自動車、特に実用車両のミラーに用いられる回転可能なミラーホルダ及びミラーホルダを有するミラーアセンブリ
本発明は、回転可能なように互いに回転軸(A)の周りに接続された第一及び第二接続部品(10、12)を有する車両ミラー(8)用のミラーホルダ(4、6)に関するものであり、 第一接続部品(10)は回転軸(A)に関して回転対称な外壁面(18)を有する棒状部材(14)を備え、第二接続部品(12)は回転対称な外壁面(18)と相補的になるように形成された内壁面(24)を備えて棒状部材(14)を取り囲むスリーブ部材(16)を備え、かつ棒状部材(14)又はスリーブ部材(16)は相補的になるようにスリーブ部材(16)又は棒状部材(14)に形成された保持要素(22)に係合し、二つの接続部品(10、12)が回転軸(A)の方向にずれるのを防止する少なくとも一つの係合要素(20)を有するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車、特に実用車両のミラーに用いられる回転可能なミラーホルダ及びミラーホルダを有するミラーアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のミラーホルダは普通、二つの構成部品からなる。つまり、車両に取り付けられる車両側ホルダと、それぞれのミラーへの接続を確立するミラー側ホルダである。両方の接続部品は、互いへ接続される対応した接続面を有する。先行技術によると、接続部品は大部分はネジ接合によって接続され、一部はいわゆるクイックロックによっても固定される。同時に、ネジ接合の軸は二つの部品の回転軸を規定する。できる限り定常的な摩擦力を確保するために、一般的に円板ばねが設置されるか、又はさらに寸法公差の影響を低減するための圧縮コイルばねが設置される。
【0003】
この目的のために必要となる部品が、ボルト、ナット、円板ばねなどのように多いため、このようなミラーホルダーの製造だけでなく組立ても、複雑で費用のかかるものとなる。安定しており、従って振動の少ないミラーホルダが要求されるのみならず、一定の摩擦力も要求されるため、含まれる全ての部品の寸法公差を小さくすること、及び組立工程において製造パラメータが継続的に制御されて変形例に適合されることが要求される結果となる。このことは、製造コストの上昇を招く。さらには、個別の部品の数が増えることで、一般に物流、例えば在庫に関する費用が増大する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、一方では最小経費及び低価格で製造でき、他方で安定性があり耐久性がある車両とミラーの間の実用的な回転接続部を提供する自動車ミラー用のミラーホルダを供給することである。
【発明の効果】
【0005】
ホルダに関しては、上記課題は請求項1に記載の特徴により達成され、ミラーアセンブリに関しては請求項20に記載の特徴によって達成される。
【0006】
本発明に係るミラーホルダにおいては、第一接続部品は回転対称な外壁面を有する棒状部材(14)を備える。第二接続部品は棒状部材を取り囲み、かつ棒状部材の外壁面と相補的に形成された内壁面を有するスリーブ部材を備え、棒状部材及びスリーブ部材の少なくとも一方は、スリーブ部材又は棒状部材に形成された相補的な形状を有する保持部材に係合されて二つの接続部品の回転軸方向へのずれを阻止する、係合要素を備える。
【0007】
係合要素と保持部材の噛み合う関係により、二つの接続部品は互いにぴたりと接続し、回転軸の周りの回転しか許容しない。一方で、棒状部材はスリーブ部材の中に径方向に固定されて中心に配置され、他方で、棒状部材はスリーブ部材の中で軸方向に固定されている。さらに、このようにぴたりとはまることで、二つの接続部品を固定するためのネジ接合などの必要がなくなり、その結果、材料及び組立てのコストを抑えることができ、ミラーホルダ全体のコストを削減することができる。さらに、組立ての工程が排除されているので、組立ての欠陥はもはや発生し得ない。
【0008】
好ましくは、スリーブ部材と棒状部材は相補的な形状を有する第一及び第二係止面を備えていればよい。係止面を備えることで、一方で二つの接続部品の間に一定の相対角度を規定することができ、他方でミラーの固着力に一定の閾値を設けるために利用することができる。固着力はミラーが風の抵抗のような通常の使用法における外力に耐えられるだけ十分大きい必要があるが、とはいえ運転者が調節可能でなければならず、あるいは安全上の理由から異常な力の影響には屈するようにしておかねばならない。
【0009】
請求項3によると、二つの係止面は棒状部材とスリーブ部材の壁面に形成される。これにより、回転抵抗がスリーブ部材の壁の厚さによって調節できる。もしスリーブ部材の壁が薄ければ、スリーブ部材は棒状部材が回転したときに径の外側方向に撓む。これとは別に、係止力は平面状であったり軸状であったりという係止機構の形状及び係止の深さによって決定される。
【0010】
請求項4によると、二つの係止面は棒状部材の端面及びスリーブ部材の内側の底面に施される。二つの接続部品の軸方向へのずれが係合要素と保持部材によって阻止されるので、棒状部材の端面及びスリーブ底面は、いわば係止面が互いに係合するように互いに対して押し付けられる。係合要素と保持部材の対応する配置において、前述の別の形態と比べて低い係止力を有する係止機能を確立することが可能である。
【0011】
回転軸が第一及び/又は第二接続部品から前後軸を横断して形成される場合には、本発明のミラーホルダはヒンジ接続を形成する。従って、本発明に係るミラーホルダは、回転軸上での二つの接続部品の回転のみならず、この回転軸の周りでの一方の接続部品の中心軸回転も可能にする。よって、本発明のミラーホルダは、柔軟な接続を提供し、ネジ接続のネジの軸に限定されない。
【0012】
好ましくは、スリーブ部材は第一のプラスチック材料からなる射出成形部品であればよい。この特徴により、多数の利点が生じる。一つには、第一接続部品の上に第二接続部品を射出コーティングすることにより、ミラーホルダ全体が非常に簡単な方法で製造可能となる。同時に、プラスチック材料の射出コーティングにより、スリーブ部材と棒状部材の間の実質的に遊隙のない接続が達成される。プラスチック材料が硬化する間のスリーブ部材の収縮により、棒状部材に径方向の力までもが働くようになり、その結果、棒状部材に働くスリーブ部材の径方向の力、つまりミラーの固着力は、プラスチック材料の選択によって調節することが可能である。
【0013】
プラスチック材料の選択に当たり、相対回転に使用される接続部品が射出成形中に接着したり融着したりするのを避ける必要がある。スリーブ部材は棒状部材の外壁面に射出コーティングされ、スリーブの内壁面の形状が棒状部材の外壁面に合うようになるので、ボルトの製造における製造誤差は回転接続部の機能性に全く影響しない。このような誤差は射出成形によって簡単に相殺される。このようにスリーブの内壁面の形状が棒状部材の外壁面に合うことによって、ミラーホルダの振動も非常に小さくなる。
【0014】
ミラーホルダが大量生産されると、この製造方法により製造コストが大きく抑制されることになり、それは射出成形の工具を製造する影響よりもずっと勝っている。スリーブ部材を射出成形することで、複雑な形状を有する棒状部材の外壁面に対しても常に相補的なスリーブ部材の壁面を作成することができる。その結果、棒状部材の形状を規定すれば既に、ミラーホルダのぴったりとした接続が最終的に規定される。
【0015】
スリーブ部材が射出成形されていることにより、第一及び第二接続部品の間で外れない接続が達成される。これにより、二つの接続部品の間に、全耐用寿命を通じてメンテナンスの必要がない安定でかつ恒久的に接続した回転接続が達成される。
【0016】
好ましくはスリーブ部材だけでなく棒状部材も射出成形部品であればよく、この場合、棒状部材は第一のプラスチック材料よりも高い融点を有する第二のプラスチック材料よりなっていればよい。ミラーホルダはいわゆるインモールドアセンブリ法によって製造することができる。この場合、第一接続部品は基本的な種類の工程で製造される。この第一接続部品はプラスチック材料部品、ダイカスト部品又は何か他の部品のいずれでもよい。第二工程において、この第一接続部品は第二接続部品の製造のための工具の中に挿入され、製造工程によって有利な形態を実現するため、スリーブ部材が棒状部材を取り囲むようにされる。もし第一接続部品もプラスチック素材で実施されていれば、ミラーホルダを個別の工程を含む単一の製造過程で製造することができ、製造コストを更に削減することができる。二つのプラスチック材料の種類は、プラスチックの棒状部材がその上にスリーブ部材を射出成形される時に溶融しないように選択しなければならない。更に、二種類のプラスチック材料の組み合わせによって二つの接続部品の摩擦力及び/又は係止力を調節することが可能である。
【0017】
二つの接続部品の可動性を保証するため、第二接続部品の製造中にそのプラスチック材料が第一接続部品の材料と表面で結合してしまわないことを確実にしておく必要がある。この目的のため、第一の材料の融点は、第二の材料が第一の材料と接触する時の第二の材料の温度よりも高いことが必要である。もし製造パラメータが適切に選択されていれば、両方の部品を同じ材料で製造することができる。しかしながら、可塑状態においても一緒に溶融する傾向が小さくなるように、二つの材料が異なる種類のものであれば特に有利である。この時、第一接続部品の方が高い熱的安定性を有していなればならない。
【0018】
二つの接続部品の可動性は、互いに親和性を有さず、互いに固着しない二種類のプラスチック材料を選択することによっても達成できる。これにより、二つの接続部品をほぼ同時に射出成形することが可能となる。
【0019】
好ましくは、保持部材は、棒状部材又はスリーブ部材の壁面に施された切れ目のない溝であればよい。このような環状の溝は非常に簡単な方法で作成することができ、一方で回転軸周りに相補的な接続部品が回転できるようにするものであり、他方で二つの部品が回転軸の方向に相対的にずれるのを阻止するものである。この溝はアンダーカットとなる。
【0020】
係合要素は、溝に係合する(好ましくはこれも連続的な)突起であれば尚良い。このように、係合要素と保持部材によって回転軸の方向のぴったりとした接続が確立される。
【0021】
第一及び第二の係止面が溝の中又は突起の上にそれぞれ形成されていれば、軸の固定と二つの接続部品の周方向の運動の抑制の両方が一つの製造工程で実現可能となる。
【0022】
棒状部材を部分球の形に形成すれば、同じくらいに簡単で効果的である。溝と突起の組み合わせと全く同じように、これによって接続部品のずれを確実に阻止し、自由な回転運動を許容するぴたりとした接続が実現できる。スリーブ部材が球体の一部のみを覆う場合、この有利な形状によって、第二接続部品は回転軸の周りに第一接続部品に対して相対的に動かせるのみならず、球の中心の周りに小さな角度範囲で動かせるという点において広い範囲の自由度が獲得される。その結果、ミラーヘッドの位置やミラーシステムの回転軸の位置を異ならせて同一のミラーホルダを柔軟に使用することが可能となる。
【0023】
既に前に述べたように、本発明のミラーホルダはインモールドアセンブリ法によって非常に簡単に製造することができる。ここで、第一の射出成形部品は第一の型の中で製造され、引き続いて第二の型の中に入れられ、第二の射出成形材料によって射出コーティングされる。場合によっては、第一の射出成形部品は第一の型の中に残っていてもよく、このとき、単に第二の射出成形部品の形を有する別の型空間が開放されていればよい。第一の射出成形部品はいわば第二の射出成形部品にとってインサートとなる。これはいわゆるプリモールド部品とも言うことができる。このようにして、二つの接続部品の相対運動を許容するが、その一方で軸方向のずれを阻止する、二つの接続部品を堅く接続する接続面を得ることができる。
【0024】
本発明に係るミラーホルダの二つの接続部品は、接続が自然に緩くならないように外れない方法で接続されていることが望ましい。
【0025】
好ましくは、棒状部材とスリーブ部材は一体的に形成されていればよく、それにより接続部品の数は最小限にまで削減される。
【0026】
請求項20の対象は、上述の形態のうちの一つを有するミラーホルダを少なくとも一つ備えるミラーアセンブリである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ミラーハウジングと二つのミラーホルダを有する本発明の第1実施形態に係るミラーアセンブリを示す図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るミラーホルダを示す図である。
【図5】5A〜5Fは異なる形状の保持部材及び係合部材を有する図4のV−V断面図である。
【図6】棒状部材の外壁面に係止面を有する本発明の第3実施形態に係る第一接続部品を示す図である。
【図7】棒状部材の切れ目のない環状の溝に係止面を有する本発明の第4実施形態に係る第一接続部品を示す図である。
【図8】8A〜8Eは図6のVIII−VIII断面図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係るミラーホルダを示す図である。
【図10】図9の分解図である。
【図11】図9に示したミラーベースの詳細図である。
【図12】本発明の第6実施形態に係る図9のミラーベースを示す図である。
【図13】本発明の第7実施形態に係るミラーホルダを示す図である。
【図14】図13の分解図である。
【図15】本発明の第8実施形態に係るミラーホルダを示す図である。
【図16】図15の分解図である。
【図17】本発明の第9実施形態に係るミラーホルダを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は上側ミラーホルダ4と下側ミラーホルダ6を有するミラーアセンブリ2を示している。これらのミラーホルダは間にミラーハウジング8を支持しており、場合によっては回転可能なように支持していてもよい。ミラーホルダ4は、第一接続部品として車両側ホルダ10と、第二接続部品としてミラー側ホルダ12を備えており、それらは回転軸Aの周りに互いに対して相対的に回転できるようになっている。この回転軸Aは同様に下側ミラーホルダ6を貫いて延びており、従って、ミラー全体をミラーヘッドと共に車両に対して相対的に回転させることができる。一方、ミラーハウジング8にはミラーガラスが調整可能性を有する状態で装備されている。車両側ホルダ10は、車両に固定するための対応する固定面を有する。反対側には、ミラー側ホルダ12によってそれぞれのミラーハウジング8を対応して結合することができる。本実施形態においては、ミラーハウジング8は両側でミラー側ホルダ12よりなるミラーアームに取り付けられている。
【0029】
図1に示されたミラーアセンブリ2は二つのミラーホルダ4と6を有している。以下の記述においては、上側ミラーホルダ4のみを例として説明するが、上側ミラーホルダ4のみ、下側ミラーホルダのみ、又は両方のミラーホルダ4及び6が以下に説明する構造を有していてもよい。
【0030】
図2は車両に接続可能な第一接続部品10とミラーハウジング8に接続可能な第二接続部品12を有する上側ミラーホルダ4の断面図である。第一接続部品10は第二接続部品12のスリーブ部材16に取り囲まれた棒状部材14を有する。棒状部材14は、外壁面18に回転対称の切れ目のない突起20を有し、突起20は対応する相補的な形状を有する、スリーブ部材16の内壁面24に形成された環状の溝22に係合される。このようにして、二つの接続部品10及び12は回転軸Aの周りに互いに対して相対回転可能であるが、しかし回転軸Aに沿ってずれることはできない。従って、二つの接続部品10及び12は一方で相対運動可能であるが、他方で離れないように互いに接続されている。
【0031】
この回転接続部はいわゆるインモールドアセンブリ法によって、単一の射出成形工具で非常に簡単に製造することが可能である。この方法においては、個々の射出成形部品を互いに組み立てる必要はなく、互いの内部で硬化される。あるいは、棒状部材14を有する接続部品10を金属など他の材料で製作し、スリーブ部材16を形成するためにその上にプラスチック材料を射出コーティングしてもよい。しかしながら、二つの接続部品の互いに対する相対回転運動を所望のとおりに達成するために、使用する材料の選択にあたって、これらの材料が製造工程において互いに結合したり接着したりしないよう注意を払わなければならない。従って、二つの接続部品を製造するにあたり、互いに親和性のないプラスチック材料のみを使用するのが望ましい。回転運動性は特に、棒状部材を有し最初に射出成形される接続部品が次の段階で第一接続部品の上に成形される第二接続部品よりも高い融点を有する場合に達成される。
【0032】
一つの接続部品の上に他方の接続部品を射出コーティングするため、部品の寸法についての誤差はわずかである。第二接続部品のスリーブ部材は必然的に第一接続部品の棒状部材の寸法を承継するからである。従って、振動する部品に対する最高度の要件を満足する高いはめ込み性能での遊隙のない接続が、製造工程における過度の要件なしに達成される。
【0033】
射出コーティングされたスリーブ部材16は、棒状部材14の外壁面18に密着し、硬化中にいくらか収縮するので、スリーブ部材16から棒状部材14へ径方向の力が生じ、その結果二つの接続部品10及び12の互いに対する相対回転には一定の回転力が必要となる。従って、この棒状部材14とスリーブ部材16の間の摩擦力は、ミラーホルダの製造工程の間に早くも形成される固着力を規定する。また、一方で風の抵抗のような通常の外力に対抗するものであり、他方で、もし望めば、二つの接続部品の相対回転を許容するものである。この固着力は選択する材料の組み合わせを異ならせることにより調節可能である。
【0034】
二つの接続部品10及び12の回転運動性を調節するためのもう一つのパラメータはスリーブ部材16の壁の厚さDである。壁の厚さに依存してより堅いあるいは堅くない構造が得られ、それに伴ってスリーブ部材16及び棒状部材14の間の摩擦力が増減する。更に、棒状部材14とスリーブ部材16の間の摩擦力が棒状部材14の壁の厚さdによっても調節可能であるように、棒状部材14は図2及び図3に示されるように中空の形状を有していてもよい。
【0035】
図2又は図3に示した以外に、ミラー側ホルダ12がさらに車両側ホルダのスリーブ部材に係合する棒状部材を有していてもよい。
【0036】
図1〜図3は接続部品つまりミラー側ホルダ12の前後軸Bが回転軸Aに垂直に形成され、いわばヒンジ接続又は中心軸回転するミラーホルダとなる本発明に係るミラーホルダを示していたが、二つの接続部品の前後軸が回転軸上に配置された第2実施形態について以下に説明する。ここから、本発明のミラーホルダは構造の点で複雑さを増すことなく種々の回転接続を可能にするものであることが分かる。
【0037】
既に述べたように、図4は車両側ホルダ10とミラー側ホルダ12を有するミラーホルダ4を示している。二つの接続部品10及び12は共通の前後軸Aに関して互いに対して相対回転可能である。ミラーハウジングが中心軸回転する必要がなく、ミラーホルダの軸の周りに回転することのみを意図する、このようなミラーホルダは、例えば実用車両のいわゆるランプミラー又はフロントミラーに使用可能である。
【0038】
第1実施形態と同様に、ミラー側接続部品12は車両側接続部品10の棒状部材14を取り囲むスリーブ部材16を有する。車両側接続部品10の端部には、ねじの軸に対して異なる回転位置で、車両上の対応する箇所にねじ止めにより強固に固定することができる固定部26がある。ミラー側接続部品12には、ミラーハウジングの接続のための穴28がある。
【0039】
二つの接続部品10及び12の軸方向の固定は、図5A〜5Fに例示されたように様々な方法で実現することができる。図5A〜5Cは図4の直線V−Vに沿った縦断面の概略図である。図5A〜5Cにおいては、棒状部材14が、スリーブ部材16の対応する凹部に係合する、突縁型(図5A)、切れ目のない突起(図5B)、球状(図5C)といった異なる係合要素20を有しており、一方、図5D〜5Fにおいては、係合要素はスリーブ16の内壁面に形成され、棒状部材14の外壁面18の対応する相補的な凹部に係合する。図5Dによると、複数の係合要素が対応する保持部材と共に機能することも可能である。図5A〜5Fに示された変形例に加えて、それ以外の形態ももちろん考えうる。しかしながら、全ての変形例は共通して、二つの接続部品の互いに対する相対回転運動が可能になるように、回転対称で妨げのない壁面を有するものである。
【0040】
分かりやすさのため、図5A〜5Fで棒状部材14とスリーブ部材16の接続は本発明のミラーホルダには当然ながら存在しない大きな遊隙をもって表示されていることに留意すべきである。なぜなら、スリーブ部材16は、棒状部材の外側の輪郭に嵌り、密着するように、棒状部材14の周りに射出成形されているからである。スリーブ部材16は棒状部材に密着して接合されているのみならず、収縮過程のために棒状部材に径方向の力を及ぼしており、その結果、本発明に係るミラーホルダの製造工程のみによって二つの接続部品の間に一定の固着力が生じる。ミラーは自由に運動可能なように取り付けるべきでないため、棒状部材14とスリーブ部材16の間にこの固着力が働くのが望ましい。この二つの接続部品10及び12を回転させるのに必要な力を大きくするために、以下の第3実施形態を参照して説明するさらなる手段を取ることも可能である。
【0041】
図6は棒状部材14の外壁面18の上に環状の溝22のみならず係止面30も有する接続部品10を示している。図6に示されるように、これらの係止面30は外壁面18の一定の部分にのみ装備してもよいし、あるいは外壁面18全体に装備してもよい。あるいは、図7に示されるように、保持部材22に係止面30を装備してもよい。このような係止面30を備えることで、接続部品10及び12の互いの周りの回転運動のために根本的に必要な、外壁面が回転対称であるという既述の要請は満足されない。しかしながら、小さな実効的な傾斜角しか有さず、円形からの逸脱がごくわずかである多角形の形状または小歯形状が使用されているのならば、一定のトルクを加えることで二つの接続部品10及び12を互いに対して相対的に回転させることは可能である。このような係止面を備えることで、ミラーホルダの固着力を高めることが可能になるだけでなく、二つのミラーホルダ部品を相互間であらかじめ定めた相対角に調整することも可能になる。
【0042】
図8A〜8Eに、対応する相補的な係止面32をスリーブ部材14の内壁面24に有する係止面30の変形例が、図6中の直線VIII−VIIIでの断面図で示されている。係止面は歯状または波状とすることができる。壁面18及び24が円形から離れれば離れるほど、スリーブ部材16を棒状部材14に対して相対的に回転させるのに必要なトルクは大きくなる。もしスリーブ部材16が棒状部材14の上に射出コーティングされた射出成形部品である場合には、棒状部材14の外壁面18に相補的なスリーブ部材16の内壁面24を作成することは非常に容易に可能である。スリーブ部材16と棒状部材14の間の係止力または摩擦力は、係止面の形状の選択によってだけではなく、使用される材料及び壁の厚さの選択によっても調節することができる。もし製造工程を経た後にスリーブ部材が棒状部材に一定の径方向の力を少なくとも既に及ぼしていれば、高い固着力を生み出すために、係止面は、(円周線に対して)非常に浅い角度を有していればそれで十分である。その結果、接続部品の十分な安定性と耐摩耗性がその耐用寿命を通じて保証されうる。
【0043】
従来の実用車両のミラーの保持体は、金属パイプで形成されている。接続部品への接続は、パイプスリーブの内側で行われる。通常のパイプの形状は「U」の字の形をとっており、上及び下のアームはミラーホルダへの接続部となっており、「U」の字の真ん中の部分は大まかに近似して回転軸に平行に延びている。その結果、前後軸Bはパイプの末端の中心軸として第一または第二接続部品のパイプスリーブの中に、回転軸に直行して形成される。これにより、一方では古くからの考え方に回帰することになるが、他方では部品の点数を少なくするための解決手段を実現することもできる。それぞれの実施例のための個々の部品の工具コストが、支持構造の全体がその実施例のために特別に製造される「設計」部品からなる場合に比べて低く抑えられるからである。対応する解決手段が図9に示されているが、ミラーアームは二つの部品からなり、第二接続部品としてのパイプスリーブ12と支持パイプ13から形成されている。
【0044】
係止スリーブ12と支持パイプ13を含む実施形態により、さらにこの創意あるホルダの使用の柔軟性が向上する。支持パイプが前後軸Bの周りに回転することにより、パイプスリーブの中で任意の回転位置となることにより、支持パイプの位置を異ならせ、従って同一のミラーホルダを利用して回転軸Aに対して相対的にミラーヘッドの位置を異ならせることが可能になる。よって、同一のミラーホルダが異なる車両に使用可能となる。
【0045】
図11は、第一接続部品として環状の突起と係止形状を外壁18に付与したミラーベース10を示している。接続部品が射出成形又はダイカストしたプラスチック部品として製造されていると、実施に必要な外壁面18を備える棒状部材14の要素と係合要素としての環状の突起20とを含む好適な形状を、余分な複雑さなしに製造可能である。外壁面18に係止形状を施す代わりに、係止形状を図12に示されるように棒状部材14の端面34に施し、ミラー側ホルダ12のスリーブ底面36(図2参照)の係止面と共に機能するようにしてもよい。
【0046】
振動特性に関して、ミラーホルダがいかに頑丈に作られているかが極めて重要である。例えば支持パイプ13又はミラーヘッドのような支持構造の頑丈さに加え、ホルダー4、6の相互間の距離や回転軸からのミラーヘッドの距離などの幾何的な関係に依存して、棒状部材14の位置が頑丈に固定されていることが重要である。車両側接続部品10に十分な設計と空間の自由度がある場合、棒状部材を接続部品10のベース本体に接続する第二の接続体を設けることが可能である。これは、棒状部材14の端部に横方向ウェブ38を設けることで達成可能である。これに伴い、この実施形態においてはスリーブ部材16は貫通孔を有する。壁面18及び24の係合要素及び保持部材はもはや位置を保証するためには必要なくなる。なぜならこの機能はすでに横方向ウェブ38によってもたらされているからである。図13及び14は対応する解決手段を例示するものである。
【0047】
本発明の他の実施形態が図15に示される。球状ヘッド40が棒状部材18の端部に設けられていれば、位置保持機能も保証される。この場合には、異なる用途に同一のミラーホルダを利用するに際してのさらなる柔軟性という形で、もう一つの利点が達成される。図9に示したようにパイプスリーブ12の内側に支持パイプ13を任意回転できるように取り付ける場合と共通して、回転軸Aの周りに回転させる機能を維持しながらミラーホルダに対する支持構造及びミラーヘッドの相対位置を変化させることが可能である。もう一方の解決手段に比べて柔軟性が低いことで制限効果を有するが、しかし、係止スリーブにおけるパイプの相対位置を縦方向の回転軸Bに対する相対的な取り付けによって任意に選ぶ場合にはミラー及びミラーベースの相対位置がそれきり固定されるのに対し、この場合には支持構造(支持パイプ及び/又は支持ヘッド)の組み立ての後も、ミラーベースに対するミラーの相対位置を変化させることが可能である。
【0048】
本発明の回転接続部は、必要な固着力又は係止/摩擦力を乗り越えるという条件において、基本的に二つの接続部品10及び12が360°回転するのを許容するので、回転接続部の回転範囲を制限するために壁面18及び24を除く二つの接続部品の適当な位置に、一つ又はそれ以上のかみ合う爪42、44をそれぞれ設けることができる。このような爪の一例を図17に示す。
【0049】
ここまでの記載において、本発明に係るミラーホルダについて特定の実施形態を参照しながら説明した。しかしながら、特許請求の範囲で定義されるミラーホルダはこれらの実施形態に限定されない。特に、個々の実施形態を互いに組み合わせることも可能である。
【0050】
本発明に係るミラーホルダが二つの射出成形プラスチック部品で作られている場合には、これらは後で見えるミラーホルダの外側の表面を直接形成するように実施してもよい。これにより、全く分解の労力なしにプラスチックに特化した方法でリサイクルすることが可能になるという利点がある。しかしながら他方で、部品の配置に関する自由度を上げることを目的として、それらにカバーをすることも考えうる。
【0051】
さらに、本発明に係るミラーホルダについて種々の実用車両のミラーを参照しながら説明した。しかしながら、ミラーホルダの基本原理は乗用車及びオートバイの分野にも転用可能である。
【0052】
図10に示された解決手段から出発して、典型的にはランプミラーやフロントミラーに使用されるようなホルダを一つのみ備えるミラーシステムに類似のミラーホルダを利用することも可能である。従って、要求されるミラーヘッドの調整可能性が、低コストのミラーホルダを使用することによって最も簡単な方法で実現される。
【符号の説明】
【0053】
2 ミラーアセンブリ
4 上側ミラーホルダ
6 下側ミラーホルダ
8 ミラーハウジング
10 車両側ホルダ(第一接続部品)
12 ミラー側ホルダ(第二接続部品)
13 支持パイプ
14 棒状部材
16 スリーブ部材
18 外壁面
20 突起
22 溝
24 内壁面
26 固定部
28 穴
30 (第一)係止面
32 (第二)係止面
34 端面
36 スリーブ底部
38 横方向ウェブ
40 球状ヘッド
42 止め具
44 止め具
A 回転軸
B 前後軸
D 壁の厚さ
d 壁の厚さ
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車、特に実用車両のミラーに用いられる回転可能なミラーホルダ及びミラーホルダを有するミラーアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のミラーホルダは普通、二つの構成部品からなる。つまり、車両に取り付けられる車両側ホルダと、それぞれのミラーへの接続を確立するミラー側ホルダである。両方の接続部品は、互いへ接続される対応した接続面を有する。先行技術によると、接続部品は大部分はネジ接合によって接続され、一部はいわゆるクイックロックによっても固定される。同時に、ネジ接合の軸は二つの部品の回転軸を規定する。できる限り定常的な摩擦力を確保するために、一般的に円板ばねが設置されるか、又はさらに寸法公差の影響を低減するための圧縮コイルばねが設置される。
【0003】
この目的のために必要となる部品が、ボルト、ナット、円板ばねなどのように多いため、このようなミラーホルダーの製造だけでなく組立ても、複雑で費用のかかるものとなる。安定しており、従って振動の少ないミラーホルダが要求されるのみならず、一定の摩擦力も要求されるため、含まれる全ての部品の寸法公差を小さくすること、及び組立工程において製造パラメータが継続的に制御されて変形例に適合されることが要求される結果となる。このことは、製造コストの上昇を招く。さらには、個別の部品の数が増えることで、一般に物流、例えば在庫に関する費用が増大する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、一方では最小経費及び低価格で製造でき、他方で安定性があり耐久性がある車両とミラーの間の実用的な回転接続部を提供する自動車ミラー用のミラーホルダを供給することである。
【発明の効果】
【0005】
ホルダに関しては、上記課題は請求項1に記載の特徴により達成され、ミラーアセンブリに関しては請求項20に記載の特徴によって達成される。
【0006】
本発明に係るミラーホルダにおいては、第一接続部品は回転対称な外壁面を有する棒状部材(14)を備える。第二接続部品は棒状部材を取り囲み、かつ棒状部材の外壁面と相補的に形成された内壁面を有するスリーブ部材を備え、棒状部材及びスリーブ部材の少なくとも一方は、スリーブ部材又は棒状部材に形成された相補的な形状を有する保持部材に係合されて二つの接続部品の回転軸方向へのずれを阻止する、係合要素を備える。
【0007】
係合要素と保持部材の噛み合う関係により、二つの接続部品は互いにぴたりと接続し、回転軸の周りの回転しか許容しない。一方で、棒状部材はスリーブ部材の中に径方向に固定されて中心に配置され、他方で、棒状部材はスリーブ部材の中で軸方向に固定されている。さらに、このようにぴたりとはまることで、二つの接続部品を固定するためのネジ接合などの必要がなくなり、その結果、材料及び組立てのコストを抑えることができ、ミラーホルダ全体のコストを削減することができる。さらに、組立ての工程が排除されているので、組立ての欠陥はもはや発生し得ない。
【0008】
好ましくは、スリーブ部材と棒状部材は相補的な形状を有する第一及び第二係止面を備えていればよい。係止面を備えることで、一方で二つの接続部品の間に一定の相対角度を規定することができ、他方でミラーの固着力に一定の閾値を設けるために利用することができる。固着力はミラーが風の抵抗のような通常の使用法における外力に耐えられるだけ十分大きい必要があるが、とはいえ運転者が調節可能でなければならず、あるいは安全上の理由から異常な力の影響には屈するようにしておかねばならない。
【0009】
請求項3によると、二つの係止面は棒状部材とスリーブ部材の壁面に形成される。これにより、回転抵抗がスリーブ部材の壁の厚さによって調節できる。もしスリーブ部材の壁が薄ければ、スリーブ部材は棒状部材が回転したときに径の外側方向に撓む。これとは別に、係止力は平面状であったり軸状であったりという係止機構の形状及び係止の深さによって決定される。
【0010】
請求項4によると、二つの係止面は棒状部材の端面及びスリーブ部材の内側の底面に施される。二つの接続部品の軸方向へのずれが係合要素と保持部材によって阻止されるので、棒状部材の端面及びスリーブ底面は、いわば係止面が互いに係合するように互いに対して押し付けられる。係合要素と保持部材の対応する配置において、前述の別の形態と比べて低い係止力を有する係止機能を確立することが可能である。
【0011】
回転軸が第一及び/又は第二接続部品から前後軸を横断して形成される場合には、本発明のミラーホルダはヒンジ接続を形成する。従って、本発明に係るミラーホルダは、回転軸上での二つの接続部品の回転のみならず、この回転軸の周りでの一方の接続部品の中心軸回転も可能にする。よって、本発明のミラーホルダは、柔軟な接続を提供し、ネジ接続のネジの軸に限定されない。
【0012】
好ましくは、スリーブ部材は第一のプラスチック材料からなる射出成形部品であればよい。この特徴により、多数の利点が生じる。一つには、第一接続部品の上に第二接続部品を射出コーティングすることにより、ミラーホルダ全体が非常に簡単な方法で製造可能となる。同時に、プラスチック材料の射出コーティングにより、スリーブ部材と棒状部材の間の実質的に遊隙のない接続が達成される。プラスチック材料が硬化する間のスリーブ部材の収縮により、棒状部材に径方向の力までもが働くようになり、その結果、棒状部材に働くスリーブ部材の径方向の力、つまりミラーの固着力は、プラスチック材料の選択によって調節することが可能である。
【0013】
プラスチック材料の選択に当たり、相対回転に使用される接続部品が射出成形中に接着したり融着したりするのを避ける必要がある。スリーブ部材は棒状部材の外壁面に射出コーティングされ、スリーブの内壁面の形状が棒状部材の外壁面に合うようになるので、ボルトの製造における製造誤差は回転接続部の機能性に全く影響しない。このような誤差は射出成形によって簡単に相殺される。このようにスリーブの内壁面の形状が棒状部材の外壁面に合うことによって、ミラーホルダの振動も非常に小さくなる。
【0014】
ミラーホルダが大量生産されると、この製造方法により製造コストが大きく抑制されることになり、それは射出成形の工具を製造する影響よりもずっと勝っている。スリーブ部材を射出成形することで、複雑な形状を有する棒状部材の外壁面に対しても常に相補的なスリーブ部材の壁面を作成することができる。その結果、棒状部材の形状を規定すれば既に、ミラーホルダのぴったりとした接続が最終的に規定される。
【0015】
スリーブ部材が射出成形されていることにより、第一及び第二接続部品の間で外れない接続が達成される。これにより、二つの接続部品の間に、全耐用寿命を通じてメンテナンスの必要がない安定でかつ恒久的に接続した回転接続が達成される。
【0016】
好ましくはスリーブ部材だけでなく棒状部材も射出成形部品であればよく、この場合、棒状部材は第一のプラスチック材料よりも高い融点を有する第二のプラスチック材料よりなっていればよい。ミラーホルダはいわゆるインモールドアセンブリ法によって製造することができる。この場合、第一接続部品は基本的な種類の工程で製造される。この第一接続部品はプラスチック材料部品、ダイカスト部品又は何か他の部品のいずれでもよい。第二工程において、この第一接続部品は第二接続部品の製造のための工具の中に挿入され、製造工程によって有利な形態を実現するため、スリーブ部材が棒状部材を取り囲むようにされる。もし第一接続部品もプラスチック素材で実施されていれば、ミラーホルダを個別の工程を含む単一の製造過程で製造することができ、製造コストを更に削減することができる。二つのプラスチック材料の種類は、プラスチックの棒状部材がその上にスリーブ部材を射出成形される時に溶融しないように選択しなければならない。更に、二種類のプラスチック材料の組み合わせによって二つの接続部品の摩擦力及び/又は係止力を調節することが可能である。
【0017】
二つの接続部品の可動性を保証するため、第二接続部品の製造中にそのプラスチック材料が第一接続部品の材料と表面で結合してしまわないことを確実にしておく必要がある。この目的のため、第一の材料の融点は、第二の材料が第一の材料と接触する時の第二の材料の温度よりも高いことが必要である。もし製造パラメータが適切に選択されていれば、両方の部品を同じ材料で製造することができる。しかしながら、可塑状態においても一緒に溶融する傾向が小さくなるように、二つの材料が異なる種類のものであれば特に有利である。この時、第一接続部品の方が高い熱的安定性を有していなればならない。
【0018】
二つの接続部品の可動性は、互いに親和性を有さず、互いに固着しない二種類のプラスチック材料を選択することによっても達成できる。これにより、二つの接続部品をほぼ同時に射出成形することが可能となる。
【0019】
好ましくは、保持部材は、棒状部材又はスリーブ部材の壁面に施された切れ目のない溝であればよい。このような環状の溝は非常に簡単な方法で作成することができ、一方で回転軸周りに相補的な接続部品が回転できるようにするものであり、他方で二つの部品が回転軸の方向に相対的にずれるのを阻止するものである。この溝はアンダーカットとなる。
【0020】
係合要素は、溝に係合する(好ましくはこれも連続的な)突起であれば尚良い。このように、係合要素と保持部材によって回転軸の方向のぴったりとした接続が確立される。
【0021】
第一及び第二の係止面が溝の中又は突起の上にそれぞれ形成されていれば、軸の固定と二つの接続部品の周方向の運動の抑制の両方が一つの製造工程で実現可能となる。
【0022】
棒状部材を部分球の形に形成すれば、同じくらいに簡単で効果的である。溝と突起の組み合わせと全く同じように、これによって接続部品のずれを確実に阻止し、自由な回転運動を許容するぴたりとした接続が実現できる。スリーブ部材が球体の一部のみを覆う場合、この有利な形状によって、第二接続部品は回転軸の周りに第一接続部品に対して相対的に動かせるのみならず、球の中心の周りに小さな角度範囲で動かせるという点において広い範囲の自由度が獲得される。その結果、ミラーヘッドの位置やミラーシステムの回転軸の位置を異ならせて同一のミラーホルダを柔軟に使用することが可能となる。
【0023】
既に前に述べたように、本発明のミラーホルダはインモールドアセンブリ法によって非常に簡単に製造することができる。ここで、第一の射出成形部品は第一の型の中で製造され、引き続いて第二の型の中に入れられ、第二の射出成形材料によって射出コーティングされる。場合によっては、第一の射出成形部品は第一の型の中に残っていてもよく、このとき、単に第二の射出成形部品の形を有する別の型空間が開放されていればよい。第一の射出成形部品はいわば第二の射出成形部品にとってインサートとなる。これはいわゆるプリモールド部品とも言うことができる。このようにして、二つの接続部品の相対運動を許容するが、その一方で軸方向のずれを阻止する、二つの接続部品を堅く接続する接続面を得ることができる。
【0024】
本発明に係るミラーホルダの二つの接続部品は、接続が自然に緩くならないように外れない方法で接続されていることが望ましい。
【0025】
好ましくは、棒状部材とスリーブ部材は一体的に形成されていればよく、それにより接続部品の数は最小限にまで削減される。
【0026】
請求項20の対象は、上述の形態のうちの一つを有するミラーホルダを少なくとも一つ備えるミラーアセンブリである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ミラーハウジングと二つのミラーホルダを有する本発明の第1実施形態に係るミラーアセンブリを示す図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るミラーホルダを示す図である。
【図5】5A〜5Fは異なる形状の保持部材及び係合部材を有する図4のV−V断面図である。
【図6】棒状部材の外壁面に係止面を有する本発明の第3実施形態に係る第一接続部品を示す図である。
【図7】棒状部材の切れ目のない環状の溝に係止面を有する本発明の第4実施形態に係る第一接続部品を示す図である。
【図8】8A〜8Eは図6のVIII−VIII断面図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係るミラーホルダを示す図である。
【図10】図9の分解図である。
【図11】図9に示したミラーベースの詳細図である。
【図12】本発明の第6実施形態に係る図9のミラーベースを示す図である。
【図13】本発明の第7実施形態に係るミラーホルダを示す図である。
【図14】図13の分解図である。
【図15】本発明の第8実施形態に係るミラーホルダを示す図である。
【図16】図15の分解図である。
【図17】本発明の第9実施形態に係るミラーホルダを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は上側ミラーホルダ4と下側ミラーホルダ6を有するミラーアセンブリ2を示している。これらのミラーホルダは間にミラーハウジング8を支持しており、場合によっては回転可能なように支持していてもよい。ミラーホルダ4は、第一接続部品として車両側ホルダ10と、第二接続部品としてミラー側ホルダ12を備えており、それらは回転軸Aの周りに互いに対して相対的に回転できるようになっている。この回転軸Aは同様に下側ミラーホルダ6を貫いて延びており、従って、ミラー全体をミラーヘッドと共に車両に対して相対的に回転させることができる。一方、ミラーハウジング8にはミラーガラスが調整可能性を有する状態で装備されている。車両側ホルダ10は、車両に固定するための対応する固定面を有する。反対側には、ミラー側ホルダ12によってそれぞれのミラーハウジング8を対応して結合することができる。本実施形態においては、ミラーハウジング8は両側でミラー側ホルダ12よりなるミラーアームに取り付けられている。
【0029】
図1に示されたミラーアセンブリ2は二つのミラーホルダ4と6を有している。以下の記述においては、上側ミラーホルダ4のみを例として説明するが、上側ミラーホルダ4のみ、下側ミラーホルダのみ、又は両方のミラーホルダ4及び6が以下に説明する構造を有していてもよい。
【0030】
図2は車両に接続可能な第一接続部品10とミラーハウジング8に接続可能な第二接続部品12を有する上側ミラーホルダ4の断面図である。第一接続部品10は第二接続部品12のスリーブ部材16に取り囲まれた棒状部材14を有する。棒状部材14は、外壁面18に回転対称の切れ目のない突起20を有し、突起20は対応する相補的な形状を有する、スリーブ部材16の内壁面24に形成された環状の溝22に係合される。このようにして、二つの接続部品10及び12は回転軸Aの周りに互いに対して相対回転可能であるが、しかし回転軸Aに沿ってずれることはできない。従って、二つの接続部品10及び12は一方で相対運動可能であるが、他方で離れないように互いに接続されている。
【0031】
この回転接続部はいわゆるインモールドアセンブリ法によって、単一の射出成形工具で非常に簡単に製造することが可能である。この方法においては、個々の射出成形部品を互いに組み立てる必要はなく、互いの内部で硬化される。あるいは、棒状部材14を有する接続部品10を金属など他の材料で製作し、スリーブ部材16を形成するためにその上にプラスチック材料を射出コーティングしてもよい。しかしながら、二つの接続部品の互いに対する相対回転運動を所望のとおりに達成するために、使用する材料の選択にあたって、これらの材料が製造工程において互いに結合したり接着したりしないよう注意を払わなければならない。従って、二つの接続部品を製造するにあたり、互いに親和性のないプラスチック材料のみを使用するのが望ましい。回転運動性は特に、棒状部材を有し最初に射出成形される接続部品が次の段階で第一接続部品の上に成形される第二接続部品よりも高い融点を有する場合に達成される。
【0032】
一つの接続部品の上に他方の接続部品を射出コーティングするため、部品の寸法についての誤差はわずかである。第二接続部品のスリーブ部材は必然的に第一接続部品の棒状部材の寸法を承継するからである。従って、振動する部品に対する最高度の要件を満足する高いはめ込み性能での遊隙のない接続が、製造工程における過度の要件なしに達成される。
【0033】
射出コーティングされたスリーブ部材16は、棒状部材14の外壁面18に密着し、硬化中にいくらか収縮するので、スリーブ部材16から棒状部材14へ径方向の力が生じ、その結果二つの接続部品10及び12の互いに対する相対回転には一定の回転力が必要となる。従って、この棒状部材14とスリーブ部材16の間の摩擦力は、ミラーホルダの製造工程の間に早くも形成される固着力を規定する。また、一方で風の抵抗のような通常の外力に対抗するものであり、他方で、もし望めば、二つの接続部品の相対回転を許容するものである。この固着力は選択する材料の組み合わせを異ならせることにより調節可能である。
【0034】
二つの接続部品10及び12の回転運動性を調節するためのもう一つのパラメータはスリーブ部材16の壁の厚さDである。壁の厚さに依存してより堅いあるいは堅くない構造が得られ、それに伴ってスリーブ部材16及び棒状部材14の間の摩擦力が増減する。更に、棒状部材14とスリーブ部材16の間の摩擦力が棒状部材14の壁の厚さdによっても調節可能であるように、棒状部材14は図2及び図3に示されるように中空の形状を有していてもよい。
【0035】
図2又は図3に示した以外に、ミラー側ホルダ12がさらに車両側ホルダのスリーブ部材に係合する棒状部材を有していてもよい。
【0036】
図1〜図3は接続部品つまりミラー側ホルダ12の前後軸Bが回転軸Aに垂直に形成され、いわばヒンジ接続又は中心軸回転するミラーホルダとなる本発明に係るミラーホルダを示していたが、二つの接続部品の前後軸が回転軸上に配置された第2実施形態について以下に説明する。ここから、本発明のミラーホルダは構造の点で複雑さを増すことなく種々の回転接続を可能にするものであることが分かる。
【0037】
既に述べたように、図4は車両側ホルダ10とミラー側ホルダ12を有するミラーホルダ4を示している。二つの接続部品10及び12は共通の前後軸Aに関して互いに対して相対回転可能である。ミラーハウジングが中心軸回転する必要がなく、ミラーホルダの軸の周りに回転することのみを意図する、このようなミラーホルダは、例えば実用車両のいわゆるランプミラー又はフロントミラーに使用可能である。
【0038】
第1実施形態と同様に、ミラー側接続部品12は車両側接続部品10の棒状部材14を取り囲むスリーブ部材16を有する。車両側接続部品10の端部には、ねじの軸に対して異なる回転位置で、車両上の対応する箇所にねじ止めにより強固に固定することができる固定部26がある。ミラー側接続部品12には、ミラーハウジングの接続のための穴28がある。
【0039】
二つの接続部品10及び12の軸方向の固定は、図5A〜5Fに例示されたように様々な方法で実現することができる。図5A〜5Cは図4の直線V−Vに沿った縦断面の概略図である。図5A〜5Cにおいては、棒状部材14が、スリーブ部材16の対応する凹部に係合する、突縁型(図5A)、切れ目のない突起(図5B)、球状(図5C)といった異なる係合要素20を有しており、一方、図5D〜5Fにおいては、係合要素はスリーブ16の内壁面に形成され、棒状部材14の外壁面18の対応する相補的な凹部に係合する。図5Dによると、複数の係合要素が対応する保持部材と共に機能することも可能である。図5A〜5Fに示された変形例に加えて、それ以外の形態ももちろん考えうる。しかしながら、全ての変形例は共通して、二つの接続部品の互いに対する相対回転運動が可能になるように、回転対称で妨げのない壁面を有するものである。
【0040】
分かりやすさのため、図5A〜5Fで棒状部材14とスリーブ部材16の接続は本発明のミラーホルダには当然ながら存在しない大きな遊隙をもって表示されていることに留意すべきである。なぜなら、スリーブ部材16は、棒状部材の外側の輪郭に嵌り、密着するように、棒状部材14の周りに射出成形されているからである。スリーブ部材16は棒状部材に密着して接合されているのみならず、収縮過程のために棒状部材に径方向の力を及ぼしており、その結果、本発明に係るミラーホルダの製造工程のみによって二つの接続部品の間に一定の固着力が生じる。ミラーは自由に運動可能なように取り付けるべきでないため、棒状部材14とスリーブ部材16の間にこの固着力が働くのが望ましい。この二つの接続部品10及び12を回転させるのに必要な力を大きくするために、以下の第3実施形態を参照して説明するさらなる手段を取ることも可能である。
【0041】
図6は棒状部材14の外壁面18の上に環状の溝22のみならず係止面30も有する接続部品10を示している。図6に示されるように、これらの係止面30は外壁面18の一定の部分にのみ装備してもよいし、あるいは外壁面18全体に装備してもよい。あるいは、図7に示されるように、保持部材22に係止面30を装備してもよい。このような係止面30を備えることで、接続部品10及び12の互いの周りの回転運動のために根本的に必要な、外壁面が回転対称であるという既述の要請は満足されない。しかしながら、小さな実効的な傾斜角しか有さず、円形からの逸脱がごくわずかである多角形の形状または小歯形状が使用されているのならば、一定のトルクを加えることで二つの接続部品10及び12を互いに対して相対的に回転させることは可能である。このような係止面を備えることで、ミラーホルダの固着力を高めることが可能になるだけでなく、二つのミラーホルダ部品を相互間であらかじめ定めた相対角に調整することも可能になる。
【0042】
図8A〜8Eに、対応する相補的な係止面32をスリーブ部材14の内壁面24に有する係止面30の変形例が、図6中の直線VIII−VIIIでの断面図で示されている。係止面は歯状または波状とすることができる。壁面18及び24が円形から離れれば離れるほど、スリーブ部材16を棒状部材14に対して相対的に回転させるのに必要なトルクは大きくなる。もしスリーブ部材16が棒状部材14の上に射出コーティングされた射出成形部品である場合には、棒状部材14の外壁面18に相補的なスリーブ部材16の内壁面24を作成することは非常に容易に可能である。スリーブ部材16と棒状部材14の間の係止力または摩擦力は、係止面の形状の選択によってだけではなく、使用される材料及び壁の厚さの選択によっても調節することができる。もし製造工程を経た後にスリーブ部材が棒状部材に一定の径方向の力を少なくとも既に及ぼしていれば、高い固着力を生み出すために、係止面は、(円周線に対して)非常に浅い角度を有していればそれで十分である。その結果、接続部品の十分な安定性と耐摩耗性がその耐用寿命を通じて保証されうる。
【0043】
従来の実用車両のミラーの保持体は、金属パイプで形成されている。接続部品への接続は、パイプスリーブの内側で行われる。通常のパイプの形状は「U」の字の形をとっており、上及び下のアームはミラーホルダへの接続部となっており、「U」の字の真ん中の部分は大まかに近似して回転軸に平行に延びている。その結果、前後軸Bはパイプの末端の中心軸として第一または第二接続部品のパイプスリーブの中に、回転軸に直行して形成される。これにより、一方では古くからの考え方に回帰することになるが、他方では部品の点数を少なくするための解決手段を実現することもできる。それぞれの実施例のための個々の部品の工具コストが、支持構造の全体がその実施例のために特別に製造される「設計」部品からなる場合に比べて低く抑えられるからである。対応する解決手段が図9に示されているが、ミラーアームは二つの部品からなり、第二接続部品としてのパイプスリーブ12と支持パイプ13から形成されている。
【0044】
係止スリーブ12と支持パイプ13を含む実施形態により、さらにこの創意あるホルダの使用の柔軟性が向上する。支持パイプが前後軸Bの周りに回転することにより、パイプスリーブの中で任意の回転位置となることにより、支持パイプの位置を異ならせ、従って同一のミラーホルダを利用して回転軸Aに対して相対的にミラーヘッドの位置を異ならせることが可能になる。よって、同一のミラーホルダが異なる車両に使用可能となる。
【0045】
図11は、第一接続部品として環状の突起と係止形状を外壁18に付与したミラーベース10を示している。接続部品が射出成形又はダイカストしたプラスチック部品として製造されていると、実施に必要な外壁面18を備える棒状部材14の要素と係合要素としての環状の突起20とを含む好適な形状を、余分な複雑さなしに製造可能である。外壁面18に係止形状を施す代わりに、係止形状を図12に示されるように棒状部材14の端面34に施し、ミラー側ホルダ12のスリーブ底面36(図2参照)の係止面と共に機能するようにしてもよい。
【0046】
振動特性に関して、ミラーホルダがいかに頑丈に作られているかが極めて重要である。例えば支持パイプ13又はミラーヘッドのような支持構造の頑丈さに加え、ホルダー4、6の相互間の距離や回転軸からのミラーヘッドの距離などの幾何的な関係に依存して、棒状部材14の位置が頑丈に固定されていることが重要である。車両側接続部品10に十分な設計と空間の自由度がある場合、棒状部材を接続部品10のベース本体に接続する第二の接続体を設けることが可能である。これは、棒状部材14の端部に横方向ウェブ38を設けることで達成可能である。これに伴い、この実施形態においてはスリーブ部材16は貫通孔を有する。壁面18及び24の係合要素及び保持部材はもはや位置を保証するためには必要なくなる。なぜならこの機能はすでに横方向ウェブ38によってもたらされているからである。図13及び14は対応する解決手段を例示するものである。
【0047】
本発明の他の実施形態が図15に示される。球状ヘッド40が棒状部材18の端部に設けられていれば、位置保持機能も保証される。この場合には、異なる用途に同一のミラーホルダを利用するに際してのさらなる柔軟性という形で、もう一つの利点が達成される。図9に示したようにパイプスリーブ12の内側に支持パイプ13を任意回転できるように取り付ける場合と共通して、回転軸Aの周りに回転させる機能を維持しながらミラーホルダに対する支持構造及びミラーヘッドの相対位置を変化させることが可能である。もう一方の解決手段に比べて柔軟性が低いことで制限効果を有するが、しかし、係止スリーブにおけるパイプの相対位置を縦方向の回転軸Bに対する相対的な取り付けによって任意に選ぶ場合にはミラー及びミラーベースの相対位置がそれきり固定されるのに対し、この場合には支持構造(支持パイプ及び/又は支持ヘッド)の組み立ての後も、ミラーベースに対するミラーの相対位置を変化させることが可能である。
【0048】
本発明の回転接続部は、必要な固着力又は係止/摩擦力を乗り越えるという条件において、基本的に二つの接続部品10及び12が360°回転するのを許容するので、回転接続部の回転範囲を制限するために壁面18及び24を除く二つの接続部品の適当な位置に、一つ又はそれ以上のかみ合う爪42、44をそれぞれ設けることができる。このような爪の一例を図17に示す。
【0049】
ここまでの記載において、本発明に係るミラーホルダについて特定の実施形態を参照しながら説明した。しかしながら、特許請求の範囲で定義されるミラーホルダはこれらの実施形態に限定されない。特に、個々の実施形態を互いに組み合わせることも可能である。
【0050】
本発明に係るミラーホルダが二つの射出成形プラスチック部品で作られている場合には、これらは後で見えるミラーホルダの外側の表面を直接形成するように実施してもよい。これにより、全く分解の労力なしにプラスチックに特化した方法でリサイクルすることが可能になるという利点がある。しかしながら他方で、部品の配置に関する自由度を上げることを目的として、それらにカバーをすることも考えうる。
【0051】
さらに、本発明に係るミラーホルダについて種々の実用車両のミラーを参照しながら説明した。しかしながら、ミラーホルダの基本原理は乗用車及びオートバイの分野にも転用可能である。
【0052】
図10に示された解決手段から出発して、典型的にはランプミラーやフロントミラーに使用されるようなホルダを一つのみ備えるミラーシステムに類似のミラーホルダを利用することも可能である。従って、要求されるミラーヘッドの調整可能性が、低コストのミラーホルダを使用することによって最も簡単な方法で実現される。
【符号の説明】
【0053】
2 ミラーアセンブリ
4 上側ミラーホルダ
6 下側ミラーホルダ
8 ミラーハウジング
10 車両側ホルダ(第一接続部品)
12 ミラー側ホルダ(第二接続部品)
13 支持パイプ
14 棒状部材
16 スリーブ部材
18 外壁面
20 突起
22 溝
24 内壁面
26 固定部
28 穴
30 (第一)係止面
32 (第二)係止面
34 端面
36 スリーブ底部
38 横方向ウェブ
40 球状ヘッド
42 止め具
44 止め具
A 回転軸
B 前後軸
D 壁の厚さ
d 壁の厚さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(A)の周りに回転可能なように互いに接続された第一及び第二接続部品(10、12)を有する自動車ミラー(8)用のミラーホルダ(4、6)であって、
前記第一接続部品(10)は回転軸(A)の周りに回転対称な外壁面(18)を有する棒状部材(14)を備え、
前記第二接続部品(12)は、棒状部材(14)を取り囲んで、かつ回転対称な前記外壁面(18)と相補的な形状を有する内壁面(24)を有する、スリーブ部材(16)を備え、
前記棒状部材(14)又はスリーブ部材(16)は、スリーブ部材(16)又は棒状部材(14)に形成された相補的な形状を有する保持部材(22)に係合されて二つの係合部材(10、12)が回転軸(A)の方向にずれるのを阻止する、少なくとも一つの係合要素(20)を備えるミラーホルダ。
【請求項2】
前記スリーブ部材(16)と前記棒状部材(14)は、相補的な形状を有する第一及び第二係止面(30、32)を有することを特徴とする請求項1に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項3】
前記二つの係止面(30、32)は、棒状部材(14)及びスリーブ部材(16)の壁面(18、24)に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項4】
前記二つの係止面(30、32)は、棒状部材(14)の端面(34)及びスリーブ部材(30)の底面(36)に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のミラーホルダ。
【請求項5】
前記回転軸(A)は、第一接続部品及び/又は第二接続部品(12)から前後軸(B)を横断して形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項6】
少なくとも第二接続部品(12)のスリーブ部材(16)は、射出成形された部品であり、第一のプラスチック材料よりなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項7】
少なくとも第一接続部品(10)の棒状部材(14)は、射出成形された部品であり、第二のプラスチック材料からなり、かつ、前記第一のプラスチック材料は前記第二のプラスチック材料よりも低い融点を有することを特徴とする請求項6に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項8】
前記棒状部材(14)は射出成形された部品であり、第二のプラスチック材料よりなり、かつ、第一のプラスチック材料及び第二のプラスチック材料は互いに親和性のないプラスチック材料であることを特徴とする請求項6に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項9】
前記保持部材は、棒状部材(14)又はスリーブ部材(16)の壁面(18、24)に形成された切れ目のない溝(22)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項10】
前記係合要素は、前記溝(22)に係合する突起(20)であることを特徴とする請求項9に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項11】
前記溝(22)及び前記突起(20)は、各壁面の端部に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項12】
前記第一及び第二係止面(30、32)が溝(22)の中又は突起(20)の上にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項11に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項13】
前記第一接続部品(10)は、前記棒状部材(14)の代わりに、第二接続部品(12)に形成された相補的な形状を有する部分に取り囲まれた球状部を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項14】
二つの接続部品のうちの一方はミラーを車両に取り付けるためのミラーベース(10)であり、他方はミラーアーム又はミラーアームの部品(12)であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項15】
インモールドアセンブリ法によって製造されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項16】
前記第二接続部品(16)の製造中に、溶融したプラスチック材料が、前記第一接続部品(10)のプラスチック材料と強固に接合しないことを特徴とする請求項15に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項17】
前記第二接続部品(12)の製造工程の完了によって、プラスチック材料の凝固のために棒状部材(14)がスリーブ部材(16)によって定常的に押圧されることを特徴とする請求項16に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項18】
二つの接続部品(10、12)は、外れないような方法で互いに接続されていることを特徴とする請求項1〜17に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項19】
前記棒状部材(14)及び前記スリーブ部材(16)はそれぞれ一体的に形成されることを特徴とする請求項1〜18に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項20】
少なくとも一つの請求項1〜19に記載のミラーホルダ(4、6)及びそれに固定されたミラー(8)を有するミラーアセンブリ(2)。
【請求項1】
回転軸(A)の周りに回転可能なように互いに接続された第一及び第二接続部品(10、12)を有する自動車ミラー(8)用のミラーホルダ(4、6)であって、
前記第一接続部品(10)は回転軸(A)の周りに回転対称な外壁面(18)を有する棒状部材(14)を備え、
前記第二接続部品(12)は、棒状部材(14)を取り囲んで、かつ回転対称な前記外壁面(18)と相補的な形状を有する内壁面(24)を有する、スリーブ部材(16)を備え、
前記棒状部材(14)又はスリーブ部材(16)は、スリーブ部材(16)又は棒状部材(14)に形成された相補的な形状を有する保持部材(22)に係合されて二つの係合部材(10、12)が回転軸(A)の方向にずれるのを阻止する、少なくとも一つの係合要素(20)を備えるミラーホルダ。
【請求項2】
前記スリーブ部材(16)と前記棒状部材(14)は、相補的な形状を有する第一及び第二係止面(30、32)を有することを特徴とする請求項1に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項3】
前記二つの係止面(30、32)は、棒状部材(14)及びスリーブ部材(16)の壁面(18、24)に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項4】
前記二つの係止面(30、32)は、棒状部材(14)の端面(34)及びスリーブ部材(30)の底面(36)に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のミラーホルダ。
【請求項5】
前記回転軸(A)は、第一接続部品及び/又は第二接続部品(12)から前後軸(B)を横断して形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項6】
少なくとも第二接続部品(12)のスリーブ部材(16)は、射出成形された部品であり、第一のプラスチック材料よりなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項7】
少なくとも第一接続部品(10)の棒状部材(14)は、射出成形された部品であり、第二のプラスチック材料からなり、かつ、前記第一のプラスチック材料は前記第二のプラスチック材料よりも低い融点を有することを特徴とする請求項6に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項8】
前記棒状部材(14)は射出成形された部品であり、第二のプラスチック材料よりなり、かつ、第一のプラスチック材料及び第二のプラスチック材料は互いに親和性のないプラスチック材料であることを特徴とする請求項6に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項9】
前記保持部材は、棒状部材(14)又はスリーブ部材(16)の壁面(18、24)に形成された切れ目のない溝(22)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項10】
前記係合要素は、前記溝(22)に係合する突起(20)であることを特徴とする請求項9に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項11】
前記溝(22)及び前記突起(20)は、各壁面の端部に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項12】
前記第一及び第二係止面(30、32)が溝(22)の中又は突起(20)の上にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項11に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項13】
前記第一接続部品(10)は、前記棒状部材(14)の代わりに、第二接続部品(12)に形成された相補的な形状を有する部分に取り囲まれた球状部を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項14】
二つの接続部品のうちの一方はミラーを車両に取り付けるためのミラーベース(10)であり、他方はミラーアーム又はミラーアームの部品(12)であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項15】
インモールドアセンブリ法によって製造されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項16】
前記第二接続部品(16)の製造中に、溶融したプラスチック材料が、前記第一接続部品(10)のプラスチック材料と強固に接合しないことを特徴とする請求項15に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項17】
前記第二接続部品(12)の製造工程の完了によって、プラスチック材料の凝固のために棒状部材(14)がスリーブ部材(16)によって定常的に押圧されることを特徴とする請求項16に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項18】
二つの接続部品(10、12)は、外れないような方法で互いに接続されていることを特徴とする請求項1〜17に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項19】
前記棒状部材(14)及び前記スリーブ部材(16)はそれぞれ一体的に形成されることを特徴とする請求項1〜18に記載のミラーホルダ(4、6)。
【請求項20】
少なくとも一つの請求項1〜19に記載のミラーホルダ(4、6)及びそれに固定されたミラー(8)を有するミラーアセンブリ(2)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2012−520788(P2012−520788A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500241(P2012−500241)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053474
【国際公開番号】WO2010/106107
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(500020380)メクラ・ラング・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー (21)
【氏名又は名称原語表記】MEKRA Lang GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053474
【国際公開番号】WO2010/106107
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(500020380)メクラ・ラング・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー (21)
【氏名又は名称原語表記】MEKRA Lang GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】
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