育苗器の位置検出補助具及び位置検出方法
【課題】 従来、搬送装置で搬送される育苗器(セルトレイ)の位置を検出するにあたり、センサにより育苗器のセルもしくは隣接するセルの間隙を直接検知して育苗器の位置を検出するものがあるが、セルの形状、隣接するセルの間隔、セルの周囲に付着する土などの異物によってセンサが誤検知するおそれがある。また、複数のセルを有さない苗箱等の育苗器を搬送するときには、セルトレイのように所定の搬送ピッチ毎に育苗器の位置検出を行うことができなかった。
【解決手段】 所定間隔おきに一方向に長く配列された複数の位置検出用部材86と育苗器に装着するための装着用部材とを備える育苗器の位置検出補助具81を、前記複数の位置検出用部材86が育苗器の外側で該育苗器の搬送方向に配列されるように前記着脱用部材を介して育苗器1に装着し、搬送装置の搬送経路上に設けたセンサ88,89により前記位置検出用部材86を検出する構成とした。
【解決手段】 所定間隔おきに一方向に長く配列された複数の位置検出用部材86と育苗器に装着するための装着用部材とを備える育苗器の位置検出補助具81を、前記複数の位置検出用部材86が育苗器の外側で該育苗器の搬送方向に配列されるように前記着脱用部材を介して育苗器1に装着し、搬送装置の搬送経路上に設けたセンサ88,89により前記位置検出用部材86を検出する構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、育苗器の位置検出補助具及び位置検出方法の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
搬送コンベアからなる搬送装置で搬送される縦横に複数のセルを備える育苗器(セルトレイ)の位置を検出するにあたり、搬送装置の搬送経路上に設けた光センサにより前記セルを検出する育苗器の位置検出方法が知られている。そして、この育苗器の位置検出に基づいて搬送コンベア上の播種機を作動させ、育苗器のセル毎に播種できるようにしたものがある(特許文献1参照。)。
【0003】
また、複数のセルが前後左右に整列状態に配置された育苗器に苗挿しする苗挿し機において、育苗器(セルトレイ)を載置して移送する搬送装置を設け、該搬送装置の搬送経路上に設けた光センサにより隣接するセルの間隙を検知し、該セルが所定位置に搬送されたことを検出する育苗器の位置検出方法が知られている。そして、この育苗器の位置検出に基づいて搬送装置による育苗器の搬送を停止し、育苗器のセル列が順次所定位置で停止するよう育苗器を間欠的に搬送し、前記所定位置にあるセル内へ苗挿し装置により苗を挿し、各セル毎に確実に苗挿しを行うようにしたものがある(特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平10−98914号公報
【特許文献2】特開2003−72号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術によると、センサにより育苗器のセルもしくは隣接するセルの間隙を直接検知して育苗器の位置を検出する構成であるので、セルの形状、隣接するセルの間隔、セルの周囲に付着する土などの異物によってセンサが誤検知し、育苗器の位置検出が適正に行えなくなるおそれがある。また、複数のセルを有さない苗箱等の育苗器を搬送するときには、セルトレイのように所定の搬送ピッチ毎に育苗器の位置検出を行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、複数の位置検出用部材(86)を所定間隔おきに一方向に長く配列すると共に、該複数の位置検出用部材(86)が育苗器の外側に位置するように育苗器に装着するための装着用部材(83)を設けた育苗器の位置検出補助具とした。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、搬送装置(A)で搬送される育苗器の位置を検出する育苗器の位置検出方法であって、所定間隔おきに一方向に長く配列された複数の位置検出用部材(86)と育苗器に装着するための装着用部材(83)とを備える育苗器の位置検出補助具(81)を、前記複数の位置検出用部材(86)が育苗器の外側で該育苗器の搬送方向に配列されるように前記着脱用部材(83)を介して育苗器に装着し、搬送装置(A)の搬送経路上に設けたセンサ(88,89)により前記位置検出用部材(86)を検出する育苗器の位置検出方法とした。
【0007】
従って、上記の育苗器の位置検出補助具又は位置検出方法により、複数の位置検出用部材(86)が育苗器の外側で該育苗器の搬送方向に配列されるので、センサ(88,89)により前記位置検出用部材(86)を適確に検出することができ、搬送装置(A)の搬送経路上で育苗器の位置検出を精度良く行える。
【発明の効果】
【0008】
よって、育苗器の位置検出を精度良く行えるので、例えば播種や苗挿し等の処理を育苗器の複数のセル毎に適確に行える。また、複数のセルを有さない苗箱等の育苗器でも、所定のピッチ毎に位置検出が行え、例えば播種や苗挿し等の処理を育苗器内の所定のピッチ毎に適確に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を実施するための一形態となる苗挿し機の構成を図面に基づいて説明する。本実施例の苗挿し機の平面図を図1に、側面図を図2に示し、これら図1と図2に基づいて苗挿し機の全体的な構成について説明する。この苗挿し機は、例えば親株から株分けしたいぐさ苗を育苗器に苗挿しすることができる。その他、キク苗を苗挿ししてもよい。
【0010】
苗挿し機は、育苗器1を載置して移送方向Rに向かって移送する育苗器移送装置Aと、苗を支持する苗支持体15が周回する苗供給装置Cと、該苗支持体15内の苗を把持して移動して前記育苗器移送装置Aに設置された育苗器1に苗を挿す苗挿し装置Bと育苗器1内のセル内の土に穴を開ける穴開け装置Dを備えている。
【0011】
育苗器移送装置Aには育苗器1の左右幅と賂同じ幅に一対の枠体2、2が設けられ、該一対の枠体2、2の両端部には駆動軸4cが掛け渡され、該駆動軸4cに固着された駆動プーリ4bが駆動用モータ(図示せず)により駆動する。前記駆動プーリ4bの回転により該駆動プーリ4bに掛け渡された移送ベルト3が移動することで、該移送ベルト3上に載置された育苗器1が移送方向Rに移送される。
【0012】
育苗器1には苗を挿入できるセル1aを多数(本実施の形態では一列につき20個)設けられている。
図1、図2に示すように、苗挿し装置Bに苗を供給する苗供給装置Cは、カップ形状の苗支持体15を平面視で略長円形状に形成する苗供給装置枠体16に沿って多数(本実施の形態では把持具5aの4倍の数である40個)連続して数珠繋ぎで配置している。苗支持体15を周回移動させる一対のスプロケット17、17は、苗供給装置枠体16の両端部にそれぞれ設けられ、一方のスプロケット17が駆動体となり、一対のスプロケット17、17間に掛け渡された図示しないチェーンの駆動で他方のスプロケット17も連動する。一対のスプロケット17、17が回動すると苗支持体15の全体はスプロケット17、17の作用を受けて押され、苗供給装置枠体16に沿って略長円形状の軌跡を描いて下方向に周回移動する。また、前記平面視賂長円形状に複数配置された苗支持体15の内側上方には供給する苗を置く苗置台6が設けられている。
【0013】
次に苗支持体15について、図3のその一部斜視図と図4の分解斜視図により説明する。苗支持体15は平面視円状に形成する上側苗支持部15aと、正面視五角形状で底部15bを三角形状に形成し、表面側に苗取り出し用開口部15cを形成した受け体(下側苗支持部)15dから構成され、上側苗支持部15aと受け体15dとは多数の苗収容体15を連結させる上下2枚のプレート23a、23bそれぞれに2つずつ形成する孔23c、23dに挿入し、受け体15dの上面に屈曲形成した取付部15fを上側苗支持部15aに形成している溝部15gに差し込み、連結環24を受け体15dの後部に挟み付けるよう取り付け、受け体15dの苗取り出し用開口部15cが歪み等により開いて受け体15dが上側苗支持部15aから脱落することを防止している。なお、前記プレート23aと23bとは上下が互い違いに重なる状態で苗収容体15を各孔23c、23dに挿入することで連結する。
【0014】
尚、図7に示すように、苗支持体15において苗取り出し用開口部15cの反対側の側壁に切り欠き穴70を設け、該切り欠き穴70に軸状の位置規制具71が位置する構成としてもよい。この位置規制具71により、苗支持体15内で苗の横方向の位置(図7のB方向の位置)が規制され、後述する苗挿し装置Bの苗把持ハンド5b、5cにより確実に苗を把持して苗支持体15から取り出すことができる。特に、いぐさ苗等、葉の広がりが少なく苗支持体15内で苗の横方向の位置がばらつきやすい場合に有効である。また、図8に示すように、隣接する苗支持体15の間に、該苗支持体15が横方向に傾くのを規制するゴム製の傾き規制具72を設けてもよい。この傾き規制具72により、苗支持体15内の苗の横方向(図7のC方向)の位置が規制され、苗挿し装置Bの苗把持ハンド5b、5cにより確実に苗を把持して苗支持体15から取り出すことができる。
【0015】
また、苗供給装置Cの一端(図1の紙面左側半分)は育苗器1の左右幅方向より側方に向かって突出して配置しているので、作業者Nが苗支持体15に苗を投入する苗投入場所となるスペースを形成している。そして、作業者Nが苗を投入する苗投入場所Mは、苗を把持具5aで把持する苗把持位置Fに隣接するスペ−スに設けている。
【0016】
苗置き台6の上面には苗挿し機の運転停止を行う切替スイッチ20を設け、苗投入場所Mの近傍には図示はしないが電源スイッチ、リセットスイッチ、そして各種装置を作動させるシ−ケンサ−等を内蔵する操作盤や、苗供給装置Cの周回速度を作業者Nが足で調節するフットスイッチ等、作業者Nが操作する各種装置を集中的に備え、作業者Nが苗収容体15に苗を投入しながら苗挿し機を運転・制御することができるよう構成している。
【0017】
図2に示す穴開け装置Dは、育苗器1のセル1aに詰めている土に苗を差し込むための穴を作る作孔装置であり、育苗器1の長手方向に配置されるセル1aの数(本実施の形態では20個)に対応して配置されたセル1aと同一数の穴開けピン22aを取り付けている。穴開け装置Dで育苗器1のセル1aに詰めている土に苗を差し込むための穴を開けた後、ベルト3で育苗器1が図2の矢印R方向に移動するので、苗把持部5でセル1a内の土に苗を差し込むことができる。
【0018】
図5に一対の苗把持ハンド5b、5cを含む把持部5の斜視図を示す。苗挿し装置Bは
苗を保持するとき苗の茎を1本ずつ両側から把持する把持具5aを多数傭えている。なお、本実施の形態では10個の把持具5aを並列して把持具プレート5mに取り付けて把持部5を形成することで、同時に10本の苗を育苗器1に苗挿しできるよう構成している。
【0019】
また、把持具5aはハンド開閉モ−タ10により開閉する一対の苗把持ハンド5b、5cを備えている。該把持具5aは一対の苗把持ハンド5b、5cと各苗把持ハンド5b、5cとそれぞれ一体で横方向に移動するプレート5d、5eと該プレート5d、5eにそれぞれ連結したアーム5f、5gなどからなるリンク部材と該リンク部材を介して作動させるハンド開閉カム5jを備えている。該カム5jはハンド開閉モータ10の回転軸に固定されているので、ハンド開閉モータ10が回転するとリンク部材を介して一対の苗把持ハンド5b、5cが開閉動作する。
【0020】
把持部5の把持具プレ−ト5mの裏面はア−ム33bの一端で支持され、ア−ム33bの他端は横移動プレ−ト8上に配置された前後移動用モ−タ33の回転軸に固定されたカム33a(図1)に取り付けられることで、把持部5は移送方向Rに沿った方向に前後移動可能に構成している。
【0021】
横移動プレ−ト8にはア−ム35bの一端を取り付け、ア−ム35bの他端を横支持プレ−ト9上に配置された横移動用モータ35の回転軸に固定されたカム35aに取り付けられることで、横移動プレ−ト8は横支持プレ−ト9に沿って移送方向Rと交差する方向Sに沿って育苗器移送装置Aの左右内側を移動可能に構成している。
【0022】
また、前記左右移動用モータ35の駆動により円形カム35aが回転すると、図6に示すように円形カム35aの周辺部に設けられた凹部35a1に各一対の苗把持ハンド5b、5cの苗の把持位置検出用のリミットスイッチ37の端子37aが入り込む構成になっている。そして、上記左右移動用モータ35の駆動で横移動プレート8が移動すると苗把持部5も移動する。横移動プレート8の移動中はリミットスイッチ37の端子37aがカム35aの外周面を摺動している。そして、端子37aがカム35aに設けた凹部35a1に嵌まると左右移動用モ−タが駆動停止し、横移動プレート8及び苗把持部5も停止する。
【0023】
図6に示すカム35aは定速回転する左右移動用モータ35により一方向にフル回転するのではなく、往復運動を繰り返す。図6に示すようにカム35aに設けた凹部35a1が45度の角度毎に4個設けられている。カム35aの135度の回転で横移動プレ−ト8は育苗器1の一列分を4回で挿し木する横移動をする。従って、一対の苗把持ハンド5b、5cが10組設けられているので、これらの4回の作動で一列に40本の苗を挿す。このとき、苗把持ハンド5b、5cが苗供給装置Cの苗支持体15にある苗を把持する位置は、各苗挿し行程で変化しない。尚、図9に示すように、1回目の苗挿し行程で育苗器1の〇印の位置に苗を挿し、2回目の苗挿し行程で育苗器1の△印の位置に苗を挿し、3回目の苗挿し行程で育苗器1の□印の位置に苗を挿し、4回目の苗挿し行程で育苗器1の×印の位置に苗を挿す。従って、各苗把持ハンド5b、5cは既に挿された苗の間に次の苗を挿し、育苗器1の一列において隣接位置の苗を同時に挿し木しないので、苗把持ハンド5b、5cの寸法に対して極めて小さな株間で苗を挿苗でき、育苗器1に苗を密植することができ、育苗器1が苗箱の場合にはマット状に苗を挿すことができて、後行程で移植機により圃場に苗を移植するときに欠株が発生するのを防止できる。
【0024】
尚、図10及び図11に示すように、苗供給装置Cの苗支持体15の中央に仕切り板73を入れて2分割し1つの苗支持体15に2株の苗を収容できる構成とすると共に、一対の苗把持ハンド5b、5cを20組設ければ、1回の苗挿し行程で20株の苗挿しができるため、2回の苗挿しで1列に40本の苗挿しが行えて苗挿し作業能率が向上する。
【0025】
なお、苗把持部5を上下方向に昇降動作させるための上下移動用モ−タ26は、その駆動で横支持プレ−ト9を縦支持プレ−ト7に沿って上下方向に昇降動作させることで苗把持部5を昇降動作させる構成である。
【0026】
次に、本実施の形態の苗挿し機の作業内容について説明する。
操作盤の電源スイッチ、運転スイッチを押すと苗挿し機の装置各部動作を開始する。作業者Nは苗投入場所Mにいて周回する苗収容体15に一本ずつ苗を投入していく。苗収容体15に収容した苗は下方向を略一回転して苗把持位置Fまで周回する。そのとき、センサ(図示せず)はスプロケット17の歯数をカウントしており、設定する歯数をカウントする毎に一時停止する。
【0027】
一方、育苗器移送装置Aのベルト3上で育苗器1が移送される。苗挿し装置Bと穴開け装置Dが育苗器1内の土に作用する苗挿し位置にある。この構成により、育苗器1内の一列分のセル内の土に穴開け装置Dで穴を開け、次いで苗挿し装置Bが苗を該セル内の穴に苗を植え付ける作業を行う毎に育苗器移送装置Aが間欠的に前進している。
【0028】
なお、育苗器移送装置Aは左右移動用モ−タ35が育苗器1の一列にある全部のセル1a内に同時に苗を植え付ける間は移動停止し、一列分の全てのセル1a内に20個の苗を植え付けた後はセル1aの1個分だけ前進する。
【0029】
苗供給装置Cが苗把持位置Mで停止したら、苗把持具5aがそれぞれ対向する苗収容体15に収容する苗を取りに前進する。苗把持具5aが苗収容体15の苗供給開口部15eから苗を把持する位置まで進むと開閉モ−タ10が駆動して苗を把持し、再度元の位置まで後進する。そして、苗を把持した苗把持具5aは下降し、前記穴開け装置Dで開けた穴に苗の根元部分を挿入する。
【0030】
苗挿し作業が終了したら、把持ハンド5b、5cは苗を放し後進・上昇して元の位置に戻る。この苗挿し作業の工程中に次の工程で苗挿しする苗を供給するために、苗収容体15が設定したスプロケット17の回転数分周回する。
【0031】
図12には本発明の一実施例である育苗器移送装置Aの部分拡大斜視図を示す。図12では駆動軸4cが矢印E方向に回転することにより平ベルト3が矢印R方向に育苗器1を移送している。そして平ベルト3の端に育苗器1の搬送方向に沿って所定のピッチ毎に設けた複数の穴42からなる穴列74を構成し、育苗器1を所定の搬送ピッチ毎に搬送できる構成としている。
【0032】
すなわち一定間隔にベルト幅方向に桟40を設けた平ベルト3で、挿し木をする育苗器1を移送する構成において、平ベルト3の内側の端部には前記穴42を検出するための光電式のセンサ41を設けている。尚、該センサ41の位置は穴42が検出できる位置であれば特に限定されない。そしてセンサ41が穴42を検出するたびに、平ベルト3が停止する構成としている。平ベルト3は、駆動ローラ75と従動ローラ76とに巻きかけられ、搬送用モータ77の駆動で前記駆動ローラ75が駆動して搬送作動する。前記駆動ローラ75並びに従動ローラ76の表面及び平ベルト3の裏面には凹凸を設けていないので、不慮の要因により搬送負荷が大きいときでも駆動ローラ75並びに従動ローラ76に対して平ベルト3がスリップでき、育苗器1が所望の停止位置を越えて移送されてしまうようなことを防止でき、所望の苗挿し位置に苗挿しできる。尚、前記桟40により育苗器1を押しながら移送するが、桟40の高さを25乃至30mmに設定しているので、図13乃至図15に示すように、セルトレイ1を載せるアンダートレイ67、水稲・野菜兼用苗箱78及び水稲専用苗箱79の何れの育苗器であっても、育苗器の上端から桟40が突出せずに苗挿し作業の邪魔にならず、また桟40で育苗器の端面が位置決めされるので、穴42と育苗器との位置関係がずれにくく育苗器の移送精度が向上する。
【0033】
また、図16に示すように、平ベルト3に穴ピッチの異なる穴列74を複数列設け、搬送する育苗器1に応じて搬送ピッチを切り替えできる構成とすることができる。尚、平ベルト3の内側に設けた光電式のセンサ41を左右方向にスライドさせて移動することができ、該センサ41を検出すべき穴列74に対応する左右位置に移動させて搬送ピッチを切り替える構成としている。複数の穴列74は、128穴セルトレイ用、200穴セルトレイ用、水稲・野菜兼用苗箱用及び水稲専用苗箱用の4列が左右に配列されている。これにより、育苗器移送装置Aを各種育苗器に対応させることができる。
【0034】
図17及び図18に示すように、育苗器移送装置Aの移送始端部において、平ベルト3の左右両側に該平ベルト3の上面より高く桟40の上端より低い育苗器載置部材80を設けることができる。尚、育苗器1はその長手方向が左右方向となるように育苗器移送装置Aに供給するようになっているので、平ベルト3の左右幅より育苗器1の左右幅が広くなり、平ベルト3から突出する育苗器1の左右両端部を前記育苗器載置部材80上に載置するようになる。これにより、作業者が育苗器載置部材80上に載置した育苗器1は、その端が桟40に当たって押されることによりはじめて育苗器載置部材80上を滑りながら移送されることになり、桟40と育苗器1の端面とを密着させることができて、穴42と育苗器との位置関係が適正になり育苗器の移送精度が向上する。尚、育苗器載置部材80の前後長さYは、育苗器を容易に載置できるように育苗器1の前後幅より長く設定されている。
【0035】
また、図19に示すように、前記のような穴列74に代えて、位置検出補助具81を育苗器に装着することができる。尚、図19に示す育苗器移送装置Aは、幅狭の移送ベルト3を間隔を空けて左右に2本設けて構成されている。前記位置検出補助具81は、ステンレスにより金属製となっており、下側が開放する断面形状コの字型の前後方向に長いプレートにより構成され、水平状の上部分82と、該上部分82の左右一側端から下方へ折れ曲がって延びる挿込部分83と、前記上部分82の左右他側端から下方へ折れ曲がって延びる位置検出用部分84とで構成される。前記位置検出用部分84に前後に所定間隔おきに切り欠き85を設けることで、この互いの切り欠き85の間に前後幅が所定幅の位置検出用部材86が所定間隔おきに前後に複数個構成される。そして、上部分82の下面が育苗器(苗箱)1の縁部87の上面に接するように、位置検出補助具81を育苗器(苗箱)の縁部87に上側から係合させる。このとき、位置検出補助具81の挿込部分83が、育苗器(苗箱)の内側面に接するように育苗器(苗箱)の内部に上側から挿入される。また、前記上部分82の左右幅が育苗器(苗箱)の縁部の左右幅と同等かそれより大きくなっているため、前記位置検出用部分81が育苗器(苗箱)の側壁の外側側方に露出した状態となる。従って、前記挿込部分83は、複数の位置検出用部材86が育苗器1の外側に位置するように育苗器1に装着するための装着用部材となる。尚、育苗器(苗箱)に予め苗床(培土)が収容されているので、苗床(培土)により前記挿込部分83が育苗器(苗箱)の内側面側に押し付けられることになり、位置検出補助具81が育苗器1にしっかりと装着される。また、位置検出補助具81の上部分82の左右幅を育苗器(苗箱)の縁部87の左右幅と同等に構成すれば、挿込部分83と位置検出用部分84とで育苗器(苗箱)の縁部87を挟み込み該縁部87に位置検出補助具81を嵌め込んでしっかりと装着でき、位置検出補助具81が育苗器1から脱落するようなことを防止できる。尚、育苗器移送装置Aでセルトレイを搬送する際には、該セルトレイを載せるアンダートレイ(育苗器の一種)の縁部に位置検出補助具81を装着すればよい。
【0036】
育苗器移送装置Aにおいて、育苗器1の搬送経路の直ぐ左側の側方には、穴開け装置Dによる穴開け位置にある育苗器1を検出するための穴開け位置検出用センサ88と、苗挿し装置Bによる苗挿し位置にある育苗器1を検出するための苗挿し位置検出用センサ89とを枠体2に固着して設けている。これらのセンサ88,89は、金属を検出する光電式のセンサであり、樹脂製の育苗器1自体には反応せず、金属製である前記位置検出補助具81の位置検出用部材86を検出する構成となっている。そして、該センサ88,89が位置検出用部材86を検出すると育苗器移送装置Aによる育苗器1の搬送駆動を停止させ、育苗器1の所定の位置で苗挿し装置Bによる苗挿し作業あるいは穴開け装置Dによる穴開け作業が行われ、この作業が完了すると育苗器移送装置Aの搬送駆動が再開し、位置検出用部分84の切り欠き85を介して次の位置検出用部材86をセンサ88,89が検出すると、再度育苗器移送装置Aの駆動を停止させる。従って、位置検出用部材86をセンサ88,89が検出する度に育苗器移送装置Aの搬送駆動を停止させ、育苗器移送装置Aにより所定の搬送ピッチ毎に間欠的に育苗器1を搬送する構成となっている。
【0037】
よって、位置検出用部材86や位置検出用部分84の切り欠き85の前後幅を、セルトレイのセルの大きさにあまり制限されずにセンサ88,89が高精度で位置検出できるように設定できる。ひいては、位置検出用部材86や位置検出用部分84の切り欠き85の前後幅を、これらに土などの異物が付着しないように設定できる。また、位置検出用部分84は、育苗器1の外側に位置するので、育苗器1内の培土等が付着しにくくなる。これらにより、センサ88,89で前記位置検出用部材86を適確に検出することができ、所望の位置で精度良く育苗器を停止させることができ、穴開けあるいは苗挿しの処理を育苗器の複数のセル毎に適確に行える。また、複数のセルを有さない苗箱等の育苗器でも、所定のピッチ毎に精度良く育苗器を停止させることができ、穴開けあるいは苗挿しの処理を育苗器内の所定のピッチ毎に適確に行える。
【0038】
尚、位置検出用部材86の個数及び配列ピッチが異なる複数種の位置検出補助具81を用意すれば、位置検出補助具81を付け替えて育苗器の搬送ピッチを変更することができ、1個の育苗器に挿す苗の本数を変更することができる。また、育苗器の形態に応じて位置検出補助具81を設定することができる。
【0039】
また、位置検出補助具81は、金属製であるので、金属を検出する光電式のセンサ88,89により水や土あるいは苗を誤検出するようなことを防止でき、育苗器の搬送を適正に行える。更には、位置検出補助具81は、ステンレス製であるので、水や土等がかかる状態で複数回使用しても錆が発生するようなことが防止され、センサ88,89により精度良く検出できる。
【0040】
苗挿し位置には、挿した苗が育苗器の搬送上手側に倒れるのを防止する倒れ防止具90を設けている。この倒れ防止具90は、モータ91の駆動によりカム板92、クランクロッド93を介して昇降する構成となっており、苗把持ハンド5b、5cで苗を挿すときには上方へ退避する構成となっている。この倒れ防止具90により、育苗器に挿した苗が苗把持ハンド5b、5c側に倒れるのを防止する。尚、前記カム板92の外周には回転方向において180度ごとの位置にカム溝92aを設け、該カム溝92aをリミットスイッチ94により倒れ防止具90が昇降作動したことを検出する構成となっている。また、育苗器移送装置Aの左右両側には、挿した苗が左右側方に倒れるのを防止する側方倒れ防止具95を設けている。これらの倒れ防止具90及び側方倒れ防止具95により、育苗器に既に挿した苗が倒れて次に苗を挿すときの邪魔になって苗挿しの障害になるようなことを防止できる。
【0041】
図22には本発明の一実施例である育苗器移送装置Aの部分拡大斜視図を示す。図22(a)には穴開け装置Dの手前にブラシ57を設けた場合の斜視図を示し、図22(b)には育苗器1の表面をならすためのゴム板58の斜視図を示す。 図22では穴開け装置Dの手前に、セル1aを用いないで全体に土をまんべんなく入れた育苗器1の表面の土の凹凸をならすためのブラシ57又はゴム板58を設けており、育苗器1が矢印G方向に移送され、ブラシ57やゴム板58により育苗器1の表面の土をならした後、挿し木をする箇所に穴をあけ、挿し木をする構成としている。これにより、育苗器1の表面の土の凹凸をなくすことができ、苗挿し位置の正確さや苗挿しする深さなどの挿し木の精度が向上する。図22(a)ではブラシ57によって、苗箱1に入った土の表面の凹凸を平らにしてから穴をあけ、挿し木を行う場合を示している。セルトレイ1を用いる場合も同様に土の表面の凹凸を平らにしてから、穴をあけ、挿し木を行えば良い。また、ブラシ57ではなく図22(b)に示したようなゴム板58を穴開け装置Dの手前に設けても土の表面の凹凸を平らにすることができるが、これらブラシ57やゴム板58に限定されない。
【0042】
一方、苗の種類によって挿し木が難しい場合がある。例えば軟弱な苗の場合は挿し木部分が細く、苗把持ハンド5b,5cにより把持して挿し木をする際に、苗把持ハンド5b,5cから下に出る苗63の出代が長いと、うまく挿し木ができない。
【0043】
図23には本発明の一実施例の苗支持体15の分解斜視図を示し、図24にはその一部斜視図を示す。図23は図4に相当する図であり、図24は図3に相当する図であるのでこれらの図と同一の部材には同一の符号を付しており、説明は省略する。図25には、細く軟弱なキク穂63を苗支持体15から把持する場合の様子を示し、図25(a)には図23を矢印L方向から見た場合の側面図を示し、図25(b)は図25(a)のA−A線矢視図を示す。
【0044】
図23では、キク穂63を投入する苗支持体15の苗取出用開口部15cの内側に、底上
げ材60を貼付し又は入れてセットする様子を示しており、底上げ材60を貼付し又は入れた後、苗取出用開口部15cの手前側下端部に設けられたラバ−取付用プレート片15iにラバ−62をかぶせて固着具61で止めている。図24では底上げ材60を苗支持体15にセットした状態を示している。なお、ラバー62は鉛直方向でなく傾斜させて取り付ける構成としてもよい。
【0045】
そして図25で示すように苗把持ハンド5b,5cの把持する高さは変えずに、すなわち底上げ材60がない場合と同じとし、把持したキク穂63の下端が、苗把持ハンド5b,5cの下部から出る量Zを少なくし、挿し木をする構成としている。底上げ材60としてはスポンジや樹脂型品などを用いることができ、どのような素材のものでも良くこれらのものに限定されない。これにより、苗把持ハンド5b,5cの把持する高さは底上げ材60がない場合と同じでよく、底上げ材60によって苗把持ハンド5b,5cから下に出るキク穂63の出代を短くして、すなわちZ寸法(図25(b))を短くして挿し木をすることで、細く、軟弱なキク穂63の挿し木が可能となる。これにより、細く軟弱なキク穂63の挿し木をすることができ、苗の種類の適応範囲が拡大する。
【0046】
図26には苗把持ハンド5b,5cの部分拡大斜視図を示す。図26(a)には本発明の一実施例である苗把持ハンド5b,5cを示し、図26(b)には従来例の苗把持ハンド5b,5cを示す。挿し木をする苗の種類により挿し木の条件も異なってくるが、挿し木は苗を把持して育苗器1の土中に挿すことから、挿し木の精度を向上させるためには苗の把持の仕方が重要である。
【0047】
図26に示すように、例えばキク苗63を把持する苗把持ハンド5b,5cのうち苗把持ハンド5bの上下を苗把持ハンド5cまで伸ばす構成(アーム5p,5q)としている。アーム5pとアーム5qにより苗支持体15内の倒れた穂を確実に垂直に把持し、かつ、キク苗63の下側も把持することができるため、挿し木の精度が向上し更に軟弱で細い穂も挿し木できる構成としており、適用範囲の拡大が可能となる。このようにキク苗63を把持する苗把持ハンド5b、5cの苗把持ハンド5b側の上下を苗把持ハンド5cまで伸ばした構成(アーム5p,5q)としているため、苗把持ハンド部全体が軽くなって、苗把持ハンド5b,5cの振れも少なくなり、挿し木の精度が向上する。
【0048】
また従来例の苗把持ハンドでは苗把持ハンド5bの上側は延長していないが、本実施例では苗把持ハンド5bの上側も延長しているため(図26(a)のアーム5p)、苗支持体15内で倒れたキク穂63の位置も矯正でき、挿し木の精度が向上する。更に品種によっては、キク穂63の下側を数ミリではあるが、把持することもできるので、細く、軟弱なキク穂63も挿し木をすることができる。
【0049】
図27には本発明の一実施例である育苗器移送装置Aの部分拡大斜視図を示す。キク苗挿し木装置の育苗器1の育苗器移送装置Aにおいて、育苗器1の幅を規制するガイド65,66の上にブラシ59を設け、育苗器1のアンダートレイ67上面のふちにのった培土を自動的に除去することで、育苗器1が穴あけ位置及び苗挿し位置に、正確に停止することができる構成としている。穴開け装置D(図2)の手前の育苗器1のトレイ幅規制ガイド65の上面にブラシ59を設け、育苗器1に土詰めした時に、育苗器1のアンダートレイ67の上面のふちにのっている培土を、自動的に除去する構成としている。
【0050】
育苗器1に土を土詰めした時に、育苗器1のアンダートレイ67の上面のふちに培土がのっていると、穴開け位置検出用センサ88及び苗挿し装置側方でセルを検出できる位置に設けられた苗挿し位置検出用センサ89の感度が悪くなり、誤感知を起こすことがある。したがって土詰めした時に、育苗器1のアンダートレイ67上面の縁にのっている培土をブラシ59で除去することにより、穴開け位置検出用センサ88及び苗挿し位置検出用センサ89の誤感知を防止することができる。なお、本実施例ではブラシ59により培土を除去しているが、ブラシ59に限らず、例えばゴム板でも良く、培土を除去できるものであれぱ限定されない。
【0051】
尚、苗箱に苗挿しする場合、穴開け装置Dに代えて作溝装置96を設けることができる。この作溝装置96は、左右方向の回動支点軸97回りに回動自在な側面視三角形状の作溝プレート98を左右に複数枚配列して構成され、該作溝プレート98の角部98aが培土に突入した状態で育苗器1が移送されることにより該育苗器内の苗挿し位置となる左右位置で培土表面に筋状に作溝する。これにより、苗挿し行程で作溝部分にスムーズに苗挿しできる。尚、前記作溝プレート98の角部98aは、前記回動支点軸97より育苗器の搬送下手側に位置しているので、育苗器の搬送により作溝を安定して円滑に且つ確実に行える。複数枚の作溝プレート98のうち左右両端の作溝プレート98の上部には各々ウエイト装着用の螺子軸99を設けており、左右に長い板状のウエイト100の左右両端に設けた穴100aを前記螺子軸99に通して作溝プレート98上にウエイト100を載せ、ナット101を螺子軸99に締め付けることでウエイト100を左右両端の作溝プレート98の上部に固着できる。このウエイト100の重量により作溝プレート98が下側に回動付勢され、培土に確実に作溝することができる。尚、複数のウエイト100を用意すれば、装着するウエイト100の枚数を変更することにより、作溝プレート98の押圧力を変更でき、作溝深さを変更調節できる。あるいは、培土の硬軟に応じて作溝プレート98の押圧力を変更し、所望の作溝深さに適正に調節できる。尚、左右両端以外の作溝プレート98は、その上部にウエイト100が当接して下側に押圧されることになる。
【0052】
ところで、この苗挿し機に育苗器を供給する際、該育苗器に培土を充填した後、苗を挿しやすいように灌水して培土を軟らかくした状態で供給される。このとき、従来、図30に示すように、育苗器1の上端まで充填した培土が灌水により収縮し、培土上面が低くなり苗の挿し代が短くなるため挿した苗が倒れやすくなる。そこで、図31に示すような培土充填用補助具102を育苗器1の上部に装着した状態で培土を充填することができる。この培土充填用補助具102は、平面視で育苗器1と略同じ寸法の四角形状の枠部103と、該枠部103の短辺側部分から育苗器1の高さと略同じ寸法下方へ延びる係合部104と、該係合部104に固着した把手105とを備えて構成され、前記枠部103が育苗器1の縁部87上面に載り前記係合部104が育苗器1の短辺側部分の外側面に合致して係合した状態で育苗器1に対して位置ずれしないように装着される。尚、育苗器1は苗箱であり、前記係合部104は、上から見た断面形状が苗箱の側壁に沿うコの字型になっている。そして、図32に示すように、培土充填用補助具102を装着した状態で該培土充填用補助具102の上端位置まで育苗器1に培土を充填すると、育苗器1の上端より前記枠部103の厚み(高さ)分高い位置まで余分に培土が充填され、その状態で灌水すると培土が収縮するが育苗器1の上端の高さまで培土を保持できるようになっている。苗挿し機に育苗器を供給するときには、培土充填用補助具102を取り外して育苗器1を供給することになる。これにより、培土上面を育苗器1の上端に位置させて苗の挿し代を維持でき、挿した苗が倒れるようなことを防止できる。尚、前記枠部103の厚み(高さ)は、2乃至3mmに設定されている。
【産業上の利用可能性】
【0053】
育苗器を移送する移送装置側で各種育苗器の搬送制御が可能であるため、苗挿し機に限らず、あらゆる技術分野で用いられる各種移送装置にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】苗挿し機の平面図
【図2】苗挿し機の側面図
【図3】苗支持体の一部斜視図
【図4】苗支持体の分解斜視図
【図5】苗挿し装置の斜視図
【図6】横移動プレート作動用カムの構成とその差動態様を示す図
【図7】位置規制具を示す斜視図
【図8】傾き規制具を示す正面図
【図9】育苗器における苗挿し位置を示す平面図
【図10】苗供給装置の苗支持体に仕切り板を入れた構成を示す正面図
【図11】苗供給装置の苗支持体に仕切り板を入れた構成を示す斜視図
【図12】育苗器移送装置の部分拡大斜視図
【図13】セルトレイを載せるアンダートレイと桟との位置関係を示す図
【図14】水稲専用苗箱と桟との位置関係を示す図
【図15】水稲・野菜兼用苗箱と桟との位置関係を示す図
【図16】穴列を複数列設けた育苗器移送装置の部分拡大斜視図
【図17】育苗器載置部材を示す平面図
【図18】育苗器載置部材を示す正面図
【図19】位置検出補助具を示す斜視図
【図20】位置検出補助具を示す断面図
【図21】倒れ防止具及び側方倒れ防止具を示す斜視図
【図22】育苗器移送装置の部分拡大斜視図(a)とゴム板の斜視図(b)
【図23】苗支持体の分解斜視図
【図24】図23に示した苗支持体の一部斜視図
【図25】キク苗を苗支持体から把持する場合の様子を示す図(a:図23をL方向から見た場合の側面図、b:aのA−A線矢視図)
【図26】苗把持ハンドの斜視図(a)と従来例の苗把持ハンドの斜視図(b)
【図27】育苗器移送装置の部分拡大斜視図
【図28】作溝装置を示す斜視図
【図29】作溝装置を示す断面側面図
【図30】従来の育苗器に充填した培土の状態を示す断面図
【図31】培土充填用補助具を示す斜視図
【図32】培土充填用補助具を使用して培土を充填する方法を判り易く示す断面図
【符号の説明】
【0055】
1:育苗器(苗箱)、81:位置検出補助具、83:挿込部分(装着用部材)、86:位置検出用部材、88:穴開け位置検出用センサ、89:苗挿し位置検出用センサ、A:育苗器移送装置
【技術分野】
【0001】
この発明は、育苗器の位置検出補助具及び位置検出方法の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
搬送コンベアからなる搬送装置で搬送される縦横に複数のセルを備える育苗器(セルトレイ)の位置を検出するにあたり、搬送装置の搬送経路上に設けた光センサにより前記セルを検出する育苗器の位置検出方法が知られている。そして、この育苗器の位置検出に基づいて搬送コンベア上の播種機を作動させ、育苗器のセル毎に播種できるようにしたものがある(特許文献1参照。)。
【0003】
また、複数のセルが前後左右に整列状態に配置された育苗器に苗挿しする苗挿し機において、育苗器(セルトレイ)を載置して移送する搬送装置を設け、該搬送装置の搬送経路上に設けた光センサにより隣接するセルの間隙を検知し、該セルが所定位置に搬送されたことを検出する育苗器の位置検出方法が知られている。そして、この育苗器の位置検出に基づいて搬送装置による育苗器の搬送を停止し、育苗器のセル列が順次所定位置で停止するよう育苗器を間欠的に搬送し、前記所定位置にあるセル内へ苗挿し装置により苗を挿し、各セル毎に確実に苗挿しを行うようにしたものがある(特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平10−98914号公報
【特許文献2】特開2003−72号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術によると、センサにより育苗器のセルもしくは隣接するセルの間隙を直接検知して育苗器の位置を検出する構成であるので、セルの形状、隣接するセルの間隔、セルの周囲に付着する土などの異物によってセンサが誤検知し、育苗器の位置検出が適正に行えなくなるおそれがある。また、複数のセルを有さない苗箱等の育苗器を搬送するときには、セルトレイのように所定の搬送ピッチ毎に育苗器の位置検出を行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、複数の位置検出用部材(86)を所定間隔おきに一方向に長く配列すると共に、該複数の位置検出用部材(86)が育苗器の外側に位置するように育苗器に装着するための装着用部材(83)を設けた育苗器の位置検出補助具とした。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、搬送装置(A)で搬送される育苗器の位置を検出する育苗器の位置検出方法であって、所定間隔おきに一方向に長く配列された複数の位置検出用部材(86)と育苗器に装着するための装着用部材(83)とを備える育苗器の位置検出補助具(81)を、前記複数の位置検出用部材(86)が育苗器の外側で該育苗器の搬送方向に配列されるように前記着脱用部材(83)を介して育苗器に装着し、搬送装置(A)の搬送経路上に設けたセンサ(88,89)により前記位置検出用部材(86)を検出する育苗器の位置検出方法とした。
【0007】
従って、上記の育苗器の位置検出補助具又は位置検出方法により、複数の位置検出用部材(86)が育苗器の外側で該育苗器の搬送方向に配列されるので、センサ(88,89)により前記位置検出用部材(86)を適確に検出することができ、搬送装置(A)の搬送経路上で育苗器の位置検出を精度良く行える。
【発明の効果】
【0008】
よって、育苗器の位置検出を精度良く行えるので、例えば播種や苗挿し等の処理を育苗器の複数のセル毎に適確に行える。また、複数のセルを有さない苗箱等の育苗器でも、所定のピッチ毎に位置検出が行え、例えば播種や苗挿し等の処理を育苗器内の所定のピッチ毎に適確に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を実施するための一形態となる苗挿し機の構成を図面に基づいて説明する。本実施例の苗挿し機の平面図を図1に、側面図を図2に示し、これら図1と図2に基づいて苗挿し機の全体的な構成について説明する。この苗挿し機は、例えば親株から株分けしたいぐさ苗を育苗器に苗挿しすることができる。その他、キク苗を苗挿ししてもよい。
【0010】
苗挿し機は、育苗器1を載置して移送方向Rに向かって移送する育苗器移送装置Aと、苗を支持する苗支持体15が周回する苗供給装置Cと、該苗支持体15内の苗を把持して移動して前記育苗器移送装置Aに設置された育苗器1に苗を挿す苗挿し装置Bと育苗器1内のセル内の土に穴を開ける穴開け装置Dを備えている。
【0011】
育苗器移送装置Aには育苗器1の左右幅と賂同じ幅に一対の枠体2、2が設けられ、該一対の枠体2、2の両端部には駆動軸4cが掛け渡され、該駆動軸4cに固着された駆動プーリ4bが駆動用モータ(図示せず)により駆動する。前記駆動プーリ4bの回転により該駆動プーリ4bに掛け渡された移送ベルト3が移動することで、該移送ベルト3上に載置された育苗器1が移送方向Rに移送される。
【0012】
育苗器1には苗を挿入できるセル1aを多数(本実施の形態では一列につき20個)設けられている。
図1、図2に示すように、苗挿し装置Bに苗を供給する苗供給装置Cは、カップ形状の苗支持体15を平面視で略長円形状に形成する苗供給装置枠体16に沿って多数(本実施の形態では把持具5aの4倍の数である40個)連続して数珠繋ぎで配置している。苗支持体15を周回移動させる一対のスプロケット17、17は、苗供給装置枠体16の両端部にそれぞれ設けられ、一方のスプロケット17が駆動体となり、一対のスプロケット17、17間に掛け渡された図示しないチェーンの駆動で他方のスプロケット17も連動する。一対のスプロケット17、17が回動すると苗支持体15の全体はスプロケット17、17の作用を受けて押され、苗供給装置枠体16に沿って略長円形状の軌跡を描いて下方向に周回移動する。また、前記平面視賂長円形状に複数配置された苗支持体15の内側上方には供給する苗を置く苗置台6が設けられている。
【0013】
次に苗支持体15について、図3のその一部斜視図と図4の分解斜視図により説明する。苗支持体15は平面視円状に形成する上側苗支持部15aと、正面視五角形状で底部15bを三角形状に形成し、表面側に苗取り出し用開口部15cを形成した受け体(下側苗支持部)15dから構成され、上側苗支持部15aと受け体15dとは多数の苗収容体15を連結させる上下2枚のプレート23a、23bそれぞれに2つずつ形成する孔23c、23dに挿入し、受け体15dの上面に屈曲形成した取付部15fを上側苗支持部15aに形成している溝部15gに差し込み、連結環24を受け体15dの後部に挟み付けるよう取り付け、受け体15dの苗取り出し用開口部15cが歪み等により開いて受け体15dが上側苗支持部15aから脱落することを防止している。なお、前記プレート23aと23bとは上下が互い違いに重なる状態で苗収容体15を各孔23c、23dに挿入することで連結する。
【0014】
尚、図7に示すように、苗支持体15において苗取り出し用開口部15cの反対側の側壁に切り欠き穴70を設け、該切り欠き穴70に軸状の位置規制具71が位置する構成としてもよい。この位置規制具71により、苗支持体15内で苗の横方向の位置(図7のB方向の位置)が規制され、後述する苗挿し装置Bの苗把持ハンド5b、5cにより確実に苗を把持して苗支持体15から取り出すことができる。特に、いぐさ苗等、葉の広がりが少なく苗支持体15内で苗の横方向の位置がばらつきやすい場合に有効である。また、図8に示すように、隣接する苗支持体15の間に、該苗支持体15が横方向に傾くのを規制するゴム製の傾き規制具72を設けてもよい。この傾き規制具72により、苗支持体15内の苗の横方向(図7のC方向)の位置が規制され、苗挿し装置Bの苗把持ハンド5b、5cにより確実に苗を把持して苗支持体15から取り出すことができる。
【0015】
また、苗供給装置Cの一端(図1の紙面左側半分)は育苗器1の左右幅方向より側方に向かって突出して配置しているので、作業者Nが苗支持体15に苗を投入する苗投入場所となるスペースを形成している。そして、作業者Nが苗を投入する苗投入場所Mは、苗を把持具5aで把持する苗把持位置Fに隣接するスペ−スに設けている。
【0016】
苗置き台6の上面には苗挿し機の運転停止を行う切替スイッチ20を設け、苗投入場所Mの近傍には図示はしないが電源スイッチ、リセットスイッチ、そして各種装置を作動させるシ−ケンサ−等を内蔵する操作盤や、苗供給装置Cの周回速度を作業者Nが足で調節するフットスイッチ等、作業者Nが操作する各種装置を集中的に備え、作業者Nが苗収容体15に苗を投入しながら苗挿し機を運転・制御することができるよう構成している。
【0017】
図2に示す穴開け装置Dは、育苗器1のセル1aに詰めている土に苗を差し込むための穴を作る作孔装置であり、育苗器1の長手方向に配置されるセル1aの数(本実施の形態では20個)に対応して配置されたセル1aと同一数の穴開けピン22aを取り付けている。穴開け装置Dで育苗器1のセル1aに詰めている土に苗を差し込むための穴を開けた後、ベルト3で育苗器1が図2の矢印R方向に移動するので、苗把持部5でセル1a内の土に苗を差し込むことができる。
【0018】
図5に一対の苗把持ハンド5b、5cを含む把持部5の斜視図を示す。苗挿し装置Bは
苗を保持するとき苗の茎を1本ずつ両側から把持する把持具5aを多数傭えている。なお、本実施の形態では10個の把持具5aを並列して把持具プレート5mに取り付けて把持部5を形成することで、同時に10本の苗を育苗器1に苗挿しできるよう構成している。
【0019】
また、把持具5aはハンド開閉モ−タ10により開閉する一対の苗把持ハンド5b、5cを備えている。該把持具5aは一対の苗把持ハンド5b、5cと各苗把持ハンド5b、5cとそれぞれ一体で横方向に移動するプレート5d、5eと該プレート5d、5eにそれぞれ連結したアーム5f、5gなどからなるリンク部材と該リンク部材を介して作動させるハンド開閉カム5jを備えている。該カム5jはハンド開閉モータ10の回転軸に固定されているので、ハンド開閉モータ10が回転するとリンク部材を介して一対の苗把持ハンド5b、5cが開閉動作する。
【0020】
把持部5の把持具プレ−ト5mの裏面はア−ム33bの一端で支持され、ア−ム33bの他端は横移動プレ−ト8上に配置された前後移動用モ−タ33の回転軸に固定されたカム33a(図1)に取り付けられることで、把持部5は移送方向Rに沿った方向に前後移動可能に構成している。
【0021】
横移動プレ−ト8にはア−ム35bの一端を取り付け、ア−ム35bの他端を横支持プレ−ト9上に配置された横移動用モータ35の回転軸に固定されたカム35aに取り付けられることで、横移動プレ−ト8は横支持プレ−ト9に沿って移送方向Rと交差する方向Sに沿って育苗器移送装置Aの左右内側を移動可能に構成している。
【0022】
また、前記左右移動用モータ35の駆動により円形カム35aが回転すると、図6に示すように円形カム35aの周辺部に設けられた凹部35a1に各一対の苗把持ハンド5b、5cの苗の把持位置検出用のリミットスイッチ37の端子37aが入り込む構成になっている。そして、上記左右移動用モータ35の駆動で横移動プレート8が移動すると苗把持部5も移動する。横移動プレート8の移動中はリミットスイッチ37の端子37aがカム35aの外周面を摺動している。そして、端子37aがカム35aに設けた凹部35a1に嵌まると左右移動用モ−タが駆動停止し、横移動プレート8及び苗把持部5も停止する。
【0023】
図6に示すカム35aは定速回転する左右移動用モータ35により一方向にフル回転するのではなく、往復運動を繰り返す。図6に示すようにカム35aに設けた凹部35a1が45度の角度毎に4個設けられている。カム35aの135度の回転で横移動プレ−ト8は育苗器1の一列分を4回で挿し木する横移動をする。従って、一対の苗把持ハンド5b、5cが10組設けられているので、これらの4回の作動で一列に40本の苗を挿す。このとき、苗把持ハンド5b、5cが苗供給装置Cの苗支持体15にある苗を把持する位置は、各苗挿し行程で変化しない。尚、図9に示すように、1回目の苗挿し行程で育苗器1の〇印の位置に苗を挿し、2回目の苗挿し行程で育苗器1の△印の位置に苗を挿し、3回目の苗挿し行程で育苗器1の□印の位置に苗を挿し、4回目の苗挿し行程で育苗器1の×印の位置に苗を挿す。従って、各苗把持ハンド5b、5cは既に挿された苗の間に次の苗を挿し、育苗器1の一列において隣接位置の苗を同時に挿し木しないので、苗把持ハンド5b、5cの寸法に対して極めて小さな株間で苗を挿苗でき、育苗器1に苗を密植することができ、育苗器1が苗箱の場合にはマット状に苗を挿すことができて、後行程で移植機により圃場に苗を移植するときに欠株が発生するのを防止できる。
【0024】
尚、図10及び図11に示すように、苗供給装置Cの苗支持体15の中央に仕切り板73を入れて2分割し1つの苗支持体15に2株の苗を収容できる構成とすると共に、一対の苗把持ハンド5b、5cを20組設ければ、1回の苗挿し行程で20株の苗挿しができるため、2回の苗挿しで1列に40本の苗挿しが行えて苗挿し作業能率が向上する。
【0025】
なお、苗把持部5を上下方向に昇降動作させるための上下移動用モ−タ26は、その駆動で横支持プレ−ト9を縦支持プレ−ト7に沿って上下方向に昇降動作させることで苗把持部5を昇降動作させる構成である。
【0026】
次に、本実施の形態の苗挿し機の作業内容について説明する。
操作盤の電源スイッチ、運転スイッチを押すと苗挿し機の装置各部動作を開始する。作業者Nは苗投入場所Mにいて周回する苗収容体15に一本ずつ苗を投入していく。苗収容体15に収容した苗は下方向を略一回転して苗把持位置Fまで周回する。そのとき、センサ(図示せず)はスプロケット17の歯数をカウントしており、設定する歯数をカウントする毎に一時停止する。
【0027】
一方、育苗器移送装置Aのベルト3上で育苗器1が移送される。苗挿し装置Bと穴開け装置Dが育苗器1内の土に作用する苗挿し位置にある。この構成により、育苗器1内の一列分のセル内の土に穴開け装置Dで穴を開け、次いで苗挿し装置Bが苗を該セル内の穴に苗を植え付ける作業を行う毎に育苗器移送装置Aが間欠的に前進している。
【0028】
なお、育苗器移送装置Aは左右移動用モ−タ35が育苗器1の一列にある全部のセル1a内に同時に苗を植え付ける間は移動停止し、一列分の全てのセル1a内に20個の苗を植え付けた後はセル1aの1個分だけ前進する。
【0029】
苗供給装置Cが苗把持位置Mで停止したら、苗把持具5aがそれぞれ対向する苗収容体15に収容する苗を取りに前進する。苗把持具5aが苗収容体15の苗供給開口部15eから苗を把持する位置まで進むと開閉モ−タ10が駆動して苗を把持し、再度元の位置まで後進する。そして、苗を把持した苗把持具5aは下降し、前記穴開け装置Dで開けた穴に苗の根元部分を挿入する。
【0030】
苗挿し作業が終了したら、把持ハンド5b、5cは苗を放し後進・上昇して元の位置に戻る。この苗挿し作業の工程中に次の工程で苗挿しする苗を供給するために、苗収容体15が設定したスプロケット17の回転数分周回する。
【0031】
図12には本発明の一実施例である育苗器移送装置Aの部分拡大斜視図を示す。図12では駆動軸4cが矢印E方向に回転することにより平ベルト3が矢印R方向に育苗器1を移送している。そして平ベルト3の端に育苗器1の搬送方向に沿って所定のピッチ毎に設けた複数の穴42からなる穴列74を構成し、育苗器1を所定の搬送ピッチ毎に搬送できる構成としている。
【0032】
すなわち一定間隔にベルト幅方向に桟40を設けた平ベルト3で、挿し木をする育苗器1を移送する構成において、平ベルト3の内側の端部には前記穴42を検出するための光電式のセンサ41を設けている。尚、該センサ41の位置は穴42が検出できる位置であれば特に限定されない。そしてセンサ41が穴42を検出するたびに、平ベルト3が停止する構成としている。平ベルト3は、駆動ローラ75と従動ローラ76とに巻きかけられ、搬送用モータ77の駆動で前記駆動ローラ75が駆動して搬送作動する。前記駆動ローラ75並びに従動ローラ76の表面及び平ベルト3の裏面には凹凸を設けていないので、不慮の要因により搬送負荷が大きいときでも駆動ローラ75並びに従動ローラ76に対して平ベルト3がスリップでき、育苗器1が所望の停止位置を越えて移送されてしまうようなことを防止でき、所望の苗挿し位置に苗挿しできる。尚、前記桟40により育苗器1を押しながら移送するが、桟40の高さを25乃至30mmに設定しているので、図13乃至図15に示すように、セルトレイ1を載せるアンダートレイ67、水稲・野菜兼用苗箱78及び水稲専用苗箱79の何れの育苗器であっても、育苗器の上端から桟40が突出せずに苗挿し作業の邪魔にならず、また桟40で育苗器の端面が位置決めされるので、穴42と育苗器との位置関係がずれにくく育苗器の移送精度が向上する。
【0033】
また、図16に示すように、平ベルト3に穴ピッチの異なる穴列74を複数列設け、搬送する育苗器1に応じて搬送ピッチを切り替えできる構成とすることができる。尚、平ベルト3の内側に設けた光電式のセンサ41を左右方向にスライドさせて移動することができ、該センサ41を検出すべき穴列74に対応する左右位置に移動させて搬送ピッチを切り替える構成としている。複数の穴列74は、128穴セルトレイ用、200穴セルトレイ用、水稲・野菜兼用苗箱用及び水稲専用苗箱用の4列が左右に配列されている。これにより、育苗器移送装置Aを各種育苗器に対応させることができる。
【0034】
図17及び図18に示すように、育苗器移送装置Aの移送始端部において、平ベルト3の左右両側に該平ベルト3の上面より高く桟40の上端より低い育苗器載置部材80を設けることができる。尚、育苗器1はその長手方向が左右方向となるように育苗器移送装置Aに供給するようになっているので、平ベルト3の左右幅より育苗器1の左右幅が広くなり、平ベルト3から突出する育苗器1の左右両端部を前記育苗器載置部材80上に載置するようになる。これにより、作業者が育苗器載置部材80上に載置した育苗器1は、その端が桟40に当たって押されることによりはじめて育苗器載置部材80上を滑りながら移送されることになり、桟40と育苗器1の端面とを密着させることができて、穴42と育苗器との位置関係が適正になり育苗器の移送精度が向上する。尚、育苗器載置部材80の前後長さYは、育苗器を容易に載置できるように育苗器1の前後幅より長く設定されている。
【0035】
また、図19に示すように、前記のような穴列74に代えて、位置検出補助具81を育苗器に装着することができる。尚、図19に示す育苗器移送装置Aは、幅狭の移送ベルト3を間隔を空けて左右に2本設けて構成されている。前記位置検出補助具81は、ステンレスにより金属製となっており、下側が開放する断面形状コの字型の前後方向に長いプレートにより構成され、水平状の上部分82と、該上部分82の左右一側端から下方へ折れ曲がって延びる挿込部分83と、前記上部分82の左右他側端から下方へ折れ曲がって延びる位置検出用部分84とで構成される。前記位置検出用部分84に前後に所定間隔おきに切り欠き85を設けることで、この互いの切り欠き85の間に前後幅が所定幅の位置検出用部材86が所定間隔おきに前後に複数個構成される。そして、上部分82の下面が育苗器(苗箱)1の縁部87の上面に接するように、位置検出補助具81を育苗器(苗箱)の縁部87に上側から係合させる。このとき、位置検出補助具81の挿込部分83が、育苗器(苗箱)の内側面に接するように育苗器(苗箱)の内部に上側から挿入される。また、前記上部分82の左右幅が育苗器(苗箱)の縁部の左右幅と同等かそれより大きくなっているため、前記位置検出用部分81が育苗器(苗箱)の側壁の外側側方に露出した状態となる。従って、前記挿込部分83は、複数の位置検出用部材86が育苗器1の外側に位置するように育苗器1に装着するための装着用部材となる。尚、育苗器(苗箱)に予め苗床(培土)が収容されているので、苗床(培土)により前記挿込部分83が育苗器(苗箱)の内側面側に押し付けられることになり、位置検出補助具81が育苗器1にしっかりと装着される。また、位置検出補助具81の上部分82の左右幅を育苗器(苗箱)の縁部87の左右幅と同等に構成すれば、挿込部分83と位置検出用部分84とで育苗器(苗箱)の縁部87を挟み込み該縁部87に位置検出補助具81を嵌め込んでしっかりと装着でき、位置検出補助具81が育苗器1から脱落するようなことを防止できる。尚、育苗器移送装置Aでセルトレイを搬送する際には、該セルトレイを載せるアンダートレイ(育苗器の一種)の縁部に位置検出補助具81を装着すればよい。
【0036】
育苗器移送装置Aにおいて、育苗器1の搬送経路の直ぐ左側の側方には、穴開け装置Dによる穴開け位置にある育苗器1を検出するための穴開け位置検出用センサ88と、苗挿し装置Bによる苗挿し位置にある育苗器1を検出するための苗挿し位置検出用センサ89とを枠体2に固着して設けている。これらのセンサ88,89は、金属を検出する光電式のセンサであり、樹脂製の育苗器1自体には反応せず、金属製である前記位置検出補助具81の位置検出用部材86を検出する構成となっている。そして、該センサ88,89が位置検出用部材86を検出すると育苗器移送装置Aによる育苗器1の搬送駆動を停止させ、育苗器1の所定の位置で苗挿し装置Bによる苗挿し作業あるいは穴開け装置Dによる穴開け作業が行われ、この作業が完了すると育苗器移送装置Aの搬送駆動が再開し、位置検出用部分84の切り欠き85を介して次の位置検出用部材86をセンサ88,89が検出すると、再度育苗器移送装置Aの駆動を停止させる。従って、位置検出用部材86をセンサ88,89が検出する度に育苗器移送装置Aの搬送駆動を停止させ、育苗器移送装置Aにより所定の搬送ピッチ毎に間欠的に育苗器1を搬送する構成となっている。
【0037】
よって、位置検出用部材86や位置検出用部分84の切り欠き85の前後幅を、セルトレイのセルの大きさにあまり制限されずにセンサ88,89が高精度で位置検出できるように設定できる。ひいては、位置検出用部材86や位置検出用部分84の切り欠き85の前後幅を、これらに土などの異物が付着しないように設定できる。また、位置検出用部分84は、育苗器1の外側に位置するので、育苗器1内の培土等が付着しにくくなる。これらにより、センサ88,89で前記位置検出用部材86を適確に検出することができ、所望の位置で精度良く育苗器を停止させることができ、穴開けあるいは苗挿しの処理を育苗器の複数のセル毎に適確に行える。また、複数のセルを有さない苗箱等の育苗器でも、所定のピッチ毎に精度良く育苗器を停止させることができ、穴開けあるいは苗挿しの処理を育苗器内の所定のピッチ毎に適確に行える。
【0038】
尚、位置検出用部材86の個数及び配列ピッチが異なる複数種の位置検出補助具81を用意すれば、位置検出補助具81を付け替えて育苗器の搬送ピッチを変更することができ、1個の育苗器に挿す苗の本数を変更することができる。また、育苗器の形態に応じて位置検出補助具81を設定することができる。
【0039】
また、位置検出補助具81は、金属製であるので、金属を検出する光電式のセンサ88,89により水や土あるいは苗を誤検出するようなことを防止でき、育苗器の搬送を適正に行える。更には、位置検出補助具81は、ステンレス製であるので、水や土等がかかる状態で複数回使用しても錆が発生するようなことが防止され、センサ88,89により精度良く検出できる。
【0040】
苗挿し位置には、挿した苗が育苗器の搬送上手側に倒れるのを防止する倒れ防止具90を設けている。この倒れ防止具90は、モータ91の駆動によりカム板92、クランクロッド93を介して昇降する構成となっており、苗把持ハンド5b、5cで苗を挿すときには上方へ退避する構成となっている。この倒れ防止具90により、育苗器に挿した苗が苗把持ハンド5b、5c側に倒れるのを防止する。尚、前記カム板92の外周には回転方向において180度ごとの位置にカム溝92aを設け、該カム溝92aをリミットスイッチ94により倒れ防止具90が昇降作動したことを検出する構成となっている。また、育苗器移送装置Aの左右両側には、挿した苗が左右側方に倒れるのを防止する側方倒れ防止具95を設けている。これらの倒れ防止具90及び側方倒れ防止具95により、育苗器に既に挿した苗が倒れて次に苗を挿すときの邪魔になって苗挿しの障害になるようなことを防止できる。
【0041】
図22には本発明の一実施例である育苗器移送装置Aの部分拡大斜視図を示す。図22(a)には穴開け装置Dの手前にブラシ57を設けた場合の斜視図を示し、図22(b)には育苗器1の表面をならすためのゴム板58の斜視図を示す。 図22では穴開け装置Dの手前に、セル1aを用いないで全体に土をまんべんなく入れた育苗器1の表面の土の凹凸をならすためのブラシ57又はゴム板58を設けており、育苗器1が矢印G方向に移送され、ブラシ57やゴム板58により育苗器1の表面の土をならした後、挿し木をする箇所に穴をあけ、挿し木をする構成としている。これにより、育苗器1の表面の土の凹凸をなくすことができ、苗挿し位置の正確さや苗挿しする深さなどの挿し木の精度が向上する。図22(a)ではブラシ57によって、苗箱1に入った土の表面の凹凸を平らにしてから穴をあけ、挿し木を行う場合を示している。セルトレイ1を用いる場合も同様に土の表面の凹凸を平らにしてから、穴をあけ、挿し木を行えば良い。また、ブラシ57ではなく図22(b)に示したようなゴム板58を穴開け装置Dの手前に設けても土の表面の凹凸を平らにすることができるが、これらブラシ57やゴム板58に限定されない。
【0042】
一方、苗の種類によって挿し木が難しい場合がある。例えば軟弱な苗の場合は挿し木部分が細く、苗把持ハンド5b,5cにより把持して挿し木をする際に、苗把持ハンド5b,5cから下に出る苗63の出代が長いと、うまく挿し木ができない。
【0043】
図23には本発明の一実施例の苗支持体15の分解斜視図を示し、図24にはその一部斜視図を示す。図23は図4に相当する図であり、図24は図3に相当する図であるのでこれらの図と同一の部材には同一の符号を付しており、説明は省略する。図25には、細く軟弱なキク穂63を苗支持体15から把持する場合の様子を示し、図25(a)には図23を矢印L方向から見た場合の側面図を示し、図25(b)は図25(a)のA−A線矢視図を示す。
【0044】
図23では、キク穂63を投入する苗支持体15の苗取出用開口部15cの内側に、底上
げ材60を貼付し又は入れてセットする様子を示しており、底上げ材60を貼付し又は入れた後、苗取出用開口部15cの手前側下端部に設けられたラバ−取付用プレート片15iにラバ−62をかぶせて固着具61で止めている。図24では底上げ材60を苗支持体15にセットした状態を示している。なお、ラバー62は鉛直方向でなく傾斜させて取り付ける構成としてもよい。
【0045】
そして図25で示すように苗把持ハンド5b,5cの把持する高さは変えずに、すなわち底上げ材60がない場合と同じとし、把持したキク穂63の下端が、苗把持ハンド5b,5cの下部から出る量Zを少なくし、挿し木をする構成としている。底上げ材60としてはスポンジや樹脂型品などを用いることができ、どのような素材のものでも良くこれらのものに限定されない。これにより、苗把持ハンド5b,5cの把持する高さは底上げ材60がない場合と同じでよく、底上げ材60によって苗把持ハンド5b,5cから下に出るキク穂63の出代を短くして、すなわちZ寸法(図25(b))を短くして挿し木をすることで、細く、軟弱なキク穂63の挿し木が可能となる。これにより、細く軟弱なキク穂63の挿し木をすることができ、苗の種類の適応範囲が拡大する。
【0046】
図26には苗把持ハンド5b,5cの部分拡大斜視図を示す。図26(a)には本発明の一実施例である苗把持ハンド5b,5cを示し、図26(b)には従来例の苗把持ハンド5b,5cを示す。挿し木をする苗の種類により挿し木の条件も異なってくるが、挿し木は苗を把持して育苗器1の土中に挿すことから、挿し木の精度を向上させるためには苗の把持の仕方が重要である。
【0047】
図26に示すように、例えばキク苗63を把持する苗把持ハンド5b,5cのうち苗把持ハンド5bの上下を苗把持ハンド5cまで伸ばす構成(アーム5p,5q)としている。アーム5pとアーム5qにより苗支持体15内の倒れた穂を確実に垂直に把持し、かつ、キク苗63の下側も把持することができるため、挿し木の精度が向上し更に軟弱で細い穂も挿し木できる構成としており、適用範囲の拡大が可能となる。このようにキク苗63を把持する苗把持ハンド5b、5cの苗把持ハンド5b側の上下を苗把持ハンド5cまで伸ばした構成(アーム5p,5q)としているため、苗把持ハンド部全体が軽くなって、苗把持ハンド5b,5cの振れも少なくなり、挿し木の精度が向上する。
【0048】
また従来例の苗把持ハンドでは苗把持ハンド5bの上側は延長していないが、本実施例では苗把持ハンド5bの上側も延長しているため(図26(a)のアーム5p)、苗支持体15内で倒れたキク穂63の位置も矯正でき、挿し木の精度が向上する。更に品種によっては、キク穂63の下側を数ミリではあるが、把持することもできるので、細く、軟弱なキク穂63も挿し木をすることができる。
【0049】
図27には本発明の一実施例である育苗器移送装置Aの部分拡大斜視図を示す。キク苗挿し木装置の育苗器1の育苗器移送装置Aにおいて、育苗器1の幅を規制するガイド65,66の上にブラシ59を設け、育苗器1のアンダートレイ67上面のふちにのった培土を自動的に除去することで、育苗器1が穴あけ位置及び苗挿し位置に、正確に停止することができる構成としている。穴開け装置D(図2)の手前の育苗器1のトレイ幅規制ガイド65の上面にブラシ59を設け、育苗器1に土詰めした時に、育苗器1のアンダートレイ67の上面のふちにのっている培土を、自動的に除去する構成としている。
【0050】
育苗器1に土を土詰めした時に、育苗器1のアンダートレイ67の上面のふちに培土がのっていると、穴開け位置検出用センサ88及び苗挿し装置側方でセルを検出できる位置に設けられた苗挿し位置検出用センサ89の感度が悪くなり、誤感知を起こすことがある。したがって土詰めした時に、育苗器1のアンダートレイ67上面の縁にのっている培土をブラシ59で除去することにより、穴開け位置検出用センサ88及び苗挿し位置検出用センサ89の誤感知を防止することができる。なお、本実施例ではブラシ59により培土を除去しているが、ブラシ59に限らず、例えばゴム板でも良く、培土を除去できるものであれぱ限定されない。
【0051】
尚、苗箱に苗挿しする場合、穴開け装置Dに代えて作溝装置96を設けることができる。この作溝装置96は、左右方向の回動支点軸97回りに回動自在な側面視三角形状の作溝プレート98を左右に複数枚配列して構成され、該作溝プレート98の角部98aが培土に突入した状態で育苗器1が移送されることにより該育苗器内の苗挿し位置となる左右位置で培土表面に筋状に作溝する。これにより、苗挿し行程で作溝部分にスムーズに苗挿しできる。尚、前記作溝プレート98の角部98aは、前記回動支点軸97より育苗器の搬送下手側に位置しているので、育苗器の搬送により作溝を安定して円滑に且つ確実に行える。複数枚の作溝プレート98のうち左右両端の作溝プレート98の上部には各々ウエイト装着用の螺子軸99を設けており、左右に長い板状のウエイト100の左右両端に設けた穴100aを前記螺子軸99に通して作溝プレート98上にウエイト100を載せ、ナット101を螺子軸99に締め付けることでウエイト100を左右両端の作溝プレート98の上部に固着できる。このウエイト100の重量により作溝プレート98が下側に回動付勢され、培土に確実に作溝することができる。尚、複数のウエイト100を用意すれば、装着するウエイト100の枚数を変更することにより、作溝プレート98の押圧力を変更でき、作溝深さを変更調節できる。あるいは、培土の硬軟に応じて作溝プレート98の押圧力を変更し、所望の作溝深さに適正に調節できる。尚、左右両端以外の作溝プレート98は、その上部にウエイト100が当接して下側に押圧されることになる。
【0052】
ところで、この苗挿し機に育苗器を供給する際、該育苗器に培土を充填した後、苗を挿しやすいように灌水して培土を軟らかくした状態で供給される。このとき、従来、図30に示すように、育苗器1の上端まで充填した培土が灌水により収縮し、培土上面が低くなり苗の挿し代が短くなるため挿した苗が倒れやすくなる。そこで、図31に示すような培土充填用補助具102を育苗器1の上部に装着した状態で培土を充填することができる。この培土充填用補助具102は、平面視で育苗器1と略同じ寸法の四角形状の枠部103と、該枠部103の短辺側部分から育苗器1の高さと略同じ寸法下方へ延びる係合部104と、該係合部104に固着した把手105とを備えて構成され、前記枠部103が育苗器1の縁部87上面に載り前記係合部104が育苗器1の短辺側部分の外側面に合致して係合した状態で育苗器1に対して位置ずれしないように装着される。尚、育苗器1は苗箱であり、前記係合部104は、上から見た断面形状が苗箱の側壁に沿うコの字型になっている。そして、図32に示すように、培土充填用補助具102を装着した状態で該培土充填用補助具102の上端位置まで育苗器1に培土を充填すると、育苗器1の上端より前記枠部103の厚み(高さ)分高い位置まで余分に培土が充填され、その状態で灌水すると培土が収縮するが育苗器1の上端の高さまで培土を保持できるようになっている。苗挿し機に育苗器を供給するときには、培土充填用補助具102を取り外して育苗器1を供給することになる。これにより、培土上面を育苗器1の上端に位置させて苗の挿し代を維持でき、挿した苗が倒れるようなことを防止できる。尚、前記枠部103の厚み(高さ)は、2乃至3mmに設定されている。
【産業上の利用可能性】
【0053】
育苗器を移送する移送装置側で各種育苗器の搬送制御が可能であるため、苗挿し機に限らず、あらゆる技術分野で用いられる各種移送装置にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】苗挿し機の平面図
【図2】苗挿し機の側面図
【図3】苗支持体の一部斜視図
【図4】苗支持体の分解斜視図
【図5】苗挿し装置の斜視図
【図6】横移動プレート作動用カムの構成とその差動態様を示す図
【図7】位置規制具を示す斜視図
【図8】傾き規制具を示す正面図
【図9】育苗器における苗挿し位置を示す平面図
【図10】苗供給装置の苗支持体に仕切り板を入れた構成を示す正面図
【図11】苗供給装置の苗支持体に仕切り板を入れた構成を示す斜視図
【図12】育苗器移送装置の部分拡大斜視図
【図13】セルトレイを載せるアンダートレイと桟との位置関係を示す図
【図14】水稲専用苗箱と桟との位置関係を示す図
【図15】水稲・野菜兼用苗箱と桟との位置関係を示す図
【図16】穴列を複数列設けた育苗器移送装置の部分拡大斜視図
【図17】育苗器載置部材を示す平面図
【図18】育苗器載置部材を示す正面図
【図19】位置検出補助具を示す斜視図
【図20】位置検出補助具を示す断面図
【図21】倒れ防止具及び側方倒れ防止具を示す斜視図
【図22】育苗器移送装置の部分拡大斜視図(a)とゴム板の斜視図(b)
【図23】苗支持体の分解斜視図
【図24】図23に示した苗支持体の一部斜視図
【図25】キク苗を苗支持体から把持する場合の様子を示す図(a:図23をL方向から見た場合の側面図、b:aのA−A線矢視図)
【図26】苗把持ハンドの斜視図(a)と従来例の苗把持ハンドの斜視図(b)
【図27】育苗器移送装置の部分拡大斜視図
【図28】作溝装置を示す斜視図
【図29】作溝装置を示す断面側面図
【図30】従来の育苗器に充填した培土の状態を示す断面図
【図31】培土充填用補助具を示す斜視図
【図32】培土充填用補助具を使用して培土を充填する方法を判り易く示す断面図
【符号の説明】
【0055】
1:育苗器(苗箱)、81:位置検出補助具、83:挿込部分(装着用部材)、86:位置検出用部材、88:穴開け位置検出用センサ、89:苗挿し位置検出用センサ、A:育苗器移送装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の位置検出用部材(86)を所定間隔おきに一方向に長く配列すると共に、該複数の位置検出用部材(86)が育苗器の外側に位置するように育苗器に装着するための装着用部材(83)を設けた育苗器の位置検出補助具。
【請求項2】
搬送装置(A)で搬送される育苗器の位置を検出する育苗器の位置検出方法であって、所定間隔おきに一方向に長く配列された複数の位置検出用部材(86)と育苗器に装着するための装着用部材(83)とを備える育苗器の位置検出補助具(81)を、前記複数の位置検出用部材(86)が育苗器の外側で該育苗器の搬送方向に配列されるように前記着脱用部材(83)を介して育苗器に装着し、搬送装置(A)の搬送経路上に設けたセンサ(88,89)により前記位置検出用部材(86)を検出する育苗器の位置検出方法。
【請求項1】
複数の位置検出用部材(86)を所定間隔おきに一方向に長く配列すると共に、該複数の位置検出用部材(86)が育苗器の外側に位置するように育苗器に装着するための装着用部材(83)を設けた育苗器の位置検出補助具。
【請求項2】
搬送装置(A)で搬送される育苗器の位置を検出する育苗器の位置検出方法であって、所定間隔おきに一方向に長く配列された複数の位置検出用部材(86)と育苗器に装着するための装着用部材(83)とを備える育苗器の位置検出補助具(81)を、前記複数の位置検出用部材(86)が育苗器の外側で該育苗器の搬送方向に配列されるように前記着脱用部材(83)を介して育苗器に装着し、搬送装置(A)の搬送経路上に設けたセンサ(88,89)により前記位置検出用部材(86)を検出する育苗器の位置検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2007−117048(P2007−117048A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−316498(P2005−316498)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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