説明

自然風力換気窓

【課題】4節連鎖機構でなる自然風力換気窓において、調整用錘の調整を容易として、障子の重心位置を容易に変更可能とする。
【解決手段】窓枠1、障子2をメインアーム3、サブアーム4で連結して四節連鎖機構を構成している。例えば上框22の室内側に調整用錘61の取付台座22kを設けた。錘61を見込方向に移動することにより、障子2の重心が変更される。これによって、障子2に吹き付ける自然風力によって障子2が所望の風力により閉じるように変更できる。錘61は室内から操作して位置を調整でき、外部から行う場合のような大掛かりな足場、又は高所作業車の必要がない。調整用錘を加工して重量調節等を行うのではないので、錘の運搬、再加工、作業後に不要となった錘の処分の必要がない。錘61の位置変更は容易である。他の框に調整用錘を同様に備えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自然風力換気窓に関する。ここで自然風力換気窓とは内気の状態と外気により生ずる障子に加わる風力の状態によって自然に障子が開閉して換気が行われる窓のことをいう。
【0002】
【従来の技術】
近年、内外気の条件により自然に開閉される窓が要望されている。例えば、水平回転用の回転窓において障子にバランスウエートを設けて水平回転軸を中心とするモーメントをほぼ均衡させて内外気の条件により、窓を開いて自然換気を行うことができる窓が提案されている。
【0003】
【特許文献】
(1)特開平10−18457号公報
(2)特願2000−046503号(自然風力換気窓)
(3)特願2002−230709号(自然風力換気窓)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した回転窓では水平回転軸を中心とする障子とバランスウエートを併せたものは、あたかもヤジロベエの如くであり、障子に作用する風力は水平回転軸の上下で逆方向に作用する。従って、水平回転軸の上側と下側における夫々の障子の面積差が障子の回転力を生じさせるための有効面積となる。その一方で、バランスウエートが大きなものとなる。そこで、障子を開又は閉にするために風圧による力に対して障子とバランスウエートを加えた慣性重量が著しく大きくなる。そこで開閉時に軽く動作しない。そのため、開く場合障子の回転速度が上昇した処で慣性重量の大きな障子がストッパに当接するのでストッパに格別な緩衝作用を行わせるような工夫が必要である。また、回転障子が閉じる際も障子の回転速度が上昇した処で窓枠に当接する。そこで、障子が閉まる際に大きな音が生ずる。それ故、開閉の際の防音対策を必要とする。また、バランスウエートが障子の上框に取り付けられ室内側へ突出するので室内側にブラインドとかルーバを設置することができない。
【0005】
従来の辷り出し窓は障子の上端が窓枠の堅枠に沿って設けたガイドレールに案内されて動き、障子の堅框の中間部と窓枠の堅枠下部とをリンクであるアームで結合し障子の下端が外方へ突出する窓であった。辷り出し窓では障子が室内側へ突出しないので室内側の設備等との干渉はなく、室内の意匠の点からも優れている。
【0006】
このような辷り出し窓では直線状に摺動部分があるので風力によっては、滑らかに開閉できないので自然風力換気窓とはならない。
【0007】
そこで、本出願人は建物等の換気を目的とした開口部に用いられる窓であって、外部からの動力によらずに無風状態で、障子は一定量開きその状態を保つと共に一定風速以上の、建物内部へ吹込もうとする風で障子が閉まり建物内部へ風が吹込むことを押える自然風力換気窓であって、慣性重量に対する風力の比が小さく動作の軽い自然風力換気窓を提案している(特願2000−046503号参照)。この自然風力換気窓は障子全面に当る自然風により発生する力がすべて障子を閉めようとする力として作用する点で開閉動作が風力の変化に対して明確な点ですぐれている。
【0008】
上記本出願人の特許出願に係る発明は障子を開いた際に室内側へ突出する物のない自然風力換気窓となっている。
【0009】
処が上記先の発明の辷り出し窓において、錘を付さないで構成すると窓の美観がすぐれているというサッシ本来の特徴を生かせる。一方、錘を付さない辷り出し窓とするにはサッシ断面に制約が伴わない障子の構成例えばガラスを最も外部側に設けるような窓においては錘を付さないで構成しては自然風力換気窓とすることが困難であることが判明した。そこで障子に錘を外部に露出して付すと先の出願によっても明らかなように外観に細心の注意を払ったとしても外観を多かれ少なかれ損なうことは避けられない。
【0010】
そこで本出願人は外観を損なわないようにしつつ障子の支持機構と障子の重力に基づく障子の開放力を容易に調節可能な自然風力換気窓を提供することを目的とする発明を特許出願した(特願2002−230709号参照)。
【0011】
特願2002−230709号に係る自然風力換気窓(実施工事)では、開き、閉じ勝手の調整をする際、障子重心位置の変更を行う。その方法は、調整用錘の取付と取外し、つまり錘の重量増減で行う。だが、その作業は(1)障子を開放して外部側から行わなければならない。この場合、ハシゴなどの簡単な足場が届かない高所では、大掛かりな外部足場や高所作業車などが必要となる。また、(2)作業時における調整用錘の運搬、再加工、作業後の調整用錘の処分など手間が発生する。特に自然風力換気窓は大空間の建物に用いて大きな省エネルギー効果を得ることができる。そこで、窓数は多く調整用錘も大量となる。
【0012】
本発明は障子閉鎖状態で内部側から重心位置の調整作業を可能とした自然風力換気窓を提供することを目的とする。又、本発明は調整用錘の運搬、再加工、処分など手間の省略を可能とした自然風力換気窓を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本出願に係る第1の発明は部屋又は建屋の外部に面して取り付けられる窓枠と、窓枠に納まり窓を閉めた状態と窓枠から外部へ向って辷り出して開く障子を有する自然風力換気窓であって、調整用錘を障子の重心位置を調節可能に取り付ける調整用錘の取付部を備えた框を有する障子と、調整用錘の取付部に位置を調節可能に取り付けられた調整用錘と、障子の調節用錘の取付部に位置を調節して調整用錘を取り付ける調整用錘の取付手段と、窓枠の両側の堅枠と、障子の竪框間に夫々設けられ竪框上部に一端が枢着され他端が前記一端よりも低い位置において堅枠に枢着された短い長さのメインアームと、竪框中間部に一端が枢着され他端が竪枠下部に枢着されメインアームよりも長い長さのサブアームと、を有し、障子を閉めた状態において、各アームは夫々ほぼ垂直方向を向いて、各アームの竪框への枢着位置が各アームの竪枠への枢着位置の上方に位置し、障子の重量による各アームを付勢する力を調整用錘の位置により調節することを特徴とする自然風力換気窓である。
【0014】
本出願に係る第2の発明は調整用錘の取付手段は室内側より操作可能であることを特徴とする第1の発明に記載の自然風力換気窓である。
【0015】
本出願に係る第3の発明は調整用錘の取付部は調整用錘を見込方向に移動できる長さの面を有する錘取付台座を有し、錘取付台座に見込方向に間隔をおいて調整用錘の錘取付台座への取付部材の係合部を有することを特徴とする第1又は第2の発明に記載の自然風力換気窓である。
【0016】
本出願に係る第4の発明は調整用錘の取付手段は、調整用錘に設けたガイド部と、調整用錘のガイド部を案内する見込方向のレールを有する錘取付台座と、錘取付台座に設けられ調整用錘を見込方向に平行移動させる平行移動装置と、を有することを特徴とする第1の発明に記載の自然風力換気窓である。
【0017】
本出願に係る第5の発明は平行移動装置が調整用錘又は框に設けられた見込方向の一対の平行するラックと、夫々のラックに噛み合い框又は調整用錘側に回転自在に取り付けられたギアと、各ギアと同軸に取り付けられたギアと共に回転する従動プーリと、各従動プーリと、無端の可撓性条材を介して結合され調整用錘又は框に回転自在に支持された駆動プーリと、を有し、駆動プーリを回転することにより調整用錘の位置を見込方向に変更可能であることを特徴とする第4の発明に記載の自然風力換気窓である。
【0018】
本出願に係る第6の発明は中空部を有し、中空部に捨て錘を内蔵した框を備えた障子を有し、障子の重量と捨て錘の重量による各アームを付勢する力を調整用錘の位置により調節することを特徴とする第1から第5の何れか1つの発明に記載の自然風力換気窓である。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
(全体構成)
図1は窓の正面を外部側より見る正面図である。この自然風力換気窓(以下、窓という)Dは建屋の外部に面して取り付けられる窓枠1と、窓枠1に納まり窓を閉めた状態と窓枠1から外部へ向って開く障子2を有する。これらはアルミ押出型材を主たる材料として構成されている。窓枠1の両側の竪枠11夫々と障子2の竪框21間にはメインアーム3とサブアーム4(図示は分り易いように実線で示したが、実際には見えない)が配設されている。なお、メインアーム3は竪框21上部の側面に一端が枢着され、他端が前記一端よりも低い位置において竪枠11に枢着されている。メインアーム3は短い。サブアーム4は竪框21の中間部の側面に一端が枢着され、他端は竪枠11の下端に枢着されている。サブアーム4はメインアーム3よりも長い。
【0021】
上記窓枠1、障子2、メインアーム3、サブアーム4でもって夫々をリンクとする四節連鎖機構を構成している。
【0022】
(窓枠と障子框の構成)
この窓Dは周囲が嵌め殺し窓Hにより囲まれている。これらの窓D,Hは窓枠の外側面に近い側にガラス5を備えている。
【0023】
窓枠1は左右の竪枠11、上枠12、下枠13を四方組みしたものであって建屋の外部に面して躯体に取り付けられる。また、障子2は左右の竪框21、上框22、下框23を四方組みした四方框の外部側にガラス5を保持してある。障子2はメインアーム3、サブアーム4を介して竪枠11に取り付けられる。
【0024】
図2に示すように建屋躯体として少なくとも床側と天井側の間に柱101が設けられている。少なくとも二本の柱101間にわたされたクロスレール102(図4参照)が柱101に締結されている。クロスレール102は窓の上下に設けられ、上枠12、下枠13とクロスレール102が締結されている。下側のクロスレール102を蔽う窓台103が下枠13に取り付けられている。即ち、窓D,Hはカーテンウォール工法に適応する窓となっている。
【0025】
以下の説明では障子2の框断面については、先ず調整用錘の取付部を除いた部分について説明し、後に調整用錘を取り付けるための框断面、調整用錘の取付手段について説明する。
【0026】
竪枠11と竪框21は図2、図3に断面が示されている。図2、図3は夫々水平断面図である。竪枠11は窓内部に面し見込方向の部材である内周材11aの外部側に外部側に面する外面材11bを壁面に沿って設けてある。また、内周材11aの内部側に内面材11cを面を壁面に沿って設けてある。内周材11aの内部側端部に内面材11cと同一面を有し、断面で見て先端がオフセットした戸当り材11eを有する。内周材11aの背部には中空部11h,11hが設けてある。中空部11h,11hを構成するための外周材11iには突条11jが設けてある。
【0027】
図3に示すように戸当り材11eにはパッキン6を取り付けるための条溝11gが設けてある。この条溝11gは窓枠1の上枠12、下枠13(図4参照)に設けた同様の条溝12a,13aと併せて外部側より見て方形に囲繞されている。そして各条溝11g,12a,13aを通じてパッキン6が嵌合している。そこで障子2を閉めると障子2の竪框21、上框22、下框23の室内に面する内面材21a,22a,23aがパッキン6に当接する。これによって障子2と窓枠1間の気密が計られる。
【0028】
障子2を閉めた際に障子2の竪框21の外部側の外面材21bの縁21b−1側に当接するパッキン9が竪枠11に設けてある。このパッキン9は竪枠11の外面材11bに設けた外部側に向って開口している条溝11kに嵌合している。このパッキン9はまた、上枠12の外面材12bに設けた条溝12cに嵌合している。下框23にはパッキン9を嵌合する条溝は備えていない。パッキン9は竪枠11、上枠12に窓の外側正面より見て門形に配置されている。
【0029】
見込方向において竪框21の外面材21bの縁21b−1と上框22の内面材22f−1が同位置にあるガラス溝フランジ22fが上框22と一体成形されている。ガラス溝フランジ22fは断面H形で障子内周側がガラス溝となっている。パッキン9が外面材21b、フランジ22fの内面材22f−1に当接することにより、障子2を閉めた際の水密を計っている。下枠13は内周材13cが外部側へ行くに従って段階的に低くなっている。これによって下枠13のパッキン6を取り付ける条溝13aよりも外部側は複数の段の水返しを構成している。また、障子2を閉めた際に、上枠12と上框22間及び竪枠11と竪框21間に形成される空間に面する部材表面に生ずる結露水の排出を計ってある。
【0030】
図3に示すように、障子2を閉めると竪框21の外周材21d、外面材21bと、竪枠11の内周材11a、戸当り材11eで囲まれた上下方向に長い空間Sが出来る。この空間Sにメインアーム3、サブアーム4が収容されている。
【0031】
(ガラスの取付構成)
図4に示すようにガラス5はガラス台8を介して下框23のガラス溝フランジ23f上に載置されている。上框22、下框23のガラス溝にはグレージングビード45,46を介しガラス5の上下縁が保持されている。結合部材35,36は1面がガラス5に固着され該1面とは反対側の他面が上框22の外面材22b及び外面材22bよりも外部側のガラス溝フランジ22f、下框23の外面材23bの下方への延出部を有するガラス溝フランジ23f、アタッチ材51に夫々固着されている。ここで、アタッチ材51は下框23の該フランジ23fに設けた突条23hと突起23gに係止されている。
【0032】
図3に示すように竪框21の外面材21bの外部側の面と、ガラス5との間にはグレージングビード46,47、結合部材48,49が設けてある。ここで、結合部材48,49は1面がガラス5に固着され、該1面とは反対側の他面が竪框21に固着されている。上記構成により、ガラス5は障子2の外部側に近い位置にあり、障子2の竪框21が外部側より見てガラス5に蔽われているため美観にすぐれる。
【0033】
(メインアームの取付構成)
図1に示すように竪框21と上框22の仕口は竪框勝で上框21の端部が竪框21に侵入する形である。
【0034】
図4に示すように障子2の竪框21の上端部にはL型のメインアーム障子側取付具14が取り付けてある。この取付具14は竪框21の上角部分で竪框21の上端及び上框22の上面と竪框21の外周材21dに内隅側を当接する。そして、この取付具14は上方からタッピンねじを前記取付具14及び上框22の外周材22gの穴を挿通して上框22の外周材22gの下面に当接する当板(図示されない)にねじ込んで固定されている。又、側方から図示されない小ねじを前記取付具14、図3の竪框21の内周材21dを挿通して、竪框21の中空部21eに挿入してある図示されない当板にねじ込み固定してある。
【0035】
図4に示すようにメインアーム取付具14の上下方向の部材には壁面に平行な水平方向の中心線上にピン17が固定されている。ピン17にはメインアーム3の上端部の穴が回転自在に嵌合している。
【0036】
図4、図5、図6に示すようにメインアーム3の下部はメインアーム枠側取付具18を介して竪枠11に枢着されている。この取付具18は竪枠11に固定されている。取付具18に設けたピン26にメインアーム3の下端側が回転自在に嵌合している。ピン17,26は平行している。
【0037】
図6に示すように、メインアーム3が外部側へ回動した際の回動限度を定めるために、取付具18にはメインアーム3が当接しそれ以上回転しないようにストッパ18aが設けてある。このストッパ18aはメインアーム枠側取付具18に一体又は溶着されており、メインアーム3の回動軌跡上へ突出している。
【0038】
上記においてメインアーム枠側取付具18、ピン26は鋼製である。
【0039】
(サブアーム取付構成)
図3、図5、図6に示すように障子2の竪框21の中間部分にはほぼたんざく状のサブアーム障子側取付具28が取り付けてある。この取付具28は竪框21の外周材21dに当接し、取付具28の穴を挿通する小ねじ29を竪框21を挿通して竪框21内の図示されない当板にねじ込み固定されている。当板は鋼材製である。ここで、当板は框側取付具14,28を取りつけるためのものであり、図5、図6で見て框側取付具14,28とほぼ同大の板材である。
【0040】
サブアーム4の上端部の穴を挿通してピン31がサブアーム框側取付具28に固定されている。ピン31は壁面に平行な水平方向の中心線を有する。これによって、サブアーム4の上端が障子2に回転自在に取り付けられている。
【0041】
竪枠11の下部にはサブアーム枠側取付具32が内周材11aに当接している。この取付具32の穴を挿通する小ねじ33(図6参照)は内周材11aを貫通して内周材11aの背面に設けた図示されない当板にねじ込まれている。
【0042】
サブアーム枠側取付具32には壁面に平行な水平方向の中心線でもってピン34が固定されている。ピン34にはサブアーム4の下端の穴が回転自在に嵌合している。
【0043】
図6に示すように、サブアーム4が外部側へ回動した際の回動限度を定めるために、サブアーム4が当接してそれ以上回転しないようにストッパ32bが設けてある。このストッパ32bはサブアーム枠側取付具32に一体又は溶着されており、サブアーム4の回動軌跡上へ突出している。
【0044】
(錘の配置構成)
上述した障子が風力の大きさにより開放された状態を保ち、一定風力以上で閉まるようにするための、障子の框の設計においては框の形状、ガラスの位置、ガラスの厚み等に制約を受ける。
【0045】
そこで、上述の制約を回避するには障子に錘を付すことは有効である。しかし乍ら、障子の外部に露出して錘を付すとどうしても多かれ少なかれ美観を損ずる。
【0046】
そこで、この実施の形態では錘を障子の框内に設ける。
【0047】
この実施の形態では捨て錘と調整用錘を設ける。これらの錘は美観を損しないように、且つ自然風力換気窓の機能を達成するためのものである。ここで捨て錘は障子の重心位置を移動させる為の錘であり、調整用錘は窓を製作時の製作誤差による障子開閉動作のばらつきを微調整する。また、調整用錘は窓の経年による歪、摩耗等による開閉動作のばらつきを補正するものである。
【0048】
上記のため調整用錘は位置を調整可能に障子に装着されるものである。
【0049】
捨て錘52,53は図3、図5、図6、図7に2重斜線を付して示すように竪框21の中空部21eに挿入されている。図3に示すように捨て錘52,53は竪框21の内面材21a、外面材21bの中空部構成材に接する大きさの断面四角形である。この捨て錘52,53の断面形状は中空部21eに挿入できれば制約はなく、障子重心位置の移動量を所期のものとすることを期して定められる。
【0050】
図6に示すように側面から見ると捨て錘52はメインアーム障子側取付具14の位置とサブアーム障子側取付具28の位置間にわたっている。また、捨て錘53は竪框21と下框23との仕口からサブアーム障子側取付具28の位置間にわたっている。捨て錘52,53は夫々竪框21の外周材21dを挿通してねじ込まれた小ねじ57(図3参照)により竪框21に固定されている。
【0051】
捨て錘54は図4、図5、図6、図7に2重斜線を付して示すように上框22の中空部22iに挿入されている。ここで、中空部22iは図4に示すように内面材22a、外面材22b、外周材22g、内周材22hでほぼ方形に囲まれて構成されている。上框22と竪框21を竪框勝に仕組む仕口において両框を結合するためのタッピンねじをねじ込むタッピング穴22q(図7参照)が夫々外周材22g、内周材22hの中空部側に設けてある。
【0052】
従って、捨て錘54の形状を簡単な形状である断面四角としているので捨て錘54は上述のタッピング穴22qを構成する部分に干渉しない大きさとしている。捨て錘54は外面材22b、内周材22hに接している。捨て錘54は上框22の長手方向の全長近くまで配設してある。
【0053】
捨て錘55は図4、図5、図6、図7に2重斜線を付して示すように下框23の中空部23eに挿入されている。ここで、中空部23eは図4に示すように内面材23a、外面材23b、外周材23c、内周材23dでほぼ方形に囲まれて構成されている。下框23と、竪框21を竪框勝に仕組む仕口において両框を結合するためのタッピンねじをねじ込むためのタッピング穴23q(図7参照)が外面材23bと内周材23dの中空部側に設けてある。
【0054】
従って捨て錘55の形状を簡単な形状である断面四角としているので捨て錘55は上述のタッピング穴23qを構成する部分に干渉しない大きさとしている。捨て錘55は内面材23a、外周材23cに接している。捨て錘55は下框23の長手方向の全長の近くまで配設してある。
【0055】
(メインアーム、サブアームの取付位置)
本実施の形態のメインアーム3、サブアーム4の取付位置について説明する。図8、図9は摸式的に示す本発明の自然風力換気窓の見込方向縦断面図であり、図8は障子2が閉じた状態、図9は障子2が開いた状態を示す。
【0056】
力学的に説明するため、既述したピン17はメインアーム障子側支点3a、ピン26はメインアーム枠側支点3b、ピン31はサブアーム障子側支点4a、ピン34はサブアーム枠側支点4bと表現する。
【0057】
図8に示すように障子2が閉じられている際は、障子2は直立している。そのときの障子2の重心CGは障子上下方向のほぼ中心、ガラス面の室内側寄りにある。説明を簡単にするため、この重心CGをとおり、壁面に平行な垂直平面PL上にメインアーム障子側支点3a、サブアーム障子側支点4aが位置するとする。そして、前記平面PLよりも室内側にメインアーム枠側支点3b、サブアーム枠側支点4bが位置する。ここで、メインアーム3が前記平面PLとなす角をθ1、サブアーム4が前記平面PLとなす角はθ2である。障子側支点3a,4aを中心として平面PLから反時計回りの夫々のアーム3,4のなす角を正角とすると、角θ1,θ2を正角とする。障子側支点3a,4aが障子重心をとおる平面PLよりも外部側にあっても差支えはないが、枠側支点3b,4bは室内側になければならない。上述において、角度θ1,θ2は何れも小さくθ2<θ1である。
【0058】
本例では障子2の重心CGはメインアーム障子側支点3a、サブアーム障子側支点4aよりも下方にある。このため、サブアーム4の長さを大きくでき、障子2が開いた状態におけるサブアーム4とサブアーム障子側支点4aをとおる垂線のなす角α2(図9)を小さくとれる。
【0059】
ここで、障子2が閉まった状態において障子2を開こうとする力についてみると、平面PL上に障子両支点3a,4aがある条件では障子2の重量Wは支点3a,4aには夫々W/2が加わる。そこで、支点3aに加わる荷重W/2をメインアーム3に沿う力とメインアーム3に直交する力に分解すると、メインアーム3に直交するする力はW/2・sinθ1となる。メインアーム3の長さ(支点3a,3b間の距離のこと)をL1(不図示)とすると、障子2の荷重によりメインアーム3を枠側支点3bを中心にして外部側へ回転しようとするモーメントM1=L1・W/2・sinθ1となる。また、支点4aに加わる荷重W/2をサブアーム4に沿う力とサブアーム4に直交する力に分解すると、サブアーム4に直交する力はW/2・sinθ2となる。サブアーム4の長さ(支点4a,4b間の距離のこと)をL2(不図示)とすると、障子2の荷重によりサブアーム4を枠側支点4bを中心にして外部側へ回転しようとするモーメントM2=L2・W/2・sinθ2となる。
【0060】
障子2が開くとき、メインアーム3、サブアーム4は枠側支点3b,4bを中心にして反時計回りに回動して夫々ストッパ18a,32bに当接して停止し、図6、図9(図9ではストッパは図略)の位置となる。ここで、無風状態で換気が行われる。
【0061】
障子2が開いてストッパ18a,32bにメインアーム3、サブアーム4が当接した状態での力の均衡は次のとおりである。メインアーム障子側支点3aとサブアーム障子側支点4aとの水平距離をM、障子重心CGとメインアーム障子側支点3aとの水平距離をNとすると、メインアーム障子側支点3aに加わる垂直荷重をP1、サブアーム障子側支点4aに加わる垂直荷重をP2、として、P2−P1=W P2・M=W・Nであるから、P2=(N/M)・Wとなる。また、メインアーム障子側支点3aには障子2の重量に基づいて上向きの力が加わる。上向きの垂直荷重P1=W・(N−M)/Mである。そこで、この荷重P1のメインアーム3に直交する成分はメインアーム障子側支点3aを頂点とするメインアーム3と垂線のなす角をα1とすると、P1・sinα1=(W・(N−M)/M)・sinα1
そこで、障子2の上側はメインアーム枠側支点3bを中心としてM3=(W・(N−M)/M)・sinα1・L1なるモーメントが働き障子2の上側を閉めようとする力が生じている。
【0062】
ここでサブアーム障子側支点4aには障子2の重量に基づいて生ずる荷重は下向きであるのでサブアーム4には反時計回りのモーメントM4が生じ障子2が開く方向に働く。
【0063】
障子2を開こうとするモーメントM4は力P2の方向とサブアーム4のなす角をα2とすると、M4=P2・sinα2・L2ここで、L2はサブアーム4の支点4a,4b間の距離である。そして、M3<M4となるように設定されており、且つこれらの差を小さなものとしてある。それ故、無風時は、障子2が開いた状態で障子2が閉まる方向へ移動しないようになっている。
【0064】
上述のような点を勘案してメインアーム3、サブアーム4の長さ、支点3a,3b,4a,4b位置を設定する。
【0065】
このような設定により、無風時に障子2は閉めた位置から自然に緩やかに開く。そして、例えば、障子2の外部側から障子2面に交叉方向から風が吹き付けると風圧によって障子2は閉まる。その閉まり方は、図9においてメインアーム3が枠側支点3bを中心にして時計回りに回動し、サブアーム4は枠側支点4bを中心に時計回りに回動するものである。そこで、強い風であると障子2は閉ってしまう。然し乍ら微風の際は障子2は少し開いた状態であって外気は室内側へ吹き込む。この微風によっても障子2が閉まるのは、サブアーム障子側支点4aが障子重心CGよりも上にあって前記角α2が小さく、且つ、障子2の全面に加わる風力が室内側へ向う力となるためである。なお、且つメインアーム3が室内側へ向って回動しようとする釣合状態であるためである。
【0066】
なお、障子2は開閉装置を付さないでも、窓の風力等で自然に開閉換気するものであるが、自然換気動作を邪げない開閉装置を付し、或いは暴風雨に備えて締り装置を備えてもよい。
【0067】
なお、上記においてメインアーム3、サブアーム4は障子2の左右に配設されているので、障子2の重量Wにより発生するメインアーム3、サブアーム4に加わる荷重は左右一対宛てのメインアーム3、サブアーム4で担持するものである。
【0068】
(建物に備えた場合の自然風力換気窓)
図10から図12に自然風力換気窓について動作を説明する。図において建物41の外壁の上部には上述した本発明の自然風力換気窓D(D1,D2)が設けてある(障子2のみ示す)。ここでD1は風上側、D2は風下側に配置した窓Dである。この窓Dは通常建物の上部に設ける。この窓Dは対向する壁面に夫々設けるが建物41の全周に設けても良い。符号37は建物41の床面に置かれた発熱体である。ここで発熱体37とはOA機器、ストーブ、エアコンの室内側熱交換器等の例がある。また、建物41の下部には吸気を行うように、例えば外壁にルーバ(図示されない)等が設けてある。この吸気は「吸気」の文字と黒角点の連鎖で示す。
【0069】
図10は無風状態で発熱体37が動作しているときを示す。窓D1,D2共障子2は無風状態では一定量開いている。この障子2の開放は障子2の重量と窓Dの構成によっている。発熱体37で加熱された空気は図示黒丸の点の連鎖で表したように上昇し天井に沿って窓D1,D2に向い排気される。同時に吸気が行われる。
【0070】
図11は一定風速以下の風38が一方の窓D1に吹きつける場合を示す。この場合に風上側は障子2に対して正圧を加えることになる。しかし、風力が小さいため、障子2は閉じないか閉じても全閉はしない。そこで黒角の点線で示すように風上側から窓を通じて室内へ外気が入る。このため、発熱体37から上昇してくる暖気と室内へ進入した外気は混合し風下側の窓D2から排出される。
【0071】
図12に示すように風上側から一定風速以上の風39が吹くと風上側の窓D1は障子2が閉まり、外気は室内に進入しない。一方、風下側の窓D2外は負圧となるので障子2は開いたままである。従って、発熱体37からの内部発熱等は風下側の窓D2を通じて排気される。
【0072】
上述の無風、一定風速以下の風、一定風速以上の風の換気量をみると、無風時は風上、風下の窓から排気される。即ち、排気する窓は2個所である。即ち、無風以外の場合に比して排気開口面積は2倍である。一定風速以下の風の場合は、風上側の障子2は全開から開度を小さくした開度で開き外気がわずかしか室内へ入らない。そして一定風速以下の場合の風下側の窓は全開しているが風下の負圧が小さいので1つの窓としての排気量はそう大きくはならない。一定風速以上の風の場合は、風上側の障子2は閉じている。そして、内部発熱体37の内部発熱等は風下側に生ずる負圧が大きくなるので無風時の1つの窓から排気する空気の量よりも大きな量の内気が風下側の窓D2から排気される。
【0073】
上述の観点から見ると分かるように無風時、一定風速以下の風の吹くとき、一定風速以上の風の吹くときに換気量を均等化の方向へ障子の開閉、開度が変更されることが分かる。従って中間期(4〜6月、9〜11月)等に、利用することで空調負荷の低減が図れる。
【0074】
また、室内に吹き込もうとする一定風速以上の風においては障子が風力のみで自動的に閉まり、室内に吹き込もうとする風が一定風速以下になると動力を用いることなく、又、手動操作をすることなく自動的に障子が開くので、これまで、まれに吹き込む風のために断念していた、窓を開けての換気が可能となる。但し、強風時には風力の消長が大きいので開閉装置、締り装置で障子を閉めておく必要がある。
【0075】
上述では自然風力換気窓Dは建物の外部に面して取り付けられた窓枠とした構成であるが建物に代えて部屋でもよい。即ち、部屋の外に廊下又は他の部屋がある場合において、廊下又は他の部屋が外部側に面する通常の窓を有して、この窓開放時において、風は吹き込むので建物の外部側に面しない部屋の風上となる窓に設ける場合も有効である、また、風下側の窓であって廊下又は他の部屋に面している場合も自然風力換気窓を設けてもよい。
【0076】
本発明の上記作用効果に対して従来の外辷り出し窓では図13に示すように開閉装置(自動、手動)によって障子2′は一定開度に保たれる。また、障子2′は上端が竪枠に沿って上下する構成であるため外部から見込方向内部側へ向って加えられる外力(風上側の一定風速以上の風等)によっても機構上閉まるおそれが小さく、また、この特性を生かした窓とされていた。そこで一定風速以上の風39が吹くと、風上側の窓は障子2′が開いたままであるため、室内へ吹き込み、室内の気圧を高め風下側の窓から排気して室内を著しく換気してしまう。このとき、吹き込んだ風で室内環境を乱す。そして室内にても風が舞う状態となったりして机の上の書類等が飛ぶ。そこで、屋内での作業や、生活に煩わしさが発生し、支障をきたす場合がある。そのため、やむを得ず少なくとも風上側の障子2′を閉めてしまう。または同障子2′を閉めてしまう必要がある。従って、一旦風上側の障子2′を閉めてしまうと、一定風速以上の風が吹かなくなっても該障子2′は閉めたままとなりがちであるので発熱体37からの内部発熱等に対して空調装置を作動する必要が出てくる。
【0077】
(捨て錘による重心移動)
次に自然風力換気窓において、下記2点についての解決方法を述べる。
【0078】
(1)障子が意匠上の制約を受けて、障子の重心位置及びメインアーム・サブアームの形状及び取付位置を得られない場合、ある定められた風速の風で、開いた障子を閉める事が可能な方法。
【0079】
(2)障子を構成する、上框・竪框・下框が同じもので構成された障子でも、障子の幅と高さの寸法の違いや、またガラスの厚さの違い(となり合わせたサッシでも、防火法規により片や単板ガラス、片や網入りガラスという場合がある。)等で、障子の重心位置、重量がまちまちになるものに対し、ある定められた風速の風で、開いた障子を閉める条件を満たし、統一されたメインアーム3、サブアーム4の形状、サッシへの取付け位置を採用する方法。
【0080】
上記(1)(2)の説明の前に、障子2が無風時に、閉状態から自然に開き、そこから風が吹いて閉まる状態を設計する根本となる条件について述べる。
【0081】
図14、図15は、同一の自然風力換気窓が閉じた状態と開いた状態を示している。ここでメインアーム3、サブアーム4の延長線上の交点である瞬間回転中心Cより障子2の重心CGの位置が水平方向で右側に位置している。この状態が障子2は開き勝手にあることを示し、図とは逆に重心位置が該中心Cより左側に位置する場合は、障子2は閉まり勝手にある。また、図14の瞬間回転中心−障子重心間の水平距離(A)と図15の障子2が開いた場合の該距離(B)を比較すると、A<Bで、障子2の重量をWとすると、A×W<B×Wとなり、瞬間回転中心−重心間の水平距離(A、B)に障子の重量を乗じた値をここでは、『回転トルク』とするが、この回転トルクが大きい方が、障子2の開き勝手が強いということになる。この回転トルクが、障子2が開いた状態から閉まる方向に受けた風で発生するモーメント(以下『閉鎖モーメント』よりも小さければ、開いた障子2は風で閉まるということとなり、あらかじめどれくらいの風で閉まるかを定めれば、風により発生するモーメント(閉鎖モーメント)が定まり、障子2が閉鎖状態から開放状態までのあらゆる局面で、この数値以下となるように、障子2の重心位置及びメインアーム3、サブアーム4の形状と、サッシへの取付け位置を決めて行くことにより、あらかじめ定めた風で障子を閉鎖することが可能となる。ただし実際の設計ではさらに、メインアーム3、サブアーム4の軸部の回転抵抗等を加味し、設計を行う必要がある。
【0082】
以下、前段で述べた、(1)(2)について、説明をする。
【0083】
(1)について
今、サッシの意匠上の制約により、図14、図15において、あらかじめ定められた風により障子2に発生する閉鎖モーメントに対し、以下の条件があるとする(障子重量は、Wとする)。
【0084】
A×W(障子閉鎖時の回転トルク)<閉鎖モーメント・・・・・図14
B×W(障子開放時の回転トルク)>閉鎖モーメント・・・・・図15
ここで、あらかじめ定められた風で障子2が閉まるようにするためには、意匠上の制約により、メインアーム3、サブアーム4はいじれないので、図16のごとく、下框23に重量△wの錘(捨て錘55)を付加して障子2の重心位置を符号63から64へ移動することにより
B′×W(障子閉鎖時の回転トルク)<閉鎖モーメント・・・・・図16となる。
【0085】
図15で満たせなかった条件を図16では満たすことを可能としている。この際、図16の状態はもちろん実際の設計では閉状態から開放状態のあらゆる局面で条件を満たすように重心位置を移動することが、必要である。
【0086】
ここで、重心位置を移動するための基本式を挙げる。
【0087】
物体の重心位置(ここではy方向について述べる yo:Y方向重心位置)は、
yo=断面1次モーメント(断面積:A×重心位置:Y)/断面積:A
である。
【0088】
また、二つ以上の物体からなる重心位置は、
yo={(A1×Y1)+(A2×Y2)+・・・・(An×Yn)}/(A1+A2・・・・An)
となる。
【0089】
これで、A1、Y1を障子として、A2、Y2を錘とすると、錘(捨て錘)を付加した障子の重心位置が求められる。つまり、図16であれば、下の条件を満たす錘(捨て錘)55を付加すればよい。X方向に対しても同様である。(但し、この際も前段で述べたメインアーム3、サブアーム4の軸部の回転抵抗等を下の条件に加味する必要はある。また例では下框23であるが竪框21、上框22に錘(捨て錘)を付加する場合もあり、框の見付面の見えがかり部分より、見え隠れ部分に錘(捨て錘)を付加することが意匠上よく、望まれる。
【0090】
閉鎖モーメント≦B′×(W+△w)・・・・・△w:錘(捨て錘)の重量
(2)について
(2)についても(1)で述べたように、障子の閉状態から開放時のあらゆる局面での回転トルク<閉鎖モーメントとなる条件を満たせばよい。但し、前段で述べたメインアーム3、サブアーム4の軸部の回転抵抗等を下の条件に加味する必要はある。
【0091】
また、障子を構成する、上框、竪框、下框が同じもので構成された障子で幅・高さのサイズも同じでも、ガラス厚さの違いにより障子の重心位置、重量が異なる場合がある。又、四節連鎖機構による外辷り出し窓を自然風力換気窓とする場合、障子の形式、例えばガラス位置が図17、図18に示すガラス5が障子2の外部側又は図19、図20に示す障子2の框内にある場合がある。建物にこのサッシが横並びに設置される場合、風に対する障子の挙動をそろえることを求められることがある。この場合は、重量の軽い方の障子の重量を重い方のものと同じになるように錘(捨て錘)を付加しつつ、重い方の重心位置と同じ位置となるようにする。つまり錘(捨て錘)を框に付加することで、メインアーム・サブアームのサイズや取付け位置を同一としておけば、風に対する挙動をそろえることができる。
【0092】
上述のように、框の中空部内に捨て錘を設けると、サッシの意匠を害することなくサッシ断面の設計の自由度が得られ、各種のサッシに対応できる。
【0093】
(調整用錘)
本実施の形態では図3、図4に示すように調整用錘を用いている。ここで、図3、図4では調整用錘60,61,62は夫々1個であるが、図示はこれら錘を移動限度に位置する2個所に夫々示してある。設計者は自然風力換気窓が一定風力以下で開き、一定風力以上で閉じるように計画する。そこで上述した捨て錘52〜55を全部設け、又は捨て錘52〜55を選択的に設ける。しかし乍ら、製作誤差、メインアーム3、サブアーム4の取付部の摩擦トルクのばらつき等で設計値から外れた仕様となり、窓の開閉動作が期待の動作から外れることがある。このとき、調整用錘60,61,62を位置を移動可能に設ける。ここで、調整用錘60は竪框21に設けられ、調整用錘61は上框22に設けられ、調整用錘62は下框23に設けられている。
【0094】
また、経年により自然風力換気窓の形状の狂い、メインアーム3、サブアーム4の取付部の摩擦トルクの変化により、同じ風力による開閉状態が変化することに対しても錘を調整する必要があり、調整用錘60,61,62を設ける。
【0095】
竪框21に保持する調整用錘60は竪框21の見込方向で室内側にある。また、竪框21内に設けた捨て錘52,53より見込方向で室外側から室内側にわたって移動可能である。
【0096】
竪框21に設ける調整用錘60は障子2の重量Wと障子2に設けた捨て錘52〜55の重量に基づく障子2の重心を見込方向移動させる効果がある。効果は特に竪框21に設けた捨て錘52,53の重量が設計上の狙いから外れ所望よりも不足していたとしても、捨て錘52,53よりも調整用錘61が見込方向の室内側に移動可能であるので障子2の重心CGを室内側へ移動するためには捨て錘52,53の不足分よりも小さい重量の調整用錘61で足りるものである。なお、捨て錘52,53の何れか1つ(左右両端では2つ)を設けるようにしてもよい。
【0097】
上框22に保持する調整用錘61は上框22の見込方向で室内側にある。また、上框22内に設けた捨て錘54より見込方向で室内側にある。
【0098】
上述の点より、上框22に設ける調整用錘61は障子2の重量Wと障子2に設けた捨て錘52〜55の重量に基づく障子2の重心を障子2に沿って上方及び見込方向室内側へ移動させる効果がある。効果は特に上框22に設けた捨て錘54の重量が設計上の狙いから外れ所望よりも不足していたとしても、捨て錘54よりも調整用錘61が見込方向の室内側にあるので障子2の重心CGを室内側へ移動するためには捨て錘54の不足分よりも小さい重量の調整用錘61で足りるものである。
【0099】
下框23に保持する調整用錘62は下框23の見込方向で室内側にある。また、下框23内に設けた捨て錘55より見込方向で室内側にある。
【0100】
下框23に設ける調整用錘62は障子2の重心Wと障子2に設けた捨て錘52〜55の重量に基づく障子2の重心を障子2に沿って下方及び見込方向室内側へ移動させる効果がある。その効果は特に下框23に設けた捨て錘55の重量が設計上の狙いから外れ所望よりも不足していたとしても、捨て錘55よりも調整用錘62が見込方向の内部側にあるので障子2の重心CGを室内側へ移動するためには捨て錘55の不足分よりも小さい重量の調整用錘62で足りるものである。
【0101】
上述において、捨て錘52〜55、調整用錘60,61,62の材質は防食と重量を得る点でステンレス鋼が適当であるが、他の金属の場合、合成樹脂、セラミック等であってもよい。
【0102】
ここで本発明のこの実施の形態では調整用錘は見込方向に位置を調節可能に設けられている。
【0103】
なお、上述のように実施の形態では捨て錘52〜55を用いている。捨て錘52〜55を設けると、調整用錘60,61,62は、障子の重心CGの位置が捨て錘52〜55によっても設計上障子2の開閉動作が狙いから外れた場合に比較的小さな錘を用いて障子2の開閉動作を修正できる。
【0104】
しかし、本発明の実施の形態では調整用錘によって障子2の開閉動作を所望のものとできる。この場合、捨て錘52〜55は全て、又は一部をなしで構成できる。
【0105】
このように捨て錘の有無にかかわらず、四節連鎖機構において障子は、1つのリンクであるから、リンクとしては捨て錘、調整用錘及び障子構成部材である框、ガラス、グレージングビード、結合部材を加えた部材として扱われる。従って、捨て錘はなくも、調整用錘を見込方向の位置で中間位置に位置した状態で自然風力換気窓として設計上の目標を設けることができる。
【0106】
このような調整用錘を用いた本発明の実施の形態は捨て錘の有無にかかわらず成立し、その要部は次のとおりである。
【0107】
(1)部屋又は建屋としての建物41の外部に面して取り付けられる窓枠1と、窓枠1に納まり窓を閉めた状態と窓枠1から外部へ向って辷り出して開く障子2を有する自然風力換気窓であって、調整用錘60,61,62を障子2の位置を調節可能に取り付ける調整用錘60,61,62の取付部である調整用錘取付台座21h,22k,23mを備えた框21,22,23を有する障子2と、調整用錘60,61,62の取付部に位置を調節可能に取り付けられた調整用錘60,61,62と、障子2の調節用錘60,61,62の取付部に位置を調節して調整用錘60,61,62を取り付ける調整用錘の取付手段と、窓枠1の両側の堅枠11と、障子2の竪框21間に夫々設けられ竪框21上部に一端が枢着され他端が前記一端よりも低い位置において堅枠11に枢着された短い長さのメインアーム3と、竪框中間部に一端が枢着され他端が竪枠下部に枢着されメインアーム3よりも長い長さのサブアーム4とを有し、障子2を閉めた状態において、各アーム3,4は夫々ほぼ垂直方向を向いて、各アーム3,4の竪框21への枢着位置が各アーム3,4の竪枠11への枢着位置の上方に位置し、障子2の重量による各アーム3,4を付勢する力を調整用錘60,61,62の位置により調節する自然風力換気窓。ここで、調整用錘60,61,62は全部又は一部を選択的に設ける。
【0108】
(2)中空部21e,22i,23eを有し、中空部21e,22i,23eに捨て錘52〜55を内蔵した框21,22,23を備えた障子2を有し、障子2の重量と捨て錘52〜55の重量による各アーム3,4を付勢する力を調整用錘60,61,62の位置により調節する(1)に記載の自然風力換気窓。
【0109】
(3)調整用錘60,61,62の取付部は調整用錘60,62を見込方向に移動できる長さの面を有する錘取付台座21h,23mを有し、錘取付台座21h,23mに見込方向に間隔をおいて調整用錘60,61,62の錘取付台座21h,23mへの取付部材である小ねじ65の係合部であるめねじ21j,23sを有する(1)又は(2)に記載の自然風力換気窓。なお、上框22について調整用錘61は錘取付台座22kと該錘61を間にして対向する上板22mに設けためねじ22nに小ねじをねじ込み該錘61を加圧又は該錘61に設けた穴に該小ねじの先端を嵌合する。
【0110】
(4)調整用錘の取付手段は、後述する平行移動装置である。
【0111】
(5)平行移動装置は後述するように、ラックピニオンと巻掛伝動装置の組合せである。
【0112】
自然風力換気窓の障子重心位置変更機構の詳細についてのべる。
【0113】
本発明の実施の形態は障子2を閉めた状態において、各アーム3,4は夫々ほぼ垂直方向を向いて、各アーム3,4の竪框21への枢着位置が各アーム3,4の竪枠11への枢着位置の上方に位置し、障子2の重量による各アーム3,4を付勢する力を調整用錘60,61,62の位置により調節する。
【0114】
実施の形態1は調整用錘60,61,62の取付部は調整用錘を見込方向に移動できる長さの面を有する錘取付台座を有し、錘取付台座に見込方向に間隔をおいて調整用錘の錘取付台座への取付部材としてのねじ部材の係合部としての穴を有する。この穴はめねじである。
【0115】
(a)竪框における調整用錘の構成
図3に示すように竪框21の中空部21eの隣に障子内に向って中空部21gが設けてある。中空部21e,21gを構成するための外面材21bは見込方向同一位置にある。中空部21gは中空部21eよりも見込方向長さが長い。
【0116】
中空部21gの見込方向の長さは調整用錘60の見込方向厚さよりも大きい。実施例では調整用錘60の見込方向の厚さに対して中空部21gの見込方向の長さは約3倍である。また、本例では調整用錘60は上下框21,22間にわたる長さを有するが長さは短くてもよく限定はされない。中空部21gを構成する障子内周側の内周材である錘取付台座21hの内部側端から更に内周側へ突条21iが突出して突条21sとなっている。外面材21bは錘取付台座21hよりも内周側へ突出している。突条21i,21sは錘取付台座23hの両端を画し障子内まであり、錘60が見え難いように目隠しとなっている。錘取付台座21hには同一高さで見込方向に複数のめねじ21j列が竪框21の上下一個所宛に設けてある(図4参照)。そして、見込方向で同一位置にある上下のめねじ21jに調整用錘60を挿通して小ねじ65を錘取付台座21hのめねじ21jにねじ込み調整用錘60を固定する。調整用錘60の位置を変更するには小ねじ65を取り外して、調整用錘60を見込方向で他の位置にあるめねじ21j上に移動し調整用錘60を挿通して小ねじ65を錘取付台座21hにねじ込む。
【0117】
上述のとおり、調整用錘60の位置を見込方向へ移動することにより、障子重心CGを見込方向へ移動できる。従って、調整用錘60の重量を変更するために断面とか長さ材質を変えることなく、広い範囲に障子重心位置を変更できる。
【0118】
なお、調整用錘60は長さを短くして見込方向幅を大きくし、竪框21に上下方向位置を調節可能に設けてもよい。
【0119】
(b)上框における調整用錘の取付構成
図4に示すように上框22の中空部22iの室内側に隣接して中空部22jが設けられている。中空部22iは上框22の長さと等しい長さを持っている。中空部22jの両端開口は竪框21によって塞がれていない。なお、既にのべたように上框22と竪框21との仕口は竪框勝である。中空部22jの見込方向の大きさは、内部に収納する調整用錘61の見込方向厚さよりも大きい。実施例では中空部22jの見込方向の寸法は調整用錘61の見込方向の厚さの約3倍となっている。上框22の内周材22hと同一面上に内周材22hの一部と併せて調整用錘取付台座22kが内部側へ延ばして設けられている。この台座22kは中空部22jを構成するための下側の部材である。中空部22jは上記台座22k、上板22m、内面材22a、第2の内面材22pで構成されている。中空部22jを構成するための上板22mには見込方向の一直線上にめねじ22n列を有する。めねじ22n列は上框22の左右両端に配列されており、この左右におけるめねじ22n列の個々のめねじ22nの位置は見込方向では各々同じ位置にある。このめねじ22nにねじ込んだ図示されない小ねじで調整用錘61を押し付ける。又は、調整用錘61に該小ねじの挿入する穴を設けておいて該穴に小ねじを挿入する。
【0120】
従って、調整用錘61を見込方向に平行移動して、移動した位置において、めねじ22nに図示されない小ねじをねじ込んで調整用錘61を調整用錘取付台座22kに押圧して、調整用錘61を上框22に固定する。
【0121】
調整用錘61の両端は中空部22jの両端又は両端近くにあるか、もしくは中空部22jからわずかに突出している。調整用錘61の移動はめねじ22nにねじ込んである小ねじを弛めるか、ぬいてから、調整用錘61の両端を工具又は指先で見込方向に移動する。移動後、めねじ22nに小ねじをねじ込んで調整用錘61を固定する。又は、調整用錘61の室内側の面にめねじを設け、このめねじと一致する位置において、第2の内面材22pに穴をあける。そして、第2の内面材22pの穴を挿通して調整用錘61のめねじに長ねじをねじ込む。長ねじを前後することにより調整用錘61の位置を変更する。
【0122】
上述のとおり調整用錘61の位置を見込方向へ平行移動することにより障子重心CGを見込方向へ移動できる。従って、調整用錘61の重量を変更するために錘の断面とか長さ材質を変えることなく、広い範囲に障子重心位置を変更できる。調整用錘61は障子2の上部で室内外にあるため、障子重心CG位置を室内側へ移動する効果が大きい。
【0123】
竪框21と上框22の仕口は竪框勝である。竪框21により中空部22iの端部はふさがれている。
【0124】
(c)下框における調整用錘の取付構成
図4に示すように下框23の中空部23e上には隣接して中空部23kが設けられている。中空部23kの上部を構成する部材はほぼ水平な調整用錘取付台座23mとなっている。この台座23mは下框23の内周材23d(中空部23eの上部を構成する範囲の部材)の見込方向幅よりも大きく、且つ、室内側へ延出している。なお、中空部23eは内面材23a、外面材23b、外周材23c、内周材23dでほぼ四角形に構成されている。外面材23bと同一面で中空部23kの外面を構成する外面材23n及び突条23pが設けてある。この突条23pと対向して室内側には台座壁23rが設けてある。中空部23kは外面材23n、台座23m、内周材23dと同一面で室内側へのびる下面材23t、下面材23t端より立上がる内面材23u、台座壁23rと内面材23uの頂部を結合する天板23vを有する。ここで、突条23pと台座壁23rの高さは同一高さにある。この高さは調整用錘62の高さとほぼ同じである。
【0125】
竪框21と下框23の仕口は竪框勝である。竪框21によりふさがれない範囲での中空部23kの端部は図示されない栓でふさがれている。
【0126】
調整用錘取付台座23mには見込方向一直線上にめねじ23s列が設けられている(図3参照)。めねじ23s列は下框23の左右両端に配列されており、この左右におけるめねじ23s列の個々のめねじ23sの位置は各々見込方向の同じ位置にある。このめねじ23sに調整用錘62に設けた不図示の穴を挿通して図示されない小ねじをねじ込む。
【0127】
従って、調整用錘62を見込方向に平行移動して移動した位置において、めねじ23sに図示されない小ねじをねじ込んで調整用錘62を下框23に固定する。
【0128】
調整用錘取付台座23mは台座壁23r、突条23pで画されているが、上方が開放されているので、調整用錘62は容易に移動できる。
【0129】
上述のとおり調整用錘62の位置を見込方向へ移動することにより障子重心CGを見込方向へ移動できる。従って、調整用錘62の重量を変更するために断面とか長さ材質を変えることなく、広い範囲に障子重心位置を変更できる。調整用錘62は障子2を開くと、障子2の下部で外部側にあるため、障子重心CG位置を移動する効果が大きい
調整用錘60,61,62は一部を選択的に設ける場合に、調整用錘を取り付けない框は調整用錘の取付部を設けない框としてもよいし、調整用錘の取付部を有する断面の框としてもよい。
【0130】
(実施の形態2)
この実施の形態2は調整用錘の位置調整の操作性を向上することを目的として、調整用錘の移動を無段で連続して行えるようにしたものである。障子2の框の断面は調整用錘の取付部を除くと実施の形態1の調整用錘を除いた断面とほぼ同一であるので、各框の断面が実施の形態1と異なる部分についてのべる。
【0131】
(1)竪框の断面
図21に示すように内周材(図3の21fに相当)は内部側へ延出されて調整用錘取付台座21hが設けてある。捨て錘52,53を収容する中空部21eと隣接して該台座21hの一部を隔壁として中空部21kが設けてある。中空部21kは外面材21b、第2の内面材21m、上記台座21h、台座21hに対向する側板21rでほぼ四角形に構成されている。外面材21b、内面材21mは障子内へ向って延び突条21n,21pが設けられている。対向する突条21n,21p間にはカバー部材121が嵌め込まれている。中空部21kに調整用錘60が収容されている。
【0132】
上記において調整用錘取付台座21hと側板21rは平行しており、間隔は調整用錘60の壁面に平行な方向(見付方向)の厚みより大きい。ここで、調整用錘60と側板21r間には後述する調整用錘60を微調整可能に移動するための平行移動装置が収容される。
【0133】
(2)上框の断面
図22に示すように上框22の中空部22jを構成する上板22mと調整用錘61の上面とは間隔があいている。そして、上板22mと調整用錘61の間には後述の調整用錘を微調整可能に移動するための平行移動装置が収容される。
【0134】
ここで、中空部22jを構成する第2の内面材22pの丁度上部には突条22rが設けられている。突条22rと内面材22a間にはカバー部材122が嵌め込まれている。中空部22jは内面材22a、調整用錘取付台座22k、第2の内面材22p、上板22mで断面方形に構成されている。
【0135】
(3)下框の断面
図23に示すように下框23の中空部23eを構成する内周材23dは内部側へ下面材23l(エル)として延出されている。内周材23dと下面材23l(エル)は併せて調整用錘取付台座23mとなっている。中空部23eの上部に内周材23dを隔壁として設けられる中空部23kは、調整用錘取付台座23m、外面材23b、第2の内面材23u、上板23wにより構成されている。外面材23bは上板23wよりも上方へのびた突条23xを有する。第2の内面材23uは上板23wより上方へのび突条23yを有する。突条23x,23y間にはカバー部材123が嵌合している。
【0136】
上記において調整用錘取付台座23mと上板23wは平行しており、間隔は調整用錘62の上下方向の厚みより大きい。ここで、調整用錘62と上板23w間には後述する調整用錘62を微調整可能に移動するための平行移動装置が収容される。
【0137】
(4)調整用錘の位置を微調整可能な取付手段
図24、図25は調整用錘の位置を微調整可能な取付手段を示している。
【0138】
調整用錘60,61,62の取付手段は、調整用錘60,61,62に設けたガイド部である戸車72と、調整用錘60,61,62のガイド部を案内する見込方向の戸車レール73を有する調整用錘取付台座21h,22k,23mと、この錘取付台座に設けられ調整用錘60,61,62を見込方向に平行移動させる平行移動装置とを有する。
【0139】
平行移動装置は調整用錘60,61,62に設けられた見込方向の一対の平行するラック66と、夫々のラック66に噛み合い框側に回転自在に取り付けられたギア67と、各ギア67と同軸に取り付けられギアと共に回転する従動プーリ68と、各従動プーリ68と、無端の可撓性条材としてのワイヤ71を介して結合され框に回転自在に支持された駆動プーリ69と、を有する。ここで、ラック66、ギア67、従動プーリ68は調整用錘60,61,62の長手方向の両端部に配されている。
【0140】
駆動プーリ69を回転することにより調整用錘60,61,62の位置を見込方向に変更可能である。
【0141】
前述した竪框21の中空部21kと側板21r(図21参照)、上框22の中空部22jと上板22m(図22参照)、下框23の中空部23kと上板23w(図23参照)に夫々は配設される調整用錘の位置を微調整可能に移動する錘移動装置(平行移動装置)は機構上同様であるので下框に備える場合についてのべる。
【0142】
図23、図24、図25は下框に適用した場合の三面図であって、図23は側面図、図24R>4は正面図、図25は平面図である。
【0143】
調整用錘62の上面には見込方向に長いラック66が固定されている。このラック66は該錘62の両端部に設けてある。ラック66に噛み合うギア67は上板23wに回転自在に支持されている。ギア67と一体のプーリ68と離れた位置に設けたプーリ69との間にはワイヤ71が巻き掛けてある。プーリ69は上板23wに回転自在に取り付けてある。調整用錘62の長手方向両端部には戸車72が設けてある。戸車72は調整用錘取付台座23m上を戸車レール73を介して転動する。該台座23上には、戸車72をガイドする戸車レール73が各戸車72の両側に夫々設けてある。
【0144】
上記構成について詳細に説明する。図26に図24を拡大して一部を断面で示してある。プーリ68と一体のギア67は支軸74に回転自在に嵌合している。支軸74はつば74aを有し、つば74aでもってギア67、プーリ68の下方への移動を規制している。支軸74は取付フランジ75に嵌合固定されている。支軸74はナット76をねじ込まれて取付フランジ75に固定されている。取付フランジ75は円筒形嵌合部75aを有する。円筒形嵌合部75aは上板23wに設けた穴23w1に嵌合している。穴23w1の直径はギア67の外径よりも大である。取付フランジ75は小ねじ77を用いて上板23wに固定してある。ここで、ギア67及びプーリ68は一体の金属製例えばステンレス鋼、又は樹脂製である。
【0145】
支軸74は金属製例えばステンレス鋼、又は樹脂製である。取付フランジ75は金属製例えばステンレス鋼、又は樹脂製である。ナット76は金属製例えばステンレス鋼である。
【0146】
プーリ69は例えば夫々無端のワイヤ71を各プーリ68との間に巻き掛ける溝が2列である。プーリ69の一方の溝は調整用錘62の一端側に設けたプーリ68との間にワイヤ71を巻き掛けてある。プーリ69の他方の溝は調整用錘62の他端側に設けたプーリ68との間に前記ワイヤ71とは別のワイヤ71を巻き掛けてある。ただし、プーリ68,69間にワイヤを巻き掛ける方法は多様にあるので、他の方法でもよい。例えば1つの無端のワイヤを両端側のプーリ68に夫々1回以上巻き付け、両端側のプーリ68に平行掛けした片側のワイヤを中間のプーリ69に1回以上巻付けて平行掛としてもよい。
【0147】
プーリ69の軸部69aは取付フランジ78に嵌合して回転自在に支持されている。プーリ69は一体の軸部69aの上端につまみ79が固定されている。取付フランジ78の円筒形嵌合部78aは上板23wに設けた穴23w2に嵌合している。取付フランジ78は小ねじ81でもって上板23wに固定されている。つまみ79は外周が六角形で六角レンチが嵌合するようになっている。又、つまみ79の上端面には一文字溝が直径を横切って設けられており、この溝を用いてマイナスドライバでつまみ79を回転することができ、又、つまみ79の微調整の角度調整の目安となるようにしてある。
【0148】
戸車72はその軸部72aが調整用錘62の両端に夫々固定されている。戸車72の軸部72aは調整用錘62の見込方向幅の丁度中央に設けてある。戸車72が戸車レール73に接している状態では調整用錘62の底面は調整用錘取付台座23mに接していない。該台座23mと該錘62間に隙間gが設けてある。ラック66の長さは少なくとも調整用錘62の見込方向の幅以上ある。従って、調整用錘62が戸車72の軸72aを中心に傾いても調整用錘62の下面が台座23mに接触しないようになっている。本例においてはラック66は調整用錘62の見込方向幅を越えて片側へ突出しており、これによって調整用錘62の位置の調整範囲を大きくとっている。
【0149】
次に調整用錘62の位置調整についての操作と作用を説明する。
【0150】
この自然風力換気窓では捨て錘を設けることにより、所望の風力で障子が閉まり、或る風力以下で障子が開くように設計上で狙いを定める。然し、実際には、寸法誤差、メインアーム、サブアームの回転抵抗のばらつきにより、所望の風力とは外れた風力の仕様となったり、複数の自然風力換気窓を並列したような場合に窓の開閉が不揃いになったりするおそれがある。そこで調整用錘を設けることにより解決できるが本実施の形態は素早く調整可能であると共に現地での調整用錘の加工が不要で不用となる調整用錘が発生しないので、その処理について念頭におく必要がない。
【0151】
本実施の形態では調整用錘を障子の見込方向移動を行うことにより、障子重心位置を変更する。この重心位置の変更は障子に沿う上下方向の位置と、見込方向の位置との2つの要素に分けることができる。本実施の形態では障子の重心位置を見込方向に調整することを主眼としている。障子に沿う上下方向の障子重心位置の変更を行うには調整用錘61,62を選択的に設ける。
【0152】
次に調整用錘の調整手順についてのべる。先ずカバー部材123を取り外す。すると、つまみ79が現れる。つまみ79に例えばラチェットレンチを掛けて回転する。すると、プーリ69は回転し、ワイヤ71を介してプーリ68が回転する。これによって回されたギア67はラック66を見込方向に送るのでラック66と共に調整用錘62は移動する。調整用錘62は戸車72に支持されて軽く移動できる。
【0153】
調整用錘62を移動した後に障子2の開閉の調子を調べ、所定の動作が達成されていれば調整用錘62を固定する。
【0154】
調整用錘62の固定方法としては種々のものが考えられるが(1)つまみ79の回り止めを設ける。(2)ギア67にロック部材を噛み合わせる。(3)ラック66にロック部材を噛み合わせる。(4)上板23wを貫通するめねじを設け、このめねじに止めねじをねじ込み調整用錘62を押圧する、又は該止めねじを調整用錘62に設けた穴に挿入する。等が採用され得る。
【0155】
上述の錘の平行移動装置の変形例を図27に示す。この実施の形態はラック66を上板23wに固定し、ピニオン67を調整用錘62に回転自在に支持したものである。
【0156】
垂直な軸86が調整用錘62の見込方向の幅の中央において、該錘62に固定されている。軸86は順次縮径して、つば86a、大径軸部86b、小径軸部86cとなっている。この軸86は小径軸部86cが調整用錘62の穴62aに打込み固定されている。軸86の大径軸部86bにはギア67が回転自在に嵌合している。ギア67に噛み合うラック66は小ねじ83でもって上板23wに固定されている。ギア67はプーリ68と一体物である。
【0157】
ここで、ギア67の外径は調整用錘62の見込方向の幅よりせまい。ラック66は見込方向に延び、その長さは中空部23kの見込方向の幅近くまである。上板23wの一個所にはギア67と一致する位置に穴23w3があけられている。この穴23w3はギア67の外径よりも大きい円い穴である。穴23w3には栓82が嵌合している。穴23w3は調整用錘62にギア67を取り付けるための穴である。
【0158】
上述は調整用栓62の一端側について述べたが他端側についても同様にギア67及びラック66が配設されている。
【0159】
調整用錘62の長手方向両端のプーリ68の中心を結ぶ線上に中心を設けたプーリ84とプーリ68との間には前述した実施の形態2と同様にワイヤ71が巻き掛けてある。
【0160】
プーリ84は図において上側につまみ84a、下側に回転軸84bを備えている。回転軸84bは調整用錘62の軸受穴62bに回転自在に支持されている。回転軸84bには周方向に周溝84cが設けてある。周溝84cには止めねじ85の先端が嵌入している。止めねじ85は上記錘62の見込方向からねじ込まれている(図は表現のため90度回動した位置に止めねじ85を示してある)。つまみ84aは上板23wに設けた長穴23w4を挿通して上板23w上へ突出している。長穴23w4は見込方向に長い穴である。
【0161】
上記において、つまみ84aを回転するとプーリ84は回転し、ワイヤ71を介してプーリ68及びギア67が回転する。ギア67はラック66に噛合って移動し軸86を見込方向に移動するので軸86を固定してある調整用錘62は見込方向へ平行移動する。その際、つまみ84a付きのプーリ84は見込方向へ移動し、つまみ84aは長穴23w4に沿って移動できる。
【0162】
実施の形態のこの変形例によれば、中空部23kの見込方向の幅一杯まで調整用錘62の位置を調整できる。
【0163】
実施の形態における捨て錘52〜55、調整用錘61,62,63の材質はステンレス鋼、合成樹脂、アルミニウム等を用いることができる。
【0164】
実施の形態は捨て錘を設け、更に位置を調節可能に框に取り付けた調整用錘について説明したが、捨て錘を設けないで、位置を調節可能に框に取り付けて調整用錘を設けてもよい。このような調整用錘を装着した自然風力換気窓としては、調整用錘位置が調節範囲の中間位置において一定以上の自然風力で閉まるように狙って設計される。
【0165】
なお、調整用錘は各框にすべて備えた態様を説明したが、上框、下框、竪框の何れか1つ以上の框に備えてもよい。
【0166】
【発明の効果】
本発明によれば次の効果がある。
(1)調整用錘を位置を調節可能に框に装着したので、設計上の狙いからすると障子の構成、メインアーム、サブアームの配置、重量が目標を充分達成するものではないことが結果として判明した段階でも直ちに調整用錘の位置を変更することにより機能を一層満足させるものとすることができる。また、経年によりサッシの変形、メインアーム、サブアームの枢着部の摩擦抵抗の変化による回転抵抗の変化があったとしても調整用錘の位置を加減することにより直ちに機能を回復できる。調整用錘の寸法、形状、重量を種々変えて框に取り付けることをくり返すのではないので、調整用錘の運搬、再加工、処分などの手間の省略ができる。
(2)調整用錘の取付手段は室内より操作可能であるので、外部側から調整用錘の位置を変更する場合のように大掛かりな外部足場や高作業車などが必要とならない。
(3)調整用錘の取付部は調整用錘を見込方向に移動できる長さの面を有する錘取付台座を有し、錘取付台座に見込方向に間隔をおいて調整用錘の錘取付台座への取付部材の係合部を有することにより、簡易に調整用錘の取付手段となる。また、コストも安価である。
(4)調整用錘の取付手段は、調整用錘に設けたガイド部と、調整用錘のガイド部を案内する見込方向のレールを有する錘取付台座と、錘取付台座に設けられ調整用錘を見込方向に平行移動させる平行移動装置と、を有することにより、調整用錘が平行に移動することができる。
(5)平行移動装置が調整用錘又は框に設けられた見込方向の一対の平行するラックと、夫々のラックに噛み合い框又は調整用錘側に回転自在に取り付けられたギアと、各ギアと同軸に取り付けられたギアと共に回転する従動プーリと、各従動プーリと、無端の可撓性部材を介して結合され框又は調整用錘に回転自在に支持された駆動プーリと、を有し、駆動プーリを回転することにより調整用錘の位置を見込方向に変更可能であることにより、框の長手方向に従う長い空間に対して納まりがよい。また、駆動プーリを回転するだけで調整用錘の位置を調整できる。上記において、ギアを調整用錘に取り付けると、調整範囲を大きくとれる且つ框断面を大きくしなくてもよい。。
(6)框の中空部内に捨て錘を設け場合においても、サッシの意匠を阻害することなく、サッシ断面の設計の自由度が得られ、各種のサッシに対応できる上、結果として所望の自然風力換気窓となっていない場合でも調整錘位置を調整して上述した各効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
図13を除き何れも本発明の実施の形態を示し、
【図1】実施の形態1の自然風力換気窓の正面図である。
【図2】実施の形態1の自然風力換気窓の水平断面図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】実施の形態1の自然風力換気窓の見込方向縦断面図である。
【図5】実施の形態1の自然風力換気窓の見込方向縦断面図である。
【図6】実施の形態1の自然風力換気窓の見込方向縦断面図である。
【図7】実施の形態1の障子の断面を示す斜視図である。
【図8】実施の形態のアームの取付位置を示す摸式図である。
【図9】実施の形態のアームの取付位置を示す摸式図である。
【図10】建物に本発明の窓を採用した場合を模式的に示す縦断面図である。
【図11】建物に本発明の窓を採用した場合を模式的に示す縦断面図である。
【図12】建物に本発明の窓を採用した場合を模式的に示す縦断面図である。
【図13】従来例の辷り出し窓を備えた建物の縦断面図である。
【図14】自然風力換気窓の力学的関係を示す摸式見込方向縦断面図である。
【図15】自然風力換気窓の力学的関係を示す摸式見込方向縦断面図である。
【図16】自然風力換気窓の力学的関係を示す摸式見込方向縦断面図である。
【図17】ガラスを框外部側に備えた自然風力換気窓の摸式縦断面図である。
【図18】図17の摸式水平断面図である。
【図19】ガラスを框内に備えた自然風力換気窓の摸式縦断面図である。
【図20】図19の摸式水平断面図である。
【図21】実施の形態2の竪枠及び竪框の水平断面図である。
【図22】実施の形態2の上枠及び上框の見込方向の縦断面図である。
【図23】実施の形態2の下枠及び下框の見込方向の縦断面図である。
【図24】実施の形態2の調整用錘取付手段の正面図である。
【図25】図24の平面図である。
【図26】図24の一部を拡大し、一部を断面で示す拡大図である。
【図27】実施の形態2の変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
C…瞬間回転中心
CG…障子の重心
D1,D2…自然風力換気窓
H…嵌め殺し窓
L1…メインアームの長さ
L2…サブアームの長さ
A,B,B′,M,N…水平距離
M1,M3…メインアームを回そうとするモーメント
M2,M4…サブアームを回そうとするモーメント
S…空間
PL…平面
θ1…メインアーム角度(閉時)
θ2…サブアーム角度(閉時)
α1…垂線とメインアームとのなす角
α2…垂線とサブアームとのなす角
W…障子の重量 △w…捨て錘の重量
1…窓枠
2…障子 2′…従来例の障子
3…メインアーム 3a…メインアーム障子側支点 3b…メインアーム枠側支点
4…サブーム 4a…サブアーム障子側支点 4b…サブアーム枠側支点
5…ガラス
6…パッキン
8…ガラス台
9…パッキン
11…竪枠 11a…内周材 11b…外面材 11c…内面材 11e…戸当り材 11f…突条 11g…条溝 11h…中空部  11i…外周材 11j…突条 11k…条溝
12…上枠 12a…条溝 12b…外面材 12c…条溝
13…下枠 13a…条溝 13c…内周材
14…メインアーム障子側取付具
17…ピン
18…メインアーム枠側取付具 18a…ストッパ
19…小ねじ 19a…当板
20…当板
21…竪框 21a…内面材 21b…外面材 21b−1…縁 21c…条溝 21d…外周材 21e…中空部 21f…内周材 21g…中空部 21h…調整用錘取付台座 21i…突条 21j…めねじ 21k…中空部 21m…第2の内面材 21n…突条 21p…突条 21r…側板 21s…突条22…上框 22a…内面材 22b…外面材 22c…条溝 22d…突条22e…条溝 22f…ガラス溝フランジ 22f1…内面材 22g…外周材 22h…内周材 22i…中空部 22j…中空部 22k…調整用錘取付台座 22m…上板 22n…めねじ 22p…第2の内面材 22q…タッピング穴 22r…突条
23…下框 23a…内面材 23b…外面材 23c…外周材 23d…内周材 23e…中空部 23f…ガラス溝フランジ 23g…突起 23h…突条 23i…条溝 23j…鍵形突条 23k…中空部 23l(エル)…下面材 23m…調整用錘取付台座 23n…外面材 23p…突条 23q…タッピング穴 23r…台座壁 23s…めねじ 23t…下面材 23u…第2の内面材 23v…天板 23w…上板 23w1,23w2,23w3…穴 23w4…長穴 23x…突条
26…ピン
28…サブアーム障子側取付具 28a…座部
29…小ねじ
30…当板
31…ピン
32…サブアーム枠側取付具(下部) 32b…ストッパ
33…小ねじ
34…ピン
35,36…結合部材
37…発熱体
38…一定風速以下の風
39…一定風速以上の風
41…建物
45,46,47…グレージングビード
48,49…結合部材
51…アタッチ材
52,53,54,55…捨て錘
60,61,62…調整用錘 62a,62b…穴
63,64…重心位置
65…小ねじ
66…ラック
67…ギア
68…プーリ
69…プーリ 69a…軸部
71…ワイヤ
72…戸車 72a…軸部
73…戸車レール
74…支軸 74a…つば
75…取付フランジ 75a…円筒形嵌合部
76…ナット
77…小ねじ
78…取付フランジ 78a…円筒形嵌合部
79…つまみ
81…小ねじ
82…栓
83…小ねじ
84…プーリ 84a…つまみ 84b…回転軸 84c…周溝
85…止めねじ
86…軸 86a…つば 86b…大径軸部 86c…小径軸部
101…柱
102…クロスレール
103…窓台
121,122,123…カバー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋又は建屋の外部に面して取り付けられる窓枠と、窓枠に納まり窓を閉めた状態と窓枠から外部へ向って辷り出して開く障子を有する自然風力換気窓であって、
調整用錘を障子の重心位置を調節可能に取り付ける調整用錘の取付部を備えた框を有する障子と、
調整用錘の取付部に位置を調節可能に取り付けられた調整用錘と、
障子の調節用錘の取付部に位置を調節して調整用錘を取り付ける調整用錘の取付手段と、
窓枠の両側の堅枠と、障子の竪框間に夫々設けられ竪框上部に一端が枢着され他端が前記一端よりも低い位置において堅枠に枢着された短い長さのメインアームと、竪框中間部に一端が枢着され他端が竪枠下部に枢着されメインアームよりも長い長さのサブアームと、を有し、
障子を閉めた状態において、各アームは夫々ほぼ垂直方向を向いて、各アームの竪框への枢着位置が各アームの竪枠への枢着位置の上方に位置し、障子の重量による各アームを付勢する力を調整用錘の位置により調節することを特徴とする自然風力換気窓。
【請求項2】
調整用錘の取付手段は室内側より操作可能であることを特徴とする請求項1に記載の自然風力換気窓。
【請求項3】
調整用錘の取付部は調整用錘を見込方向に移動できる長さの面を有する錘取付台座を有し、錘取付台座に見込方向に間隔をおいて調整用錘の錘取付台座への取付部材の係合部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の自然風力換気窓。
【請求項4】
調整用錘の取付手段は、
調整用錘に設けたガイド部と、調整用錘のガイド部を案内する見込方向のレールを有する錘取付台座と、錘取付台座に設けられ調整用錘を見込方向に平行移動させる平行移動装置と、を有することを特徴とする請求項1に記載の自然風力換気窓。
【請求項5】
平行移動装置が調整用錘又は框に設けられた見込方向の一対の平行するラックと、夫々のラックに噛み合い框又は調整用錘側に回転自在に取り付けられたギアと、各ギアと同軸に取り付けられたギアと共に回転する従動プーリと、各従動プーリと、無端の可撓性条材を介して結合され調整用錘又は框に回転自在に支持された駆動プーリと、
を有し、
駆動プーリを回転することにより調整用錘の位置を見込方向に変更可能であることを特徴とする請求項4に記載の自然風力換気窓。
【請求項6】
中空部を有し、中空部に捨て錘を内蔵した框を備えた障子を有し、障子の重量と捨て錘の重量による各アームを付勢する力を調整用錘の位置により調節することを特徴とする請求項1から5の何れか1つに記載の自然風力換気窓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2004−131991(P2004−131991A)
【公開日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−295786(P2002−295786)
【出願日】平成14年10月9日(2002.10.9)
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)
【Fターム(参考)】