積層型ヒートシンク
【課題】パワーデバイス等の冷却に用いるヒートシンクは、従来アルミダイキャスト製やアルミ押出し型材製が多用されている。これらのヒートシンクは、その製造プロセスからヒートスプレッダー部に対してフィンはほぼ垂直に立っている。この製法とこの構造に立脚する限り、性能向上のために、フィンピッチを狭めたり、フィン高さを増やしたりするのが困難である。
【解決手段】1個のヒートスプレッダーと複数のフィンとを水平に配置し、それらの中間にスペーサーを設けて結合した積層構造のヒートシンクとした。こうすることで、容易にフィンピッチを狭めたり、フィン面積を拡大することができ、高性能なヒートシンクが簡単に得られる。また、拡散接合やビス留めといった従来用いられていない製造プロセスを適用できる。あるいは、部分的に熱伝導率や熱膨張率の異なる材料を用いることもできる。
【解決手段】1個のヒートスプレッダーと複数のフィンとを水平に配置し、それらの中間にスペーサーを設けて結合した積層構造のヒートシンクとした。こうすることで、容易にフィンピッチを狭めたり、フィン面積を拡大することができ、高性能なヒートシンクが簡単に得られる。また、拡散接合やビス留めといった従来用いられていない製造プロセスを適用できる。あるいは、部分的に熱伝導率や熱膨張率の異なる材料を用いることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用のヒートシンクに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用のヒートシンクとして、アルミ製の押出型材を切り出したものやアルミ製のダイキャスト品が多く使用されている。特許に記載された図からは、全ての図の製法が特定できるものではないが、その形状から推定して、押出し型材を切り出したものやダイキャスト製と考えられるものが多い。例えば、特許文献1、特許文献2がそうである。それらの形状は、そのフィンが取り付け基板(以下、ヒートスプレッダー部と呼ぶ)に対して、垂直に取付けられている。
【0003】
あるいは、アルミの鍛造品も一部に見られる。特許文献3は、ピン状の突起を複数個設けたもので、これは鍛造で成形したものである。これも、突起はヒートスプレッダー部に対して、垂直配置となっている。
【0004】
あるいは、特許文献4に見られるように、アルミ板にアルミ板のろう付けを行って、ヒートシンクを作る場合もある。
【0005】
あるいは、特許文献5に見られるように、ヒートスプレッダー部からフィンを、切り起した例もある。これらのフィンも、ヒートスプレッダー部に対して、ほぼ垂直方向に立ち上げている。
【0006】
こうした特許文献1〜5の例のように、フィンをヒートスプレッダー部に対して垂直方向に立てた構造では、ヒートシンクの性能向上のために、フィンピッチ(図1参照)を狭めようとすると、ピッチが狭まる毎に製造が急激に困難となってくる。フィン高さも増やそうとすると同様に製造が困難となってくる。
【0007】
例えば、押し出し型材の切断品やアルミダイキャスト製の鋳物品では、アルミの充填性や湯廻り性、型の耐久性が問題となるし、ろう付け品では、その治具構造が難しくなる。
【0008】
しかしながら、最近の電子機器等の発熱量の増加に伴い、放熱効率のよいヒートシンクを使おうとすると、どうしてもフィンピッチが狭くなってきたり、フィン高さが増してくる。そのため、ヒートスプレッダーとフィンとの関係を見直す必要が生じてきている。
【0009】
ただ、こうした点を考慮したものかどうか不明であるが、例外的に、ヒートスプレッダーとフィンを平行に設計した例がある(特許文献6参照)。しかし、このヒートシンクについては、その製法は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】 特開2008−218616号公報
【0011】
【特許文献2】 特開2008−28377号公報
【0012】
【特許文献3】 特開2009−277768号公報
【0013】
【特許文献4】 特開2010−93020号公報
【0014】
【特許文献5】 特開2001−284500号公報
【0015】
【特許文献6】 特開平6−92728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
以上に述べたように、現在使われているヒートシンクの構造は、大多数の場合、フィンがヒートスプレッダーに対して垂直に配置された構造であり、そのフィンピッチが狭まるとともに、あるいはフィン高さが増加する毎に、製造が困難となってくる。
【0017】
あるいは、ダイキャスト製、押出し型材製、鍛造製のヒートシンクでは、フィンに対して簡単に突起等を設けてその冷却構造の改善を図ることは難しい。これは、鋳造型や押出し型、鍛造型から製品を取り出すことができなくなるためである。
【0018】
本発明は、こうした点に鑑み、従来の構造が有していた製造の困難さを、ヒートシンクの構造と製造法との両面から解決しようとするものである。
【0019】
また、後述する解決手段に似たヒートシンクとして、特許文献6に見られるように、ヒートスプレッダーとフィンを平行に取付けたものも考えられているようであるが、その製造法は、まだアルミダイキャストやアルミ押出し型材の応用と思われ、本発明とは本質的な違いがある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、1個のヒートスプレッダーと複数のフィンとを平行に配置し、それらの中間にスペーサーを設けて結合した積層構造とする。
【0021】
また、上記のスペーサーを、ヒートスプレッダーに装着する発熱体の直上に配置する構造とする。
【0022】
上記のスペーサーが、冷却のための空気や水の抵抗となる場合は、スペーサー形状を流線型とし、抵抗低減は図る構造とする。
【0023】
本発明の積層構造を採ることで、通電焼結装置あるいはホットプレスによる拡散接合やろう付けで、一体化する。
【0024】
また、こうした積層構造をとることで、ビス留めやリベット等のメカニカルファスナーにより締結し、一体化する。
【0025】
更に、フィン材に対して、突起や切り欠きを付けた構造とする。
【0026】
更に、積層構造ヒートシンクにおいて、フィンとヒートスプレッダーがアルミ製の場合には、そのスペーサー材としてAl(アルミ)−Gr(グラファイト)系の複合材を使用し、フィンとスプレッダーがCu(銅)製の場合には、そのスペーサー材としてCu(銅)−Gr(グラファイト)系の複合材を使用する。
【0027】
積層構造のヒートシンクにおいて、AlN(窒化アルミ)製の絶縁基板も併せて、一体化した構造とする。
【発明の効果】
【0028】
上述したような構造により、スペーサーの厚みでフィンピッチを決めることができる。従って、薄いスペーサーを用いることによりフィンピッチは簡単に狭くできるし、スペーサー厚みの変更によりフィンピッチの変更も簡単にできる。またフィンの高さ(面積)も大きくとることができる。
【0029】
特に、フィンピッチが非常に狭くできることから、簡単に高性能なヒートシンクを得ることができる。
【0030】
また、熱移動の観点からも、従来の垂直フィンタイプのヒートシンクと積層型ヒートシンクには大きな違いがある。熱移動の様子を模式的に、図5、図6に示す。
【0031】
図5に示す垂直フィンタイプのヒートシンクでは、発熱体50で発生した熱は、先ずヒートスプレッダー部に伝わり、その後ヒートスプレッダー内を水平に拡散する。そして、最後にフィンから雰囲気中へと拡散していく。従って、熱移動を良くするには、ヒートスプレッダー部が厚い方がよく、重くなり易い。
【0032】
一方、積層型のヒートシンクでは、発熱体で発生した熱は、スペーサーを中心として垂直に移動し、その後フィンに伝えられる。従って、発熱体近傍の熱伝導・伝達に寄与する部分の体積を大きく設定でき、軽量のヒートシンクを作り易い。
【0033】
ただ、スペーサーを大きくし過ぎると、冷却のための空気や水の通路が狭くなりやすく、通気抵抗や通水抵抗の増加を招き易い。そうした場合は、スペーサーの形状を、図7に示すような流線型とし、低減する必要がある。
【0034】
さらには、製造の観点から、金型のような永久型を使用しないで済むことから、設計変更や仕様変更にも柔軟に対応できるし、少量生産にも向いた構造である。
【0035】
ヒートスプレッダーとスペーサーやフィンの接合には、ビス留めやリベットのようなメカニカルファスナーを使用することもできるし、ろう付けや拡散接合といったプロセスを用いることもでき、生産数量やヒートシンク性能、あるいはコストとの関係を見ながら、その製造方法を自由に選ぶことが可能となる。
【0036】
突起等がフィン材に自由に付けられることから、ダイキャスト製品や押出し型材製品よりも、冷却性能に優れたヒートシンクが容易に得られるメリットもある。
【0037】
また、アルミダイキャストやアルミの押出し型材、あるいは鍛造の場合は、ヒートシンク全体が同じ材料でないと製造できないのに対し、本発明では、必要な部位に、より熱伝導率の高い材料や熱膨張の低い材料を使えるといったメリットも出てくる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】 通常のダイキャスト製ヒートシンクの斜視図
【図2】 ろう付け製ヒートシンクの斜視図
【図3】 本発明の実施形態を示す積層型ヒートシンクの断面図
【図4】 本発明の実施形態を示す積層型ヒートシンクの平面図
【図5】 通常のヒートシンクの熱移動の模式図
【図6】 積層ヒートシンクの熱移動の模式図
【図7】 流線型のスペーサーを用いた積層ヒートシンクの平面図
【図8】 複数の場所にスペーサーを設けた積層型ヒートシンクの平面図
【図9】 ビス留めを用いた積層型ヒートシンクの断面図
【図10】 リベット留めを用いた積層型ヒートシンクの断面図
【図11】 リベット留めを用いた積層型ヒートシンクの平面図
【図12】 ピン状突起を設けたフィン材の斜視図
【図13】 突起付きフィンを有する積層型ヒートシンクの断面図
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図13に基づいて説明する。
【0040】
図1は、通常のヒートシンクを示したものである。これは、特許文献1や特許文献2に見られるもので、ヒートスプレッダー部分(1)に垂直にフィン(2a〜2g)が取付けられているものである。
【0041】
この通常のヒートシンクは、発熱体(20)の上に取り付けられ、空気の流れや水の流れにより熱を奪う構造となっている。発熱体としては、半導体チップからなるパワーデバイスやLEDを想定している。半導体チップからなるパワーデバイスの場合は、通常AlN(窒化アルミ製)の絶縁基板をヒートスプレッダーに貼り付けた構造となっている(図3参照)が、この絶縁基板は、図1では見えていない。
【0042】
ヒートシンクの一般的な製造方法であるアルミダイキャストでは、型に数度の抜き勾配を取るため、フィンの根元は厚く、先端に行くに従って薄くなる。また、凝固収縮が大きいため、熱伝導率のよい純アルミは使用できず、純アルミよりも熱伝導率に劣るアルミ合金が使われるのが普通である。
【0043】
押し出し形材を使用した場合も、図1と同様な構造を取る。
【0044】
この図1の構造でもって、より放熱性能を向上させようとすると、フィンピッチを狭く、フィン高さを高く、あるいはフィンに切欠きをという方向が通常であるが、型の製造や型の耐久性、製造の容易さといった点から自ずと限界がある。
【0045】
図2のろう付けヒートシンクでは、フィンに切り欠きを付けるのは容易である。しかし、性能を上げるのは、意外に困難である。通常フィン厚みが薄く、フィンピッチを狭めるだけでは性能は簡単に向上しない。
【実施例】
【0046】
本発明はこうした限界を取り除くのに有効である。本発明の構造は、図3に示すようにヒートスプレッダー(1)の上にスペーサー(3a〜3c)とフィン(2a〜2c)を交互に重ねこれらを一体的に結合したものである。スペーサーは、放熱性を考慮し、発熱体(パワーデバイス)を装着する絶縁基板の直上としている。
【0047】
実際に試作した条件は、材料としてすべて純Al(アルミ)の板を用い、ヒートスプレッダー(50)サイズを130mm幅×60mm長さ×3mm厚さ、スペーサー(3a〜3c)サイズを40mm×40mm×2.5mm厚さ、フィン(2a〜2c)サイズを130mm幅×60mm長さ×0.8mm厚さとした。絶縁基板(20)の材料にはAlN(窒化アルミ)を用い、サイズを30mm幅×20mm長さ×0.7厚さとした。
【0048】
これらの材料を、図3の如く積層し、黒鉛型内に配置して通電焼結を行ない拡散接合した。拡散接合条件は、500℃×2分間保持、加えた圧力は50MPa、真空度50Paで実施した。
【0049】
また、以上の拡散接合には、既出願の特許(特願2010−209916)に記載の接合方法、つまり接合面には突起を設けて空洞を作り、残存空気と黒鉛型との反応により生じたCO(一酸化炭素)を利用して、拡散接合を促進する方法を折りこんでいる。ただこの方法は、図中には記載していない。
【0050】
こうした結果、一体的に接合できた。なお、絶縁基板(20)は、ヒートシンク部分ができてから後に付けることもあり、そうした工程を設定することも可能であることは言うまでも無い。
【0051】
また、ろう付けの試作も行った。素材の材料、寸法は上記に同じで、ろう材には、Al粉末(粒径5μm程度)にSi粉末(粒径30μm以下)を12wt%混合したものを、接合面に刷毛塗りした。この場合も、通電焼結装置を用いて、特願2010−209916の手法を織り込んでいる。ろう付け条件は、590℃×1分保持、加圧力5MPa、真空度50Paで実施した。
【0052】
この結果、良好な接合ができた。
【0053】
さらに、同サイズで純Cu(銅)の一体化品も作成した。拡散接合温度600℃×3分間保持、加圧力50MPa、黒鉛型内に配置、特願2010−209916よる通電焼結方法、真空度は100Paで実施した。この場合は、板材の表面には何も塗布せず、そのままで拡散接合している。この結果、絶縁基板(AlN)、銅製ヒートスプレッダー、銅製スペーサー、銅製フィン共に一体的に接合できた。
【0054】
なお、図には記載していないが、この過程で、絶縁基板と銅製ヒートスプレッダーとの間に、Cu−Gr(グラファイト)系複合材を用いると、より信頼性あるものとなる。これは、AlNとCuとの間の熱膨張差を複合材が吸収するためで、AlNが割れ難いものができる。
【0055】
この複合材を挟んだものも接合した結果、一体的に接合できた。試作に使用したGr(グラファイト)は、ITO GRAPHITE XD−150(伊藤黒鉛工業(株))の熱分解性黒鉛で、事前に、Cu−70vol%Grの塊を製作し、熱伝導性に優れる方向が図3の縦方向になるように、その塊から板を切り出し、使用した。
【0056】
使用したCu−70vol%Grは、熱伝導率360W/m・K、熱膨張率8ppmと熱伝導率にも優れ、且つ、熱膨張率は、AlNの5ppm、Cuの16.7ppmの中間で窒化アルミ寄りにあること、また、剛性が低いことから、ヒートシンクを実際に装着した時には、熱衝撃等によるAlNの剥離や割れに有効である。
【0057】
この図3の本発明では、フィンピッチはスペーサーの厚みにより決まる。従って、フィンピッチを狭くしようとすると、薄いスペーサーを用いることで、簡単に実現できる。これは、ヒートシンクの設計者にとって非常にありがたいものである。また、フィン高さもフィン板の寸法を適当にとればよく、フィンの面積を簡単に拡大できるメリットがある。
【0058】
図3、図4は、スペーサーを1箇所に設けた例であるが、発熱体が複数箇所にまたがる時は、スペーサーを複数箇所に設け、熱を逃がしやすくする必要がある。図8がその例で、2箇所にスペーサーを設けている。このように、積層構造のヒートシンクは複数箇所の熱源にも対応可能である。
【0059】
図9は、積層ヒートシンクの製造に拡散接合やろう付けを用いないで、より簡易的に造るようにしたものである。図9の左方には丸頭ビスで一体成形した例を、右方には平頭ビスでナット留めした例を示す。この図は必要な部分の断面図しか記載していないが、ビスの配置は図11と同様である。
【0060】
図10、図11には、リベット留めをした例を示す。この図のリベットの頭は平頭としているが、丸頭でも、その他の形でも、空間的に他の部品との干渉がなければ、どんな頭の形でもよい。
【0061】
図9、図10、図11のビスやリベットのようなメカニカルファスナーにはヒートシンクと同じ材質のものが望ましい。ファスナー類とヒートシンクとの間で、熱膨張が異なると緩みが生じやすいためである。
【0062】
こうしたファスナー留めは、熱伝導、熱伝達といった面では、拡散接合の一体成形品よりも劣るが、コストの面や作りやすさといった点では優れる。ヒートシンク性能が満足しておれば、こうした製法もとれる。また、積層構造のヒートシンクは、こうした組立が非常に容易な構造をしていることも特徴の一つである。
【0063】
もし、より熱伝導、熱伝達を向上したい場合には、ファスナーによる組立時に、その積層面に熱伝導シートや熱伝導グリスをサンドイッチしてもよい。
【0064】
また、先述した熱分解性黒鉛を用いたCu−Gr系の複合材やAl−Gr系の複合材をスペーサーとして用いることで、拡散接合やファスナー留めも可能である。特に、軟らかい黒鉛が板材の表面に顔をのぞかせていることから、相手の表面の凹凸に対してなじみ易く、ファスナー留めの場合には、熱伝達が良好となる。
【0065】
図12には、フィン材に熱伝達向上のための突起(21)を設けた例を示す。積層ヒートシンクのフィン材は、1枚の打ち抜き板やシャーリング板から作るため、表面にプレス等で突起を設けるのも容易である。垂直フィンではこうした作業がなかなかできない。こうした突起は空気の流れや水の流れに乱流を発生させ、熱伝達の向上に有効である。
【0066】
この図12はあくまでもピン状の突起を付けた例であるが、その他に切り欠きを付けたりしてもよいし、丸穴や各穴等を開けてもよい。また、図12は突起の配置を格子状に配置しているが、千鳥状やその他の配置であってもよいことは言うまでもない。
【0067】
図12の板を下向きにして、スペーサー等と積層したものを図13に示す。この図13は単に積層構造を記載しただけであるが、拡散接合やろう付け、ファスナー留めが可能である。
【0068】
また、図13ではピン状の突起をほとんど次段のフィンと接触するくらいまでの高さとしているが、これはもっと低くてもよいことも、言うまでもない。とにかく必要に応じて、突起形状、突起分布、突起密度、突起サイズ、突起高さ等は選定すればよい。
【符号の説明】
【0069】
1 ヒートスプレッダーあるいはヒートスプレッダー部
2 フィン
3 スペーサー
10 取り付け穴
20 絶縁基板
21 突起
31 平頭ビス
32 ナット
33 ワッシャ
34 丸頭ビス
40 リベット
50 発熱体
60 ろう材
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用のヒートシンクに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用のヒートシンクとして、アルミ製の押出型材を切り出したものやアルミ製のダイキャスト品が多く使用されている。特許に記載された図からは、全ての図の製法が特定できるものではないが、その形状から推定して、押出し型材を切り出したものやダイキャスト製と考えられるものが多い。例えば、特許文献1、特許文献2がそうである。それらの形状は、そのフィンが取り付け基板(以下、ヒートスプレッダー部と呼ぶ)に対して、垂直に取付けられている。
【0003】
あるいは、アルミの鍛造品も一部に見られる。特許文献3は、ピン状の突起を複数個設けたもので、これは鍛造で成形したものである。これも、突起はヒートスプレッダー部に対して、垂直配置となっている。
【0004】
あるいは、特許文献4に見られるように、アルミ板にアルミ板のろう付けを行って、ヒートシンクを作る場合もある。
【0005】
あるいは、特許文献5に見られるように、ヒートスプレッダー部からフィンを、切り起した例もある。これらのフィンも、ヒートスプレッダー部に対して、ほぼ垂直方向に立ち上げている。
【0006】
こうした特許文献1〜5の例のように、フィンをヒートスプレッダー部に対して垂直方向に立てた構造では、ヒートシンクの性能向上のために、フィンピッチ(図1参照)を狭めようとすると、ピッチが狭まる毎に製造が急激に困難となってくる。フィン高さも増やそうとすると同様に製造が困難となってくる。
【0007】
例えば、押し出し型材の切断品やアルミダイキャスト製の鋳物品では、アルミの充填性や湯廻り性、型の耐久性が問題となるし、ろう付け品では、その治具構造が難しくなる。
【0008】
しかしながら、最近の電子機器等の発熱量の増加に伴い、放熱効率のよいヒートシンクを使おうとすると、どうしてもフィンピッチが狭くなってきたり、フィン高さが増してくる。そのため、ヒートスプレッダーとフィンとの関係を見直す必要が生じてきている。
【0009】
ただ、こうした点を考慮したものかどうか不明であるが、例外的に、ヒートスプレッダーとフィンを平行に設計した例がある(特許文献6参照)。しかし、このヒートシンクについては、その製法は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】 特開2008−218616号公報
【0011】
【特許文献2】 特開2008−28377号公報
【0012】
【特許文献3】 特開2009−277768号公報
【0013】
【特許文献4】 特開2010−93020号公報
【0014】
【特許文献5】 特開2001−284500号公報
【0015】
【特許文献6】 特開平6−92728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
以上に述べたように、現在使われているヒートシンクの構造は、大多数の場合、フィンがヒートスプレッダーに対して垂直に配置された構造であり、そのフィンピッチが狭まるとともに、あるいはフィン高さが増加する毎に、製造が困難となってくる。
【0017】
あるいは、ダイキャスト製、押出し型材製、鍛造製のヒートシンクでは、フィンに対して簡単に突起等を設けてその冷却構造の改善を図ることは難しい。これは、鋳造型や押出し型、鍛造型から製品を取り出すことができなくなるためである。
【0018】
本発明は、こうした点に鑑み、従来の構造が有していた製造の困難さを、ヒートシンクの構造と製造法との両面から解決しようとするものである。
【0019】
また、後述する解決手段に似たヒートシンクとして、特許文献6に見られるように、ヒートスプレッダーとフィンを平行に取付けたものも考えられているようであるが、その製造法は、まだアルミダイキャストやアルミ押出し型材の応用と思われ、本発明とは本質的な違いがある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、1個のヒートスプレッダーと複数のフィンとを平行に配置し、それらの中間にスペーサーを設けて結合した積層構造とする。
【0021】
また、上記のスペーサーを、ヒートスプレッダーに装着する発熱体の直上に配置する構造とする。
【0022】
上記のスペーサーが、冷却のための空気や水の抵抗となる場合は、スペーサー形状を流線型とし、抵抗低減は図る構造とする。
【0023】
本発明の積層構造を採ることで、通電焼結装置あるいはホットプレスによる拡散接合やろう付けで、一体化する。
【0024】
また、こうした積層構造をとることで、ビス留めやリベット等のメカニカルファスナーにより締結し、一体化する。
【0025】
更に、フィン材に対して、突起や切り欠きを付けた構造とする。
【0026】
更に、積層構造ヒートシンクにおいて、フィンとヒートスプレッダーがアルミ製の場合には、そのスペーサー材としてAl(アルミ)−Gr(グラファイト)系の複合材を使用し、フィンとスプレッダーがCu(銅)製の場合には、そのスペーサー材としてCu(銅)−Gr(グラファイト)系の複合材を使用する。
【0027】
積層構造のヒートシンクにおいて、AlN(窒化アルミ)製の絶縁基板も併せて、一体化した構造とする。
【発明の効果】
【0028】
上述したような構造により、スペーサーの厚みでフィンピッチを決めることができる。従って、薄いスペーサーを用いることによりフィンピッチは簡単に狭くできるし、スペーサー厚みの変更によりフィンピッチの変更も簡単にできる。またフィンの高さ(面積)も大きくとることができる。
【0029】
特に、フィンピッチが非常に狭くできることから、簡単に高性能なヒートシンクを得ることができる。
【0030】
また、熱移動の観点からも、従来の垂直フィンタイプのヒートシンクと積層型ヒートシンクには大きな違いがある。熱移動の様子を模式的に、図5、図6に示す。
【0031】
図5に示す垂直フィンタイプのヒートシンクでは、発熱体50で発生した熱は、先ずヒートスプレッダー部に伝わり、その後ヒートスプレッダー内を水平に拡散する。そして、最後にフィンから雰囲気中へと拡散していく。従って、熱移動を良くするには、ヒートスプレッダー部が厚い方がよく、重くなり易い。
【0032】
一方、積層型のヒートシンクでは、発熱体で発生した熱は、スペーサーを中心として垂直に移動し、その後フィンに伝えられる。従って、発熱体近傍の熱伝導・伝達に寄与する部分の体積を大きく設定でき、軽量のヒートシンクを作り易い。
【0033】
ただ、スペーサーを大きくし過ぎると、冷却のための空気や水の通路が狭くなりやすく、通気抵抗や通水抵抗の増加を招き易い。そうした場合は、スペーサーの形状を、図7に示すような流線型とし、低減する必要がある。
【0034】
さらには、製造の観点から、金型のような永久型を使用しないで済むことから、設計変更や仕様変更にも柔軟に対応できるし、少量生産にも向いた構造である。
【0035】
ヒートスプレッダーとスペーサーやフィンの接合には、ビス留めやリベットのようなメカニカルファスナーを使用することもできるし、ろう付けや拡散接合といったプロセスを用いることもでき、生産数量やヒートシンク性能、あるいはコストとの関係を見ながら、その製造方法を自由に選ぶことが可能となる。
【0036】
突起等がフィン材に自由に付けられることから、ダイキャスト製品や押出し型材製品よりも、冷却性能に優れたヒートシンクが容易に得られるメリットもある。
【0037】
また、アルミダイキャストやアルミの押出し型材、あるいは鍛造の場合は、ヒートシンク全体が同じ材料でないと製造できないのに対し、本発明では、必要な部位に、より熱伝導率の高い材料や熱膨張の低い材料を使えるといったメリットも出てくる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】 通常のダイキャスト製ヒートシンクの斜視図
【図2】 ろう付け製ヒートシンクの斜視図
【図3】 本発明の実施形態を示す積層型ヒートシンクの断面図
【図4】 本発明の実施形態を示す積層型ヒートシンクの平面図
【図5】 通常のヒートシンクの熱移動の模式図
【図6】 積層ヒートシンクの熱移動の模式図
【図7】 流線型のスペーサーを用いた積層ヒートシンクの平面図
【図8】 複数の場所にスペーサーを設けた積層型ヒートシンクの平面図
【図9】 ビス留めを用いた積層型ヒートシンクの断面図
【図10】 リベット留めを用いた積層型ヒートシンクの断面図
【図11】 リベット留めを用いた積層型ヒートシンクの平面図
【図12】 ピン状突起を設けたフィン材の斜視図
【図13】 突起付きフィンを有する積層型ヒートシンクの断面図
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図13に基づいて説明する。
【0040】
図1は、通常のヒートシンクを示したものである。これは、特許文献1や特許文献2に見られるもので、ヒートスプレッダー部分(1)に垂直にフィン(2a〜2g)が取付けられているものである。
【0041】
この通常のヒートシンクは、発熱体(20)の上に取り付けられ、空気の流れや水の流れにより熱を奪う構造となっている。発熱体としては、半導体チップからなるパワーデバイスやLEDを想定している。半導体チップからなるパワーデバイスの場合は、通常AlN(窒化アルミ製)の絶縁基板をヒートスプレッダーに貼り付けた構造となっている(図3参照)が、この絶縁基板は、図1では見えていない。
【0042】
ヒートシンクの一般的な製造方法であるアルミダイキャストでは、型に数度の抜き勾配を取るため、フィンの根元は厚く、先端に行くに従って薄くなる。また、凝固収縮が大きいため、熱伝導率のよい純アルミは使用できず、純アルミよりも熱伝導率に劣るアルミ合金が使われるのが普通である。
【0043】
押し出し形材を使用した場合も、図1と同様な構造を取る。
【0044】
この図1の構造でもって、より放熱性能を向上させようとすると、フィンピッチを狭く、フィン高さを高く、あるいはフィンに切欠きをという方向が通常であるが、型の製造や型の耐久性、製造の容易さといった点から自ずと限界がある。
【0045】
図2のろう付けヒートシンクでは、フィンに切り欠きを付けるのは容易である。しかし、性能を上げるのは、意外に困難である。通常フィン厚みが薄く、フィンピッチを狭めるだけでは性能は簡単に向上しない。
【実施例】
【0046】
本発明はこうした限界を取り除くのに有効である。本発明の構造は、図3に示すようにヒートスプレッダー(1)の上にスペーサー(3a〜3c)とフィン(2a〜2c)を交互に重ねこれらを一体的に結合したものである。スペーサーは、放熱性を考慮し、発熱体(パワーデバイス)を装着する絶縁基板の直上としている。
【0047】
実際に試作した条件は、材料としてすべて純Al(アルミ)の板を用い、ヒートスプレッダー(50)サイズを130mm幅×60mm長さ×3mm厚さ、スペーサー(3a〜3c)サイズを40mm×40mm×2.5mm厚さ、フィン(2a〜2c)サイズを130mm幅×60mm長さ×0.8mm厚さとした。絶縁基板(20)の材料にはAlN(窒化アルミ)を用い、サイズを30mm幅×20mm長さ×0.7厚さとした。
【0048】
これらの材料を、図3の如く積層し、黒鉛型内に配置して通電焼結を行ない拡散接合した。拡散接合条件は、500℃×2分間保持、加えた圧力は50MPa、真空度50Paで実施した。
【0049】
また、以上の拡散接合には、既出願の特許(特願2010−209916)に記載の接合方法、つまり接合面には突起を設けて空洞を作り、残存空気と黒鉛型との反応により生じたCO(一酸化炭素)を利用して、拡散接合を促進する方法を折りこんでいる。ただこの方法は、図中には記載していない。
【0050】
こうした結果、一体的に接合できた。なお、絶縁基板(20)は、ヒートシンク部分ができてから後に付けることもあり、そうした工程を設定することも可能であることは言うまでも無い。
【0051】
また、ろう付けの試作も行った。素材の材料、寸法は上記に同じで、ろう材には、Al粉末(粒径5μm程度)にSi粉末(粒径30μm以下)を12wt%混合したものを、接合面に刷毛塗りした。この場合も、通電焼結装置を用いて、特願2010−209916の手法を織り込んでいる。ろう付け条件は、590℃×1分保持、加圧力5MPa、真空度50Paで実施した。
【0052】
この結果、良好な接合ができた。
【0053】
さらに、同サイズで純Cu(銅)の一体化品も作成した。拡散接合温度600℃×3分間保持、加圧力50MPa、黒鉛型内に配置、特願2010−209916よる通電焼結方法、真空度は100Paで実施した。この場合は、板材の表面には何も塗布せず、そのままで拡散接合している。この結果、絶縁基板(AlN)、銅製ヒートスプレッダー、銅製スペーサー、銅製フィン共に一体的に接合できた。
【0054】
なお、図には記載していないが、この過程で、絶縁基板と銅製ヒートスプレッダーとの間に、Cu−Gr(グラファイト)系複合材を用いると、より信頼性あるものとなる。これは、AlNとCuとの間の熱膨張差を複合材が吸収するためで、AlNが割れ難いものができる。
【0055】
この複合材を挟んだものも接合した結果、一体的に接合できた。試作に使用したGr(グラファイト)は、ITO GRAPHITE XD−150(伊藤黒鉛工業(株))の熱分解性黒鉛で、事前に、Cu−70vol%Grの塊を製作し、熱伝導性に優れる方向が図3の縦方向になるように、その塊から板を切り出し、使用した。
【0056】
使用したCu−70vol%Grは、熱伝導率360W/m・K、熱膨張率8ppmと熱伝導率にも優れ、且つ、熱膨張率は、AlNの5ppm、Cuの16.7ppmの中間で窒化アルミ寄りにあること、また、剛性が低いことから、ヒートシンクを実際に装着した時には、熱衝撃等によるAlNの剥離や割れに有効である。
【0057】
この図3の本発明では、フィンピッチはスペーサーの厚みにより決まる。従って、フィンピッチを狭くしようとすると、薄いスペーサーを用いることで、簡単に実現できる。これは、ヒートシンクの設計者にとって非常にありがたいものである。また、フィン高さもフィン板の寸法を適当にとればよく、フィンの面積を簡単に拡大できるメリットがある。
【0058】
図3、図4は、スペーサーを1箇所に設けた例であるが、発熱体が複数箇所にまたがる時は、スペーサーを複数箇所に設け、熱を逃がしやすくする必要がある。図8がその例で、2箇所にスペーサーを設けている。このように、積層構造のヒートシンクは複数箇所の熱源にも対応可能である。
【0059】
図9は、積層ヒートシンクの製造に拡散接合やろう付けを用いないで、より簡易的に造るようにしたものである。図9の左方には丸頭ビスで一体成形した例を、右方には平頭ビスでナット留めした例を示す。この図は必要な部分の断面図しか記載していないが、ビスの配置は図11と同様である。
【0060】
図10、図11には、リベット留めをした例を示す。この図のリベットの頭は平頭としているが、丸頭でも、その他の形でも、空間的に他の部品との干渉がなければ、どんな頭の形でもよい。
【0061】
図9、図10、図11のビスやリベットのようなメカニカルファスナーにはヒートシンクと同じ材質のものが望ましい。ファスナー類とヒートシンクとの間で、熱膨張が異なると緩みが生じやすいためである。
【0062】
こうしたファスナー留めは、熱伝導、熱伝達といった面では、拡散接合の一体成形品よりも劣るが、コストの面や作りやすさといった点では優れる。ヒートシンク性能が満足しておれば、こうした製法もとれる。また、積層構造のヒートシンクは、こうした組立が非常に容易な構造をしていることも特徴の一つである。
【0063】
もし、より熱伝導、熱伝達を向上したい場合には、ファスナーによる組立時に、その積層面に熱伝導シートや熱伝導グリスをサンドイッチしてもよい。
【0064】
また、先述した熱分解性黒鉛を用いたCu−Gr系の複合材やAl−Gr系の複合材をスペーサーとして用いることで、拡散接合やファスナー留めも可能である。特に、軟らかい黒鉛が板材の表面に顔をのぞかせていることから、相手の表面の凹凸に対してなじみ易く、ファスナー留めの場合には、熱伝達が良好となる。
【0065】
図12には、フィン材に熱伝達向上のための突起(21)を設けた例を示す。積層ヒートシンクのフィン材は、1枚の打ち抜き板やシャーリング板から作るため、表面にプレス等で突起を設けるのも容易である。垂直フィンではこうした作業がなかなかできない。こうした突起は空気の流れや水の流れに乱流を発生させ、熱伝達の向上に有効である。
【0066】
この図12はあくまでもピン状の突起を付けた例であるが、その他に切り欠きを付けたりしてもよいし、丸穴や各穴等を開けてもよい。また、図12は突起の配置を格子状に配置しているが、千鳥状やその他の配置であってもよいことは言うまでもない。
【0067】
図12の板を下向きにして、スペーサー等と積層したものを図13に示す。この図13は単に積層構造を記載しただけであるが、拡散接合やろう付け、ファスナー留めが可能である。
【0068】
また、図13ではピン状の突起をほとんど次段のフィンと接触するくらいまでの高さとしているが、これはもっと低くてもよいことも、言うまでもない。とにかく必要に応じて、突起形状、突起分布、突起密度、突起サイズ、突起高さ等は選定すればよい。
【符号の説明】
【0069】
1 ヒートスプレッダーあるいはヒートスプレッダー部
2 フィン
3 スペーサー
10 取り付け穴
20 絶縁基板
21 突起
31 平頭ビス
32 ナット
33 ワッシャ
34 丸頭ビス
40 リベット
50 発熱体
60 ろう材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個のヒートスプレッダーと複数のフィンとを平行に配置し、それらの中間にスペーサーを設けて結合した積層構造のヒートシンク。
【請求項2】
請求項1に記載のヒートシンクであって、そのスペーサーがヒートスプレッダーに装着する発熱体の直状に配置する構造となったもの。
【請求項3】
請求項1に記載のヒートシンクであって、そのスペーサーの形状を流線型あるいはそれに近い形状としたもの。
【請求項4】
請求項1に記載のヒートシンクであって、通電焼結装置あるいはホットプレスによる拡散接合やろう付けで、一体的に成形したもの。
【請求項4】
請求項1に記載のヒートシンクにおいて、ビス留めやリベット等のメカニカルファスナーにより締結し、一体的に成形したもの。
【請求項5】
請求項1に記載のヒートシンクにおいて、そのフィン材に突起や切り欠き等を付けたもの。
【請求項6】
請求項1に記載のヒートシンクにおいて、フィンとヒートスプレッダーがアルミ製の場合には、そのスペーサー材としてAl(アルミ)−Gr(グラファイト)系の複合材を使用し、フィンとスプレッダーがCu(銅)製の場合には、そのスペーサー材としてCu(銅)−Gr(グラファイト)系の複合材を使用したもの。
【請求項7】
請求項1に記載のヒートシンクにおいて、AlN(窒化アルミ)製の絶縁基板も併せて、一体的に成形したもの。
【請求項1】
1個のヒートスプレッダーと複数のフィンとを平行に配置し、それらの中間にスペーサーを設けて結合した積層構造のヒートシンク。
【請求項2】
請求項1に記載のヒートシンクであって、そのスペーサーがヒートスプレッダーに装着する発熱体の直状に配置する構造となったもの。
【請求項3】
請求項1に記載のヒートシンクであって、そのスペーサーの形状を流線型あるいはそれに近い形状としたもの。
【請求項4】
請求項1に記載のヒートシンクであって、通電焼結装置あるいはホットプレスによる拡散接合やろう付けで、一体的に成形したもの。
【請求項4】
請求項1に記載のヒートシンクにおいて、ビス留めやリベット等のメカニカルファスナーにより締結し、一体的に成形したもの。
【請求項5】
請求項1に記載のヒートシンクにおいて、そのフィン材に突起や切り欠き等を付けたもの。
【請求項6】
請求項1に記載のヒートシンクにおいて、フィンとヒートスプレッダーがアルミ製の場合には、そのスペーサー材としてAl(アルミ)−Gr(グラファイト)系の複合材を使用し、フィンとスプレッダーがCu(銅)製の場合には、そのスペーサー材としてCu(銅)−Gr(グラファイト)系の複合材を使用したもの。
【請求項7】
請求項1に記載のヒートシンクにおいて、AlN(窒化アルミ)製の絶縁基板も併せて、一体的に成形したもの。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−151425(P2012−151425A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20204(P2011−20204)
【出願日】平成23年1月15日(2011.1.15)
【出願人】(594043122)株式会社アカネ (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月15日(2011.1.15)
【出願人】(594043122)株式会社アカネ (10)
【Fターム(参考)】
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