説明

自動取引メニュー生成装置、自動取引メニュー生成システム及び自動取引メニュー生成プログラム

【課題】顧客の操作履歴に基づく表示画面を生成する自動取引メニュー生成装置、システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】自動取引メニュー生成装置としてのサーバ30は、顧客による現金自動預払機1の操作履歴を記憶する履歴情報記憶部32と、履歴情報記憶部32が記憶した操作履歴を分析する操作履歴分析部33と、操作履歴分析部33による分析に基づいて当該顧客のための操作メニューを生成するメニュー生成部36と、を備える。更に、サーバ30は、端末としての現金自動預払機1又はユーザ端末40と接続し、取引画面に対する顧客の操作を端末から受信することに応じて、当該顧客のための操作メニューを生成し、取引画面として当該端末の表示部5、44に送信し、顧客の操作履歴を履歴情報記憶部32に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金自動預払機等の自動取引装置を操作する顧客の操作履歴に基づいて表示画面を生成する、自動取引メニュー生成装置、自動取引メニュー生成システム及び自動取引メニュー生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行、郵政公社、コンビニエンスストア等に、ATM(現金自動預払機、Automated Teller Machine)又はその機能を含む複合端末装置が設置されている。これらの装置には、タッチパネル等の表示及び操作手段が設けられ、ATMの利用者は、画面上に表示されるボタン等を操作して、残高照会、現金の払い出し、口座振込等を行うことができる。
【0003】
ATMの利用者は多様であるが、一般的にはATMの操作メニュー項目は画一的であるため、利用者によっては使いにくさを感じる場合があった。このため、利用者に合わせた操作メニューを表示することのできるATMが開発されてきた。例えば、特許文献1には、利用者に所望のサービスを短時間で提供するため、無駄な操作を省き、利用者ごとに個別に対応したサービス提供が可能な計算機システム等が開示されている。特許文献2には、オペレータが目的のメニューボタンに到達するまでのキー入力操作を省力化するために、取引メニュー等の操作ボタンを操作頻度にしたがって優先表示できる現金処理装置が表示されている。特許文献3には、利用者ごとに異なる身体能力に応じて、端末の機能を利用者に適した状態に切り替えることが可能な端末操作システムが開示されている。特許文献4には、背の高さの違いにより生ずる視差の影響等を解消するために、画面表示条件をカスタマイズ可能なATMが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−287952号公報
【特許文献2】特開2006−92294号公報
【特許文献3】特開2005−92377号公報
【特許文献4】特開2002−274989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の現金処理機又は端末装置等においては、利用者自身がメニュー項目の表示条件を設定する操作を要し、端末装置の操作に不慣れな利用者にはかえって使いにくい場合があった。また、画面表示の条件が特定の端末装置に記憶される場合には、当該端末装置を繰り返し使用するオペレータには好都合であっても、ATMの利用者は毎回同じ端末装置を使うとは限らないため、ある支店の端末装置を操作した履歴が異なる銀行支店の端末装置には反映されない問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、ATMの利用者の使用履歴を記憶し、記憶した使用履歴にしたがって、当該利用者に対してATMの操作メニューを自動的に構成することが可能な、自動取引メニュー生成装置、自動取引メニュー生成システム及び自動取引メニュー生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の発明の自動取引メニュー生成装置は、複数のメニュー項目を有する自動取引装置に対する顧客の操作履歴を記憶する履歴情報記憶部と、履歴情報記憶部が記憶した操作履歴を分析する操作履歴分析部と、操作履歴分析部による分析に基づいて、複数のメニュー項目から顧客のための操作メニューを生成するメニュー生成部と、を備える。
【0008】
本発明によれば、履歴情報記憶部に記憶した顧客の操作履歴を操作履歴分析部により分析し、当該顧客のための操作メニューを生成することのできる自動取引メニュー生成装置を提供できる。したがって、本発明に係る自動取引メニュー生成装置が生成した自動取引メニューを利用する顧客は、自己の操作履歴に基づいて、より使用しやすい操作メニューを自動的に利用することができる。
【0009】
上記発明の自動取引メニュー生成装置において、操作履歴分析部は、自動取引装置の複数のメニュー項目に対する顧客による選択の頻度を分析し、メニュー生成部は、頻度に基づいて複数のメニュー項目を配列して操作メニューを生成する。本発明によれば、メニュー生成部によって生成される操作メニューは、顧客の選択頻度に基づいて、複数のメニュー項目から配列される。したがって、顧客は、より頻繁に選択したメニュー項目ほど使用しやすくなるように生成された操作メニューを自動的に利用することができる。
【0010】
上記発明の自動取引メニュー生成装置において、操作履歴分析部は、自動取引装置による顧客の取引の特徴を分析し、メニュー生成部は、取引の特徴に基づいて操作メニューを生成する。本発明によれば、メニュー生成部によって生成される操作メニューは、顧客の取引の特徴に基づいて生成される。したがって、本発明に係る自動取引メニュー生成装置においては、様々な顧客が同じ自動取引装置を利用しても、顧客ごとに異なる取引の特徴に基づいて、操作メニューが生成される。これにより、顧客は、操作の手間を省いて、より簡便に自動取引装置を使用することができる。
【0011】
上記発明の自動取引メニュー生成装置において、取引の特徴は、直前の取引の内容、取引の金額、取引の入出金口座、取引先口座、決済日又は決済時間を含む。本発明によれば、メニュー生成部によって生成される操作メニューは、顧客による直前の取引の内容、取引の金額、取引の入出金口座、取引先口座、決済日又は決済時間等の顧客の取引の特徴に基づいて生成される。これにより、顧客は、これらの定型的な操作における手間を省くことができ、より簡便に自動取引装置を使用することができる。
【0012】
上記発明において、自動取引メニュー生成装置は、更に、メニュー生成部が生成した操作メニューを記憶するメニュー記憶部を備え、メニュー記憶部は、顧客の指示に基づいてそれぞれのメニュー項目の表示の態様を記憶する。本発明によれば、自動取引メニュー生成装置は、生成した操作メニューのそれぞれの表示の態様を、顧客の指示に基づいて記憶する。表示の態様としては、一般的な情報処理装置が備える表示手段における画面構成要素の表示属性を含み、それぞれの操作メニューの表示の有無、表示する順序、画面内の配列、表示の配色、文字の大きさ等を含むことができるが、これらに限定されない。したがって、顧客は、操作メニューの表示の態様を指示することにより、より使い勝手のよい自動取引装置を利用できる。
【0013】
第2の発明の自動取引メニュー生成システムは、サーバと端末とを備え、端末は、サーバと通信可能に接続する送受信部と、サーバから受信した複数のメニュー項目を有する取引画面を表示する表示部と、顧客による取引画面に対する操作を受け付ける操作部と、を有し、操作部が受け付けた取引画面に対する顧客の操作をサーバに送信し、サーバは、端末と通信可能に接続する送受信部と、顧客の取引画面に対する操作履歴を記憶する履歴情報記憶部と、履歴情報記憶部が記憶した操作履歴を分析する操作履歴分析部と、操作履歴分析部による分析に基づいて顧客のための操作メニューを生成するメニュー生成部と、を有し、端末から顧客による取引画面に対する操作を受信することに応じて、操作履歴分析部は、履歴情報記憶部が記憶した顧客の操作履歴を分析し、メニュー生成部は、操作履歴分析部による分析に基づいて顧客のための操作メニューを生成し、送受信部は、メニュー生成部が生成した操作メニューを取引画面として端末に送信し、履歴情報記憶部は、顧客の操作取引画面に対する操作履歴を記憶する。
【0014】
本発明に係る自動取引メニュー生成システムは、自動取引メニュー生成装置としてのサーバと、自動取引装置としての端末とを通信可能に接続して構成することができる。本発明によれば、自動取引装置としての端末は、金融機関等に設置される現金自動預払機、又はネットワーク通信可能なパーソナルコンピュータ又は携帯電話機等の端末装置を用いることができる。顧客は、これらの端末を、より簡便で使い勝手のよい自動取引装置として利用することができる。
【0015】
第3の発明の自動取引メニュー生成プログラムは、複数のメニュー項目を有する自動取引装置に対する顧客の操作履歴を記憶する履歴情報記憶ステップと、履歴情報記憶ステップにおいて記憶した操作履歴を分析する操作履歴分析ステップと、操作履歴分析ステップにおける分析に基づいて、複数のメニュー項目から顧客のための操作メニューを生成するメニュー生成ステップと、前記操作メニューを前記自動取引装置に表示するメニュー表示ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0016】
本発明によれば、コンピュータを自動取引メニュー生成装置として動作させ、履歴情報記憶部に記憶した顧客の操作履歴を操作履歴分析部により分析し、当該顧客のための操作メニューを生成することのできる自動取引プログラムを提供できる。したがって、本発明に係る自動取引メニュー生成プログラムが生成した自動取引メニューを利用する顧客は、自己の操作履歴に基づいて、より使用しやすい操作メニューを自動的に利用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ATMの利用者の使用履歴を記憶し、記憶した使用履歴にしたがって、当該利用者にATMの操作メニューを自動的に構成することが可能な、自動取引メニュー生成装置、自動取引メニュー生成システム及び自動取引メニュー生成プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る自動取引システム50の構成を例示する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る自動取引システム50に含まれる装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る現金自動預払機1の操作画面を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る現金自動預払機1の操作画面を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る現金自動預払機1のメニュー項目の表示設定を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係るサーバ30の履歴情報記憶部32に記憶される履歴情報データベース70のデータ構造を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るサーバ30のメニュー記憶部37に記憶されるメニュー項目表示データベース71のデータ構造を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る現金自動預払機1及びサーバ30の動作を例示するフロー図である。
【図9】本発明の実施形態に係る現金自動預払機1の及びサーバ30の動作を例示するフロー図である。
【図10】本発明の実施形態に係る現金自動預払機1、サーバ30及びユーザ端末40A、40Bのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る自動取引システム50の構成を例示する図である。自動取引メニュー生成装置としてのサーバ30は、ネットワーク20を介して、自動取引装置としての現金自動預払機1と、ユーザ端末40(図1に示したパーソナルコンピュータ40A、携帯電話機40B)とに接続する。現金自動預払機1は、銀行や日本郵政株式会社等の金融機関や、コンビニエンスストア等の店舗に設置されるATMの機能を有する。ネットワーク20は、好適にはインターネット等の広域ネットワークであるが、これに限定されず、金融機関の専用回線等であってもよい。例えば、サーバ30と現金自動預払機1との間を金融機関の専用回線によって接続し、サーバ30とユーザ端末40との間をインターネット等の広域ネットワークで接続してもよい。好適には、ユーザ端末40は、ブラウザが動作可能なネットワーク端末装置であり、サーバ30はユーザ端末40に対するウェブサーバであり、ユーザ端末40とサーバ30との間の通信は、SSL(Secure Socket Layer)等のセキュリティプロトコルを用いて行われる。
【0021】
図2は、本発明の実施形態に係る自動取引システム50に含まれる装置の機能ブロック図である。図2に示すように、サーバ30は、サーバ制御部31、履歴情報記憶部32、操作履歴分析部33、記憶部34、送受信部35、メニュー生成部36及びメニュー記憶部37を備えている。履歴情報記憶部32に記憶される情報については、図6を示して後述する。
【0022】
現金自動預払機1は、制御部2、記憶部3、操作受付部4、表示部5、カード取扱部6、通帳取扱部7、現金取扱部8及び送受信部9を備える。ユーザ端末40は、制御部41、記憶部42、操作受付部43、表示部44及び送受信部45を備える。すなわち、本発明の実施形態に係る自動取引システム50において、ユーザ端末40は、現金自動預払機1のカード取扱部6、通帳取扱部7及び現金取扱部8以外の構成要素を備えている。現金自動預払機1及びユーザ端末40は、サーバ30に対する端末45として動作する。
【0023】
以下、現金自動預払機1で代表して端末45の動作を説明するが、現金の預け払いを除き、ユーザ端末40もまた端末45として動作することができる。
【0024】
図3は、本発明の実施形態に係る現金自動預払機1の操作画面を示す説明図である。すなわち、本発明の自動取引メニュー生成システム50における端末45の操作画面の一例である。この操作画面は、現金自動預払機1において、表示部5による表示の上に設けられる、タッチパネル等を用いた操作受付部4により構成され、表示部5に表示される画面上のボタン等に顧客が触れることにより、現金自動預払機1に対する顧客の操作が入力として受け付けられる。パーソナルコンピュータ40A又は携帯電話機40Bにおいては、操作受付部4は、それぞれが備えるキーボード又はキーパッド等の入力装置、及びマウス等のポインティングデバイスにより構成され、表示部5は、ディスプレイ装置又はディスプレイパネル等により構成される。
【0025】
図3(a)に示す操作画面は、現金自動預払機1の表示部5の所定領域内に、「払い出し」、「入金」、「振込」及び「残高確認」を表す画面上のボタン5A〜5Dを含む。更に、表示部5は、「メニュー編集」を表す画面上のボタン5Yも含むことができる。画面上のボタン5Y「メニュー編集」については、図5を示して後述する。
【0026】
現金自動預払機1は、通常のATMと同様に通帳又はカードを受け付け、サーバ30と通信して顧客を認証する。顧客により、画面上のボタン5A「払い出し」が選択されると、表示部5は、図3(b)のようになる。
【0027】
図3(b)において、表示部5は、通帳又はカードを受け付けた顧客の口座から、他口座への振込金額の入力を受け付けるための表示を含む。この例では、表示部5には、「19,000円の払い出し」というメッセージを含む画面上のボタン5E、現在の残高を表示する表示領域5F、金額を入力するための表示領域5G、及び以前の操作に戻るための「戻る」という表示を含む画面上のボタン5Zが表示される。すなわち、当該顧客により画面上のボタン5A「払い出し」が選択された後に、直ちに、「19,000円の払い出し」というメッセージを含む画面上のボタン5Eが表示される。
【0028】
画面上のボタン5Eは、本実施形態の現金自動預払機1と接続しているサーバ30によって、当該顧客の操作履歴に基づいて生成されたメニュー項目である。すなわち、サーバ30は、当該顧客が以前に「19,000円の払い出し」という操作を所定回数以上繰り返したことを、取引の特徴として操作履歴に記憶しており、この操作履歴の記憶に基づいて、現金自動預払機1の表示部5に画面上のボタン5Eが表示されている。当該顧客の操作履歴は、サーバ30に記憶されているので、当該顧客は他のATM又はユーザ端末40から取引を行う場合でも、同様に「19,000円の払い出し」というメッセージを含む画面上のボタン5Eを表示部5に表示させることができる。
【0029】
また、本発明の自動取引メニュー生成システム50は、現在の残高を表示する表示領域5Fについても、サーバ30に記憶された当該顧客の操作履歴から、当該顧客がATMを使用する取引の際に残高照会を所定頻度以上の頻度で「残高確認」を表す画面上のボタン5Dを選択することに基づいて、画面上のボタン5Eの表示と合わせて表示することができる。他の「振込」を表す画面上のボタン5Cについても、取引の特徴として操作履歴に記憶された操作を、画面上のボタン5Eと同様に表示部5に表示することができる。例えば、顧客が「振込」を表す画面上のボタン5Cを選択すると、サーバ30は、図6を示して後述する履歴情報データベース70のデータ構造から、当該顧客に関連付けられている「振込」の操作履歴を参照し、過去の振込先を現金自動預払機1の表示部5に一覧表示させることができる。したがって、顧客は、一覧表示された振込先から選択することにより、簡便な操作で現金自動預払機1を利用することができる。
【0030】
上述の取引の特徴としては、当該顧客が以前に所定回数以上繰り返した操作、直前の取引の内容、取引の金額、取引の入出金口座、取引先口座、決済日又は決済時間等が挙げられるが、限定されない。例えば、いわゆる「五十日」等の決済期日についての商習慣に基づいて、毎月5日、10日、15日、20日、25日及び月末日の決済を、顧客の取引の特徴としてもよい。例えば、これらの期日に振込決済を行う顧客に対して、自動取引メニュー生成システム50は、通帳又はカードを受け付けて顧客を認証した後に、所定の振込先へ所定金額を振り込むための画面上のボタンを、現金自動預払機1の画面上のボタン5Eとして表示してもよい。
【0031】
また、金額を入力するための表示領域5Gは、本発明の自動取引メニュー生成システム50によらない通常のATMにおける払い出しのための機能として設けることができる。すなわち、顧客はこの表示領域5Gにタッチすることにより、任意に金額を入力して、現金の払い出しを受けることができる。
【0032】
このようにして、本発明の自動取引メニュー生成システム50において、顧客は、通帳又はカードによる認証の後に、以前の操作履歴、所定頻度の操作、又は操作の特徴に基づいて表示部5に表示される画面上のボタン5E等を用い、少ない手間で簡便に現金自動預払機1等の端末45を介して自動取引メニュー生成システム50を利用することができる。
【0033】
図4は、本発明の実施形態に係る現金自動預払機1の操作画面を示す説明図である。図4(a)に示す操作画面は、前述の図3(b)に示した例と同様に、自動取引メニュー生成システム50は、通帳又はカードによる顧客の認証の後に、当該顧客の操作履歴に基づいて、現金自動預払機1の表示部5の所定領域内に「振込」を表す画面上のボタン5K、現在の残高を表示する表示領域5F、及び「クレジットカード取引」表す画面上のボタン5Lを表示する。すなわち、自動取引メニュー生成システム50は、当該顧客がこれらの操作を所定頻度以上に行ったことに基づいて、他の取引操作よりも優先して表示部5に表示することができる。所定頻度は、ユーザによって設定されてもよい。また、画面上のボタン5K「振込」及び画面上のボタン5L「クレジットカード取引」の表示の態様は、それぞれの画面上のボタンに対応する取引の回数又は頻度に応じて、例えば、一方を他方よりも幅広く表示することにより、目立つようにすることができる。したがって、より多数の取引に使用した画面上のボタン、又はより高頻度に使用した画面上のボタンが他のボタンよりも選択しやすく表示され、顧客は、よく使用する画面上のボタンをより簡便かつ容易に選択することができる。
【0034】
図4(b)に示す操作画面は、図4(a)の操作画面から顧客が「振込」を表す画面上のボタン5Kを選択した後に、表示部5に表示される操作画面を表している。この例においては、表示部5には、「AAA銀行・BBB支店宛に78,000円の振込」というッセージを含む画面上のボタン5Mが表示部5の中央付近に目立つように配置され、更に現在の残高を表示する表示領域5J、他の振込先を入力するための画面上のボタン5N、及び以前の操作に戻るための「戻る」という表示を含む画面上のボタン5Zが表示される。自動取引メニュー生成システム50は、当該顧客がこの振込先に所定回数以上の定額の振込を行ったことを当該顧客の操作履歴として記憶しており、この操作履歴に基づいて、画面上のボタン5Mを生成することができる。
【0035】
他の振込先を入力するための画面上のボタン5Nは、本発明の自動取引メニュー生成システム50によらない通常のATMにおける振込のための機能として設けることができる。すなわち、顧客はこの画面上のボタン5Nにタッチすることにより、任意に振込先及び振込金額を入力して、振込操作を行うことができる。
【0036】
このようにして、本発明の自動取引メニュー生成システム50において、顧客は、通帳又はカードによる認証の後に、以前の定額振込等の操作履歴に基づいて表示部5に表示される画面上のボタン5M等を用い、少ない手間で簡便に現金自動預払機1等の端末45を介して自動取引メニュー生成システム50を利用することができる。
【0037】
また、本発明の自動取引メニュー生成システム50において、表示部5に表示される画面上のボタンは、図3及び図4に示した例に限定されず、例えば、顧客による取引の操作を履歴として記憶させないことを指定するボタン等を含むようにしてもよい。これにより、顧客は、例外的な取引操作等の履歴を自動取引メニュー生成システム50に残さず、定型的な取引操作の履歴を自動取引メニュー生成システム50に記憶させることも可能である。
【0038】
図5は、本発明の実施形態に係る現金自動預払機1のメニュー項目の表示設定を示す説明図である。図5(a)に示す操作画面は、例えば、前述の図3(a)に示した表示画面において、「メニュー編集」を表す画面上のボタン5Yを顧客が選択することにより、表示部5に表示される。
【0039】
図5(a)に例示する操作画面において、表示部5は、「表示するメニューを指定してください」というメッセージを表す表示領域5P、及び取引のメニュー項目ごとの表示の態様を設定する情報を含む表示領域5Qを含む。
【0040】
図5(a)の例において、表示領域5Qに含まれる情報は、「払い出し」、「振込」、「入金」及び「公共料金支払い」のそれぞれのメニュー項目についての表示の有無を切り替える情報を含む。例えば、図5(a)に示す表示領域Qにおいて、「払い出し」及び「振込」というメニュー項目には「○」が、「入金」及び「公共料金支払い」というメニュー項目には「×」が示されている。すなわち、「払い出し」及び「振込」のメニュー項目は画面表示され、「入金」及び「公共料金支払い」というメニュー項目は表示されないように設定される。
【0041】
図5(b)は、前述の図5(a)に示した設定の状況を確認するための操作画面である。一例として、表示部5の表示領域5Pには「メニュー画面は以下の設定です」というメッセージが表示され、表示領域5Qには、図5(a)において「○」が示されたメニュー項目のみが表示されている。更に、表示部5には、「承認」を表す画面上のボタン5R、及び「中止」を表す画面上のボタン5Sが表示される。顧客が画面上のボタン5R「承認」を選択すると、表示領域5Qに表示されている情報は、サーバ30のメニュー記憶部37に格納される。したがって、顧客は、端末45を使用する際に、操作画面に表示される取引のメニュー項目を「払い出し」及び「振込」として、他のメニュー項目を表示せずに、より単純化した簡便な表示とすることができる。顧客が画面上のボタン5S「中止」を選択する場合には、図5(b)の表示領域Qに表示されている情報は破棄される。
【0042】
このようにして、自動取引メニュー生成システム50は、サーバ30のメニュー記憶部37を用いて、顧客に対して表示する操作メニューの表示の態様を、顧客の指示に基づいて記憶することができる。図5に示した例においては、表示の態様として、各メニュー項目ごとの表示の有無を示したが、これに限定されない。表示の態様としては、一般的な情報処理装置が備える表示手段における画面構成要素の表示属性を含み、それぞれの操作メニューの表示の順序、画面内の配列、表示の配色、文字の大きさ等を、独立して又は組み合わせて含むことができる。したがって、顧客は、操作メニューの表示の態様を指定することにより、より使い勝手よく、現金自動預払機1を含む端末45を利用できる。
【0043】
さらなる実施形態として、サーバ30のメニュー記憶部37に記憶される操作メニューの表示の態様の情報は、現金自動預払機1を介して、顧客が保持する金融機関カード等が備える記憶媒体に記憶されてもよい。異なる金融機関等において顧客がこのカードを使用する場合に、当該金融機関に設置された現金自動預払機1が、本実施形態に係る自動取引メニュー生成システム50の操作メニューの表示の態様を、全体的に又は部分的に反映するようにしてもよい。
【0044】
図6は、本発明の実施形態に係るサーバ30の履歴情報記憶部32に記憶される履歴情報データベース70のデータ構造を示す図である。サーバ30は、サーバ30と端末45(例えば、現金自動預払機1)とが通信可能に接続される自動取引メニュー生成システム50において、端末45における顧客の操作を履歴情報データベース70のデータ構造を用いて履歴情報記憶部32に記憶すると共に、端末45からの送信要求に基づいて、この履歴情報データベース70に蓄積された情報を検索することができる。
【0045】
図6に示すように、本実施形態の履歴情報データベース70のデータ構造においては、一つの取引識別子につき、顧客情報、口座情報、メニュー項目操作履歴、取引の内容が関連付けられる。図6には、現金自動預払機1における取引の操作の履歴を含むデータ構造を示すが、履歴情報データベース70のデータ構造は、特定の現金自動預払機1における取引の操作の履歴に限定されず、ユーザ端末40の操作を含む様々な取引の記録を蓄積して記憶するために使用できる。
【0046】
図6に例示する履歴情報データベース70においては、取引識別子「取引05020001」に関連付けられる情報と、取引識別子「取引05020002」に関連付けられる情報とは、いずれも同一の顧客情報「顧客00123」を含み、同一の口座情報「口座10456」を含み、同一のメニュー項目操作履歴「払い出し」を含んでいる。更に、これらの取引は、取引の内容として、同じ金額(19,000円)を異なる月の同じ日(25日)に決済したことが記憶されている。この例では、顧客情報が「顧客00123」である顧客は、毎月25日に定額(19,000円)を払い出す操作を行うと考えられる。したがって、自動取引メニュー生成装置としてのサーバ30は、操作履歴分析部33を用いて、このような取引の情報から、特定の顧客について、毎月25日に定額(19,000円)を払い出すという定型的な取引のパターンを抽出することができる。
【0047】
また、図6に例示する履歴情報データベース70においては、取引識別子「取引05020003」に関連付けられる情報は2つあり、いずれも同一の顧客情報「顧客00465」を含み、残高照会とAAA銀行BBB支店宛に78,000円の振込が行われたこととが記憶されている。また、取引識別子「取引05020721」に関連付けられる情報も2つあり、同様に残高照会と同一の支店宛に同一の金額の振込が行われたことが記憶されている。したがって、自動取引メニュー生成装置としてのサーバ30は、操作履歴分析部33を用いて、このような取引の情報から、別の特定の顧客について、残高照会を行ってから所定の口座宛(AAA銀行BBB支店宛)に定額(78,000円)の振込を行うという定型的な取引のパターンを抽出することができる。
【0048】
操作履歴分析部33により分析される操作の履歴は、所定回数以上繰り返した操作、直前の取引の内容、取引の金額、取引の入出金口座、取引先口座、決済日又は決済時間等を含むことができるが、これらに限定されない。所定回数等は、ユーザによって設定されてもよい。
【0049】
したがって、自動取引メニュー生成装置としてのサーバ30は、操作履歴分析部33が履歴情報データベース70に記憶された情報について上述のような分析を行うことに基づき、メニュー生成部36を用いて、特定の顧客に対する所定の操作メニューを生成することができる。例えば、顧客情報が「顧客00123」である顧客が月の25日に現金自動預払機1等の端末45を操作する場合に、メニュー生成部36は、定額(19,000円)を払い出すためのメニューを生成することができる。生成されたメニューは、サーバ30から現金自動預払機1に送信され、表示部5に表示される。同様に、顧客情報が「顧客00465」である顧客に対しては、現在の残高と共に、所定の口座宛(AAA銀行BBB支店宛)に定額(78,000円)の振込を行うためのメニューを生成することができる。
【0050】
このようにして、自動取引メニュー生成装置としてのサーバ30は、履歴情報データベース70のデータ構造を用いて、顧客による現金自動預払機1の操作の履歴を履歴情報記憶部32に記憶し、記憶した操作の履歴を操作履歴分析部33により分析し、分析された操作の履歴にしたがって、メニュー生成部36により当該顧客に対して現金自動預払機1に表示する操作メニューを生成することができる。
【0051】
図7は、本発明の実施形態に係るサーバ30のメニュー記憶部37に記憶されるメニュー項目表示データベース71のデータ構造を示す図である。サーバ30は、サーバ30と端末45(例えば、現金自動預払機1)とが通信可能に接続される自動取引メニュー生成システム50において、端末45に表示するメニュー項目の表示の態様を、メニュー項目表示データベース71のデータ構造を用いてメニュー記憶部37に記憶すると共に、端末45からの送信要求に基づいて、このメニュー項目表示データベース71に蓄積された情報を検索することができる。
【0052】
図7に示すように、本実施形態のメニュー項目表示データベース71のデータ構造においては、一つの顧客識別子につき、口座情報と、メニュー項目表示態様とが関連付けられる。メニュー項目表示態様は、図5に示した、顧客に対して表示する操作メニューの表示の態様を格納するために用いられる。図7には、現金自動預払機1におけるメニュー項目表示態様等を含むデータ構造を示すが、メニュー項目表示データベース71のデータ構造は、特定の現金自動預払機1におけるメニュー項目表示態様に限定されず、ユーザ端末40の操作を含む様々なメニュー項目の表示態様等を記憶するために使用できる。
【0053】
図7に例示するメニュー項目表示データベース71においては、顧客識別子が「顧客00123」である情報は、口座情報が「口座10456」である口座について、メニュー項目表示態様として「[○]払い出し、[○]振込、[×]入金、[×]公共料金支払い、[残高表示あり]」という情報を含む。したがって、顧客識別子「顧客00123」によって識別される顧客は、現金自動預払機1を用いて当該口座の取引を行うときに、払い出しと振込のメニュー項目が残高表示と共に画面表示された操作メニューを利用できる。同様に、顧客識別子が「顧客00465」である情報は、口座情報が「口座20543」である口座について、メニュー項目表示態様として「[○]払い出し、[○]振込、[×]入金、[○]公共料金支払い、[残高表示なし]」という情報を含む。したがって、顧客識別子「客00465」によって識別される顧客は、現金自動預払機1を用いて当該口座の取引を行うときに、残高表示を伴わずに、払い出し、振込及び公共料金支払いのメニュー項目が画面表示された操作メニューを利用できる。
【0054】
このようにして、自動取引メニュー生成装置としてのサーバ30は、メニュー項目表示データベース71のデータ構造を用いて、顧客による現金自動預払機1のメニュー項目の表示態様をメニュー記憶部37に記憶し、記憶した表示態様を用いて、当該顧客に対して現金自動預払機1に表示する操作メニューの表示態様を設定することができる。したがって、前述のメニュー生成部36により生成された操作メニューは、更にメニュー記憶部37に記憶された表示態様を用いて変更されて、現金自動預払機1の表示部5に表示することができる。現金自動預払機1を利用する顧客は、操作履歴に基づいて自動的に生成される操作メニューを利用できると共に、自分の所望により、生成された操作メニューの態様を変更することもできる。
【0055】
図8は、本発明の実施形態に係る現金自動預払機1及びサーバ30の動作を例示するフロー図である。ユーザ端末40についても、現金自動預払機1と同様に動作することができる。
【0056】
ステップS101で、現金自動預払機1は、顧客の通帳又はカードを受け付け、利用者認証を行う。利用者認証は、具体的には、現金自動預払機1が受け付けた通帳又はカードの情報がサーバ30に送信され、サーバ30において行われた認証の結果を現金自動預払機1が受信することにより、顧客が当該現金自動預払機1を利用できるようにする。ユーザ端末40の場合には、サーバ30に対するログインにおける利用者認証として行うことができる。
【0057】
ステップS102で、現金自動預払機1は、認証された顧客についての操作メニューを受信するために、サーバ30に対して送信要求を送信する。この送信要求は、利用者認証において認証された顧客の情報を含む。具体的には、顧客の情報は、履歴情報記憶部32に記憶される履歴情報データベース70のデータ構造における顧客情報とすることができる。
【0058】
ステップS103で、サーバ30は、いずれかの端末45からの送信要求を待機している。ステップS102において現金自動預払機1が送信した送信要求を受信することに応じて、サーバ30は、ステップS104に進む。
【0059】
ステップS104で、サーバ30は、顧客の操作履歴を分析する。すなわち、サーバ30は、ステップS103において受信した送信要求に含まれる顧客情報を用いて、履歴情報データベース70において当該顧客情報との関連付けを有するメニュー項目操作履歴を検索し、操作履歴分析部33を用いて顧客の操作履歴を分析する。顧客の操作履歴としては、所定回数以上繰り返した操作、直前の取引の内容、取引の金額、取引の入出金口座、取引先口座、決済日又は決済時間等を含むことができるが、これらに限定されない。
【0060】
ステップS105で、サーバ30は、操作メニューを生成する。すなわち、当該顧客に対して、優先的に又は目立つように配列して表示するメニュー項目が選ばれ、操作メニューが生成される。生成された操作メニューは、現金自動預払機1に送信される。
【0061】
ステップS106で、現金自動預払機1は、サーバ30から操作メニューを受信する。
【0062】
ステップS107で、現金自動預払機1は、受信した操作メニューを表示する。顧客は、表示部5に表示される操作メニューを利用できるようになる。
【0063】
ステップS108で、現金自動預払機1は、顧客による取引の操作を受け付けて適宜処理を行う。取引の過程は、サーバ30に送信される。例えば、現金自動預払機1に保管されている現金から、顧客が引き出した金額等の情報が、現金自動預払機1からサーバ30に送信される。
【0064】
ステップS109で、現金自動預払機1は、顧客による次の取引があるかどうかを判定する。すなわち、ステップS101において認証された顧客に対して、同一の認証の下で操作メニューを表示するかどうかが判定される。判定の結果が真であればステップS102に戻り、偽であれば終了する。
【0065】
ステップS110で、サーバ30は、現金自動預払機1から顧客の取引内容を受信する。
【0066】
ステップS111で、サーバ30は、受信した取引内容にしたがい、顧客の操作履歴を記憶する。具体的には、顧客の操作履歴は、履歴情報データベース70のデータ構造を用いて履歴情報記憶部32に蓄積して記憶される。
【0067】
ステップS111の後には、サーバ30はステップS103に戻り、いずれかの端末45からの送信要求を待機する。したがって、サーバ30は、現金自動預払機1等の端末45に対して、顧客が操作を開始する時点では操作メニューを送信し(ステップS105)、当該顧客が取引を行うごとに当該顧客の操作履歴を履歴情報記憶部32に蓄積して記憶する動作を繰り返す。これにより、取引メニュー生成装置としてのサーバ30は、顧客による操作の履歴を蓄積して記憶し、記憶した操作履歴に基づいて顧客に表示する操作メニューを生成する動作を繰り返すことができる。
【0068】
図9は、本発明の実施形態に係る現金自動預払機1の及びサーバ30の動作を例示するフロー図である。図9に示すフロー図は、顧客による操作メニュー項目の編集を含む。図8に示したフロー図と共通する箇所は説明を省略する。
【0069】
ステップS121及びステップS122における現金自動預払機1の動作、及びステップS123からステップS125におけるサーバ30の動作は、図8に示した例と同様である。
【0070】
ステップS126で、サーバ30は、生成した操作メニューの表示態様を適宜変更する。すなわち、メニュー記憶部37に記憶されたメニュー項目表示態様(図7)にしたがい、現金自動預払機1に表示する操作メニューの表示態様が適宜変更される。メニュー記憶部37のメニュー項目表示態様は、例えば図5に示した現金自動預払機1のメニュー項目の表示設定が行われることによって、顧客が設定することができる。メニュー項目表示態様が特に設定されていなければ、サーバ30はこのステップS126を省略してもよく、あるいはメニュー項目表示態様の情報を空白としてもよい。
【0071】
ステップS127で、現金自動預払機1は、操作メニューの表示態様が適宜変更された操作メニューを受信する。
【0072】
ステップS128で、現金自動預払機1は、受信した操作メニューを表示する。
【0073】
ステップS129で、現金自動預払機1は、顧客による取引の操作、又はメニュー項目の編集を受け付けて適宜処理を行う。取引の過程及びメニュー項目の編集結果は、サーバ30に送信される。
【0074】
ステップS130で、現金自動預払機1は、顧客による次の取引があるかどうかを判定する。判定の結果が真であればステップS122に戻り、偽であれば終了する。
【0075】
ステップS131で、サーバ30は、現金自動預払機1から顧客による取引の内容、又はメニュー項目の編集を受信する。
【0076】
ステップS132で、サーバ30は、受信した取引内容にしたがい、顧客の操作履歴を記憶する。具体的には、顧客の操作履歴は、履歴情報データベース70のデータ構造を用いて履歴情報記憶部32に蓄積して記憶される。
【0077】
ステップS133で、サーバ30は、顧客によるメニュー項目の編集にしたがい、メニュー表示態様を、メニュー項目表示データベース71のデータ構造を用いてメニュー記憶部37に記憶する。
【0078】
ステップS133の後には、サーバ30はステップS123に戻り、いずれかの端末45からの送信要求を待機する。したがって、サーバ30は、現金自動預払機1等の端末45に対して、顧客が操作を開始する時点では表示態様の適宜変更を含む操作メニューを送信し(ステップS128)、当該顧客が取引を行うごとに当該顧客の操作履歴を履歴情報記憶部32に蓄積して記憶し、当該顧客により編集されたメニュー表示態様をメニュー記憶部37に記憶する動作を繰り返す。これにより、取引メニュー生成装置としてのサーバ30は、顧客による操作の履歴を蓄積して記憶し、記憶した操作履歴に基づいて顧客に表示する操作メニューを生成する動作と、当該顧客により編集されたメニュー表示態様を記憶する動作とを繰り返すことができる。
【0079】
図10は、本発明の実施形態に係る現金自動預払機1、サーバ30及びユーザ端末40A、40Bのハードウェア構成の一例を示す図である。現金自動預払機1、サーバ30及びユーザ端末40A、40Bは、ホスト・コントローラ1001により相互に接続されるCPU1002、RAM1003、グラフィック・コントローラ1004、及び表示装置1005を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1006によりホスト・コントローラ1001に接続される通信インターフェイス1007、ハードディスクドライブ1008、及びCD−ROMドライブ1009を有する入出力部と、入出力コントローラ1006に接続されるROM1010、フレキシブルディスク・ドライブ1011、及び入出力チップ1012を有するレガシー入出力部とを備える。
【0080】
ホスト・コントローラ1001は、RAM1003と、高い転送レートでRAM1003をアクセスするCPU1002、及びグラフィック・コントローラ1004とを接続する。CPU1002は、ROM1010、及びRAM1003に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ1004は、CPU1002等がRAM1003内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置1005上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ1004は、CPU1002等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0081】
入出力コントローラ1006は、ホスト・コントローラ1001と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ1008、通信インターフェイス1007、CD−ROMドライブ1009を接続する。ハードディスクドライブ1008は、CPU1002が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェイス1007は、外部に接続してプログラムまたはデータを送受信する。CD−ROMドライブ1009は、CD−ROM1020からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1003を介してハードディスクドライブ1008、及び通信インターフェイス1007に提供する。
【0082】
また、入出力コントローラ1006には、ROM1010と、フレキシブルディスク・ドライブ1011、及び入出力チップ1012の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1010は、現金自動預払機1、サーバ30及びユーザ端末40A、40Bが起動時に実行するブート・プログラムや、ハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ1011は、フレキシブルディスク1021からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1003を介してハードディスクドライブ1008、及び通信インターフェイス1007に提供する。入出力チップ1012は、フレキシブルディスク・ドライブ1011や、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0083】
CPU1002が実行するプログラムは、フレキシブルディスク1021、CD−ROM1020、またはICカード等の記録媒体に格納されて顧客によって提供される。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ1008にインストールされ、RAM1003に読み出されてCPU1002により実行される。
【0084】
CPU1002により実行されるプログラムは、図1〜図9に関連して説明した現金自動預払機1、サーバ30及びユーザ端末40A、40Bとして、コンピュータを機能させる。また、CPU1002により実行される自動取引メニュー生成用のプログラムは、複数のメニュー項目を有する自動取引装置に対する顧客の操作履歴を記憶する履歴情報記憶ステップと、履歴情報記憶ステップにおいて記憶した操作履歴を分析する操作履歴分析ステップと、操作履歴分析ステップにおける分析に基づいて、複数のメニュー項目から顧客のための操作メニューを生成するメニュー生成ステップと、前記操作メニューを前記自動取引装置に表示するメニュー表示ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0085】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0086】
1 現金自動預払機
30 サーバ
32 履歴情報記憶部
33 操作履歴分析部
36 メニュー生成部
37 メニュー記憶部
40 ユーザ端末
50 自動取引メニュー生成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメニュー項目を有する自動取引装置に対する顧客の操作履歴を記憶する履歴情報記憶部と、
前記履歴情報記憶部が記憶した前記操作履歴を分析する操作履歴分析部と、
前記操作履歴分析部による分析に基づいて、前記複数のメニュー項目から前記顧客のための操作メニューを生成するメニュー生成部と、
を備える、自動取引メニュー生成装置。
【請求項2】
前記操作履歴分析部は、前記自動取引装置の前記複数のメニュー項目に対する前記顧客による選択の頻度を分析し、
前記メニュー生成部は、前記頻度に基づいて前記複数のメニュー項目を配列して前記操作メニューを生成する、
請求項1に記載の自動取引メニュー生成装置。
【請求項3】
前記操作履歴分析部は、前記自動取引装置による前記顧客の取引の特徴を分析し、
前記メニュー生成部は、前記取引の前記特徴に基づいて前記操作メニューを生成する、
請求項1に記載の自動取引メニュー生成装置。
【請求項4】
前記取引の特徴は、直前の取引の内容、取引の金額、取引の入出金口座、取引先口座、決済日又は決済時間を含む、
請求項3に記載の自動取引メニュー生成装置。
【請求項5】
更に、前記メニュー生成部が生成した前記操作メニューを記憶するメニュー記憶部を備え、
前記メニュー記憶部は、前記顧客の指示に基づいてそれぞれの前記メニュー項目の表示の態様を記憶する、
請求項1に記載の自動取引メニュー生成装置。
【請求項6】
サーバと端末とを備え、
前記端末は、
前記サーバと通信可能に接続する送受信部と、
前記サーバから受信した複数のメニュー項目を有する取引画面を表示する表示部と、
顧客による前記取引画面に対する操作を受け付ける操作部と、を有し、
前記操作部が受け付けた前記取引画面に対する前記顧客の操作を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記端末と通信可能に接続する送受信部と、
前記顧客の前記取引画面に対する操作履歴を記憶する履歴情報記憶部と、
前記履歴情報記憶部が記憶した前記操作履歴を分析する操作履歴分析部と、
前記操作履歴分析部による分析に基づいて前記顧客のための操作メニューを生成するメニュー生成部と、を有し、
前記端末から前記顧客による前記取引画面に対する操作を受信することに応じて、
前記操作履歴分析部は、前記履歴情報記憶部が記憶した前記顧客の前記操作履歴を分析し、
前記メニュー生成部は、前記操作履歴分析部による分析に基づいて前記顧客のための操作メニューを生成し、
前記送受信部は、前記メニュー生成部が生成した前記操作メニューを前記取引画面として前記端末に送信し、
前記履歴情報記憶部は、前記顧客の操作前記取引画面に対する操作履歴を記憶する、
自動取引メニュー生成システム。
【請求項7】
複数のメニュー項目を有する自動取引装置に対する顧客の操作履歴を記憶する履歴情報記憶ステップと、
前記履歴情報記憶ステップにおいて記憶した前記操作履歴を分析する操作履歴分析ステップと、
前記操作履歴分析ステップにおける分析に基づいて、前記複数のメニュー項目から前記顧客のための操作メニューを生成するメニュー生成ステップと、
前記操作メニューを前記自動取引装置に表示するメニュー表示ステップと、
をコンピュータに実行させる、自動取引メニュー生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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