説明

立体撮影用レンズシステム、立体撮影用レンズ制御装置および立体撮影用レンズ制御方法

【課題】テレビカメラの立体撮影に適したオートフォーカス機能を実現することができるとともに、左右のピント差を自在且つ効率的に補正すること。
【解決手段】左のレンズ装置11Lでオートフォーカスの動作をさせて、そのオートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を取得するフォーカスコントローラ30と、オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を基準としたオフセット値が設定される左右差補正装置50とを備え、オートフォーカス動作をしない右のレンズ装置11Rは、左右差補正装置50のボリウム52が操作されるたびに、オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置とボリウム52により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、この右のレンズ装置11Rのフォーカスレンズを移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビカメラの立体撮影に適したオートフォーカス機能を実現することができるとともに、左右のピント差を自在且つ効率的に補正することができる立体撮影用レンズシステム、立体撮影用レンズ制御装置および立体撮影用レンズ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、左右2組のレンズ群を備えた立体撮影用のテレビカメラにおいて、予めメモリに記憶させた補正データに基づいて、各レンズ装置の補正を行っていた(特許文献1,2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−153240号公報
【特許文献2】特開平8−307906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレビカメラの立体撮影では、一般にワイド寄りの設定が多いため被写界深度も深く、手動フォーカスでも特に不便はなかったが、長焦点での撮影が増えてくると、微妙に前後する被写体に対してフォーカスのフォローが手動では厳しくなるので、AF(オートフォーカス)が必要となってくるが、その場合に左右のレンズ装置でのAF結果の差も映像信号に顕著に現れてくる。
【0005】
また、予め記憶された補正データを用いて補正を行っても、長焦点レンズでは、被写界深度が浅いためそれだけで十分ではない場合が多い。また、セットを組むたびに最適な補正値は変わるので、予め記憶された補正データでは現実には役に立たないという問題もある。更に、セットを組むたびに補正データを作成していたのでは、非効率的である。補正データを作成するためには、一般に、条件を設定し、左右のレンズ装置の差を合わせ、その差分をメモリに記憶させ、条件を変更して左右のレンズ装置の差を合わし直し、その差分をメモリに記憶させる、といったような作業の繰り返しが求められ、多大な時間を費やす。
【0006】
特許文献1は、予め記憶された補正データを用いる構成を開示しているが、上述の課題を解決可能な構成について記載がなく、その課題に関する記載もない。また、特許文献2記載の構成は、オートフォーカスでの上述の課題を解決するものではない。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、テレビカメラの立体撮影に適したオートフォーカス機能を実現することができるとともに、左右のピント差を自在且つ効率的に補正することができる立体撮影用レンズシステム、レンズ制御装置およびレンズ制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、フォーカスレンズを有する複数のレンズ装置と、前記複数のレンズ装置のうちいずれか一つのレンズ装置でオートフォーカスの動作をさせて、そのオートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を取得するフォーカス制御手段と、前記複数のレンズ装置のうちオートフォーカスの動作をしない他のレンズ装置のフォーカスレンズ位置の変更操作を受け付ける可変操作手段であって、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を基準としたオフセット値を取得する可変操作手段と、を備え、前記他のレンズ装置は、前記可変操作手段が操作されるたびに、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させるレンズ駆動制御手段を有することを特徴とする立体撮影用レンズシステムを提供する。
【0009】
これにより、複数のレンズ装置のうちでいずれか一つのレンズ装置ではオートフォーカスの動作が行われるとともに、可変操作手段が操作されるたびに、前記一つのレンズ装置のオートフォーカス結果に対応したフォーカスレンズ位置と可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、オートフォーカス動作をしない他のレンズ装置のフォーカスレンズが移動するので、複数のレンズ装置の各々でオートフォーカスの動作を行う場合と比較して、一つのレンズ装置の合焦状態を基準に左右の映像信号のピント差をマニュアルで容易に調節することができる。また、事前に補正データを採取する必要はない。即ち、テレビカメラの立体撮影に適したオートフォーカス機能を実現することができるとともに、左右のピント差を自在且つ効率的に補正することができる。
【0010】
また、本発明は、複数のレンズ装置を制御する立体撮影用レンズ制御装置であって、前記複数のレンズ装置のうちいずれか一つのレンズ装置でオートフォーカスの動作をさせて、そのオートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を取得する第1のフォーカス制御手段と、前記複数のレンズ装置のうちオートフォーカスの動作をしない他のレンズ装置のフォーカスレンズ位置の変更操作を受け付ける可変操作手段であって、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を基準としたオフセット値が設定される可変操作手段と、前記可変操作手段が操作されるたびに、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させる第2のフォーカス制御手段と、を備えたことを特徴とする立体撮影用レンズ制御装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、複数のレンズ装置を制御する立体撮影用レンズ制御方法であって、前記複数のレンズ装置のうちいずれか一つのレンズ装置でオートフォーカスの動作をさせて、そのオートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を取得するステップと、前記複数のレンズ装置のうちオートフォーカスの動作をしない他のレンズ装置のフォーカスレンズ位置の変更操作を受け付ける可変操作手段により、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を基準としたオフセット値が設定されるステップと、前記可変操作手段が操作されるたびに、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させるステップと、を備えたことを特徴とする立体撮影用レンズ制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、テレビカメラの立体撮影に適したオートフォーカス機能を実現することができるとともに、左右のピント差を自在且つ効率的に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】立体撮影用レンズシステムの第1実施例を示す全体ブロック図
【図2】レンズ装置およびカメラの一例を示すブロック図
【図3】(A)は2台のレンズ装置に共通のAF枠を適用した場合の説明図、(B)は2台のレンズ装置の各々でAF枠自動追尾を動作させた場合の説明図、(C)は2台のレンズ装置のうちいずれか一つのみにAF枠設定およびAFを行う場合の説明図
【図4】立体撮影用レンズシステムの第2実施例を示す全体ブロック図
【図5】立体撮影用レンズシステムの第3実施例を示す全体ブロック図
【図6】立体撮影用レンズシステムの第4実施例を示す全体ブロック図
【図7】立体撮影用レンズシステムの第5実施例を示す全体ブロック図
【図8】左右差補正装置の一例を示す図
【図9】レンズ制御処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0015】
図1は、立体撮影用レンズシステムの全体構成の第1実施例を示す全体ブロック図である。
【0016】
図1の立体撮影用レンズシステムは、フォーカスレンズおよびズームレンズを有する左右のレンズ装置10L,10Rと、左右のレンズ装置10L、10Rの各々が装着されたカメラ20L,20Rと、左右のレンズ装置10L、10Rのフォーカスレンズの位置(以下「フォーカスレンズ位置」という)を制御するフォーカスコントローラ30と、左右のレンズ装置10L,10Rのズームレンズの位置(以下「ズームレンズ位置」という)を制御するズームコントローラ40と、左のレンズ装置10Lと右のレンズ装置10Rとのフォーカスレンズ位置およびズームレンズ位置の差分(オフセット値)を補正する左右差補正装置50とを含んで構成されている。
【0017】
レンズ装置10(10L,10R)は、図2に示すように、フォーカスレンズ群11(以下単に「フォーカスレンズ」という)と、ズームレンズ群12(以下単に「ズームレンズ」という)と、絞り11Sと、マスターレンズ群11Mと、フォーカスレンズ11F、ズームレンズ11Z、絞り11Sをそれぞれ駆動するドライバ12F,12Z,12Sと、A/D変換器13と、カメラ20等の外部装置と通信するための各種インタフェース14,15a,15b,15cと、操作を受け付ける操作部16と、アラームを出力するアラーム出力部17と、レンズ装置10の各部を統括して制御するCPU18とを含んで構成されている。CPU18は、フォーカスレンズ11F、ズームレンズ11Zを移動させるレンズ駆動制御手段の機能を有する。
【0018】
操作部16は、AF(オートフォーカス)モードであるかMF(マニュアルフォーカス)モードであるかを切り替えるフォーカスモード切替スイッチを含んで構成されている。
【0019】
アラーム出力部17は、音などによりアラームを出力する。表示によりアラームを出力するようにしてもよい。
【0020】
なお、図2に示した例では、レンズ装置10内に、オートフォーカスを実行するAFユニット19を内蔵しているが、図1に示したようにカメラ20Lから追尾用映像信号を出力してフォーカスコントローラ30からの指示でフォーカスレンズ11Fを駆動する構成では、レンズ装置10内のAFユニット19を省略できる。
【0021】
また、カメラ20(20L,20R)は、図2に示すように、撮像素子21と、撮像素子21から出力された映像信号に対して画像処理を行う映像信号処理回路22と、レンズ装置10と通信するためのSCインタフェース23と、カメラ20の各部を統括して制御するCPU24を含んで構成されている。
【0022】
図1に示したフォーカスコントローラ30は、フォーカスレンズ位置を示す絶対値の設定操作を受け付けるフォーカス操作ノブ32(フォーカスレンズ位置の絶対値設定操作手段)を有する。また、外部の装置との通信を行う通信部として、RS232cインタフェースおよびRS485インタフェースを有する。
【0023】
本例のズームコントローラ40は、ズームレンズ位置を示す絶対値の設定操作を受け付けるズーム操作ノブ42(ズームレンズ位置の絶対値設定操作手段)を有する。
【0024】
本例の左右差補正装置50は、右のレンズ装置10Rのフォーカスレンズ位置の可変操作を受け付けるフォーカス補正ボリウム52と、右のレンズ装置10Rのズームレンズ位置の可変操作を受け付けるズーム補正ボリウム54を有する。
【0025】
また、本例の左カメラ20Lは、フォーカスコントローラ30に対して追尾用映像信号を出力する。
【0026】
次に、本発明におけるAF枠追尾の基本概念を図3(A)〜(C)を用いて説明する。ここでは、レンズ装置10L、10RにAF枠を設定するものとして説明する。
【0027】
図3(A)は、2台のレンズ装置10L、10Rに共通のAF枠を設定してAFを行った場合を示す。図示のように、左のレンズ装置10LでAF枠を手前の人物に設定し、同じ位置およびサイズのAF枠を右のレンズ装置10Rにも設定すると、左のレンズ装置10Lでは手前の人物に合焦するが、右のレンズ装置10Rでは後方の人物に引っ張られて手前の人物が後ピンになる場合がある。
【0028】
図3(B)は、2台のレンズ装置10L、10Rの各々でAF枠自動追尾を動作させてAFを行った場合を示す。図示のように、カメラワークやフレーミングの影響に因り、左と右とで別々の被写体を追尾してしまう場合がある。
【0029】
そこで、本発明では、基本的に、2台のレンズ装置10L、10Rのうちでいずれか一つのレンズ装置だけでAF(オートフォーカス)を動作させて、そのAF結果として取得されたフォーカスレンズ位置(合焦位置)を、AF動作をしない他のレンズ装置に与える。図3(C)に示す例では、左のレンズ装置10LだけでAF枠設定とAFサーチ(合焦位置検出)とを行い、そのAFサーチの結果により示されるフォーカスレンズ位置(左のレンズ装置10Lのフォーカスレンズの合焦位置)と同じ位置に、右のレンズ装置10Rのフォーカスレンズを移動させる。そうすると同じ被写体に合焦することになる。即ち、AFはいずれか一つのレンズ装置で行い、その一つのレンズ装置のAFを他のレンズ装置が追いかけるように、その一つのレンズ装置のAF結果を他のレンズ装置に反映させる設定を行うことで、左右のレンズ装置の各々でAFを行う場合におけるピント差の問題を解消できる。
【0030】
また、左右差の補正に関しては、2台のレンズ装置10L、10Rに対し共通の指示値を与えてフォーカスレンズを移動させた場合、長焦点では誤差が大きくなって映像信号に現れてくる。また、予め記憶した補正データを用いて左右差を補正する場合には、セットを組むたびに補正データを作成する必要がある。そこで、一つのレンズ装置のAF結果に対応したフォーカスレンズ位置(合焦位置)と、常時手動補正操作が可能な可変操作手段に現在設定されているオフセット値との合計値を、他のレンズ装置のフォーカスレンズに設定する。
【0031】
また、図1にて、オートフォーカスの動作をする左のレンズ装置10Lに、図中の点線で示すように左右差補正装置50が接続された場合には、左のレンズ装置10Lは、オフセット値を加算する補正機能の無効化、又はアラーム出力部17によるアラーム出力を行う。
【0032】
なお、立体撮影用レンズシステムへの左右差補正手段の組み込み方は各種ある。以下では、図1に示したシステム構成の変形例について、図4〜図8を用いて説明する。
【0033】
図4は、立体撮影用レンズシステムの第2実施例を示す全体ブロック図である。ここでは、図1の第1実施例との相違点のみを説明する。
【0034】
図4の第2実施例では、ジョイントボックス62を設け、左右のレンズ装置10L、10Rとフォーカスコントローラ30およびズームコントローラ40との通信を、ジョイントボックス62で中継するようにした。また、本例では、電子ビューファインダ(EVF)64が表示用映像信号スイッチ66を介して左右のカメラ20L、20Rに接続されている。左のカメラ20Lは、AF枠追尾用および表示用の映像信号を出力する。電子ビューファインダ64は、例えば、液晶表示デバイスからなり、左右のカメラ20L、20Rから出力された表示用の映像信号を画像として表示する。本例の表示用映像信号スイッチ66は、左のカメラ20Lから出力されたL映像信号(左目用映像信号)、右のカメラから出力されたR映像信号(右目用映像信号)、および、L映像像信号とR映像信号とを重ねたL+R映像信号のうち、いずれの映像信号を電子ビューファインダ64に出力するかを切り替える。
【0035】
図5は、立体撮影用レンズシステムの第3実施例を示す全体ブロック図である。ここでは、図1の第1実施例との相違点のみを説明する。図5にて、本例のフォーカスコントローラ30は、左右差補正装置50を内蔵しており、フォーカス補正ボリウム52およびズーム補正ボリウム54を有する。フォーカスコントローラ30は、左のレンズ装置10Lのフォーカスレンズ位置と、フォーカス補正ボリウム52から出力されるオフセット値とを加算して、その合計値を右のレンズ装置10Rに対して出力する。また、フォーカスコントローラ30は、左のレンズ装置10Lのズームレンズ位置と、ズーム補正ボリウム54から出力されるオフセット値とを加算して、その合計値を右のレンズ装置10Rに対して出力する。
【0036】
図6は、立体撮影用レンズシステムの第4実施例を示す全体ブロック図である。ここでは、図1の第1実施例との相違点のみを説明する。図6にて、本例の左右差補正装置50は、フォーカスコントローラ30に接続されている。フォーカスコントローラ30は、左右差補正装置50が接続されているか否かを判定し、接続されている場合には、左のレンズ装置10Lのフォーカスレンズ位置とフォーカス補正ボリウム52に現在設定されているオフセット値との合計値を、右のレンズ装置10Rに対して出力し、接続されていない場合には、左のレンズ装置10Lのフォーカスレンズ位置を、右のレンズ装置10Rに対して出力する。
【0037】
図7は、立体撮影用レンズシステムの第5実施例を示す全体ブロック図である。ここでは、図1の第1実施例との相違点のみを説明する。図7にて、本例の左右差補正装置50は、ジョイントボックス62に内蔵されている。ジョイントボックス62は、左のレンズ装置10Lのフォーカスレンズ位置とフォーカス補正ボリウム52に現在設定されているオフセット値との合計値を、右のレンズ装置10Rに対して出力する。
【0038】
なお、図1(第1実施例)および図5〜図7(第3実施例〜第5実施例)では、図4(第2実施例)に示した電子ビューファインダ64および表示用映像信号スイッチ66の図示を省略したが、図4に示した第2実施例と同様に設けてもよい。
【0039】
図8は、左右差補正装置の一例を示す。図8に示す左右差補正装置50は、図5に示した第3実施例におけるフォーカスコントローラ30およびズームコントローラ40の機能を有する。
【0040】
図8にて、左右差補正装置50は、フォーカス操作ノブ32、ズーム操作ノブ42、フォーカス補正スイッチ56、およびズーム補正スイッチ58を有する。既に図1および図4〜図7を用いて説明した構成要素の説明は省略する。フォーカス補正スイッチ56は、左のレンズ装置11Lのフォーカスレンズ位置に、フォーカス補正ボリウム52に現在設定されているオフセット値を加算するか否かを切り替える。ズーム補正スイッチ58は、左のレンズ装置11Lのズームレンズ位置を示す値に、ズーム補正ボリウム54に現在設定されているオフセット値を加算するか否かを切り替える。なお、図1および図4〜図7ではフォーカス補正スイッチ56とズーム補正スイッチ58とを省略したが、これらのスイッチを設けてもよい。
【0041】
次に、図9のフローチャートを用いて、レンズ制御処理例を説明する。なお、以下では、図8に示した左右差補正装置50を図5(第3実施例)のフォーカスコントローラ30およびズームコントローラ40として用いた場合で説明するが、他の実施例でも適宜同様な処理を行うことができる。本処理は、フォーカスコントローラ30により実行される。フォーカスコントローラ30は、CPUを内蔵しており、そのCPUはプログラムに従って本処理を実行する。
【0042】
まず、フォーカス操作以外の処理を行う(ステップS2)。
【0043】
続いて、オートフォーカス(AF)モードであるかマニュアルフォーカス(MF)モードであるかを判定する(ステップS4)。AFモードであるかMFモードであるかの切替は、例えば左のレンズ装置10Lの操作部(図2の16)のスイッチ(フォーカスモード切替スイッチ)により行われる。フォーカスコントローラ30は、その通信部(図5のRS232Cインタフェース)の通信により、AFモードであるかMFモードであるかの検出を行う。なお、本例ではレンズ装置10にフォーカスモード切替スイッチが配置されているが、配置場所は特に限定されない。
【0044】
MFモードである場合、フォーカス操作ノブ32(絶対値設定操作手段)の指示値Fcを読み込む(ステップS6)。即ち、フォーカスレンズ位置の指示値Fcとして、フォーカス操作ノブ32に現在設定されている、フォーカスレンズ位置を示す絶対値を取得する。
【0045】
続いて、フォーカス補正スイッチ56がオンであるか否かを判定する(ステップS8)。
【0046】
フォーカス補正スイッチ56がオフである場合には、左右のレンズ装置10L,10Rに、フォーカスレンズ位置の指示値としてFcを送信する(ステップS10)。
【0047】
フォーカス補正スイッチ56がオンである場合には、フォーカス補正ボリウム52(可変操作手段)に現在設定されている補正値Fvを読み込む(ステップS12)。即ち、左のレンズ装置10Lのフォーカスレンズの位置を基準とした右のレンズ装置10Rのフォーカスレンズ位置の差分(オフセット値)を示す補正値Fvとして、フォーカス補正ボリウム52により現在設定されている値Fvを取得する。続いて、右のレンズ装置10Rにフォーカスレンズ指示値としてFc+Fvを送信し(ステップS14)、左のレンズ装置10Lにフォーカスレンズ位置の指示値としてFcを送信する(ステップS16)。
【0048】
AFモードである場合、左のレンズ装置10LのAF枠情報を設定し(ステップS18)、左のレンズ装置10LのAF(オートフォーカス)を実行し(ステップS20)、左のレンズ装置10Lのフォーカスレンズ指示値Fdを取得する(ステップS22)。即ち、二つのレンズ装置10L,10Rのうちで左のレンズ装置10Lのオートフォーカスを制御して、左のレンズ装置10Lのフォーカスレンズ位置Fd(合焦位置)を取得する。
【0049】
AF枠情報は、オートフォーカスの評価値を検出するためのAF枠の位置およびサイズを示す情報であって、本例では左のレンズ装置10Lから出力される映像信号における画面上の位置およびサイズを示す。本例では、コントラストAFを行っており、フォーカスコントローラ30から左のレンズ装置10Lにフォーカスレンズ位置を指示して左のレンズ装置10のフォーカスレンズ位置を移動させながら、左のレンズ装置10から出力される映像信号に基づいてAF枠内で評価値を算出し、そのAF評価値が極大値となるフォーカスレンズ位置をFdとして求める。左のレンズ装置10は、そのフォーカスレンズをフォーカスコントローラ30から指示されたFdにより示される位置に移動させる。
【0050】
続いて、フォーカス補正スイッチ56がオンであるか否かを判定する(ステップS24)。
【0051】
フォーカス補正スイッチ56がオフである場合には、右のレンズ装置10Rにフォーカスレンズ位置の指示値としてFdを送信する(ステップS26)。
【0052】
フォーカス補正スイッチ56がオンである場合には、フォーカス補正ボリウム52に現在設定されている補正値Fvを読み込む(ステップS28)。即ち、左のレンズ装置10Lのフォーカスレンズ位置(合焦位置)と右のレンズ装置10Rのフォーカスレンズ位置との差分を示す補正値Fv(左のレンズ装置10Lの合焦されたフォーカスレンズの位置を基準としたオフセット値)として、フォーカス補正ボリウム52に現在設定されている値を取得する。続いて、右のレンズ装置10Rにフォーカスレンズ指示値としてFd+Fvを送信する(ステップS30)。即ち、右のレンズ装置10Rは、オートフォーカス制御で取得された左のレンズ装置10Lのフォーカスレンズ位置Fdとフォーカス補正ボリウム52に現在設定されているオフセット値Fvとの合計値Fd+Fvに対応する位置に、フォーカスレンズを移動させる。
【0053】
本例では、上述のように、オートフォーカスモードである場合、オートフォーカスのための映像信号(AF枠追尾用映像信号)を出力しているレンズ装置10Lとは異なるレンズ装置10Rが、オートフォーカスにより得られたフォーカスレンズ位置を示す値Fdと、フォーカス補正ボリウム52に現在設定されている補正値Fvとの合計値Fd+Fvに対応する位置に、フォーカスレンズを移動させるようになっている。
【0054】
図9では、フォーカスコントロールのみを示したが、図8のフォーカスコントローラ30(左右差補正装置50)は、ズームコントロールも行う。ズームコントロールの処理は、図8のフォーカスコントロールのステップS6〜S10に似ている。つまり、ズーム操作ノブ42によりズームレンズ位置を示す絶対値Zcの設定操作を受け付け、ズーム補正スイッチ58がオンであるか否かを判断する。ズーム補正スイッチ58がオフである場合には、左右のレンズ装置10L、10Rに絶対値Zcを与える。ズーム補正スイッチ58がオンである場合には、ズーム補正ボリウム54によりズームレンズ位置のオフセット値(現在の設定値)Zvを取得し、右のレンズ装置10RにはZc+Zvを送信し、左のレンズ装置10LにはZcを送信する。
【0055】
なお、フォーカスコントローラ30からレンズ装置10にフォーカスレンズ位置を指示しながらコントラストAF方式のAFサーチを行う場合を例に説明したが、本発明はこのような場合に限定されない。レンズ装置10の内部のAFユニット(図2の19)でAFサーチを行ってもよい。この場合、オートフォーカスを行う側のレンズ装置(例えば左レンズ装置10L)は、そのオートフォーカス結果のフォーカスレンズ位置を出力する。オートフォーカスを行わないレンズ装置(例えば右のレンズ装置10R)は、オートフォーカスを行う側のレンズ装置(例えば左レンズ装置10L)から取得したオートフォーカス結果に対応するフォーカスレンズ位置に、フォーカス補正ボリウム52に現在設定されているオフセット値を加算して、その合計値を自身のフォーカスレンズに設定する。
【0056】
また、オートフォーカスをコントラスト方式で行う場合を例に説明したが、オートフォーカスの方式は特に限定されない。例えば、位相差方式のオートフォーカスを行う場合にも、本発明を適用できる。また、レンズ装置が2台である場合を例に説明したが、レンズ装置が三台以上の場合にも本発明を適用できることは、言うまでもない。
【0057】
以上説明してきたように、本明細書には次の構成が開示されている。
【0058】
フォーカスレンズを有する複数のレンズ装置と、前記複数のレンズ装置のうちいずれか一つのレンズ装置でオートフォーカスの動作をさせて、そのオートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を取得するフォーカス制御手段と、前記複数のレンズ装置のうちオートフォーカスの動作をしない他のレンズ装置のフォーカスレンズ位置の変更操作を受け付ける可変操作手段であって、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を基準としたオフセット値が設定される可変操作手段と、を備え、前記他のレンズ装置は、前記可変操作手段が操作されるたびに、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させるレンズ駆動制御手段を有することを特徴とする立体撮影用レンズシステムを開示した。
【0059】
前記立体撮影用レンズシステムの一例では、前記オートフォーカス結果に対応したフォーカスレンズ位置に前記オフセット値を加算するか否かを切り替える補正切替手段を備えたことを特徴とする。
【0060】
前記立体撮影用レンズシステムの一例では、前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせる第1のフォーカスモードであるか前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせない第2のフォーカスモードであるかを切り替えるフォーカスモード切替手段と、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置の絶対値の設定操作を受け付ける絶対値設定操作手段と、を備え、前記第2のフォーカスモードである場合、前記一つのレンズ装置は、オートフォーカスの動作を行わず、前記絶対値設定操作手段が操作されるたびに、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値で示される位置に、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズを移動させ、前記他のレンズ装置は、前記絶対値設定操作手段および前記可変操作手段のいずれか一方が操作されるたびに、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させることを特徴とする。
【0061】
前記立体撮影用レンズシステムの一例では、前記フォーカス制御手段は、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置を出力し、前記他のレンズ装置は、前記他のレンズ装置に前記可変操作手段を備えた装置が接続されると、前記オートフォーカス結果に対応したフォーカスレンズ位置に前記可変操作手段から出力されるオフセット値を加算することを特徴とする。
【0062】
前記立体撮影用レンズシステムの一例では、前記可変操作手段は前記フォーカス制御手段に設けられており、前記フォーカス制御手段は、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段から出力されるオフセット値との合計値を出力し、前記他のレンズ装置は、前記フォーカス制御手段から前記合計値を取得することを特徴とする。
【0063】
前記立体撮影用レンズシステムの一例では、前記フォーカス制御手段は、このフォーカス制御手段に前記可変操作手段を備えた装置が接続されている場合、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段から出力されるオフセット値との合計値を出力し、前記他のレンズ装置は、前記フォーカス制御手段から前記合計値を取得することを特徴とする。
【0064】
前記立体撮影用レンズシステムの一例では、前記複数のレンズ装置と前記フォーカス制御手段との通信を中継するジョイント装置であって、前記可変操作手段が設けられ、前記フォーカス制御手段から出力される前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段に現在設定されているオフセット値との合計値を出力するジョイント装置を備え、前記他のレンズ装置は、前記ジョイント装置から前記合計値を取得することを特徴とする。
【0065】
前記立体撮影用レンズシステムの一例では、前記オートフォーカスの動作をする前記一つのレンズ装置と前記可変操作手段を備えた装置とが接続されると、前記オフセット値を加算する補正機能の無効化、又はアラーム出力を行うことを特徴とする。
【0066】
複数のレンズ装置を制御する立体撮影用レンズ制御装置において、前記複数のレンズ装置のうちいずれか一つのレンズ装置でオートフォーカスの動作をさせて、そのオートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を取得する第1のフォーカス制御手段と、前記複数のレンズ装置のうちオートフォーカスの動作をしない他のレンズ装置のフォーカスレンズ位置の変更操作を受け付ける可変操作手段であって、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を基準としたオフセット値が設定される可変操作手段と、前記可変操作手段が操作されるたびに、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させる第2のフォーカス制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0067】
前記立体撮影用レンズ制御装置の一例では、前記一つのレンズ装置のオートフォーカス結果に対応したフォーカスレンズ位置に前記オフセット値を加算するか否かを切り替える補正切替手段を備えたことを特徴とする。
【0068】
前記立体撮影用レンズ制御装置の一例では、前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせる第1のフォーカスモードであるか前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせない第2のフォーカスモードであるかを検出するフォーカスモード検出手段と、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置の絶対値の設定操作を受け付ける絶対値設定操作手段と、を備え、前記第2のフォーカスモードである場合、オートフォーカスの動作を行わず、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズを、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値で示される位置に移動させ、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に移動させることを特徴とする。
【0069】
複数のレンズ装置を制御する立体撮影用レンズ制御方法において、前記複数のレンズ装置のうちいずれか一つのレンズ装置でオートフォーカスの動作をさせて、そのオートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を取得するステップと、前記複数のレンズ装置のうちオートフォーカスの動作をしない他のレンズ装置のフォーカスレンズ位置の変更操作を受け付ける可変操作手段により、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を基準としたオフセット値が設定されるステップと、前記可変操作手段が操作されるたびに、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させるステップと、を備えたことを特徴とする。
【0070】
前記立体撮影用レンズ制御方法の一例では、前記オートフォーカス結果に対応したフォーカスレンズ位置に前記オフセット値を加算するか否かを切り替える補正切替スイッチを用い、前記補正切替スイッチがオンである場合には前記オフセット値を加算した合計値で示される位置に前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させ、前記補正スイッチがオフである場合には前記オフセット値を加算しない値で示される位置に前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させることを特徴とする。
【0071】
前記立体撮影用レンズ制御方法の一例では、前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせる第1のフォーカスモードであるか前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせない第2のフォーカスモードであるかを切り替えるフォーカスモード切替手段と、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置の絶対値の設定操作を受け付ける絶対値設定操作手段とを用い、前記第2のフォーカスモードである場合、前記一つのレンズ装置では、オートフォーカスの動作を行わず、前記絶対値設定操作手段が操作されるたびに、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値で示される位置に、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズを移動させ、前記他のレンズ装置では、前記絶対値設定操作手段および前記可変操作手段のいずれか一方が操作されるたびに、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させることを特徴とする。
【0072】
前記立体撮影用レンズ制御方法の一例では、前記オートフォーカスの動作をさせる前記一つのレンズ装置に前記可変操作手段を備えた装置が接続されると、前記オフセット値を加算する補正機能の無効化、又はアラーム出力を行うことを特徴とする。
【0073】
本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0074】
10L,10R…レンズ装置、20L,20R…カメラ、30…フォーカスコントローラ、32…フォーカス操作ノブ(絶対値設定操作手段)、50…左右差補正装置、52…フォーカス補正ボリウム(可変操作手段)、56…フォーカス補正スイッチ、62…ジョイントボックス、64…電子ビューファインダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカスレンズを有する複数のレンズ装置と、
前記複数のレンズ装置のうちいずれか一つのレンズ装置でオートフォーカスの動作をさせて、そのオートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を取得するフォーカス制御手段と、
前記複数のレンズ装置のうちオートフォーカスの動作をしない他のレンズ装置のフォーカスレンズ位置の変更操作を受け付ける可変操作手段であって、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を基準としたオフセット値が設定される可変操作手段と、
を備え、
前記他のレンズ装置は、前記可変操作手段が操作されるたびに、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させるレンズ駆動制御手段を有することを特徴とする立体撮影用レンズシステム。
【請求項2】
前記オートフォーカス結果に対応したフォーカスレンズ位置に前記オフセット値を加算するか否かを切り替える補正切替手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の立体撮影用レンズシステム。
【請求項3】
前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせる第1のフォーカスモードであるか前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせない第2のフォーカスモードであるかを切り替えるフォーカスモード切替手段と、
前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置の絶対値の設定操作を受け付ける絶対値設定操作手段と、
を備え、
前記第2のフォーカスモードである場合、前記一つのレンズ装置は、オートフォーカスの動作を行わず、前記絶対値設定操作手段が操作されるたびに、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値で示される位置に、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズを移動させ、前記他のレンズ装置は、前記絶対値設定操作手段および前記可変操作手段のいずれか一方が操作されるたびに、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の立体撮影用レンズシステム。
【請求項4】
前記フォーカス制御手段は、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置を出力し、
前記他のレンズ装置は、前記他のレンズ装置に前記可変操作手段を備えた装置が接続されると、前記オートフォーカス結果に対応したフォーカスレンズ位置に前記可変操作手段から出力されるオフセット値を加算することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の立体撮影用レンズシステム。
【請求項5】
前記可変操作手段は前記フォーカス制御手段に設けられており、
前記フォーカス制御手段は、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段から出力されるオフセット値との合計値を出力し、
前記他のレンズ装置は、前記フォーカス制御手段から前記合計値を取得することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の立体撮影用レンズシステム。
【請求項6】
前記フォーカス制御手段は、このフォーカス制御手段に前記可変操作手段を備えた装置が接続されている場合、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段から出力されるオフセット値との合計値を出力し、
前記他のレンズ装置は、前記フォーカス制御手段から前記合計値を取得することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の立体撮影用レンズシステム。
【請求項7】
前記複数のレンズ装置と前記フォーカス制御手段との通信を中継するジョイント装置であって、前記可変操作手段が設けられ、前記フォーカス制御手段から出力される前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段に現在設定されているオフセット値との合計値を出力するジョイント装置を備え、
前記他のレンズ装置は、前記ジョイント装置から前記合計値を取得することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の立体撮影用レンズシステム。
【請求項8】
前記オートフォーカスの動作をする前記一つのレンズ装置と前記可変操作手段を備えた装置とが接続されると、前記オフセット値を加算する補正機能の無効化、またはアラーム出力を行うことを特徴とする請求項4に記載の立体撮影用レンズシステム。
【請求項9】
複数のレンズ装置を制御する立体撮影用レンズ制御装置であって、
前記複数のレンズ装置のうちいずれか一つのレンズ装置でオートフォーカスの動作をさせて、そのオートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を取得する第1のフォーカス制御手段と、
前記複数のレンズ装置のうちオートフォーカスの動作をしない他のレンズ装置のフォーカスレンズ位置の変更操作を受け付ける可変操作手段であって、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を基準としたオフセット値が設定される可変操作手段と、
前記可変操作手段が操作されるたびに、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させる第2のフォーカス制御手段と、
を備えたことを特徴とする立体撮影用レンズ制御装置。
【請求項10】
前記一つのレンズ装置のオートフォーカス結果に対応したフォーカスレンズ位置に前記オフセット値を加算するか否かを切り替える補正切替手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載の立体撮影用レンズ制御装置。
【請求項11】
前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせる第1のフォーカスモードであるか前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせない第2のフォーカスモードであるかを検出するフォーカスモード検出手段と、
前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置の絶対値の設定操作を受け付ける絶対値設定操作手段と、
を備え、
前記第2のフォーカスモードである場合、オートフォーカスの動作を行わず、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズを、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値で示される位置に移動させ、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に移動させることを特徴とする請求項9または10に記載の立体撮影用レンズ制御装置。
【請求項12】
複数のレンズ装置を制御するレンズ制御方法であって、
前記複数のレンズ装置のうちいずれか一つのレンズ装置でオートフォーカスの動作をさせて、そのオートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を取得するステップと、
前記複数のレンズ装置のうちオートフォーカスの動作をしない他のレンズ装置のフォーカスレンズ位置の変更操作を受け付ける可変操作手段により、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置を基準としたオフセット値が設定されるステップと、
前記可変操作手段が操作されるたびに、前記オートフォーカスの結果に対応したフォーカスレンズ位置と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させるステップと、
を備えたことを特徴とする立体撮影用レンズ制御方法。
【請求項13】
前記オートフォーカス結果に対応したフォーカスレンズ位置に前記オフセット値を加算するか否かを切り替える補正切替スイッチを用い、前記補正切替スイッチがオンである場合には前記オフセット値を加算した合計値で示される位置に前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させ、前記補正スイッチがオフである場合には前記オフセット値を加算しない値で示される位置に前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させることを特徴とする請求項12に記載の立体撮影用レンズ制御方法。
【請求項14】
前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせる第1のフォーカスモードであるか前記一つのレンズ装置にオートフォーカスの動作をさせない第2のフォーカスモードであるかを切り替えるフォーカスモード切替手段と、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズ位置の絶対値の設定操作を受け付ける絶対値設定操作手段とを用い、
前記第2のフォーカスモードである場合、前記一つのレンズ装置では、オートフォーカスの動作を行わず、前記絶対値設定操作手段が操作されるたびに、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値で示される位置に、前記一つのレンズ装置のフォーカスレンズを移動させ、前記他のレンズ装置では、前記絶対値設定操作手段および前記可変操作手段のいずれか一方が操作されるたびに、前記絶対値設定操作手段により現在設定されている絶対値と前記可変操作手段により現在設定されているオフセット値との合計値で示される位置に、前記他のレンズ装置のフォーカスレンズを移動させることを特徴とする請求項12または13に記載の立体撮影用レンズ制御方法。
【請求項15】
前記オートフォーカスの動作をさせる前記一つのレンズ装置に前記可変操作手段を備えた装置が接続されると、前記オフセット値を加算する補正機能の無効化、またはアラーム出力を行うことを特徴とする請求項12から14のうちいずれか1項に記載の立体撮影用レンズ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−194352(P2012−194352A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58075(P2011−58075)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】