説明

移動体運行情報システム

【課題】レイヤの重なりで表示された画面でレイヤの前後関係を変えることなく、下層にある任意のレイヤのオブジェクトを操作できる移動体の運行情報システムを提供する。
【解決手段】画面データを表示したレイヤを所定の順番で複数層重ねてコンピュータ画面に表示させる画面表示部4と、各レイヤのどの部分をオブジェクトとして管理するかを決定し、各オブジェクトごとに識別情報を与え、所定時間における各オブジェクトの位置情報を管理するオブジェクト制御と、カーソルが所定の座標にあるときにコマンドが発せされた場合に、前記座標に位置整合するオブジェクトが前記コマンドを実行するか否かを制御するオブジェクトのコマンド透過性制御と、レイヤの透明性を制御することによってレイヤ全体の表示の有無を制御する表示制御とを行うレイヤ制御部3と、オブジェクトが有する情報を格納する情報データベース5と、入力手段6と、中央処理部2と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両や船舶や航空機等(これらをまとめて「移動体」という。)の位置情報を地図(海図を含む)の情報とともに表示し、ユーザの要求に応じて移動体の運行に関するその他の情報を提供する移動体運行情報システムに関する。
【0002】
特に、本発明は、上記各種の情報を複数のレイヤに記載しそれらの重なりで表示したコンピュータ画面において、レイヤの前後関係を変えることなく、下層にある任意のレイヤのオブジェクトを操作できるようにした移動体運行情報システムに関する。なお、「オブジェクト」とは、コンピュータ画面に表示された移動体や情報を有する物をいい、「オブジェクトの操作」とは、オブジェクトの関連情報を表示し、あるいは更新することをいう。「オブジェクトの関連情報の表示」は、オブジェクトに関係づけられた他の既定の情報を表示すること、および、移動体の軌跡などオブジェクト自体の過去の情報を表示することを含む。
【背景技術】
【0003】
従来から、コンピュータの表示の方法としてレイヤを積層して、重なった画像を表示する方法が知られていた。
【0004】
マイクロソフト(登録商標)のオペレーションシステム(OS)では複数のウインドウを重畳して表示し、下層にあるウインドウが透けて見える表示方法を採用している。これもレイヤの積層による表示方法の一つである。
【0005】
また、CADの分野では、例えば建屋の設計図では、コンクリート基礎図面と、木材の床図面と、電気配線図と、配管図等をそれぞれ別々のレイヤに記載し、必要な組合せで表示・出力するものが知られている。
【0006】
一方、地図情報システムも従来からあった。地図情報システムとは、地図をコンピュータ画面に表示し、所定の場所にカーソルを合わせることで関連情報を表示するシステムをいい、種々の分野で用いられている。たとえば、カーナビゲーションシステムの分野では、地図情報システムをレイヤ表示の技術と組み合わせたものが知られている。かかるカーナビゲーションシステムでは、地図は一つのレイヤに記載し、その他の情報例えば駐車場の位置や、コンビニエンスストアの位置や、ガソリンスタンドの位置を個別のレイヤに記載し、使用者の入力命令によって表示すべきレイヤを制御し、必要に応じて地図上に駐車場の位置や、コンビニエンスストアの位置や、ガソリンスタンドの位置を組み合わせて表示する技術が知られている。
【0007】
また、カーナビゲーションシステムにおいて、コンピュータ画面上で車がカーソルの役割を果たし、車が所定の場所に到達したら、その場所に予め入力されている情報を表示する技術が知られている。
【0008】
地図情報システムは海図や船舶や航空機の運航監視システムにも応用されている。
【0009】
船舶や航空機の運航監視システムは、地図や海図と、移動体の位置と、レーダ画像等を別々のレイヤに記載してそれらを重ね合わせてコンピュータ画面に表示し、カーソルを合わせて操作することによって必要な情報を提供する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−33635号公報
【特許文献2】特開2006−163765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
(1)従来の地図情報システムは、レイヤの地色は透明になっているが、オブジェクト自体は見えるようにするために不透明になっており、オブジェクトが重なって前後関係になって表示されることがあった。オブジェクトが重畳して表示されている場合に、従来は操作したいオブジェクトが下層のレイヤにあれば、そのレイヤを表面のレイヤに上げ、所望のオブジェクトに対して操作をするようにしていた。
【0012】
換言すると、従来のレイヤの表示方法では、特定のオブジェクトを操作するために、オブジェクトが属するレイヤを「アクティベイト」する必要があり、このレイヤのアクティベイトによってレイヤの層の順番が入れ替わって、表示状態が変化した。
【0013】
しかし、レイヤの表示順番の入れ替えを可能にすることにより、船舶や航空機の運航監視システムでは常に監視すべき船舶や航空機の位置が、下層のレイヤになってしまうことがあった。このことは運行の安全上好ましくなく、デフォルトの表示状態に戻す必要があった。
【0014】
たとえば、船舶や航空機の運航監視システムにおいては、接近した移動体や浅瀬や運行規制等のオブジェクトが重畳した状態で表示される。オブジェクトが重なった部位では、一つのオブジェクトの少なくとも一部が他のオブジェクトに隠れた状態で表示される。
【0015】
このようなオブジェクトが重なった状態で、最重要な移動体の位置を表面に表示したままで、レイヤの順番を入れ替えることなく下層のオブジェクトを操作する必要が生じる。
【0016】
このため、本願発明が解決しようとする一つの課題は、レイヤの重なりで表示された画面でレイヤの前後関係を変えることなく、下層にある任意のレイヤのオブジェクトを操作できる移動体の運行情報システムを提供することにある。
【0017】
(2)また、船舶や航空機等の運行情報システムにおいては、現在の船舶や航空機の位置を表示しつつ、特定の船舶や航空機の過去の軌跡を知る必要が生じることがある。
【0018】
従来の地図情報システムは、現在のカーソル位置における周辺の情報しか知ることができず、特定のオブジェクトの過去の時系列情報を知ることはできなかった。
【0019】
過去の情報を表示する場合は、通常は過去のある時点の全移動体の位置を表示することになる。
【0020】
しかし、船舶や航空機等の運行情報システムにおいて、過去のある時点のすべての移動体の位置を表示すると情報が埋没する可能性があり、それよりは、他のオブジェクトは現状を表示し、特定のオブジェクトのみ過去の情報を時系列的に表示する必要がある。
【0021】
そこで、本願発明が解決しようとする他の課題は、移動体の運行情報システムにおいて、特定の移動体にマウス等のカーソルを合わせてクリックすると、現状の中でその移動体の過去の軌跡等の時系列情報を表示することができる移動体運行情報システムを提供することにある。
【0022】
(3)また、上記移動体の軌跡等の時系列情報を画面上に表示する場合、通常の技術で考えれば、データベースに各移動体の過去の軌跡等の情報を記録し、特定の移動体が選択されると、その移動体の過去のデータをデータベースから検索し、検索された移動体の過去データを現状の画面上に描画する方法が考えられた。
【0023】
しかし、データベースに対する検索と、過去データの画面上への描画はいずれも時間を消費する処理であるため、処理が遅いという問題が生じる。
【0024】
そこで、本願発明が解決しようとする他の課題は、移動体の運行情報システムにおいて、特定の移動体にマウスのカーソルを合わせてクリックすると、その移動体の過去の軌跡等の時系列情報を極めて短時間で表示することができる移動体運行情報システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本願発明の移動体運行情報システムは、
画面データを表示したレイヤを所定の順番で複数層重ねてコンピュータ画面に表示させる画面表示部と、
前記各レイヤのどの部分をオブジェクトとして管理するかを決定し、各オブジェクトごとに識別情報を与え、所定時間における各オブジェクトの位置情報を管理するオブジェクト制御と、カーソルが所定の座標にあるときにコマンドが発せされた場合に、前記座標に位置整合するオブジェクトが前記コマンドを実行するか否かを制御するオブジェクトのコマンド透過性制御と、レイヤの透明性を制御することによってレイヤ全体の表示の有無を制御する表示制御とを行うレイヤ制御部と、
オブジェクトが有する情報を格納する情報データベースと、
コンピュータ画面上のカーソルを制御でき、コマンドを入力することができる入力手段と、
全体の処理を制御する中央処理部と、を有し、
前記中央処理部は、前記入力手段を介したユーザからのコマンドにより、前記レイヤ制御部に、各レイヤのオブジェクトのコマンド透過性と各レイヤの透明性を設定させ、前記画面表示部に前記レイヤ制御部によって設定された各レイヤを重ねてのコンピュータ画面に表示させ、
ユーザが前記入力手段によりコンピュータ画面上でカーソルを所定座標に位置させて所定のコマンドを入力したときに、前記中央処理部は前記カーソルの座標に位置整合する各レイヤのオブジェクトを表層のレイヤから下層のレイヤに向かって検索し、前記カーソルの座標に位置整合しかつコマンドを実行するように設定されたオブジェクトのうち最上層にあるオブジェクトに対して前記コマンドを実行し、前記情報データベースから必要な情報を取得し、前記レイヤ制御部に表示のためのレイヤ制御命令を必要に応じて出力し、前記画面表示部にレイヤと必要な情報を重ねて表示させることを特徴とする。
【0026】
移動体の位置を表示するレイヤは、時系列的に所定数の層のレイヤを有するレイヤ群とし、通常の使用状態では前記中央処理部と前記レイヤ制御部は最新の移動体位置のレイヤのみを表示するように制御し、過去の移動体位置のレイヤはレイヤ全体を透明として前記画面表示部に移動体位置のレイヤ群を重ねて表示させ、
カーソルが所定の移動体に位置合わせされ、過去データの参照を要求する過去データ参照コマンドが入力されたときは、前記中央処理部は当該コマンドを実行して前記移動体の識別情報を取得し、前記移動体の識別情報により前記レイヤ制御部に過去の移動体位置のレイヤ上の移動体のうち同一の識別情報を有する移動体のみを表示させ、前記画面表示部に前記移動体位置のレイヤ群を重ねて表示させるようにすることができる。
【0027】
前記移動体位置のレイヤ群を重ねて表示された画像において、同一の前記識別情報を有する移動体を線で結んで軌跡情報を表示し、あるいは必要に応じて同一の前記識別情報を有する移動体を強調表示するようにすることができる。
【0028】
気象情報や移動体間の交信を含む時系列データを有するオブジェクトを表示するレイヤは、時系列的に所定数の層のレイヤを有するレイヤ群とし、通常の使用状態では前記中央処理部と前記レイヤ制御部は最新のレイヤのみを表示するように制御し、過去の時系列データを表示するレイヤはレイヤ全体を透明として前記画面表示部にレイヤ群を重ねて表示させ、
カーソルが所定のオブジェクトに位置合わせされ、過去のデータの参照を要求する過去データ参照コマンドが入力されたときは、前記中央処理部は当該コマンドを実行して前記オブジェクトの識別情報を取得し、前記オブジェクトの識別情報により前記レイヤ制御部に過去の時系列データのレイヤ上のオブジェクトのうち同一の識別情報を有するオブジェクトのみを表示させ、前記画面表示部に前記時系列データを有するオブジェクトを表示するレイヤ群を重ねて表示させるようにすることができる。
【0029】
上層に移動体の位置を記載したレイヤ、下層に地図を記載したレイヤを有し、その間に移動体間の交信データを記載したAISレイヤと、衛星写真レイヤと、レーダ画像レイヤと、気象データを記載した気象レイヤのうちの少なくとも一つを有し、いずれのレイヤのオブジェクトを操作可能にするか又はいずれのレイヤを表示するかをユーザに選択させるレイヤ制御インターフェースを有するようにすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本願発明の移動体運行情報システムは、オブジェクトを含む画面データを表示したレイヤを所定の順番で複数層重ね、コンピュータ画面に表示させている。各レイヤの所定の部分あるいは範囲はオブジェクトとして識別情報で管理され、カーソルが所定の座標にあるときにコマンドが発せされた場合に、前記座標に位置整合するオブジェクトはコマンドを実行するか否かは各レイヤごとに予め設定されている。
【0031】
ユーザがコンピュータ画面上でカーソルを所定座標に位置させて所定のコマンドを入力したときに、中央処理部はカーソルの座標に位置整合する各レイヤのオブジェクトを表層のレイヤから下層のレイヤに向かって検索し、カーソルの座標に位置整合しかつコマンドを実行するように設定されたオブジェクトのうち最上層にあるオブジェクトに対して前記コマンドを実行する。
【0032】
このように、本願発明の移動体運行情報システムは、レイヤの順番を変えず、かつ、互いに重なって表示されたオブジェクトのうち、コマンドを実行するように設定された下層のオブジェクトに対して、コマンドを実行することができる。
【0033】
上記コマンドを実行設定、すなわちコマンド透過性は、各レイヤごとに自由に設定できるため、下層にある任意のレイヤのオブジェクトを操作できるようになる。
【0034】
また、このように互いに重なって表示されたオブジェクトのうち、コマンドを実行するように設定された下層のオブジェクトに対してコマンドを実行する際には、レイヤが入れ替わることがないので、重要な移動体の現在の位置が下層になって監視の目が行き届かない危険性を低減することができる。
【0035】
また、本願発明の別の態様では、時系列データを有するオブジェクトを表示するレイヤを、時系列的に所定数の層を有するレイヤ群として重ねて表示する。
【0036】
移動体の位置についても、現在と過去の移動体の位置を記録したレイヤを時系列的に所定数の層のレイヤを有するようにすることができ、最新の移動体位置のレイヤのみを表示するように制御し、過去の移動体位置のレイヤはレイヤ全体を透明とするように制御してレイヤ群を重ねて表示することにより、通常の使用状態では最新の移動体位置を表示することができる。
【0037】
かかる状態において、カーソルが所定の移動体に位置合わせされ、過去データの参照を要求すると、本願発明では中央処理部が当該コマンドを実行してその移動体の識別情報を取得し、その移動体の識別情報をキーとして過去の移動体位置のレイヤ上の移動体のうち同一の識別情報を有する移動体のみを特定して表示されるように制御し、画面表示部に移動体位置のレイヤ群を重ねて表示させる。
【0038】
このように、特定の識別情報を有する移動体の過去の情報が表示されることにより、移動体位置のレイヤ群を重ねて表示すると、他の移動体の現在位置が表示された中で、特定の移動体の過去の軌跡が表示される。
【0039】
同一の識別情報を有する移動体を線で結ぶ機能や、同一の識別情報を強調表示する機能を有する発明によれば、移動体の軌跡情報が分かりやすく表示される。
【0040】
上記時系列データを有するオブジェクトは、気象情報を有するオブジェクトにも応用することができ、複数の風向・風速計の情報を表示する移動体運行情報システムにおいて、風向・風速計の過去のデータを時系列的に複数のレイヤに記録し、ユーザが特定の風向・風速計にカーソルを合わせて過去データ参照コマンドを入力すれば、風向・風速計の地点における風向・風速の変化の過程を一目で確認することができる。
【0041】
また、時系列データを有するオブジェクトは、移動体間の交信データにも応用することができ、この場合には、特定の移動体間の交信データを時系列的に表することができ、交信内容の把握が大幅に容易になる。
【0042】
なお、上記時系列データを有するオブジェクトは、移動体位置、気象情報、交信データ等に限られず、任意の時系列データを有するオブジェクトに応用することができる。
【0043】
上述したように、本願発明においては、時系列データを有するレイヤをそもそも画面表示の構成要素として有するようにし、過去のデータの参照の要求があったときは、特定のオブジェクトを顕在化させるだけで、現状の情報の画面の中で、特定のオブジェクトの過去データを連続的に表示させることができる。
【0044】
このため、公知技術のように、過去のデータをデータベースに格納し、所定のオブジェクトの過去データ参照コマンドが入力されると、そのオブジェクトの過去データを検索する時間や、現状の画面に検索された過去データを描き込む時間が省略化され、きわめて迅速に特定のオブジェクトの過去のデータを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る移動体運行情報システムの一実施形態による構成を示した構成図。
【図2】本発明のオブジェクトのコマンド透過性制御や、レイヤの透明性制御による表示制御を説明した説明図。
【図3】本発明の移動体運行情報システムを船舶運行情報システムに適用した場合の画面表示例を示した図。
【図4】図3の画面表示例に対応するレイヤの構成を分解して示した説明図。
【図5】いずれのレイヤのオブジェクトを操作可能にするか又はいずれのレイヤを表示するかをユーザに選択させるレイヤ制御インターフェースを有する画面表示例を示した図。
【図6】過去データ参照コマンドを実行し、特定の船舶の軌跡情報を作成する処理の過程を示した説明図。
【図7】船舶の現状位置を示した画面において特定の船舶の軌跡情報を表示した画面表示例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、本願発明は船舶に限られず、広く船舶や航空機や車両を含む移動体の運行情報を提供するシステムに関するが、理解容易のために以下の説明では、船舶の運行情報システムを例に説明する。
【0047】
図1は、本発明に係る移動体運行情報システムの一実施形態による構成図を示している。図に示すように、本発明の船舶運行情報システム1は、中央処理部2と、レイヤ制御部3と、画面表示部4と、情報データベース5と、入力手段6とを有している。
【0048】
中央処理部2は、全体の処理を制御する部分である。
【0049】
画面表示部4は、画面データを表示したレイヤを所定の順番で複数層重ねてコンピュータ画面に表示させる部分である。
【0050】
図1に示すように、レイヤは複数の層があり、各層のレイヤが画面を形成する要素となっている。各レイヤは透明な面の上に情報を有するオブジェクトO,O,O,O・・・と、情報を有しない画像データ、例えば衛星写真や広い海域等を表した画像データ有している。レイヤの地色は原則として透明である。オブジェクトは、閉じた一定の図形領域として定義することができ、情報と関係づけられ、関係づけられた情報を参照したり更新したりすることができる。オブジェクトO,O,Oは三角形の図形領域として定義され、たとえば船舶を示すものとして定義することができる。オブジェクトはそれぞれ識別情報を有している。識別情報によって各レイヤのオブジェクトはレイヤ制御部によって管理されている。
【0051】
各レイヤは、管理がしやすいように、特定の種類の情報を記載している。たとえば、船舶のデータと、移動体間の交信データと、レーダ画像と、気象データと、地図データはそれぞれ別個のレイヤに記載されている。
【0052】
さらに、時系列情報を有するオブジェクト、たとえば船舶データを記載したレイヤは、同種の情報を有するレイヤを複数有し、レイヤ群を形成している。
【0053】
レイヤを重ねて表示すると、各レイヤの地色は透明であるため、各レイヤ上の画像のみが重畳的に表示され、一つの画面を形成する。
【0054】
レイヤ制御部3は、各レイヤのどの部分をオブジェクトとして管理するかを決定し、各オブジェクトごとに識別情報を与え、移動するオブジェクトについては所定時間における各オブジェクトの位置情報を管理している。この制御はオブジェクト制御という。
【0055】
また、レイヤ制御部3は、カーソルが所定の座標にあるときにコマンドが発せされた場合に、その座標に位置整合するオブジェクトが前記コマンドを実行するか否かを制御する。この制御はオブジェクトのコマンド透過性制御という。
【0056】
さらに、レイヤ制御部3は、各レイヤの透明性を制御することによって所定のレイヤ全体の表示の有無を制御する。この制御は表示制御という。
【0057】
情報データベース5は、各オブジェクトに関連した情報を、オブジェクトの識別情報をキーとして格納している。
【0058】
また、情報データベース5は、常に表示しておく必要がないレイヤの画像データや、レイヤ数の上限を超えたレイヤの画像データを格納しておく。
【0059】
入力手段6は、ユーザと船舶運行情報システム1のインターフェースをなし、好ましくは少なくともカーソルを操作する手段を含み、船舶運行情報システム1に対してコマンドを入力することができるようになっている。
【0060】
なお、図示しないが、船舶運行情報システム1は必要により、記憶装置や出力装置を有している。
【0061】
また、船舶運行情報システム1は、スタンドアローンの装置として構成することができるし、ネットワーク上のシステムとして構成することもできる。
【0062】
図2は、オブジェクトのコマンド透過性制御や、レイヤの透明性制御による表示制御を説明した図である。
【0063】
図2の例では、レイヤはL,L,Lの3層があり、レイヤLは情報を有しない画像データのみを有している。レイヤLはオブジェクトO,Oを有し、レイヤLはオブジェクトOを有している。オブジェクトOとオブジェクトOは上方から見た場合に重なっているものとする。
【0064】
レイヤLは透明性を100%に設定することにより、画像データを含めて全てが見ることができないようしてもよいし、透明性を100%より少なく設定することにより、画像データが見られるようにしてもよい。
【0065】
なお、オブジェクトでない画像データは見える状態であっても、コマンドには反応しないようになっている。
【0066】
レイヤLはオブジェクトO,Oを有し、オブジェクトOはコマンドに対して透過性を有しないように設定され、オブジェクトOはコマンドに対して透過性を有するように設定されているものとする。
【0067】
レイヤLはオブジェクトOを有し、オブジェクトOはコマンドに対して透過性を有しないように設定されているものとする。
【0068】
所定のオブジェクトに対して「コマンドが透過」するとは、カーソルがオブジェクトの図形領域内にあるときにコマンドが要求されても、そのオブジェクトに関してはコマンドを実行しないことをいう。オブジェクトのコマンド透過性は、レイヤ全体として一律に設定してもよいし、所定のレイヤ上でオブジェクトを指定して個別にコマンド透過性を設定できるようにしてもよい。
【0069】
図2において、カーソルが上方から見てオブジェクトOの図形領域内にあるときに、コマンドが要求されると、レイヤLはコマンドに反応せず、その下層のレイヤLのオブジェクトOはコマンド透過性を有しないように設定されているため、要求に応じて当該オブジェクトOに対してコマンドを実行する。
【0070】
一方、カーソルが上方から見てオブジェクトOとOの重なった部分にあるときに、コマンドが要求されると、レイヤLはコマンドに反応せず、その下層のレイヤLのオブジェクトOはコマンド透過性を有するように設定されているため同様にコマンドに反応せず、さらにその下層のレイヤLのオブジェクトOはコマンド透過性を有しないように設定されているため、要求に応じて当該オブジェクトOに対してコマンドを実行する。
【0071】
この際に、オブジェクトOを操作するのに、レイヤL,L,Lの前後関係の順番は変更されず、オブジェクトOとOの重なったままで、下層のオブジェクトOに対してコマンドを実行することができる。
【0072】
図3は、本発明の移動体運行情報システムを船舶運行情報システムに適用した場合の画面表示例を示している。
【0073】
図3において、符号7は海岸線を示し、符号8は水深10メートルの線を示し、符号9は水深30メートルの線を示し、符号7,8,9の線で地図データ(海図データを含む)が構成されている。
【0074】
符号10は風向・風速を図形的に表した気象データを示している。
【0075】
符号11は、船舶間の交信の存在と送受信の方向とメッセージ内容を含むAISデータを示している。
【0076】
符号12は船舶を示している。なお、船舶は三角形のオブジェクトとして表現され、図3において三角形はすべて船舶のオブジェクトを示し、見やすさのため数個の船舶にのみ符号12を付している。
【0077】
図4は図3の画面に対応するレイヤの構成を分解して示した図である。
【0078】
図4に示すように、図3の画面は下方から、地図レイヤと、気象レイヤと、レーダ・衛星画像レイヤと、AISデータレイヤと、船舶データレイヤとを有している。
【0079】
船舶の運行情報システムにおいては、図4に示したように、地図レイヤが下層にあり、船舶データレイヤが上層にあり、その間に移動体間の交信データを記載したAISレイヤや、衛星写真レイヤや、レーダ画像レイヤや、気象データを記載した気象レイヤが配置されているのが好ましい。
【0080】
このような前後関係により、船舶の運行情報システムにとって最重要な現在の船舶の位置が常に表示され、下層のオブジェクト操作によって船舶の位置が見えなくなる危険性を回避することができる。
【0081】
地図レイヤは、海岸線と水深10メートルの線と水深30メートルの線がそれぞれのレイヤに記載され、それら全体で地図レイヤが構成されている。
【0082】
気象データは、時系列情報を有し、時刻0の気象データと、時刻−1の気象データと、時刻−2の気象データがそれぞれのレイヤに記載され、それらのレイヤ群で気象レイヤが構成されている。
【0083】
気象レイヤは通常は現在の時刻0の気象データのレイヤのみが表示され、過去の気象データのレイヤは表示制御により透明に設定され表示されない。
【0084】
レーダ画像や衛星写真は、レーダ・衛星画像レイヤを構成し、必要に応じて表示させることができる。
【0085】
AISデータレイヤは、船舶間の交信の存在と送受信の方向とメッセージ内容を記載し、時系列情報を有しており、図4では便宜上一層のレイヤのみを有しているが、時系列に複数のレイヤからなるレイヤ群によって構成されていてもよい。
【0086】
船舶データレイヤは、領域内の船舶の位置を示しており、時系列情報を有し、時刻0の船舶データと、時刻−1の船舶データと、時刻−2の船舶データと、時刻−3の船舶データと、時刻−4の船舶データとを有し、それらを記載した複数のレイヤからなるレイヤ群で船舶データレイヤが構成されている。
【0087】
船舶データレイヤは通常は現在の時刻0の船舶データのレイヤのみが表示され、過去の船舶データのレイヤは表示制御により透明に設定され表示されない。
【0088】
図4の各レイヤを重ねて表示することにより、図3に示すような画面が形成される。
【0089】
次に、本発明による移動体運行情報システムの使用方法とその処理について以下に説明する。
【0090】
図5は、いずれのレイヤのオブジェクトを操作可能にするか又はいずれのレイヤを表示するかをユーザに選択させるレイヤ制御インターフェースを有する移動体運行情報システムの画面を示している。
【0091】
図5に示すように、この実施形態では、図3の画面を表示したコンピュータ画面の左上部分に、操作が可能なオブジェクトのレイヤの選択が可能なボタン13と、表示するレイヤの選択が可能なボタン14を有するユーザインターフェースが提供されている。
【0092】
ユーザは入力手段6を介して、図5のユーザインターフェース13,14により、オブジェクト操作を行うレイヤと、表示しようとするレイヤを指定する。
【0093】
本システムの中央処理部2は、入力手段6を介したユーザによって入力されたコマンドにより、レイヤ制御部3に、各レイヤのオブジェクトのコマンド透過性と各レイヤの透明性を設定させ、続いて画面表示部4に前記レイヤ制御部3によって設定された各レイヤを重ねてのコンピュータ画面に表示させる。
【0094】
このように、ユーザインターフェース13,14の操作により、表示したいレイヤのみを選択して表示させることができる。また、オブジェクトの操作が可能な任意のレイヤを選択し、図2を用いて説明したように重なって表示されたオブジェクトに対して、レイヤの前後関係を変えることなく、下層にある任意のレイヤのオブジェクトを操作することができるようになる。
【0095】
本願発明によれば、ユーザは任意の層のレイヤのオブジェクトを操作できるようになり、重なっているオブジェクトに対して下層にあるオブジェクトに対してクリックし、そのオブジェクトに関連する情報を表示するように要求することができる。このような情報の表示要求に対しては、中央処理部2は、コマンドを実行されたオブジェクトの識別情報を取得し、この識別情報に関連する情報を情報データベース5から検索し、画面表示部4に送ってコンピュータ画面上に表示させることができる。
【0096】
最後に、オブジェクトの時系列情報の表示方法について以下に説明する。
【0097】
図6は、オブジェクトの時系列情報として船舶の軌跡を表示させる方法を説明する図である。
【0098】
図6においては、理解を容易にするため、船舶データレイヤのレイヤ群と、地図データレイヤのみを示しているが、実際には他のレイヤがあってもよい。
【0099】
図6の例では、時刻0の船舶データレイヤと、時刻−1の船舶データレイヤと、時刻−2の船舶データレイヤと、時刻−3の船舶データレイヤと、時刻−4の船舶データレイヤとを有し、通常では現在の船舶の位置を示した時刻0の船舶データレイヤのみが見える状態で表示されている。
【0100】
仮に、現在の船舶の位置において、船舶(識別情報をS1とする)の過去の時系列情報を得たいとすると、ユーザはカーソルを船舶S1のオブジェクトに合わせ、過去データの参照を要求する過去データ参照コマンドを入力する。
【0101】
中央処理部2は、過去データ参照コマンドを認識し、カーソルの座標に位置整合する各レイヤのオブジェクトを表層のレイヤから下層のレイヤに向かって検索し、カーソルの座標に位置整合しかつコマンドを実行するように設定されたオブジェクトのうち最上層にあるオブジェクトに対して前記コマンドを実行する。
【0102】
図6の例では、最上層のレイヤのオブジェクトS1はコマンドを透過させないため、現状の最上層の船舶データレイヤのオブジェクトS1に対して、過去データ参照コマンドが実行される。
【0103】
中央処理部2は、コマンドが「過去データ参照コマンド」であることにより、コマンドを実行される移動体の識別情報S1を取得し、図6に示すように、その識別情報S1をキーとして過去の船舶データレイヤ上の船舶のうち、同一の識別情報S1を有する船舶を特定し、透明性を制御して表示されるように制御し、画面表示部4に船舶データレイヤ群を重ねて表示させる。
【0104】
なお、図6では、船舶データレイヤは5層の重なりを有しているが、層数はコンピュータの処理能力に依存し、多数層の船舶データレイヤを表示させることができる。ただし、無限に多数の船舶データレイヤを重ねた状態で画面を表示させるわけにはいかないので、一定層数以上の過去データのレイヤは、情報データベース5に格納する。
【0105】
画面を構成する要素として存在しているレイヤの層数以上の過去のデータを表示させたい場合は、情報データベース5から必要な過去分のレイヤを取り出し、上記と同様の処理を行って、オブジェクトの時系列情報を表示させる。
【0106】
図7は、上記処理により、所定の船舶の過去の位置情報を軌跡として示した図である。
【0107】
図7に示すように、過去のデータを表示させる船舶は複数であってもよい。また、図7に示すように、船舶位置のレイヤ群を重ねて表示された画像において、同一の識別情報を有する船舶を線で結んで軌跡情報を表示し、あるいは必要に応じて同一の識別情報を有する移動体を強調表示することができる。
【0108】
これにより、軌跡情報が明確になる。
【0109】
また、図7から分かるように、過去データ参照コマンドを要求された船舶のみが軌跡情報を示し、他の船舶については現在位置のみを示しているので、画面が簡潔であり、特定の船舶の軌跡を分かりやすく明確に把握することができる。
【0110】
なお、図6,7の例は特定の船舶の時系列的な位置情報を表示させる場合について説明したが、船舶の時系列的な位置情報に限られず、例えば、気象情報を有するオブジェクトにも応用することができ、少なくとも一つの風向・風速計の情報を表示する移動体運行情報システムにおいて、風向・風速計の過去のデータを時系列的に複数のレイヤに記録し、ユーザが特定の風向・風速計にカーソルを合わせて過去データ参照コマンドを入力すれば、特定の風向・風速計によって計測された風向・風速の変化の過程を一目で確認することができる。
【0111】
また、移動体間の交信データにも応用することができ、特定の移動体間の交信データを指定して、過去の交信内容を時系列的に表することができ、交信内容の把握が大幅に容易になる。
【0112】
図6,7の説明から明らかなように、本願発明によれば、特定のオブジェクトの過去データを表示させたい場合に、画面のレイヤ数が十分であれば、情報データベースから当該オブジェクトに関する情報を検索して描画する必要が無い。
【0113】
すなわち、本願発明によれば、時系列データを有するレイヤを画面表示の構成要素として有するようにし、過去データの参照要求があったときに、各レイヤの対象オブジェクトを顕在化させるだけで、現状の情報の画面の中に、対象オブジェクトの過去データを連続的に表示させることができる。
【0114】
これにより、特定のオブジェクトの過去データの検索、および、検索された過去データの描画等の処理が省かれ、任意のオブジェクトの過去データを迅速に表示させることができる。
【符号の説明】
【0115】
1 船舶運行情報システム
2 中央処理部
3 レイヤ制御部
4 画面表示部
5 情報データベース
6 入力手段
7 海岸線
8 水深10メートルの線
9 水深30メートルの線
10 風向・風速を図形的に表した気象データ
11 AISデータ
12 船舶
13 操作可能なレイヤの選択ボタン
14 表示するレイヤの選択ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面データを表示したレイヤを所定の順番で複数層重ねてコンピュータ画面に表示させる画面表示部と、
前記各レイヤのどの部分をオブジェクトとして管理するかを決定し、各オブジェクトごとに識別情報を与え、所定時間における各オブジェクトの位置情報を管理するオブジェクト制御と、カーソルが所定の座標にあるときにコマンドが発せされた場合に、前記座標に位置整合するオブジェクトが前記コマンドを実行するか否かを制御するオブジェクトのコマンド透過性制御と、レイヤの透明性を制御することによってレイヤ全体の表示の有無を制御する表示制御とを行うレイヤ制御部と、
オブジェクトが有する情報を格納する情報データベースと、
コンピュータ画面上のカーソルを制御でき、コマンドを入力することができる入力手段と、
全体の処理を制御する中央処理部と、を有し、
前記中央処理部は、前記入力手段を介したユーザからのコマンドにより、前記レイヤ制御部に、各レイヤのオブジェクトのコマンド透過性と各レイヤの透明性を設定させ、前記画面表示部に前記レイヤ制御部によって設定された各レイヤを重ねてのコンピュータ画面に表示させ、
ユーザが前記入力手段によりコンピュータ画面上でカーソルを所定座標に位置させて所定のコマンドを入力したときに、前記中央処理部は前記カーソルの座標に位置整合する各レイヤのオブジェクトを表層のレイヤから下層のレイヤに向かって検索し、前記カーソルの座標に位置整合しかつコマンドを実行するように設定されたオブジェクトのうち最上層にあるオブジェクトに対して前記コマンドを実行し、前記情報データベースから必要な情報を取得し、前記レイヤ制御部に表示のためのレイヤ制御命令を必要に応じて出力し、前記画面表示部にレイヤと必要な情報を重ねて表示させることを特徴とする移動体運行情報システム。
【請求項2】
移動体の位置を表示するレイヤは、時系列的に所定数の層のレイヤを有するレイヤ群とし、通常の使用状態では前記中央処理部と前記レイヤ制御部は最新の移動体位置のレイヤのみを表示するように制御し、過去の移動体位置のレイヤはレイヤ全体を透明として前記画面表示部に移動体位置のレイヤ群を重ねて表示させ、
カーソルが所定の移動体に位置合わせされ、過去データの参照を要求する過去データ参照コマンドが入力されたときは、前記中央処理部は当該コマンドを実行して前記移動体の識別情報を取得し、前記移動体の識別情報により前記レイヤ制御部に過去の移動体位置のレイヤ上の移動体のうち同一の識別情報を有する移動体のみを表示させ、前記画面表示部に前記移動体位置のレイヤ群を重ねて表示させる、請求項1記載の移動体運行情報システム。
【請求項3】
前記移動体位置のレイヤ群を重ねて表示された画像において、同一の前記識別情報を有する移動体を線で結んで軌跡情報を表示し、あるいは必要に応じて同一の前記識別情報を有する移動体を強調表示する、請求項2に記載の移動体運行情報システム。
【請求項4】
気象情報や移動体間の交信を含む時系列データを有するオブジェクトを表示するレイヤは、時系列的に所定数の層のレイヤを有するレイヤ群とし、通常の使用状態では前記中央処理部と前記レイヤ制御部は最新のレイヤのみを表示するように制御し、過去の時系列データを表示するレイヤはレイヤ全体を透明として前記画面表示部にレイヤ群を重ねて表示させ、
カーソルが所定のオブジェクトに位置合わせされ、過去のデータの参照を要求する過去データ参照コマンドが入力されたときは、前記中央処理部は当該コマンドを実行して前記オブジェクトの識別情報を取得し、前記オブジェクトの識別情報により前記レイヤ制御部に過去の時系列データのレイヤ上のオブジェクトのうち同一の識別情報を有するオブジェクトのみを表示させ、前記画面表示部に前記時系列データを有するオブジェクトを表示するレイヤ群を重ねて表示させる、請求項1記載の移動体運行情報システム。
【請求項5】
上層に移動体の位置を記載したレイヤ、下層に地図を記載したレイヤを有し、その間に移動体間の交信データを記載したAISレイヤと、衛星写真レイヤと、レーダ画像レイヤと、気象データを記載した気象レイヤのうちの少なくとも一つを有し、いずれのレイヤのオブジェクトを操作可能にするか又はいずれのレイヤを表示するかをユーザに選択させるレイヤ制御インターフェースを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の移動体運行情報システム。

【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−242962(P2012−242962A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110672(P2011−110672)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(504196300)国立大学法人東京海洋大学 (83)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】