膨張可能空気袋を備える靴
【課題】改善された緩衝作用と弾力性を履物に与える。
【解決手段】靴底と外面および内面を持つアッパー、およびアッパーの外面または内面の少なくとも一方を含む1つまたは複数の空気袋を備える履物。履物は、さらに、1つまたは複数の空気袋を膨張させるために履物の通常の動作により作動される履物を履く人の足の下に配置される膨張メカニズムも備える。膨張メカニズムは、空気袋と一体であるか、空気袋に結合されたサテライト膨張メカニズムとすることができる。履物は、さらに、空気抜きメカニズムも備えることができる。空気抜きメカニズムは、開位置のままにできる放出弁および/または調整可能逆止め弁を備えることができる。空気抜きメカニズムは、さらに、空気袋内の単一の開口部につながる逆止め弁および放出弁の組合せとすることもできる。
【解決手段】靴底と外面および内面を持つアッパー、およびアッパーの外面または内面の少なくとも一方を含む1つまたは複数の空気袋を備える履物。履物は、さらに、1つまたは複数の空気袋を膨張させるために履物の通常の動作により作動される履物を履く人の足の下に配置される膨張メカニズムも備える。膨張メカニズムは、空気袋と一体であるか、空気袋に結合されたサテライト膨張メカニズムとすることができる。履物は、さらに、空気抜きメカニズムも備えることができる。空気抜きメカニズムは、開位置のままにできる放出弁および/または調整可能逆止め弁を備えることができる。空気抜きメカニズムは、さらに、空気袋内の単一の開口部につながる逆止め弁および放出弁の組合せとすることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物に関するものであり、より具体的には、膨張可能空気袋を備える運動靴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
運動靴は、さまざまな種類の応力に曝されながら身体をサポートし、安定性と快適さをもたらさなければならない。靴は快適であること、運動活動に関連してさまざまな動きをする足をサポートすることが重要である。
【0003】
靴は、典型的には、アッパーと靴底とを含み、足の長さと幅に応じてさまざまなサイズのものが販売されている。しかし、長さが似た足でも、同じ幾何学的形状を持たない。したがって、従来のアッパーは、さまざまな足の輪郭に合わせてサポートできるように調整可能でなければならない。数多くのさまざまな製品およびデザインで重視してきたのは、アッパーのサポートが調整可能でなければならないという点である。例えば、アッパーは、距腿部の一部を包み込み、それによりサポートする踝部を含むことができる。それに加えて、靴ひもを結ぶ、つまり標準的な靴のスロート上に1本または複数本のひもをかけわたすことにより、靴のサイズを調整することはよく知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,610,099号公報
【特許文献2】ブラジル特許第8,305,004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、靴ひもを結ぶだけでは、いくつか不都合な問題が生じ、例えば、靴ひもまたは革ひもをきつく引きすぎると、締め付けシステムが足のインステップに圧力を加えることがある。このような局部的圧力は、靴を履く人に不快感を与え、長時間靴を履くことが困難になる場合がある。さらに、靴ひもを結ぶことで、さまざま足および踝の形状を受け入れるように靴のアッパーを調整可能にできるが、個々の足の輪郭に合わせて靴を成形するわけではない。さらに、足の輪郭が不規則であるためアッパーによりサポートされない足の領域もある。スキー靴業界は、これまで、靴ひもを結ぶことで生じる圧力をなくしスキー靴のフィット感を改善するために膨張可能挿入可能装置を使用することに頼ることが多かった。
【0006】
靴に関連する問題のうちの1つは、いつでもサポートと緩衝材とをうまく両立させることであった。平均的な一日を過ごす間に、個々の人の足と脚は、かなりの衝撃力を受けている。走る、跳ぶ、歩く、さらには立っていることすら、個人の足および脚に力を及ぼし、痛み、疲労、および怪我に至る可能性がある。人の足は、多くの衝撃力に耐え、散逸させることができる、1台の複雑なすばらしい機械である。かかとと前足の自然なパディング、さらにはアーチの柔軟性が、足への衝撃を和らげるのを助ける。運動選手が歩く動作は、部分的には足の柔軟な組織内に蓄積されているエネルギーの結果である。例えば、典型的な歩き方または走り方で動いている間、運動選手の腱およびアーチは、伸縮し、腱と靭帯にエネルギーを蓄積する。これらの要素に加わる制限的圧力が解放されると、蓄積されたエネルギーも解放され、それにより、筋肉が負わなければならない負担が低減される。
【0007】
人の足は自然な緩衝および反発特性を有しているが、足だけでは、運動活動中に発生する力の多くを効果的に克服することはできない。個人が適切な緩衝およびサポートをもたらす靴を履いていない限り、運動活動に関連する痛みおよび疲労は、激しくなり、その発現が加速される。この結果、その靴を履いている人に不快な思いをさせ、運動活動を続ける意欲をなくさせる。同様に重要なことだが、緩衝効果が不適切な履物だと、水膨れ、筋肉の損傷、腱の損傷、靭帯の損傷、および疲労骨折などの怪我を生じる可能性がある。不適切な履物は、さらに、背痛を含む、他の不快感ももたらしうる。
【0008】
上記の観点から、長年にわたり靴に、改善された緩衝作用と弾力性を靴に与える手段を組み込む多くの試みがなされてきた。例えば、時間の経過とともに正常に機能しなくなり、その弾力性を失う傾向のあるEVAなどのフォーム、または液体で満たされたインサートで、足の自然な弾力性およびエネルギー回収を高める試みがなされてきた。液体で満たされた装置では、靴のかかとと前足の領域に隣接して配置された加圧流体を封じ込めることにより緩衝作用とエネルギー回収を高めることを試みる。これらの装置には、いくつかの決定的な問題が存在する。
【0009】
これらの問題のうちの1つは、人々の生理学的バラツキと運動靴が履かれるさまざまな活動に対し、液体で満たされた装置は調整可能でない場合が多いという点である。Signoriの米国特許第4,610,099号などのように、履物の底の流体を調整することが知られている。しかし、足元用装置は、緩衝作用を靴底に与えながら、典型的には、足の側面、上部、および後のサポートに役立たない。圧縮空気で靴のアッパーおよび底への衝撃を和らげようとしたところ、できあがった製品は、効果がないか、または使用される製造技術のせいで、重すぎて扱いにくく、ランニングシューズとしては使用できない。
【0010】
いくつかの従来の足元緩衝システムでは、膨張可能空気袋の足元部分は、典型的には、足の側面および上部にそって膨張可能空気袋の部分から隔てられている。したがって、従来の緩衝装置のかかと部分への下方圧力は、足の側面およびかかとを囲む緩衝材に効果を有しない。さらに、従来の膨張可能靴インサートも、従来の靴アッパーと連携して使用されるように設計されている。このタイプのデザインの靴は、アッパーのすべての材料および膨張可能インサートの追加の材料を必要とするため、かなり高価なものになりうる。多くの場合、膨張可能インサートを使用すると、靴がかさばることになるが、それは膨張メカニズムとアッパーパディングおよび材料の複数の層の中に隠されている膨張可能空気袋との間にある複雑な配管システムを必要とするからである。
【0011】
大半の従来の膨張可能靴は、例えばSignoriのブラジル特許第8305004号で説明されている、ハンドヘルド型の膨張メカニズム、または靴の一部のみを選択的に膨張させるために使用されるオンボード膨張メカニズムを含む。他の膨張可能靴は、工場において事前に膨張される。工場で膨張されようと、利用者により膨張されようと、靴からの空気の拡散には問題がある。工場で靴を膨張させる場合、拡散の問題は、靴を膨張させるための流体として大分子ガスを使用することにより部分的には解決されている。大分子ガスは空気と同じ速度で拡散しないが、ガスは高価であり、靴のコストを上昇させ、利用者は、自分の好みに合わせて靴の圧力量を変えることができない。それでも、靴の中の膨張装置に関連する問題の1つは、過剰な膨張を回避するために膨張をされた空気袋から過剰な空気を抜き取る方法である。
【0012】
足の形のバラツキに対応するため靴のアッパー内の膨張可能空気袋を使用することもよく知られている。本発明の譲受人であるReebok International Ltd.は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,158,767号で説明されている、1980年代後半に「The Pump」を導入したそのような靴を普及させた。また、1980年代中頃にも、Reebok International Ltd.は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第5,893,219号(「’219特許」)で開示されている自動膨張靴を開発した。後者のReebok International Ltd.は、靴アッパーをサポートするために膨張可能外骨格を使用するPUMP FURY靴と呼ばれる靴を導入した。この靴は、開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,237,251号で説明されている。
【0013】
’219特許で説明されているような技術的に高度な靴に関連する問題の1つは、そのような靴を、できる限りパーツを少なく、重量も減らし、妥当なコストで製造する方法である。したがって、必要なのは、連続的に流体により相互接続されている膨張可能空気袋を1つ備える靴であり、流体は、足の下側と足の内側および横側の間に流れうる。履物は、履く人の足にぴったりフィットし、留められなければならず、それにより、踝の周り、および履く人のインステップの周りは、快適になり、しかも確実なグリップが得られる。さらに、運動靴の空気袋は、軽量、安価、内蔵型で使いやすくなければならない。それに加えて、靴は、必要最低限の縫いで容易に製造できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、一般に、靴底とアッパーを持つ履物の商品である。アッパーは、外面と内面を持つ。外面または内面またはその両方の少なくとも一部は、膨張可能空気袋から形成される。空気袋は、利用者の足の下方圧力が膨張メカニズムの動作を引き起こすように配置されている膨張メカニズムにより膨張される。空気袋は、溶着でまとめられた2枚のフィルムシートから作ることができる。本発明の一態様では、空気袋は、MYLAR(登録商標)などのポリウレタンフィルム、ポリエステルフィルム、またはフィルムと布のラミネートまたはフィルムと合成/フィルムラミネートなどのラミネートから形成される。
【0015】
本発明の一態様では、膨張可能空気袋は、一体構造であり、靴底区画領域(靴底コンパートメント)、内側区画領域(内側コンパートメント)、および横区画領域(横コンパートメント)を含み、それにより、空気袋は、差し込まれた足の片側から、足の下、足の第2の側に通る連続的クッションを形成する。
【0016】
本発明の他の態様では、履物は、空気抜きメカニズムを備え、空気袋と周りの大気との間の連絡を行う。空気抜きメカニズムは、放出弁であってよく、これにより、利用者は、空気袋内の空気の量を手動で減らすことができる。他の態様では、空気抜き弁は、逆止め弁であり、それにより、空気流袋内の圧力を自動的に解放して所定の圧力にする。さらに他の態様では、空気抜きメカニズムは、逆止め弁と放出弁の組合せであり、少なくともキャップ、シーティング、およびシーティングで気密シールを形成する逆止め弁を含む。キャップへの下方圧力を使用して、放出弁を活性化する。他の態様では、空気抜きメカニズムは、空気袋からの空気が自動的に放出される空気袋圧力を調整するために、調整可能である逆止め弁(単独または、放出弁と組み合わせて)を含む。他の態様では、空気抜きメカニズムは、必要ならば、空気袋を膨張しないように開いたままにできる(単独または、逆止め弁と組み合わせた)放出弁を含む。
【0017】
他の態様では、複数の足元膨張メカニズムが本発明で使用される。一態様では、空気が環境へ開いている管を通じて外側の場所から足元膨張メカニズム内に導き入れられる。他の態様では、膨張メカニズムへの入口は、空気を通すことができるが、水分または環境粒子は通すことができない材料により覆うことができる。
【0018】
他の態様では、空気袋は、バンプ区画領域(バンクコンパートメント)を含み、これは、複数の内側溶着線により定められた複数の開口部により形成された一連のクロスハッチの溝を持つ。他の態様では、1つまたは複数の空気袋は、足元に配置されている膨張メカニズムに連通接続(流体流動可能に接続)されているチャネルなどの複数の管を介して足元膨張メカニズムに連通接続することができる。さらに他の態様では、空気袋は、靴のバンプ上にX形を形成し、通気とフィット感を高めることができる。
【0019】
他の態様では、足元膨張メカニズムは、膨張したときに差し込まれた足の周りの従来のアッパーを締め付ける複数の可撓管を膨張させる。他の態様は、足元膨張メカニズムを備える膨張可能な中敷きである。他の態様では、膨張可能中敷きは、中敷き内の空気が所定の圧力に達したときに開く少なくとも1つの穿孔などの空気抜きメカニズムを備える。
【0020】
本発明の前記および他の特徴および利点は、付属の図面に明示されているように、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、明らかであろう。
「図面の簡単な説明」の中で使われている「上」、「下」、「前」、「後」、および「側」という用語は、参照のみを目的としており、靴に関する特定の特徴の特定の向きを表すことを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】靴の一実施形態の側面図である。
【図2】空気袋の一実施形態の上面図である。
【図3】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図4】図2または3の空気袋の靴底部分の上面図である。
【図5】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図6】図5の空気袋の靴底部分の上面図である。
【図7a】図7bに示されている逆止め弁および放出弁の組合せの一実施形態の一部の分解図である。
【図7b】逆止め弁および放出弁の組合せの一実施形態の分解図である。
【図7c】図7bの放出弁および逆止め弁の組合せの断面図である。
【図7d】動作中の図7bの放出弁および逆止め弁の組合せの断面図である。
【図8a】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の断面図である。
【図8b】図8aの円部分の詳細図である。
【図9】動作中の図8aの逆止め弁および放出弁の組合せの断面図である。
【図10】図8a、8b、および9の逆止め弁および放出弁の組合せの斜視図である。
【図11a】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の上面図である。
【図11b】図11aの逆止め弁および放出弁の組合せの概略断面図である。
【図12】シュノーケルアセンブリの一実施形態の分解斜視図である。
【図13】靴の他の実施形態の側面図である。
【図14】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図15】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図16】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図17】靴の他の実施形態の側面図である。
【図18】靴の他の実施形態の側面図である。
【図19a】かかとコンパートメントアセンブリの一実施形態の上面図である。
【図19b】図19aのかかとコンパートメントアセンブリの側面図である。
【図20】靴の他の実施形態の側面図である。
【図21】靴の他の実施形態の分解斜視図である。
【図22】靴の他の実施形態の側面図である。
【図23】膨張可能中敷きの一実施形態の上面図である。
【図24A】靴の他の実施形態の側面斜視図である。
【図24B】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図24C】図24Aの靴の他の上正面斜視図である。
【図24D】図24Aの靴の上面図である。
【図24E】図24Aの靴の後面斜視図である。
【図25A】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の上面斜視図である。
【図25B】図25Aの逆止め弁および放出弁の組合せの分解側面斜視図である。
【図25C】図25Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面図である。
【図25D】図25Cの直線D−Dにそって示されている逆止め弁および放出弁の組合せの断面図である。
【図25E】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の断面図である。
【図25F】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の断面図である。
【図26A】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の断面図である。
【図26B】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の断面図である。
【図27A】逆止め弁および放出弁の他の組合せの側面図である。
【図27B】図27Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面図である。
【図27C】図27Bの直線C−Cにそって示されている断面図である。
【図27D】図27Bの直線C−Cにそって示されている他の断面図である。
【図28A】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の上面分解図である。
【図28B】図28Aの直線B−Bにそって示されている断面図である。
【図29A】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の上面図である。
【図29B】図29Aの直線B−Bにそって示されている断面図である。
【図29C】図29Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面分解図である。
【図29D】図29Aの逆止め弁および放出弁の組合せの下面分解図である。
【図30A】図30Bの直線A−Aにそって示されている逆止め弁および放出弁の組合せの一実施形態の上部分断面図である。
【図30B】図30Aの直線B−Bにそって示されている断面図である。
【図30C】図30Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面分解図である。
【図30D】図30Aの逆止め弁および放出弁の組合せの下面分解図である。
【図30E】図30Aの逆止め弁および放出弁の組合せの正面図である。
【図30F】図30Aの逆止め弁および放出弁の組合せの側面図である。
【図31A】逆止め弁および放出弁の組合せの一実施形態の上面斜視図である。
【図31B】図31Cの直線B−Bにそって示されている図31Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上部分断面図である。
【図31C】図31Bの直線C−Cにそって示されている断面図である。
【図31D】図31Bの直線D−Dにそって示されている断面図である。
【図31E】図31Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面分解図である。
【図31F】図31Aの逆止め弁および放出弁の組合せの下面分解図である。
【図32A】調整可能逆止め弁の一実施形態の上面斜視図である。
【図32B】図32Aの調整可能逆止め弁の上面図である。
【図32C】図32Bの直線C−Cにそって示されている断面図である。
【図32D】図32Bの直線D−Dにそって示されている断面図である。
【図32E】図32Aの調整可能逆止め弁の上面分解図である。
【図32F】図32Aの調整可能逆止め弁の下面分解図である。
【図33A】サテライト膨張メカニズムの下面分解図である。
【図33B】図33Aのサテライト膨張メカニズムの上面分解図である。
【図34A】靴の他の実施形態の側面図である。
【図34B】図34Aの靴の対向側面図である。
【図34C】図34Aの靴の上面図である。
【図34D】図34Aの靴の正面図である。
【図34E】図34Aの靴の後面図である。
【図34F】図34Aの靴の下面図である。
【図34G】図34Aの靴の下面斜視図である。
【図34H】図34Aの靴の他の下面斜視図である。
【図34I】図34Aの靴の他の側面斜視図である。
【図35A】靴の他の実施形態の側面図である。
【図35B】図35Aの靴の対向側面図である。
【図35C】図35Aの靴の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のいくつかの実施形態は、図を参照しつつ説明されているが、それぞれの参照番号の一番左の数字は、一般に、参照数字が出現する図に対応している。特定の構成および配列が説明されているが、これは、例示目的のみのために説明されていることは理解されるであろう。当業者であれば、他の構成および配列も、本発明の精神および範囲から逸脱することなく使用できることを理解するであろう。本発明がさまざまな他の用途でも採用できることは当業者にとって明白なことであろう。
【0023】
本発明の一実施形態による右足用の靴は、図1において一般的に100で示されている。左足用の対応する靴は、靴100の鏡像とすることが可能であり、したがって、本明細書では示すことも説明することもしない。図1に示されているように、靴100は、一般的に108で示されているかかと領域、一般的に103で示されているアーチ領域、一般的に105で示されているバンプ領域、一般的に104で示されている前足領域、および一般的に106で示されている内側領域を持つ。本発明は、従来の皮革または布のアッパーを、特に典型的な運動靴のアッパーの内側にそって見られる追加フォームパディングとともに、必要としない。したがって、靴100は、靴底120およびアッパー110を含み、その少なくとも一部は、膨張可能空気袋130全体を含む。それに加えて、図1のアッパー110は、つま先部分134を持つ。図1に示されているように、つま先部分134は、空気袋130から作られる必要はない。しかし、他の実施形態では、空気袋130は、つま先部分134を含む、アッパー110のいずれかまたはすべての部分を形成することができる。アッパー110は、一般的に112で示される開口部を持ち、これは、靴を履く人の足を受け入れるように設計されている。
【0024】
靴を履く人がいつでも空気袋内の空気の量をカスタマイズできるために、空気袋130は、膨張メカニズムと連絡している。図1に示されている一実施形態では、汎用的な膨張メカニズム140が、靴のかかと領域内の空気袋130に取り付けられている。しかし、他の実施形態では、膨張メカニズム140は、靴のべろ、靴底、靴の側面、または靴の他の領域に配置することができ、これは、当業者にとっては明白なことであろう。例えば、靴のべろに膨張メカニズムを取り付けている他の実施形態は、図2を参照しつつ後の方で説明する。
【0025】
本発明では、さまざまな異なる膨張メカニズムを使用することができる。膨張メカニズムは、例えば、靴に物理的に取り付けられる単純なラテックスバルブとすることができる。それとは別に、膨張メカニズムは、図1に示されているような成型プラスチック室であるか、または空気袋を膨張させるためにCO2ガスを使用するものなどのハンドヘルド型ポンプとすることができる。最後に、図3および図5を参照しつつ説明されるように、空気袋の一部は、空気袋の残り部分から隔離することができる。この隔離された部分は、一方向弁を介して空気袋の残り部分と流体流動可能に連絡する。この一方向弁を使用することで、隔離されている部分は、膨張メカニズムとして動作することができる。空気袋の隔離されている部分を膨張メカニズムとして動作させることは、好ましくは、利用者が活動に没頭しているときに空気袋を自動的に膨張するための足元空気袋に好適である。しかし、このような膨張メカニズムは、靴のどのような部分でも使用することができる。好ましくは、膨張メカニズムは、小さく、軽量なものであり、十分に膨張させるのにわずかな労力で済むように十分な量の空気を供給する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,987,779号では、一方向逆止め弁とともに(さまざまな形状の)バルブを含む膨張メカニズムについて説明している。バルブが圧縮されると、バルブ内の空気は所望の領域内に強制的に押し込まれる。バルブが解放されると、バルブ内の圧力がなくなるため逆止め弁が開き、周囲の空気がバルブ内に入る。
【0026】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、米国特許第5,987,779号にも説明されている、他の膨張メカニズムは、一方向弁として作用する孔を備えるバルブである。圧縮後、指をバルブの孔の上に置くことができる。したがって、空気は、その孔を通って漏れることを許されず、所望の場所に強制的に押し込まれる。指を除けると、周囲の空気が、その孔から入り込む。さらに大きな量の空気を押しのけるために折り畳み可能な壁を持つ膨張メカニズムが好ましい場合がある。類似の膨張メカニズムは、一時的に折り畳み可能なフォームインサートを含むことができる。このフォームインサートにより、バルブが解放されたときに、バルブがフォームインサートの自然な体積まで膨らみ、空気を引き込み、その体積を満たす。好ましいフォームは、Woodbridge Foam Fabricating(37406テネシー州チャタヌーガ1120−T Judd Rd.)社が市販しているパーツ番号FS−170−450TNの4.25〜4.79ポンド/立方フィートのポリエーテルポリウレタンフォームなどのポリウレタンである。
【0027】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、米国特許第6,287,225号では、本発明に好適な他の種類のオンボード膨張メカニズムについて説明している。当業者であれば、さまざまな膨張メカニズムは本発明に好適であることを理解できる。それに加えて、膨張メカニズムは、本発明のどのような実施形態とも使用するのに適している。
【0028】
図1に示されている膨張メカニズムは、プラスチック製折り畳み可能ケースを含むアコーディオンスタイルの膨張メカニズムである。空気は、膨張メカニズム外部に開いている孔を通して入り込む。膨張メカニズムは、システム内に強制的に送り込まれる空気の量を増やすためにケーシングがアコーディオンのように折り畳まれることを除き、バルブ膨張メカニズムに関して上で説明されているのと同様に動作する。解放された後、アコーディオンスタイルのケーシングは膨張し、空気がケーシング内に強制的に送り込まれ、ケーシング内の圧力を調整する。
【0029】
これらの膨張メカニズムはすべて、一方向弁を膨張メカニズムと空気袋130との間に置くことが必要であり、いったん空気がシステム内に入ると、膨張メカニズム内に逆流することはできない。さまざまな種類の一方向弁は、本発明のさまざまな膨張メカニズムとともに使用することに適している。好ましくは、この弁は、小さいかさ高性(バルキネス)に対し比較的小さく、平坦である。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Pekarの米国特許第5,144,708号では、本発明に好適な弁について説明している。この特許では、熱可塑性シート間に形成された弁について説明している。Pekar特許で説明されている弁では、単純な製造技術を使用することができ、それにより、弁を空気袋が溶着されるのと同時にシステム内に組み込むことができる。当業者であれば、さまざまな好適な弁が本発明において考察されていることを理解できる。
【0030】
一方向弁は、システムの過剰膨張を回避する方法を提供する。特に、空気袋内の圧力が膨張メカニズムにより加えられる圧力に等しい場合、システム内にさらに空気が入り込むことはできない。実際、空気袋内の圧力と圧縮された膨張メカニズムの圧力との間で平衡状態に達すると、開いて空気を膨張メカニズムから空気袋130に移動させることができる一方向弁は、閉じたままとすることができる。この弁が開いても、空気はシステム内に入り込まない。さらに、当業者であれば、空気袋130内にポンプで送り込むことができる空気の量を制限する一定の圧力出力を行うようにポンプを設計することができる。一方向弁も、当業者に知られているように、類似の効果をもたらす。それに加えて、一方向弁は、本発明のどのような実施形態にも使用するのに適している。
【0031】
図1に示されているような一実施形態は、空気抜き弁109を含むことができる。図1の特定の空気抜き弁は、放出弁である。放出弁は、空気袋130に連通接続され、放出弁により、特に好ましい快適レベルが空気袋により他の何らかの形で与えられる圧力限界よりも小さい場合に、利用者は、空気袋130内に挿入される空気の量を個人的に調整することができる。放出弁は、どのような種類の放出弁をも含むことができる。ある種の放出弁は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,987,779号で説明されているプランジャ型であり、空気は、空気袋の壁からシールを押して遠ざけるプランジャが押された後放出され、これにより空気が漏れる。特に、放出弁は、プランジャを閉位置でバイアスするバネを持つことができる。プランジャの周りのフランジは、空気がプランジャとリリースフィッティングとの間から漏れるのを防ぐことができるが、それは、フランジが閉位置でバイアスされ、リリースフィッティングと接触しているからである。空気袋130から空気を放出するために、プランジャが利用者によって押される。次いで、空気がプランジャの柄の周りから漏れる。このタイプの放出弁は、機械構造上単純で、軽量である。放出弁のコンポーネントは、プラスチックまたは金属を含む数多くの異なる材料から作ることができる。どのような放出弁も、本発明の実施形態で使用するのに適している。
【0032】
図1は、靴100の空気抜き弁109の可能な配置のうちの1つを示している。しかし、空気抜き弁109は、当業者には明らかなように、空気袋130と連通接続されているとした場合に数多くの異なる場所に配置することができる。それに加えて、靴100は、複数の空気抜き弁を備えることができる。
【0033】
それとは別に、空気抜き弁109は、空気袋130内の圧力が所定のレベル以上のときに開く逆止め弁、または吹き出し弁であってもよい。これらの状況のそれぞれにおいて、空気袋130は、利用者が靴をどれだけ膨張させようとしてもある量を超えて膨張することはない。
【0034】
ある種の逆止め弁は、可動シーティング部材を空気袋内の開口部にあてがって保持するバネを持つ。空気袋の内側の空気の圧力が一方の方向で可動シーティング部材に及ぼす圧力が他方の方向でバネが引き起こす圧力よりも高い場合、可動シーティング部材は、開口部から離れて行き、それにより空気が空気袋から漏れ出る。他の種類の逆止め弁は、Vernay Laboratories,Inc.(Yellow Springs、米国、オハイオ州)から市販されている、Silicone VL1001M12で作られているVA−3497 Umbrella Check Valve(Part No.VL1682−104)などの傘弁である。それに加えて、他の逆止め弁は、当業者にとっては明らかなように、本発明で使用するのに適している。さらに、逆止め弁は、本発明のどの実施形態で使用するのにも適している。
【0035】
他の実施形態では、空気抜き弁109は、調整可能逆止め弁とすることができ、利用者は、弁が解放される圧力を調整することができる。調整可能逆止め弁は、工場設定圧力ではなく個々に好ましい圧力に設定されるという付加利益を有する。調整可能逆止め弁は、前段で説明されているバネおよび可動シーティング部材構成に似たものであってもよい。しかし、調整可能にするために、弁はバネの張力を加減するメカニズムを備えることができ、これにより、バネの力を克服し、可動シーティング部材を空気袋の開口部から遠ざけるために空気圧力を増やしたり減らしたりする必要がある。しかし、当業者には明らかなように、どのような種類の調整可能逆止め弁も、本発明で使用するのに適しており、どのような調整可能逆止め弁も、本発明の実施形態で使用するのに適しているであろう。
【0036】
空気袋130は、複数の種類の空気抜き弁109を備えることができる。例えば、空気袋130は、逆止め弁と放出弁の両方を備えることができる。それとは別に、空気袋130は、放出弁および逆止め弁の組合せである空気抜き弁109を含むことができる。
【0037】
ときどき、利用者は、空気袋の膨張を完全にオフにしたい場合もある。そのため、空気抜き弁109の他の実施形態は、開いたままにできる放出弁を備える。空気袋内の圧力増加は、開放弁により逃される。オフになる放出弁および/または調整可能な逆止め弁などの放出弁および逆止め弁の特徴は、さらに、図7A〜7D、8A〜8B、9、10、11A〜11B、25A〜25F、26A〜26B、27A〜27D、28A〜28B、29A〜29D、30A〜30F、31A〜31F、および32A〜32Fに関して以下で詳しく説明されているような逆止め弁および放出弁の組合せに組み込むことができる。
【0038】
一実施形態では、所定の圧力に達したら空気が空気袋を通じて自然に拡散できるように小さな穿孔を空気袋内に形成することができる。空気袋130を作るために使用される材料は、これらの穿孔が一般的に閉じたままとなるような柔軟な材料で作ることができる。空気袋内の圧力が所定の圧力よりも高くなると、空気袋の両側にかかる力により、穿孔が開き、空気が漏れる。空気袋130内の圧力が所定の圧力よりも低い場合、空気はこれらの穿孔からたとえ漏れるとしても非常にゆっくりと漏れる。本発明の空気袋のどの実施形態も、空気袋内の空気の量を制御するためこうした穿孔を持つことができる。
【0039】
空気袋130は、外面層またはフィルムおよび同じ広さの内面層またはフィルムから形成することができる。空気袋は、図2の空気袋230に示されているような、さまざまな構成で成形することができる。内面層および外面層は、製品指定番号MP1880などの、マサチューセッツ州ノーサンプトンのJ.P.Stevens&Co.,Inc.社が市販しているような軽量のウレタンフィルムとすることができる。それとは別に、これらの層は、酢酸エチルビニルの薄いフィルムまたは類似のバリアフィルムとすることができる。内面層および外面層は、異なる材料から形成することもできる。それに加えて、外面層は、ウレタンフィルムおよび薄い繊維または合成材料を張り合わせて形成したラミネートとすることもできる。内面層は、気密周辺溶着線210にそって外面層に取り付けられる。周辺溶着線210は、外面層を内面層に付着させ、層と層の間の空気を保つバリアを作成する。
【0040】
外面層を内面層に張り付ける好適な方法の一実施例は、高周波(RF溶着)を第1および第2のフィルムの縁に印加することである。外面層および内面層は、それとは別に、熱溶着または超音波溶着でくっつけるか、または他の気密手段により貼り合わせることができる。内部溶着線220も、備えられる。これらの内部溶着線220は、さらに、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、または他の好適な手段により形成され、また以下で詳しく説明される本発明のコンパートメント(区画領域)を形成する。外面層および内面層は、周辺溶着線210および内面接線220にそって取り付けられるだけである。したがって、空気、他のガスまたは液体などの流体を外面層と内面層との間に導き入れることができるポケットまたは空気袋が形成される。シートをすべての溶着線にそって溶着して張り合わせ、次いで、金型で切断して、所定の形状を形成する。それとは別に、空気袋130は、ブロー成型、押し出し成型、射出成型およびシーリング、真空形成、または熱可塑性材料を使用した他の熱成形プロセスにより形成することができる。
【0041】
空気袋130は、図1の一実施形態に見られるように、アッパー110の外面および/または内面の少なくとも一部を形成するので、本発明の空気袋は、さらに、外面層および内面層の一方または両方に接着またはラミネートされた外部材料の薄い層で形成することもできる。接着は、空気袋の形成前または後に行うことができる。好適な材料の1つは、LYCRA(登録商標)(DuPontから市販されている)である。LYCRA(登録商標)は、柔軟で通気性のある材料である。それとは別に、外面および内面層の一方または両方を、フォームラミネート、任意の種類の合成材料、または当業者が利用可能な、または靴の生産で典型的に使用される任意の他の材料に接着することができる。好ましい一実施形態では、接着された材料を使用するまたは使用しない空気袋は、靴の外面および内面の両方の一部を形成する。図2に戻ると、空気袋230は、内側コンパートメント254、横コンパートメント256、内側かかとコンパートメント259、横かかとコンパートメント258、およびアーチコンパートメント252、かかとコンパートメント260、中足コンパートメント262、および前足コンパートメント264と指定されている靴底コンパートメントを含む複数のコンパートメントを含む。靴の内側に配置されているこれらのコンパートメントは、靴のアキレス腱部分に配置されている流体接続接合部(連通合流部)274を介して靴の横側に配置されているコンパートメントに連通接続される。図2に示されている実施形態では、膨張メカニズム208は、内側コンパートメント254に連通接続され、内側かかとコンパートメント259への通路272を介して連通接続される。内側コンパートメント254は、足の内側に緩衝作用をもたらし、足のアーチの下に緩衝作用をもたらすアーチコンパートメント252に相互に連通接続される。内側コンパートメント254は、さらに、通路276を介して内側かかとコンパートメント259に連通接続され、接続接合部274を介して横かかとコンパートメント258に接続され、かかと領域108の周りに緩衝作用をもたらす。横かかとコンパートメント258は、足の横側にそって緩衝作用をもたらす通路278を介して横コンパートメント256に連通接続される。
【0042】
横コンパートメント256は、足のかかとに緩衝作用をもたらすかかとコンパートメント260に連通接続されている。かかとコンパートメント260は、さらに、通路280を通じて接続接合部274に連通接続される。かかとコンパートメント260は、中足コンパートメント262および前足コンパートメント264に相互に連通接続される。図2に示されているように、内側コンパートメント254、横コンパートメント256、中足コンパートメント262、横かかとコンパートメント258、および内側かかとコンパートメント259は、さらにコンパートメント化される。これにより、靴100および空気袋230は、曲がりやすくなり、さらに利用者の足に適合する。
【0043】
図2に示されている空気袋は、足の側面を含む、足全体に緩衝作用をもたらし、足全体にフィットするようにあつらえられている。これにより、靴を履く人の快適さが向上する。さらに、足の側面に配置されているコンパートメントは、足の下側に配置されている異なるコンパートメントに連通接続されているため、足の下に配置されているコンパートメントが圧縮されると、空気は、靴の両側に流れ込むことができる。横コンパートメント256がかかとコンパートメント260に連通接続され、内側コンパートメント254がアーチコンパートメント252に連通接続されている空気袋230が示されているが、当業者であれば、足の側面およびかかとにそって配置されるコンパートメントは、靴の底から靴の側面へ、またその逆方向に空気が移動できるように足の下に配置されているコンパートメントのうちのどれか1つに連通接続されることが可能であることは理解するであろう。さらに、他の実施形態では、空気袋230に含めるコンパートメントの数を加減することも可能であり、空気袋230のコンパートメントは、当業者には明らかなように、他のサイズまたは形状とすることもできる。
【0044】
好ましい一実施形態では、空気袋230は、前足コンパートメント264、かかとコンパートメント260、およびアーチコンパートメント252に示されているような溶着部270を含むことができる。溶着部270は、空気袋が充満形状になっている場合(例えば、空気がポンプで空気袋に送り込まれている場合)に、空気袋の厚みを制御するために使用される。溶着部270は、さらに、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、または他の適当な手段により形成される。空気袋230を最小の厚みに膨らませることが望ましい空気袋の領域では、円形溶着部270の密度は、空気袋130の膨張の際にさらに厚みを増すことが許容されるか、望ましい面積よりも大きくすることができる。これらの溶着部は、円形または三角形、楕円形、または正方形などの他の幾何学的形状とすることができるが、ただし、本発明の空気袋の膨張寸法を制限し、制御するような形状である。
【0045】
図2に示されているように、空気抜き弁109は、空気袋230の横コンパートメント256内に配置することができ、膨張メカニズム208は、内側コンパートメント254に連通接続することができる。しかし、他の実施形態では、膨張メカニズム208および空気抜き弁109は、当業者には明らかなことであるように、空気袋230の任意の領域内に配置することができるか、またはまるっきりなくすことができる。図2は、細長い膨張メカニズムを示しており、これは、靴のべろ部分にそって丸型バルブまたはアコーディオンスタイルの膨張メカニズムよりもフィットしやすくできる。前述のように、どのような種類の膨張メカニズムも、当業者にとっては明らかなように、本発明で使用するのに適している。同様に、空気袋130を参照しつつ、上で説明されているすべての種類の空気抜き弁は、膨張袋230などの一実施形態において使用することができる。膨張袋230は、さらに、上述のように、空気袋230内の空気の量を制御するために穿孔または一方向弁を使用することができる。
【0046】
図3は、空気袋330の他の実施形態を示しており、かかとコンパートメント308は、足のかかと領域の下で膨張メカニズムとして動作する。孔は、かかとコンパートメント308内に配置され、そのため、1歩踏み出すことに、孔がシールされ、かかとコンパートメント308内に配置されている空気は、一方向弁320を通って横コンパートメント356内に強制的に送られ、さらに空気袋330の残り部分を通る。かかとから孔に当たる下方圧力は、気密シールを作り出し、かかとコンパートメント308内の空気は、一方向弁に強制的に通される。一方向弁320により、流体は、図3の矢印の方向と反対の方向にのみ流れる。歩行周期が続くとともに、足のかかとが上がり、かかとコンパートメント308にかかっている圧力が解放され、孔を覆っているシールが外れる。空気は、好ましくは靴の内側からまたはそれとは別に靴の外側を向く管から、孔に強制的に通され、かかとコンパートメント308内の圧力を等しくする。その結果、踏み出す毎に空気を一貫して空気袋330に供給する膨張メカニズムが形成される。それとは別に、バタフライ弁を孔の代わりに使用することが可能である。一実施例は、参照により開示が本明細書に組み込まれる、Pekarの米国特許第5,372,487で開示されている。また、それとは別に、かかとコンパートメント308は、一般にかかとコンパートメント308の体積に等しい折り畳み可能なフォームインサートを含むことができる。足のかかとはフォームインサートとかかとコンパートメント308を典型的な歩行周期で圧縮する。かかとが離れると、フォームインサートは膨張して元の形状に戻り、かかとコンパートメント308の体積を膨らませ、空気がかかとコンパートメント308の膨張とともに入るようにすることができる。フォームインサートを備えるかかとコンパートメントの他の実施例は、図5を参照して以下で詳しく説明される。さらに、サテライト(衛星)膨張メカニズムまたは水分および他の環境条件バリアを持つ膨張メカニズムなど、説明されているまたは以下で他の何らかの形で開示されている他の足元ポンプを、かかとコンパートメント308の代わりに使用することができる。
【0047】
横コンパートメント356は、さらに、通路322を通って中足コンパートメント362に連通接続され、前足コンパートメント364は、一方向弁380を通じて横コンパートメント356に連通接続される。図3は、前足コンパートメント364内の第2の膨張メカニズムを示している。この膨張メカニズムは、かかとコンパートメント308について上で説明されている膨張メカニズムと同じように動作するように設計されている。この実施形態では、空気は、前足が前足コンパートメント364内に転がり込むと一方向弁380を通して横コンパートメント356内に強制的に送り込まれる。空気は、上述のような孔を介して、または上述のような弁を介して、前足コンパートメント364に入る。また、前足コンパートメント364は、かかとコンパートメント308について上で説明されているように、フォームインサートを含むことができる。つまり、図3の靴は、2つの膨張メカニズムを使用し、これらがともに動作して空気袋を膨張させる時間を短縮する。かかとに1つと前足に1つの2つの膨張メカニズムを使用することにより、利用者は、数歩進むだけで靴の膨張を感じ始める。
【0048】
図3では、前足コンパートメント364とかかとコンパートメント308は、両方とも空気袋を膨張させることを示している。それとは別に、前足コンパートメント364は、かかとコンパートメント308が空気袋の他の部分を膨張させている間、空気袋の一部分を膨張させるように向け付けることができることは理解されるであろう。溶着線を使用して、この結果を出せるように空気袋の一部を隔離することができる。
【0049】
横コンパートメント356は、流体通路370を通じて横かかとコンパートメント357に連通接続される。横かかとコンパートメント357は、流体接続接合部358を介して内側かかとコンパートメント359に連通接続され、靴100のかかと部分108の周りをサポートする。内側かかとコンパートメント359は、流体通路372および374を通じて内側コンパートメント354に連通接続される。内側コンパートメント354は、さらに、アーチコンパートメント352にも連通接続される。
【0050】
図3は、前足コンパートメント364、中足コンパートメント362、横コンパートメント356、内側コンパートメント354、横かかとコンパートメント357、および内側かかとコンパートメント359は、図2の類似の特徴と同じ目的のためにさらにコンパートメント化することができることを示している。また、アーチコンパートメント352は、図2で説明されているのと類似の溶着部270を持つことができる。
【0051】
したがって、足が典型的な歩行周期を歩むと、足により足元に配置されているさまざまなコンパートメントに引き起こされる圧力のため、空気が強制的に空気袋のさまざまな他の連通接続されている部分に送られ、足の内側、横側、およびかかとの周囲のサポートが高められる。
【0052】
図3で説明されている実施形態は、さらに、空気袋330を大気へ開き空気袋330内の空気の量を減らす空気抜き弁109を備えることもできる。空気袋330は、図7a〜7dに関して以下で説明されているように、靴を履く個々の人が自分が望む量だけ圧力を解放することができる放出弁、空気袋330内の空気圧が所定の圧力に達したときにのみ開く逆止め弁、またはそれらの組合せを備えることができる。空気袋330は、それとは別に、調整可能逆止め弁を備えることができ、利用者は、弁が開く圧力を調整することができる。空気袋330は、空気袋130の実施形態に関して上で説明されているように、それ自体が圧力を調整するためのシステムとして動作しうる一方向弁を持つ1つまたは複数の膨張メカニズムを備えることができる。他の実施形態では、本発明の空気袋330は、靴のべろ、靴のかかと近く、靴の横側または内側、または当業者には明らかな靴の他の場所に配置されている1つまたは複数の手動で動作する膨張メカニズムを備えることができる。
【0053】
図4に示されているような一実施形態では、図2および3に説明されているのと似た本発明の空気袋は、靴を履く人の足元に配置されているS字型のスティッチ490により縫い合わされる。この縫い合わせは、空気袋がダイスカットされるときに形成される周辺溶着線の縫い合わせマージン内に置かれる。この縫い合わせで、アーチコンポーネント252/352の周辺溶着部の一部を中足コンパートメント262/362およびかかとコンパートメント260/308の周辺溶着部にあてがい図2および3の流体結合部274、358の下の領域408に配置されている周辺溶着部に接続する。さまざまなコンパートメントが縫い合わされるため、本発明の空気袋は、靴を履く人の足を完全に包み込むブーツを形成する。本発明のコンポーネントは縫い合わされるため、図2および3の内側コンパートメント254、354、および図2および3の横コンパートメント256、356は、他のコンパートメントからのサポートを受ける。このサポートにより、本発明の空気袋は、アッパー自体として機能することができる。
【0054】
縫い合わせは、空気袋のこれらの部分を接続するための一方法にすぎない。それとは別に、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で接着することができる。
【0055】
図5では、空気袋530が他の設計を採用している他の実施形態が説明されている。空気袋530は、流体通路512を通じて横コンパートメント554に連通接続される、前足コンパートメント564を備える。横コンパートメント554は、流体通路514および516を通じて流体接続接合部558に連通接続される。横コンパートメント554および内側コンパートメント556は、接続接合部558上に連通接続され、足のかかとに緩衝作用をもたらす。流体接続接合部558は、流体通路518および524を通じて内側コンパートメント556に連通接続される。内側コンパートメント556は、流体通路522を通じて中足コンパートメント562に連通接続される。かかとコンパートメント508は、一方向弁550を通じて中足コンパートメント562に連通接続される。それぞれのコンパートメントの形状およびサイズは異なることができ、当業者には明らかなように、さまざまな内部溶着線を追加したり、または取り除いたりすることにより何らかの方法を使用して連通接続することができる。さらに、他の実施形態が備えるコンパートメントの数を増やしたり減らしたりすることもできる。
【0056】
横コンパートメント554および内側コンパートメント556のそれぞれは、コンパートメントの残り部分に連通接続されていない内部溶着線から形成されたポケットを持つことができる。横ポケット532は、横コンパートメント554内に配置され、内側ポケット534は、内側コンパートメント556内に配置される。これらのポケットは、実際には、膨張できず、2つの層は互いに対して平たいままであるか、または事前に膨張させておくことが可能である。いずれの場合も、このイメージでは、それらは、空気袋の残り部分の調整可能な膨張システムの一部ではない。さらに、空気袋530は、第3のポケット528を備える。この第3のポケットは、足元、足の横側、およびかかと領域108をサポートする。同様に、第4のポケット526は、かかと領域108をサポートする。ポケット528および526を囲む溶着線は、ポケット528および526の内部のフィルムシートを溶着して張り合わせなくても、膨張した空気袋からその領域を離しておく。それとは別に、横ポケット532および内側ポケット534を取り除き、空気袋の開口部を532および534と指定された場所に残すことが可能である。
【0057】
空気袋530は、前足コンパートメント564および中足コンパートメント562に示されているような溶着部270を含むことができる。溶着部270は、本発明の空気袋の膨張寸法を制限し、制御するものであれば、どのような形状のものでもよい。例えば、細長い溶着部540は、前足コンパートメント564、横コンパートメント554、および内側コンパートメント540内に見られる。細長い溶着部540は、さらに、空気袋530の膨張寸法を定義し、制限する。
【0058】
膨張メカニズムは、本発明の他の実施形態について説明されているように使用することができる。ただし、好ましいのは、かかとコンパートメント508を膨張メカニズムとして使用することである。図5からわかるように、かかとコンパートメント508は、フォームコア510を含む。フォームコア510は、Woodbridge Foam Fabricating(37406テネシー州チャタヌーガ1120−T Judd Rd.)社が市販しているパーツ番号FS−170−450TNの4.25〜4.79ポンド/立方フィートのポリエーテルポリウレタンフォームなどの従来の多孔性ポリウレタンフォームである可能性がある。利用者のかかとが典型的歩行周期で踏み下ろす毎に、かかとコンパートメント508およびフォームコア510は圧縮される。かかとコンパートメント508およびフォームコア510内の空気は、強制的に、一方向弁550に通され、中足コンパートメント562内に送られ、空気袋530の他の連通接続されているコンパートメント全体に行き渡る。利用者のかかとが上がると、空気が孔を通して、または大気中に開いている一方向弁を通して、かかとコンパートメント508内に入る。フォームコア510は、自然な弾性力を持ち、そのため、フォームが自然状態に膨張し、かかとコンパートメント508がそれともに必ず膨張する。空気は、かかとコンパートメント508の体積全体に広がり、そこを占有する。さらに、足元膨張メカニズムを持つ靴は、実質的に膨張メカニズムに隣接する意図された凹み、つまりキャビティ(図に示されていない)および実質的に膨張メカニズムの形状を持つ靴底を備えることができる。靴が製造されるときに、膨張メカニズムが意図された凹みの中に挿入される。典型的な歩行周期において、膨張メカニズムが、意図された凹みと足との間で圧縮され、それにより足は意図された凹みの中に沈み込むことができる。意図された凹みは、靴の本底または中底部分のいずれかに配置することができる。
【0059】
空気袋530は、圧力上昇量を制限するための技術として穿孔または一方向弁を使用することができる。それとは別に、空気抜き弁109は、放出弁、逆止め弁、逆止め弁および放出弁の組合せ(以下参照)、調整可能逆止め弁、開いたままにできる放出弁、またはそれらの組合せとすることができる。さらに複数の種類の空気抜き弁109を使用することができる。図5は、汎用的な空気抜き弁109の1つの場所を示しているが、空気抜き弁は、空気袋530のどの部分にも配置することができる。
【0060】
図6に示されているような一実施形態では、図5に説明されているのと似た本発明の空気袋は、利用者の足元に配置されているJ字型のスティッチ690により縫い合わされる。この縫い合わせは、空気袋が形成されるときに形成される縫い合わせマージン内に置かれる。この縫い合わせで、図5に示されているように、前足コンパートメント564の周りの周辺溶着線の一部を中足コンパートメント562の周りの周辺溶着線に接続し、第3のポケット528を中足コンパートメント562の周りの周辺溶着線およびかかとコンパートメント508に接続する。それに加えて、かかとコンパートメント508の周りの周辺溶着線は、第4のポケット526に隣接する周辺溶着線に縫い合わされる。さまざまなコンパートメントが縫い合わされるため、本発明の空気袋は、靴を履く人の足を完全に包み込むブーツを形成する。このブーツのサポートにより、本発明の空気袋は、アッパー自体として機能することができる。縫い合わせは、空気袋を構成するための一方法にすぎない。それとは別に、周辺溶着線は、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で接着することができる。
【0061】
足元膨張メカニズムを持つ本発明の空気袋および靴の追加の実施形態を、図13〜18、20〜23、24A〜24E、34A〜34I、および35A〜35Cを参照して以下で説明する。さらに、サテライト足元膨張メカニズムは、図33Aおよび33Bを参照して以下で説明される。
【0062】
上で説明されているように、本発明は、逆止め弁および放出弁の組合せを含むことができる。この逆止め弁および放出弁の組合せは、図7a〜7dに示されている。放出弁と逆止め弁の組合せ701は、スリーブ704、バネ702、ベース706、傘弁708、およびキャップ710から作られる。図7aは、スリーブ704がベース706内でサポートされるのを示す分解図である。スリーブ704は、バネ702の上に載るリップ712を持つ。バネ702は、ベース706内に収まる。スリーブ704は、好ましくは、リップ712の高品質面が保証されるようにアルミニウム製である。それとは別に、スリーブ704は、多くのプラスチック材料または当業者に知られている他の材料から作ることができる。好ましくは、放出弁および逆止め弁の組合せ701の材料はすべて軽量のものである。バネ702は、好ましくはステンレス製であるが、さまざまな金属または他の材料から作ることができる。
【0063】
図7bは、放出弁および逆止め弁の組合せ全体701の分解図である。キャップ710は、表面部分738および側面部分740を持つ。キャップ710およびベース706は、両方とも、成型プラスチックから形成することができる。好ましくは、キャップ710およびベース706は、射出成型樹脂から形成される。例えば、キャップ710は、Estane 58863(硬度85A)から射出成型することができるが、ベース706は、Bayer樹脂(硬度60D)から射出成型することができる。それとは別に、キャップ710およびベース706は、同じ樹脂から射出成型することができる。傘弁708は、図7aに示されているように、スリーブ704の底部の孔730を通して据え付けられる。組み立てられた放出弁および逆止め弁の組合せ701は、図7cに示されており、この場合放出弁メカニズムは作動していない。ベース706は、空気袋と接触している。空気は、本発明の空気袋に連通接続されているベース706内の孔720を介して放出弁および逆止め弁の組合せ701に入る。図7cは、傘の一般的形状を有し、スリーブ704に当たって気密シールを形成する傘弁708を示している。傘形状は、一般的に真ん中が厚いが、静止しスリーブ704に当たって気密シールを形成する薄いフラップ718を形成する。空気袋からの空気は、傘弁708のベース内に配置された第1のスロット722を通り、また傘の下に配置されている第2のスロット724を通る。傘弁708は、好ましくは、厚いときには剛性が高く、薄いときにはいくぶん柔軟な、シリコーンなどの材料で作られ、したがって、薄いフラップ718はいくぶん弾力がある。傘形状の下の空気圧、したがって本発明の空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ718は、変形し、持ち上がってスリーブ704から離れる。次いで、空気は、キャップ710の表面部分738内の孔716を通って漏れる。点線728は、放出弁および逆止め弁の組合せ701の放出弁部分を通る空気のルートを示している。空気袋内および傘の下の空気圧が所定の圧力以下になると、薄いフラップ718は自然な形状に戻り、再びスリーブ704に当たってシールを形成する。Vernay Laboratories,Inc.(米国オハイオ州イエロースプリングス)からVA−3497 Umbrella Check Valve(パーツ番号VL1682−104)として市販されている、好ましい傘弁708は、典型的には、空気袋内の圧力が1平方インチ当たり約5ポンドになると変形する。しかし、どのような種類の傘弁も、当業者にとっては明らかなように、本発明の逆止め弁および放出弁の組合せに適している。
【0064】
図7cに示されているようなバネ702は、軽く圧縮された状態になり、上述のように、漏れてよい空気のみが傘弁708を通るようにスリーブ704をしっかり保持し、キャップ710に当たって気密にする。特に、気密シールは、キャップ710から突き出ている成型された蝶番714に当たるスリーブ704のリップ712の圧力により形成される。図7dからわかるように、キャップ710の表面部分が押されると、キャップ710は変形する。これが生じると、表面部分738はフラットになり、スリーブ704の上部縁742を下に押す。スリーブ704が強制的に下方に押されると、バネ702が圧縮し、リップ712が蝶番714から引き離される。蝶番714とリップ712との間のギャップ726により、空気はキャップ710内の孔716から外へ漏れる。点線729は、放出弁および逆止め弁の組合せの放出弁部分が作動したときの空気流の経路を示している。指または親指でキャップ710の上部に配置されている孔を覆い、空気が孔716を通って漏れるのを防ぐのを避けるために、一実施形態は、キャップ710の表面部分738から突き出ているエクステンションまたは壁を含むことができる。例えば、一実施形態は、孔716の外側のリング形状の壁(図に示されていない)を持つことができる。リング形状の壁は、さらに、壁の側面に孔を有し、それにより、指または親指がリング形状の壁に置かれたときに、指または親指ではなく壁がキャップ710を押し下げる。孔716を通って漏れる空気は、それでも上部から指または親指で捕らえられるが、リング形状の壁の側面の孔を通って漏れ出る。他の実施形態は、表面部分738の中心から突き出ているエクステンションを持つことができる。エクステンションが押されると、キャップ710は、孔716を覆うことなく押し下げられる。追加のキャップをエクステンションまたは壁の上に配置し、これにより、指または親指でエクステンションまたは壁を押し下げるためのより大きな表面を得ることができる。その結果、空気が、キャップ710と追加のキャップとの間のギャップから出てくることができる。
【0065】
図8a、8b、および9は、他の放出弁および逆止め弁の組合せ801を示している。放出弁と逆止め弁の組合せ801は、ベース806、傘弁808、およびキャップ810から作られる。したがって、放出弁および逆止め弁の組合せ801は、部分品と材料が少なく、したがって、図7に示されている放出弁および逆止め弁の組合せよりも好ましい。図8aは、ベース806、傘弁808、およびキャップ810の断面を示しているが、放出弁メカニズムは作動していない。図8bは、図8aにおいて丸で囲まれている放出弁および逆止め弁の組合せ801の部分の詳細図である。くさび形部分844は、蝶番部分846により側面部分840に取り付けられる。好ましくは、キャップ810およびベース806は、図7a〜7dの放出弁および逆止め弁の組合せ701に関して上で説明されているものの1つまたは複数に類似の射出成型樹脂から形成されている。キャップ810およびベース806は、同じ樹脂または異なる樹脂から作ることができる。
【0066】
ベース部分848は、キャップ部分842と接触している。ベース部分848およびキャップ部分842は、気密シールを形成する。好ましくは、この気密シールは、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で形成される。ベース806は、放出弁および逆止め弁801が作動していないときにくさび部分844が押されて当たる出っ張り850である。くさび部分844および出っ張り850は、気密シールを形成する。
【0067】
傘弁808は、図8aに示されているように、ベース806の孔830を通して据え付けられる。傘弁808は、傘の一般的形状を持ち、出っ張り850の上面817に当たる気密シールを形成する。傘形状は、一般的に真ん中が厚いが、静止し出っ張り850の上面817に当たって気密シールを形成する薄いフラップ818を形成する。空気袋からの空気は、傘弁808の柄にそって配置されているスロット822を通って移動する。傘弁808は、好ましくは、厚いときには剛性が高く、薄いときにはいくぶん柔軟な、シリコーンなどの材料で作られ、したがって、薄いフラップ818はいくぶん弾力がある。傘形状の下の空気圧、したがって本発明の空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ818は、変形し、持ち上がって出っ張り850の上面817から離れ、これは、図7a〜7dに関して上で説明されている傘弁708の動作に似ている。空気は、空気袋から点線828にそってキャップ810内の孔816から大気中へ出る。空気袋内および傘の下の空気圧が所定の圧力以下になると、薄いフラップ818は自然な形状に戻り、再びベース806に当たってシールを形成する。図7a〜7dに関して上で説明されている、好ましい傘弁708も、放出弁および逆止め弁の組合せ801の好ましい傘弁808である。しかし、当業者には明らかなように、他の多くの種類の傘弁は、好適である。
【0068】
放出弁および逆止め弁の組合せ801がどのように空気袋と一体化されるかに応じて、キャップ部分842またはベース部分848の一方が本発明の空気袋に接触する。ベース806は、孔820を持ち、これにより、空気は空気袋からくさび部分844および出っ張り850により閉鎖されている領域853に点線856にそって入ることができる。図9からわかるように、キャップ810の表面部分838が押されると、キャップ810は変形する。これが生じると、くさび部分844および表面部分838はレバーのように動作し、それにより、蝶番846はてこの支点のように作用し、くさび部分844を出っ張り850から移動させる。点線929は、放出弁および逆止め弁の組合せ801の放出弁部分が作動したときの孔816から出る空気流の経路を示している。指または親指でキャップ810の上部に配置されている孔816を覆い、空気がその孔を通って漏れるのを防ぐのを避けるために、図10に示されているように、孔816をキャップ810内に埋め込むようにすることができる。こうして、表面部分838が押し下げられた場合、指が実際に孔816と接触することはなく、空気はチャネル1027を通してキャップ810を押し下げるために使用される指の周りから漏れることができる。
【0069】
図11aおよび11bは、並んでいる弁である放出弁および逆止め弁さらに他の組合せ1101を示している。この実施形態では、従来の放出弁1160は、出口穴1116を備えるキャップ1110の下にある逆止め弁1108と並列して配置されている。逆止め弁1108および放出弁1160は両方とも、空気袋を外部と連絡するベース1106内に埋め込まれる。出口穴1116は、キャップ1110内のどこにでも配置することができるが、それは、逆止め弁1108および放出弁1160は両方ともベース1106とともに気密シールを形成するからである。そのため、空気は、空気袋内の圧力が所定の圧力を超えたため自動的に逆止め弁1108から漏れようと、手動操作により放出弁1160から漏れようと、キャップ1110内の出口穴1116から外に出る。
【0070】
放出弁および逆止め弁の組合せ1101の断面図である図11bに示されているように、放出弁1160は、上で説明されているのと同様に、プランジャ1120およびバネ1122を持つことができる。しかし、上で説明されているようなどのような放出弁も、この実施形態で使用することができる。同様に、逆止め弁1108は、図7a〜7dにおいて、傘弁であるか、または他の種類の逆止め弁1108とすることができる。
【0071】
他の実施形態では、上で説明されているような放出弁および逆止め弁の組合せは、図1に関して上で説明されている調整可能逆止め弁などの調整可能逆止め弁を、そこに示されている傘弁の代わりに組み込むことができる。これらのような放出弁、逆止め弁、逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態は、図25A〜25F、26A〜26B、27A〜27D、28A〜28B、29A〜29D、30A〜30F、31A〜31F、および32A〜32Fを参照して以下で説明される。
【0072】
上述のように、足元膨張メカニズムは、本発明の靴において使用することができる。一方向の空気は足元膨張メカニズムに入ることができ、図3および5に関して上で説明されているように、かかとコンパートメント308および508の孔を通る。かかとコンパートメント308、508の圧縮により、孔がシールされ、空気は強制的に空気袋330、530内に送り込まれる。しかし、ときには、靴底を作るために使用される材料は、通気性が十分でなく空気が孔に接触しない場合もある。さらに、足からの水分、細菌、および土が、孔に入り込み、膨張メカニズムを損傷することもあり得る。水分、細菌、汚れ、および他の環境粒子が膨張メカニズムに入り込むのを防ぐ一メカニズムは、膨張メカニズムへの空気入口を空気を通すが、水分または他の環境粒子を通さない布または他の材料で覆うことである。好適な材料は、限定はしないが、GORE−TEXまたはTRANSPORなどの織物またはいくつかのセラミックスまたはVERSAPOR膜などの他の多孔性材料を含む。
【0073】
図12は、シュノーケルアセンブリ1262の分解斜視図である。シュノーケルアセンブリ1262は、弁室1264、チューブ1266、カバー1268、および靴底コンポーネント1270を含む。弁室1264は、一般に、かかとコンパートメント(かかと室308、508など)の孔の上に接着される熱可塑性ユニットである。弁室1264は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、または当業者に知られている他の方法を介してかかとコンパートメント308、508の外面または内面1261に直接接着される平坦な部分1265を含む。弁室1264は、さらに、ドーム型1263を持つ。ドーム型部分1263は、一般に、開口部1271を含む閉じた第1の端1267および第2の端1269を持つ半円柱型である。
【0074】
弁室1264は、かかと室308、508内の孔のシールを阻害するため、弁室は、一方向弁(図に示されていない)を含み、これにより、空気は弁室1264を通って、反対方向に流れることなくかかと室に流れ込む、つまり、弁は空気をかかとコンパートメントから逃さないということである。上で詳しく説明されているようなどのような種類の一方向弁も、弁室1264で使用するのに適している。このような1つの弁として、2つの柔軟なピースが漏斗形を形成するダックビル弁がある。漏斗形状は、一方の端で開き、他方の端で押し付けられて平たくくっついている2つの層を持ち、したがってその平たい端は閉鎖される。空気は、開口端から流れ、そこで、圧力は、圧力が低い平たい端に比べて高く、そのため平たい端が開き、空気が強制的にそこを流れる。そのため、空気は、圧力の高いところから離れる一方向にのみ流れる。他のダックビル弁は、一体になる4つの柔軟なピーを使用して、上述のダックビル弁の平たい(−)形の閉じた端ではなくプラス(+)形の閉じた端を形成する。プラス形弁は、開いたときにそこを通る流れを多くし、空気が平らな形状のダックビル弁を通って流れるときほど大きな騒音を出さない。
【0075】
チューブ1266は、第1の端1272および第2の端1273を持つ。チューブ1266は、一般に、熱可塑性ウレタン管などの熱可塑性材料で作られる。チューブ1266は、剛性または柔軟性を有する。チューブ1266の第1の端1272は、弁室1264内の開口部1271内に挿入され、それと気密シールを形成する。チューブは、一般に、J字型であり、空気袋(空気袋330、530など)の外側にそって湾曲している。第2の端1273は、カバー1268により空気袋の外側に押し付けられる。カバー1268は、平たい部分1274およびドーム型部分1275を持つ熱可塑性形成ピースである。平たい部分1274は、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で空気袋の外側に接着される。それとは別に、カバー1268は、第1の側の平たい部分1274および第2の側の空気袋の外側に接着された裏張りを持つことができる。好ましくは、平たい部分1274は、図1のかかと領域108などの、流体接続接合部(それぞれ図3および5の流体結合部358および558など)の一般的な近辺のアッパーの外側に接着される。ドーム型部分1275は、一般に、閉じた第1の端1276およびチューブ1266の第2の端1273を受け入れるように開いている第2の端1277を持つ半円柱型である。カバー1268は、さらに、ドーム型部分1275の円柱型部分にそって1つまたは複数の開口部1278を持つ。靴の一般的に垂直な部分に開口部を設けることにより、空気はドーム型部分1275内に入るが、膨張メカニズムに損傷を引き起こす可能性のある汚れおよび水分が入らないようにできる。そのため、かかとコンパートメント内の圧力が低いときに、空気はシュノーケルアセンブリ1262を介してかかと室内に流れ込む。特に、空気は、カバー1268内に流れ込み、開口部1278を通り、第2の端1273から第1の端1272までのチューブ1266を通り、弁室1264およびその中に収納されている弁を通り、かかとコンパートメント内に流れ込む。他の実施形態では、チューブ1266の第2の端1273は、膨張メカニズムをさらに保護するためにカバー1268内にバタフライ弁または他の弁を備えることができる。
【0076】
シュノーケルアセンブリ1262は、さらに、靴底コンポーネント1270を持つ。靴底コンポーネント1270は、当業者に知られているように、中底、本底、熱可塑性プレートまたは靴底の他の部分とすることができる。靴底コンポーネント1270は、キャビティ1280を中に持つ。靴底コンポーネント1270が空気袋に接着されている場合、かかとコンパートメントは、少なくとも部分的に、キャビティ1280内に据え置かれる。キャビティ1280は、さらに、弁室1264が挿入される凹み1282を有する。靴底コンポーネント1270は、さらに、靴底が組み立てられるときにチューブ1266が凹み1284を持つ。本発明のシュノーケルアセンブリ1262は、特に、それぞれ図3および5のかかとコンパートメントに関して説明されている。しかし、当業者であれば、シュノーケルアセンブリ1262は、以下で説明されている他の実施形態に関して説明されているような足元膨張メカニズム、または他の種類の膨張メカニズムとともに使用するのに適していることを理解することができる。
【0077】
図13は、本発明のさらに他の実施形態を示す。靴1300は、一般的に1308で示されているかかと領域、一般的に1303で示されているアーチ領域、一般的に1305で示されているバンプ領域、一般的に1304で示されている前足領域、および一般的に1306で示されている内側領域を持つ。靴1300は、さらに、靴底1320およびアッパー1310を含み、その少なくとも一部は、膨張可能空気袋1330全体を含む。それに加えて、図1のアッパー1310は、つま先部分1334を持つ。図13に示されているように、空気袋1330は、つま先部分1334を含む、アッパー1310のすべての部分を形成することができる。アッパー1310は、一般的に1312で示される開口部を持ち、これは、靴を履く人の足を受け入れるように設計されている。
【0078】
アッパー1330は、空気袋1330から形成される。空気袋1330は、一般に、図2、3、および5の空気袋に関して上で説明されているのを同じ方法で形成される。しかし、空気は、空気袋1330内の一般的にダイヤモンド型の開口部1384により形成される一般的にクロスハッチのチャネル1382内の空気袋1330を通って流れる。開口部1384は、一般的に、図5に関して上で説明されているようにポケット532および534と同じように作られる。つまり、内側溶着線1386は、閉じたダイヤモンド型で形成され、内側溶着線1386の内側の材料は取り除かれ開口部1384を形成する。開口部1384は、ポリウレタンフィルムなどの合成材料では靴の内側に足により水分が発生する可能性があるため、足を冷却し、乾燥させるのに特に有用である。
【0079】
空気袋1330は、一般的に空気抜きメカニズム109を備え、これは、上述の空気抜きメカニズム、または当業者には明らかな他の空気抜きメカニズムのいずれかとすることができる。さらに、空気袋1330は、上述のどのような種類の膨張メカニズムをも備えることができる。しかし、好ましくは、膨張メカニズムは、図3および5に関して上で説明され、図14〜16に関してさらに詳しく説明されているのと類似の、足元膨張メカニズムである。
【0080】
図14は、一般的に、図13に示されている空気袋1330に類似の空気袋1430の上面図である。空気袋1430は、空気袋1430を囲む周辺溶着線1410により接着されている薄いフィルムの内面層および外面層を含む。図14の空気袋1430は、周辺溶着線1410の第1の領域1489を周辺溶着線1410の第2の領域1490に縫い合わせるか、または他の何らかの方法で取り付けることにより製作される。また、周辺溶着線1410の第3の領域1491は、周辺溶着線1410の第4の領域1492に縫い合わされるか、または他の何らかの形で取り付けられ、靴を履く人の足の大部分を囲む左ブーツを形成する。当業者であれば、空気袋1430の鏡像を使用して右ブーツを形成することができることも理解できるであろう。
【0081】
空気袋1430は、バンプコンパートメント1453、内側かかとコンパートメント1458、およびかかとコンパートメント1460を含む。バンプコンパートメント1453は、一般的に、最大のコンパートメントであり、内側領域1488、バンプ領域1305、横側領域1306、およびかかと領域1308の一部に緩衝作用をもたらす。バンプコンパートメント1453は、流体接続接合部1474を介して内側かかとコンパートメント1458に連通接続される。内側かかとコンパートメント1458は、さらに、かかと領域1308の一部に緩衝作用をもたらし、流体通路1472および1473を介してかかとコンパートメント1460に連通接続される。かかとコンパートメント1460は、足のかかとに緩衝作用をもたらし、好ましくは、図3および5に関して詳しく説明されているように、膨張メカニズムとして使用される。空気袋1430は、さらに、図14のバンプ領域1305の位置に示されているように、空気抜きメカニズム109を備える。上述のように、空気抜きメカニズム109は、上述の空気抜きメカニズムであってよく、空気袋1430上の任意の位置に配置することができる。そのため、足のかかとがかかとコンパートメント1460を圧縮する場合の典型的な歩行周期では、空気は、かかとコンパートメント1460から出て、一方向弁1480および流体通路1472および1473を通り、内側かかとコンパートメント1458内に入る。内側かかとコンパートメント1458から、流体が流体接続接合部1474を通り、バンプコンパートメント1453を膨張させる。空気が空気袋1430に入ると、空気袋は開口部1312の周りで収縮することができ、これは靴の密封として動作し、靴ひも、ジッパー、フック、およびループまたは他の密封の仕組みを必要としない。
【0082】
図13に関して上で説明されているように、バンプコンパートメント1453および内側かかとコンパートメント1458は、内側溶着線1386により形成される開口部1384を持つ。図14は、内側溶着線1386の近似的な場所のみを示している。開口部1384は、内側溶着線1386の形状を大きくか、または小さくすることにより、または内側溶着線1386の幅を加減することにより、さまざまなサイズにできる。サイズに加えて、開口部1384の配置、個数、および形状も変えることができる。開口部1384は、それらの間の膨張可能領域がクロスハッチチャネル1382を形成するように間隔をあけて並べられる。さらに、周辺溶着線1410の幅は、図14に示されているものよりも大きくするか、または小さくすることができる。
【0083】
図13および14にそれぞれ示されているような空気袋1330および1430は、アッパー1310のほとんどすべてを構成する。しかし、図15および16は、それぞれアッパーのより小さな部分を構成する空気袋1530および1630の上面図を示している。したがって、前足領域1304は、完全に1つの靴に組み立てられるときに空気袋1530および1630により覆われない。バンプコンパートメント1553および1653は、それぞれ、さまざまなサイズで示されている。特に、空気袋1530のバンプコンパートメント1553は、空気袋1430のバンプコンパートメント1453よりも小さい。したがって、空気袋1530を持つ靴は、図14に示されているように、空気袋1430を持つ靴よりも、空気袋から作られるアッパーの部分が少ない。同様に、空気袋1630のバンプコンパートメント1653は、空気袋1530のバンプコンパートメント1553よりも小さい。したがって、空気袋1630を持つ靴は、空気袋1530を持つ靴よりも、空気袋から作られるアッパーの部分が少ない。しかし、図15および16の内側かかとコンパートメント1558および1658、およびかかとコンパートメント1560および1660は、図14に関して上で説明されている内側かかとコンパートメント1458およびかかとコンパートメント1460に類似している。図15および16は、内側溶着線1586および1686の好ましい幅を示しているが、内側溶着線1586は、さまざまな幅、形状、およびサイズのものであってよい。
【0084】
図17は、図15に示されている空気袋に類似している空気袋1730を備える靴1700の横側である。上述のように、本発明の空気袋は、薄いポリウレタンフィルムで作ることができる。しかし、図17の空気袋は、MYLAR(登録商標)(デラウエア州ウィルミントンのDupont Teijin Filmsが市販している)などの金属蒸着フィルムまたは他の薄い軽量ポリエステルフィルムから作られる。MYLAR(登録商標)は、非常に薄いフィルムで強度が高いため、本発明の空気袋で使用するのに特に適している。それに加えて、MYLAR(登録商標)などのポリエステルフィルムは、気密性が高く、破れにくく、耐穿刺性を有する。さらに、ポリエステルフィルムは、印刷したり、エンボス加工したり、染色したり、透明にしたり、着色したり、金属蒸着したりすることができ、単一の靴デザインに対しさまざまなスタイルをもたらす。空気袋は、ヒートシール、または食品業界および/またはMYLAR(登録商標)風船業界でパッケージをシールする際に使用されるプロセスと似た他のそのようなプロセスにより一般的に形成される周辺および内側溶着線を持つポリエステルの層から作ることができる。しかし、溶着線は、さらに、当業者に知られているように、ポリエステルフィルムで気密シールを形成する他の方法を使用して作ることもできる。それとは別に、ポリエステルフィルムは、特に膨張および空気抜きメカニズムおよびそのコンポーネントの周りに気密シールを形成するために、ポリエステルフィルムとウレタンフィラメントの複合材またはポリウレタンフィルムの非常に薄い層とすることができる。ポリエステルおよびポリウレタン複合材は、さらに、ポリエステルフィルムの軽量な性質を利点として持つ破れにくさを高めている。
【0085】
空気が靴内を循環できるように内側溶着線1786の内側でカットされた開口部1784を持つ靴1700が図に示されている。開口部は、図13〜17において一般的にダイヤモンド形であるが、開口部は、円形、正方形、楕円形、または閉じた規則正しいまたは不規則な形状とすることができる。したがって、開口部1384/1784を形成する内側溶着線は、同じくさまざまな形状を持つことができる。それに加えて、開口部1384/1784は、図13〜17に示されているように、アッパーの上のさまざまな場所内においてサイズおよび形状が異なりうる。
【0086】
図18は、靴1800における本発明の他の実施形態を示す。図18は、靴1800の側面図である。靴1800の内側は、類似の形態である。靴1800は、第1の空気袋1830aおよび第2の空気袋1830bを含むアッパー1810を持つ。第1の空気袋1830aは、一般的に、バンプ領域1805内に配置され、第2の空気袋1830bは、一般的に、かかと領域1808に配置される。第3の空気袋(図に示されていない)は、上のかかとコンパートメント308、508、1460、1560、および1660に関して上で説明されているように、実質的にかかとの下に配置されている足元膨張メカニズムである。しかし、第1および第2の空気袋1830aおよび1830bは、図18に示されている実施形態におけるかかとコンパートメントを持つ単一ユニットとして製造されない。その代わりに、かかとコンパートメントは、チューブ1890を介して第1の空気袋1830aと連通接続され、第1の空気袋1830aは、チューブ1891を介して空気袋1830bと連通接続される。図18に示されている実施形態では、チューブ1891は、第1および第2の空気袋1830aと1830bとの間の方向変更装置1892を通じて方向変更される。図18に示されていないが、靴1800の内側は、チューブ1890および1891に類似のチューブを持ち、それにより、空気袋1830a、1830bおよびチューブ1890および1891の組合せは、足用の開口部1812を形成する。
【0087】
典型的な歩行周期が出現すると、空気は、かかとコンパートメントからチューブ1890を通り第1の空気袋1830aに流れ込み、第1の空気袋1830aから第2の空気袋1830bに流れ、チューブ1891を通る。膨張されると、第1および第2の空気袋1830aおよび1830bは、挿入された足の周りで閉じ、靴ひもまたは他の閉鎖の仕組みは必要ない。
【0088】
チューブ1890および1891は、チューブ接続部1894を介して第1および第2の空気袋1830aおよび1830bに連通接続される。チューブコネクタ1894は、第1の空気袋1830aまたは第2の空気袋1830b内の孔に連通接続されている熱可塑性ケースである。チューブコネクタ1894は、当業者には明らかなように、空気袋1830aと1830bとチューブコネクタがどのように一体化されるかに応じて空気袋1830aおよび1830bの外面または内面に直接接着される平たい部分1865を持つ。チューブコネクタ1894は、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で接着することができ、気密シールを形成する。チューブコネクタ1894は、ドーム型1896を持つ。ドーム型部分1896は、一般に、開口部を含む閉じた第1の端1897および第2の端1898を持つ半円柱型であり、チューブ1890またはチューブ1891が挿入される。チューブ1890および1891、およびチューブコネクタ1894は、チューブが第1および第2の空気袋1830aおよび1830bに接続されている場合に空気が逃れられないように気密シールを形成する。他の実施形態では、空気は、かかとコンパートメントから直接第2の空気袋1830bに流れることができる。例えば、チューブ1891は、互いにかかとコンパートメントに接続されている2つのチューブ1891aおよび1891bとすることが可能である。チューブ1890および1891は、熱可塑性ウレタンまたは他の熱可塑性管とすることができ、柔軟でも柔軟でなくてもよい。チューブ1890は、靴1800の靴底1820内に延びている。靴1800は、さらに、硬い熱可塑性の靴土踏まず1893を含み、チューブ1890を受け入れ、それらを靴を履く人の足の下で流体により接続されるかかとコンパートメントへ送るようにチャネル1893aが形成されている。
【0089】
図18は、さらに、図12に関して上で説明されているような、シュノーケルアセンブリのチューブ1866およびカバー1868を示しており、空気は、膨張メカニズム内に水分を蓄積することなくかかとコンパートメントに到達することができる。さらに、図18に示されている本発明の実施形態は、上で説明されている空気抜き装置、例えば、上で説明されている放出弁および逆止め弁の組合せのうちの1つを含むことができる。
【0090】
図19aおよび19bは、図18の靴1800の靴底1820内で使用するのに好適な、かかとコンパートメントアセンブリ1901の一実施形態を示している。かかとコンパートメント1960は、チャネル1999を通じて複数のチューブ1990に連通接続される。チャネル1999は、一方向弁1995を介してかかとコンパートメント1960に連通接続される。図19aおよび19bは、さらに、図12に関して上で説明されているように弁室1963およびシュノーケルアセンブリ1962のチューブ1966を示している。チャネル1999およびかかとコンパートメント1960は、柔軟なポリウレタンフィルムの2つまたはそれ以上の層により作ることができる。かかとコンパートメント1960は、さらに、図5に関して上で説明されているのと類似のポリウレタンフォームコアを含むことができる。さらに、図19に示されている本発明の実施形態は、上で説明されている空気抜き装置、例えば、上で説明されている放出弁および逆止め弁の組合せのうちの1つを含むことができる。
【0091】
チューブ1990は、周辺溶着線1910のところでフィルム層にそって溶着され、気密シールをチューブ1990の周りに形成する。チャネル1999は、さらに、溶着1970を持つ。溶着部1970は、空気がその中を通る場合に、チャネル1999の厚みを制御するために使用され、空気の流れをチューブ1990内に導くのを助ける。周辺溶着線1910および溶着部1970は、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、または他の適当な手段により形成することができる。
【0092】
図20は、図19aおよび19bに示されているようにかかとコンパートメントアセンブリも使用する本発明の他の靴2000を示している。靴2000は、空気袋2030がワンピースであることを除き、靴1800に類似している。空気袋2030は、チューブコネクタ2094を介してチューブ2090に連通接続されている。チューブコネクタ2094は、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で直接接着される平たい部分2065を備え、気密シールを形成する。チューブコネクタ2094は、さらに、ドーム型部分2096を持つ。ドーム型部分2096は、一般に、チューブ2090が挿入される、開口部を含む閉じた第1の端2097および第2の端2098を持つ半円柱型である。チューブ2090およびチューブコネクタ2094は、チューブ2090が空気袋2030に接続されている場合に空気が逃れられないように気密シールを形成する。典型的歩行周期が出現すると、空気は、かかとコンパートメント(図に示されていない)からチューブ2090を通り空気袋2030に流れ込む。膨張されると、空気袋2030は、挿入された足の周りで閉じ、靴ひもまたは他の閉鎖の仕組みは必要ない。
【0093】
靴2000は、さらに、チューブ2090を受け入れるためのキャビティ2093aにより形成される靴土踏まず2093も組み込む。靴土踏まず2093は、成型熱可塑性ピース、成形金属板、中底フォームピース、または当業者には明らかな他の構造とすることができる。チューブ2090は、図19に関して上で説明されているような、靴を履く人の足の下でかかとコンパートメントと連通接続される。さらに、図18に示されている本発明の実施形態は、図12に関して上で説明されているようなシュノーケルアセンブリ、および/または上で説明されている空気抜き装置のどれか、例えば、上で説明されている放出弁および逆止め弁の組合せの1つを含むことができる。
【0094】
空気袋2030は、図20に示されているように、チューブ2090を介してかかとコンパートメントに接続することができる。それとは別に、空気袋2030および足元またはかかと領域内のいずれかに配置されている足元膨張メカニズムは、一体構造として形成することができる。可能な構造の1つは、図21に示されている靴2100と類似している。
【0095】
図21は、本発明の靴2100の靴構造の分解図である。空気袋2130は、2つの足元セクション、前足コンパートメント2164とかかとコンパートメント2160を備える。それぞれの前足コンパートメント2164またはかかとコンパートメント2160は、空気袋2130の残りのコンパートメント膨張させるための膨張メカニズム、好ましくはかかとコンパートメント2160とすることができる。空気袋2130は、膠または他の種類の接着剤による接着を介して、2つの本底ピース2120aおよび2120bに接着剤で接着される。本底ピース2120aは、かかとコンパートメント2160に接着され、本底2120bは、前足コンパートメント2164に接着される。靴土踏まず2193の一部は、本底ピース2120aおよび2120bの両方に接着され、空気袋2130と重なる。靴土踏まず2193は、本底2120aと2120bとの間をサポートするために使用される。任意の中底2155は、空気袋2130の上に含めることができる。中底2155は、アッパー2110の内面を受け入れ、そこに接着できる凹み2155aを持つことができる。追加のアッパー材料(図に示されていない)を空気袋2130に縫い合わせ、特につま先領域2104内の中底2155に接着することができる。追加の材料は、空気袋2130が足を覆わない場合に挿入された足に対する要素からの保護を行う。靴2100は、さらに、中底の上、または靴土踏まず2193の上に中敷き2123を備えることができる。図に示されていない靴2100の他の部分は、図12に関して説明されているようなシュノーケルアセンブリ、さらに靴を履く人の足を安定させ保護する他の特徴を含むことができる。
【0096】
図22は、足元膨張メカニズムとして図19aおよび19bにおいて図に示され説明されているかかとコンパートメントアセンブリ1901を組み込んだ他の靴2200を示している。靴2200は、アッパー2210および複数の柔軟な膨張可能チューブ2290を備える。膨張されると、チューブ2290は膨張し、膨張可能靴ひもとして挿入された足の周りで閉じ、従来の靴ひもまたは他の閉鎖の仕組みは必要ない。靴2200を脱ぐために、上で説明されているようなチューブ2290と連通接続している空気抜き装置(図に示されていない)は作動され、空気をチューブ2290から放出し、チューブ2290をつぶす。空気抜き装置は、上で説明されている空気抜き装置のどれか、例えば、放出弁および逆止め弁の組合せの1つとすることができる。チューブ2290は、両端においてチャネル1999(図19に示されているような)に連通接続され、アッパー2210の上にループを形成する。靴を履く人が圧力をかかとコンパートメントアセンブリに加えると、チューブ2290は膨張する。図22は、靴2200のバンプ領域2205間に延びる5本のチューブ2290およびかかと領域2208間に延びる3本のチューブ2290を示している。当業者であれば、靴2200で使用するチューブ2290の数を加減できることを理解できるであろう。例えば、靴2200は、バンプ領域2205およびかかと領域2208のそれぞれの間に延びるチューブを1本のみ備えることができる。それとは別に、靴2200は、かかと領域内にチューブを置かず、バンプ領域内にのみチューブを置くか、またはその逆の配置をすることができるが、ただし、チューブ2290は、膨張した場合、緩衝作用を補助し、靴2200内に足を固定すると想定する。
【0097】
靴2200は、さらに、チューブ2290を受け入れるためのキャビティ2293aを持つ靴土踏まず2293も備える。靴土踏まず2293により、靴2200はサポートと構造を与えられる。靴2200は、さらに、チューブ2290上に被覆材料層(図に示されていない)を持つことができる。
【0098】
本明細書で説明されるか、または他の何らかの形で開示されている靴の実施形態は、図21に示されている中敷き2123などの中敷きを備えることができる。しかし、上で説明されているのと同じ足元膨張メカニズムも、膨張可能中敷きで使用することができる。膨張可能中敷き2323の俯瞰図が図23に示されている。中敷き2323は、さらに、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で接着されたポリウレタンフィルムの2つの層から作ることもでき、これにより気密シールを形成する。中敷き2323は、一般的に、周辺溶着線2310により定められ、周辺溶着線2310およびさまざまな形状の内側溶着線2320の両方により定められたさまざまなコンパートメントを含む。
【0099】
中敷き2323は、空気をかかとコンパートメント2360内に入れるための孔2361を備えるかかとコンパートメント2360を持つ。孔2361が覆われた場合、圧力がかかとコンパートメント2360にかかり、空気は強制的に、一方向弁2350に通され、複数の内側コンパートメント2354に送られる。内側コンパートメント2354は、複数の前足コンパートメント2364に連通接続される。前足アパートメント2364は、複数の第1趾コンパートメント2351および複数の第2趾から第5趾コンパートメント2353に連通接続される。前足コンパートメント2364は、さらに、複数の横コンパートメント2356に連通接続される。図23に示されているさまざまコンパートメントは、靴を履く人の足の一般的形状を持つように設計される。しかし、本発明の中敷きに対しては、コンパートメントの数を増やすかまたは減らすかし、コンパートメント形状を他の形状にするのが適している。
【0100】
中敷き2323は、上述の穿孔空気抜きメカニズムを使用する。好ましくは、中敷き2323は、少なくとも1つの穿孔2309を持ち、その配置は、図23において交差する線により示されている。中敷き2323を作るために使用される材料は、穿孔2039が一般的に閉じたままとなるような柔軟な材料のものとすることができる。中敷き2323内の圧力が所定の圧力よりも高くなると、中敷き2323の両側にかかる力により、穿孔2309が開き、空気が漏れる。中敷き2323が靴の内側に挿入されるので、中敷き2323の過剰膨張を避けるために靴を履く人が靴の中の空気抜き装置を操作する必要はない。しかし、当業者であれば、他の空気抜きメカニズムを中敷き2323内に組み込むことができることを理解できるであろう。さらに、中敷き2323は、中敷き2323に空気を出し入れするために図19aおよび19bで説明されているのと類似のシュノーケルアセンブリを備えることができる。あるいは、上述のように、空気を通すことができるが、水分または他の環境粒子を通すことはできない材料を使用して、膨張メカニズムへの入口を覆うことができる。
【0101】
中敷き2323は、取り外し可能であるか、または製造時に靴の中に恒久的に挿入したままにできる。さらに、中敷き2323は、本発明の靴、または従来の運動用、ウオーキング用、またはハイキング用の靴もしくはブーツで使用することができる。
【0102】
図24Aは、本発明のさらに他の実施形態の右靴2400の側面図である。靴2400は、一般的に2408で示されているかかと領域、一般的に2403で示されているアーチ領域、一般的に2405で示されているバンプ領域、一般的に2404で示されている前足領域を持つ。靴2400は、さらに、靴底2420およびアッパー2410を含み、その少なくとも一部は、膨張可能空気袋2430を含む。アッパー2410は、一般的に2412で示される開口部を持ち、これは、靴を履く人の足を受け入れるように設計されている。
【0103】
図24Bは、全体として図24Aに示されている空気袋2430の上面図である。空気袋2430は、空気袋2430を囲む周辺溶着線2410aにより接着されている薄いフィルムの内面層および外面層を含む。図14の空気袋2430は、周辺溶着線2410aの第1の領域2489を周辺溶着線2410aの第2の領域2490に縫い合わせるか、または他の何らかの方法で取り付けることにより製作される。当業者であれば、空気袋2430の鏡像を使用して、右靴2400の鏡像である左靴を形成することができることも理解できるであろう。
【0104】
空気袋2430は、一般的に、バンプコンパートメント2453、内側かかとコンパートメント2458、およびかかとコンパートメント2460を含み、すべてが一体の連通構造(流体流動可能に連続する構造)として形成される。バンプコンパートメント2453は、一般的にX字型である。バンプコンパートメント2453は、図24Cに示されている斜視図、および図24Dに示されている靴2400の上面図において、図24Aに示されているように、靴2400のバンプと交差する中心2452を持つ。図24Bに示されているように、バンプコンパートメント2453は、中心2452から延びる、周辺溶着線2410aにより形成されるアーム2470を備える。
【0105】
バンプコンパートメント2453は、靴2400の横側にそって延び、流体による接続接合部2474を介して内側かかとコンパートメント2458に連通接続されている横方向アーム2470aを備える。流体接続接合部2474、内側かかとコンパートメント2458、およびアーム2470aは、かかと領域2408の一部に緩衝作用をもたらし、空気袋2430に靴2400の開口部2412を囲ませる。空気袋2430が膨張すると、開口部2412が靴を履く人の足の周りで閉じる。これにより、空気袋2430は、うまく、靴を履く人の足に靴を保持し、靴を履く人の足のアーチの上部を圧迫する。
【0106】
内側かかとコンパートメント2458は、流体通路2472および2473を介してかかとコンパートメント2460に連通接続される。かかとコンパートメント2460は、足のかかとに緩衝作用をもたらし、好ましくは、図3および5のかかとコンパートメント308および508に関して詳しく説明されているように、膨張メカニズムとして使用される。空気袋2430は、さらに、図24Aおよび24B、および図24Eの靴2400の後面斜視図内の、バンプコンパートメント2453の横方向アーム2470aの後端2436に配置されているように示されている空気抜きメカニズム109を持つ。上述のように、空気抜きメカニズム109は、本明細書で特に説明されているが、または他の何らかの形で開示されているものなどの空気抜きメカニズムであってよく、空気袋2430上の任意の位置に配置することができる。
【0107】
そのため、足のかかとがかかとコンパートメント2460を圧縮する場合の典型的な歩行周期では、空気は、かかとコンパートメント2460から出て、一方向弁2480および流体通路2472および2473を通り、内側かかとコンパートメント2458内に入る。内側かかとコンパートメント2458から、流体は、流体接続接合部2474を通り、バンプコンパートメントの横方向アーム2470aに移動し、バンプコンパートメント2453の中心2452および他のアーム2470に入る。空気が空気袋2430に入ると、空気袋は開口部2412の周りで収縮し、靴の密封として動作し、靴ひも、ジッパー、フック、およびループまたは他の密封の仕組みを必要としない。
【0108】
他の実施形態では、かかとコンパートメント2460は、空気袋2430の残り部分から分離され、および/またはその残り部分と一体形成されることがない。この実施形態では、靴2400が製造されるときに、かかとコンパートメント2460は、配管またはバーブ継手により内側かかとコンパートメントにその後接続される。実際、本明細書に示され説明されている、一体をなす空気袋の実施形態は、本明細書で説明されるか、または他の何らかの形で開示されているように、アッパーの一部を形成する膨張可能空気袋から分離されたかかとコンパートメント内のサテライト膨張メカニズムとともに製作することができる。さらに、このようなサテライト膨張メカニズムの一実施例は、図33Aおよび33Bにおいて以下で特に説明される。
【0109】
図24Aに例示されているように、空気袋2430は、アッパー全体を包含しない。図24は、靴2400の下側バンプ部分に配置されているアッパー2410の第1の部分2484a、靴2400の横側上に配置されているアッパー2410の第2の部分2484b、および靴2400のかかと領域2408に配置されているアッパー2410の第3の部分2484cを示しており、これは、空気袋2430の一部というよりも、切り出されたものであり、通気性のあるメッシュ材料がそこに取り付けられている。図24Dは、さらに、空気袋2430というよりもむしろ通気性のあるメッシュ材料でもある靴2400の内側に配置されているアッパー2410の少なくとも第4の部分2484dを示している。アッパー2410のこれらの部分2484a、2484b、2484c、および2484dは、足を冷却し、乾燥させるための通気を行うために特に有用であり、空気袋2430を形成するために使用される材料などの合成材料が足を囲む場合に一般的なものである。
【0110】
上述のいくつかの他の実施形態の場合のように、空気袋2430は、さらに、内側溶着線2486を含み、これにより空気袋2430のいくつかの配置が過剰膨張しないようになっている。さらに、周辺溶着線2410aの幅は、図24Aおよび24Bに示されているものよりも大きくするか、または小さくすることができる。バンプコンパートメント2453は、さらに、ロゴまたは他の印用の位置2437を含む。
【0111】
本発明の一実施形態では、利用者は、通常の歩行をし、着座し、または立っている間などに、一歩踏み出す毎に空気袋を膨張させたくない場合がある。よって、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている空気袋の空気抜き装置109は、開位置および閉位置を持つ放出弁であってよく、この弁は、開位置に保持することができる。開位置では、放出弁は、完全に開き、空気袋内の空気を開いている弁を通して逃がす。そのため、空気袋内に圧力が生じず、空気袋は膨張しない。閉位置の場合、弁は完全に閉じて、足元膨張メカニズムが、空気袋を膨張させる。
【0112】
図25A〜25Fは、逆止め弁および放出弁の組合せ2501の一実施形態を例示しており、そこでは、放出弁は、開位置に保持されるようにできる。逆止め弁および放出弁の組合せ2501は、ベース2506およびキャップ2510を備える。キャップ2510は、面取りされた壁および孔2511を持つベゼルであり、利用者は、この孔を通して、放出弁を開閉するスイッチ2507を操作することができる。
【0113】
図25Bは、図25Aの逆止め弁および放出弁の組合せ2501の分解図を示しており、図25Dは、図25Cの直線D−Dにそって示されている断面図であり、これは、図24Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面図である。図25Bおよび25Dに示されているように、ベース2506は、第1の空気入口2530を備え、この入口の中に傘弁2508が配置されており、第1の入口2530との第1の気密シールを形成する。ベース2506は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、または当業者に知られている他の方法を介して、上述のような膨張可能空気袋の1つの層の内側または外側のいずれかでシールすることができるフランジ部分2548を含む。
【0114】
傘弁2508は、一般的に真ん中が厚いが、ベース2506の表面2517に当たり、気密シールを形成する薄いフラップ2518を含む傘形状を持つ。空気袋からの空気は、傘弁2508の柄にそって切り出されたスロット2524を通って移動する。傘弁2508は、好ましくは、厚いときには剛性が高く、薄いときにはいくぶん柔軟な、シリコーンなどの材料で作られ、したがって、薄いフラップ2518はいくぶん弾力がある。入口2530の空気圧、したがって本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているような空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ2518は、変形し、持ち上がってベース2506の表面2517から離れるが、これは、図7A〜7Dに関して上で説明されている傘弁708の動作に似ている。
【0115】
内壁2513は、ベース2506から延びている。図25Bは、壁2513から突き出ている3つのベースリップ2531aおよび2531bの2つを示している。3つのベースリップは、キャップ2510の内面2525内に形成された3つのキャップリップ(そのうち、キャップリップ2525a1つのみが図25Bに示されており、他のキャップリップ2525bは図25Dに示されている)と係合する。図25Dは、ベースリップ2531aが第2のキャップリップ2525bとどのように係合しているかを例示しているが、図25Bには示されていない。キャップ2510は、完全に組み立てられた場合、ベース2506上の適所にぴたりと嵌り、ベースリップ2531a/2531b、およびキャップリップ2525a/2525bの係合により適所に保持される。
【0116】
スイッチ2507は、開位置と閉位置の2つの位置を持つ。2つのピボットアーム2515を使用しベース2506に対してスイッチ2507を前後に動かし開位置と閉位置を切り換える。図25Aは、一方のピボットアーム2515を示しており、他の同じピボットアーム(図に示されていない)は、ピボットアーム2515からのスイッチ2507の反対側から延びている。ピボットアーム2515から延びているピボット2515aは、ベース2506の壁2513内の孔2519と係合する。スイッチ2507の下側2507cに、シーリングパッド2521が取り付けられている。閉位置では、シーリングパッド2521は、ベース2506内の第2の入口2520と係合し、閉じる。図25Dは、閉位置のスイッチ2507を示している。スイッチ2507が開位置にされると(図に示されていない)、シーリングパッド2521は持ち上がって、ベース2506内の第2の入口2520から外れ、空気が第2の入口2520を自由に通り、出口孔2532から外に流れ出し、その出口孔2532を通って、空気はキャップ2510およびベース2506から形成されたハウジングから出る。
【0117】
スイッチ2507は、2つの閉バネ錠を持ち、一方の閉バネ錠2533は図25Aに示されており、同じ閉バネ錠(図に示されていない)は、閉バネ錠2533からスイッチ2507の反対側にある。閉バネ錠2533は、スイッチ2507を閉位置に保持するためベース2506の内壁2513内の孔2513aおよび2513bと係合する突き出し部2533aを含む。さらに、ガイド2535は、ベース2506の壁2513の内面2513cにそってスライドし、スイッチ2507を閉位置の方に移動したときにバネ錠2533を孔2513a/2513bに揃えるのを助ける。スイッチ2507は、さらに、スイッチ2507の外面から突き出る開バネ錠2541も含む。開バネ錠2541は、ベース2506の内壁2513内の孔2543と係合し、スイッチ2507を開位置に保持する。開バネ錠2541は、さらに、図25Dに示されているように、スイッチ2507を閉位置に保持するために使用することができる。スイッチが閉位置にあるときに、開バネ錠2541は、壁2513の端面2513dにあてがうことにより適所に保持され、開バネ錠2541は、十分な力を加えないと端面2513dを超えて移動しない。
【0118】
スイッチ2507、ベース2506、およびキャップ2510は、図7A〜7Dの逆止め弁および放出弁の組合せ701の一部について上で説明されたものを含む熱可塑性ポリウレタン(TPU)などの熱可塑性樹脂から形成された射出成型ピースであってよい。それとは別に、これらのピースは、熱可塑性プラスチックをブロー成型または熱成形するか、または当業者には明らかなプラスチック部品を形成する他の方法により形成することができる。
【0119】
放出弁を閉位置から開位置に移動するために、利用者は、十分な力を加えてスイッチ2507の第1の側面2507aを押して、閉じているバネ錠2533を孔2513a/2513bから外し、壁2513の端面2513dを超えて開バネ錠2541を押し進める。スイッチ2507はピボット2515aにそって、シーリングパッド2521が持ち上がり第2の入口2520から離れるまで前後に動いて放出弁を開き、開バネ錠2541は、孔2543と係合して、放出弁を開位置にロックする。次いで、利用者は、十分な力でスイッチ2507の第2の側面2507bを押して、開バネ錠2541を孔2543から外し、スイッチを閉位置に戻すことができ、その場合、シーリングパッド2521は、第2の入口2520と係合してシールし、閉じているバネ錠2533は、ベース2506の孔2513a/2513bと係合し、放出弁を閉位置にロックする。閉位置にある場合、空気は、それでも、第1の入口2530のところの空気圧が所定の圧力に達すると傘弁2508により放出される。
【0120】
図25Eは、逆止め弁および放出弁の他の組合せ2501の断面を示している。逆止め弁および放出弁の組合せ2501aは、水分、汚れ、または他の環境粒子が逆止め弁および放出弁の組合せ2501aに入り込まないようにするためにキャップ2510aがスイッチ2507の上でシールされることを除き、図25A〜25Dの逆止め弁および放出弁の組合せと同じである。特に、キャップ2510aは、孔2511を含まないが、むしろ、スイッチ2507を覆う柔軟な膜2511aを含む。柔軟な膜2511aは、非常に薄い熱可塑性ポリウレタンとすることができる。スイッチ2507上に膜2511aを押し付けることにより、利用者は、スイッチ2507をオン位置からオフ位置に、またその逆に切り換えることができる。柔軟な膜2511aにより、空気が逆止め弁および放出弁の組合せ2501aに入るようにするために、柔軟な膜2511は、ピンホール2511bを備える。
【0121】
さらに、キャップ2501aは、ベース2506のフランジ2548に対し、また開口部2509bのところにある膨張可能品2509の内面2509aに対しシールされるフランジ2542を備える。本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている逆止め弁および放出弁のすべての組合せの場合と同様に、逆止め弁および放出弁の組合せ2501aで、空気袋2509内の単一の開口部2509bを介して1つの場所だけで空気袋2509を操作する。
【0122】
図25Fの断面図に示されている逆止め弁および放出弁の組合せ2501bの他の実施形態では、スイッチ2507を操作するための孔2511を持つ、図25A〜25Dに示されているキャップ2510bは、水分およびその他の環境粒子が入り込むのを防止する一般的形状のキャップ2501を備える柔軟な熱可塑性材料の熱可塑性被覆材2511cにより覆うことができる。スイッチ2507は、スイッチ2507を直接圧迫するのではなく、覆い2511cを圧迫することにより前後に動かすことができる。被覆材は、ベース2506のフランジ2548に対し、またその中の開口部2509bのところにある膨張可能品2509の内面2509aに対しシールすることができる。柔軟な被覆材2511cは、空気が逆止め弁および放出弁の組合せ2501bから漏れ出るようにするピンホール2511bを備える。
【0123】
図26Aおよび26Bの断面図に示されている逆止め弁および放出弁の組合せ2601aおよび2601bなどの他の実施形態では、それぞれ、キャップ2610aおよびキャップ2610bは、図25A〜25Fのスイッチ2507と同様の動作をし、ベース2606に対してピボット(図に示されていない)を介して前後に動く。この場合、シーリングパッド2621がパック2610a/2610bの下側2607aに取り付けられるときに、追加のスイッチは不要である。キャップ2610a/2610bがそれぞれ、開位置に切り換えられる場合、シーリングパッド2621は持ち上がり、第2の入口2620から離れ、空気がキャップ2610a/2610b内の孔2632から漏れ出る。
【0124】
図26Aに示されている実施形態では、キャップ2610aはスライドして、ベース2606から延びている壁2613の外面2613aに当たる。図26Bに示されている実施形態では、キャップ2610bは滑動して、ベース2606から延びている壁2613の内面2613bに当たる。さらに、図26Bは、キャップ2610bは、壁2613内の孔2643と係合する開バネ錠2641を持つ。開バネ錠2641は、開位置に切り換えられたときキャップ2610bを適所に保持する。さらに他の実施形態では、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものと類似の放出弁および逆止め弁の組合せ(図に示されていない)は、リトラクタブルボールペンと似たメカニズムを備えることができ、シーリングパッドは、キャップが1回押し下げられると第2の入口2620などの第2の入口と係合し、キャップがもう一度押し下げられると第2の入口から外れる。
【0125】
他の実施形態では、逆止め弁および放出弁の組合せ2701は、図27A〜27Dに例示されている。この実施形態では、逆止め弁および放出弁の組合せ2701は、ベース2706、キャップ2710、およびスイッチ2707を備える。図27Aは、スイッチ2707を操作できるようにキャップ2710内の切り欠き2711を示す逆止め弁および放出弁の組合せ2701の側面図を示している。キャップ2710およびベース2706は、挿入され、ベース2706内の第1の流体入口2730で第1の気密シールを形成する傘弁2708(図27Cを参照)を囲むハウジングを形成する。ベース2706は、さらに、第2の流体入口2720を備える。
【0126】
ベース2706およびキャップ2710は、キャップフランジ2742およびベースフランジ2748にそってシールされる。キャップフランジ2742は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものなどの膨張可能空気袋の1つの層の内部にシールすることができる。それとは別に、ベースフランジ2748を空気袋の1つの層の外側にシールするか、または空気袋の1つの層をキャップフランジ2742とベースフランジ2748との間にシールすることができる。逆止め弁および放出弁の組合せ2701は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、他のシール方法により空気袋にシールすることができる。そこで、逆止め弁および放出弁の組合せ2701で、空気袋内の単一開口部を介して空気袋の1つの場所のみを操作する。
【0127】
図27Bは、キャップ2710が、さらに、孔2711aも備え、これによりスイッチ2707がキャップ2710に対して持ち上がることを示す、逆止め弁および放出弁の組合せ2701の上面図である。スイッチ2707は、スイッチ2707をキャップ2710に結合する、ピボット2715を介して閉位置から開位置に切り換わる。スイッチ2707は、さらに、空気が逆止め弁および放出弁の組合せ2701から放出されるように、中に孔2732も備える。利用者がスイッチ2707の第1の側2707aに圧力を加えると、スイッチ2707は開位置に切り換わり、利用者が第2の側2707bに圧力を加えると、スイッチ2707は閉位置に切り換わる。
【0128】
図27Cは、図27Bの直線C−Cにそって示されている断面図であり、開位置のスイッチ2707とともに逆止め弁および放出弁の組合せ2701を例示している。開位置にある場合、スイッチ2707の下側2707cに結合されているシーリングパッド2721は、第2の流体入口2720から持ち上げられて離れる。スイッチ2707は、キャップ2710から突き出ているストッパー2741により開位置に保持される。スイッチ2707から延びているガイド2735は、ストッパー2741を圧迫する突き合わせ面2735aを含む。第2の側2707bに十分な力が加わると、ガイド2735はスライドしてストッパー2741を超え、図27Dに示されている、閉位置になる。閉位置では、シーリングパッド2721は、第2の流体入口2720と接触して、その入口をシールし、逆止め弁および放出弁の組合せ2701と連通接続されている空気袋が膨張する。空気袋内の圧力、したがって第1の入口2730の圧力が所定の圧力に達すると、傘弁2708のフラップ2718は、ベース2706から持ち上がり、空気が空気袋ならびに逆止め弁および放出弁の組合せ2701から孔2732を通って漏れ出る。
【0129】
図28Aは、分解図内で調整可能逆止め弁を備える逆止め弁および放出弁の組合せ2801を例示している。図28Bは、図28Aの直線B−Bにそって示されている逆止め弁および放出弁の組合せ2801の断面図である。
【0130】
逆止め弁および放出弁の組合せ2801は、ハウジングを形成するベース2806およびキャップ2810を備える。ベース2806およびキャップ2810は、キャップフランジ2842およびベースフランジ2848にそってシールされる。キャップフランジ2842は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものなどの膨張可能空気袋の1つの層の内部にシールすることができる。それとは別に、ベースフランジ2848を空気袋の1つの層の外側にシールするか、または空気袋の1つの層をキャップフランジ2842とベースフランジ2848との間にシールすることができる。逆止め弁および放出弁の組合せ2801は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、他のシール方法により空気袋にシールすることができる。そこで、逆止め弁および放出弁の組合せ2801で、空気袋内の単一開口部を介して空気袋の1つの場所のみを操作する。
【0131】
ベース2806は、第1の入口2830および1つまたは複数の入口2820を備える。傘弁2808は、第1の入口2830とともに第1の気密シールを形成し、放出弁2860は、第2の入口2820とともに第2の気密シールを形成する。放出弁2860は、ベース2806とともに第2のシールを形成するプランジャ2860aを含む。第2のシールは、放出弁2860の頭2860cから延びているフランジ2860bがベース2806と接触する場所に形成される。第2の入口2820から出る空気は、放出弁2860の頭2860cの下に圧力を生じさせる。放出弁の一般的な軸に垂直な側面から力を加えることなどにより放出弁2860の頭2860cが変形すると、フランジ2860bも変形し、部分的に持ち上がりベース2806から離れ、第2の気密シールを解放する。頭2860cが変形しなくなると、フランジ2860bは自然な状態に戻り、フランジ2860bは、再び、ベース2806に対し第2の気密シールを形成する。それとは別に、放出弁2860は、図11の放出弁1160において説明され、示されているのと類似の、プランジャおよびバネであってもよい。この場合、バネは、ベース2806に対しプランジャ2860aをバイアスするために使用される。プランジャ2860aを押し下げると、プランジャはベース2806から離れ、プランジャ2860aとベース2806との間のシールを解放する。同様に、プランジャ2860aを作るために使用される材料は弾性傾向を有し、プランジャ2860aをベース2806に向けてバイアスするバネと同じ効果をもたらすために使用できる。
【0132】
キャップ2810は、中に孔2811を備える。圧力ディスク2807およびカム2847のつまみ部分2847aは、キャップ2810の孔2811を通して取り扱える。さらに、キャップ2810は、第1の一連のねじ山2810bを持つ内壁2810aを備える。一方で、圧力ディスク2807は、キャップ2810の第1の一連のねじ山2810bと係合する第2の一連のねじ山2807bを持つ外壁2807aを備える。圧力ディスク2807は、カム2847の第1の表面2847bに載る第1の表面2807cを持つ。圧力ディスク2807は、さらに、カム2847の第2の表面2847cから間隔をあけて配置されている第2の表面2807dを持つ。カム2847は、さらに、傘弁2808の頭頂部2808aと接触する第3の表面2847dも持つ。
【0133】
図28Aに例示されているような、傘弁2808は、図8A〜8Bに関して上で説明されているように傘弁808と似た機能を有する。入口2830の空気圧、したがって本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているような空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ2818は、変形し、持ち上がってベース2806の第2の表面2817から離れる。しかし、圧力を傘弁2808の頭頂部2808aに加えると、傘弁2808のフラップ2818は、ベース2806の第2の表面2817にさらにきつく押し付けられる。したがって、入口2830における圧力は、フラップ2818を持ち上げて、傘弁2808を解放するには、さらに高くなければならない。
【0134】
傘弁2808を調整するために、利用者は、圧力ディスク2807をスピンさせる。どのような種類のハンドルまたはつまみ(図に示されていない)も、圧力ディスク2807を回転させるために使用することができる。圧力ディスク2807がスピンすると、かみ合っているねじ山2807aおよび2810aにより、圧力ディスク2807がベース2806の方に強制的に押しやられる。圧力ディスク2807の第1の表面2807cは、カム2847の第1の表面2847bを圧迫し、これにより、カム2847の第3の表面は傘弁2808の頭頂部2808aに押し付けられる。上述のように、傘弁の頭頂部への圧力が高まると、フラップ2818上の圧力が高まりベース2806を圧迫する。そこで、フラップ2818を持ち上げて傘弁の抵抗を高めるために、第1の入口2830における圧力を増す必要がある。カム2847の追加の特徴は、圧力ディスク2807の回転運動を傘弁2808から絶縁することである。圧力ディスク2807は、カム2847に対して自由に動く。そのため、回転する圧力ディスク2807では、傘弁2808は、外して、ベース2806とともに形成されているシールを恒久的に解放するために、ねじったり、回したりしない。
【0135】
放出弁2860を操作するために、変形圧力を側面などから頭2860に加え、それによりフランジ2860bを変形させ、第2の気密シールを破る。
【0136】
調整可能逆止め弁を含む逆止め弁および放出弁の組合せ2901の他の実施形態は、図29A〜29Cに示されている。図29は、逆止め弁および放出弁の組合せ2901の上面図である。図29Bは、図29Aの直線B−Bにそって示されている断面図である。図29Cは、図29Aの逆止め弁および放出弁の組合せ2901の上面分解図である。図29Dは、図29Aの逆止め弁および放出弁の組合せ2901の下面分解図である。
【0137】
逆止め弁および放出弁の組合せ2901は、傘弁2908および放出弁2960を囲むハウジングを形成するベース2906およびキャップ2910を備える。ベース2906は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものなどの膨張可能空気袋の内側または外側のいずれかにシールされたフランジ2948を備える。ベース2906は、さらに、第1の流体入口2930および複数の第2の流体入口2920を備える。
【0138】
傘弁2908は、第1のシールを第1の流体入口2930で形成し、図28A〜28Bに関して説明されているように、傘弁2808と類似の機能を有する。逆止め弁および放出弁の組合せ2901は、さらに、キャップ2910の側面内の開口部2911から操作可能な圧力ディスク2907を備える。圧力ディスク2907は、ねじ山2907bを持つ内面2907aを備える。ベース2906は、圧力ディスク2907のねじ山2907bとかみ合うねじ山2913bを持つ外面2913aとともに内面2913を持つ。圧力ディスク2907は、さらに、中に孔2907cを備える。キャップ2910は、キャップ2910の内面2910aから突き出て、圧力ディスク2907内の孔2907cを通して延びるガイド2935を備え、これにより、圧力ディスク2907を傘弁2908の頭頂部2908aに揃える。
【0139】
傘弁2908を調整するために、圧力ディスク2907を、キャップ2910およびベース2906により形成されるハウジングの外側から回す。圧力ディスク2907が回転すると、かみ合っているねじ山2907bおよび2913bにより、圧力ディスク2907がガイド2935にそってベース2906の方に強制的に押しやられる。圧力ディスク2907は、それが傘弁2908の頭頂部2908aと接触する場所に圧力を加える。上述のように、傘弁の頭頂部への圧力が高まると、フラップ2918上の圧力が高まりベース2906を圧迫する。そこで、フラップ2918が持ち上がるようにするため、第1の入口2930における圧力を増す必要がある。
【0140】
さらに、ストッパー2941は、キャップ2910の内面2910aから突き出る。ストッパー2941は、圧力ディスク2907の第1の外面2907d上の一連のディボット2949と係合する。圧力ディスク2907が回転するにつれ、ストッパー2941は、圧力ディスク2907をさまざまな位置に保持し、それにより、傘弁2908の抵抗を保持し、入口2930において特定の所定の圧力で放出するようにする。キャップ2910は、さらに、圧力ディスク2907の第2の外面2907e上に印刷されるか、またはエッチングされた1つまたは複数の印2983を見るために使用できる窓2981も備える。印2983は、利用者側で傘弁2908の異なるレベルの抵抗を調べるためのゲージを与える。
【0141】
傘弁の抵抗のレベルを測定するための類似の印が、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている調整可能逆止め弁のどのような実施形態にも適している。このような印は、キャップまたはそのベース、弁でシールされている空気袋、または空気袋および弁が溶着またはシールされて一体になっているマージンなど弁のどこにでも印刷することができる。
【0142】
逆止め弁および放出弁の組合せ2901の放出弁2960は、放出弁2960の頭2960c上のフランジ2960bがベース2906と接触する複数の第2の入口2920の上に第2のシールを形成する。逆止め弁および放出弁の組合せ2901は、さらに、キャップ2910内に形成された金具2910aと係合するアーム2985aにより放出弁2960からバイアスされて離れている側面ボタン2985も備える。側面ボタン2985が放出弁2960の方へ押されると、中心のくさび2985bが押されて金具2910aを超え、放出弁2960の頭2960cの側面と係合する。くさび2985bは、頭2960cを押し、それにより頭2960cおよびフランジ2960bは変形し、フランジ2960bおよびベース2906により形成されたシールを解放し、それにより、空気が逆止め弁および放出弁の組合せ2901から漏れる。他の実施形態では、放出弁2960は、図11Aおよび11Bのような、バネとともに説明されているようなプランジャ型弁であるか、またはプランジャの頭を形成するために使用される材料の弾性によりバイアスされるようにできる。
【0143】
逆止め弁および放出弁の組合せ3001の他の実施形態は、図30A〜30Fに示されている。図30Aは、図30Bの直線A−Aにそって示されている逆止め弁および放出弁の組合せ3001の上部分断面図を示しているが、図30Bは、図30Aの直線B−Bにそって示されている断面図である。図30Dは、逆止め弁および放出弁の組合せ3001の下分解図である。図30Eおよび30Fは、逆止め弁および放出弁の組合せ3001のそれぞれの正面および側面の平面図である。逆止め弁および放出弁の組合せ3001は、第1の入口3030および第2の入口3020を備えるベース3006を含む。
【0144】
ベース3006は、キャップ3010を備えるハウジングを形成する。ベース3006は、第1のフランジ3042および第2のフランジ3048を含む。第1のフランジ3042は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものなどの膨張可能空気袋の1つの層の内部にシールすることができる。それとは別に、第2のフランジ3048を空気袋の1つの層の外側にシールするか、または空気袋の1つの層を第1のフランジ3042と第2のフランジ3048との間にシールすることができる。逆止め弁および放出弁の組合せ3001は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、他のシール方により空気袋にシールすることができる。そこで、逆止め弁および放出弁の組合せ3001で、空気袋内の単一開口部を介して空気袋の1つの場所のみを操作する。他の実施形態では、第1のフランジ3042は、ベース3006ではなくキャップ3010と一体にできる。
【0145】
多くの場合、空気袋を形成するために使用される材料は、弁を形成するために使用される材料と異なる場合があり、および/または適合しない場合があり、したがって、これらは、直接シールして一体にすることができない。例えば、逆止め弁および放出弁の組合せ3001を作るために使用される材料は、ナイロン、またはポリウレタンまたは空気袋を形成するために使用される他の材料で直接溶着するのに適していない他の材料とすることができる。この場合、第1のフランジ3042または第2のフランジ3048のうちの一方は、代わりに、似ていないまたは適合しない材料を、RF溶着などにより、上述の方法のうちの1つにより接着することができる中間材料とすることができる。これにより、逆止め弁および放出弁の組合せ3001の一部を形成するフランジではなく、中間材料が空気袋に溶着され、気密シールを形成する。このような中間材料は、本明細書で説明されているが、または他の何らかの形で開示されている弁のどれかを本明細書で説明されている、または他の何らかの形で開示されている何らかの種類の空気袋に接着するために使用することができる。
【0146】
傘弁3008は、キャップ3010およびベース3006により形成されたハウジング内に配置され、第1の入口3030とともに第1の気密シールを形成し、放出弁3060は、第2の入口3020とともに第2の気密シールを形成する。放出弁3060は、図11Aおよび11Bで説明されているのと同様に機能する。放出弁3060は、プランジャ3060aがベース3006の第1の表面3006aの方へバイアスされるのでベース3006とともにシールを形成するプランジャ3060aを備える。バイアスは、放出弁3060の頭3060bとベース3006の第2の表面3017との間に配置されたバネ3022により生じる。放出弁3060の頭3060bが押し下げられると、バネ3022は圧縮され、プランジャ3060aは押されて、ベース3006の第1の表面3006aから離れ、第2の気密シールを解放する。頭3060bが押し下げられなくなると、バネ3022は再び自然な状態に伸張し、プランジャ3060aをベース3006に対しバイアスする。それとは別に、放出弁3060は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている他の種類の放出弁とすることができる。
【0147】
キャップ3010は、中に孔3011を備える。圧力ディスク3007は、キャップ3010の孔3011を通して取り扱えるつまみ部分3007aを備える。つまみ部分3007aは、圧力ディスク3007から突き出ており、第1の側面3007a’および第2の側面3007a”を備え、それにより、利用者は、指を第1の側面3007a’に置き、親指を第2の側面3007a”に置いて、圧力ディスク3007を回すことができる。さらに、圧力ディスク3007は、第1の一連のねじ山を備える第1の内面3007bを備える。一方で、ベース3006は、圧力ディスク3007の第1の一連のねじ山と係合する第2の一連のねじ山を持つ外面3013aを備える壁3013を持つ。圧力ディスク3007は、カム3047の第1の表面3047aに載る第2の内面3007cを持つ。カム3047は、さらに、傘弁3008の頭頂部3008aと接触する第2の表面3047bも持つ。
【0148】
傘弁3008は、図8A〜8Bに関して上で説明されているように傘弁808と似た機能を有する。入口3030の空気圧、したがって本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているような空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ3018は、変形し、持ち上がってベース3006の第3の表面3017aから離れる。しかし、圧力を傘弁3008の頭頂部3008aに加えると、傘弁3008のフラップ3018は、ベース3006の第3の表面3017aにさらにきつく押し付けられる。したがって、入口3030における圧力は、フラップ3018を持ち上げて、傘弁3008を解放するには、さらに高くなければならない。
【0149】
傘弁3008を調整するために、利用者は、圧力ディスク3007のつまみ3007aを回すと、圧力ディスク3007がスピンする。圧力ディスク3007がスピンすると、壁3013の第1の内面3007bおよび外面3013a上のかみ合っているねじ山により、圧力ディスク3007がベース3006の方に強制的に押しやられる。圧力ディスク3007の第2の内面3007cは、カム3047の第1の表面3047aを圧迫し、これにより、カム3047の第2の表面3047bは、傘弁3008の頭頂部3008aに押し付けられる。上述のように、傘弁への圧力が高まると、フラップ3018上の圧力が高まりベース3006を圧迫する。そこで、フラップ3018を持ち上げて傘弁3008の抵抗を高めるために、第1の入口3030における圧力を増す必要がある。図28のカム2847に関して上で説明されているように、カム3047は、圧力ディスク3007の回転運動を傘弁3008から絶縁する。圧力ディスク3007は、カム3047に対して自由に動く。そのため、回転する圧力ディスク3007では、傘弁3008は、外して、ベース3006とともに形成されているシールを恒久的に解放するために、ねじったり、回したりしない。
【0150】
さらに、ストッパー3041は、キャップ3010の内面3010aから突き出る。ストッパー3041は、圧力ディスク3007の外面3007d上の一連のディボット3049と係合する。圧力ディスク3007が回転するにつれ、ストッパー3041は、圧力ディスク3007をさまざまな位置に保持し、それにより、傘弁3008の抵抗を保持し、さまざまな特定の所定の圧力で放出するようにする。キャップ3010は、さらに、圧力ディスク3007の外面3007dを見るための窓3081を備える。外面3007dは、印刷またはエッチングされた1つまたは複数の印3083を含み、これにより利用者側で傘弁3008の異なるレベルの抵抗を調べるためのゲージを用意することができる。
【0151】
逆止め弁および放出弁の組合せ3101の他の実施形態は、図31A〜31Fに示されている。図31Aは、逆止め弁および放出弁の組合せ3101の上面斜視図である。図31Bは、図31Cの直線B−Bにそって示されている上部分断面図であるが、図31Cは、図31Bの直線C−Cにそって示されている断面側面図である。図31Dは、図31Bの直線D−Dにそって示されている後断面図である。図31Eは、逆止め弁および放出弁の組合せ3101の上面分解図である。図31Fは、逆止め弁および放出弁の組合せ3101の下分解図である。
【0152】
逆止め弁および放出弁の組合せ3101は、ベース3106およびキャップ3110を備える。ベース3106は、ベースフランジ3148を含み、キャップ3110は、キャップフランジ3142を含む。キャップフランジ3142は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものなどの膨張可能空気袋の1つの層の内部にシールすることができる。それとは別に、ベースフランジ3148を空気袋の1つの層の外側にシールするか、または空気袋の1つの層をキャップフランジ3142とベースフランジ3148との間にシールすることができる。逆止め弁および放出弁の組合せ3101は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、他のシール方により空気袋にシールすることができる。そこで、逆止め弁および放出弁の組合せ3101で、空気袋内の単一開口部を介して空気袋の1つの場所のみを操作する。
【0153】
さらに他の実施形態では、逆止め弁および放出弁の組合せ3101は、シールされる空気袋を形成するために使用される材料と異なる、または互換性のない材料から作ることができる。そこで、キャップフランジ3142および/またはベースフランジ3148は、図30A〜30Fに関して説明されているような中間材料であってよい。それとは別に、その後、キャップフランジ3142およびベースフランジ3148の一方または両方に、中間材料を張り付けて、上述のように、フランジ3142、3148を空気袋に接着することができる。
【0154】
第1の入口3130は、ベース3106内に形成される。座部(シーティング)3125は、キャップ3110の第1の表面3110aから突き出る。座部3125は、段部3125aを含む(図31Cを参照)。さらに、キャップ3110およびベース3106がシールされると、座部3125は、ベース3106内の孔3106aを通って延び、段部3125aは、ベース3106内で形成されるうね3106bと係合し、キャップ3110をベース3106に固定する。第2の入口3120は、座部3125内に形成される。傘弁3108は、圧力ディスク3107およびベース3106により形成されるハウジング内に配置され、第1の入口3130とともに第1の気密シールを形成する。放出弁3160は、第2の入口3120とともに第2の気密シールを形成する。
【0155】
放出弁3160は、図11Aおよび11Bで説明されているのと同様に機能する。放出弁3160は、プランジャ3160aが座部3125の第1の表面3125bの方へバイアスされるので座部3125とともにシールを形成するプランジャ3160aを備える。バイアスは、放出弁3160の頭3160bと座部3125の第2の表面3125cとの間に配置されたバネ3122により生じる。放出弁3160の頭3160bが押し下げられると、バネ3122は圧縮され、プランジャ3160aは押されて、座部3125の第1の表面3125bから離れ、第2の気密シールを解放する。頭3160bが押し下げられなくなると、バネ3122は再び自然な状態に伸張し、プランジャ3160aを座部3125に対しバイアスする。それとは別に、放出弁3160は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている他の種類の放出弁とすることができる。
【0156】
キャップ3110は、中に孔3111を備える。圧力ディスク3107は、キャップ3110の孔3111を通してベース3106の内壁3113と係合する。図31Eに示されているように、ベース3106の内壁3113は、2つの傾斜したトラック3145aおよび3145bを備える。これらのトラックは、圧力ディスク3107内に形成された支柱3107aと係合する。圧力ディスク3107がベース3107に対して回転すると、傾斜したトラック3145aおよび3145bは、圧力ディスク3107をベース3106の方へ移動し、またベース3106から離す。内壁3113は、さらに、圧力ディスク3107の内面3107bに対しバイアスするバネ3122aを備え、圧力ディスク3107を、トラック3145aおよび3145bのさらに傾斜した部分に向けてバイアスする。内壁3113は、さらに、レバー3179内に形成されたノッチ3179aと係合するためのガイド3135を備える。レバー3179は、傘弁3108の頭頂部3108aと接触する。カム3147は、圧力ディスク3107の内面3107bから延びる。
【0157】
傘弁3108は、図8A〜8Bに関して上で説明されているように傘弁808と似た機能を有する。入口3130の空気圧、したがって本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているような空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ3118は、変形し、持ち上がってベース3106の第1の表面3117から離れる。しかし、圧力を傘弁3108の頭頂部3108aに加えると、傘弁3108のフラップ3118は、ベース3106の第1の表面3117にさらにきつく押し付けられる。したがって、入口3130における圧力は、フラップ3118を持ち上げて、傘弁3108を解放するには、さらに高くなければならない。
【0158】
傘弁1308の抵抗を調整するために、圧力ディスク1307を回す。支柱3107aは、トラック3145aおよび3145bと係合し、圧力ディスク3107をベース3106に向けて移動し、またベース3106から離す。圧力ディスク3107がトラック3145aおよび3145bの傾斜にそって第1の方向に回されると、圧力ディスクは、ベース3106の方に移動し、バネ3122aを圧迫する。カム3147は、レバー3179に接触し、圧力をレバー3179に加え、それにより、圧力を傘弁3108の頭頂部3108aに加える。圧力ディスク3107を反対方向に回すと、圧力ディスク3107がベース3106から離れる方向に移動し、バネ3122aの自然な状態により、カム3147が持ち上がりレバー3179から外れ、傘弁3108の頭頂部3108aへの圧力を解放する。カム3147は、傘弁3108から圧力ディスク3107の回転運動を絶縁する。圧力ディスク3107は、カム3147に対して自由に動く。そのため、回転する圧力ディスク3107では、傘弁3108は、外して、ベース3106とともに形成されているシールを恒久的に解放するために、ねじったり、回したりしない。
【0159】
さらに、ストッパー3141は、ベース3106の第2の表面3117aから突き出る。ストッパー3141は、圧力ディスク3107の外面3107c上の一連のディボット3149と係合する。圧力ディスク3107が回転するにつれ、ストッパー3141は、圧力ディスク3107をトラック3145aおよび3145bにそってさまざまな位置に保持し、それにより、傘弁3108の抵抗を保持し、さまざまな特定の所定の圧力で放出するようにする。
【0160】
図32Aは、調整可能逆止め弁3201を例示している。調整可能逆止め弁3201は、傘弁3208を囲むハウジングを形成するベース3206およびキャップ3210を備える(図32Cの断面図に示されている)。調整可能逆止め弁3201は、さらに、キャップ3210内に形成されるトラック3245にそってスライドする、スライドスイッチ3207も備える。スライドスイッチ3207は、傘弁3208の抵抗、つまり、傘弁3208とベース3206との間に形成されるシールが解放される入口3230における所定の圧力を加減するために使用される。図32Bは、調整可能逆止め弁3201の上面図を示している。図32Cおよび32Dは、それぞれ、図32Bの直線C−CおよびD−Dにそって示されている調整可能逆止め弁3201の断面図である。
【0161】
図32Cに例示されているような、傘弁3208は、図28A〜28Bに関して上で説明されているように、傘弁3208の頭頂部3208aに圧力を加えると、傘弁3208のフラップ3218がベース3206にさらにしっかりと押し付けられるという点で、傘弁2808と似た機能を有する。よって、フラップ3218を持ち上げ、傘弁3208およびベース3206により形成されるシールを解放するために必要な入口3230の所定の圧力は、圧力が低減されるか、取り除かれるときよりも高くなければならない。調整可能逆止め弁3201は、ベース3206から延びるアーム3213を含む。アーム3213は、頭頂部3208aと接触する、レバー3279に結合される。スライドスイッチ3207は、さらに、カム3247およびガイド3235を備え、これらは、スライドスイッチ3207の下側3207aから延びる。ガイド3235は、トラック3245にそって駆動され、カム3247をレバー3279に接触させ、レバー3279の長さにそって移動させる。図32Cは、第1の位置にあるスライドスイッチ3207を例示している。トラック3245にそって移動するときに、カム3247は、高くした圧力をレバー3279に加え、それにより、高くした圧力を傘弁3208の頭頂部3208aに加える。スライドスイッチ3207がトラック3245にそってさらに遠くに移動するほど、レバー3279から傘弁3208に伝達される圧力は大きくなる。
【0162】
図32Fは、2つのストッパー3241a/3241bを示しており、これはさらにスライドスイッチ3207の下側3207aから延びている。スライドスイッチ3207がトラック3245にそって移動すると、ストッパー3241a/3241bは、キャップ3210の外面3210a内に形成された一連のディボット3249と係合する。ストッパー2741a/2741bおよびディボット2749は、スライドスイッチ3207をレバー3279の長さにそってさまざまな位置の適所に保持し、このレバーは、さらに、傘弁4708のフラップ3218が特定の圧力で持ち上がる所定の圧力を保持する。図32Eは、ベース3206、キャップ3210(トラック3245およびディボット3249を含む)およびスライドスイッチ3207の上分解図である。図32Fは、ベース3206、キャップ3210、およびスライドスイッチ3207の下分解図である(ガイド3235、カム3247、およびストッパー3241a/3241bを含む)。
【0163】
本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている調整可能逆止め弁および放出弁(図に示されていない)の組合せの他の実施形態は、図32A〜32Fに関して上で説明されているようなスライドスイッチ、および本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている放出弁のどれかとともに形成することができる。
【0164】
図33Aおよび33Bは、サテライト足元膨張メカニズム3308の一実施例を示している。膨張メカニズム3308は、射出成型熱可塑性ポリウレタン(TPU)、例えば、硬度40〜50ショアDのもの、とすることができる。それとは別に、膨張メカニズム3308は、ブロー成型、熱成形、またはプラスチック部品を形成するための他の方法により製造することができる。膨張メカニズム3308は、第1のシート3308aおよび第2のシート3308bを備え、それぞれ、平坦なマージン部分3308a’/3308b’およびレリーフ部分3308a”/3308b”を持つ。マージン部分3308a’/3308b’は、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法でシールされる。それとは別に、膨張メカニズム3308は、ワンピースで形成することができる。レリーフ部分3308a”/3308b”は、コンパートメント3360を形成する。
【0165】
膨張メカニズム3308は、吸気弁(図に示されていない)および入口3371a用の第1の室3371を備える。還流用吸気弁は、空気を膨張メカニズム3308内に流し、同じ入口3371aを通して還流させることができる一方向弁である。膨張メカニズム3308は、さらに、空気注入弁(図に示されていない)および出口3320a用の第2の室3320を備える。空気注入弁は、さらに、空気を膨張メカニズム3308から空気袋に流し込み、膨張メカニズム3308に還流させない一方向弁である。吸気弁および空気注入弁は、本明細書で説明されるか、または他の何らかの形で開示されている一方向弁とすることができ、第1のシート3308aにそって成型されるか、または後から取り付けることができる。膨張メカニズムは、さらに、吸気弁および空気注入弁の一方または両方が後から取り付けられたときに第1および第2の室3371および3320をシールするカバー3363も備える。
【0166】
サテライト膨張メカニズム3308は、空気袋と同じ広がりを持つように形成されない。よって、一体構造として形成される上で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている足元膨張メカニズムのどれかを空気袋と置き換えることができる。かかとがコンパートメント3360に当たると、レリーフ部分3308a”/3308b”がつぶれて、空気を強制的に膨張メカニズム3308から、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている膨張可能空気袋などの膨張可能物品内に送り込む。膨張可能物品は、その後、膨張可能物品、配管、バーブ継手、それらの組合せまたは他の流体密封接続システムの一部を介して出口3320aに接続することができる。足が上がって、コンパートメント3360から離れると、コンパートメント3360内の負圧により、吸気弁が開き、空気が膨張メカニズム3308内に引き込まれる。空気が膨張メカニズム3308内に入ると、コンパートメント3360が膨張する。コンパートメント3360は、さらに、図5において上で説明されているようなフォームコア(図に示されていない)を備え、靴を履く人の足の圧力が取り除かれた後のコンパートメント3360の膨張を助ける。
【0167】
図34A〜34Iは、本発明の空気袋3430により少なくとも部分的に形成された靴底3420およびアッパー3410を含む靴3400のさらに他の実施形態を示している。空気袋3430は、アッパー3410全体を覆わない。その代わりに、空気袋3430は、切り欠き部分3484を含む。織物、フォーム、シリコーン、または当業者に知られている他のパディング材料などのパディング材料を切り欠き部分3484に与え、靴を履く人の快適さを増す。さらに、足を囲み、その中開口部3412を形成するように空気袋3430の第1の部分3489を空気袋の第2の部分3490に縫う代わり、第1の部分3489および第2の部分3490をライクラまたは他の弾性材料などの伸張可能なアッパー材料3499により隔てて、靴を履く人の足を開口部3412内に入れ、またそこから抜くことを補助する。
【0168】
靴ひもまたは他の密封システムを本発明の靴のデザインに組み込むことができる。例えば、図35A〜35Cは、本発明の空気袋3530により少なくとも部分的に形成された靴底3520およびアッパー3510を含む靴3500のさらに他の実施形態を示している。空気袋3530は、アッパー3510全体を覆わない。その代わりに、空気袋3530は、通気性のあるメッシュ材料が中で縫われている切り欠き部分3584を含む。靴3500は、さらに、結ばれる靴ひも3594が通る空気袋3530の周辺溶着線3590内に形成されるひも通し用の小穴3592も備える。
【0169】
本発明は、具体的に示され、好ましい実施形態を参照しつつ説明されているが、当業者であれば、例示のみを目的として示されていること、本発明の精神および範囲から逸脱することなく形態および詳細にさまざまな変更を加えることができることを理解するであろう。
【0170】
したがって、本発明の程度および範囲は、上述の例示的な実施形態により制限されるのではなく、請求項およびその等価物によってのみ定義されるべきである。さらに、発行済み米国特許を含む、本明細書に引用されているすべての参考文献、または他の参考文献は、それぞれ、引用されている参考文献に示されているすべてのデータ、表、図、および本文を含めて、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0171】
特定の実施形態の前記の説明では、本発明の一般的性質を完全に明らかにしているため、他の人も、当業の知識(本明細書で引用されている参考文献の内容を含む)を応用することにより、本発明の一般的概念から逸脱することなく、過渡の実験をすることなく、さまざまな応用に合わせてそのような特定の実施形態を容易に修正し、および/または適合させることができる。したがって、このような適合および修正は、本明細書に示されている教示および案内に基づいて、開示されているいくつかの実施形態の等価物の意味および範囲のうちにあることが意図されている。本明細書の言葉遣いまたは用語は、説明を目的とするものであり、制限することを目的としておらず、本明細書の用語または言葉遣いは、当業者の知識と併せて、本明細書に示されている教示および案内に照らして当業者により解釈されることは理解されるであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物に関するものであり、より具体的には、膨張可能空気袋を備える運動靴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
運動靴は、さまざまな種類の応力に曝されながら身体をサポートし、安定性と快適さをもたらさなければならない。靴は快適であること、運動活動に関連してさまざまな動きをする足をサポートすることが重要である。
【0003】
靴は、典型的には、アッパーと靴底とを含み、足の長さと幅に応じてさまざまなサイズのものが販売されている。しかし、長さが似た足でも、同じ幾何学的形状を持たない。したがって、従来のアッパーは、さまざまな足の輪郭に合わせてサポートできるように調整可能でなければならない。数多くのさまざまな製品およびデザインで重視してきたのは、アッパーのサポートが調整可能でなければならないという点である。例えば、アッパーは、距腿部の一部を包み込み、それによりサポートする踝部を含むことができる。それに加えて、靴ひもを結ぶ、つまり標準的な靴のスロート上に1本または複数本のひもをかけわたすことにより、靴のサイズを調整することはよく知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,610,099号公報
【特許文献2】ブラジル特許第8,305,004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、靴ひもを結ぶだけでは、いくつか不都合な問題が生じ、例えば、靴ひもまたは革ひもをきつく引きすぎると、締め付けシステムが足のインステップに圧力を加えることがある。このような局部的圧力は、靴を履く人に不快感を与え、長時間靴を履くことが困難になる場合がある。さらに、靴ひもを結ぶことで、さまざま足および踝の形状を受け入れるように靴のアッパーを調整可能にできるが、個々の足の輪郭に合わせて靴を成形するわけではない。さらに、足の輪郭が不規則であるためアッパーによりサポートされない足の領域もある。スキー靴業界は、これまで、靴ひもを結ぶことで生じる圧力をなくしスキー靴のフィット感を改善するために膨張可能挿入可能装置を使用することに頼ることが多かった。
【0006】
靴に関連する問題のうちの1つは、いつでもサポートと緩衝材とをうまく両立させることであった。平均的な一日を過ごす間に、個々の人の足と脚は、かなりの衝撃力を受けている。走る、跳ぶ、歩く、さらには立っていることすら、個人の足および脚に力を及ぼし、痛み、疲労、および怪我に至る可能性がある。人の足は、多くの衝撃力に耐え、散逸させることができる、1台の複雑なすばらしい機械である。かかとと前足の自然なパディング、さらにはアーチの柔軟性が、足への衝撃を和らげるのを助ける。運動選手が歩く動作は、部分的には足の柔軟な組織内に蓄積されているエネルギーの結果である。例えば、典型的な歩き方または走り方で動いている間、運動選手の腱およびアーチは、伸縮し、腱と靭帯にエネルギーを蓄積する。これらの要素に加わる制限的圧力が解放されると、蓄積されたエネルギーも解放され、それにより、筋肉が負わなければならない負担が低減される。
【0007】
人の足は自然な緩衝および反発特性を有しているが、足だけでは、運動活動中に発生する力の多くを効果的に克服することはできない。個人が適切な緩衝およびサポートをもたらす靴を履いていない限り、運動活動に関連する痛みおよび疲労は、激しくなり、その発現が加速される。この結果、その靴を履いている人に不快な思いをさせ、運動活動を続ける意欲をなくさせる。同様に重要なことだが、緩衝効果が不適切な履物だと、水膨れ、筋肉の損傷、腱の損傷、靭帯の損傷、および疲労骨折などの怪我を生じる可能性がある。不適切な履物は、さらに、背痛を含む、他の不快感ももたらしうる。
【0008】
上記の観点から、長年にわたり靴に、改善された緩衝作用と弾力性を靴に与える手段を組み込む多くの試みがなされてきた。例えば、時間の経過とともに正常に機能しなくなり、その弾力性を失う傾向のあるEVAなどのフォーム、または液体で満たされたインサートで、足の自然な弾力性およびエネルギー回収を高める試みがなされてきた。液体で満たされた装置では、靴のかかとと前足の領域に隣接して配置された加圧流体を封じ込めることにより緩衝作用とエネルギー回収を高めることを試みる。これらの装置には、いくつかの決定的な問題が存在する。
【0009】
これらの問題のうちの1つは、人々の生理学的バラツキと運動靴が履かれるさまざまな活動に対し、液体で満たされた装置は調整可能でない場合が多いという点である。Signoriの米国特許第4,610,099号などのように、履物の底の流体を調整することが知られている。しかし、足元用装置は、緩衝作用を靴底に与えながら、典型的には、足の側面、上部、および後のサポートに役立たない。圧縮空気で靴のアッパーおよび底への衝撃を和らげようとしたところ、できあがった製品は、効果がないか、または使用される製造技術のせいで、重すぎて扱いにくく、ランニングシューズとしては使用できない。
【0010】
いくつかの従来の足元緩衝システムでは、膨張可能空気袋の足元部分は、典型的には、足の側面および上部にそって膨張可能空気袋の部分から隔てられている。したがって、従来の緩衝装置のかかと部分への下方圧力は、足の側面およびかかとを囲む緩衝材に効果を有しない。さらに、従来の膨張可能靴インサートも、従来の靴アッパーと連携して使用されるように設計されている。このタイプのデザインの靴は、アッパーのすべての材料および膨張可能インサートの追加の材料を必要とするため、かなり高価なものになりうる。多くの場合、膨張可能インサートを使用すると、靴がかさばることになるが、それは膨張メカニズムとアッパーパディングおよび材料の複数の層の中に隠されている膨張可能空気袋との間にある複雑な配管システムを必要とするからである。
【0011】
大半の従来の膨張可能靴は、例えばSignoriのブラジル特許第8305004号で説明されている、ハンドヘルド型の膨張メカニズム、または靴の一部のみを選択的に膨張させるために使用されるオンボード膨張メカニズムを含む。他の膨張可能靴は、工場において事前に膨張される。工場で膨張されようと、利用者により膨張されようと、靴からの空気の拡散には問題がある。工場で靴を膨張させる場合、拡散の問題は、靴を膨張させるための流体として大分子ガスを使用することにより部分的には解決されている。大分子ガスは空気と同じ速度で拡散しないが、ガスは高価であり、靴のコストを上昇させ、利用者は、自分の好みに合わせて靴の圧力量を変えることができない。それでも、靴の中の膨張装置に関連する問題の1つは、過剰な膨張を回避するために膨張をされた空気袋から過剰な空気を抜き取る方法である。
【0012】
足の形のバラツキに対応するため靴のアッパー内の膨張可能空気袋を使用することもよく知られている。本発明の譲受人であるReebok International Ltd.は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,158,767号で説明されている、1980年代後半に「The Pump」を導入したそのような靴を普及させた。また、1980年代中頃にも、Reebok International Ltd.は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第5,893,219号(「’219特許」)で開示されている自動膨張靴を開発した。後者のReebok International Ltd.は、靴アッパーをサポートするために膨張可能外骨格を使用するPUMP FURY靴と呼ばれる靴を導入した。この靴は、開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,237,251号で説明されている。
【0013】
’219特許で説明されているような技術的に高度な靴に関連する問題の1つは、そのような靴を、できる限りパーツを少なく、重量も減らし、妥当なコストで製造する方法である。したがって、必要なのは、連続的に流体により相互接続されている膨張可能空気袋を1つ備える靴であり、流体は、足の下側と足の内側および横側の間に流れうる。履物は、履く人の足にぴったりフィットし、留められなければならず、それにより、踝の周り、および履く人のインステップの周りは、快適になり、しかも確実なグリップが得られる。さらに、運動靴の空気袋は、軽量、安価、内蔵型で使いやすくなければならない。それに加えて、靴は、必要最低限の縫いで容易に製造できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、一般に、靴底とアッパーを持つ履物の商品である。アッパーは、外面と内面を持つ。外面または内面またはその両方の少なくとも一部は、膨張可能空気袋から形成される。空気袋は、利用者の足の下方圧力が膨張メカニズムの動作を引き起こすように配置されている膨張メカニズムにより膨張される。空気袋は、溶着でまとめられた2枚のフィルムシートから作ることができる。本発明の一態様では、空気袋は、MYLAR(登録商標)などのポリウレタンフィルム、ポリエステルフィルム、またはフィルムと布のラミネートまたはフィルムと合成/フィルムラミネートなどのラミネートから形成される。
【0015】
本発明の一態様では、膨張可能空気袋は、一体構造であり、靴底区画領域(靴底コンパートメント)、内側区画領域(内側コンパートメント)、および横区画領域(横コンパートメント)を含み、それにより、空気袋は、差し込まれた足の片側から、足の下、足の第2の側に通る連続的クッションを形成する。
【0016】
本発明の他の態様では、履物は、空気抜きメカニズムを備え、空気袋と周りの大気との間の連絡を行う。空気抜きメカニズムは、放出弁であってよく、これにより、利用者は、空気袋内の空気の量を手動で減らすことができる。他の態様では、空気抜き弁は、逆止め弁であり、それにより、空気流袋内の圧力を自動的に解放して所定の圧力にする。さらに他の態様では、空気抜きメカニズムは、逆止め弁と放出弁の組合せであり、少なくともキャップ、シーティング、およびシーティングで気密シールを形成する逆止め弁を含む。キャップへの下方圧力を使用して、放出弁を活性化する。他の態様では、空気抜きメカニズムは、空気袋からの空気が自動的に放出される空気袋圧力を調整するために、調整可能である逆止め弁(単独または、放出弁と組み合わせて)を含む。他の態様では、空気抜きメカニズムは、必要ならば、空気袋を膨張しないように開いたままにできる(単独または、逆止め弁と組み合わせた)放出弁を含む。
【0017】
他の態様では、複数の足元膨張メカニズムが本発明で使用される。一態様では、空気が環境へ開いている管を通じて外側の場所から足元膨張メカニズム内に導き入れられる。他の態様では、膨張メカニズムへの入口は、空気を通すことができるが、水分または環境粒子は通すことができない材料により覆うことができる。
【0018】
他の態様では、空気袋は、バンプ区画領域(バンクコンパートメント)を含み、これは、複数の内側溶着線により定められた複数の開口部により形成された一連のクロスハッチの溝を持つ。他の態様では、1つまたは複数の空気袋は、足元に配置されている膨張メカニズムに連通接続(流体流動可能に接続)されているチャネルなどの複数の管を介して足元膨張メカニズムに連通接続することができる。さらに他の態様では、空気袋は、靴のバンプ上にX形を形成し、通気とフィット感を高めることができる。
【0019】
他の態様では、足元膨張メカニズムは、膨張したときに差し込まれた足の周りの従来のアッパーを締め付ける複数の可撓管を膨張させる。他の態様は、足元膨張メカニズムを備える膨張可能な中敷きである。他の態様では、膨張可能中敷きは、中敷き内の空気が所定の圧力に達したときに開く少なくとも1つの穿孔などの空気抜きメカニズムを備える。
【0020】
本発明の前記および他の特徴および利点は、付属の図面に明示されているように、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、明らかであろう。
「図面の簡単な説明」の中で使われている「上」、「下」、「前」、「後」、および「側」という用語は、参照のみを目的としており、靴に関する特定の特徴の特定の向きを表すことを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】靴の一実施形態の側面図である。
【図2】空気袋の一実施形態の上面図である。
【図3】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図4】図2または3の空気袋の靴底部分の上面図である。
【図5】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図6】図5の空気袋の靴底部分の上面図である。
【図7a】図7bに示されている逆止め弁および放出弁の組合せの一実施形態の一部の分解図である。
【図7b】逆止め弁および放出弁の組合せの一実施形態の分解図である。
【図7c】図7bの放出弁および逆止め弁の組合せの断面図である。
【図7d】動作中の図7bの放出弁および逆止め弁の組合せの断面図である。
【図8a】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の断面図である。
【図8b】図8aの円部分の詳細図である。
【図9】動作中の図8aの逆止め弁および放出弁の組合せの断面図である。
【図10】図8a、8b、および9の逆止め弁および放出弁の組合せの斜視図である。
【図11a】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の上面図である。
【図11b】図11aの逆止め弁および放出弁の組合せの概略断面図である。
【図12】シュノーケルアセンブリの一実施形態の分解斜視図である。
【図13】靴の他の実施形態の側面図である。
【図14】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図15】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図16】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図17】靴の他の実施形態の側面図である。
【図18】靴の他の実施形態の側面図である。
【図19a】かかとコンパートメントアセンブリの一実施形態の上面図である。
【図19b】図19aのかかとコンパートメントアセンブリの側面図である。
【図20】靴の他の実施形態の側面図である。
【図21】靴の他の実施形態の分解斜視図である。
【図22】靴の他の実施形態の側面図である。
【図23】膨張可能中敷きの一実施形態の上面図である。
【図24A】靴の他の実施形態の側面斜視図である。
【図24B】空気袋の他の実施形態の上面図である。
【図24C】図24Aの靴の他の上正面斜視図である。
【図24D】図24Aの靴の上面図である。
【図24E】図24Aの靴の後面斜視図である。
【図25A】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の上面斜視図である。
【図25B】図25Aの逆止め弁および放出弁の組合せの分解側面斜視図である。
【図25C】図25Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面図である。
【図25D】図25Cの直線D−Dにそって示されている逆止め弁および放出弁の組合せの断面図である。
【図25E】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の断面図である。
【図25F】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の断面図である。
【図26A】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の断面図である。
【図26B】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の断面図である。
【図27A】逆止め弁および放出弁の他の組合せの側面図である。
【図27B】図27Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面図である。
【図27C】図27Bの直線C−Cにそって示されている断面図である。
【図27D】図27Bの直線C−Cにそって示されている他の断面図である。
【図28A】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の上面分解図である。
【図28B】図28Aの直線B−Bにそって示されている断面図である。
【図29A】逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態の上面図である。
【図29B】図29Aの直線B−Bにそって示されている断面図である。
【図29C】図29Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面分解図である。
【図29D】図29Aの逆止め弁および放出弁の組合せの下面分解図である。
【図30A】図30Bの直線A−Aにそって示されている逆止め弁および放出弁の組合せの一実施形態の上部分断面図である。
【図30B】図30Aの直線B−Bにそって示されている断面図である。
【図30C】図30Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面分解図である。
【図30D】図30Aの逆止め弁および放出弁の組合せの下面分解図である。
【図30E】図30Aの逆止め弁および放出弁の組合せの正面図である。
【図30F】図30Aの逆止め弁および放出弁の組合せの側面図である。
【図31A】逆止め弁および放出弁の組合せの一実施形態の上面斜視図である。
【図31B】図31Cの直線B−Bにそって示されている図31Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上部分断面図である。
【図31C】図31Bの直線C−Cにそって示されている断面図である。
【図31D】図31Bの直線D−Dにそって示されている断面図である。
【図31E】図31Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面分解図である。
【図31F】図31Aの逆止め弁および放出弁の組合せの下面分解図である。
【図32A】調整可能逆止め弁の一実施形態の上面斜視図である。
【図32B】図32Aの調整可能逆止め弁の上面図である。
【図32C】図32Bの直線C−Cにそって示されている断面図である。
【図32D】図32Bの直線D−Dにそって示されている断面図である。
【図32E】図32Aの調整可能逆止め弁の上面分解図である。
【図32F】図32Aの調整可能逆止め弁の下面分解図である。
【図33A】サテライト膨張メカニズムの下面分解図である。
【図33B】図33Aのサテライト膨張メカニズムの上面分解図である。
【図34A】靴の他の実施形態の側面図である。
【図34B】図34Aの靴の対向側面図である。
【図34C】図34Aの靴の上面図である。
【図34D】図34Aの靴の正面図である。
【図34E】図34Aの靴の後面図である。
【図34F】図34Aの靴の下面図である。
【図34G】図34Aの靴の下面斜視図である。
【図34H】図34Aの靴の他の下面斜視図である。
【図34I】図34Aの靴の他の側面斜視図である。
【図35A】靴の他の実施形態の側面図である。
【図35B】図35Aの靴の対向側面図である。
【図35C】図35Aの靴の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のいくつかの実施形態は、図を参照しつつ説明されているが、それぞれの参照番号の一番左の数字は、一般に、参照数字が出現する図に対応している。特定の構成および配列が説明されているが、これは、例示目的のみのために説明されていることは理解されるであろう。当業者であれば、他の構成および配列も、本発明の精神および範囲から逸脱することなく使用できることを理解するであろう。本発明がさまざまな他の用途でも採用できることは当業者にとって明白なことであろう。
【0023】
本発明の一実施形態による右足用の靴は、図1において一般的に100で示されている。左足用の対応する靴は、靴100の鏡像とすることが可能であり、したがって、本明細書では示すことも説明することもしない。図1に示されているように、靴100は、一般的に108で示されているかかと領域、一般的に103で示されているアーチ領域、一般的に105で示されているバンプ領域、一般的に104で示されている前足領域、および一般的に106で示されている内側領域を持つ。本発明は、従来の皮革または布のアッパーを、特に典型的な運動靴のアッパーの内側にそって見られる追加フォームパディングとともに、必要としない。したがって、靴100は、靴底120およびアッパー110を含み、その少なくとも一部は、膨張可能空気袋130全体を含む。それに加えて、図1のアッパー110は、つま先部分134を持つ。図1に示されているように、つま先部分134は、空気袋130から作られる必要はない。しかし、他の実施形態では、空気袋130は、つま先部分134を含む、アッパー110のいずれかまたはすべての部分を形成することができる。アッパー110は、一般的に112で示される開口部を持ち、これは、靴を履く人の足を受け入れるように設計されている。
【0024】
靴を履く人がいつでも空気袋内の空気の量をカスタマイズできるために、空気袋130は、膨張メカニズムと連絡している。図1に示されている一実施形態では、汎用的な膨張メカニズム140が、靴のかかと領域内の空気袋130に取り付けられている。しかし、他の実施形態では、膨張メカニズム140は、靴のべろ、靴底、靴の側面、または靴の他の領域に配置することができ、これは、当業者にとっては明白なことであろう。例えば、靴のべろに膨張メカニズムを取り付けている他の実施形態は、図2を参照しつつ後の方で説明する。
【0025】
本発明では、さまざまな異なる膨張メカニズムを使用することができる。膨張メカニズムは、例えば、靴に物理的に取り付けられる単純なラテックスバルブとすることができる。それとは別に、膨張メカニズムは、図1に示されているような成型プラスチック室であるか、または空気袋を膨張させるためにCO2ガスを使用するものなどのハンドヘルド型ポンプとすることができる。最後に、図3および図5を参照しつつ説明されるように、空気袋の一部は、空気袋の残り部分から隔離することができる。この隔離された部分は、一方向弁を介して空気袋の残り部分と流体流動可能に連絡する。この一方向弁を使用することで、隔離されている部分は、膨張メカニズムとして動作することができる。空気袋の隔離されている部分を膨張メカニズムとして動作させることは、好ましくは、利用者が活動に没頭しているときに空気袋を自動的に膨張するための足元空気袋に好適である。しかし、このような膨張メカニズムは、靴のどのような部分でも使用することができる。好ましくは、膨張メカニズムは、小さく、軽量なものであり、十分に膨張させるのにわずかな労力で済むように十分な量の空気を供給する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,987,779号では、一方向逆止め弁とともに(さまざまな形状の)バルブを含む膨張メカニズムについて説明している。バルブが圧縮されると、バルブ内の空気は所望の領域内に強制的に押し込まれる。バルブが解放されると、バルブ内の圧力がなくなるため逆止め弁が開き、周囲の空気がバルブ内に入る。
【0026】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、米国特許第5,987,779号にも説明されている、他の膨張メカニズムは、一方向弁として作用する孔を備えるバルブである。圧縮後、指をバルブの孔の上に置くことができる。したがって、空気は、その孔を通って漏れることを許されず、所望の場所に強制的に押し込まれる。指を除けると、周囲の空気が、その孔から入り込む。さらに大きな量の空気を押しのけるために折り畳み可能な壁を持つ膨張メカニズムが好ましい場合がある。類似の膨張メカニズムは、一時的に折り畳み可能なフォームインサートを含むことができる。このフォームインサートにより、バルブが解放されたときに、バルブがフォームインサートの自然な体積まで膨らみ、空気を引き込み、その体積を満たす。好ましいフォームは、Woodbridge Foam Fabricating(37406テネシー州チャタヌーガ1120−T Judd Rd.)社が市販しているパーツ番号FS−170−450TNの4.25〜4.79ポンド/立方フィートのポリエーテルポリウレタンフォームなどのポリウレタンである。
【0027】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、米国特許第6,287,225号では、本発明に好適な他の種類のオンボード膨張メカニズムについて説明している。当業者であれば、さまざまな膨張メカニズムは本発明に好適であることを理解できる。それに加えて、膨張メカニズムは、本発明のどのような実施形態とも使用するのに適している。
【0028】
図1に示されている膨張メカニズムは、プラスチック製折り畳み可能ケースを含むアコーディオンスタイルの膨張メカニズムである。空気は、膨張メカニズム外部に開いている孔を通して入り込む。膨張メカニズムは、システム内に強制的に送り込まれる空気の量を増やすためにケーシングがアコーディオンのように折り畳まれることを除き、バルブ膨張メカニズムに関して上で説明されているのと同様に動作する。解放された後、アコーディオンスタイルのケーシングは膨張し、空気がケーシング内に強制的に送り込まれ、ケーシング内の圧力を調整する。
【0029】
これらの膨張メカニズムはすべて、一方向弁を膨張メカニズムと空気袋130との間に置くことが必要であり、いったん空気がシステム内に入ると、膨張メカニズム内に逆流することはできない。さまざまな種類の一方向弁は、本発明のさまざまな膨張メカニズムとともに使用することに適している。好ましくは、この弁は、小さいかさ高性(バルキネス)に対し比較的小さく、平坦である。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Pekarの米国特許第5,144,708号では、本発明に好適な弁について説明している。この特許では、熱可塑性シート間に形成された弁について説明している。Pekar特許で説明されている弁では、単純な製造技術を使用することができ、それにより、弁を空気袋が溶着されるのと同時にシステム内に組み込むことができる。当業者であれば、さまざまな好適な弁が本発明において考察されていることを理解できる。
【0030】
一方向弁は、システムの過剰膨張を回避する方法を提供する。特に、空気袋内の圧力が膨張メカニズムにより加えられる圧力に等しい場合、システム内にさらに空気が入り込むことはできない。実際、空気袋内の圧力と圧縮された膨張メカニズムの圧力との間で平衡状態に達すると、開いて空気を膨張メカニズムから空気袋130に移動させることができる一方向弁は、閉じたままとすることができる。この弁が開いても、空気はシステム内に入り込まない。さらに、当業者であれば、空気袋130内にポンプで送り込むことができる空気の量を制限する一定の圧力出力を行うようにポンプを設計することができる。一方向弁も、当業者に知られているように、類似の効果をもたらす。それに加えて、一方向弁は、本発明のどのような実施形態にも使用するのに適している。
【0031】
図1に示されているような一実施形態は、空気抜き弁109を含むことができる。図1の特定の空気抜き弁は、放出弁である。放出弁は、空気袋130に連通接続され、放出弁により、特に好ましい快適レベルが空気袋により他の何らかの形で与えられる圧力限界よりも小さい場合に、利用者は、空気袋130内に挿入される空気の量を個人的に調整することができる。放出弁は、どのような種類の放出弁をも含むことができる。ある種の放出弁は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,987,779号で説明されているプランジャ型であり、空気は、空気袋の壁からシールを押して遠ざけるプランジャが押された後放出され、これにより空気が漏れる。特に、放出弁は、プランジャを閉位置でバイアスするバネを持つことができる。プランジャの周りのフランジは、空気がプランジャとリリースフィッティングとの間から漏れるのを防ぐことができるが、それは、フランジが閉位置でバイアスされ、リリースフィッティングと接触しているからである。空気袋130から空気を放出するために、プランジャが利用者によって押される。次いで、空気がプランジャの柄の周りから漏れる。このタイプの放出弁は、機械構造上単純で、軽量である。放出弁のコンポーネントは、プラスチックまたは金属を含む数多くの異なる材料から作ることができる。どのような放出弁も、本発明の実施形態で使用するのに適している。
【0032】
図1は、靴100の空気抜き弁109の可能な配置のうちの1つを示している。しかし、空気抜き弁109は、当業者には明らかなように、空気袋130と連通接続されているとした場合に数多くの異なる場所に配置することができる。それに加えて、靴100は、複数の空気抜き弁を備えることができる。
【0033】
それとは別に、空気抜き弁109は、空気袋130内の圧力が所定のレベル以上のときに開く逆止め弁、または吹き出し弁であってもよい。これらの状況のそれぞれにおいて、空気袋130は、利用者が靴をどれだけ膨張させようとしてもある量を超えて膨張することはない。
【0034】
ある種の逆止め弁は、可動シーティング部材を空気袋内の開口部にあてがって保持するバネを持つ。空気袋の内側の空気の圧力が一方の方向で可動シーティング部材に及ぼす圧力が他方の方向でバネが引き起こす圧力よりも高い場合、可動シーティング部材は、開口部から離れて行き、それにより空気が空気袋から漏れ出る。他の種類の逆止め弁は、Vernay Laboratories,Inc.(Yellow Springs、米国、オハイオ州)から市販されている、Silicone VL1001M12で作られているVA−3497 Umbrella Check Valve(Part No.VL1682−104)などの傘弁である。それに加えて、他の逆止め弁は、当業者にとっては明らかなように、本発明で使用するのに適している。さらに、逆止め弁は、本発明のどの実施形態で使用するのにも適している。
【0035】
他の実施形態では、空気抜き弁109は、調整可能逆止め弁とすることができ、利用者は、弁が解放される圧力を調整することができる。調整可能逆止め弁は、工場設定圧力ではなく個々に好ましい圧力に設定されるという付加利益を有する。調整可能逆止め弁は、前段で説明されているバネおよび可動シーティング部材構成に似たものであってもよい。しかし、調整可能にするために、弁はバネの張力を加減するメカニズムを備えることができ、これにより、バネの力を克服し、可動シーティング部材を空気袋の開口部から遠ざけるために空気圧力を増やしたり減らしたりする必要がある。しかし、当業者には明らかなように、どのような種類の調整可能逆止め弁も、本発明で使用するのに適しており、どのような調整可能逆止め弁も、本発明の実施形態で使用するのに適しているであろう。
【0036】
空気袋130は、複数の種類の空気抜き弁109を備えることができる。例えば、空気袋130は、逆止め弁と放出弁の両方を備えることができる。それとは別に、空気袋130は、放出弁および逆止め弁の組合せである空気抜き弁109を含むことができる。
【0037】
ときどき、利用者は、空気袋の膨張を完全にオフにしたい場合もある。そのため、空気抜き弁109の他の実施形態は、開いたままにできる放出弁を備える。空気袋内の圧力増加は、開放弁により逃される。オフになる放出弁および/または調整可能な逆止め弁などの放出弁および逆止め弁の特徴は、さらに、図7A〜7D、8A〜8B、9、10、11A〜11B、25A〜25F、26A〜26B、27A〜27D、28A〜28B、29A〜29D、30A〜30F、31A〜31F、および32A〜32Fに関して以下で詳しく説明されているような逆止め弁および放出弁の組合せに組み込むことができる。
【0038】
一実施形態では、所定の圧力に達したら空気が空気袋を通じて自然に拡散できるように小さな穿孔を空気袋内に形成することができる。空気袋130を作るために使用される材料は、これらの穿孔が一般的に閉じたままとなるような柔軟な材料で作ることができる。空気袋内の圧力が所定の圧力よりも高くなると、空気袋の両側にかかる力により、穿孔が開き、空気が漏れる。空気袋130内の圧力が所定の圧力よりも低い場合、空気はこれらの穿孔からたとえ漏れるとしても非常にゆっくりと漏れる。本発明の空気袋のどの実施形態も、空気袋内の空気の量を制御するためこうした穿孔を持つことができる。
【0039】
空気袋130は、外面層またはフィルムおよび同じ広さの内面層またはフィルムから形成することができる。空気袋は、図2の空気袋230に示されているような、さまざまな構成で成形することができる。内面層および外面層は、製品指定番号MP1880などの、マサチューセッツ州ノーサンプトンのJ.P.Stevens&Co.,Inc.社が市販しているような軽量のウレタンフィルムとすることができる。それとは別に、これらの層は、酢酸エチルビニルの薄いフィルムまたは類似のバリアフィルムとすることができる。内面層および外面層は、異なる材料から形成することもできる。それに加えて、外面層は、ウレタンフィルムおよび薄い繊維または合成材料を張り合わせて形成したラミネートとすることもできる。内面層は、気密周辺溶着線210にそって外面層に取り付けられる。周辺溶着線210は、外面層を内面層に付着させ、層と層の間の空気を保つバリアを作成する。
【0040】
外面層を内面層に張り付ける好適な方法の一実施例は、高周波(RF溶着)を第1および第2のフィルムの縁に印加することである。外面層および内面層は、それとは別に、熱溶着または超音波溶着でくっつけるか、または他の気密手段により貼り合わせることができる。内部溶着線220も、備えられる。これらの内部溶着線220は、さらに、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、または他の好適な手段により形成され、また以下で詳しく説明される本発明のコンパートメント(区画領域)を形成する。外面層および内面層は、周辺溶着線210および内面接線220にそって取り付けられるだけである。したがって、空気、他のガスまたは液体などの流体を外面層と内面層との間に導き入れることができるポケットまたは空気袋が形成される。シートをすべての溶着線にそって溶着して張り合わせ、次いで、金型で切断して、所定の形状を形成する。それとは別に、空気袋130は、ブロー成型、押し出し成型、射出成型およびシーリング、真空形成、または熱可塑性材料を使用した他の熱成形プロセスにより形成することができる。
【0041】
空気袋130は、図1の一実施形態に見られるように、アッパー110の外面および/または内面の少なくとも一部を形成するので、本発明の空気袋は、さらに、外面層および内面層の一方または両方に接着またはラミネートされた外部材料の薄い層で形成することもできる。接着は、空気袋の形成前または後に行うことができる。好適な材料の1つは、LYCRA(登録商標)(DuPontから市販されている)である。LYCRA(登録商標)は、柔軟で通気性のある材料である。それとは別に、外面および内面層の一方または両方を、フォームラミネート、任意の種類の合成材料、または当業者が利用可能な、または靴の生産で典型的に使用される任意の他の材料に接着することができる。好ましい一実施形態では、接着された材料を使用するまたは使用しない空気袋は、靴の外面および内面の両方の一部を形成する。図2に戻ると、空気袋230は、内側コンパートメント254、横コンパートメント256、内側かかとコンパートメント259、横かかとコンパートメント258、およびアーチコンパートメント252、かかとコンパートメント260、中足コンパートメント262、および前足コンパートメント264と指定されている靴底コンパートメントを含む複数のコンパートメントを含む。靴の内側に配置されているこれらのコンパートメントは、靴のアキレス腱部分に配置されている流体接続接合部(連通合流部)274を介して靴の横側に配置されているコンパートメントに連通接続される。図2に示されている実施形態では、膨張メカニズム208は、内側コンパートメント254に連通接続され、内側かかとコンパートメント259への通路272を介して連通接続される。内側コンパートメント254は、足の内側に緩衝作用をもたらし、足のアーチの下に緩衝作用をもたらすアーチコンパートメント252に相互に連通接続される。内側コンパートメント254は、さらに、通路276を介して内側かかとコンパートメント259に連通接続され、接続接合部274を介して横かかとコンパートメント258に接続され、かかと領域108の周りに緩衝作用をもたらす。横かかとコンパートメント258は、足の横側にそって緩衝作用をもたらす通路278を介して横コンパートメント256に連通接続される。
【0042】
横コンパートメント256は、足のかかとに緩衝作用をもたらすかかとコンパートメント260に連通接続されている。かかとコンパートメント260は、さらに、通路280を通じて接続接合部274に連通接続される。かかとコンパートメント260は、中足コンパートメント262および前足コンパートメント264に相互に連通接続される。図2に示されているように、内側コンパートメント254、横コンパートメント256、中足コンパートメント262、横かかとコンパートメント258、および内側かかとコンパートメント259は、さらにコンパートメント化される。これにより、靴100および空気袋230は、曲がりやすくなり、さらに利用者の足に適合する。
【0043】
図2に示されている空気袋は、足の側面を含む、足全体に緩衝作用をもたらし、足全体にフィットするようにあつらえられている。これにより、靴を履く人の快適さが向上する。さらに、足の側面に配置されているコンパートメントは、足の下側に配置されている異なるコンパートメントに連通接続されているため、足の下に配置されているコンパートメントが圧縮されると、空気は、靴の両側に流れ込むことができる。横コンパートメント256がかかとコンパートメント260に連通接続され、内側コンパートメント254がアーチコンパートメント252に連通接続されている空気袋230が示されているが、当業者であれば、足の側面およびかかとにそって配置されるコンパートメントは、靴の底から靴の側面へ、またその逆方向に空気が移動できるように足の下に配置されているコンパートメントのうちのどれか1つに連通接続されることが可能であることは理解するであろう。さらに、他の実施形態では、空気袋230に含めるコンパートメントの数を加減することも可能であり、空気袋230のコンパートメントは、当業者には明らかなように、他のサイズまたは形状とすることもできる。
【0044】
好ましい一実施形態では、空気袋230は、前足コンパートメント264、かかとコンパートメント260、およびアーチコンパートメント252に示されているような溶着部270を含むことができる。溶着部270は、空気袋が充満形状になっている場合(例えば、空気がポンプで空気袋に送り込まれている場合)に、空気袋の厚みを制御するために使用される。溶着部270は、さらに、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、または他の適当な手段により形成される。空気袋230を最小の厚みに膨らませることが望ましい空気袋の領域では、円形溶着部270の密度は、空気袋130の膨張の際にさらに厚みを増すことが許容されるか、望ましい面積よりも大きくすることができる。これらの溶着部は、円形または三角形、楕円形、または正方形などの他の幾何学的形状とすることができるが、ただし、本発明の空気袋の膨張寸法を制限し、制御するような形状である。
【0045】
図2に示されているように、空気抜き弁109は、空気袋230の横コンパートメント256内に配置することができ、膨張メカニズム208は、内側コンパートメント254に連通接続することができる。しかし、他の実施形態では、膨張メカニズム208および空気抜き弁109は、当業者には明らかなことであるように、空気袋230の任意の領域内に配置することができるか、またはまるっきりなくすことができる。図2は、細長い膨張メカニズムを示しており、これは、靴のべろ部分にそって丸型バルブまたはアコーディオンスタイルの膨張メカニズムよりもフィットしやすくできる。前述のように、どのような種類の膨張メカニズムも、当業者にとっては明らかなように、本発明で使用するのに適している。同様に、空気袋130を参照しつつ、上で説明されているすべての種類の空気抜き弁は、膨張袋230などの一実施形態において使用することができる。膨張袋230は、さらに、上述のように、空気袋230内の空気の量を制御するために穿孔または一方向弁を使用することができる。
【0046】
図3は、空気袋330の他の実施形態を示しており、かかとコンパートメント308は、足のかかと領域の下で膨張メカニズムとして動作する。孔は、かかとコンパートメント308内に配置され、そのため、1歩踏み出すことに、孔がシールされ、かかとコンパートメント308内に配置されている空気は、一方向弁320を通って横コンパートメント356内に強制的に送られ、さらに空気袋330の残り部分を通る。かかとから孔に当たる下方圧力は、気密シールを作り出し、かかとコンパートメント308内の空気は、一方向弁に強制的に通される。一方向弁320により、流体は、図3の矢印の方向と反対の方向にのみ流れる。歩行周期が続くとともに、足のかかとが上がり、かかとコンパートメント308にかかっている圧力が解放され、孔を覆っているシールが外れる。空気は、好ましくは靴の内側からまたはそれとは別に靴の外側を向く管から、孔に強制的に通され、かかとコンパートメント308内の圧力を等しくする。その結果、踏み出す毎に空気を一貫して空気袋330に供給する膨張メカニズムが形成される。それとは別に、バタフライ弁を孔の代わりに使用することが可能である。一実施例は、参照により開示が本明細書に組み込まれる、Pekarの米国特許第5,372,487で開示されている。また、それとは別に、かかとコンパートメント308は、一般にかかとコンパートメント308の体積に等しい折り畳み可能なフォームインサートを含むことができる。足のかかとはフォームインサートとかかとコンパートメント308を典型的な歩行周期で圧縮する。かかとが離れると、フォームインサートは膨張して元の形状に戻り、かかとコンパートメント308の体積を膨らませ、空気がかかとコンパートメント308の膨張とともに入るようにすることができる。フォームインサートを備えるかかとコンパートメントの他の実施例は、図5を参照して以下で詳しく説明される。さらに、サテライト(衛星)膨張メカニズムまたは水分および他の環境条件バリアを持つ膨張メカニズムなど、説明されているまたは以下で他の何らかの形で開示されている他の足元ポンプを、かかとコンパートメント308の代わりに使用することができる。
【0047】
横コンパートメント356は、さらに、通路322を通って中足コンパートメント362に連通接続され、前足コンパートメント364は、一方向弁380を通じて横コンパートメント356に連通接続される。図3は、前足コンパートメント364内の第2の膨張メカニズムを示している。この膨張メカニズムは、かかとコンパートメント308について上で説明されている膨張メカニズムと同じように動作するように設計されている。この実施形態では、空気は、前足が前足コンパートメント364内に転がり込むと一方向弁380を通して横コンパートメント356内に強制的に送り込まれる。空気は、上述のような孔を介して、または上述のような弁を介して、前足コンパートメント364に入る。また、前足コンパートメント364は、かかとコンパートメント308について上で説明されているように、フォームインサートを含むことができる。つまり、図3の靴は、2つの膨張メカニズムを使用し、これらがともに動作して空気袋を膨張させる時間を短縮する。かかとに1つと前足に1つの2つの膨張メカニズムを使用することにより、利用者は、数歩進むだけで靴の膨張を感じ始める。
【0048】
図3では、前足コンパートメント364とかかとコンパートメント308は、両方とも空気袋を膨張させることを示している。それとは別に、前足コンパートメント364は、かかとコンパートメント308が空気袋の他の部分を膨張させている間、空気袋の一部分を膨張させるように向け付けることができることは理解されるであろう。溶着線を使用して、この結果を出せるように空気袋の一部を隔離することができる。
【0049】
横コンパートメント356は、流体通路370を通じて横かかとコンパートメント357に連通接続される。横かかとコンパートメント357は、流体接続接合部358を介して内側かかとコンパートメント359に連通接続され、靴100のかかと部分108の周りをサポートする。内側かかとコンパートメント359は、流体通路372および374を通じて内側コンパートメント354に連通接続される。内側コンパートメント354は、さらに、アーチコンパートメント352にも連通接続される。
【0050】
図3は、前足コンパートメント364、中足コンパートメント362、横コンパートメント356、内側コンパートメント354、横かかとコンパートメント357、および内側かかとコンパートメント359は、図2の類似の特徴と同じ目的のためにさらにコンパートメント化することができることを示している。また、アーチコンパートメント352は、図2で説明されているのと類似の溶着部270を持つことができる。
【0051】
したがって、足が典型的な歩行周期を歩むと、足により足元に配置されているさまざまなコンパートメントに引き起こされる圧力のため、空気が強制的に空気袋のさまざまな他の連通接続されている部分に送られ、足の内側、横側、およびかかとの周囲のサポートが高められる。
【0052】
図3で説明されている実施形態は、さらに、空気袋330を大気へ開き空気袋330内の空気の量を減らす空気抜き弁109を備えることもできる。空気袋330は、図7a〜7dに関して以下で説明されているように、靴を履く個々の人が自分が望む量だけ圧力を解放することができる放出弁、空気袋330内の空気圧が所定の圧力に達したときにのみ開く逆止め弁、またはそれらの組合せを備えることができる。空気袋330は、それとは別に、調整可能逆止め弁を備えることができ、利用者は、弁が開く圧力を調整することができる。空気袋330は、空気袋130の実施形態に関して上で説明されているように、それ自体が圧力を調整するためのシステムとして動作しうる一方向弁を持つ1つまたは複数の膨張メカニズムを備えることができる。他の実施形態では、本発明の空気袋330は、靴のべろ、靴のかかと近く、靴の横側または内側、または当業者には明らかな靴の他の場所に配置されている1つまたは複数の手動で動作する膨張メカニズムを備えることができる。
【0053】
図4に示されているような一実施形態では、図2および3に説明されているのと似た本発明の空気袋は、靴を履く人の足元に配置されているS字型のスティッチ490により縫い合わされる。この縫い合わせは、空気袋がダイスカットされるときに形成される周辺溶着線の縫い合わせマージン内に置かれる。この縫い合わせで、アーチコンポーネント252/352の周辺溶着部の一部を中足コンパートメント262/362およびかかとコンパートメント260/308の周辺溶着部にあてがい図2および3の流体結合部274、358の下の領域408に配置されている周辺溶着部に接続する。さまざまなコンパートメントが縫い合わされるため、本発明の空気袋は、靴を履く人の足を完全に包み込むブーツを形成する。本発明のコンポーネントは縫い合わされるため、図2および3の内側コンパートメント254、354、および図2および3の横コンパートメント256、356は、他のコンパートメントからのサポートを受ける。このサポートにより、本発明の空気袋は、アッパー自体として機能することができる。
【0054】
縫い合わせは、空気袋のこれらの部分を接続するための一方法にすぎない。それとは別に、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で接着することができる。
【0055】
図5では、空気袋530が他の設計を採用している他の実施形態が説明されている。空気袋530は、流体通路512を通じて横コンパートメント554に連通接続される、前足コンパートメント564を備える。横コンパートメント554は、流体通路514および516を通じて流体接続接合部558に連通接続される。横コンパートメント554および内側コンパートメント556は、接続接合部558上に連通接続され、足のかかとに緩衝作用をもたらす。流体接続接合部558は、流体通路518および524を通じて内側コンパートメント556に連通接続される。内側コンパートメント556は、流体通路522を通じて中足コンパートメント562に連通接続される。かかとコンパートメント508は、一方向弁550を通じて中足コンパートメント562に連通接続される。それぞれのコンパートメントの形状およびサイズは異なることができ、当業者には明らかなように、さまざまな内部溶着線を追加したり、または取り除いたりすることにより何らかの方法を使用して連通接続することができる。さらに、他の実施形態が備えるコンパートメントの数を増やしたり減らしたりすることもできる。
【0056】
横コンパートメント554および内側コンパートメント556のそれぞれは、コンパートメントの残り部分に連通接続されていない内部溶着線から形成されたポケットを持つことができる。横ポケット532は、横コンパートメント554内に配置され、内側ポケット534は、内側コンパートメント556内に配置される。これらのポケットは、実際には、膨張できず、2つの層は互いに対して平たいままであるか、または事前に膨張させておくことが可能である。いずれの場合も、このイメージでは、それらは、空気袋の残り部分の調整可能な膨張システムの一部ではない。さらに、空気袋530は、第3のポケット528を備える。この第3のポケットは、足元、足の横側、およびかかと領域108をサポートする。同様に、第4のポケット526は、かかと領域108をサポートする。ポケット528および526を囲む溶着線は、ポケット528および526の内部のフィルムシートを溶着して張り合わせなくても、膨張した空気袋からその領域を離しておく。それとは別に、横ポケット532および内側ポケット534を取り除き、空気袋の開口部を532および534と指定された場所に残すことが可能である。
【0057】
空気袋530は、前足コンパートメント564および中足コンパートメント562に示されているような溶着部270を含むことができる。溶着部270は、本発明の空気袋の膨張寸法を制限し、制御するものであれば、どのような形状のものでもよい。例えば、細長い溶着部540は、前足コンパートメント564、横コンパートメント554、および内側コンパートメント540内に見られる。細長い溶着部540は、さらに、空気袋530の膨張寸法を定義し、制限する。
【0058】
膨張メカニズムは、本発明の他の実施形態について説明されているように使用することができる。ただし、好ましいのは、かかとコンパートメント508を膨張メカニズムとして使用することである。図5からわかるように、かかとコンパートメント508は、フォームコア510を含む。フォームコア510は、Woodbridge Foam Fabricating(37406テネシー州チャタヌーガ1120−T Judd Rd.)社が市販しているパーツ番号FS−170−450TNの4.25〜4.79ポンド/立方フィートのポリエーテルポリウレタンフォームなどの従来の多孔性ポリウレタンフォームである可能性がある。利用者のかかとが典型的歩行周期で踏み下ろす毎に、かかとコンパートメント508およびフォームコア510は圧縮される。かかとコンパートメント508およびフォームコア510内の空気は、強制的に、一方向弁550に通され、中足コンパートメント562内に送られ、空気袋530の他の連通接続されているコンパートメント全体に行き渡る。利用者のかかとが上がると、空気が孔を通して、または大気中に開いている一方向弁を通して、かかとコンパートメント508内に入る。フォームコア510は、自然な弾性力を持ち、そのため、フォームが自然状態に膨張し、かかとコンパートメント508がそれともに必ず膨張する。空気は、かかとコンパートメント508の体積全体に広がり、そこを占有する。さらに、足元膨張メカニズムを持つ靴は、実質的に膨張メカニズムに隣接する意図された凹み、つまりキャビティ(図に示されていない)および実質的に膨張メカニズムの形状を持つ靴底を備えることができる。靴が製造されるときに、膨張メカニズムが意図された凹みの中に挿入される。典型的な歩行周期において、膨張メカニズムが、意図された凹みと足との間で圧縮され、それにより足は意図された凹みの中に沈み込むことができる。意図された凹みは、靴の本底または中底部分のいずれかに配置することができる。
【0059】
空気袋530は、圧力上昇量を制限するための技術として穿孔または一方向弁を使用することができる。それとは別に、空気抜き弁109は、放出弁、逆止め弁、逆止め弁および放出弁の組合せ(以下参照)、調整可能逆止め弁、開いたままにできる放出弁、またはそれらの組合せとすることができる。さらに複数の種類の空気抜き弁109を使用することができる。図5は、汎用的な空気抜き弁109の1つの場所を示しているが、空気抜き弁は、空気袋530のどの部分にも配置することができる。
【0060】
図6に示されているような一実施形態では、図5に説明されているのと似た本発明の空気袋は、利用者の足元に配置されているJ字型のスティッチ690により縫い合わされる。この縫い合わせは、空気袋が形成されるときに形成される縫い合わせマージン内に置かれる。この縫い合わせで、図5に示されているように、前足コンパートメント564の周りの周辺溶着線の一部を中足コンパートメント562の周りの周辺溶着線に接続し、第3のポケット528を中足コンパートメント562の周りの周辺溶着線およびかかとコンパートメント508に接続する。それに加えて、かかとコンパートメント508の周りの周辺溶着線は、第4のポケット526に隣接する周辺溶着線に縫い合わされる。さまざまなコンパートメントが縫い合わされるため、本発明の空気袋は、靴を履く人の足を完全に包み込むブーツを形成する。このブーツのサポートにより、本発明の空気袋は、アッパー自体として機能することができる。縫い合わせは、空気袋を構成するための一方法にすぎない。それとは別に、周辺溶着線は、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で接着することができる。
【0061】
足元膨張メカニズムを持つ本発明の空気袋および靴の追加の実施形態を、図13〜18、20〜23、24A〜24E、34A〜34I、および35A〜35Cを参照して以下で説明する。さらに、サテライト足元膨張メカニズムは、図33Aおよび33Bを参照して以下で説明される。
【0062】
上で説明されているように、本発明は、逆止め弁および放出弁の組合せを含むことができる。この逆止め弁および放出弁の組合せは、図7a〜7dに示されている。放出弁と逆止め弁の組合せ701は、スリーブ704、バネ702、ベース706、傘弁708、およびキャップ710から作られる。図7aは、スリーブ704がベース706内でサポートされるのを示す分解図である。スリーブ704は、バネ702の上に載るリップ712を持つ。バネ702は、ベース706内に収まる。スリーブ704は、好ましくは、リップ712の高品質面が保証されるようにアルミニウム製である。それとは別に、スリーブ704は、多くのプラスチック材料または当業者に知られている他の材料から作ることができる。好ましくは、放出弁および逆止め弁の組合せ701の材料はすべて軽量のものである。バネ702は、好ましくはステンレス製であるが、さまざまな金属または他の材料から作ることができる。
【0063】
図7bは、放出弁および逆止め弁の組合せ全体701の分解図である。キャップ710は、表面部分738および側面部分740を持つ。キャップ710およびベース706は、両方とも、成型プラスチックから形成することができる。好ましくは、キャップ710およびベース706は、射出成型樹脂から形成される。例えば、キャップ710は、Estane 58863(硬度85A)から射出成型することができるが、ベース706は、Bayer樹脂(硬度60D)から射出成型することができる。それとは別に、キャップ710およびベース706は、同じ樹脂から射出成型することができる。傘弁708は、図7aに示されているように、スリーブ704の底部の孔730を通して据え付けられる。組み立てられた放出弁および逆止め弁の組合せ701は、図7cに示されており、この場合放出弁メカニズムは作動していない。ベース706は、空気袋と接触している。空気は、本発明の空気袋に連通接続されているベース706内の孔720を介して放出弁および逆止め弁の組合せ701に入る。図7cは、傘の一般的形状を有し、スリーブ704に当たって気密シールを形成する傘弁708を示している。傘形状は、一般的に真ん中が厚いが、静止しスリーブ704に当たって気密シールを形成する薄いフラップ718を形成する。空気袋からの空気は、傘弁708のベース内に配置された第1のスロット722を通り、また傘の下に配置されている第2のスロット724を通る。傘弁708は、好ましくは、厚いときには剛性が高く、薄いときにはいくぶん柔軟な、シリコーンなどの材料で作られ、したがって、薄いフラップ718はいくぶん弾力がある。傘形状の下の空気圧、したがって本発明の空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ718は、変形し、持ち上がってスリーブ704から離れる。次いで、空気は、キャップ710の表面部分738内の孔716を通って漏れる。点線728は、放出弁および逆止め弁の組合せ701の放出弁部分を通る空気のルートを示している。空気袋内および傘の下の空気圧が所定の圧力以下になると、薄いフラップ718は自然な形状に戻り、再びスリーブ704に当たってシールを形成する。Vernay Laboratories,Inc.(米国オハイオ州イエロースプリングス)からVA−3497 Umbrella Check Valve(パーツ番号VL1682−104)として市販されている、好ましい傘弁708は、典型的には、空気袋内の圧力が1平方インチ当たり約5ポンドになると変形する。しかし、どのような種類の傘弁も、当業者にとっては明らかなように、本発明の逆止め弁および放出弁の組合せに適している。
【0064】
図7cに示されているようなバネ702は、軽く圧縮された状態になり、上述のように、漏れてよい空気のみが傘弁708を通るようにスリーブ704をしっかり保持し、キャップ710に当たって気密にする。特に、気密シールは、キャップ710から突き出ている成型された蝶番714に当たるスリーブ704のリップ712の圧力により形成される。図7dからわかるように、キャップ710の表面部分が押されると、キャップ710は変形する。これが生じると、表面部分738はフラットになり、スリーブ704の上部縁742を下に押す。スリーブ704が強制的に下方に押されると、バネ702が圧縮し、リップ712が蝶番714から引き離される。蝶番714とリップ712との間のギャップ726により、空気はキャップ710内の孔716から外へ漏れる。点線729は、放出弁および逆止め弁の組合せの放出弁部分が作動したときの空気流の経路を示している。指または親指でキャップ710の上部に配置されている孔を覆い、空気が孔716を通って漏れるのを防ぐのを避けるために、一実施形態は、キャップ710の表面部分738から突き出ているエクステンションまたは壁を含むことができる。例えば、一実施形態は、孔716の外側のリング形状の壁(図に示されていない)を持つことができる。リング形状の壁は、さらに、壁の側面に孔を有し、それにより、指または親指がリング形状の壁に置かれたときに、指または親指ではなく壁がキャップ710を押し下げる。孔716を通って漏れる空気は、それでも上部から指または親指で捕らえられるが、リング形状の壁の側面の孔を通って漏れ出る。他の実施形態は、表面部分738の中心から突き出ているエクステンションを持つことができる。エクステンションが押されると、キャップ710は、孔716を覆うことなく押し下げられる。追加のキャップをエクステンションまたは壁の上に配置し、これにより、指または親指でエクステンションまたは壁を押し下げるためのより大きな表面を得ることができる。その結果、空気が、キャップ710と追加のキャップとの間のギャップから出てくることができる。
【0065】
図8a、8b、および9は、他の放出弁および逆止め弁の組合せ801を示している。放出弁と逆止め弁の組合せ801は、ベース806、傘弁808、およびキャップ810から作られる。したがって、放出弁および逆止め弁の組合せ801は、部分品と材料が少なく、したがって、図7に示されている放出弁および逆止め弁の組合せよりも好ましい。図8aは、ベース806、傘弁808、およびキャップ810の断面を示しているが、放出弁メカニズムは作動していない。図8bは、図8aにおいて丸で囲まれている放出弁および逆止め弁の組合せ801の部分の詳細図である。くさび形部分844は、蝶番部分846により側面部分840に取り付けられる。好ましくは、キャップ810およびベース806は、図7a〜7dの放出弁および逆止め弁の組合せ701に関して上で説明されているものの1つまたは複数に類似の射出成型樹脂から形成されている。キャップ810およびベース806は、同じ樹脂または異なる樹脂から作ることができる。
【0066】
ベース部分848は、キャップ部分842と接触している。ベース部分848およびキャップ部分842は、気密シールを形成する。好ましくは、この気密シールは、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で形成される。ベース806は、放出弁および逆止め弁801が作動していないときにくさび部分844が押されて当たる出っ張り850である。くさび部分844および出っ張り850は、気密シールを形成する。
【0067】
傘弁808は、図8aに示されているように、ベース806の孔830を通して据え付けられる。傘弁808は、傘の一般的形状を持ち、出っ張り850の上面817に当たる気密シールを形成する。傘形状は、一般的に真ん中が厚いが、静止し出っ張り850の上面817に当たって気密シールを形成する薄いフラップ818を形成する。空気袋からの空気は、傘弁808の柄にそって配置されているスロット822を通って移動する。傘弁808は、好ましくは、厚いときには剛性が高く、薄いときにはいくぶん柔軟な、シリコーンなどの材料で作られ、したがって、薄いフラップ818はいくぶん弾力がある。傘形状の下の空気圧、したがって本発明の空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ818は、変形し、持ち上がって出っ張り850の上面817から離れ、これは、図7a〜7dに関して上で説明されている傘弁708の動作に似ている。空気は、空気袋から点線828にそってキャップ810内の孔816から大気中へ出る。空気袋内および傘の下の空気圧が所定の圧力以下になると、薄いフラップ818は自然な形状に戻り、再びベース806に当たってシールを形成する。図7a〜7dに関して上で説明されている、好ましい傘弁708も、放出弁および逆止め弁の組合せ801の好ましい傘弁808である。しかし、当業者には明らかなように、他の多くの種類の傘弁は、好適である。
【0068】
放出弁および逆止め弁の組合せ801がどのように空気袋と一体化されるかに応じて、キャップ部分842またはベース部分848の一方が本発明の空気袋に接触する。ベース806は、孔820を持ち、これにより、空気は空気袋からくさび部分844および出っ張り850により閉鎖されている領域853に点線856にそって入ることができる。図9からわかるように、キャップ810の表面部分838が押されると、キャップ810は変形する。これが生じると、くさび部分844および表面部分838はレバーのように動作し、それにより、蝶番846はてこの支点のように作用し、くさび部分844を出っ張り850から移動させる。点線929は、放出弁および逆止め弁の組合せ801の放出弁部分が作動したときの孔816から出る空気流の経路を示している。指または親指でキャップ810の上部に配置されている孔816を覆い、空気がその孔を通って漏れるのを防ぐのを避けるために、図10に示されているように、孔816をキャップ810内に埋め込むようにすることができる。こうして、表面部分838が押し下げられた場合、指が実際に孔816と接触することはなく、空気はチャネル1027を通してキャップ810を押し下げるために使用される指の周りから漏れることができる。
【0069】
図11aおよび11bは、並んでいる弁である放出弁および逆止め弁さらに他の組合せ1101を示している。この実施形態では、従来の放出弁1160は、出口穴1116を備えるキャップ1110の下にある逆止め弁1108と並列して配置されている。逆止め弁1108および放出弁1160は両方とも、空気袋を外部と連絡するベース1106内に埋め込まれる。出口穴1116は、キャップ1110内のどこにでも配置することができるが、それは、逆止め弁1108および放出弁1160は両方ともベース1106とともに気密シールを形成するからである。そのため、空気は、空気袋内の圧力が所定の圧力を超えたため自動的に逆止め弁1108から漏れようと、手動操作により放出弁1160から漏れようと、キャップ1110内の出口穴1116から外に出る。
【0070】
放出弁および逆止め弁の組合せ1101の断面図である図11bに示されているように、放出弁1160は、上で説明されているのと同様に、プランジャ1120およびバネ1122を持つことができる。しかし、上で説明されているようなどのような放出弁も、この実施形態で使用することができる。同様に、逆止め弁1108は、図7a〜7dにおいて、傘弁であるか、または他の種類の逆止め弁1108とすることができる。
【0071】
他の実施形態では、上で説明されているような放出弁および逆止め弁の組合せは、図1に関して上で説明されている調整可能逆止め弁などの調整可能逆止め弁を、そこに示されている傘弁の代わりに組み込むことができる。これらのような放出弁、逆止め弁、逆止め弁および放出弁の組合せの他の実施形態は、図25A〜25F、26A〜26B、27A〜27D、28A〜28B、29A〜29D、30A〜30F、31A〜31F、および32A〜32Fを参照して以下で説明される。
【0072】
上述のように、足元膨張メカニズムは、本発明の靴において使用することができる。一方向の空気は足元膨張メカニズムに入ることができ、図3および5に関して上で説明されているように、かかとコンパートメント308および508の孔を通る。かかとコンパートメント308、508の圧縮により、孔がシールされ、空気は強制的に空気袋330、530内に送り込まれる。しかし、ときには、靴底を作るために使用される材料は、通気性が十分でなく空気が孔に接触しない場合もある。さらに、足からの水分、細菌、および土が、孔に入り込み、膨張メカニズムを損傷することもあり得る。水分、細菌、汚れ、および他の環境粒子が膨張メカニズムに入り込むのを防ぐ一メカニズムは、膨張メカニズムへの空気入口を空気を通すが、水分または他の環境粒子を通さない布または他の材料で覆うことである。好適な材料は、限定はしないが、GORE−TEXまたはTRANSPORなどの織物またはいくつかのセラミックスまたはVERSAPOR膜などの他の多孔性材料を含む。
【0073】
図12は、シュノーケルアセンブリ1262の分解斜視図である。シュノーケルアセンブリ1262は、弁室1264、チューブ1266、カバー1268、および靴底コンポーネント1270を含む。弁室1264は、一般に、かかとコンパートメント(かかと室308、508など)の孔の上に接着される熱可塑性ユニットである。弁室1264は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、または当業者に知られている他の方法を介してかかとコンパートメント308、508の外面または内面1261に直接接着される平坦な部分1265を含む。弁室1264は、さらに、ドーム型1263を持つ。ドーム型部分1263は、一般に、開口部1271を含む閉じた第1の端1267および第2の端1269を持つ半円柱型である。
【0074】
弁室1264は、かかと室308、508内の孔のシールを阻害するため、弁室は、一方向弁(図に示されていない)を含み、これにより、空気は弁室1264を通って、反対方向に流れることなくかかと室に流れ込む、つまり、弁は空気をかかとコンパートメントから逃さないということである。上で詳しく説明されているようなどのような種類の一方向弁も、弁室1264で使用するのに適している。このような1つの弁として、2つの柔軟なピースが漏斗形を形成するダックビル弁がある。漏斗形状は、一方の端で開き、他方の端で押し付けられて平たくくっついている2つの層を持ち、したがってその平たい端は閉鎖される。空気は、開口端から流れ、そこで、圧力は、圧力が低い平たい端に比べて高く、そのため平たい端が開き、空気が強制的にそこを流れる。そのため、空気は、圧力の高いところから離れる一方向にのみ流れる。他のダックビル弁は、一体になる4つの柔軟なピーを使用して、上述のダックビル弁の平たい(−)形の閉じた端ではなくプラス(+)形の閉じた端を形成する。プラス形弁は、開いたときにそこを通る流れを多くし、空気が平らな形状のダックビル弁を通って流れるときほど大きな騒音を出さない。
【0075】
チューブ1266は、第1の端1272および第2の端1273を持つ。チューブ1266は、一般に、熱可塑性ウレタン管などの熱可塑性材料で作られる。チューブ1266は、剛性または柔軟性を有する。チューブ1266の第1の端1272は、弁室1264内の開口部1271内に挿入され、それと気密シールを形成する。チューブは、一般に、J字型であり、空気袋(空気袋330、530など)の外側にそって湾曲している。第2の端1273は、カバー1268により空気袋の外側に押し付けられる。カバー1268は、平たい部分1274およびドーム型部分1275を持つ熱可塑性形成ピースである。平たい部分1274は、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で空気袋の外側に接着される。それとは別に、カバー1268は、第1の側の平たい部分1274および第2の側の空気袋の外側に接着された裏張りを持つことができる。好ましくは、平たい部分1274は、図1のかかと領域108などの、流体接続接合部(それぞれ図3および5の流体結合部358および558など)の一般的な近辺のアッパーの外側に接着される。ドーム型部分1275は、一般に、閉じた第1の端1276およびチューブ1266の第2の端1273を受け入れるように開いている第2の端1277を持つ半円柱型である。カバー1268は、さらに、ドーム型部分1275の円柱型部分にそって1つまたは複数の開口部1278を持つ。靴の一般的に垂直な部分に開口部を設けることにより、空気はドーム型部分1275内に入るが、膨張メカニズムに損傷を引き起こす可能性のある汚れおよび水分が入らないようにできる。そのため、かかとコンパートメント内の圧力が低いときに、空気はシュノーケルアセンブリ1262を介してかかと室内に流れ込む。特に、空気は、カバー1268内に流れ込み、開口部1278を通り、第2の端1273から第1の端1272までのチューブ1266を通り、弁室1264およびその中に収納されている弁を通り、かかとコンパートメント内に流れ込む。他の実施形態では、チューブ1266の第2の端1273は、膨張メカニズムをさらに保護するためにカバー1268内にバタフライ弁または他の弁を備えることができる。
【0076】
シュノーケルアセンブリ1262は、さらに、靴底コンポーネント1270を持つ。靴底コンポーネント1270は、当業者に知られているように、中底、本底、熱可塑性プレートまたは靴底の他の部分とすることができる。靴底コンポーネント1270は、キャビティ1280を中に持つ。靴底コンポーネント1270が空気袋に接着されている場合、かかとコンパートメントは、少なくとも部分的に、キャビティ1280内に据え置かれる。キャビティ1280は、さらに、弁室1264が挿入される凹み1282を有する。靴底コンポーネント1270は、さらに、靴底が組み立てられるときにチューブ1266が凹み1284を持つ。本発明のシュノーケルアセンブリ1262は、特に、それぞれ図3および5のかかとコンパートメントに関して説明されている。しかし、当業者であれば、シュノーケルアセンブリ1262は、以下で説明されている他の実施形態に関して説明されているような足元膨張メカニズム、または他の種類の膨張メカニズムとともに使用するのに適していることを理解することができる。
【0077】
図13は、本発明のさらに他の実施形態を示す。靴1300は、一般的に1308で示されているかかと領域、一般的に1303で示されているアーチ領域、一般的に1305で示されているバンプ領域、一般的に1304で示されている前足領域、および一般的に1306で示されている内側領域を持つ。靴1300は、さらに、靴底1320およびアッパー1310を含み、その少なくとも一部は、膨張可能空気袋1330全体を含む。それに加えて、図1のアッパー1310は、つま先部分1334を持つ。図13に示されているように、空気袋1330は、つま先部分1334を含む、アッパー1310のすべての部分を形成することができる。アッパー1310は、一般的に1312で示される開口部を持ち、これは、靴を履く人の足を受け入れるように設計されている。
【0078】
アッパー1330は、空気袋1330から形成される。空気袋1330は、一般に、図2、3、および5の空気袋に関して上で説明されているのを同じ方法で形成される。しかし、空気は、空気袋1330内の一般的にダイヤモンド型の開口部1384により形成される一般的にクロスハッチのチャネル1382内の空気袋1330を通って流れる。開口部1384は、一般的に、図5に関して上で説明されているようにポケット532および534と同じように作られる。つまり、内側溶着線1386は、閉じたダイヤモンド型で形成され、内側溶着線1386の内側の材料は取り除かれ開口部1384を形成する。開口部1384は、ポリウレタンフィルムなどの合成材料では靴の内側に足により水分が発生する可能性があるため、足を冷却し、乾燥させるのに特に有用である。
【0079】
空気袋1330は、一般的に空気抜きメカニズム109を備え、これは、上述の空気抜きメカニズム、または当業者には明らかな他の空気抜きメカニズムのいずれかとすることができる。さらに、空気袋1330は、上述のどのような種類の膨張メカニズムをも備えることができる。しかし、好ましくは、膨張メカニズムは、図3および5に関して上で説明され、図14〜16に関してさらに詳しく説明されているのと類似の、足元膨張メカニズムである。
【0080】
図14は、一般的に、図13に示されている空気袋1330に類似の空気袋1430の上面図である。空気袋1430は、空気袋1430を囲む周辺溶着線1410により接着されている薄いフィルムの内面層および外面層を含む。図14の空気袋1430は、周辺溶着線1410の第1の領域1489を周辺溶着線1410の第2の領域1490に縫い合わせるか、または他の何らかの方法で取り付けることにより製作される。また、周辺溶着線1410の第3の領域1491は、周辺溶着線1410の第4の領域1492に縫い合わされるか、または他の何らかの形で取り付けられ、靴を履く人の足の大部分を囲む左ブーツを形成する。当業者であれば、空気袋1430の鏡像を使用して右ブーツを形成することができることも理解できるであろう。
【0081】
空気袋1430は、バンプコンパートメント1453、内側かかとコンパートメント1458、およびかかとコンパートメント1460を含む。バンプコンパートメント1453は、一般的に、最大のコンパートメントであり、内側領域1488、バンプ領域1305、横側領域1306、およびかかと領域1308の一部に緩衝作用をもたらす。バンプコンパートメント1453は、流体接続接合部1474を介して内側かかとコンパートメント1458に連通接続される。内側かかとコンパートメント1458は、さらに、かかと領域1308の一部に緩衝作用をもたらし、流体通路1472および1473を介してかかとコンパートメント1460に連通接続される。かかとコンパートメント1460は、足のかかとに緩衝作用をもたらし、好ましくは、図3および5に関して詳しく説明されているように、膨張メカニズムとして使用される。空気袋1430は、さらに、図14のバンプ領域1305の位置に示されているように、空気抜きメカニズム109を備える。上述のように、空気抜きメカニズム109は、上述の空気抜きメカニズムであってよく、空気袋1430上の任意の位置に配置することができる。そのため、足のかかとがかかとコンパートメント1460を圧縮する場合の典型的な歩行周期では、空気は、かかとコンパートメント1460から出て、一方向弁1480および流体通路1472および1473を通り、内側かかとコンパートメント1458内に入る。内側かかとコンパートメント1458から、流体が流体接続接合部1474を通り、バンプコンパートメント1453を膨張させる。空気が空気袋1430に入ると、空気袋は開口部1312の周りで収縮することができ、これは靴の密封として動作し、靴ひも、ジッパー、フック、およびループまたは他の密封の仕組みを必要としない。
【0082】
図13に関して上で説明されているように、バンプコンパートメント1453および内側かかとコンパートメント1458は、内側溶着線1386により形成される開口部1384を持つ。図14は、内側溶着線1386の近似的な場所のみを示している。開口部1384は、内側溶着線1386の形状を大きくか、または小さくすることにより、または内側溶着線1386の幅を加減することにより、さまざまなサイズにできる。サイズに加えて、開口部1384の配置、個数、および形状も変えることができる。開口部1384は、それらの間の膨張可能領域がクロスハッチチャネル1382を形成するように間隔をあけて並べられる。さらに、周辺溶着線1410の幅は、図14に示されているものよりも大きくするか、または小さくすることができる。
【0083】
図13および14にそれぞれ示されているような空気袋1330および1430は、アッパー1310のほとんどすべてを構成する。しかし、図15および16は、それぞれアッパーのより小さな部分を構成する空気袋1530および1630の上面図を示している。したがって、前足領域1304は、完全に1つの靴に組み立てられるときに空気袋1530および1630により覆われない。バンプコンパートメント1553および1653は、それぞれ、さまざまなサイズで示されている。特に、空気袋1530のバンプコンパートメント1553は、空気袋1430のバンプコンパートメント1453よりも小さい。したがって、空気袋1530を持つ靴は、図14に示されているように、空気袋1430を持つ靴よりも、空気袋から作られるアッパーの部分が少ない。同様に、空気袋1630のバンプコンパートメント1653は、空気袋1530のバンプコンパートメント1553よりも小さい。したがって、空気袋1630を持つ靴は、空気袋1530を持つ靴よりも、空気袋から作られるアッパーの部分が少ない。しかし、図15および16の内側かかとコンパートメント1558および1658、およびかかとコンパートメント1560および1660は、図14に関して上で説明されている内側かかとコンパートメント1458およびかかとコンパートメント1460に類似している。図15および16は、内側溶着線1586および1686の好ましい幅を示しているが、内側溶着線1586は、さまざまな幅、形状、およびサイズのものであってよい。
【0084】
図17は、図15に示されている空気袋に類似している空気袋1730を備える靴1700の横側である。上述のように、本発明の空気袋は、薄いポリウレタンフィルムで作ることができる。しかし、図17の空気袋は、MYLAR(登録商標)(デラウエア州ウィルミントンのDupont Teijin Filmsが市販している)などの金属蒸着フィルムまたは他の薄い軽量ポリエステルフィルムから作られる。MYLAR(登録商標)は、非常に薄いフィルムで強度が高いため、本発明の空気袋で使用するのに特に適している。それに加えて、MYLAR(登録商標)などのポリエステルフィルムは、気密性が高く、破れにくく、耐穿刺性を有する。さらに、ポリエステルフィルムは、印刷したり、エンボス加工したり、染色したり、透明にしたり、着色したり、金属蒸着したりすることができ、単一の靴デザインに対しさまざまなスタイルをもたらす。空気袋は、ヒートシール、または食品業界および/またはMYLAR(登録商標)風船業界でパッケージをシールする際に使用されるプロセスと似た他のそのようなプロセスにより一般的に形成される周辺および内側溶着線を持つポリエステルの層から作ることができる。しかし、溶着線は、さらに、当業者に知られているように、ポリエステルフィルムで気密シールを形成する他の方法を使用して作ることもできる。それとは別に、ポリエステルフィルムは、特に膨張および空気抜きメカニズムおよびそのコンポーネントの周りに気密シールを形成するために、ポリエステルフィルムとウレタンフィラメントの複合材またはポリウレタンフィルムの非常に薄い層とすることができる。ポリエステルおよびポリウレタン複合材は、さらに、ポリエステルフィルムの軽量な性質を利点として持つ破れにくさを高めている。
【0085】
空気が靴内を循環できるように内側溶着線1786の内側でカットされた開口部1784を持つ靴1700が図に示されている。開口部は、図13〜17において一般的にダイヤモンド形であるが、開口部は、円形、正方形、楕円形、または閉じた規則正しいまたは不規則な形状とすることができる。したがって、開口部1384/1784を形成する内側溶着線は、同じくさまざまな形状を持つことができる。それに加えて、開口部1384/1784は、図13〜17に示されているように、アッパーの上のさまざまな場所内においてサイズおよび形状が異なりうる。
【0086】
図18は、靴1800における本発明の他の実施形態を示す。図18は、靴1800の側面図である。靴1800の内側は、類似の形態である。靴1800は、第1の空気袋1830aおよび第2の空気袋1830bを含むアッパー1810を持つ。第1の空気袋1830aは、一般的に、バンプ領域1805内に配置され、第2の空気袋1830bは、一般的に、かかと領域1808に配置される。第3の空気袋(図に示されていない)は、上のかかとコンパートメント308、508、1460、1560、および1660に関して上で説明されているように、実質的にかかとの下に配置されている足元膨張メカニズムである。しかし、第1および第2の空気袋1830aおよび1830bは、図18に示されている実施形態におけるかかとコンパートメントを持つ単一ユニットとして製造されない。その代わりに、かかとコンパートメントは、チューブ1890を介して第1の空気袋1830aと連通接続され、第1の空気袋1830aは、チューブ1891を介して空気袋1830bと連通接続される。図18に示されている実施形態では、チューブ1891は、第1および第2の空気袋1830aと1830bとの間の方向変更装置1892を通じて方向変更される。図18に示されていないが、靴1800の内側は、チューブ1890および1891に類似のチューブを持ち、それにより、空気袋1830a、1830bおよびチューブ1890および1891の組合せは、足用の開口部1812を形成する。
【0087】
典型的な歩行周期が出現すると、空気は、かかとコンパートメントからチューブ1890を通り第1の空気袋1830aに流れ込み、第1の空気袋1830aから第2の空気袋1830bに流れ、チューブ1891を通る。膨張されると、第1および第2の空気袋1830aおよび1830bは、挿入された足の周りで閉じ、靴ひもまたは他の閉鎖の仕組みは必要ない。
【0088】
チューブ1890および1891は、チューブ接続部1894を介して第1および第2の空気袋1830aおよび1830bに連通接続される。チューブコネクタ1894は、第1の空気袋1830aまたは第2の空気袋1830b内の孔に連通接続されている熱可塑性ケースである。チューブコネクタ1894は、当業者には明らかなように、空気袋1830aと1830bとチューブコネクタがどのように一体化されるかに応じて空気袋1830aおよび1830bの外面または内面に直接接着される平たい部分1865を持つ。チューブコネクタ1894は、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で接着することができ、気密シールを形成する。チューブコネクタ1894は、ドーム型1896を持つ。ドーム型部分1896は、一般に、開口部を含む閉じた第1の端1897および第2の端1898を持つ半円柱型であり、チューブ1890またはチューブ1891が挿入される。チューブ1890および1891、およびチューブコネクタ1894は、チューブが第1および第2の空気袋1830aおよび1830bに接続されている場合に空気が逃れられないように気密シールを形成する。他の実施形態では、空気は、かかとコンパートメントから直接第2の空気袋1830bに流れることができる。例えば、チューブ1891は、互いにかかとコンパートメントに接続されている2つのチューブ1891aおよび1891bとすることが可能である。チューブ1890および1891は、熱可塑性ウレタンまたは他の熱可塑性管とすることができ、柔軟でも柔軟でなくてもよい。チューブ1890は、靴1800の靴底1820内に延びている。靴1800は、さらに、硬い熱可塑性の靴土踏まず1893を含み、チューブ1890を受け入れ、それらを靴を履く人の足の下で流体により接続されるかかとコンパートメントへ送るようにチャネル1893aが形成されている。
【0089】
図18は、さらに、図12に関して上で説明されているような、シュノーケルアセンブリのチューブ1866およびカバー1868を示しており、空気は、膨張メカニズム内に水分を蓄積することなくかかとコンパートメントに到達することができる。さらに、図18に示されている本発明の実施形態は、上で説明されている空気抜き装置、例えば、上で説明されている放出弁および逆止め弁の組合せのうちの1つを含むことができる。
【0090】
図19aおよび19bは、図18の靴1800の靴底1820内で使用するのに好適な、かかとコンパートメントアセンブリ1901の一実施形態を示している。かかとコンパートメント1960は、チャネル1999を通じて複数のチューブ1990に連通接続される。チャネル1999は、一方向弁1995を介してかかとコンパートメント1960に連通接続される。図19aおよび19bは、さらに、図12に関して上で説明されているように弁室1963およびシュノーケルアセンブリ1962のチューブ1966を示している。チャネル1999およびかかとコンパートメント1960は、柔軟なポリウレタンフィルムの2つまたはそれ以上の層により作ることができる。かかとコンパートメント1960は、さらに、図5に関して上で説明されているのと類似のポリウレタンフォームコアを含むことができる。さらに、図19に示されている本発明の実施形態は、上で説明されている空気抜き装置、例えば、上で説明されている放出弁および逆止め弁の組合せのうちの1つを含むことができる。
【0091】
チューブ1990は、周辺溶着線1910のところでフィルム層にそって溶着され、気密シールをチューブ1990の周りに形成する。チャネル1999は、さらに、溶着1970を持つ。溶着部1970は、空気がその中を通る場合に、チャネル1999の厚みを制御するために使用され、空気の流れをチューブ1990内に導くのを助ける。周辺溶着線1910および溶着部1970は、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、または他の適当な手段により形成することができる。
【0092】
図20は、図19aおよび19bに示されているようにかかとコンパートメントアセンブリも使用する本発明の他の靴2000を示している。靴2000は、空気袋2030がワンピースであることを除き、靴1800に類似している。空気袋2030は、チューブコネクタ2094を介してチューブ2090に連通接続されている。チューブコネクタ2094は、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で直接接着される平たい部分2065を備え、気密シールを形成する。チューブコネクタ2094は、さらに、ドーム型部分2096を持つ。ドーム型部分2096は、一般に、チューブ2090が挿入される、開口部を含む閉じた第1の端2097および第2の端2098を持つ半円柱型である。チューブ2090およびチューブコネクタ2094は、チューブ2090が空気袋2030に接続されている場合に空気が逃れられないように気密シールを形成する。典型的歩行周期が出現すると、空気は、かかとコンパートメント(図に示されていない)からチューブ2090を通り空気袋2030に流れ込む。膨張されると、空気袋2030は、挿入された足の周りで閉じ、靴ひもまたは他の閉鎖の仕組みは必要ない。
【0093】
靴2000は、さらに、チューブ2090を受け入れるためのキャビティ2093aにより形成される靴土踏まず2093も組み込む。靴土踏まず2093は、成型熱可塑性ピース、成形金属板、中底フォームピース、または当業者には明らかな他の構造とすることができる。チューブ2090は、図19に関して上で説明されているような、靴を履く人の足の下でかかとコンパートメントと連通接続される。さらに、図18に示されている本発明の実施形態は、図12に関して上で説明されているようなシュノーケルアセンブリ、および/または上で説明されている空気抜き装置のどれか、例えば、上で説明されている放出弁および逆止め弁の組合せの1つを含むことができる。
【0094】
空気袋2030は、図20に示されているように、チューブ2090を介してかかとコンパートメントに接続することができる。それとは別に、空気袋2030および足元またはかかと領域内のいずれかに配置されている足元膨張メカニズムは、一体構造として形成することができる。可能な構造の1つは、図21に示されている靴2100と類似している。
【0095】
図21は、本発明の靴2100の靴構造の分解図である。空気袋2130は、2つの足元セクション、前足コンパートメント2164とかかとコンパートメント2160を備える。それぞれの前足コンパートメント2164またはかかとコンパートメント2160は、空気袋2130の残りのコンパートメント膨張させるための膨張メカニズム、好ましくはかかとコンパートメント2160とすることができる。空気袋2130は、膠または他の種類の接着剤による接着を介して、2つの本底ピース2120aおよび2120bに接着剤で接着される。本底ピース2120aは、かかとコンパートメント2160に接着され、本底2120bは、前足コンパートメント2164に接着される。靴土踏まず2193の一部は、本底ピース2120aおよび2120bの両方に接着され、空気袋2130と重なる。靴土踏まず2193は、本底2120aと2120bとの間をサポートするために使用される。任意の中底2155は、空気袋2130の上に含めることができる。中底2155は、アッパー2110の内面を受け入れ、そこに接着できる凹み2155aを持つことができる。追加のアッパー材料(図に示されていない)を空気袋2130に縫い合わせ、特につま先領域2104内の中底2155に接着することができる。追加の材料は、空気袋2130が足を覆わない場合に挿入された足に対する要素からの保護を行う。靴2100は、さらに、中底の上、または靴土踏まず2193の上に中敷き2123を備えることができる。図に示されていない靴2100の他の部分は、図12に関して説明されているようなシュノーケルアセンブリ、さらに靴を履く人の足を安定させ保護する他の特徴を含むことができる。
【0096】
図22は、足元膨張メカニズムとして図19aおよび19bにおいて図に示され説明されているかかとコンパートメントアセンブリ1901を組み込んだ他の靴2200を示している。靴2200は、アッパー2210および複数の柔軟な膨張可能チューブ2290を備える。膨張されると、チューブ2290は膨張し、膨張可能靴ひもとして挿入された足の周りで閉じ、従来の靴ひもまたは他の閉鎖の仕組みは必要ない。靴2200を脱ぐために、上で説明されているようなチューブ2290と連通接続している空気抜き装置(図に示されていない)は作動され、空気をチューブ2290から放出し、チューブ2290をつぶす。空気抜き装置は、上で説明されている空気抜き装置のどれか、例えば、放出弁および逆止め弁の組合せの1つとすることができる。チューブ2290は、両端においてチャネル1999(図19に示されているような)に連通接続され、アッパー2210の上にループを形成する。靴を履く人が圧力をかかとコンパートメントアセンブリに加えると、チューブ2290は膨張する。図22は、靴2200のバンプ領域2205間に延びる5本のチューブ2290およびかかと領域2208間に延びる3本のチューブ2290を示している。当業者であれば、靴2200で使用するチューブ2290の数を加減できることを理解できるであろう。例えば、靴2200は、バンプ領域2205およびかかと領域2208のそれぞれの間に延びるチューブを1本のみ備えることができる。それとは別に、靴2200は、かかと領域内にチューブを置かず、バンプ領域内にのみチューブを置くか、またはその逆の配置をすることができるが、ただし、チューブ2290は、膨張した場合、緩衝作用を補助し、靴2200内に足を固定すると想定する。
【0097】
靴2200は、さらに、チューブ2290を受け入れるためのキャビティ2293aを持つ靴土踏まず2293も備える。靴土踏まず2293により、靴2200はサポートと構造を与えられる。靴2200は、さらに、チューブ2290上に被覆材料層(図に示されていない)を持つことができる。
【0098】
本明細書で説明されるか、または他の何らかの形で開示されている靴の実施形態は、図21に示されている中敷き2123などの中敷きを備えることができる。しかし、上で説明されているのと同じ足元膨張メカニズムも、膨張可能中敷きで使用することができる。膨張可能中敷き2323の俯瞰図が図23に示されている。中敷き2323は、さらに、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法で接着されたポリウレタンフィルムの2つの層から作ることもでき、これにより気密シールを形成する。中敷き2323は、一般的に、周辺溶着線2310により定められ、周辺溶着線2310およびさまざまな形状の内側溶着線2320の両方により定められたさまざまなコンパートメントを含む。
【0099】
中敷き2323は、空気をかかとコンパートメント2360内に入れるための孔2361を備えるかかとコンパートメント2360を持つ。孔2361が覆われた場合、圧力がかかとコンパートメント2360にかかり、空気は強制的に、一方向弁2350に通され、複数の内側コンパートメント2354に送られる。内側コンパートメント2354は、複数の前足コンパートメント2364に連通接続される。前足アパートメント2364は、複数の第1趾コンパートメント2351および複数の第2趾から第5趾コンパートメント2353に連通接続される。前足コンパートメント2364は、さらに、複数の横コンパートメント2356に連通接続される。図23に示されているさまざまコンパートメントは、靴を履く人の足の一般的形状を持つように設計される。しかし、本発明の中敷きに対しては、コンパートメントの数を増やすかまたは減らすかし、コンパートメント形状を他の形状にするのが適している。
【0100】
中敷き2323は、上述の穿孔空気抜きメカニズムを使用する。好ましくは、中敷き2323は、少なくとも1つの穿孔2309を持ち、その配置は、図23において交差する線により示されている。中敷き2323を作るために使用される材料は、穿孔2039が一般的に閉じたままとなるような柔軟な材料のものとすることができる。中敷き2323内の圧力が所定の圧力よりも高くなると、中敷き2323の両側にかかる力により、穿孔2309が開き、空気が漏れる。中敷き2323が靴の内側に挿入されるので、中敷き2323の過剰膨張を避けるために靴を履く人が靴の中の空気抜き装置を操作する必要はない。しかし、当業者であれば、他の空気抜きメカニズムを中敷き2323内に組み込むことができることを理解できるであろう。さらに、中敷き2323は、中敷き2323に空気を出し入れするために図19aおよび19bで説明されているのと類似のシュノーケルアセンブリを備えることができる。あるいは、上述のように、空気を通すことができるが、水分または他の環境粒子を通すことはできない材料を使用して、膨張メカニズムへの入口を覆うことができる。
【0101】
中敷き2323は、取り外し可能であるか、または製造時に靴の中に恒久的に挿入したままにできる。さらに、中敷き2323は、本発明の靴、または従来の運動用、ウオーキング用、またはハイキング用の靴もしくはブーツで使用することができる。
【0102】
図24Aは、本発明のさらに他の実施形態の右靴2400の側面図である。靴2400は、一般的に2408で示されているかかと領域、一般的に2403で示されているアーチ領域、一般的に2405で示されているバンプ領域、一般的に2404で示されている前足領域を持つ。靴2400は、さらに、靴底2420およびアッパー2410を含み、その少なくとも一部は、膨張可能空気袋2430を含む。アッパー2410は、一般的に2412で示される開口部を持ち、これは、靴を履く人の足を受け入れるように設計されている。
【0103】
図24Bは、全体として図24Aに示されている空気袋2430の上面図である。空気袋2430は、空気袋2430を囲む周辺溶着線2410aにより接着されている薄いフィルムの内面層および外面層を含む。図14の空気袋2430は、周辺溶着線2410aの第1の領域2489を周辺溶着線2410aの第2の領域2490に縫い合わせるか、または他の何らかの方法で取り付けることにより製作される。当業者であれば、空気袋2430の鏡像を使用して、右靴2400の鏡像である左靴を形成することができることも理解できるであろう。
【0104】
空気袋2430は、一般的に、バンプコンパートメント2453、内側かかとコンパートメント2458、およびかかとコンパートメント2460を含み、すべてが一体の連通構造(流体流動可能に連続する構造)として形成される。バンプコンパートメント2453は、一般的にX字型である。バンプコンパートメント2453は、図24Cに示されている斜視図、および図24Dに示されている靴2400の上面図において、図24Aに示されているように、靴2400のバンプと交差する中心2452を持つ。図24Bに示されているように、バンプコンパートメント2453は、中心2452から延びる、周辺溶着線2410aにより形成されるアーム2470を備える。
【0105】
バンプコンパートメント2453は、靴2400の横側にそって延び、流体による接続接合部2474を介して内側かかとコンパートメント2458に連通接続されている横方向アーム2470aを備える。流体接続接合部2474、内側かかとコンパートメント2458、およびアーム2470aは、かかと領域2408の一部に緩衝作用をもたらし、空気袋2430に靴2400の開口部2412を囲ませる。空気袋2430が膨張すると、開口部2412が靴を履く人の足の周りで閉じる。これにより、空気袋2430は、うまく、靴を履く人の足に靴を保持し、靴を履く人の足のアーチの上部を圧迫する。
【0106】
内側かかとコンパートメント2458は、流体通路2472および2473を介してかかとコンパートメント2460に連通接続される。かかとコンパートメント2460は、足のかかとに緩衝作用をもたらし、好ましくは、図3および5のかかとコンパートメント308および508に関して詳しく説明されているように、膨張メカニズムとして使用される。空気袋2430は、さらに、図24Aおよび24B、および図24Eの靴2400の後面斜視図内の、バンプコンパートメント2453の横方向アーム2470aの後端2436に配置されているように示されている空気抜きメカニズム109を持つ。上述のように、空気抜きメカニズム109は、本明細書で特に説明されているが、または他の何らかの形で開示されているものなどの空気抜きメカニズムであってよく、空気袋2430上の任意の位置に配置することができる。
【0107】
そのため、足のかかとがかかとコンパートメント2460を圧縮する場合の典型的な歩行周期では、空気は、かかとコンパートメント2460から出て、一方向弁2480および流体通路2472および2473を通り、内側かかとコンパートメント2458内に入る。内側かかとコンパートメント2458から、流体は、流体接続接合部2474を通り、バンプコンパートメントの横方向アーム2470aに移動し、バンプコンパートメント2453の中心2452および他のアーム2470に入る。空気が空気袋2430に入ると、空気袋は開口部2412の周りで収縮し、靴の密封として動作し、靴ひも、ジッパー、フック、およびループまたは他の密封の仕組みを必要としない。
【0108】
他の実施形態では、かかとコンパートメント2460は、空気袋2430の残り部分から分離され、および/またはその残り部分と一体形成されることがない。この実施形態では、靴2400が製造されるときに、かかとコンパートメント2460は、配管またはバーブ継手により内側かかとコンパートメントにその後接続される。実際、本明細書に示され説明されている、一体をなす空気袋の実施形態は、本明細書で説明されるか、または他の何らかの形で開示されているように、アッパーの一部を形成する膨張可能空気袋から分離されたかかとコンパートメント内のサテライト膨張メカニズムとともに製作することができる。さらに、このようなサテライト膨張メカニズムの一実施例は、図33Aおよび33Bにおいて以下で特に説明される。
【0109】
図24Aに例示されているように、空気袋2430は、アッパー全体を包含しない。図24は、靴2400の下側バンプ部分に配置されているアッパー2410の第1の部分2484a、靴2400の横側上に配置されているアッパー2410の第2の部分2484b、および靴2400のかかと領域2408に配置されているアッパー2410の第3の部分2484cを示しており、これは、空気袋2430の一部というよりも、切り出されたものであり、通気性のあるメッシュ材料がそこに取り付けられている。図24Dは、さらに、空気袋2430というよりもむしろ通気性のあるメッシュ材料でもある靴2400の内側に配置されているアッパー2410の少なくとも第4の部分2484dを示している。アッパー2410のこれらの部分2484a、2484b、2484c、および2484dは、足を冷却し、乾燥させるための通気を行うために特に有用であり、空気袋2430を形成するために使用される材料などの合成材料が足を囲む場合に一般的なものである。
【0110】
上述のいくつかの他の実施形態の場合のように、空気袋2430は、さらに、内側溶着線2486を含み、これにより空気袋2430のいくつかの配置が過剰膨張しないようになっている。さらに、周辺溶着線2410aの幅は、図24Aおよび24Bに示されているものよりも大きくするか、または小さくすることができる。バンプコンパートメント2453は、さらに、ロゴまたは他の印用の位置2437を含む。
【0111】
本発明の一実施形態では、利用者は、通常の歩行をし、着座し、または立っている間などに、一歩踏み出す毎に空気袋を膨張させたくない場合がある。よって、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている空気袋の空気抜き装置109は、開位置および閉位置を持つ放出弁であってよく、この弁は、開位置に保持することができる。開位置では、放出弁は、完全に開き、空気袋内の空気を開いている弁を通して逃がす。そのため、空気袋内に圧力が生じず、空気袋は膨張しない。閉位置の場合、弁は完全に閉じて、足元膨張メカニズムが、空気袋を膨張させる。
【0112】
図25A〜25Fは、逆止め弁および放出弁の組合せ2501の一実施形態を例示しており、そこでは、放出弁は、開位置に保持されるようにできる。逆止め弁および放出弁の組合せ2501は、ベース2506およびキャップ2510を備える。キャップ2510は、面取りされた壁および孔2511を持つベゼルであり、利用者は、この孔を通して、放出弁を開閉するスイッチ2507を操作することができる。
【0113】
図25Bは、図25Aの逆止め弁および放出弁の組合せ2501の分解図を示しており、図25Dは、図25Cの直線D−Dにそって示されている断面図であり、これは、図24Aの逆止め弁および放出弁の組合せの上面図である。図25Bおよび25Dに示されているように、ベース2506は、第1の空気入口2530を備え、この入口の中に傘弁2508が配置されており、第1の入口2530との第1の気密シールを形成する。ベース2506は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、または当業者に知られている他の方法を介して、上述のような膨張可能空気袋の1つの層の内側または外側のいずれかでシールすることができるフランジ部分2548を含む。
【0114】
傘弁2508は、一般的に真ん中が厚いが、ベース2506の表面2517に当たり、気密シールを形成する薄いフラップ2518を含む傘形状を持つ。空気袋からの空気は、傘弁2508の柄にそって切り出されたスロット2524を通って移動する。傘弁2508は、好ましくは、厚いときには剛性が高く、薄いときにはいくぶん柔軟な、シリコーンなどの材料で作られ、したがって、薄いフラップ2518はいくぶん弾力がある。入口2530の空気圧、したがって本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているような空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ2518は、変形し、持ち上がってベース2506の表面2517から離れるが、これは、図7A〜7Dに関して上で説明されている傘弁708の動作に似ている。
【0115】
内壁2513は、ベース2506から延びている。図25Bは、壁2513から突き出ている3つのベースリップ2531aおよび2531bの2つを示している。3つのベースリップは、キャップ2510の内面2525内に形成された3つのキャップリップ(そのうち、キャップリップ2525a1つのみが図25Bに示されており、他のキャップリップ2525bは図25Dに示されている)と係合する。図25Dは、ベースリップ2531aが第2のキャップリップ2525bとどのように係合しているかを例示しているが、図25Bには示されていない。キャップ2510は、完全に組み立てられた場合、ベース2506上の適所にぴたりと嵌り、ベースリップ2531a/2531b、およびキャップリップ2525a/2525bの係合により適所に保持される。
【0116】
スイッチ2507は、開位置と閉位置の2つの位置を持つ。2つのピボットアーム2515を使用しベース2506に対してスイッチ2507を前後に動かし開位置と閉位置を切り換える。図25Aは、一方のピボットアーム2515を示しており、他の同じピボットアーム(図に示されていない)は、ピボットアーム2515からのスイッチ2507の反対側から延びている。ピボットアーム2515から延びているピボット2515aは、ベース2506の壁2513内の孔2519と係合する。スイッチ2507の下側2507cに、シーリングパッド2521が取り付けられている。閉位置では、シーリングパッド2521は、ベース2506内の第2の入口2520と係合し、閉じる。図25Dは、閉位置のスイッチ2507を示している。スイッチ2507が開位置にされると(図に示されていない)、シーリングパッド2521は持ち上がって、ベース2506内の第2の入口2520から外れ、空気が第2の入口2520を自由に通り、出口孔2532から外に流れ出し、その出口孔2532を通って、空気はキャップ2510およびベース2506から形成されたハウジングから出る。
【0117】
スイッチ2507は、2つの閉バネ錠を持ち、一方の閉バネ錠2533は図25Aに示されており、同じ閉バネ錠(図に示されていない)は、閉バネ錠2533からスイッチ2507の反対側にある。閉バネ錠2533は、スイッチ2507を閉位置に保持するためベース2506の内壁2513内の孔2513aおよび2513bと係合する突き出し部2533aを含む。さらに、ガイド2535は、ベース2506の壁2513の内面2513cにそってスライドし、スイッチ2507を閉位置の方に移動したときにバネ錠2533を孔2513a/2513bに揃えるのを助ける。スイッチ2507は、さらに、スイッチ2507の外面から突き出る開バネ錠2541も含む。開バネ錠2541は、ベース2506の内壁2513内の孔2543と係合し、スイッチ2507を開位置に保持する。開バネ錠2541は、さらに、図25Dに示されているように、スイッチ2507を閉位置に保持するために使用することができる。スイッチが閉位置にあるときに、開バネ錠2541は、壁2513の端面2513dにあてがうことにより適所に保持され、開バネ錠2541は、十分な力を加えないと端面2513dを超えて移動しない。
【0118】
スイッチ2507、ベース2506、およびキャップ2510は、図7A〜7Dの逆止め弁および放出弁の組合せ701の一部について上で説明されたものを含む熱可塑性ポリウレタン(TPU)などの熱可塑性樹脂から形成された射出成型ピースであってよい。それとは別に、これらのピースは、熱可塑性プラスチックをブロー成型または熱成形するか、または当業者には明らかなプラスチック部品を形成する他の方法により形成することができる。
【0119】
放出弁を閉位置から開位置に移動するために、利用者は、十分な力を加えてスイッチ2507の第1の側面2507aを押して、閉じているバネ錠2533を孔2513a/2513bから外し、壁2513の端面2513dを超えて開バネ錠2541を押し進める。スイッチ2507はピボット2515aにそって、シーリングパッド2521が持ち上がり第2の入口2520から離れるまで前後に動いて放出弁を開き、開バネ錠2541は、孔2543と係合して、放出弁を開位置にロックする。次いで、利用者は、十分な力でスイッチ2507の第2の側面2507bを押して、開バネ錠2541を孔2543から外し、スイッチを閉位置に戻すことができ、その場合、シーリングパッド2521は、第2の入口2520と係合してシールし、閉じているバネ錠2533は、ベース2506の孔2513a/2513bと係合し、放出弁を閉位置にロックする。閉位置にある場合、空気は、それでも、第1の入口2530のところの空気圧が所定の圧力に達すると傘弁2508により放出される。
【0120】
図25Eは、逆止め弁および放出弁の他の組合せ2501の断面を示している。逆止め弁および放出弁の組合せ2501aは、水分、汚れ、または他の環境粒子が逆止め弁および放出弁の組合せ2501aに入り込まないようにするためにキャップ2510aがスイッチ2507の上でシールされることを除き、図25A〜25Dの逆止め弁および放出弁の組合せと同じである。特に、キャップ2510aは、孔2511を含まないが、むしろ、スイッチ2507を覆う柔軟な膜2511aを含む。柔軟な膜2511aは、非常に薄い熱可塑性ポリウレタンとすることができる。スイッチ2507上に膜2511aを押し付けることにより、利用者は、スイッチ2507をオン位置からオフ位置に、またその逆に切り換えることができる。柔軟な膜2511aにより、空気が逆止め弁および放出弁の組合せ2501aに入るようにするために、柔軟な膜2511は、ピンホール2511bを備える。
【0121】
さらに、キャップ2501aは、ベース2506のフランジ2548に対し、また開口部2509bのところにある膨張可能品2509の内面2509aに対しシールされるフランジ2542を備える。本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている逆止め弁および放出弁のすべての組合せの場合と同様に、逆止め弁および放出弁の組合せ2501aで、空気袋2509内の単一の開口部2509bを介して1つの場所だけで空気袋2509を操作する。
【0122】
図25Fの断面図に示されている逆止め弁および放出弁の組合せ2501bの他の実施形態では、スイッチ2507を操作するための孔2511を持つ、図25A〜25Dに示されているキャップ2510bは、水分およびその他の環境粒子が入り込むのを防止する一般的形状のキャップ2501を備える柔軟な熱可塑性材料の熱可塑性被覆材2511cにより覆うことができる。スイッチ2507は、スイッチ2507を直接圧迫するのではなく、覆い2511cを圧迫することにより前後に動かすことができる。被覆材は、ベース2506のフランジ2548に対し、またその中の開口部2509bのところにある膨張可能品2509の内面2509aに対しシールすることができる。柔軟な被覆材2511cは、空気が逆止め弁および放出弁の組合せ2501bから漏れ出るようにするピンホール2511bを備える。
【0123】
図26Aおよび26Bの断面図に示されている逆止め弁および放出弁の組合せ2601aおよび2601bなどの他の実施形態では、それぞれ、キャップ2610aおよびキャップ2610bは、図25A〜25Fのスイッチ2507と同様の動作をし、ベース2606に対してピボット(図に示されていない)を介して前後に動く。この場合、シーリングパッド2621がパック2610a/2610bの下側2607aに取り付けられるときに、追加のスイッチは不要である。キャップ2610a/2610bがそれぞれ、開位置に切り換えられる場合、シーリングパッド2621は持ち上がり、第2の入口2620から離れ、空気がキャップ2610a/2610b内の孔2632から漏れ出る。
【0124】
図26Aに示されている実施形態では、キャップ2610aはスライドして、ベース2606から延びている壁2613の外面2613aに当たる。図26Bに示されている実施形態では、キャップ2610bは滑動して、ベース2606から延びている壁2613の内面2613bに当たる。さらに、図26Bは、キャップ2610bは、壁2613内の孔2643と係合する開バネ錠2641を持つ。開バネ錠2641は、開位置に切り換えられたときキャップ2610bを適所に保持する。さらに他の実施形態では、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものと類似の放出弁および逆止め弁の組合せ(図に示されていない)は、リトラクタブルボールペンと似たメカニズムを備えることができ、シーリングパッドは、キャップが1回押し下げられると第2の入口2620などの第2の入口と係合し、キャップがもう一度押し下げられると第2の入口から外れる。
【0125】
他の実施形態では、逆止め弁および放出弁の組合せ2701は、図27A〜27Dに例示されている。この実施形態では、逆止め弁および放出弁の組合せ2701は、ベース2706、キャップ2710、およびスイッチ2707を備える。図27Aは、スイッチ2707を操作できるようにキャップ2710内の切り欠き2711を示す逆止め弁および放出弁の組合せ2701の側面図を示している。キャップ2710およびベース2706は、挿入され、ベース2706内の第1の流体入口2730で第1の気密シールを形成する傘弁2708(図27Cを参照)を囲むハウジングを形成する。ベース2706は、さらに、第2の流体入口2720を備える。
【0126】
ベース2706およびキャップ2710は、キャップフランジ2742およびベースフランジ2748にそってシールされる。キャップフランジ2742は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものなどの膨張可能空気袋の1つの層の内部にシールすることができる。それとは別に、ベースフランジ2748を空気袋の1つの層の外側にシールするか、または空気袋の1つの層をキャップフランジ2742とベースフランジ2748との間にシールすることができる。逆止め弁および放出弁の組合せ2701は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、他のシール方法により空気袋にシールすることができる。そこで、逆止め弁および放出弁の組合せ2701で、空気袋内の単一開口部を介して空気袋の1つの場所のみを操作する。
【0127】
図27Bは、キャップ2710が、さらに、孔2711aも備え、これによりスイッチ2707がキャップ2710に対して持ち上がることを示す、逆止め弁および放出弁の組合せ2701の上面図である。スイッチ2707は、スイッチ2707をキャップ2710に結合する、ピボット2715を介して閉位置から開位置に切り換わる。スイッチ2707は、さらに、空気が逆止め弁および放出弁の組合せ2701から放出されるように、中に孔2732も備える。利用者がスイッチ2707の第1の側2707aに圧力を加えると、スイッチ2707は開位置に切り換わり、利用者が第2の側2707bに圧力を加えると、スイッチ2707は閉位置に切り換わる。
【0128】
図27Cは、図27Bの直線C−Cにそって示されている断面図であり、開位置のスイッチ2707とともに逆止め弁および放出弁の組合せ2701を例示している。開位置にある場合、スイッチ2707の下側2707cに結合されているシーリングパッド2721は、第2の流体入口2720から持ち上げられて離れる。スイッチ2707は、キャップ2710から突き出ているストッパー2741により開位置に保持される。スイッチ2707から延びているガイド2735は、ストッパー2741を圧迫する突き合わせ面2735aを含む。第2の側2707bに十分な力が加わると、ガイド2735はスライドしてストッパー2741を超え、図27Dに示されている、閉位置になる。閉位置では、シーリングパッド2721は、第2の流体入口2720と接触して、その入口をシールし、逆止め弁および放出弁の組合せ2701と連通接続されている空気袋が膨張する。空気袋内の圧力、したがって第1の入口2730の圧力が所定の圧力に達すると、傘弁2708のフラップ2718は、ベース2706から持ち上がり、空気が空気袋ならびに逆止め弁および放出弁の組合せ2701から孔2732を通って漏れ出る。
【0129】
図28Aは、分解図内で調整可能逆止め弁を備える逆止め弁および放出弁の組合せ2801を例示している。図28Bは、図28Aの直線B−Bにそって示されている逆止め弁および放出弁の組合せ2801の断面図である。
【0130】
逆止め弁および放出弁の組合せ2801は、ハウジングを形成するベース2806およびキャップ2810を備える。ベース2806およびキャップ2810は、キャップフランジ2842およびベースフランジ2848にそってシールされる。キャップフランジ2842は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものなどの膨張可能空気袋の1つの層の内部にシールすることができる。それとは別に、ベースフランジ2848を空気袋の1つの層の外側にシールするか、または空気袋の1つの層をキャップフランジ2842とベースフランジ2848との間にシールすることができる。逆止め弁および放出弁の組合せ2801は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、他のシール方法により空気袋にシールすることができる。そこで、逆止め弁および放出弁の組合せ2801で、空気袋内の単一開口部を介して空気袋の1つの場所のみを操作する。
【0131】
ベース2806は、第1の入口2830および1つまたは複数の入口2820を備える。傘弁2808は、第1の入口2830とともに第1の気密シールを形成し、放出弁2860は、第2の入口2820とともに第2の気密シールを形成する。放出弁2860は、ベース2806とともに第2のシールを形成するプランジャ2860aを含む。第2のシールは、放出弁2860の頭2860cから延びているフランジ2860bがベース2806と接触する場所に形成される。第2の入口2820から出る空気は、放出弁2860の頭2860cの下に圧力を生じさせる。放出弁の一般的な軸に垂直な側面から力を加えることなどにより放出弁2860の頭2860cが変形すると、フランジ2860bも変形し、部分的に持ち上がりベース2806から離れ、第2の気密シールを解放する。頭2860cが変形しなくなると、フランジ2860bは自然な状態に戻り、フランジ2860bは、再び、ベース2806に対し第2の気密シールを形成する。それとは別に、放出弁2860は、図11の放出弁1160において説明され、示されているのと類似の、プランジャおよびバネであってもよい。この場合、バネは、ベース2806に対しプランジャ2860aをバイアスするために使用される。プランジャ2860aを押し下げると、プランジャはベース2806から離れ、プランジャ2860aとベース2806との間のシールを解放する。同様に、プランジャ2860aを作るために使用される材料は弾性傾向を有し、プランジャ2860aをベース2806に向けてバイアスするバネと同じ効果をもたらすために使用できる。
【0132】
キャップ2810は、中に孔2811を備える。圧力ディスク2807およびカム2847のつまみ部分2847aは、キャップ2810の孔2811を通して取り扱える。さらに、キャップ2810は、第1の一連のねじ山2810bを持つ内壁2810aを備える。一方で、圧力ディスク2807は、キャップ2810の第1の一連のねじ山2810bと係合する第2の一連のねじ山2807bを持つ外壁2807aを備える。圧力ディスク2807は、カム2847の第1の表面2847bに載る第1の表面2807cを持つ。圧力ディスク2807は、さらに、カム2847の第2の表面2847cから間隔をあけて配置されている第2の表面2807dを持つ。カム2847は、さらに、傘弁2808の頭頂部2808aと接触する第3の表面2847dも持つ。
【0133】
図28Aに例示されているような、傘弁2808は、図8A〜8Bに関して上で説明されているように傘弁808と似た機能を有する。入口2830の空気圧、したがって本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているような空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ2818は、変形し、持ち上がってベース2806の第2の表面2817から離れる。しかし、圧力を傘弁2808の頭頂部2808aに加えると、傘弁2808のフラップ2818は、ベース2806の第2の表面2817にさらにきつく押し付けられる。したがって、入口2830における圧力は、フラップ2818を持ち上げて、傘弁2808を解放するには、さらに高くなければならない。
【0134】
傘弁2808を調整するために、利用者は、圧力ディスク2807をスピンさせる。どのような種類のハンドルまたはつまみ(図に示されていない)も、圧力ディスク2807を回転させるために使用することができる。圧力ディスク2807がスピンすると、かみ合っているねじ山2807aおよび2810aにより、圧力ディスク2807がベース2806の方に強制的に押しやられる。圧力ディスク2807の第1の表面2807cは、カム2847の第1の表面2847bを圧迫し、これにより、カム2847の第3の表面は傘弁2808の頭頂部2808aに押し付けられる。上述のように、傘弁の頭頂部への圧力が高まると、フラップ2818上の圧力が高まりベース2806を圧迫する。そこで、フラップ2818を持ち上げて傘弁の抵抗を高めるために、第1の入口2830における圧力を増す必要がある。カム2847の追加の特徴は、圧力ディスク2807の回転運動を傘弁2808から絶縁することである。圧力ディスク2807は、カム2847に対して自由に動く。そのため、回転する圧力ディスク2807では、傘弁2808は、外して、ベース2806とともに形成されているシールを恒久的に解放するために、ねじったり、回したりしない。
【0135】
放出弁2860を操作するために、変形圧力を側面などから頭2860に加え、それによりフランジ2860bを変形させ、第2の気密シールを破る。
【0136】
調整可能逆止め弁を含む逆止め弁および放出弁の組合せ2901の他の実施形態は、図29A〜29Cに示されている。図29は、逆止め弁および放出弁の組合せ2901の上面図である。図29Bは、図29Aの直線B−Bにそって示されている断面図である。図29Cは、図29Aの逆止め弁および放出弁の組合せ2901の上面分解図である。図29Dは、図29Aの逆止め弁および放出弁の組合せ2901の下面分解図である。
【0137】
逆止め弁および放出弁の組合せ2901は、傘弁2908および放出弁2960を囲むハウジングを形成するベース2906およびキャップ2910を備える。ベース2906は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものなどの膨張可能空気袋の内側または外側のいずれかにシールされたフランジ2948を備える。ベース2906は、さらに、第1の流体入口2930および複数の第2の流体入口2920を備える。
【0138】
傘弁2908は、第1のシールを第1の流体入口2930で形成し、図28A〜28Bに関して説明されているように、傘弁2808と類似の機能を有する。逆止め弁および放出弁の組合せ2901は、さらに、キャップ2910の側面内の開口部2911から操作可能な圧力ディスク2907を備える。圧力ディスク2907は、ねじ山2907bを持つ内面2907aを備える。ベース2906は、圧力ディスク2907のねじ山2907bとかみ合うねじ山2913bを持つ外面2913aとともに内面2913を持つ。圧力ディスク2907は、さらに、中に孔2907cを備える。キャップ2910は、キャップ2910の内面2910aから突き出て、圧力ディスク2907内の孔2907cを通して延びるガイド2935を備え、これにより、圧力ディスク2907を傘弁2908の頭頂部2908aに揃える。
【0139】
傘弁2908を調整するために、圧力ディスク2907を、キャップ2910およびベース2906により形成されるハウジングの外側から回す。圧力ディスク2907が回転すると、かみ合っているねじ山2907bおよび2913bにより、圧力ディスク2907がガイド2935にそってベース2906の方に強制的に押しやられる。圧力ディスク2907は、それが傘弁2908の頭頂部2908aと接触する場所に圧力を加える。上述のように、傘弁の頭頂部への圧力が高まると、フラップ2918上の圧力が高まりベース2906を圧迫する。そこで、フラップ2918が持ち上がるようにするため、第1の入口2930における圧力を増す必要がある。
【0140】
さらに、ストッパー2941は、キャップ2910の内面2910aから突き出る。ストッパー2941は、圧力ディスク2907の第1の外面2907d上の一連のディボット2949と係合する。圧力ディスク2907が回転するにつれ、ストッパー2941は、圧力ディスク2907をさまざまな位置に保持し、それにより、傘弁2908の抵抗を保持し、入口2930において特定の所定の圧力で放出するようにする。キャップ2910は、さらに、圧力ディスク2907の第2の外面2907e上に印刷されるか、またはエッチングされた1つまたは複数の印2983を見るために使用できる窓2981も備える。印2983は、利用者側で傘弁2908の異なるレベルの抵抗を調べるためのゲージを与える。
【0141】
傘弁の抵抗のレベルを測定するための類似の印が、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている調整可能逆止め弁のどのような実施形態にも適している。このような印は、キャップまたはそのベース、弁でシールされている空気袋、または空気袋および弁が溶着またはシールされて一体になっているマージンなど弁のどこにでも印刷することができる。
【0142】
逆止め弁および放出弁の組合せ2901の放出弁2960は、放出弁2960の頭2960c上のフランジ2960bがベース2906と接触する複数の第2の入口2920の上に第2のシールを形成する。逆止め弁および放出弁の組合せ2901は、さらに、キャップ2910内に形成された金具2910aと係合するアーム2985aにより放出弁2960からバイアスされて離れている側面ボタン2985も備える。側面ボタン2985が放出弁2960の方へ押されると、中心のくさび2985bが押されて金具2910aを超え、放出弁2960の頭2960cの側面と係合する。くさび2985bは、頭2960cを押し、それにより頭2960cおよびフランジ2960bは変形し、フランジ2960bおよびベース2906により形成されたシールを解放し、それにより、空気が逆止め弁および放出弁の組合せ2901から漏れる。他の実施形態では、放出弁2960は、図11Aおよび11Bのような、バネとともに説明されているようなプランジャ型弁であるか、またはプランジャの頭を形成するために使用される材料の弾性によりバイアスされるようにできる。
【0143】
逆止め弁および放出弁の組合せ3001の他の実施形態は、図30A〜30Fに示されている。図30Aは、図30Bの直線A−Aにそって示されている逆止め弁および放出弁の組合せ3001の上部分断面図を示しているが、図30Bは、図30Aの直線B−Bにそって示されている断面図である。図30Dは、逆止め弁および放出弁の組合せ3001の下分解図である。図30Eおよび30Fは、逆止め弁および放出弁の組合せ3001のそれぞれの正面および側面の平面図である。逆止め弁および放出弁の組合せ3001は、第1の入口3030および第2の入口3020を備えるベース3006を含む。
【0144】
ベース3006は、キャップ3010を備えるハウジングを形成する。ベース3006は、第1のフランジ3042および第2のフランジ3048を含む。第1のフランジ3042は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものなどの膨張可能空気袋の1つの層の内部にシールすることができる。それとは別に、第2のフランジ3048を空気袋の1つの層の外側にシールするか、または空気袋の1つの層を第1のフランジ3042と第2のフランジ3048との間にシールすることができる。逆止め弁および放出弁の組合せ3001は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、他のシール方により空気袋にシールすることができる。そこで、逆止め弁および放出弁の組合せ3001で、空気袋内の単一開口部を介して空気袋の1つの場所のみを操作する。他の実施形態では、第1のフランジ3042は、ベース3006ではなくキャップ3010と一体にできる。
【0145】
多くの場合、空気袋を形成するために使用される材料は、弁を形成するために使用される材料と異なる場合があり、および/または適合しない場合があり、したがって、これらは、直接シールして一体にすることができない。例えば、逆止め弁および放出弁の組合せ3001を作るために使用される材料は、ナイロン、またはポリウレタンまたは空気袋を形成するために使用される他の材料で直接溶着するのに適していない他の材料とすることができる。この場合、第1のフランジ3042または第2のフランジ3048のうちの一方は、代わりに、似ていないまたは適合しない材料を、RF溶着などにより、上述の方法のうちの1つにより接着することができる中間材料とすることができる。これにより、逆止め弁および放出弁の組合せ3001の一部を形成するフランジではなく、中間材料が空気袋に溶着され、気密シールを形成する。このような中間材料は、本明細書で説明されているが、または他の何らかの形で開示されている弁のどれかを本明細書で説明されている、または他の何らかの形で開示されている何らかの種類の空気袋に接着するために使用することができる。
【0146】
傘弁3008は、キャップ3010およびベース3006により形成されたハウジング内に配置され、第1の入口3030とともに第1の気密シールを形成し、放出弁3060は、第2の入口3020とともに第2の気密シールを形成する。放出弁3060は、図11Aおよび11Bで説明されているのと同様に機能する。放出弁3060は、プランジャ3060aがベース3006の第1の表面3006aの方へバイアスされるのでベース3006とともにシールを形成するプランジャ3060aを備える。バイアスは、放出弁3060の頭3060bとベース3006の第2の表面3017との間に配置されたバネ3022により生じる。放出弁3060の頭3060bが押し下げられると、バネ3022は圧縮され、プランジャ3060aは押されて、ベース3006の第1の表面3006aから離れ、第2の気密シールを解放する。頭3060bが押し下げられなくなると、バネ3022は再び自然な状態に伸張し、プランジャ3060aをベース3006に対しバイアスする。それとは別に、放出弁3060は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている他の種類の放出弁とすることができる。
【0147】
キャップ3010は、中に孔3011を備える。圧力ディスク3007は、キャップ3010の孔3011を通して取り扱えるつまみ部分3007aを備える。つまみ部分3007aは、圧力ディスク3007から突き出ており、第1の側面3007a’および第2の側面3007a”を備え、それにより、利用者は、指を第1の側面3007a’に置き、親指を第2の側面3007a”に置いて、圧力ディスク3007を回すことができる。さらに、圧力ディスク3007は、第1の一連のねじ山を備える第1の内面3007bを備える。一方で、ベース3006は、圧力ディスク3007の第1の一連のねじ山と係合する第2の一連のねじ山を持つ外面3013aを備える壁3013を持つ。圧力ディスク3007は、カム3047の第1の表面3047aに載る第2の内面3007cを持つ。カム3047は、さらに、傘弁3008の頭頂部3008aと接触する第2の表面3047bも持つ。
【0148】
傘弁3008は、図8A〜8Bに関して上で説明されているように傘弁808と似た機能を有する。入口3030の空気圧、したがって本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているような空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ3018は、変形し、持ち上がってベース3006の第3の表面3017aから離れる。しかし、圧力を傘弁3008の頭頂部3008aに加えると、傘弁3008のフラップ3018は、ベース3006の第3の表面3017aにさらにきつく押し付けられる。したがって、入口3030における圧力は、フラップ3018を持ち上げて、傘弁3008を解放するには、さらに高くなければならない。
【0149】
傘弁3008を調整するために、利用者は、圧力ディスク3007のつまみ3007aを回すと、圧力ディスク3007がスピンする。圧力ディスク3007がスピンすると、壁3013の第1の内面3007bおよび外面3013a上のかみ合っているねじ山により、圧力ディスク3007がベース3006の方に強制的に押しやられる。圧力ディスク3007の第2の内面3007cは、カム3047の第1の表面3047aを圧迫し、これにより、カム3047の第2の表面3047bは、傘弁3008の頭頂部3008aに押し付けられる。上述のように、傘弁への圧力が高まると、フラップ3018上の圧力が高まりベース3006を圧迫する。そこで、フラップ3018を持ち上げて傘弁3008の抵抗を高めるために、第1の入口3030における圧力を増す必要がある。図28のカム2847に関して上で説明されているように、カム3047は、圧力ディスク3007の回転運動を傘弁3008から絶縁する。圧力ディスク3007は、カム3047に対して自由に動く。そのため、回転する圧力ディスク3007では、傘弁3008は、外して、ベース3006とともに形成されているシールを恒久的に解放するために、ねじったり、回したりしない。
【0150】
さらに、ストッパー3041は、キャップ3010の内面3010aから突き出る。ストッパー3041は、圧力ディスク3007の外面3007d上の一連のディボット3049と係合する。圧力ディスク3007が回転するにつれ、ストッパー3041は、圧力ディスク3007をさまざまな位置に保持し、それにより、傘弁3008の抵抗を保持し、さまざまな特定の所定の圧力で放出するようにする。キャップ3010は、さらに、圧力ディスク3007の外面3007dを見るための窓3081を備える。外面3007dは、印刷またはエッチングされた1つまたは複数の印3083を含み、これにより利用者側で傘弁3008の異なるレベルの抵抗を調べるためのゲージを用意することができる。
【0151】
逆止め弁および放出弁の組合せ3101の他の実施形態は、図31A〜31Fに示されている。図31Aは、逆止め弁および放出弁の組合せ3101の上面斜視図である。図31Bは、図31Cの直線B−Bにそって示されている上部分断面図であるが、図31Cは、図31Bの直線C−Cにそって示されている断面側面図である。図31Dは、図31Bの直線D−Dにそって示されている後断面図である。図31Eは、逆止め弁および放出弁の組合せ3101の上面分解図である。図31Fは、逆止め弁および放出弁の組合せ3101の下分解図である。
【0152】
逆止め弁および放出弁の組合せ3101は、ベース3106およびキャップ3110を備える。ベース3106は、ベースフランジ3148を含み、キャップ3110は、キャップフランジ3142を含む。キャップフランジ3142は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているものなどの膨張可能空気袋の1つの層の内部にシールすることができる。それとは別に、ベースフランジ3148を空気袋の1つの層の外側にシールするか、または空気袋の1つの層をキャップフランジ3142とベースフランジ3148との間にシールすることができる。逆止め弁および放出弁の組合せ3101は、膠による接着、接着剤による接着、RF溶着、熱溶着、超音波溶着、他のシール方により空気袋にシールすることができる。そこで、逆止め弁および放出弁の組合せ3101で、空気袋内の単一開口部を介して空気袋の1つの場所のみを操作する。
【0153】
さらに他の実施形態では、逆止め弁および放出弁の組合せ3101は、シールされる空気袋を形成するために使用される材料と異なる、または互換性のない材料から作ることができる。そこで、キャップフランジ3142および/またはベースフランジ3148は、図30A〜30Fに関して説明されているような中間材料であってよい。それとは別に、その後、キャップフランジ3142およびベースフランジ3148の一方または両方に、中間材料を張り付けて、上述のように、フランジ3142、3148を空気袋に接着することができる。
【0154】
第1の入口3130は、ベース3106内に形成される。座部(シーティング)3125は、キャップ3110の第1の表面3110aから突き出る。座部3125は、段部3125aを含む(図31Cを参照)。さらに、キャップ3110およびベース3106がシールされると、座部3125は、ベース3106内の孔3106aを通って延び、段部3125aは、ベース3106内で形成されるうね3106bと係合し、キャップ3110をベース3106に固定する。第2の入口3120は、座部3125内に形成される。傘弁3108は、圧力ディスク3107およびベース3106により形成されるハウジング内に配置され、第1の入口3130とともに第1の気密シールを形成する。放出弁3160は、第2の入口3120とともに第2の気密シールを形成する。
【0155】
放出弁3160は、図11Aおよび11Bで説明されているのと同様に機能する。放出弁3160は、プランジャ3160aが座部3125の第1の表面3125bの方へバイアスされるので座部3125とともにシールを形成するプランジャ3160aを備える。バイアスは、放出弁3160の頭3160bと座部3125の第2の表面3125cとの間に配置されたバネ3122により生じる。放出弁3160の頭3160bが押し下げられると、バネ3122は圧縮され、プランジャ3160aは押されて、座部3125の第1の表面3125bから離れ、第2の気密シールを解放する。頭3160bが押し下げられなくなると、バネ3122は再び自然な状態に伸張し、プランジャ3160aを座部3125に対しバイアスする。それとは別に、放出弁3160は、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている他の種類の放出弁とすることができる。
【0156】
キャップ3110は、中に孔3111を備える。圧力ディスク3107は、キャップ3110の孔3111を通してベース3106の内壁3113と係合する。図31Eに示されているように、ベース3106の内壁3113は、2つの傾斜したトラック3145aおよび3145bを備える。これらのトラックは、圧力ディスク3107内に形成された支柱3107aと係合する。圧力ディスク3107がベース3107に対して回転すると、傾斜したトラック3145aおよび3145bは、圧力ディスク3107をベース3106の方へ移動し、またベース3106から離す。内壁3113は、さらに、圧力ディスク3107の内面3107bに対しバイアスするバネ3122aを備え、圧力ディスク3107を、トラック3145aおよび3145bのさらに傾斜した部分に向けてバイアスする。内壁3113は、さらに、レバー3179内に形成されたノッチ3179aと係合するためのガイド3135を備える。レバー3179は、傘弁3108の頭頂部3108aと接触する。カム3147は、圧力ディスク3107の内面3107bから延びる。
【0157】
傘弁3108は、図8A〜8Bに関して上で説明されているように傘弁808と似た機能を有する。入口3130の空気圧、したがって本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されているような空気袋内の圧力が所定の圧力に達した場合、薄いフラップ3118は、変形し、持ち上がってベース3106の第1の表面3117から離れる。しかし、圧力を傘弁3108の頭頂部3108aに加えると、傘弁3108のフラップ3118は、ベース3106の第1の表面3117にさらにきつく押し付けられる。したがって、入口3130における圧力は、フラップ3118を持ち上げて、傘弁3108を解放するには、さらに高くなければならない。
【0158】
傘弁1308の抵抗を調整するために、圧力ディスク1307を回す。支柱3107aは、トラック3145aおよび3145bと係合し、圧力ディスク3107をベース3106に向けて移動し、またベース3106から離す。圧力ディスク3107がトラック3145aおよび3145bの傾斜にそって第1の方向に回されると、圧力ディスクは、ベース3106の方に移動し、バネ3122aを圧迫する。カム3147は、レバー3179に接触し、圧力をレバー3179に加え、それにより、圧力を傘弁3108の頭頂部3108aに加える。圧力ディスク3107を反対方向に回すと、圧力ディスク3107がベース3106から離れる方向に移動し、バネ3122aの自然な状態により、カム3147が持ち上がりレバー3179から外れ、傘弁3108の頭頂部3108aへの圧力を解放する。カム3147は、傘弁3108から圧力ディスク3107の回転運動を絶縁する。圧力ディスク3107は、カム3147に対して自由に動く。そのため、回転する圧力ディスク3107では、傘弁3108は、外して、ベース3106とともに形成されているシールを恒久的に解放するために、ねじったり、回したりしない。
【0159】
さらに、ストッパー3141は、ベース3106の第2の表面3117aから突き出る。ストッパー3141は、圧力ディスク3107の外面3107c上の一連のディボット3149と係合する。圧力ディスク3107が回転するにつれ、ストッパー3141は、圧力ディスク3107をトラック3145aおよび3145bにそってさまざまな位置に保持し、それにより、傘弁3108の抵抗を保持し、さまざまな特定の所定の圧力で放出するようにする。
【0160】
図32Aは、調整可能逆止め弁3201を例示している。調整可能逆止め弁3201は、傘弁3208を囲むハウジングを形成するベース3206およびキャップ3210を備える(図32Cの断面図に示されている)。調整可能逆止め弁3201は、さらに、キャップ3210内に形成されるトラック3245にそってスライドする、スライドスイッチ3207も備える。スライドスイッチ3207は、傘弁3208の抵抗、つまり、傘弁3208とベース3206との間に形成されるシールが解放される入口3230における所定の圧力を加減するために使用される。図32Bは、調整可能逆止め弁3201の上面図を示している。図32Cおよび32Dは、それぞれ、図32Bの直線C−CおよびD−Dにそって示されている調整可能逆止め弁3201の断面図である。
【0161】
図32Cに例示されているような、傘弁3208は、図28A〜28Bに関して上で説明されているように、傘弁3208の頭頂部3208aに圧力を加えると、傘弁3208のフラップ3218がベース3206にさらにしっかりと押し付けられるという点で、傘弁2808と似た機能を有する。よって、フラップ3218を持ち上げ、傘弁3208およびベース3206により形成されるシールを解放するために必要な入口3230の所定の圧力は、圧力が低減されるか、取り除かれるときよりも高くなければならない。調整可能逆止め弁3201は、ベース3206から延びるアーム3213を含む。アーム3213は、頭頂部3208aと接触する、レバー3279に結合される。スライドスイッチ3207は、さらに、カム3247およびガイド3235を備え、これらは、スライドスイッチ3207の下側3207aから延びる。ガイド3235は、トラック3245にそって駆動され、カム3247をレバー3279に接触させ、レバー3279の長さにそって移動させる。図32Cは、第1の位置にあるスライドスイッチ3207を例示している。トラック3245にそって移動するときに、カム3247は、高くした圧力をレバー3279に加え、それにより、高くした圧力を傘弁3208の頭頂部3208aに加える。スライドスイッチ3207がトラック3245にそってさらに遠くに移動するほど、レバー3279から傘弁3208に伝達される圧力は大きくなる。
【0162】
図32Fは、2つのストッパー3241a/3241bを示しており、これはさらにスライドスイッチ3207の下側3207aから延びている。スライドスイッチ3207がトラック3245にそって移動すると、ストッパー3241a/3241bは、キャップ3210の外面3210a内に形成された一連のディボット3249と係合する。ストッパー2741a/2741bおよびディボット2749は、スライドスイッチ3207をレバー3279の長さにそってさまざまな位置の適所に保持し、このレバーは、さらに、傘弁4708のフラップ3218が特定の圧力で持ち上がる所定の圧力を保持する。図32Eは、ベース3206、キャップ3210(トラック3245およびディボット3249を含む)およびスライドスイッチ3207の上分解図である。図32Fは、ベース3206、キャップ3210、およびスライドスイッチ3207の下分解図である(ガイド3235、カム3247、およびストッパー3241a/3241bを含む)。
【0163】
本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている調整可能逆止め弁および放出弁(図に示されていない)の組合せの他の実施形態は、図32A〜32Fに関して上で説明されているようなスライドスイッチ、および本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている放出弁のどれかとともに形成することができる。
【0164】
図33Aおよび33Bは、サテライト足元膨張メカニズム3308の一実施例を示している。膨張メカニズム3308は、射出成型熱可塑性ポリウレタン(TPU)、例えば、硬度40〜50ショアDのもの、とすることができる。それとは別に、膨張メカニズム3308は、ブロー成型、熱成形、またはプラスチック部品を形成するための他の方法により製造することができる。膨張メカニズム3308は、第1のシート3308aおよび第2のシート3308bを備え、それぞれ、平坦なマージン部分3308a’/3308b’およびレリーフ部分3308a”/3308b”を持つ。マージン部分3308a’/3308b’は、膠で接着する方法、接着剤で接着する方法、RF溶着する方法、熱溶着する方法、超音波溶着する方法、または当業者に知られている他の方法でシールされる。それとは別に、膨張メカニズム3308は、ワンピースで形成することができる。レリーフ部分3308a”/3308b”は、コンパートメント3360を形成する。
【0165】
膨張メカニズム3308は、吸気弁(図に示されていない)および入口3371a用の第1の室3371を備える。還流用吸気弁は、空気を膨張メカニズム3308内に流し、同じ入口3371aを通して還流させることができる一方向弁である。膨張メカニズム3308は、さらに、空気注入弁(図に示されていない)および出口3320a用の第2の室3320を備える。空気注入弁は、さらに、空気を膨張メカニズム3308から空気袋に流し込み、膨張メカニズム3308に還流させない一方向弁である。吸気弁および空気注入弁は、本明細書で説明されるか、または他の何らかの形で開示されている一方向弁とすることができ、第1のシート3308aにそって成型されるか、または後から取り付けることができる。膨張メカニズムは、さらに、吸気弁および空気注入弁の一方または両方が後から取り付けられたときに第1および第2の室3371および3320をシールするカバー3363も備える。
【0166】
サテライト膨張メカニズム3308は、空気袋と同じ広がりを持つように形成されない。よって、一体構造として形成される上で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている足元膨張メカニズムのどれかを空気袋と置き換えることができる。かかとがコンパートメント3360に当たると、レリーフ部分3308a”/3308b”がつぶれて、空気を強制的に膨張メカニズム3308から、本明細書で説明されているか、または他の何らかの形で開示されている膨張可能空気袋などの膨張可能物品内に送り込む。膨張可能物品は、その後、膨張可能物品、配管、バーブ継手、それらの組合せまたは他の流体密封接続システムの一部を介して出口3320aに接続することができる。足が上がって、コンパートメント3360から離れると、コンパートメント3360内の負圧により、吸気弁が開き、空気が膨張メカニズム3308内に引き込まれる。空気が膨張メカニズム3308内に入ると、コンパートメント3360が膨張する。コンパートメント3360は、さらに、図5において上で説明されているようなフォームコア(図に示されていない)を備え、靴を履く人の足の圧力が取り除かれた後のコンパートメント3360の膨張を助ける。
【0167】
図34A〜34Iは、本発明の空気袋3430により少なくとも部分的に形成された靴底3420およびアッパー3410を含む靴3400のさらに他の実施形態を示している。空気袋3430は、アッパー3410全体を覆わない。その代わりに、空気袋3430は、切り欠き部分3484を含む。織物、フォーム、シリコーン、または当業者に知られている他のパディング材料などのパディング材料を切り欠き部分3484に与え、靴を履く人の快適さを増す。さらに、足を囲み、その中開口部3412を形成するように空気袋3430の第1の部分3489を空気袋の第2の部分3490に縫う代わり、第1の部分3489および第2の部分3490をライクラまたは他の弾性材料などの伸張可能なアッパー材料3499により隔てて、靴を履く人の足を開口部3412内に入れ、またそこから抜くことを補助する。
【0168】
靴ひもまたは他の密封システムを本発明の靴のデザインに組み込むことができる。例えば、図35A〜35Cは、本発明の空気袋3530により少なくとも部分的に形成された靴底3520およびアッパー3510を含む靴3500のさらに他の実施形態を示している。空気袋3530は、アッパー3510全体を覆わない。その代わりに、空気袋3530は、通気性のあるメッシュ材料が中で縫われている切り欠き部分3584を含む。靴3500は、さらに、結ばれる靴ひも3594が通る空気袋3530の周辺溶着線3590内に形成されるひも通し用の小穴3592も備える。
【0169】
本発明は、具体的に示され、好ましい実施形態を参照しつつ説明されているが、当業者であれば、例示のみを目的として示されていること、本発明の精神および範囲から逸脱することなく形態および詳細にさまざまな変更を加えることができることを理解するであろう。
【0170】
したがって、本発明の程度および範囲は、上述の例示的な実施形態により制限されるのではなく、請求項およびその等価物によってのみ定義されるべきである。さらに、発行済み米国特許を含む、本明細書に引用されているすべての参考文献、または他の参考文献は、それぞれ、引用されている参考文献に示されているすべてのデータ、表、図、および本文を含めて、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0171】
特定の実施形態の前記の説明では、本発明の一般的性質を完全に明らかにしているため、他の人も、当業の知識(本明細書で引用されている参考文献の内容を含む)を応用することにより、本発明の一般的概念から逸脱することなく、過渡の実験をすることなく、さまざまな応用に合わせてそのような特定の実施形態を容易に修正し、および/または適合させることができる。したがって、このような適合および修正は、本明細書に示されている教示および案内に基づいて、開示されているいくつかの実施形態の等価物の意味および範囲のうちにあることが意図されている。本明細書の言葉遣いまたは用語は、説明を目的とするものであり、制限することを目的としておらず、本明細書の用語または言葉遣いは、当業者の知識と併せて、本明細書に示されている教示および案内に照らして当業者により解釈されることは理解されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物であって、
靴底と、
利用者の足を挿入するための開口部を備える、前記靴底に取り付けられたアッパーであって、前記アッパーの少なくとも一部は、ワンピースの膨張可能空気袋から形成され、前記膨張可能空気袋は、X字型部分を含み、前記X字型部分の中心は、前記履物のバンプ部分の間に位置するアッパーと、
利用者の足の下方力により作動される、前記履物内に配置されている膨張メカニズムとを備え、
前記X字型部分の1つまたは複数のアームが、前記履物のかかと部分に向かって延び、前記アッパーの前記開口部を実質的に囲む履物。
【請求項2】
前記履物は、さらに、前記空気袋に連通接続されている空気抜きメカニズムを備える請求項1に記載の履物。
【請求項3】
前記空気抜きメカニズムは、逆止め弁および放出弁の組合せである請求項2に記載の履物。
【請求項4】
前記空気抜きメカニズムは、開位置のままにできる放出弁を備える請求項2に記載の履物。
【請求項5】
前記空気抜きメカニズムは、調整可能逆止め弁を備える請求項2に記載の履物。
【請求項6】
前記膨張メカニズムへの空気入口は、空気を通すことができるが、水分を通さない材料により覆われている請求項1に記載の履物。
【請求項7】
前記材料は、GORE−TEXまたはVERSAPOREのうちの一方である請求項7に記載の履物。
【請求項8】
前記膨張メカニズムおよび前記空気袋は、一体である請求項1に記載の履物。
【請求項9】
前記膨張メカニズムは、前記空気袋に連通接続されているサテライト膨張メカニズムである請求項1に記載の履物。
【請求項10】
前記膨張メカニズムは、前記空気袋、配管、バーブ継手、またはそれらの組合せの一部の1つを介して前記空気袋に接続される請求項9に記載の履物。
【請求項11】
前記膨張メカニズムは、前記膨張メカニズムへの入口に第1の一方向弁を、前記空気袋への出口に第2の一方向弁を備え、前記第1および第2の一方向弁は、前記膨張メカニズムと同じ材料のハウジング内に収められ、前記膨張メカニズムと一体である請求項9に記載の履物。
【請求項12】
前記膨張可能空気袋は、前記アッパーの切り欠き部分を画成する請求項1に記載の履物。
【請求項13】
パディングまたは通気性のあるメッシュ材料の1つは、前記アッパーの前記切り欠き部分内に縫い込まれる請求項12に記載の履物。
【請求項14】
履物であって、
靴底と、
利用者の足を挿入するための開口部を備える、前記靴底に取り付けられたアッパーであって、前記アッパーの少なくとも一部は、膨張可能空気袋から形成されるアッパーと、
利用者の足の下方力により作動される、前記履物内に配置されている膨張メカニズムとを備え、
前記空気袋は、ひも通し用の小穴が形成され、靴ひもが前記小穴を通して結ばれる周辺溶着線を含む履物。
【請求項15】
膨張可能物品の空気抜きメカニズムであって、
ベースと、
前記ベースと係合するキャップと、
前記膨張可能物品に連通接続されている第1の流体入口と、
第1の位置にあるときに前記第1の流体入口とともにシールを形成し、第2の位置にあるときに前記第1の流体入口から取り除かれるシーリングパッドとを備える膨張可能物品の空気抜きメカニズム。
【請求項16】
前記シーリングパッドは、スイッチに結合され、スイッチは、ピボットを介して前記スイッチを前後に動かすことにより前記第1の位置から前記第2の位置に前記シーリングパッドを移動することができる請求項15に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項17】
前記スイッチは、前記キャップ内の孔を通して操作可能である請求項16に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項18】
前記キャップは、前記スイッチを覆い、前記スイッチは、前記スイッチを前後に動かすための柔軟な膜を備える請求項16に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項19】
前記シーリングパッドは、前記キャップに結合され、前記キャップは、前後に動かすことにより前記第1の位置から前記第2の位置に前記シーリングパッドを移動することができる請求項15に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項20】
さらに、前記シーリングパッドを前記キャップの第1の押下後に前記第1の位置に移動し、前記キャップの第2の押下後に前記第2の位置に移動することができるシーリングメカニズムを備える請求項15に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項21】
さらに、
前記膨張可能物品に連通接続される第2の流体入口と前記第2の流体入口とともに第2のシールを形成する逆止め弁とを備え、
前記第2のシールは、前記第2の流体入口における前記流体圧力が所定の圧力よりも高い場合に解放される請求項15に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項22】
前記逆止め弁は、前記第1のシールが解放される前記所定の圧力が調整可能であるという点で調整可能である請求項21に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項23】
前記逆止め弁は、前記フラップに所定の圧力が加えられたときに持ち上がるフラップを持つ傘弁であり、前記傘弁の頭頂部に圧力が加えられることで、前記所定の圧力が増大する請求項22に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項24】
前記膨張可能物品は、履物の膨張可能空気袋である請求項15に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項25】
前記ベースまたは前記キャップの少なくとも一方は、その開口部の周りで前記膨張可能空気袋にシールされるフランジを備える請求項24に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項26】
前記膨張可能空気袋内の前記開口部は、キャップフランジとベースフランジとの間でシールされる請求項25に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項27】
前記空気抜きメカニズムおよび前記膨張可能空気袋は、互換性のない材料からなり、前記フランジは、前記膨張可能空気袋にシールされる中間材料を含む請求項25に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項28】
膨張可能物品の空気抜きメカニズムであって、
ベースと、
前記ベースと係合するキャップと、
前記膨張可能物品に連通接続されている第1および第2の流体入口と、
前記第1の流体入口と、前記第1の流体入口における前記流体圧力が所定の圧力を超えた場合に解放される第1のシールを形成する逆止め弁と、
前記第2の流体入口と、利用者により作動されたときに解放される第2の流体シールを形成する放出弁とを備え、
前記逆止め弁の抵抗は、前記第1のシールが解放される前記所定の圧力が調整可能であるという点で調整可能である膨張可能物品の空気抜きメカニズム。
【請求項29】
前記逆止め弁は、傘弁であり、前記傘弁の頭頂部に圧力を加えることで、前記第1のシールが解放される前記所定の圧力を調整する請求項28に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項30】
さらに、
前記ベースに結合されている第1の端および前記傘弁の前記頭頂部に接触している第2の端を持つレバーと、
前記レバーと接触しているスライドスイッチであって、前記第2の端に向かって前記レバーの長さにそってスライドし、前記逆止め弁の抵抗を高めつつ、前記レバーに加える圧力を増して行くようなスライドスイッチとを備える請求項29に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項31】
前記スライドスイッチは、ストッパーおよび複数のディボットを備え、これにより、前記スライドスイッチを前記レバーの前記長さに沿う様々な位置に保持する請求項30に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項32】
さらに、圧力ディスクを備え、前記圧力ディスクを第1の方向に回すと、前記傘弁の前記頭頂部に加えられる圧力が増大して行き、前記逆止め弁の抵抗を高める請求項29に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項33】
前記圧力ディスクは、前記キャップまたは前記ベースの1つに結合されているストッパーと係合し、回したときに圧力ディスクをさまざまな位置に保持し、前記逆止め弁の特定のさまざまな抵抗を与える複数のディボットを備える請求項32に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項34】
前記圧力ディスクは、カムを介して圧力を前記傘弁の前記頭頂部に伝える請求項32に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項35】
前記カムは、前記傘弁の前記頭頂部に接触するレバーと接触する請求項34に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項36】
前記圧力ディスクは、前記傘弁の前記頭頂部に接触する請求項32に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項37】
前記第2のシールは、前記第2の流体入口に向かってバイアスされているプランジャから形成され、前記プランジャにかかる前記圧力により、前記第2のシールが解放される請求項28に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項38】
さらに、前記第1のシールが解放される特定の所定の圧力を示すための少なくとも1つの印を備える請求項28に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項39】
前記膨張可能物品は、履物の膨張可能空気袋である請求項28に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項40】
前記ベースまたは前記キャップの少なくとも一方は、その開口部の周りで前記膨張可能空気袋にシールされるフランジを備える請求項39に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項41】
前記膨張可能空気袋内の前記開口部は、キャップフランジとベースフランジとの間でシールされる請求項40に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項42】
前記空気抜きメカニズムおよび前記膨張可能空気袋は、互換性のない材料からなり、前記フランジは、前記膨張可能空気袋にシールされる中間材料を含む請求項40に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項43】
膨張可能物品の空気抜きメカニズムであって、
ベースと、
前記ベースと係合するキャップと、
前記膨張可能物品に連通接続されている第1の流体入口と、
前記第1の流体入口と、前記第1の流体入口における前記流体圧力が所定の圧力を超えた場合に解放される第1のシールを形成する傘型逆止め弁と、
前記傘弁の頭頂部に圧力を加えて、前記第1のシールが解放される前記所定の圧力を調整するためのメカニズムとを備え、
前記所定の圧力は、前記傘弁の頭頂部に加えられた圧力の大きさに応じて調整可能である膨張可能物品の空気抜きメカニズム。
【請求項44】
さらに、
前記膨張可能物品に連通接続されている第2の流体入口と、
前記第2の流体入口と利用者により作動されたときに解放される第2の流体シールを形成する放出弁とを備える請求項43に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項1】
履物であって、
靴底と、
利用者の足を挿入するための開口部を備える、前記靴底に取り付けられたアッパーであって、前記アッパーの少なくとも一部は、ワンピースの膨張可能空気袋から形成され、前記膨張可能空気袋は、X字型部分を含み、前記X字型部分の中心は、前記履物のバンプ部分の間に位置するアッパーと、
利用者の足の下方力により作動される、前記履物内に配置されている膨張メカニズムとを備え、
前記X字型部分の1つまたは複数のアームが、前記履物のかかと部分に向かって延び、前記アッパーの前記開口部を実質的に囲む履物。
【請求項2】
前記履物は、さらに、前記空気袋に連通接続されている空気抜きメカニズムを備える請求項1に記載の履物。
【請求項3】
前記空気抜きメカニズムは、逆止め弁および放出弁の組合せである請求項2に記載の履物。
【請求項4】
前記空気抜きメカニズムは、開位置のままにできる放出弁を備える請求項2に記載の履物。
【請求項5】
前記空気抜きメカニズムは、調整可能逆止め弁を備える請求項2に記載の履物。
【請求項6】
前記膨張メカニズムへの空気入口は、空気を通すことができるが、水分を通さない材料により覆われている請求項1に記載の履物。
【請求項7】
前記材料は、GORE−TEXまたはVERSAPOREのうちの一方である請求項7に記載の履物。
【請求項8】
前記膨張メカニズムおよび前記空気袋は、一体である請求項1に記載の履物。
【請求項9】
前記膨張メカニズムは、前記空気袋に連通接続されているサテライト膨張メカニズムである請求項1に記載の履物。
【請求項10】
前記膨張メカニズムは、前記空気袋、配管、バーブ継手、またはそれらの組合せの一部の1つを介して前記空気袋に接続される請求項9に記載の履物。
【請求項11】
前記膨張メカニズムは、前記膨張メカニズムへの入口に第1の一方向弁を、前記空気袋への出口に第2の一方向弁を備え、前記第1および第2の一方向弁は、前記膨張メカニズムと同じ材料のハウジング内に収められ、前記膨張メカニズムと一体である請求項9に記載の履物。
【請求項12】
前記膨張可能空気袋は、前記アッパーの切り欠き部分を画成する請求項1に記載の履物。
【請求項13】
パディングまたは通気性のあるメッシュ材料の1つは、前記アッパーの前記切り欠き部分内に縫い込まれる請求項12に記載の履物。
【請求項14】
履物であって、
靴底と、
利用者の足を挿入するための開口部を備える、前記靴底に取り付けられたアッパーであって、前記アッパーの少なくとも一部は、膨張可能空気袋から形成されるアッパーと、
利用者の足の下方力により作動される、前記履物内に配置されている膨張メカニズムとを備え、
前記空気袋は、ひも通し用の小穴が形成され、靴ひもが前記小穴を通して結ばれる周辺溶着線を含む履物。
【請求項15】
膨張可能物品の空気抜きメカニズムであって、
ベースと、
前記ベースと係合するキャップと、
前記膨張可能物品に連通接続されている第1の流体入口と、
第1の位置にあるときに前記第1の流体入口とともにシールを形成し、第2の位置にあるときに前記第1の流体入口から取り除かれるシーリングパッドとを備える膨張可能物品の空気抜きメカニズム。
【請求項16】
前記シーリングパッドは、スイッチに結合され、スイッチは、ピボットを介して前記スイッチを前後に動かすことにより前記第1の位置から前記第2の位置に前記シーリングパッドを移動することができる請求項15に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項17】
前記スイッチは、前記キャップ内の孔を通して操作可能である請求項16に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項18】
前記キャップは、前記スイッチを覆い、前記スイッチは、前記スイッチを前後に動かすための柔軟な膜を備える請求項16に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項19】
前記シーリングパッドは、前記キャップに結合され、前記キャップは、前後に動かすことにより前記第1の位置から前記第2の位置に前記シーリングパッドを移動することができる請求項15に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項20】
さらに、前記シーリングパッドを前記キャップの第1の押下後に前記第1の位置に移動し、前記キャップの第2の押下後に前記第2の位置に移動することができるシーリングメカニズムを備える請求項15に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項21】
さらに、
前記膨張可能物品に連通接続される第2の流体入口と前記第2の流体入口とともに第2のシールを形成する逆止め弁とを備え、
前記第2のシールは、前記第2の流体入口における前記流体圧力が所定の圧力よりも高い場合に解放される請求項15に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項22】
前記逆止め弁は、前記第1のシールが解放される前記所定の圧力が調整可能であるという点で調整可能である請求項21に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項23】
前記逆止め弁は、前記フラップに所定の圧力が加えられたときに持ち上がるフラップを持つ傘弁であり、前記傘弁の頭頂部に圧力が加えられることで、前記所定の圧力が増大する請求項22に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項24】
前記膨張可能物品は、履物の膨張可能空気袋である請求項15に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項25】
前記ベースまたは前記キャップの少なくとも一方は、その開口部の周りで前記膨張可能空気袋にシールされるフランジを備える請求項24に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項26】
前記膨張可能空気袋内の前記開口部は、キャップフランジとベースフランジとの間でシールされる請求項25に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項27】
前記空気抜きメカニズムおよび前記膨張可能空気袋は、互換性のない材料からなり、前記フランジは、前記膨張可能空気袋にシールされる中間材料を含む請求項25に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項28】
膨張可能物品の空気抜きメカニズムであって、
ベースと、
前記ベースと係合するキャップと、
前記膨張可能物品に連通接続されている第1および第2の流体入口と、
前記第1の流体入口と、前記第1の流体入口における前記流体圧力が所定の圧力を超えた場合に解放される第1のシールを形成する逆止め弁と、
前記第2の流体入口と、利用者により作動されたときに解放される第2の流体シールを形成する放出弁とを備え、
前記逆止め弁の抵抗は、前記第1のシールが解放される前記所定の圧力が調整可能であるという点で調整可能である膨張可能物品の空気抜きメカニズム。
【請求項29】
前記逆止め弁は、傘弁であり、前記傘弁の頭頂部に圧力を加えることで、前記第1のシールが解放される前記所定の圧力を調整する請求項28に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項30】
さらに、
前記ベースに結合されている第1の端および前記傘弁の前記頭頂部に接触している第2の端を持つレバーと、
前記レバーと接触しているスライドスイッチであって、前記第2の端に向かって前記レバーの長さにそってスライドし、前記逆止め弁の抵抗を高めつつ、前記レバーに加える圧力を増して行くようなスライドスイッチとを備える請求項29に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項31】
前記スライドスイッチは、ストッパーおよび複数のディボットを備え、これにより、前記スライドスイッチを前記レバーの前記長さに沿う様々な位置に保持する請求項30に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項32】
さらに、圧力ディスクを備え、前記圧力ディスクを第1の方向に回すと、前記傘弁の前記頭頂部に加えられる圧力が増大して行き、前記逆止め弁の抵抗を高める請求項29に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項33】
前記圧力ディスクは、前記キャップまたは前記ベースの1つに結合されているストッパーと係合し、回したときに圧力ディスクをさまざまな位置に保持し、前記逆止め弁の特定のさまざまな抵抗を与える複数のディボットを備える請求項32に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項34】
前記圧力ディスクは、カムを介して圧力を前記傘弁の前記頭頂部に伝える請求項32に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項35】
前記カムは、前記傘弁の前記頭頂部に接触するレバーと接触する請求項34に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項36】
前記圧力ディスクは、前記傘弁の前記頭頂部に接触する請求項32に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項37】
前記第2のシールは、前記第2の流体入口に向かってバイアスされているプランジャから形成され、前記プランジャにかかる前記圧力により、前記第2のシールが解放される請求項28に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項38】
さらに、前記第1のシールが解放される特定の所定の圧力を示すための少なくとも1つの印を備える請求項28に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項39】
前記膨張可能物品は、履物の膨張可能空気袋である請求項28に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項40】
前記ベースまたは前記キャップの少なくとも一方は、その開口部の周りで前記膨張可能空気袋にシールされるフランジを備える請求項39に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項41】
前記膨張可能空気袋内の前記開口部は、キャップフランジとベースフランジとの間でシールされる請求項40に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項42】
前記空気抜きメカニズムおよび前記膨張可能空気袋は、互換性のない材料からなり、前記フランジは、前記膨張可能空気袋にシールされる中間材料を含む請求項40に記載の空気抜きメカニズム。
【請求項43】
膨張可能物品の空気抜きメカニズムであって、
ベースと、
前記ベースと係合するキャップと、
前記膨張可能物品に連通接続されている第1の流体入口と、
前記第1の流体入口と、前記第1の流体入口における前記流体圧力が所定の圧力を超えた場合に解放される第1のシールを形成する傘型逆止め弁と、
前記傘弁の頭頂部に圧力を加えて、前記第1のシールが解放される前記所定の圧力を調整するためのメカニズムとを備え、
前記所定の圧力は、前記傘弁の頭頂部に加えられた圧力の大きさに応じて調整可能である膨張可能物品の空気抜きメカニズム。
【請求項44】
さらに、
前記膨張可能物品に連通接続されている第2の流体入口と、
前記第2の流体入口と利用者により作動されたときに解放される第2の流体シールを形成する放出弁とを備える請求項43に記載の空気抜きメカニズム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図7d】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図24C】
【図24D】
【図24E】
【図25A】
【図25B】
【図25C】
【図25D】
【図25E】
【図25F】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図27D】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図29C】
【図29D】
【図30A】
【図30B】
【図30C】
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【図30E】
【図30F】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
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【図31E】
【図31F】
【図32A】
【図32B】
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【図32F】
【図33A】
【図33B】
【図34A】
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【図34C】
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【図34F】
【図34G】
【図34H】
【図34I】
【図35A】
【図35B】
【図35C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図7d】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
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【図19a】
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【図21】
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【図27D】
【図28A】
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【図29A】
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【図29C】
【図29D】
【図30A】
【図30B】
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【図31A】
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【図31E】
【図31F】
【図32A】
【図32B】
【図32C】
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【図33A】
【図33B】
【図34A】
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【図34H】
【図34I】
【図35A】
【図35B】
【図35C】
【公開番号】特開2012−75937(P2012−75937A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−1367(P2012−1367)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2007−521535(P2007−521535)の分割
【原出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(399043495)リーボック・インターナショナル・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】REEBOK INTERNATIONAL LTD.
【住所又は居所原語表記】1895 J.W. Foster Boulevard, Canton, Massachusets 02021, United States of America
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1367(P2012−1367)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2007−521535(P2007−521535)の分割
【原出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(399043495)リーボック・インターナショナル・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】REEBOK INTERNATIONAL LTD.
【住所又は居所原語表記】1895 J.W. Foster Boulevard, Canton, Massachusets 02021, United States of America
【Fターム(参考)】
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