説明

窓開閉検出装置

【課題】窓開閉の検出と同時に強力な磁石を使用した悪戯による不正行為についても確実に検出可能とする。
【解決手段】窓開閉登録処理部74は窓の閉鎖状態に対応したマグネットによる磁気レベルVsを窓開閉検出用ホールセンサ46で検出して初期登録し、初期登録した磁気レベルVsより所定割合低い第1判定閾値TH1と、磁力レベルVsより所定割合高い第2判定閾値TH2を登録する。窓開閉判定部78は、第1判定閾値TH1と検出した磁力レベルの比較による窓の開閉判定に加え、悪戯などにより強力な磁石を近づけたときの磁力レベルを第2判定閾値との比較により判定し、窓開閉と看做して警報させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓の開閉状態及び強力な磁石を近づけた状態をホールセンサなどの磁気検知素子を使用して検出する窓開閉検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視対象として窓の開閉を検出して無線により監視盤に送信して警報させる無線式の窓開閉検出装置が知られている。このような窓開閉検出装置にあっては、窓ガラスに配置したマグネットの磁力を磁気感知素子で検出し、検出磁力が低下したときに窓開閉と判断して異常検出信号を警報盤に無線送信して警報させる。また窓に設けた監視対象としてクレセント錠の開閉レバーに配置したマグネットの磁力を別の磁気感知素子で検出し、開閉レバーが開放されてマグネットが磁気検知素子から離れることで検出磁力が低下したときにクレセント錠の開放と判断して異常検出信号を警報盤に無線送信して警報させている。
【0003】
従来の窓開閉監視装置に使用される磁気感知素子は主に磁力の強弱に応じて接点を機械的にオン、オフするリードスイッチを使用していたが、近年にあっては、ホール効果を利用して磁力を検出するホールセンサを採用することが検討されている。
【0004】
ホールセンサを磁気感知素子として使用する場合、検出対象とするマグネットに近いほど強い磁力がホールセンサを通過することで高いセンサ出力が得られる。ホールセンサで検出した磁気レベルに基づく窓の開閉検出は、窓を閉じた状態で検出される磁気レベルの最大値に対し所定比率を乗じた低い値を判定閾値として設定し、監視中に、検出している磁気レベルが低下して判定閾値以下になったら窓開と判定して窓開を示す電文を監視装置に送信して警報させる。
【0005】
また窓の開を判定した後に、磁気レベルが増加して判定閾値を超えた時、窓閉と判定して窓閉を示す電文を監視装置に無線送信し、警報を復旧させるようにしている。

【特許文献1】特開2003−281636号公報
【特許文献2】特開2001−14990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来のホールセンサで検出した磁気レベルと所定の判定閾値との比較により窓の開又は閉を判定する従来の窓開閉検出装置にあっては、窓ガラスに設置するマグネットについて、その磁力の強さにある程度のばらつきがあり、同じ距離に配置しても、ホールセンサを通過する磁力が大きく異なる。
【0007】
このため設計パラメータに基づいて最適な判定閾値を設定したとしても、マグネットとホールセンサの組合せによっては、窓閉の状態で磁力レベルが判定閾値に至らずに窓開と誤検出してしまう恐れがあり、品質が安定しないという問題がある。
【0008】
また、磁石式の窓開閉検出装置を良く知っている侵入者にあっては、窓を開いても窓開閉検出装置が窓開を検出できないようにするため、外部から強力な磁石を近づけた状態で窓を不正に開けることが予想され、このような悪戯に対してもホールセンサで検出した磁力レベルから窓開と看做して検出することが必要となる。
【0009】
本発明は、磁気感知素子とマグネットの組合せに応じて適切な磁力レベルを初期登録すると共に、窓開閉の検出と同時に強力な磁石を使用した悪戯による不正行為についても確実に検出可能とする窓開閉検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は窓開閉検出装置において、
装置内部に配置され監視対象物側に配置したマグネットによる磁力レベルを検出する磁気検知素子と、
窓の閉鎖状態に対応した前記マグネットによる磁気レベルを検出して初期登録し、初期登録した磁気レベルより所定割合低い第1判定閾値と、磁力レベルより所定割合高い第2判定閾値を登録する登録処理部と、
磁気感知素子で検出した磁力レベルと第1判定閾値以下及び第2判定閾値とを比較して監視対象物の状態を判定する窓開閉判定部と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、登録処理部は、磁気感知素子の磁力レベルの極性を判定し、判定した極性に対応した第1判定閾値を登録すると共に、両極性に対応した第2判定閾値を登録し、
窓開閉判定部は、磁気感知素子で検出した磁力レベルの極性を判定し、
プラス極性を判定した場合は、プラス極性の第1判定閾値と第2判定閾値を選択し、前回が閉判定の場合は、磁力レベルが第1判定閾値以下又は第2判定閾値以上の場合に窓開を判定し、前回が開判定の場合は、磁力レベルが第1判定閾値を越えて第2判定閾値未満の場合に窓閉を判定し、
マイナス極性を判定した場合は、マイナス極性の第1閾値と第2閾値を選択し、前回が閉判定の場合は、磁力レベルが第1閾値以上又は第2閾値以下の場合に窓開を判定し、前回が開判定の場合は、磁力レベルが第1閾値未満でプラス側第2閾値より大きい場合に窓閉を判定する。
【0012】
登録処理部は、所定の測定環境で所定距離に配置した実際に組み合わせて使用するマグネットによる磁力レベルを検出して不揮発メモリに初期登録する。
【0013】
磁気検知素子は磁力の方向に応じてプラス極性又はマイナス極性の信号を出力するホールセンサである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、窓の閉鎖状態に対応した位置のマグネットによる磁気レベルを検出して初期登録し、窓の開閉を判定する初期登録した磁気レベルより所定割合低い第1判定閾値に加え、外部から強力が磁石を近づけて第1判定閾値による窓開閉を判定不能とするような悪戯などによる極端に強い磁力レベルを判定する初期登録した磁力レベルより所定割合高い第2判定閾値を登録することにより、強力な磁石を使用した悪戯などの不正行為を窓開放と看做して確実に検出することができる。
【0015】
また、ホールセンサは磁気の方向に応じてプラス極性とマイナス極性の検出信号を出力し、悪戯により磁石を近づけたときの磁気の方法はランダムで定まらないが、いずれの方向から極端に強い磁力が加わっても、極性を判別し、判別した極性の第2判定閾値とホールセンサで検出した磁力レベルを比較しているため、悪戯により加わる磁気の方向の如何に関らず、確実に悪戯による強い磁力が加わった状態を判定して警報させることができる。
【0016】
また、製造最終段階となる検査工程などにおいて、実際に組み合わせて使用するマグネットを、窓閉を検出するための所定距離に配置した状態で磁気感知素子としてのホールセンサで磁力レベルを検出して初期登録し、初期登録した磁力レベルから判定閾値を求めることで、実際に使用するホールセンサ及びマグネットに対応した正しい磁力レベルが得られ、窓開閉を判定するための判定閾値を適正に設定し、誤検出のない品質の安定した装置が得られ、窓監視の信頼性を高めることができる。
【0017】
また、ホールセンサの出力特性にばらつきがあり、同時に、マグネットにばらつきがあっても、それぞれ実際に使用するホールセンサとマグネットの組合せから窓閉状態での磁力レベルを検出して初期登録しているため、ホールセンサやマグネットの製造上のぱらつきを吸収して適切な磁力レベルの初期登録と判定閾値の設定ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明による窓開閉検出装置の設置状態を示した説明図である。図1において、本発明の窓開閉検出装置10は監視対象とする窓サッシ12a,12bの縦枠に両面テープ又はビスなどにより固定される。
【0019】
窓開閉検出装置10の上側には、窓サッシ12a,12bを閉じた状態で、相対する位置に窓開閉検出マグネット14を両面テープで貼り付けており、窓開閉検出マグネット14からの磁力を内蔵した磁気感知素子としてホールセンサにより検出している。
【0020】
窓サッシ12a,12bを開くと、窓開閉検出マグネット14が窓開閉検出装置10から離れることで磁力が低下し、この磁力の低下をホールセンサで検出して窓開を示す検出信号を別途設置された監視装置に無線で送信して警報させる。
【0021】
また窓開閉検出装置10はその下端を窓サッシ12a,12bに設けている監視対象物としてのクレセント錠16に近接するように配置し、クレセント錠16の開閉レバー18に貼り付けたクレセント錠検出マグネット20の磁力を下端側に内蔵した別のホールセンサで検出している。
【0022】
クレセント錠16は開閉レバー18を図示の垂直方向に回した操作位置で窓サッシ12a,12bを施錠しており、このときクレセント錠検出マグネット20は窓開閉検出装置10に最も近接してホールセンサで検出する磁力が最大となり、施錠状態を検出している。
【0023】
開閉レバー18を下側に回してクレセント錠16を開錠すると、クレセント錠検出マグネット20が離れることで磁力が低下し、この磁力の低下をホールセンサで検出して解錠状態を示す検出信号を監視装置に無線送信して警報させる。
【0024】
図2は本発明による窓開閉検出装置の実施形態を示した組立分解図である。図2において、本実施形態の窓開閉検出装置10は装置本体22とカバー部材24で構成される。
【0025】
装置本体22は、底部側から、ベース30、金属製のプレートロックカバー32、ボディケース36、アンテナ40を備えた回路基板38及び本体カバー42を組み立てており、更に電池44が着脱自在に設けられる。カバー部材24のクレセント錠側に位置する端部には、円錐状の集磁体26がホルダー部材28に組み込み固定された状態で収納される。
【0026】
回路基板38の上部側にはセンサ基板45が起立され、ここに窓開閉検出用ホールセンサ46を配置している。また回路基板38の下端にはクレセント錠検出用ホール素子48が設置されている。
【0027】
図3は本実施形態による窓開閉検出装置10について、カバー部材24を装置本体22から外した状態を示した説明図である。装置本体22の上部には、赤と緑の2色LEDを用いた表示部56、施錠検出用ホールセンサ48で検出した磁力を判定するための閾値の登録処理を実行させる登録スイッチ60、カバー部材24の開閉を検出するタンパスイッチ64が設けられている。装置本体22はカバー部材24の嵌め込みを受けて嵌合固定する。
【0028】
また装置本体22の上部中央には4つの端子ピン穴を備えたシリアルポート55が設けられ、ここに外部のパーソナルコンピュータを接続することで、内蔵したプロセッサとの間でプログラムやデータなどを転送可能としている。
【0029】
カバー部材24は装置本体22に対し着脱自在であり、正面中央に表示窓56aを設け、装置本体22の表示部56の表示状態が見えるようにしている。
【0030】
図4は図1の設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図であり、図4(A)に平面を示し、図4(B)に横方向から見た状態を示している。
【0031】
図4(A)に示すように、本実施形態の窓開閉検出装置10は内側に位置する窓サッシ12aの縦枠に両面テープ又はビスにより取り付けられ、窓開閉検出装置10の右側面に相対して窓サッシ12bのガラス面に窓開閉検出マグネット14を両面テープで接着している。
【0032】
窓開閉検出装置10に内蔵した窓開閉検出用ホールセンサ46は、図4(B)に示すように、窓開閉検出マグネット14に有効検出面を相対するようにセンサ基板45に実装しており、窓サッシ12a,12bを閉じた図示の状態で、装置側面からの距離dは最小となり、窓開閉検出マグネット14は破線で示す磁力線の方向に応じて例えばプラス極性で最大となる磁気レベルの検出信号を出力している。
【0033】
窓閉における最小距離dは、窓サッシの構造や窓開閉検出装置10の取り付け状態により変化するが、本実施形態にあっては、規定範囲内の距離に配置されたときの磁力レベルに対し窓閉の判定結果が効率よく得られるように、アンプ52による増幅率や判定閾値を設定している。
【0034】
この判定閾値の設定は、製造工程の最終段階となる検査工程あるいは設置後の初期登録作業において、所定の距離に実際に組み合わせて使用する窓開閉検出マグネット14を配置した測定環境を使用した磁力レベルの登録処理を通じて行われ、この詳細は後の説明で明らかにする。
【0035】
図5は、図1に対し窓の開閉が逆になった設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図である。この場合には図5(A)に示すように、窓サッシ12bが内側となり、その縦枠に図4とは反対向きに窓開閉検出装置10が設置される。
【0036】
このため図5(B)の横方向から見た状態では、窓サッシ12aのガラス面に貼り付けた窓開閉検出マグネット14による破線で示す磁力線は窓開閉検出用ホール素子46を左から右に通過し、図4(B)の場合とは逆方向となるため、窓開閉検出用ホールセンサ46からはマイナスとなる逆極性の磁力レベル検出信号が出力される。
【0037】
本実施形態にあっては、図4及び図5のマグネットを左右に配置した両方について窓の開閉を判定できるように、製造段階での登録処理により磁力レベルの測定に基づく判定閾値が設定される。
【0038】
更に本実施形態にあっては、悪戯などにより窓開閉検出装置が動作しないように強力な磁石を近づける不正行為に対し、これを窓開と看做して判定する判定閾値が設定される。
【0039】
図6は本実施形態による窓開閉検出装置の回路構成を示したブロック図である。図6において、制御部として設けられたプロセッサ50はワンチップマイコンとして知られたコンピュータであり、1チップにCPU、ROM,RAM、AD変換ポート、各種の入出力ポートなどを備えており、本実施形態ではEEPROMなどの不揮発メモリ68を外付けしている。
【0040】
窓開閉検出用ホールセンサ46で検出した窓ガラスに設けた窓開閉検出マグネット14による磁力レベル検出信号は、増幅回路52で増幅された後にAD変換ポート70に与えられ、デジタル変換した磁力レベル(AD変換値)をプロセッサ50に取り込み、例えば8ビットのAD変換データに変換される。
【0041】
また、施錠検出用ホールセンサ48で検出したクレセント錠16の開閉レバー18に設けたクレセント錠検出マグネット20による磁力レベル検出信号も増幅回路54で増幅された後にAD変換ポート72に与えられ、デジタル変換した磁力レベル(AD変換値)をプロセッサ50に取り込み、同じく8ビットのAD変換データに変換される。
【0042】
プロセッサ50に対しては、表示部56、周波数切替スイッチ58、登録スイッチ60、テストスイッチ62、タンパスイッチ64、及び無線送信部66が設けられている。
【0043】
表示部56は赤色LED56aと緑色LED56bの2色LEDを設けており、例えば窓開や解錠などの異常検出で赤色LED56aを点灯し、その後の正常復帰で緑色LED56bを点灯する。周波数切替スイッチ58は無線送信部66について予め準備された複数の使用可能チャネルのいずれか1つを選択する。
【0044】
登録スイッチ60は本実施形態の使用開始時に行う施錠登録モードの設定に使用される。テストスイッチ62はリードスイッチが使用されており、テスト用のマグネットを近づけるとテストスイッチ62が動作してテスト用電文を無線送信部66から監視装置に送信させる。タンパスイッチ64はカバー部材24の着脱を検出するスイッチである。
【0045】
無線送信部66には送信回路が設けられ、監視状態を監視盤に対して無線通信を行う。
【0046】
不揮発メモリ68は装置の窓開閉検出用ホールセンサ46から取得した磁力レベルVsと、磁力レベルVsに基づいて求めた窓開閉検出の第1判定閾値TH1と、悪戯などによる強い磁石を近づけたときの磁力を検出する第2判定閾値TH2が記憶されている。
【0047】
プロセッサ50にはCPUによるプログラムの実行により実現される機能として、窓開閉登録処理部74、施錠登録処理部76、窓開閉監視部78、施錠監視部80及び通信制御部82が設けられている。
【0048】
窓開閉登録処理部74は、所定距離離して配置した実際に組み合わせて使用する窓開閉検出マグネット14による磁力レベルVsを検出して不揮発メモリ68に初期登録し、初期登録した磁力レベルVsに対し所定の比率だけ低いレベルを窓開閉の第1判定閾値TH1として不揮発メモリ68に登録する。
【0049】
更に、初期登録した磁力レベルVsに対し通常監視ではあり得ない所定の比率だけ高いレベルを悪戯により近づけられた強い磁石の磁力を判定する第2判定閾値TH2として不揮発メモリ68に登録する。この窓開閉登録処理の詳細は後の説明で明らかにする。
【0050】
施錠登録処理部76は、図1のように、窓開閉検出装置10、窓開閉検出マグネット14及びクレセント錠検出マグネット20の取り付け配置が完了した後、クレセント錠16の開閉レバー18を解錠位置に操作した状態とし、この状態で図3に示したようにカバー部材24を外して装置本体22の登録スイッチ60を操作すると、所定期間の登録モードが設定され、登録処理が実行される。
【0051】
登録モードが開始されると表示部56の赤色LED56aが点滅を始める。赤色LED56aが点滅している間カバー部材24を装置本体22に装着し、クレセント錠16の開閉レバー18を施錠位置に操作してクレセント錠検出マグネット20を近づけた状態とする。
【0052】
施錠登録処理部74は登録モードの動作中は、所定周期で施錠検出用ホールセンサ48で検出した磁力レベルを取得し、予め設定した所定の有効レベルと比較し、有効レベルである場合には、不揮発メモリ68に磁力レベルとして記憶する。
【0053】
なお、磁力レベルの初期登録は、磁力レベルの取り込みを複数回行い、所定回数連続して有効レベルを超えた場合に、最後に得られた磁力レベルを不揮発メモリ68に初期登録する。
【0054】
不揮発メモリ68に磁力レベルが有効に初期登録されると、表示部56の緑色LED56bが点灯し、初期登録完了を知らせる。初期登録が完了すると、登録処理部74は、初期登録した磁力レベルに対し所定比率低い値を算出し、クレセント錠の施錠解錠を判断する判定閾値として不揮発メモリ68に登録し、施錠監視部78によるクレセント錠の施錠監視を開始させる。
【0055】
一方、登録スイッチ60の操作により登録モードを設定している所定時間以内に、カバー部材24を閉じてクレセント錠16の開閉レバー18を施錠位置に戻す操作を行わなかった場合には、有効レベルの磁力レベルが得られないために、磁力レベルの初期登録か完了せず、登録モードを設定している所定時間以内を経過したときに、赤色LED56aが点滅から点灯に切り替わり、初期登録の失敗を表示し、登録処理のエラー状態をセットすると共に、施錠監視処理部78によるクレセント錠の施錠監視を解除する。
【0056】
この場合には、開閉レバー18を解錠位置に戻し、カバー部材24を開いて登録スイッチ60を操作することで、再度、磁力レベルの初期登録を行うことができる。
【0057】
窓開閉監視部78は窓開閉検出用ホールセンサ46から得られた磁力レベルを不揮発メモリ68から読み出した第1判定閾値TH1と比較し、窓の開又は閉を判定し、判定結果を示す電文を無線送信部66から監視盤に送信して警報又は警報解除を行わせる。
【0058】
また、窓開閉監視部78は外部から強力な磁石を近づけることで磁力レベルが閾値以下としないようにして窓をあけるような所謂不正行為に対処するため、窓開閉検出用ホールセンサ46から得られた磁力レベルを不揮発メモリ68から読み出した第2判定閾値TH2と比較し、磁力レベルが第2判定閾値TH2を超えた時にも不正により窓開と見做して窓開を示す電文を送信する。
なお、施錠及び解錠時の磁力レベルに基づき通常使用状態の磁力レベルの適正範囲を設定し、磁力レベルが適正範囲から上下に外れた場合には不正行為が発生したと判定するようにしても良い。つまり、適正使用範囲の上限値を施錠時の磁力レベルよりも所定比率分高い値に設定し、下限値を解錠時の零点レベルよりも所定比率小さい値に設定して、適正範囲内に磁力レベルがあるかを検出して不正行為を判定するようにしてもよい。これはクレセント錠の磁力レベルの測定や窓開閉検出の磁力レベルの測定のいずれにおいても適用できる。
【0059】
施錠監視部80は施錠検出用ホールセンサ48から得られた磁力レベルを施錠登録処理部76により設定した閾値と比較し、閾値以下となった場合にクレセント錠の解錠と判断して解錠を示す電文を無線送信部66から監視装置に送信して警報させる。また、施錠監視部80は、解錠を検出した後に、正常に戻った場合にも、その旨の電文を監視装置に無線送信する。
【0060】
通信制御部82は窓開閉監視部78及び施錠監視部80の判断に基づく電文の送信に加え、一定時間間隔ごとに定期通報の電文を送信させる。
【0061】
図7は、製造時の検査工程などの測定環境で行われる窓開閉監視の磁力レベルの初期登録におけるマグネットとホールセンサの配置を示した説明図である。
【0062】
図7において、組立が完了した窓開閉検出装置10を測定環境に配置し、例えば図4のような現場設置を予定していたとすると、窓開閉検出装置10に内蔵した窓開閉検出用ホールセンサ46の有効検出面に相対するように、装置左側面に対しd=20mm離して実際に使用する窓開閉検出マグネット14を配置する。
【0063】
この場合、窓開閉検出マグネット14の高さ方向の位置は、図3に示したカバー部材24に形成しているマーカ24aにマグネット上端が合うように設置することで、マグネットの略中央に窓開閉検出用ホールセンサ46が位置する図7の位置関係が得られる。
【0064】
また、窓開閉検出装置10に対しては登録支援用のパーソナルコンピュータを例えばシリアルポート55に接続して窓開閉登録処理部74として機能するプログラムをダウンロードしておく。
【0065】
このような試験環境におけるセッティングが済んだならば、図3のように、カバー24を外した状態で登録スイッチ60をオン操作すると、赤色LED56aが点滅し、ダウンロードした窓開閉登録処理プログラムが起動して窓開閉登録モードを設定し、登録動作を開始する。なお、登録スイッチ50を操作したら、速やかにカバー部材24は装置本体に閉じる。
【0066】
この登録動作は、窓開閉検出用ホールセンサ46により検出された磁力レベルを取り込んで、予め設定した有効レベルであるか否か判定し、有効レベルである磁力レベルVsが得られたら、不揮発メモリ68に初期登録する。この初期登録が済むと緑LED56bが点灯し、初期登録完了を知らせる。
【0067】
なお、磁力レベルの初期登録は、磁力レベルの取り込みを複数回行い、所定回数連続して有効レベルを超えた場合に、最後に得られた磁力レベルVsを不揮発メモリ68に初期登録する。
【0068】
磁力レベルVsの初期登録が完了したら、これより所定の比率低いレベルを窓開閉検出の第1判定閾値TH1として算出して不揮発メモリ68に登録する。また初期登録した磁力レベルVsより所定比率高い通常監視状態では想定できない磁力レベルとなる第2判定閾値TH2を悪戯により加わる強い磁力を判定するために算出して不揮発メモリ68に登録する。
【0069】
なお、窓開閉登録処理が完了したら、そのためにダウンロードした窓開閉登録処理プログラムは残しておいても良いが、不要であることから消去する。
【0070】
また設置現場が図5のような場合には、装置の右側に窓開閉検出マグネット14を配置して同様な窓開閉登録処理を実行して磁力レベルVsの初期登録と第1及び第2判定閾値TH1,TH2の登録を行う。
【0071】
ただし、窓開閉検出マグネット14を左側に配置して磁力レベルを初期設定して判定閾値を求めた後に、実際の現場で逆の配置関係になったとしても、初期登録した磁力レベルにつき左右の相違によるレベル差はほんどなく、逆の配置であっても、改めて初期登録することなく、そのまま現場に設置して窓開閉を有効に監視することができる。
【0072】
図8は図6のAD変換ポート70による磁気レベル検出信号のAD変換特性を示したグラフ図である。図6に示した窓開閉検出用ホールセンサ46は磁力線の通過方向によりプラス極性の磁気レベル検出信号とマイナス極性の磁気レベル検出信号を出力する。
【0073】
窓開閉検出用ホールセンサ46からの磁気レベル検出信号は増幅回路52で増幅された後にAD変換ポート70により例えば8ビットの磁力レベルデータ(AD変換値)に変換される。
【0074】
このAD変換ポート70の変換特性は、図8の縦軸に示すように、10進AD変換値として0〜256の値を持ち、入力するプラス極性の磁気レベル検出信号0〜+VmaxをAD変換値128〜256に変換し、入力するマイナス極性の磁気レベル検出信号0〜−VmaxをAD変換値128〜0に変換する。
【0075】
図9は本実施形態における装置側面から窓開閉検出マグネット14までの距離dに対する窓開閉検出用ホールセンサ46で検出した磁力レベルの関係を示したグラフ図である。なお、実際のAD変換ポート70の変換特性は図8のようになるが、図9にあっては、説明を簡単にするため、磁化レベル検出信号の極性に関らず、AD変換値を0〜128として示している。
【0076】
図9の特性は、例えば図7の設置状態で、装置側面から窓開閉検出マグネット14までの距離dをd=0〜24mmの範囲で変化させて測定した磁力レベルに対応したAD変換値を示している。
【0077】
このような特性において、例えばd=20mmとなるマグネット配置を予定したとすると、このときのP点に対応した磁力レベルVsが求まる。続いて、磁力レベルVsに対し所定比率αだけ低い値を第1判定閾値TH1として設定し、更に、磁力レベルVsに対し所定比率高い値を第2判定閾値TH2として設定する。
【0078】
図10は本実施形態における窓開閉検出用ホールセンサ46の出力とAD変換値に対する判定閾値の設定と窓開閉の判定結果を示した説明図である。
【0079】
図10(A)のホールセンサ出力と図10(B)のAD変換値は図8の変換特性に対応しており、図9でプラス極性の磁力レベルVsを初期登録したとすると、それより所定比率の低い値として第1判定閾値TH1が設定され、また不正処理判定の所定幅の高い値として第2判定閾値TH2が設定される。
【0080】
更に、マイナス極性についての磁力レベル−Vsは初期登録されていないが、装置側面の左右に位置するマグネットの検出特性を対称特性と看做し、同じ値で極性の異なる磁力レベル−Vsを想定し、マイナス側の第2判定閾値−TH2を設定している。
【0081】
また、初期登録された磁力レベルが−Vsであった場合には、同様に第1判定閾値−TH1と、第2判定閾値−TH2が設定され、更に、プラス側について対称特性を前提に、第2判定閾値TH2が設定される。
【0082】
このような第1判定閾値TH1,−TH1及び第2判定閾値TH2,−TH2の設定に対し、図10(C)の窓開閉検出特性は次のようになる。
(1)検出した磁力レベルがプラス極性の場合、第1判定閾値TH1以下又は第2判定閾値TH2以上で窓開と判定し、第1判定閾値TH1を超えて第2判定閾値TH2未満で窓閉と判定する。
(2)検出した磁力レベルがマイナス極性の場合、第1判定閾値−TH1以上又は第2判定閾値TH2以下で窓開と判定し、第1判定閾値−TH1未満で第2判定閾値−TH2を越えると窓閉と判定する。
【0083】
ここで、検出した磁力レベルのプラスかマイナスかの極性判定は、AD変換値が128以上であればプラス極性、128未満であればマイナス極性と判定する。実際にはホールセンサの出力にはオフセットが含まれていることから、オフセット分を考慮して判定する。
【0084】
この初期登録した磁力レベルVs,−Vsと第1判定閾値TH1,−TH1及び第2判定閾値TH2,−TH2と窓開閉判定の関係は、図8にも合わせて示している。
図8のプラス側については、P点が初期登録した磁力レベルVsに対応し、その前後のQ点とR点が第1判定閾値TH1と第2判定閾値TH2に対応している。
【0085】
通常の窓開閉監視状態にあっては、窓の開閉に対し磁力レベル及びAD変換値はP点と零点との間で変化し、P点を越えていれば窓閉を判定しており、この状態でP点を下回ると窓開の判定となる。
【0086】
一方、悪戯などにより強力な磁石を近づけた場合には、例えばプラス方向の磁力であれば、R点を超えて増加し、この場合にも扉開を判定する。また、マイナス方向の磁力であれば、マイナス側に設定した第2判定閾値−TH2に対応したU点を越えて低下し、この場合にも扉開を判定する。
【0087】
図8のマイナス側についても、S点が初期登録した磁力レベル−Vsに対応し、その前後のT点とU点が第1判定閾値−TH1と第2判定閾値−TH2に対応している。
【0088】
図11は図6のプロセッサによる本実施形態の窓開閉登録処理を示したフローチャートである。
【0089】
図11において、図7に示したような測定環境でのセッティングが済んだ状態で電池44の装着により電源が投入されると、ステップS1で初期化処理と自己診断処理が実行され、異常が無ければステップS2に進み、不揮発メモリ68に記憶されているデータを読み込む。
【0090】
続いてステップS3で窓開閉登録モードの有無を判別しており、例えば登録スイッチ60のオン操作による窓開閉登録モードの設定を判別すると、ステップS4に進んで赤色LED56aを点滅し、ステップS5で窓開閉検出用ホールセンサ46により検出している磁力レベルVsを読込み、ステップS6で有効レベル以上であることを判別すると、ステップS7に進んで磁力レベルVsを不揮発メモリ68に初期登録する。
【0091】
なお、ステップS5〜S7の実際の処理としては、磁力レベルの取り込みを複数回行い、所定回数連続して有効レベルを超えた場合に、最後に得られた磁力レベルVsを不揮発メモリ68に初期登録する。
【0092】
続いてステップS8で初期登録した磁力レベルVsに対し所定比率低い値として窓開閉検出の第1判定閾値TH1を算出して不揮発メモリ68に登録する。更にステップS9で初期登録した磁力レベルVsに対し不正判定用の所定の高い値として悪戯検出の第2判定閾値TH2を算出して不揮発メモリ68に登録する。このとき第2判定閾値TH2は同時にマイナス側の−TH2も同時に登録する。
【0093】
このような一連の窓開閉登録処理が完了するとステップS10で緑色LED56bを点灯し、登録完了を知らせ、処理を終了する。
【0094】
図12は図6のプロセッサによる本実施形態の監視処理を示したフローチャートである。
【0095】
図12において、図4に示したような現場設置が済んだ状態で電池44の装着により電源が投入されると、ステップS11で初期化処理と自己診断処理が実行され、異常が無ければステップS12に進み、不揮発メモリ68に記憶されている窓開閉監視の磁力レベルVs及び第1及び第2判定閾値TH1,TH2を含むデータを読み込む。
【0096】
続いてステップS13に進み、施錠監視登録モードか否か判定し、カバー部材24を開いて登録スイッチ60をオン操作することによって施錠監視登録モードの設定が判別されると、ステップS14に進んで施錠検出用ホールセンサ48による磁力レベルの初期登録と、クレセント錠16の施錠と解錠を検出するための判定閾値の登録を含む施錠監視登録処理を実行する。
【0097】
続いてステップS15で所定の監視周期への到達の有無を判定しており、監視周期への到達を判定するとステップS16に進んで電池44に対するローバッテリ監視処理を実行する。このとき電池電圧が規定電圧以下に低下していると、ローバッテリを示す電文を監視盤に無線送信して障害表示を行わせる。
【0098】
次にステップS17で窓開閉監視処理を実行し、窓開又は窓閉を判定すると、その内容を示す電文を監視盤に送信する。更にステップS18で施錠監視処理を実行し、解錠又はその後の施錠を判定すると、その内容を示す電文を監視装置に送信する。続いてステップS19で定期通報時間経過かを判別し、経過を判別した場合にはステップS20に進み、定期通報電文を監視盤に送信する定期通報処理を行う。
【0099】
図13は図12のステップS17における窓開閉監視処理の詳細を示したフローチャートである。
【0100】
図13において、まずステップS21で窓開閉検出用ホールセンサ46により検出された磁力レベルをAD変換値として取得し、ステップS22で零点レベル128±20との比較でプラス極性か否か判定する。プラス極性を判定するとステップS23に進み、前回が開判定であることを判別するとステップS24に進んで第1判定閾値THと比較する。磁力レベルが第1判定閾値TH以下であればステップS25に進んで開判定とし、ステップS26で判定結果を無線送信させる。
【0101】
ステップS24で磁力レベルが第1判定閾値TH1より大きいときはステップS27に進み第2判定閾値TH2と比較し、もし第2判定閾値TH2以上であった場合は、悪戯による強い磁石が近接された不正行為が行われている状況に対し窓開と看做し、ステップS25に進んで開判定を行い、ステップS26で判定結果を無線送信させる。
【0102】
ステップS23で前回が開判定であった場合には、ステップS28に進み、磁力レベルが第1判定閾値レベルTH1より大きく、第2判定閾値TH2より小さいときはステップS29に進んで閉判定を行い、ステップS30で判定結果を無線送信させる。
【0103】
ステップS22で磁力レベルのマイナス極性を判別した場合は、ステップS31に進み、前回が開判定であることを判別するとステップS32に進んで第1判定閾値−THと比較する。磁力レベルが第1判定閾値−TH1以上であればステップS33に進んで開判定とし、ステップS34で判定結果を無線送信させる。
【0104】
ステップS32で磁力レベルが第1判定閾値−TH1より小さいときはステップS35に進んで第2判定閾値−TH2と比較し、もし第2判定閾値−TH2以下であった場合は、悪戯による強い磁石が近接された不正行為が行われている状況に対し窓開と看做し、ステップS33に進んで開判定を行い、ステップS34で判定結果を無線送信させる。
【0105】
ステップS31で前回が閉判定であった場合には、ステップS36に進み、磁力レベルが第1判定閾値レベル−TH1より小さく、第2判定閾値−TH2より大きいときはステップS37に進んで閉判定を行い、ステップS38で判定結果を無線送信させる。
【0106】
なお、上記の実施形態にあっては、窓開閉登録処理を実行するプログラムを支援用のパーソナルコンピュータからダウンロードして実行しているが、プロセッサ50のROM又は外部接続した揮発メモリ68に予め記憶しておいて実行するようにしても良い。
【0107】
また、窓開閉登録処理の別の手法として、窓開閉検出装置10に設けている増幅回路54の出力電圧を電圧測定器で測定した後にAD変換して磁力レベルVsを求め、これをライターを使用して不揮発メモリ68に判定閾値THと共に書き込むようにしても良い。
【0108】
また、上記の実施形態にあっては、ホールセンサのオフセットを含む磁力レベルVsを初期登録して判定閾値THを求めているが、ホールセンサのオフセットを測定して不揮発メモリに記憶しておき、初期登録した磁力レベルVsから判定閾値を算出する際に、磁力レベルからオフセットを差し引いて磁力レベル変化量を正確に求め、この変化量から所定比率低い値を求め、この値にオフセットを加算して判定閾値THとしても良い。
【0109】
また、上記の実施形態にあっては、窓の開閉監視とクレセント錠の解錠監視の両方を行っているが、窓の開閉監視のみを行う窓開閉検出装置についても、そのまま適用できる。また、本発明は、クレセント錠の解錠監視側においても適用でき、閾値の登録処理は工場出荷時だけでなく、監視対象に設置後に行っても良い。
【0110】
また、本発明はその目的と利点を損なうことの無い適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明による窓開閉検出装置の設置状態を示した説明図
【図2】本発明による窓開閉検出装置の実施形態を示した組立分解図
【図3】本実施形態による窓開閉検出装置についてカバー部材を装置本体から外した状態を示した説明図
【図4】図1の設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図
【図5】図1に対し窓の開閉が逆になった設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図
【図6】本実施形態による窓開閉検出装置の回路構成を示したブロック図
【図7】調整工程などの測定環境で行われる窓開閉監視の磁力レベルの初期登録におけるマグネットとホールセンサの配置を示した説明図
【図8】図6のAD変換ポートによる磁気レベル検出信号のAD変換特性を示したグラフ図
【図9】本実施形態における装置側面からマグネットまでの距離に対するホールセンサで検出した磁力レベルの関係を示したグラフ図
【図10】本実施形態おけるホールセンサ出力とAD変換値に対する判定閾値の設定と窓開閉の判定結果を示した説明図
【図11】図7の測定環境で図6のプロセッサにより実行される窓開閉登録処理を示したフローチャート
【図12】図6のプロセッサによる本実施形態の窓開閉検出処理を示したフローチャート
【図13】図12のステップS28における窓開閉監視処理の詳細を示したフローチャート
【符号の説明】
【0112】
10:窓開閉検出装置
14:窓開閉検出マグネット
16:クレセント錠
18:開閉レバー
20:クレセント錠検出マグネット
22:装置本体
42:本体カバー
46:窓開閉検出用ホールセンサ
48:施錠検出用ホールセンサ
60:登録スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内部に配置され監視対象物側に配置したマグネットによる磁力レベルを検出する磁気検知素子と、
窓の閉鎖状態に対応した前記マグネットによる磁気レベルより所定割合低い第1判定閾値と、前記磁力レベルより所定割合高い第2判定閾値を登録する登録処理部と、
磁気感知素子で検出した磁力レベルと前記第1判定閾値以下及び前記第2判定閾値とを比較して監視対象物の状態を判定する窓開閉判定部と、
を備えたことを特徴とする窓開閉検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、
前記登録処理部は、前記磁気感知素子の磁力レベルの極性を判定し、判定した極性に対応した前記第1判定閾値を登録すると共に、両極性に対応した第2判定閾値を登録し、
前記窓開閉判定部は、前記磁気感知素子で検出した磁力レベルの極性を判定し、
プラス極性を判定した場合は、プラス極性の第1判定閾値と第2判定閾値を選択し、前回が閉判定の場合は、磁力レベルが前記第1判定閾値以下又は第2判定閾値以上の場合に窓開を判定し、前回が開判定の場合は、磁力レベルが前記第1判定閾値を越えて第2判定閾値未満の場合に窓閉を判定し、
マイナス極性を判定した場合は、マイナス極性の第1閾値と第2閾値を選択し、前回が閉判定の場合は、磁力レベルが前記第1閾値以上又は前記第2閾値以下の場合に窓開を判定し、前回が開判定の場合は、磁力レベルが前記第1閾値未満で前記プラス側第2閾値より大きい場合に窓閉を判定することを特徴とする窓開閉検出装置。
【請求項3】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、前記登録処理部は、所定の測定環境で所定距離に配置した実際に組み合わせて使用するマグネットによる磁力レベルを検出して不揮発メモリに初期登録することを特徴とする窓開閉検出装置。
【請求項4】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、前記磁気検知素子は磁力の方向に応じてプラス極性又はマイナス極性の信号を出力するホールセンサであることを特徴とする窓開閉検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−129010(P2010−129010A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305790(P2008−305790)
【出願日】平成20年11月30日(2008.11.30)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【出願人】(591273269)株式会社サーキットデザイン (29)
【Fターム(参考)】