説明

自立架

【課題】 自立架本体の最外端付近での浮き上がりを抑制して耐震性が良好な自立架を得る。
【解決手段】 底板16の裏面16b周縁にフランジ18を有するフランジ付きピン7が設けられた自立架本体1と、表面17aから裏面17bまで貫通し、フランジ付きピン7が挿入される孔部8aが形成された上板17を有する架台2と、自立架本体1の底板16と架台2の上板17とを固定する固定ボルト5とを備え、フランジ付きピン7を孔部8aに挿入した状態で自立架本体1と架台2とを相互にスライドさせることにより、フランジ18を上板17の裏面17bに相対させて固定ボルト5により固定したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、架台と、この架台上に固定された機器収納用の自立架本体とを備えた自立架に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自立架においては、地面に固定されたチャンネルベース(架台)にボルト用孔が設けられ、自立盤(自立架本体)の内側からチャンネルベースへ固定ボルトを挿通し締め付け固定していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008―167552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような自立盤とチャンネルベースとの固定は、固定ボルトを締める工具により自立盤の内側から行っているので、工具の可動範囲を考慮して、固定ボルトは自立盤の最外端付近よりも内側に設置する必要があった。このため、自立盤の最外端付近においては、地震等により振動が加わった際に、チャンネルベースとの間に浮き上がりが発生してしまうという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、自立架本体の最外端付近での浮き上がりを抑制して耐震性が良好な自立架を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る自立架においては、底板の裏面周縁に係止部を有する係止部材が設けられた自立架本体と、表面から裏面まで貫通し、係止部材が挿入される孔部が形成された上板を有する架台と、自立架本体の底板と架台の上板とを固定する固定ボルトとを備え、係止部材を孔部に挿入した状態で自立架本体と架台とを相互にスライドさせることにより、係止部を上板の裏面に相対させて固定ボルトにより固定したものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、自立架本体の最外端付近での浮き上がりが抑制され耐震性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係る自立架を示す概略図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る自立架本体と架台との固定部分近傍を示す概略図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る架台を示す概略斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る自立架本体と架台との固定方法を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る架台に係止部材が挿入された様子を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る架台に係止部材が挿入された様子を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態3に係る自立架本体と架台との固定部分近傍を示す概略図である。
【図8】この発明の実施の形態4に係る自立架本体と架台との固定部分近傍を示す概略図である。
【図9】この発明の実施の形態5に係る自立架本体と架台との固定部分近傍を示す概略図である。
【図10】この発明の実施の形態5に係る補強部材を示す概略斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態6に係る自立架本体と架台との固定部分近傍を示す概略図である。
【図12】この発明の実施の形態6に係る架台を示す概略斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態7に係る自立架本体と架台との固定部分近傍を示す概略図である。
【図14】この発明の実施の形態8に係る自立架本体と架台との固定部分近傍を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1ないし5はこの発明を実施するための実施の形態1に係る自立架100aを示すものであって、図1は自立架の概略を示す前面および側面図、図2は自立架本体と架台との固定部分近傍を示す概略図、図3は架台の概略斜視図、図4は自立架本体と架台との固定方法を示す図、図5は係止部材が挿入された架台の上面および前面図である。
【0010】
自立架100aは、図1および2に示すように、アンカーボルト6によって地面に固定された架台2と、底板16が架台2の上板17に固定ボルト5によって固定された自立架本体1とを備えている。自立架本体1は側板4で囲まれた内部にフレーム3を備えており、このフレーム3にはここでは図示しない電子機器等が固定される。また、自立架本体1の底板16の裏面16b周縁には、係止部材としてフランジ付きピン7が溶接によって一体に形成されている。このフランジ付きピン7は、自立架本体1の四隅の4箇所と側面側中心部の左右各1箇所との合計6箇所に設けられている。なお、このフランジ付きピン7のフランジ18が係止部に相当する。
【0011】
架台2は、図2および3に示すように、上板17の表面17aから裏面17bまで貫通する孔部8aを有する。この孔部8aは、径が異なる2つの円形の孔を繋げた形状であり、大きい孔の径はフランジ付きピン7のフランジ18が挿入可能なサイズに形成され、小さい孔の径はフランジ付きピン7のピン外径と略同一に形成されている。そして、この孔部8aにフランジ付きピン7が挿入されており、フランジ18が上板17の裏面17bに相対した状態が維持されている。
【0012】
次に本実施の形態に係る自立架100aの自立架本体1と架台2との固定方法について説明する。まず、図4に示すように、架台2の孔部8aの大きい孔に自立架本体1に設けられたフランジ付きピン7を挿入する。そして、図5に示すように、フランジ付きピン7を穴部8aに挿入した状態で自立架本体1を架台2に対してA方向に向かってスライドさせることにより、フランジ付きピン7が孔部8aの小さい孔にはまり込む。これによりフランジ18が上板17の裏面17bに相対する。このとき、孔部8aを互いに径が異なる2つの孔を繋げた形状とし、大きい孔の径をフランジ18が挿入可能に形成し、小さい孔の径をフランジ18よりも小さく形成しているので、フランジ18が上板17の裏面17bに相対する面積が大きい。さらに、小さい孔の径がフランジ付きピン7のピン外径と略同一に形成されているので、自立架本体1と架台2との正確な位置決めができる。最後に、自立架本体1の内側から固定ボルト5を挿入して自立架本体1と架台2とを固定する。
【0013】
このように自立架本体1と架台2とが固定された自立架100aに振動が与えられると、自立架本体1の最外端付近が架台2から浮き上がろうとする力が発生するが、これによりフランジ18と上板17の裏面17bとが当接するため、最外端付近での自立架1と架台2との浮き上がりが抑制される。その結果、自立架100a上部での振幅が抑制される。ここで、フランジ付きピン7および孔部8aを自立架本体1および架台2の四隅に設けるようにしているので、どの方向の振動に対しても浮き上がりを抑制することができる。また、フランジ付きピン7が孔部8aから抜ける方向に対する振動が起こっても、自立架本体1と架台2とは固定ボルト5により固定されているためフランジ付きピン7が孔部8aから抜けることはない。
【0014】
本実施の形態によれば、自立架本体1の底板の裏面16b周縁にフランジ付きピン7を設け、架台2の上板17にフランジ付きピン7が挿入される孔部8aを形成し、フランジ付きピン7を孔部8aに挿入した状態で自立架本体1と架台2とを相互にスライドさせることにより、フランジ18を上板17の裏面17bに相対させて固定ボルト5により固定したので、自立架本体1の最外端付近での浮き上がりが抑制され耐震性を向上させることができる。
【0015】
また、耐震性を向上させる構造がフランジ付きピン7と孔部8aとの簡易な構成であるので、耐震性が良好な自立架100aを安価に製造することができる。
【0016】
また、耐震性を向上させる構造を自立架100aの内部に設けたので、省スペースであり、複数の自立架100aを隣接させて設置したり、自立架100aを壁面に隣接させて設置することができる。
【0017】
また、孔部8aを互いに径が異なる2つの孔を繋げた形状とし、大きい孔の径をフランジ18が挿入可能に形成し、小さい径の孔をフランジ18よりも小さく形成しているので、フランジ18と上板の裏面17bとが相対する部分の面積が大きく、効果的に浮き上がりを抑制することができる。
【0018】
また、孔部8aの小さい孔の径がフランジ付きピン7のピン外径と略同一であるので、自立架本体1と架台2との正確な位置決めができる。
【0019】
また、フランジ付きピン7および孔部8aを自立架本体1および架台2の四隅に設けるようにしているので、どの方向の振動に対しても浮き上がりを抑制することができる。
【0020】
なお、本実施の形態では、係止部材としてフランジ付きピン7を用いたが、係止部材はこれに限定されず、固定ボルト5により固定した状態で係止部が上板17の裏面17bに相対するものを用いれば同様の作用効果を得ることができる。
【0021】
実施の形態2.
図6はこの発明を実施するための実施の形態2に係る自立架100bの架台2に係止部材が挿入された様子を示す上面図である。実施の形態1では、互いに径の異なる円形の孔を繋げた形状の孔部8aを示したが、この孔部は、図6(a)に示すように、互いに径の異なる2つの四角形の孔を繋げた形状の孔部8bとしてもよい。このように構成しても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。なお、孔部の形状は円形や四角形に限らず、六角形等の多角形を繋げるようにして構成してもよい。また、大きい孔を多角形として、小さい孔を円形とするようにしてもよい。
なお、図6(b)に示すように、1つの孔部8cとしてもよい。ここでは円形の孔部8cを例示しているが、孔部8cの形状はこれに限定されるものでなく、例えば四角形等の多角形にしてもよい。ただし、1つの孔部8aとした場合は上板の裏面17bとフランジ18が相対する部分の面積が小さくなる。
【0022】
実施の形態3.
図7は、この発明を実施するための実施の形態3に係る自立架100cの自立架本体1と架台2との固定部分近傍を示す概略図である。実施の形態1では、自立架本体1にフランジ付きピン7を設け、架台2に孔部8aを設ける構成を示したが、図7に示すように、自立架本体1に孔部8aを設け、架台2にフランジ付きピン7を設ける構成にしてもよい。この場合、自立架本体100aの底板16の表面16aにフランジ18が相対した状態が維持されている。このように構成しても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0023】
実施の形態4.
図8はこの発明を実施するための実施の形態4に係る自立架100dの自立架1と架台2との固定部分近傍を示す概略図である。実施の形態1では係止部材としてフランジ付きピン7を用いる構成を示したが、図8に示すように、係止部材として締め付けボルト9を用いてもよい。この構成では、締め付けボルト9の頭部18bが係止部に相当する。このような構成によれば、自立架本体1と架台2とを固定した後に締め付けボルト9を締めることで、上板17の裏面17bとフランジ18との隙間を小さくすることができる。また、この場合でも実施の形態1と同様に、自立架本体1を架台2に対してスライドさせる際に自立架本体1と架台2との正確な位置決めができるため、単に架台側から固定ボルトを挿入して自立架本体と架台とを固定するものと比較して作業性が良い。なお、その他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0024】
次に、本実施の形態における自立架100cと従来の自立架200との耐震性の比較を示す。本実施の形態における自立架100cは、自立架本体1の高さが2100mm、幅が600mm、奥行きが400mm、架台2の高さが100mm、側板4から110mm内側が固定ボルト8で締結され、さらに側板4から10mm内側に係止部材として締め付けボルト9が設けられた構成である。一方、従来の自立架200の構成は、係止部材としての締め付けボルト9を備えていないこと以外は自立架100cと同様であり、各部分のサイズも同一である。
【0025】
このような自立架100cおよび従来の自立架200のフレーム3に、質量250kgが印加された場合(自立架に質量250kgの機器が収納された場合に相当する)、NEBS ZONE4規格の応答スペクトル解析の解析モデルで計算すると、従来の自立架200に対して本実施の形態の自立架100cは、固有振動数が約40%向上し、さらに自立架100c上部の振幅は約65%抑制されるという計算結果が得られた。
【0026】
本実施の形態によれば、係止部材として締め付けボルト9を用いたので、自立架本体1と架台2とを固定した後に締め付けボルト9を締めることで、上板17の裏面17bとフランジ18との隙間を小さくすることができ、実施の形態1の効果に加えて、さらに強固に自立架本体1の最外端付近での浮き上がりを抑制することができる。
【0027】
なお、締め付けボルト9は自立架本体1と架台2との隙間を最小にすることが目的であるため、必要以上の締付力を加える必要はない。
【0028】
実施の形態5.
図9及び図10は、この発明を実施するための実施の形態5に係る自立架100eを示すものであって、図9は自立架本体と架台との固定部分近傍の前面及び側面を示す概略図、図10は補強部材を示す概略斜視図である。
【0029】
自立架100eは、図9に示すように、アンカーボルト6によって地面に固定された架台2と、架台2上に固定された自立架本体1と、自立架本体1および架台2に固定ボルト5により固定された補強部材11とを備えている。自立架本体1は側板4に第1の挿入孔10aが形成されており、架台2は側板12に第1の挿入孔10aに対向する第2の挿入孔10bが形成されている。補強部材11は、図10に示すように、その端部に突起部13を有する。この突起部13が第1の挿入孔10aおよび第2の挿入孔10bに挿入されて嵌めこまれた状態で、補強部材11と自立架本体1と架台2とが固定されている。これにより、自立架本体1と架台2とが最外端付近で接続される。なお、図9において、図1および2と同一符号のものは同一または相当の構成を示す。
【0030】
次に本実施の形態に係る自立架100eの自立架本体1と架台2との固定方法について説明する。まず、架台2上に自立架本体1を載置して第1の挿入孔10aと第2の挿入孔10bとを位置合わせする。次に、補強部材11の突起部13を第1の挿入孔10aおよび第2の挿入孔10bに挿入する。最後に、自立架本体1と架台2と補強部材11とを固定ボルト5により固定する。
【0031】
このように自立架本体1と架台2とが固定された自立架100eに振動が与えられると、自立架本体1の最外端付近が架台2から浮き上がろうとする力が発生するが、補強部材11の突起部13が第1の挿入孔10aおよび第2の挿入孔10bの内周面に当接するため、最外端付近での自立架1と架台2との浮き上がりが抑制される。その結果、自立架100e上部での振幅が抑制される。
【0032】
本実施の形態によれば、第1の挿入孔10aが形成された側板4を有する自立架本体1と、第1の挿入孔10aに対向する第2の挿入孔10bが形成された側板12を有する架台2と、第1の挿入孔10aおよび第2の挿入孔10bに挿入されて嵌めこまれた補強部材11とを固定ボルト5により固定したので、自立架本体1の最外端付近での浮き上がりが抑制され、耐震性を向上させることができる。
【0033】
また、耐震性を向上させる構造が、補強部材11と自立架本体1に設けた第1の挿入孔10aと架台2に設けた第2の挿入孔10bとの簡易な構成であるので、耐震性が良好な自立架100eを安価に製造することができる。
【0034】
また、耐震性を向上させる構造を自立架100eの内部に設けたので、省スペースであり、複数の自立架100eを隣接させて設置したり、自立架100eを壁面に隣接させて設置することができる。
【0035】
実施の形態6.
図11及び図12は、この発明を実施するための実施の形態6に係る自立架100fを示すものであって、図11は自立架本体と架台との固定部分近傍を示す概略図、図12は架台の概略斜視図である。
【0036】
自立架100fは、図11に示すように、アンカーボルト6によって地面に固定された架台2と、この架台2上に固定された自立架本体1とを備えている。自立架本体1の前面板19および背面板20の下部周縁には、第1のボルト挿入孔15aがそれぞれ形成されている。また、架台2は、図12に示すように、第1のボルト挿入孔15aに対向する第2のボルト挿入孔15bが形成された接続部14a、14bを前面側および背面側にそれぞれ有している。前面側の接続部14aは架台2の上部に設けられており、背面側の接続部14bは架台2の下部に設けられている。そして、自立架本体1の底板16と架台2の上板17とが固定ボルト5(第1の固定ボルト)によって固定されているとともに、第1のボルト挿入孔15aおよび第2のボルト挿入孔15bに挿入された第2の固定ボルト5bにより自立架本体1と架台2とが前面側および背面側の下部周縁で固定されている。これにより、自立架本体1と架台2とが最外端付近で固定される。なお、図11および12において、図1ないし3と同一符号のものは同一または相当の構成を示す。
【0037】
次に本実施の形態に係る自立架100fの自立架本体1と架台2との固定方法について説明する。まず、架台2に自立架本体1を載置し、第1のボルト挿入孔15aと第2のボルト挿入孔15bとを位置合わせする。このとき、自立架本体1の背面板20を接続部14bの隙間に差し込むようにして挿入して載置する。次に、自立架本体1の底板16と架台2の上板17とを固定ボルト5により固定する。最後に、第1のボルト挿入孔15aおよび第2のボルト挿入孔15bに第2の固定ボルト5bを挿入し締結して固定する。ここで、前面側の接続部14aは架台2の上部に、背面側の接続部14bは架台2の下部にそれぞれ設けられているので、第2の固定ボルト5bを締結する作業を前面側からだけで行うことができる。
【0038】
このように自立架本体1と架台2とが固定された自立架100fに振動が与えられると、自立架本体1の最外端付近が架台2から浮き上がろうとする力が発生するが、最外端付近において自立架本体1の前面板19および背面板20と架台2の接続部14a、14bとが第2の固定ボルト5bによりそれぞれ固定されているため、最外端付近での自立架1と架台2との浮き上がりが抑制される。その結果、自立架100f上部での振幅が抑制される。
【0039】
本実施の形態によれば、前面板側板4に第1の挿入孔10aが形成された自立架本体1と、側板12に第1の挿入孔10aに対向する第2の挿入孔10bが形成された架台2と、第1の挿入孔10aおよび第2の挿入孔10bに挿入されて嵌めこまれた係止部11とを固定ボルト5により固定したので、自立架本体1の最外端付近での浮き上がりが抑制され、耐震性を向上させることができる。
【0040】
また、耐震性を向上させる構造が、前面板19および背面板20にそれぞれ形成された第1のボルト挿入孔15aと、架台2に設けられた接続部14a、14bに形成された第2のボルト挿入孔15bと、第2の固定ボルト5bとの簡易な構成であるので、耐震性が良好な自立架100fを安価に製造することができる。
【0041】
また、耐震性を向上させる構造を自立架100fの内部に設けたので、省スペースであり、複数の自立架100fを隣接させて設置したり、自立架100fを壁面に隣接させて設置することができる。
【0042】
また、前面側の接続部14aを架台2の上部に設け、背面側の接続部14bを架台2の下部に設けるようにしたので、前面側および背面側にそれぞれ設ける第2の固定ボルト5bを締結する作業を前面側からだけで行うことができ、自立架100fの両側面および背面側に機器があったり壁が存在するような場合でも、自立架本体1と架台2とを固定することができる。
【0043】
なお、前面側の接続部14aを架台2の上部に設け、背面側の接続部14bを架台2の下部に設けるようにしても、第2の固定ボルト5bを締結する作業を前面側からだけで行うことができる。
【0044】
実施の形態7.
図13はこの発明を実施するための実施の形態7に係る自立架100gの自立架本体1と架台2との固定部分近傍を示す図である。自立架100gは、実施の形態1と実施の形態5とを組み合わせたものであって、図13に示すように、架台2の孔部8aに挿入されたフランジ付きピン7と、固定ボルト5により固定された補強部材11とを兼ね備えるようにして構成されている。なお、その他の構成は実施の形態1および5と同様であるので説明を省略する。このように構成することで、さらに効果的に自立架本体1の最外端付近での浮き上がりが抑制され、耐震性を向上させることができる。
【0045】
実施の形態8.
図14はこの発明を実施するための実施の形態8に係る自立架100hの自立架本体1と架台2との固定部分近傍の概略を示す前面及び背面図である。自立架100hは、実施の形態1と実施の形態6とを組み合わせたものであって、図14に示すように、架台2の孔部8aに挿入されたフランジ付きピン7と、自立架本体1の前面板19および背面板20と架台2の接続部14a、14bとを固定する第2の固定ボルト5bとを兼ね備えるようにして構成されている。なお、その他の構成は実施の形態1および6と同様であるので説明を省略する。このように構成することで、さらに効果的に自立架本体1の最外端付近での浮き上がりが抑制され、耐震性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 自立架本体
2 架台
4 自立架本体側板
5 固定ボルト(第1の固定ボルト)
5b 第2の固定ボルト
7 フランジ付きピン
8a、8b、8c 孔部
9 締め付けボルト
10a 第1の挿入孔
10b 第2の挿入孔
11 補強部材
12 架台側板
13 凸部
14a、14b 接続部
15a 第1のボルト挿入孔
15b 第2のボルト挿入孔
16 底板
16a 底板表面
16b 底板裏面
17 上板
17a 上板表面
17b 上板裏面
18 フランジ
18b ボルト頭部
19 前面板
20 背面板
100a〜100h 自立架

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板の裏面周縁に係止部を有する係止部材が設けられた自立架本体と、
表面から裏面まで貫通し、前記係止部材が挿入される孔部が形成された上板を有する架台と、
前記自立架本体の底板と前記架台の上板とを固定する固定ボルトとを備え、
前記係止部材を前記孔部に挿入した状態で前記自立架本体と前記架台とを相互にスライドさせることにより、前記係止部を前記上板の裏面に相対させて前記固定ボルトにより固定したことを特徴とする自立架。
【請求項2】
上板の表面周縁に係止部を有する係止部材が設けられた架台と、
表面から裏面まで貫通し、前記係止部材が挿入される孔部が形成された底板を有する自立架本体と、
前記自立架本体の底板と前記架台の上板とを固定する固定ボルトとを備え、
前記係止部材を前記孔部に挿入した状態で前記自立架本体と前記架台とを相互にスライドさせることにより、前記係止部を前記底板の表面に相対させて前記固定ボルトにより固定したことを特徴とする自立架。
【請求項3】
前記孔部は、互いに径の異なる2つの孔を繋げた形状であり、一方の孔の径は前記係止部が挿入可能に形成され、他方の孔の径は前記係止部よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自立架。
【請求項4】
前記他方の孔の径は、前記係止部材の外径と略同一であることを特徴とする請求項3に記載の自立架。
【請求項5】
前記係止部材はフランジ付きピンであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の自立架。
【請求項6】
前記係止部材は締め付けボルトであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の自立架。
【請求項7】
前記係止部材または前記孔部は、前記自立架本体および前記架台のいずれか一方の四隅に設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の自立架。
【請求項8】
第1の挿入孔が形成された側板を有する自立架本体と、
前記第1の挿入孔に対向する第2の挿入孔が形成された側板を有する架台と、
前記第1および第2の挿入孔に嵌挿された補強部材と、
前記自立架本体と前記架台と前記補強部材とを固定する固定ボルトとを備えた自立架。
【請求項9】
下部周縁に第1のボルト挿入孔がそれぞれ形成された前面板および背面板を有する自立架本体と、
前記第1のボルト挿入孔に対向する第2のボルト挿入孔が形成された接続部を前面側および背面側にそれぞれ有する架台と、
前記自立架本体と前記架台とを固定する第1の固定ボルトと、
前記第1および第2のボルト挿入孔に挿入され、前記自立架本体と前記架台とを前面側および背面側でそれぞれ固定する第2の固定ボルトとを備えた自立架。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−147523(P2012−147523A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2101(P2011−2101)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】