説明

種芋プランタ

【課題】 通常のコンテナを、種芋が貯留されるタンクの代わりとして使用することができる種芋プランタを提供する。
【解決手段】 種芋を貯留する種芋貯留容器31と、この種芋貯留容器31を支持する受け台32と、種芋貯留容器31から排出される種芋を受ける受け皿33とを備え、種芋貯留容器31は、受け台32から離反可能な上端開口状の箱形のコンテナ36と、このコンテナ36の開口38を塞ぐべく該コンテナ36に着脱自在に取り付けられる蓋体37とを備えてなり、蓋体37は、コンテナ36の開口の一部を開閉することができる開閉蓋44を備え、前記蓋体37が受け皿33を臨むように前記コンテナ36を横向きにして受け台32に支持して、開閉蓋44を開くことによりコンテナ36内に貯留した種芋が受け皿33へと排出されるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に種芋を植え付ける種芋プランタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場に種芋を植え付ける種芋プランタとして、例えば、特許文献1に開示された種芋プランタがある。
この種芋プランタは、トラクタの後部に装着されて圃場を移動しながら種芋を植え付けるものであり、トラクタの後方に位置する種芋植付装置と、この種芋植付装置の後方に配置された畝整形器及びマルチフィルム敷設装置を備えている。
前記種芋植付装置は、種芋を貯留するタンクと、このタンクの下端側から排出される種芋を圃場に形成された植付溝へと搬送する種芋搬送装置とを備えている。
【特許文献1】実公平6−13619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の種芋プランタにあっては、種芋をタンクに供給するのに、上端開口状の箱形のコンテナに種芋を入れ、このコンテナをタンクの上面側の投入口の上方まで持ち上げて、該コンテナ内の種芋を投入口からタンク内に落下投入しており、種芋をタンクに供給するのにコンテナを高い位置まで持ち上げなければならず重労働であるという問題がある。また、コンテナからタンクに種芋を移し替える際に種芋がこぼれるという問題もある。
そこで、本発明は、前記問題点を解決した種芋プランタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、圃場に種芋を植え付ける種芋プランタであって、
種芋を貯留する種芋貯留容器と、この種芋貯留容器を支持する受け台と、種芋貯留容器から排出される種芋を受ける受け皿とを備え、
前記種芋貯留容器は、受け台から離反可能な上端開口状の箱形のコンテナと、このコンテナの開口を塞ぐべく該コンテナに着脱自在に取り付けられる蓋体とを備えてなり、
前記蓋体は、コンテナの開口の一部を開閉することができる開閉蓋を備え、
前記蓋体が受け皿を臨むように前記コンテナを横向きにして受け台に支持して、開閉蓋を開くことによりコンテナ内に貯留した種芋が受け皿へと排出されるように構成されていることを特徴とする。
【0005】
また、蓋体は既製品のコンテナに適合するものであるのがよい。
また、前記蓋体に、開閉蓋で開閉される種芋排出口をコンテナの開口の一側縁部寄りに位置させて設け、コンテナを横向きにして受け台に支持した状態で、前記種芋排出口がコンテナの下部側に位置するよう構成されているのがよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、種芋を貯留する種芋貯留容器を、受け台から離反可能なコンテナと、該コンテナの開口を塞ぐ蓋体とを備えて構成し、種芋の入ったコンテナを直接受け台にセットするようにしているので、従来のように種芋の入ったコンテナをタンクの上方側へと持ち上げる必要がなくなり労働力の軽減が図れる。
また、コンテナは蓋体をした状態で受け台にセットするので、種芋がこぼれることがない。
また、コンテナの開口を塞ぐ蓋体に、種芋排出口と、該種芋排出口を開閉自在に閉塞する開閉蓋を設けており、コンテナに加工をする必要がなく、通常の(市販の)コンテナを使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1は、走行体として例示するトラクタ2の後部に装着手段として例示する三点リンク機構3を介して取り付けられて圃場を移動しながら該圃場に種芋を植え付ける種芋プランタである。
本実施の形態で例示する種芋プランタ1は、種芋植付装置4と、畝整形器5と、マルチフィルム敷設装置6とを備えていて、種芋の植え付けと、畝Rの整形と、マルチフィルムFの敷設とを一工程で行えるようにした種芋プランタ1である。
【0008】
トラクタ2は、エンジン及びミッションケース等によって車体7が構成され、該車体7の後部に運転席8が設けられていると共に該車体7を左右一対の前後の車輪9によって走行可能に支持している。
前記車体7の後部には、上面側に作業機昇降用の油圧式昇降装置10が設けられ、後面側に作業機に動力を伝達するPTO軸11が後方突出状に設けられている。
また、車体7の後部には、上部の1本のトップリンク12と、下部の左右一対のロワーリンク13とからなる三点リンク機構3が設けられ、この三点リンク機構3の後端側にヒッチフレーム14が設けられ、左右のロワーリンク13は、油圧式昇降装置10に設けられた左右のリフトアーム15に連結部材16を介して連結されている。
【0009】
一方、種芋プランタ1の前部側には作業機連結フレーム17が設けられ、この作業機連結フレーム17が前記ヒッチフレーム14にワンタッチで着脱自在に連結され、リフトアーム15を上下に揺動させることにより、種芋プランタ1が昇降可能とされている。
畝整形器5及マルチフィルム敷設装置6は種芋植付装置4の後方に配置されており、マルチフィルム敷設装置6は、PTO軸11からの動力が入力されるギヤケース18と、該ギヤケース18から左右に延出状として設けられたパイプフレーム19と、該パイプフレーム19の延出端部に固定されたチェーンケース20と、該チェーンケース20の下端側に左右方向に設けられた回転軸21に設けられたディスクロータ22と、該ディスクロータ22の上方側を覆うロータカバー23とを備えており、畝整形器5は、ディスクロータ22の後方側に設けられている。
【0010】
前記ギヤケース18及びパイプフレーム19等が作業機連結フレーム17に連結されている。
マルチフィルム敷設装置6は、さらに、畝整形器5の後部側方に配置されたゲージ輪24と、畝整形器5の頂部後方側に配置されていてマルチフィルムFが巻回されたフィルムロール25と、該フィルムロール25から巻き出されるマルチフィルムFを受けて該マルチフィルムFを畝Rの上面に沿わせるフィルム受けロール26と、該フィルム受けロール26の後方の畝Rの左右両側に配置されていてマルチフィルムFの左右の裾を押さえるフィルム押え輪27と、左右各フィルム押え輪27の後方に配置された覆土輪28とを備えている。
【0011】
前記ディスクロータ22を駆動しながらトラクタ2を前進走行させると、ディスクロータ22によって耕土が左右方向中央に寄せ集められて畝整形器5によって畝Rが形成され、この畝Rは、フィルムロール25から巻き出されたマルチフィルムFによって覆われると共に該マルチフィルムFの左右の裾がフィルム押え輪27によって押さえられつつ該マルチフィルムFの裾に覆土輪28によって土が被せられるよう構成されている。
種芋植付装置4は、トラクタ2の後側で且つマルチフィルム敷設装置6の前側に配置され、この種芋植付装置4の後側には、マルチフィルム敷設装置6のディスクロータ22の上側に位置する作業者着座用の座席29が配置されている。
【0012】
種芋植付装置4は、種芋を貯留する種芋貯留容器31と、この種芋貯留容器31を支持する受け台32と、種芋貯留容器31から排出される種芋を受ける受け皿33と、圃場に植付溝を形成する作溝器34と、種芋を受け皿33側から植付溝に搬送する種芋搬送装置35とを備えている。
前記種芋貯留容器31は、図1及び図3に示すように、受け台32から離反可能な上端開口状の箱形のコンテナ36と、このコンテナ36の開口38を塞ぐべく該コンテナ36に着脱自在に取り付けられる蓋体37とを備えてなる。
【0013】
前記コンテナ36は、具体的には、底壁39と該底壁39の4辺の各縁部から立ち上がる前後左右4面の側壁40とから主構成されていて上端開口状の略直方体形状を呈する箱形容器であり、種芋の収容に通常使用されている既製品(市販品)の樹脂製のコンテナ36が採用されており、該コンテナ36の上端には、水平方向外方に向けて延出するフランジ41が全周にわたって設けられている。
なお、図示したコンテナ36は、一例を示したものであり、他の形状の既製のコンテナを採用しても勿論よい。
【0014】
蓋体37は、前記既製品のコンテナ36に適合するものであり、コンテナ36の開口38を塞ぐ蓋本体42と、該蓋本体42に形成された種芋排出口43と、該種芋排出口43を開閉自在に塞ぐ開閉蓋44と、蓋本体42をコンテナ36に止めておくための止め金具45とを備えている。
蓋本体42は、例えば、樹脂によって形成され、コンテナ36の開口端側の形状に略一致する長方形に構成されている。また、本実施の形態では、蓋本体42がコンテナ36の上端に前後左右の位置規制がなされるように嵌合すべく、蓋本体42の主要部分42aの縁部に縁部壁42bが設けられている。
【0015】
種芋排出口43はコンテナ36内の種芋を外部に排出させるための開口であり、該種芋排出口43は、本実施の形態では、コンテナ36の開口38の、長手方向に直交する方向で相対する対向縁部の一方の縁部側寄りに位置させて形成され、且つコンテナ36の開口38の長手方向一端から他端にわたるように形成されている。
開閉蓋44は、例えば、樹脂によって形成され、蓋本体42の上面(外面)側に種芋排出口43を塞ぐように重合している。
この開閉蓋44は、固定手段46によって蓋本体42に固定され且つ該固定手段46を解除することにより蓋本体42の長手方向に直交する方向にスライド自在とされると共に任意のスライドした位置で固定手段46によって蓋本体42に対して固定可能とされている。
【0016】
具体的には、蓋本体42には該蓋本体42の長手方向に直交する方向に長い長孔47が一対形成されると共に該蓋本体42には前記長孔47を挿通するボルト46Aが固定され、このボルト46Aに蝶ナット等のナット部材46Bを螺合し該ナット部材46Bを締め付けることにより、開閉蓋44が蓋本体42に固定されるように構成されており、ボルト46A及びナット部材46Bが固定手段46を構成している。
そして、前記ナット部材46Bを緩めることにより、開閉蓋44が蓋本体42の長手方向に直交する方向にスライド可能とされ、開閉蓋44を蓋本体42の長手方向に直交する方向にスライドさせることにより、種芋排出口43が開閉可能とされている。
【0017】
なお、開閉蓋44は、蓋本体42にヒンジ等によって取り付けられて、揺動することにより種芋排出口43を開閉でき且つ種芋排出口43を閉塞した位置と種芋排出口43を開放した位置とに位置決めできるようにしてもよく、種芋排出口43を開閉自在に閉塞できるようになっていればよい。
また、種芋排出口43は蓋本体42に形成された孔によって構成されているが、これに限定されることはなく、開閉蓋44で開閉されるコンテナ36の開口の一部が種芋を排出可能な排出口となるように構成されていればよい。
【0018】
また、止め金具45は、本実施の形態では、蓋本体42の縁部壁42b及びコンテナ36上端のフランジ41に係脱自在に係合するバネ板からなる係止部材48と、この係止部材48を操作するレバー部材49とから構成されたパッチン錠によって構成されている。
なお、パッチン錠以外のその他の止め金具によって蓋本体42をコンテナ36に止めておくようにしてもよい。また、止め金具45を設けなくてもよく、図3(c)に示すように、蓋本体42の長手方向に直交する方向の縁部壁42bに、蓋本体42の主要部分42aとでコンテナ36のフランジ41を挟む係合壁42cを設け、蓋本体42をコンテナ36に対して、開口38の長手方向に直交する方向にスライド自在で且つ開口38の長手方向に直交する方向で係脱自在とするようにしてもよい。
【0019】
また、止め金具45は、必ずしも蓋体37側に設けられる必要はなく、既製品のコンテナ36が蓋体37を止めるためのパッチン錠等の止め金具を備えているものにあっては、該コンテナ36側の止め金具を利用すればよい。
前記受け台32は、例えば、載置壁51と、この載置壁51の前端側から立ち上がる前部壁52と、載置壁51の後端側から立ち上がる後部壁53とを有し、種芋搬送装置35の前上方に配置され、載置壁51が種芋搬送装置35の上部にブラケット54を介して支持されている。
【0020】
この受け台32は、載置壁51が後方(作業者側)に行くに従って下方に移行する傾斜状に設けられており、載置壁51の上面である載置面55が後方に行くに従って下方に移行する傾斜面とされている。
また、受け皿33は、底壁56と左右の側壁57と後壁58とを備え、前面側及び上面側が開放状とされており、その前端側が受け台32の後壁53上面に固定されていて、該受け皿33は後方(座席29側、作業者側)に行くに従って下方に移行する傾斜状とされている。
【0021】
前記種芋貯留容器31は、受け台32から降ろした状態でコンテナ36内に種芋が入れられ、そして、蓋本体42がコンテナ36に取り付けられて該蓋本体42でコンテナ36の開口38が閉塞され且つ種芋排出口43を開閉蓋44で閉鎖した状態で受け台32の載置面55上に載置される。
また、詳しくは、種芋貯留容器31は、図1に示すように、受け台32の載置面55上の前後壁52,53間に、蓋体37が受け皿33を臨むように(蓋体37が後方側を向くように)且つ種芋排出口43がコンテナ36の下部側に位置するようにコンテナ36を横向きにして載置され、種芋貯留容器31は受け台32の前壁52でその前方移動が規制され、受け台32の後壁53で種芋貯留容器31の後方移動が規制される。
【0022】
このようにして種芋貯留容器31が受け台32上に載置された状態で、受け皿33は種芋排出口43の後方に位置し、受け皿33の底壁56の上面は種芋排出口43の下面と略面一状とされ、開閉蓋44は受け皿33の底壁56上方に位置しており、また、種芋貯留容器31は、後方に行くに従って下方に移行する傾斜状として受け台32上に載置されている。
したがって、種芋貯留容器31が受け台32上に載置された状態で、開閉蓋44の固定を緩めると共に(ナット部材46Bを緩めると共に)該開閉蓋44を上方にスライドさせて種芋排出口43を開くと、該種芋排出口43からコンテナ36内の種芋が自重によって転げ落ちる又は滑り落ちるようにして受け皿33上へと少量ずつ(適量)排出される。
【0023】
また、作業中、開閉蓋44は、上方にスライドさせた位置(種芋排出口43を解放した状態)でナット部材46Bを締め付けて固定しておく。
この種芋を受け皿33上に適量、排出させるのには、種芋排出口43を種芋が受け皿33上に適量、排出される大きさに形成するか、又は種芋排出口43を大きめに形成しておいて、開閉蓋44を開ける量によって、種芋が適量排出されるように調整するようにする。
なお、種芋貯留容器31が受け台32上に載置された状態で、受け皿33の底壁56の上面が種芋排出口43の下面と必ずしも面一状とされる必要はなく、種芋貯留容器31が受け台32上に載置された状態において、受け皿33の底壁56の上面が種芋排出口43(の下面)よりも下方側に位置するようになっていればよい(コンテナ36内の種芋が受け皿33へと排出されるように構成されていればよい)。
【0024】
また、本実施の形態では、前記受け台32の後部に、載置壁51上に載置された種芋貯留容器31の後端側の左右両側の、開閉蓋と干渉しない部分に係合して該種芋貯留容器31の後方への倒れを防止すると共に種芋貯留容器31の左右方向の位置規制をする左右一対の後規制部59を設け、受け台32の前部に、載置壁51上に載置された種芋貯留容器31の前端側の左右両側に係合して該種芋貯留容器31の左右方向の位置規制をする左右一対の前規制部60を設けている。
また、受け台32に、種芋貯留容器31を取付固定することができる固定手段46を設けてもよい。
【0025】
また、前述した種芋貯留容器31及び受け台32並びに受け皿33は一例を示したものであり、その構造としては本実施の形態のものに限定されることはなく、種芋貯留容器31は、容器の本体として既製のコンテナ36を使用していると共に該コンテナ36の開口38を閉塞できる蓋体37を備え、且つ該蓋体37がコンテナ36内の種芋を排出させるべくコンテナ36の開口の一部を開閉させることができるものであればよく、また、受け台32は、種芋を排出させることができる姿勢で種芋貯留容器31を座席29に着座した作業者(受け皿33)に向けて下向き傾斜状に載置でき且つ載置された種芋貯留容器31の前後左右の位置決めができる構造のものであればよい。
【0026】
また、受け台32と受け皿33とを別個に形成して受け皿33を受け台32に固定するようにしてもよいし、受け台32と受け皿33とを一体形成するようにしてもよい。
前記作溝器34は、前端が略三角形状の先鋭舟形に形成されていて、その後部は拡開状に形成され、該作溝器34の後端側には、種芋の植付作業時に後方のディスクロータ22から飛散する砕土が種芋に当たるのを防止する土遮断板61が立設されている。
前記種芋搬送装置35は、横フレームと縦フレームとを正面視方形状に組んで構成された装置フレーム62と、この装置フレーム62の上下左右の適宜箇所に設けられた前後軸回りに回動自在なガイドプーリにわたって掛装されたエンドレスの搬送ベルト63と、この搬送ベルト63上に一定間隔をおいて設けられた多数の挟持装置64とを備えている。
【0027】
なお、種芋プランタ1には、圃場に接地し、トラクタ2を走行することにより回転する駆動輪66が設けられ、この駆動輪66の回転力によって種芋搬送装置のガイドプーリの一つを回転駆動することにより搬送ベルト63が循環回走されるよう構成されている。
前記装置フレーム62の上部の前部側には、受け台32を支持する前記ブラケット54が取付固定され、装置フレーム62の上部の後部側には、作業者着座用の座席29を支持する座席フレーム67が平行リンク68を介して昇降可能に取り付けられ、座席フレーム67の後部はローラ69等を介してゲージ輪24を支持する支持アーム70に支持されている。
【0028】
前記挟持装置64は、図4に示すように、搬送ベルト63上に固定された底壁71aと種芋搬送方向A後端側に設けられた縦壁71bとから側面視L字状に形成された受けプレート71と、この受けプレート71の底壁71aの中途部に蝶番72を介して回動自在に取り付けられた回動プレート73と、こ回動プレート73の種芋搬送方向A前方に配置されていて受けプレート71の底壁71aに枢支された突張りロッド74と、回動プレート73の種芋搬送方向A前方側の面と受けプレート71の底壁71aの種芋搬送方向A前端部との間に介装された引張りバネ75とを備えている。
【0029】
受けプレート71の縦壁71bの種芋搬送方向A前方側の面には弾性板76が貼設され、受けプレート71の底壁71a上の、縦壁71bと回動プレート73との間には載置スポンジ77が貼設され、回動プレート73の種芋搬送方向A後方側の面には押えスポンジ78が貼設され、回動プレート73の種芋搬送方向A前方側の面には突張りロッド74を引っ掛ける係止突起79が設けられている。
前記構成の種芋搬送装置35にあっては、挟持装置64は搬送ベルト63の上部において左右方向に移送され、挟持装置64が搬送ベルト63の上部に位置し且つ突張りロッド74が係止突起79から外れている状態で、種芋は作業者によって受け皿33上から取り上げられて載置スポンジ77上へと載せられ、その後、挟持装置64の回動プレート73は搬送ベルト63の上部側の種芋搬送経路に設けられた図示省略のロック装置によって種芋搬送方向A後方側に回動されて種芋が載置スポンジ77と押えスポンジ78との間で挟持されると共に該状態を維持すべく突張りロッド74が係止突起79に係合するよう構成されている。
【0030】
種芋は挟持装置64によって挟持された状態で下方に搬送され、挟持装置64が作溝器34の上方側に至ると図示省略のロック解除装置によって突張りロッド74が係止突起79から外されて種芋の挟持が解除され、該種芋が作溝器34によって形成された植付溝に落下する。
植付溝に落下した種芋は畝整形器5によって形成された畝Rによって埋設される。
なお、種芋搬送装置35の下部側において挟持装置64から解放された種芋をガイドシュートによって作溝器34上方へと案内するようにしてもよい。
【0031】
また、種芋搬送装置35は、本実施形態のものに限定されることはなく、受け皿33側から植付溝へと搬送できるものであればよい。
前記構成の種芋プランタ1にあっては、従来のように種芋の入ったコンテナ36をタンクの上方側へと持ち上げる必要がなくなるので労働力の軽減が図れ、また、コンテナ36は蓋をした状態で受け台32にセットするので、種芋がこぼれることがない。
また、コンテナ36の開口38を塞ぐ蓋体37に、種芋排出口43と、該種芋排出口43を開閉する開閉蓋44を設けていて、コンテナ36に加工をする必要がないので、通常の(市販の)コンテナ36を使用することができる。
【0032】
また、従来の種芋プランタの種芋貯留用のタンクは、通常、鋼板によって形成されるが、前記実施形態では、樹脂製の既製のコンテナ36をタンクの代わりに使用するので、安価に提供でき且つ軽量化を図れる。
また、種芋プランタ1には、1又は2つ(3つ以上であってもよい)の受け台32が設けられ、種芋を植え付ける圃場の大きさによっては、コンテナ36の、1又は2個分の数の種芋では足らない場合があるが、この場合において、多数(複数)のコンテナ36を用意しておいて、各コンテナ36に種芋を収容しておき、種芋プランタ1に載せた1又は2つのコンテナ36が空になって種芋が入ったコンテナ36に取り替える場合において、いままで使用していた種芋貯留容器31の蓋体37を取り外して種芋が入った他のコンテナ36に付け替えるようにすることにより、蓋体37を用意したコンテナ36の数だけ用意する必要がなく、多数(複数)のコンテナ36が必要な場合でも、蓋体37は少なくとも受け台32に載せられるコンテナ36の数だけあればたりる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】種芋貯留容器を受け台に載せた状態の側面断面図である。
【図2】トラクタに装着された状態の種芋プランタの全体側面図である。
【図3】(a)は種芋貯留容器の正面図であり、(b)は種芋貯留容器の側面図であり、(c)はコンテナに対する蓋体の他の取付構造を示す正面図である。
【図4】種芋を挟持する挟持装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
31 種芋貯留容器
32 受け台
33 受け皿
36 コンテナ
37 蓋体
38 開口
43 種芋排出口
44 開閉蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に種芋を植え付ける種芋プランタであって、
種芋を貯留する種芋貯留容器(31)と、この種芋貯留容器(31)を支持する受け台(32)と、種芋貯留容器(31)から排出される種芋を受ける受け皿(33)とを備え、
前記種芋貯留容器(31)は、受け台(32)から離反可能な上端開口状の箱形のコンテナ(36)と、このコンテナ(36)の開口(38)を塞ぐべく該コンテナ(36)に着脱自在に取り付けられる蓋体(37)とを備えてなり、
前記蓋体(37)は、コンテナ(36)の開口の一部を開閉することができる開閉蓋(44)を備え、
前記蓋体(37)が受け皿(33)を臨むように前記コンテナ(36)を横向きにして受け台(32)に支持して、開閉蓋(44)を開くことによりコンテナ(36)内に貯留した種芋が受け皿(33)へと排出されるように構成されていることを特徴とする種芋プランタ。
【請求項2】
前記蓋体(37)は既製品のコンテナ(36)に適合するものであることを特徴とする請求項1に記載の種芋プランタ。
【請求項3】
前記蓋体(37)に、開閉蓋(44)で開閉される種芋排出口(43)をコンテナ(36)の開口(38)の一側縁部寄りに位置させて設け、コンテナ(36)を横向きにして受け台(32)に支持した状態で、前記種芋排出口(43)がコンテナ(36)の下部側に位置するよう構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の種芋プランタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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