説明

種ステッカ及びその製造方法

本発明は家庭又は花園などで植木鉢などの小型の栽培容器で花や新芽などの植物を簡便かつ迅速に播種して栽培できるようにする種ステッカ及びその製造方法に関し、内部に種が安置された種ステッカにおいて、上面にコーティング層(11)が形成された転写紙(10);コーティング層(11)の上面に形成された粘着層(20);粘着層(20)の上面に設置された種ペレット(30);種ペレット(30)上に積層された黄土シート(40);黄土シート(40)上に積層され種ペレット(30)と黄土シート(40)を覆いながら周縁が粘着層(20)に接着されたポリビニルアルコール(PVA)用紙からなることをその技術的特徴とする。本発明は種をステッカの形態に製作することによって所望の種類の植物を所望の形態に栽培することができ、また、ステッカ内部に既に適切な高さの土壌がその上部に積層されているため、植物を栽培したことのない使用者でも種ステッカを栽培容器に位置させた後水分を供給しさえすれば、その内部に包装された種が発芽するため、簡便かつ容易に植物を栽培できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家庭又は花園などで植木鉢などの小型の栽培容器を用いて花や新芽などの植物を簡便かつ迅速に播種して栽培できるようにする種ステッカ及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、種に肥料、発芽促進剤などを培養土とともに配合してペレットの形態に成形した後、これを黄土シートで覆い、その上部を水に溶ける被覆用紙又はフィルムなどの被覆材で覆って仕上げてステッカの形態に製作することによって簡便かつ迅速に播種できるようにした種ステッカ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に各種植物を栽培するためには、先ず別途備えられた苗床に種を蒔いて発芽及び育苗を行ってから土壌に移植するか、又は別途の苗床で育苗をせず植物の種を直接土地に蒔いて種から芽を発芽させて植物を栽培する。
【0003】
しかし、このような従来の植物の播種方法は手作業によるもので作業量が多すぎて作業能率が低く、時間がかかって生産性が低いだけでなく環境条件が合わなかったり発芽に必要な養分が欠乏していたりした場合、その発芽率が低くて効率的ではない。
【0004】
最近、播種の効率を上げ生産性を向上させるためにポリビニルアルコールテープ、コットンリンター(cotton linter)テープなどで野菜、穀物及びその他植物の種を包装してこれをテープの形態で供給する方式が開発されており、この方式は種を包装した状態で保管しておいて、播種時に該当土壌に位置させてその上方を土壌で覆って水分を供給するだけで適当な間隔を維持したまま適当な個数の種子が配置されるので作業が簡便で生産性が向上する利点がある。
【0005】
しかし、このようにテープによって種子を包装する方式は、ヒマワリの種のようにその大きさが比較的大きい種子に限定され、新芽や花の種のようにその大きさが小さく軽い種類の種をテープによって個別的に包装することは困難で、さらにテープ内部の種が発芽するためにはその上方を土壌を覆わなければならないが、この過程で過度に多くの土壌で覆われるか少ない量の土壌で覆われると、種の発芽率が顕著に減少するため、適切な高さの土壌で覆われるようにすべきであるが、種ごとにその特性があるので播種の現場でこれを確認することが困難で適切な高さの土壌で覆うことが実質的に難しい面がある。
【0006】
また、最近、住宅やマンションなどの住居地内で新芽や花卉を栽培しようとする傾向が高まっており、住居地内で新芽や花卉を栽培しようとする場合は小型の容器を使用するしかなく、また一つの種類の植物よりは様々な種類の植物を栽培しようとするため、上述のようないずれか一つの種類の種を包装したテープ形態の種ではこのような要求を満たすことが事実上難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述のような従来のテープによって包装された種の問題点を解決するために開発されたもので、一度に様々な種類の種を適切な間隔又は形態に包装することができ、また、適切な高さの土壌がその上部に積層されており使用者が水分を供給しさえすればその内部に包装された種が発芽できるようにする種ステッカ及びその製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した本発明の目的は、上面にコーティング層が形成された転写紙と、コーティング層の上面に形成された粘着層と、粘着層の上面に設置された種ペレットと、種ペレット上に積層された黄土シートと、黄土シート上に積層され種ペレットと黄土シートを覆いながら周縁が粘着層に接着されたフィルムと、で構成された種ステッカによって達成される。
【0009】
また、本発明の他の目的は、上面にコーティング層が形成された転写紙を適正な大きさに切断して供給する転写紙準備ステップと、転写紙のコーティング層の上面に粘着剤を塗布して粘着層を形成する粘着剤塗布ステップと、粘着層の上面に種ペレットを所定間隔に配列する種ペレット製造及び配列ステップと、種ペレット上を覆うように黄土シートを位置させる黄土シート積層ステップと、黄土シート上にフィルムを付着させフィルムの周縁が粘着層に接着されるように付着させるフィルム付着ステップと、以上の過程によって製作が完了したステッカを所定の大きさ及び所定の形状に切断する切断ステップと、からなる方法で種ステッカを製作することによって達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、種をステッカの形態に製作することによって所望の種類の植物を所望の形態に栽培することができ、また、ステッカ内部に既に適切な高さの土壌がその上部に積層されているので、植物を栽培したことのない使用者でも種ステッカを栽培容器に位置させた後水分を供給しさえすれば、その内部に包装された種が発芽するので簡便かつ容易に植物を栽培できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の種ステッカを製造する方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の種ステッカの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の構成と実施例を添付された図面によってさらに詳しく説明する。
【0013】
本発明の種ステッカを製造する方法は次のステップで構成される。
【0014】
(1)転写紙準備ステップS100
転写紙準備ステップS100はロール状に形成された転写紙10をステッカ製造工程に投入するために必要な長さに切断して準備するステップであり、転写紙10はその上部に種などが付着されるベース部材で転写紙の上面には後述する粘着剤が容易に分離されるようにシリコンコーティング液からなる滑らかなコーティング層11が形成されている。
【0015】
(2)粘着剤塗布ステップS200
粘着剤塗布ステップS200は種などの付着物を転写紙10上に付着させることができるように転写紙の上面に粘着剤20を均一に塗布するステップであり、転写紙10のコーティング層11の上面に塗布された粘着剤20は所定時間が経過した後に自然乾燥されて粘着層を形成し、粘着剤としてはPVA(Polyvinyl alcohol)又はPVAとの粘着が容易な材質のものを使用する。
【0016】
(3)種ペレット製造及び配列ステップS300
このステップは種ペレット30を粘着剤塗布ステップS200で粘着された粘着層20上に配列して粘着させるステップであり、このステップによって種ペレット30が転写紙10上の所定位置に固定される。
【0017】
本発明は花や新芽などを栽培するためのもので、本発明に使用される種はその大きさが大体小さいため種を一つずつ配列することはきわめて困難であり、本発明では種と養分を混合器に入れて水と共に均一に攪拌して混合し、円盤型のペレットを製造し、これを乾燥させて使用する。この時、養分は、粒子の大きさが小さい粉末状であることがあり、この場合、種ペレットを製造すると粉末状の養分によって通気性が低下して種の発芽率が低くなる場合があるので、本発明では常に種に十分な量の空気が円滑に供給されて種の発芽率を高めることができるように養分と共に植物性繊維やパルプなどの補助材を混合して使用する。さらに乾燥過程によって種ペレットの内部に存在する水分が蒸発すると種ペレットがペレットの形態を維持できないこともあるので、種を養分と補助材とともに混合する時、適正量の接着剤も混合することが好ましいが、接着剤としては環境に優しく水溶性樹脂であるメチルセルロースを使用することが効果的である。
【0018】
以上の過程によって種ペレットが製造されると所望の種類の種ペレットを適切な形態に配列し、この時、種の大きさが過度に異なる場合、種の上部に積層される黄土シートの高さも異なるべきであるので、なるべく類似の大きさの種からなる種ペレットを配列する。
【0019】
(4)黄土シート積層ステップS400
このステップは種ペレット30上にシート状の黄土シート40を積層するステップである。
【0020】
黄土シート40は黄土と磨石を所定の割合で水と混合した後、加熱ローラの間を通過させて製作する。この時、黄土と磨石のみを混合して黄土シート40を製作すると黄土中に含まれた水が蒸発した後は、小さい衝撃でも容易に破断する場合があるので、黄土と磨石を混合する時、適正量の接着剤も混合することが好ましいが、接着剤としては環境に優しく水溶性樹脂であるメチルセルロースを適正量混合する。この時、接着剤の量は吸湿性と通気性を妨げない範囲の割合で混合すべきである。
【0021】
この時、使用される黄土シート40はその下方に位置する種ペレットの種の大きさに応じてその高さが異なるものを使用するが、この場合、その上方にフィルムを付着させる過程で高い高さの黄土シートは過度に圧搾され低い高さの黄土シートは圧搾されないことがあるので、上述したように、なるべく類似の大きさの種からなる種ペレットを配列することによって黄土シートの高さも類似したものを使用することができるようにすることが好ましい。
【0022】
(5)フィルム付着ステップS500
このステップは水溶性樹脂からなるフィルムで種ペレットと黄土シートを覆うステップであり、黄土シートを十分に覆う程度の大きさのフィルムで覆ってフィルムの周縁が転写紙上の粘着層に接着されるようにし、この時使用されるフィルムとしては水溶性であり環境に優しいメチルセルロースで製造されたものを使用する。
【0023】
(6)種情報の付着ステップS550
種がステッカの形態に製作されると、このステッカを包装紙に入れて発売する場合には、包装紙の表面に種の種類、発芽に必要な期間、供給されるべき水分の量等、種と種の発芽に必要なあらゆる情報を印刷できるので大きな問題はないが、種ステッカの形態で直接発売する場合には種が発芽するまで、どのような種類の種であり、発芽にどれだけの期間を必要とするか等の種と種の発芽に対する情報を知ることが困難である。
【0024】
本発明ではこのような問題を解決して使用者が種に関する多くの情報を入手できるように識別コードをバーコードの形態でフィルムの表面に印刷するか、遺伝子マーカーなどの情報をRFIDチップに入力してフィルムの表面に内蔵することで、使用者が関連するインターネットホームページに識別コードを入力するか、RFIDチップに入力された情報を読むことができるようにすることで関連情報を獲得できるようにすることが必要であるが、ただし、このステップは次の種ステッカ切断ステップS600の前に行われることが好ましい。
【0025】
(7)切断ステップS600
このステップは、以上のステップを経て製作が完了したステッカを所定の大きさと花模様などの所定の形状に切断するステップである。
【符号の説明】
【0026】
10:転写紙
11:コーティング層
20:粘着層
30:種ペレット
40:黄土シート
50:フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に種が設置された種ステッカを製造する種ステッカの製造方法において、
上面にコーティング層(11)が形成された転写紙(10)を適正な大きさに切断して供給する転写紙準備ステップ(S100);
前記転写紙(10)の前記コーティング層(11)の上面に粘着剤を塗布して粘着層(20)を形成する粘着剤塗布ステップ(S200);
前記粘着層(20)の上面に種ペレット(30)を所定の間隔で配列する種ペレット製造及び配列ステップ(S300);
前記種ペレット(30)上を覆うように黄土シート(40)を位置させる黄土シート積層ステップ(S400);
前記黄土シート(40)上に水溶性樹脂からなるフィルム(50)を、該フィルム(50)の周縁が前記粘着層(20)に接着されるように付着させるフィルム付着ステップS500及び;
以上の過程により製作が完了したステッカを所定の大きさ及び所定の形状に切断する切断ステップ(S600)からなることを特徴とする種ステッカの製造方法。
【請求項2】
種に関する情報を識別コードで表示して前記フィルムの表面に印刷するかRFIDチップに入力して前記フィルムの表面に内蔵する種情報の付着ステップ(S550)をさらに含み、前記種情報の付着ステップ(S550)は前記切断ステップ(S600)の前に行われることを特徴とする請求項1に記載の種ステッカの製造方法。
【請求項3】
内部に種が設置された種ステッカにおいて、
上面にコーティング層(11)が形成された転写紙(10);
前記コーティング層(11)の上面に形成された粘着層(20);
前記粘着層(20)の上面に設置された種ペレット(30);
前記種ペレット(30)上に積層された黄土シート(40);
前記黄土シート(40)上に積層され前記種ペレット(30)と前記黄土シート(40)を覆いながら周縁が前記粘着層20に接着された水溶性樹脂からなるフィルム(50)からなることを特徴とする種ステッカ。
【請求項4】
前記種ペレット(30)は種、養分と植物性繊維又はパルプからなる補助材が水と共に混合されて製造されていることを特徴とする請求項3に記載の種ステッカ。
【請求項5】
前記黄土シート(40)は黄土、磨石及び接着剤が混合されて製造されていることを特徴とする請求項3に記載の種ステッカ。
【請求項6】
前記フィルム(50)の表面には識別コードが印刷されるかRFIDチップが内蔵されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の種ステッカ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−521214(P2012−521214A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501918(P2012−501918)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005548
【国際公開番号】WO2010/110512
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(511230853)オミシス,インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Omicsis,Inc.
【住所又は居所原語表記】BVC 211,KRIBB,52 Eoeun−dong,Yuseong−gu,Daejeon 305−333,Republic of Korea
【Fターム(参考)】