説明

組み合わせ掛け布団

【課題】この発明は種々の形態で使用することができるようにした組み合わせ掛け布団を提供することにある。
【解決手段】合い掛け布団1と、この合い掛け布団の下側に設けられる肌掛け布団11とを有する組み合わせ掛け布団であって、
合い掛け布団はメスホック5a,5bとオスホック6a,6bによって分割可能に連結される2つの合い掛け布団片2a、2bに分割され、肌掛け布団は15a,15bとオスホック16a,16bによって分割可能に連結される2つの肌掛け布団片12a、12bに分割されていて、合い掛け布団と上記肌掛け布団の各布団片は、重ね合わせた状態でオスホック7とメスホック17によってそれぞれ分割可能に連結可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は合い掛け布団と肌掛け布団とからなる組み合わせ掛け布団に関する。
【背景技術】
【0002】
掛け布団には薄手の肌掛け布団と、この肌掛け布団に比べて厚手の合い掛け布団があり、季節に応じて使い分けるようにしている。たとえば比較的暖かな季節のときには肌掛け布団を利用し、涼しい季節では合い掛け布団を利用する。合い掛け布団だけでは十分な暖かさが得られないときには、肌掛け布団と合い掛け布団を重ねて利用するということが行なわれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、利用者によっては身体の下半身を上半身よりも温かくしたい場合や上半身を下半身よりも温かくしたい場合などがある。しかしながら、肌掛け布団と合い掛け布団とを重ね合わせて使用するようにしたのでは、利用者のそのような要求に応じた状態で使用することができずに不便であるということがある。
【0004】
この発明は、合い掛け布団と肌掛け布団とを組み合わせて利用する場合、たとえば下半身を上半身よりも温かくしたいなどの利用者の要求に応じて利用することができるようにした組み合わせ掛け布団を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、合い掛け布団と、この合い掛け布団の下側に設けられる肌掛け布団とを有する組み合わせ掛け布団であって、
上記合い掛け布団は第1の連結手段によって分割可能に連結される2つの合い掛け布団片に分割され、上記肌掛け布団は第2の連結手段によって分割可能に連結される2つの肌掛け布団片に分割されていて、
上記合い掛け布団と上記肌掛け布団の各布団片は、重ね合わせた状態で第3の連結手段によってそれぞれ分割可能に連結可能であることを特徴とする組み合わせ掛け布団にある。
【0006】
上記第1の連結手段は分割された2つの合い掛け布団片の一端部を重合させて連結し、上記第2の連結手段は分割された2つの肌掛け布団の一端部を重合させて連結することが好ましい。
【0007】
上記第3の連結手段は上記合い掛け布団の下面周辺部に設けられたオスホックとメスホックとのどちらか一方のホックと、上記肌掛け布団の上面周辺部に設けられた他方のホックであることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、合い掛け布団と肌掛け布団をそれぞれ分割可能に連結される2つの合い掛け布団片及び肌掛け布団片に分割し、さらに合い掛け布団と肌掛け布団の各布団片は重ね合わせた状態でそれぞれ分割可能に連結できる。
【0009】
そのため、たとえば2つの合い掛け布団片のうちの利用者の上半身側に位置する一方を取り外せば、上半身よりも下半身の保温性を高くして使用できるなど、利用者の要求に応じた種々の使用形態を選択することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1(a)は合い掛け布団1の分解斜視図であって、この合い掛け布団1は長手方向中途部で2つの合い掛け布団片2a,2bに分割されている。2つの合い掛け布団片の一方を第1の合い掛け布団片2a、他方を第2の合い掛け布団片2bとする。なお、2つの合い掛け布団片2a,2bは図3(a),(b)に示すように袋状の外装地21内に羽毛或いは綿などの保温材22を収容して構成されている。
【0012】
分割された第1の合い掛け布団片2aと第2の合い掛け布団片2bとは第1の連結手段によって分割可能に連結される。第1の連結手段は第1の合い掛け布団片2aの一端部と、第2の合い掛け布団片2bの一端部とに設けられている。
【0013】
すなわち、第1の合い掛け布団片2aの一端部には、幅方向に沿って第1の取付け部3aが形成され、この第1の取付け部3aよりも所定寸法内方の下面には幅方向に沿って第2の取付け部3bが設けられている。
【0014】
第2の合い掛け布団片2bの一端部には、幅方向に沿って第1の取付け部4aが形成され、この第1の取付け部4aよりも所定寸法内方の上面には幅方向に沿って第2の取付け部4bが設けられている。各第1の取り付け部3a,4aは外装地21の端部を他の部分と隔別して形成され、各第2の取付け部3b、4bは図3(a)に示すように各布団片2a,2bの外装地21を折り返して形成される。なお、各第1、第2の取付け部3a,4a及び3b、4bは外装地21に帯状テープを縫合して形成してもよい。
【0015】
図3(a),(b)に示すように、第1の合い掛け布団片2aの第1の取付け部3aには3つのメスホック5aが設けられ、第2の取付け部3bには2つのメスホック5bが設けられている。各メスホック5a,5bは連結部を第1の合い掛け布団片2aの上面側に向けて設けられている。
【0016】
上記第2の合い掛け布団片2bの第1の取付け部4aには2つのオスホック6aが設けられ、第2の取付け部4bには3つのオスホック6bが設けられている。各オスホック6a,6bは連結部を第2の合い掛け布団片2bの下面側に向けて設けられている。
【0017】
それによって、合い掛け布団1は、第1の合い掛け布団片2aの第1、第2の取付け部3a、3bのそれぞれのメスホック5a、5bを、第2の合い掛け布団片2bの第1、第2の取付け部4a,4bのそれぞれのオスホック6a,6bに取り外し可能に連結することができる。
【0018】
つまり、第1の合い掛け布団片2aと第2の合い掛け布団片2bとは、それぞれの第1、第2の取付け部3a,3b及び4a、4bが設けられた端部を所定寸法重ね合わせた状態で、分割可能に連結することができるようになっている。
【0019】
図1に示すように、上記第1の合い掛け布団片2aの他端部の2つの角部の下面、第2の合い掛け布団片2bの他端部の2つの角部の下面及び第2の合い掛け布団片2bの第1の取付け部4aの両端部の下面には第3の連結手段を構成するオスホック7がそれぞれの連結部を第2の合い掛け布団片2bの下面側に向けて設けられている。
【0020】
図1(b)は上記合い掛け布団1とでこの発明の組み合わせ掛け布団を構成する肌掛け布団11の分解斜視図である。この合い掛け布団11は長手方向中途部で2つの肌掛け布団片12a、12bに分割されている。2つの肌掛け布団片の一方を第1の肌掛け布団片12aとし、他方を第2の肌掛け布団片12bとする。
【0021】
第1、第2の肌掛け布団片12a,12bは図3(a)に示すように袋状の外装地21に羽毛や綿などの保温材22を充填して形成されている。第1、第2の肌掛け布団片12a,12bは第1、第2の合い掛け布団片2a,2bよりも保温材22の充填量を少なくすることで、厚さが薄く形成されている。それによって、合い掛け布団1の方が肌掛け布団11よりも高い保温性を備えている。
【0022】
分割された第1の肌掛け布団片12aと第2の肌掛け布団片12bとは第2の連結手段によって分割可能に連結される。第2の連結手段は第1の肌掛け布団片12aの一端部と、第2の肌掛け布団片12bの一端部とに設けられている。
【0023】
すなわち、第1の肌掛け布団片12a一端部には、幅方向に沿って第1の取付け部13aが形成され、この第1の取付け部13aよりも内方の上面には幅方向に沿って第2の取付け部13bが設けられている。
【0024】
第2の肌掛け布団片12b一端部には、幅方向に沿って第1の取付け部14aが形成され、この第1の取付け部14aよりも内方の下面には幅方向に沿って第2の取付け部14bが設けられている。
【0025】
図3(a)に示すように、各第1の取り付け部13a,14aは外装地21の端部を他の部分と隔別して形成され、各第2の取付け部13b、14bは各布団片12a,12bの外装地21を折り返して形成されている。なお、各取り付け部13a,14a及び13b、14bは外装地に帯状テープを縫合して形成してもよい。
【0026】
第1の肌掛け布団片12aの第1の取付け部13aには2つのメスホック15aが設けられ、第2の取付け部13bには3つのメスホック15bが設けられている。各メスホック15a、15bは連結部を第2の取付け部13bの上面側に向けて設けられている。
【0027】
第2の肌掛け布団12bの第1の取付け部14aには3つのオスホック16aが設けられ、第2の取付け部14bには2つのオスホック16bが設けられている。各オスホック16a,16bは連結部を第2の肌掛け布団12bの下面側に向けて設けられている。
【0028】
それによって、肌掛け布団11は、第1の肌掛け布団片12aの第1、第2の取付け部13a、13bのそれぞれのメスホック15a、15bを、第2の肌掛け布団片12bの第1、第2の取付け部14a,14bのそれぞれのオスホック16a,16bに着脱可能に連結することができる。
【0029】
つまり、第1の肌掛け布団片12aと第2の肌掛け布団片12bとは、第1、第2の取付け部13a,13b及び14a、14bが設けられた端部を所定寸法重ね合わせた状態で、分割可能に連結することができるようになっている。
【0030】
上記第1の肌掛け布団片12aの他端部の2つの角部の上面、第2の肌掛け布団片12bの他端部の2つの角部の上面及び第2の肌掛け布団片12bの第1の取付け部14aの両端部の上面には第3の連結手段を構成するメスホック17が設けられている。これらのメスホック17は上記合い掛け布団1の四隅部及び中途部の下面にそれぞれ設けられた、第3の連結手段を構成する上記オスホック7に分解可能に連結される。それによって、図2に示すように合い掛け布団1の下面に肌掛け布団11を重ねるとともに、これら布団1、11を連結して使用することができる。図3(b)に合い掛け布団1と肌掛け布団11との一端部を第3の連結手段を構成するオスホック7とメスホック17とで連結した状態を示す。
【0031】
このような構成の合い掛け布団1と肌掛け布団11からなる組み合わせ布団によれば、たとえば図4(a)〜(e)及び図5(f)〜(k)に示す形態で使用することができる。すなわち、図4(a)は合い掛け布団1の下面に肌掛け布団11を重ね、これら布団1,11を第3の連結手段を構成するオスホック7とメスホック17とによって連結した状態で、このような状態によれば、利用者は全身を合い掛け布団1と肌掛け布団11とが持つ両方の保温性によって温かな状態で使用することができる。つまり、寒い時期に使用する場合に好適する。
【0032】
図4(b)は合い掛け布団1だけを使用する場合であって、図4(c)は肌掛け布団1だけを使用する場合である。これらの使用形態によれば、それぞれの布団1,11が持つ保温性に応じた状態で使用することができる。
【0033】
図4(d)は肌掛け布団11の利用者の下半身側に位置する第1の肌掛け布団片12aを取り外して使用する場合であって、このような使用形態によれば、利用者は上半身を下半身よりも温かくして使用することができる。
【0034】
図4(e)は図4(d)と逆で、肌掛け布団11の利用者の下半身側に位置する第1の肌掛け布団片12aを第1の合い掛け布団片2a側に重ねて使用する場合であって、このような使用形態によれば、利用者は上半身よりも下半身を温かくして使用することができる。
【0035】
図5(f)は合い掛け布団1の利用者の下半身側に位置する第1の合い掛け布団片2aを除去した使用例であって、このようにして使用すれば、上半身側を下半身側よりも温かく、しかも下半身側は第1の肌掛け布団片12aだけであるから、図4(d)の場合よりも、下半身側を涼しくした状態で使用することができる。
【0036】
図5(g)は上半身側の第2の合い掛け布団片2bを、下半身側の第1の合い掛け布団片2a側に重ねた使用例で、このようにして使用すれば、第2の肌掛け布団片12bを第1の合い掛け布団片2a側に重ねた図4(e)の場合よりも下半身を温かくして使用することができる。
【0037】
図5(h)は第1の肌掛け布団片12aと第2の合い掛け布団片2bとを連結して使用した場合で、このようにして使用すれば、1枚の布団でありながら、利用者の上半身側を下半身側よりも温かくすることができる。
【0038】
図5(i)は図5(h)と逆の場合であって、第1の合い掛け布団片2aと第2の肌掛け布団片12bとを連結して使用する。このような使用形態によれば利用者は下半身を上半身よりも温かくして使用することができる。
【0039】
図5(j)は肌掛け布団11の第1の肌掛け布団片12aの上面に、合い掛け布団1を折り畳んで第1の合い掛け布団片2aと第2の合い掛け布団片2bとを重ねて使用するようにした例である。このようにして使用すれば、利用者の下半身側を、図5(g)の場合に比べてさらに温かくすることができる。
【0040】
図5(k)は合い掛け布団1の第1の合い掛け布団片2aの下面側に、肌掛け布団11の第1の肌掛け布団片12aと第2の肌掛け布団片12bを重ねて使用する場合で、このような使用形態によれば、利用者は下半身を温かくして利用することができるが、図5(j)のように合い掛け布団1の第1、第2の合い掛け布団片2a,2bを折り畳んで使用する場合よりは下半身の保温性を低くすることができる。
【0041】
このように、合い掛け布団1と肌掛け布団11を、それぞれ分割可能に連結される第1、第2の布団片2a、2b及び12a,12bによって構成した。そのため、これら第1、第2の布団片2a、2b及び12a,12bの組み合わせによって上述した種々の形態で使用することができる。つまり、利用者は季節などに応じて好みの保温性となるよう、第1、第2の布団片2a、2b及び12a,12bを組み合わせて使用することができるため、組み合わせ掛け布団の利用価値を向上させることができる。
【0042】
また、合い掛け布団1の第1、第2の合い掛け布団片2a,2b及び肌掛け布団11の第1、第2の肌掛け布団片12a,12bは、これらの端部を所定寸法重ね合わせて連結される。そのため、合い掛け布団1及び肌掛け布団11をそれぞれ各布団片2a,2b及び12a,12bに分割しても、これらの各布団片2a,2b及び12a,12bの連結部分が他の部分に比べて保温性が低くなるということがない。
【0043】
この発明は上記一実施の形態に限定されず、たとえば第1乃至第3の連結手段はオスホック及びメスホックを用いる代わりに、ベルベットファスナを用いて分解可能に連結するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明の一実施の形態を示し、(a)は合い掛け布団の分解斜視図、(b)は肌掛け布団の分解斜視図。
【図2】合い掛け布団と肌掛け布団を重ねた状態の側面図。
【図3】(a)は合い掛け布団と肌掛け布団との一対の布団片の第1、第2の連結手段が設けられた端部を示す拡大断面図、(b)は合い掛け布団と肌掛け布団とを連結する第3の連結手段の一部を示す拡大断面図。
【図4】(a)〜(e)は合い掛け布団と肌掛け布団の使用形態の説明図。
【図5】(f)〜(k)は合い掛け布団と肌掛け布団の使用形態の説明図。
【符号の説明】
【0045】
1…合い掛け布団、2a…第1の合い掛け布団片、2b…第2の合い掛け布団片、5a,5b…メスホック(第1の連結手段)、6a,6b…オスホック(第1の連結手段)、7…オスホック(第3の連結手段)、11…肌掛け布団、12a…第1の肌掛け布団片、12b…第2の肌掛け布団片、15a,15b…メスホック(第2の連結手段)、16a,16b…オスホック(第2の連結手段)、17…メスホック(第3の連結手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合い掛け布団と、この合い掛け布団の下側に設けられる肌掛け布団とを有する組み合わせ掛け布団であって、
上記合い掛け布団は第1の連結手段によって分割可能に連結される2つの合い掛け布団片に分割され、上記肌掛け布団は第2の連結手段によって分割可能に連結される2つの肌掛け布団片に分割されていて、
上記合い掛け布団と上記肌掛け布団の各布団片は、重ね合わせた状態で第3の連結手段によってそれぞれ分割可能に連結可能であることを特徴とする組み合わせ掛け布団。
【請求項2】
上記第1の連結手段は分割された2つの合い掛け布団片の一端部を重合させて連結し、上記第2の連結手段は分割された2つの肌掛け布団の一端部を重合させて連結することを特徴とする請求項1記載の組み合わせ掛け布団。
【請求項3】
上記第3の連結手段は上記合い掛け布団の下面周辺部に設けられたオスホックとメスホックとのどちらか一方のホックと、上記肌掛け布団の上面周辺部に設けられた他方のホックであることを特徴とする請求項1記載の組み合わせ掛け布団。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−288820(P2006−288820A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114912(P2005−114912)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
【Fターム(参考)】