説明

絶縁監視装置

【課題】変圧器の低圧側電路の絶縁状態を監視するため、B種接地線に流れる測定信号の無効分を抑圧する。
【解決手段】商用周波数と異なる周波数の監視信号を変圧器のB種接地線に注入する監視信号発生回路20、B種接地線から取り込まれるD種接地基準入力から監視信号に相当する基準信号を抽出し、クロック周波数に基づいて、基準信号の位相を変圧器の低圧側電路の対地静電容量の位相にタイミングを合わせる位相調整回路40、B種接地線に流れる電流を検出する検出手段50、検出手段の検出出力から不要成分を除去して測定信号を発生する測定信号検出回路60、基準信号に基づいて、測定信号に含まれる対地静電容量を打ち消すための抑圧信号を発生し、検出手段の抑圧部に供給する抑圧信号発生回路80、対地静電容量が打ち消された検出手段の検出出力に基づく測定信号から、変圧器の低圧側電路の対地絶縁抵抗を求める演算処理回路90、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、変圧器の低圧側電路の対地絶縁抵抗を活線状態で監視する絶縁監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
送配電線により送電された高圧の電力を、受電変圧器で低圧にして負荷(例えば、工場や一般家庭)に供給することが一般的に行われている。このような場合、前記受電変圧器と前記負荷とを接続する電路における漏電をいち早く検出し、漏電事故等を未然に防止することが極めて重要である。
【0003】
このため、従来から、前記のような受電変圧器には、絶縁監視装置を設けるようにしている。従来のこの種の絶縁監視装置の一例を図4に示す。
【0004】
図4に示すように、従来の絶縁監視装置は、分周器210と、増幅回路211と、注入用変成器212と、零相変成器213と、増幅回路214と、フィルタ215と、A/D変換器216と、CPU217と、D/A変換器218と、乗算器219と、加算器220と、抵抗Rと、コンデンサCとを有している。
【0005】
なお、図4において、受電変圧器221の出力側の第1の電路222と、大地との間には、B種接地線223が接続されている。また、受電変圧器221の出力側の第1の電路222と第2の電路224には、負荷225が接続されている。
【0006】
分周器210は、商用周波数とは異なる周波数を有する低周波の信号を生成する。増幅回路211は、分周器210で生成された低周波の信号を増幅する。
【0007】
注入用変成器212の1次巻線212aは、増幅回路211で増幅された低周波の信号を絶縁監視信号としてB種接地線223に注入する。これにより、第2の電路224と、大地と、B種接地線223と、第1の電路222とを還流する漏電電流に、前記絶縁監視信号が重畳される。
【0008】
零相変成器213は、前記絶縁監視信号に基づく漏電電流を検出する。増幅回路214は、零相変成器213で検出された漏電電流を増幅する。フィルタ215は、増幅回路214で増幅された漏電電流から、前記絶縁監視信号を抽出する。A/D変換器216は、フィルタ215で抽出された絶縁監視信号をデジタル信号に変換する。
【0009】
CPU217は、B種接地線223に注入した絶縁監視信号の位相0°、位相180°、位相90°、及び位相270°のタイミングで、フィルタ215で抽出された絶縁監視信号を検出し、有効成分及び無効成分が共に零になるようにD/A変換器218aの出力を制御する。
【0010】
D/A変換器218aは、CPU217で検出された前記絶縁監視信号の絶縁抵抗相当成分をアナログ信号に変換する。また、D/A変換器218bは、CPU217で検出された前記絶縁監視信号の浮遊容量相当成分をアナログ信号に変換する。
【0011】
乗算器219aは、D/A変換器218aでアナログ信号に変換された前記絶縁監視信号の絶縁抵抗相当成分に対して、注入用変成器212の3次巻線212bで検出された基準電圧を乗算処理する。また、乗算器219bは、D/A変換器218bでアナログ信号に変換された前記絶縁監視信号の浮遊容量相当成分に対して、注入用変成器212の3次巻線212bで検出された基準電圧を乗算処理する。
【0012】
加算器220は、抵抗Rにより抵抗分電流に変換された前記絶縁監視信号の絶縁抵抗相当成分と、コンデンサCにより容量性電流に変換された前記絶縁監視信号の浮遊容量相当成分とを加算する。加算器220で加算された電流は、抑圧信号電流として、零相変成器213の三次側に供給される。
【0013】
このようにして抑圧信号電流が零相変成器213に供給されると、零相変成器213内で磁束的に打消されB種接地線223に注入された絶縁監視信号の絶縁抵抗成分(対地絶縁抵抗R0に基づく成分)と、浮遊容量成分(対地静電容量C0に基づく成分)とが抑圧される。そして、CPU217は、前記絶縁抵抗相当成分を零とするのに要した抑圧量を、対地絶縁抵抗R0として検出する。
【0014】
以上のように、従来の技術では、B種接地線223に注入された絶縁監視信号の絶縁抵抗成分(対地絶縁抵抗R0に基づく成分)と、浮遊容量成分(対地静電容量C0に基づく成分)とを抑圧するための抑圧信号を生成して、対地絶縁抵抗R0を監視するようにしていた。
【特許文献1】特開2005−181148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、前記のような絶縁監視装置においては、B種接地線223に注入された絶縁監視信号の有効分(対地絶縁抵抗R0に基づく成分)のみを抽出できれば、対地絶縁抵抗R0(又は対地絶縁抵抗R0に流れる電流)を正確に求めることができる。したがって、絶縁監視信号の無効分(対地静電容量C0に基づく成分)のみを抑圧することができればよい。
【0016】
しかしながら、前述した特許文献1が提案された当時の技術では、絶縁監視信号の無効分の抑圧信号をコンデンサで生成していたので、正確な抑圧信号を生成することができず、対地絶縁抵抗R0を正確に監視することが困難であった。
【0017】
このように、従来から、絶縁監視信号の無効分のみを容易に且つ確実に安定して抑圧する技術が望まれていた。
【0018】
この発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、変圧器の出力側に接続された電路の絶縁状態を監視するために、変圧器のB種接地線に注入された絶縁監視信号の無効分を、容易に且つ確実に抑圧することのできる絶縁監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明の請求項1に係る絶縁監視装置は、商用周波数と異なる周波数の監視信号を変圧器のB種接地線に注入する監視信号発生回路と、前記B種接地線から取り込まれるD種接地基準入力から前記監視信号に相当する基準信号を抽出し、あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて、当該基準信号の位相のタイミングを前記変圧器の低圧側電路の対地静電容量の位相のタイミングに合わせる位相調整回路と、前記B種接地線に流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段の検出出力から商用周波数およびその高調波等の不要成分を除去して測定信号を検出する測定信号検出回路と、前記位相調整回路から出力される前記基準信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記対地静電容量を打ち消すための抑圧信号を発生し、当該抑圧信号を前記検出手段の抑圧部に供給する抑圧信号発生回路と、前記抑圧信号の供給により前記対地静電容量が打ち消された前記検出手段の検出出力に基づく前記測定信号から、前記変圧器の低圧側電路の対地絶縁抵抗を求める演算処理回路と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
この発明の請求項2に係る絶縁監視装置は、請求項1記載の絶縁監視装置において、前記位相調整回路から出力される前記基準信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記対地絶縁抵抗と前記対地静電容量とを分離するための同期信号を発生する同期信号発生回路をさらに備えたことを特徴とする。
【0021】
この発明の請求項3に係る絶縁監視装置は、請求項2記載の絶縁監視装置において、前記演算処理回路は、前記測定信号および前記同期信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記対地絶縁抵抗と前記対地静電容量とを分離することを特徴とする。
【0022】
この発明の請求項4に係る絶縁監視装置は、請求項3記載の絶縁監視装置において、前記演算処理回路は、前記対地絶縁抵抗と分離した前記対地静電容量がゼロになるように前記抑圧信号発生回路に対して前記抑圧信号による抑圧レベルをリアルタイム制御することを特徴とする。
【0023】
この発明の請求項5に係る絶縁監視装置は、請求項1〜4のいずれか1項記載の絶縁監視装置において、前記位相調整回路は、前記演算処理回路から入力される前記あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて、前記基準信号の位相のタイミングを調整することを特徴とする。
【0024】
この発明の請求項6に係る絶縁監視装置は、請求項1〜5のいずれか1項記載の絶縁監視装置において、前記検出手段は、前記B種接地線に電磁結合され、前記抑圧信号が三次側に供給されることを特徴とする。
【0025】
この発明の請求項7に係る絶縁監視装置は、請求項1〜6のいずれか1項記載の絶縁監視装置において、前記監視信号発生回路は、注入手段を介して前記監視信号を前記B種接地線に注入するものであり、出力段に、前記B種接地線から前記注入手段を介して逆に注入される異常電流から当該監視信号発生回路を保護する保護回路を備えたことを特徴とする。
【0026】
この発明の請求項8に係る絶縁監視装置は、商用周波数と異なる周波数の監視信号を変圧器のB種接地線に注入する監視信号発生回路と、前記B種接地線から取り込まれるD種接地基準入力から前記監視信号に相当する基準信号を抽出し、あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて、当該基準信号の位相を前記変圧器の低圧側電路の対地静電容量の位相の逆位相に合わせる位相調整回路と、前記B種接地線に流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段の検出出力から商用周波数およびその高調波等の不要成分を除去して測定信号を検出する測定信号検出回路と、前記位相調整回路から出力される前記基準信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記変圧器の低圧側電路の対地絶縁抵抗と前記対地静電容量とを分離するための同期信号を発生する同期信号発生回路と、前記位相調整回路から出力される前記基準信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記対地静電容量を打ち消すための抑圧信号を発生し、当該抑圧信号を前記検出手段の抑圧部に供給する抑圧信号発生回路と、前記測定信号および前記同期信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記対地絶縁抵抗と前記対地静電容量とを分離し、前記対地静電容量がゼロになるように前記抑圧信号発生回路に対して前記抑圧信号による抑圧レベルをリアルタイム制御し、前記抑圧信号の供給により前記対地静電容量が打ち消された前記検出手段の検出出力に基づく前記測定信号から前記対地絶縁抵抗を求める演算処理回路と、を備えたことを特徴とする。
【0027】
この発明の請求項9に係る絶縁監視装置は、請求項8記載の絶縁監視装置において、前記位相調整回路は、前記演算処理回路から入力される前記あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて、前記基準信号の位相のタイミングを調整することを特徴とする。
【0028】
この発明の請求項10に係る絶縁監視装置は、請求項9記載の絶縁監視装置において、前記検出手段は、前記B種接地線に電磁結合され、前記抑圧信号が三次側に供給されることを特徴とする。
【0029】
この発明の請求項11に係る絶縁監視装置は、請求項8〜10のいずれか1項記載の絶縁監視装置において、前記監視信号発生回路は、注入手段を介して前記監視信号を前記B種接地線に注入するものであり、出力段に、前記B種接地線から前記注入手段を介して逆に注入される異常電流から当該監視信号発生回路を保護する保護回路を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
この発明は以上のように、商用周波数と異なる周波数の監視信号を変圧器のB種接地線に注入する監視信号発生回路と、前記B種接地線から取り込まれるD種接地基準入力から前記監視信号に相当する基準信号を抽出し、あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて、当該基準信号の位相のタイミングを前記変圧器の低圧側電路の対地静電容量の位相のタイミングに合わせる位相調整回路と、前記B種接地線に流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段の検出出力から商用周波数およびその高調波等の不要成分を除去して測定信号を発生する測定信号発生回路と、前記位相調整回路から出力される前記基準信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記対地静電容量を打ち消すための抑圧信号を発生し、当該抑圧信号を前記検出手段の検出部に供給する抑圧信号発生回路と、前記抑圧信号の供給により前記対地静電容量が打ち消された前記検出手段の検出出力に基づく前記測定信号から、前記変圧器の低圧側電路の対地絶縁抵抗を求める演算処理回路と、を備えた構成としたので、変圧器の出力側に接続された電路の絶縁状態を監視するために、変圧器のB種接地線に注入された絶縁監視信号の無効分を、容易に且つ確実に抑圧することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0032】
図1は、この発明による絶縁監視装置の一実施形態を示すブロック図であり、この絶縁監視装置10は、対地絶縁抵抗R0と対地静電容量(浮遊容量)C0との合成である対地インピーダンスZ0を有する受電変圧器1の低圧側のB種接地線4に設けられるものである。
【0033】
受電変圧器1の出力側(低圧側)には、負荷2が接続されている。また、受電変圧器1の低圧側の第1の電路3は、B種接地線4を介して接地されている。また、受電変圧器1の低圧側の第2の電路5、大地、B種接地線4、および第1の電路3により形成される経路には、対地インピーダンスZ0に基づく漏電電流が還流する。
【0034】
この絶縁監視装置10は、商用周波数と異なる周波数の監視信号Wを、注入手段としての重畳トランス(CT)30を介して変圧器1のB種接地線4に注入する監視信号発生回路20を備えている。
【0035】
監視信号発生回路20は、電路に重畳する信号を発生する発振器(OSC)21と、発振器(OSC)21で発生した信号を、重畳トランス(CT)30をドライブできるように電力増幅するパワーアンプ22とを備えている。発振器(OSC)21は、後述する演算処理回路(MPU)90に付属した図示しない水晶発振器を基に生成されるクロック信号を分周するなどして、所要周波数(例えば20Hz)の信号を発生するものである。
【0036】
監視信号発生回路20はまた、設備の地絡事故等によりB種接地線4に大電流が流れた場合に、重畳トランス(CT)30を介して逆流するエネルギーによりパワーアンプ22が損傷しないように保護する保護回路23を備えている。保護回路23の具体的構成については後述する。
【0037】
また、絶縁監視装置10は、B種接地線4から取り込まれるD種接地基準入力から、監視信号Wに相当する基準信号Bを抽出し、あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて、基準信号Bの位相のタイミングを変圧器1の低圧側電路5の対地静電容量の位相のタイミングに合わせる位相調整回路40を備えている。
【0038】
位相調整回路40は、エイリアスフィルタ41と、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42とで構成される。エイリアスフィルタ41は、B種接地線4から取り込まれるD種接地基準入力から、次段のスイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42で誤動作を起こす周波数成分を事前に除去するものである。
【0039】
スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42は、ローパスフィルタとしての機能と、あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて、信号の位相を調整する位相シフタとしての機能を有する。すなわち、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42は、図2(a)に示すように、ローパスフィルタとして機能する減衰特性を有する。また、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42は、図2(b)に示すように、位相シフタとして機能するクロック周波数−位相特性を有する。
【0040】
ローパスフィルタ機能により、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42は、B種接地線4から取り込まれるD種接地基準入力から、商用周波数およびその高調波等の不要成分を除去して、監視信号Wに相当する基準信号Bを抽出することができる。
【0041】
これと同時に、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42は、位相シフタ機能により、基準信号Bの位相のタイミングを変圧器1の低圧側電路5の対地静電容量の位相のタイミングに合わせることができる。すなわち、基準信号Bの位相を変圧器1の低圧側電路5の対地静電容量の位相の逆位相に合わせることで、対地静電容量を打ち消すための正確な位相を生成することができる。
【0042】
そして、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42は、あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて信号の位相を調整するものであり、しかもそのクロック周波数は、後述する演算処理回路(MPU)90から指令されるものであるから、製品出荷時にメーカで設定済み(調整済み)のクロック周波数は、その後の温度変化や経年変化によって変化しない。
【0043】
つまり、温度変化や経年変化に対し高安定な水晶発振器を基に生成されるクロック周波数を用いその周波数を微調整することにより、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42による位相合わせは、きわめて正確且つ、高安定に実現することができる。アナログ式の従来の位相シフタにより実現可能な位相合わせの精度に比べて、ディジタル式のスイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42による位相合わせの精度は、文字通り桁が違うのである。
【0044】
また、絶縁監視装置10は、B種接地線4に流れる電流を検出する検出手段としての零相変流器(ZCT)50を備えている。
【0045】
また、絶縁監視装置10は、零相変流器(ZCT)50の検出出力から商用周波数およびその高調波等の不要成分を除去して測定信号Mを検出する測定信号検出回路60を備えている。
【0046】
測定信号検出回路60は、ヘッドアンプ61と、フィルタ62と、レベル変換器63とで構成される。ヘッドアンプ61は、零相変流器(ZCT)50で検出された電流を電圧に変換し次段で必要なレベルまで増幅するものである。フィルタ62は、ヘッドアンプ61の出力から商用周波数およびその高調波等の測定信号M以外の不要成分を除去するとともに、測定信号Mを増幅するものである。レベル変換器63は、フィルタ62の出力すなわちアナログ信号のレベルを、後述する演算処理回路(MPU)90でディジタル処理できるレベルに変換するものである。
【0047】
また、絶縁監視装置10は、位相調整回路40から出力される基準信号Bに基づいて、測定信号Mに含まれる変圧器1の低圧側電路5の対地絶縁抵抗と対地静電容量とを分離するための同期信号Sを発生する同期信号発生回路70を備えている。
【0048】
同期信号発生回路70は、後述する演算処理回路(MPU)90内で有効成分(対地絶縁抵抗)と無効成分(対地静電容量)とを分離するための同期信号Sとなるもので、位相調整回路40から出力される基準信号Bをゼロクロスにより方形波に変換し、得られた同期信号Sを後述する演算処理回路(MPU)90に供給するものである。
【0049】
また、絶縁監視装置10は、位相調整回路40から出力される基準信号Bに基づいて、測定信号Mに含まれる対地静電容量を打ち消すための抑圧信号Pを発生し、この抑圧信号Pを零相変流器(ZCT)50の抑圧部に供給する抑圧信号発生回路80を備えている。
【0050】
抑圧信号発生回路80は、位相調整回路40のスイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42で生成された正確な打ち消し信号の出力レベルを制御する回路であり、零相変流器(ZCT)50で対地静電容量の成分である電流(無効成分電流)が磁束的にゼロとなるように、後述する演算処理回路(MPU)90によりリアルタイムに連続制御されるものである。このような抑圧信号発生回路80は、例えば、乗算器により構成される。
【0051】
さらに、絶縁監視装置10は、演算処理回路(MPU)90を備えている。演算処理回路(MPU)90は、位相調整回路40のスイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42に対し、信号の位相を調整するための基準となるクロック周波数を指令するものである。このクロック周波数は、製品出荷時にメーカで設定済み(調整済み)とするものであり、その後の温度変化や経年変化によって変化しない。
【0052】
演算処理回路(MPU)90はまた、零相変流器(ZCT)50の検出出力からヘッドアンプ61を介してフィルタ62により抽出され、レベル変換器63から入力される測定信号Mと、位相調整回路40から出力される基準信号Bに基づき同期信号発生回路70から入力される同期信号Sとに基づいて、測定信号Mに含まれる変圧器1の低圧側電路5の対地絶縁抵抗と対地静電容量とを分離するものである。
【0053】
そして、演算処理回路(MPU)90は、測定信号Mに含まれる対地絶縁抵抗と対地静電容量とを分離した後、その対地静電容量がゼロになるように、抑圧信号発生回路80に対して抑圧信号Pによる抑圧レベルをリアルタイム制御する。
【0054】
この抑圧信号発生回路80に対する演算処理回路(MPU)90によるリアルタイム制御によって、抑圧信号発生回路80から零相変流器(ZCT)50の抑圧部に供給される抑圧信号P、すなわち、零相変流器(ZCT)50の三次側に供給される抑圧電流Pは、対地静電容量がゼロになるように的確に制御される。
【0055】
これにより、零相変流器(ZCT)50の検出出力は対地静電容量が打ち消されたものとなり、演算処理回路(MPU)90は、この検出出力に基づく測定信号(対地静電容量が打ち消された測定信号)Mから対地絶縁抵抗を求める。
【0056】
その他、演算処理回路(MPU)90は、表示部101および操作部102の機能等を制御する他、警報出力103等を制御するものである。
【0057】
ここで、保護回路23の構成について図3を参照して説明する。図3は、保護回路23の概略構成の一例を示したブロック図である。
【0058】
図3において、保護回路23は、トライアック24と、電流検出回路25と、電圧検出回路26と、リレー27と、ヒューズ28とを有している。
【0059】
変圧器1の出力側の第2の電路5が地絡するなどして、B種接地線4に流れている漏洩電流が増大した場合(地絡電流が発生した場合)、この漏電電流に基づく電力が、B種接地線4から重畳トランス(CT)30を介して絶縁監視装置10に注入されることになる。保護回路23は、このような場合にパワーアンプ22や発振器(OSC)21を保護するためのものである。以下にその動作の具体例を説明する。
【0060】
まず、地絡により発生する電圧を検出した場合、リレー27の駆動部27aは、スイッチ部27bを開動作させる。これにより、パワーアンプ22と重畳トランス(CT)30とが電気的に遮断され、パワーアンプ22に大電流が流入することが防止される。
【0061】
次に、大地絡時等の漏電電流に基づく電力が、B種接地線4から重畳トランス(CT)30を介して保護回路23に注入されたリレー27の開動作が間に合わない場合、保護回路23に流れ込む電流(パワーアンプ22の出力端の電圧)が所定の値にまで増大すると、トライアック24は閉動作する。
【0062】
このようにしてパワーアンプ22の出力端が短絡され、重畳トランス(CT)30と、リレー27と、トライアック24とにより閉路が形成されると電圧がなくなるので、今度は電流検出回路25で所定の電流が流れたことを検出し、リレー27の駆動部27aは、スイッチ部27bを開動作させる。これにより、パワーアンプ22と重畳トランス(CT)30とが電気的に遮断される。そうすると、パワーアンプ22の出力端が短絡されているか否かにかかわらず、パワーアンプ22に大電流が流入することが防止される。
【0063】
リレー27が開動作されると電流が流れなくなり電流検出ができなくなるが、再び電圧が上昇するので、電圧検出によりリレー27は開動作を継続する。
【0064】
更に大電流地絡の場合は、トライアックが焼損する前にヒューズを溶断して保護する。
【0065】
その後、変圧器1の出力側の第2の電路5における地絡事故が復旧し、重畳トランス(CT)30の巻線間に生じている電圧が所定の値より低くなったことを電圧検出回路26が検出すると、リレー27の駆動部27aは、スイッチ部27bを閉動作させる。これにより、パワーアンプ22と重畳トランス(CT)30とが電気的に接続される。
【0066】
ヒューズ28は、B種接地線4から重畳トランス(CT)30を介して注入された電力によって、トライアック24が破損してしまうほどの大きな電流が流れた場合に、パワーアンプ22と重畳トランス(CT)30とを電気的に遮断するためのものである。したがって、トライアック24が破損してしまうことが防止されるように、ヒューズ28の定格とトライアック24の定格を決定するようにする。
【0067】
次に、上記のように構成された絶縁監視装置10の動作について説明する。
【0068】
まず、監視信号発生回路20の発振器(OSC)21が、演算処理回路(MPU)90のクロック信号に基づいて、商用周波数と異なる所要周波数(例えば20Hzの正弦波)の監視信号Wを発生する。つぎに、この監視信号Wを、重畳トランス(CT)30をドライブできるようにパワーアンプ22が電力増幅する。そして、保護回路23を経て、監視信号発生回路20から、注入手段としての重畳トランス(CT)30を介して、監視信号Wを変圧器1のB種接地線4に注入する。
【0069】
また、位相調整回路40のエイリアスフィルタ41が、B種接地線4から取り込まれるD種接地基準入力から、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42で誤動作を起こす周波数成分を事前に除去する。つぎに、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42が、ローパスフィルタ機能により、エイリアスフィルタ41の出力から、商用周波数およびその高調波等の不要成分を除去して、監視信号Wに相当する基準信号Bを抽出する。
【0070】
これと同時に、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42が、位相シフタ機能により、基準信号Bの位相のタイミングを変圧器1の低圧側電路5の対地静電容量の位相のタイミングに合わせる。すなわち、基準信号Bの位相を変圧器1の低圧側電路5の対地静電容量の位相の逆位相に合わせることで、対地静電容量を打ち消すための正確な位相を生成する。
【0071】
このとき、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42は、演算処理回路(MPU)90から指令されるあらかじめ決められたクロック周波数に基づいて信号の位相を調整するため、製品出荷時にメーカで設定済み(調整済み)のクロック周波数は、その後の温度変化や経年変化によって変化しない。
【0072】
つまり、演算処理回路(MPU)90から、温度変化や経年変化に対し高安定な水晶発振器を基に生成され、指令されるクロック周波数を用いることで、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42による位相合わせは、きわめて正確に行われる。
【0073】
一方、検出手段としての零相変流器(ZCT)50が、B種接地線4に流れる電流を検出する。すなわち、このB種接地線4に流れる電流には、変圧器1の低圧側の第2の電路5、大地、B種接地線4、および第1の電路3により形成される経路を還流する、対地インピーダンスZ0に基づく漏電電流が含まれる。そのため、零相変流器(ZCT)50の検出電流には、対地インピーダンスZ0に基づく漏電電流が含まれる。
【0074】
そして、測定信号検出回路60のヘッドアンプ61が、零相変流器(ZCT)50で検出された電流を電圧に変換し次段で必要なレベルまで増幅する。つぎに、フィルタ62が、ヘッドアンプ61の出力から商用周波数およびその高調波等の測定信号M以外の不要成分を除去するとともに、測定信号Mを増幅する。そして、レベル変換器63が、フィルタ62の出力すなわちアナログ信号のレベルを、演算処理回路(MPU)90でディジタル処理できるレベルに変換する。すなわち、測定信号検出回路60は、レベル変換器63の出力において、対地インピーダンスZ0に基づく漏電電流が含まれた零相変流器(ZCT)50検出電流から、それに基づく測定信号Mを発生する。
【0075】
また、同期信号発生回路70が、位相調整回路40から出力される基準信号Bに基づいて、測定信号検出回路60から出力される測定信号Mに含まれる変圧器1の低圧側電路5の対地インピーダンスZ0、すなわち対地絶縁抵抗R0と対地静電容量C0とを分離するための同期信号Sを発生する。つまり、同期信号発生回路70は、位相調整回路40から出力される基準信号Bをゼロクロスにより方形波に変換し、得られた同期信号Sを演算処理回路(MPU)90に供給する。
【0076】
このような状態で、演算処理回路(MPU)90が、零相変流器(ZCT)50の検出出力から測定信号検出回路60を経て得られる測定信号Mと、B種接地線4から取り込まれるD種接地基準入力から、位相調整回路40を経て出力される基準信号Bに基づき同期信号発生回路70から入力される同期信号Sとに基づいて、測定信号Mに含まれる変圧器1の低圧側電路5の対地絶縁抵抗R0と対地静電容量C0とを分離する。
【0077】
そして、演算処理回路(MPU)90が、測定信号Mに含まれる対地絶縁抵抗R0と対地静電容量C0とを分離した後、その対地静電容量C0がゼロになるように、抑圧信号発生回路80に対して抑圧信号Pによる抑圧レベルをリアルタイム制御する。すなわち、零相変流器(ZCT)50で対地静電容量C0の成分である電流(無効成分電流)が磁束的にゼロとなるように、演算処理回路(MPU)90が抑圧信号発生回路80をリアルタイム制御する。
【0078】
この抑圧信号発生回路80に対する演算処理回路(MPU)90によるリアルタイム制御によって、抑圧信号発生回路80は、測定信号Mに含まれる対地静電容量を打ち消すための抑圧信号Pを発生する。この抑圧信号Pは、抑圧信号発生回路80から零相変流器(ZCT)50の三次側に抑圧電流Pとして供給され、零相変流器(ZCT)50において対地静電容量C0が磁束的にゼロとなるよう抑圧する。結果として、零相変流器(ZCT)50における対地静電容量C0が磁束的にゼロとなる。
【0079】
これにより、零相変流器(ZCT)50の検出出力は対地静電容量C0が打ち消されたものとなり、演算処理回路(MPU)90は、この検出出力に基づく測定信号(対地静電容量C0が打ち消された測定信号)Mから対地絶縁抵抗R0を求める。
【0080】
なお、上記の実施形態では、スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42が、位相シフタ機能により、基準信号Bの位相を変圧器1の低圧側電路5の対地静電容量の位相の逆位相に合わせることで、対地静電容量を打ち消すための正確な位相を生成するように構成したが、これに限定するものでない。すなわち、例えば、基準信号Bの位相を変圧器1の低圧側電路5の対地静電容量の位相と同位相に合わせることも可能である。この場合も、対地静電容量を打ち消すために必要な正確な位相を生成することができる。
【0081】
そして、この場合は、位相調整回路のスイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)42の後段、または抑圧信号発生回路80の前段に、適宜の位相反転回路を設けることで、位相合わせに加えて、基準信号Bの位相を変圧器1の低圧側電路5の対地静電容量の位相の逆位相に整合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明による絶縁監視装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】位相調整回路のスイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)の特性の一例を示すグラフである。
【図3】保護回路の一例を示すブロック図である。
【図4】従来の絶縁監視装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0083】
1 変圧器(受電変圧器)
2 負荷
3 第1の電路
4 B種接地線
5 第2の電路
10 絶縁監視装置
20 監視信号発生回路
21 発振器(OSC)
22 パワーアンプ
23 保護回路
30 注入手段(重畳トランス;CT)
40 位相調整回路
41 エイリアスフィルタ
42 スイッチト・キャパシタ・フィルタ(SCF)
50 検出手段(零相変流器;ZCT)
60 測定信号検出回路
61 ヘッドアンプ
62 フィルタ
63 レベル変換器
70 同期信号発生回路
80 抑圧信号発生回路
90 演算処理回路(MPU)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用周波数と異なる周波数の監視信号を変圧器のB種接地線に注入する監視信号発生回路と、
前記B種接地線から取り込まれるD種接地基準入力から前記監視信号に相当する基準信号を抽出し、あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて、当該基準信号の位相のタイミングを前記変圧器の低圧側電路の対地静電容量の位相のタイミングに合わせる位相調整回路と、
前記B種接地線に流れる電流を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出出力から商用周波数およびその高調波等の不要成分を除去して測定信号を検出する測定信号検出回路と、
前記位相調整回路から出力される前記基準信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記対地静電容量を打ち消すための抑圧信号を発生し、当該抑圧信号を前記検出手段の抑圧部に供給する抑圧信号発生回路と、
前記抑圧信号の供給により前記対地静電容量が打ち消された前記検出手段の検出出力に基づく前記測定信号から、前記変圧器の低圧側電路の対地絶縁抵抗を求める演算処理回路と、
を備えたことを特徴とする絶縁監視装置。
【請求項2】
前記位相調整回路から出力される前記基準信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記対地絶縁抵抗と前記対地静電容量とを分離するための同期信号を発生する同期信号発生回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の絶縁監視装置。
【請求項3】
前記演算処理回路は、前記測定信号および前記同期信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記対地絶縁抵抗と前記対地静電容量とを分離することを特徴とする請求項2記載の絶縁監視装置。
【請求項4】
前記演算処理回路は、前記対地絶縁抵抗と分離した前記対地静電容量がゼロになるように前記抑圧信号発生回路に対して前記抑圧信号による抑圧レベルをリアルタイム制御することを特徴とする請求項3記載の絶縁監視装置。
【請求項5】
前記位相調整回路は、前記演算処理回路から入力される前記あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて、前記基準信号の位相のタイミングを調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の絶縁監視装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記B種接地線に電磁結合され、前記抑圧信号が三次側に供給されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の絶縁監視装置。
【請求項7】
前記監視信号発生回路は、注入手段を介して前記監視信号を前記B種接地線に注入するものであり、出力段に、前記B種接地線から前記注入手段を介して逆に注入される異常電流から当該監視信号発生回路を保護する保護回路を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の絶縁監視装置。
【請求項8】
商用周波数と異なる周波数の監視信号を変圧器のB種接地線に注入する監視信号発生回路と、
前記B種接地線から取り込まれるD種接地基準入力から前記監視信号に相当する基準信号を抽出し、あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて、当該基準信号の位相を前記変圧器の低圧側電路の対地静電容量の位相の逆位相に合わせる位相調整回路と、
前記B種接地線に流れる電流を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出出力から商用周波数およびその高調波等の不要成分を除去して測定信号を検出する測定信号検出回路と、
前記位相調整回路から出力される前記基準信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記変圧器の低圧側電路の対地絶縁抵抗と前記対地静電容量とを分離するための同期信号を発生する同期信号発生回路と、
前記位相調整回路から出力される前記基準信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記対地静電容量を打ち消すための抑圧信号を発生し、当該抑圧信号を前記検出手段の抑圧部に供給する抑圧信号発生回路と、
前記測定信号および前記同期信号に基づいて、前記測定信号に含まれる前記対地絶縁抵抗と前記対地静電容量とを分離し、前記対地静電容量がゼロになるように前記抑圧信号発生回路に対して前記抑圧信号による抑圧レベルをリアルタイム制御し、前記抑圧信号の供給により前記対地静電容量が打ち消された前記検出手段の検出出力に基づく前記測定信号から前記対地絶縁抵抗を求める演算処理回路と、
を備えたことを特徴とする絶縁監視装置。
【請求項9】
前記位相調整回路は、前記演算処理回路から入力される前記あらかじめ決められたクロック周波数に基づいて、前記基準信号の位相のタイミングを調整することを特徴とする請求項8記載の絶縁監視装置。
【請求項10】
前記検出手段は、前記B種接地線に電磁結合され、前記抑圧信号が三次側に供給されることを特徴とする請求項8または請求項9記載の絶縁監視装置。
【請求項11】
前記監視信号発生回路は、注入手段を介して前記監視信号を前記B種接地線に注入するものであり、出力段に、前記B種接地線から前記注入手段を介して逆に注入される異常電流から当該監視信号発生回路を保護する保護回路を備えたことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項記載の絶縁監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−224392(P2008−224392A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62428(P2007−62428)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000114189)ミドリ電子株式会社 (5)
【Fターム(参考)】