粒状体検査装置
【課題】透明な粒状体群を検出対象物とするような場合であっても、正常物であるか異常物であるかの判別を良好に行うことが可能な粒状体検査装置を提供する。
【解決手段】粒状体群を検出箇所を通過させるように移送する移送手段Sと、検出箇所からの光を受光する受光手段10と、受光手段10の受光量が正常物に対応する適正光量範囲を外れているか否かにより正常物であるか異常物であるかを判別する判別手段とが備えられ、検出箇所Jを照明する照明手段9が、照明用光源20,24から検出箇所Jに向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材21,25を検出箇所から離れる外方側に向けて凸状に湾曲する凸状曲面Qに形成する状態で備えるとともに、照明用光源20,24を拡散透過部材21,25よりも外方側の箇所に凸状曲面Qに沿って位置する状態で備えて構成される。
【解決手段】粒状体群を検出箇所を通過させるように移送する移送手段Sと、検出箇所からの光を受光する受光手段10と、受光手段10の受光量が正常物に対応する適正光量範囲を外れているか否かにより正常物であるか異常物であるかを判別する判別手段とが備えられ、検出箇所Jを照明する照明手段9が、照明用光源20,24から検出箇所Jに向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材21,25を検出箇所から離れる外方側に向けて凸状に湾曲する凸状曲面Qに形成する状態で備えるとともに、照明用光源20,24を拡散透過部材21,25よりも外方側の箇所に凸状曲面Qに沿って位置する状態で備えて構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物としての粒状体群を検出箇所を通過させるように移送する移送手段と、前記検出箇所を照明する照明手段と、前記検出箇所からの光を受光する受光手段と、前記受光手段の受光量が正常物に対応する適正光量範囲を外れているか否かにより正常物であるか異常物であるかを判別する判別手段とが備えられ、前記照明手段が、照明用光源と、その照明用光源から前記検出箇所に向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材とを備えて構成されている粒状体検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粒状体検査装置では、前記検出箇所からの光が前記受光手段に導かれる光通過経路に近付けた状態で且つその光通過経路の上下両側部に振り分けた状態で前記照明用光源としての蛍光灯が備えられ、その蛍光灯と検出箇所との間に、前記拡散透過部材として、蛍光灯から検出箇所に向けて投射される光を拡散光として透過させて検出箇所に導く平板状の拡散板が備えられる構成となっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−264256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蛍光灯等の照明用光源から出射された照明光を直接に検出箇所に照射する場合であれば、検査対象物として、例えば表面に光沢部分や小さい曲率の曲面部分等が存在する樹脂ペレット等を対象とするものでは、表面の光沢部分や小さい曲率の曲面部分等において、表面の他の部分における反射光よりも強い反射光が生じるおそれがある。そこで、上記従来構成では、蛍光灯等の照明用光源から出射された照明光を直接に検出箇所に照射するのではなく、拡散光によって検出箇所を照明することにより、上記したような表面に光沢部分や小さい曲率の曲面部分が存在するような粒状体群であっても、強い反射光が生じるおそれがなく、検査対象物からの本来の受光量の情報を得ることで、判別手段による正常物であるか異常物であるかの判別を適正に行うことができるようにしたものである。
【0005】
上記従来構成は、拡散光を検査対象物に照射するものであることから、粒状体群から部分的に強い反射光が生じるおそれは少なくなるが、透明な樹脂ペレット等の透明な検出対象物である場合においては、判別手段による判別を適正に行うことができないおそれがあり、未だ改善の余地があった。
【0006】
すなわち、上記従来構成では、照明用光源が検出箇所から受光手段に導かれる光通過経路に近付く状態で備えられるものであり、検出箇所に位置する検査対象物に対しては、検出対象物における受光手段による受光対象側の側面に対して、光通過経路に略沿う方向に光が照射されるものとなる。
【0007】
そして、照射された光が検査対象物の表面で反射するだけではなく、例えば、検査対象物としての透明な樹脂ペレットの内部を通過しながら屈折して異なった方向に向きを変化させた状態で出射されて受光手段にて受光されることがある。その結果、実際には全ての領域で同じ透明度を有する正常な検査対象物(樹脂ペレット)であっても、光の屈折の仕方によっては、受光手段にて受光される受光情報として、光の強さが大きい特に明るい部分や光の強さが小さい影の部分が存在する情報が得られることがあり、正常な検査対象物であるにもかかわらず、光の強さが大きい部分や光の強さが小さい影の部分の光量が適正光量範囲から外れて異常物であると誤判別されることがあり、判別手段による検査対象物の判別を適正に行うことができないおそれがあった。
【0008】
本発明の目的は、透明な粒状体群を検出対象物とするような場合であっても、正常物であるか異常物であるかの判別を良好に行うことが可能な粒状体検査装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る粒状体検査装置は、検査対象物としての粒状体群を検出箇所を通過させるように移送する移送手段と、前記検出箇所を照明する照明手段と、前記検出箇所からの光を受光する受光手段と、前記受光手段の受光量が正常物に対応する適正光量範囲を外れているか否かにより正常物であるか異常物であるかを判別する判別手段とが備えられ、前記照明手段が、照明用光源と、その照明用光源から前記検出箇所に向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材とを備えて構成されているものであって、その第1特徴構成は、前記照明手段が、前記拡散透過部材を前記検出箇所から離れる外方側に向けて凸状に湾曲する凸状曲面に形成する状態で備えるとともに、前記照明用光源を前記拡散透過部材よりも前記外方側の箇所に前記凸状曲面に沿って位置する状態で備えて構成されている点にある。
【0010】
第1特徴構成によれば、照明手段における拡散透過部材が検出箇所から離れる外方側に向けて凸状に湾曲する凸状曲面に形成する状態で備えられ、照明用光源が拡散透過部材よりも外方側の箇所に拡散透過部材における凸状曲面に沿って位置する状態で備えられることから、照明用光源は、凸状に湾曲する凸状曲面に沿って互いに位置が異なる箇所から検出箇所に向けて光を出射し、その照明用光源が出射した光が拡散透過部材により拡散光として透過させて検出箇所に照射されることになる。
【0011】
言い換えると、照明用光源は、検出箇所に向かう光照射経路が検出箇所を中心にして略放射状に位置するように、互いに異なる方向から検出箇所に対して光を照射することになり、例えば、受光手段に導かれる光通過経路に略沿う方向の光を照射するとともに、その光通過経路に略沿う方向と略直交する方向の光を照射するなど、大きく向きが異なる種々の方向の光を透過拡散させた状態で検出箇所に照射させることが可能となる。
【0012】
つまり、検出箇所に位置する検査対象物に対して、受光手段に導かれる光通過経路に略沿う方向の光だけでなく、その光通過経路に略沿う方向に対して略直交する方向の光等、凸状曲面に沿って互いに位置が異なる箇所から光を照射させることが可能となるので、検出箇所に位置する検査対象物に対して、広い範囲にわたり均等に拡散された光を照射することができる。
【0013】
このように広い範囲にわたり略均等に拡散された光を照射することにより、例えば、透明のペレット等の透明な検査対象物を対象とするものであっても、検出箇所に位置する検査対象部に対して照射手段にて照明される光が、検査対象物の外周部の広い範囲にわたって略均等に拡散された状態となるので、全ての領域で同じ透明度を有する正常な検査対象物(樹脂ペレット)であれば、受光手段にて受光される受光情報として、光の強さが大きい特に明るい部分や光の強さが小さい影の部分等が生じるおそれがなく誤判別のおそれが少ないものになる。
【0014】
従って、透明な粒状体群を検出対象物とするような場合であっても、正常物であるか異常物であるかの判別を良好に行うことが可能な粒状体検査装置を提供できるに至った。
【0015】
本発明の第2特徴構成は、前記照明用光源が、前記凸状曲面に沿って並ぶ状態で複数の発光部を備えて構成され、前記複数の発光部の光量を夫々各別に変更調整自在な照明光量調整手段が備えられている点にある。
【0016】
第2特徴構成によれば、照明用光源は凸状曲面に沿って並ぶ状態で複数の発光部を備えており、それら複数の発光部の光量を照明光量調整手段によって夫々各別に変更調整することが可能である。
【0017】
例えば、種々の装置の設置上の制約等から、検出箇所からの離間距離が互いに異なる状態で複数の受光部が配備されるようなことがあっても、複数の発光部の光量を各別に変更調整することにより、検出箇所に位置する検査対象物に対して、広い範囲にわたり略均等に拡散された状態で且つ同じ光量の光を照射することが可能となる。
【0018】
従って、複数の受光部にて検査対象物に照射される光の光量を同じ光量に調整することができるので、複数の受光部の光量の違いに起因して判別手段が誤判別する不利を回避できるものになり、正常物であるか異常物であるかの判別を一層良好に行うことが可能となった。
【0019】
本発明の第3特徴構成は、前記移送手段が、前記粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がった状態で移動落下経路に沿って移送するとともに、前記移動落下経路の途中に横幅方向に沿って延びる状態で設けられた前記検出箇所を通過させるように構成され、前記照明手段が、前記移動落下経路の一方側に備えられる一方側照明手段と、前記移動落下経路の他方側に備えられる他方側照明手段とを備えて構成され、前記一方側照明手段における前記拡散透過部材が、前記検出箇所から一方側外方に向けて凸状に湾曲する前記凸状曲面を有し且つ前記横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成され、前記他方側照明手段における前記拡散透過部材が、前記検出箇所から他方側外方に向けて凸状に湾曲する前記凸状曲面を有し且つ前記横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている点にある。
【0020】
第3特徴構成によれば、移送手段は、検査対象物としての粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がった状態で途中に横幅方向に沿って延びる状態で設けられた検出箇所を通過させる状態で移動落下経路に沿って移送させる。このように検出箇所が横幅方向に沿って延びる状態で設けられ、複数の粒状体群を横並び状態で同時に移送させながら検査を実行するので、多量の検査対象物を能率よく処理できるものとなる。
【0021】
又、移動落下経路の一方側に備えられる一方側照明手段と、移動落下経路の他方側に備えられる他方側照明手段とにより、両側から検出箇所が照明されるので、検出箇所を移送される粒状体群における一方側の側面と他方側の側面とを共に照明することができ、粒状体群の外周部の略全域を均等に拡散された光で良好に照明することができる。
【0022】
そして、一方側照明手段における拡散透過部材が検出箇所から一方側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面を有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成され、他方側照明手段における拡散透過部材が検出箇所から他方側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面を有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されているから、横幅方向に沿って延びる長尺状の検出箇所において、その長手方向のいずれの位置においても、同じような外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面を形成することができ、同じように拡散させた光を良好に照射させることができる。
【0023】
従って、多量の検査対象物を能率よく処理することが可能なものでありながら、透明な粒状体群を検出対象物とするような場合であっても、正常物であるか異常物であるかの判別を良好に行うことが可能となった。
【0024】
本発明の第4特徴構成は、前記照明用光源における前記凸状曲面に沿って並ぶ状態で備えられる複数の発光部が、前記検出箇所の前記横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で前記横幅方向に長尺のライン状照明装置にて構成されている点にある。
【0025】
第4特徴構成によれば、照明用光源における凸状曲面に沿って並ぶ状態で横幅方向に長尺のライン状照明装置からなる複数の発光部が備えられ、しかも、そのライン状照明装置は、検出箇所の横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で備えられるので、検出箇所における横幅方向でのどの位置にあっても、その検出箇所に位置する検査対象物に対して広い範囲にわたって均等に拡散された光を照射することができる。
【0026】
本発明の第5特徴構成は、前記受光手段の受光方向における前記検出箇所の前記受光手段とは反対側箇所から前記受光手段に向けて光を投射する投射部材と、この投射部材の光量を変更調整自在な背景光量調整手段とが備えられている点にある。
【0027】
第5特徴構成によれば、受光手段の受光方向における検出箇所の受光手段とは反対側箇所、すなわち、受光手段から検出箇所を見た場合に検出箇所の背景となる箇所に、受光手段に向けて光を投射する投射部材が備えられ、背景光量調整手段によりその投射部材の光量を変更調整することができる。
【0028】
投射部材の光量を例えば正常物としての検査対象物から得られる光量と同じ光量に調整しておき、受光手段にてその光量に対して適正光量範囲を設定しておくと、背景の光量を計測しても異常と判断することはなく、検査対象物として異常物が存在するときにのみ光量が適正光量範囲を外れて異常物であると判断することができる。
【0029】
そして、検査対象物の種類が異なると正常物としての検査対象物から得られる光量が異なるような場合であっても、その光量に合わせるように投射部材の光量を変更調整することで対応でき、例えば、検査対象物の種類が異なる毎に光量の異なる投射部材に付け替える等の手間が不要で使い勝手のよいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】全体側面図である。
【図2】光学式計測部の縦断側面図である。
【図3】光学式計測部の平面図である。
【図4】光学式計測部の斜視図である。
【図5】受光手段と照明手段の配置状態を示す斜視図である。
【図6】前部側受光部における計測状態を示す平面図である。
【図7】受光手段の受光状態を示す図である。
【図8】受光手段の出力電圧を示す図である。
【図9】制御ブロック図である。
【図10】別実施形態の光学式計測部の縦断側面図である。
【図11】別実施形態の照明用光源の斜視図である。
【図12】別実施形態の照明用光源の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る粒状体検査装置の実施形態を、多数の樹脂ペレットを検査対象物として移送しながら、正常物であるか異常物であるかの判別処理とそれらの分離処理を行う場合について図面に基づいて説明する。
【0032】
図1に示すように、検出箇所Jを通過させるようにペレット群kを一層で且つ幅広状態で流下案内する傾斜姿勢のシュータ1が備えられ、このシュータ1の上部側に設けた貯留ホッパー2から振動フィーダ3によって搬送されて供給されたペレット群kをシュータ1の上面を流下させながら、正常物と異常物とを選別してそれらを分離することができるように構成されている。
【0033】
以下、各部の構成について説明する。
図1に示すように、外部からペレット群kが供給されて貯留される貯留ホッパー2は、側面視で下端側ほど先細の筒状に形成され、振動フィーダ3は、貯留ホッパー2の下部から排出されるペレット群kを受止める受止め載置部4と、その受止め載置部4に振動を与える振動発生器5とを備えて、振動発生器5にて受止め載置部4に振動を与えて、その一端部からペレット群kを繰出して、シュータ1の幅方向全幅に亘って広がる一層状態で流下するようにペレット群kをシュータ1上に繰出すように構成されている。このシュータ1は、図4に示すように、幅方向全幅に亘って平坦な案内面に形成された平面シュータにて構成されている。この場合、一層状態で流下させることを目的としているので、流れ状態により部分的に粒が重なって二層状態等になっても、一層状態の概念に含まれる。
【0034】
図1に示すように、ペレット群kがシュータ1により流下案内される移動落下経路IK中にペレット群kに対する検出箇所Jが設定されており、シュータ1により流下案内されて検出箇所Jを通過した正常なペレット群kは下方側の正常物回収部6にそのまま落下して回収され、異常物は後述するエアー吹き付け装置7による吹き付け作用により経路を異ならせて別途回収されるように構成されている。
【0035】
従って、貯留ホッパー2、振動フィーダ3、及び、シュータ1等により、ペレット群kを一層状態で且つ横幅方向に広がった状態で移動落下経路IKに沿って移送するとともに、移動落下経路IKの途中に横幅方向に沿って延びる状態で設けられた検出箇所を通過させる移送手段Sが構成されている。
【0036】
又、振動フィーダ3は、振動発生器5の振動によるペレット群kの搬送速度を変化させることにより、シュータ1に繰出されるペレット群kの供給量、つまり、シュータ1によるペレット群kの移送流量を変更調節することが可能に構成されている。
【0037】
そして、前記検出箇所Jに対応する位置に光学式計測部8が備えられている。この光学式計測部8は、図1〜図5に示すように、検出箇所Jを照明する照明手段9と、検出箇所Jからの光を受光する受光手段10と、検出箇所Jよりもペレット群kの移送方向下手側の分離箇所において分離対象粒(異常物)と他の正常なペレット群k(正常物)とを分離させる分離手段としてのエアー吹き付け装置7等を備えて構成され、それらを収納ケース11の内部に収納する状態でユニット状に構成されている。
【0038】
次に、受光手段10の構成について説明する。
受光手段10は、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して一方側としての装置前部側に位置して、検出箇所Jからの光を受光する一方側受光手段としての前部側受光部12と、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して他方側としての装置後部側に位置して、検出箇所Jからの光を受光する他方側受光手段としての後部側受光部13とを備えて構成されている。
【0039】
前部側受光部12は検出箇所Jから装置前部側外方に向かう光を受光し、後部側受光部13は検出箇所Jから装置後部側外方に向かう光を受光するものであって、これらの前部両側の受光部12,13を備えることで、ペレット群kの前後両側部における異常を適正に検出することができる構成となっている。
【0040】
そして、図3、図5及び図6に示すように、前部側受光部12は装置横幅方向に沿って並ぶ状態で配備された2台の前部側受光装置14A,14Bを備えて構成され、後部側受光部13も前部側受光部12と同様に、装置横幅方向に沿って並ぶ状態で配備された2台の後部側受光装置15A,15Bを備えて構成されている。
【0041】
図7に示すように、前記各受光装置14A,14B、15A,15Bは、検出箇所Jからの光を受光する複数個の単位受光部tを装置横幅方向に沿って並置させる状態で備えて、ペレットkの大きさよりも小さい範囲を単位受光対象範囲とする分解能状態で光を受光するように構成されている。
つまり、各受光装置14A,14B、15A,15Bは、夫々、ペレットkの大きさよりも小さい範囲p(例えばペレットの大きさの10分の1よりも小さい範囲)を夫々の受光対象範囲としており、図6に示すように、それら複数の受光対象範囲に対応する受光対象範囲である複数個の単位受光部tを幅広の検出箇所Jに対応させてライン状に並ぶ状態で並置されたCCDセンサ部16と、装置横幅方向に視野角を有する状態で受光した光を複数の単位受光部tに導く集光レンズ17とを備えて構成されている。
【0042】
図6に示すように、前部側受光部12における2台の前部側受光装置14A,14Bは、夫々、検出箇所Jの装置横幅方向の全幅のうちの右側半分と左側半分を夫々対象として検出箇所Jに位置するペレット群kの像をCCDセンサ部16の各単位受光部t上に結像させる状態で設けられ、各単位受光部tから各受光情報が順次取り出されるように構成されている。
【0043】
尚、図6に示すように、2台の前部側受光装置14A,14Bによる検出対象領域Uは、中央部付近にて重複する状態で設けられ、検出箇所Jの装置横幅方向での全ての領域において光の計測情報が得られるようにしてあり、検出漏れが生じないようにしている。但し、重複して計測する箇所の受光データとしては、左右の前側受光装置14A,14Bのうちのいずれか一方の受光データだけを利用することになる。
【0044】
後部側受光部13は、光の検出方向が前後で逆向きになるだけであり、前部側受光部12と同様な構成を備えるものであるから説明は省略する。又、このような受光手段10の検出情報に基づく判別処理については後で説明する。
【0045】
図2に示すように、検出箇所Jから光が前部側受光装置14A,14Bに導かれる光の光軸CL1、及び、検出箇所Jから光が後部側受光装置15A,15Bに導かれる光の光軸CL2は、夫々、ペレット群kの移送方向と直交する方向ではなく、移送方向と直交する方向よりもペレット移送方向上手側に傾斜する状態で設定され、前部側受光装置14A,14Bと後部側受光装置15A,15Bとが同じ検出箇所Jからの光を同時に検出することができるように構成されている。
【0046】
次に、照明手段9について説明する。
図1、図2及び図5に示すように、照明手段9は、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して一方側としての装置前部側に位置して検出箇所Jを照明する一方側照明手段としての前部側照明部18と、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して他方側としての装置後部側に位置して検出箇所Jを照明する他方側照明手段としての後部側照明部19とを備えて構成されている。
【0047】
前部側照明部18は、検出箇所Jに向けて出射させる照明用光源20と、その照明用光源20から検出箇所Jに向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材21とを備えて構成されている。
説明を加えると、図2及び図5に示すように、拡散透過部材21は、検出箇所Jから一方側外方としての装置前部側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面Qを有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている。この拡散透過部材21は、板面の一方側の外方から入射してくる光を拡散光にして透過させる一般的な光拡散用部材からなる板状部材を半円筒形状になるように湾曲形成することにより構成されている。
【0048】
そして、照明用光源20は、拡散透過部材21における凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で複数の発光部としての複数のライン状照明装置23を備えて構成されている。具体的には、図2及び図5に示すように、検出箇所Jの横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で横幅方向に複数の長尺のライン状照明装置23を凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で備えて構成されている。
【0049】
具体的には、前部側照明部18における複数のライン状照明装置23は、検出箇所Jから光が前部側受光装置14A,14Bに導かれる光の光軸CL1に対して上下方向に振り分けた状態で配備され、各ライン状照明装置23は、夫々、検出箇所Jに向けて光を出射させるように取り付けられている。拡散透過部材21は、検出箇所Jから一方側外方としての装置前部側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面Qを有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている。尚、拡散透過部材21の幅方向中央部には、検出箇所Jからの光を前部側受光装置14A,14Bに導くための光通過孔70が形成されている。
【0050】
説明を加えると、前記光軸CL1に近接する状態で光軸CL1に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向と略直交する方向に向けて光を出射させる一対の水平光発光用のライン状照明装置23aと、前記光軸CL1から離れる状態で光軸CL1に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向に略沿う方向に向けて光を出射させる一対の垂直光発光用のライン状照明装置23bとがあり、合計4個のライン状照明装置23a,23bが備えられる構成となっている。
【0051】
後部側照明部19は、光を出射する方向が装置の前後で異なるように配置状態が前後で逆になっているが、前部側照明部18と同じ構成である。すなわち、検出箇所Jに向けて出射させる照明用光源24と、その照明用光源24から検出箇所Jに向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材25とを備えて構成されている。
説明を加えると、拡散透過部材25は、検出箇所Jから他方側外方としての装置後部側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面Qを有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている。尚、拡散透過部材25の幅方向中央部には、検出箇所Jからの光を前部側受光装置14A,14Bに導くための光通過孔71が形成されている。
【0052】
そして、照明用光源24は、拡散透過部材25における凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で複数の発光部として複数のライン状照明装置27を備えて構成されている。すなわち、検出箇所Jの横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で横幅方向に長尺のライン状照明装置27を凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で備えて構成されている。
【0053】
具体的には、光軸CL2に近接する状態で光軸CL2に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向と略直交する方向に向けて光を出射させる一対の水平光発光用のライン状照明装置27aと、前記光軸CL2から離れる状態で光軸CL2に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向に略沿う方向に向けて光を出射させる一対の垂直光発光用のライン状照明装置27bとがあり、合計4個のライン状照明装置27が備えられる構成となっている。
【0054】
前部側照明部18及び後部側照明部19の夫々における各ライン状照明装置23,27は、詳述はしないが、白色LED発光素子を基板上に3列状態で横幅方向に長尺状に並べて備えるとともに、それら複数の白色LED発光素子から発せられる光を集光する集光部材や光を拡散させる拡散板等を備えて構成となっている。
【0055】
そして、図9に示すように、前部側照明部18における4個のライン状照明装置23の夫々の光量、及び、後部側照明部19における4個のライン状照明装置27の夫々の光量を各別に変更調整自在な照明光量調整手段28が備えられている。
この照明光量調整手段28は、前部側照明部18における4個のライン状照明装置23に対して各別に作用する4個の前部側用の照明光量調整回路29と、後部側照明部19における4個のライン状照明装置27に対して各別に作用する4個の後部側用の照明光量調整回路30とで構成される。
【0056】
このように、ペレット群kの移送方向と略直交する方向に向けて光を出射させる一対の水平光発光用のライン状照明装置23a,27aと、ペレット群kの移送方向に略沿う方向に向けて光を出射させる一対の垂直光発光用のライン状照明装置23b,27bとが備えられ、しかも、それらから出射された光を拡散光として透過させる半円筒状の拡散透過部材21,25を備えることから、検出箇所Jに位置するペレットに対して照明される光が、ペレットkの外周部の広い範囲にわたって略均等に拡散された状態となる。
【0057】
その結果、ペレットkが透明な材料で形成されるものであっても、異常な箇所が存在しない正常なペレットkであれば、光の強さが大きい特に明るい部分や光の強さが小さい影の部分等が生じるおそれが少ないものになる。
【0058】
そして、詳細な取付け構造については詳述はしないが、前部側照明部18における合計4個のライン状照明装置23は、収納ケース11の横幅方向両側部に取り外し自在にビス止めされた取付け板31に亘って架設連結されており、収納ケース11における側部カバー11Aと横幅方向両側部の夫々の取付け板31を取り外すと、両側の取付け板31と4個のライン状照明装置23が一体的に支持された状態が外部に取り外すことが可能な構成となっている。このことにより、修理交換等のメンテナンス作業が行い易いものとなっている。
【0059】
図2に示すように、前部側受光部12の受光方向における検出箇所Jの前部側受光部12とは反対側箇所から前部側受光部12に向けて光を投射する前部側の投射部材32が、前部側照明部18における下側の水平光発光用のライン状照明装置23aと下側の垂直光発光用のライン状照明装置23bとの間に位置する状態で備えられている。
又、後部側受光部13の受光方向における検出箇所Jの後部側受光部13とは反対側箇所から後部側受光部に向けて光を投射する後部側の投射部材33が、後部側照明部19における下側に位置する水平光発光用のライン状照明装置27aと下側の垂直光発光用のライン状照明装置27bとの間に位置する状態で備えられている。
【0060】
前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33は、夫々、詳述はしないが、横幅方向に長尺に形成された基板上にLED発光素子を多数並べて配備するとともに、そのLED発光素子から発した光を拡散板にて拡散させた状態で検出箇所Jを通して前部側受光部12及び後部側受光部13に光を投射するように構成されている。
図9に示すように、この前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33は、背景光量調整手段としての背景光量調整装置34によってペレット群kのうちの正常物からの反射光と同一又は略同一の明るさの光を投射するようにその光量が調整されることになる。
【0061】
つまり、受光手段10の受光方向における検出箇所Jの受光手段10とは反対側箇所から受光手段10に向けて光を投射する投射部材32,33が備えられ、この投射部材32,33の光量を変更調整自在な背景光量調整装置34が備えられている。この背景光量調整装置34は、前部側の投射部材32や後部側の投射部材33を構成するLED発光素子に供給する電流値を変更調整することにより、受光手段10に投射する光量を変更調整することが可能な構成となっている。
【0062】
図2に示すように、収納ケース11の前後中央部には、シュータ1により流下案内されるペレット群kが通過するために上下方向に貫通するペレット通過用空間C1が形成され、そのペレット通過用空間C1の装置前部側には、前部側照明部18、前部側投射部材32を収納する前部側収納空間C2が形成され、ペレット通過用空間C1の装置後部側には、後部側照明部19、後部側投射部材33を収納する後部側収納空間C3が形成されている。
【0063】
ペレット通過用空間C1と前部側収納空間C2との間には、収納ケース11に備えられた前部側の仕切り部35とそれに連なるように設けられたガラス製の光透過窓36が設けられ、ペレット通過用空間C1と後部側収納空間C3との間には、後部側の仕切り部37とそれに連なるように設けられたガラス製の光透過窓38が設けられている。このように前部側収納空間C2や後部側収納空間C3は、ペレット通過用空間C1と仕切られて塵埃等が侵入しないようにしている。
【0064】
上述したように、検出箇所Jから光が前部側受光装置14A,14Bに導かれる光の光軸CL1、及び、検出箇所Jから光が後部側受光装置15A,15Bに導かれる光の光軸CL2は、夫々、ペレット群kの移送方向と直交する方向よりもペレット移送方向上手側に傾斜する状態で設定されているが、検出箇所Jからの光を効率よく検出するために、前後の光透過窓36,38は前記各光軸CL1,CL2の夫々と直交する状態で設けられることから、検出箇所Jがその内部に位置するペレット通過用空間C1は下方側ほど幅広となる下広がり状に形成されることになる。
【0065】
前記検出箇所Jからペレット移送方向下手側に、検出箇所Jでの受光情報に基づいて判別された異常物(例えば、樹脂処理過程で焼けて着色したペレットや、色の違うペレット等)に対してエアーを吹き付けて正常なペレット群kの移動方向から分離させるためのエアー吹き付け装置7が設けられている。
このエアー吹き付け装置7は、噴射ノズル7aの複数個を、検出箇所Jの横幅方向全幅を所定幅で複数個の区画に分割形成した各区画に対応する状態で並置させ、異常物が存在する区画の噴射ノズル7aが作動して異常物を吹き飛ばすように構成されている。
【0066】
そして、図1に示すように、噴射ノズル7aからのエアーの吹き付けを受けずにそのまま進行してくる正常なペレットkを回収する正常物回収部6と、エアーの吹き付けを受けて正常なペレットkの流れから横方向に分離した異常物を回収する異常物回収部39とが設けられ、正常物回収部6が横幅方向に細長い筒状に形成され、エアーの吹き付けにより飛ばされたペレットkを回収するように、異常物回収部39が形成されている。
【0067】
次に、粒状体検査装置の全体支持構造について説明する。
図1に示すように、脚部40を備えた底部41、底部41から立設された前部縦枠42、後部縦43、左右両側部においてそれらを連結する斜め方向の横枠44,45等により機枠が構成され、振動フィーダ3に対する振動発生器5が左右両側の横枠44に亘って架設支持された略箱状の枠部47に支持され、底板41上には、エアー吹き付け装置7に対してエアーを供給するための図示しないエアー供給源からのエアーの圧力を調整するための調圧装置48等が設置されている。
【0068】
又、光学式計測部8を収納する収納ケース11が左右両側の横枠45に亘って架設支持された箱状の支持台49に支持されている。又、シュータ1が上部側で枠部47に下部側で収納ケース11に支持されている。前部の縦枠42の上部斜め部分を覆う前部カバー50に情報の表示及び入力用の操作パネル46が設置され、後部カバー51の内部には後述するような制御用の回路を備えた回路基板が備えられている。尚、図示はしないが、前部カバー50及び後部カバー51は左右方向に開閉自在に構成され、装置内部の点検等を行うことができるようになっている。
【0069】
次に制御構成について説明する。
図9に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置52が設けられ、この制御装置52に、2台の前部側受光装置14A,14B、及び、2台の後部側受光装置15A,15Bからの各受光信号と、操作パネル46からの操作情報とが入力されている。
一方、制御装置52からは、操作パネル46に対する表示用の駆動信号と、4個の前部側用の照明光量調整回路29に対する駆動信号と、4個の後部側用の照明光量調整回路30に対する駆動信号と、各噴射ノズル7aへのエアー供給をオンオフする複数個の電磁弁53に対する駆動信号と、振動発生器5に対する駆動信号と、前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33に対する駆動信号とが出力されている。
【0070】
そして、制御装置52を利用して、前記各受光装置14A,14B、15A,15Bかの受光量を設定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした受光量がペレット群kにおける正常物からの検出光に対する適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れているか否かの判別を行う判別手段100が構成されている。
【0071】
具体的には、この判別手段100は、前部側受光装置14A,14Bの各単位受光部tの受光量を所定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした光量値が前面側の反射光について各単位受光部t毎に設定された適正光量範囲ΔE2を外れているか否かの判別を各単位受光部t毎に行うとともに、後部側受光装置15A,15Bの各単位受光部tの受光量を所定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした光量値が後面側の反射光について各単位受光部t毎に設定された適正光量範囲ΔE1を外れているか否かの判別を各単位受光部t毎に行い、上記両判別においていずれかの単位受光部tの受光量が適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れている場合に異常物の存在を検出する。
【0072】
上記異常物について説明すると、例えばペレットkの外周の一部の箇所に正常物と濃度が異なる異常箇所、具体的には、ペレットkの表面に樹脂処理の過程において生じた焼けによる黒色箇所やコンタミによる汚染箇所があるような場合に、その異常箇所からの反射光を受光した単位受光部tの受光量が、上記適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れて異常物の存在が検出される。
【0073】
異常物の信号について図8に例示する。尚、図8は、受光出力電圧の波形の一部を拡大したものであり、説明を判り易くするために、実際よりも異常が多く発生している状態が示されている。
図8において、e0は、正常なペレットからの標準的な反射光に対する出力電圧レベルであり、受光素子5aの出力電圧が適正光量範囲ΔE1,ΔE2よりも小さい場合e1,e2では、正常なペレットよりも反射率が小さい異常のペレット(例えば、焼け部分)や異なる色の樹脂ペレット等の存在を判別し、適正光量範囲ΔE1,ΔE2よりも大きい場合e3では、正常なペレットkよりも反射率が大きい異なる色の樹脂ペレット(例えば、明度が大きい白色の樹脂ペレット)等の異物の存在を判別する。
【0074】
そして、制御装置52は、検出箇所Jを通過したペレット群kのうちで、異常物の存在が判別された場合には、検出箇所Jから噴射ノズル7aの噴射位置にペレット群kが搬送されるのに要する時間間隔が経過するに伴って、異常物に対してその位置に対応する区画の各噴射ノズル7aからエアーを吹き付けて正常なペレットkの経路から分離させる。
【0075】
そして、この検査装置では、検査対象物としての多数のペレット群kについて選別処理を開始する前に、以下に説明するような種々の調整処理を実行することになる。
【0076】
先ず、適正光量範囲ΔE1,ΔE2を設定して記憶する。
すなわち、例えば、検査対象物としてのペレット群kについて、人為的な判断により予め異常であると判断された異常物を設定個数用意しておき、この異常物をシュータ1を流下させて全ての受光量の計測を順次行い、その受光量の計測結果に基づいて、異常であると判別すべき光量の設定閾値を定めて適正光量範囲ΔE1,ΔE2を定め、その適正光量範囲ΔE1,ΔE2を図示しないメモリに記憶させておき、検査対象物としての多数のペレット群kについて検出を実行するときには、この記憶している適正光量範囲ΔE1,ΔE2を用いて検出処理を実行する。
【0077】
又、多数のペレット群kについて選別処理を開始する前に、複数のライン状照明装置23,27に対して各別に作用する照明光量調整手段28による照明光量調整処理を行う。
つまり、図2に示すように、検出箇所Jがその内部に位置するペレット通過用空間C1は下方側ほど幅広となる下広がり状に形成されるので、前部側照明部18における下側の水平光発光用のライン状照明装置23aと、上側の水平光発光用のライン状照明装置23aとは、検出箇所Jからの離間距離が互いに異なるものであり、同じ光量を出射させても、検出箇所Jを照射する光の光量は少しだけ異なることになる。上下両側の垂直光発光用のライン状照明装置23bについても同様である。そこで、作業者が、操作パネル46を用いて各ライン状照明装置23により検出箇所Jを照射する光の光量が同じになるように、各ライン状照明装置23の光量を変更調整するのである。
後部側照明部19についても同様に、各ライン状照明装置27の光量を変更調整する。
【0078】
多数のペレット群kについて選別処理を開始する前に、2台の前部側受光装置14A,14Bの個体差に起因した検出値の誤差が生じないように、すなわち、同一のペレットについて同じ検出値が得られるように、2台の前部側受光装置14A,14Bの検出値についての出力ゲイン調整処理を行う。2台の後部側受光装置15A,15Bの検出値についても同様に、検出値の誤差が生じないように出力ゲイン調整処理を行う。
【0079】
さらに、多数のペレット群kについて選別処理を開始する前には、前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33の光量を調整する背景光量調整処理を行う。つまり、作業者が、操作パネル46を用いて、前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33の光量を、正常物に対応する光量になるように変更調整するのである。このように背景光量が正常物の光量と同等になることで、検出箇所Jにペレットkが存在しないときにも、受光手段10の受光量に基づいて異常物の存在を検出することがなく、エアー吹き出し装置7が不必要に作動して無駄な動作を実行することがない。
【0080】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、前記照明用光源20.24が、前記凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で複数の発光部22,26として、夫々独立に形成されたライン状照明装置23,27を備えて構成されるものを示したが、この構成に代えて、例えば、図10及び図11に示すように、照明用光源20,24が、凸状曲面Qに沿うように略円弧状に一体的に形成された1つの照明装置60にて構成されるものでもよい。尚、この構成では、照明用光源20,24が凸状曲面Qに沿うように一体的に形成されるものであるから、その中央部には、検出箇所Jから受光手段10に向けて光を通過させるための光通過孔73,74が形成されることになる。
又、図12に示すように、多角形状に一体的に形成された1つの照明装置61にて構成されるもの等でもよい。
【0081】
(2)上記実施形態では、前記照明用光源20,24がLED発光素子を備えて構成されるものを示したが、照明用光源としては、LED発光素子に限らず、蛍光灯等の他の種類の照明用のランプを用いることができる。
【0082】
(3)上記実施形態では、受光手段10に向けて光を投射する投射部材32,33が、LED発光素子を備えて構成されるものを示したが、投射部材としては、LED発光素子に限らず、所定の光反射率を備える反射板にて構成してもよい。
【0083】
(4)上記実施形態では、受光手段10として、装置横幅方向に沿って並ぶ状態で配備された2台の前部側受光装置14A,14B(15A,15B)を備える構成としたが、検出箇所の横幅方向全幅を1台の受光装置にて検出する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、粒状体群を正常物であるか異常物であるかの判別を行う粒状体検査装置に適用できる。
【符号の説明】
【0085】
9 照明手段
10 受光手段
18 一方側照明手段
19 他方側照明手段
20,24 照明用光源
21,25 拡散透過部材
22,26 発光部
23,27 ライン状照明装置
28 照明光量調整手段
32,33 投射部材
34 背景光量調整手段
IK 移動落下経路
Q 凸状曲面
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物としての粒状体群を検出箇所を通過させるように移送する移送手段と、前記検出箇所を照明する照明手段と、前記検出箇所からの光を受光する受光手段と、前記受光手段の受光量が正常物に対応する適正光量範囲を外れているか否かにより正常物であるか異常物であるかを判別する判別手段とが備えられ、前記照明手段が、照明用光源と、その照明用光源から前記検出箇所に向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材とを備えて構成されている粒状体検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粒状体検査装置では、前記検出箇所からの光が前記受光手段に導かれる光通過経路に近付けた状態で且つその光通過経路の上下両側部に振り分けた状態で前記照明用光源としての蛍光灯が備えられ、その蛍光灯と検出箇所との間に、前記拡散透過部材として、蛍光灯から検出箇所に向けて投射される光を拡散光として透過させて検出箇所に導く平板状の拡散板が備えられる構成となっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−264256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蛍光灯等の照明用光源から出射された照明光を直接に検出箇所に照射する場合であれば、検査対象物として、例えば表面に光沢部分や小さい曲率の曲面部分等が存在する樹脂ペレット等を対象とするものでは、表面の光沢部分や小さい曲率の曲面部分等において、表面の他の部分における反射光よりも強い反射光が生じるおそれがある。そこで、上記従来構成では、蛍光灯等の照明用光源から出射された照明光を直接に検出箇所に照射するのではなく、拡散光によって検出箇所を照明することにより、上記したような表面に光沢部分や小さい曲率の曲面部分が存在するような粒状体群であっても、強い反射光が生じるおそれがなく、検査対象物からの本来の受光量の情報を得ることで、判別手段による正常物であるか異常物であるかの判別を適正に行うことができるようにしたものである。
【0005】
上記従来構成は、拡散光を検査対象物に照射するものであることから、粒状体群から部分的に強い反射光が生じるおそれは少なくなるが、透明な樹脂ペレット等の透明な検出対象物である場合においては、判別手段による判別を適正に行うことができないおそれがあり、未だ改善の余地があった。
【0006】
すなわち、上記従来構成では、照明用光源が検出箇所から受光手段に導かれる光通過経路に近付く状態で備えられるものであり、検出箇所に位置する検査対象物に対しては、検出対象物における受光手段による受光対象側の側面に対して、光通過経路に略沿う方向に光が照射されるものとなる。
【0007】
そして、照射された光が検査対象物の表面で反射するだけではなく、例えば、検査対象物としての透明な樹脂ペレットの内部を通過しながら屈折して異なった方向に向きを変化させた状態で出射されて受光手段にて受光されることがある。その結果、実際には全ての領域で同じ透明度を有する正常な検査対象物(樹脂ペレット)であっても、光の屈折の仕方によっては、受光手段にて受光される受光情報として、光の強さが大きい特に明るい部分や光の強さが小さい影の部分が存在する情報が得られることがあり、正常な検査対象物であるにもかかわらず、光の強さが大きい部分や光の強さが小さい影の部分の光量が適正光量範囲から外れて異常物であると誤判別されることがあり、判別手段による検査対象物の判別を適正に行うことができないおそれがあった。
【0008】
本発明の目的は、透明な粒状体群を検出対象物とするような場合であっても、正常物であるか異常物であるかの判別を良好に行うことが可能な粒状体検査装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る粒状体検査装置は、検査対象物としての粒状体群を検出箇所を通過させるように移送する移送手段と、前記検出箇所を照明する照明手段と、前記検出箇所からの光を受光する受光手段と、前記受光手段の受光量が正常物に対応する適正光量範囲を外れているか否かにより正常物であるか異常物であるかを判別する判別手段とが備えられ、前記照明手段が、照明用光源と、その照明用光源から前記検出箇所に向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材とを備えて構成されているものであって、その第1特徴構成は、前記照明手段が、前記拡散透過部材を前記検出箇所から離れる外方側に向けて凸状に湾曲する凸状曲面に形成する状態で備えるとともに、前記照明用光源を前記拡散透過部材よりも前記外方側の箇所に前記凸状曲面に沿って位置する状態で備えて構成されている点にある。
【0010】
第1特徴構成によれば、照明手段における拡散透過部材が検出箇所から離れる外方側に向けて凸状に湾曲する凸状曲面に形成する状態で備えられ、照明用光源が拡散透過部材よりも外方側の箇所に拡散透過部材における凸状曲面に沿って位置する状態で備えられることから、照明用光源は、凸状に湾曲する凸状曲面に沿って互いに位置が異なる箇所から検出箇所に向けて光を出射し、その照明用光源が出射した光が拡散透過部材により拡散光として透過させて検出箇所に照射されることになる。
【0011】
言い換えると、照明用光源は、検出箇所に向かう光照射経路が検出箇所を中心にして略放射状に位置するように、互いに異なる方向から検出箇所に対して光を照射することになり、例えば、受光手段に導かれる光通過経路に略沿う方向の光を照射するとともに、その光通過経路に略沿う方向と略直交する方向の光を照射するなど、大きく向きが異なる種々の方向の光を透過拡散させた状態で検出箇所に照射させることが可能となる。
【0012】
つまり、検出箇所に位置する検査対象物に対して、受光手段に導かれる光通過経路に略沿う方向の光だけでなく、その光通過経路に略沿う方向に対して略直交する方向の光等、凸状曲面に沿って互いに位置が異なる箇所から光を照射させることが可能となるので、検出箇所に位置する検査対象物に対して、広い範囲にわたり均等に拡散された光を照射することができる。
【0013】
このように広い範囲にわたり略均等に拡散された光を照射することにより、例えば、透明のペレット等の透明な検査対象物を対象とするものであっても、検出箇所に位置する検査対象部に対して照射手段にて照明される光が、検査対象物の外周部の広い範囲にわたって略均等に拡散された状態となるので、全ての領域で同じ透明度を有する正常な検査対象物(樹脂ペレット)であれば、受光手段にて受光される受光情報として、光の強さが大きい特に明るい部分や光の強さが小さい影の部分等が生じるおそれがなく誤判別のおそれが少ないものになる。
【0014】
従って、透明な粒状体群を検出対象物とするような場合であっても、正常物であるか異常物であるかの判別を良好に行うことが可能な粒状体検査装置を提供できるに至った。
【0015】
本発明の第2特徴構成は、前記照明用光源が、前記凸状曲面に沿って並ぶ状態で複数の発光部を備えて構成され、前記複数の発光部の光量を夫々各別に変更調整自在な照明光量調整手段が備えられている点にある。
【0016】
第2特徴構成によれば、照明用光源は凸状曲面に沿って並ぶ状態で複数の発光部を備えており、それら複数の発光部の光量を照明光量調整手段によって夫々各別に変更調整することが可能である。
【0017】
例えば、種々の装置の設置上の制約等から、検出箇所からの離間距離が互いに異なる状態で複数の受光部が配備されるようなことがあっても、複数の発光部の光量を各別に変更調整することにより、検出箇所に位置する検査対象物に対して、広い範囲にわたり略均等に拡散された状態で且つ同じ光量の光を照射することが可能となる。
【0018】
従って、複数の受光部にて検査対象物に照射される光の光量を同じ光量に調整することができるので、複数の受光部の光量の違いに起因して判別手段が誤判別する不利を回避できるものになり、正常物であるか異常物であるかの判別を一層良好に行うことが可能となった。
【0019】
本発明の第3特徴構成は、前記移送手段が、前記粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がった状態で移動落下経路に沿って移送するとともに、前記移動落下経路の途中に横幅方向に沿って延びる状態で設けられた前記検出箇所を通過させるように構成され、前記照明手段が、前記移動落下経路の一方側に備えられる一方側照明手段と、前記移動落下経路の他方側に備えられる他方側照明手段とを備えて構成され、前記一方側照明手段における前記拡散透過部材が、前記検出箇所から一方側外方に向けて凸状に湾曲する前記凸状曲面を有し且つ前記横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成され、前記他方側照明手段における前記拡散透過部材が、前記検出箇所から他方側外方に向けて凸状に湾曲する前記凸状曲面を有し且つ前記横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている点にある。
【0020】
第3特徴構成によれば、移送手段は、検査対象物としての粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がった状態で途中に横幅方向に沿って延びる状態で設けられた検出箇所を通過させる状態で移動落下経路に沿って移送させる。このように検出箇所が横幅方向に沿って延びる状態で設けられ、複数の粒状体群を横並び状態で同時に移送させながら検査を実行するので、多量の検査対象物を能率よく処理できるものとなる。
【0021】
又、移動落下経路の一方側に備えられる一方側照明手段と、移動落下経路の他方側に備えられる他方側照明手段とにより、両側から検出箇所が照明されるので、検出箇所を移送される粒状体群における一方側の側面と他方側の側面とを共に照明することができ、粒状体群の外周部の略全域を均等に拡散された光で良好に照明することができる。
【0022】
そして、一方側照明手段における拡散透過部材が検出箇所から一方側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面を有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成され、他方側照明手段における拡散透過部材が検出箇所から他方側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面を有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されているから、横幅方向に沿って延びる長尺状の検出箇所において、その長手方向のいずれの位置においても、同じような外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面を形成することができ、同じように拡散させた光を良好に照射させることができる。
【0023】
従って、多量の検査対象物を能率よく処理することが可能なものでありながら、透明な粒状体群を検出対象物とするような場合であっても、正常物であるか異常物であるかの判別を良好に行うことが可能となった。
【0024】
本発明の第4特徴構成は、前記照明用光源における前記凸状曲面に沿って並ぶ状態で備えられる複数の発光部が、前記検出箇所の前記横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で前記横幅方向に長尺のライン状照明装置にて構成されている点にある。
【0025】
第4特徴構成によれば、照明用光源における凸状曲面に沿って並ぶ状態で横幅方向に長尺のライン状照明装置からなる複数の発光部が備えられ、しかも、そのライン状照明装置は、検出箇所の横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で備えられるので、検出箇所における横幅方向でのどの位置にあっても、その検出箇所に位置する検査対象物に対して広い範囲にわたって均等に拡散された光を照射することができる。
【0026】
本発明の第5特徴構成は、前記受光手段の受光方向における前記検出箇所の前記受光手段とは反対側箇所から前記受光手段に向けて光を投射する投射部材と、この投射部材の光量を変更調整自在な背景光量調整手段とが備えられている点にある。
【0027】
第5特徴構成によれば、受光手段の受光方向における検出箇所の受光手段とは反対側箇所、すなわち、受光手段から検出箇所を見た場合に検出箇所の背景となる箇所に、受光手段に向けて光を投射する投射部材が備えられ、背景光量調整手段によりその投射部材の光量を変更調整することができる。
【0028】
投射部材の光量を例えば正常物としての検査対象物から得られる光量と同じ光量に調整しておき、受光手段にてその光量に対して適正光量範囲を設定しておくと、背景の光量を計測しても異常と判断することはなく、検査対象物として異常物が存在するときにのみ光量が適正光量範囲を外れて異常物であると判断することができる。
【0029】
そして、検査対象物の種類が異なると正常物としての検査対象物から得られる光量が異なるような場合であっても、その光量に合わせるように投射部材の光量を変更調整することで対応でき、例えば、検査対象物の種類が異なる毎に光量の異なる投射部材に付け替える等の手間が不要で使い勝手のよいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】全体側面図である。
【図2】光学式計測部の縦断側面図である。
【図3】光学式計測部の平面図である。
【図4】光学式計測部の斜視図である。
【図5】受光手段と照明手段の配置状態を示す斜視図である。
【図6】前部側受光部における計測状態を示す平面図である。
【図7】受光手段の受光状態を示す図である。
【図8】受光手段の出力電圧を示す図である。
【図9】制御ブロック図である。
【図10】別実施形態の光学式計測部の縦断側面図である。
【図11】別実施形態の照明用光源の斜視図である。
【図12】別実施形態の照明用光源の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る粒状体検査装置の実施形態を、多数の樹脂ペレットを検査対象物として移送しながら、正常物であるか異常物であるかの判別処理とそれらの分離処理を行う場合について図面に基づいて説明する。
【0032】
図1に示すように、検出箇所Jを通過させるようにペレット群kを一層で且つ幅広状態で流下案内する傾斜姿勢のシュータ1が備えられ、このシュータ1の上部側に設けた貯留ホッパー2から振動フィーダ3によって搬送されて供給されたペレット群kをシュータ1の上面を流下させながら、正常物と異常物とを選別してそれらを分離することができるように構成されている。
【0033】
以下、各部の構成について説明する。
図1に示すように、外部からペレット群kが供給されて貯留される貯留ホッパー2は、側面視で下端側ほど先細の筒状に形成され、振動フィーダ3は、貯留ホッパー2の下部から排出されるペレット群kを受止める受止め載置部4と、その受止め載置部4に振動を与える振動発生器5とを備えて、振動発生器5にて受止め載置部4に振動を与えて、その一端部からペレット群kを繰出して、シュータ1の幅方向全幅に亘って広がる一層状態で流下するようにペレット群kをシュータ1上に繰出すように構成されている。このシュータ1は、図4に示すように、幅方向全幅に亘って平坦な案内面に形成された平面シュータにて構成されている。この場合、一層状態で流下させることを目的としているので、流れ状態により部分的に粒が重なって二層状態等になっても、一層状態の概念に含まれる。
【0034】
図1に示すように、ペレット群kがシュータ1により流下案内される移動落下経路IK中にペレット群kに対する検出箇所Jが設定されており、シュータ1により流下案内されて検出箇所Jを通過した正常なペレット群kは下方側の正常物回収部6にそのまま落下して回収され、異常物は後述するエアー吹き付け装置7による吹き付け作用により経路を異ならせて別途回収されるように構成されている。
【0035】
従って、貯留ホッパー2、振動フィーダ3、及び、シュータ1等により、ペレット群kを一層状態で且つ横幅方向に広がった状態で移動落下経路IKに沿って移送するとともに、移動落下経路IKの途中に横幅方向に沿って延びる状態で設けられた検出箇所を通過させる移送手段Sが構成されている。
【0036】
又、振動フィーダ3は、振動発生器5の振動によるペレット群kの搬送速度を変化させることにより、シュータ1に繰出されるペレット群kの供給量、つまり、シュータ1によるペレット群kの移送流量を変更調節することが可能に構成されている。
【0037】
そして、前記検出箇所Jに対応する位置に光学式計測部8が備えられている。この光学式計測部8は、図1〜図5に示すように、検出箇所Jを照明する照明手段9と、検出箇所Jからの光を受光する受光手段10と、検出箇所Jよりもペレット群kの移送方向下手側の分離箇所において分離対象粒(異常物)と他の正常なペレット群k(正常物)とを分離させる分離手段としてのエアー吹き付け装置7等を備えて構成され、それらを収納ケース11の内部に収納する状態でユニット状に構成されている。
【0038】
次に、受光手段10の構成について説明する。
受光手段10は、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して一方側としての装置前部側に位置して、検出箇所Jからの光を受光する一方側受光手段としての前部側受光部12と、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して他方側としての装置後部側に位置して、検出箇所Jからの光を受光する他方側受光手段としての後部側受光部13とを備えて構成されている。
【0039】
前部側受光部12は検出箇所Jから装置前部側外方に向かう光を受光し、後部側受光部13は検出箇所Jから装置後部側外方に向かう光を受光するものであって、これらの前部両側の受光部12,13を備えることで、ペレット群kの前後両側部における異常を適正に検出することができる構成となっている。
【0040】
そして、図3、図5及び図6に示すように、前部側受光部12は装置横幅方向に沿って並ぶ状態で配備された2台の前部側受光装置14A,14Bを備えて構成され、後部側受光部13も前部側受光部12と同様に、装置横幅方向に沿って並ぶ状態で配備された2台の後部側受光装置15A,15Bを備えて構成されている。
【0041】
図7に示すように、前記各受光装置14A,14B、15A,15Bは、検出箇所Jからの光を受光する複数個の単位受光部tを装置横幅方向に沿って並置させる状態で備えて、ペレットkの大きさよりも小さい範囲を単位受光対象範囲とする分解能状態で光を受光するように構成されている。
つまり、各受光装置14A,14B、15A,15Bは、夫々、ペレットkの大きさよりも小さい範囲p(例えばペレットの大きさの10分の1よりも小さい範囲)を夫々の受光対象範囲としており、図6に示すように、それら複数の受光対象範囲に対応する受光対象範囲である複数個の単位受光部tを幅広の検出箇所Jに対応させてライン状に並ぶ状態で並置されたCCDセンサ部16と、装置横幅方向に視野角を有する状態で受光した光を複数の単位受光部tに導く集光レンズ17とを備えて構成されている。
【0042】
図6に示すように、前部側受光部12における2台の前部側受光装置14A,14Bは、夫々、検出箇所Jの装置横幅方向の全幅のうちの右側半分と左側半分を夫々対象として検出箇所Jに位置するペレット群kの像をCCDセンサ部16の各単位受光部t上に結像させる状態で設けられ、各単位受光部tから各受光情報が順次取り出されるように構成されている。
【0043】
尚、図6に示すように、2台の前部側受光装置14A,14Bによる検出対象領域Uは、中央部付近にて重複する状態で設けられ、検出箇所Jの装置横幅方向での全ての領域において光の計測情報が得られるようにしてあり、検出漏れが生じないようにしている。但し、重複して計測する箇所の受光データとしては、左右の前側受光装置14A,14Bのうちのいずれか一方の受光データだけを利用することになる。
【0044】
後部側受光部13は、光の検出方向が前後で逆向きになるだけであり、前部側受光部12と同様な構成を備えるものであるから説明は省略する。又、このような受光手段10の検出情報に基づく判別処理については後で説明する。
【0045】
図2に示すように、検出箇所Jから光が前部側受光装置14A,14Bに導かれる光の光軸CL1、及び、検出箇所Jから光が後部側受光装置15A,15Bに導かれる光の光軸CL2は、夫々、ペレット群kの移送方向と直交する方向ではなく、移送方向と直交する方向よりもペレット移送方向上手側に傾斜する状態で設定され、前部側受光装置14A,14Bと後部側受光装置15A,15Bとが同じ検出箇所Jからの光を同時に検出することができるように構成されている。
【0046】
次に、照明手段9について説明する。
図1、図2及び図5に示すように、照明手段9は、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して一方側としての装置前部側に位置して検出箇所Jを照明する一方側照明手段としての前部側照明部18と、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して他方側としての装置後部側に位置して検出箇所Jを照明する他方側照明手段としての後部側照明部19とを備えて構成されている。
【0047】
前部側照明部18は、検出箇所Jに向けて出射させる照明用光源20と、その照明用光源20から検出箇所Jに向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材21とを備えて構成されている。
説明を加えると、図2及び図5に示すように、拡散透過部材21は、検出箇所Jから一方側外方としての装置前部側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面Qを有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている。この拡散透過部材21は、板面の一方側の外方から入射してくる光を拡散光にして透過させる一般的な光拡散用部材からなる板状部材を半円筒形状になるように湾曲形成することにより構成されている。
【0048】
そして、照明用光源20は、拡散透過部材21における凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で複数の発光部としての複数のライン状照明装置23を備えて構成されている。具体的には、図2及び図5に示すように、検出箇所Jの横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で横幅方向に複数の長尺のライン状照明装置23を凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で備えて構成されている。
【0049】
具体的には、前部側照明部18における複数のライン状照明装置23は、検出箇所Jから光が前部側受光装置14A,14Bに導かれる光の光軸CL1に対して上下方向に振り分けた状態で配備され、各ライン状照明装置23は、夫々、検出箇所Jに向けて光を出射させるように取り付けられている。拡散透過部材21は、検出箇所Jから一方側外方としての装置前部側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面Qを有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている。尚、拡散透過部材21の幅方向中央部には、検出箇所Jからの光を前部側受光装置14A,14Bに導くための光通過孔70が形成されている。
【0050】
説明を加えると、前記光軸CL1に近接する状態で光軸CL1に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向と略直交する方向に向けて光を出射させる一対の水平光発光用のライン状照明装置23aと、前記光軸CL1から離れる状態で光軸CL1に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向に略沿う方向に向けて光を出射させる一対の垂直光発光用のライン状照明装置23bとがあり、合計4個のライン状照明装置23a,23bが備えられる構成となっている。
【0051】
後部側照明部19は、光を出射する方向が装置の前後で異なるように配置状態が前後で逆になっているが、前部側照明部18と同じ構成である。すなわち、検出箇所Jに向けて出射させる照明用光源24と、その照明用光源24から検出箇所Jに向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材25とを備えて構成されている。
説明を加えると、拡散透過部材25は、検出箇所Jから他方側外方としての装置後部側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面Qを有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている。尚、拡散透過部材25の幅方向中央部には、検出箇所Jからの光を前部側受光装置14A,14Bに導くための光通過孔71が形成されている。
【0052】
そして、照明用光源24は、拡散透過部材25における凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で複数の発光部として複数のライン状照明装置27を備えて構成されている。すなわち、検出箇所Jの横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で横幅方向に長尺のライン状照明装置27を凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で備えて構成されている。
【0053】
具体的には、光軸CL2に近接する状態で光軸CL2に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向と略直交する方向に向けて光を出射させる一対の水平光発光用のライン状照明装置27aと、前記光軸CL2から離れる状態で光軸CL2に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向に略沿う方向に向けて光を出射させる一対の垂直光発光用のライン状照明装置27bとがあり、合計4個のライン状照明装置27が備えられる構成となっている。
【0054】
前部側照明部18及び後部側照明部19の夫々における各ライン状照明装置23,27は、詳述はしないが、白色LED発光素子を基板上に3列状態で横幅方向に長尺状に並べて備えるとともに、それら複数の白色LED発光素子から発せられる光を集光する集光部材や光を拡散させる拡散板等を備えて構成となっている。
【0055】
そして、図9に示すように、前部側照明部18における4個のライン状照明装置23の夫々の光量、及び、後部側照明部19における4個のライン状照明装置27の夫々の光量を各別に変更調整自在な照明光量調整手段28が備えられている。
この照明光量調整手段28は、前部側照明部18における4個のライン状照明装置23に対して各別に作用する4個の前部側用の照明光量調整回路29と、後部側照明部19における4個のライン状照明装置27に対して各別に作用する4個の後部側用の照明光量調整回路30とで構成される。
【0056】
このように、ペレット群kの移送方向と略直交する方向に向けて光を出射させる一対の水平光発光用のライン状照明装置23a,27aと、ペレット群kの移送方向に略沿う方向に向けて光を出射させる一対の垂直光発光用のライン状照明装置23b,27bとが備えられ、しかも、それらから出射された光を拡散光として透過させる半円筒状の拡散透過部材21,25を備えることから、検出箇所Jに位置するペレットに対して照明される光が、ペレットkの外周部の広い範囲にわたって略均等に拡散された状態となる。
【0057】
その結果、ペレットkが透明な材料で形成されるものであっても、異常な箇所が存在しない正常なペレットkであれば、光の強さが大きい特に明るい部分や光の強さが小さい影の部分等が生じるおそれが少ないものになる。
【0058】
そして、詳細な取付け構造については詳述はしないが、前部側照明部18における合計4個のライン状照明装置23は、収納ケース11の横幅方向両側部に取り外し自在にビス止めされた取付け板31に亘って架設連結されており、収納ケース11における側部カバー11Aと横幅方向両側部の夫々の取付け板31を取り外すと、両側の取付け板31と4個のライン状照明装置23が一体的に支持された状態が外部に取り外すことが可能な構成となっている。このことにより、修理交換等のメンテナンス作業が行い易いものとなっている。
【0059】
図2に示すように、前部側受光部12の受光方向における検出箇所Jの前部側受光部12とは反対側箇所から前部側受光部12に向けて光を投射する前部側の投射部材32が、前部側照明部18における下側の水平光発光用のライン状照明装置23aと下側の垂直光発光用のライン状照明装置23bとの間に位置する状態で備えられている。
又、後部側受光部13の受光方向における検出箇所Jの後部側受光部13とは反対側箇所から後部側受光部に向けて光を投射する後部側の投射部材33が、後部側照明部19における下側に位置する水平光発光用のライン状照明装置27aと下側の垂直光発光用のライン状照明装置27bとの間に位置する状態で備えられている。
【0060】
前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33は、夫々、詳述はしないが、横幅方向に長尺に形成された基板上にLED発光素子を多数並べて配備するとともに、そのLED発光素子から発した光を拡散板にて拡散させた状態で検出箇所Jを通して前部側受光部12及び後部側受光部13に光を投射するように構成されている。
図9に示すように、この前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33は、背景光量調整手段としての背景光量調整装置34によってペレット群kのうちの正常物からの反射光と同一又は略同一の明るさの光を投射するようにその光量が調整されることになる。
【0061】
つまり、受光手段10の受光方向における検出箇所Jの受光手段10とは反対側箇所から受光手段10に向けて光を投射する投射部材32,33が備えられ、この投射部材32,33の光量を変更調整自在な背景光量調整装置34が備えられている。この背景光量調整装置34は、前部側の投射部材32や後部側の投射部材33を構成するLED発光素子に供給する電流値を変更調整することにより、受光手段10に投射する光量を変更調整することが可能な構成となっている。
【0062】
図2に示すように、収納ケース11の前後中央部には、シュータ1により流下案内されるペレット群kが通過するために上下方向に貫通するペレット通過用空間C1が形成され、そのペレット通過用空間C1の装置前部側には、前部側照明部18、前部側投射部材32を収納する前部側収納空間C2が形成され、ペレット通過用空間C1の装置後部側には、後部側照明部19、後部側投射部材33を収納する後部側収納空間C3が形成されている。
【0063】
ペレット通過用空間C1と前部側収納空間C2との間には、収納ケース11に備えられた前部側の仕切り部35とそれに連なるように設けられたガラス製の光透過窓36が設けられ、ペレット通過用空間C1と後部側収納空間C3との間には、後部側の仕切り部37とそれに連なるように設けられたガラス製の光透過窓38が設けられている。このように前部側収納空間C2や後部側収納空間C3は、ペレット通過用空間C1と仕切られて塵埃等が侵入しないようにしている。
【0064】
上述したように、検出箇所Jから光が前部側受光装置14A,14Bに導かれる光の光軸CL1、及び、検出箇所Jから光が後部側受光装置15A,15Bに導かれる光の光軸CL2は、夫々、ペレット群kの移送方向と直交する方向よりもペレット移送方向上手側に傾斜する状態で設定されているが、検出箇所Jからの光を効率よく検出するために、前後の光透過窓36,38は前記各光軸CL1,CL2の夫々と直交する状態で設けられることから、検出箇所Jがその内部に位置するペレット通過用空間C1は下方側ほど幅広となる下広がり状に形成されることになる。
【0065】
前記検出箇所Jからペレット移送方向下手側に、検出箇所Jでの受光情報に基づいて判別された異常物(例えば、樹脂処理過程で焼けて着色したペレットや、色の違うペレット等)に対してエアーを吹き付けて正常なペレット群kの移動方向から分離させるためのエアー吹き付け装置7が設けられている。
このエアー吹き付け装置7は、噴射ノズル7aの複数個を、検出箇所Jの横幅方向全幅を所定幅で複数個の区画に分割形成した各区画に対応する状態で並置させ、異常物が存在する区画の噴射ノズル7aが作動して異常物を吹き飛ばすように構成されている。
【0066】
そして、図1に示すように、噴射ノズル7aからのエアーの吹き付けを受けずにそのまま進行してくる正常なペレットkを回収する正常物回収部6と、エアーの吹き付けを受けて正常なペレットkの流れから横方向に分離した異常物を回収する異常物回収部39とが設けられ、正常物回収部6が横幅方向に細長い筒状に形成され、エアーの吹き付けにより飛ばされたペレットkを回収するように、異常物回収部39が形成されている。
【0067】
次に、粒状体検査装置の全体支持構造について説明する。
図1に示すように、脚部40を備えた底部41、底部41から立設された前部縦枠42、後部縦43、左右両側部においてそれらを連結する斜め方向の横枠44,45等により機枠が構成され、振動フィーダ3に対する振動発生器5が左右両側の横枠44に亘って架設支持された略箱状の枠部47に支持され、底板41上には、エアー吹き付け装置7に対してエアーを供給するための図示しないエアー供給源からのエアーの圧力を調整するための調圧装置48等が設置されている。
【0068】
又、光学式計測部8を収納する収納ケース11が左右両側の横枠45に亘って架設支持された箱状の支持台49に支持されている。又、シュータ1が上部側で枠部47に下部側で収納ケース11に支持されている。前部の縦枠42の上部斜め部分を覆う前部カバー50に情報の表示及び入力用の操作パネル46が設置され、後部カバー51の内部には後述するような制御用の回路を備えた回路基板が備えられている。尚、図示はしないが、前部カバー50及び後部カバー51は左右方向に開閉自在に構成され、装置内部の点検等を行うことができるようになっている。
【0069】
次に制御構成について説明する。
図9に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置52が設けられ、この制御装置52に、2台の前部側受光装置14A,14B、及び、2台の後部側受光装置15A,15Bからの各受光信号と、操作パネル46からの操作情報とが入力されている。
一方、制御装置52からは、操作パネル46に対する表示用の駆動信号と、4個の前部側用の照明光量調整回路29に対する駆動信号と、4個の後部側用の照明光量調整回路30に対する駆動信号と、各噴射ノズル7aへのエアー供給をオンオフする複数個の電磁弁53に対する駆動信号と、振動発生器5に対する駆動信号と、前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33に対する駆動信号とが出力されている。
【0070】
そして、制御装置52を利用して、前記各受光装置14A,14B、15A,15Bかの受光量を設定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした受光量がペレット群kにおける正常物からの検出光に対する適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れているか否かの判別を行う判別手段100が構成されている。
【0071】
具体的には、この判別手段100は、前部側受光装置14A,14Bの各単位受光部tの受光量を所定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした光量値が前面側の反射光について各単位受光部t毎に設定された適正光量範囲ΔE2を外れているか否かの判別を各単位受光部t毎に行うとともに、後部側受光装置15A,15Bの各単位受光部tの受光量を所定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした光量値が後面側の反射光について各単位受光部t毎に設定された適正光量範囲ΔE1を外れているか否かの判別を各単位受光部t毎に行い、上記両判別においていずれかの単位受光部tの受光量が適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れている場合に異常物の存在を検出する。
【0072】
上記異常物について説明すると、例えばペレットkの外周の一部の箇所に正常物と濃度が異なる異常箇所、具体的には、ペレットkの表面に樹脂処理の過程において生じた焼けによる黒色箇所やコンタミによる汚染箇所があるような場合に、その異常箇所からの反射光を受光した単位受光部tの受光量が、上記適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れて異常物の存在が検出される。
【0073】
異常物の信号について図8に例示する。尚、図8は、受光出力電圧の波形の一部を拡大したものであり、説明を判り易くするために、実際よりも異常が多く発生している状態が示されている。
図8において、e0は、正常なペレットからの標準的な反射光に対する出力電圧レベルであり、受光素子5aの出力電圧が適正光量範囲ΔE1,ΔE2よりも小さい場合e1,e2では、正常なペレットよりも反射率が小さい異常のペレット(例えば、焼け部分)や異なる色の樹脂ペレット等の存在を判別し、適正光量範囲ΔE1,ΔE2よりも大きい場合e3では、正常なペレットkよりも反射率が大きい異なる色の樹脂ペレット(例えば、明度が大きい白色の樹脂ペレット)等の異物の存在を判別する。
【0074】
そして、制御装置52は、検出箇所Jを通過したペレット群kのうちで、異常物の存在が判別された場合には、検出箇所Jから噴射ノズル7aの噴射位置にペレット群kが搬送されるのに要する時間間隔が経過するに伴って、異常物に対してその位置に対応する区画の各噴射ノズル7aからエアーを吹き付けて正常なペレットkの経路から分離させる。
【0075】
そして、この検査装置では、検査対象物としての多数のペレット群kについて選別処理を開始する前に、以下に説明するような種々の調整処理を実行することになる。
【0076】
先ず、適正光量範囲ΔE1,ΔE2を設定して記憶する。
すなわち、例えば、検査対象物としてのペレット群kについて、人為的な判断により予め異常であると判断された異常物を設定個数用意しておき、この異常物をシュータ1を流下させて全ての受光量の計測を順次行い、その受光量の計測結果に基づいて、異常であると判別すべき光量の設定閾値を定めて適正光量範囲ΔE1,ΔE2を定め、その適正光量範囲ΔE1,ΔE2を図示しないメモリに記憶させておき、検査対象物としての多数のペレット群kについて検出を実行するときには、この記憶している適正光量範囲ΔE1,ΔE2を用いて検出処理を実行する。
【0077】
又、多数のペレット群kについて選別処理を開始する前に、複数のライン状照明装置23,27に対して各別に作用する照明光量調整手段28による照明光量調整処理を行う。
つまり、図2に示すように、検出箇所Jがその内部に位置するペレット通過用空間C1は下方側ほど幅広となる下広がり状に形成されるので、前部側照明部18における下側の水平光発光用のライン状照明装置23aと、上側の水平光発光用のライン状照明装置23aとは、検出箇所Jからの離間距離が互いに異なるものであり、同じ光量を出射させても、検出箇所Jを照射する光の光量は少しだけ異なることになる。上下両側の垂直光発光用のライン状照明装置23bについても同様である。そこで、作業者が、操作パネル46を用いて各ライン状照明装置23により検出箇所Jを照射する光の光量が同じになるように、各ライン状照明装置23の光量を変更調整するのである。
後部側照明部19についても同様に、各ライン状照明装置27の光量を変更調整する。
【0078】
多数のペレット群kについて選別処理を開始する前に、2台の前部側受光装置14A,14Bの個体差に起因した検出値の誤差が生じないように、すなわち、同一のペレットについて同じ検出値が得られるように、2台の前部側受光装置14A,14Bの検出値についての出力ゲイン調整処理を行う。2台の後部側受光装置15A,15Bの検出値についても同様に、検出値の誤差が生じないように出力ゲイン調整処理を行う。
【0079】
さらに、多数のペレット群kについて選別処理を開始する前には、前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33の光量を調整する背景光量調整処理を行う。つまり、作業者が、操作パネル46を用いて、前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33の光量を、正常物に対応する光量になるように変更調整するのである。このように背景光量が正常物の光量と同等になることで、検出箇所Jにペレットkが存在しないときにも、受光手段10の受光量に基づいて異常物の存在を検出することがなく、エアー吹き出し装置7が不必要に作動して無駄な動作を実行することがない。
【0080】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、前記照明用光源20.24が、前記凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で複数の発光部22,26として、夫々独立に形成されたライン状照明装置23,27を備えて構成されるものを示したが、この構成に代えて、例えば、図10及び図11に示すように、照明用光源20,24が、凸状曲面Qに沿うように略円弧状に一体的に形成された1つの照明装置60にて構成されるものでもよい。尚、この構成では、照明用光源20,24が凸状曲面Qに沿うように一体的に形成されるものであるから、その中央部には、検出箇所Jから受光手段10に向けて光を通過させるための光通過孔73,74が形成されることになる。
又、図12に示すように、多角形状に一体的に形成された1つの照明装置61にて構成されるもの等でもよい。
【0081】
(2)上記実施形態では、前記照明用光源20,24がLED発光素子を備えて構成されるものを示したが、照明用光源としては、LED発光素子に限らず、蛍光灯等の他の種類の照明用のランプを用いることができる。
【0082】
(3)上記実施形態では、受光手段10に向けて光を投射する投射部材32,33が、LED発光素子を備えて構成されるものを示したが、投射部材としては、LED発光素子に限らず、所定の光反射率を備える反射板にて構成してもよい。
【0083】
(4)上記実施形態では、受光手段10として、装置横幅方向に沿って並ぶ状態で配備された2台の前部側受光装置14A,14B(15A,15B)を備える構成としたが、検出箇所の横幅方向全幅を1台の受光装置にて検出する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、粒状体群を正常物であるか異常物であるかの判別を行う粒状体検査装置に適用できる。
【符号の説明】
【0085】
9 照明手段
10 受光手段
18 一方側照明手段
19 他方側照明手段
20,24 照明用光源
21,25 拡散透過部材
22,26 発光部
23,27 ライン状照明装置
28 照明光量調整手段
32,33 投射部材
34 背景光量調整手段
IK 移動落下経路
Q 凸状曲面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物としての粒状体群を検出箇所を通過させるように移送する移送手段と、
前記検出箇所を照明する照明手段と、
前記検出箇所からの光を受光する受光手段と、
前記受光手段の受光量が正常物に対応する適正光量範囲を外れているか否かにより正常物であるか異常物であるかを判別する判別手段とが備えられ、
前記照明手段が、照明用光源と、その照明用光源から前記検出箇所に向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材とを備えて構成されている粒状体検査装置であって、
前記照明手段が、
前記拡散透過部材を前記検出箇所から離れる外方側に向けて凸状に湾曲する凸状曲面に形成する状態で備えるとともに、前記照明用光源を前記拡散透過部材よりも前記外方側の箇所に前記凸状曲面に沿って位置する状態で備えて構成されている粒状体検査装置。
【請求項2】
前記照明用光源が、前記凸状曲面に沿って並ぶ状態で複数の発光部を備えて構成され、
前記複数の発光部の光量を夫々各別に変更調整自在な光量調整装置が備えられている請求項1記載の粒状体検査装置。
【請求項3】
前記移送手段が、前記粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がった状態で移動落下経路に沿って移送するとともに、前記移動落下経路の途中に横幅方向に沿って延びる状態で設けられた前記検出箇所を通過させるように構成され、
前記照明手段が、前記移動落下経路の一方側に備えられる一方側照明手段と、前記移動落下経路の他方側に備えられる他方側照明手段とを備えて構成され、
前記一方側照明手段における前記拡散透過部材が、前記検出箇所から一方側外方に向けて凸状に湾曲する前記凸状曲面を有し且つ前記横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成され、
前記他方側照明手段における前記拡散透過部材が、前記検出箇所から他方側外方に向けて凸状に湾曲する前記凸状曲面を有し且つ前記横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている請求項1又は2記載の粒状体検査装置。
【請求項4】
前記照明用光源における前記凸状曲面に沿って並ぶ状態で備えられる複数の発光部が、前記検出箇所の前記横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で前記横幅方向に長尺のライン状照明装置にて構成されている請求項3記載の粒状体検査装置。
【請求項5】
前記受光手段の受光方向における前記検出箇所の前記受光手段とは反対側箇所から前記受光手段に向けて光を投射する投射部材と、
この投射部材の光量を変更調整自在な光量調整手段とが備えられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒状体検査装置。
【請求項1】
検査対象物としての粒状体群を検出箇所を通過させるように移送する移送手段と、
前記検出箇所を照明する照明手段と、
前記検出箇所からの光を受光する受光手段と、
前記受光手段の受光量が正常物に対応する適正光量範囲を外れているか否かにより正常物であるか異常物であるかを判別する判別手段とが備えられ、
前記照明手段が、照明用光源と、その照明用光源から前記検出箇所に向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材とを備えて構成されている粒状体検査装置であって、
前記照明手段が、
前記拡散透過部材を前記検出箇所から離れる外方側に向けて凸状に湾曲する凸状曲面に形成する状態で備えるとともに、前記照明用光源を前記拡散透過部材よりも前記外方側の箇所に前記凸状曲面に沿って位置する状態で備えて構成されている粒状体検査装置。
【請求項2】
前記照明用光源が、前記凸状曲面に沿って並ぶ状態で複数の発光部を備えて構成され、
前記複数の発光部の光量を夫々各別に変更調整自在な光量調整装置が備えられている請求項1記載の粒状体検査装置。
【請求項3】
前記移送手段が、前記粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がった状態で移動落下経路に沿って移送するとともに、前記移動落下経路の途中に横幅方向に沿って延びる状態で設けられた前記検出箇所を通過させるように構成され、
前記照明手段が、前記移動落下経路の一方側に備えられる一方側照明手段と、前記移動落下経路の他方側に備えられる他方側照明手段とを備えて構成され、
前記一方側照明手段における前記拡散透過部材が、前記検出箇所から一方側外方に向けて凸状に湾曲する前記凸状曲面を有し且つ前記横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成され、
前記他方側照明手段における前記拡散透過部材が、前記検出箇所から他方側外方に向けて凸状に湾曲する前記凸状曲面を有し且つ前記横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている請求項1又は2記載の粒状体検査装置。
【請求項4】
前記照明用光源における前記凸状曲面に沿って並ぶ状態で備えられる複数の発光部が、前記検出箇所の前記横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で前記横幅方向に長尺のライン状照明装置にて構成されている請求項3記載の粒状体検査装置。
【請求項5】
前記受光手段の受光方向における前記検出箇所の前記受光手段とは反対側箇所から前記受光手段に向けて光を投射する投射部材と、
この投射部材の光量を変更調整自在な光量調整手段とが備えられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒状体検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−101082(P2013−101082A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245812(P2011−245812)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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