよい。制御装置3は、相対距離が長い場合には出現予測範囲を狭くし、相対距離が短い場合には出現予測範囲を広げる。目標までの相対距離は、参照光発生装置2により発生された参照光を照射してから、目標からの反射光を受信機13で受信するまでの時間をもとに算出することができる。
【0014】
図3は、出現予測範囲に基づいて目標エコーを判定する処理を示す図である。制御装置3は、参照光の照射とともに、出現予測範囲に出現した目標候補の座標(例えば、目標の重心座標)を抽出し、目標候補の座標が出現予測範囲内にあれば目標エコーと判定する。一方、目標候補の座標が出現予測範囲外であれば背景クラッタまたは目標等であると判定する。上記判定において目標エコーと判定した場合は、制御装置3は、当該目標候補を追跡対象に変更する。
【0015】
この判定により、カメラ11による撮像画像上に存在する目標エコーとそれ以外の目標とを正確に識別することができるとともに、いずれ画像上から消滅してしまう目標等を追跡する確率を低減できる。
【0016】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0017】
1…追跡装置、11…カメラ、12…光学部品、13…受信機、2…参照光発生装置、3…制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照光を発生する発生器と、
前記参照光を目標に向け照射する光学部品と、
前記参照光による前記目標からの反射光を撮像面に結像させることにより目標エコーを撮像する撮像器と、
前記撮像器により撮像された画像上で目標候補を抽出する抽出手段と、
前記撮像器の視軸と前記光学部品の角度とに基づいて、前記画像上での前記目標エコーの出現予測範囲を算出する算出手段と、
前記出現予測範囲にある目標候補を前記目標エコーと判定する判定手段と
を具備することを特徴とする目標追跡装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記目標候補の重心座標が前記出現予測範囲に含まれる場合に当該目標候補を前記目標エコーと判定することを特徴とする請求項1記載の目標追跡装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記目標との相対距離に応じて、前記出現予測範囲の広さを調整することを特徴とする請求項1記載の目標追跡装置。
【請求項4】
参照光を目標に向け照射する光学部品と、前記参照光による前記目標からの反射光を撮像面に結像させることにより目標エコーを撮像する撮像器と備える目標追跡装置に用いられる目標判定方法であって、
前記撮像器により撮像された画像上で目標候補を抽出し、
前記撮像器の視軸と前記光学部品の角度とに基づいて、前記画像上での前記目標エコーの出現予測範囲を算出し、
前記出現予測範囲にある目標候補を前記目標エコーと判定することを特徴とする目標判定方法。
【請求項5】
前記判定において、前記目標候補の重心座標が前記出現予測範囲に含まれる場合に当該像を前記目標エコーと判定することを特徴とする請求項4記載の目標判定方法。
【請求項6】
前記算出において、前記目標との相対距離に応じて、前記出現予測範囲の広さを調整することを特徴とする請求項4記載の目標判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−18064(P2012−18064A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155138(P2010−155138)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】