説明

着色剤、着色組成物、カラーフィルタ及び表示素子

【課題】耐熱性等と共に、耐溶剤性にも優れたカラーフィルタを製造することができる着色組成物を提供する。
【解決手段】(A)下記式(1)で表されるカチオンを有する着色剤、(B)バインダー樹脂、及び(C)架橋剤を含有することを特徴とする着色組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色剤、着色組成物、カラーフィルタ及び表示素子に関わり、より詳しくは、透過型あるいは反射型のカラー液晶表示素子、固体撮像素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等のカラーフィルタに好適に用いられる着色剤、該着色剤を含有する着色組成物、該着色剤を含有する着色層を備えるカラーフィルタ、並びに当該カラーフィルタを具備する表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
着色感放射線性組成物を用いてカラーフィルタを製造するに当たっては、基板上に、顔料分散型の着色感放射線性組成物を塗布して乾燥したのち、乾燥塗膜を所望のパターン形状に放射線を照射(以下、「露光」という。)し、現像することにより、各色の画素を得る方法(特許文献1〜2)が知られている。また、カーボンブラックを分散させた光重合性組成物を利用してブラックマトリックスを形成する方法(特許文献3)も知られている。さらに、顔料分散型の着色樹脂組成物を用いてインクジェット方式により各色の画素を得る方法(特許文献4)も知られている。
【0003】
ところで、表示素子の高輝度化と高色純度化、或いは固体撮像素子の高精細化を実現するには、着色剤として染料を用いることが有効であること知られている。しかしながら、着色剤として染料を用いると、顔料を用いた場合に比べて、耐熱性、耐光性等が劣るという問題がある。かかる問題を解決すべく、例えば、特許文献5〜6では、重合性トリアリールメタン系染料の使用が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−144502号公報
【特許文献2】特開平3−53201号公報
【特許文献3】特開平6−35188号公報
【特許文献4】特開2000−310706号公報
【特許文献5】特開2000−162429号公報
【特許文献6】特開2003−246935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トリアリールメタン系染料を使用すると、カラーフィルタを構成する着色層の耐溶剤性が著しく低下するという問題があり、かかる問題は、上記特許文献5〜6に開示されている染料を使用しても解決されない。以上のような背景から、耐熱性等と共に、耐溶剤性にも優れたカラーフィルタを製造することができる着色組成物の開発が強く求められている。
したがって、本発明の課題は、耐熱性等と共に、耐溶剤性にも優れたカラーフィルタを製造することができる着色剤、及びそれを含む着色組成物を提供することにある。さらに、本発明の課題は、耐熱性等と共に、耐溶剤性にも優れた着色層を備えてなるカラーフィルタ、及び当該カラーフィルタを具備する表示素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討の結果、トリアリールメタン系染料のカチオン部に特定の共役環構造を付与することで、上記課題を解決することができることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、(A)下記式(1)で表されるカチオンを有する着色剤(以下、「本着色剤」)とも称する。)、(B)バインダー樹脂及び(C)架橋剤を含有することを特徴とする着色組成物を提供するものである。
【0008】
【化1】

【0009】
〔式(1)において、
1〜R4は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、フェニル基又はエチレン性不飽和結合を有する基を示し、
5〜R12は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はハロ基を示し、
環Aは、−NR1314(但し、R13及びR14は相互に独立に水素原子又は置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を示す。)で表わされる基を有しないアリール環、イソインドール環、インドリジン環、キノリジン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、β−カルボリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾチオフェン環、イソクロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、チアントレン環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、カルバゾール環、フェノキサジン環又はフェノチアジン環を示す。〕
【0010】
また、本発明は、上記式(1)で表わされるカチオンを有する着色剤、該着色剤を含有する着色層を備えてなるカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを具備する表示素子を提供するものである。ここで、「着色層」とは、カラーフィルタに用いられる各色画素、ブラックマトリックス、ブラックスペーサー等を意味する。
【発明の効果】
【0011】
本着色剤を用いれば、耐熱性等と共に、耐溶剤性にも優れた着色層を形成することができる。
したがって、本着色剤は、カラー液晶表示素子用カラーフィルタ、固体撮像素子の色分解用カラーフィルタ、有機EL表示素子用カラーフィルタ、電子ペーパー用カラーフィルタを始めとする各種のカラーフィルタの作製に極めて好適に使用することができる。また、本着色剤は、プラスチック成型物の着色、インクジェットインク用の着色剤、カラートナー用の着色剤、電気泳動表示素子用の着色剤等にも好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
本着色剤
本着色剤は、上記式(1)で表されるカチオンを有する化合物であり、アミノ置換トリアリールメタン系着色剤のアリール環の1つを、アミノ基を有しない共役構造を有する環としたことを特徴とする。
【0013】
上記式(1)において、環Aを構成する共役構造を有する環は、アリール環、イソインドール環、インドリジン環、キノリジン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、β−カルボリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾチオフェン環、イソクロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、チアントレン環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、カルバゾール環、フェノキサジン環又はフェノチアジン環であるが、中でもアリール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、カルバゾール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環が好ましい。
また、環Aは、置換基を有していてもよい。該置換基としては、−NR1314でない限り特に限定されるものではなく、例えば、ハロ基、ハロゲン化炭化水素基、−OR、−COOR、−SR、−SO2R(但し、Rは炭化水素基を示す。)等を挙げることができる。なお、環Aがアリール環である場合、これらの基で置換されていることが好ましい。
【0014】
環Aとしては、下記式(2)〜(6)のいずれかで表されるものが好ましい。
【0015】
【化2】

【0016】
【化3】

【0017】
【化4】

【0018】
【化5】

【0019】
【化6】

【0020】
〔式(2)及び式(3)において、X1及びX2は、相互に独立に、酸素原子又は硫黄原子を示し、
式(4)において、Yは、単結合、酸素原子又は硫黄原子を示し、R15は、水素原子又はアルキル基を示し、
式(2)〜(6)において、Z1〜Z5は、相互に独立に、水素原子、ハロ基、ハロゲン化炭化水素基、−OR、−COOR、−SR又は−SO2Rを示す。但し、Rは前記と同義であり、*はジフェニルメタン骨格と結合する結合手であることを示す。〕
【0021】
式(4)において、R15におけるアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等を挙げることができる。
【0022】
環Aに置換可能なハロ基の具体例としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基を挙げることができる。
環Aに置換可能なハロゲン化炭化水素基としては、フッ化アルキル基が好ましく、特に炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基が好ましい。その具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基、パーフルオロオクチル基等を挙げることができる。
また、上記−OR、−COOR、−SR及び−SO2Rにおいて、Rにおける炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等を挙げることができ、中でも炭素数1〜12のアルキル基が好ましい。その具体例としては、R15において例示した基と同様のものを挙げることができる。
なお、上記−NR1314において、R13及びR14における炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基である。
【0023】
上記式(1)において、R1〜R12における炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基、アミル基、第三アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、第三オクチル基、2−エチルヘキシル基などを挙げることができる。
上記式(1)において、R1〜R4における炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などを挙げることができる。
上記式(1)において、R1〜R4におけるエチレン性不飽和結合を有する基としては、特に限定されるものではないが、例えば、CH2=CH−COO−R16−、CH2=C(CH3)−COO−R16−、CH2=CH−Ph−R16−、CH2=C(CH3)−Ph−R16−及びCH2=CH−CO−(R16は、炭素数1〜4のアルカンジイル基を示し、Phはフェニレン基を示す。)等を挙げることができる。
16における炭素数1〜4のアルカンジイル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基等を挙げることができる。
上記式(1)において、R5〜R12におけるハロ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基を挙げることができる。
【0024】
上記式(1)において、R5〜R12としては、全て水素原子であることが好ましい。
上記式(1)において、R1〜R4としては、炭素数1〜8(より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基、フェニル基又はエチレン性不飽和結合を有する基が好ましい。
【0025】
一方、本着色剤のアニオン部は特に限定されるものではなく、例えば、ハロゲンイオン、ホウ素アニオン、リン酸アニオン、カルボン酸アニオン、硫酸アニオン、有機スルホン酸アニオン、窒素アニオン、メチドアニオン等を本着色剤のアニオン部とすることができる。また、本着色剤を、レーキ顔料とすることもできる。レーキ顔料とは、可溶性である染料を沈殿剤により不溶性の顔料としたものをいい、沈殿剤としては、例えば、塩化バリウム、塩化カルシウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、酢酸鉛、タンニン酸、カタノール、タモール、コンプレックスアシッドと称されるコンプレックスヘテロポリ酸(フォスフォタングステン酸、フォスフォモリブデン酸、フォスフォタングステン・モリブデン酸、シリコタングステンモリブデン酸、シリコタングステン酸、シリコモリブデン酸)等が挙げられる。
【0026】
本発明において、アニオン部は、ハロ基(好ましくはフルオロ基)及びシアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の電子吸引基を有することが、耐熱性の点から好ましい。このようなアニオンとしては、例えば、フルオロ基を有する有機スルホン酸アニオンが挙げられ、具体的には、下記のアニオン群α及びアニオン群βに示すアニオンを挙げることができる。
【0027】
【化7】

【0028】
【化8】

【0029】
また、フルオロ基及びシアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の電子吸引基を有する窒素アニオンとして、例えば、下記のアニオン群γに示すアニオンの他、[(CN)2N]-、[(FSO22N]-、[(FSO2)N(CF3SO2)]-、[(FSO2)N(CF3CF2SO2)]-、[(FSO2)N{(CF32CFSO2}]-、[(FSO2)N(CF3CF2CF2SO2)]-、[(FSO2)N(CF3CF2CF2CF2SO2)]-、[(FSO2)N{(CF32CFCF2SO2}]-、[(FSO2)N{CF3CF2(CF3)CFSO2}]-、[(FSO2)N{(CF33CSO2}]-等を挙げることができる。
【0030】
【化9】

【0031】
また、フルオロ基を有するリン酸アニオンとして、例えば、PF6-、(C252PF4-、(C253PF3-、[(CF32CF]2PF4-、[(CF32CF]3PF3、(n−C372PF4-、(n−C373PF3-、(n−C493PF3-、(C25)(CF32PF3-、[(CF32CFCF22PF4-、[(CF32CFCF23PF3-、(n−C492PF4-、(n−C493PF3-、(C24H)(CF32PF3-、(C2323PF3-、(C25)(CF32PF3-等を挙げることができる。
【0032】
また、フルオロ基及びシアノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の電子吸引基を有するホウ素アニオンとして、例えば、BF4-、(CF34-、(CF33BF-、(CF32BF2-、(CF3)BF3-、(C254-、(C253BF-、(C25)BF3-、(C252BF2-、(CF3)(C252BF-、(C654-、[(CF32634-、(CF3644-、(C652BF2 -、(C65)BF3 -、(C6324-、B(CN)4-、B(CN)F3-、B(CN)22-、B(CN)3-、(CF33B(CN)-、(CF32B(CN)2-、(C253B(CN)-、(C252B(CN)2-、(n−C373B(CN)-、(n−C493B(CN)-、(n−C492B(CN)2-、(n−C6133B(CN)-、(CHF23B(CN)-、(CHF22B(CN)2-、(CH2CF33B(CN)-、(CH2CF32B(CN)2-、(CH2253B(CN)-、(CH2252B(CN)2-、(CH2CH2372B(CN)2-、(n−C37CH22B(CN)2-、(C653B(CN)-等を挙げることができる。
【0033】
また、フルオロ基を有するメチドアニオンとして、例えば、(CF3SO23-、(CF3CF2SO23-、[(CF32CFSO2]3-、(CF3CF2CF2SO23-、(CF3CF2CF2CF2SO23-、[(CF32CFCF2SO2]3-、[CF3CF2(CF3)CFSO2]3-、[(CF33CSO2]3-、(FSO23-、(ClSO23-、(BrSO23-、(ISO23-等を挙げることができる。
【0034】
本着色剤は、公知の方法、例えば、ビスアミノアリールケトン化合物を、塩化ホスホリルの存在下、環Aに対応する環状化合物を反応させることにより製造することができる。本着色剤の製造にあたっては、株式会社技報堂発行の細田豊署「理論製造染料科学」を参考にすることもできる。
【0035】
着色組成物
以下、本発明の着色組成物の構成成分について説明する。
−(A)着色剤−
本発明の着色組成物は、(A)着色剤として本着色剤を含有する。本着色剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
他の着色剤としては、用途に応じて色彩や材質を適宜選択することができる。具体的には、顔料、染料及び天然色素の何れをも使用することができるが、カラーフィルタを構成する着色層には高い色純度、輝度、コントラスト、遮光性等が求められることから、顔料及び/又は染料を使用することが好ましい。
【0036】
上記顔料としては、有機顔料及び無機顔料のいずれでもよく、有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)においてピグメントに分類されている化合物が挙げられる。具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名が付されているものを挙げることができる。
【0037】
C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー80、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー211、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントバイオレット23。
【0038】
また、上記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等が挙げられる。
【0039】
本発明において着色剤として顔料を使用する場合、顔料を、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空加熱法又はこれらの組み合わせにより精製して使用することもできる。また、顔料は、所望により、その粒子表面を樹脂で改質して使用してもよい。顔料の粒子表面を改質する樹脂としては、例えば、特開2001−108817号公報に記載のビヒクル樹脂、又は市販の各種の顔料分散用の樹脂が挙げられる。カーボンブラック表面の樹脂被覆方法としては、例えば、特開平9−71733号公報、特開平9−95625号公報、特開平9−124969号公報等に記載の方法を採用することができる。また、有機顔料は、いわゆるソルトミリングにより、一次粒子を微細化して使用することが好ましい。ソルトミリングの方法としては、例えば、特開平08−179111号公報に開示されている方法を採用することができる。
【0040】
また、上記染料としては、各種の油溶性染料、直接染料、酸性染料、金属錯体染料等の中から適宜選択することができ、例えば、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名が付されているものを挙げることができる。
【0041】
C.I.ソルベントイエロー4、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー24、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー88、C.I.ソルベントイエロー94、C.I.ソルベントイエロー98、C.I.ソルベントイエロー162、C.I.ソルベントイエロー179;
C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド49;
C.I.ソルベントオレンジ2、C.I.ソルベントオレンジ7、C.I.ソルベントオレンジ11、C.I.ソルベントオレンジ15、C.I.ソルベントオレンジ26、C.I.ソルベントオレンジ56;
C.I.ソルベントブルー35、C.I.ソルベントブルー37、C.I.ソルベントブルー59、C.I.ソルベントブルー67;
【0042】
C.I.アシッドイエロー17、C.I.アシッドイエロー29、C.I.アシッドイエロー40、C.I.アシッドイエロー76;
C.I.アシッドレッド91、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド97、C.I.アシッドレッド114、C.I.アシッドレッド138、C.I.アシッドレッド151;
C.I.アシッドオレンジ51、C.I.アシッドオレンジ63;
C.I.アシッドブルー80、C.I.アシッドブルー83、C.I.アシッドブルー90;
C.I.アシッドグリーン9、C.I.アシッドグリーン16、C.I.アシッドグリーン25、C.I.アシッドグリーン27。
【0043】
本発明において他の着色剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0044】
本着色剤と所望により使用する他の着色剤の合計含有割合は、輝度が高く色純度に優れる画素、あるいは遮光性に優れるブラックマトリックスを形成する点から、通常、着色組成物の固形分中に5〜70質量%、好ましくは5〜60質量%である。ここでいう固形分とは、後述する溶媒以外の成分である。
【0045】
本発明において着色剤として顔料を使用する場合、所望により、分散剤、分散助剤と共に使用することができる。上記分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系等の適宜の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系分散剤、ポリエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤、ポリエステル系分散剤、アクリル系分散剤等を挙げることができる。
【0046】
このような分散剤は商業的に入手することができ、例えば、アクリル系分散剤として、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、BYK−LPN6919、BYK−LPN21116、BYK−LPN21324(以上、ビックケミー(BYK)社製)等を、ウレタン系分散剤として、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)等を、ポリエチレンイミン系分散剤として、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)社製)等を、ポリエステル系分散剤として、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880、アジスパーPB881(味の素ファインテクノ株式会社製)等を、それぞれ挙げることができる。
また、上記分散助剤としては、例えば、顔料誘導体を挙げることができ、具体的には、銅フタロシアニン、ジケトピロロピロール、キノフタロンのスルホン酸誘導体等を挙げることができる。なお、分散剤及び分散助剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜決定することが可能である。
【0047】
−(B)バインダー樹脂−
本発明におけるバインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有する樹脂であることが好ましい。中でも、カルボキシル基を有する重合体(以下、「カルボキシル基含有重合体」という。)が好ましく、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b1)」という。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b2)」という。)との共重合体を挙げることができる。
【0048】
上記不飽和単量体(b1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、p−ビニル安息香酸等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0049】
また、上記不飽和単量体(b2)としては、例えば、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドの如きN−位置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アセナフチレンの如き芳香族ビニル化合物;
【0050】
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングルコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−3−エチルオキセタンの如き(メタ)アクリル酸エステル;
【0051】
シクロヘキシルビニルエーテル、イソボルニルビニルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカニルビニルエーテル、3−(ビニルオキシメチル)−3−エチルオキセタンの如きビニルエーテル;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0052】
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体において、該共重合体中の不飽和単量体(b1)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(b1)を共重合させることにより、アルカリ現像性及び保存安定性に優れた着色組成物を得ることができる。
【0053】
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728号公報等に開示されている共重合体を挙げることができる。
【0054】
また、本発明においては、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平7−207211号公報、特開平09−325494号公報、特開平11−140144号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているように、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するカルボキシル基含有重合体を、バインダー樹脂として使用することもできる。
【0055】
本発明におけるバインダー樹脂は、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、通常、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000である。Mwが小さすぎると、得られる被膜の残膜率等が低下したり、パターン形状、耐熱性等が損なわれたり、また電気特性が悪化するおそれがあり、一方大きすぎると、解像度が低下したり、パターン形状が損なわれたり、またスリットノズル方式による塗布時に乾燥異物が発生し易くなるおそれがある。
【0056】
また、本発明におけるバインダー樹脂の重量平均分子量と、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。
【0057】
本発明におけるバインダー樹脂は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第07/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
【0058】
本発明において、バインダー樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0059】
本発明において、バインダー樹脂の含有量は、本着色剤と所望により使用する他の着色剤の合計100質量部に対して、通常、10〜1,000質量部、好ましくは20〜500質量部である。バインダー樹脂の含有量が少なすぎると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、得られる着色組成物の保存安定性が低下したりするおそれがあり、一方多すぎると、相対的に着色剤濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となるおそれがある。
【0060】
−(C)架橋剤−
本発明において(C)架橋剤とは、2個以上の重合可能な基を有する化合物をいう。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。本発明において、(C)架橋剤としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましい。
【0061】
上記2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の具体例としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0062】
ここで、上記脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き2価の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物を挙げることができる。上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジメタクリレート等を挙げることができる。上記多官能イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。酸無水物としては、例えば、無水こはく酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸の如き二塩基酸の無水物、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の如き四塩基酸二無水物を挙げることができる。
【0063】
また、上記カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、特開平11−44955号公報の段落〔0015〕〜〔0018〕に記載されている化合物を挙げることができる。上記アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0064】
また、上記2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、例えば、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造、ウレア構造を有する化合物等を挙げることができる。なお、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造とは、1以上のトリアジン環又はフェニル置換トリアジン環を基本骨格として有する化学構造をいい、メラミン、ベンゾグアナミン又はそれらの縮合物をも含む概念である。2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、N,N,N',N',N",N"−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N',N'−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N',N'−テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。
【0065】
これらの架橋剤のうち、3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート、N,N,N',N',N",N"−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N',N'−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミンが好ましい。3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレートの中では、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの中では、ペンタエリスリトールトリアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物が、着色層の強度が高く、着色層の表面平滑性に優れ、かつ未露光部の基板上及び遮光層上に地汚れ、膜残り等を発生し難い点で特に好ましい。
本発明において、(C)架橋剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0066】
本発明における(C)架橋剤の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、10〜1,000質量部が好ましく、特に20〜500質量部が好ましい。この場合、架橋剤の含有量が少なすぎると、十分な硬化性が得られないおそれがある。一方、架橋剤の含有量が多すぎると、本発明の着色組成物にアルカリ現像性を付与した場合に、アルカリ現像性が低下し、未露光部の基板上あるいは遮光層上に地汚れ、膜残り等が発生しやすくなる傾向がある。
【0067】
−(D)光重合開始剤−
本発明の着色組成物には、(D)光重合開始剤を含有せしめることができる。これにより、着色組成物に感放射線性を付与することができる。本発明に用いる(D)光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、上記(C)架橋剤の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
【0068】
このような光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。
【0069】
本発明において、光重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。光重合開始剤としては、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物及びO−アシルオキシム系化合物の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0070】
本発明における好ましい光重合開始剤のうち、チオキサントン系化合物の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
【0071】
また、上記アセトフェノン系化合物の具体例としては、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等を挙げることができる。
【0072】
また、上記ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等を挙げることができる。
【0073】
なお、光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが、感度を改良することができる点で好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のメルカプタン系水素供与体、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系水素供与体を挙げることができる。本発明において、水素供与体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使用することが、さらに感度を改良することができる点で好ましい。
【0074】
また、上記トリアジン系化合物の具体例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン系化合物を挙げることができる。
【0075】
また、O−アシルオキシム系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。
【0076】
本発明において、アセトフェノン系化合物等のビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤を用いる場合には、増感剤を併用することもできる。このような増感剤としては、例えば、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
【0077】
本発明において、光重合開始剤の含有量は、(C)架橋剤100質量部に対して、0.01〜120質量部が好ましく、特に1〜100質量部が好ましい。この場合、光重合開始剤の含有量が少なすぎると、露光による硬化が不十分となるおそれがあり、一方多すぎると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
【0078】
−(E)溶媒−
本発明の着色組成物は、上記(A)〜(C)成分、及び任意的に加えられる他の成分を含有するものであるが、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。
上記溶媒としては、着色組成物を構成する(A)〜(C)成分や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
【0079】
このような溶媒としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
【0080】
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等の(シクロ)アルキルアルコール類;
ジアセトンアルコール等のケトアルコール類;
【0081】
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;
【0082】
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート等のアルコキシカルボン酸エステル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド又はラクタム類
等を挙げることができる。
【0083】
これらの溶媒のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましい。
本発明において、溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0084】
溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、得られる着色組成物の塗布性、安定性等の観点から、当該着色組成物から溶媒を除いた各成分の合計濃度が、5〜50質量%となる量が好ましく、特に10〜40質量%となる量が好ましい。
【0085】
−添加剤−
本発明の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、リン酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤;特開2008−242078号公報等に開示されている反応性官能基を有するシロキサンオリゴマー等を挙げることができる。
【0086】
本発明の着色組成物は、適宜の方法により調製することができ、本着色剤が染料である場合は、例えば、特開2008−58642号公報、特開2010−132874号公報等に開示されている方法により調製することができる。染料(本着色剤)と共に、顔料を使用する場合、特開2010−132874号公報に開示されているように、本着色剤を含む染料溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した染料溶液を、別途調製した顔料分散液等と混合し、得られた着色組成物を第2のフィルタに通すことにより調製する方法を採用できる。また、染料(本着色剤)と、上記(B)〜(C)成分、並びに必要に応じて上記(D)成分及び添加剤成分を(E)溶媒に溶解し、得られた溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した溶液を、別途調製した顔料分散液と混合し、得られた着色組成物を第2のフィルタに通すことにより調製する方法も採用できる。また、本着色剤を含む染料溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した染料溶液と、上記(B)〜(C)成分、並びに必要に応じて上記(D)成分及び添加剤成分を(E)溶媒と混合・溶解し、得られた溶液を第2のフィルタに通し、更に第2のフィルタを通過した溶液を、別途調製した顔料分散液と混合し、得られた着色組成物を第3のフィルタに通すことにより調製する方法も採用できる。
【0087】
カラーフィルタ及びその製造方法
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物を用いて形成された着色層を備えてなるものである。
【0088】
カラーフィルタを製造する方法としては、第一に次の方法が挙げられる。まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層(ブラックマトリックス)を形成する。次いで、この基板上に、例えば、特定着色剤を含有する青色の感放射線性組成物の液状組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶媒を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去する。その後、ポストベークすることにより、青色の画素パターンが所定の配列で配置された画素アレイを形成する。
【0089】
次いで、緑色又は赤色の各着色感放射線性組成物を用い、上記と同様にして、各着色感放射線性組成物の塗布、プレベーク、露光、現像及びポストベークを行って、緑色の画素アレイ及び赤色の画素アレイを同一基板上に順次形成する。これにより、赤色、緑色及び青色の三原色の画素アレイが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
【0090】
また、ブラックマトリックスは、スパッタや蒸着により成膜したクロム等の金属薄膜を、フォトリソグラフィー法を利用して所望のパターンとすることにより形成することができるが、黒色の着色剤が分散された着色感放射線性組成物を用いて、上記画素の形成の場合と同様にして形成することもできる。本発明の着色組成物は、かかるブラックトリックスの形成にも好適に使用することができる。
【0091】
カラーフィルタを形成する際に使用される基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
【0092】
着色感放射線性組成物を基板に塗布する際には、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法等の適宜の塗布法を採用することができるが、特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法を採用することが好ましい。
【0093】
プレベークは、通常、減圧乾燥と加熱乾燥を組み合わせて行われる。減圧乾燥は、通常50〜200Paに到達するまで行う。また、加熱乾燥の条件は、通常70〜110℃で1〜10分程度である。
【0094】
塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.6〜8μm、好ましくは1.2〜5μmである。
【0095】
画素及び/又はブラックマトリックスを形成する際に使用される放射線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、XeClエキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等を挙げることができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
【0096】
放射線の露光量は、一般的には10〜10,000J/m2が好ましい。
また、上記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
【0097】
上記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
【0098】
ポストベークの条件は、通常120〜280℃で10〜60分程度であるが、特定着色剤の耐熱性の点から、ポストベークの温度は、好ましくは240℃以下、特に好ましくは230℃以下である。
このようにして形成された画素の膜厚は、通常0.5〜5μm、好ましくは1〜3μmである。
【0099】
また、カラーフィルタを製造する第二の方法として、特開平7−318723号公報、特開2000−310706号公報等に開示されている、インクジェット方式により各色の画素を得る方法を採用することができる。この方法においては、まず、基板の表面上に、遮光機能も兼ねた隔壁を形成する。次いで、形成された隔壁内に、例えば、特定着色剤を含有する青色の着色組成物の液状組成物を、インクジェット装置により吐出したのち、プレベークを行って溶媒を蒸発させる。次いで、この塗膜を必要に応じて露光したのち、ポストベークすることにより硬化させ、青色の画素パターンを形成する。
【0100】
次いで、緑色又は赤色の各着色組成物を用い、上記と同様にして、緑色の画素パターン及び赤色の画素パターンを同一基板上に順次形成する。これにより、赤色、緑色及び青色の三原色の画素パターンが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない
【0101】
なお、上記隔壁は、遮光機能のみならず、区画内に吐出された各色の着色組成物が混色しないための機能も果たしているため、上記した第一の方法で使用されるブラックマトリックスに比べ、膜厚が厚い。したがって、隔壁は、通常、黒色感放射線性組成物を用いて形成される。
カラーフィルタを形成する際に使用される基板や放射線の光源、また、プレベークやポストベークの方法や条件は、上記した第一の方法と同様である。このようにして、インクジェット方式により形成された画素の膜厚は、隔壁の高さと同程度である。
【0102】
このようにして得られた画素パターン上に、必要に応じて保護膜を形成した後、透明導電膜をスパッタリングにより形成する。透明導電膜を形成した後、更にスペーサーを形成してカラーフィルタとすることもできる。スペーサーは、通常、感放射線性組成物を用いて形成されるが、遮光性を有するスペーサー(ブラックスペーサー)とすることもできる。この場合、黒色の着色剤が分散された着色感放射線性組成物が用いられるが、本発明の着色組成物は、かかるブラックスペーサーの形成にも好適に使用することができる。
このようにして得られる本発明のカラーフィルタは、輝度及び色純度が極めて高いため、カラー液晶表示素子、カラー撮像管素子、カラーセンサー、有機EL表示素子、電子ペーパー等に極めて有用である。
【0103】
表示素子
本発明の表示素子は、本発明のカラーフィルタを具備するものである。表示素子としては、カラー液晶表示素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子は、透過型でも反射型でもよく、適宜の構造をとることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。
【0104】
本発明のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子は、冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)の他、白色LEDを光源とするバックライトユニットを具備することができる。白色LEDとしては、例えば、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色LEDと緑色蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDとYAG系蛍光体の混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと橙色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、紫外線LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体と青色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED等を挙げることができる。
【0105】
本発明のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子には、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、IPS(In−Planes Switching)型、VA(Vertical Alignment)型、OCB(Optically Compensated Birefringence)型等の適宜の液晶モードが適用できる。
【0106】
また、本発明のカラーフィルタを具備する有機EL表示素子は、適宜の構造を採ることが可能であり、例えば、特開平11−307242号公報に開示されている構造を挙げることができる。
【0107】
また、本発明のカラーフィルタを具備する電子ペーパーは、適宜の構造を採ることが可能であり、例えば、特開2007−41169号公報に開示されている構造を挙げることができる。
【実施例】
【0108】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0109】
<本着色剤の合成>
実施例1
ナス型フラスコに4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.55g(1.7mmol)、1−メトキシナフタレン(和光純薬工業株式会社製)0.28g(1.8mmol)、トルエン16mLを加えた。この混合物に対し、塩化ホスホリル0.27g(1.8mmol)を室温で加え、85℃で5.5時間攪拌した。室温に冷却後、反応液にエタノール1gを加えて反応を停止させ、上澄みをデカンテーションにより除去し、得られた粘稠な固体を少量のトルエンで洗浄した。固体をエタノールに溶解して溶液として回収し、減圧濃縮後、室温で真空乾燥しエタノールを除去した。得られた固体を約20mLの水で洗浄して濾取し、50℃にて真空乾燥後、0.48gの固体を得た(収率56%)。1H−NMR分析により、得られた固体は、下記式(7)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−1)とする。
【0110】
【化10】

【0111】
実施例2
実施例1において1−メトキシナフタレンに代えて、1−チオメトキシナフタレン(Energy Chemical社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR分析により、下記式(8)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−2)とする。
【0112】
【化11】

【0113】
実施例3
実施例1において1−メトキシナフタレンに代えて、1−メチルスルホニルナフタレン(ChemPacific Corporation社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR分析により、下記式(9)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−3)とする。
【0114】
【化12】

【0115】
実施例4
実施例1において1−メトキシナフタレンに代えて、1−クロロナフタレン(東京化成工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR分析により、下記式(10)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−4)とする。
【0116】
【化13】

【0117】
実施例5
実施例1において1−メトキシナフタレンに代えて、1−トリフルオロメチルナフタレン(Meryer Chemical Technology Shanghai Company社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR分析により、下記式(11)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−5)とする。
【0118】
【化14】

【0119】
実施例6
実施例1において1−メトキシナフタレンに代えて、アズレン(東京化成工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR分析により、下記式(12)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−6)とする。
【0120】
【化15】

【0121】
実施例7
実施例1において1−メトキシナフタレンに代えて、ベンゾフラン(東京化成工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR分析により、下記式(13)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−7)とする。
【0122】
【化16】

【0123】
実施例8
実施例1において1−メトキシナフタレンに代えて、ベンゾチオフェン(東京化成工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR分析により、下記式(14)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−8)とする。
【0124】
【化17】

【0125】
実施例9
実施例1において1−メトキシナフタレンに代えて、ベンゾチアゾール(東京化成工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR分析により、下記式(15)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−9)とする。
【0126】
【化18】

【0127】
実施例10
実施例1において1−メトキシナフタレンに代えて、フェノキサジン(東京化成工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR分析により、下記式(16)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−10)とする。
【0128】
【化19】

【0129】
実施例11
実施例1において1−メトキシナフタレンに代えて、フェノチアジン(東京化成工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR分析により、下記式(17)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−11)とする。
【0130】
【化20】

【0131】
実施例12
実施例1において1−メトキシナフタレンに代えて、カルバゾール(東京化成工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして着色剤を合成し、1H−NMR分析により、下記式(18)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−12)とする。
【0132】
【化21】

【0133】
実施例13
攪拌子を投入したスクリュー管に、着色剤(A−12)1.4g(2.73mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム 0.703g(4.09mmol)、クロロホルム20mL及び水10mLを加え、室温で7時間攪拌した。水層を分離除去後、有機層を2回水洗し減圧下で濃縮し、更に得られた固体を減圧乾燥することにより、青黒い固体1.45gを得た(収率85.0%)。1H−NMR分析により、得られた固体は、上記式(18)においてアニオン部がトリフルオロメタンスルホネートイオンである化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−13)とする。
【0134】
実施例14
実施例13において、トリフルオロスルホン酸ナトリウムに代えて、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを用いた以外は、実施例13と同様にして着色剤を合成した。1H−NMR測定により、得られた固体は、上記式(18)においてアニオン部がビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンである化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−14)とする。
【0135】
実施例15
実施例13において、トリフルオロスルホン酸ナトリウムに代えて、K[BF(CN)3]を用いた以外は、実施例13と同様にして着色剤を合成した。1H−NMR測定により、得られた固体は、上記式(18)においてアニオン部がBF(CN)3-である化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−15)とする。
【0136】
<顔料分散液の調製>
着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:6を15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)12.5質量部(固形分濃度=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72.5質量部を用いて、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(A−1)を調製した。
【0137】
<染料溶液の調製>
上記実施例1〜15で合成した着色剤(A−1)〜着色剤(A−15)各々について、着色剤20質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル80質量部を混合し、染料溶液(A−1)〜染料溶液(A−15)を調製した。また、着色剤としてベーシックブルー7を20質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル80質量部を混合し、染料溶液aを調製した。
【0138】
<バインダー樹脂の合成>
合成例1
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部、メタクリル酸20質量部、スチレン10質量部、ベンジルメタクリレート5質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート23質量部、N−フェニルマレイミド12質量部、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)15質量部及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6質量部の混合溶液を1時間かけて滴下し、この温度を保持して2時間重合した。その後、反応溶液の温度を100℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mw=12,200、Mn=6,500であった。このバインダー樹脂を「バインダー樹脂(B1)」とする。
【0139】
<着色組成物の調製及び評価>
実施例16
顔料分散液(A−1)13.6質量部、染料溶液(A−1)27.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液21.6質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)9.2質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、熱酸発生剤としてベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム 界面活性剤としてDIC株式会社製フッ素系界面活性剤メガファックF−554を0.2質量部、及び溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物を調製した。
【0140】
得られた着色組成物を、ガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、80℃のホットプレートで10分間プレベークを行って膜厚約2.5μmの塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を2,000J/m2の露光量で露光した。このようにして、基板上に青色の評価用硬化膜を形成した。
【0141】
耐熱性の評価
得られた基板を、230℃のクリーンオーブン内で1時間ポストベークした。ポストベーク前後の基板について、色差(ΔEab*)を測定した。そして、ΔEab*が3.0未満の場合を◎、3.0以上5.0未満の場合を○、5.0以上の場合を×として評価した。評価結果を表1に示す。
【0142】
耐溶剤性の評価
得られた基板を、25℃のプロピレングリコールモノメチルアセテートに30分間浸漬させた。この処理前後の膜厚を触針式膜厚測定機(アルファステップ社IQ、KLAテンコール社)で測定し、残膜率(処理後膜厚/処理前膜厚×100)を算出した。そして、残膜率が90%以上の場合を◎、80%以上90%未満の場合を○、80%未満の場合を×として評価した。評価結果を表1に示す。
【0143】
実施例16〜30及び比較例1
実施例1において、顔料分散液及び染料溶液の種類及び量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に着色組成物を調製した。そして、得られた着色組成物を実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0144】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記式(1)で表されるカチオンを有する着色剤、
(B)バインダー樹脂、及び
(C)架橋剤
を含有することを特徴とする着色組成物。
【化1】

〔式(1)において、
1〜R4は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、フェニル基又はエチレン性不飽和結合を有する基を示し、
5〜R12は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はハロ基を示し、
環Aは、−NR1314(但し、R13及びR14は相互に独立に水素原子又は置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を示す。)で表わされる基を有しないアリール環、イソインドール環、インドリジン環、キノリジン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、β−カルボリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾチオフェン環、イソクロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、チアントレン環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、カルバゾール環、フェノキサジン環又はフェノチアジン環を示す。〕
【請求項2】
前記環Aが下記式(2)〜(6)のいずれかで表されるものである、請求項1に記載の着色組成物。
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

〔式(2)及び式(3)において、X1及びX2は、相互に独立に、酸素原子又は硫黄原子を示し、
式(4)において、Yは、単結合、酸素原子又は硫黄原子を示し、R15は、水素原子又はアルキル基を示し、
式(2)〜(6)において、Z1〜Z5は、相互に独立に、水素原子、ハロ基、ハロゲン化炭化水素基、−OR、−COOR、−SR又は−SO2R(但し、Rは1価の炭化水素基を示す。)を示す。但し、*はジフェニルメタン骨格と結合する結合手であることを示す。〕
【請求項3】
更に(D)光重合開始剤を含有する、請求項1又は2記載の着色組成物。
【請求項4】
下記式(1)で表されるカチオンを有する着色剤を含有する着色層を備えてなるカラーフィルタ。
【化7】

〔式(1)において、
1〜R4は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、フェニル基又はエチレン性不飽和結合を有する基を示し、
5〜R12は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はハロ基を示し、
環Aは、−NR1314(但し、R13及びR14は相互に独立に水素原子又は置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を示す。)で表わされる基を有しないアリール環、イソインドール環、インドリジン環、キノリジン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、β−カルボリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾチオフェン環、イソクロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、チアントレン環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、カルバゾール環、フェノキサジン環又はフェノチアジン環を示す。〕
【請求項5】
請求項5に記載のカラーフィルタを具備する表示素子。
【請求項6】
下記式(1)で表されるカチオンを有する着色剤。
【化8】

〔式(1)において、
1〜R4は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、フェニル基又はエチレン性不飽和結合を有する基を示し、
5〜R12は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はハロ基を示し、
環Aは、−NR1314(但し、R13及びR14は相互に独立に水素原子又は置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を示す。)で表わされる基を有しないアリール環、イソインドール環、インドリジン環、キノリジン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、β−カルボリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾチオフェン環、イソクロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、チアントレン環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、カルバゾール環、フェノキサジン環又はフェノチアジン環を示す。〕

【公開番号】特開2013−37316(P2013−37316A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175617(P2011−175617)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】