直播機の種子繰出装置
【課題】本発明では、走行しながら種籾等の種子を直接圃場へ播く直播機において、種子ホッパー内の種子を圃場に作溝器で形成した播種溝内に整然と播かれるようにすることが課題である。
【解決手段】種子ホッパー48の底部に所定量の種子を掬い取る繰出穴50を形成した繰出ロール49とこの繰出ロール49の外周を囲んで繰出穴50内の種子を該繰出ロール49の下部に設ける放出筒53側まで案内する繰出ガイド51を設け、前記繰出ロール49の囲みを開いて繰出穴50から種子を排出する繰出ガイド51の開口端縁部51btの位置を上下調整可能にしてなる直播機の種子繰出装置とした。
【解決手段】種子ホッパー48の底部に所定量の種子を掬い取る繰出穴50を形成した繰出ロール49とこの繰出ロール49の外周を囲んで繰出穴50内の種子を該繰出ロール49の下部に設ける放出筒53側まで案内する繰出ガイド51を設け、前記繰出ロール49の囲みを開いて繰出穴50から種子を排出する繰出ガイド51の開口端縁部51btの位置を上下調整可能にしてなる直播機の種子繰出装置とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、種籾等の種子を直接圃場へ播く直播機で、作溝器が圃場に形成する播種溝に種子を整然と播く技術に関する
【背景技術】
【0002】
直播機は、例えば、特開平11−318122号公報に記載の如く、走行車体の後部に牽引するように装着され、種籾ホッパー内の種籾を繰出ロールに設ける繰出溝で少量ずつ受出しながら繰出ロールの回転にて間欠的に吐出管に繰り出し、送風機からこの吐出管に吹き込まれる空気で種籾が吹き送られて吐出管の吹き出し口から圃場に形成した播種溝に種籾を散布するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−318122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の直播機では、種籾ホッパー内の種籾を繰出ロールの回転によって所定量ずつ吐出管に繰り出し、送風機から吹き込まれる空気で種籾に勢いをつけて吐出管から圃場面の播種溝へ散布しているために、種籾が吐出管の内周壁に衝突しながら広く分散し、種籾が播種溝の外に飛散することがある。
【0005】
そこで、本本発明では、走行しながら種籾等の種子を直接圃場へ播く直播機において、種子ホッパー内の種子を圃場に作溝器で形成した播種溝内に整然と播かれるようにすることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、種子ホッパー48の底部に所定量の種子を掬い取る繰出穴50を形成した繰出ロール49とこの繰出ロール49の外周を囲んで繰出穴50内の種子を該繰出ロール49の下部に設ける放出筒53側まで案内する繰出ガイド51を設け、前記繰出ロール49の囲みを開いて繰出穴50から種子を排出する繰出ガイド51の開口端縁部51btの位置を上下調整可能にしてなる直播機の種子繰出装置とした。
【0007】
この構成で、種子ホッパー48から繰出ロール49の繰出穴50に受け入れた種子が繰出ロール49の回転に伴って遠心力で飛び出すのを繰出ガイド51で防ぎながら繰出しガイド51の開口端部51btに至って種子を放出筒53に放出する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明では、繰出ガイド51の開口下端部51btの上下位置を調整することで繰出ロール49の回転速度や種子の重量による放出方向を調整出来て、放出筒53内で種子が放出筒53の内壁に衝突しない方向へ放出して整然と播種溝内へ播種出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】乗用型直播機の右側面図である。
【図2】乗用型直播機の一部拡大背面図である。
【図3】乗用型直播機の一部拡大平面図である。
【図4】繰出しロールの拡大側断面図である。
【図5】種籾繰出しロールの拡大側面図である。
【図6】種籾繰出しロールの下部を示す側断面図である。
【図7】覆土板の作動連係図である。
【図8】制御ブロック図である。
【図9】自動制御のフローチャート図である。
【図10】別実施例の繰出しロールの拡大正断面図である。
【図11】別実施例の繰出しロールの拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の実施例を、図面を参照しながら以下に説明する。
本実施例の直播機は乗用4輪駆動走行形態の直播機であり、図1に示すように通常は作業機として直播装置47が走行車体2の後部に装着される。直播装置47はメインフレーム15の後側に、昇降可能な昇降リンク装置3を介して連結される。昇降リンク装置3を構成する平行リンク40,41の後端の縦リンク43に直播装置47の中央部がローリング軸(図示せず)周りに回動自在に連結され、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。
【0011】
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10,10及び後輪11,11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13,13が設けられ、該前輪ファイナルケース13の変向可能な前輪支持部から外向きに突出する前輪車軸に前輪10,10が取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸18a(図3)を支点にして後輪ギヤケース18,18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18,18から外向きに突出する後輪車軸に後輪11,11が取り付けられている。
【0012】
原動機となるエンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジン20の回転動力が、第一ベルト伝動装置21及び第二ベルト伝動装置23を介してミッションケース12に伝達される。ミッションケース12に伝達された回転動力は、該ミッションケース12内のトランスミッションにて変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13,13に伝達されて前輪10,10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18,18に伝達されて後輪11,11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けたクラッチケース25に伝達され、施肥伝動機構28によって施肥装置5へ伝動される。
【0013】
施肥装置5は、肥料貯留タンク60に貯留されている肥料を肥料繰出部61,・・・によって一定量ずつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62,・・・でセンターフロート55とサイドフロート56,56の左右両側に取り付けた施肥ガイド63,・・・まで導き、施肥ガイド63,・・の前側に設けた播種用作溝器64,・・・によって形成された播種条の側部近傍に形成される施肥構内に吐出するようになっている。
【0014】
肥料貯留タンク60の底部には、エアチャンバ69を設け、モータ(図示せず)で駆動するブロアでエンジンマフラの周りから吸引する温風を吸引ダクトから左右方向に長いエアチャンバ69に吹き込んで肥料を温めて乾燥し、さらに施肥ホース62,・・・内に吹き込み、施肥ホース62,・・・内の肥料を植付部側の施肥ガイド63へ強制的に移送するようになっている。吸引ダクト内には高分子吸収剤などの乾燥剤を封入し、温風の水分を除去して肥料の乾燥が促進されるようにしている。
【0015】
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントパネル32があり、その上方に前輪10,10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントパネル32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。
【0016】
昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41,41を備えている。これら上リンク40と下リンク41,41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム45の先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、該昇降油圧シリンダ46を油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、直播装置47がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
【0017】
直播装置47は、上部の種子ホッパー48から種籾を繰り出す繰出ロール49、この繰出ロール49を筒状に覆う繰出ガイド51、更に、この繰出ガイド51から繰出落下する種籾を風で乱れないように囲む放出筒53からなる。
【0018】
種子ブラケット52に円柱状の繰出ロール49を横架し、この繰出ロール49の外周面の四等配位置に繰出穴50を形成している。
繰出ロール49を囲む繰出ガイド51は、上側の種籾取込口51aと下側の種籾取出口51bを開口して、調整レバー54で繰出ロール49を中心に回動可能にして、繰出ロール49の回転方向Aの前側になる繰出ガイド51の開口端縁部51btの位置が繰出ロール49の中心に対して垂直方向からの角度αを76°を基準にして調整できるようにしている。
【0019】
繰出穴50内の種籾は一旦繰出ガイド51で遠心力を受けられて繰出ガイド51の開口端縁部51btから略垂直方向に落下するようになる。種籾の落下方向は種籾の重さや繰出ロール49の回転速度によって異なるために、繰出ガイド51の開口端縁部51btの位置を調整して種籾が放出筒53の内壁に衝突しないようにする。
【0020】
繰出ガイド51の種籾取込口51a側には、スクレーパブラシ79を設けるブラシ取付体57を種子ブラケット52に種子ホッパー48で挟んで取り付けている。このスクレーパブラシ79で繰出ロール49の外周面が掃き均される。
【0021】
繰出ロール49が回転すると種子ホッパー48内の一定量の種籾が繰出穴50に取り込まれ、取り込まれた種籾が繰出ロール49の回転で繰出ガイド51の開口端縁部51btに至って、放出筒53の内壁に当たらないように放出され、播種用作溝器64が形成する播種溝に播種されることになる。
【0022】
放出筒53から落下する種籾は、放出筒53と播種用作溝器64の上側に設ける播種カバー91で囲まれた空間を落下して風の影響を受けず播種溝内へ落下する。
なお、繰出ガイド51を繰出ロール49に対して接近・離間可能にして、コーティング籾を播種する場合に繰出ガイド51を繰出ロール49から離してコーティング剤が剥離しないようにすることも出来る。
【0023】
種子取込口51aのスクレーパブラシ79と反対側には、残留種籾を取り出す残留種籾取出口38を設け、この残留種籾取出口38を開閉する取出蓋37を支軸36に取り付け、種子ブラケット52の外側端部で支軸36に固着の残留取出レバー39を回動して残留種籾取出し口38を開き、種子ホッパー48に残る残留種籾を種子ブラケット52の側部に設ける残留ケース80内に排出させる。
【0024】
図10と図11に、繰出ロール49の別実施例を示している。
繰出軸33に固着の繰出ロール49を中空としその中空内壁に種籾よりも目合いの細かい網81を張って繰出穴50の底部が網81となるようにして、種子ブラケット52の吸引口14から空気を吸引して繰出穴50に種籾を吸引するようにしている。このようにすることで、繰出ロール49が高速で回転しても繰出穴50へ確実に種籾を取り込むようになる。
【0025】
なお、網81の種子取出口51b側内面にはマスク89を設けて、繰出穴50に吸引力が働かないようにし、マスク89の内面89aを吸引口14側に傾けて種籾から剥離して溜まるコーティング剤の粉を吸引口14側へ誘導し、吸引口14の底部に設ける回収蓋88を開いて外部へ取り出せるようにしている。
【0026】
なお、繰出ガイド51に細かい吸引口を設けて外周に接する吸引管90からコーティング剤の粉を吸引するようにすることも出来る。前記細かい吸引口は、繰出ガイド51に開口部を設け、該開口部に網92を取り付けて構成することが出来る。
【0027】
直播装置47の下部にはセンターフロート55及びサイドフロート56,56が設けられている。これらセンターフロート55とサイドフロート56,56を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、センターフロート55とサイドフロート56,56が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に直播装置47により種籾が播かれる。
【0028】
センターフロート55とサイドフロート56,56は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、直播作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が迎角センサ24により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて直播装置47を昇降させることにより、種籾の播種深さを常に一定に維持する。
【0029】
図2に、図1の直播装置47の整地ロータ支持構造の要部背面図を示し、図3に整地ロータ27とセンターフロート55とサイドフロート56,56部分の要部平面図を示す。
整地ロータ支持構造は、左右方向の支持杆と上下方向に伸びる両側辺部材からなる矩形の支持枠体65(図1)の両側辺部材に上端を回動自在に支持された梁部材66(図2)と該梁部材66の両端に固着した支持アーム67と該支持アーム67に回動自在に取り付けられたロータ支持フレーム68が設けられている。該ロータ支持フレーム68の下端には整地用サイドロータ27aのサイドロータ駆動軸70aが取り付けられている。
【0030】
図3に示すように、センターフロート55とサイドフロート56,56との配置位置の関係でセンターフロート55の前方にあるセンタロータ27bはサイドフロート56の前方にあるサイドロータ27aより前方に配置されている。そのためサイドロータ27aのサイドロータ駆動軸70aへの動力は後輪11のギヤケース18内の整地変速装置72(図1)等を介して伝達され、センタロータ27bのセンタロータ駆動軸70bは両方のサイドロータ27a,27aのサイドロータ駆動軸70a,70aの車体内側の端部からそれぞれ動力が伝達される左右一対のチェーンケース73,73内の一対のチェーン(図示せず)から動力伝達される。
【0031】
なお、整地変速装置72内には変速ベルトコンベア操作モータがあり、車速に応じて整地サイドロータ27a,27aの回転速度を変更することができる。
センタロータ27bのセンタロータ駆動軸70bは左右一対のチェーンケース73,73を介して支持されているだけなので、チェーンケース73,73の補強のために左右一対のチェーンケース73,73を橋渡しする補強部材74が設けられている。
【0032】
また、センタロータ27bは梁部材66に上端部が支持された一対の第一リンク部材76と第二リンク部材77によりスプリング78を介して吊り下げられている。この第一リンク部材76と第二リンク部材77は梁部材66に一端部が固着支持された第一リンク部材76と該第一リンク76の他端部に一端が回動自在に連結した第二リンク部材77からなり、該第二リンク部材77の他端部と補強部材74に回動自在に支持された取付片74aとの間に前記スプリング78が接続している。
【0033】
また、支持枠体65に取り付けたロータ昇降用モータ44のモータ軸には折曲片82が固着されている。そして前記ロータ昇降用モータ44のモータ軸が車両の左右方向に回動制御されると、支持枠体65の両側辺部材に回動自在に支持された梁部材66に固着支持された突出部66aの近くを折曲片82が上下に回動する。折曲片82は前記突出部66aの下方を係止しているので、該突出部66aがロータ昇降用モータ44のモータ軸の機体右方向(図2の矢印S方向)の回動で、上向きに梁部材66を中心として回動する。該突出部66aの前記回動により第一リンク部材76の梁部材66との連結部と反対側の端部も梁部材66を中心として上向きに回動する。この第一リンク部材76の上方への回動により第二リンク部材77とスプリング78を介してセンタロータ27bを上方に上げることができる。センタロータ27bを上方に移動させると、センタロータ駆動軸70bとサイドロータ駆動軸70aを介してサイドロータ27aも同時に上方に移動する。
【0034】
センターフロート55とサイドフロート56,56の両側には一対の播種用作溝器64と該播種用作溝器64でできた圃場の溝を埋める一対の覆土板59が設けられている。
播種用作溝器64は、センターフロート55とサイドフロート56,56に前後スライド可能に取り付け、直播装置47の上昇に伴って前にスライドして機体バランスを良くするようにしている。
【0035】
また、播種用作溝器64は、上下動するようにして、畦際に播種する際には圃場が硬いので、播種用作溝器64を下げて播種溝を深くする。畦際の判断は、一部の播種条への播種を停止する畦クラッチ切であったり、サイドマーカを上昇させたり、機体旋回させたりすることで畦際への播種状態であるとする。
【0036】
浮きによる水深センサが深さを検出した場合に、送風管84から播種溝内にブロアからの風を吹き込むようにして、種籾を底に沈めて浮き上がらないようにする。
図7にはセンターフロート55とサイドフロート56,56部分の平面図を示し、センターフロート55とサイドフロート56,56に設けられた覆土板59の作動用部材の機構図を示す。
【0037】
制御装置4により作動制御される覆土板作動用モータ9の入・切でワイヤ71を介して一対のアーム75,75を揺動させてアーム先端の覆土板59を矢印B方向に揺動させる。この覆土板59が揺動することで播種用作溝器64が形成した播種溝に播種した種籾を覆土することができる。すなわち、覆土板作動用モータ9を切から入に動かすとワイヤ71を経由して一対のアーム75,75の基部が牽引され、各アーム75の先端に設けたトルクスプリング(図示せず)を介して所定の角度で連結している覆土板59が揺動する。
【0038】
走行車体2が畦に乗り上げながら直播装置47で播種を続行する場合には直播装置47を少し上昇させるが、この時は、前輪10のデフ機能を停止してスリップを防ぎ、旋回時の旋回内側ブレーキのポンピングを停止し、サイドフロート56の上昇制限を解除する。
【0039】
図8は、直播装置47の昇降を自動制御する制御装置4への制御信号入出力を示す制御ブロック図である。
入力信号は、ハンドル34の近傍に設けた播種終了スイッチ16から播種作業終了を作動させるためのオン・オフ信号、走行車体2に設けた前後傾斜角センサ17からの傾斜角度信号、後輪11の回転数を検出する後輪回転数センサ19からの回転数信号、昇降リンク装置3に設ける昇降リンクセンサ22からの直播装置47の走行車体2に対する位置信号、センターフロート55に設けた迎角センサ24からのセンターフロート55の傾き信号、播種スイッチ26から繰出ロール49を作動させるためのオン・オフ信号、試し播種ボタン86のオン・オフ信号、センタロータ27bの後部に設ける硬軟センサ87からの圃場の硬軟信号である。
【0040】
出力信号は、昇降油圧シリンダ46の伸縮を制御する播種部昇降用電磁バルブ29への伸縮指令信号と播種クラッチモータ85への繰出ロール49の駆動信号、ロータ昇降用モータ44への整地ロータ27(サイドロータ27aとセンタロータ27b)の昇降駆動信号、ミッションケース12に付設する油圧無段変速装置の変速を行うトラニオン軸を回動する変速用アクチュエータ83への駆動信号、覆土板59を覆土作用させる覆土板作動用モータ9へのオン・オフ信号である。
【0041】
制御装置4の制御は、播種終了スイッチ16をオンすると、ロータ昇降用モータ44に整地ロータ27を上昇させる制御を行い、迎角センサ24による直播装置47の油圧制御感度を敏感にし、変速用アクチュエータ83に油圧無段変速装置を減速にさせる制御を行う。
【0042】
フロントパネル32に設ける試し播種ボタン86は、覆土板59を一時的に覆土作用させないようにして播種溝への種籾の散布密度等を観察できるようにするボタンで、図9の如く制御する。
【0043】
ステップS1で試し播種ボタン86のオンを判定し、オンであればステップS2で覆土板作動用モータ9を非覆土状態にし、ステップS3で後輪回転数センサ19の累計回転数が所定回転数に達したかつまり所定距離走行したかをカウントし、ステップS4で覆土板作動用モータ9を覆土状態にする。ステップS1で試し播種ボタン86がオンでなれれば、ステップS5で硬軟センサ87での硬軟判断で覆土板作動用モータ9を覆土状態にしてリターンする。
【符号の説明】
【0044】
48 種子ホッパー
49 繰出ロール
50 繰出穴
51 繰出ガイド
51bt 開口端部
53 放出筒
【技術分野】
【0001】
この発明は、種籾等の種子を直接圃場へ播く直播機で、作溝器が圃場に形成する播種溝に種子を整然と播く技術に関する
【背景技術】
【0002】
直播機は、例えば、特開平11−318122号公報に記載の如く、走行車体の後部に牽引するように装着され、種籾ホッパー内の種籾を繰出ロールに設ける繰出溝で少量ずつ受出しながら繰出ロールの回転にて間欠的に吐出管に繰り出し、送風機からこの吐出管に吹き込まれる空気で種籾が吹き送られて吐出管の吹き出し口から圃場に形成した播種溝に種籾を散布するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−318122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の直播機では、種籾ホッパー内の種籾を繰出ロールの回転によって所定量ずつ吐出管に繰り出し、送風機から吹き込まれる空気で種籾に勢いをつけて吐出管から圃場面の播種溝へ散布しているために、種籾が吐出管の内周壁に衝突しながら広く分散し、種籾が播種溝の外に飛散することがある。
【0005】
そこで、本本発明では、走行しながら種籾等の種子を直接圃場へ播く直播機において、種子ホッパー内の種子を圃場に作溝器で形成した播種溝内に整然と播かれるようにすることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、種子ホッパー48の底部に所定量の種子を掬い取る繰出穴50を形成した繰出ロール49とこの繰出ロール49の外周を囲んで繰出穴50内の種子を該繰出ロール49の下部に設ける放出筒53側まで案内する繰出ガイド51を設け、前記繰出ロール49の囲みを開いて繰出穴50から種子を排出する繰出ガイド51の開口端縁部51btの位置を上下調整可能にしてなる直播機の種子繰出装置とした。
【0007】
この構成で、種子ホッパー48から繰出ロール49の繰出穴50に受け入れた種子が繰出ロール49の回転に伴って遠心力で飛び出すのを繰出ガイド51で防ぎながら繰出しガイド51の開口端部51btに至って種子を放出筒53に放出する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明では、繰出ガイド51の開口下端部51btの上下位置を調整することで繰出ロール49の回転速度や種子の重量による放出方向を調整出来て、放出筒53内で種子が放出筒53の内壁に衝突しない方向へ放出して整然と播種溝内へ播種出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】乗用型直播機の右側面図である。
【図2】乗用型直播機の一部拡大背面図である。
【図3】乗用型直播機の一部拡大平面図である。
【図4】繰出しロールの拡大側断面図である。
【図5】種籾繰出しロールの拡大側面図である。
【図6】種籾繰出しロールの下部を示す側断面図である。
【図7】覆土板の作動連係図である。
【図8】制御ブロック図である。
【図9】自動制御のフローチャート図である。
【図10】別実施例の繰出しロールの拡大正断面図である。
【図11】別実施例の繰出しロールの拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の実施例を、図面を参照しながら以下に説明する。
本実施例の直播機は乗用4輪駆動走行形態の直播機であり、図1に示すように通常は作業機として直播装置47が走行車体2の後部に装着される。直播装置47はメインフレーム15の後側に、昇降可能な昇降リンク装置3を介して連結される。昇降リンク装置3を構成する平行リンク40,41の後端の縦リンク43に直播装置47の中央部がローリング軸(図示せず)周りに回動自在に連結され、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。
【0011】
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10,10及び後輪11,11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13,13が設けられ、該前輪ファイナルケース13の変向可能な前輪支持部から外向きに突出する前輪車軸に前輪10,10が取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸18a(図3)を支点にして後輪ギヤケース18,18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18,18から外向きに突出する後輪車軸に後輪11,11が取り付けられている。
【0012】
原動機となるエンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジン20の回転動力が、第一ベルト伝動装置21及び第二ベルト伝動装置23を介してミッションケース12に伝達される。ミッションケース12に伝達された回転動力は、該ミッションケース12内のトランスミッションにて変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13,13に伝達されて前輪10,10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18,18に伝達されて後輪11,11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けたクラッチケース25に伝達され、施肥伝動機構28によって施肥装置5へ伝動される。
【0013】
施肥装置5は、肥料貯留タンク60に貯留されている肥料を肥料繰出部61,・・・によって一定量ずつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62,・・・でセンターフロート55とサイドフロート56,56の左右両側に取り付けた施肥ガイド63,・・・まで導き、施肥ガイド63,・・の前側に設けた播種用作溝器64,・・・によって形成された播種条の側部近傍に形成される施肥構内に吐出するようになっている。
【0014】
肥料貯留タンク60の底部には、エアチャンバ69を設け、モータ(図示せず)で駆動するブロアでエンジンマフラの周りから吸引する温風を吸引ダクトから左右方向に長いエアチャンバ69に吹き込んで肥料を温めて乾燥し、さらに施肥ホース62,・・・内に吹き込み、施肥ホース62,・・・内の肥料を植付部側の施肥ガイド63へ強制的に移送するようになっている。吸引ダクト内には高分子吸収剤などの乾燥剤を封入し、温風の水分を除去して肥料の乾燥が促進されるようにしている。
【0015】
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントパネル32があり、その上方に前輪10,10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントパネル32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。
【0016】
昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41,41を備えている。これら上リンク40と下リンク41,41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム45の先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、該昇降油圧シリンダ46を油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、直播装置47がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
【0017】
直播装置47は、上部の種子ホッパー48から種籾を繰り出す繰出ロール49、この繰出ロール49を筒状に覆う繰出ガイド51、更に、この繰出ガイド51から繰出落下する種籾を風で乱れないように囲む放出筒53からなる。
【0018】
種子ブラケット52に円柱状の繰出ロール49を横架し、この繰出ロール49の外周面の四等配位置に繰出穴50を形成している。
繰出ロール49を囲む繰出ガイド51は、上側の種籾取込口51aと下側の種籾取出口51bを開口して、調整レバー54で繰出ロール49を中心に回動可能にして、繰出ロール49の回転方向Aの前側になる繰出ガイド51の開口端縁部51btの位置が繰出ロール49の中心に対して垂直方向からの角度αを76°を基準にして調整できるようにしている。
【0019】
繰出穴50内の種籾は一旦繰出ガイド51で遠心力を受けられて繰出ガイド51の開口端縁部51btから略垂直方向に落下するようになる。種籾の落下方向は種籾の重さや繰出ロール49の回転速度によって異なるために、繰出ガイド51の開口端縁部51btの位置を調整して種籾が放出筒53の内壁に衝突しないようにする。
【0020】
繰出ガイド51の種籾取込口51a側には、スクレーパブラシ79を設けるブラシ取付体57を種子ブラケット52に種子ホッパー48で挟んで取り付けている。このスクレーパブラシ79で繰出ロール49の外周面が掃き均される。
【0021】
繰出ロール49が回転すると種子ホッパー48内の一定量の種籾が繰出穴50に取り込まれ、取り込まれた種籾が繰出ロール49の回転で繰出ガイド51の開口端縁部51btに至って、放出筒53の内壁に当たらないように放出され、播種用作溝器64が形成する播種溝に播種されることになる。
【0022】
放出筒53から落下する種籾は、放出筒53と播種用作溝器64の上側に設ける播種カバー91で囲まれた空間を落下して風の影響を受けず播種溝内へ落下する。
なお、繰出ガイド51を繰出ロール49に対して接近・離間可能にして、コーティング籾を播種する場合に繰出ガイド51を繰出ロール49から離してコーティング剤が剥離しないようにすることも出来る。
【0023】
種子取込口51aのスクレーパブラシ79と反対側には、残留種籾を取り出す残留種籾取出口38を設け、この残留種籾取出口38を開閉する取出蓋37を支軸36に取り付け、種子ブラケット52の外側端部で支軸36に固着の残留取出レバー39を回動して残留種籾取出し口38を開き、種子ホッパー48に残る残留種籾を種子ブラケット52の側部に設ける残留ケース80内に排出させる。
【0024】
図10と図11に、繰出ロール49の別実施例を示している。
繰出軸33に固着の繰出ロール49を中空としその中空内壁に種籾よりも目合いの細かい網81を張って繰出穴50の底部が網81となるようにして、種子ブラケット52の吸引口14から空気を吸引して繰出穴50に種籾を吸引するようにしている。このようにすることで、繰出ロール49が高速で回転しても繰出穴50へ確実に種籾を取り込むようになる。
【0025】
なお、網81の種子取出口51b側内面にはマスク89を設けて、繰出穴50に吸引力が働かないようにし、マスク89の内面89aを吸引口14側に傾けて種籾から剥離して溜まるコーティング剤の粉を吸引口14側へ誘導し、吸引口14の底部に設ける回収蓋88を開いて外部へ取り出せるようにしている。
【0026】
なお、繰出ガイド51に細かい吸引口を設けて外周に接する吸引管90からコーティング剤の粉を吸引するようにすることも出来る。前記細かい吸引口は、繰出ガイド51に開口部を設け、該開口部に網92を取り付けて構成することが出来る。
【0027】
直播装置47の下部にはセンターフロート55及びサイドフロート56,56が設けられている。これらセンターフロート55とサイドフロート56,56を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、センターフロート55とサイドフロート56,56が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に直播装置47により種籾が播かれる。
【0028】
センターフロート55とサイドフロート56,56は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、直播作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が迎角センサ24により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて直播装置47を昇降させることにより、種籾の播種深さを常に一定に維持する。
【0029】
図2に、図1の直播装置47の整地ロータ支持構造の要部背面図を示し、図3に整地ロータ27とセンターフロート55とサイドフロート56,56部分の要部平面図を示す。
整地ロータ支持構造は、左右方向の支持杆と上下方向に伸びる両側辺部材からなる矩形の支持枠体65(図1)の両側辺部材に上端を回動自在に支持された梁部材66(図2)と該梁部材66の両端に固着した支持アーム67と該支持アーム67に回動自在に取り付けられたロータ支持フレーム68が設けられている。該ロータ支持フレーム68の下端には整地用サイドロータ27aのサイドロータ駆動軸70aが取り付けられている。
【0030】
図3に示すように、センターフロート55とサイドフロート56,56との配置位置の関係でセンターフロート55の前方にあるセンタロータ27bはサイドフロート56の前方にあるサイドロータ27aより前方に配置されている。そのためサイドロータ27aのサイドロータ駆動軸70aへの動力は後輪11のギヤケース18内の整地変速装置72(図1)等を介して伝達され、センタロータ27bのセンタロータ駆動軸70bは両方のサイドロータ27a,27aのサイドロータ駆動軸70a,70aの車体内側の端部からそれぞれ動力が伝達される左右一対のチェーンケース73,73内の一対のチェーン(図示せず)から動力伝達される。
【0031】
なお、整地変速装置72内には変速ベルトコンベア操作モータがあり、車速に応じて整地サイドロータ27a,27aの回転速度を変更することができる。
センタロータ27bのセンタロータ駆動軸70bは左右一対のチェーンケース73,73を介して支持されているだけなので、チェーンケース73,73の補強のために左右一対のチェーンケース73,73を橋渡しする補強部材74が設けられている。
【0032】
また、センタロータ27bは梁部材66に上端部が支持された一対の第一リンク部材76と第二リンク部材77によりスプリング78を介して吊り下げられている。この第一リンク部材76と第二リンク部材77は梁部材66に一端部が固着支持された第一リンク部材76と該第一リンク76の他端部に一端が回動自在に連結した第二リンク部材77からなり、該第二リンク部材77の他端部と補強部材74に回動自在に支持された取付片74aとの間に前記スプリング78が接続している。
【0033】
また、支持枠体65に取り付けたロータ昇降用モータ44のモータ軸には折曲片82が固着されている。そして前記ロータ昇降用モータ44のモータ軸が車両の左右方向に回動制御されると、支持枠体65の両側辺部材に回動自在に支持された梁部材66に固着支持された突出部66aの近くを折曲片82が上下に回動する。折曲片82は前記突出部66aの下方を係止しているので、該突出部66aがロータ昇降用モータ44のモータ軸の機体右方向(図2の矢印S方向)の回動で、上向きに梁部材66を中心として回動する。該突出部66aの前記回動により第一リンク部材76の梁部材66との連結部と反対側の端部も梁部材66を中心として上向きに回動する。この第一リンク部材76の上方への回動により第二リンク部材77とスプリング78を介してセンタロータ27bを上方に上げることができる。センタロータ27bを上方に移動させると、センタロータ駆動軸70bとサイドロータ駆動軸70aを介してサイドロータ27aも同時に上方に移動する。
【0034】
センターフロート55とサイドフロート56,56の両側には一対の播種用作溝器64と該播種用作溝器64でできた圃場の溝を埋める一対の覆土板59が設けられている。
播種用作溝器64は、センターフロート55とサイドフロート56,56に前後スライド可能に取り付け、直播装置47の上昇に伴って前にスライドして機体バランスを良くするようにしている。
【0035】
また、播種用作溝器64は、上下動するようにして、畦際に播種する際には圃場が硬いので、播種用作溝器64を下げて播種溝を深くする。畦際の判断は、一部の播種条への播種を停止する畦クラッチ切であったり、サイドマーカを上昇させたり、機体旋回させたりすることで畦際への播種状態であるとする。
【0036】
浮きによる水深センサが深さを検出した場合に、送風管84から播種溝内にブロアからの風を吹き込むようにして、種籾を底に沈めて浮き上がらないようにする。
図7にはセンターフロート55とサイドフロート56,56部分の平面図を示し、センターフロート55とサイドフロート56,56に設けられた覆土板59の作動用部材の機構図を示す。
【0037】
制御装置4により作動制御される覆土板作動用モータ9の入・切でワイヤ71を介して一対のアーム75,75を揺動させてアーム先端の覆土板59を矢印B方向に揺動させる。この覆土板59が揺動することで播種用作溝器64が形成した播種溝に播種した種籾を覆土することができる。すなわち、覆土板作動用モータ9を切から入に動かすとワイヤ71を経由して一対のアーム75,75の基部が牽引され、各アーム75の先端に設けたトルクスプリング(図示せず)を介して所定の角度で連結している覆土板59が揺動する。
【0038】
走行車体2が畦に乗り上げながら直播装置47で播種を続行する場合には直播装置47を少し上昇させるが、この時は、前輪10のデフ機能を停止してスリップを防ぎ、旋回時の旋回内側ブレーキのポンピングを停止し、サイドフロート56の上昇制限を解除する。
【0039】
図8は、直播装置47の昇降を自動制御する制御装置4への制御信号入出力を示す制御ブロック図である。
入力信号は、ハンドル34の近傍に設けた播種終了スイッチ16から播種作業終了を作動させるためのオン・オフ信号、走行車体2に設けた前後傾斜角センサ17からの傾斜角度信号、後輪11の回転数を検出する後輪回転数センサ19からの回転数信号、昇降リンク装置3に設ける昇降リンクセンサ22からの直播装置47の走行車体2に対する位置信号、センターフロート55に設けた迎角センサ24からのセンターフロート55の傾き信号、播種スイッチ26から繰出ロール49を作動させるためのオン・オフ信号、試し播種ボタン86のオン・オフ信号、センタロータ27bの後部に設ける硬軟センサ87からの圃場の硬軟信号である。
【0040】
出力信号は、昇降油圧シリンダ46の伸縮を制御する播種部昇降用電磁バルブ29への伸縮指令信号と播種クラッチモータ85への繰出ロール49の駆動信号、ロータ昇降用モータ44への整地ロータ27(サイドロータ27aとセンタロータ27b)の昇降駆動信号、ミッションケース12に付設する油圧無段変速装置の変速を行うトラニオン軸を回動する変速用アクチュエータ83への駆動信号、覆土板59を覆土作用させる覆土板作動用モータ9へのオン・オフ信号である。
【0041】
制御装置4の制御は、播種終了スイッチ16をオンすると、ロータ昇降用モータ44に整地ロータ27を上昇させる制御を行い、迎角センサ24による直播装置47の油圧制御感度を敏感にし、変速用アクチュエータ83に油圧無段変速装置を減速にさせる制御を行う。
【0042】
フロントパネル32に設ける試し播種ボタン86は、覆土板59を一時的に覆土作用させないようにして播種溝への種籾の散布密度等を観察できるようにするボタンで、図9の如く制御する。
【0043】
ステップS1で試し播種ボタン86のオンを判定し、オンであればステップS2で覆土板作動用モータ9を非覆土状態にし、ステップS3で後輪回転数センサ19の累計回転数が所定回転数に達したかつまり所定距離走行したかをカウントし、ステップS4で覆土板作動用モータ9を覆土状態にする。ステップS1で試し播種ボタン86がオンでなれれば、ステップS5で硬軟センサ87での硬軟判断で覆土板作動用モータ9を覆土状態にしてリターンする。
【符号の説明】
【0044】
48 種子ホッパー
49 繰出ロール
50 繰出穴
51 繰出ガイド
51bt 開口端部
53 放出筒
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種子ホッパー(48)の底部に所定量の種子を掬い取る繰出穴(50)を形成した繰出ロール(49)とこの繰出ロール(49)の外周を囲んで繰出穴(50)内の種子を該繰出ロール(49)の下部に設ける放出筒(53)側まで案内する繰出ガイド(51)を設け、前記繰出ロール(49)の囲みを開いて繰出穴(50)から種子を排出する繰出ガイド(51)の開口端縁部(51bt)の位置を上下調整可能にしてなる直播機の種子繰出装置。
【請求項1】
種子ホッパー(48)の底部に所定量の種子を掬い取る繰出穴(50)を形成した繰出ロール(49)とこの繰出ロール(49)の外周を囲んで繰出穴(50)内の種子を該繰出ロール(49)の下部に設ける放出筒(53)側まで案内する繰出ガイド(51)を設け、前記繰出ロール(49)の囲みを開いて繰出穴(50)から種子を排出する繰出ガイド(51)の開口端縁部(51bt)の位置を上下調整可能にしてなる直播機の種子繰出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−268770(P2010−268770A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125503(P2009−125503)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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