説明

穀物調整装置

【課題】石抜装置等を精米装置の側方に設置しても、精米作業や追加された所望の作業が可能な穀物調整装置を提供する。
【解決手段】穀物調整装置1は、玄米から小石を除去する石抜装置10と、この装置からの玄米を白米にする精米装置30を有する。石抜装置10は、上部が開口して側部に排出口を備えた箱状の本体部と、これ内に着脱可能に装着される石抜側ホッパと、本体部の前板、後板のいずれに着脱可能に取り付けられる張込板を有し、石抜側ホッパは、本体部に対して前後反転して挿着可能である。精米装置30は、石抜装置10からの玄米を上方に搬送する搬送部31と、この側方に配設された搬送部31からの玄米を白米にする搗精部35を有し、搬送部31と搗精部35を取り付けた枠組み61は、左右方向に入れ替え可能である。搗精部35の下方に小米取り部50を設け、小米取り部50は、精米装置30の前方、左右一方側及び他方側のいずれかの方向に向いて配設可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給された玄米から小石を除去する石抜装置と、該石抜装置によって小石が除去された玄米を精米して白米にする精米装置とを備えた穀物調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、穀物調整装置として、特許文献1に示すように、昇降機、精米機、小米取り機等を備えた精米装置と石抜装置とがセットで提供されているものが知られている。
【0003】
この穀物調整装置80は、図6(斜視図)に示すように、直方体状の機枠81を備え、機枠81の略全体にはカバー82が着脱可能に装着されている。機枠正面の左側下部には、箱状のケース83が着脱自在に取り付けられ、ケース83の下部に設けられた複数のキャスタ84によってケース83は移動可能である。ケース83内の上部には供給ホッパ85が設けられ、ケース83の前部には米袋を載置可能な米袋台86が設けられて、米袋内の玄米は、供給ホッパ85に供給されて、ケース83の下部から下方へ排出される。米袋台86はケース83の前側に対して上下方向に回動自在に取り付けられている。
【0004】
ケース83内の下部には、比重選別式の石抜装置87(文献では石抜選別機)が設けられている。この石抜装置87はケース83の正面側及び裏面側にスライド移動可能であり、米袋台86を上側へ回動させて開口したケース正面の下部から石抜装置87をスライドさせると、石抜装置87を供給ホッパ85の下方に設置することができる。
【0005】
機枠81内には、石抜装置87によって小石等が除去された玄米を装置の上端部まで搬送する第1昇降機と、第1昇降機から供給される玄米を収容する玄米タンクと、玄米タンクから供給される玄米を精米して白米にする精米機と、精米機によって精米された白米から小米等を除去する小米取り装置(文献では砕米選別機)と、小米取り装置によって小米等が除去された白米を装置の上端部まで搬送する第2昇降機と、第2昇降機から供給される白米を収容する色選タンクと、色選タンクから供給される白米から着色米や異物を除去する色彩選別機88と、色彩選別機88によって着色米等が除去された白米を装置の上端部まで搬送して装置正面の上部から排出する第3昇降機89が設けられている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−334731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この従来の穀物調整装置80では、石抜装置87が穀物調整装置80の機枠前方に配置されているが、穀物調整装置80の設置場所によっては、玄米を石抜装置87に供給して第1昇降機に排出する流れの方向が機枠幅方向と同一方向にした方が使い勝手がよくなる場合がある。このような場合、従来の穀物調整装置80では、機枠81内に設けられた第1昇降機や玄米タンク等の機器は機枠81内の所定位置にのみ設置可能に構成されているため、石抜装置87を機枠81の側方に配置しても、第1昇降機や玄米タンク等の機器の設置位置の変更ができないため、石抜装置87から第1昇降機に玄米を供給することができず、その結果、精米作業ができないという不都合が発生する。
【0008】
また従来の穀物調整装置80では、精米工程の後に白米を計量して袋詰めする工程を設けるために計量機ユニットを穀物調整装置幅方向の一方側端部に設置する場合、第3昇降機89の排出部89aが機枠81の正面よりも前方に突出して配設されているため、計量機ユニットの製品タンクが機枠の正面よりも後方位置に配置されている状態で、排出部89aから排出される白米を計量機ユニットに供給するための直線状の管を排出部89aと製品タンクとの間で連結しようとすると、管の途中が機枠81に接触して、排出部89aと製品タンクと繋ぐことができないという不都合が発生する。
【0009】
本発明は、このような課題に対してなされたものであり、精米装置の側方に石抜装置や計量機ユニット等の特定機械を設置しても、精米作業や追加された所望の作業が可能な穀物調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するため、本発明は、以下の特徴を有する。特徴の一つは、供給された玄米から小石を除去する石抜装置と、該石抜装置から供給される玄米を精米して白米にする精米装置とを有した穀物調整装置であって、石抜装置は、精米装置幅方向の両側のいずれに設置されて精米装置に結合されることを特徴とする。
【0011】
この特徴によれば、石抜装置は精米装置の幅方向両側のいずれに設置されて該精米装置に結合されることにより、石抜装置を精米装置幅方向の両側のいずれに設置しても、石抜装置によって小石が除去された玄米が精米装置に供給されて、玄米を精米して白米にすることができる。従って、石抜装置を精米装置幅方向の両側のいずれに設置しても精米作業が可能な穀物調整装置を提供することができる。
【0012】
また特徴の一つは、石抜装置は、上部が開口して一方側の側部に排出口を備えた箱状の本体部と、該本体部の上部開口部から挿入されて本体部内に着脱可能に装着されて玄米が供給される石抜側ホッパと、本体部の前板及び後板のいずれに着脱可能に取り付けられて玄米を収容した袋を載置可能な張込板とを有し、石抜側ホッパは、本体部に対して前後方向の向きを反転して装着可能であることを特徴とする。
【0013】
この特徴によれば、石抜側ホッパは本体部に対して前後方向の向きを反転して本体部内に装着可能であることにより、石抜装置を精米装置の幅方向一方側から他方側に移動して設置する場合、石抜装置の排出口が精米装置側に向くように本体部を前後方向に反転するとともに、石抜側ホッパを本体部に対して前後方向に反転して本体部に装着する。このため、石抜装置の精米装置に対する精米装置幅方向の設置位置を変えても、石抜装置を精米装置に結合することができるとともに、石抜側ホッパを本体部に対して常に所定の向きに装着することができる。
【0014】
また特徴の一つは、精米装置は、石抜装置から供給される玄米を上方に搬送する搬送部と、搬送部の側方に配設されて搬送部から供給される玄米を精米して白米にする搗精部とを有し、搬送部と搗精部は、精米装置幅方向に入れ替えて設置可能であることを特徴とする。
【0015】
この特徴によれば、精米装置の搬送部及び搗精部の精米装置幅方向の設置位置が入れ替え可能であることにより、石抜装置を精米装置幅方向の一方側又は他方側に設置する場合、石抜装置の設置位置に応じて搬送部と搗精部の設置位置を変更することで、石抜装置を精米装置の幅方向のいずれに設置しても、石抜装置を精米装置に結合することができ、石抜装置からの玄米を精米装置に供給して精米して白米にすることができる。
【0016】
また特徴の一つは、搗精部から排出される白米から小米等を除去するとともに、小米等を除去した白米を排出する小米取り部を設け、小米取り部は、精米装置の前方側、精米装置幅方向の一方側及び他方側のいずれかの方向に向いた姿勢で精米装置に配設可能であることを特徴とする。
【0017】
この特徴によれば、搗精部から排出される白米から小米等を除去した白米を排出する小米取り部を設け、小米取り部は、精米装置の前方側、精米装置幅方向の一方側及び他方側のいずれかの方向に向いた姿勢で精米装置に配設可能であることにより、小米等を除去した白米を小米取り部から精米装置の前方側、精米装置幅方向の一方側及び他方側のいずれかの方向に排出することができる。このため、精米工程の後に着色米や異物を除去する色彩選別工程を行うための色彩選別機や精米工程の後に白米を計量して袋詰めする計量機ユニットを、精米装置の前方、精米装置幅方向の一方側及び他方側のいずれかの位置に設置することができ、穀物調整装置の使い勝手をより向上することができる。
【0018】
また特徴の一つは、搬送部によって搬送された玄米を収容して搗精部に玄米を供給する精米側ホッパを設け、精米側ホッパの精米装置幅方向の両側に、搬送部の上部に設けられた吐出口と接続されて連通する接続口を設けたことを特徴とする。
【0019】
この特徴によれば、精米側ホッパの精米装置幅方向の両側に、搬送部の吐出口と接続される接続口を設けることにより、石抜装置が精米装置幅方向の両側のいずれの位置に設置されても、石抜装置から搬送部に供給された玄米を確実に精米側ホッパに供給することができる。
【0020】
また特徴の一つは、精米側ホッパに、該精米側ホッパ内の玄米の有無を検知する玄米有無検知手段(例えば、実施形態におけるセンサ73)を設け、玄米有無検知手段からの検知信号に応じて石抜装置のオンオフ作動を制御する制御装置を設けたことを特徴とする。
【0021】
この特徴によれば、該精米側ホッパ内に玄米有無検知手段を設け、玄米有無検知手段からの検知信号に応じて石抜装置のオンオフ作動を制御する制御装置を設けることにより、精米側ホッパ内に玄米がないときに石抜装置が停止状態にあり、また精米側ホッパ内に玄米があるときに石抜装置が運転状態にある事態を防止することができる。このため、精米作業が途切れたり、精米側ホッパ内の玄米が溢れたりする事態を未然に防止することができ、穀物調整装置による精米作業の作業性を向上することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係わる穀物調整装置によれば、上記特徴を有することで、精米装置の側方に石抜装置や計量機ユニット等の特定機械を設置しても、精米作業や追加された所望の作業が可能な穀物調整装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の穀物調整装置の好ましい実施の形態を図1から図5に基づいて説明する。なお、説明の都合上、図1(外観斜視図)及び図2(内部構造図)に示す矢印の方向を前後方向及び左右方向として以下説明する。
【0024】
穀物調整装置1は、図1及び図2に示すように、供給された玄米から小石を除去する石抜装置10と、石抜装置10から供給される玄米を精米して白米にする精米装置30とを有して構成される。
【0025】
石抜装置10は、上部が開口して内部が中空な箱状の本体部11を備える。本体部11は、平面視において正方形状に形成され、その右側の側板11aの中央下部には外側へ突出する排出口(図示せず)が設けられ、本体部11の前板11bの上下方向中間部には玄米が収容された袋を載置可能な張込板12が着脱可能に取り付けられている。この張込板12は本体部11の後板11cの上下方向中間部にも着脱可能に取り付けることができるようになっている。なお、本体部11は、平面視において正方形状に限るものではなく、本体部11内に後述する石抜側ホッパ15を着脱可能に装着できれば、平面視矩形状、円形状等の任意の形状にすることができる。
【0026】
本体部11内の上部には、本体部11の上部に開口した上部開口部11dから挿入されて玄米が供給される前述した石抜側ホッパ15が装着されている。この石抜側ホッパ15は、逆四角錐状に形成され、平面視において正方形状であり、その左右両側部及び後部の各上端には上方へ延びる枠体16が取り付けられている。これらの枠体16は連続的に接続されて、石抜側ホッパ15の上部に開口する開口部17の前側を除き、枠体16が開口部17の左右両側及び後側を囲んでいる。つまり、石抜側ホッパ15は、枠体16が設けられていない側が石抜側ホッパ15の前側となっている。枠体16は、石抜側ホッパ15が本体部11に装着されると、本体部11の上端から上方へ突出して、石抜装置10の前側から石抜側ホッパ15内への玄米の供給をし易くするとともに、石抜側ホッパ15に張込まれた玄米のこぼれ落ちを抑制している。
【0027】
石抜側ホッパ15は、石抜装置10の本体部11に対して前後方向に180°反転して挿着可能である。このため、石抜装置10を精米装置30の左側から右側に移動して設置する場合、詳細については後述するが、石抜装置10の本体部11の排出口が左側に向くように本体部11の前後方向を180°反転した状態で、前側を前方に向けた石抜側ホッパ15を反転された本体部11に装着する。
【0028】
本体部11内の下側には、傾斜した網状部材を備えて玄米を比重選別して、玄米から小石を除去する小石除去部(図示せず)が設けられている。この小石除去部によって小石が除去された玄米は、本体部11に設けられた排出口に移動するようになっている。
【0029】
精米装置30は、石抜装置10から供給される玄米を上方に搬送するバケットベルト方式の搬送部31と、搬送部31の右側上部に配設されて搬送部31から送り出された玄米を収容する精米側ホッパ33と、搬送部31の右側に配設されて精米側ホッパ33から供給される玄米を精米して白米にする搗精部35と、搬送部31よりも右側であって搗精部35の下方に配設されて搗精部35から排出された白米から小米等を除去する小米取り部50とを有して構成されている。精米装置30の下部に配設された底板60の中央部には、上方へ延びる枠組み61がボルト等の締結手段を介して底板60に着脱可能に取り付けられ、この枠組み61に精米側ホッパ33、搗精部35、小米取り部50が取り付けられている。
【0030】
底板60上には、搬送部31や搗精部35等が取り付けられた枠組み61を囲む枠体(図示せず)が取り付けられ、この枠体の前後両側、左右両側及び上側にパネル62,63,64,65,66が着脱可能に取り付けられている。前側のパネル62の上部には操作部68が設けられ、パネル62の上下方向中間部には精米された白米を排出する排出シュート69が設けられ、パネル62の下部には小米受け箱70が出し入れ可能に設けられている。左右の各側板64,65は、下側に着脱可能な下部側板(図示せず)を備え、下部側板を取り外すと、枠体内に設けられた搬送部31の下部に設けられた取入口が露出して石抜装置10から排出される玄米を搬送部31に供給することが可能になる。なお、側板64,65の下側に孔部(図示せず)を設け、この孔部を塞ぐ蓋板(図示せず)を孔部に着脱可能に取り付け、石抜装置10から排出される玄米を搬送部31に供給するときに、蓋板を孔部から取り外すようにしてもよい。
【0031】
左右の各側板64,65の上下方向中間部には、排出シュート69が取り付け可能な取付口(図示せず)が設けられている。この取付口は、非使用時には図示しない蓋板によって塞がれ、使用時に、この蓋板が取り外されて取付口が開口した状態になる。
【0032】
搬送部31は、底板60の左側上面にボルト等の締結手段を介して着脱可能に取り付けられている。搬送部31及び枠組み61は、図3(内部構造図)に示すように、底板60に対して左右方向に入れ替えて底板60に取り付け可能である。つまり、搬送部31と枠組み61に取り付けられた精米側ホッパ33、搗精部35、小米取り部50等は、底板60に対して左右方向に入れ替えて設置可能である。
【0033】
精米側ホッパ33は、逆角錘状に形成され、その左右両側の側板33aには、搬送部31の上部に設けられた吐出口31aに接続されて連通する矩形状の接続口33bが設けられている。接続口33bは、吐出口31aと接続されていないときは、蓋部材33cによって覆われるように構成されている。
【0034】
搗精部35には、精米側ホッパ33から供給される玄米を横方向に搬送して搗精部35に供給する横送り機構部36が取り付けられている。横送り機構部36は、図4(a)(内部構造図)に示すように、螺旋型スクリュー37とこれを回転させるモータ38と精米側ホッパ33から供給される玄米を螺旋型スクリュー37の上流側に供給する供給口39を備える。
【0035】
搗精部35は、図4(b)(断面図)に示すように、筒状の搗精ケース41と搗精ケース41の上部に取り付けられたベアリングケース42と、これらのケース内に回転自在に支持された搗精軸44を有する。搗精ケース41内部の中央部には筒状に形成されて搗精ケース41の長手方向に延びる網部材45が取り付けられている。網部材45の内側は搗精軸44が挿通可能な搗精室46が形成されている。ベアリングケース42の内部には搗精軸44を挿通可能な挿通孔43が形成され、挿通孔43は搗精室46に連通している。この連通状態にある挿通孔43及び搗精室46に挿通軸44が挿通されて回転自在に支持されている。
【0036】
挿通軸44は、上側から第1搗精スクリュー44a、研削ロール44b、第2搗精スクリュー44c、摩擦ロール44dを配置して、図3に示す枠組み61に取り付けられた主モータ47によって回転駆動可能である。搗精部35の下方には環状の抵抗部(図示せず)が搗精軸44の軸心方向に沿って移動可能に設けられている。この抵抗部は搗精部35に取り付けられた駆動装置49によって上下方向に移動されて、搗精部35から排出される白米の排出路の断面積を変えて白米の搗精度の調節を行う。
【0037】
このように構成された搗精部35は、横送り機構部36によってベアリングケース42内に送り込まれた玄米を第1搗精スクリュー44aによって押圧しながら搗精室46内に送り込む。搗精室46に送り込まれた玄米は、研削ロール44bによって搗精された後に第2搗精スクリュー44cによって下方へ押圧されながら摩擦ロール44dによってさらに搗精され、抵抗部48を通って排出される。ここで、搗精室46内にて玄米から除去された糠は、精米装置30に接続された図示しない集塵機糠によって吸引されて網部材45を通過して搗精ケース41内の空間部41aを通って集塵機に送り込まれる。
【0038】
一方、抵抗部48から送り出された白米は自然落下して小米取り部50に供給される。小米取り部50では、図1及び図3に示すように、供給された白米から小米等を除去し、小米等が除去された白米は排出シュート69を通って外部に排出され、小米等は小米取り部50から下方へ自然落下して、小米取り部50の下方に設置された小米受け箱70内に収容される。
【0039】
小米取り部50は、その下方位置に配設される小米取ベース板51を介して枠組み61に取り付けられている。小米取ベース板51は、下面が開口して内部が中空な箱状に形成され、その後板51aがボルト等の締結手段を介して枠組み61に着脱可能に取り付けられるようになっている。また小米取ベース板51は、その左右の両側板51bのいずれもが後板51aと同様にボルト等の締結手段を介して枠組み61に着脱可能に取り付けられるようになっている。このため、小米取ベース板51の右側の側板51bを枠組み61に取り付けると、小米取り部50は右側に向きを変えた姿勢になって、精米された白米を精米装置30の右側に排出することができる。また小米取ベース板51の左側の側板51bを枠組み61に取り付けると、小米取り部50は左側に向きを変えた姿勢になって、精米された白米を精米装置30の左側に排出することができる。
【0040】
次に、石抜装置10を精米装置30の左側から右側に設置する場合について説明する。先ず、図1に示す石抜装置10の本体部11を前後方向に180°反転させて排出口を左側に向ける。また石抜側ホッパ15を本体部11から取り出し、石抜側ホッパ15を前後方向に180°反転させて石抜側ホッパ15の前側が前方に向いた姿勢にして本体部11に装着する。さらに張込板12を前板11bから取り外して後板11cに取り付ける。
【0041】
一方、精米装置30では、搗精部35等が取り付けられた枠組み61と搬送部31を左右方向に入れ替えて底板60に取り付ける。また搬送部31の吐出口31aを精米側ホッパ33の右側の接続口33bに接続し、左側の接続口33bを蓋部材33cで覆う。なお、枠組み61と搬送部31を入れ替える際、図示しない枠体が底板60に取り付けられた状態で枠組み61と搬送部31の入れ替え作業が可能であれば、枠体を底板60から取り外す必要はない。この場合には、枠体からパネル62,64,65等を取り外す。また枠体を底板60から取り外さなければ枠組み61と搬送部31の入れ替え作業ができなければ、枠体を底板60から取り外す。
【0042】
そして、枠組み61と搬送部31の入れ替え作業が終わると、取り外されたパネル62、64,65等を枠体に取り付ける。この際、右側のパネル65の下部側板を取り外す。そして、図5(斜視図)に示すように、石抜装置10を精米装置30の右側に設置し、石抜装置10の排出口と搬送部31の取入口とを結合した状態にして、石抜装置10の設置作業を終了する。なお、石抜装置10の設置方法は前述した場合に限るものではなく、石抜装置10を精米装置30の右側に移動させてから、石抜装置10の本体部11と石抜側ホッパ15を反転させて石抜装置10を精米装置30に結合するようにしてもよい。
【0043】
このように、本願の穀物調整装置1は、石抜装置10を精米装置30の右側及び左側のいずれに設置しても、石抜装置10によって小石が除去された玄米を精米装置30に供給可能に構成されているので、石抜装置10を精米装置30の左右両側のいずれかに設置した方が使い易くなる設置場所では、石抜装置10を精米装置30の左右両側のいずれかに設置することができ、精米作業の作業性を向上することができる。
【0044】
また小米取り部50は、小米取ベース板51を介して精米装置30の前方側、左方向側、右方向側のいずれかの方向に向いた姿勢で精米装置30内に配設可能であるので、搗精部35から排出される白米の排出方向を精米装置30の前方、左方向、右方向のいずれかの方向にすることができる。このため、精米工程の後に着色米や異物を除去する色彩選別工程や白米を計量して袋詰めする工程を設けるために、色彩選別機や計量機ユニットを精米装置30の側方に設置し、精米装置30の排出シュート69を精米装置30の左右方向に配設されたパネル64,65に設けると、色彩選別機内の色選タンクや計量機ユニット内の製品タンクと排出シュート69との間を直線状の管で繋ぐときに障害となる物がなくなる。従って、本願の穀物調整装置1は、色彩選別機や計量機ユニットの設置場所に柔軟に対応して精米装置30と色彩選別機や計量機ユニットとを直線状の管で連通することができ、使い勝手が極めて良い。
【0045】
なお、石抜装置10は、精米装置30の精米側ホッパ33内の玄米の有無によってオンオフ作動するようにしてもよい。この場合には、図2に示すように、精米側ホッパ33にホッパ内の玄米の有無を検知するセンサ73を設け、このセンサ73からの検知信号に応じて石抜装置10の作動を制御する制御装置75を設ける(図面では石抜装置10内に制御装置75が設けられている)。なお、制御装置75は、精米装置30内に設けられてもよい。この制御装置75は、精米側ホッパ33内に玄米がない旨の検知信号をセンサ73から受け取ると、石抜装置10を運転状態にし、精米側ホッパ33内に玄米がある旨の信号をセンサ73から受け取ると、石抜装置10を停止状態にするように、石抜装置10の作動を制御する。
【0046】
このように、精米側ホッパ33内の玄米の有無によって石抜装置10の作動を制御することにより、精米側ホッパ33内に玄米がないときに石抜装置10が停止状態にあったり、精米側ホッパ33内に玄米がある状態で石抜装置10が運転状態にあったりする事態を未然に防止することができる。このため、精米作業が途切れたり、精米側ホッパ33内の玄米が溢れたりする事態を防止することができ、穀物調整装置1による精米作業の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる穀物調整装置の石抜装置を精米装置の左側に設置した場合の穀物調整装置の斜視図を示す。
【図2】本発明の一実施の形態に係わる穀物調整装置の一部である精米装置の内部構造図を示す。
【図3】精米装置内の搗精部等を取り付けた枠組みと搬送部を左右方向に反転して設置した精米装置の内部構造図を示す。
【図4】本発明の一実施の形態に係わる穀物調整装置の搗精部を示し、同図(a)は搗精部に取り付けられる横送り機構部の内部構造図であり、同図(b)は搗精部の断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係わる穀物調整装置の石抜装置を精米装置の右側に設置した場合の穀物調整装置の斜視図を示す。
【図6】従来の穀物調整装置の斜視図を示す。
【符号の説明】
【0048】
1 穀物調整装置
10 石抜装置
11 本体部
11b 前板
11c 後板
12 張込板
15 石抜側ホッパ
30 精米装置
31 搬送部
31a 吐出口
33 精米側ホッパ
33b 接続口
35 搗精部
50 小米取り部
73 センサ(玄米有無検知手段)
75 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された玄米から小石を除去する石抜装置と、該石抜装置から供給される玄米を精米して白米にする精米装置とを有した穀物調整装置であって、
前記石抜装置は、精米装置幅方向の両側のいずれに設置されて前記精米装置に結合されることを特徴とする穀物調整装置。
【請求項2】
前記石抜装置は、上部が開口して一方側の側部に排出口を備えた箱状の本体部と、該本体部の上部開口部から挿入されて前記本体部内に着脱可能に装着されて玄米が供給される石抜側ホッパと、前記本体部の前板及び後板のいずれに着脱可能に取り付けられて玄米を収容した袋を載置可能な張込板とを有し、
前記石抜側ホッパは、前記本体部に対して前後方向の向きを反転して装着可能であることを特徴とする請求項1に記載の穀物調整装置。
【請求項3】
前記精米装置は、前記石抜装置から供給される玄米を上方に搬送する搬送部と、前記搬送部の側方に配設されて前記搬送部から供給される玄米を精米して白米にする搗精部とを有し、
前記搬送部と前記搗精部は、精米装置幅方向に入れ替えて設置可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の穀物調整装置。
【請求項4】
前記搗精部から排出される白米から小米等を除去するとともに、小米等を除去した白米を排出する小米取り部を設け、
前記小米取り部は、前記精米装置の前方側、精米装置幅方向の一方側及び他方側のいずれかの方向に向いた姿勢で前記精米装置に配設可能であることを特徴とする請求項3に記載の穀物調整装置。
【請求項5】
前記搬送部によって搬送された玄米を収容して前記搗精部に前記玄米を供給する精米側ホッパを設け、前記精米側ホッパの精米装置幅方向の両側に、前記搬送部の上部に設けられた吐出口と接続されて連通する接続口を設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の穀物調整装置。
【請求項6】
前記精米側ホッパに、該精米側ホッパ内の玄米の有無を検知する玄米有無検知手段を設け、前記玄米有無検知手段からの検知信号に応じて前記石抜装置のオンオフ作動を制御する制御装置を設けたことを特徴とする請求項5に記載の穀物調整装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−290040(P2008−290040A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−140309(P2007−140309)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000197344)静岡製機株式会社 (37)
【Fターム(参考)】