説明

真空吸着装置およびその製造方法

【課題】吸着面の平坦度が良好であり、耐久性に優れ、製造が容易な真空吸着装置を提供する。
【解決手段】セラミックス/ガラス複合多孔質材からなる中央の載置部21と、その外周に設けられたセラミックス/ ガラス複合多孔質材からなる1以上の環状の載置部(22、23、24)と、載置部間に形成された溶射セラミックスを主体とする隔壁部(31,32,33)と、載置部の気孔に連通する吸引孔を備えた支持部1と、を具備し、載置部、隔壁部、および支持部の間はそれぞれ実質的に隙間なく各部が直接に接合された構造となっていることを特徴とする真空吸着装置。溶射セラミックスを主体とする隔壁部は、気孔を有しており、該気孔の少なくとも一部は、気孔内部に融着したガラスにより封止されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体ウエハやガラス基板等の被吸着物を吸着保持する真空吸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハの研磨、切断装置においてウエハを固定する冶具として、多孔質材の吸着部を介してウエハを真空吸着する真空チャックが用いられてきた。近年のウエハの大口径化に伴って真空チャックも大型化しているが、依然径の小さいウエハも多く扱われていることから、1つの真空チャックで径の異なるウエハを真空吸着できるユニバーサルチャックが用いられている(図9)。ユニバーサルチャックは、多孔質材の載置部と、例えば4インチ、5インチ及び6インチ径の同心円上に所定の幅を持ったリング形状の緻密質隔壁部とから構成され、それぞれの径に対応したウエハを吸着させるものである。小さい径のウエハを吸着した場合でも、緻密質隔壁部があれば十分な吸着力を確保でき、ウエハの径に対応した載置部にのみ真空吸着力を作用させれば、ウエハよりも大きい径の載置部からの無駄なエアや研削液の吸い込みも抑えることができる。
【0003】
しかし、このようなユニバーサルチャックでは、大きい径のウエハを真空吸着してウエハの研磨加工を行った場合に、小さい径のウエハ用に形成された緻密質隔壁部のリング形状が研磨後のウエハに転写される問題がある。これは、緻密質隔壁部と載置部の多孔質材との材質が異なるためにウエハの支持剛性に差が生じ、ウエハの多孔質材で支持された部分と緻密質隔壁部で支持された部分とで研磨速度が異なるために起こると考えられた。そこで、支持剛性を均一化するための種々の対策が提案されてきた。
【0004】
例えば、通気性ポ−ラスセラミック製円板を中心とし、この円板の外周に軸心を同一、かつ、高さを同一にした複数の通気性ポ−ラスセラミック製環状体が配列され、前記通気性ポ−ラスセラミック製円板と通気性ポ−ラスセラミック製環状体の間および通気性ポ−ラスセラミック製環状体同士の間には、幅が0.1〜0.8mm、高さが前記円板と同一の溶射セラミックの非通気性薄膜環状仕切壁が配列されて全体として1枚の円盤を構成する、ユニバ−サルチャック用ウエハ取付板が提案されている(特許文献1参照)。このウエハ取付板によれば、非通気性の環状薄膜仕切壁の幅が0.1〜0.8mm、好ましくは0.2〜0.5mmと狭く、かつ、溶射セラミックで形成したので、ウエハ研削・研磨時、ウエハ吸着の減圧度を低くすることができるとともに、研削・研磨されたウエハにはこれら非通気性の環状薄膜仕切壁の模様が転写されず、極めて平坦性の優れるウエハを提供できるとされている。
【0005】
また、上記技術に関連する例として、上記ウエハ取付板の底面部を不通気性薄膜環状仕切壁を取り囲むように無機充填剤を含有する樹脂接着剤を融着して形成した環状の密着層が設けられた技術が提案されており(特許文献2参照)、ポーラスセラミックを加圧水にて洗浄する、いわゆる逆洗時においても、不通気性薄膜環状仕切壁より加圧水が滲み出ることが無いとされている。
【特許文献1】特開2000−158268号公報
【特許文献2】特開2005−135940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記技術を実現するには、次のような問題があった。すなわち、多孔質材に溶射した後、溶射膜の外側に環状多孔質材のグリーンシートを形成して焼結すると、溶射膜が焼成収縮を起こして亀裂を生じ、隔壁部として機能しなくなる場合があった。また、グリーンシート自体も焼成収縮し易いため、中心の多孔質材または内側の環状多孔質材の形状に適合せず、割れや歪みが生じる問題があった。さらに、隔壁部の数が多くなりグリーンシートの焼結回数が多くなると中心の多孔質材の加熱回数も増えるため、中心の多孔質材の焼結が進行して収縮し、隔壁部に隙間ができることがあった。このような問題が生じると、隔壁部が機能しなくなるため、ウエハを十分な強さで保持することができなくなるし、エアや研削液の吸い込みが多くなるので多孔質材に研削屑が入り込みやすくなる。さらに、逆洗を行っても研削屑等の汚れを除去することが困難になる。
【0007】
また、上記技術では、ウエハ取付板である多孔質材と基台となる支持部材との接合は、無機充填剤を含有する樹脂接着剤を融着した環状の密着層によりなされているが、多孔質材を接着剤で密着させて接合するのは困難であり、ウエハの研磨や、加圧水による逆洗を繰り返し行うと、多孔質材が支持部材から外れる場合があった。
【0008】
さらに、ウエハを研削する場合には、研削砥石の押圧や吸着時の負圧がかかると隔壁部の隙間や支持部材と多孔質材との接合不良により多孔質材が変形するため、ウエハ全体の加工精度が悪くなり、ユニバーサルチャックに特有の隔壁部の転写よりも劣悪な結果を招く場合があった。
【0009】
また、隔壁部と多孔質材の接合界面を隙間なく作製するためには、優れた精度加工が必要であり、さらに多数の隔壁部を必要とする場合には、溶射、加工および焼結の工程を何度も繰り返さなければならず、多大な加工費と時間が掛かり効率的ではないし、上述したような問題を誘発する恐れもある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、吸着面の平坦度が良好な真空吸着装置を提供することを目的とする。また本発明は、耐久性に優れ、製造が容易な真空吸着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の真空吸着装置は、すなわち、セラミックス/ガラス複合多孔質材からなる中央の載置部と、その外周に設けられたセラミックス/ ガラス複合多孔質材からなる1以上の環状の載置部と、前記載置部間に形成された溶射セラミックスを主体とする隔壁部と、前記載置部の気孔に連通する吸引孔を備えた支持部と、を具備し載置部、隔壁部、および支持部の間はそれぞれ実質的に隙間なく各部が直接に接合された構造となっていることを特徴とする。本発明では、載置部間を溶射セラミックの隔壁部により仕切っており、隔壁部と載置部とは実質的に隙間なく接合されているので、ウエハの吸着不良や多孔質材の逆洗不良の問題は解消できる。
【0012】
前記溶射セラミックスを主体とする隔壁部は、10%以下の気孔率を有しており、気孔の少なくとも一部は、気孔内部に融着したガラスにより封止されている。溶射セラミックス隔壁部の気孔率は、緻密すぎると剛性が大きくなるために、ウエハを研削したときに従来のような環状の転写が生じる恐れがあり、気孔率が低すぎると気密が確保できなくなる場合がある。本発明者は、隔壁部の気孔率を適切な範囲に調整することで、転写がなく気密を確保できる10%以下の気孔率範囲を見出した。しかも本発明の構成によれば、気孔の少なくとも一部はガラス封止された構造となっていることから、上記範囲での適用が可能となる。
【0013】
さらに、本発明の真空吸着装置は、略緻密質セラミックスからなる凹型容器形状の支持部を作製する工程と、
所定のセラミックス粉末と第1のガラスの粉末とを含む第1のスラリーを調製する工程と、
前記第1のスラリーを前記支持部の凹型部に充填し前記第1のガラスの軟化点以上の温度で焼成してセラミックス/ガラス複合多孔質材を形成する工程と、
前記セラミックス/ガラス複合多孔質材および/または前記支持部に、環状の空間を形成する工程と、
前記環状の空間に露出するセラミックス/ガラス複合多孔質材側面に、溶射セラミックスからなる隔壁部を形成する工程と、
所定のセラミックス粉末と前記第2のガラスの粉末とを含む第2のスラリーを調製する工程と、
前記第2のスラリーを前記環状の空間に充填し、前記第2のガラスの軟化点以上の温度で焼成して、セラミックス/ガラス複合多孔質材からなる前記環状の載置部を形成する工程と、
からなる真空吸着装置の製造方法である。本製法によれば、第2のスラリーに含まれるガラス粉末によって、溶射セラミックスを主体とする隔壁部の気孔は、その表層部の気孔にとどまらず内部の気孔についても、少なくとも一部が封止された構造となっていることから、より気密性が高まり、ウエハを十分な強さで保持することができ、エアや研削液の吸い込みが少なくなるので多孔質材に研削屑が入り込み難くなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の真空吸着装置では、載置部間の隔壁部を所定範囲の気孔率を有する溶射セラミックで形成し、載置部、支持部および隔壁部を実質的に隙間無く形成したことから、ウエハを研磨したときに隔壁部の転写がないため、ウエハの加工精度を高めることができる。また、無駄なエアや研削液の吸い込みを防止でき、逆洗時に載置部が外れたり、加圧水が漏れて洗浄が不十分になったりすることはない。さらに、スラリーを用いて載置部を形成する製造方法を用いているので、寸法精度の高い部品を準備する必要がなく、生産性を高め、生産コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ここでは、被吸着物として半導体ウエハを取り上げ、この半導体ウエハを吸着保持する真空吸着装置について説明することとする。
【0016】
図1は真空吸着装置10の斜視図であり、図2は平面図およびAA’垂直断面図である。真空吸着装置10は、円板状の中央の載置部21とその外周を囲うように設けられた環状の載置部21、22および23と、これらの載置部を支持する器状の支持部1と、を備えている。また、これらの載置部の間は、溶射セラミックからなる隔壁部31、32および33が形成されている。図6に示すように、半導体ウエハWは、載置部全体を覆うようにして、または、図7に示すように、隔壁部にウエハ端部が載るようにして真空吸着装置10に吸着保持される。
【0017】
載置部21、22、23および24はセラミックス/ガラス複合多孔質材からなる。つまり、載置部は所定のセラミックス(例えば、アルミナ、炭化珪素等)とガラスから構成され、連通する開気孔を有する多孔質組織を有している。これら載置部の外径は載置するウエハの大きさに対応している。例えば、図1の31、32、33および支持部上面の内周端部は、それぞれ4インチ、5インチ、6インチおよび8インチに対応する構成とすることができ、ウエハWが載置された載置部の気孔に連通する吸引孔4から真空ポンプ等(図示せず)で吸引することでウエハWを吸着固定する。
【0018】
ここで、載置部、隔壁部および支持部は、実質的に隙間なく直接に接合された構造となっている。ここで、「実質的に隙間なく各部が直接に接合された構造」とは、より具体的には、載置部と隔壁部との間、載置部と支持部との間、および隔壁部と支持部との間が接着材や接合材を介することなく、実質的に各部の構造が接合界面まで連続して直接に接合された状態をいう。例えば、溶射セラミックの一部の組織が載置部の気孔に入り込んだり、環状の載置部の一部のガラスが溶射セラミックの気孔に入り込んだりしている接合界面を形成しつつ、載置部の多孔質構造および溶射セラミック膜の微構造が接合界面まで連続した構造となっている。
【0019】
真空吸着装置10では、各載置部(21〜24)と隔壁部(31〜33)および支持部1とが実質的に隙間なく直接に接合されているので、真空吸着装置10の吸着面を研削、研磨処理することにより平坦化する際に、これらの界面近傍で段差が生ずることが抑制される。これによって、吸着面と半導体ウエハWとの間に隙間が生じて吸気漏れが発生し、吸着力が低下したり、半導体ウエハWの平坦度が悪化したりすることを防ぐことができる。
【0020】
各載置部(21〜24)の開気孔率は20%以上50%以下であることが好ましく、かつ、その平均気孔径は10μm以上150μm以下であることが好ましい。この範囲内であれば、圧損が大きくなって、十分な吸着力を得ることが困難となったり、十分な機械的強度を得ることができなかったり、吸着面の平坦性が低下したりすることはない。平均気孔径を前記範囲とするのは、平均気孔径が10μm未満では圧損が大きくなって吸着力が弱くなるおそれがあり、逆に150μm超では気孔に起因する微小凹凸により面精度が悪化するおそれがあるからである。
【0021】
各載置部の開気孔率および平均気孔径は、各載置部間で同等であることが好ましい。同等でないと載置部間で段差が生じたり、吸着力にばらつきが生じたりするおそれがあるためである。開気孔率については、最も大きい開気孔率の載置部と最も小さい開気孔率の載置部との差を5%以下とすることが好ましい。例えば、最大が40%で最小が35%の範囲とすることができる。また、平均気孔径については、最も大きい平均気孔径の載置部と最も小さい平均気孔径の載置部との差が、最も大きい平均気孔径の20%以下であることが好ましい。例えば、最も平均気孔径の大きい載置部の平均気孔径が50μmであれば、最も小さい載置部の平均気孔径は40μmとすることができる。
【0022】
隔壁部は、溶射セラミックス膜を主体とする。隔壁部を形成するセラミックス材料としては、アルミナ、アルミナにチタニアを加えたもの等を用いることができる。通常、溶射により成膜する場合には、被溶射面をサンドブラスト等により粗面化する必要があるが、本発明では被溶射面が多孔質材であるので粗面化処理は不要である。また、セラミック膜を溶射する前に下地として金属層を溶射することも好ましくない。金属膜が第2のスラリーの焼成時に反応し、剥離が起きるためである。
【0023】
また、本発明の溶射膜は被溶射面が多孔質材であるので、緻密質材に溶射するよりも緻密化し難い。しかしながら本発明においては、溶射膜が適度な気孔を有することで、載置部との支持剛性の差を少なくし、いわゆる隔壁部の転写を防ぐことができる。さらに溶射膜に形成された気孔は、その後の工程で第2のスラリーに含まれるガラスにより封止されて気密性を高めることができ、隔壁部の強度も載置部の多孔質材に近いものとなるため転写の問題を解消することができる。したがって、隔壁部は溶射セラミックス膜とその気孔に入り込んで融着したガラスとから構成されている。ここで、溶射セラミック膜に形成される気孔の気孔径は、セラミックス原料の大きさによって調整でき、被溶射面である多孔質材の気孔径に合わせて調整することが望ましい。なお、隔壁部は載置部側面と実質的に隙間なく接合されているが、支持部の凹型部1の底面とも同様に実質的に隙間なく接合されていることは言うまでもない。
【0024】
支持部1は、好ましくはアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニアから選ばれたセラミックスから構成される。載置部を構成するセラミックスと同じものが好ましいことから、アルミナまたは炭化珪素が好適である。支持部1は真空吸着装置10を所定の場所に設置して使用するために必要な機械的強度が確保されるように緻密質である。
【0025】
この支持部1の凹型部の底面には複数の吸引孔4および吸引溝5が形成されており、各吸引孔4、吸引溝5は各載置部が有する開気孔と連通している。支持部1の吸引孔4に真空ポンプ等の吸引系(図示せず)を取り付けて吸引を行うと、吸引孔4に連通する各載置部の開気孔を通して吸引力が発生し、これにより半導体ウエハWを吸着保持することができる。図6では、載置部全面を覆うサイズのウエハWを用いた例を示したが、例えば、ウエハの外周端部が隔壁部33に位置するサイズのウエハを用いることも可能である(図7)。この場合、載置部21、22および23に吸引力を発生させ、環状の載置部24に通ずる吸引系(図示せず)を閉じる構成とすることができる。
【0026】
また、図6の構成では、ウエハの外周端部が緻密質支持部に位置するため、上述のように載置部と緻密質支持部との支持剛性の違いによる転写が生じるおそれがある。したがって、図9に示したように、ウエハの径よりも外側にさらに載置部と同質の多孔質材からなる載置部34を有することが望ましい。
【0027】
載置するウエハの径とそのウエハに対応する隔壁部の径との関係については、ウエハの外周端部が隔壁部上か、または、それよりも外側に位置するように隔壁部の径を決定する。ウエハの径が隔壁部の内径よりも小さいと吸気漏れが生じ、十分な吸着力が得られないからである。一方、ウエハの径が隔壁部の外径と比べて大きすぎると、ウエハの外周端部には吸着力が働かないため、外周端部が反り上がる変形が起こり好ましくない。したがって、ウエハの径が隔壁部の外径よりも大きくする場合は、隔壁部の外径とウエハの径との差はできるだけ小さいほうが好ましく、1mm以下とすることが望ましい。
【0028】
真空吸着装置10において半導体ウエハWを吸着保持する吸着面は、製造工程の最終段階において、各載置部および隔壁部の表面と支持部1の外周部の上面とを同時に研削、研磨加工することにより形成される。この平坦化加工では、各載置部および各隔壁部は支持部1より研削・研磨抵抗が小さいために、削られやすくなる。しかし、上記の通りに載置部の多孔質材や隔壁部の溶射セラミック膜の開気孔率や平均気孔径を調整することで、各部間に段差が生ずることを防止し、平坦度の良好な吸着面を形成することができる。さらに各載置部、各隔壁部および支持部とが実質的に隙間なく直接に接合された構造とすることにより、その効果を高めることができる。
【0029】
本発明に係る真空吸着装置は、真空吸着装置10のように、その平面形状が円形のものに限定されるものではなく、吸着保持する被吸着物の形状に応じた変形が可能である。例えば、真空吸着装置の平面形状は略四角形であってもよい。
【0030】
次に、図1に示した1つの中央の載置部と3つの環状の載置部および3つの隔壁部を有する真空吸着装置10の製造方法について説明する。最初に、公知の方法により、支持部1となる凹型部を有する容器形状のセラミック部材を作製する。例えば、アルミナ等のセラミックス粉末に所定量のバインダを加えて造粒処理し、これを一軸プレス成形し、さらにCIP成形して、円板状のプレス成形体を作製する。続いて、このプレス成形体を容器形状に加工し、さらに最終的に吸引孔4となる貫通孔および吸引溝5となる溝形状を内底の所定位置に形成する。こうして得られた加工体を、必要に応じて脱脂処理した後、所定の雰囲気、温度、時間で焼成し、必要に応じて加工することにより、支持部1となる容器形状のセラミック部材を得ることができる。続いて、こうして作製した支持部1の吸引孔4および吸引溝5に、後に説明するように支持部1に第1のスラリーを充填することができるように、樹脂等の焼失材料を充填する。
【0031】
続いて、載置部の多孔質材を形成するための第1のスラリーを調製する。この第1のスラリーは、セラミックス粉末(好ましくは、アルミナ粉末または炭化珪素粉末)および第1のガラスの粉末に、水またはアルコール等の溶剤を加えて、ボールミル、ミキサー等の公知の方法を用いて混合することにより、作製することができる。なお、水またはアルコール等の添加量は、特に限定されるものではないが、セラミックス粉末の粒度、第1のガラスの粉末の添加量を考慮して、適切な流動性が得られるように、調節することが好ましい。
【0032】
また、セラミックス粉末に対して添加する第1のガラスの粉末の量は、使用するセラミックス粉末の粒径(粒度分布)や焼成温度におけるガラスの粘性等を考慮して定められるが、多過ぎるとセラミックス粉末の充填が阻害されて焼成収縮が生じ、逆に少な過ぎるとセラミックス粉末の結合強度が低下し、脱粒や欠け等が生ずる。このため、ガラス粉末の量は、所望の結合強度、平均気孔径が得られる範囲においてできるだけ少ないことが好ましく、具体的には、概ねセラミックス粉末100質量部に対して5〜30質量部とすることが好ましい。
【0033】
さらに第1のガラスとしては、その熱膨張係数が、多孔質材のもう一方の構成成分であるセラミックス材料の熱膨張係数より小さいものを用いることが好ましい。これにより、焼成段階で支持部1の容器形状の凹型部表面(接合界面)と実質的に隙間なく直接に接合される載置部を形成することが容易となり、また、載置部において結合材としての役割を有するガラスに圧縮応力が加わった状態を作り出すことができる。ガラスは一般的に引張強度に弱いために、ガラスに圧縮応力が加わった状態とすることにより、載置部の強度が高められ、研削加工時の脱粒や欠け等の発生を抑制することができる。
【0034】
また、第1のガラス粉末は、第2のスラリーに用いられる第2のガラスと同一であっても良いし、異なるものを用いても良い。ただし、同一のガラス粉末を用いる場合は、比較的軟化点の低いガラスを用いることが好ましく、異なるものを用いる場合は、少なくとも第2のガラスには比較的軟化点の低いガラスを用いることが好ましい。本発明の真空吸着装置の作製方法においては、第1のスラリーにより載置部の一部を形成した後に溶射セラミック膜を形成し、さらに第2のスラリーによって残りの載置部を形成する工程を経るため、第2のスラリーを充填した後の焼成のときに、既に形成した載置部の一部または溶射セラミック膜が溶融、軟化して収縮や隙間が生じる不具合を回避しなければならない。したがって、特に焼成収縮を起こしやすい溶射セラミック膜が加熱される第2のスラリーの焼成はできるだけ低い温度で行うことが望ましい。例えば、同一のガラスを用いる場合は第1および第2のガラスとして軟化点が900℃以下のホウ珪酸系ガラスを、異なるガラスを用いる場合は第1のガラスとして軟化点が1000℃近傍のアルミノ珪酸塩系ガラスを、第2のガラスとして軟化点が900℃以下のホウ珪酸系ガラスを、それぞれ選定することができる。
【0035】
こうして作製した第1のスラリーを支持部1の凹型部に充填する。このとき必要に応じて、第1のスラリー中の残留気泡を除去するための真空脱泡処理や充填率を高めるための振動を加えるとよい。支持部1に充填された第1のスラリーを十分に乾燥した後、第1のガラスの軟化点以上の温度で焼成することにより、多孔質材が形成される。このときの焼成温度が第1のガラスの軟化点より低いと、ガラスが支持部に融着しないため支持部1と多孔質材を密着させることができないし、反対に焼成温度が高過ぎても変形や収縮が生じるために支持部と多孔質材とを密着させることができない。したがって多孔質材の焼成温度は、軟化点以上のできるだけ低い温度で焼成することが望ましい。
【0036】
載置部の開気孔率と平均気孔径の調節は、基本的に、原料粉末であるセラミックス粉末の粒度分布を調整することによって行うことができる。また、セラミックス粉末と第1のガラスの粉末の配合比率を変えること、第1のスラリーの粘度を変えること、第1のスラリーの支持部1への充填率を変えること、粒子状樹脂、繊維状樹脂、カーボン粉末等の焼失材を添加すること等によっても、載置部の開気孔率と平均気孔径を制御することができる。
【0037】
載置部の開気孔率を20%〜50%とし、平均気孔径を10μm〜150μmとするためには、セラミックス粉末として平均粒径が20μm〜500μmのものを用い、第1のガラスの粉末としては、その平均粒径がこのセラミックス粉末の平均粒径よりも小さいものを用いることが好ましい。具体的には、第1のガラスの粉末の平均粒径は、セラミックス粉末の平均粒径の1/3以下であることが好ましく、1/5以下であることがより好ましい。これは、第1のガラスの粉末の平均粒径がセラミックス粉末よりも大きいと、セラミックス粉末の充填が阻害されて、後のガラス軟化点以上での焼成時に焼成収縮を起こし、載置部にクラックが生じたり、支持部との密着が得られなかったりする場合がある。
【0038】
第1のスラリーを充填した後に焼成すると、支持部の凹型部が多孔質材2(加工前の載置部)で埋められた図3に示した中間体101が得られる。図3に示した段階では、多孔質材2および支持部1ともに加工代を確保する必要があるので最終形状よりも厚みを大きく設計することが好ましい。
【0039】
次に多孔質材2および支持部1の上面を加工して図4に示した環状の空間61および62が形成された中間体102を得る。ここでは中央の載置部21および環状の載置部22を最初に作製したが、この手順に限るものではなく、逆に空間61および62部分に多孔質材を残して環状の載置部23、24とし、中央の載置部21および環状の載置部22の部分を除去して空間とする加工を施しても良い。空間の幅、すなわち被溶射面である載置部の側面同士の距離または載置部の側面と支持部の凹型部の側面との距離は、側面に溶射できるだけの幅を確保する必要がある。なお、空間の幅が載置するウエハの径に対応している場合は、最も小さい場合でも25mm程度である。図8における載置部25のようにウエハの径に対応していない場合でも、側面に溶射するには、3mm以上の幅が必要であり、5mm以上の幅がより望ましい。
【0040】
次に載置部21、22の側面にプラズマ溶射やローカイド溶射により溶射セラミック膜を形成する。溶射セラミック膜の原料は、アルミナが好適である。本発明の隔壁部の厚みは、溶射可能な膜厚であって気密性が確保できれば良く、0.1〜3mmの範囲で形成でき、膜厚の調整は溶射ガンの送り速度や重ねて溶射する回数により行うことができる。必要に応じて溶射後に表面を研削したり、溶射不要な箇所にマスキングを施したりすることも可能である。プラズマ溶射に用いる原料粉末の粒径は被溶射面である載置部の気孔率および気孔径によるが、密着性および気密性の点から10〜50μmで調整すると良い。
【0041】
本発明に好適な隔壁部の気孔率は、10%以下である。この範囲であれば、気密性および強度を確保できるためである。気孔率は主として溶射距離、すなわち溶射ガンの先端から被溶射面である載置部までの距離に依存し、本発明においては100〜200mmで溶射することにより調整できる。なお、隔壁部の気孔率の下限は、載置部との支持剛性差を考慮して、3%以上が好ましく、より望ましくは5%以上が好ましい。なお、溶射セラミックスからなる隔壁部の気孔率は、第2のスラリーに含まれるガラスの融着により封止された部分を含んだ値であり、第2のスラリーを焼結する前の溶射セラミックスの気孔率については特に限定しない。
【0042】
次に、空間61および62に、アルミナ粉末等のセラミックス粉末および第2のガラスの粉末を含む第2のスラリーを充填し、第2のガラスの軟化点以上(第1のガラスの軟化点未満)の温度で焼成する。
【0043】
この第2のスラリーは、第1のスラリーと同様に、セラミックス粉末と第2のガラスの粉末に水またはアルコール等の溶剤を加えて、ボールミル等の公知の方法により混合することにより作製することができる。開気孔率および平均気孔径の調整、並びにガラス粉末の粒径、添加量および熱膨張等は第1のスラリーの場合と同様である。第2のガラス粉末は、先に述べたように第1のガラスと同一であっても良いし、異なるものを用いても良い。
【0044】
このようにして、載置部および隔壁部を形成することにより、各部間に高い密着性と強く均一な接合性を得ることができるため、各部の接合界面における剥離の発生と、剥離による吸引漏れの発生を抑制することができ、半導体ウエハWの吸着保持性能を長時間にわたり、高く維持することができる。
【0045】
こうして環状の載置部23および24が形成されたら、その表面(つまり、載置部21〜24の上面、支持部1の外周の上面)を、平坦度が最終的に例えば0.8μm未満となるように、研削、研磨処理する。このとき、前述の通り、載置部と支持部と隔壁部とがそれぞれ実質的に隙間なく直接に接合されているので、吸着面の平坦度を絞り込む研磨加工が容易となり、吸着面の平坦度を高めることができる。これにより、半導体ウエハWを吸着保持した際の半導体ウエハWの平坦度を高めることもできる。
【0046】
上述した真空吸着装置10の製造方法は、支持部1に第1のスラリーを流し込む前に、空間61および62が形成される部分に樹脂を充填しておく(例えば、樹脂リングを配置する)ことにより、空間を形成するための載置部の加工を不要にする製造方法に変更することができる。この方法によれば、第1のスラリーを充填し、焼成した後は、樹脂が焼失し、加工を施すことなく空間を形成できるので、製造が容易になる。必要に応じて樹脂にセラミックス粉末等のフィラーを混ぜて、空間部分の成形性を高めることも可能である。
【0047】
次に実施例と比較例を示して、本発明をより詳細に説明する。
(実施例1〜4、および比較例1)
図2に示した構造を有するものを、上述した第1、第2のスラリー等を用いた製造方法にしたがって作製した。支持部は緻密質アルミナからなり外径:φ250mm、内径200mm、高さ(厚さ):50mm、深さ:35mmの形状を有し、その熱膨張係数は8.0×10−6/℃である。載置部となる第1および第2のスラリーについては同一のものを用いた。第1のスラリーとしてアルミナ粉末(平均粒径125μm)、ガラス粉末(ほう珪酸ガラス、平均粒径:20μm、熱膨張係数40×10−7/℃、軟化点750℃)および蒸留水を100:20:20の質量比で混合し、ミキサーを用いて混錬した後、支持部の凹型部に注型し、真空脱泡を行った後、振動を加えて沈降充填させた。100℃で乾燥させた後、1000℃にて焼成した。次に表面をダイヤモンド砥石で研削し、中央の載置部21を外径99mm、環状の載置部22の外径149mm、内径125mmに加工し、その側壁に厚み0.5mmとなるようにアルミナをプラズマ溶射し、隔壁部31、32および33を形成した。溶射条件は、原料;アルミナ粉末(99.9%、平均粒径30μm)、出力;50kW、溶射雰囲気;アルゴン+水素、ガン送り速度300mm/sとした。
次に第1のスラリーと同一配合の第2のスラリーを作成し、空間61および62に注形した後、100℃で乾燥し、1000℃で焼成した。最後に載置部、隔壁部および支持部上面を#800ダイヤモンド砥石で平坦度を1.0μm未満とすべく研削し、載置面を得た。最終的な支持部の厚み、すなわち真空吸着装置の厚みは30mmとした。なお、本試験においては溶射条件を調べるために、溶射距離を変化させて気孔率の異なる隔壁部を持つ5つの真空吸着装置を作製した。
【0048】
(比較例2)
アルミナ粉末をアクリル系水性エマルジョンをバインダ−としてシ−ト状に形成したグリ−ンシ−トを円板または環状体に成型し、これを先に800℃で仮焼し、ついで1000℃で焼成して得た焼成物の外周面、内周面、表裏面を平坦に研削して中央の載置部21とした。次に中央の載置部21の外周に、試験例1と同様にセラミックスを溶射して幅0.5mmの隔壁部31とし、この隔壁部の外周にグリ−ンシ−トを上記のように仮焼・焼成して環状の載置部23とした。この操作を繰り返して隔壁部32および33、環状の載置部22および24を形成し、円板状の載置部を作製したのち、ガラス接合により上記実施例と同形状の支持部に嵌合した。ガラス接合の温度は1000℃とした。さらに上記実施例と同様に上面を研削し、載置面を得た。
【0049】
(比較例3)
また、所定形状に加工した中央の載置部21および環状の載置部22、23、24の側面に溶射セラミックからなる隔壁部を形成したものを予め作製しておき、各載置部の隔壁部の外周および支持部にガラス接着剤を50μmの厚みで塗布したのち嵌合し、1000℃にてガラス接合した。さらに上記実施例と同様に上面を研削し、載置面を得た。
【0050】
(比較例4)
図9に示したような支持部1’の凹型部に一体形成した4、5、6インチの隔壁部に相当する幅5mmの緻密質隔壁部3’を有する支持部(緻密質アルミナ、気孔率0.8%)を作成し、上記実施例で使用した第1のスラリーを凹型部に注型した後、100℃で乾燥し、1000℃で焼成した。最後に載置部、緻密質隔壁部および支持部上面を上記実施例と同様に研削し、載置面を得た。
【0051】
(評価方法)
作製した各真空吸着装置の各部の密着性は、載置面における各部の境界部および切断面の各部の境界部を光学顕微鏡で観察し隙間が見られなかったものは○とし、隙間が見られたものは×とした。隔壁部の気孔率は、各真空吸着装置から隔壁部の小片を採取し、アルキメデス法により求めた。吸着力の評価は、5インチウエハを吸着させたときに、真空度がゲージ圧50kPaまで達したものを○、達しなかったものを×とした。ウエハの平坦度については、−50kPaの真空度(ゲージ圧)で真空吸着した5インチウエハ(直径125mm、厚さ800μm)の研磨加工を行った後、レーザー干渉式測定器により平坦度を測定した。なお上記実施例および比較例で形成した載置部の気孔率および気孔径は全て同等になるように調整した。全ての載置部についてアルキメデス法により気孔率を、水銀圧入法により気孔径を測定したところ、気孔率は35±1%、気孔径は32±1μmの範囲内であった。
【表1】

【0052】
本発明の作製方法を用いた実施例1〜4では、各部の密着性、すなわち載置部と隔壁部、隔壁部と支持部および載置部と支持部の密着が良好であり、隙間は見られなかった。比較例1では、各部の密着性は良好であったものの隔壁部の気孔率が13.6%と大きいため隔壁部からの吸気漏れが多く、吸着力が不十分でありウエハを研削することができなかった。本発明の作製方法を用いなかった比較例2および3では、各部の密着性が悪く、各部間に隙間が生じたり、隔壁部や載置部自体に亀裂が生じたりしていた。また、実施例1〜4の隔壁部の一部を採取してSEM観察したところ、隔壁部組織表面および気孔内部に融着したガラスにより封孔された箇所が見られた。比較例2および3も同様に観察したが、隔壁部の気孔内部にまで入り込んだガラスは見られなかった。ウエハの平坦度は、隔壁部の気孔率が3%〜10%の範囲内であった実施例1〜4で1μm以下となった。特に気孔率が5〜10%の範囲では、1μm未満の平坦度であった。気孔率0.8%の緻密質隔壁部を有する比較例4では、ウエハの平坦度が2.5μmと、実施例と比べて著しく平坦度が悪かった。これは、載置部と緻密質隔壁部との支持剛性に大きな差があったためと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の真空吸着装置の斜視図である。
【図2】本発明の真空吸着装置の平面図およびAA’垂直断面図である。
【図3】第1スラリー焼成後の状態を示す模式断面図である。
【図4】空間形成後の状態を示す模式断面図である。
【図5】溶射セラミック形成後の状態を示す模式断面図である。
【図6】被吸着物を載置した真空吸着装置の模式断面図である。
【図7】被吸着物を載置した真空吸着装置の模式断面図である。
【図8】被吸着物を載置した真空吸着装置の模式断面図である。
【図9】緻密質隔壁部を有する従来の真空吸着装置の模式断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1;支持部
1′;緻密質隔壁部を有する支持部
10;真空吸着装置
10′;緻密質隔壁部を有する真空吸着装置
2;多孔質材(加工前の載置部)
2′;緻密質隔壁部を有する真空吸着装置の載置部
21;中央の載置部
22〜25;環状の載置部
31〜34;隔壁部
3′;緻密質隔壁部
4;吸引孔
5;吸引溝
61、62;空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックス/ガラス複合多孔質材からなる中央の載置部と、その外周に設けられたセラミックス/ ガラス複合多孔質材からなる1以上の環状の載置部と、
前記載置部間に形成された溶射セラミックスを主体とする隔壁部と、
前記載置部の気孔に連通する吸引孔を備えた支持部と、
を具備し、載置部、隔壁部、および支持部の間はそれぞれ実質的に隙間なく各部が直接に接合された構造となっていることを特徴とする真空吸着装置。
【請求項2】
前記溶射セラミックスを主体とする隔壁部は、気孔を有しており、該気孔の少なくとも一部は、気孔内部に融着したガラスにより封止されていることを特徴とする請求項1記載の真空吸着装置
【請求項3】
前記溶射セラミックスを主体とする隔壁部は、10%以下の気孔率を有しており、気孔の少なくとも一部は、気孔内部に融着したガラスにより封止されていることを特徴とする請求項1または2記載の真空吸着装置
【請求項4】
略緻密質セラミックスからなる凹型容器形状の支持部を作製する工程と、
所定のセラミックス粉末と第1のガラスの粉末とを含む第1のスラリーを調製する工程と、
前記第1のスラリーを前記支持部の凹型部に充填し前記第1のガラスの軟化点以上の温度で焼成してセラミックス/ガラス複合多孔質材を形成する工程と、
前記セラミックス/ガラス複合多孔質材および/または前記支持部に、環状の空間を形成する工程と、
前記環状の空間に露出するセラミックス/ガラス複合多孔質材側面に、溶射セラミックスからなる隔壁部を形成する工程と、
所定のセラミックス粉末と前記第2のガラスの粉末とを含む第2のスラリーを調製する工程と、
前記第2のスラリーを前記環状の空間に充填し、前記第2のガラスの軟化点以上の温度で焼成して、セラミックス/ガラス複合多孔質材からなる前記環状の載置部を形成する工程と、
を含む請求項1〜3記載の真空吸着装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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