説明

苗植付装置

【課題】 本発明は、オイル注入口の周囲で受ける泥土が減少して泥土の侵入が抑えられるので、メンテナンス時においてブッシュへ効率良くオイルを供給でき、スライド部材の進退動作を確保することができるようにすることを課題とする。
【解決手段】 苗植付装置において、ケース部材には、スライド部材と連結してその進退動作を制御する揺動動作可能な制御アームと、スライド部材を摺動可能に支持するブッシュと、このスライド部材の摺動口に臨むオイル注入口と、このオイル注入口を閉塞するキャップを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーク部材とスライド部材とを備えて苗株を植付ける植込杆を回転体上の偏心支軸に取付けて構成される苗植付装置関するものである。
【背景技術】
【0002】
苗植付装置は、特許文献1の図3、図4に記載のように、ロータリケース(21)上の偏心支軸(24)に植込杆が取付けられて構成される。植込杆はケース部材(25)に苗株保持用のフォーク部材(26)とその保持苗を押出すスライド部材(70)とを備え、そのケース部材(25)の内部には、スライド部材(70)を進退制御する制御アーム(74)を揺動動作可能に支軸(73)に軸支し、同制御アーム(74)を揺動させるカム(71)を上記偏心支軸(24)と同心に設け、同カム(71)は、ロータリケース(21)の側面に対して着脱可能に嵌合構成されている。
【0003】
上記構成の植込杆のカム(71)は、ロータリケース(21)の角度位置に応じて制御アーム(74)を揺動させ、スプリング付勢されたスライド部材(70)を進退制御するように構成される。上記カム(71)および制御アーム(74)は、ケース部材(25)と一体的に植込杆を構成することにより、植込杆側をロータリケース(21)側から取外して効率よくメンテナンスすることができる。
【0004】
しかし、上記カム(71)のメンテナンスは、植込杆側をロータリケース(21)から取外す際に重量が嵩むことと併せ、植込杆のケースを分解する必要があるので、煩わしい取扱いを強いられるという難点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−136816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、オイル注入口の周囲で受ける泥土が減少して泥土の侵入が抑えられるので、メンテナンス時においてブッシュへ効率良くオイルを供給でき、スライド部材の進退動作を確保することができるようにすることを課題とする。また、メンテナンスの際に植込杆が簡易に着脱でき、かつ、カムを効率よく手入れすることができる苗植付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、回転駆動される回転体と、この回転体についてその回転軸線と平行する軸線上に軸支されて同回転体に内設された伝動系と連結する複数の偏心支軸と、この複数の偏心支軸に取付けられてマット苗の一部を取分け植え込む各々の植込杆とからなり、この植込杆は、上記偏心支軸に取付けたケース部材と、このケース部材から突設されて苗保持が可能なフォーク状を為すフォーク部材と、このフォーク部材に沿って進退動作可能に取付けられてその保持苗を押出す方向に付勢されたスライド部材とからなる苗植付装置において、上記ケース部材には、上記スライド部材と連結してその進退動作を制御する揺動動作可能制御アームと、スライド部材を摺動可能に支持するブッシュと、このスライド部材の摺動口に臨むオイル注入口と、このオイル注入口を閉塞するキャップを設けた苗植付装置とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、ケース部材には、制御アームをその揺動限界で受けるクッション材と、このクッション材の支持端部に形成される空洞を設けた請求項1に記載の苗植付装置とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、制御アームに接してこの制御アームを揺動動作させるカムを、偏心支軸と同心位置で且つ回転体に一体で固定して設け、制御アームとスライド部材を連結する連結部材には、張出し部を形成した請求項1又は請求項2に記載の苗植付装置とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、制御アームに接してこの制御アームを揺動動作させるカムを、偏心支軸と同心位置で且つ回転体に一体で固定して設け、カムには固定用のアーム部を延設し、この固定用のアーム部に備える長円形のボルト孔に締結ボルトを通して固定用のアーム部を固定する構成とすることにより、カムの位相角を調節可能な構成とし、スライド部材が押出し作動するとき、締結ボルトが植込杆よりも後側に位置する構成とした請求項1から請求項3の何れか1項に記載の苗植付装置とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、制御アームに接してこの制御アームを揺動動作させるカムを、偏心支軸と同心位置で且つ回転体の側面に一体で固定して設け、回転体に対してその回転軸線方向に植込杆を分離可能に構成し、カムの内周には偏心支軸に臨む油溜を形成した請求項1から請求項4の何れか1項に記載の苗植付装置とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によると、回転体の回転に伴い、この回転体と一体的なカムの相対回転動作により、植込杆のケース部材に軸支した制御アームが揺動され、フォーク部材上の保持苗を押出す方向に付勢されたスライド部材の進退動作が制御される。そして、本発明のオイル注入口の配置により、植込杆の後端部にオイル注入口を配置した場合より、他方の植込杆の先端部と接近したときの間隔が広くなるため、オイル注入口の周囲で受ける泥土が減少して泥土の侵入が抑えられるので、メンテナンス時においてブッシュへ効率良くオイルを供給でき、スライド部材の進退動作を確保することができる。
【0013】
請求項2に係る発明によると、請求項1に係る発明の効果に加えて、クッション材により制御アームをその揺動限界で受けることができると共に、空洞によりクッション材が制御アームを受けた際の衝撃を緩和することができる。
【0014】
請求項3に係る発明によると、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、張出し部によりケース部材の内部のグリースを掻き混ぜることができる。
請求項4に係る発明によると、請求項1から請求項3の何れか1項に係る発明の効果に加えて、カムの位相角を調節してスライド部材の進退動作のタイミングを簡易に調節することができる。また、スライド部材が押出し作動するとき、締結ボルトが植込杆よりも後側に位置するので、締結ボルトが植付け直後の苗を乱す問題を解消できる。
【0015】
請求項5に係る発明によると、請求項1から請求項4の何れか1項に係る発明の効果に加えて、メンテナンスの際は、カムを回転体側に残して植込杆側が分離される。したがって、植込杆側は、カムを含まずに比較的軽量に構成されて簡易に着脱することができる上に、回転体の側面部に露出固定された状態のカムを効率よくメンテナンスすることができる。更に、油溜により回転体から漏れるオイルを受けることができ、圃場へのオイル漏れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の苗植付装置を搭載した乗用型田植機の側面図である。
【図2】図1の乗用型田植機の平面図である。
【図3】苗植付装置の側面図である。
【図4】図3の苗植付装置の軸線展開断面図である。
【図5】図4におけるS1−S1線断面図である。
【図6】植込杆を外した状態のロータリケースの側面図である。
【図7】植込杆の別の構成例の断面図である。
【図8】別のフォーク部材の拡大側面図(a)およびそのB〜Dの断面図(b〜d)である。
【図9】マット苗の取分け動作図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、以下に図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の苗植付装置を搭載した乗用型田植機の側面図、および、図2はその平面図を示す。
【0018】
図1と図2に示すように、乗用型田植機1は走行車両に昇降用リンク装置2で作業装置の一種である苗植付部3を設けている。乗用型田植機1は駆動輪である左右各一対の前輪6、6および後輪7、7を有する四輪駆動車両である。
【0019】
なお本明細書では田植機1の前進方向に向かって左右をそれぞれ左側と右側といい、前進方向を前側、後進方向を後側という。
図1に示すように、ステップフロア19の下方にあるメインフレーム10に油圧式無段変速装置(HST)5と一体のミッションケース11とエンジン12が前後に配設されており、またミッションケース11の前部からステアリングポスト14が上方に突設されている。
【0020】
そして、ステアリングポスト14の上端部にステアリングハンドル16とメータパネル17が設けられている。機体の床位置には操縦用のフロアとなるステップフロア19が取り付けられ、エンジン12の上方部に操縦席20が設置されている。
【0021】
油圧式無段変速装置(HST)5はハンドル16の右側に設けられる変速レバー110によって変速操作される。この変速レバー110を中立位置に操作したときは、走行駆動停止状態とし、変速レバー110を前側へ操作することによって前進高速状態とし、中立位置から後側へ操作することによって後進高速状態として、変速レバー110の傾斜角度に応じて前、後進速度を増減速することができる。
【0022】
前輪6、6は、ミッションケース11の側方に転向可能に設けた前輪支持ケース22、22に軸支されている。後輪7、7は、後輪支持ケース24、24に軸支されている。また、左右の線引きマーカ223は、苗植付部3の伝動ケース162の左右両端部に起立・転倒可能に設けられている。
【0023】
苗植付部3の昇降は、メインフレーム10の後側に設けた昇降用リンク装置2を介して苗植付部3を連結し、リフトシリンダ160の伸縮によって昇降させて、非作業位置に上昇したり、対地作業位置に下降したりすることができる。また、苗植付部3への動力伝達は、前記エンジン12からPTO伝動軸167(図1)を介して行われ、このPTO伝動軸167の伝動を入り切りするPTO(植付)クラッチ(図示せず)を介して行われる。
【0024】
苗植付部3は、昇降用リンク装置2の後部にローリング軸を介してローリング自在に装着されたフレームを兼ねる植付伝動ケース162と、該植付伝動ケース162に設けられた支持部材に支持されて機体左右方向に往復動する苗載台163と、植付伝動ケース162の後端部に装着され前記苗載台163の下端より1株分づつの苗を取分けて圃場に植え付ける苗植付装置164と、植付伝動ケース162の下部にその後部が枢支されてその前部が上下揺動自在に装着された整地体であるセンター(センサー)フロート165・サイドフロート166等にて構成されている。センターフロート165、サイドフロート166は、苗植付装置164による苗の植付け地点の前方を整地するべく設けられている。
【0025】
苗載台163には、苗植付装置164による苗の取分け位置までマット苗を順次送る左右の移送ベルト171,171を植付け条毎に左右対称に平行に備える。これら左右の移送ベルト171,171は無端のゴムベルトであり、その表面側には、送り用の突起を形成する。
【0026】
苗植付装置164は、苗載台163の下端に臨んで配置され、図3の側面図および図4の軸線展開断面図に示すように、回転駆動されるロータリケース(回転体)201とその2つの偏心支軸202,202にそれぞれ取付けられて苗を植付けする植込杆203とから構成される。2つの偏心支軸202,202は、ロータリケース201について、その回転軸201cを通る1つの直径線上の共通半径位置においてその回転軸線と平行する軸線上に軸支し、同ロータリケース201に内設された静止偏心サンギヤ204sと偏心歯合する不等速伝動ギヤ列による伝動系204と連結して所定の角度範囲内を揺動可能に構成する。
【0027】
植込杆203は、偏心支軸202に固定したケース部材211と、このケース部材211の外側に取付けられて苗載台163のマット苗Pからその一部を取分けて保持するためのフォーク状のフォーク部材212と、このフォーク部材212に沿って進退動作可能に取付けられてその保持苗を押出す方向に付勢されたスライド部材213およびその先端の押出部材213pとによって構成する。
【0028】
ケース部材211の内部には、スライド部材213と連結して進退制御する後述の制御アーム215を支軸215pによって揺動可能に軸支する。この制御アーム215を揺動させるカム216を偏心支軸202と同心に上記ロータリケース201の側面に一体に固定する。カム216の内周には偏心支軸202に臨む油溜216tを形成し、ロータリケース201から漏れるグリース等のオイルを受けることによって圃場へのオイル漏れを防止する。
【0029】
上記ケース部材211にはカム216の外形を超える開口を形成し、組付け状態では、カム216の主要部を同ケース部材211の内部に配置する一方、カム216をロータリケース201側に残したまま、植込杆203を偏心支軸202の軸線方向にロータリケース201側から分離可能に構成する。
【0030】
また、ケース部材211の内部には、図4のS1−S1線断面図を図5に示すように、植込杆203の駆動系として、スライド部材213の後端位置に押出し付勢用のスプリング214を設けるとともに、略L字状の制御アーム215を連結部材215cによってスライド部材213と連結し、他の一端をカム216と接して揺動可能に軸支することによりカムパターンに応じてスライド部材213の進退動作を制御する。
【0031】
上記連結部材215cには、ケース部材211の内部のグリースを掻き混ぜるための張出し部215eを上下に張り出して形成する。また、制御アーム215をその揺動限界で受けるクッション材215rを設け、このクッション材215rの支持端部には制御アーム215を受けた際の衝撃音を緩和するための空洞215aを形成する。
【0032】
ケース部材211には、スライド部材213を摺動支持するブッシュ213bを設け、その摺動口に臨んでケース部材211の側部位置にオイル注入口211hを形成して開放可能なキャップで栓をする。このオイル注入口211hの配置により、植込杆203の後端部に注入口を配置した場合より、他方の植込杆203の先端部との接近間隔が長くなることからオイル注入口211hの周囲に受ける泥土が減少してその侵入が抑えられるので、メンテナンス時におけるブッシュ213bへの効率のよいオイル供給と合わせ、スライド部材213の進退動作を確保することができる。
【0033】
上記構成の苗植付装置164は、ロータリケース201の回転に伴い、偏心支軸202上の植込杆203が公転動作するとともに、ロータリケース201に内設の伝導系によって所定の角度範囲内を揺動することにより、苗植付装置164の先端位置が所定の軌跡Tを通って苗載台163の下端Aからマット苗の一部を掻き取り、次いで下方の培土Bに植付けを行い、続いてロータリケース201の反対端の植込杆203が半周遅れで同様に植付けを行う。
【0034】
この場合における植込杆203の植付動作は、ロータリケース201の回転に伴い、このロータリケース201と一体的なカム216の相対回転動作により、ケース部材211に軸支した制御アーム215が揺動され、フォーク部材212からその保持苗を押出す方向に付勢されたスライド部材213がカムパターンに従って進退動作される。
【0035】
また、メンテナンスの際は、カム216をロータリケース201側に残して植込杆203側を取外すことにより、植込杆203側は、カム216を含まずに比較的軽量に構成されて簡易に着脱することができる上に、植込杆203を外した状態では、図6に示すように、ロータリケース201の側面部に固定されたカム216が露出され、この状態でカム216を効率よくメンテナンスすることができる。
【0036】
上記カム216は、その半径方向に固定用のアーム部216aを延設して回り止め用のボルト孔216hを形成し、ロータリケース201の締結ボルト201bによって共締めする。ボルト孔216hは、カム位相角調節可能に長円形に形成することにより、制御アーム215によるスライド部材213の進退動作のタイミングを簡易に調節することができ、必要により、アーム部216aにピン孔を形成してピンにより位置決め固定することができる。
【0037】
また、上記締結ボルト201bは、ロータリケース201の複数の締結ボルトの中で、偏心支軸202の近傍で、かつ、植込杆203のスライド部材213の押出し動作時に植込杆203より先行位置にあるものに適用する。この条件を満たすことにより、ロータリケース201から突出する締結ボルトの頭が苗の植え付け前にその植付位置を通過するので、植付け直後に苗を乱すという問題を解消することができる。
【0038】
上記構成の他に、カム回り止め用の締結ボルト201bは、ロータリケース201の複数の締結ボルトの中で、偏心支軸202の近傍の2本を回り止めとし、これと対応して固定用のアーム部216aを二股状等に形成することによりロータリケース201の外側に取付ける。このようにしてカムを固定することにより、カムの傾斜を防止して動作精度を向上することができる。
【0039】
次に、植込杆の別の構成例として、図7の断面図に示すように、ケース部材211aに対してフォーク部材212aを進退可能に構成し、ケース部材211aの先端部に揺動レバー221を軸支してその一端にスライド部材213を連結するとともに、揺動レバー221の他端をフォーク部材212aと係合して植込杆203aを構成する。
【0040】
このように構成した植込杆203aは、スライド部材213の前進動作と対応して傾動する揺動レバー221の作用を受けてフォーク部材212aが後退動作する。すなわち、スライド部材213によってフォーク部材212aの保持苗が培土に植付けられるとともに同フォーク部材212aが後退することにより、植付け時の機体の前進による苗との干渉が回避されることから、苗を起立状態に維持することができる。
【0041】
次に、フォーク部材の別の構成例として、図8(a)の拡大側面図およびそのB〜Dの断面図(b〜d)に示すように、フォーク部材230は、支持腕231の先端部にマット苗Pの下縁部から順次取分けるためのブロックフィンガー231fを形成する。このブロックフィンガー231fは、先端からセンタースリットで二つ割れに形成し、その両側部の背面側にのみ所定高さの切分け部232,232を起立し、その前後端に高さ移行部を付帯して形成する。
【0042】
上記フォーク部材230は、図9のマット苗の取分け動作図に示すように、植込杆203が苗載台163に向かって前進することによりブロックフィンガー231fがマット苗Pに刺さり、その下縁部から1株分の苗を取り分ける際に、切分け部232,232がマット苗Pの次の取分け行程の部分に及ぶ切分け線S,Sを形成する。このようにして事前に形成された切分け線S,Sにより、その取分けの際にきれいに掻取ることができるので、苗床の土質によることなく、苗の持帰りや欠株等の不具合を防止することができる。また、所定高さの切分け部232,232によりブロックフィンガー231fの強度を確保することが可能となる。
【符号の説明】
【0043】
164苗植付装置201ロータリケース(回転体)、201b:締結ボルト、201c回転軸202偏心支軸203植込杆204伝動系211ケース部材、211h:オイル注入口、212フォーク部材213スライド部材、213b:ブッシュ、214スプリング215制御アーム、215a:空洞、215c:連結部材、215e:張出し部、215r:クッション材、216カム、216a:固定用のアーム部、216h:ボルト孔、216t:油溜、:マット苗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される回転体と、この回転体についてその回転軸線と平行する軸線上に軸支されて同回転体に内設された伝動系と連結する複数の偏心支軸と、この複数の偏心支軸に取付けられてマット苗の一部を取分け植え込む各々の植込杆とからなり、この植込杆は、上記偏心支軸に取付けたケース部材と、このケース部材から突設されて苗保持が可能なフォーク状を為すフォーク部材と、このフォーク部材に沿って進退動作可能に取付けられてその保持苗を押出す方向に付勢されたスライド部材とからなる苗植付装置において、上記ケース部材には、上記スライド部材と連結してその進退動作を制御する揺動動作可能制御アームと、スライド部材を摺動可能に支持するブッシュと、このスライド部材の摺動口に臨むオイル注入口と、このオイル注入口を閉塞するキャップを設けた苗植付装置。
【請求項2】
ケース部材には、制御アームをその揺動限界で受けるクッション材と、このクッション材の支持端部に形成される空洞を設けた請求項1に記載の苗植付装置。
【請求項3】
制御アームに接してこの制御アームを揺動動作させるカムを、偏心支軸と同心位置で且つ回転体に一体で固定して設け、制御アームとスライド部材を連結する連結部材には、張出し部を形成した請求項1又は請求項2に記載の苗植付装置。
【請求項4】
制御アームに接してこの制御アームを揺動動作させるカムを、偏心支軸と同心位置で且つ回転体に一体で固定して設け、カムには固定用のアーム部を延設し、この固定用のアーム部に備える長円形のボルト孔に締結ボルトを通して固定用のアーム部を固定する構成とすることにより、カムの位相角を調節可能な構成とし、スライド部材が押出し作動するとき、締結ボルトが植込杆よりも後側に位置する構成とした請求項1から請求項3の何れか1項に記載の苗植付装置。
【請求項5】
制御アームに接してこの制御アームを揺動動作させるカムを、偏心支軸と同心位置で且つ回転体の側面に一体で固定して設け、回転体に対してその回転軸線方向に植込杆を分離可能に構成し、カムの内周には偏心支軸に臨む油溜を形成した請求項1から請求項4の何れか1項に記載の苗植付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−212017(P2011−212017A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142893(P2011−142893)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【分割の表示】特願2005−285168(P2005−285168)の分割
【原出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】