説明

素早く濡れる親水コロイド含有材料、その製造方法及びその使用

本発明は、成形体の形態である、素早く濡れる天然親水コロイド含有材料の製造方法に関する。ここでは、成形体の形態である天然親水コロイド含有材料は、プラズマにさらされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形体の形態の素早く濡れる天然親水コロイド含有材料に関する。さらに本発明は、この材料の製造方法と共に、異なる応用分野におけるこの材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に天然起源であるが(特に多糖及びたんぱく質)、一部には合成的に製造されてもいる一連の異なるポリマー物質が、親水コロイドとして言及される。これらは、水系のゲル又は粘性溶液を形成する特性によって区別される。いくつかの親水コロイドは、水溶性であるが(温度の関数として)、他の親水コロイドは、コロイド溶液、分散体、又はエマルションの形態で存在する。親水コロイドのこれら及び他の特性は、いくつかの場合に、加水分解の程度によって、例えば不溶性のコラーゲンからの可溶性のゼラチンの製造における加水分解の程度によって、影響を受ける場合がある。
【0003】
これらの特性と共にそれらの生理学上の安全性のために、天然の親水コロイドは、増粘剤又は安定剤として、すなわち製品の特定のコンシステンシー又は質感を調整するために、食料及び化粧品の製造に幅広く用いられている。その上、親水コロイド又は親水コロイド含有材料は、医薬品においても、例えば外傷のケアにおいて、又は生体細胞のための基材として用いられている。多くの親水コロイドの良好な生理学上の適合性、生分解性、及びゲル形成の特性を、ここでは有利に用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の全ての分野における親水コロイドの使用時に起こる問題は、それらの貧弱な又は低い濡れ性である。この現象の原因は、おそらく、親水コロイドの製造又は抽出の間に、乾燥を一般的に行う必要があることである。ここでは、空気と接触している、実際には親水性の親水コロイド分子の疎水性の領域が、空気の方へ配向されて、それによって、形成された粒子、凝集体、又は成形体が、疎水性の表面を有する。
【0005】
この貧弱な濡れ性の結果は、食料の分野において、例えば、素早く濡れる製品の場合よりも、長い時間、強い攪拌又は高い温度が、親水コロイドパウダーを溶解又は分散するために必要となる。産業分野において、これは比較的高いコストをもたらす一方で、製品(例えばゼラチンパウダー)の取り扱い易さが、エンドユーザーで低下する。
【0006】
異なる医療用途に関して、特に親水コロイドは、成形体の形態で用いられる。水系媒体、特に体液と接触して素早く濡れる親水コロイド含有材料も、基本的にここでは望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この問題を解決するために、成形体の形態である親水コロイド含有材料をプラズマにさらす上述のタイプの方法を、本発明により提案する。
【0008】
親水コロイド含有材料を、プラズマ、すなわち少なくとも部分的にイオン化されたガスを用いて処理することによって、その濡れ性を、非常に大幅に改良することができ、それによって生成した材料が、非常に短い時間で完全に濡れることがあることを、驚くべきことに発見した。他方で、同時に、親水コロイドの有利な特性は、実質的に影響を受けることなく留まり、特に親水コロイド含有材料の表面でのpH値でさえも、実質的に変化せずに留まる。これは、プラズマが示す極端な条件にもかかわらず、親水コロイドの化学的変性が、明らかに小さい範囲でのみ起こるが、それでもこれは、濡れ性を顕著に改良するのに十分であることを示唆している。
【0009】
親水コロイド含有材料
原則として、濡れ性の改良を必要とする、あらゆる天然親水コロイド含有材料を、本発明による方法に関して用いることができる。本発明の意味において、天然の親水コロイドは、天然起源のポリマーに実質的に基づく親水コロイドであると理解される。しかし、これは、天然ポリマーに親水コロイドの特性を与えるための追加の変性をした天然ポリマー(例えば、セルロース誘導体の場合)を除外しない。親水コロイドを、特に、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、ホエイプロテイン、ヒアルロン酸、でんぷん、セルロース、ペクチン、カラギーン、キトサン、寒天、アルギン酸塩、これらの加水分解物、これらの誘導体、及び互いの混合物を含む群より選択することができる。
【0010】
親水コロイド含有材料は、好ましくは、支配的な割合、すなわち50wt%超の、親水コロイドから構成される。さらに、水溶性の成分が、その材料中に含有されている場合があるとしても、不十分な濡れ性が、親水コロイドの割合に起因して起きる場合がある。好ましく親水コロイド含有材料中に含有させることができるさらなる成分を、本発明の特定の実施態様に関連して以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】初期の濡れ性を測定するためのテストの概略的な図である。
【図2】血液吸収速度を測定するためのテストの概略的な図である。
【図3】プラズマ処理されたゼラチンスポンジ(本発明による)、及びプラズマ処理されていないゼラチンスポンジによる、血液吸収速度に関するグラフである。
【図4】強く圧縮されたゼラチンスポンジの膨潤の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好ましい実施態様において、その材料は、約80wt%超、好ましくは約90wt%超の親水コロイドを含有する。特に、その材料を、実質的に完全に親水コロイドで構成することもできる。
【0013】
親水コロイドが、特定の割合の水を含有できることを、その材料の組成に関して注意すべきである。この水は、大気と平衡状態で、親水コロイドで結合される。親水コロイド含有材料を、本発明による方法に関して、この形態で用いることができる。あるいは、プラズマ処理の前に親水コロイドの水分含有量を、乾燥によって減少させることができ、この結果として、生成した材料の向上した液体吸収容量を、場合によっては達成することができる。
【0014】
本発明による方法を実施するために、親水コロイド含有材料は、粉末、粒状材料又は凝集体の形態で存在することができる。そのような形態での親水コロイドを、特に食料及び化粧品の分野において、原料として用いることができる。本発明による方法の結果として、素早く濡れて、それにより比較的素早く且つ比較的安価に処理できる、対応する粉末、粒状材料又は凝集体を、製造することができる。
【0015】
親水コロイド含有材料を、本発明による成形体として与えることができる。本発明の意味内において、成形体とは、例えば粉末とは対照的に、所定の空間的構造を有する。成形体は、中実若しくは中空となることができ、又は多孔質構造を有することができる。成形体のいくつかの例としては、フィルム、スポンジ、織布、不織布、チューブ、粒子、又は球体が挙げられる。そのような成形体及びそれらの使用の好ましい実施態様を、以下に詳述する。
【0016】
プラズマ処理
本発明による方法において、プラズマは、好ましくは低圧プラズマ、すなわち標準気圧1013.25mbarよりも顕著に低い圧力を有するプラズマである。特に、この方法を、約1mbar以下の、好ましくは約0.5mbar以下、さらに好ましくは約0.2mbar以下の低圧プラズマを用いて実施することができる。
【0017】
有利には、プラズマは、Oプラズマ、及び/又はHOプラズマである。対応するプラズマの生成は、本分野において周知である。
【0018】
この方法は、好ましくは、親水コロイド含有材料を、プラズマが生成される閉空間でプラズマにさらすように行われる。本発明による方法を、特に市販のプラズマ設備で実施することができる。
【0019】
親水コロイド含有材料をプラズマにさらす持続時間を、その材料の構造及びその材料のサイズと共に、親水コロイドのタイプによって変化させて、濡れ性に関して所望の効果を得ることができる。多くの場合において、顕著な効果を得るために、その材料を、約1分より長い間プラズマにさらすべきである。その持続時間は、好ましくは合計で約5〜約180分であり、さらに好ましくは約20〜約60分である。
【0020】
本発明による方法は、親水コロイド含有材料の表面の少なくとも一部をプラズマにさらすように実行される。しかし、好ましくは全表面が、プラズマにさらされる。
【0021】
ゼラチン含有材料
本発明の好ましい実施態様では、親水コロイドはゼラチンを含有する。ゼラチンは、食料の製造において親水コロイドの中で支配的な役割を果たすだけでなく、医薬用途のための様々な材料のための開始物質として、特別な用途でも適切である。
【0022】
特に医療用途に関して、適切な純度を有するゼラチンは、非常に良好な組織適合性及び細胞適合性、並びに実質的に完全な生分解性によって区別される。これらの特性は、本発明によるプラズマ処理によって実質的に影響を受けずに留まる。特に、プラズマ処理された材料は、非常に良好な細胞適合性を有し、且つpH値について測定可能な変化は表面上で起こらない。これは、例えば生体細胞のための基材としてのゼラチン含有材料の使用時に重要である。
【0023】
本発明による方法に関して使用されるゼラチンを、化学的に変性させることができる。特に、変性は、特定の組織又は特定の細胞のタイプに関するゼラチン含有材料の親和性を増加又は減少させるために、個々のアミノ酸の側鎖に追加の官能基を与えることからなる。
【0024】
本発明のさらなる実施態様によると、ゼラチンは、少なくとも部分的に架橋される。化学的に及び/又は酵素的に達成させることができるゼラチンの架橋により、これは不溶性の形態に変化される。それによって対応する架橋ゼラチン含有材料は、高い温度(例えば37℃)で水系媒体と接触する場合に即座に溶解するのではなく、特定の期間にわたって加水分解的に分解するだけとなる。この分解時間の長さは、架橋度によって変化させることができる。
【0025】
材料の溶解度を低下させるためのそのような架橋を、他の水溶性親水コロイドについても類似的に行うことできる。
【0026】
興味深いことに、親水コロイドの濡れ性は、本発明によるプラズマ処理により改良される一方で、その材料の溶解度、及びそれから形成された成形体の分解挙動は、影響を受けない又は重大には影響を受けないことが分かった。
【0027】
ゼラチンスポンジ
本発明の特定の態様は、多孔質構造を有するゼラチン含有材料についての、本発明の方法の適用に関する。多孔質構造を有するそのような材料を、以下でスポンジとして言及する。
【0028】
ゼラチンスポンジを、医療で用いることができ、特に止血の促進、すなわち出血を止める(例えば、創傷包帯として、又は手術中において)ために用いることができ、又は生体細胞のための基材として(例えば、組織インプラント(tissue implant)の製造において)用いることができる。これら全ての場合において、スポンジの完全な濡れ及び水和が、適用前又は適用時に、望ましい。したがって、本発明による方法によって製造される素早く濡れるゼラチンスポンジを、かなり比較的効果的に用いることができる。
【0029】
本分野で公知のゼラチンスポンジは、その貧弱な濡れ性に起因して、湿潤状態でのみ顕著な吸収性を有するので、それらを例えば創傷包帯として用いる前に、水に浸すことにより湿らせる必要がある。これに対して、本発明による方法を用いて製造されたゼラチンスポンジは、乾燥状態でさえ、血液に対して驚くほど高い吸収性を有する。プラズマ処理されていないゼラチンスポンジと比較したその吸収容量も、かなり比較的高く、すなわち比較的大量の血液が、時間の経過全体にわたって吸収される。
【0030】
そのようなゼラチンスポンジを、特許文献ドイツ国特許公開第10 2004 024 635 A1に記載された方法により製造することができ、例えば、これは水系のゼラチン溶液を泡立てて、そして乾燥させる。この場合に、ゼラチンの架橋を、架橋剤をゼラチン溶液に添加することによって、且つ/又は製造したスポンジへの架橋剤の作用によって、起こすことができる。ゼラチンスポンジは、これに加えて、さらなる成分、例えば柔軟剤を含有することができる。
【0031】
ゼラチンスポンジを、所望の適用場所に応じて、様々な形状で提供することができる。好ましい形状は、例えば、創傷包帯として若しくは手術のために様々な寸法を有する立方形であり、タンポンとして用いるために円柱形であり、大きな面の傷のための包帯のためにスポンジフィルムであり、又は球形の形態のスポンジである。
【0032】
ゼラチンスポンジの多孔質構造は、好ましくは約300μm未満の平均気孔直径を有する。この範囲の気孔直径は、上述の用途に関して好適であり、特に生体細胞とスポンジを定着させることに関しても好適である。
【0033】
本発明による方法は、好ましくはゼラチン含有材料の機械的圧縮を含む。乾燥状態でもろいゼラチンスポンジのこの圧縮の結果として、多孔質構造の部分的な破壊した開孔がもたらされ、そして開気孔の(open−pored)材料が得られる。この多孔質構造の破壊した開孔は、スポンジの構造的な繋がりに影響を与えることなく、且つその完全性を失うことなく生じる。このようにして、プラズマ処理と共に、その処理によって多孔質構造の濡れ性を改良するだけではなく、多孔質構造の全内部表面も好ましくは増加させることによって、そこに接触した水系媒体を素早く吸収し、且つ完全に濡れて且つ水和するゼラチンスポンジを、作製することができる。
【0034】
材料の機械的圧縮を、プラズマ処理の前と後の両方で実行することができる。しかし、材料がプラズマにさらされる前に圧縮される場合、プラズマ処理が、多孔質構造の内部表面に対して比較的効率的になるので、好ましい。
【0035】
機械的圧縮の結果として顕著な効果を得るために、ゼラチンスポンジを、少なくとも一方向に、好ましくは約40%以上、さらに好ましくは約50%以上、圧縮する。例えば材料を圧延することによる一方向だけの圧縮は、大抵十分であるが、複数方向での材料の圧縮も可能である。
【0036】
圧縮され、プラズマ処理されたゼラチンスポンジの濡れ及び水和の間に、圧縮が部分的にもどる、すなわち、スポンジが水系媒体を吸収すると大きくなる。この効果を、液体と接触して素早く濡れるだけでなく、それらの体積がかなりの大きさまで増加し、いくつかの場合には圧縮前のそれらの元々のサイズまで増加するゼラチンスポンジを製造するために用いることができる。この場合において、本発明による方法の間に、材料を、少なくとも一方向に、約65%以上、さらに好ましくは75%以上圧縮することが好ましい。
【0037】
そのような強く圧縮され、素早く濡れるゼラチンスポンジは、特に大量の血液又は体液を吸収することができるだけでなく、周辺組織を支持する又は塞ぐ機能も担うことができる。特に術後の傷のケアについて、そのようなゼラチンスポンジは、ゼラチンの生分解性に起因して、その材料を除去するためのさらなる治療介入が必要とはならないので、再吸収不可能な材料と比較して、優れた状態を与える。
【0038】
高い膨潤容量を有する素早く濡れるゼラチンスポンジを、特に有利に鼻栓として用いることもでき、すなわち重症の鼻血の場合の救急処置のためと、鼻腔領域における手術(特に機能的内視鏡下副鼻腔手術(functional endoscopic sinus surgery)と共に鼻甲介手術(turbinoplasty)において)中との両方で、用いることも出来る。周知の指摘によると、比較的大量の血液を、できるだけ素早く吸収する必要がある。
【0039】
出来るだけ均等なゼラチンスポンジの膨潤を確実にするために、圧縮を、複数の方向で行うことが出来る(例えば、円柱状スポンジの場合に、特に鼻栓の場合に、反径方向の圧縮を行うことが出来る)。
【0040】
さらに、術後の出血が起こることがある外科手術は、扁桃摘出(扁桃腺の除去)である。この場合において、そのような出血を、素早く濡れるゼラチンスポンジによって手当てすることも出来る。
【0041】
比較的高い又は低い硬さを有する、水和した状態のゼラチンスポンジが、用途領域に応じて望ましい場合がある。最も柔軟となりうる材料は、例えば、機能的内視鏡下副鼻腔手術の場合の傷跡を防止する観点から好ましい一方で、鼻甲介手術においては、わずかに比較的高い硬さを有するゼラチンスポンジが、鼻動脈(nasal artery)にある程度の圧力を及ぼすために有利である。水和した状態のゼラチンスポンジの硬さは、材料の密度と共に多孔質構造によって、特に影響を受ける。
【0042】
本発明のさらなる実施態様において、ゼラチン含有材料は、用途に従って選択することができる一以上の薬学上の活性物質を含有する。出血制御効果をさらに改良するために、ゼラチンスポンジは、特に止血剤を含有することが出来る。
【0043】
ゼラチンスポンジを、ユーザーにとって異なる製品間で差別化を容易にするために、さらに着色することが出来る。これは、以下に述べる他のゼラチン含有材料に同様に当てはまる。
【0044】
ゼラチンフィルム
本発明のさらなる実施態様において、その方法を、フィルム形態のゼラチン含有材料を用いて実施する。そのようなゼラチンフィルムは、例えば生体細胞のための基材として、又は組織インプラントの製造において、医療分野でも用いられる。
【0045】
好ましいゼラチンフィルムは、乾燥状態でのフィルムの柔軟性を向上させるために柔軟剤、例えばグリセリンを含有する。しかし、貧弱な濡れ性の問題は、これらのドライフィルムを水系媒体に入れた場合にも発生し、これは本発明による方法の適用により克服することが出来る。
【0046】
ゼラチンフィルムは、好ましくは約20〜約500μmの厚みを有し、より好ましくは約50〜約100μmの厚みを有する。
【0047】
ゼラチンフィルムの好ましい製造方法は、特許文献であるドイツ国特許公開第10 2004 024 635 A1に記載されている。
【0048】
ゼラチン不織布
本発明のさらなる態様によると、マット状の繊維スクリム(matted fibre scrim)の形態のゼラチン含有材料が、この方法を実施するために用いられる。
【0049】
不織布とも言及される場合がある、ゼラチンに基づくマット状の繊維スクリムを、上述の目的のためにゼラチンスポンジの代替手段として、一部に用いることが出来る。ゼラチン不織布は、水和状態で閉気孔(closed−pored)の繊維状ゲル構造に変化して、これも特に生体細胞のための基材として、良好な条件を与える。その上、そのような不織布は、美容目的のために用いることもでき、特にフェイスマスクとして用いることも出来る。
【0050】
マット状スクリムの繊維は、好ましくは約1〜約500μm、さらに好ましくは約3〜約200μm、特には約5〜約100μmの範囲の平均厚みを有する。
【0051】
回転紡糸法(rotary spinning process)によるゼラチン不織布の製造方法は、ドイツ国特許出願第10 2007 011 606に記載されている。
【0052】
本発明のさらなる態様
本発明は、さらに、成形体形態の素早く濡れる天然親水コロイド含有材料に関する。これは上述の方法を用いて得ることが出来る。本発明による材料の特定の利点及び実施態様は、すでに本発明による方法に関連してすでに説明した。
【0053】
その上、本発明による材料を、その初期の濡れ性によって定義することができ、これは特定の量の水系媒体が、その材料によって吸収される速度に該当する。
【0054】
好ましい実施態様によると、本発明は、素早く濡れる多孔質構造の親水コロイド含有材料であり、その材料は、最大で10秒以内に、特には最大で5秒以内に、50μlの水系媒体を吸収するような初期の濡れ性を有する。特に、親水コロイド含有材料は、ゼラチンスポンジの形態のゼラチン含有材料である。
【0055】
加えて、この材料は、好ましくは、水中に浸した場合にその体積が最大で6秒以内に少なくとも200%増加するような膨潤容量を有する。特に、そのような材料を、多孔質構造を有する材料を事前に圧縮することにより得ることができる。
【0056】
初期の濡れ性及び体積の増加の測定は、次の実施例中で詳細に述べられる。
【0057】
さらに本発明は、上述したように、食料の生産及び/又は処理における本発明の親水コロイド含有材料の使用に関する。
【0058】
さらに本発明は、人間医学又は獣医学における本発明の材料の使用、特に止血を促進するための(すなわち出血を止める)、創傷包帯及び/又は鼻栓としての、並びに生体細胞のための基材としての、且つ/又は組織移植片の製造のための、本発明の材料の使用に関する。同様に、それぞれの使用の詳細に関しては、上述の本発明の方法についての記載が参照される。
【0059】
本発明のこれらの及びさらなる利点を、図を参照して次の実施例に基づいて、より詳細に説明する。
【実施例】
【0060】
実施例1:素早く濡れるゼラチンスポンジの作製
【0061】
この実施例は、ゼラチンスポンジの形態である、素早く濡れる親水コロイド含有材料の作製に関する、本発明の方法の使用について述べる。
【0062】
創傷包帯として用いられる市販のゼラチンスポンジを、開始材料として用いた。ゼラチンの架橋の結果として、これらスポンジは、水に不溶であるが、生理学的条件の下で分解可能である。
【0063】
80×50×10mmの元々の寸法を有する、個々のゼラチンスポンジを、第一ステップにおいて、4mmの厚みに圧延し、それにより80×50×4mmの寸法を得た。この一方向への60%のゼラチンスポンジの圧縮の結果として、多孔質構造が、部分的に破壊して開放されて、スポンジの全内部表面に対して、最も高い可能な効率の続くプラズマ処理を行った。
【0064】
その後、そのスポンジを、減圧(1mbar未満)で、50℃で2時間乾燥させて、通常約8〜約12wt%の状態であるゼラチンの水分含有量を、出来る限り、例えば2〜7wt%まで減少させた。
【0065】
圧延して、且つ乾燥させた80×50×4mmの寸法を有する70個のゼラチンスポンジを、高周波電源を有する低圧プラズマ設備のプラズマチャンバー中(体積30リットル)で、40kHzで30分間、Oプラズマで処理した。この場合のその機械のパラメーターを、次の表1に従って設定した。
【0066】
【表1】

【0067】
ゼラチンスポンジを、プラズマ処理中に、全6面で均等にプラズマにさらされるように配置した。
【0068】
短い濡れ時間を有する純白のスポンジを得た。
【0069】
実施例2:初期の濡れ性の測定
【0070】
本発明によりプラズマ処理されたゼラチンスポンジの濡れ性の定量的な測定のため、ドライスポンジによる特定の量の水溶液の吸収のために必要な時間を測定した(初期の濡れ性)。
【0071】
その方法の手順を、図1で概略的に示す。0.03wt%のメチレンブルーを有する50μlのPBS緩衝液(10)を、各場合についてスポンジ(14)の表面の1つの場所にピペット(12)を用いて置いた。その液滴の配置(t=0)から、スポンジへの完全な浸透(t=x)までの時間を測定した。その終点を、浸透する液滴(16)の下のスポンジ構造の確認により、目視で決めた。
【0072】
少なくとも3つのゼラチンスポンジを、それぞれ試験し、そして測定を、各スポンジの表面の4〜6点で実施した。これらの全ての測定から平均値を出した。
【0073】
実施例1により作製したゼラチンスポンジに関して、標準偏差1.7秒で初期の濡れ性の平均値4.4秒を、プラズマ処理直後に得た。
【0074】
プラズマ処理したスポンジを、大気条件で24時間保管した後に、測定を繰り返した。この場合に、プラズマ処理前に乾燥させたスポンジは、一定の水分量を再び吸収した。この場合において、標準偏差0.9秒で平均3.6秒の初期の濡れ性を測定した。
【0075】
これと対照的に、実施例1で開始材料として用いた処理していないゼラチンスポンジの初期の濡れ性は非常に低かったため、表面上に置いたPBS緩衝液の液滴が、20分後にスポンジに浸透さえしなかった。
【0076】
この実施例は、ゼラチンスポンジの濡れ性が、本発明によるプラズマ処理の結果として顕著に改良されることを見事に示している。これは、以降の実施例に示されるように、そのようなスポンジの医療用途に関しての実質的な利点である。
【0077】
実施例3:血液吸収容量の測定
【0078】
この実施例において、本発明によるゼラチンスポンジ(実施例1に関して作製した)の血液吸収容量を、プラズマ処理されていない開始材料と比較して定量的に測定した。
【0079】
これに関して、乾燥したスポンジを各々秤量し、そして血液サンプル(約50%のヘマトクリット値を有する人間の血)の表面上に10秒間置いた。そのスポンジを、その後60秒間フィルター紙上に置いて過剰な血液を流出させた。吸収した血液を有するスポンジを再度秤量し、そしてそのスポンジ材料の重量に関して、吸収した血液の量を、元々の重量からの差を基に計算した。3つの測定から平均値をそれぞれ出した。
【0080】
2種のスポンジの間で明確な差が、このテストにおいても明らかとなった。プラズマ処理されたゼラチンスポンジは、その重量の約58倍の血液を吸収したが、乾燥した処理されていないゼラチンスポンジの場合の対応する値は、その重量の約1.0倍になり、これは実際の適用に関して殆ど無視できる。
【0081】
それゆえ、本発明によるゼラチンスポンジの素早い濡れ性は、乾燥したスポンジを血液と接触させた場合に、実質的に比較的高い血液吸収容量に結果としてなる。
【0082】
ゼラチンスポンジにより血液が吸引される速度(重力に反して)を、血液吸収量容量に関するさらなるテストで測定した。
【0083】
処理されていないスポンジも、実施例1によるプラズマ処理されたスポンジと共にここで、すなわち乾燥した状態と、湿潤した又は濡れた状態との両方で用いた。スポンジを湿潤させるために、これらをテストの実施前に完全に水中に浸し、そして搾った。
【0084】
この方法の手順を、図2で概略的に示す。
調査されるスポンジ(20)は、各々80mmの長さ、20mmの幅及び10又は4mmの厚みがあった(実施例1を参照)。スポンジ(乾燥の又は湿潤の)を、定規(22)の目盛がスポンジの80mmの長さの面に沿うように、定規の上に置いた。定規を、スポンジと共に水平に対して25°の角度とし、スポンジの低い側(すなわち20mm幅の面)を、0.9wt%の塩化ナトリウム溶液で希釈した血液濃縮液(約50%のヘマトクリット値)(24)に浸した。浸液の時間から開始して、ゼラチンスポンジ中の血液の上昇を、時間の関数として測定した。すなわち、スポンジ中の吸収の結果として血液が及んだ距離を、定規のスケールに基づいて読んだ。
【0085】
このテストの結果を、図3に示している。これは、調査した4つのゼラチンスポンジに関して、血液の上昇高さを時間(秒)の関数としてcmで示したグラフである。
【0086】
乾燥した、プラズマ処理されていないスポンジの場合(曲線1)、5分の全測定時間にわたって、血液の検出可能な吸収はそのスポンジでは起こらなかった。このスポンジを事前に湿潤させた場合(曲線2)、わずか1cmの上昇高さまでの血液吸収が最初の3分間で起こり、その後一定に留まった。これは、その貧弱な濡れ性のせいで、プラズマ処理されていないゼラチンスポンジは、吸収作用を少しでも示すために事前に湿潤させる必要があることを示している。
【0087】
対照的に、本発明による方法を用いてプラズマ処理されたゼラチンスポンジは、顕著に素早い血液の吸収、すなわち比較的高い吸収性を湿潤状態(曲線3)及び乾燥状態(曲線4)の両方で示した。両方の場合において、観測時間の間、血液は約3cmの高さ、すなわち湿潤した、プラズマ処理されていないスポンジの3倍超の高さまで連続的に上昇した。
【0088】
従来技術によるゼラチンスポンジは、少しでも血液を吸収するために(すなわち例えば、創傷包帯として)用いられることができるようにするためには、事前に湿潤させる必要があるが、本発明によるゼラチンスポンジは、乾燥状態ですでに顕著に高い吸収効果又は吸収性を示すので、これは本発明によるゼラチンスポンジでは必要がない。
【0089】
実施例4:止血効果の試験
【0090】
実施例1によりプラズマ処理されたゼラチンスポンジ、及びプラズマ処理されていない比較材料(GELITA−SPON)の止血(出血停止)効果を、標準化された条件の下で、有効化した体外静脈のモデル(validated ex vivo vein model)を使って試験した。
【0091】
この場合において、精管切除(varectomy)により得られる大きな伏在静脈(saphenous vein)の閉鎖された部分を、血液で満たし、そして拡散出血を、所定の刺し傷によって引き起こした。静脈の血圧を、全てのテストの間、30mmHgで一定に保った。5秒の出血時間の後で、それぞれのゼラチンスポンジを刺し傷に適用することで止血を開始した。
【0092】
出血の停止が完全となる時間及び血液ロスの両方を測定した。
【0093】
複数のテストの結果として、プラズマ処理していないゼラチンスポンジに関して、約5.5分の止血が完全になるまでの平均時間と、約8mlの平均血液ロスとなった。対照的に、本発明によるゼラチンスポンジのプラズマ処理は、約3分への平均止血時間の実質的な減少、及び約4mlへの平均出血ロスの半減化を導いた。
【0094】
このテストは、本発明によるプラズマ処理の結果としてゼラチンスポンジの止血効果を驚くべきことに顕著に改良できることを示す。
【0095】
実施例5:素早く濡れる、比較的強く圧縮したゼラチンスポンジの作製
【0096】
本実施例で調査したゼラチンスポンジを、次の方法で作製した。
15wt%の豚皮ゼラチン(300gの粉(bloom))の溶液を、ゼラチンをまず水中で膨潤し、そして60℃でそれを溶解することによって作製した。その溶液を、超音波によって脱ガス化し、且つ1モルの水酸化ナトリウム溶液を用いて7.2のpH値にした。1wt%のホルムアルデヒド水溶液の対応する量を、架橋剤として添加し、それにより、2000ppmのホルムアルデヒド(ゼラチンに関して)を作製した。
【0097】
その溶液を、5分の反応時間の後に約45℃に温度制御して、そして機械により空気で泡立てた。120g/lの湿潤密度を有する、泡立ったゼラチン溶液を、40×20×6cmの寸法を有する型に注ぎ、そして10%の相対湿度で、まず20℃で2時間乾燥させて、そして5〜7日間26℃で乾燥させた。
【0098】
3つの異なるサンプルを、次の寸法(寸法a×b×c)で、乾燥したゼラチンスポンジから切り出した。
サンプル1:40×150×35mm
サンプル2:50×150×35mm
サンプル3:80×150×35mm
【0099】
全ての3つのサンプルを、その後一空間方向の強い圧縮にさらし、寸法c(前は35mm)を圧延することによって、サンプル1及び3の場合で10mmに、サンプル2の場合で15mmに縮小した。そのスポンジを、その後再度、寸法b(前は150mm)に切断し、それによって次の寸法(所望の値)を得た。
サンプル1:40×7×10mm
サンプル2:50×5×15mm
サンプル3:80×10×10mm
【0100】
低圧プラズマを用いた3つの異なるスポンジのサンプルの処理を、実施例1に記載したように実施したが、そこで指定した機械パラメーターとは違い、0.15mbarの排気圧力及び0.2mbarの処理圧力を用いた。
【0101】
実施例6:強く圧縮されたゼラチンスポンジの濡れ及び膨張挙動
【0102】
実施例5に従って処理された、圧縮され且つプラズマ処理されたゼラチンスポンジを水に浸したが、これは、スポンジを素早く濡らし、そして膨潤させた。この場合において、膨潤時間、膨潤前後のスポンジの寸法、及び体積の増加率を測定した。2つの実施例の各サンプルを、試験した。その結果を、次の表2に示す。
【0103】
【表2】

【0104】
これらの結果は、プラズマ処理されたゼラチンスポンジが、液体と接触して非常に素早く濡れるだけではなく、その体積をかなりの度合いまで膨潤及び膨張させることを示す。200%を顕著に超える、さらにいくつかの例では300%超の体積の増加率が、ゼラチンスポンジの対応する圧縮で達成することが出来る。
【0105】
浸漬の間の強く圧縮されたゼラチンスポンジの膨潤を、図4に写真で示した。その個々の画像は、浸液の直前、浸液後2秒又は5秒を示す。この場合において、スポンジは、ピンセットにより右側を保持されているが、これは、この領域が膨潤するのを妨げている。対照的に、短時間でのスポンジの左側の領域での体積の顕著な増加が、はっきりと明らかとなる。
【0106】
そのような大きく拡大したゼラチンスポンジは、例えば、鼻栓としての使用に特に適切である。
【0107】
実施例7:素早く濡れるゼラチン不織布の作製
【0108】
ゼラチン繊維で構成されたマット状の繊維スクリム(ゼラチン不織布)を、ドイツ国特許出願第10 2007 011 606に記載された回転紡糸法を用いて、作製した。
【0109】
作製の開始点は、豚皮ゼラチン(300gの粉)の20wt%水溶液であり、これを、例えばドイツ国特許公開第10 2005 048 939 A1にも記載されているように、回転紡糸機器によって紡糸してゼラチン繊維で構成されたマット状スクリムを形成した。複数の層のマット状スクリムを、平らに重ねて、約1.7mmの厚みを有するゼラチン不織布を形成した。
【0110】
不織布中のゼラチンを、その後、10wt%のホルムアルデヒド溶液の平衡蒸気圧で17時間にわたって処理することにより架橋させた。その不織布を、約50℃で、約70%の相対湿度で48時間保持して、架橋反応を完全にし、且つ未消費のホルムアルデヒドの過剰部分を除去した。
【0111】
20×20mmの寸法を有する部分を、ゼラチン不織布から切断して、そして本発明によるプラズマ処理にさらした。これを、実施例1に記載したように実施したが、そこで指定した機械パラメーターとは違い、0.2mbarの処理圧力及び15分の処理時間を用いた。
【0112】
乾燥した、プラズマ処理したゼラチン不織布を、人間の血液に接触させた場合、その不織布による血液の急激な濡れ及び吸収が起こった。この場合において、プラズマ処理した不織布は、1秒未満以内に飽和したが、同じ寸法を有する処理されなかった不織布は、45秒後に飽和したにすぎなかった。ゼラチン不織布を、上述のゼラチンスポンジと同様に、止血の促進のため且つ/又は外傷のケアのために医療分野で用いることが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形体の形態の天然親水コロイド含有材料をプラズマにさらす、成形体の形態の素早く濡れる天然親水コロイド含有材料製造方法。
【請求項2】
前記親水コロイドが、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、ホエイプロテイン、ヒアルロン酸、でんぷん、セルロース、ペクチン、カラギーン、キトサン、寒天、アルギン酸塩、これらの加水分解物、これらの誘導体、及び互いの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記材料が、約50wt%超の、好ましくは約80wt%超の、さらに好ましくは約90wt%超の親水コロイドを含有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記材料が、実質的に完全に親水コロイドから構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記親水コロイド含有材料を、乾燥させた後にプラズマにさらす、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記プラズマが、低圧プラズマである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記低圧プラズマが、約1mbar以下、好ましくは約0.5mbar以下、さらに好ましくは約0.2mbar以下の圧力を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プラズマが、Oプラズマ及び/又はHOプラズマである、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記材料を、約1分より長く、好ましくは約5〜約180分、さらに好ましくは約20分〜約60分プラズマにさらす、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記親水コロイド含有材料の全ての表面を、プラズマにさらす、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記親水コロイドが、ゼラチンを含有する、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記ゼラチンが、化学的に変性されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ゼラチンが、少なくとも部分的に架橋されている、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記ゼラチン含有材料が、多孔質構造を有する、請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記多孔質構造が、約300μm未満の平均気孔直径を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記材料の機械的圧縮を含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記材料の圧縮が行われた後に、前記プラズマにさらす、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記材料を、少なくとも一方向に、約40%以上、好ましくは約50%以上圧縮させる、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記材料を、少なくとも一方向に、約65wt%以上、好ましくは約75%以上圧縮させる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ゼラチン含有材料が、フィルムの形態で与えられる、請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記フィルムが、約20〜約500μm、好ましくは約50〜約100μmの厚みを有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ゼラチン含有材料が、繊維マットの形態で存在している、請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記繊維が、約1〜約500μmの範囲、好ましくは約3〜約200μmの範囲、さらに好ましくは約5〜約100μmの範囲の平均厚みを有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記材料が、一以上の薬学上の活性物質を含有する、請求項11〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記材料が、着色されている、請求項11〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれかに記載の方法を用いて得ることが出来る、成形体の形態である、素早く濡れる天然親水コロイド含有材料。
【請求項27】
前記材料が、最大で10秒以内に50μlの水系媒体を吸収する初期の濡れ性、特に最大で5秒以内に50μlの水系媒体を吸収する初期の濡れ性を有する、多孔質構造の素早く濡れる親水コロイド含有材料。
【請求項28】
前記材料が、水系媒体に浸した場合に、その体積が最大で6秒以内に少なくとも200%増加する膨潤容量を有する、請求項27に記載の材料。
【請求項29】
食料の製造及び/又は処理における、請求項26〜28のいずれかに記載の材料の使用。
【請求項30】
化粧品の製造のための、請求項26〜28のいずれかに記載の材料の使用。
【請求項31】
人間医学又は獣医学における、請求項26〜28のいずれかに記載の材料の使用。
【請求項32】
止血を促進するための、請求項31に記載の材料の使用。
【請求項33】
鼻栓としての、請求項31又は32のいずれかに記載の材料の使用。
【請求項34】
生体細胞のための基材としての、請求項31に記載の材料の使用。
【請求項35】
組織インプラントの製造のための、請求項31に記載の材料の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2011−523425(P2011−523425A)
【公表日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504446(P2011−504446)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054452
【国際公開番号】WO2009/127653
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(502084056)ゲリタ アクチェンゲゼルシャフト (25)
【Fターム(参考)】