説明

芝刈り機

【課題】前輪と後輪の間にモーアを配置して、しかもモーアに対する車体前側のエンジンからの動力伝達を無理なく行うことができ、車高も抑えたミッドモーア型の乗用芝刈機を提供すること。
【解決手段】 車体1の前側に配置したエンジン27の後方側にエンジン出力軸3を設け、出力軸3から車体後方に向けて平面視で斜め後ろ向きに第1伝動軸6aとその後端にダクト22の側方に沿って配置した第2伝動軸6bを配置し、第2伝動軸6bと平行な方向にプーリ、ベルト12を介して動力伝達される第3伝動軸11aを配置し、第3伝動軸11aの前端にブレード54に動力伝達する第4伝動軸11bを配置する。なお、第1伝動軸6aと第4伝動軸11bは平面視で「ハ」の字状に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に対して昇降自在なモーアを備えた乗用芝刈り機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来エンジンを車体の前側に配置し、前輪と後輪の間にモーアを装着した、いわゆるミッドモーア型乗用芝刈機が特開2007−20517号公報などに開示されている。この乗用芝刈機は、エンジンの駆動力を車体前側から伝動軸を介してモーアに伝動し、モーアで刈り取った芝草を車体下方に配したシュータを介して車体後部のコレクターバックにブロアにより送風搬送して集草する構成を備えている。
【特許文献1】特開2007−20517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1記載の乗用芝刈機は、前輪と後輪の間にモーアが配置され、車体の前側に配置されたエンジンからモーアの動力を取る構成であり、前輪の車軸とモーアの距離が近すぎて作業中に車体の振動で互いに当接する可能性がある。一方、前輪の車軸とモーアの距離を大きくしようとすると、前輪の車軸とモーアの間に設けられる伝動系の中の継手が車体前後方向の仮想直線に対して大きく傾斜した状態とならざるを得ず、動力の伝達が難しくなり、また車高が高くなる問題点がある。
【0004】
そこで、本発明の課題は、前輪と後輪の間にモーアを配置して、しかもモーアに対する車体前側のエンジンからの動力伝達を無理なく行うことができ、車高も抑えたミッドモーア型の乗用芝刈機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記課題は、次の解決手段で解決される。
すなわち、車体(1)の前側に配置したエンジン(27)と、車体(1)の前後に設けた一対の前輪(23)と後輪(26)と、車体(1)上に設けた車体操向操作用のステアリングハンドル(34)と、一対の前輪(23)と後輪(26)の間に配置し、芝草を刈るための左右一対のブレード(54)を内装したモーアデッキ(13)と、一対の後輪(26)の間に配置した前記ブレード(54)で刈り取った芝草を後方に搬送する流路となるダクト(22)と、車体(1)の後方に取り付けた前記ダクト(22)から搬送される芝草を収納するコレクタ(16)を備えた芝刈り機において、エンジン(27)の車体(1)後方側に設けたエンジン出力軸(3)と、該エンジン出力軸(3)から車体後方に向けてステアリングハンドル(34)の側方を通過して平面視で斜め後ろ向きに配置した第1伝動軸(6a)と、該第1伝動軸(6a)の後端に接続した第1継手部材(71)を介してダクト(22)の側方に沿って配置した第2伝動軸(6b)と、該第2伝動軸(6b)と並列位置に配置する第3伝動軸(11a)と、前記第2伝動軸(6b)の始端部に設けた第2伝動軸(6b)の動力を前記第3伝動軸(11a)に伝達するための伝達手段(52,53;12)と、前記第3伝動軸(11a)の前端に接続した第2継手部材(72)を介してブレード(54)に動力伝達する第4伝動軸(11b)とを備え、前記第1伝動軸(6a)と第4伝動軸(11b)は平面視で「ハ」の字状に配置した芝刈り機である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、モーアに対する車体前側のエンジンからの動力伝達を無理なく行うことができ、車高も抑えたコンパクトなミッドモーア型の乗用芝刈機が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
本実施例の乗用型芝刈機の側面図を図1に、乗用型芝刈機の主に動力伝動構成の平面図を図2に、モーア部分と車輪への動力伝動構成の側面図を図3に、モーア部分と車輪への動力伝動構成の平面図を図4に、リヤアクスルハウジング部の図3のA−A線矢視図を図5に、そしてコレクタの前板部の斜視図を図6にそれぞれ示す。
なお、本明細書において乗用型芝刈機の前進方向を向いて左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後ろということにする。
【0008】
車体1の前部下側に左右一対の前輪23を有したフロントアクスル24をセンタピボット25周りに揺動自在にして支架し、後部下側に左右一対の後輪26を有したリヤアクスルハウジング4を支架する。車体1の前端上に搭載したエンジン27のエンジン出力軸3の駆動回転によって、このエンジン出力軸3の後側に連結した主伝動軸6を伝動して、後輪26を駆動連動して走行することができる。このエンジン出力軸3はエンジンボディの下部で左右幅方向の中央部で、車体1幅中央部の前後方向に沿うセンタラインL(図2)の上部に沿って設ける。このエンジン出力軸3の前端部にはフライホイル28を取付け、エンジン27の後側にはラジエータ29や、ラジエータファン30等を配置し、上部をボンネット31で被覆し、これらの後側にオイルタンク32を設けて、ステアリングポスト33上にハンドル34を設けて、前記前輪23を操向連動する構成としている。
前輪23と後輪26との間には芝を刈る左右一対のブレード54をそれぞれ内装するモーアデッキ13を設けている。
【0009】
前記リヤアクスルハウジング4は、前記センタラインLに対してトレッドの一側(本実施例では左側、以下同じ)寄り位置に後輪デフギヤ機構を内装するデフケース35を形成し、このデフケース35の側部に油圧無段変速装置(HST)ケース8を一体構成し、HST入力軸9を、このケース8から直上方に向けて突出させて、プーリ36や冷却ファン37等を一体回転する構成とし、このHST入力軸9の後側にHST制御のトラニオン軸機構38を配置している。
【0010】
前記リヤアクスルハウジング4に内装した後車軸39の両端部に後輪26を軸装している。図5に示すように前記リヤアクスルハウジング4の左右両側部から立設したリヤブラケット40の上端部間を連結フレーム41で連結し、この連結フレーム41の上側にエンジン27用の燃料タンク42を搭載し、更にこの上側にステップシート43を設けている。
【0011】
前記車体1及び主伝動軸6の上側部にはステップフロア2を敷設し、このステップフロア2の後部に上方に屈曲するシートフロア44を連設して、その後端部を該連結フレーム41上に固定し、左右両側にはフェンダ45を形成する。
なお、主伝動軸6は、エンジン出力軸3に始端部が連結した第1伝動軸6aと、その後端に第1継手部材71(図3、図4)を介して始端部を連結し、終端部をリヤケース5内の伝動系に連結している第2伝動軸6bとからなる。
【0012】
また、主伝動軸6は、第2伝動軸6bの前部に後記のプーリ53を固定して設け、後端をリヤケース5内に延長し、ベベルギヤ48を装着する構成である。
主伝動軸6の斜め下方にはモーアデッキ13内のブレード54に主伝動軸6の動力を伝達するPTO軸11を設ける。PTO軸11はプーリ52を固定して設け、該プーリ52と第2伝動軸6bのプーリ53とをベルト12で巻回することで、第2伝動軸6bの動力を受け取る第3伝動軸11aと、第2継手部材72(図3、図4)を介して第3伝動軸11aと連結する第4伝動軸11bとから構成される。第4伝動軸11bの伝動終端部を第3継手部材73(図3、図4)を介してモーアデッキ13の入力軸15に連結する構成である。
【0013】
第1伝動軸6aは図4に示すように平面視でセンタラインLから斜め左後方に向かって配置し、第2伝動軸6bはセンタラインLの左側方にあってセンタラインLと略並行して設ける。第3伝動軸11aは第2伝動軸6bと略並行して設け、第4伝動軸6bは車体前側に向かって斜め左前方に向かって配置する。そして、第1伝動軸6aと第4伝動軸11bが平面視で車体前側広がりの「ハ」の字型に配置している。
モーアデッキ13内のブレード54に動力を伝動する順序は第一伝動軸6a、第2伝動軸6b、ベルト12、第3伝動軸11a、第4伝動軸11b、入力軸15の順である。
【0014】
後輪26に動力を伝達する伝動構成は、車体1のステップフロア2の下側を前後方向に沿って、車体前部に搭載したエンジン出力軸3からリヤアクスルハウジング4上を経て後部一側上のリヤケース5にわたる主伝動軸6を設け、このリヤケース5から垂下したリヤ出力軸7と、前記リヤアクスルハウジング14の後部一側(本例では左側)に配置したHSTケース8上のHST入力軸9との間にベルト10を掛けてリヤ出力軸7とHST入力軸9を連動させる構成である。
【0015】
また、前記車体1の後端部に装着してモーアデッキ13からブレード54の回転作用で搬送されて送り込まれる芝草を収容するコレクタ16の前壁を形成する前板17を、前記リヤケース5の周りに嵌合させる。具体的には、図6に前板17の斜視図を示すように、前板17に形成したL型開口17aの一側(本実施例では右側、以下同じ)にはダクト22の後端を嵌合して供給口21を形成し、L型開口17aの左側に、膨出形成した蓋体17bをボルト17c,17c…により着脱自在に取り付けて、この蓋体17bの取り付けによってL型開口17aの後方空間に凹部18が形成されることとなる。車体1の後端部にコレクタ16を取付ける場合には、このコレクタ16の前壁部の前板17に形成した上記凹部18を、車体1の後部に配置したリヤケース5の周りに嵌合させる。
【0016】
図3に示すように前記リヤアクスルハウジング4の後部に配置したHSTケース8の入力軸9の動力は、このリヤケース5のリヤ出力軸7からベルト10(図2,3)に伝動される。また、モーアデッキ13からコレクタ16内へ搬入される芝草は、この前板17の凹部18の横側に形成の供給口(L型開口17aの右半部)から供給される。
【0017】
更には、前記モーアデッキ13の排出口20と後方のコレクタ16の供給口21(図6)との間を連通するダクト22を、車体1のセンタラインLに対して右側寄り位置に偏倚して設けると共に、前記エンジン出力軸3からリヤケース5にわたって連動の主伝動軸6とPTO軸11とを、このダクト22側とは反対側寄り位置に配置することを特徴とする。前方のエンジン出力軸3の駆動回転は、車体1のセンタラインLの一側部に偏倚する主伝動軸6を経て、後端部のリヤ出力軸7、ベルト10等を伝動し、HST入力軸9を伝動すると共に、この主伝動軸6の途中部からPTO軸11をベルト12を介して伝動する。具体的には図5に示すように前記第2伝動軸6bの始端部に設けたプーリ53からベルト12を介して、該ベルト12にテンションクラッチプーリを設けてPTOクラッチKを構成する。
【0018】
モーアデッキ13で刈取られた芝草は、排出口20から前記主伝動軸6やPTO軸11(第3伝動軸11a)の前側に連結したPTO軸11(第4伝動軸11b)伝動軸19等と反対側に配置のダクト22を経て、コレクタ16に搬入収容される。
【0019】
前記リヤブラケット40に連結した連結ブラケット47に、第2伝動軸6bの後端を連結する入力軸(ベベルギヤ)48(図3)のリヤケース5を取付支持し、また、この第2伝動軸6bを軸受するメタル49(図1、図3)を取付支持する。
【0020】
このリヤケース5にはベベルギヤ48を介して連動の上下方向のリヤ出力軸7を軸装して、下方に突出させてプーリ50を固定する。このプーリ50は前記HSTの入力軸9のプーリ36の後側の同高さ位置に配置されてベルト10を掛け渡して伝動する。又、前記PTO軸11は、その後端部をリヤアクスルハウジング4の左端前部に突出するメタル51に軸受けする。この下側のPTO軸11に固定のプーリ52と前記上側の主伝動軸6に固定のプーリ53との間にベルト12を掛け渡して、PTO軸11を伝動回転する。このPTO軸11は上側の主伝動軸6よりも左外側下部に位置して設け、前方のモーアデッキ13上の入力軸15の略直後方部に対向させるように配置している。
【0021】
前記モーアデッキ13は、車体1腹部に装着するミッドマウント形態で、センタラインLに対して左右両側部に偏倚して左、右一対のブレード軸14を軸装し、各ブレード軸14の下端部に芝草を刈取るブレード54を有する。このモーアデッキ13は、前後下端部にゲージホイル55、56を配置し、中央上部には刈取芝草を中央後部の排出口20へ案内する排出筒77を形成する。モーアデッキ13は、上部に左右一対の平行状の前リンク57と、後リンク58を配置して、車体1に対して吊下げ、リフト機構によって水平状態を維持して昇降するように構成している。又、このモーアデッキ13上の左、右ブレード軸14上部には、ブレードケース59、60を設け、左側ブレードケース59に、前記入力軸15を軸支して、ベベルギヤ48を介してこの直下のブレード軸14を噛合連動する。なお、動力はブレードケース59からブレードケース60へブレード伝動軸62により伝動される。
【0022】
図7にはモーアデッキ13を上下するリフトレバー79をシートフロア44に設け、該リフトレバー79の作動中心軸部79aに該リフトレバー79と一体的な状態にある円弧状の長穴80bを有するアーム80を設け、該アーム80の先端に長穴81aを有する連結部材81を取り付け、該連結部材81を車体1へ回動自在に支持された支持アーム83の先端に連結したロッド84に取り付けている。なお、支持アーム83の中央部にモーアデッキ13のブレードケース59、60が回動自在に支持されている。
【0023】
また円弧状の長穴80bを有するアーム80の回動軸80aに固定し、外周側面には所定の間隔で複数の溝を形成したカム86を設けており、該カム86の溝にロック部材87の先端が嵌り込むとリフトレバー79が作動中心軸部79aを中心に上方に回動させたときにモーアデッキ13も上昇させることができる。
【0024】
また、円弧状の長穴80bを有するアーム80の先端と前記ロッド84の車体側の先端が上下できる長穴81aを有する連結部材81を連結しているため、モーアを用いて芝刈り作業中にはカム86の溝に嵌り込んだロック部材87の先端を溝から開放しておくと、モーア下の地面からの突き上げがあっても、ロッド84と長穴81aを有する連結部材81が上方に移動した際に、ロッド84と連結部材81の上方への移動量(連結部材81の長穴81a内の摺動量)がアーム80の作動中心軸回りの回動量(円弧状の長穴80b内の摺動量)により吸収でき、リフトレバー79は、ロッド84の突き上げがあっても、リフトレバー79は上動しない。
【0025】
前記入力軸15は、後方のPTO軸11(第3伝動軸11a)との間を、PTO軸11(第4伝動軸11b)及び自在継手や、伸縮軸継手等を介して連結して伝動することができる。左右のブレード軸14間は、各ブレードケース59、60間にわたるブレード伝動軸62を設けてベベルギヤ48で噛合連動し、左右のブレード軸14を前側から内側後方へ向けて回転するように連動構成する。
【0026】
前記コレクタ16は、車体1の後端に装着する。車体1の後端部に着脱可能の取付フレーム63(図1)が前記ダクト22後端の供給口21や、リヤケース5等の外周部を囲繞する形態に形成して、この取付フレーム63に沿って前板17を取付ける。そして、この前板17に前記供給口21や凹部18等を形成する。また、この取付フレーム63の後側上部に支持アーム64を突出させて、支軸65周りに後方上部へ開閉回動可能に支持するコレクタバッグ66または図示しないコレクタケースを取付ける。
【0027】
このコレクタバッグ66は前面にバッグ口67を形成して、前板17後面に接圧させて閉鎖させることができる。前記モーアデッキ13の排出口20とこの前板17の右側部に形成の供給口21との間を、前記リヤアクスルハウジング4の右側上部を経るダクト22で連結して、排出口20から放出される芝草を搬送案内して供給口21からコレクタバッグ66内へ収容させる。コレクタバッグ66は、外周角部に沿ってバッグ枠68を形成し、このバッグ枠68の外周を通風網布で被覆して構成し、バッグ口67を前板17に接当させて閉口した状態で、搬送風は網布のメッシュ部から排出させて搬入芝草を収容することができる。又、収容芝草は、コレクタバッグ66の上方に突出のハンドルレバー69を操作して支軸65周りに後方上部へ回動することにより、このバッグ口67を下向きに開いて、収容している芝草を落下排出することができる。このコレクタバッグ66の上側はカバー70で覆われている。
【0028】
前記コレクタバッグ66を芝草収容姿勢位置にして、供給口21からコレクタバッグ66内に搬入される芝草は、前板17の凹部18の面で仕切られているため、この凹部18前側のリヤケース5部等への芝草の漏出接触はなく、直接の塵埃飛散を防止する。この前板17の凹部18は、前記リヤケース5と、この下側のプーリ50部をも嵌合して広く覆う形態としている。そして、できるだけ深く嵌合することによって、コレクタ16を車体1に接近させて、コレクタ16の後方への突出を小さくすることができる。又、この凹部18のコレクタバッグ66内上側面(図示せず)は下り傾斜面に形成して、排出作用時に残留芝草のないように形成することができる。
【0029】
図8(b)に示すように、HSTケース8のトラニオン軸(図示せず)を回転させるHSTペダル90をステップフロア2に配置しているが、HSTペダル90の踏み込みによりロッド92が作動してトラニオン軸に連結したトラニオンアーム91を引くことでトラニオン軸が回転する。このとき、HSTペダル90の踏み込みにより車両を前進させる場合には矢印A方向にトラニオン軸を回転させる。また車両を後進させる場合には矢印A方向とは反対方向にトラニオン軸を回転させる。
【0030】
このときHSTペダル90の踏み込み速度がロッド92に直接的に伝達されてトラニオン軸の回転速度が決まり、HSTペダル90の踏み込み速度が速いとトラニオン軸の回転速度も速くなる。その場合はHSTの作動圧力は車両の急発進時が最も高く、HSTペダル90の踏み込み速度を早くするとHSTの回転部材や回動部材の摩耗が進み、この動作が何度も繰り返されるとHSTの寿命に影響を与えるようになる。
【0031】
そこで図8(a)に示すように、ロッド92とHSTペダル90の連動部材の間にスプリング93を挿入してHSTペダル90を一気に踏み込んでもスプリング93によりHSTトラニオン軸の回動が遅れるようにするとHSTの寿命を伸ばすことができる。また、車両の振動があってもHSTペダル90の揺れをスプリング装着部で吸収するので、車両の走行が誤作動するおそれが無くなる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のミッドモーア型の乗用芝刈り機はコンパクトな芝刈り機として産業上の利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施例の乗用型芝刈り機の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の主に動力伝達系の拡大側面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3のA−A線矢視図図である。
【図6】図1の乗用型芝刈り機のコレクタ入口部に配置する前板部の斜視図である。
【図7】図1の乗用型芝刈り機のモーアデッキの上下動の構成図である。
【図8】図1の乗用型芝刈り機のHSTとHSTペダルとの連結関係図である。
【符号の説明】
【0034】
1 車体 2 ステップフロア
3 エンジン出力軸 4 リヤアクスルハウジング
5 リヤケース
6 主伝動軸(第1伝動軸6a,第2伝動軸6b)
7 リヤ出力軸 8 HSTケース
9 HST入力軸 10 ベルト
11 PTO軸(第3伝動軸11a,第4伝動軸11b)
12 ベルト 13 モーアデッキ
14 ブレード軸 15 モーア入力軸
16 コレクタ
17 コレクタ前壁を形成する前板
18 凹部 20 モーアデッキ排出口
21 ダクト供給口 22 ダクト
23 前輪 24 フロントアクスル
25 センタピボット 26 後輪
27 エンジン 28 フライホイル
29 ラジエータ 30 ラジエータファン
31 ボンネット 32 オイルタンク
33 ステアリングポスト 34 ハンドル
35 デフケース
36,50,52,53 プーリ
37 冷却ファン 38 トラニオン軸機構
39 後車軸 40 リヤブラケット
41 連結フレーム 42 燃料タンク
43 ステップシート 44 シートフロア
45 フェンダ 47 連結ブラケット
48 ベベルギヤ(リヤケース入力軸)
49,51 メタル 54 ブレード
55,56 ゲージホイル
57 前リンク 58 後リンク
59,60 ブレードケース
62 ブレード伝動軸
63 取付フレーム 64 支持アーム
65 支軸 66 コレクタバッグ
67 バッグ口 68 バッグ枠
69 ハンドルレバー 70 カバー
71 第1継手部材 72 第2継手部材
73 第3継手部材 77 排出筒
79 リフトレバー 80 円弧状長穴付きアーム
81 長穴付き連結部材 83 支持アーム
84 ロッド 86 カム
87 ロック部材 90 HSTペダル
91 トラニオンアーム 92 ロッド
93 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(1)の前側に配置したエンジン(27)と、車体(1)の前後に設けた一対の前輪(23)と後輪(26)と、車体(1)上に設けた車体操向操作用のステアリングハンドル(34)と、一対の前輪(23)と後輪(26)の間に配置し、芝草を刈るための左右一対のブレード(54)を内装したモーアデッキ(13)と、一対の後輪(26)の間に配置した前記ブレード(54)で刈り取った芝草を後方に搬送する流路となるダクト(22)と、車体(1)の後方に取り付けた前記ダクト(22)から搬送される芝草を収納するコレクタ(16)を備えた芝刈り機において、
エンジン(27)の車体(1)後方側に設けたエンジン出力軸(3)と、
該エンジン出力軸(3)から車体後方に向けてステアリングハンドル(34)の側方を通過して平面視で斜め後ろ向きに配置した第1伝動軸(6a)と、
該第1伝動軸(6a)の後端に接続した第1継手部材(71)を介してダクト(22)の側方に沿って配置した第2伝動軸(6b)と、
該第2伝動軸(6b)と並列位置に配置する第3伝動軸(11a)と、
前記第2伝動軸(6b)の始端部に設けた第2伝動軸(6b)の動力を前記第3伝動軸(11a)に伝達するための伝達手段(52,53;12)と、
前記第3伝動軸(11a)の前端に接続した第2継手部材(72)を介してブレード(54)に動力伝達する第4伝動軸(11b)とを備え、
前記第1伝動軸(6a)と第4伝動軸(11b)は平面視で「ハ」の字状に配置したことを特徴とする芝刈り機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−88322(P2010−88322A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259774(P2008−259774)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】