説明

自動車制御システム、自動車及び自動車制御プログラム

【課題】 特定の運転免許証の運転免許データに対応付けられた自動車を、特定の運転免許証を所持する人のみが運転でき、それ以外の人が運転できないようにする自動車制御システムを提供する。
【解決手段】 自動車103に搭載され、運転免許情報及びこれに関連する情報が運転免許データとして書き込まれたICチップを内蔵する運転免許証101を読み取るとともに、読み取られた運転免許データと内部にあらかじめ格納された認証データとを比較し、認証データのすべてが運転免許データに含まれているとき適正信号を出力し、含まれていないとき不適正信号を出力するICカードリーダ102と、ICカードリーダから適正信号が出力されたとき自動車の動作を可能にし、ICカードリーダから不適正信号が出力されたとき自動車の動作をロックする制御手段206とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップを内蔵した運転免許証から得られる情報によって、自動車が動作する状態と自動車の動作をロックする状態とに切り替える自動車制御システム、及びこの自動車制御システムを備えた自動車、並びにコンピュータに運転免許証の照合をさせる自動車制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2001年の道路交通法の改正により、運転免許証の記載事項を電磁的方法によって記録することが可能になり、電磁的方法の1つとして運転免許証のICカード化がある。運転免許証のICカード化は、偽造や変造の防止、交通警察業務の合理化及び効率化、本籍欄の券面からの削除によるプライバシー保護、国際標準化への対応などを目的としている。しかし、ICカード化された運転免許証の更なるメリットが求められている。また、近年、自動車のIT化が進められると同時に、ユビキタスネットワーク時代の到来により、ICカードの情報を利用して通信ネットワークを用いるものなど、自動車を無線ネットワークで結ぶシステムが今後順次に発売されることが予測される。
【0003】
自動車とICカードとを関連付ける従来のシステムとして、例えば、有料道路のETC(自動料金収受)システムがある。このETCシステムは、ユーザごとに所持するICカードと、自動車ごとに固定的に搭載された車載器と、料金所ごとに設置された路側器とで構成され、ICカードと路側器とは車載器を介して通信を行う。このETCシステムでは、ユーザは自動車搭乗時に自己の所持するICカードをその自動車に搭載された車載器に挿入する。そして、自動車が料金所をノンストップで通過するとき、その料金所に設置された路側器は料金所を通過する自動車に搭載された車載器に挿入されているICカードに料金を課金する。この場合、電子的な決済処理を行うICカードと路側器との間で認証を行うことが必要になる。
【0004】
このような認証を行うものとして、ICカードと車載器の相互認証と、ICカードから車載器へのICカードの路側器用の認証データの転送と、車載器と路側器との相互認証と、車載器から路側器へのICカードの路側器用の認証データの転送と、路側器による、転送された認証データを用いてのICカードの認証とが行われる情報システムが開示されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−205308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の情報システムは、ICカードの認証によって、無線システムでレーンを開けたり、開けなかったりするのみで、ICカードと運転免許証とは別々に管理され、その情報システムが提案された当時は運転免許証のIC化が決定されていなかったこともあって、運転免許証をリンクさせたシステムではなかった。
【0006】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたもので、その目的は、ICチップを内蔵する特定の運転免許証の運転免許データに対応付けられた自動車を、特定の運転免許証を所持する人のみが運転でき、それ以外の人が運転できないようにする自動車制御システム、自動車及び自動車制御プログラムを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、運転免許証を不携帯のまま運転して、無免許運転による道路交通法違反などの罰則を受けることを未然に防止することができる自動車制御システム、自動車及び自動車制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、運転免許情報及びこれに関連する情報が運転免許データとして書き込まれたICチップを内蔵する運転免許証によって、自動車が動作する状態と自動車の動作をロックする状態とに切り替える自動車制御システムであって、
前記自動車に搭載され、前記ICチップに書き込まれた前記運転免許データを読み取るとともに、読み取った前記運転免許データと内部にあらかじめ格納された認証データとを比較し、前記認証データのすべてが前記運転免許データに含まれているとき適正信号を出力し、前記認証データのすべてが前記運転免許データに含まれていないとき不適正信号を出力するICカードリーダと、
前記ICカードリーダから適正信号が出力されたとき前記自動車の動作を可能にし、前記ICカードリーダから不適正信号が出力されたとき前記自動車の動作をロックする制御手段とを、
備える。
この構成により、特定の運転免許証の運転免許データに対応付けられた自動車を、特定の運転免許証を所持する人のみが運転でき、それ以外の人が運転できないようにすることができる。また、運転免許証を不携帯のまま運転して、無免許運転による道路交通法違反などの罰則を受けることを未然に防止することができる。
【0009】
また、本発明は、前記認証データが、前記自動車を適正に使用できる人が所持する前記運転免許証の前記ICチップに書き込まれた前記運転免許データのうちの少なくとも一部を選択したデータである。
この構成により、運転免許証の券面に記載されていない情報も、自動車を運転することができる人の運転免許証であることの確認に使用されるため、より確実な認証が可能になる。
【0010】
また、本発明は、前記ICカードリーダに複数の人の前記認証データが格納されている。
この構成により、1台の自動車を家族複数人で使用している場合など、使用を許可された複数人が運転することができる。
【0011】
また、本発明は、情報端末から、ネットワークを介して、アクセスすることにより、前記ICカードリーダの出力に優先して前記制御手段が前記自動車の動作を可能にする状態と前記自動車の動作をロックする状態とのいずれにも設定することが可能な通信手段を備える。
この構成により、特定の運転免許証を所持する人がその運転免許証の不携帯時又は自動車を貸した人の運転を可能にするとともに、特定の運転免許証を所持する人が、その運転免許証を抜き忘れた場合などの盗難や不正乗車を防ぐことができる。
【0012】
また、本発明は、上述したうちのいずれか1つに記載の自動車制御システムを備えた自動車である。
この構成により、特定の運転免許証の運転免許データに対応付けられた自動車を、特定の運転免許証を所持する人のみが運転でき、それ以外の人が運転できないようにすることができる。
【0013】
また、本発明は、コンピュータを含むICカードリーダが自動車に搭載され、運転免許情報及びこれに関連する情報が運転免許データとして書き込まれたICチップを内蔵する運転免許証を前記ICカードリーダに挿入して前記運転データを読み取るとともに、前記コンピュータにあらかじめ格納された認証データと読み取った前記運転免許データとを照合して前記自動車が動作する状態と前記自動車の動作をロックする状態とに切り替える自動車制御プログラムであって、
前記運転免許証が挿入されたとき前記運転免許データを読み取るステップと、
読み取った前記運転免許データを照合対象データとして認識するステップと、
前記照合対象データとして認識された前記運転免許データと前記認証データとを相互に比較するステップと、
相互に比較された前記認証データのすべてが前記運転免許データに含まれているとき適正信号を出力し、相互に比較された前記認証データのすべてが前記運転免許データに含まれていないとき不適正信号を出力するステップと、
前記適正信号が出力されたとき前記自動車の動作を可能にし、前記不適正信号が出力されたとき前記自動車の動作をロックするステップとを、
備える。
この自動車制御プログラムを使用することによって、特定の運転免許証の運転免許データに対応付けられた自動車を、特定の運転免許証を所持する人のみが運転でき、それ以外の人が運転できないようにするシステムの構築が容易になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、運転免許データが書き込まれたICチップを内蔵する運転免許証を自動車に搭載されたICカードリーダに読み取らせることによって、読み取られた運転免許データとあらかじめ登録された認証データとが比較され、さらに、認証データのすべてが運転免許データに含まれているとき自動車の動作を可能にし、認証データのすべてが運転免許データに含まれていないとき自動車の動作をロックするので、特定の運転免許証の運転免許データに対応付けられた自動車を、特定の運転免許証を所持する人のみが運転でき、それ以外の人が運転できないようにすることができる。また、運転免許証を不携帯のまま運転して、無免許運転による道路交通法違反などの罰則を受けることを未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る自動車制御システムの一実施の形態の概略構成を示す系統図である。図1において、運転免許証101を挿入したときその運転免許データを読み取るICカードリーダ102が自動車103に搭載されており、この自動車103から離隔した情報端末104が、通信ネットワーク網105を介して、自動車103にアクセスできるように構成されている。運転免許証101は運転免許情報及びこれに関連する情報が運転免許データとして書き込まれている。ICカードリーダ102はこの運転免許データを読み取るとともに、読み取った運転免許データとあらかじめ登録されて内部に格納されている認証データとを比較し、認証データのすべてが運転免許データに含まれているとき自動車103の走行を可能にする信号を出力するように構成されている。認証データの登録はキー入力型の一般に周知の入力装置を使用することができる。情報端末104は、通信ネットワーク網105を介して、自動車103にアクセスすることにより、ICカードリーダ102の出力信号に優先して、自動車の動作を可能にする状態と自動車の動作をロックする状態とのいずれにも設定できるように構成されている。
【0016】
図2は図1に示した自動車制御システムの詳細な構成を示すブロック図である。図2において、ICカードリーダ102は、運転免許証101に内蔵されたICチップ201の運転免許データを読み取るとともに、読み取った運転免許データを照合対象データとして認識する情報認識手段202と、運転免許データのうち、運転免許証を所持する人が適宜に選択して登録したデータを格納させてある認証データ格納手段203と、認証データ格納手段203に格納された認証データを読み取り、その認証データと情報認識手段202によって照合対象データとして認識されたデータとを比較する比較手段204と、この比較手段204の比較結果に基づき、認証データのすべてが運転免許データに含まれているとき自動車103を適正に使用できる人の運転免許証であると判定して適正信号を出力し、認証データのすべてが運転免許データに含まれていないとき自動車103を適正に使用できる人の運転免許証ではないと判定して不適正信号を出力する判定手段205を備えている。なお、認証データ格納手段203には自動車103を家族複数人で使用している場合など、複数人の認証データを登録できるようになっている。
【0017】
このICカードリーダ102の出力端、すなわち判定手段205の出力端には、例えば電子的なスイッチで構成される制御手段206が接続されている。この制御手段206は判定手段205から適正信号が出力されたとき、エンジン動作手段207を動作状態(エンジン動作)とし、判定手段205から不適正信号が出力されたとき、エンジン動作手段207の動作をロック(エンジンの動作をロック)するように切り替えるものである。また、自動車103には、通信ネットワーク網105を介して、受信して得られた信号に基づいて、ICカードリーダ102が出力する適正信号及び不適正信号に相当する許可信号及び不許可信号を制御手段206に加える通信手段B210が設けられている。制御手段206は通信手段B210から加えられる許可信号及び不許可信号をICカードリーダ102から加えられる適正信号及び不適正信号よりも優先してエンジン動作手段207を制御する。一方、通信ネットワーク網105を介して接続される情報端末104は、例えば携帯電話やパソコンなどであり、入力手段208と、通信手段A209とを備えている。
【0018】
次に、上記のように構成された自動車制御システムの一実施の形態の動作について以下に説明する。運転免許証101はICチップ201を内蔵しており、このICチップ201には運転免許情報及びこれに関連する情報が運転免許データとして書き込まれている。運転免許情報とはその券面で視認できる情報であり、関連する情報とは本籍地などの個人情報、住所変更などのデータ、運転違反履歴情報などである。この運転免許証101をICカードリーダ102に挿入すると情報認識手段202がICチップ201に書き込まれた運転免許データを読み取り、続いて、読み取った運転免許データを照合対象データと認識する。認証データ格納手段203には自動車103を保有する人又はその家族など、自動車を適正に使用できる人によって登録された認証データが格納されている。この認証データとしては運転免許データのうち、運転免許情報のみであっても、あるいは運転免許情報にその関連情報の一部を加えたものであってもよく、要は自動車を適正に使用できる人が運転免許データの中から少なくとも一部を選択したデータであればよい。比較手段204は認証データ格納手段203の認証データを読み取り、続いて読み取った認証データと、情報認識手段202で照合対象として認識された運転免許データとを順次比較する。すなわち、認証データ格納手段203に格納されている認証データごとに、そのデータと同一のデータが照合対象と認識された運転免許データ中に存在するか否かを判定する。判定手段205は認証データのすべてが運転免許データに含まれているとき自動車103を適正に使用できる人であると判定して適正信号を出力し、認証データのすべてが運転免許データに含まれていないとき自動車103を適正に使用できる人でないと判定して不適正信号を出力する。制御手段206は適正信号が加えられたときエンジン動作手段207を動作させ、不適正信号が加えられたときエンジン動作手段207の動作をロックする。
【0019】
一方、自動車103を保有する人又はその自動車103の使用を許可された人が運転終了後にICカードリーダ102から運転免許証101を抜き忘れた場合には他人の運転が可能になる。このような場合、エンジン動作をロックして運転できないようにする必要がある。またこれとは逆に、暗証データを登録していない人に自動車103を貸した場合、暗証データを登録しなくとも自動車103を運転できるようにする必要もある。このような場合、情報端末104の入力手段208を用いて、自動車103の動作をロックする不許可信号や自動車103の動作を可能にする許可信号を、通信手段A209、通信ネットワーク網105及び通信手段B210経由にて、制御手段206に加える。制御手段206はICカードリーダ102から出力される信号よりも通信手段B210から加えられる不許可信号又は許可信号を優先して、不許可信号が加えられたときエンジン動作手段207の動作をロックし、許可信号が加えられたときエンジン動作手段207を動作させる。
【0020】
このようにして、認証データ格納手段203に格納された認証データのすべてが情報認識手段202によって認識された運転免許データに含まれているとき自動車103が動作する状態にされ、これ以外では自動車103の動作をロックする状態にされるので、特定の運転免許証の運転免許データに対応付けられた自動車103を、特定の運転免許証を所持する人のみが運転でき、それ以外の人が運転できないようにすることができる。また、通信ネットワーク網105を介して、ICカードリーダ102の出力に優先して制御手段206の出力状態を制御することにより、エンジン動作手段207を動作させる状態と動作をロックする状態とのいずれの状態にも設定することができる。
【0021】
ところで、ICカードリーダ102の機能及び制御手段206の機能を、CPU、RAM、ROM、記憶装置、I/Oなどを備えた電気情報機器、コンピュータ、サーバなどのハードリソースを協働させて実現することができる。図3はこれらの機能を、例えばコンピュータに持たせた場合の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下、図3にしたがって具体的な処理手順を説明する。
まず、ステップS01で運転免許証101がICカードリーダ102に挿入されると、ステップS02でICチップ201に書き込まれた運転免許データを読み取る。次に、ステップS03で運転免許データを認証対象データと認識する。ステップS04ではあらかじめ登録された認証データを読み取り、さらに、ステップS05では認識された認証対象データ(運転免許データ)と認証データとを比較する。次に、ステップS06で認証データのすべてが運転免許データ中に存在するか否かを判定し、存在すれば適正に使用できる本人と判定してS07の処理に進み、存在しなければ処理を終了する。S07では自動車を動作させる信号を出力し、ステップS08で自動車103のエンジンが動作状態となり、ここで処理を終了する。
【0022】
一方、情報端末104で外部から自動車103を運転可能にしたり、反対に運転不能にしたりするには、ステップS09で情報端末104の入力手段208によって自動車103へアクセスし、次のステップS10で自動車103の通信手段B210により許可信号又は不許可信号を加え、その後、ステップS07以下の処理を実行する。
【0023】
このように、図3のフローチャートに示す処理を実行する自動車制御プログラムをハードデスクに記録させてセットアップしたり、あるいは、インターネットを介してダウンロードしたりすることにより、特定の運転免許証を所持する人のみが運転でき、それ以外の人が運転できないようにする自動車制御システムを容易に構築することができる。
【0024】
また、上述したような自動車制御システムを自動車に搭載することにより、特定の運転免許証を所持する人のみが運転でき、それ以外の人が運転できないようにする自動車が提供される。
【0025】
なお、上述した一実施の形態では、制御手段206によってエンジンを動作状態にしたり、エンジンの動作をロックしたりしたが、この代わりにエンジンを動作させる電気系統をオン状態あるいはオフ状態にすることにより、自動車の動作を可能にしたり、自動車の動作をロックしたりしても上述したと同様な効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように、本発明によれば、運転免許証に書き込まれた運転免許データを読み取るとともに、読み取られた運転免許データと内部にあらかじめ格納された認証データとを比較し、認証データのすべてが前記運転免許データに含まれているとき自動車を適正に使用できる人である適正信号を出力し、認証データのすべてが前記運転免許データに含まれていないとき自動車を適正に使用できる人でない不適正信号を出力するICカードリーダと、ICカードリーダから適正信号が出力されたとき自動車の動作を可能にし、ICカードリーダから不適正の信号が出力されたとき自動車の動作をロックする制御手段とを備えることによって、ICチップを内蔵する特定の運転免許証の運転免許データに対応付けられた自動車を、特定の運転免許証を所持する人のみが運転でき、それ以外の人が運転できないようにすることができ、さらに、運転免許証を不携帯のまま運転して、無免許運転による道路交通法違反などの罰則を受けることを未然に防止することができるので、自動車制御システムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る自動車制御システムの一実施の形態の概略構成を示す系統図
【図2】図1に示した自動車制御システムの詳細な構成を示すブロック図
【図3】図2に示した自動車制御システムの機能を、コンピュータに持たせた場合の処理手順の一例を示したフローチャート
【符号の説明】
【0028】
101 運転免許証
102 ICカードリーダ
103 自動車
104 情報端末
105 通信ネットワーク網
201 ICチップ
202 情報認識手段
203 認証データ格納手段
204 比較手段
205 判定手段
206 制御手段
207 エンジン動作手段
208 入力手段
209 通信手段A
210 通信手段B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転免許情報及びこれに関連する情報が運転免許データとして書き込まれたICチップを内蔵する運転免許証によって、自動車が動作する状態と自動車の動作をロックする状態とに切り替える自動車制御システムであって、
前記自動車に搭載され、前記ICチップに書き込まれた前記運転免許データを読み取るとともに、読み取った前記運転免許データと内部にあらかじめ格納された認証データとを比較し、前記認証データのすべてが前記運転免許データに含まれているとき適正信号を出力し、前記認証データのすべてが前記運転免許データに含まれていないとき不適正信号を出力するICカードリーダと、
前記ICカードリーダから適正信号が出力されたとき前記自動車の動作を可能にし、前記ICカードリーダから不適正信号が出力されたとき前記自動車の動作をロックする制御手段とを、
備えた自動車制御システム。
【請求項2】
前記認証データが、前記自動車を適正に使用できる人が所持する前記運転免許証の前記ICチップに書き込まれた前記運転免許データのうちの少なくとも一部を選択したデータである請求項1に記載の自動車制御システム。
【請求項3】
前記ICカードリーダに複数の人の前記認証データが格納されている請求項1に記載の自動車制御システム。
【請求項4】
情報端末から、ネットワークを介して、アクセスすることにより、前記ICカードリーダの出力に優先して前記制御手段が前記自動車の動作を可能にする状態と前記自動車の動作をロックする状態とのいずれにも設定することが可能な通信手段を備えた請求項1から3のいずれか1つに記載の自動車制御システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の自動車制御システムを備えた自動車。
【請求項6】
コンピュータを含むICカードリーダが自動車に搭載され、運転免許情報及びこれに関連する情報が運転免許データとして書き込まれたICチップを内蔵する運転免許証を前記ICカードリーダに挿入して前記運転データを読み取るとともに、前記コンピュータにあらかじめ格納された認証データと読み取った前記運転免許データとを照合して前記自動車が動作する状態と前記自動車の動作をロックする状態とに切り替える自動車制御プログラムであって、
前記運転免許証が挿入されたとき前記運転免許データを読み取るステップと、
読み取った前記運転免許データを照合対象データとして認識するステップと、
前記照合対象データとして認識された前記運転免許データと前記認証データとを相互に比較するステップと、
相互に比較された前記認証データのすべてが前記運転免許データに含まれているとき適正信号を出力し、相互に比較された前記認証データのすべてが前記運転免許データに含まれていないとき不適正信号を出力するステップと、
前記適正信号が出力されたとき前記自動車の動作を可能にし、前記不適正信号が出力されたとき前記自動車の動作をロックするステップとを、
備えた自動車制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−290170(P2006−290170A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−113944(P2005−113944)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】