空気温度可変機能付き寝具の掛布団
【課題】エネルギー消費量の増大を抑制しつつ、より快適な就寝環境を実現することができる空気温度可変機能付き寝具の掛布団を提供する。
【解決手段】掛布団20は、マットレス10上の人体の上に掛けられてマットレス10との間に就寝空間Sを形成する。空気温度可変装置13は、マットレス10の表面から就寝空間Sに温度調整された空気を噴出するとともに、該噴出された空気を表面から吸引して、温度調整された空気を循環させる。掛布団20には、就寝空間Sを循環する温度調整された空気の流路Lを確保するための波板部材22が設けられている。
【解決手段】掛布団20は、マットレス10上の人体の上に掛けられてマットレス10との間に就寝空間Sを形成する。空気温度可変装置13は、マットレス10の表面から就寝空間Sに温度調整された空気を噴出するとともに、該噴出された空気を表面から吸引して、温度調整された空気を循環させる。掛布団20には、就寝空間Sを循環する温度調整された空気の流路Lを確保するための波板部材22が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気温度可変機能付き寝具の掛布団に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されるように、敷布団上に敷く敷部材及び就寝時に体の上に掛ける掛布団に、就寝空間等に温風を供給可能な送風通路をそれぞれ形成した寝床エアーコントロール装置が知られている。この寝床エアーコントロール装置は、これら送風通路を裾部の送風溜まりにおいて連通させており、温風送風機により該送風通路に温風を供給することで、就寝空間を就寝に適した環境にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3186632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、基本的に就寝空間に温風を供給し続ける態様で就寝環境の快適化を図っているため、温風送風機において常に外部空気を一から温めて温風を生成・供給しなければならず、エネルギー消費量の増大を余儀なくされている。
【0005】
本発明の目的は、エネルギー消費量の増大を抑制しつつ、より快適な就寝環境を実現することができる空気温度可変機能付き寝具の掛布団を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、下に敷かれる敷部材上の人体の上に掛けられて前記敷部材との間に就寝空間を形成する掛布団であって、前記敷部材の表面から前記就寝空間に温度調整された空気を噴出するとともに、前記噴出された空気を前記表面から吸引して、前記温度調整された空気を循環させる空気温度可変装置を備えた空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を確保するための流路形成部材を設けたことを要旨とする。
【0007】
同構成によれば、前記空気温度可変装置により、前記就寝空間に噴出される前記温度調整された空気が循環されることで、前記空気温度可変装置における温度調整に要するエネルギー消費量の増大を抑制することができる。特に、前記流路形成部材により、前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路が確保されるため、該空気を円滑且つより確実に循環させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、前記流路形成部材は、前記就寝空間における前記温度調整された空気の循環を案内する波板部材であることを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、前記流路形成部材としての前記波板部材により、前記就寝空間における前記温度調整された空気の循環が案内される。つまり、前記波板部材自体が、前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を形成する。これにより、前記就寝空間において前記温度調整された空気を更に円滑に循環させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、前記人体の頭部の露出によって首周りに形成される前記敷部材及び前記掛布団間の開口を閉塞する押え布を備えたことを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、前記押え布により、首周りに形成される前記敷部材及び前記掛布団間の開口が閉塞されることで、前記就寝空間の気密性を向上することができ、前記温度調整された空気をより効率的に循環させることができる。そして、前記空気温度可変装置における温度調整に要するエネルギー消費量の増大を更に抑制することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を複数備え、前記複数の流路間を区画する仕切布を備えたことを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、前記仕切布により、前記複数の流路間が区画されることで、これら流路を流れる空気間の干渉を抑制することができる。そして、前記温度調整された空気を、前記複数の流路の一部又は全部を用いて前記就寝空間の一部又は全部にきめ細かな設定で循環させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、前記敷部材に対して前記掛布団を保持する保持手段を備えたことを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、前記保持手段により、前記敷部材に対して前記掛布団が保持されることで、例えば人体の寝返りなどによって前記敷部材に対して前記掛布団がずれたりすることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、エネルギー消費量の増大を抑制しつつ、より快適な就寝環境を実現することができる空気温度可変機能付き寝具の掛布団を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す側面図。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図。
【図3】掛布団を示す背面図。
【図4】波板部材を示す斜視図。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す側面図。
【図6】図5のB−B線に沿った断面図。
【図7】掛布団を示す背面図。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す側面図。
【図9】図8のC−C線に沿った断面図。
【図10】掛布団を示す背面図。
【図11】本発明の変形形態を示す斜視図。
【図12】本発明の変形形態を示す断面図。
【図13】本発明の変形形態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態が適用される空気温度可変機能付き寝具を示す側面図である。同図に示されるように、この空気温度可変機能付き寝具は、下に敷かれる敷部材としての略直方体状のマットレス10を備えるとともに、該マットレス10上の人体の上に掛けられてマットレス10との間に就寝空間Sを形成する掛布団20を備える。なお、就寝空間Sとは、マットレス10と掛布団20との間の人体の入る空間である。
【0019】
マットレス10には、その足下側で箱状の起風装置11が内蔵されるとともに、該起風装置11に接続された空気配管12が内蔵されている。起風装置11は、送風機構及び温度・湿度調節機構(例えば、デシカント材などの熱交換器やヒータ)を備えており、送風機構にて空気(風)を送るとともに、該空気を温度・湿度調節機構に通すことで、当該空気の温度・湿度を調整する。一方、空気配管12は、マットレス10の表面から就寝空間Sに前記温度・湿度調整された空気を噴出する噴出孔12aを有するとともに、前記噴出された空気を前記表面から吸引する吸気孔12bを有する。従って、噴出孔12aを通じてマットレス10の表面から就寝空間Sに温度調整等された空気が噴出されるとともに、該噴出された空気が吸気孔12bを通じてマットレス10の表面から吸引されることで当該空気が循環される。起風装置11及び空気配管12は、空気温度可変装置13を構成する。
【0020】
なお、就寝空間Sにおいて、噴出孔12aは、人体の上半身寄りに配置されており、吸気孔12bは、人体の足下寄りに配置されている。また、図2に図1のA−A線に沿った断面図を示したように、空気配管12は、マットレス10の幅方向両側に一対で配設されている。従って、起風装置11にて温度・湿度調整された空気は、両空気配管12を介して就寝空間Sの幅方向両側(人体を挟んだ幅方向両側)を同時に循環する。つまり、就寝空間Sでは、例えば人体を挟んだ幅方向両側で、上半身側から足下側へと人体に沿って温度・湿度調整された空気が流れる。
【0021】
掛布団20は、マットレス10の長さよりも短い長さ及び該マットレス10の幅よりも若干長い幅を有して平面視略四角形状を呈しており、人体の頭部H寄りの先端部には、該頭部Hを挟んだ幅方向両側から湾出する一対の押え布20aが一体的に設けられている(図3参照)。これら押え布20aは、人体の頭部Hの露出によって首周り(肩口)に形成されるマットレス10及び掛布団20間の開口(隙間)を閉塞する。
【0022】
掛布団20は、その外形をなす布団本体21を備えるとともに、該布団本体21の幅方向両側でその下面に固定された一対の流路形成部材としての波板部材22を備え、更に布団本体21の周縁部に縫合されて該布団本体21とともに両波板部材22を挟み込む裏地23を備える。
【0023】
布団本体21は、袋状の肌触りのよい布地21aに、例えば綿、ポリエステルなどの化学繊維、羽毛などからなる中綿21bが詰められた通常の掛布団の構造を有している。波板部材22は、例えば樹脂材にてコルゲート(波状)に成形されており、その凹凸(波形)が就寝空間Sの上半身側及び足下側の間を連通するように掛布団20(就寝空間S)の長手方向に延在する。つまり、各波板部材22は、掛布団20の幅方向に凹凸を繰り返す。図4に示したように、各波板部材22からは、締結用の複数の固定紐22aが延出しており、該波板部材22は、これら固定紐22aが布団本体21(及び裏地23)に縛り付けられることで固定される。裏地23は、例えばメッシュ状の肌触りのよい布からなり、就寝空間Sと波板部材22(凹凸)とを実質的に連通しつつ該波板部材22の下面を被覆する。従って、就寝空間Sでは、仮に掛布団20が人体に密着して十分な流路面積が得られなかったとしても、各波板部材22にて常に流路Lが確保され、温度・湿度調整された空気の円滑な循環が可能である。
【0024】
なお、マットレス10の幅方向両側縁部及び後縁部には、例えば永久磁石からなる平面視コの字状の敷側外周押え部15が固定されている。一方、敷側外周押え部15に上下方向で対向する掛布団20の幅方向両側縁部及び後縁部には、例えば永久磁石からなる平面視コの字状の掛側外周押え部24が固定されている。従って、掛布団20は、これら敷側外周押え部15及び掛側外周押え部24が磁力で吸着され自由度をもって固定されることで、例えば人体が寝返りを打った場合であってもマットレス10からのずれ又は落下が抑制される。マットレス10に対して掛布団20を保持するこれら敷側外周押え部15及び掛側外周押え部24は保持手段を構成する。
【0025】
次に、本実施形態の動作について総括して説明する。まず、起風装置11は、送風機構にて空気(風)を送るとともに、該空気の温度・湿度を温度・湿度調節機構にて調整する。具体的には、起風装置11は、夏は温度・湿度調節機構の熱交換器で空気を放熱し、人体の熱を取り去る涼風を発生する。また、起風装置11は、冬は温度・湿度調節機構のヒータを駆動して空気を加温し、人体を温める温風を発生する。そして、起風装置11にて温度・湿度調整された空気は、両空気配管12の噴出孔12aを通じて人体の肩付近に噴出される。この噴出された空気は、両波板部材22及び就寝空間Sを流れて人体の足下付近に導かれる。そして、この導かれた空気は、両空気配管12の吸気孔12bから吸引されて起風装置11に戻る。起風装置11は、戻った空気に所要の温度・湿度調整を行った後に、再び両空気配管12の噴出孔12aに送り出す。以上のように、温度・湿度調整された空気が就寝空間S等を循環することで、体感温度が調節されてより快適な就寝環境が実現される。
【0026】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、空気温度可変装置13により、就寝空間Sに噴出される前記温度調整等された空気が循環されることで、該空気温度可変装置13(起風装置11)における温度調整等に要するエネルギー消費量の増大を抑制することができる。特に、波板部材22により、就寝空間Sを循環する温度調整等された空気の流路Lが確保されるため、該空気を円滑且つより確実に循環させることができる。
【0027】
(2)本実施形態では、波板部材22により、就寝空間Sにおける前記温度調整等された空気の循環が案内される。つまり、波板部材22自体が、就寝空間Sを循環する温度調整等された空気の流路Lを形成する。これにより、就寝空間Sにおいて前記温度調整等された空気を更に円滑に循環させることができる。また、人体に対する風量が位置に応じて不均一になることを抑制することができる。
【0028】
(3)本実施形態では、押え布20aにより、首周りに形成されるマットレス10及び掛布団20間の開口(襟部の開口)が閉塞されることで、就寝空間Sの気密性を向上することができ、前記温度調整等された空気をより効率的に循環させることができる。すなわち、より少ない空気の流量で効率よく人体の除熱、加熱等を行うことができる。そして、空気温度可変装置13における温度調整等に要するエネルギー消費量の増大を更に抑制することができる。
【0029】
(4)本実施形態では、保持手段(敷側外周押え部15及び掛側外周押え部24)により、マットレス10に対して掛布団20が保持されることで、例えば人体の寝返りなどによってマットレス10に対して掛布団20がずれたりすることを抑制することができる。特に、マットレス10及び掛布団20の周縁部同士が磁力により自由度をもって固定されていることで、就寝空間Sは、寝返りの影響を抑制しつつ、常にマットレス10側からの風を受けることができる。
【0030】
(5)本実施形態では、空気温度可変装置13をマットレス10に内蔵したことで、寝具周辺に余剰の収容空間が生じることを回避できる。
(6)本実施形態では、狭い就寝空間Sを循環する空気を温度・湿度調整するため、例えば寝室の部屋全体を温度・湿度調整する場合に比べて経済的である。また、就寝空間Sを循環する空気の温度・湿度調整を短期間で容易に行うことができる。
【0031】
(7)本実施形態では、前記温度調整等された空気(風)が就寝空間Sの上半身側(襟部)から足下側(裾部)へと流れることで、体臭が頭部Hに近付いて快適さが損なわれることを防止できる。あるいは、前記温度調整等された空気(風)が頭部Hの顎から額に向かって流れて呼吸の妨げになり、快適さが損なわれることを防止できる。
【0032】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の空気温度可変装置の空気配管の変更に合わせて掛布団の構成を変更したものであり、前記第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を一部省略する。
【0033】
図5は、本実施形態が適用される空気温度可変機能付き寝具を示す側面図である。同図に示されるように、この空気温度可変機能付き寝具は、前記マットレス10上の人体の上に掛けられて該マットレス10との間に複数(3つ)の就寝空間S1,S2,S3を形成する掛布団40を備える。これら就寝空間S1〜S3は、概ね人体の胴部(背中等)、腰部及び足部に合うように前後方向に並設されている。そして、前記マットレス10に内蔵される空気温度可変装置31の空気配管32は、マットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に前記温度・湿度された空気をそれぞれ噴出する複数(3つ)の噴出孔32a,32b,32cを有するとともに、前記噴出された空気を前記表面からそれぞれ吸引する複数(3つ)の吸気孔32d,32e,32fを有する。図6に図5のB−B線に沿った断面図を示したように、噴出孔32a〜32cは、各対応する就寝空間S1〜S3の図示左側に配置されており、吸気孔32d〜32fは、各対応する就寝空間S1〜S3の図示右側に配置されている。従って、噴出孔32a〜32cを通じてマットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に温度・湿度調整された空気がそれぞれ噴出されるとともに、該噴出された空気が吸気孔32d〜32fを通じてマットレス10の表面からそれぞれ吸引されることで当該空気が各就寝空間S1〜S3に循環される。そして、起風装置11にて温度・湿度調整された空気は、空気配管32を介して就寝空間S1〜S3を同時に循環する。そして、就寝空間S1〜S3では、例えば人体の胴部、腰部及び足部周りに温度・湿度調整された空気が流れる。なお、図5では、便宜的に噴出孔32a及び吸気孔32d、噴出孔32b及び吸気孔32e、噴出孔32c及び吸気孔32fをそれぞれ前後方向にずらして描画しているが、実際にはこれらの前後方向の位置は一致している。
【0034】
本実施形態の掛布団40は、その外形をなす布団本体41を備える。この布団本体41は、袋状の布地41aに、例えば綿、ポリエステルなどの化学繊維、羽毛などからなる中綿41bが詰められてなるとともに、前後方向に間隔をおいて複数(2本)の流路形成部材としての骨格部材42が内蔵されている。図6に示したように、各骨格部材42は、中綿41bの直上で布団本体41(掛布団40)を幅方向に橋渡しする態様でアーチ状に成形されている。つまり、掛布団40は、これら骨格部材42により人体上に浮き上がるように支えられている。これにより、マットレス10及び掛布団40の間に常に空間が確保される。
【0035】
また、掛布団40は、各骨格部材42の位置に合わせて布団本体41から垂下する複数(2枚)の弓形の仕切布43を備える。各仕切布43は、例えば通気性の低い超薄軽量不通布からなり、マットレス10及び掛布団40の間に形成される空間を区画する。つまり、前記就寝空間S1〜S3は、これら仕切布43によって区画生成されている。そして、図5及び図7に示したように、就寝空間S1〜S3を循環する前記温度調整された空気の互いに略独立な複数(3本)の流路L1,L2,L3が常に確保・形成され、温度・湿度調整された空気の円滑な循環が可能である。
【0036】
なお、本実施形態の動作は、起風装置11にて温度・湿度調整された空気が就寝空間S1〜S3を幅方向に循環することを除けば、前記第1の実施形態の動作と同様である。これにより、人体の胴部、腰部及び足部ごとに体感温度が調節されてより快適な就寝環境が実現される。
【0037】
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(1)(3)〜(6)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、骨格部材42により、掛布団40を人体上に浮き上がるように支えるという極めて簡易な構造で、就寝空間S1〜S3を循環する前記温度・湿度調整された空気の流路L1〜L3を確保することができる。
【0038】
(2)本実施形態では、仕切布43により、前記複数の流路L1〜L3間が区画されることで、これら流路L1〜L3を流れる空気間の干渉を抑制することができる。そして、前記温度調整された空気を、前記複数の流路の一部又は全部を用いて前記就寝空間の一部又は全部にきめ細かな設定で循環させることができる。
【0039】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。なお、第3の実施形態は、第2の実施形態の空気温度可変装置を変更したものであり、前記第1及び第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を一部省略する。
【0040】
図8は、本実施形態が適用される空気温度可変機能付き寝具を示す側面図であり、図9は、図8のC−C線に沿った断面図である。同図に示されるように、マットレス10には、その足下側で幅方向両側に配設された一対の箱状の起風装置51,52が内蔵されるとともに、これら起風装置51,52にそれぞれ接続された空気配管53,54が内蔵されている。これら起風装置51,52及び空気配管53,54は、空気温度可変装置55を構成する。
【0041】
一方の起風装置51及び空気配管53は、マットレス10の図示左側に配置されている。そして、空気配管53は、マットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に前記起風装置51により温度・湿度された空気をそれぞれ噴出する複数(3つ)の噴出孔53a,53b,53cを有するとともに、前記噴出された空気を前記表面からそれぞれ吸引する複数(3つ)の吸気孔53d,53e,53fを有する。噴出孔53a〜53cは、各対応する就寝空間S1〜S3の幅方向における中心側に配置されており、吸気孔53d〜53fは、各対応する就寝空間S1〜S3の図示左側に配置されている。従って、噴出孔53a〜53cを通じてマットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に温度・湿度調整された空気がそれぞれ噴出されるとともに、該噴出された空気が吸気孔53d〜53fを通じてマットレス10の表面からそれぞれ吸引されることで当該空気が各就寝空間S1〜S3に循環される。
【0042】
また、他方の起風装置52及び空気配管54は、マットレス10の図示右側に配置されている。そして、空気配管54は、マットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に前記起風装置52により温度・湿度された空気をそれぞれ噴出する複数(3つ)の噴出孔54a,54b,54cを有するとともに、前記噴出された空気を前記表面からそれぞれ吸引する複数(3つ)の吸気孔54d,54e,54fを有する。噴出孔54a〜54cは、各対応する就寝空間S1〜S3の幅方向における中心側に配置されており、吸気孔54d〜54fは、各対応する就寝空間S1〜S3の図示右側に配置されている。従って、噴出孔54a〜54cを通じてマットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に温度・湿度調整された空気がそれぞれ噴出されるとともに、該噴出された空気が吸気孔54d〜54fを通じてマットレス10の表面からそれぞれ吸引されることで当該空気が各就寝空間S1〜S3に循環される。なお、図8では、便宜的に噴出孔53a,54a及び吸気孔53d,54d、噴出孔53b,54b及び吸気孔53e,54e、噴出孔53c,54c及び吸気孔53f,54fをそれぞれ前後方向にずらして描画しているが、実際にはこれらの前後方向の位置は一致している。
【0043】
そして、起風装置51,52にて温度・湿度調整された空気は、空気配管53,54を介して就寝空間S1〜S3を同時に循環する。そして、就寝空間S1〜S3では、例えば人体の胴部、腰部及び足部から幅方向両外側に向けて温度・湿度調整された空気が流れる。これにより、図8及び図10に示したように、就寝空間S1、S2、S3には、幅方向において中心側から両外側に向かう2本の流路L11,L21、L12,L22、L13,L23が常に確保・形成され、温度・湿度調整された空気の円滑な循環が可能である。
【0044】
なお、本実施形態の動作は、一対の起風装置51,52にて温度・湿度調整された空気が就寝空間S1〜S3を人体の胴部、腰部及び足部から幅方向両外側に向けて循環することを除けば、前記第2の実施形態の動作と同様である。これにより、人体への直接的な風当たりを抑制しつつ、その胴部、腰部及び足部ごとに体感温度が調節されてより快適な就寝環境が実現される。
【0045】
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第2の実施形態の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、就寝空間S1〜S3において、人体の胴部、腰部及び足部周りに温度・湿度調整された空気が流れることを抑制できるため、人体への直接的な風当たりを抑制して更に快適な就寝環境を実現することができる。
【0046】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図11に示すように、前記第1の実施形態の波板部材22に代えて、少なくとも掛布団20(就寝空間S)の長手方向に連通する流路形成部材としての立体メッシュ61を採用してもよい。この立体メッシュ61からは、締結用の複数の固定紐61aが延出しており、該立体メッシュ61は、これら固定紐61aが布団本体21(及び裏地23)に縛り付けられることで固定される。あるいは、こうした立体的に空間を形成し得るのであれば、中空構造のシート(プラスチック段ボールなど)を採用してもよい。
【0047】
・前記第1の実施形態においては、掛布団20(就寝空間S)の長手方向略全長に亘って延在する流路形成部材(波板部材22)を採用したが、人体の上半身(例えば、肩から腰まで)に相当する掛布団20の長手方向の範囲にのみ延在する流路形成部材を採用してもよい。この場合、流路形成部材の延在する範囲に合わせて空気配管12の噴出孔12a及び吸気孔12bの配置を変更すればよい。
【0048】
・前記第1の実施形態において、波板部材22(又は立体メッシュ61)は、ホックやボタンなどその他の締結手段で布団本体21(及び裏地23)に固定されていてもよい。
・図12に示すように、前記第2の実施形態において、布団本体41の下面に、その幅方向略全長に亘って延在する流路形成部材としての立体メッシュ62を、例えば固定紐やホック、ボタンなどの締結手段にて固定してもよい。この立体メッシュ62は、少なくとも掛布団40(就寝空間S1〜S3)の幅方向に連通するものとする。この場合、仮に骨格部材42による掛布団40の支えが不十分になって人体に密着したとしても、立体メッシュ62にて流路L30を確保することができ、温度・湿度調整された空気の円滑な循環が可能である。なお、流路L30は、就寝空間S1〜S3に合わせて掛布団40の長手方向で区画されていてもよいし、該長手方向略全長に亘って繋がっていてもよい。
【0049】
・前記第2の実施形態において、噴出孔32a〜32c又は吸気孔32d〜32fを選択的に開閉する開閉制御弁を設けてもよい。この場合、開閉制御弁の開閉制御によって就寝空間S1〜S3における温度・湿度調整された空気の循環を選択することで、人体の胴部、腰部及び足部ごとに体感温度の選択的な調節が可能となる。そして、人体に対する送風をより細かく制御することができる。
【0050】
・図13に示すように、前記第3の実施形態において、布団本体41の幅方向両側でその下面に、一対の流路形成部材としての立体メッシュ63を、例えば固定紐やホック、ボタンなどの締結手段にて固定してもよい。各立体メッシュ63は、少なくとも掛布団40(就寝空間S1〜S3)の幅方向に連通するものとする。この場合、仮に骨格部材42による掛布団40の支えが不十分になって人体に密着したとしても、両立体メッシュ63にて流路L31,L32を確保することができ、温度・湿度調整された空気の円滑な循環が可能である。なお、流路L31,L32は、就寝空間S1〜S3に合わせて掛布団40の長手方向で区画されていてもよいし、該長手方向略全長に亘って繋がっていてもよい。
【0051】
・前記第3の実施形態において、噴出孔53a〜53c、54a〜54c又は吸気孔53d〜53f、54d〜54fを選択的に開閉する開閉制御弁を設けてもよい。この場合、開閉制御弁の開閉制御によって就寝空間S1〜S3における温度・湿度調整された空気の循環を選択することで、人体の胴部、腰部及び足部ごとに体感温度の選択的な調節が可能となる。そして、人体に対する送風をより細かく制御することができる。
【0052】
・前記第2及び第3の実施形態においては、人体との密着性がよい弓形の仕切布43を採用したが、半月状の仕切布を採用してもよい。
・前記各実施形態において、敷側外周押え部15及び掛側外周押え部24のいずれか一方は、磁力によって吸着される鉄材などであってもよい。
【0053】
・前記各実施形態において、マットレス10及び掛布団20の周縁部同士の固定は、例えばレールなどにより自由度をもって固定してもよい。
・前記各実施形態において、敷側外周押え部15及び掛側外周押え部24の少なくとも一方は、マットレス10又は掛布団20の周縁部(幅方向両側縁部及び後縁部)に間欠的に配置(点在)されていてもよい。
【0054】
・前記各実施形態において、保持手段としてマットレス10又は掛布団20の周縁部(幅方向両側縁部及び後縁部)に間欠的に配置されるボタンを採用してもよい。
・前記各実施形態において、マットレス10の周縁部(特に側縁部)に、保持手段としての脱落防止用の柵などを設置してもよい。
【0055】
・前記各実施形態において、マットレス10に代えて敷布団を採用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
・請求項1に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記流路形成部材は、前記人体上に浮き上がるように前記掛布団を支える骨格部材であることを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。同構成によれば、前記流路形成部材としての前記骨格部材により、前記掛布団を前記人体上に浮き上がるように支えるという極めて簡易な構造で、前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を確保することができる。
【符号の説明】
【0056】
L,L1〜L3,L11〜L13,L21〜L23,L30,L31,L32…流路、S,S1〜S3…就寝空間、10…マットレス(敷部材)、13,31,55…空気温度可変装置、15…敷側外周押え部(保持手段)、20,40…掛布団、20a…押え布、22…波板部材(流路形成部材)、24…掛側外周押え部(保持手段)、42…骨格部材(流路形成部材)、43…仕切布、61,62,63…立体メッシュ(流路形成部材)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気温度可変機能付き寝具の掛布団に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されるように、敷布団上に敷く敷部材及び就寝時に体の上に掛ける掛布団に、就寝空間等に温風を供給可能な送風通路をそれぞれ形成した寝床エアーコントロール装置が知られている。この寝床エアーコントロール装置は、これら送風通路を裾部の送風溜まりにおいて連通させており、温風送風機により該送風通路に温風を供給することで、就寝空間を就寝に適した環境にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3186632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、基本的に就寝空間に温風を供給し続ける態様で就寝環境の快適化を図っているため、温風送風機において常に外部空気を一から温めて温風を生成・供給しなければならず、エネルギー消費量の増大を余儀なくされている。
【0005】
本発明の目的は、エネルギー消費量の増大を抑制しつつ、より快適な就寝環境を実現することができる空気温度可変機能付き寝具の掛布団を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、下に敷かれる敷部材上の人体の上に掛けられて前記敷部材との間に就寝空間を形成する掛布団であって、前記敷部材の表面から前記就寝空間に温度調整された空気を噴出するとともに、前記噴出された空気を前記表面から吸引して、前記温度調整された空気を循環させる空気温度可変装置を備えた空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を確保するための流路形成部材を設けたことを要旨とする。
【0007】
同構成によれば、前記空気温度可変装置により、前記就寝空間に噴出される前記温度調整された空気が循環されることで、前記空気温度可変装置における温度調整に要するエネルギー消費量の増大を抑制することができる。特に、前記流路形成部材により、前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路が確保されるため、該空気を円滑且つより確実に循環させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、前記流路形成部材は、前記就寝空間における前記温度調整された空気の循環を案内する波板部材であることを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、前記流路形成部材としての前記波板部材により、前記就寝空間における前記温度調整された空気の循環が案内される。つまり、前記波板部材自体が、前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を形成する。これにより、前記就寝空間において前記温度調整された空気を更に円滑に循環させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、前記人体の頭部の露出によって首周りに形成される前記敷部材及び前記掛布団間の開口を閉塞する押え布を備えたことを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、前記押え布により、首周りに形成される前記敷部材及び前記掛布団間の開口が閉塞されることで、前記就寝空間の気密性を向上することができ、前記温度調整された空気をより効率的に循環させることができる。そして、前記空気温度可変装置における温度調整に要するエネルギー消費量の増大を更に抑制することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を複数備え、前記複数の流路間を区画する仕切布を備えたことを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、前記仕切布により、前記複数の流路間が区画されることで、これら流路を流れる空気間の干渉を抑制することができる。そして、前記温度調整された空気を、前記複数の流路の一部又は全部を用いて前記就寝空間の一部又は全部にきめ細かな設定で循環させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、前記敷部材に対して前記掛布団を保持する保持手段を備えたことを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、前記保持手段により、前記敷部材に対して前記掛布団が保持されることで、例えば人体の寝返りなどによって前記敷部材に対して前記掛布団がずれたりすることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、エネルギー消費量の増大を抑制しつつ、より快適な就寝環境を実現することができる空気温度可変機能付き寝具の掛布団を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す側面図。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図。
【図3】掛布団を示す背面図。
【図4】波板部材を示す斜視図。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す側面図。
【図6】図5のB−B線に沿った断面図。
【図7】掛布団を示す背面図。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す側面図。
【図9】図8のC−C線に沿った断面図。
【図10】掛布団を示す背面図。
【図11】本発明の変形形態を示す斜視図。
【図12】本発明の変形形態を示す断面図。
【図13】本発明の変形形態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態が適用される空気温度可変機能付き寝具を示す側面図である。同図に示されるように、この空気温度可変機能付き寝具は、下に敷かれる敷部材としての略直方体状のマットレス10を備えるとともに、該マットレス10上の人体の上に掛けられてマットレス10との間に就寝空間Sを形成する掛布団20を備える。なお、就寝空間Sとは、マットレス10と掛布団20との間の人体の入る空間である。
【0019】
マットレス10には、その足下側で箱状の起風装置11が内蔵されるとともに、該起風装置11に接続された空気配管12が内蔵されている。起風装置11は、送風機構及び温度・湿度調節機構(例えば、デシカント材などの熱交換器やヒータ)を備えており、送風機構にて空気(風)を送るとともに、該空気を温度・湿度調節機構に通すことで、当該空気の温度・湿度を調整する。一方、空気配管12は、マットレス10の表面から就寝空間Sに前記温度・湿度調整された空気を噴出する噴出孔12aを有するとともに、前記噴出された空気を前記表面から吸引する吸気孔12bを有する。従って、噴出孔12aを通じてマットレス10の表面から就寝空間Sに温度調整等された空気が噴出されるとともに、該噴出された空気が吸気孔12bを通じてマットレス10の表面から吸引されることで当該空気が循環される。起風装置11及び空気配管12は、空気温度可変装置13を構成する。
【0020】
なお、就寝空間Sにおいて、噴出孔12aは、人体の上半身寄りに配置されており、吸気孔12bは、人体の足下寄りに配置されている。また、図2に図1のA−A線に沿った断面図を示したように、空気配管12は、マットレス10の幅方向両側に一対で配設されている。従って、起風装置11にて温度・湿度調整された空気は、両空気配管12を介して就寝空間Sの幅方向両側(人体を挟んだ幅方向両側)を同時に循環する。つまり、就寝空間Sでは、例えば人体を挟んだ幅方向両側で、上半身側から足下側へと人体に沿って温度・湿度調整された空気が流れる。
【0021】
掛布団20は、マットレス10の長さよりも短い長さ及び該マットレス10の幅よりも若干長い幅を有して平面視略四角形状を呈しており、人体の頭部H寄りの先端部には、該頭部Hを挟んだ幅方向両側から湾出する一対の押え布20aが一体的に設けられている(図3参照)。これら押え布20aは、人体の頭部Hの露出によって首周り(肩口)に形成されるマットレス10及び掛布団20間の開口(隙間)を閉塞する。
【0022】
掛布団20は、その外形をなす布団本体21を備えるとともに、該布団本体21の幅方向両側でその下面に固定された一対の流路形成部材としての波板部材22を備え、更に布団本体21の周縁部に縫合されて該布団本体21とともに両波板部材22を挟み込む裏地23を備える。
【0023】
布団本体21は、袋状の肌触りのよい布地21aに、例えば綿、ポリエステルなどの化学繊維、羽毛などからなる中綿21bが詰められた通常の掛布団の構造を有している。波板部材22は、例えば樹脂材にてコルゲート(波状)に成形されており、その凹凸(波形)が就寝空間Sの上半身側及び足下側の間を連通するように掛布団20(就寝空間S)の長手方向に延在する。つまり、各波板部材22は、掛布団20の幅方向に凹凸を繰り返す。図4に示したように、各波板部材22からは、締結用の複数の固定紐22aが延出しており、該波板部材22は、これら固定紐22aが布団本体21(及び裏地23)に縛り付けられることで固定される。裏地23は、例えばメッシュ状の肌触りのよい布からなり、就寝空間Sと波板部材22(凹凸)とを実質的に連通しつつ該波板部材22の下面を被覆する。従って、就寝空間Sでは、仮に掛布団20が人体に密着して十分な流路面積が得られなかったとしても、各波板部材22にて常に流路Lが確保され、温度・湿度調整された空気の円滑な循環が可能である。
【0024】
なお、マットレス10の幅方向両側縁部及び後縁部には、例えば永久磁石からなる平面視コの字状の敷側外周押え部15が固定されている。一方、敷側外周押え部15に上下方向で対向する掛布団20の幅方向両側縁部及び後縁部には、例えば永久磁石からなる平面視コの字状の掛側外周押え部24が固定されている。従って、掛布団20は、これら敷側外周押え部15及び掛側外周押え部24が磁力で吸着され自由度をもって固定されることで、例えば人体が寝返りを打った場合であってもマットレス10からのずれ又は落下が抑制される。マットレス10に対して掛布団20を保持するこれら敷側外周押え部15及び掛側外周押え部24は保持手段を構成する。
【0025】
次に、本実施形態の動作について総括して説明する。まず、起風装置11は、送風機構にて空気(風)を送るとともに、該空気の温度・湿度を温度・湿度調節機構にて調整する。具体的には、起風装置11は、夏は温度・湿度調節機構の熱交換器で空気を放熱し、人体の熱を取り去る涼風を発生する。また、起風装置11は、冬は温度・湿度調節機構のヒータを駆動して空気を加温し、人体を温める温風を発生する。そして、起風装置11にて温度・湿度調整された空気は、両空気配管12の噴出孔12aを通じて人体の肩付近に噴出される。この噴出された空気は、両波板部材22及び就寝空間Sを流れて人体の足下付近に導かれる。そして、この導かれた空気は、両空気配管12の吸気孔12bから吸引されて起風装置11に戻る。起風装置11は、戻った空気に所要の温度・湿度調整を行った後に、再び両空気配管12の噴出孔12aに送り出す。以上のように、温度・湿度調整された空気が就寝空間S等を循環することで、体感温度が調節されてより快適な就寝環境が実現される。
【0026】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、空気温度可変装置13により、就寝空間Sに噴出される前記温度調整等された空気が循環されることで、該空気温度可変装置13(起風装置11)における温度調整等に要するエネルギー消費量の増大を抑制することができる。特に、波板部材22により、就寝空間Sを循環する温度調整等された空気の流路Lが確保されるため、該空気を円滑且つより確実に循環させることができる。
【0027】
(2)本実施形態では、波板部材22により、就寝空間Sにおける前記温度調整等された空気の循環が案内される。つまり、波板部材22自体が、就寝空間Sを循環する温度調整等された空気の流路Lを形成する。これにより、就寝空間Sにおいて前記温度調整等された空気を更に円滑に循環させることができる。また、人体に対する風量が位置に応じて不均一になることを抑制することができる。
【0028】
(3)本実施形態では、押え布20aにより、首周りに形成されるマットレス10及び掛布団20間の開口(襟部の開口)が閉塞されることで、就寝空間Sの気密性を向上することができ、前記温度調整等された空気をより効率的に循環させることができる。すなわち、より少ない空気の流量で効率よく人体の除熱、加熱等を行うことができる。そして、空気温度可変装置13における温度調整等に要するエネルギー消費量の増大を更に抑制することができる。
【0029】
(4)本実施形態では、保持手段(敷側外周押え部15及び掛側外周押え部24)により、マットレス10に対して掛布団20が保持されることで、例えば人体の寝返りなどによってマットレス10に対して掛布団20がずれたりすることを抑制することができる。特に、マットレス10及び掛布団20の周縁部同士が磁力により自由度をもって固定されていることで、就寝空間Sは、寝返りの影響を抑制しつつ、常にマットレス10側からの風を受けることができる。
【0030】
(5)本実施形態では、空気温度可変装置13をマットレス10に内蔵したことで、寝具周辺に余剰の収容空間が生じることを回避できる。
(6)本実施形態では、狭い就寝空間Sを循環する空気を温度・湿度調整するため、例えば寝室の部屋全体を温度・湿度調整する場合に比べて経済的である。また、就寝空間Sを循環する空気の温度・湿度調整を短期間で容易に行うことができる。
【0031】
(7)本実施形態では、前記温度調整等された空気(風)が就寝空間Sの上半身側(襟部)から足下側(裾部)へと流れることで、体臭が頭部Hに近付いて快適さが損なわれることを防止できる。あるいは、前記温度調整等された空気(風)が頭部Hの顎から額に向かって流れて呼吸の妨げになり、快適さが損なわれることを防止できる。
【0032】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の空気温度可変装置の空気配管の変更に合わせて掛布団の構成を変更したものであり、前記第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を一部省略する。
【0033】
図5は、本実施形態が適用される空気温度可変機能付き寝具を示す側面図である。同図に示されるように、この空気温度可変機能付き寝具は、前記マットレス10上の人体の上に掛けられて該マットレス10との間に複数(3つ)の就寝空間S1,S2,S3を形成する掛布団40を備える。これら就寝空間S1〜S3は、概ね人体の胴部(背中等)、腰部及び足部に合うように前後方向に並設されている。そして、前記マットレス10に内蔵される空気温度可変装置31の空気配管32は、マットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に前記温度・湿度された空気をそれぞれ噴出する複数(3つ)の噴出孔32a,32b,32cを有するとともに、前記噴出された空気を前記表面からそれぞれ吸引する複数(3つ)の吸気孔32d,32e,32fを有する。図6に図5のB−B線に沿った断面図を示したように、噴出孔32a〜32cは、各対応する就寝空間S1〜S3の図示左側に配置されており、吸気孔32d〜32fは、各対応する就寝空間S1〜S3の図示右側に配置されている。従って、噴出孔32a〜32cを通じてマットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に温度・湿度調整された空気がそれぞれ噴出されるとともに、該噴出された空気が吸気孔32d〜32fを通じてマットレス10の表面からそれぞれ吸引されることで当該空気が各就寝空間S1〜S3に循環される。そして、起風装置11にて温度・湿度調整された空気は、空気配管32を介して就寝空間S1〜S3を同時に循環する。そして、就寝空間S1〜S3では、例えば人体の胴部、腰部及び足部周りに温度・湿度調整された空気が流れる。なお、図5では、便宜的に噴出孔32a及び吸気孔32d、噴出孔32b及び吸気孔32e、噴出孔32c及び吸気孔32fをそれぞれ前後方向にずらして描画しているが、実際にはこれらの前後方向の位置は一致している。
【0034】
本実施形態の掛布団40は、その外形をなす布団本体41を備える。この布団本体41は、袋状の布地41aに、例えば綿、ポリエステルなどの化学繊維、羽毛などからなる中綿41bが詰められてなるとともに、前後方向に間隔をおいて複数(2本)の流路形成部材としての骨格部材42が内蔵されている。図6に示したように、各骨格部材42は、中綿41bの直上で布団本体41(掛布団40)を幅方向に橋渡しする態様でアーチ状に成形されている。つまり、掛布団40は、これら骨格部材42により人体上に浮き上がるように支えられている。これにより、マットレス10及び掛布団40の間に常に空間が確保される。
【0035】
また、掛布団40は、各骨格部材42の位置に合わせて布団本体41から垂下する複数(2枚)の弓形の仕切布43を備える。各仕切布43は、例えば通気性の低い超薄軽量不通布からなり、マットレス10及び掛布団40の間に形成される空間を区画する。つまり、前記就寝空間S1〜S3は、これら仕切布43によって区画生成されている。そして、図5及び図7に示したように、就寝空間S1〜S3を循環する前記温度調整された空気の互いに略独立な複数(3本)の流路L1,L2,L3が常に確保・形成され、温度・湿度調整された空気の円滑な循環が可能である。
【0036】
なお、本実施形態の動作は、起風装置11にて温度・湿度調整された空気が就寝空間S1〜S3を幅方向に循環することを除けば、前記第1の実施形態の動作と同様である。これにより、人体の胴部、腰部及び足部ごとに体感温度が調節されてより快適な就寝環境が実現される。
【0037】
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(1)(3)〜(6)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、骨格部材42により、掛布団40を人体上に浮き上がるように支えるという極めて簡易な構造で、就寝空間S1〜S3を循環する前記温度・湿度調整された空気の流路L1〜L3を確保することができる。
【0038】
(2)本実施形態では、仕切布43により、前記複数の流路L1〜L3間が区画されることで、これら流路L1〜L3を流れる空気間の干渉を抑制することができる。そして、前記温度調整された空気を、前記複数の流路の一部又は全部を用いて前記就寝空間の一部又は全部にきめ細かな設定で循環させることができる。
【0039】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。なお、第3の実施形態は、第2の実施形態の空気温度可変装置を変更したものであり、前記第1及び第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を一部省略する。
【0040】
図8は、本実施形態が適用される空気温度可変機能付き寝具を示す側面図であり、図9は、図8のC−C線に沿った断面図である。同図に示されるように、マットレス10には、その足下側で幅方向両側に配設された一対の箱状の起風装置51,52が内蔵されるとともに、これら起風装置51,52にそれぞれ接続された空気配管53,54が内蔵されている。これら起風装置51,52及び空気配管53,54は、空気温度可変装置55を構成する。
【0041】
一方の起風装置51及び空気配管53は、マットレス10の図示左側に配置されている。そして、空気配管53は、マットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に前記起風装置51により温度・湿度された空気をそれぞれ噴出する複数(3つ)の噴出孔53a,53b,53cを有するとともに、前記噴出された空気を前記表面からそれぞれ吸引する複数(3つ)の吸気孔53d,53e,53fを有する。噴出孔53a〜53cは、各対応する就寝空間S1〜S3の幅方向における中心側に配置されており、吸気孔53d〜53fは、各対応する就寝空間S1〜S3の図示左側に配置されている。従って、噴出孔53a〜53cを通じてマットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に温度・湿度調整された空気がそれぞれ噴出されるとともに、該噴出された空気が吸気孔53d〜53fを通じてマットレス10の表面からそれぞれ吸引されることで当該空気が各就寝空間S1〜S3に循環される。
【0042】
また、他方の起風装置52及び空気配管54は、マットレス10の図示右側に配置されている。そして、空気配管54は、マットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に前記起風装置52により温度・湿度された空気をそれぞれ噴出する複数(3つ)の噴出孔54a,54b,54cを有するとともに、前記噴出された空気を前記表面からそれぞれ吸引する複数(3つ)の吸気孔54d,54e,54fを有する。噴出孔54a〜54cは、各対応する就寝空間S1〜S3の幅方向における中心側に配置されており、吸気孔54d〜54fは、各対応する就寝空間S1〜S3の図示右側に配置されている。従って、噴出孔54a〜54cを通じてマットレス10の表面から就寝空間S1〜S3に温度・湿度調整された空気がそれぞれ噴出されるとともに、該噴出された空気が吸気孔54d〜54fを通じてマットレス10の表面からそれぞれ吸引されることで当該空気が各就寝空間S1〜S3に循環される。なお、図8では、便宜的に噴出孔53a,54a及び吸気孔53d,54d、噴出孔53b,54b及び吸気孔53e,54e、噴出孔53c,54c及び吸気孔53f,54fをそれぞれ前後方向にずらして描画しているが、実際にはこれらの前後方向の位置は一致している。
【0043】
そして、起風装置51,52にて温度・湿度調整された空気は、空気配管53,54を介して就寝空間S1〜S3を同時に循環する。そして、就寝空間S1〜S3では、例えば人体の胴部、腰部及び足部から幅方向両外側に向けて温度・湿度調整された空気が流れる。これにより、図8及び図10に示したように、就寝空間S1、S2、S3には、幅方向において中心側から両外側に向かう2本の流路L11,L21、L12,L22、L13,L23が常に確保・形成され、温度・湿度調整された空気の円滑な循環が可能である。
【0044】
なお、本実施形態の動作は、一対の起風装置51,52にて温度・湿度調整された空気が就寝空間S1〜S3を人体の胴部、腰部及び足部から幅方向両外側に向けて循環することを除けば、前記第2の実施形態の動作と同様である。これにより、人体への直接的な風当たりを抑制しつつ、その胴部、腰部及び足部ごとに体感温度が調節されてより快適な就寝環境が実現される。
【0045】
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第2の実施形態の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、就寝空間S1〜S3において、人体の胴部、腰部及び足部周りに温度・湿度調整された空気が流れることを抑制できるため、人体への直接的な風当たりを抑制して更に快適な就寝環境を実現することができる。
【0046】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図11に示すように、前記第1の実施形態の波板部材22に代えて、少なくとも掛布団20(就寝空間S)の長手方向に連通する流路形成部材としての立体メッシュ61を採用してもよい。この立体メッシュ61からは、締結用の複数の固定紐61aが延出しており、該立体メッシュ61は、これら固定紐61aが布団本体21(及び裏地23)に縛り付けられることで固定される。あるいは、こうした立体的に空間を形成し得るのであれば、中空構造のシート(プラスチック段ボールなど)を採用してもよい。
【0047】
・前記第1の実施形態においては、掛布団20(就寝空間S)の長手方向略全長に亘って延在する流路形成部材(波板部材22)を採用したが、人体の上半身(例えば、肩から腰まで)に相当する掛布団20の長手方向の範囲にのみ延在する流路形成部材を採用してもよい。この場合、流路形成部材の延在する範囲に合わせて空気配管12の噴出孔12a及び吸気孔12bの配置を変更すればよい。
【0048】
・前記第1の実施形態において、波板部材22(又は立体メッシュ61)は、ホックやボタンなどその他の締結手段で布団本体21(及び裏地23)に固定されていてもよい。
・図12に示すように、前記第2の実施形態において、布団本体41の下面に、その幅方向略全長に亘って延在する流路形成部材としての立体メッシュ62を、例えば固定紐やホック、ボタンなどの締結手段にて固定してもよい。この立体メッシュ62は、少なくとも掛布団40(就寝空間S1〜S3)の幅方向に連通するものとする。この場合、仮に骨格部材42による掛布団40の支えが不十分になって人体に密着したとしても、立体メッシュ62にて流路L30を確保することができ、温度・湿度調整された空気の円滑な循環が可能である。なお、流路L30は、就寝空間S1〜S3に合わせて掛布団40の長手方向で区画されていてもよいし、該長手方向略全長に亘って繋がっていてもよい。
【0049】
・前記第2の実施形態において、噴出孔32a〜32c又は吸気孔32d〜32fを選択的に開閉する開閉制御弁を設けてもよい。この場合、開閉制御弁の開閉制御によって就寝空間S1〜S3における温度・湿度調整された空気の循環を選択することで、人体の胴部、腰部及び足部ごとに体感温度の選択的な調節が可能となる。そして、人体に対する送風をより細かく制御することができる。
【0050】
・図13に示すように、前記第3の実施形態において、布団本体41の幅方向両側でその下面に、一対の流路形成部材としての立体メッシュ63を、例えば固定紐やホック、ボタンなどの締結手段にて固定してもよい。各立体メッシュ63は、少なくとも掛布団40(就寝空間S1〜S3)の幅方向に連通するものとする。この場合、仮に骨格部材42による掛布団40の支えが不十分になって人体に密着したとしても、両立体メッシュ63にて流路L31,L32を確保することができ、温度・湿度調整された空気の円滑な循環が可能である。なお、流路L31,L32は、就寝空間S1〜S3に合わせて掛布団40の長手方向で区画されていてもよいし、該長手方向略全長に亘って繋がっていてもよい。
【0051】
・前記第3の実施形態において、噴出孔53a〜53c、54a〜54c又は吸気孔53d〜53f、54d〜54fを選択的に開閉する開閉制御弁を設けてもよい。この場合、開閉制御弁の開閉制御によって就寝空間S1〜S3における温度・湿度調整された空気の循環を選択することで、人体の胴部、腰部及び足部ごとに体感温度の選択的な調節が可能となる。そして、人体に対する送風をより細かく制御することができる。
【0052】
・前記第2及び第3の実施形態においては、人体との密着性がよい弓形の仕切布43を採用したが、半月状の仕切布を採用してもよい。
・前記各実施形態において、敷側外周押え部15及び掛側外周押え部24のいずれか一方は、磁力によって吸着される鉄材などであってもよい。
【0053】
・前記各実施形態において、マットレス10及び掛布団20の周縁部同士の固定は、例えばレールなどにより自由度をもって固定してもよい。
・前記各実施形態において、敷側外周押え部15及び掛側外周押え部24の少なくとも一方は、マットレス10又は掛布団20の周縁部(幅方向両側縁部及び後縁部)に間欠的に配置(点在)されていてもよい。
【0054】
・前記各実施形態において、保持手段としてマットレス10又は掛布団20の周縁部(幅方向両側縁部及び後縁部)に間欠的に配置されるボタンを採用してもよい。
・前記各実施形態において、マットレス10の周縁部(特に側縁部)に、保持手段としての脱落防止用の柵などを設置してもよい。
【0055】
・前記各実施形態において、マットレス10に代えて敷布団を採用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
・請求項1に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記流路形成部材は、前記人体上に浮き上がるように前記掛布団を支える骨格部材であることを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。同構成によれば、前記流路形成部材としての前記骨格部材により、前記掛布団を前記人体上に浮き上がるように支えるという極めて簡易な構造で、前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を確保することができる。
【符号の説明】
【0056】
L,L1〜L3,L11〜L13,L21〜L23,L30,L31,L32…流路、S,S1〜S3…就寝空間、10…マットレス(敷部材)、13,31,55…空気温度可変装置、15…敷側外周押え部(保持手段)、20,40…掛布団、20a…押え布、22…波板部材(流路形成部材)、24…掛側外周押え部(保持手段)、42…骨格部材(流路形成部材)、43…仕切布、61,62,63…立体メッシュ(流路形成部材)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下に敷かれる敷部材上の人体の上に掛けられて前記敷部材との間に就寝空間を形成する掛布団であって、前記敷部材の表面から前記就寝空間に温度調整された空気を噴出するとともに、前記噴出された空気を前記表面から吸引して、前記温度調整された空気を循環させる空気温度可変装置を備えた空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を確保するための流路形成部材を設けたことを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。
【請求項2】
請求項1に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記流路形成部材は、前記就寝空間における前記温度調整された空気の循環を案内する波板部材であることを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記人体の頭部の露出によって首周りに形成される前記敷部材及び前記掛布団間の開口を閉塞する押え布を備えたことを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を複数備え、
前記複数の流路間を区画する仕切布を備えたことを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記敷部材に対して前記掛布団を保持する保持手段を備えたことを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。
【請求項1】
下に敷かれる敷部材上の人体の上に掛けられて前記敷部材との間に就寝空間を形成する掛布団であって、前記敷部材の表面から前記就寝空間に温度調整された空気を噴出するとともに、前記噴出された空気を前記表面から吸引して、前記温度調整された空気を循環させる空気温度可変装置を備えた空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を確保するための流路形成部材を設けたことを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。
【請求項2】
請求項1に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記流路形成部材は、前記就寝空間における前記温度調整された空気の循環を案内する波板部材であることを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記人体の頭部の露出によって首周りに形成される前記敷部材及び前記掛布団間の開口を閉塞する押え布を備えたことを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記就寝空間を循環する前記温度調整された空気の流路を複数備え、
前記複数の流路間を区画する仕切布を備えたことを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気温度可変機能付き寝具の掛布団において、
前記敷部材に対して前記掛布団を保持する保持手段を備えたことを特徴とする空気温度可変機能付き寝具の掛布団。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−201037(P2010−201037A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51214(P2009−51214)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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