説明

自己位置計測装置およびこれを用いたサービス方法

【課題】画像情報を基に自己位置を計測する自己位置計測装置において、画像処理の負担を低減し、消費電力の低減を実現する自己位置計測装置を提供する。
【解決手段】自己の位置を計算する自己位置計測装置30において、所定の空間における照明光源20を含む画像を画像情報22として取得する画像情報取得手段と、画像取得手段により取得された画像情報22から、照明光源20の画像である抽出照明光源画像情報24を抽出する照明光源画像抽出手段と、照明光源画像抽出手段により抽出された抽出照明光源画像情報24を記憶する第一の記憶手段25と、照明光源20の個々に関する情報である参照照明光源画像情報26を予め記憶する第二の記憶手段27と、抽出照明光源画像情報24及び参照照明光源画像情報26に基づいて自己の位置を計算する自己位置計測手段28と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置自身の位置を計測する自己位置計測装置およびこれを用いたサービス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人およびモノの位置を計測するために、装置自身の位置を計測する自己位置計測装置が多数考案されており、この自己位置計測装置を人が身に着けたり、モノに付着せしめたりすることにより、人およびモノの位置を計測することが実現されている。車に搭載されているカーナビゲーションや携帯電話にも多く利用されているGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)はその一例である。GPSは、地球を周回する人工衛星からの電波を用いた三角測量に基づく装置である。
【0003】
GPS以外の例としては、無線LAN機能を利用して、その無線の強弱や位相差から三角測量する自己位置計測装置が考案されており、GPSにおける10m以上の精度が改良されて、室内では1〜3m程度の精度が実現されている。近年では、より高周波のUWB(Ultra Wide Band)帯域を利用することにより、1m以下の精度も実現されている。他にも、最近では、無線の基地局レベルでの位置を利用した、屋外における自己位置計測装置も実現されている。また、バッチ型のRFID(Radio Frequency IDentification)を用いた室内における自己位置計測装置も実現されている。しかしながら、上述した無線を利用する自己位置計測装置は、無線通信に携帯機器としては比較的に大きな消費電力を必要とするために、小型の装置または利用時間の長い装置を実現しにくかった。また、無線ネットワークから通信された情報を装置で利用しない場合においても装置の自己位置計測のために無線通信を行うことは、本来の情報に対する無線通信に対しては大きな負荷エネルギーであり、省エネルギーの視点でもエネルギー負荷があることとなり好ましくはない。また、バッチ型のRFIDを用いた室内における位置計測方法の場合には、省エネルギーではあるものの、通常はその精度が数m程度であり、実際の室内における場所が不明確なことに問題がある。
【0004】
一方、無線通信を利用しない自己位置計測装置としては、例えば、屋外や室内に設置された監視カメラやWEBカメラを利用して、画像処理によりその画像から人やモノといった対象を区別するだけに留まらず、画像対象のID(個体識別)をすることにより、特定の人やモノの位置を計測することで、その目的を実現する方法も考案されている。さらには、腕や手、脚や靴といった身体の末端器官部分に光を発するモジュールを装着することにより、人の屋外や室内の位置にとどまらず、人の手足の動きまでも計測するものもある。しかしながら、これらの画像処理を用いる自己位置計測方法(装置)は、位置計測したい人やモノが存在している空間に監視カメラと同等の複数のカメラを設置する必要があり、装置が非常に大掛かりとなってしまう上に、監視カメラやテレビ会議等の機能が不要な場合にはエネルギー的にも無駄が多い。
【0005】
上記画像処理を用いる例の他にも、無線通信や電波を利用しない自己位置計測装置がある。例えば、加速度センサーやジャイロセンサー、地磁気センサーを用いる装置も多数考案されている。しかし、これらはどれも基本的には位置自体ではなく位置移動量を計測するものである。よって、これら単独では、誤差積算によりその位置精度が経時的に悪化してしまうため、その個別の方法の精度にもよるが、いずれもが一定時間内に他の手法と組み合わせる必要が生じる装置であり、単独での自己位置計測はできない。
【0006】
さらには、装置自身が入力(取得)した画像情報により装置の位置を計測する装置も多数考案されている。これらは、装置自身の位置を計測する自体が主な目的な装置はなく、特許文献1および特許文献2に示されるように、3次元入力装置といった技術分類となる周囲環境の3次元画像情報を入力することが主な目的とする装置が多く、結果としてその装置自身の位置が計測されることとなる。これらの方法は、屋外の通りや室内の複数の3次元画像情報から、画像処理によりその特徴点およびオプチティカルフロー等を計算する必要があることから、その画像処理の負担が比較的に大きく、装置自体の小型化が難しい。また、屋外または室内のモノの移動が生じた場合には、その位置計測が困難となる場合が生じることが問題である。
【0007】
これに対して、装置自身が入力した画像情報より装置の位置を計測する他の装置としては、予め天井や家具やモノに対して人工的な幾何学的パターンを設け、これを画像処理により判別することにより、この装置の自己位置を測定する装置がある。例えば、紙に幾何学的パターンを設けた場合は、アノト社(Anoto Group AB、スエーデン国)によりデジタルペンとして実用化されている。しかしながら、これらに利用される人工的な幾何学的パターンは、その識別のしやすさから無機的なイメージのある室内空間に違和感のあるパターンであり、実際には上記のアノトや1次元および2次元バーコードのように紙に印刷された状態で利用する以外にはあまり用いられていない。室内空間やモノの概観の違和感を減じさせるために、必要な情報を自然画像またはデザイン画像に埋め込む考案もあるが、これらはそのトレードオフとしてより高解像度の画像入力装置(画像取得装置)が必要となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、画像情報を基に自己位置を計測する自己位置計測装置において、画像処理の負担を低減し、消費電力の低減を実現する自己位置計測装置およびこれを用いたサービス方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明の第1の態様は、自己の位置を計算する自己位置計測装置において、所定の空間における照明光源を含む画像を画像情報として取得する画像情報取得手段と、画像取得手段により取得された画像情報から、照明光源の画像である抽出照明光源画像情報を抽出する照明光源画像抽出手段と、照明光源画像抽出手段により抽出された抽出照明光源画像情報を記憶する第一の記憶手段と、照明光源の個々に関する情報である参照照明光源画像情報を予め記憶する第二の記憶手段と、抽出照明光源画像情報及び参照照明光源画像情報に基づいて自己の位置を計算する自己位置計測手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の第1の態様において、照明光源からの照明光に対し、照明光源の固有情報である照明光源固有情報を重畳する照明光源固有情報重畳手段と、画像情報取得手段により取得された画像情報からさらに照明光源画像抽出手段により抽出された抽出照明光源画像情報から、照明光源固有情報重畳手段により重畳された照明光源固有情報を抽出する照明光源固有情報抽出手段と、照明光源固有情報抽出手段により抽出された抽出照明光源固有情報を記憶する第三の記憶手段と、を有し、自己位置計測手段は、抽出照明光源画像情報及び抽出照明光源固有情報に基づいて自己の位置を計算することを特徴とする。
【0011】
本発明の第1の態様において、照明光源からの照明光に対し、照明光源の照明光制御状態を示す照明制御情報を重畳する照明制御情報重畳手段と、画像情報取得手段により取得された画像情報からさらに照明光源画像抽出手段により抽出された抽出照明光源画像情報から、照明制御情報重畳手段により重畳された照明制御情報を抽出する照明制御情報抽出手段と、照明制御情報により抽出された照明制御情報を記憶する第四の記憶手段と、を有し、自己位置計測手段は、抽出照明光源画像情報、抽出照明光源固有情報及び照明制御情報に基づいて自己の位置を計算することを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の態様において、画像情報取得手段により取得された画像情報からさらに照明光源画像抽出手段により抽出された抽出照明光源画像情報から、所定の空間における自然光の画像情報である参照自然光画像情報を獲得する参照自然光画像情報獲得手段と、参照自然光画像情報獲得手段により獲得された参照自然光画像情報を記憶する第五の記憶手段と、を有し、自己位置計測手段は、抽出照明光源画像情報、参照照明光源画像情報及び参照自然光画像情報に基づいて自己の位置を計算することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様の自己位置計測装置を用いて所定の制御を行うサービス方法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像情報を基に自己位置を計測する自己位置計測装置において、画像処理の負担を低減でき、消費電力の低減を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一の実施形態としての自己位置計測装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第一の実施形態としての自己位置計測装置の周囲環境例を示す図である。
【図3】本発明の第一の実施形態としての自己位置計測装置による画像情報例を示す図である。
【図4】本発明の第二の実施形態としての自己位置計測装置の構成例を示す図である。
【図5】本発明の第三の実施形態としての自己位置計測装置の構成例を示す図である。
【図6】本発明の第四の実施形態としての自己位置計測装置の構成例を示す図である。
【図7】本発明の第五の実施形態としての自己位置計測装置を用いたサービス方法例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施形態に係る自己位置計測装置の構成例について、図1に基づいて説明する。
【0018】
図1において、20は照明光源であり、21は画像情報入力手段(画像情報取得手段と呼ぶこともできる)であり、22は画像情報であり、23は照明光源画像抽出手段であり、24は抽出照明光源画像情報であり、25は第一の記憶手段であり、26は参照照明光源画像情報であり、27は第二の記憶手段であり、28は自己位置計算手段であり、29は自己位置情報であり、30は20ないし29より構成される自己位置計測装置である。
【0019】
図1において、最初に、画像情報入力手段21は、装置30のオフィスワーカの周囲環境となるオフィス空間の照明光源を含む画像を画像情報22として装置30に入力(取得)する。画像情報入力手段21は、デジタルカメラ、ビデオカメラ等と同様に光学レンズ本体と光学レンズ制御系と光学レンズによる結像面に配置したCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子等から構成される。この画像入力手段21には、赤外線または紫外線またはエックス線またはテラヘルツ波を用いたり、あるいは特殊なフィルタ処理または偏光処理を用いたりしてもよい。
【0020】
画像情報22として画像情報入力手段21により画像情報入力されるオフィス空間の構成例を、概要図となる図2に基づいて説明する。図2において、12はオフィス空間の一部であり、8は床であり、11は通路側壁であり、10は窓側壁であり、7は隣部屋との隔壁であり、9は天井であり、1a、1b、2a、2b、3a、3cは天井9に設けた室内天井照明光源であり、6は通路側の扉であり、5は扉に設けた小窓であり、4a、4bは窓である。
【0021】
図2において、1a、1b、2a、2b、3a、3cは、蛍光灯2本並列配列の照明器具に弱光学透過拡散性のカバーを設けたものであり、このため、この蛍光灯2本の並列配列に基づく輝度分布に基づく画像情報22が、図1における画像情報入力手段21により装置30に入力される。
【0022】
また、図2において、窓4a、4bが存在しており、この窓からは外光として太陽に起因する自然光が照明光源として入射するため、この窓の形状に基づいた外光としての照明光源からなる画像情報22が、蛍光灯の場合と同様に、図1における画像情報入力手段21により装置30に入力される。さらに、図2において、通路側の扉6には小窓5が設けてあり、通路の照明光源が十分に強い場合には、この小窓5も、オフィス空間に対する照明光源となりうる。
【0023】
このような図2のようなオフィス空間において、1a、1b、2a、2b、3a、3cからなる室内天井照明光源は、その機能から、通常はオフィス空間の中で他に存在する物体と比較して非常に明るい物体である。このため、図1において、装置30に入力された画像情報22から、照明光源画像抽出手段23により画像処理を行うことで比較的容易にこれら室内天井照明光源の画像、つまり抽出照明光源画像情報24を得ることができる。
【0024】
より具体的には、画像情報22の中から、輝度情報の相対的に一定値以上の部分を取り出すことを基本とする。また、室内照明が目線よりも高い位置に通常はあるので、画像情報22の中から目線より高い位置の画像情報を優先的に画像処理することでよい。照明光源に関する画像は、その物体自体が輝度が取得した画像情報の中で大きい抽出をしやすく、またその物体の輪郭を他の物体とコントラストがあることから抽出しやすく、また輝度が取得した画像情報の中で大きいことはノイズ自体が他の画像と比較して小さいこととなり、その画素単位での画像精度が高い、といった特徴がある。また、照明光源はその形状が単純な場合が多いことも画像処理を容易化している。
【0025】
抽出照明光源画像情報24は、必要によりそのγ補正、エッジ抽出、フィルタ処理、特徴点抽出、フーリエ変換、画像認識、文字認識、形状認識、物体認識などの1次処理を実施した後、抽出照明光源画像情報24の1次処理後、または1次処理前および途中での抽出照明光源画像情報24に付随するメタデータ処理に関わる情報をさらに計算して得てもよい。
【0026】
また、図2のようなオフィス空間において4a、4bからなる窓からの外光も、通常はオフィス空間の中で他に存在する物体と比較して明るい物体である。このため、図1において、照明光源画像抽出手段23により画像処理を行うことで比較的容易に抽出照明光源画像情報24として得ることができる。また、通路側に設けた扉の窓から、照明光源として扱えるある一定値以上の光束が通路からオフィス空間に流入している場合には、同様に、照明光源画像抽出手段23により抽出照明光源画像情報24として得ることができる。
【0027】
画像情報22から照明光源画像抽出手段23により抽出した抽出照明光源画像情報24をこの抽出例となる図3に基づいて説明する。図3において、図3(a)はオフィス空間に対して画像入力した画像情報22であり、1ないし11は図2の1ないし11の物体に応じた個々の画像情報要素である。31はこれら個々の画像情報要素の全体である。図3(b)は抽出照明光源画像情報24であり、41a、41b、42a、42b、43a、43bは天井9に設けた室内天井照明光源1a、1b、2a、2b、3a、3bに対応する抽出照明光源画像情報であり、44a、44bは窓4a、4bに対応する抽出照明光源画像情報であり、45は通路側の扉6に設けた小窓5に対応する抽出照明光源画像情報である。
【0028】
図3(b)に示すように、照明光源となる蛍光灯1a、1b、2a、2b、3a、3bおよび窓4a、4bおよび扉の小窓5に対応する抽出照明光源画像情報24、すなわち、41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44b、45が得られている。これらの情報を第一の記憶手段25に記憶し、自己位置計算手段28による自己位置計算に利用することができるようになる。なお、第一の記憶手段25は、独立したオフィス空間内に設ける必要はなく、ネットワークを通じてオフィス空間以外に設けていてもよい。
【0029】
また、図1において、参照照明光源画像情報26は、オフィスに設けた個々の照明光源に関する3次元的な位置、形状、輝度分布等に関する情報である。この参照照明光源画像情報26を予め取得しておき、これを第二の記憶手段27に記憶し、自己位置計算手段28による自己位置計算に利用することができるようにしておく。
【0030】
オフィス空間に設けた個々の照明光源は、個々の机上に個人が設置したもの以外は、通常は建物を新規に建築または改築、さらにはオフィスレイアウトを非定期的に変更した場合に決定されるものである。このため、そのほとんどの情報は時間的な変化がほとんどなく、建物の建築または改築時、およびオフィスレイアウトを変更した時に取得して記録しておくことで容易に実現できる。
【0031】
図1において、自己位置計算手段28により、第一の記憶手段25に記憶された抽出照明光源画像情報24と第二の記憶手段27に記憶された参照照明光源画像情報26とを用いて、これらの2つの画像情報の関係を、個々の照明光源の3次元的な位置、形状、輝度分布等に対するフィッティングを行う。これにより、画像入力手段の視線ベクトルを特定することができ、これにより画像情報入力手段21の3次元的な位置を特定することができ、自己位置計測装置30の自己位置情報29を取得することができる。
【0032】
2つの画像情報をフィッティングさせることにより、その画像を入力した画像入力手段の3次元的な位置を特定する装置は既に考案されているが、これらはオフィス空間の机やモニターや椅子や扉の3次元位置計測を含めた画像取得を同時に考慮しているため、その計算量が膨大となり、現状通常のデスクトップパソコンと同等またはそれ以上のCPU負荷を必要とし、このため必要な消費電力が大きくなり、結果として小型の携帯機器で実現することが難しかった。
【0033】
本実施形態においては、オフィスワーカがオフィス空間でオフィス作業をする前提上、オフィス空間にはオフィスワーカがオフィス作業をするに十分な照明光源が存在していることを利用する。すなわち、この照明光源に着目することにより、従来のようにモデルの多様な形状や認識しにくい複雑な形状の物体に対する画像処理を実施するのではなく、既にあるモデルベースでのフィッティングを行うことで、非常に簡単な画像処理により視線ベクトルを特定することを実現することができるようになる。これにより、必要なCPU負荷を低減することができ、このため必要な消費電力も低減でき、結果として小型の携帯機器で実現することができるようになる。
【0034】
図1においては、実際の自己位置計算手段28による計算に当たっては、照明光源20がオフィスワーカの意思により点灯または非点灯、場合により中間輝度の点灯が実施されることを考慮する必要がある。また、窓のような自然光による照明光源は、その日の環境によって大きく変化することやブラインドやカーテン等の利用による変化を考慮する必要がある。これらは、予め照明光源画像情報として追加情報として記憶しておくことが好ましい。
【0035】
また、プロジェクタによる多量かつ変化量の多い光束の存在、個人が適時設定した個別照明による光束の存在等の誤差要因を考慮する必要がある。ただし、これらは多くは目線付近の照明光源であり、天井に設置した照明光源や、太陽による自然光が入りこむように目線よりもかなり高い位置に開口がある窓とは区別しやすい。また、移動式でないプロジェクタは天井に設置しているなど通常は目線よりも高い位置に設置されているが、これらは逆にその位置が固定されているので、予め照明光源情報として記憶しておくことで対応できる。
【0036】
図1における画像情報入力手段21は、主な画像情報入力の対象が照明光源20であるので、その光軸を水平よりも上方に設定していることで、より効率のよい解像度の高い画像情報を得ることができる。これは、例えば光学レンズの光軸を上方チルトする以外に、撮像素子を光学レンズの水平光軸に対してオフセットすることなどにより容易に実現できる。
【0037】
[第二の実施形態]
本発明の第二の実施形態に係る自己位置計測装置の構成例について、図4に基づいて説明する。
【0038】
図4において、51は照明光源固有情報であり、52は照明光源固有情報重畳手段であり、53は照明光源固有情報抽出手段であり、54は抽出照明光源固有情報であり、55は第三の記憶手段であり、56は20ないし29および51ないし55により構成される自己位置測定装置である。51ないし55により構成される部分以外は第一の実施形態を示す図1と同様であり、51ないし55により構成される部分が第一の実施形態に対する構成付加部分である。
【0039】
図2のオフィス空間の天井に設けた1a〜3bのうちの一部または全部の照明光源20には、無機白色LEDまたは有機白色EL等の光通信可能な素子からなるかまたは一部に赤外光からなる発光素子を予め設けている。これにより、照明光源固有情報重畳手段52が実現される。照明光源固有情報重畳手段52は、照明光源20からの照明光に対し、その照明光源20の固有の情報である照明光源固有情報51(詳細は後述)を重畳する。照明光源20の照明光(照明光源固有情報51を含む)は、オフィス空間にいるオフィスワーカを照明する。オフィスワーカは、図4の自己位置計測装置56を装着する。自己位置計測装置56の画像情報入力手段21は、装置56のオフィスワーカの周囲環境となるオフィス空間の照明光源を含む画像を、画像情報22として装置30に入力する。
【0040】
図4における照明光源固有情報51とは、照明光源20のID番号、さらには照明光源20の3次元形状や輝度分布や位置情報等であり、図1において別途に第二の記憶手段27に記憶している参照照明光源画像情報26と同等である。
【0041】
このような図2のようなオフィス空間において、1a、1b、2a、2b、3a、3bからなる室内天井照明光源は、その機能から、通常はオフィス空間の中で他に存在する物体と比較して非常に明るい物体である。このため、図4において、装置56に入力された画像情報22から、照明光源画像抽出手段23により画像処理を行うことで比較的容易にこれら室内天井照明光源の画像、つまり抽出照明光源画像情報24を得ることができる。
【0042】
そして、図4において、参照照明光源画像情報26は、オフィスに設けた個々の照明光源に関する3次元的な位置、形状、輝度分布等に関する情報である。この参照照明光源画像情報26を予め取得しておき、これを第二の記憶手段27に記憶する。
【0043】
一方、図4おいて、装置56に入力された画像情報22から照明光源画像抽出手段23により抽出された抽出照明光源画像情報24から、照明光源固有情報抽出手段53が照明光に重畳された照明光源固有情報51(抽出照明光源固有情報54)を抽出する。この照明光源固有情報抽出手段53は、具体的には、照明光源20の振幅変調または周波数変調または輝度分布変調により、照明光源固有情報51が重畳されている場合には、その照明光の時間軸での波形解析を実施できる電気回路からなる。より具体的は、画像情報入力手段21にCMOSからなる撮像素子を用いた場合には、その時間軸分解能が高いことを利用して、ある程度の情報を照明光源20から抽出することが可能である。また、照明光以外の波長の光として照明光源固有情報51が重畳されている場合には、波長分離フィルタや対応する波長受光素子とこれからの出力信号を波形解析する電気回路からなる。
【0044】
抽出照明光源固有情報54は、参照照明光源画像情報26と同等の情報として、第三の記憶手段55に記憶される。そして、自己位置計算手段28により、この抽出照明光源固有情報54と、第一の記憶手段25に記憶された抽出照明光源画像情報24とを用いて、これらの2つの画像情報の関係を、個々の照明光源の3次元的な位置、形状、輝度分布等に対するフィッティングを行う。これにより、画像情報入力手段21の視線ベクトルを特定することができ、これにより画像情報入力手段21の3次元的な位置を特定することができ、自己位置計測装置56の自己位置情報29を取得することができる。
【0045】
また、本実施形態では、画像入力された照明光源に関わる抽出照明光源固有情報54を画像情報22から自己位置計算手段28が得ているので、照明光源20の特定の誤りを低減することができる。よって、短時間でかつ必要なCPU負荷を低減することができ、このため必要な消費電力も低減でき、結果として小型の携帯機器で実現することができるようになる。
【0046】
なお、照明光源固有情報重畳手段52により照明光源20に重畳される照明光源固有情報51は、照明光源固有情報重畳手段52が画像情報入力手段21側からの信号に基づいてタイミングを適切に決定して重畳されてもよい。例えば、オフィスワーカの大きな移動を、装置56に別途に設けた加速度センサーや磁気センサーから検出し、この検出状態に応じて間欠的に画像情報入力手段21に別途設けた信号発生器から照明光源固有情報重畳手段52に重畳開始信号を伝送し、照明光源固有情報重畳手段52はこの受け取った重畳開始信号に応じて、即時またはプログラミンされた時刻に照明光源固有情報51を照明光に重畳する。これにより、より照明光への照明光源固有情報51の重畳を効率化することが実現でき、結果として消費電力を低減することができる。
【0047】
[第三の実施形態]
本発明の第三の実施形態に係る自己位置計測装置の構成例について、図5に基づいて説明する。
【0048】
図5において、61は照明制御情報であり、62は照明制御情報重畳手段であり、63は照明制御情報抽出手段であり、64は抽出照明制御情報であり、65は第四の記憶手段であり、この他は第ニの実施形態を示す図4と同様であり、66は20ないし29および51ないし55および61ないし65により構成される自己位置測定装置である。61ないし65により構成される部分が第ニの実施形態に対する構成付加部分である。
【0049】
予め図2のオフィス空間の天井に設けた1a〜3bのうちの一部または全部の照明光源20が、無機白色LEDまたは有機白色EL等の光通信可能な素子からなるかまたは一部に赤外光からなる発光素子を設けている。これにより、照明光源固有情報重畳手段52および照明制御情報重畳手段62が実現される。照明光源固有情報重畳手段52及び照明制御情報重畳手段62は、照明光源20からの照明光に対し、照明光源固有情報51及び照明制御情報61(これらの詳細は後述)を重畳する。照明光源20の照明光(照明光源固有情報51及び照明制御情報61を含む)は、オフィス空間にいるオフィスワーカを照明する。オフィスワーカは、図5の自己位置計測装置66を装着しており、自己位置計測装置66に設けられた画像情報入力手段21は、装置66のオフィスワーカの周囲環境となるオフィス空間の照明光源を含む画像を、画像情報22として装置66に入力する。
【0050】
図5における照明光源固有情報51は、照明光源20のID番号、さらには照明光源20の3次元形状や輝度分布や位置情報等からなる。また、照明制御情報(照明光制御情報)61は、特定のID番号の照明光源20の照明光制御状態、つまり輝度分布の制御状態を示す情報からなる。これは、照明光源20は、部屋の利用場所、室外の明るさ、時刻、利用するオフィスワーカの好み等によって様々に調光されるのが実際であり、このときの照明光の輝度分布は大きく変化する。
【0051】
このような状態での図2のようなオフィス空間において、1a、1b、2a、2b、3a、3bからなる室内天井照明光源は、その機能から、通常はオフィス空間の中で他に存在する物体と比較して非常に明るい物体である。このため、図5において、装置66に入力された画像情報22から、照明光源画像抽出手段23により画像処理を行うことで比較的容易にこれら室内天井照明光源の画像、つまり抽出照明光源画像情報24を得ることができる。
【0052】
そして、図5において、参照照明光源画像情報26は、オフィスに設けた個々の照明光源に関する3次元的な位置、形状、輝度分布等に関する情報である。この参照照明光源画像情報26を予め取得しておき、これを第二の記憶手段27に記憶する。
【0053】
一方、図5おいて、装置66に入力された画像情報22から照明光源画像抽出手段23により抽出された抽出照明光源画像情報24から、照明光源固有情報抽出手段53が照明光に重畳された照明光源固有情報51(抽出照明光源固有情報54)を抽出する。この照明光源固有情報抽出手段53は、具体的には、照明光源20の振幅変調または周波数変調または輝度分布変調により、照明光源固有情報51が重畳されている場合には、その照明光の時間軸での波形解析を実施できる電気回路からなる。これらは、図4との場合と同様である。
【0054】
さらに、図5おいて、装置66に入力された画像情報22から照明光源画像抽出手段23により抽出された抽出照明光源画像情報24から、照明制御情報抽出手段63が照明光に重畳された照明制御情報61(抽出照明制御情報64)を抽出する。この照明制御情報抽出手段63は、具体的には、照明光源20の振幅変調または周波数変調または輝度分布変調により、照明制御情報61が重畳されている場合には、その照明光の時間軸での波形解析を実施できる電気回路からなる。これらは、図4との場合と同様ではあるが、情報量はより多いの電気回路はより複雑になり、また撮像素子に要求される周波数特性はより高くなる点が異なる。
【0055】
そして、抽出照明光源固有情報54は、参照照明光源画像情報26と同等の情報として、第三の記憶手段55に記憶される。また、照明光源20の抽出照明制御情報64は、第四の記憶手段65に記憶される。そして、自己位置計算手段28により、抽出照明光源固有情報54と、照明制御情報64と、第一の記憶手段25に記憶された抽出照明光源画像情報24とを用いて、これらの3つの画像情報の関係を、個々の照明光源の3次元的な位置、形状、輝度分布等に対するフィッティングを行う。これにより、画像情報入力手段21の視線ベクトルを特定することができ、これにより画像情報入力手段21の3次元的な位置を特定することができ、自己位置計測装置66の自己位置情報29を取得することができる。
【0056】
本実施形態では、画像入力された照明光源20に関わる抽出照明光源固有情報54に加えて照明制御情報64を、画像入力情報22から自己位置計算手段28が得ている。よって、照明光源20の特定の誤りを低減することができる。従って、短時間でかつ必要なCPU負荷を低減することができ、このため必要な消費電力も低減でき、結果として小型の携帯機器で実現することができるようになる。
【0057】
なお、照明光源固有情報重畳手段52により照明光源20に重畳される照明光源固有情報51は、照明光制御情報重畳手段52が画像情報入力手段21側からの信号に基づいてタイミングを適切に決定して重畳されてもよい。例えば、オフィスワーカの大きな移動を、装置66に別途に設けた加速度センサーや磁気センサーから検出し、この検出状態に応じて間欠的に画像情報入力手段21に別途設けた信号発生器から照明光源固有情報重畳手段52に重畳開始信号を伝送し、照明光源固有情報重畳手段52はこの受け取った重畳開始信号に応じて、即時またはプログラミンされた時刻に照明光源固有情報51を照明光に重畳する。これにより、より照明光への照明光源固有情報51の重畳を効率化することが実現でき、結果として消費電力を低減することができる信頼性を向上することができる。
【0058】
これは、既に記載のように、照明光源20は、部屋の利用場所、室外の明るさ、時刻、利用するオフィスワーカの好み等によって様々に調光されるのが実際であり、このときの照明光の輝度分布は大きく変化するため、同じ照明光源であってもその照明光源の画像情報が大きく異なる場合があるためで、複数の照明光源がオフィス空間にあり、かつその点灯/非点灯状態の組み合わせが多数ある。
【0059】
この場合には、図4のように、自己位置計算手段28により、この抽出照明光源固有情報54と第一の記憶手段25に記憶された抽出照明光源画像情報24とを用いて、これらの2つの画像情報の関係を、個々の照明光源の3次元的な位置、形状、輝度分布等に対するフィッティングを行うことにより、画像入力手段の視線ベクトルを特定することができない場合が生じる。
【0060】
しかしながら、本実施形態においては、照明光源20の実際の輝度分布が関わる照明光源20の画像情報22を、照明制御情報重畳手段62を用いて直接に得る、または、この抽出照明光源固有情報54または参照照明光源画像情報26とから計算結果として得ることができるようになる。これにより、より高い精度および高い信頼性で個々の照明光源20の3次元的な位置、形状、輝度分布等に対するフィッティングを行うことにより、画像情報入力手段21の視線ベクトルを特定することができるようになる。
【0061】
[第四の実施形態]
本発明の第四の実施形態に係る自己位置計測装置の構成例について、図6に基づいて説明する。
【0062】
図6において、71は参照自然光画像情報獲得手段であり、72は参照自然光画像情報であり、73は第五の記憶手段であり、74は20ないし29および51ないし55および61ないし65および71ないし73により構成される自己位置測定装置である。図6の自己位置計測装置74は、第一の実施形態を示す図1の構成に、71ないし73で構成される部分が付加されたものである。
【0063】
図2のようなオフィス空間において、1a、1b、2a、2b、3a、3bからなる室内天井照明光源は、その機能から、通常はオフィス空間の中で他に存在する物体と比較して非常に明るい物体である。このため、装置74に入力された画像情報22から、照明光源画像抽出手段23により画像処理を行うことで比較的容易にこれら室内天井照明光源の画像、つまり抽出照明光源画像情報24を得ることができる。
【0064】
しかしながら、オフィス空間においては、窓を大きく設けることでその窓からの太陽の光を積極的にオフィス空間に採光するように設計されたものもある。この場合、天井9に設けた室内天井照明光源1a、1b、2a、2b、3a、3bに対応する画像情報と比較して、窓4a、4bに対応する照明光源画像情報の輝度が大きくなる場合や、室内天井照明光源1a、1b、2a、2b、3a、3bの輝度分布に影響を与えることが生じる場合もある。
【0065】
このとき、図6に示す本発明の第四の実施形態においては、画像情報入力手段21とは別の手段として、参照自然光画像情報獲得手段71により、自然光の画像情報となる参照自然光画像情報72を獲得する。参照自然光画像情報獲得手段71は、画像情報入力手段21により入力された画像情報22からさらに照明光源画像抽出手段23により抽出された抽出照明光源画像情報24から、参照自然光画像情報72を獲得する。獲得された参照自然光画像情報72は第五の記憶手段73に記憶される。参照自然光画像情報72とは、特定のオフィス空間の特定の窓からの自然光が、オフィス空間の特定の位置から画像として入力されるときの、その輝度分布情報に基づいた画像情報からなり、場合により外の天候やその時刻に対応した変化値を考慮した情報である。この参照自然光画像情報72は、別途設けた各種センサーやネットワークからの情報や予めテーブルを用いて用意された実測または統計的予測データとして獲得することができる。
【0066】
この上で、自己位置計算手段28により、第一の記憶手段25に格納した抽出照明光源画像情報24、第二の記憶手段27に格納した参照照明光源画像情報26、第五の記憶手段73に記憶された参照自然光画像情報72とを用いて、これら3つの画像情報の関係を、個々の照明光源の3次元的な位置、形状、輝度分布等に対するフィッティングを行う。これにより、画像情報入力手段21の視線ベクトルを特定することができ、これにより画像入力手段の3次元的な位置を特定することができ、自己位置計測装置74の自己位置情報29を取得することができる。
【0067】
本実施形態では、自己位置計算手段28が計算に際して参照自然光画像情報72を利用しているので、照明光源20の特定の誤りを低減することができる小型の携帯機器で実現することができるようになる。
【0068】
[第五の実施形態]
本発明の第五の実施形態に係る自己位置計測装置を用いたサービス方法について、図7に基づいて説明する。
【0069】
図7は、画像情報入力手段21により画像情報22として入力されるオフィス空間の例を示す図であり、基本的には図2と同様である。すなわち、図7において、8は床であり、11は通路側壁であり、10は窓側壁であり、7は隣部屋との隔壁であり、9は天井であり、1a、1b、2a、2b、3a、3bは天井9に設けた室内天井照明光源であり、6は通路側の扉であり、5は扉に設けた小窓であり、4a、4bは窓である。さらに、81はMFP(Multi Function Peripheral:複合機)であり、83はオフィスワーカであり、84はオフィスワーカが胸に装着した自己位置測定装置であり、85はオフィスワーカの移動の動線である。自己位置計測装置84は、図1の装置30、図4の装置56、図5の装置66、図6の装置74のいずれかとする。
【0070】
図7において、1a、1b、2a、2b、3a、3cは、蛍光灯2本並列配列の照明器具に弱光学透過拡散性のカバーを設けたものである。このため、この蛍光灯2本の並列配列に基づく輝度分布に基づく画像情報22が、画像情報入力手段21により装置84に入力され、上述した図1、図4、図5、図6のいずれかと同様の動作にて、装置84の自己位置が計測される。
【0071】
オフィスワーカ83が装置84を胸に装着しているため、オフィスワーカ83のオフィス空間における2次元的な位置を計測することができる。このオフィスワーカの位置を利用して以下のようなサービスが実現できる。すなわち、MFP81が、予め登録された装置84から、無線通信により随時位置情報を取得するようにし、位置情報が予め設定された値になった場合、MFP81は、予め設定された動作(例えばプリント用紙の出力、省エネモードのオン/オフ)を開始するようにする。なお、予め設定される動作を複数とし、それらの動作が予め定められた順に実行されるようにしてもよい。
【0072】
例えば、オフィスワーカが85で示される動線にてMFP81に近づいてきた場合、MFP81は、装置84から送信されてくる位置情報が所定の値になった時点で、オフィスワーカ83により予め設定されていたプリント用紙の出力を開始する。つまり、オフィスワーカ83がMFP81の前に立つ前に、プリント用紙の出力が開始されるので、用紙出力にかかる待ち時間を低減できる。このため、セキュリティの向上および待ち時間の低減によるTCOの削減を同時に実現するサービスを提供することができるようになる。
【0073】
その他にも例えば、MFP81が省エネモードに移行しているときにオフィスワーカが85で示される動線にてMFP81に近づいてきた場合、MFP81は、装置84から送信されてくる位置情報が所定の値になった時点で、オフィスワーカ83により予め設定されていた省エネモードからの復帰を開始する。つまり、オフィスワーカ83がMFP81の前に立つ前に、省エネモードからの復帰が行われるので、復帰にかかる待ち時間を低減できる。このため、必要なときにのみMFP81に電力を投入できるので省エネ効果も実現できる。なお、複数のオフィスワーカ毎にどのような制御(例えば、プリント用紙の出力や省エネモードからの復帰)を行うのかを予め対応付けてMFP1に設定しておき、MFP1が、MFP81に近づいてきたオフィスワーカを特定することで、オフィスワーカ別に制御を行うようにすることもできる。
【0074】
このように、装置84を用いたサービスは、上述したMFP81におけるプリント用紙の出力や省エネモードからの復帰に限定されるわけではない。例えば、ネットワーク機能をさらに利用しての、照明光源や冷暖房やIT機器の特定のオフィスワーカの動きに対応した省エネルギー制御、IT機器のセキュリティ制御、IT機器のユーザインタフェースの改善、オフィスログによるドキュメントおよび情報蓄積検索支援など、種々のサービスが挙げられる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0076】
例えば、上述した実施形態における動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0077】
ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
【0078】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0079】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0080】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【符号の説明】
【0081】
1a、1b、2a、2b、3a、3c 室内天井照明光源
4a、4b 窓
5 小窓
6 通路側の扉
7 隣部屋との隔壁
8 床
9 天井
10 窓側壁
11 通路側壁
12 オフィス空間の一部
20 照明光源
21 画像情報入力手段
22 画像情報
23 照明光源画像抽出手段
24 抽出照明光源画像情報
25 第一の記憶手段
26 参照照明光源画像情報
27 第二の記憶手段
28 自己位置計算手段
29 自己位置情報
30、56、66、74、84 自己位置計測装置
41a、41b、42a、42b、43a、43b 室内天井照明光源1a、1b、2a、2b、3a、3bに対応する抽出照明光源画像情報
44a、44b 窓4a、4bに対応する抽出照明光源画像情報
45 小窓5に対応する抽出照明光源画像情報
51 照明光源固有情報
52 照明光源固有情報重畳手段
53 照明光源固有情報抽出手段
54 抽出照明光源固有情報
55 第三の記憶手段
61 照明制御情報
62 照明制御情報重畳手段
63 照明制御情報抽出手段
64 抽出照明制御情報
65 第四の記憶手段
71 参照自然光画像情報獲得手段
72 参照自然光画像情報
73 第五の記憶手段
81 MFP
83 オフィスワーカ
85 オフィスワーカの移動方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特許第3655065号公報
【特許文献2】特許第3712847号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己の位置を計算する自己位置計測装置において、
所定の空間における照明光源を含む画像を画像情報として取得する画像情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像情報から、前記照明光源の画像である抽出照明光源画像情報を抽出する照明光源画像抽出手段と、
前記照明光源画像抽出手段により抽出された抽出照明光源画像情報を記憶する第一の記憶手段と、
前記照明光源の個々に関する情報である参照照明光源画像情報を予め記憶する第二の記憶手段と、
前記抽出照明光源画像情報及び前記参照照明光源画像情報に基づいて自己の位置を計算する自己位置計測手段と、
を有することを特徴とする自己位置計測装置。
【請求項2】
前記照明光源からの照明光に対し、前記照明光源の固有情報である照明光源固有情報を重畳する照明光源固有情報重畳手段と、
前記画像情報取得手段により取得された画像情報からさらに前記照明光源画像抽出手段により抽出された抽出照明光源画像情報から、前記照明光源固有情報重畳手段により重畳された照明光源固有情報を抽出する照明光源固有情報抽出手段と、
前記照明光源固有情報抽出手段により抽出された抽出照明光源固有情報を記憶する第三の記憶手段と、を有し、
前記自己位置計測手段は、
前記抽出照明光源画像情報及び前記抽出照明光源固有情報に基づいて自己の位置を計算することを特徴とする請求項1記載の自己位置計測装置。
【請求項3】
前記照明光源からの照明光に対し、前記照明光源の照明光制御状態を示す照明制御情報を重畳する照明制御情報重畳手段と、
前記画像情報取得手段により取得された画像情報からさらに前記照明光源画像抽出手段により抽出された抽出照明光源画像情報から、前記照明制御情報重畳手段により重畳された照明制御情報を抽出する照明制御情報抽出手段と、
前記照明制御情報により抽出された照明制御情報を記憶する第四の記憶手段と、を有し、
前記自己位置計測手段は、
前記抽出照明光源画像情報、前記抽出照明光源固有情報及び前記照明制御情報に基づいて自己の位置を計算することを特徴とする請求項1又は2記載の自己位置計測装置。
【請求項4】
前記画像情報取得手段により取得された画像情報からさらに前記照明光源画像抽出手段により抽出された抽出照明光源画像情報から、前記所定の空間における自然光の画像情報である参照自然光画像情報を獲得する参照自然光画像情報獲得手段と、
前記参照自然光画像情報獲得手段により獲得された参照自然光画像情報を記憶する第五の記憶手段と、を有し、
前記自己位置計測手段は、
前記抽出照明光源画像情報、前記参照照明光源画像情報及び前記参照自然光画像情報に基づいて自己の位置を計算することを特徴とする請求項1記載の自己位置計測装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の自己位置計測装置を用いて所定の制御を行うことを特徴とするサービス方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate