説明

移動体無線網利用者用オーダー方法

移動体利用者にサービスを提供するための方法であって、移動体加入者が、RFIDリーダー機器(2)を用いて、RFID構成部品(10)内に保存された電子的なコード(100)を読み出す措置と、電気通信網を介して、当該の電子的なコード(100)をサーバー(5)に伝送する措置と、幾つかの電子的なコード(100)と幾つかの電子的なアドレス間のリンクが登録されているネームサービスサーバー(6)に、サーバー(5)が問合せを伝送する措置と、ネームサービスサーバー(6)が、ページのアドレスを当該のサーバーに送信する措置と、オーダーされたサービスを移動体利用者に提供する措置とを有する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動体利用者に対して、サービスを提供可能とするための方法、例えば、移動体無線網の網運用業者が、移動体利用者に対して、サービスを提供可能とするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、金額の値をSIMカードにロードするための方法を記載しており、その場合特定の金額に関する前払い式価値保存カードを購入することができる。この価値保存カードでは、カード所有者は、不透明で除去可能な層でマスクされたフィールドを剥がして、そのようにしてコードを見えるようにしている。次に、移動体利用者は、サービス番号を呼び出すと、価値保存カードに割り当てられたすべてのコードと各コードに関連する金額が保存されているデータベースに接続される。呼び出した人は、剥がしたコードを呼び出している通信機器を用いて入力することを求められる。入力したコードが、データベース内で検出された場合、ロードしようとしている金額の値が入ったショートメッセージが準備される。これらの金額値とコードは、データベース内で使用済み又は削除済みとマークされて、次回SIMカードが通信機器に挿入されて、通信網との通信が確立された時に、その間に準備していた金額値を保存しているショートメッセージを用いてロード対象のSIMカードにロードされる。
【0003】
この方法は、非常に成功しているけれども、幾つかの欠点を有する。先ずは、コードを隠した価値保存カードの製造には費用がかかる。更に、移動体機器を用いてコードを手動で入力することは、単調で非常に間違いを起こし易い。このことは、特に、コードが長い場合に言えることであり、そのため、最適なコード長は、快適さの必要性とセキュリティの理由から十分なコードを使用しないで残しておく必要性との間の折衷案となり、その結果移動体利用者は、努力して辛うじて正しいコードを覚えることができている。実際には、数字だけのコード、場合によっては英数字のコードを入力することも可能であり、その結果移動体機器の制限されたキーボードにより、出来る限り少ない努力で入力することができている。しかし、数字及び英数字のコードは、コードに対応する数のビットで利用可能な組み合わせの僅かな一部しか使用していない。価値保存カードは、時々長い間在庫のまま、或いは店頭に置かれたままとなるので、合理的なコード長の価値保存カードの集合では、リロードすることができる数が制限される。従って、この方法は、実際には特殊なサービス、即ち、SIMカードのロードにだけ使用することができる。
【0004】
更に、この方法は、コードが、移動体無線網の運用業者によって配信され、そのため移動体無線網に依存するという欠点を有する。従って、異なる網には、異なる価値保存カードを使用しなければならない。そのため、新サービスのプログラミングは、各網及び使用するコード体系に対して新しく行わなければならならない。
【0005】
この方法のセキュリティは、主に入力するコードを隠すことに基づいている。このコードが剥がされると、手で簡単に写し取ることができる。
【0006】
バーコードリーダーを用いて、バーコードを読み取って、送信することによりサービスをオーダーする別の方法が知られている。しかし、バーコードは、任意の長さを持つことはできず、より長いバーコードは、即ち、携帯可能な機器に組み込むのが難しい、安定した良好なバーコードリーダーを必要とする。更に、バーコードは、第三者が使用することができないように、購入されるまで隠されたままの形で価値保存カード上に印刷しなければならない。例えば、バーコードは、コピー機で簡単に複製することができ、そのことは、偽造の可能性を増大させるものである。
【0007】
更に、サービスをオーダーするための周知の方法は、オーダーコードが入ったオーダーメッセージを、常に所定のアドレス(例えば、所定の電話番号)に送らなければならないという欠点を有する。この番号は、移動体利用者に周知するか、或いは価値保存カード上に印刷しなければならず、そのことは、カードの読み取りをより難しくこととなる。例えば、オーダーが、SMSを介して送られる場合、宛先アドレスも入力しなければならない。異なるサービス提供業者のサービスは、一般的に異なるアドレスでオーダーしなければならなくなる。サービス提供業者の呼出しアドレス又は電子的なアドレスが修正された場合、大抵の顧客にとっては、対応するサービスを、もはやオーダーすることができず、その場合価値保存カードを使用することができなくなる。
【特許文献1】欧州特許第0827119号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の課題は、移動体利用者に対してサービスを提供するための新しい方法を提案することである。
【0009】
この発明の別の課題は、移動体利用者が一つのコードで複数のサービスをオーダーすることができ、その際コードは、オーダー方法が不合理とならなければ、ほぼ任意の長さを持つことができる新しい方法を提案することである。
【0010】
この発明の別の課題は、入力するコードを手動で写し取ることができない(又は困難を伴ってのみ写し取ることができる)形で、移動体利用者に対してサービスを提供するための新しい方法を提案することである。
【0011】
この発明の別の課題は、移動体利用者が、共通の所定の電子的なアドレスにより、異なる提供業者のサービスをオーダーすることが可能である新しい方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの課題は、特に、移動体機器を用いて、移動体利用者に対してサービスを提供可能とするための方法であって、
RFIDリーダー機器を用いて、RFID構成部品内に保存された電子的なコードを読み出す措置と、
電気通信網を介して、当該の電子的なコードをサーバーに伝送する措置と、
幾つかの電子的なコードと幾つかの電子的なアドレス間の関連が登録されているネームサービスサーバーに、当該のサーバーが問合せを送信する措置と、
当該のネームサービスサーバーが、当該のコードに対応するページの電子的なアドレスを当該のサーバーに送信する措置と、
当該のサーバーが、当該のページにアクセスする措置と、
オーダーされたサービスを、例えば、移動体利用者に提供する措置と、
を有する方法によって達成される。
【0013】
この方法は、所望のサービスに対応するコードが、手動で入力する必要がなく、RFIDリーダー機器を用いて、RFIDから読み出すという利点を有する。
【0014】
この方法は、所望のサービスを電子的なページにより準備するという利点も有する。このことは、サービスのパラメータ及び条件が、何時でも編集することができるページ上に規定されているという利点を有する。
【0015】
ページのアドレスは、RFIDタグから読み出したコードに対応する。コードとページの電子的なアドレス間の関連は、静的ではなく、ネームサービスサーバーに登録されている。このことは、ページアドレスの変更が何時でも可能であり、簡単に追跡することができるという利点を有する。このことは、サーバーの単一アドレスにより、すべての網のすべての移動体機器から、サービスをオーダーすることができる汎用的なシステムであるという利点も有する。
【0016】
この方法は、移動体利用者が、「物理的に」一定のコードを所有するという証明を与える。コードを単に知っているだけでは不十分であり、コードをRFIDリーダー機器を用いて、タグから読み取らなければならない。タグはコピーされ難いので、簡単に複製される印刷された数字コード又はバーコードよりもセキュリティは高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下では、この発明について、図面にもとづき詳しく述べる。
【0018】
図1は、利用者又は移動体利用者が、この発明による方法にもとづきサービスをオーダーするために使用するシステムを図示している。移動体機器3(例えば、移動体無線電話機又はセルラー移動体無線網とのインタフェースを備えたPDA)は、ショートメッセージ(例えば、SMSやUSSD)及びデータ(例えば、IPパケット)を移動体無線網4から受信するとともに、その網に送信することができる。この移動体無線網4は、データも伝送することができる網、例えば、GSM、GPRS、HSCSD、EDGE、UMTS又はCDMA網である。移動体機器3は、網4を介して、その機器を識別するための識別モジュール(例えば、SIMカード30)を有する。移動体機器3内のプロセッサによって、一つ以上のソフトウェアアプリケーション31を実行することができる。
【0019】
移動体機器3は、更に、RFIDリーダー機器2を有するか、或いは(例えば、USB、ファイヤーワイヤー、PCカード、コンパクトフラッシュ、専用又はその他の接続方式、或いはブルートゥースやWLANの非接触接続方式により)そのようなリーダー機器と接続される。リーダー機器2は、マイクロコントローラと、近傍のRFID構成部品とデータを非接触により交換するための少なくとも一つのアンテナ又はコイルを有する。データの伝送は、好ましくは、13.56MHz、900MHz、860〜930MHzの中の一つ以上の周波数帯域で行われる。リーダー部分は、好ましくは、異なる周波数帯域で、かつ異なるRFIDにより動作するように選定することができる。RFIDを読み出させる動作範囲は、リーダー部分とタグの向きに依存して、好ましくは、2〜10メートルである。接続は、好ましくは、ASK後方散乱変調による半二重モードで行われる。
【0020】
価値保存カード1としてのタグ11は、タグの製造時又は個人向け設定時にコード100を保存するための消去不能な固定記憶エリアを備えたチップ10を有する。コード100は、各特定のタグ11を一義的に識別するものであり、各タグ11は、好ましくは、別々のコードを有する。コードは、好ましくは、改竄することができないものである。コード生成業者(例えば、網運用業者)は、有効な、使用済み、又は期限切れのコードを、その旨マーキングしたテーブルを保守している。
【0021】
コード100は、好ましくは、64、96又はそれ以上のビットを有し、階層的に構成されている。リーダー機器2からの問合せに対するタグ11の返答1000は、好ましくは、ヘッダー1001と、冗長的な検証データ1002と、その次にコード100だけを有する(図2)。その他のデータは、チップ10の記憶エリアに保存して、リーダー部分により読み出すことができる。
【0022】
コード100は、好ましくは、共通の認証機関によって、異なる商品製造業者、移動体無線網提供業者及び付加価値サービス提供業者に配布され、コード100の一部は、好ましくは、価値保存カード1を購入したサービス提供業者の識別子(例えば、移動体無線網運用業者の識別子)を表す。価値保存カード1を用いて、移動体利用者にサービスを提供するサービス提供業者は、共通の認証機関から一連のコード100を確保して、それらのコード100の一部を、次に販売する価値保存カード1に保存する。前述した通り、有効な、並びに使用済みのコード100のリストは、サービス提供業者によって管理されており、価値保存カードの対応する金額を、使用額にもとづき、このリストに記録することもできる。別の実施形態では、この金額は、コード100から一義的に決定することができる。
【0023】
移動体機器3では、リーダー機器2を介して近傍のタグ11のコード100を読み取って、このコード100を移動体無線網4により送信するための少なくとも一つのアプリケーション31が配備されている。コード100の読み取りは、好ましくは、移動体機器3によって始動され、例えば、移動体機器3が、連続的又は周期的に近傍のタグ11を探索して、見い出したタグ11内のコード100を読み出すか、処理するか、或いは転送することが可能である。別の低電流の実施形態では、読み取りは、移動体機器3の利用者によって始動され、利用者は、タグ11を読み出したい場合に、対応するアプリケーション31を立ち上げるか、或いはコマンドを入力する。移動体機器3又はその他の機器を用いたタグ11の読み取りは、近い範囲内ではインタフェース(例えば、ブルートゥースまたはWLAN)を介して、移動体無線網4を介して、或いはアクセスしているWEB又はWAPページ上のリンクを介して、外部機器(例えば、販売ポイント又は自動機械)によって始動することもできる。
【0024】
読み取ったコード100を処理するために、移動体機器3とリーダー機器2の両方又は一方にアプリケーション31の一部として、簡単なフィルター及び処理手段を配備することができる。このアプリケーションは、例えば、コード100の一定の部分だけを処理して転送することができる。それらしくない、或いはエラーを含むコード100を削除するために、冗長性検査を配備することもできる。以前使用されていたコード100は、好ましくは、将来における制御、静的な評価及びバックアップのために、移動体機器3のデータベースに保存される。
【0025】
このアプリケーションでは、コード100を読み取るか、或いは転送する前に、パスワード又はその他の認証を要求することもできる。パスワードは、例えば、価値保存カードの隠れた部分に印刷することができ、それを剥がすか、或いは別のチャネルを介して、移動体利用者に送ることができる。パスワードの検証により、例えば、権限の無い第三者が、適当なリーダー機器を用いて、別人の価値保存カードのコードを読み出して、使用することを防止することができる。
【0026】
一つの実施形態では、パスワードは、コード100の一部を構成するか、或いはこのコードから関数を用いて求めることができる。パスワードは、例えば、パブリックキーを用いて検証することができる、コードのシグネチャーから取得することができる。この場合、権限の無い第三者が、対応する関数又はプライベート署名キーを知っていれば、コードだけからパスワードを求めることができる。この実施形態は、アプリケーション31が、コードだけにもとづき、パスワードの有効性を検証することができるという利点を有する。
【0027】
別の実施形態では、パスワードの有効性は、SIMカード30、移動体機器3又は外部サーバー内のテーブルにもとづき検証される。
【0028】
更に別の実施形態では、パスワードは、タグ11に保存されており、タグ11により検証される。しかし、この実施形態は、パスワードを保存、受信及び比較することもできる高価なタグを必要とする。
【0029】
アプリケーション31は、コードを更に処理して、所望のサービスをオーダーする前に、移動体利用者の確認を要求することができる。この確認は、例えば、移動体機器のキーボード、PDA、その他の入力手段又は音声コマンドにより入力することができる。
【0030】
パスワードが正しく、確認が受信された場合に、読み出されたコード100は、サービスオーダーメッセージ(例えば、ショートメッセージ、好ましくは、GPRS又はUMTSパケット)に纏められて、移動体無線網4を介して、周知のアドレスのサーバー5、好ましくは、移動体無線網4のインフラストラクチャー内のサーバーに送信される(図3)。このサービスオーダーメッセージは、任意選択により、移動体機器3又はSIMカード30によって、タイムスタンプを押されるか、或いは設定される。
【0031】
サーバー5は、幾つかの、或いは場合によってはすべてのRFIDリーダー2から受信する、コードの入ったサービスオーダーメッセージを管理する。異なるエリアからのコードを異なった形で扱うか、或いは全く扱わないようにするために、その他のより複雑なフィルターをサーバー5に配備することができる。
【0032】
コードを処理するために、サーバー5がパスワードを要求することもでき、移動体機器3と同様に、このパスワードは、コード100自体から導き出すか、或いはテーブルにもとづき検証することができる。このパスワードは、例えば、コード100と一緒に、一つのメッセージでサーバー5に伝送される。
【0033】
サーバー5は、移動体利用者の本人確認を検証することもできる。このことは、サーバー5が、移動体無線網4の運用業者によって管理されている場合、なお一層信頼性を増すことととなる。この場合、移動体利用者の本人確認は、確実には、SIMカード30内のIMSI(国際移動電話加入者識別番号)又はその他の識別子にもとづき決定することができる。一定のサービスは、一定の移動体利用者(例えば、対応するサービスに加入している、金銭口座に十分な残高を持っている、或いはそのプロファイルにサービスを提供することができる移動体利用者)にのみ提供される。
【0034】
パスワードが間違っている、或いはその他の理由により所望のサービスを提供することができない場合、好ましくは、(例えば、SMS、USSD又はインターネットを介して)移動体利用者にメッセージが送信される。何回かの試みが失敗した後は、セキュリティに理由から、確定的に、或いは一時的に、更なる試みを阻止することができる。この手法により、試みを繰り返すうちに、有効なコードに突き当たってしまうことを防止すること可能である。
【0035】
サーバー5は、インターネット又はイントラネットを介して、各コードに対応した電子的なページの電子的なアドレスを保存しているネームサービスサーバー6と接続される。
【0036】
サーバー5は、受信した、コード100の入った問合せ50をネームサービスサーバー6に転送して、ネームサービスサーバーは、対応する電子的なアドレスを回答する(応答60)。電子的なアドレスは、例えば、TCP−IP網に関するURL又はその他のアドレスで構成される。
【0037】
ネームサービスサーバー6は、サーバー5の運用業者と外部の団体(例えば、コード100を異なる会社に配布する機関)の両方又は一方によって管理される。所望のアドレスが、サーバー6内で見つからなかった場合に、別のネームサービスサーバーを検索するために、幾つかのネームサービスサーバーを相互に接続することができる。このことにより、例えば、移動体無線網の運用業者が、別の機関のコードを処理することも可能となる。外部のネームサービスのローカルなキャッシュをサーバー5又はサーバー5のドメイン内に配備することもでき、このキャッシュは、例えば、移動体無線網運用業者の価値保存カード1内に有るコード100に対応するアドレスのみを含むものとすることができる。
【0038】
従って、移動体機器3の利用者は、すべてのサービス提供業者のすべてのコード100を、同じ目標とするサーバー5に常に送信して、このサーバーが、ネームサービスサーバー6又はネームサービスサーバー6の網から、所望のサービスを受けるためのベースとなるページアドレスを決定するようにすることができる。このため、サービスオーダーメッセージの処理は、メッセージ内のコードにのみ依存することとなる。従って、幾つかのサービス提供業者の異なるサーバー5に届く同様のメッセージにより、同じサービスを提供することができる。
【0039】
コード100とアドレス間のネームサービスサーバー6内における関連は、好ましくは、所望のサービスの提供業者によって、(例えば、専用のWEBフォームにより)何時でも修正することができる。このことにより、最終利用者に通知することなく、ページ又はドメインの電子的なアドレスを変更することができる。
【0040】
従って、所望のページのアドレスは、タグ11内に保存されている64又は96ビットのコードにもとづき、一つだけ一義的に見い出すことができ、そのため、アクセスするページは、サーバー5のアドレス又は電話番号から完全に独立したものとなる。多くの商品と価値保存カードにマーキングしなければならず、そしてセキュリティの理由から、すべてのコードを使用することができないので、コードには、自由に使える十分なビットを持たなければならず、そして非常に多くの可能性の有る組み合わせが、既に割り当てられているので、例えば、単一のIP番号では、恐らく不十分である。好ましくは、その他の独立したページアドレス指定方式も使用される。
【0041】
サーバー5は、ネームサービスサーバー6から所望のページアドレスの入った応答60を受信して、サーバー7、或いは幾つかのローカル又はリモートサーバーを持つ網内の対応するページにアクセスする(図3の問合せ51と応答70)。
【0042】
一つの実施形態では、所望のページのアドレスは、ネームサービスサーバー6によって指定されたアドレスをコード100の中の一つ以上のビットと組み合わせることによって得られる。この場合、ネームサービスサーバー6のアドレスは、一つのエリアに対応し、そのエリア内の個々のページは、コードの一定の部分に対応する。このことは、ネームサービスサーバー6をより容易に構成することができるという利点を有する。
【0043】
サーバー5によってアクセスされる、サーバー7内のページは、場合によっては、マークアップ言語のハイパーテキストコンテンツを含んでいる。一つの実施形態では、このページは、XML(拡張マークアップ言語)コンテンツで構成される。別の実施形態では、ページは、PML(物体情報マークアップ言語)コンテンツを含む。ページは、サーバー5及び最終的には移動体機器3が、サーバー7のサービス及びオブジェクトにアクセスすることができるためのSOAP(シンプルオブジェクトアクセスプロトコル)、.NETフレームワーク又はその他のWEBサービスをサポートすることもできる。この場合、この発明による方法は、実行可能なプログラムコード要素、SOAPサービス、.NETサービスの中の一つ以上を提供することを含むものである。
【0044】
サーバー5は、サーバー7から、所望のサービスを提供するための所望のページをダウンロードするか、所望のサービス(又は指定されたアドレスのオブジェクト)にアクセスするか、その両方を行う。図3の実施形態では、このサービスは、サーバー7から取得したパラメータが指定する、場合によっては、移動体無線網のパラメータを伝送するサービスサーバー8により提供される。
【0045】
一つの実施形態では、サービスサーバー8は、移動体無線網4のインフラストラクチャー内の前払い式サーバーで構成される。この場合、価値保存カード1は、サーバー8とSIMカード30の両方又は一方内の移動体利用者の前払い用金銭口座にロードされている金額に対応して購入される。移動体利用者が、移動体無線網4又は非接触式ローカル網(例えば、WLAN)により音声又はデータ接続を確立した場合に、この金銭口座から引き落とされる。サービスは、移動体無線網内のその他の移動体利用者特有のパラメータを修正することを含むこともできる。
【0046】
別の実施形態では、情報(例えば、WEB又はWAPページ、テキスト、写真、音楽又は映像ドキュメント、ソフトウェアプログラム、実行可能なプログラムコード要素など)は、サーバー7又はサービスサーバーから移動体機器3にダウンロードされる。この手法では、価値保存カード1により、コンテンツを購入することが可能である。
【0047】
更に別の実施形態では、電子的なキーが、移動体機器3とSIMカード30の両方又は一方に送信されて、保存される。この場合、タグ1は、個人所有者を識別する役割を果たしており、この発明による方法にもとづき、セキュリティ保護されているロケーション又は機器にアクセスするために移動体機器3が使用することができる電子的なキーを交換することができる。このキーは、例えば、移動体機器3の利用者の識別子を証明するために、ローカル網で使用することができる。
【0048】
更に別の実施形態では、この方法は、移動体機器3に繋がっている装置の設定パラメータを提供する(例えば、伝送する)ことを含むものである。この手法により、例えば、移動体機器3又は移動体機器3と繋がっているその他の装置を再プログラミング又は再構成することができる。
【0049】
オーダーしたサービスが提供された後、同じタグ11を何度も使用することができないようにするために、サーバー5とサービスサーバー8の両方又は一方において、対応する修正が記録される。一つの実施形態では、サーバー7のページは、記録、例えば、サービスの提供にもとづき修正される。また、使用されたコードは、好ましくは、ネームサービスサーバー6とサーバー5の両方又は一方で使用済みとしてマーキングされる。
【0050】
所望のサービスを、移動体機器3の利用者の識別子、契約タイプ、場所、時間、アクセスしている網、支払い能力、プロファイル等を含む、移動体無線網4内で決定されるパラメータに依存させることができる。これらのパラメーターの中の少なくとも幾つかは、場合によっては、所望のサービスを提供する前に、サーバー内で検査される。従って、例えば、有効期限の有る一定の価値保存カード1が、依然として有効であるか否か、所望のサービスが、移動体利用者の契約タイプと使用している移動体機器の型式の両方又は一方と矛盾しないか否か等を検証することができる。決定されたコンテンツの言語を、移動体利用者の場所とプロファイルの両方又は一方に依存させることができる。
【0051】
逆方向チャネル(例えば、SMS、USSD、WAP又はその他のIPパケット)を介して、移動体機器3とSIMカード30の両方又は一方に所望のサービスを提供することができる。商品オーダー及び多くの金銭トランザクションを含む一定のサービスは、移動体機器3へのデータ伝送を必要としない。しかし、好ましくは、少なくとも確認が、移動体機器3に送信され、サービスとは別のチャネルを介して、この確認を伝送することが可能である。例えば、サービスが、高速なデータチャネルを介した移動体機器3へのデータ伝送を含む一方、短いテキストのメッセージにより、或いは音声チャネルを介してでもオーダーを確認することが可能である。
【0052】
サーバー5によって送信される確認は、好ましくは、アクセスされたページのコンテンツの少なくとも一部とそのページへのリンクの両方又は一方を含むことができる。
【0053】
図4は、送信されたコードのアドレスに対応する所望のページがサービスサーバー8に保存されている別の実施形態を図示している。
【0054】
図5は、タグ11を読み取るためのRFIDリーダー機器が、移動体機器3と接続されていない実施形態を図示している。この場合、コード100は、外部RFIDリーダー機器2’(例えば、図示されていないショップのレジ、コンピュータ、第二の移動体機器などの販売用機器と接続されたリーダー機器2’)によって読み取られる。次に、コード100は、電気通信網9(例えば、インターネットを介したVPN)によって、サーバー5に送信されて、このサーバーは、ネームサービスサーバー6から対応するページアドレスを取得して、ページサーバー7内のそのページにアクセスし、サービスサーバー8にもとづき、所望のサービスを移動体利用者に提供するものである。サービスの提供は、移動体無線網4を介した移動体機器3へのデータ、コンテンツ又はプログラムの伝送を含むことができる。
【0055】
このようにして、この発明にもとづき、電子的なトークンとしてのコードを有するRFIDを、電子的なページを用いて提供されるサービスのために使用することが可能となり、その際タグを配布した後に、ページのコンテンツとアドレスを修正することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】移動体機器、RFIDリーダー機器及びRFIDを備えたシステムのブロック図
【図2】この発明によるコードが入ったメッセージの構造
【図3】サーバー、サービスサーバー、ページサーバー及びネームサーバーが配備された、この発明によるシステムのブロック図
【図4】サーバー、サービスサーバー及びネームサーバーが配備された、この発明によるシステムのブロック図
【図5】別個の端末から所望のサービスをオーダーする形の、この発明によるシステムのブロック図
【符号の説明】
【0057】
1 価値保存カード
10 チップ
11 タグ
100 コード
1000 返答
1001 ヘッダー
1002 検証データ
2 RFIDリーダー機器
2’ RFIDリーダー機器
3 移動体機器
30 SIMカード
31 アプリケーション
4 移動体無線網
5 サーバー
50 問合せ
51 問合せ
6 ネームサービスサーバー
60 返答
7 サーバー
8 サービスサーバー
9 電気通信網


【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体機器(3)を用いて、移動体利用者に対してサービスを提供可能とするための方法であって、
RFIDリーダー機器(2)を用いて、RFID構成部品(10)内に保存された電子的なコード(100)を読み出す措置と、
電気通信網(4,9)を介して、当該の電子的なコード(100)をサーバー(5)に伝送する措置と、
幾つかの電子的なコード(100)と幾つかの電子的なアドレス間の関連を登録しているネームサービスサーバー(6)に対して、当該のサーバー(5)が問合せを送信する措置と、
当該のネームサービスサーバー(6)が、当該のコードに対応するページの電子的なアドレスを当該のサーバー(5)に送信する措置と、
当該のサーバー(5)が、当該のページにアクセスする措置と、
オーダーされたサービスを提供する措置と、
を有する方法。
【請求項2】
当該のサーバー(5)が、電気通信網(4)のインフラストラクチャー内に配置されており、
当該のネームサービスサーバー(6)が、電気通信網(4,9)のインフラストラクチャーの外に配置されており、幾つかの網運用業者からアクセス可能である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該のページが、マークアップ言語によるハイパーテキストコンテンツを有する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
移動体利用者が、当該のRFID構成部品(10)を購入し、
当該のサービスが提供されると直ちに、サーバー内で当該の電子的なコードが使用済みとマークされる、
請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
当該のサービスが、移動体利用者による当該の電気通信網(4,9)へのアクセス許可情報を含む請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
当該のサービスが、装置の設定用パラメータを提供することを含むものである請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
当該のサービスが、電気通信網(9)としての移動体無線網(4)における移動体利用者特有のパラメータを修正することを含むものである請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
当該のサービスが、当該のサーバーにアクセス可能なSOAPサービスと.NETサービスの両方又は一方を提供することを含むものである請求項1から7までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
当該のサービスが、実行可能なプログラムコード要素を提供することを含むものである請求項1から8までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
サービス提供後に、確認が移動体機器(3)に送信され、
この確認が、当該のページのコンテンツの少なくとも一部と当該のページへのリンクの両方又は一方を含む、
請求項1から9までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
当該のRFIDリーダー機器(2)が、移動体機器(3)としての移動体無線電話機の一部であり、
当該のコードが、当該の移動体無線電話機内のソフトウェアアプリケーション(31)によって纏められて、当該のサーバー(5)に伝送される、
請求項1から10までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
当該の電子的なコードが、階層的に構成されており、
コード(100)の一部が、当該の移動体無線網運用業者の識別子を表す、
請求項1から11までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
移動体利用者が、パスワードを入力し、
そのパスワードが、当該のコードに対応する場合にのみ、当該のサービスが提供される、
請求項1から12までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
移動体利用者の識別子が検証され、
サービスの提供が、その識別子に依存する、
請求項1から13までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
移動体利用者の識別子が、チップカード(30)を用いて決定される請求項14に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−527173(P2007−527173A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501290(P2007−501290)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050932
【国際公開番号】WO2005/086467
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(301067357)スイスコム・モバイル・アクチエンゲゼルシヤフト (11)
【Fターム(参考)】