説明

組電池の容量予測方法、寿命予測方法、及び寿命予測システム

【課題】複数の電池素子で構成される組電池の将来的な容量及び寿命を容易且つ高精度に予測することのできる方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】
複数個の素子A1〜A12が並列接続されてなる素子ブロックB1〜B40を、直列に接続してなる組電池10の将来的な容量を予測算出する組電池容量予測方法で、組電池10において予め定められた期間に故障すると想定される素子の予測総数Nを設定し、設定された予測総数Nに基づき、各素子ブロックにおいて含まれ得る故障素子の組み合わせ数C(δ)、C(δ)を算出し、故障素子の組み合わせ数C(δ)を取りうる確率P(δ)と、容量Cap(δと、を乗算して和をとることで期待容量Eを算出し、算出された期待容量Eを組電池の予測容量として組電池の将来の稼働状態の正常性を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池の容量予測方法、寿命予測方法、及び寿命予測システムに関し、特に、複数個の素子を並列に備えた素子ブロックが直列に複数個配置された組電池において、該組電池全体で維持される将来的な容量の推定を行う組電池容量の予測方法、推定された容量に基づいて組電池の寿命を予測する方法、及び該予測を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数個の蓄電池素子を組み合わせてなる組電池が知られている。このような組電池は、システムの信頼性の向上を図るために、蓄電池素子が並列に複数接続されて1つの素子ブロックが形成され、高容量を確保するためにこの素子ブロックが複数個直列に接続されて構成されている。
【0003】
組電池全体の容量特性は、並列に接続された蓄電池素子の個数によって決定される。ところで、経年劣化等の理由により各素子が故障することが考えられる。この場合、最も多くの素子が故障した素子ブロックにおいて故障していない残りの素子数に基づいて組電池全体の容量が決定される。
【0004】
例えば、各素子ブロックにおける素子の数が12個であって、最も多くの素子が故障している素子ブロックにおける素子故障数が2個であったとした場合、設備全体としても10個の素子を有する素子ブロックが直列接続された場合と同じ容量をとることとなる。すなわち、素子が一つも故障していな場合と比較して、10/12≒83%の容量しか発揮できなくなる。
【0005】
従って、組電池全体における故障素子総数が同じであっても、同一素子ブロックの中で故障した素子の最大個数によって容量が大きく変動する。
【0006】
上述のように、組電池の容量は、各素子ブロックの中で最も多くの素子が故障した素子ブロックの故障素子数に依存するため、例えば、ある特定の素子ブロックにおける素子が集中して故障すると、素子の故障総数があまり多くない場合でも組電池全体のパフォーマンスが激減するような可能性も考えられる。
【0007】
従って、組電池のパフォーマンスの低下量をある程度推定し、適切にメンテナンス時期を定めるために、当該設備の将来的な容量、及びこの容量に基づいて決まる寿命を予測するシステムの考案が望まれている。
【0008】
なお、電池素子の容量や寿命を推定する方法や装置は、特許文献1及び2に開示されている。特許文献1は、鉛電池の容量を推定する方法に関するものであり、特に、実験的に得られる鉛電池の放電曲線の近似曲線を求め、この近似曲線に基づいて鉛電池の終止電圧を推定算出することを開示している。
【0009】
一方で、特許文献2は、二次電池の電池寿命を検出する装置に関するものであり、二次電池が出力する電圧を所定時間毎に検知し、それら所定時間毎に検知された電圧の変動量を求め、この電圧変動量の値に基づいて電池の寿命を推定することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−121049号公報
【特許文献2】特開2000−206214号公報
【特許文献3】特開2006−080032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1及び2に開示されている技術は、一つの電池素子の物理的、或いは化学的性質に基づいて容量や寿命を推定するものである。しかし、組電池の場合、多数の電池素子が集合していることから、1つ1つの素子の物理的及び科学的性質を調べて、それを加味しても高精度な容量及び寿命予測を行うことは現実的に困難である。
【0012】
一方で、特許文献3には、複数の蓄電池が直列接続されてなる組電池の寿命を計算することが記載されている。しかし、当該文献3に記載の計算方法も各電池素子の個々の異常を判定して、設備全体の容量(寿命)を推定するという点は、上記文献1及び2に記載の技術と共通するものであり、組電池全体の容量予測のための計算には同様に困難性が生じ、結果として適切な電池のメンテナンス時期を予測することは困難であるものと考えられる。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の電池素子で構成される組電池の将来的な容量及び寿命を容易且つ高精度に予測することのできる方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために請求項1に記載の組電池の容量予測方法は、複数個の素子が並列接続されてなる素子ブロックを、直列に複数個接続してなる組電池の将来的な容量を予測算出する組電池容量予測方法において、前記組電池において定められた期間内に故障すると想定される素子の予測総数を設定する故障素子総数設定工程と、設定された予測総数に基づき、各素子ブロックにおいて含まれ得る故障素子の組み合わせ数を算出する組み合わせ数算出工程と、前記故障素子の組み合わせを取りうる確率と、各組み合わせに対応した素子ブロック毎の最大の故障素子数に基づいて定まる全体容量と、を乗算して和をとることで期待容量を算出する期待容量算出工程と、を有することを特徴とする。
【0015】
これによれば、複数個の電池素子を集合させて構成された組電池の容量予測を、個々の電池素子の物理的性質や化学的性質と無関係に統計的に行うことができる。すなわち、各電池素子単体の物理的或いは化学的性質を特定するための煩雑な測定作業を行うことなく、高精度に定められた期間内における組電池の容量を予測することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の組電池の容量予測方法において、前記各素子ブロックにおける故障素子の組み合わせの起こり易さが加味された重み付け係数を算出する重み付け係数算出手段を更に備え、前記期待値算出工程では、前記各素子ブロック毎における組み合わせ数を取りうる確率として、前記重み付け係数により重み付けされた補正組み合わせ数割合が用いられることを特徴とする。
【0017】
これによれば、故障素子の組み合わせの確率を考慮した重み付け係数を用いることにより、定められた期間内における組電池の容量予測をより高精度に行うことができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の組電池容量の予測方法において、前記重み付け係数が、前記各素子ブロックにおける前記定められた期間内における故障素子の含有個数の組み合わせの発生確率であることを特徴とする。これによれば、上記重み付け係数も、各電池素子の物理的性質や化学的性質等の測定に労力を要するパラメータを用いることなく、組み合わせにかかる簡単な計算のみで容易に求めることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の組電池容量予測方法において、前記組電池において将来的に発生し得ると想定される故障素子の総数の設定は、統計的データ又は実験データに基づいて行われることを特徴とする。
【0020】
これによれば、設定される故障素子総数を現実に観測した統計的又は実験的データに基づいて求められるので、設定される故障素子総数の信頼性が向上し、結果として高精度な組電池の容量予測の実行に寄与することとなる。
【0021】
請求項5に記載の組電池の寿命予測方法は、請求項1〜4に記載の組電池の容量予測方法において、算出された前記期待容量を予測される組電池の容量として、該容量に基づいて前記組電池の寿命を判定する判定工程を備えたことを特徴とする。
【0022】
これにより、請求項1〜4にかかる方法を用いて予測された組電池の容量に基づいて、組電池のメンテナンスや交換の時期を適切に見定めることができる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の組電池の寿命予測方法において、前記組電池の全体容量が適正範囲であるかどうかを判別するための複数の基準範囲を設定し、前記判定工程における寿命の判定は、前記組電池の期待容量が前記複数の基準範囲のいずれに属するかを判断することで行われることを特徴とする。
【0024】
これによれば、組電池の全体容量が、予め設定した適正範囲に含まれるかどうかを判定するだけで、容易に組電池が将来的にどのくらいの期間の間、寿命を保っていられるかを高精度に把握することができる。
【0025】
また、上記課題を解決するために請求項7に記載の組電池の寿命予測システムは、複数個の素子が並列接続されてなる素子ブロックを、直列に複数個接続してなる組電池の将来的な容量を予測算出する組電池容量予測システムにおいて、前記組電池において定められた期間内に発生し得ると想定される故障素子の総数を設定する故障素子総設定手段と、設定された予測総数に基づき、各素子ブロックにおいて含まれ得る故障素子の組み合わせ数を算出する組み合わせ数算出工程と、故障素子の含有個数の組み合わせの発生確率である重み付け係数を算出する重み付け係数算出手段と、前記故障素子の組み合わせ数を該組み合わせに対応した前記重み付け係数に基づいて補正することで補正組み合わせ数を算出する補正組み合わせ数算出手段と、該補正組み合わせ数の総和に対する各補正組み合わせ数の割合を算出する補正組み合わせ数割合算出手段と、前記補正組み合わせ数割合と、各組み合わせに対応した素子ブロック毎の最大の故障素子数に基づいて定まる全体容量と、を乗算して和をとることで期待容量を算出する期待容量算出手段と、算出された前記期待容量を予測される組電池の容量として、該容量に基づいて前記組電池の寿命を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
これによれば、複数個の電池素子を集合させて構成された組電池の容量予測を、個々の電池素子の物理的性質や化学的性質と無関係に統計的に行う。すなわち、各電池素子単体の物理的或いは化学的性質を特定するための煩雑な測定作業を行うことなく、高精度に定められた期間内における組電池の容量、及び該容量に基づく寿命を予測することができ、結果として組電池のメンテナンスや交換の時期を適切に見定めることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、複数個の電池素子を集合させて構成された組電池の容量予測を、個々の電池素子の物理的性質や化学的性質と無関係に統計的に行うことができる。すなわち、各電池素子単体の物理的或いは化学的性質を特定するための煩雑な測定作業を行うことなく、高精度に将来的な組電池の容量及び該容量に基づく寿命を予測することができ、結果として組電池のメンテナンスや交換の時期を適切に見定めることができる。
【0028】
このように、組電池のメンテナンスや交換の時期を正確に求めることができることによって、組電池が適用される電動工具、パソコン、電気自動車等の製品ごとに設定される耐用期間に応じて、製造コストと容量維持率とのバランスを取りつつ最適な個数の電池素子で組電池を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】組電池の構成を説明する図である。
【図2】上記システムにおける処理を説明するフローチャートである。
【図3】組み合わせ計算の方法を説明する図である。
【図4】各期間に応じた故障素子総数、期待容量、及び補正組み合わせ割合の関係を示す図である。
【図5】各期間に応じた故障素子総数、期待容量、及び予備容量の領域の関係を示す図である。
【図6】実施の形態にかかる各計算の一般化を説明するための図である。
【図7】第2の実施の形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態における蓄電池素子が複数集まって構成される組電池の構成を説明する図である。図示のように、組電池10は、電池素子が12個並列に接続されてなる素子ブロックが、直接に40個接続されることで構成されている。この素子ブロックB1〜B40には、それぞれ12個の電池素子A1〜A12が接続されている。この種の組電池10は、例えば、電動工具用の電源用途などの高出力用途に用いるものである。
【0031】
上記組電池10の容量を予測するシステムは、演算及び制御処理を行うCPU等の演算/制御手段、該演算/制御手段で実行するためのプログラムを記録するメインメモリ等の主記憶手段、出力された演算結果等を記録するハードディスク等の補助記憶装置、上記演算のための諸条件を入力するためのキーボード等の入力手段、演算結果等を表示するディスプレイ等の出力装置を備えたコンピュータにより構成される。
【0032】
本実施の形態においては、後に詳細に説明する組電池の容量を予測する計算プログラム(アルゴリズム)が上記主記憶装置に記憶され、該容量の計算が、入力手段により入力された容量予測を行うための条件パラメータに基づき演算手段により実行される。本実施の形態では、故障素子の組み合わせ数の計算等の各計算は、上記演算手段により、主記憶装置や補助記憶装置に記憶されているプログラムに基づいて実行され、その演算結果等が出力装置により出力されるようになっている。
【0033】
図2は、本システムにおける予測計算処理を行うフローを記載した図である。ステップS101において、組電池10において例えば、1年、2年、3年等の予め定められる期間内に発生し得ると想定される故障素子の総数Nを設定する(故障素子総数設定工程)。
【0034】
この故障素子総数Nの設定は、過去の実験結果を参照して行われる。本実施の形態では、例えば、1年以内に故障するであろう組電池10の総数を3個と設定し、2年後における組電池10の容量、すなわち、設定される故障総数Nが6個である場合における容量予測を行う。なお、この故障素数は、例えば、素子の物理的特性、化学的特性、或いは過去の実験結果に基づいて得られた推定個数に基づいて予測理論式を算出し、それにより予測理論式を求めるようにしても良い。
【0035】
ステップS102において、各素子ブロックB1〜B40において故障すると予測される素子の個数の組み合わせ数を算出する(組み合わせ数算出工程)。
【0036】
図3は、設定された故障素子総数が6個である場合において、故障すると推測される素子の個数の組み合わせの算出を行う具体的な流れを説明する図である。図では、予測される組電池の故障素子の総数を6個設定した場合を示している。
【0037】
図において横軸に並ぶ1〜6の数字は、素子ブロックにおける素子の故障数kを示している。そして、図の各kの値の下方に記載されている行列状に合わされている各数字は、k個の素子が故障した素子ブロック数(a(δ))を示す。例えば、第1行においては、6個の素子が故障した素子ブロックが1個存在することを意味している。図から理解されるように、全素子ブロックの故障素子の総数が6個である場合においては、case(1)6個の素子が故障した素子ブロックが1つ存在する場合、case(2)5個の素子が故障した素子ブロックが1つ存在し且つ1個の素子が故障した素子ブロックが1つ存在する場合、case(3)4個の素子が故障した素子ブロックが1つ存在し且つ2個の素子が故障した素子ブロックが1つ存在する場合、case(4)4個の素子が破損した素子ブロックが一つ存在し且つ1個の素子が故障した素子ブロックが2つ存在する場合、case(5)3個の素子が故障した素子ブロックが2つ存在する場合、case(6)3個の素子が故障した素子ブロックが1つ存在し、2個の素子が故障した素子ブロックが1つ存在し、更に、1個の素子が故障した素子ブロックが1つ存在する場合、case(7)3個の素子が故障した素子ブロックが1つ存在し、1個の素子が破損した素子ブロックが3つ存在する場合、case(8)2個の素子が故障した素子ブロックが3つ存在する場合、case(9)2個の素子が故障した素子ブロックが2つ存在し、1個の素子が故障した素子ブロックが1つ存在する場合、case(10)2個の素子が故障した素子ブロックが1つ存在し、1個の素子が故障した素子ブロックが4つ存在する場合、及びcase(11)1個の素子が故障した素子ブロックが6つ存在する場合が考えられる。
【0038】
そして、これら各場合におけるそれぞれの組み合わせ数C(1)〜C(11)を計算する。なお、この組み合わせの計算においては、同一の素子ブロックにおける素子の区別は行わないこととする。すなわち、例えば、素子ブロックB1と素子ブロックB2の二つの素子ブロックに着目した場合、素子ブロックB1に含まれる12個の素子A1〜A12と素子ブロックB2に含まれる12個の素子A1〜A12との間で区別を行うが、同じ素子ブロックの素子同士の区別は行うことなく組み合わせ数を数える。
【0039】
case(1)の場合の組み合わせ数C(1)は、40C1×6!/6!=40通りと計算される。
【0040】
case(2)の場合の組み合わせ数C(2)は、(40C1×39C1)×{6!/(5!・1!)}=9360通りと計算される。なお、{}内の計算は、5個の素子が故障した素子ブロックと1個の素子が故障した素子ブロックにおける素子の故障の順番の数を計算したものである。例えば、素子ブロックB1の故障した1個の素子と、素子ブロックB2で故障した5個の素子において、素子の故障の順番は、A(B(1))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(2))、A(B(2))−A(B(1))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(2))、A(B(2))−A(B(2))−A(B(1))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(2))、A(B(2))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(1))−A(B(2))−A(B(2))、A(B(2))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(1))−A(B(2))、及びA(B(2))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(2))−A(B(1))の6通りとなる。ただし、A(B(1))は素子ブロックB1における各素子を意味し、A(B(2))は素子ブロックB2における各素子を意味する。
以下、case(3)〜case(10)についても同様に、この素子の故障の順番が考慮される。
【0041】
case(3)の場合の組み合わせ数C(3)は、(40C1×39C1)×{6!/(4!・2!)}=23400通りである。
【0042】
case(4)の場合の組み合わせ数C(4)は、(40C1×39C2)×{6!/(4!・1!・1!)}=889200通りである。
【0043】
case(5)の場合の組み合わせ数C(5)は、(40C2)×{6!/(3!・3!)}=15600通りである。
【0044】
case(6)の場合の組み合わせ数C(6)は、(40C1×39C1×38C1)×{6!/(3!・2!・1!)}=3556800通りである。
【0045】
case(7)の場合の組み合わせ数C(7)は、(40C1×39C3)×{6!/(3!・1!・1!・1!)}=43867200通りである。
【0046】
case(8)の場合の組み合わせ数C(8)は、(40C3)×{6!/(2!・2!・2!)}=889200通りである。
【0047】
case(9)の場合の組み合わせ数C(9)は、(40C2×38C2)×{6!/(2!・2!)}=98701200通りである。
【0048】
case(10)の場合の組み合わせ数C(10)は、(40C1×39C4)×{6!/(2!・1!・1!・1!・1!)}=1184414400通りである。
【0049】
case(11)の場合の組み合わせ数C(11)は、(40C6)×{6!/(1!・1!・1!・1!・1!・1!)}=2763633600通りである。
【0050】
以上により、上記case(1)〜case(11)の場合の組み合わせ数の合計C(1)+C(2)+・・・・・+C(11)は、4096000000通りとなる。
【0051】
次に、ステップS103において、上記case(1)〜case(11)の場合におけるそれぞれの重み付け係数G(1)〜G(11)を算出する。本実施の形態における重み付け係数は、各case(1)〜case(11)における故障素子の組み合わせの起こり易さの確率値として定義される。具体的に、case(1)の場合、同じ一つの素子ブロックで6個の素子が故障するので、重み付け係数G(1)=(12/12)×(11/12)×(10/12)×(9/12)×(8/12)×(7/12)≒0.22となる。
【0052】
case(2)の場合では、5個の素子が一つの素子ブロックで故障し且つ1個の素子が一つの素子ブロックで故障することから、重み付け係数G(2)は、(12/12)×(11/12)×(10/12)×(9/12)×(8/12)×(12/12)≒0.38と算出される。同様の計算を行い、case(3)の場合には、重み付け係数G(3)≒0.53、case(4)の場合には、重み付け係数G(4)≒0.57、case(5)の場合には、重み付け係数G(5)≒0.58、case(6)の場合には、重み付け係数G(6)=0.70、case(7)の場合には、重み付け係数G(7)≒0.76、case(8)の場合には、重み付け係数G(8)≒0.77、case(9)の場合には、重み付け係数G(9)≒0.84、case(10)の場合にはG(10)=0.92、及びcase(11)の場合には重み付け係数G(11)=1.00となる。
【0053】
ステップS104において、各case(1)〜case(11)に対して補正組み合わせ数C(1)〜C(11)を算出する。
【0054】
ここで、補正組み合わせ数C(1)〜C(11)とは、上記組み合わせ数C(1)〜C(11)に対してそれぞれ重み付け係数G(1)〜G(11)を乗算することで定義される数である。すなわち、補正組み合わせ数C(1)〜C(11)は、各電池素子の物理的性質や化学的性質を考慮することなく確率的に計算した故障素子の組み合わせC(1)〜C(11)に対して、同じく素子の物理的性質や化学的性質に関係なく組み合わせの起こり確率的な易さを加味して補正を行ったものである。
【0055】
case(1)〜case(11)の場合における補正組み合わせ数C(1)〜C(11)をそれぞれ計算すれば、C(1)=40×0.02≒9、C(2)=9360×0.38≒3575、C(3)=23400×0.53≒12289、C(4)=889200×0.57≒509438、C(5)=15600×0.58≒9103、C(6)=3556800×0.70≒2490583、C(7)=43867200×0.76≒33509667、C(8)=889200×0.77≒684910、C(9)=98701200×0.84≒82909008、C(10)=1184414400×0.92≒1085713200、及びC(10)=2763633600×1.00=2763633600となる。なお、これら補正組み合わせ数の和Σ1≦δ≦11(δ)=C(1)+・・・+C(11)は、3969475382となる。
【0056】
ステップS105において、各case(1)〜case(11)に対して、補正組み合わせ数の総和C(1)+・・・+C(11)に対する各補正組み合わせ数C(1)〜C(11)のそれぞれの割合として与えられる補正組み合わせ数割合P(1)〜P(11)を算出する。補正組み合わせ数割合P(δ)(1≦δ≦11)は、(C(δ)/ΣC(δ))×100(%)として計算される。
【0057】
従って、各case(1)〜case(11)における補正組み合わせ数割合P(1)〜P(11)は、それぞれ、P(1)≒0%、P(2)≒0%、P(3)≒0%、P(4)≒0%、P(5)≒0%、P(6)≒0%、P(7)≒1%、P(8)≒0%、P(9)≒2%、P(10)≒27%、及びP(11)≒70%となる。
【0058】
ステップS106において、各case(1)〜case(11)に対して、組電池の予測容量Cap(1)〜Cap(11)を算出する。上述のように、素子ブロックB1〜B12を並列に接続した組電池における各case(1)〜case(11)における予測容量Cap(1)〜Cap(11)は、全素子ブロックB1〜B12の中で最大数の故障素子が存在する素子ブロックの容量が基準となる。
【0059】
すなわち、case(1)の場合であれば、全素子ブロック中で最大数の故障素子が存在する素子ブロックの故障素子数が6個であるので、予測容量Cap(1)は、Cap(1)=((12−6)/12)×100=50%と算出される。同様に、(2)〜(10)の場合においても、それぞれ、Cap(2)=((12−5)/12)×100≒58%、Cap(3)=((12−4)/12)×100=67%、Cap(4)=((12−4)/12)×100=67%、Cap(5)=((12−3)/12)×100=75%、Cap(6)=((12−3)/12)×100=75%、Cap(7)=((12−3)/12)×100=75%、Cap(8)=((12−2)/12)×100≒83%、Cap(9)=((12−2)/12)×100≒83%、Cap(10)=((12−2)/12)×100≒83%、及びCap(11)=((12−1)/12)×100≒92%と算出される。
【0060】
ステップS107において、各case(1)〜case(11)に対して、予測容量Cap(1)〜Cap(11)と補正組み合わせ数の割合P(1)〜P(11)とを乗算して求められた各乗算値の総和をとり、組電池全体の期待容量Eを算出する。具体的に、E={(Cap(1)/100)×(P(1)/100)+・・・+(Cap(10)/100)×P(11)/100)}×100≒89%と算出される。
【0061】
ステップS108において、上記算出された上記期待容量Eを予め定められた基準値と比較し、組電池全体の容量が適正水準から低下しているかどうかを判定する。例えば、期待容量Eの基準値が80%と定められている場合には、上記期待容量Eは、この基準値を上回ることとなり、寿命が残っているものと判定される。一方で、例えば、より多く年数を定められた期間として設定した場合の容量予測を行う場合には、この経過年数に応じてステップS101で定めた故障素子総数の設定値Nが増加されるので、算出される期待容量Eの値は低下し、この期待容量Eが基準値の80%を下回ることとなる。すなわち、組電池の寿命が尽きるものと判定される。従って、この期待容量Eが基準値を下回る期間が把握されるので、当該組電池のメンテナンスや交換の時期を適切に定めることができる。
【0062】
図4は、設定される期間に対応する、故障素子総数N、期待容量E、及び補正組み合わせ割合P(δ)の関係を示している。図示のように、本実施の形態では、期間が6〜7年の間で期待容量Eが基準値である80%を下回るものと予測される。更に、図5(A)には、各経過年数、期待容量E,及び各case(1)〜case(11)における容量Cap(δ)の定められた領域((I)容量が90%以上の領域、(II)容量が80%以上90%未満の領域、及び(III)容量が80%未満の領域)に含まれる補正組み合わせ割合P(δ)の分布を示したグラフである。また、図5(B)には、期待容量Eと上記補正組み合わせ割合P(δ)の分布を比較説明するグラフである。
【0063】
これら図から理解されるように、予め設定される期間が大きくなるごとに、すなわち、故障素子設定数Nが増加するごとに組電池10が高い容量をとる確率が低下していき、期待容量Eも低下する。本実施の形態では、期待容量Eの基準値を80%と定めることで、組電池10の容量が80未満となる確率が40%以上の高い値になる前の段階で適切にメンテナンスや交換などの対応スケジュールを設定することができる。
【0064】
以上により、本実施の形態では、複数個の電池素子を集合させて構成された組電池10の容量予測を、各電池素子Aの物理的性質や化学的性質を特定する煩雑な作業を行うことなく、統計的に行う。すなわち、各素子単体の性質を考慮しなくても、高い精度で将来的な組電池10の容量を予測して組電池10の正常な稼働状態がいつまで続くかを極めて正確に把握することができ、メンテナンスや交換の時期を適切に設定することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、各case(1)〜case(11)において、上記各素子ブロックBにおける将来的な故障素子の含有個数の組み合わせの発生確率として与えられる重み付け係数G(1)〜G(11)を算出し、この重み付け係数G(1)〜G(11)を用いて、補正組み合わせ数割合P(1)〜P(11)を算出してこれらに基づいて各case(1)〜case(11)における予測容量Cap(1)〜Cap(11)及び期待容量Eを算出しているので、将来的な組電池10の容量予測をより高精度に行うことができる。
【0066】
特に、上記重み付け係数G(1)〜G(11)は、各電池素子の物理的性質や化学的性質等に依存することなく、数学的な計算のみにより求めることができるので、上記各性質の測定に労力を要することなく、容易に算出することができる。
【0067】
更に、ステップS101における将来的に発生し得ると想定される故障素子の総数Nの設定は、統計的データ又は実験データに基づいて行われるので、設定される故障素子総数Nの信頼性が向上し、結果として高精度な組電池のパフォーマンス予測の実行に寄与することとなる。
【0068】
また、本実施の形態では、組電池10の全体容量を適正範囲であるかどうかを区分けするための複数の基準範囲である容量の領域(90%以上、80%以上90%未満、80%未満)を設定し、組電池の期待容量が複数の容量の領域のいずれに属するかを判断することで、組電池10が将来的にどのくらいの期間の間、適正な容量、すなわち、寿命を保っていられるかを容易に知ることができる。
【0069】
なお、上記実施の形態において、素子ブロック総数、経過年数に対応した故障素子総数の設定値、及び1素子ブロックあたりの素子数は、上記数値に限定されるものでは無く、状況に合わせて適宜変更可能である。
【0070】
以下においては、上記ステップS102〜S107における計算を一般的に行うための手法の一例を説明する。以下では、組電池素子の素子ブロックの総数をL、故障素子の総数をN、1つの素子ブロックあたりの素子数をD、k個の素子が故障した素子ブロックの数をa(δ)個とする。なお、条件として、N≦L、D≦L、k≦N、D<L、及びa(δ)≦Lを満たすことは明らかである。
【0071】
図6には、参考のため、case(1)〜case(δmax)の場合において、kが1〜Nの値をとる際のa(δ)の表を示している。
【0072】
先ず、k個の素子が故障した素子ブロックの数をa(δ)であることから、以下の式が成立する。
【0073】
【数1】

【0074】
なお、δは、上記式1を満たすようなa(δ)の組み合わせの総数に応じて決定される。すなわち、δは、方程式1・a(δ)+2・a(δ)+・・・・+Na(δ)=Nの解となりうる組み合わせの総数δmax以下の自然数である。なお、当該方程式は、いわゆるナップザック問題とよばれるNP(Non-deterministic Polynomial time)困難問題であるが、動的計画法や遺伝的アルゴリズム等の種々のアルゴリズムを用いることで、Nがかなり大きな数であっても現実的な計算時間で解を得られることが知られている。そして、ステップS102における故障素子の組み合わせ数C(δ)は、以下の式により算出される。
【0075】
【数2】

【0076】
ただし、式中の()は、
【数3】

である。
【0077】
なお、k=Nのとき、
【数4】

である。
【0078】
また、重み付け係数G(δ)は、以下の式により計算される。
【0079】
【数5】

【0080】
更に、補正組み合わせ数C(δ)は、以下の式により計算される。
【0081】
【数6】









【0082】
従って、補正組み合わせ割合P(δ)は、
【数7】

【0083】
また、組電池の予測容量Cap(δ)は、以下の式により計算される。
【0084】
【数8】

【0085】
ただし、Kmax(δ)は、a(δ)≠0となる最大のkの値として定義される。
【0086】
更に、期待容量Eは、
【数9】

により算出される。なお、上記P(δ)、cap(δ)、及びEについて適宜、100をかけるなどして100分率表示として良い。
【0087】
以上の式を計算するプログラムを設定することで、任意の数の素子の組み合わせによる組電池の容量予測の計算が可能となる。このように、組電池の容量予測を容易に行うことができ、寿命を予測し、組電池のメンテナンスや交換の時期を高精度に求めることができることによって、組電池が適用される電動工具、パソコン、電気自動車等の製品ごとに設定される耐用期間に応じて、製造コストと容量維持率とのバランスを取りつつ最適な個数の電池素子で組電池を構成することができる。
【0088】
(第2の実施の形態)
以下、本実施の形態にかかる第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態では、1素子ブロックにおける12個の素子の他に予備の電池素子を各ブロックに1つずつ付けた例を示す。
【0089】
図7(a)は、本実施の形態において、設定される期間に対応する、故障素子総数N、期待容量E、及び補正組み合わせ割合P(δ)の関係を示す表であり、図7(b)は、期待容量Eと上記組電池の予測容量Cap(δ)の変化を説明するグラフである。図示のように、予備の電池素子を設置した場合における容量は、予備の電池素子を付けていない第1の実施の形態の場合と比較して、より長い経過期間に亘って期待容量が基準値80%以上の値をとることが明確に示されている。
【0090】
本実施の形態では、このような予備の電池素子を加えた場合における組電池の予測も高精度に行うことができる。従って、例えば、組電池を構成した際に、その組電池の使用用途に応じて想定される耐用年数に応じて、必要となる予備の電池素子の個数を決定することができる。これにより、組電池の耐用年数の予測がつかず、予備の電池素子を多く搭載してしまったり、逆に少なく搭載してしまったりすることを防止し、耐用年数に応じた適切な個数の予備の電池素子を定めて搭載することができる。
【0091】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記第1及び第2の実施の形態において、重み付け係数G(δ)を用いて組み合わせ数C(δ)に重み付けを行い、補正組み合わせ数C(δ)を求め、このC(δ)に基づいて算出される補正組み合わせ割合P(δ)と、Cap(δ)とから期待容量Eを求めたが、重み付け係数G(δ)による重み付けを行うことなく、組み合わせ数C(δ)に基づいて組み合わせ割合を求め、この組み合わせ割合とCap(δ)とから期待容量Eを求めるようにしても良い。
【0092】
更に、本実施の形態では、重み付け係数G(δ)として電池素子の物理的性質や化学的性質に関係の無く各素子の故障態様をとる確率に基づいて算出される値を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、電池素子の故障態様の統計的或いは実験的データに基づいて重み付係数を定めても良い。特に、このように重み付け係数を定めることにより、従来のように各電池素子の物理的或いは化学的性質に基づく寿命の検査を行うことなく、上記電池素子の容量予測に該素子の物理的或いは化学的性質の影響を加味することができ、容量測定の精度向上が期待される。
【符号の説明】
【0093】
10 組電池
A1〜A12 電池素子
B1〜B40 素子ブロック
(δ) 組み合わせ数
(δ) 補正組み合わせ数
D 1素子ブロックあたりの素子数
E 期待容量
(δ) 重み付け係数
L ブロック総数
N 予測故障素子総数
(δ) 補正組み合わせ割合
Cap(δ) 組電池の予測容量


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の素子が並列接続されてなる素子ブロックを、直列に複数個接続してなる組電池の将来的な容量を予測算出する組電池容量予測方法において、
前記組電池において定められた期間内に故障すると想定される素子の予測総数を設定する故障素子総数設定工程と、
設定された予測総数に基づき、各素子ブロックにおいて含まれ得る故障素子の組み合わせ数を算出する組み合わせ数算出工程と、
前記故障素子の組み合わせを取りうる確率と、各組み合わせに対応した素子ブロック毎の最大の故障素子数に基づいて定まる全体容量と、を乗算して和をとることで期待容量を算出する期待容量算出工程と、
を有することを特徴とする組電池の容量予測方法。
【請求項2】
前記各素子ブロックにおける故障素子の組み合わせの起こり易さが加味された重み付け係数を算出する重み付け係数算出手段を更に備え、
前記期待値算出工程では、前記各素子ブロック毎における組み合わせ数を取りうる確率として、前記重み付け係数により重み付けされた補正組み合わせ数割合が用いられることを特徴とする請求項1に記載の組電池容量予測方法。
【請求項3】
前記重み付け係数が、
前記各素子ブロックにおける前記定められた期間内における故障素子の含有個数の組み合わせの発生確率であることを特徴とする請求項2に記載の組電池容量予測方法。
【請求項4】
前記故障素子の予測総数の設定は、統計的データ又は実験データに基づいて行われることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の組電池容量予測方法。
【請求項5】
請求項1〜4に記載の組電池の容量予測方法において、
算出された前記期待容量を予測される組電池の容量として、該容量に基づいて前記組電池の寿命を判定する判定工程を備えたことを特徴とする組電池の寿命予測方法。
【請求項6】
前記組電池の全体容量が適正範囲であるかどうかを判別するための複数の基準範囲を設定し、
前記判定工程における寿命の判定は、前記組電池の期待容量が前記複数の基準範囲のいずれに属するかを判断することで行われることを特徴とする請求項5に記載の組電池の寿命予測方法。
【請求項7】
複数個の素子が並列接続されてなる素子ブロックを、直列に複数個接続してなる組電池の将来的な容量を予測算出する組電池容量予測システムにおいて、
前記組電池において定められた期間内に発生し得ると想定される故障素子の総数を設定する故障素子総設定手段と、
設定された予測総数に基づき、各素子ブロックにおいて含まれ得る故障素子の組み合わせ数を算出する組み合わせ数算出工程と、
故障素子の含有個数の組み合わせの発生確率である重み付け係数を算出する重み付け係数算出手段と、
前記故障素子の組み合わせ数を該組み合わせに対応した前記重み付け係数に基づいて補正することで補正組み合わせ数を算出する補正組み合わせ数算出手段と、
該補正組み合わせ数の総和に対する各補正組み合わせ数の割合を算出する補正組み合わせ数割合算出手段と、
前記補正組み合わせ数割合と、各組み合わせに対応した素子ブロック毎の最大の故障素子数に基づいて定まる全体容量と、を乗算して和をとることで期待容量を算出する期待容量算出手段と、
算出された前記期待容量を予測される組電池の容量として、該容量に基づいて前記組電池の寿命を判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする組電池の寿命予測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−154713(P2012−154713A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12699(P2011−12699)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】