説明

脱穀装置

【課題】脱穀装置の二番処理室へ二番物を円滑に供給し熟れを良くする。
【解決手段】扱室1には扱胴3を回転自在に設け、扱室1下方の風選部16には揺動選別棚19を揺動自在に設け、前記扱室1の左右一側には二番処理胴7の内装されている二番処理室6を設け、二番処理室6の二番処理胴7下方に無孔の底部案内板33を設け、この底部案内板33の扱室1側端部と扱室1を構成する受網4との間に所定の間隔部33aを設けて選別部16への脱穀物供給部とし、二番処理室6の上部側壁の前記扱室1から離れた側に二番物を扱室1側に案内する二番物案内板36,…を前後方向に所定間隔毎に複数枚設け、二番物案内板36,…の始端側ものを大きく終端側のものを小さく構成し、二番物案内板36,…を二番処理胴7の軸心方向視で二番処理歯8とオーバーラップしないようにし、二番揚穀機31により二番物を二番物案内板36に向けて投げ出すように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインやハーベスタ等に搭載する脱穀装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
扱胴を内装した脱穀室の終端側部に一部連通するように排塵処理胴を内装した排塵処理室を設け、扱胴を前後方向の扱胴軸に軸装すると共に、排塵処理胴を前後方向の排塵処理胴軸に軸装し、排塵処理胴軸を扱胴軸よりも下方に配置し、排塵処理胴の前側に軸心一致状態の二番処理胴の内装されている二番処理室を配置すると共に、この二番処理胴を排塵処理胴よりも小径に構成し、排塵処理胴により扱室からの排塵物を後側に送りながら脱穀処理し、二番処理胴により二番物を前側に送りながら脱穀処理するものは、公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−289659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の脱穀装置では二番物揚穀機により二番処理室に二番物を揚穀するにあたり、二番処理室の二番処理胴の始端側に向けて投げ出しながら還元する構成である。従って、供給された二番物が二番処理胴の二番処理歯により側方に撥ね飛ばされ円滑に投入されないという不具合が発生していた。そこで、この発明はこのように不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記問題点を解決するために、この発明は次のような技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、扱室(1)には前後方向の軸心回りに扱歯(2)付きの扱胴(3)を回転自在に設け、前記扱室(1)下方の選別部(16)には揺動選別棚(19)を揺動自在に設け、前記扱室(1)の左右一側には前後方向の軸心回りに回転する二番処理歯(8)付き二番処理胴(7)の内装されている二番処理室(6)を設けて二番処理胴(7)の扱室(1)に近い側を上側から下側に向けて回転するように構成し、前記二番処理室(6)の二番処理胴(7)下方に無孔の底部案内板(33)を設け、該底部案内板(33)の扱室(1)側端部と扱室(1)を構成する受網(4)との間に所定の間隔部(33a)を設けて間隔部(33a)から下方の選別部(16)へ脱穀物を供給するように構成し、前記二番処理室(6)の上部側壁の前記扱室(1)から離れた側に二番物を扱室(1)側に案内する二番物案内板(36,…)を前後方向に所定間隔毎に複数枚設け、該二番物案内板(36,…)の始端側ものを前後方向視で大きく終端側のものを小さく構成し、該二番物案内板(36,…)を二番処理胴(7)の軸心方向視で二番処理歯(8)とオーバーラップしないように二番処理室(6)の上部に偏位して配置し、二番揚穀機(31)により前記選別部(16)で選別された二番物を前記二番処理室(6)の始端側上部の二番物案内板(36,…)に向けて投げ出すように構成したことを特徴とする脱穀装置とする。
【0005】
前記構成によると、扱室(1)の前後方向軸心回りに回転する扱胴(3)で脱穀処理された脱穀物は下方の選別部(16)の揺動選別棚(19)に供給されて選別され、二番揚穀機(31)により選別部(16)で選別された二番物は揚穀され、二番処理室(6)の選別始端側上部の二番物案内板(36,…)に向けて投げ出される。二番処理室(6)に供給された二番物は二番処理室(6)の始端側では前後方向視で大きな二番物案内板(36,…)により多くのものが二番処理胴(7)の始端側に供給されて脱穀処理され、また、二番処理胴(7)の中途部から終端側にかけて前後方向視で小さな二番物案内板(36,…)により送り量を増やしながら二番処理胴(7)で脱穀処理される。そして、脱穀物は底部案内板(33)の扱室(1)側端部と受網(4)の間の間隔部(33a)から選別部(16)へ供給され揺動選別棚(19)により選別される。
【0006】
請求項2の発明は、二番処理室(6)の上部側壁における始端側を除いた終端側部の二番物案内板(36,…)よりも下方に上部二番仕切板(38,…)を所定間隔毎に設け、該上部二番仕切板(38,…)を二番処理胴(7)の軸心方向視で二番処理歯(8)とオーバーラップするように構成したことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置とする。
【0007】
前記構成によると、請求項1の発明の前記作用に加えて、二番処理室(6)の上部側壁における始端側を除いた終端側に設けられている上部二番仕切板(38,…)と二番処理胴(7)の二番処理歯(8)により二番物は脱穀処理され、底部案内板(33)の扱室(1)側端部と受網(4)の間隔部(33a)から脱穀物は選別部(16)へ落下供給され揺動選別棚(19)により選別される。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明は、二番処理室(6)の始端側で多くの二番物を取り込み二番処理胴(7)の全長に亘って二番処理歯(8)により有効に脱穀処理でき、また、二番処理胴(7)の終端側では脱穀処理物の二番処理歯(8)で脱穀物の過剰な持ち回りを抑制し穀粒の損傷を防止しながら下方の揺動選別棚(19)に円滑に落下供給することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の前記効果に加えて、二番処理胴(7)の二番処理歯(8)と上部二番仕切板(38,…)により二番物の熟れを良くし下方の選別部(16)へ円滑に供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の一実施例を図面に基づき説明する。図1は、脱穀装置の切断正面図、図2は脱穀装置の切断側面図、図3は脱穀装置の切断平面図である。
まず、図1〜図3に基づき脱穀装置の全体構成について説明する。
【0011】
扱室1内には前後方向の扱胴軸3aに扱胴3を軸架し、扱胴3の周面には多数の扱歯2,…を取り付け、扱胴3の下部外周を受網4で覆っている。扱室1の右側方には二番処理室6を設け、二番処理室6内には前後方向の二番処理胴軸7aに二番処理胴7を軸装し、二番処理胴7の外周面に多数の二番処理歯8,…を取り付け、二番処理胴7の扱室1に近い側を上側から下側に向けて回転するように構成している。扱室1の左側方には脱穀用穀稈を移送するフィードチエン9を設け、排藁搬送チエン11により脱穀済みの排藁を後方に搬送するように構成している。
【0012】
また、前記二番処理室6の後側に排塵処理室12を設け、排塵処理室12内には前後方向の排塵処理胴軸13aに排塵処理胴13を軸装し、扱室1の後端右側部と排塵処理室12の前端左側部とを連通口14により連通し、扱室1から排塵処理室12に送られた藁屑類を排塵処理胴13により後側に送りながら脱穀処理する。
【0013】
また、扱室1の下方から後部にかけて選別部16が設けられている。唐箕17から前後方向の選別風路18に選別風が送られ、選別風路18には前後方向に往復揺動する揺動選別棚19を設け、扱室1からの脱穀物を後側に揺動移送しながら比重選別する構成である。選別風路18の底部には、選別された一番穀粒を受ける一番ラセン21a付きの一番受樋21、及び、選別された二番物を受ける二番ラセン22a付きの二番受樋22を設け、選別風路18の後側端部右側部には排塵ファン23を設け、揺動選別棚19で選別されて後側に送られた藁屑類を機外に吸引排出するように構成し、排塵ファン23の後側には排稾処理装置24を設けている。
【0014】
なお、揺動選別棚19の上部側には前側部から後側部に向けてグレンパン、グレンシーブ、チャフシーブ及びストローラックからなる粗選別部を設け、揺動選別棚19の下部側には網体からなるグレンシーブからなる精選別部を設けている。
【0015】
また、扱室1のフィードチエン9から離れた奥側1bの受網4の上方部位には、回転する扱歯2,…の左右両側に位置するようにコ字形状の切り刃26,…を配設している。この切り刃26は図4〜図6に示すように構成されている。切り刃26,…における扱歯2の回転方向に対向する縁部には、基部から先端部にかけて左右一対の凹凸刃縁27,27を形成している。
【0016】
そして、切り刃26の板体の外側面に沿う方向の正面視で、切り刃26の外側面に沿って左右一対の凹凸刃縁27,27の多数の凸部27aの最も高い部分と凹部27bの最も低い部分を交互に繰り返しながら直線状になるように形成し、また、切り刃26の板体に直交する方向の側面視で、多数の凸部27aと凹部27bとを交互に繰り返しながら直線状になるように形成し、コ字形状の切り刃26の内側面に凹凸刃縁27,27を構成し、切り刃26基部の取付部28には取付用のボルト29を設けている。
【0017】
なお、切り刃26の板体に直交する方向の側面視で、多数の凸部27aと凹部27bとを交互に繰り返しながら内側にへこむ円弧状、あるいは、外側に膨らむ円弧状になるように形成してもよい。
【0018】
そして、扱胴3の軸心方向視において切り刃26の先端部を扱歯2の回転軌跡内に入り込ませて設けて、切り刃26の左右一対の凹凸刃縁27,27の間を扱歯2が通過するように構成し、回転軌跡を描く扱歯2と切り刃26の前記直線状の凹凸刃縁27,27とによって扱室1内の奥側1bで脱穀物を切断処理するように構成している。
【0019】
しかして、回転する扱胴3の扱歯2が扱室1内における奥側1bに設置されているコ字形状の切り刃26における左右一対の凹凸刃縁27,27間を通過すると、切り刃26における多数の凸部27aと凹部27bとを交互に繰り返しながら直線状に形成されている左右一対の凹凸刃縁27,27と扱歯2とによって、扱室1内の奥側1bで脱穀物が良好に切断処理される。
【0020】
次に、図7〜図10に基づき二番処理室6の脱穀構成について説明する。
扱室1の右側方に二番処理室6を設け、二番処理室6内の前後方向の二番処理胴軸7aには二番処理胴7を軸装し、二番処理胴7の外周面に多数の二番処理歯8,…を取り付けている。選別部16の二番受樋22に選別された二番物は二番ラセン22aにより一側に搬送されて二番揚穀機31で揚穀される。二番揚穀機31の揚穀筒32を右側後部から左側前側部に向けて下り傾斜にして、揚穀筒32により二番処理胴7の上側を通して二番物を二番処理室6の後側端部に供給するように構成している。
【0021】
また、二番処理室6における二番処理胴7の下方に無孔の底部案内板33を設け、底部案内板33の左側端部を間隔部33aを介在して受網4の外周側に臨ませ、二番処理胴7で脱穀処理された脱穀物は底部案内板33と受網4の間隙部33aから選別部16の揺動選別棚19に落下供給される構成である。また、この無孔の底部案内板33は二番処理室6の後側始端側から前後方向中途部に亘って設け、二番処理胴7の前側終端部下方には設けないようにし、二番処理胴7の前側終端側での脱穀物の落下を容易にしている。
【0022】
また、二番処理室6の上部側壁には二番処理胴7の上方で且つ前後方向全長に亘って対向するように上部案内板34を左側に膨出するように設け、この上部案内板34には前後方向に所定間隔毎に二番物案内板36,…を配置し、しかも、この二番物案内板36,…と二番処理歯8は軸芯方向視でオーバーラップしないように二番処理胴7の上方に配置し、二番揚穀機31からの二番物を二番物処理室6の右側から左側の下り傾斜方向に案内するように構成している。
【0023】
そして、二番揚穀31に近い二番物案内板36aを軸心方向視で面積を大きく構成し、この二番物案内板36aを二番処理胴7の前側端部に接近して対向するようにし、二番処理胴7の前後方向中途部に対応する二番物案内板36,…を軸心方向視で小面積に構成し、また、二番処理胴7の前側端部には排出羽根37を設けている。
【0024】
しかして、二番処理室6の後側始端側で大きな二番物案内板36により多くの二番物を取り込んで、二番処理胴7の全長に亘って二番処理歯8,…により有効に脱穀処理し、また、二番処理胴7の前側終端側での脱穀処理物を二番処理歯8,…で過剰に持ち回りせずに穀粒の損傷を抑制しながら下方の揺動選別棚19に落下排出し、二番処理胴7の前側端部に送られた脱穀物は排出羽根37により掻き落とされる。
【0025】
また、二番処理胴7の脱穀物を中途部の二番物案内板36,…により前側終端側にゆっくり送り二番処理胴7の脱穀処理回数を増やし脱穀物の熟れを良くすることができる。
また、上部案内板34には板状の上部二番仕切板38,…を設けて、二番処理胴7の中途部の二番処理歯8,…に対向させ、二番処理歯8,…と上部二番仕切板38,…は軸心方向視でオーバーラップしながら接近して回転するようにしている。しかして、二番処理胴7に付き回りする脱穀物の熟れが良くなり、扱室1の受網4と二番処理室6の間隔部33aに脱穀物が停滞するようなこともなく、下方の選別部16の揺動選別棚19に円滑に落下供給される。
【0026】
また、図11〜図13に示すように、二番処理胴7における二番処理歯8,…の前後方向間隔l1、上部案内板34に設けられている上部二番仕切板38,…の前後方向間隔l2、底部案内板33に設けられている底部二番仕切板48,…の前後方向間隔l3とし、l2≒l3とし、且つ、上部二番仕切板38と底部二番仕切板48を前後方向に揃えるように配置し、l1<l2、l1<l3となるように構成してもよい。このように構成すると、二番処理室6内の上側の脱穀物と下側の脱穀物を同期させ前側終端側への流れを抑制し、脱穀処理回数を増やし脱穀物の熟れを良くすることができる。
【0027】
また、二番処理胴7の二番処理歯8,…の前後方向間隔l1と、上部案内板34に取り付けられている上部二番仕切板38,…の前後方向間隔l2を略同じ間隔とし、且つ、両部材を接近して配置してもよい。このように構成すると、二番処理胴7の二番処理歯8,…と上部二番仕切板38,…が接近して回転し脱穀物の熟れを良くすることができる。
【0028】
また、図12に示すように、二番処理室6の底部案内板33に底部二番仕切板48,…を設けるにあたり、二番処理胴7の後側始端側には設けずに、中途部から前側終端側にだけ設けるように構成する。このように構成することにより、二番揚穀機31からの二番物の二番処理室6への投入を円滑にしながら、二番処理胴7の終端側での脱穀処理回数を増やし脱穀物の熟れを良くすることができる。
【0029】
また、図14及び図15に示すように、二番処理室6の底部案内板33には、前後方向に直交する左右方向に脱穀物を側方に案内する底部二番仕切板48,…を設け、この底部二番仕切板48,…を二番処理胴7の二番処理歯8,…に接近して配置し、この底部二番仕切板48,…と二番処理歯8,…は軸心方向から見てオーバーラップするように構成する。このように構成することにより、脱穀物の前側終端側への移動を抑制して脱穀処理回数を増やし枝梗やカギ又の熟れを良くすることができ また、図14及び図15に示すように、底部案内板33には底部二番仕切板48,…をボルト・ナットで着脱自在に取り付け、また、底部案内板33を脱穀装置の右側壁にボルト・ナットで取り付ける。このように構成することにより、底部案内板33を取り外すと、底部二番仕切板48,…も同時に取外しできメンテナンスが容易となる。また、排塵処理室12の後側の側板を取り外し、排稾処理装置24を開放回動すると、排塵処理胴13及び二番処理胴7を一体的に後側に引き抜くことにより取り外すことができ、メンテナンスが容易となる。
【0030】
次に、図16及び図17に基づき排塵処理室12の脱穀処理構成について説明する。
排塵処理室12の前側端部右側から送塵口41を経由して扱室1から藁屑類が送り込まれる構成であり、排塵処理室12内には前後方向の排塵処理胴軸13aを介して排塵処理胴13が回転自在に軸架されている。また、排塵処理室12における排塵処理胴13の下部、右側部及び上部を側壁12aにより被覆し、排塵処理胴13の左側部に排塵落下部12bを開口し脱穀物が下方の選別部16の揺動選別棚19に落下するように構成している。排塵処理室12の上部側壁12aにおける排塵処理胴13の上方部位に複数のコ字形状の切り刃26,…を配置している。排塵処理胴13の軸心方向視において切り刃26,…の先端部を排塵処理胴13の排塵処理歯15,…の回転軌跡内に入り込ませて、切り刃26の左右一対の凹凸刃縁27,27間を排塵処理歯15,…が通過するようにし、また、切り刃26の凹凸刃縁27,…を軸心方向視で排塵処理胴13の外周部に左下がりの傾斜状に配置し、回転軌跡を描く排塵処理歯15,…と切り刃26の凹凸刃縁27,27とによって二番処理室6内の上側部で脱穀物を切断処理し排塵落下部12bに案内するように構成している。
【0031】
また、排塵処理室12の右側方で、且つ、切り刃26,…における排塵処理歯15,…の回転方向上手側には、藁屑類を前側始端側から後側終端側に向けて案内する送塵案内板47,…を複数個設け、排塵処理室12の入口部に設けている送塵案内板47には凹凸刃縁47aを形成しないが、中途部から終端側にかけて設けている送塵案内板47,…には凹凸刃縁47aを設け、排塵処理歯15,…により持ち回る脱穀物を送塵案内板47の凹凸刃縁47a及び切り刃26,…の凹凸刃縁27,…により切断処理するように構成している。また、図10に示すように、排塵処理胴13の前記送塵口41に対向する部分に引継ぎ螺旋板42,…を取り付け、扱室1からの藁屑類の引継ぎを良好にしている。
【0032】
また、図16に示すように、送塵案内板47,…の下部をボルト43,…により枢支し、送塵案内板47,…の中途部を連動調節板44に調節ボルト46,…により取り付け、連動調節板44を排塵処理室12のフレーム部に前後方向に調節して取り付けることにより、送塵案内板47,…の送り速さを調節できる構成としている。
【0033】
前記構成によると、扱室1内を扱胴3は正面視で時計方向に回転しながら脱穀作用をし、扱室1の入口側1aのフィードチエン9側を脱穀物の漏下部とし、脱穀物の送り込み側である奥側1bの送塵口41から藁屑類は排塵処理室12の始端側部に送り込まれる。排塵処理胴13の始端側の引継ぎ螺旋板42,42により脱穀物は排塵処理室12に掻き込まれて後側に送られ、送塵案内板47,…により排塵処理胴13の排塵処理歯15,…に向けて案内され、更に、脱穀物は排塵処理歯15,…により付き回りながら切り刃26,…間に送られて切断脱穀処理され、処理量が増大しても過負荷を抑制しながら脱穀することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】脱穀装置の切断正面図。
【図2】脱穀装置の切断側面図。
【図3】脱穀装置の切断平面図。
【図4】切り刃の斜視図。
【図5】切り刃の正面図。
【図6】切り刃の切断側面図。
【図7】二番処理室部の切断正面図。
【図8】二番処理室部の切断側面図。
【図9】二番処理室部の切断平面図。
【図10】二番処理胴及び排塵処理胴の展開図。
【図11】二番処理室部の切断正面図。
【図12】二番処理室部の切断平面図。
【図13】二番処理室部の切断側面図。
【図14】二番処理室部の切断正面図。
【図15】脱穀装置の切断平面図。
【図16】脱穀装置の切断装置。
【図17】脱穀装置の切断正面図。
【符号の説明】
【0035】
1 扱室
2 扱歯
3 扱胴
4 受網
6 二番処理室
7 二番処理胴
8 二番処理歯
16 選別部
19 揺動選別棚
31 二番揚穀機
33 底部案内板
33a 間隔部
36 二番物案内板
38 上部二番仕切板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱室(1)には前後方向の軸心回りに扱歯(2)付きの扱胴(3)を回転自在に設け、前記扱室(1)下方の選別部(16)には揺動選別棚(19)を揺動自在に設け、前記扱室(1)の左右一側には前後方向の軸心回りに回転する二番処理歯(8)付き二番処理胴(7)の内装されている二番処理室(6)を設けて二番処理胴(7)の扱室(1)に近い側を上側から下側に向けて回転するように構成し、前記二番処理室(6)の二番処理胴(7)下方に無孔の底部案内板(33)を設け、該底部案内板(33)の扱室(1)側端部と扱室(1)を構成する受網(4)との間に所定の間隔部(33a)を設けて間隔部(33a)から下方の選別部(16)へ脱穀物を供給するように構成し、前記二番処理室(6)の上部側壁の前記扱室(1)から離れた側に二番物を扱室(1)側に案内する二番物案内板(36,…)を前後方向に所定間隔毎に複数枚設け、該二番物案内板(36,…)の始端側ものを前後方向視で大きく終端側のものを小さく構成し、該二番物案内板(36,…)を二番処理胴(7)の軸心方向視で二番処理歯(8)とオーバーラップしないように二番処理室(6)の上部に偏位して配置し、二番揚穀機(31)により前記選別部(16)で選別された二番物を前記二番処理室(6)の始端側上部の二番物案内板(36,…)に向けて投げ出すように構成したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
二番処理室(6)の上部側壁における始端側を除いた終端側部の二番物案内板(36,…)よりも下方に上部二番仕切板(38,…)を所定間隔毎に設け、該上部二番仕切板(38,…)を二番処理胴(7)の軸心方向視で二番処理歯(8)とオーバーラップするように構成したことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2006−296372(P2006−296372A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126726(P2005−126726)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】