説明

能動家具

本発明の一態様によるリクライニング椅子は、ベース部(12)と、ベース部に枢着される座部(14)と、座部と座部をベース部に対して移動させるための第1アクチュエータ(62)と、背当部を座部に対して移動させるための第2アクチュエータ(64)とを備え、それにより、椅子の配置を変更するリフト・リクライニング椅子に関する。あらゆる椅子の配置において、アクチュエータは、椅子のベース部内において、一対の対応する構造ベース部側板(18)の間に実質的に収納される。座部は、側板(18)に枢着され、ベース部内において引き込まれた位置と入れ子になった位置の間で、座部が入れ子状にベースから延びる上昇位置まで移動可能である。入れ子の配置は、椅子の可動部間への巻き込みの危険を削減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、能動家具に関し、特に、電動のリクライニング椅子およびリフト・リクライニング椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
典型的なリクライニング椅子は、床に設置されるベースと、略水平な座クッション及びその座に固定されるかあるいはそれに枢着される背当部とを支持する、座部とを備える。また通常、リクライニング椅子には、その椅子の前に、足載せが設けられる。足載せは、椅子が着座するための略直立配置となるときの垂直方位と、椅子がリクライニングのために再配置されるときの略水平方位との間において、移動できるようになっている。座を後部端で僅かに下方へ傾け前部端を起こすための、リクライニング動作中に座部が移動するリクライニング椅子が知られている。座がリクライニングされるとき、座がベースに対して固定され、背もたれと足載せだけが移動する、別のタイプのリクライニング椅子が知られている。
【0003】
主に高齢者や体が不自由な人のために、椅子から出て起立姿勢へ至る際に援助を与えるため、様々なタイプのリフト・リクライニング椅子が開発されてきた。典型的なリフト・リクライニング椅子は、米国第4,852,939号公報、米国第4,993,777号公報、および米国第5,265,935号公報に述べられている。これらは、椅子を着座位置から起立位置へと起こすための、レバー、リンクおよびモータの様々な構成を述べている。
【0004】
公知のリクライニング椅子およびリフト・リクライニング椅子における駆動装備は、一般に、椅子のコスト、重量および複雑さを著しく増すものであり、機械的に複雑である。さらに、公知のリフト・リクライニング椅子では、座とベースの下面の間に巻込(エントラップメント)点を形成しつつ、椅子が起立位置へ向けて持ち上げられるとき、典型的には、椅子の座と背当部がベース支持構造(典型的には、金属フレーム)から持ち上げられる。椅子が起こされるときに、座とベース支持構造との間で露出する駆動装備のレバーやリンクの間において、特にそうである。
【特許文献1】米国第4,852,939号公報
【特許文献2】米国第4,993,777号公報
【特許文献3】米国第5,265,935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リクライニング椅子およびリフト・リクライニング椅子であって従来公知の設計よりもより少ない移動要素で足りるもののために、シンプルな駆動装備が要求されており、また、リクライニング椅子およびリフト・リクライニング椅子内における、組み立て及びまとめが相対的にシンプルな駆動装備が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係るリクライニング椅子は、ベース部と、ベース部に枢着される座部と、座部及びアクチュエータ手段に枢着される背当部とを備えるリフト・リクライニング椅子であって、アクチュエータ手段は、座部をベース部に対して移動させ背当部を座部に対して移動させて椅子の配置を変更し、アクチュエータ手段は、椅子の全ての配置においてベース部内に実質的に収納される。
【0007】
上記構成による本発明のリフト・リクライニング椅子は、アクチュエータ手段が椅子のベース部で収納されるという長所を持ち、それによって、アクチュエータ手段がそっくり椅子の構造内にまとめられた椅子が得られる。こうすれば、例えば上げたり下げたりするときのように、椅子が一つの配置から別の配置へ移動するときにおける巻込の危険を実質的に除去できる。本発明の本態様のリフト・リクライニング椅子は、また、駆動装置の全ての可動部を、取り付けられた椅子のベース部内に収納できる。
【0008】
座部の少なくとも一部がベース部に入れ子になる実質的な水平位置と、座がベースから入れ子式に延びる傾斜位置との間において、椅子の座部は移動されうる。座部とベースの入れ子の配置は、アクチュエータ手段が座部の座クッション部の下側に接するベース内に収納されることを容易に可能にする。それにより、アクチュエータ手段は、ベースと座構造により保護されるし、また、視界から隠されて、椅子の美的外観もまた、著しく改善される。椅子の入れ子になる部品間のクリアランス寸法を注意深く選択することにより、巻込点が実質的に除去できることは、当業者にとって自明であろう。これは、公知のタイプのリフト・リクライニング椅子であって、椅子の座部の下面に接する移動部品間、座とベース間及び座とベース部品間とにおいて、重要な巻込の危険が存在するものに関して、考慮がなされるとき、重要な利点である。
【0009】
好ましい形態では、座部は、ベース部内に入れ子にされると共に、ベース部から延ばしうる。
【0010】
好ましくは、ベース部は、前板と、背板と、前板と背板の間で実質的に垂直な一対の側板とを備え、かつ座部は、座板と、実質的に垂直な一対の側板であってベース部の側板のそれぞれに実質的に平行で、かつ隣接するものとを備える。
【0011】
好ましくは、ベース部は、側板及び背板と共に矩形形状を持ち、ベース部の他の板に対して水平方位に移動可能な前板と共に椅子の構造的な骨組みの一部を構成し、足載せを提供する。
【0012】
好ましくは、ベース部の前方へ向け、即ち、ベースの前板へ向けて、配置される枢支軸を中心として、座部は、ベース部へ枢支される。このように、座部をその枢支軸を中心として傾けて椅子のリフト機能を提供することにより、椅子の座部を上げたり下ろしたりすることができる。椅子の正面へ向け枢支軸を配置することにより、椅子に座る人は、実質的に努力をしなくとも、起立姿勢へ向けてやさしく起こされることができる。座の動きは着座する人の足をやさしく真っ直ぐにし、座が枢支されて起こされるにつれて、そのユーザの足の膝は、実質的に枢支軸に一致するからである。
【0013】
好ましい形態では、背当部は、略矩形のフレームと、フレームから延び、かつフレームを座部へ枢支的に接続する、一対の枢支腕とを備える。このように、枢支腕は、背もたれの矩形フレームから間を置いて配置される枢支軸を中心とした背当部の移動のためのベル−クランク装備の一部を構成しても良い。延ばされた枢支軸は、座の下面に接するか、または座クッションの後ろに位置する、収納領域内に収納されるアクチュエータ手段によって、背当部が動かされることを、容易に可能にする。枢支軸が、座板の下面に接する領域へ、あるいは、座クッションの後ろの領域へ、延びる形態において、この点は可能である。その場合、座の他の部品に邪魔をせずに、それらはアクチュエータに接続されうる。
【0014】
好ましい形態では、座の垂直な側板のそれぞれと平行に、かつ隣接して、枢支腕は延び、また、好ましくは、枢支腕は、座の垂直な側板の内部に配置される。
【0015】
好ましくは、座が傾斜位置へ動き、即ち、座板と背もたれとの間の角が増すとき、背当部は、座部から離れるように揺動する。
【0016】
好ましくは、座が半分だけ起きた位置まで動いたとき、背当部は、座部から離れるように揺動する。
【0017】
好ましい形態では、座部の移動のための第1アクチュエータと背当部の移動のための第2アクチュエータとを含む、専用の第1、第2アクチュエータによって、座と椅子の背当部とは、互いに独立して動かされる。好ましくは、第1、第2アクチュエータは、マイクロプロセッサ等により制御され、それにより、座と椅子の背当部との移動が、調整される。
【0018】
好ましくは、第1、第2アクチュエータは、椅子のベース部について固定される関係で取付られる。好ましい形態では、アクチュエータは、ベースの側板と背板が取付られる構造(好ましくは、金属)フレームに固着される。他の形態では、座部を移動させるための第1アクチュエータはベースに固着され、背当部を移動させるための第2アクチュエータは座部に関連づけて固着される。
【0019】
好ましくは、ベース部の前板は、ベースの側板及び背板に対して枢着され、それにより、椅子の通常の着座配置における略垂直方位から、椅子の傾斜配置における略水平方位へ動かされても良い。この形態では、第3アクチュエータが、前板の枢支軸を中心とした移動のために設けられる。第3アクチュエータは、好ましくは、ベースの側板と関連付けて固着され、また好ましくは、第1、第2アクチュエータと同じ金属フレームに取付られる。
【0020】
第2の本発明に係るリクライニング椅子は、ベース部と、座部と、座部に対し枢着される背当部と、アクチュエータ手段とを備え、アクチュエータ手段は、略直立位置と傾斜位置との間で、背当部をその枢支軸を中心として移動させ、アクチュエータ手段は、座の下面に接してベース部内に収納される。
【0021】
第2の本発明に係るリクライニング椅子は、アクチュエータ手段を座の下面に接する椅子のベース部内に収納する点を含む、第1の本発明に係るリフト・リクライニング椅子の特徴の、すべてではないが多くを含む。したがって、アクチュエータ手段を椅子のベース部へ収納しまとめる点に関するリクライニング椅子について論じた利点は、第2の本発明に係るリクライニング椅子に等しく該当し、また適用できる。
【0022】
好ましくは、リクライニング椅子のベース部は、座部に関して枢着される前板を備え、アクチュエータ手段は、背当部をその枢支軸を中心として動かすための第1アクチュエータと、前板をその枢支軸を中心として略垂直方位から略水平方位へ動かすための第2アクチュエータとを備える。
【0023】
第3の本発明に係るリクライニング椅子は、ベース部と、座部と、ベース部に対して枢着される背当部とを備え、ベース部は、一対の横向き側板と、側板に対し枢着される前板と、共通アクチュエータとを持ち、共通アクチュエータは、背当部をその枢支軸を中心として移動させると共に前板をその枢支軸を中心として移動させて、椅子の配置を略直立配置から略傾斜配置へと変更し、背当部は、略垂直方位から傾斜方位へ移動し、前板は略垂直方位から略水平方位へ移動する。
【0024】
第3の本発明に係るリクライニング椅子は、上述した第1、第2の本発明に係る椅子における利点の多くを共有し、さらに、椅子の背当部と前板の両方を移動させるための単一の共通アクチュエータを持つという利点がある。それにより、背もたれと前板の両方に作用する単一のアクチュエータを動作させることにより、椅子の配置が変更されうる。したがって、第3の本発明は、椅子の座板の下面に接するベースの内部へ容易にまとめられる、相対的にシンプルでコンパクトなアクチュエータ配置を提供する。
【0025】
好ましくは、第3の本発明に係るリクライニング椅子は、ベース部に対し背当部の移動軌跡を決定する第1カム手段と、側板のそれぞれに対し前板の移動軌跡を決定する第2カム手段とを、さらに備える。椅子がその直立位置から完全に傾斜した位置まで、またそれらの中間の位置において、動くとき、第1、第2カム手段は、前板と椅子の背当部の動きが調和することを容易・確実に保証する。
【0026】
好ましい形態では、第1、第2カム手段は、アクチュエータに接続されたカム係合手段によって、係合する。好ましくは、カム係合手段は、アクチュエータによる移動のためベース部の両側部に対して枢着される。また好ましくは、第1、第2カム手段はベースの両側部に関して枢着され、共通の軸を中心として枢着される。
【0027】
好ましい形態では、カム係合手段は、少なくとも一つの係合ピンを備え、第1、第2カムは、そのピンにより係合される第1、第2ピン係合溝を備える。
【0028】
好ましい形態では、それぞれの係合ピンにより係合される第1、第2カム溝と共に、ベースの両サイドに接するベースの内部に枢着された、第1、第2カム板内に、第1、第2溝は設けられる。アクチュエータ荷重が椅子の背当部と椅子の両側に接する前板とに均等に転送されるようにすることを、この配置は容易に可能とする。
【0029】
好ましい形態では、共通のアクチュエータはリニアアクチュエータを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の様々な形態は、ここで以下に添付される図面を、単なる例として用いて、参照しながら、さらに詳細に述べられる。
【0031】
図1は、本発明の一形態によるリフト・リクライニング椅子10の構造フレームを示す。フレーム、故に椅子は、ベース部12、座部14および背当部16を含む、3つの主な部を備える。ベース部は、一つの横向き側板18と、椅子の下面に接して矩形金属フレーム22のそれぞれの側部に固定される背板20とを含む。板18、20、ならびに図1から図5に示される椅子のフレームの他の板は、好ましくは、MDFタイプ・ボード材料からなる。しかし、また本発明は、作りつけ家具や作りつけでない家具のための家具工業において、典型的に使用されるように、木、合板、あるいはプラスチックなど、他の板材をも意図する。
【0032】
図2に最も良くあらわされる、金属フレーム22は、一対の横向き側材24と、椅子の前方で側材24間へ延びる前クロス材26と、側材の長さに沿った途中の点において側材24間へ、椅子の後ろへ向けてそれぞれ延びる、一対の中間クロス材28、30とを備える。後板20が、椅子の後ろにおいてそれぞれの側板の端部へ固定される状態において、側板18は、フレームの側材24に固定される。これにより、椅子の他の部品を支持するための箱型構造を提供する。
【0033】
ベース部12は、さらに、それぞれの側板18に隣接する板32の両端部において、リンク配置34によってベースの横向き側板18に枢着される、前板32を備える。リンク配置34は、公知の配置であり、図1(それは略垂直方位を持つ。)に示される位置から図2(それは略水平方位を持つ。)に示される位置へ前板32を動かすことを可能にする。
【0034】
座部14は、図3に最も良くあらわれているように、更なる金属矩形フレーム36が固定される類似の箱型パネルフレームを備える。金属フレーム36は、座の横向き側板40が付けられる一対の横向き側材38と、座部の前方にある前クロス材42と、座の後ろにある後クロス材44と、前材43と後材44のほぼ中間にある中間クロス材46とを備える。これらのクロス材は、縦材38の間に延びる。座の後ろにあるクロス材44、46の間の矩形フレーム部は、前クロス材36と中間材46の間の矩形フレーム部のそれに対してわずかに削減された幅寸法を持つ。この明細書において、後で明らかになる理由により、この削減された幅寸法は、フレームの側材38と、椅子の後ろへ向かう座のそれぞれの側板40との間に、クリアランスを提供する。クリアランス寸法は、金属フレームを構成する金属管の幅寸法とほぼ等しい。
【0035】
座部14は、ベース部12の内に入れ子にされ、椅子の前方にある横向き側部40に垂直な枢支軸を中心としてベース部に枢着される。枢支板48から側板40内の該当する隙間を介して椅子の前方へ延びる枢支ピン(図示せず)により、座部は、ベース部に枢着される。
【0036】
側板40の後ろ側終端部は、取付ピンの枢支軸により定義される曲率中心を有する弓形をなし、座部が使用時にその軸を中心として枢支されるとき、座部の後部は、ベース端板20に対して自由に移動できる。同様に、図4に見られるように、椅子の後ろにおいて側板40間に延びる、端板50も、その弓形端面49の曲率に従う弓形を有し、即ち、座部の枢支軸を、その曲率中心として有する。
【0037】
側板40間の座部の幅寸法は、ベース側板18間の幅寸法よりわずかに少なく、そのため、図1に示される着座配置では座部は側板18間に入れ子になり、その枢支軸を中心として枢支されると、そこから図5に示されるリフト配置へ、入れ子式に延長可能である。
【0038】
椅子フレームの背当部は、また背当部16の横向き両側に接する一対の縦長枢支腕52のペアがある矩形フレームを備える。腕52は、背当部16の頂部と底部とに向けて一対のクロス材54、55により互いに連結される。座部がベース12に枢着されるのと同様に、即ち、それぞれの側板40に接して枢支ピン板58に固定される一対の枢支ピン56により、背当部16は、座部14に枢着される。ピン56は、それぞれの板40と枢支腕52における該当する隙間を通過する。図2の眺めで最も良く見えるように、枢支腕52は、枢支ピン56を越えてベース部12の内部領域まで延びる。枢支腕52の下部は、フレーム36の後ろへ向かう小型のフレーム部と座に接する側板40との間に形成されるギャップを通過する。枢支腕の端部は、金属座フレーム36を越えてフレーム36に接する領域へ延び、金属クロスバー材60によりそれらの遠隔端において互いに結合される。
【0039】
椅子の配置を、直立配置から、傾斜配置へ、あるいは、図5に示される起立配置へのいずれにか変更するために背当部を座部に対して傾斜されうるようにする要領で、枢支軸52は、座部、即ちベース部に対して自由に回転できる。
【0040】
3つのリニアアクチュエータ62、64、66は、座フレーム36の下側に接してベース部12の内部において、金属フレーム22上に取付けられる。アクチュエータ・ラム63の端部が前板の上端70に隣接する前板32の後面に固定された状態で、第1アクチュエータ62は中間クロス材28に取付られる。アクチュエータ腕63が延びると、図1に示される略垂直位置から図2に示される水平方位へ前板が移動し、足載せサポートが設けられる。アクチュエータ64は、フレーム22の前クロス材26に取付られる。アクチュエータ64のアクチュエータ腕65は、その延長限において金属座フレーム36のクロス材46に接続される。それにより、アクチュエータ腕65が延びると、座部14をその枢支軸を中心として移動させ、図1から図5に示される位置間において、座部が傾く。アクチュエータ腕67の延長限が枢支腕52間に延びるクロス材60へ接続された状態で、第3アクチュエータ66は、また金属フレーム22のクロス材26に取付られる。アクチュエータ66により腕アクチュエータ67が延びると、背当部16がその枢支軸を中心として移動し、座部14に対する背当部16のチルト角が変更される。例えば、椅子がリクライニングするときや、座部が起立位置へ持ち上げられるとき、アクチュエータ腕67が収縮すると、背当部と座部との間の角が増加する。アクチュエータ腕67の延長は、この動作を反転させるものであり、完全に収縮すると、背当部は、座部に対する直立位置へ移動する。
【0041】
Dewart type 34931のように、アクチュエータ62、64、66は、公知のタイプからなり、制御電子部により制御された電気モータを備える。電子制御部は、適正にプログラムされたマイクロプロセッサの形式であってもよく、それにより、リクライニング動作及び持ち上げ動作の両方のために、椅子の可動部の調整された動きを得るべく、アクチュエータの調整制御が提供される。
【0042】
図1から図5中の椅子の構成が、図1の直立配置から背当部16が椅子の他の部分に対してリクライニングされる傾斜配置へ変更され、また前板32が持ち上げられて座部の動きを伴って、あるいは無しに、足載せが供給されること、及び、その配置は、直立配置から着座するユーザが椅子から出るのを援助するために、図5に示される起立配置へ変更されうることは、理解されるであろう。
【0043】
もし、背当部16をその直立配置にしたままで、座部14が図5に示される起立配置まで傾けられると、このことは、着座位置から直ちに椅子から出ることを、個人に、命令したり、あるいは、さらに強制したりすることによる、問題を引き起こし得る。座部が前方へ傾斜するにつれ、着座位置から起立位置への調整は、全てのユーザにとって、可能でないかもしれないし、望ましくないかもしれない。座部16の動きに先立ち、あるいは、動きの最中に、もし背当部16がそのリクライニング位置へ動いたら、ユーザが椅子を離れるポイントまで座部16が傾けられる時までに、椅子によって、ユーザは起立位置におかれうる。したがって、座部14が持ち上がるにつれて背当部16がリクライニングするという、座部14と背当部16との調和的な揺動を提供するための能力を、椅子は持ちうるのである。このように、個人は、椅子によって着座位置から起立位置へ動かされ、着座位置にあるうちに、個人が椅子から押し出される可能性が回避される。本発明の好ましい形態では、座部が揺動するか、あるいは起こされるとき、背当部は後方への傾斜を開始し、その下降位置と上昇位置の間の中点において、望ましくは、マイクロプロセッサ・コントローラにインプリメントされたソフトウエアによって生成される制御信号により、座と背当部の動きが調整される。
【0044】
本発明の他の態様におけるリクライニング椅子は、図6に示される動作メカニズムを備える。図6は、動作機構71が椅子のベース内部に実質的に収納された状態における、リクライニング椅子のベース部の断面図である。図6に示される椅子のベースは、図1から図5を参照しながら述べられた椅子のベースと、略矩形の箱形構造フレームであって、管状金属構造からなる金属ベースフレーム72と、望ましく必須ではないがMDFボード材料からなる、一対の横向き側板74であって、椅子のそれぞれの側部においてフレーム72の側材にボルト止めされるものとを、備える点において、同様である。
【0045】
前板76は、椅子の両側部に接して側板74の内側上に取付られるリンク・アセンブリ78により、側板74上に枢着される。リンク・アセンブリ78と前板76は、図1から図5を参照しながら述べられたリンク・システム34と椅子の前板32と実質的に同一である。椅子の両側のリンクアセンブリ78は、一端部で側板74に枢着され他端部で第2リンク要素82の一端部に枢着される第1リンク要素80を含む、互いに枢着される四つのリンク要素を含む。図6に示されるように垂直方位に配置されるとき、前板76の内部接触面に板の上端部へ向けて固定されるブラケット83に、リンク要素82の他端部は枢着される。第3リンク要素84は、その一端部がリンク要素80と前板76の間で側板74に枢着され、その他端部が第4リンク要素86に枢着される。第4リンク要素86の他端部は、また、リンク82と前板76の深さに沿って約3分の一だけ離れた位置においてブラケット83に枢着される。第2、第3リンク要素82、84は、また、それら共通の交点(図示せず)において、互いに枢着される。
【0046】
前板76は、図6に示される垂直方位から略水平方位まで展開され、椅子のベース内部に配置されるリニアアクチュエータ88の動作により足載せを提供する。リニアアクチュエータ88は、一端部にある電気モータ90と、他端部にありハウジング94から延長可能なピストン腕92とを備える、Dewart type 34931のリニアアクチュエータであってもよい。モータ部90に最も近いアクチュエータ88の端部は、フレーム72の前方において、ベースフレーム72に内蔵され、かつそこから直立するブラケット96に枢着される。アクチュエータの他端において、延長可能な腕92は、その端部で、正方形断面金属管材100の一側部から延びるブラケット98に枢着される。正方形断面金属管材100は、椅子の幅に沿って延び、椅子の対向側部においてそれぞれの金属ベル−クランク板102に溶接される。対向側部の一方だけが、図9の断面図に示されている。ベル−クランク板102は、それぞれの側板74に実質的に平行であり、ベル−クランク板102を椅子の両側に共に接続する金属管に直交する。各ベル−クランク板102は、側板74の上端部106に向けて配置されるピンタイプ取付部104によって、それぞれの側板74に枢着される。各ベル−クランク板102には、板の平面と直交して延びる直立の係合ピン108が設けられる。ピン108は、カム係合手段を構成し、それぞれのカム板114、116内に設けられ、かつ椅子の両側部において椅子の近くへ向けてそれぞれの側板74へ枢着される、第1、第2カム溝110、112内に係合する。第1、第2カム板114、116は、側板74からベース部の内部へ延びる共通枢支ピン118に枢着される。カム板114および116は、略平坦であり、ベル−クランク102および側板74に平行である。
【0047】
第1カム板114は、ベースに対する椅子の背当部の移動軌跡(図示せず)を決定する背もたれカムを構成する。第2カム板116は、ベースの側板に対する前板76の移動軌跡を決定する足載せカムを構成する。背もたれカム114は、浅いV字形状、取付ピン118がV字の頂点に位置する、をなす。V字をなす上側腕、つまり図6の頂部に向けて示される腕、は、カム溝110がV字の下側腕内にある間、背もたれカム板を椅子の背当部に接続するレバーを構成する。
【0048】
カム溝110は、直線部120と弓形部122を含み、直線部120はV字の末端へ向けて延び、弓形部は下側腕内においてV字の中間部へ向けて配置される。
【0049】
弓形部122の湾曲は、図6の視線における椅子の前面に対面する溝の側面が凹面となるようになっている。
【0050】
カム板116は、略弓形であり、その弧の一端部において取付ピン118に枢着され、他端部において直線押圧ロッド・リンク要素124に枢着される。カム板116中のカム溝112は、さらに、直線部126と長尺弓形部128とを備える。溝の弓形部128は、弓形の約75%(溝の残りが直線となる)に沿って押圧ロッド124に接続される板の下側端部から、カム板の弧長の殆どに沿って延びる。
【0051】
直線押圧ロッド124は、リンク・アセンブリ78をカム板116に接続する。押圧ロッド124の一端部は、その長さに沿う略中点で第1リンク80に枢着され、他端部は、カム板116に枢着される。
【0052】
図6を参照しながら記述された動作メカニズムは、椅子の背もたれと足載せ前板76との同時で協調的な揺動をもたらす。図6の図示内容では、その動作メカニズムが、前板足載せ76が椅子の前方において垂直位置に引き込まれ、椅子の背もたれがベース及び座に対して実質的に直立する状態における配置で、示されている。アクチュエータ88を起動することにより、腕をハウジング94内へ収納すると、ベル−クランク102は、それによりピン104を中心として回転する。この動きにより、カム係合ピン108は、ピン104を中心として、図6の平面視において右回りの方向に、円状の軌跡をたどる。これにより、カム板114はピン108に従い、カム板は、図6の平面視において右回りに、取付ピン118を中心として回転し、それにより、椅子の背もたれが座に対して傾斜位置へ回転する。同時に、カム板116中の溝112は、カムピン108の動きに従うように強制され、その結果、板116も、取付ピン118を中心として右回りに回転する。押圧ロッド124のピン118の位置と、板116に接続される押圧ロッドの端部の位置との固定関係により、押圧ロッドリンク124は、これも右回りにリンクアセンブリのリンク80、84を揺動させながら、椅子の前板へ略向いて移動し、その結果、前板76は、図6に示される垂直位置から、その展開された、水平位置へ向けて移動し、これにより、足載せが提供される。
【0053】
図7から図13は、本発明の他の形態におけるリフト・リクライニング椅子210を示す。椅子210は、図1から図5に示される椅子10と同様である。
【0054】
椅子210は、ベース部212、座部214および背当部216を備える。座部214は、ベース部212に対して枢着され、図7に示される低下位置と、図8および図9に示される上昇位置の間で移動可能である。背当部216は、座部214に対して枢着され、図7に示される上昇位置と、図10に示されるリクライニング位置との間で移動可能である。さらに、前板232は、ベース部212に対して枢着され、図7の垂直位置(図13に最も良くあらわれる)と、図10の水平位置との間で移動可能である。
【0055】
ベース部212は、一対の横向き側板218を含み、後板220は両側板218の後部へ固定される。前板232と同じく、ベース部212は、箱タイプ構造を備える。
【0056】
図12、図13に示されるように、側板218は、それらの両下側端において、一対の横向き側材224及び、椅子の前方で側材224の間に延びる前クロス材226と、椅子の後ろへ向けて側材224の間へ延びる中間クロス材230とを備える、金属ベースフレーム222へ、接合される。
【0057】
主として木製の矩形フレーム236の中心により接合される、一対の横向き側板230を、座部214は、備える。フレーム236は、一対の側材238と、前及び後側材238の間へ延びる、前及び後クロス材242、244とを備える。
【0058】
座部フレーム236の前方において、側材238は、金属補強ブラケット241により、側板240に付設される。座部フレーム236の後ろにおいて、金属クロス材237は、板240に付設されると共にそれらの間へ延び、また、フレーム側材238へ付設される。さらなるクロス材219は、板24の下側背面角部において、クロス材237の真下で、側板240に付設されると共にそれらの間へ延びる。
【0059】
座部214は、ベース部212の内に入れ子にされ、枢支ピン247により、側板240と直交する枢支軸を中心としてベース部212に枢着される。ピン247は、側板240のそれぞれの上側前角部に位置する枢支ピン取付板248から延び、板240及びベース部212の側板218を通過する。
【0060】
側板240の後端部は、弓形であり、側板240間に延びる端板250は、同様に屈曲する。図1から図5の椅子のケースと同様に、側板240及び後板250の後端部の曲率中心は、座部の枢支軸247により決定され、その結果、最小のクリアランスにより、ベース部212内で、図7に示される下側位置と図8及び図9に示される上昇位置との間において、座部は、延びることができ、また、入れ子式に引き込むことができる。
【0061】
図11に最も良く示されるように、背当部216は、頂部クロス材254により結合される、一対の延長枢支腕252と、中間クロス材257と、底部クロス材255とを備える。2つの外側腕259は、枢支腕252から離れて外に、かつ平行に、位置する。腕259は、頂部クロス材254と中間クロス材257よにって接続され、枢支軸252の底部よりやや下側で終端する。3つのクロス材254、255、257は、椅子210の設置において、帯ひも(図示せず)の取付を支援する。図7及び図8から窺えるように、枢支腕252には、背当部216をL形ベル−クランク材201の該当する連結ブラケット201aに取り付けるための金属ブラケット203が、設けられる。
【0062】
金属クロス材260は、L形材201の間に延び、またそれに固定される。それにより、枢支腕252は、L字形材201のそれぞれの脚201a部の中へ嵌り込む。L−形のブラケット201の他の脚部201bは、ブラケットを板240を通過して延びる、それぞれの枢支ピン256に接続する。それにより、背当部216は座部214に枢着される。
【0063】
図12および図13に最もよく示されるように、3つのリニアアクチュエータ262、264、266は、それぞれ、前板232,座部214及び背当部216の移動のため、ベース部内に設けられる。
【0064】
アクチュエータ262は、アクチュエータラム263がブラケット235により前板232の背面に固定された状態で、後クロス材230の中心上に取り付けられる。アクチュエータ263は、ピストンが内部でねじジャッキ(図示せず)に付設されない、「押すだけ」タイプのものからなる。従って、アクチュエータ262は、図7に示される垂直位置から図10に示される水平位置まで、板232を移動することができる。
【0065】
戻り動作は、アクチュエータ262によってではなく、板232の重みと、アクチュエータ262の2つの端部を板232とクロス材228のそれぞれに接続する点から延びる、ボルト234a、234bの間を通され、軽く付勢された弾性紐とによって、提供される。アクチュエータ262が板の戻り動作に関係しないので、脚か腕のようなオブジェクトが、垂直位置に向けて動くにつれ、板232に巻き込まれたら、オブジェクトは、板232の重み及び紐234の張力のみによって、保持される。従って、板232によりオブジェクトに作用する力は、最小限になり、戻り動作に作用するアクチュエータを使用するシステムに比べて、その力は容易に克服されうる。
【0066】
板232は、2つのヒンジ233(その一つは、板232のいずれか一方側にある)により、ベース部212に接続される。各ヒンジ233は、一周端において板232に接続され、かつ他の周端において直線放射状に延びる板233bに接続される、弓形4分の1円板233aを備える。直線板233bは、ベース部側板218から直線板及び座部の側板240を通過して取付板248まで延びる枢支ピン247によって、椅子のベース側板に枢着される。
【0067】
これにより、枢支ピン247により設けられる主枢支点が、板232及び座部214の両方に関する枢支軸を定める。この配置は、延長されたり収納されたりするとき、ヒンジ233が座部214の側板240と、ベース部212の側板との間を、摺動することを意味する。
【0068】
ほぼベース部212と座部214との上側前角部において、枢支ピン214により提供される、足載せ232と座部との足載せ232の兼用主枢支点がもたらす位置決めは、着座するユーザの膝関節の自然な位置と一致するものであり、人間工学的な利点をもたらす。勿論、もし、前板と座部の枢支点が僅かに離れて配置されているが、ほぼ同じ領域内にあり、それらが着座したユーザの膝関節と概ね一致していれば、同じ利点を達成できる。
【0069】
板232はヒンジ233によってベース部212に接続されるので、板232は、放射状に延びない回転だけを、辿ることがある。その結果、板232の位置は、ユーザすべてに合うために椅子から離れて十分に延びないかもしれない。従って、他の形態(図示せず)では、椅子は、板が座部214から延びる距離を増すための、ある手段を持ちうる。例えば、座部214あるいはその一部を抜き差し自在とし、揺動中あるいはそれに続いて、座部214からさらに離れる位置へ移動するようにしても良い。あるいは、「めくり板」配置を使用できる。それでは、更なる板が、主足板232に枢支され、板232上に載置される位置から、板の長さを増すため板232と共に延びる位置へ、反転できる。
【0070】
アクチュエータ264は、前クロス材226上の中心に取り付けられる。アクチュエータラム265は、側板240の間に及ぶと共に付設され、座部フレーム236の後ろを支持する、クロス材237の中心に固定される。座部フレーム236の前面は、フレーム材238と側板240の内面に付設される一対のブラケット241に接して運ばれる。
【0071】
上述したように、側板240は主枢支点に枢着され、その結果、図8及び図9に示されるように、アクチュエータ264の制御下において、座部214が、枢支点を中心として揺動する。
【0072】
アクチュエータ266は、座部の側板240間に延びると共に固着されるクロス材219の中心上に取り付けられる。アクチュエータ266のアクチュエータラム267は、枢支軸256からずれた点において、クロス材260の中心に接続され、ベル−クランク形のレバーを設ける。このベル−クランク配置は、ラム267を引き込むことにより図10に示される位置まで背当部216を下げることができ、あるいは、ラム267を延ばすことにより図7に示される位置まで背当部216を下げることができる、ということを意味する。図1から図5を参照しながら前に述べたように、背当部216は、座部214及び/または足載せ板232の動きと同時に、あるいは、それらと独立して、移動させることができる。
【0073】
本発明の各態様は、添付図に示された各形態を参照しながら記述されてきたが、本発明はそれらの形態に限定されるものではなく、何らの発明的な技能や努力なしに、様々な変更や修正が有効であることは、理解されなければならない。例えば、図1から図5を参照しながら述べられたリフト・リクライニング椅子は、2つのアクチュエータだけが椅子のベース部に設けられるという意味において、リクライニング機能を提供するように修正して良い。これらのアクチュエータのうちの1つは、ベースと固定された座とに対して、椅子の背当部をリクライニングするためのものであり、もう一つは、前板をその垂直位置からその水平位置へ展開して椅子のための足載せを提供するためのものである。ある形態において記述されたいずれの数値も、他の形態における数値と互いに交換可能であり、様々な変更や修正をここで記述された椅子に加えること、及び、ここで述べられているどの形態を参照して記述されたどの数値をも、削除したり追加したりして修正可能であることが、認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一形態によるリフト・リクライニング椅子のフレームの前面からの透視図
【図2】図1に示された椅子のフレームの透視図
【図3】上から見た図1の椅子の透視図
【図4】フレームを部分的に高くした配置において椅子の後ろから見た図1の椅子のフレームの透視図
【図5】最も高くした配置における図1椅子フレームのそれと同様な透視図
【図6】発明の別の形態によるリフト・リクライニング椅子のベースの横断面図
【図7】発明のさらなる形態によるリフト・リクライニング椅子の側面図
【図8】座部を上昇配置にした図7の椅子を示す側面図
【図9】図8の椅子の後部の透視図
【図10】背当部を傾斜配置とし、足板を上昇配置として図7の椅子を示す側面図
【図11】図7から図10の椅子の後ろの部分の概略図
【図12】図7から図11の椅子の真下を示す概略透視図
【図13】図7から図12の椅子の動作メカニズムを示す概略側面図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、前記ベース部に枢着される座部と、前記座部及びアクチュエータ手段に枢着される背当部とを備えるリフト・リクライニング椅子であって、前記アクチュエータ手段は、前記座部を前記ベース部に対して移動させ前記背当部を前記座部に対して移動させて前記椅子の配置を変更し、前記アクチュエータ手段は、前記椅子の全ての配置においてベース部内に実質的に収納される椅子。
【請求項2】
前記座部は、前記座部の少なくとも一部が前記ベース部の入れ子となる実質的な水平位置と、前記座部が前記ベース部から入れ子状に延びる傾斜位置との間において移動可能である請求の範囲第1項記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項3】
前記座部は、前記ベース部に入れ子になっており、かつ前記ベース部から延び得る請求の範囲第1項または第2項記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項4】
前記ベース部は、前板と、背板と、前記前板と前記背板の間で実質的に垂直な一対の側板とを備え、かつ前記座部は、前記ベース部の前記側板のそれぞれに実質的に平行で実質的に隣接するように配置される、実質的に垂直な一対の垂直側板を含む座フレームを備える請求の範囲第1項から第3項のいずれか記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項5】
前記座部は、前記ベース部の前部を向くように位置決めされる垂直軸を中心として、前記ベース部に対して枢着される請求の範囲第4項記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項6】
前記座部は、前記側板に枢着される請求の範囲第4項または第5項記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項7】
前記背当部は、略矩形フレームと、前記フレームから延び前記フレームを前記座部に枢着する一対の枢支腕を備える請求の範囲第5項または第6項記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項8】
前記枢支腕は、前記背当部を前記座部の前記側板へ枢着する請求の範囲第7項記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項9】
前記枢支腕は、前記矩形フレームから間をおいて配置される枢支軸を中心に、前記背当部を移動させるベル−クランク配置の一部を備える請求の範囲第7項または第8項記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項10】
前記枢支腕は、前記座部の内側において、前記座部のそれぞれの垂直な側板に平行でかつ隣接して延びる請求の範囲先行する各項のいずれか記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項11】
前記座部が傾斜位置へ移動すると、前記背当部は、前記座部から離れる向きに揺動する請求の範囲第7項から第9項のいずれか記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項12】
前記座部が、前記座部の低下位置と傾斜位置との間に予め定められた位置へ移動すると、前記背当部は前記座部から離れる向きに揺動する請求の範囲第11項記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項13】
前記アクチュエータ手段は、前記座部を移動させる第1アクチュエータと、前記背当部を移動させる第2アクチュエータとを備える請求の範囲先行する各項のいずれか記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項14】
第1、第2アクチュエータは、ベース部との固定関係に取り付けられる請求の範囲先行する各項のいずれか記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項15】
前記第1アクチュエータは、前記ベース部に関して固着され、前記第2アクチュエータは、前記座部に関して固着される請求の範囲第1項から第13項のいずれか記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項16】
略垂直位置から略水平位置への移動のため、前記ベース部の前記前板は、前記ベース部の前記側板及び前記背板に対して揺動可能である請求の範囲第4項または、直接または間接に第4項に従属する第5項から第13項のいずれか記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項17】
前記アクチュエータ手段は、前記前板の枢支軸を中心とする移動のため、ベース部の前記固定された側板に関して固定される第3アクチュエータを備える請求の範囲第16項記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項18】
前記前板は、着席したユーザの膝関節の位置に実質的に対応する枢支軸を中心として前記ベース部に対して揺動可能である請求の範囲第16項または第17項記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項19】
前記前板の前記枢支軸は、前記座部を前記ベース部に接続する前記枢支軸と一致する請求の範囲第16項から第18項のいずれか記載のリフト・リクライニング椅子。
【請求項20】
ベース部と、座部と、前記座部に対し枢着される背当部と、アクチュエータ手段とを備えるリクライニング椅子であって、前記アクチュエータ手段は、略直立位置と傾斜位置との間で、前記背当部をその枢支軸を中心として移動させ、前記アクチュエータ手段は、前記座部の下面に接して前記ベース部内に収納されるリクライニング椅子。
【請求項21】
前記ベース部は、前座部に対して枢着される前板を備え、前記アクチュエータ手段は、前記背当部をその枢支軸を中心として移動させる第1アクチュエータと、前記前記前板をその枢支軸を中心として略垂直方位から略水平方位へ移動させる第2アクチュエータとを備える請求項第20項記載のリクライニング椅子。
【請求項22】
ベース部と、座部と、前記ベース部に対して枢着される背当部とを備えるリクライニング椅子であって、前記ベース部は、一対の横向き側板と、前記側板に対し枢着される前板と、共通アクチュエータとを持ち、前記共通アクチュエータは、前記背当部をその枢支軸を中心として移動させると共に前記前板をその枢支軸を中心として移動させて、前記椅子の配置を略直立配置から略傾斜配置へと変更し、
前記背当部は、略垂直方位から傾斜方位へ移動し、前記前板は略垂直方位から略水平方位へ移動するリクライニング椅子。
【請求項23】
前記ベース部に対し前記背当部の移動軌跡を決定する第1カム手段をさらに備える請求の範囲第22項記載のリクライニング椅子。
【請求項24】
前記側板に対し前記前板の移動軌跡を決定する第2カム手段をさらに備える請求の範囲第22項または第23項記載のリクライニング椅子。
【請求項25】
前記第1、第2カム手段は前記アクチュエータに接続されるカム係合手段により係合される請求の範囲第24項記載のリクライニング椅子。
【請求項26】
前記アクチュエータによる揺動のため、前記カム係合手段は前記ベース部の両側に対して枢着される請求の範囲第25項記載のリクライニング椅子。
【請求項27】
前記第1、第2カム手段は、前記ベース部の両側に対して枢着される請求の範囲第26項記載のリクライニング椅子。
【請求項28】
前記第1、第2カム手段は、共通の枢支軸を中心として枢着される請求の範囲第27項記載のリクライニング椅子。
【請求項29】
前記カム係合手段は、少なくとも一つの係合ピンを備え、前記第1、第2カム手段は、前記ピンにより係合される、第1、第2ピン係合溝を備える請求の範囲第25項から第28項のいずれか記載のリクライニング椅子。
【請求項30】
前記椅子の横向き両側部において前記椅子の前記ベース部の内部に枢着される、第1、第2カム板のそれぞれに、第1、第2溝は設けられ、前記第1、第2溝の各対は、それぞれの係合ピンにより係合される請求の範囲第29項記載のリクライニング椅子。
【請求項31】
前記アクチュエータは、リニアアクチュエータを備える請求の範囲第22項から第30項のいずれか記載のリクライニング椅子。
【請求項32】
前記アクチュエータ手段は、前記椅子の下面に接して、前記ベース部内に収納される請求の範囲第22項から第31項のいずれか記載のリクライニング椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−509676(P2007−509676A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537396(P2006−537396)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004340
【国際公開番号】WO2005/051128
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(506149014)ロブコ デザインズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】