説明

肩掛けかばん

【課題】携帯電話機の使い勝手が良好である女性向きの肩掛けかばんを提供する。
【解決手段】肩掛けかばん1は、携帯電話機を出し入れ可能に収納するかばん本体21を備える。肩掛けかばん1は、かばん本体21を肩にぶら下げるための肩掛け用紐状体22を備える。かばん本体21には、携帯電話機のタッチパネル部を露出させるパネル用開口部を形成する。携帯電話機をかばん本体21に収納しても、その収納した携帯電話機のタッチパネル部を操作することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器を入れて持ち運ぶための肩掛けかばんに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯機器である携帯電話機の普及は凄まじく、老若男女を問わず、誰しもが携帯電話機を保有する時代となっており、また、特に、指先やタッチペンでタッチ操作可能なタッチパネル部を有する携帯電話機の人気が高く、多くの人が使用している。
【0003】
そして、例えば外出の際に携帯電話機を持ち運ぶ場合に、胸ポケット、ズボンのポケット、或いはバッグの中に入れたのでは、ポケットが大きく膨らんで不体裁となったり、使用に際して不便を来たすおそれもあるため、携帯電話機専用のホルダーやケースを使用している人も多い。
【0004】
ここで、従来、例えば特許文献1に記載された携帯電話機用ホルダーが知られている。
【0005】
この携帯電話機用ホルダーは、携帯電話機が出し入れ可能に収納される本体部と、この本体部に形成され携帯電話機を出し入れするための出し入れ口部と、この出し入れ口部を開閉する蓋部と、本体部の背面側に設けられたベルト挿通部とを有している。
【0006】
そして、この携帯電話機用ホルダーを使用して携帯電話機を持ち運ぶ場合、ズボンのベルトをベルト挿通部に通すことにより携帯電話機用ホルダーを身体に装着し、この装着した携帯電話機用ホルダーの本体部内へ出し入れ口部から携帯電話機を入れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】意匠登録第1143763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の携帯電話機用ホルダーでは、本体部に収納された携帯電話機を使用する際に、携帯電話機を本体部から取り出す必要があるため、携帯電話機の使い勝手が悪い。また、使用者がズボンにベルトを付けていないと、携帯電話機用ホルダーを身体に装着することができず、一般的に女性には不向きである。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、携帯機器を収納したまま使用でき、携帯機器の使い勝手が良好であるとともに、特に女性がファッションの1つとして肩に掛けて簡単に装着でき、女性向きかばんとして有用である、肩掛けかばんを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の肩掛けかばんは、タッチパネル部を有する携帯機器を入れて持ち運ぶための肩掛けかばんであって、前記携帯機器が出し入れ可能に収納されるかばん本体と、このかばん本体に設けられた肩掛け用紐状体とを備え、前記携帯機器が前記かばん本体に収納された状態であっても、その収納された携帯機器のタッチパネル部を操作することが可能であるものである。
【0011】
請求項2記載の肩掛けかばんは、請求項1記載の肩掛けかばんにおいて、かばん本体は、携帯機器が出し入れ可能に収納される本体部と、この本体部に形成され、前記携帯機器を出し入れするための出し入れ口部と、この出し入れ口部を開閉する蓋部と、前記本体部に形成され、前記本体部に収納された前記携帯機器のタッチパネル部を露出させるパネル用開口部とを有するものである。
【0012】
請求項3記載の肩掛けかばんは、請求項2記載の肩掛けかばんにおいて、かばん本体は、タッチペンが脱着可能に取り付けられるペン取付部を有し、前記ペン取付部に取り付けられた前記タッチペンが、本体部に収納された携帯機器の位置ずれを抑制するものである。
【0013】
請求項4記載の肩掛けかばんは、請求項3記載の肩掛けかばんにおいて、ペン取付部は、蓋部の閉状態時に出し入れ口部を覆うように位置する筒状部材にて構成されているものである。
【0014】
請求項5記載の肩掛けかばんは、請求項2ないし4のいずれか一記載の肩掛けかばんにおいて、本体部および蓋部の各々には、前記本体部に収納された携帯機器のカメラ部を露出させるカメラ用開口部が形成され、前記本体部のカメラ用開口部は、切欠部分にて構成され、前記蓋部のカメラ用開口部は、孔部分にて構成されているものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、携帯機器がかばん本体に収納された状態であっても、その収納された携帯機器のタッチパネル部を操作することが可能であるため、携帯機器を収納したまま使用でき、携帯機器の使い勝手が良好であるとともに、特に女性がファッションの1つとして肩に掛けて簡単に装着でき、女性向きかばんとして有用である。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、かばん本体は本体部に形成されたパネル用開口部を有するため、本体部に収納された携帯機器のタッチパネル部がパネル用開口部によって露出するため、携帯機器を収納したまま適切に使用できる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、ペン取付部に取り付けられたタッチペンが本体部に収納された携帯機器の位置ずれを抑制するため、携帯機器を安定的に収納でき、携帯機器を収納したままより一層適切に使用できる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、ペン取付部が蓋部の閉状態時に出し入れ口部を覆うように位置する筒状部材にて構成されているため、タッチペンが取り付けられていない場合でも、その筒状部材によって本体部に収納された携帯機器の位置ずれを抑制できる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、本体部に収納された携帯機器のカメラ部がカメラ用開口部によって露出するため、携帯機器を収納したまま適切に使用でき、特に、本体部のカメラ用開口部が切欠部分にて構成され、蓋部のカメラ用開口部が孔部分にて構成されているため、外観を大きく損なわず、携帯機器のカメラ部を適切に露出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態に係る肩掛けかばん(ポシェット)の正面図である。
【図2】同上肩掛けかばんの背面図である。
【図3】同上肩掛けかばんの左側面図である。
【図4】同上肩掛けかばんの右側面図である。
【図5】同上肩掛けかばんの平面図である。
【図6】同上肩掛けかばんの底面図である。
【図7】同上肩掛けかばんのかばん本体の正面側斜視図である。
【図8】同上かばん本体の背面側斜視図である。
【図9】同上かばん本体の平面図である。
【図10】同上かばん本体の蓋部を開状態にした開蓋状態時のかばん本体の正面図である。
【図11】同上かばん本体の蓋部を開状態にした開蓋状態時のかばん本体の右側面図である。
【図12】同上かばん本体に携帯機器およびタッチペンがセットされた開蓋状態時のかばん本体の正面図である。
【図13】同上かばん本体に携帯機器およびタッチペンがセットされた閉蓋状態時のかばん本体の正面図である。
【図14】同上かばん本体に携帯機器およびタッチペンがセットされた閉蓋状態時の背面図である。
【図15】同上かばん本体に携帯機器およびタッチペンがセットされた閉蓋状態時の左側面図である。
【図16】同上かばん本体に携帯機器およびタッチペンがセットされた閉蓋状態時の右側面図である。
【図17】同上かばん本体に携帯機器およびタッチペンがセットされた閉蓋状態時の底面図である。
【図18】同上肩掛けかばんの使用状態を示す図である。
【図19】同上肩掛けかばんの使用状態を示す図である。
【図20】同上肩掛けかばんの使用状態を示す図である。
【図21】同上肩掛けかばんのかばん本体に収納される携帯機器を示す図であり、(a)が正面図、(b)が背面図、(c)が平面図、(d)が左側面図、(e)が底面図である。
【図22】本発明の他の実施の形態に係る肩掛けかばんの開蓋状態時におけるかばん本体の正面図である。
【図23】本発明のさらに他の実施の形態に係る肩掛けかばんの開蓋状態時におけるかばん本体の右側面図である。
【図24】同上肩掛けかばんの閉蓋状態時におけるかばん本体の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図中の1は、女性向きの肩掛けかばんで、この肩掛けかばん1は、例えば携帯機器である携帯電話機2のみを入れて持ち運ぶための携帯電話機専用の小型のポシェットである。
【0023】
携帯電話機2は、図21等に示されるように、全体が矩形板状をなすもので、前面には、その前面の略全体にわたって位置するタッチパネル部(操作部を兼ねた表示部)4を有し、このタッチパネル部4はタッチペン3や女性使用者の指先によってタッチ操作される。なお、タッチペン3はクリップ部3aを有し、タッチパネル部4と接触する部分がゴム等の軟質材料で形成されている。
【0024】
また、携帯電話機2は、操作ボタン部(ホームボタン)6を前面下部に有し、カメラ部であるサブカメラ部7および通話用スピーカ部(受信機)8を前面上部に有している。
【0025】
さらに、携帯電話機2は、カメラ部であるメインカメラ部9およびフラッシュ部10を後面上部に有している。携帯電話機2は、操作ボタン部(電源オン/オフ、スリープ/スリープ解除用のボタン)11およびヘッドセット用コネクタ部12を上面に有している。携帯電話機2は、操作スイッチ部(着信/サイレントスイッチ)13および操作ボタン部(音量調整用のボタン)14,15を左側面に有している。携帯電話機2は、マイク部16、充電用コネクタ部17およびスピーカ部18を下面に有している。
【0026】
肩掛けかばん1は、図1ないし図6等に示されるように、携帯電話機2が出し入れ可能に収納されるかばん本体21と、このかばん本体21に設けられた肩掛け用紐状体22とを備えている。そして、この肩掛けかばん1においては、使用者の肩に肩掛け用紐状体22が掛けられ、この肩掛け用紐状体22の下端部に取り付けられたかばん本体21に携帯電話機2が収納された状態であっても、その収納された携帯電話機2の少なくともタッチパネル部4を操作することが可能である(図18、図19等参照)。
【0027】
かばん本体21は、図7ないし図17にも示されるように、例えば可撓性を有する合成皮革、本革或いは合成樹脂(例えば塩化ビニル等)等にて構成されたもので、閉蓋状態で携帯電話機2と略同じ大きさになるものである。
【0028】
かばん本体21は、携帯電話機2が出し入れ可能に収納される箱状の本体部23と、この本体部23の上面全体に形成され携帯電話機2を出し入れするための左右方向長手状の出し入れ口部24と、本体部23の背面側上端部に折り曲げ可能に一体的に設けられ出し入れ口部24を開閉する板状の蓋部25と、この蓋部25の基端部内面に設けられタッチペン3が脱着可能に取り付けられる両端面開口状で左右方向の筒状のペン取付部26とを有している。
【0029】
そして、ペン取付部26に取り付けられたタッチペン3は、蓋部25が閉状態となって出し入れ口部24を閉鎖するかばん本体21の閉蓋状態時には、出し入れ口部24に近接対向した状態で出し入れ口部24の略全体を覆うように位置するため、本体部23に収納された携帯電話機2の本体部23に対する位置ずれを抑制し、その結果、携帯電話機2は、本体部23内でこの本体部23に対して動かない。
【0030】
つまり、ペン取付部26にタッチペン3が嵌入されて取り付けられた場合において、蓋部25が閉状態にされると、その取り付けられたタッチペン3のクリップ部3aが、本体部23に収納された携帯電話機2の側面に接触してこの携帯電話機2の本体部23に対する位置ずれを抑制する。
【0031】
なお、タッチペン3がクリップ部3aを有しない場合や、タッチペン3の取り付けの向き等によっては、ペン取付部26に取り付けられたタッチペン3が、携帯電話機2の側面に直接接触せず、筒状のペン取付部26を介して間接的に接触して、携帯電話機2の位置ずれを抑制することとなる。
【0032】
また、このペン取付部26は、例えば蓋部25の基端部、つまり蓋部25の本体部23側の端部における内面に突設され蓋部25の閉状態時に出し入れ口部24を覆うように位置する左右方向に延びる略円筒状をなす可撓性の筒状部材27にて構成されている。この筒状部材27は、左右方向両端面に側方に向かって開口する開口部28を有し、この開口部28からタッチペン3が筒状部材27内に嵌入される。
【0033】
そして、例えばタッチペン3が筒状部材27に取り付けられていない場合において、蓋部25が閉状態にされると、その筒状部材27が、本体部23に収納された携帯電話機2の側面に直接接触して、この携帯電話機2の本体部23に対する位置ずれをある程度抑制する。
【0034】
なお、筒状部材27は、蓋部25とは別体のもので蓋部25に接着剤で接着或いは縫着等により固着されたものでもよく、或いは、蓋部25と一体のもので蓋構成部材の一部を円筒状にして蓋部25に固設されたものでもよい。
【0035】
ここで、本体部23は、携帯電話機2が収納される収納空間30を介して前後に互いに離間対向する矩形板状の前面部材31および矩形環状の後面部材32を有している。なお、前面部材31は、例えば合成皮革、本革或いは合成樹脂等からなる2枚の板状素材が糸で縫合されて構成されている。また、互いに連続した後面部材32および蓋部25も、例えば合成皮革、本革或いは合成樹脂等からなる2枚の板状素材が糸で縫合されて構成されている。
【0036】
また、本体部23は、前面部材31の右端部(正面視右端部)の一部分と後面部材32の右端部の一部分とを連結する板状の1つの右連結部材33と、前面部材31の左端部の一部分と後面部材32の左端部の一部分とを連結する板状の複数、例えば2つの左連結部材34,35と、前面部材31の下端部の一部分と後面部材32の下端部の一部分とを連結する板状の複数、例えば2つの下連結部材36,37とを有している。
【0037】
換言すると、本体部23は、右連結部材33の上方に位置する右上開口部41および右連結部材33の下方に位置する右下開口部42を右側面に有し、両左連結部材34,35間に位置する左中間開口部43を左側面に有し、両下連結部材36,37間に位置する下中間開口部44を下面に有している。
【0038】
なお、各左連結部材34,35には、円形状の孔部34a,35aが形成されている。また、左側の下連結部材36の左右方向長さ寸法が右側の下連結部材37の左右方向長さ寸法よりも大きく、下中間開口部44が左右方向中央より右寄りに位置する。
【0039】
また、本体部23の後面部材の略全体には、本体部23に収納された携帯電話機2のタッチパネル部4、操作ボタン部6、サブカメラ部7および通話用スピーカ部8を外部に露出させるパネル用開口部(後開口部)46が形成されている。つまり、本体部23は、パネル用開口部46を背面に有している。このパネル用開口部46は、タッチパネル部4に対応した矩形状の第1孔部分47と、この第1孔部分47に繋がるように形成され操作ボタン部6に対応した円形状の第2孔部分48とにて構成されている。
【0040】
さらに、本体部23の前面部材31の右側上部には、本体部23に収納された携帯電話機2のメインカメラ部9およびフラッシュ部10を外部に露出させるカメラ用開口部であるカメラ用本体側開口部(前開口部)51が形成されている。つまり、本体部23は、カメラ用本体側開口部51を前面に有している。このカメラ用本体側開口部51は、例えば扇形状の切欠部分52にて構成されている。つまり、前面部材31は、その切欠部分52の臨んだ円弧状縁部53を有している。
【0041】
また、蓋部25の右側の上下方向中間部には、蓋部25の閉状態時に正面視で本体部23のカメラ用本体側開口部51と重なり合うように位置することにより、本体部23に収納された携帯電話機2のメインカメラ部9およびフラッシュ部10を外部に露出させるカメラ用開口部であるカメラ用蓋側開口部(蓋開口部)56が内外面に貫通して形成されている。このカメラ用蓋側開口部56は、例えば上下方向に長手方向を有する矩形状の孔部分57にて構成されている。なお、本体部23の切欠部分52は、蓋部25の孔部分57よりも大きく形成されている。
【0042】
ここで、蓋部25は、基端側を中心とする一方向への回動(閉動作)により閉状態となって、出し入れ口部24を閉鎖するとともに本体部23の前面部材31と重なってこの前面部材31の前面略全体を覆う。また、蓋部25は、基端側を中心とする他方向への回動(開動作)により開状態となって、出し入れ口部24を開口させる。そして、この蓋部25の開状態時(かばん本体21の開蓋状態時)に、その開口した出し入れ口部24を介して、携帯電話機2を本体部23に対して出し入れすることが可能である(図11参照)。
【0043】
また、蓋部25の外面には、例えば立体的なリボン形状の装飾部61が設けられている。この装飾部61は、リボン形状には限定されず、例えばハート形状のものや、女性好みの動物等のぬいぐるみ等でもよく、また複数の装飾部61を設けてもよい。
【0044】
さらに、かばん本体21は、蓋部25の閉状態時において蓋部25の先端側を本体部23の前面部材31に解除可能に連結する例えば金属製等の連結手段62を備えている。この連結手段62は、蓋部25の先端側内面に取り付けられた一方側連結部材63と、本体部23の前面部材31に取り付けられた他方側連結部材64とにて構成されている。一方側連結部材63は係合凸部65を有し、他方側連結部材64は係合凸部65と係脱可能に係合する係合凹部66を有している。なお、連結手段62は、面ファスナを用いたものや、磁石等を用いたもの等でもよい。
【0045】
肩掛け用紐状体22は、例えば金属等からなる左右1対のチェーン部材71と、これら両チェーン部材71を繋いだ長手状の肩当て部材72とにて構成されている。肩当て部材72は、例えば可撓性を有する合成皮革、本革或いは合成樹脂等からなる1枚の板状素材によって構成されている。各チェーン部材71の一端部が蓋部25の側端部から側方に向かって突出したチェーン取付部73に取り付けられ、各チェーン部材71の他端部が肩当て部材72の長手方向端部に取り付けられている。
【0046】
次に、肩掛けかばん1の作用等を説明する。
【0047】
例えば携帯電話機2を持って外出するにあたり、携帯電話機2をかばん本体21の本体部23に収納する。
【0048】
すなわち例えば女性の使用者は、まず、図11に示すように、連結手段62を解除して、蓋部25を開動作によって開状態にし、本体部23の出し入れ口部24を開口させる。
【0049】
そして、携帯電話機2を出し入れ口部24から本体部23内に挿入して収納し、また、タッチペン3をペン取付部26の筒状部材27に取り付ける。
【0050】
その後、蓋部25を閉動作によって閉状態にして連結手段62を連結させることにより、蓋部25の基端側で本体部23の出し入れ口部24を閉鎖するとともに、蓋部25で本体部23の前面の少なくとも半分以上、すなわち例えば略全体を覆う。
【0051】
この際、例えば携帯電話機2の本体部23内への挿入が不十分であった場合等には、蓋部25の閉動作によりタッチペン3のクリップ部3aが携帯電話機2の側面に接触してこの携帯電話機2を本体部23内に押し込む。その結果、携帯電話機2は、本体部23内でこの本体部23に対して所定位置に位置決め固定された状態となる。
【0052】
そして、この収納状態であっても、この本体部23内の携帯電話機2は、タッチパネル部4等を操作可能であり、使用可能となっている。
【0053】
つまり、図13に示すように、携帯電話機2のメインカメラ部9およびフラッシュ部10は、互いに連通した内側のカメラ用本体側開口部51と外側のカメラ用蓋側開口部56とによって、閉蓋状態のかばん本体21の前方に向かって露出している。
【0054】
また、図14に示すように、携帯電話機2のタッチパネル部4、操作ボタン部6、サブカメラ部7および通話用スピーカ部8は、パネル用開口部46によって、閉蓋状態のかばん本体21の後方に向かって露出している。
【0055】
さらに、図15に示すように、携帯電話機2のマイク部16、充電用コネクタ部17およびスピーカ部18は、それぞれ対応する孔部分35a、左中間開口部43および孔部分34aによって、閉蓋状態のかばん本体21の左側方に向かって露出している。
【0056】
また、図16に示すように、携帯電話機2の操作ボタン部11およびヘッドセット用コネクタ部12は、それぞれ対応する右上開口部41および右下開口部42によって、閉蓋状態のかばん本体21の右側方に向かって露出している。
【0057】
さらに、図17に示すように、携帯電話機2の操作ボタン部14,15は、下中間開口部44によって、閉蓋状態のかばん本体21の下方に向かって露出している。
【0058】
そして、図18に示すように、使用者は、肩当て部材72を肩に当てるようにして肩掛け用紐状体22を肩に掛け、携帯電話機2が収納された閉蓋状態のかばん本体21をぶら下げる。
【0059】
こうして、使用者は、肩掛けかばん1を用いて、携帯電話機2を持ち運ぶ(持ち歩く)ことができる。
【0060】
そして、例えばメールを受信したり電話がかかってきたとき等には、図19および図20に示すように、使用者は、携帯電話機2をかばん本体21から取り出すことなく、携帯電話機2を収納したままタッチパネル部4を操作して、メール内容を確認したり電話の相手と通話したりする。また、使用者は、例えば、携帯電話機2をかばん本体21から取り出すことなく、タッチパネル部4を操作してカメラ部7,9にて写真(静止画)や動画等を取得することも可能である。
【0061】
このように肩掛けかばん1によれば、携帯電話機2がかばん本体21の本体部23に収納された状態であっても、その収納された携帯電話機2のタッチパネル部4や操作ボタン部6,11,14,15等を操作することが可能であるため、携帯電話機2を収納したまま使用でき、携帯電話機2の使い勝手が良好であるとともに、また、特に女性がファッションの1つとして、肩掛け用紐状体22を肩に掛けて簡単に装着でき、女性向きかばんとしてきわめて有用である。
【0062】
また、かばん本体21のペン取付部26に取り付けられたタッチペン3は、蓋部25の閉状態時に、本体部23に嵌入収納された携帯電話機2の本体部23に対する位置ずれを抑制するため、本体部23に対する携帯電話機2の位置ずれが発生せず、携帯電話機2を安定的に収納でき、携帯電話機2を収納したままより一層適切に使用できる。つまり、収納された携帯電話機2のポジションが安定するため、タッチパネル部4やメインカメラ部9等の露出状態を適切に維持でき、携帯電話機2を適切に使用できる。
【0063】
さらに、ペン取付部26が蓋部25の基端部内面側に設けられ蓋部25の閉状態時に出し入れ口部24を覆うように位置する筒状部材27にて構成されているため、ペン取付部26にタッチペン3が取り付けられていない場合でも、その筒状部材27によって本体部23に収納された携帯電話機2の本体部23に対する位置ずれを抑制できる。
【0064】
また、本体部23に収納された携帯電話機2のメインカメラ部9およびフラッシュ部10が、カメラ用開口部51,56によって外部へ露出するため、携帯電話機2を収納したまま適切に使用でき、特に、本体部23のカメラ用本体側開口部51が切欠部分52にて構成され、蓋部25のカメラ用蓋側開口部56が孔部分57にて構成されているため、外観を大きく損なわず、携帯電話機2のメインカメラ部9およびフラッシュ部10を適切に露出させることができる。
【0065】
さらに、例えば本体部23のカメラ用本体側開口部51を、カメラ用蓋側開口部56の孔部分57と同じ形状の孔部分で構成した場合には、縫い代が狭くなり、その形状維持が困難となる問題があるが、カメラ用本体側開口部51を切欠部分52で構成するため、そのような問題もなく、例えば製造誤差等に基づいて蓋部25が本体部23に対して若干ずれたとしても、両開口部51,56同士が前後に互いに重なり合うため、メインカメラ部9およびフラッシュ部10を適切に露出させることができる。
【0066】
なお、肩掛けかばん1に入れる携帯機器は、携帯電話機2には限定されず、少なくともタッチパネル部4を有すれば、例えば携帯音楽プレーヤー、携帯電子カメラ、携帯テレビ或いは携帯ゲーム機等、いかなる種類のものでもよい。
【0067】
また、カメラ用本体側開口部51を構成する切欠部分52は、扇形状には限定されず、例えば3角形状、矩形状或いは略円形状等でもよい。なお、カメラ用蓋側開口部56のように、カメラ用本体側開口部51を孔部分で構成してもよい。
【0068】
さらに、かばん本体21は、例えば定期券等のカードを入れるカードホルダー部、小銭や小物等を入れるポケット部等が、本体部23の前面や蓋部25の内面等に設けられた構成でもよい。
【0069】
また、例えばかばん本体21の背面部のうちタッチパネル部4と対向する部分を透明シート部で構成し、この透明シート部を介してタッチパネル部4を操作できるようにしてもよい。
【0070】
さらに、かばん本体21は、例えば図22に示すように、タッチペン3が脱着可能に取り付けられるペン取付部80を有した構成でもよい。つまり、この図22に示す蓋部25の内側板状素材には長孔状の挿入用孔81が形成され、蓋部25のうちその挿入用孔81に臨んだ部分がペン取付部80となっている。
【0071】
そして、クリップ部3aが挿入用孔81から蓋部25内に挿入されることにより、タッチペン3がペン取付部80に脱着可能に取り付けられている。蓋部25の閉状態時には、そのペン取付部80に取り付けられたタッチペン3が、本体部23に収納された携帯電話機2の側面に接触してこの携帯電話機2の本体部23に対する位置ずれを抑制する。
【0072】
また、掛け用紐状体22は、例えばチェーン部材71を用いることなく、紐部材を用いて長さ調整可能な構成としてもよい。なお、実施の形態として例示した掛け用紐状体22の中間省略部分は、願書添付図面上、35cmである。
【0073】
さらに、かばん本体21のペン取付部26は、製造性向上のために、例えば図23および図24に示すように、本体部23の前面部材31の上端部に縫着等により設けられ蓋部25の開状態時および閉状態時に出し入れ口部24を覆うように位置する筒状部材27にて構成されたものでもよい。
【0074】
そして、この構成の場合、タッチペン3が取り付けられた場合にはタッチペン3によって携帯電話機2の本体部23に対する位置ずれを抑制でき、タッチペン3が取り付けられていない場合には筒状部材27によって携帯電話機2の本体部23に対する位置ずれを抑制できる等、前記一実施の形態と同様の作用効果を奏することができるばかりでなく、筒状部材27の一部を前面部材31の両板状素材間に挿入してこれら両板状素材とともに糸で縫合することにより、ペン取付部26を前面部材31の上端部に容易に設けることができ、よって製造性の向上を図ることができる。
【0075】
なお、例えばペン取付部26を構成する筒状部材27を本体部23の背面側上端部に設けるようにしてもよく、また、ペン取付部は必ずしも必要ではなく、かばん本体21がペン取付部26,80を有しない構成でもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 肩掛けかばん
2 携帯機器である携帯電話機
3 タッチペン
4 タッチパネル部
9 カメラ部であるメインカメラ部
21 かばん本体
22 肩掛け用紐状体
23 本体部
24 出し入れ口部
25 蓋部
26,80 ペン取付部
27 筒状部材
46 パネル用開口部
51 カメラ用開口部であるカメラ用本体側開口部
52 切欠部分
56 カメラ用開口部であるカメラ用蓋側開口部
57 孔部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル部を有する携帯機器を入れて持ち運ぶための肩掛けかばんであって、
前記携帯機器が出し入れ可能に収納されるかばん本体と、
このかばん本体に設けられた肩掛け用紐状体とを備え、
前記携帯機器が前記かばん本体に収納された状態であっても、その収納された携帯機器のタッチパネル部を操作することが可能である
ことを特徴とする肩掛けかばん。
【請求項2】
かばん本体は、
携帯機器が出し入れ可能に収納される本体部と、
この本体部に形成され、前記携帯機器を出し入れするための出し入れ口部と、
この出し入れ口部を開閉する蓋部と、
前記本体部に形成され、前記本体部に収納された前記携帯機器のタッチパネル部を露出させるパネル用開口部とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の肩掛けかばん。
【請求項3】
かばん本体は、タッチペンが脱着可能に取り付けられるペン取付部を有し、
前記ペン取付部に取り付けられた前記タッチペンが、本体部に収納された携帯機器の位置ずれを抑制する
ことを特徴とする請求項2記載の肩掛けかばん。
【請求項4】
ペン取付部は、蓋部の閉状態時に出し入れ口部を覆うように位置する筒状部材にて構成されている
ことを特徴とする請求項3記載の肩掛けかばん。
【請求項5】
本体部および蓋部の各々には、前記本体部に収納された携帯機器のカメラ部を露出させるカメラ用開口部が形成され、
前記本体部のカメラ用開口部は、切欠部分にて構成され、
前記蓋部のカメラ用開口部は、孔部分にて構成されている
ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一記載の肩掛けかばん。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−70766(P2012−70766A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199217(P2010−199217)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000102108)イワヤ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】