端末装置及びプログラム
【課題】SBCシステムで、クライアント側での処理に大きな負荷が掛かることなく、ユーザ操作に伴うサーバ側との通信データ量を大幅に削減し、操作レスポンスを向上する。
【解決手段】クライアント装置20からの入力イベントに応じてサーバ装置にて起動されたアプリケーションプログラムに基づきクライアント表示用の描画データGが生成されると、これと共に該描画データGに含まれる操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…の領域情報(E1)(E2)…が取得されてその領域通知情報CEが生成され描画データGと共にクライアント装置20へ送信される。クライアント装置20で前記入力イベントに応じた描画データGが受信表示された状態で該描画データGに含まれる有効オブジェクト領域EnへポインタPを移動操作すると、前記領域通知情報CEに基づきポインタPが有効オブジェクト領域Enに移動されたときのみその領域情報(En)が入力イベントとしてサーバ装置10へ送信される。
【解決手段】クライアント装置20からの入力イベントに応じてサーバ装置にて起動されたアプリケーションプログラムに基づきクライアント表示用の描画データGが生成されると、これと共に該描画データGに含まれる操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…の領域情報(E1)(E2)…が取得されてその領域通知情報CEが生成され描画データGと共にクライアント装置20へ送信される。クライアント装置20で前記入力イベントに応じた描画データGが受信表示された状態で該描画データGに含まれる有効オブジェクト領域EnへポインタPを移動操作すると、前記領域通知情報CEに基づきポインタPが有効オブジェクト領域Enに移動されたときのみその領域情報(En)が入力イベントとしてサーバ装置10へ送信される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ−クライアントシステムにおいて、クライアント装置からのリモート操作によりサーバ装置側で所望のアプリケーションプログラムを起動実行させるようにしたSBC(Server Based Computing)システムのサーバ装置、クライアント装置、サーバベースコンピューティングシステム、サーバ制御プログラム、クライアント制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にSBCシステムでは、クライアント装置のユーザ操作に応じたキー出力信号やマウス出力信号などが、その信号発生の都度イベント信号としてサーバ装置へ送信される。そしてサーバ装置では、前記クライアント装置からのイベント信号に応じたアプリケーションプログラムを実行させ、これに伴い生成された表示用の描画データをその描画更新の都度クライアント装置へ転送して表示させる。
【0003】
このようにSBCシステムでは、クライアント装置にてユーザ操作が行われる都度、そのイベント信号がサーバ装置へ送信される。このため、多数のクライアント装置からのイベント信号を処理するサーバ装置では、当該イベント処理の負荷が非常に大きくなり、クライアント装置から見た操作レスポンスが低下してしまう。
【0004】
そこで、従来のSBCシステムにおいて、クライアント装置にかな漢字変換のエミュレータ機能を持たせることで、テキスト入力時においてその入力すべき文字が確定するまでの処理を当該クライアント装置の内部で行い、サーバ装置におけるイベント処理の負荷を削減したものが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、従来のSBCシステムにおけるサーバ装置とクライアント装置との間での通信において、GUI(Graphic User Interface)のコンポーネント単位でコマンドを定義し、GUIコンポーネントのプロパティ値およびGUIコンポーネントに対するユーザの操作を表すコマンドを通信することにより、通信データ量を削減して迅速なGUIのレスポンスを実現したものが考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−323402号公報
【特許文献2】特開2005−228227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来のSBCシステムにおいて、サーバ装置におけるイベント処理の負荷を削減したり、サーバ装置とクライアント装置間での通信データ量を削減したりするものは、その何れの場合もサーバ装置側で行っていた処理の一部をクライアント装置側で肩代わりして行うものである。このため、当該クライアント装置側での処理に大きな負荷が掛かり、SBCシステムとしての本来の機能が損なわれる問題がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、クライアント装置側での処理に大きな負荷が掛かることなく、ユーザ操作に伴うサーバ装置との通信データ量を大幅に削減し、当該クライアント装置から見た操作レスポンスを向上することが可能になるサーバ装置、クライアント装置、サーバベースコンピューティングシステム、サーバ制御プログラム、クライアント制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載のサーバ装置は、ネットワークを介したクライアント装置からの入力イベントに基づいてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバ装置であって、前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段と、この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段と、前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載のクライアント装置は、ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信するクライアント装置であって、前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段と、前記画面情報を表示する表示手段と、ユーザ操作に応じて前記表示手段により表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段と、この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段と、この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載のサーバベースコンピューティングシステムは、ネットワークを介して接続されたサーバ装置とクライアント装置とを有し、クライアント装置からの入力イベントに応じてサーバ装置により実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を前記クライアント装置へ送信して表示させるようにしたサーバベースコンピューティングシステムであって、
前記サーバ装置は、前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段と、この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段と、前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段とを備え、
前記クライアント装置は、前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段と、前記画面情報を表示する表示手段と、ユーザ操作に応じて前記表示手段により表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段と、この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段と、この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段とを備えた、ことを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載のサーバ制御プログラムは、ネットワークを介したクライアント装置からの入力イベントに基づいてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバ装置のコンピュータを制御するためのサーバ制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段、この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段、前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段、として機能させることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載のクライアント制御プログラムは、ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信するクライアント装置のコンピュータを制御するためのクライアント制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段、前記画面情報を表示部に表示させる表示制御手段、ユーザ操作に応じて前記表示部に表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段、この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段、この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、クライアント装置側での処理に大きな負荷が掛かることなく、ユーザ操作に伴うサーバ装置との通信データ量を大幅に削減し、当該クライアント装置から見た操作レスポンスを向上することが可能になるサーバ装置、クライアント装置、サーバベースコンピューティングシステム、サーバ制御プログラム、クライアント制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るSBC(Server Based Computing)システムの構成を示すブロック図。
【図2】前記SBCシステムにおけるサーバ装置10の回路構成を示すブロック図。
【図3】前記SBCシステムにおけるクライアント装置20の回路構成を示すブロック図。
【図4】前記SBCシステムにおけるサーバ装置10にて生成されクライアント装置20に送信転送されて表示される描画データGの一例を示す図。
【図5】前記SBCシステムにおけるサーバ装置10にて生成された表示用の描画データGと共にクライアント装置20へ送信される有効オブジェクト領域通知情報CEのフォーマットを示す図。
【図6】前記SBCシステムにおけるサーバ装置10のサーバ処理を示すフローチャート。
【図7】前記SBCシステムにおけるサーバ装置10のサーバ処理に伴う入力対応処理を示すフローチャート。
【図8】前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理を示すフローチャート。
【図9】前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴うデータ受信処理を示すフローチャート。
【図10】前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴う操作判別処理を示すフローチャート。
【図11】前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴うデータ送信処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るSBC(Server Based Computing)システムの構成を示すブロック図である。
【0018】
このSBCシステムは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)からなるネットワークN上に接続されたサーバ装置10および複数のクライアント装置(Thin client)20,…を備える。
【0019】
サーバ装置10は、文書作成処理プログラム,表計算処理プログラム,プレゼン資料作成プログラム,メール処理プログラム,インターネット接続処理プログラム、Web表示プログラムなど、複数のアプリケーションプログラムを有し、当該サーバ装置10に接続されたクライアント装置20,…からの操作入力(入力イベント)信号に応じて起動しその処理を実行する。
【0020】
このサーバ装置10において、クライアント装置20,…からの操作入力信号に応じたアプリケーションプログラムの実行に伴い、クライアント用のフレームバッファRAM14a(図2参照)上に生成された表示出力用の描画データGは、圧縮処理された後アクセス元のクライアント装置20,…へ送信(転送)される。
【0021】
そして、クライアント装置20,…では、前記サーバ装置10から転送された描画データGがその圧縮を解凍されてフレームバッファ25(図3参照)に展開され、表示装置26に表示される。
【0022】
つまり、このSBCシステムにおける各クライアント装置(Thin client)20,…は、何れもキーボード及びマウスなどのユーザ操作に応じた入力機能とLCD表示部及びプリンタなどへの出力機能を主要な機能として有し、少なくとも前記サーバ装置10が有している各種のアプリケーション機能やデータファイルの管理機能を一切持っていない。
【0023】
そして、クライアント装置20,…からの操作入力(入力イベント)信号に応じてサーバ装置10にて起動実行される各種の処理に伴い生成されたデータファイルは、基本的には、当該サーバ装置10内あるいは該サーバ装置10にて接続管理される磁気ディスクなどの記憶装置にユーザアカウント毎あるいは共有ファイルとして記憶され保存される。
【0024】
図2は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10の回路構成を示すブロック図である。
【0025】
サーバ装置10は、コンピュータとしてのCPU11を備え、このCPU11には、バス12を介してROM13、RAM14、フレームバッファRAM15、表示装置16が接続される。
【0026】
また、CPU11には、バス12を介してキーボード,マウスなどの入力装置17、外部記憶装置18a、補助記憶装置18b、クライアント装置20,…との通信I/F(インターフェイス)19が接続される。
【0027】
CPU11は、ROM13に予め記憶されているシステムプログラムや種々のアプリケーションプログラムに従ってRAM14を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置17からのキー入力信号や通信I/F19を介して受信されるクライアント装置20からのユーザ操作に応じた処理指令(入力イベント)信号などに応じて前記種々のプログラムが起動・実行される。
【0028】
このサーバ装置10において、クライアント装置20からの入力イベント信号に応じて起動・実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された種々のデータは、例えばそのユーザIDに対応付けられて外部記憶装置18aに記憶される。またクライアント表示用の描画データGは、RAM14内のクライアント用フレームバッファRAM14aを使用して生成されると共に、圧縮処理された後、通信I/F19からクライアント装置20へ転送されて表示出力される。
【0029】
前記クライアント用フレームバッファRAM14aに表示用の描画データGが生成されると、当該描画データGに含まれるチェックボックスやリンク先指示ボタンなどの操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…(図4参照)の領域情報(E1)(E2)…が、当該描画データGを生成した前記アプリケーションプログラムに基づき取得され、後述する有効オブジェクト領域通知情報CE(図5参照)として前記描画データGと共にクライアント装置20へ転送される。
【0030】
なお、当該サーバ装置10自身の表示装置16にて表示させるための描画データは、フレームバッファRAM15上に生成される。
【0031】
図3は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20の回路構成を示すブロック図である。
【0032】
クライアント装置20は、コンピュータとしてのCPU21を備え、このCPU21には、バス22を介してROM23、RAM24、フレームバッファRAM25が接続される。そして、このフレームバッファRAM25に書き込まれた描画データGが表示装置26に出力されて表示される。
【0033】
また、CPU21には、バス22を介してキーボード,マウス,マイク,光センサなどの入力装置27、外部記憶装置28a、補助記憶装置28b、前記サーバ装置10との通信I/F(インターフェイス)29が接続される。
【0034】
CPU21は、ROM23に予め記憶されているシステムプログラムに従ってRAM24を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置27からのキー入力信号やマウス移動信号、通信I/F29を介して受信されるサーバ装置10からのアプリケーション応答信号や転送描画データGなどに応じて前記システムプログラムが起動され実行される。
【0035】
このクライアント装置20において、前記サーバ装置10におけるアプリケーションプログラムを実行させて生成した種々のデータは、適宜、外部記憶装置28aに読み込ませて記憶させ、また生成転送された表示用の描画データGは、その圧縮が解凍されてフレームバッファRAM25に書き込まれ表示装置26で表示出力される。
【0036】
なお、前記作業用メモリとして機能するRAM24には、前記フレームバッファRAM25に書き込まれた表示用の描画データGに含まれるチェックボックスやリンク先指示ボタンなどの操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…(図4参照)の領域情報(E1)(E2)…を記述した操作可能オブジェクト領域DB(Data Base)24aが生成される。この操作可能オブジェクト領域DB24aは、前記サーバ装置10にて生成された表示用の描画データGと共に転送されてくる後述の有効オブジェクト領域通知情報CE(図5参照)に従い更新される。
【0037】
図4は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10にて生成されクライアント装置20に送信転送されて表示される描画データGの一例を示す図である。
【0038】
クライアント装置20で表示される描画データGには、例えばチェックボックスやリンク先指示ボタンなどの操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…が含まれる。これらの操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…は、表示画面上に表示されるポインタPを当該オブジェクト領域E1,E2,…に移動させて指示することによりその機能が有効になる。つまり、ポインタPが前記操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…以外の領域に存在する状態では、何も機能が有効になることはない。
【0039】
図5は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10にて生成された表示用の描画データGと共にクライアント装置20へ送信される有効オブジェクト領域通知情報CEのフォーマットを示す図である。
【0040】
この有効オブジェクト領域通知情報CEには、そのヘッダ部分に当該有効オブジェクト領域通知情報CEの識別子「イベントID」Cおよび「データサイズ」Dが記述される。そして、データ部分には、前記生成された表示用の描画データGに含まれる操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…それぞれの領域情報(E1)(E2)…(En)が、当該各オブジェクト領域Enの開始座標と終了座標の組み合わせとして記述され、さらに当該各領域情報(E1)(E2)…(En)それぞれに対応付けられてその属性情報E1i,E2i,…,Eniが、前回の描画更新時における表示用描画データG(i-1)に対する領域Enの追加または消去として記述される。そして、前記データ部分の先頭には、前記描画データGに対応した各領域情報(E1)(E2)…(En)の個数Nが記述される。
【0041】
次に、前記構成のSBCシステムの動作について説明する。
【0042】
図6は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10のサーバ処理を示すフローチャートである。
【0043】
通信I/F19によるクライアント装置20からのデータ受信待ちの状態において(ステップS1)、データが受信されると(ステップS2)、この受信されたデータの内容がログインを要求するイベント信号であるか否か判断される(ステップS3)。
【0044】
ここで、クライアント装置20からのログインを要求するイベント信号が受信されたと判断されると(ステップS3(Yes))、当該ログイン要求送信元のクライアント装置20のログイン処理が実行され、ユーザ認証処理、クライアント用フレームバッファRAM14aの初期化処理などが行われる(ステップS4)。
【0045】
一方、既にログイン処理されたクライアント装置20からのデータが受信された際に(ステップS1,S2)、当該クライアント装置20のユーザ操作に伴う入力イベント信号が受信されたと判断されると(ステップS3(No)→S5(Yes))、図7における入力対応処理へ移行される(ステップSA)。
【0046】
なお、前記クライアント装置20からのデータが受信された際に(ステップS1,S2)、当該受信データの内容がログイン要求のイベント信号でもユーザ入力のイベント信号でもないと判断された場合には(ステップS3(No)→S5(No))、当該受信データの内容に応じた他の処理が実行される(ステップS6)。
【0047】
図7は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10のサーバ処理に伴う入力対応処理を示すフローチャートである。
【0048】
この入力対応処理では、先ず、クライアント装置20から受信された入力イベント信号の内容が解析され(ステップA1)、この解析されたイベント信号の内容に応じて実行すべきアプリケーションプログラムに対するイベントが発行される(ステップA2)。
【0049】
そして、前記入力イベント信号に応じたアプリケーションプログラムの実行に伴い、表示用描画データGの生成処理が含まれるか否か判断される(ステップA3)。ここで、表示用描画データGの生成処理が含まれると判断された場合には(ステップA3(Yes))、その描画データGがクライアント用フレームバッファRAM14aに描画されて生成される(ステップA4)。
【0050】
すると、前記表示用の描画データGを描画生成したアプリションプログラムに対して、当該描画データGにおいてチェックボックスやリンク先指示ボタンなどのユーザ操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…が含まれるか否か問い合わせされて判断される(ステップA5,A6)。
【0051】
ここで、前記図4で示したように、表示用の描画データGにおいてユーザ操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…が含まれると判断された場合には(ステップA6(Yes))、当該有効オブジェクト領域E1,E2,…それぞれの左上の座標である開始座標および右下の座標である終点座標からなる領域情報(E1)(E2)…が取得される(ステップA7)。
【0052】
すると、前記図5で示したように、ヘッダ部分に識別子「イベントID」Cおよび「データサイズ」D、データ部分に前記ステップA7にて取得された有効オブジェクト領域E1,E2,…,Enそれぞれの領域情報(E1)(E2)…(En)およびその属性情報E1i,E2i,…,Eniをフォーマットした有効オブジェクト領域通知情報CEが生成される(ステップA8)。
【0053】
そして、前記ステップA4にてクライアント用フレームバッファRAM14aに描画生成された表示用の描画データGと、当該描画データGに対応して前記ステップA8にて生成された有効オブジェクト領域通知情報CEとが、前記入力イベント信号の送信元であるクライアント装置20へ送信される(ステップA9)。
【0054】
これによりサーバ装置10では、クライアント装置20から受信された入力イベント信号に応じた表示用の描画データGが生成される毎に、当該描画データGに対応した有効オブジェクト領域通知情報CEが生成され、クライアント装置20へ応答送信されることになる。
【0055】
図8は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理を示すフローチャートである。
【0056】
クライアント装置20の電源が投入されると、前記サーバ装置10に対する通信が開始されてログイン要求が送信され(ステップB1)、ユーザ認証処理やメモリ初期化処理などを含むサーバ装置10との接続確立のための処理が行われる(ステップB2)。
【0057】
すると、前記サーバ装置10からのデータ受信待機状態となり(ステップB3)、当該サーバ装置10から受信されたデータが解析されることで(ステップB4)、前記ログイン要求に伴うサーバ装置10との接続が確立されたか否か判断される(ステップB5)。
【0058】
サーバ装置10との接続が確立されたと判断されると(ステップB5(Yes))、クライアント装置20自身のユーザ操作に伴う入力イベント発生、あるいはサーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベント発生の待機状態になる(ステップB6)。
【0059】
このイベント発生の待機状態において、クライアント装置10からのデータ受信に伴う受信イベントが発生したと判断されると(ステップB7(Yes))、図9におけるデータ受信処理へ移行される(ステップBC)。
【0060】
図9は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴うデータ受信処理を示すフローチャートである。
【0061】
このデータ受信処理では、先ず前記サーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベントの内容について、表示用の描画データGを受信した描画イベントであるか否か判断される(ステップC1)。
【0062】
ここで、前記サーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベントの内容が表示用の描画データG(図4参照)を受信した描画イベントであると判断されると(ステップC1(Yes))、当該受信された描画データGはフレームバッファRAM25に書き込まれ、表示装置26に対する描画処理が実行される(ステップC2)。
【0063】
すると、前記サーバ装置10から表示用の描画データGが受信されたことに伴い、当該描画データGに対応した有効オブジェクト領域通知情報CE(図5参照)が受信されたか否か判断される(ステップC3)。
【0064】
ここで、前記表示用の描画データGと共にその有効オブジェクト領域通知情報CEが受信されたと判断されると(ステップC3(Yes))、当該有効オブジェクト領域通知情報CEはRAM24に一時記憶され、同RAM24に記憶されている操作可能オブジェクト領域DB24a内の各領域情報が更新される(ステップC4)。
【0065】
ここで、前記操作可能オブジェクト領域DB24aの更新処理について説明する。
【0066】
先ず、前記RAM24内の操作可能オブジェクト領域DB24aには、前記フレームバッファRAM25に書き込まれた前回の表示用の描画データGに含まれる有効オブジェクト領域E1,E2,…の領域情報(E1)(E2)…が記憶されているが、当該操作可能オブジェクト領域DB24aに対して、今回新たに受信されてフレームバッファRAM25に書き込まれた描画データG(図4参照)に対応する有効オブジェクト領域通知情報CEにて追加の属性情報Eniを有しているところの領域情報(En)が追加で保存され、また消去の属性情報Eniを有しているところの領域情報(En)が削除される(ステップC4)。
【0067】
つまり、SBCシステムにおいてクライアント装置20からの入力イベントに応じてサーバ装置10にて生成される描画データGは、例えば前回の入力イベントに応じて既にクライアント装置20にて表示されている1画面の描画データと比較して、画像が更新された部分を含む矩形領域の描画データGとして生成されるので、前記RAM24内の操作可能オブジェクト領域DB24aにおいて、描画更新されていない範囲の描画データに対応するところの各有効オブジェクト領域情報(En)はそのまま維持され、描画更新された範囲の描画データGに対応するところの各有効オブジェクト領域情報(En)のみ、当該描画データGに対応する有効オブジェクト領域通知情報CEに従い追加で保存または削除される。
【0068】
これにより、表示用描画データGの更新の都度、画面全体に対応する操作可能オブジェクト領域DB24aの全ての領域情報(En)を更新させる必要がなくなる。そして、クライアント装置20にて表示中の1画面の描画データGに含まれる全ての操作可能オブジェクト領域E1,E2,…について、その領域情報(E1)(E2)…を常に前記操作可能オブジェクト領域DB24aにて記憶管理しておくことができる。
【0069】
一方、前記ステップB6におけるイベント発生の待機状態において、ユーザ操作に伴う特定の入力イベント(特殊操作イベント)が発生したと判断されると(ステップB8(Yes))、図10における操作判別処理へ移行される(ステップBD)。
【0070】
この特定の入力イベント(特殊操作イベント)とは、表示画面上のポインタPにより任意の有効オブジェクト領域Enを指示する際に、例えば当該ポインタPの現在位置に対してユーザが指示すべき所望の有効オブジェクト領域Enが画面内上方向にある場合に、「shift+カーソル[↑]」を使用したキー操作イベントであることを示し、また当該ポインタPの現在位置に対してユーザが指示すべき所望の有効オブジェクト領域Enが画面内下方向にある場合に、「shift+カーソル[↓]」を使用したキー操作イベントであることを示し、また当該ポインタPの現在位置に対してユーザが指示すべき所望の有効オブジェクト領域Enが画面内右方向にある場合に、「shift+カーソル[→]」を使用したキー操作イベントであることを示し、さらに当該ポインタPの現在位置に対してユーザが指示すべき所望の有効オブジェクト領域Enが画面内左方向にある場合に、「shift+カーソル[←]」を使用したキー操作イベントであることを示す。
【0071】
図10は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴う操作判別処理を示すフローチャートである。
【0072】
この操作判別処理では、先ず表示装置26の画面上に表示されているマウスポインタPの現在位置の座標が取得される(ステップD1)。そして、前記特殊操作に応じたポインタPの移動方向が判別される(ステップD2)。
【0073】
すると、前記RAM24の操作可能オブジェクト領域DB24aから、現在表示中の描画データG(例えば図4参照)において、前記カーソルキーの操作に応じてポインタPの移動すべき方向に存在する有効オブジェクト領域Enの領域情報(En)が取得され(ステップD3)、この有効オブジェクト領域EnのポインタPによる指示が判別されることで、当該ポインタPが移動すべき位置の座標情報(=En)が抽出される(ステップD4)。
【0074】
なお、通常のマウス操作によってポインタPを移動操作した場合でも、当該ポインタPによる前記有効オブジェクト領域Enの指示が判別された場合にのみ、その有効オブジェクト領域Enに対応する座標情報(=En)が抽出される(ステップD4)。
【0075】
すると、前記操作判別処理(ステップD1〜D4)により判別されて抽出されたポインタPの移動すべき位置の座標情報(=En)が、前記現在表示中の描画データGにおける何れかの有効オブジェクト領域Enに対応するものか否かにより当該ユーザ操作に伴う特定の入力イベント(特殊操作イベント)が有効であるか否か判断される(ステップB9)。
【0076】
ここで、ユーザ操作に伴う特定の入力イベントが有効であると判断されると(ステップB9(Yes))、図11におけるデータ送信処理へ移行される(ステップBF)。
【0077】
図11は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴うデータ送信処理を示すフローチャートである。
【0078】
このデータ送信処理では、前記操作判別処理(ステップBD)により判別されて抽出された現在表示中の描画データGにおける、ポインタPの移動操作に伴う有効オブジェクト領域Enの座標情報(En)から、入力イベントの種別が判定される(ステップF1)。
【0079】
すると、前記種別判定された入力イベントに対応するイベント信号と共に前記ポインタPの移動すべき位置の座標情報を含んだ送信データが生成され(ステップF2)、サーバ装置10に対して送信される(ステップF3)。
【0080】
この際、前記クライアント装置20では、前記ポインタPの移動操作に伴う、例えばマウスの移動操作に応じて逐次変化する座標情報を繰り返しサーバ装置10へ送信する必要はなく、当該ポインタPが移動すべき1つの有効オブジェクト領域Enの座標情報(En)とそのイベント種別だけを送信すればよいので、サーバ装置10に対するクライアント装置20からの通信負荷は大幅に削減される。
【0081】
すると、サーバ装置10では、前記クライアント装置20からの入力イベントの入力判断に従った入力対応処理(ステップS5→SA)により、ポインタPが前記移動すべき1つの有効オブジェクト領域Enに移動した状態での表示用描画データGが更新生成され(ステップA1〜A4)、この表示用描画データGと共に当該描画データGに対応した有効オブジェクト領域通知情報CEが取得されクライアント装置11へ送信される(ステップA5〜A9)。
【0082】
これにより、クライアント装置20では、前記サーバ装置10からのデータ受信イベントの判断に従ったデータ受信処理(ステップB7→BC)により、ポインタPが前記移動すべき1つの有効オブジェクト領域Enに移動した状態での表示用描画データGが描画されて表示される(ステップC1,C2)。
【0083】
ここで、前記例えば「shift+カーソル[→]」による特定の入力操作が行われた場合は、ポインタPは直ちにユーザ所望の有効オブジェクト領域Enに移動されて表示されるので、例えば本クライアント装置10が携帯端末であってその表示装置26の表示画面がとても小さい場合でも、簡単確実にその有効オブジェクト領域Enを指定することができ、正確なユーザ入力が可能になる。
【0084】
一方、前記ステップB6におけるイベント発生の待機状態において、ユーザ操作に伴うその他の入力イベントが発生したと判断された場合には(ステップB10(Yes))、前記図11で示したデータ送信処理へ移行され(ステップBF)、当該ユーザ操作に伴うその他の入力イベントの種別に応じたサーバ装置10へのイベント送信が実行される(ステップF1〜F3)。
【0085】
したがって、前記構成のSBCシステムによれば、クライアント装置20からサーバ装置10に対して入力イベント信号が受信されると、サーバ装置10では、その入力イベントに応じたアプリケーションプログラムの起動によりクライアント表示用の描画データGが生成される。これと共に、当該描画データGに含まれるチェックボックスやリンク先指示ボタンなどのユーザ操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…の領域情報(E1)(E2)…が取得されて有効オブジェクト領域通知情報CEが生成され、前記描画データGと共にクライアント装置20へ送信される。そしてクライアント装置20において、前記入力イベントに応じた描画データGが受信されて表示された状態で、当該描画データGに含まれる有効オブジェクト領域EnへポインタPを移動させると、前記有効オブジェクト領域通知情報CEに基づき当該ポインタPが移動されて指示される有効オブジェクト領域Enの領域情報(En)だけがサーバ装置10へ送信される。
【0086】
よって、クライアント装置20でのポインタPの移動操作に伴い、その移動途中にある画面座標情報の全てが逐一サーバ装置10へ送信されることなく、当該ポインタPの移動操作位置が前記有効オブジェクト領域Enの領域情報(En)に対応する位置にある時だけその領域情報(En)がサーバ装置10へ送信されるので、サーバ装置10に対するクライアント装置20からの通信負荷を大幅に削減でき、当該クライアント装置20から見た操作レスポンスを向上できる。しかも、前記ポインタPが有効オブジェクト領域Enの領域情報(En)に示される位置以外にある時は、当該ポインタPの移動操作が行われても入力イベントの送信は行われないので、誤った入力イベントの送信やこれに伴うサーバ装置10での誤動作を無くすことができる。
【0087】
なお、前記実施形態において記載したSBCシステムによる各処理の手法、すなわち、図6のフローチャートに示すサーバ装置10によるサーバ処理、図7のフローチャートに示す前記サーバ処理に伴う入力対応処理、図8のフローチャートに示すクライアント装置20によるクライアント処理、図9のフローチャートに示す前記クライアント処理に伴うデータ受信処理、図10のフローチャートに示す前記クライアント処理に伴う操作判別処理、図11のフローチャートに示す前記クライアント処理に伴うデータ送信処理等の各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録装置18a,28aの媒体に格納して配布することができる。そして、サーバ装置10やクライアント装置20のコンピュータ(CPU11,21)は、この外部記録装置18a,28aの媒体に記憶されたプログラムを記憶装置(フラッシュROM13,23やRAM14,24)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明した描画データGに含まれるユーザ操作可能な領域情報(En)に基づいたイベント発生処理機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0088】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から前記のプログラムデータを取り込んで記憶装置(フラッシュROM13,23やRAM14,24)に記憶させ、前述した描画データGに含まれるユーザ操作可能な領域情報(En)に基づいたイベント発生処理機能を実現することもできる。
【0089】
なお、本願発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0090】
10 …サーバ装置
20 …端末装置
11、21…CPU
12、22…バス
13、23…ROM
14、24…RAM
14a…クライアント用フレームバッファRAM
24a…操作可能オブジェクト領域DB(Data Base)
15、25…フレームバッファRAM
16、26…表示装置
17、27…入力装置
18a、28a…外部記憶装置
18b、28b…補助記憶装置
19、29…通信I/F
N …通信ネットワーク
CE …有効オブジェクト領域通知情報
G …表示用描画データ
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ−クライアントシステムにおいて、クライアント装置からのリモート操作によりサーバ装置側で所望のアプリケーションプログラムを起動実行させるようにしたSBC(Server Based Computing)システムのサーバ装置、クライアント装置、サーバベースコンピューティングシステム、サーバ制御プログラム、クライアント制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にSBCシステムでは、クライアント装置のユーザ操作に応じたキー出力信号やマウス出力信号などが、その信号発生の都度イベント信号としてサーバ装置へ送信される。そしてサーバ装置では、前記クライアント装置からのイベント信号に応じたアプリケーションプログラムを実行させ、これに伴い生成された表示用の描画データをその描画更新の都度クライアント装置へ転送して表示させる。
【0003】
このようにSBCシステムでは、クライアント装置にてユーザ操作が行われる都度、そのイベント信号がサーバ装置へ送信される。このため、多数のクライアント装置からのイベント信号を処理するサーバ装置では、当該イベント処理の負荷が非常に大きくなり、クライアント装置から見た操作レスポンスが低下してしまう。
【0004】
そこで、従来のSBCシステムにおいて、クライアント装置にかな漢字変換のエミュレータ機能を持たせることで、テキスト入力時においてその入力すべき文字が確定するまでの処理を当該クライアント装置の内部で行い、サーバ装置におけるイベント処理の負荷を削減したものが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、従来のSBCシステムにおけるサーバ装置とクライアント装置との間での通信において、GUI(Graphic User Interface)のコンポーネント単位でコマンドを定義し、GUIコンポーネントのプロパティ値およびGUIコンポーネントに対するユーザの操作を表すコマンドを通信することにより、通信データ量を削減して迅速なGUIのレスポンスを実現したものが考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−323402号公報
【特許文献2】特開2005−228227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来のSBCシステムにおいて、サーバ装置におけるイベント処理の負荷を削減したり、サーバ装置とクライアント装置間での通信データ量を削減したりするものは、その何れの場合もサーバ装置側で行っていた処理の一部をクライアント装置側で肩代わりして行うものである。このため、当該クライアント装置側での処理に大きな負荷が掛かり、SBCシステムとしての本来の機能が損なわれる問題がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、クライアント装置側での処理に大きな負荷が掛かることなく、ユーザ操作に伴うサーバ装置との通信データ量を大幅に削減し、当該クライアント装置から見た操作レスポンスを向上することが可能になるサーバ装置、クライアント装置、サーバベースコンピューティングシステム、サーバ制御プログラム、クライアント制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載のサーバ装置は、ネットワークを介したクライアント装置からの入力イベントに基づいてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバ装置であって、前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段と、この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段と、前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載のクライアント装置は、ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信するクライアント装置であって、前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段と、前記画面情報を表示する表示手段と、ユーザ操作に応じて前記表示手段により表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段と、この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段と、この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載のサーバベースコンピューティングシステムは、ネットワークを介して接続されたサーバ装置とクライアント装置とを有し、クライアント装置からの入力イベントに応じてサーバ装置により実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を前記クライアント装置へ送信して表示させるようにしたサーバベースコンピューティングシステムであって、
前記サーバ装置は、前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段と、この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段と、前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段とを備え、
前記クライアント装置は、前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段と、前記画面情報を表示する表示手段と、ユーザ操作に応じて前記表示手段により表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段と、この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段と、この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段とを備えた、ことを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載のサーバ制御プログラムは、ネットワークを介したクライアント装置からの入力イベントに基づいてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバ装置のコンピュータを制御するためのサーバ制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段、この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段、前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段、として機能させることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載のクライアント制御プログラムは、ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信するクライアント装置のコンピュータを制御するためのクライアント制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段、前記画面情報を表示部に表示させる表示制御手段、ユーザ操作に応じて前記表示部に表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段、この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段、この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、クライアント装置側での処理に大きな負荷が掛かることなく、ユーザ操作に伴うサーバ装置との通信データ量を大幅に削減し、当該クライアント装置から見た操作レスポンスを向上することが可能になるサーバ装置、クライアント装置、サーバベースコンピューティングシステム、サーバ制御プログラム、クライアント制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るSBC(Server Based Computing)システムの構成を示すブロック図。
【図2】前記SBCシステムにおけるサーバ装置10の回路構成を示すブロック図。
【図3】前記SBCシステムにおけるクライアント装置20の回路構成を示すブロック図。
【図4】前記SBCシステムにおけるサーバ装置10にて生成されクライアント装置20に送信転送されて表示される描画データGの一例を示す図。
【図5】前記SBCシステムにおけるサーバ装置10にて生成された表示用の描画データGと共にクライアント装置20へ送信される有効オブジェクト領域通知情報CEのフォーマットを示す図。
【図6】前記SBCシステムにおけるサーバ装置10のサーバ処理を示すフローチャート。
【図7】前記SBCシステムにおけるサーバ装置10のサーバ処理に伴う入力対応処理を示すフローチャート。
【図8】前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理を示すフローチャート。
【図9】前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴うデータ受信処理を示すフローチャート。
【図10】前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴う操作判別処理を示すフローチャート。
【図11】前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴うデータ送信処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るSBC(Server Based Computing)システムの構成を示すブロック図である。
【0018】
このSBCシステムは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)からなるネットワークN上に接続されたサーバ装置10および複数のクライアント装置(Thin client)20,…を備える。
【0019】
サーバ装置10は、文書作成処理プログラム,表計算処理プログラム,プレゼン資料作成プログラム,メール処理プログラム,インターネット接続処理プログラム、Web表示プログラムなど、複数のアプリケーションプログラムを有し、当該サーバ装置10に接続されたクライアント装置20,…からの操作入力(入力イベント)信号に応じて起動しその処理を実行する。
【0020】
このサーバ装置10において、クライアント装置20,…からの操作入力信号に応じたアプリケーションプログラムの実行に伴い、クライアント用のフレームバッファRAM14a(図2参照)上に生成された表示出力用の描画データGは、圧縮処理された後アクセス元のクライアント装置20,…へ送信(転送)される。
【0021】
そして、クライアント装置20,…では、前記サーバ装置10から転送された描画データGがその圧縮を解凍されてフレームバッファ25(図3参照)に展開され、表示装置26に表示される。
【0022】
つまり、このSBCシステムにおける各クライアント装置(Thin client)20,…は、何れもキーボード及びマウスなどのユーザ操作に応じた入力機能とLCD表示部及びプリンタなどへの出力機能を主要な機能として有し、少なくとも前記サーバ装置10が有している各種のアプリケーション機能やデータファイルの管理機能を一切持っていない。
【0023】
そして、クライアント装置20,…からの操作入力(入力イベント)信号に応じてサーバ装置10にて起動実行される各種の処理に伴い生成されたデータファイルは、基本的には、当該サーバ装置10内あるいは該サーバ装置10にて接続管理される磁気ディスクなどの記憶装置にユーザアカウント毎あるいは共有ファイルとして記憶され保存される。
【0024】
図2は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10の回路構成を示すブロック図である。
【0025】
サーバ装置10は、コンピュータとしてのCPU11を備え、このCPU11には、バス12を介してROM13、RAM14、フレームバッファRAM15、表示装置16が接続される。
【0026】
また、CPU11には、バス12を介してキーボード,マウスなどの入力装置17、外部記憶装置18a、補助記憶装置18b、クライアント装置20,…との通信I/F(インターフェイス)19が接続される。
【0027】
CPU11は、ROM13に予め記憶されているシステムプログラムや種々のアプリケーションプログラムに従ってRAM14を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置17からのキー入力信号や通信I/F19を介して受信されるクライアント装置20からのユーザ操作に応じた処理指令(入力イベント)信号などに応じて前記種々のプログラムが起動・実行される。
【0028】
このサーバ装置10において、クライアント装置20からの入力イベント信号に応じて起動・実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された種々のデータは、例えばそのユーザIDに対応付けられて外部記憶装置18aに記憶される。またクライアント表示用の描画データGは、RAM14内のクライアント用フレームバッファRAM14aを使用して生成されると共に、圧縮処理された後、通信I/F19からクライアント装置20へ転送されて表示出力される。
【0029】
前記クライアント用フレームバッファRAM14aに表示用の描画データGが生成されると、当該描画データGに含まれるチェックボックスやリンク先指示ボタンなどの操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…(図4参照)の領域情報(E1)(E2)…が、当該描画データGを生成した前記アプリケーションプログラムに基づき取得され、後述する有効オブジェクト領域通知情報CE(図5参照)として前記描画データGと共にクライアント装置20へ転送される。
【0030】
なお、当該サーバ装置10自身の表示装置16にて表示させるための描画データは、フレームバッファRAM15上に生成される。
【0031】
図3は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20の回路構成を示すブロック図である。
【0032】
クライアント装置20は、コンピュータとしてのCPU21を備え、このCPU21には、バス22を介してROM23、RAM24、フレームバッファRAM25が接続される。そして、このフレームバッファRAM25に書き込まれた描画データGが表示装置26に出力されて表示される。
【0033】
また、CPU21には、バス22を介してキーボード,マウス,マイク,光センサなどの入力装置27、外部記憶装置28a、補助記憶装置28b、前記サーバ装置10との通信I/F(インターフェイス)29が接続される。
【0034】
CPU21は、ROM23に予め記憶されているシステムプログラムに従ってRAM24を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置27からのキー入力信号やマウス移動信号、通信I/F29を介して受信されるサーバ装置10からのアプリケーション応答信号や転送描画データGなどに応じて前記システムプログラムが起動され実行される。
【0035】
このクライアント装置20において、前記サーバ装置10におけるアプリケーションプログラムを実行させて生成した種々のデータは、適宜、外部記憶装置28aに読み込ませて記憶させ、また生成転送された表示用の描画データGは、その圧縮が解凍されてフレームバッファRAM25に書き込まれ表示装置26で表示出力される。
【0036】
なお、前記作業用メモリとして機能するRAM24には、前記フレームバッファRAM25に書き込まれた表示用の描画データGに含まれるチェックボックスやリンク先指示ボタンなどの操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…(図4参照)の領域情報(E1)(E2)…を記述した操作可能オブジェクト領域DB(Data Base)24aが生成される。この操作可能オブジェクト領域DB24aは、前記サーバ装置10にて生成された表示用の描画データGと共に転送されてくる後述の有効オブジェクト領域通知情報CE(図5参照)に従い更新される。
【0037】
図4は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10にて生成されクライアント装置20に送信転送されて表示される描画データGの一例を示す図である。
【0038】
クライアント装置20で表示される描画データGには、例えばチェックボックスやリンク先指示ボタンなどの操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…が含まれる。これらの操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…は、表示画面上に表示されるポインタPを当該オブジェクト領域E1,E2,…に移動させて指示することによりその機能が有効になる。つまり、ポインタPが前記操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…以外の領域に存在する状態では、何も機能が有効になることはない。
【0039】
図5は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10にて生成された表示用の描画データGと共にクライアント装置20へ送信される有効オブジェクト領域通知情報CEのフォーマットを示す図である。
【0040】
この有効オブジェクト領域通知情報CEには、そのヘッダ部分に当該有効オブジェクト領域通知情報CEの識別子「イベントID」Cおよび「データサイズ」Dが記述される。そして、データ部分には、前記生成された表示用の描画データGに含まれる操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…それぞれの領域情報(E1)(E2)…(En)が、当該各オブジェクト領域Enの開始座標と終了座標の組み合わせとして記述され、さらに当該各領域情報(E1)(E2)…(En)それぞれに対応付けられてその属性情報E1i,E2i,…,Eniが、前回の描画更新時における表示用描画データG(i-1)に対する領域Enの追加または消去として記述される。そして、前記データ部分の先頭には、前記描画データGに対応した各領域情報(E1)(E2)…(En)の個数Nが記述される。
【0041】
次に、前記構成のSBCシステムの動作について説明する。
【0042】
図6は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10のサーバ処理を示すフローチャートである。
【0043】
通信I/F19によるクライアント装置20からのデータ受信待ちの状態において(ステップS1)、データが受信されると(ステップS2)、この受信されたデータの内容がログインを要求するイベント信号であるか否か判断される(ステップS3)。
【0044】
ここで、クライアント装置20からのログインを要求するイベント信号が受信されたと判断されると(ステップS3(Yes))、当該ログイン要求送信元のクライアント装置20のログイン処理が実行され、ユーザ認証処理、クライアント用フレームバッファRAM14aの初期化処理などが行われる(ステップS4)。
【0045】
一方、既にログイン処理されたクライアント装置20からのデータが受信された際に(ステップS1,S2)、当該クライアント装置20のユーザ操作に伴う入力イベント信号が受信されたと判断されると(ステップS3(No)→S5(Yes))、図7における入力対応処理へ移行される(ステップSA)。
【0046】
なお、前記クライアント装置20からのデータが受信された際に(ステップS1,S2)、当該受信データの内容がログイン要求のイベント信号でもユーザ入力のイベント信号でもないと判断された場合には(ステップS3(No)→S5(No))、当該受信データの内容に応じた他の処理が実行される(ステップS6)。
【0047】
図7は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10のサーバ処理に伴う入力対応処理を示すフローチャートである。
【0048】
この入力対応処理では、先ず、クライアント装置20から受信された入力イベント信号の内容が解析され(ステップA1)、この解析されたイベント信号の内容に応じて実行すべきアプリケーションプログラムに対するイベントが発行される(ステップA2)。
【0049】
そして、前記入力イベント信号に応じたアプリケーションプログラムの実行に伴い、表示用描画データGの生成処理が含まれるか否か判断される(ステップA3)。ここで、表示用描画データGの生成処理が含まれると判断された場合には(ステップA3(Yes))、その描画データGがクライアント用フレームバッファRAM14aに描画されて生成される(ステップA4)。
【0050】
すると、前記表示用の描画データGを描画生成したアプリションプログラムに対して、当該描画データGにおいてチェックボックスやリンク先指示ボタンなどのユーザ操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…が含まれるか否か問い合わせされて判断される(ステップA5,A6)。
【0051】
ここで、前記図4で示したように、表示用の描画データGにおいてユーザ操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…が含まれると判断された場合には(ステップA6(Yes))、当該有効オブジェクト領域E1,E2,…それぞれの左上の座標である開始座標および右下の座標である終点座標からなる領域情報(E1)(E2)…が取得される(ステップA7)。
【0052】
すると、前記図5で示したように、ヘッダ部分に識別子「イベントID」Cおよび「データサイズ」D、データ部分に前記ステップA7にて取得された有効オブジェクト領域E1,E2,…,Enそれぞれの領域情報(E1)(E2)…(En)およびその属性情報E1i,E2i,…,Eniをフォーマットした有効オブジェクト領域通知情報CEが生成される(ステップA8)。
【0053】
そして、前記ステップA4にてクライアント用フレームバッファRAM14aに描画生成された表示用の描画データGと、当該描画データGに対応して前記ステップA8にて生成された有効オブジェクト領域通知情報CEとが、前記入力イベント信号の送信元であるクライアント装置20へ送信される(ステップA9)。
【0054】
これによりサーバ装置10では、クライアント装置20から受信された入力イベント信号に応じた表示用の描画データGが生成される毎に、当該描画データGに対応した有効オブジェクト領域通知情報CEが生成され、クライアント装置20へ応答送信されることになる。
【0055】
図8は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理を示すフローチャートである。
【0056】
クライアント装置20の電源が投入されると、前記サーバ装置10に対する通信が開始されてログイン要求が送信され(ステップB1)、ユーザ認証処理やメモリ初期化処理などを含むサーバ装置10との接続確立のための処理が行われる(ステップB2)。
【0057】
すると、前記サーバ装置10からのデータ受信待機状態となり(ステップB3)、当該サーバ装置10から受信されたデータが解析されることで(ステップB4)、前記ログイン要求に伴うサーバ装置10との接続が確立されたか否か判断される(ステップB5)。
【0058】
サーバ装置10との接続が確立されたと判断されると(ステップB5(Yes))、クライアント装置20自身のユーザ操作に伴う入力イベント発生、あるいはサーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベント発生の待機状態になる(ステップB6)。
【0059】
このイベント発生の待機状態において、クライアント装置10からのデータ受信に伴う受信イベントが発生したと判断されると(ステップB7(Yes))、図9におけるデータ受信処理へ移行される(ステップBC)。
【0060】
図9は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴うデータ受信処理を示すフローチャートである。
【0061】
このデータ受信処理では、先ず前記サーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベントの内容について、表示用の描画データGを受信した描画イベントであるか否か判断される(ステップC1)。
【0062】
ここで、前記サーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベントの内容が表示用の描画データG(図4参照)を受信した描画イベントであると判断されると(ステップC1(Yes))、当該受信された描画データGはフレームバッファRAM25に書き込まれ、表示装置26に対する描画処理が実行される(ステップC2)。
【0063】
すると、前記サーバ装置10から表示用の描画データGが受信されたことに伴い、当該描画データGに対応した有効オブジェクト領域通知情報CE(図5参照)が受信されたか否か判断される(ステップC3)。
【0064】
ここで、前記表示用の描画データGと共にその有効オブジェクト領域通知情報CEが受信されたと判断されると(ステップC3(Yes))、当該有効オブジェクト領域通知情報CEはRAM24に一時記憶され、同RAM24に記憶されている操作可能オブジェクト領域DB24a内の各領域情報が更新される(ステップC4)。
【0065】
ここで、前記操作可能オブジェクト領域DB24aの更新処理について説明する。
【0066】
先ず、前記RAM24内の操作可能オブジェクト領域DB24aには、前記フレームバッファRAM25に書き込まれた前回の表示用の描画データGに含まれる有効オブジェクト領域E1,E2,…の領域情報(E1)(E2)…が記憶されているが、当該操作可能オブジェクト領域DB24aに対して、今回新たに受信されてフレームバッファRAM25に書き込まれた描画データG(図4参照)に対応する有効オブジェクト領域通知情報CEにて追加の属性情報Eniを有しているところの領域情報(En)が追加で保存され、また消去の属性情報Eniを有しているところの領域情報(En)が削除される(ステップC4)。
【0067】
つまり、SBCシステムにおいてクライアント装置20からの入力イベントに応じてサーバ装置10にて生成される描画データGは、例えば前回の入力イベントに応じて既にクライアント装置20にて表示されている1画面の描画データと比較して、画像が更新された部分を含む矩形領域の描画データGとして生成されるので、前記RAM24内の操作可能オブジェクト領域DB24aにおいて、描画更新されていない範囲の描画データに対応するところの各有効オブジェクト領域情報(En)はそのまま維持され、描画更新された範囲の描画データGに対応するところの各有効オブジェクト領域情報(En)のみ、当該描画データGに対応する有効オブジェクト領域通知情報CEに従い追加で保存または削除される。
【0068】
これにより、表示用描画データGの更新の都度、画面全体に対応する操作可能オブジェクト領域DB24aの全ての領域情報(En)を更新させる必要がなくなる。そして、クライアント装置20にて表示中の1画面の描画データGに含まれる全ての操作可能オブジェクト領域E1,E2,…について、その領域情報(E1)(E2)…を常に前記操作可能オブジェクト領域DB24aにて記憶管理しておくことができる。
【0069】
一方、前記ステップB6におけるイベント発生の待機状態において、ユーザ操作に伴う特定の入力イベント(特殊操作イベント)が発生したと判断されると(ステップB8(Yes))、図10における操作判別処理へ移行される(ステップBD)。
【0070】
この特定の入力イベント(特殊操作イベント)とは、表示画面上のポインタPにより任意の有効オブジェクト領域Enを指示する際に、例えば当該ポインタPの現在位置に対してユーザが指示すべき所望の有効オブジェクト領域Enが画面内上方向にある場合に、「shift+カーソル[↑]」を使用したキー操作イベントであることを示し、また当該ポインタPの現在位置に対してユーザが指示すべき所望の有効オブジェクト領域Enが画面内下方向にある場合に、「shift+カーソル[↓]」を使用したキー操作イベントであることを示し、また当該ポインタPの現在位置に対してユーザが指示すべき所望の有効オブジェクト領域Enが画面内右方向にある場合に、「shift+カーソル[→]」を使用したキー操作イベントであることを示し、さらに当該ポインタPの現在位置に対してユーザが指示すべき所望の有効オブジェクト領域Enが画面内左方向にある場合に、「shift+カーソル[←]」を使用したキー操作イベントであることを示す。
【0071】
図10は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴う操作判別処理を示すフローチャートである。
【0072】
この操作判別処理では、先ず表示装置26の画面上に表示されているマウスポインタPの現在位置の座標が取得される(ステップD1)。そして、前記特殊操作に応じたポインタPの移動方向が判別される(ステップD2)。
【0073】
すると、前記RAM24の操作可能オブジェクト領域DB24aから、現在表示中の描画データG(例えば図4参照)において、前記カーソルキーの操作に応じてポインタPの移動すべき方向に存在する有効オブジェクト領域Enの領域情報(En)が取得され(ステップD3)、この有効オブジェクト領域EnのポインタPによる指示が判別されることで、当該ポインタPが移動すべき位置の座標情報(=En)が抽出される(ステップD4)。
【0074】
なお、通常のマウス操作によってポインタPを移動操作した場合でも、当該ポインタPによる前記有効オブジェクト領域Enの指示が判別された場合にのみ、その有効オブジェクト領域Enに対応する座標情報(=En)が抽出される(ステップD4)。
【0075】
すると、前記操作判別処理(ステップD1〜D4)により判別されて抽出されたポインタPの移動すべき位置の座標情報(=En)が、前記現在表示中の描画データGにおける何れかの有効オブジェクト領域Enに対応するものか否かにより当該ユーザ操作に伴う特定の入力イベント(特殊操作イベント)が有効であるか否か判断される(ステップB9)。
【0076】
ここで、ユーザ操作に伴う特定の入力イベントが有効であると判断されると(ステップB9(Yes))、図11におけるデータ送信処理へ移行される(ステップBF)。
【0077】
図11は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴うデータ送信処理を示すフローチャートである。
【0078】
このデータ送信処理では、前記操作判別処理(ステップBD)により判別されて抽出された現在表示中の描画データGにおける、ポインタPの移動操作に伴う有効オブジェクト領域Enの座標情報(En)から、入力イベントの種別が判定される(ステップF1)。
【0079】
すると、前記種別判定された入力イベントに対応するイベント信号と共に前記ポインタPの移動すべき位置の座標情報を含んだ送信データが生成され(ステップF2)、サーバ装置10に対して送信される(ステップF3)。
【0080】
この際、前記クライアント装置20では、前記ポインタPの移動操作に伴う、例えばマウスの移動操作に応じて逐次変化する座標情報を繰り返しサーバ装置10へ送信する必要はなく、当該ポインタPが移動すべき1つの有効オブジェクト領域Enの座標情報(En)とそのイベント種別だけを送信すればよいので、サーバ装置10に対するクライアント装置20からの通信負荷は大幅に削減される。
【0081】
すると、サーバ装置10では、前記クライアント装置20からの入力イベントの入力判断に従った入力対応処理(ステップS5→SA)により、ポインタPが前記移動すべき1つの有効オブジェクト領域Enに移動した状態での表示用描画データGが更新生成され(ステップA1〜A4)、この表示用描画データGと共に当該描画データGに対応した有効オブジェクト領域通知情報CEが取得されクライアント装置11へ送信される(ステップA5〜A9)。
【0082】
これにより、クライアント装置20では、前記サーバ装置10からのデータ受信イベントの判断に従ったデータ受信処理(ステップB7→BC)により、ポインタPが前記移動すべき1つの有効オブジェクト領域Enに移動した状態での表示用描画データGが描画されて表示される(ステップC1,C2)。
【0083】
ここで、前記例えば「shift+カーソル[→]」による特定の入力操作が行われた場合は、ポインタPは直ちにユーザ所望の有効オブジェクト領域Enに移動されて表示されるので、例えば本クライアント装置10が携帯端末であってその表示装置26の表示画面がとても小さい場合でも、簡単確実にその有効オブジェクト領域Enを指定することができ、正確なユーザ入力が可能になる。
【0084】
一方、前記ステップB6におけるイベント発生の待機状態において、ユーザ操作に伴うその他の入力イベントが発生したと判断された場合には(ステップB10(Yes))、前記図11で示したデータ送信処理へ移行され(ステップBF)、当該ユーザ操作に伴うその他の入力イベントの種別に応じたサーバ装置10へのイベント送信が実行される(ステップF1〜F3)。
【0085】
したがって、前記構成のSBCシステムによれば、クライアント装置20からサーバ装置10に対して入力イベント信号が受信されると、サーバ装置10では、その入力イベントに応じたアプリケーションプログラムの起動によりクライアント表示用の描画データGが生成される。これと共に、当該描画データGに含まれるチェックボックスやリンク先指示ボタンなどのユーザ操作可能な有効オブジェクト領域E1,E2,…の領域情報(E1)(E2)…が取得されて有効オブジェクト領域通知情報CEが生成され、前記描画データGと共にクライアント装置20へ送信される。そしてクライアント装置20において、前記入力イベントに応じた描画データGが受信されて表示された状態で、当該描画データGに含まれる有効オブジェクト領域EnへポインタPを移動させると、前記有効オブジェクト領域通知情報CEに基づき当該ポインタPが移動されて指示される有効オブジェクト領域Enの領域情報(En)だけがサーバ装置10へ送信される。
【0086】
よって、クライアント装置20でのポインタPの移動操作に伴い、その移動途中にある画面座標情報の全てが逐一サーバ装置10へ送信されることなく、当該ポインタPの移動操作位置が前記有効オブジェクト領域Enの領域情報(En)に対応する位置にある時だけその領域情報(En)がサーバ装置10へ送信されるので、サーバ装置10に対するクライアント装置20からの通信負荷を大幅に削減でき、当該クライアント装置20から見た操作レスポンスを向上できる。しかも、前記ポインタPが有効オブジェクト領域Enの領域情報(En)に示される位置以外にある時は、当該ポインタPの移動操作が行われても入力イベントの送信は行われないので、誤った入力イベントの送信やこれに伴うサーバ装置10での誤動作を無くすことができる。
【0087】
なお、前記実施形態において記載したSBCシステムによる各処理の手法、すなわち、図6のフローチャートに示すサーバ装置10によるサーバ処理、図7のフローチャートに示す前記サーバ処理に伴う入力対応処理、図8のフローチャートに示すクライアント装置20によるクライアント処理、図9のフローチャートに示す前記クライアント処理に伴うデータ受信処理、図10のフローチャートに示す前記クライアント処理に伴う操作判別処理、図11のフローチャートに示す前記クライアント処理に伴うデータ送信処理等の各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録装置18a,28aの媒体に格納して配布することができる。そして、サーバ装置10やクライアント装置20のコンピュータ(CPU11,21)は、この外部記録装置18a,28aの媒体に記憶されたプログラムを記憶装置(フラッシュROM13,23やRAM14,24)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明した描画データGに含まれるユーザ操作可能な領域情報(En)に基づいたイベント発生処理機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0088】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から前記のプログラムデータを取り込んで記憶装置(フラッシュROM13,23やRAM14,24)に記憶させ、前述した描画データGに含まれるユーザ操作可能な領域情報(En)に基づいたイベント発生処理機能を実現することもできる。
【0089】
なお、本願発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0090】
10 …サーバ装置
20 …端末装置
11、21…CPU
12、22…バス
13、23…ROM
14、24…RAM
14a…クライアント用フレームバッファRAM
24a…操作可能オブジェクト領域DB(Data Base)
15、25…フレームバッファRAM
16、26…表示装置
17、27…入力装置
18a、28a…外部記憶装置
18b、28b…補助記憶装置
19、29…通信I/F
N …通信ネットワーク
CE …有効オブジェクト領域通知情報
G …表示用描画データ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介したクライアント装置からの入力イベントに基づいてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバ装置であって、
前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段と、
この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段と、
前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信するクライアント装置であって、
前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段と、
前記画面情報を表示する表示手段と、
ユーザ操作に応じて前記表示手段により表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段と、
この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段と、
この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とするクライアント装置。
【請求項3】
ネットワークを介して接続されたサーバ装置とクライアント装置とを有し、クライアント装置からの入力イベントに応じてサーバ装置により実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を前記クライアント装置へ送信して表示させるようにしたサーバベースコンピューティングシステムあって、
前記サーバ装置は、
前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段と、
この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段と、
前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段とを備え、
前記クライアント装置は、
前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段と、
前記画面情報を表示する表示手段と、
ユーザ操作に応じて前記表示手段により表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段と、
この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段と、
この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段とを備えた、
ことを特徴とするサーバベースコンピューティングシステム。
【請求項4】
ネットワークを介したクライアント装置からの入力イベントに基づいてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバ装置のコンピュータを制御するためのサーバ制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段、
この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段、
前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能なサーバ制御プログラム。
【請求項5】
ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信するクライアント装置のコンピュータを制御するためのクライアント制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段、
前記画面情報を表示部に表示させる表示制御手段、
ユーザ操作に応じて前記表示部に表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段、
この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段、
この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能なクライアント制御プログラム。
【請求項1】
ネットワークを介したクライアント装置からの入力イベントに基づいてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバ装置であって、
前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段と、
この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段と、
前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信するクライアント装置であって、
前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段と、
前記画面情報を表示する表示手段と、
ユーザ操作に応じて前記表示手段により表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段と、
この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段と、
この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とするクライアント装置。
【請求項3】
ネットワークを介して接続されたサーバ装置とクライアント装置とを有し、クライアント装置からの入力イベントに応じてサーバ装置により実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を前記クライアント装置へ送信して表示させるようにしたサーバベースコンピューティングシステムあって、
前記サーバ装置は、
前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段と、
この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段と、
前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段とを備え、
前記クライアント装置は、
前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段と、
前記画面情報を表示する表示手段と、
ユーザ操作に応じて前記表示手段により表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段と、
この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段と、
この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段とを備えた、
ことを特徴とするサーバベースコンピューティングシステム。
【請求項4】
ネットワークを介したクライアント装置からの入力イベントに基づいてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバ装置のコンピュータを制御するためのサーバ制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を取得する有効領域情報取得手段、
この有効領域情報取得手段により取得された前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を前記クライアント装置へ送信する送信手段、
前記クライアント装置から前記送信手段により送信された有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを受信する受信手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能なサーバ制御プログラム。
【請求項5】
ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信するクライアント装置のコンピュータを制御するためのクライアント制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記サーバ装置から前記画面情報に含まれるユーザ操作可能な有効領域の位置情報を受信する受信手段、
前記画面情報を表示部に表示させる表示制御手段、
ユーザ操作に応じて前記表示部に表示された画面情報内の任意の位置を指示する画面指示手段、
この画面指示手段による前記画面情報内での指示位置が前記受信手段により受信された有効領域の位置情報に対応する位置を指示したかを判別する判別手段、
この判別手段により前記画面情報内での指示位置がその有効領域に対応する位置を指示したと判別された場合に、当該有効領域の位置情報に基づいた入力イベントを前記サーバ装置へ送信する送信手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能なクライアント制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−101667(P2013−101667A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−5999(P2013−5999)
【出願日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【分割の表示】特願2008−3363(P2008−3363)の分割
【原出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【分割の表示】特願2008−3363(P2008−3363)の分割
【原出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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