説明

茶枝葉の移送装置並びにこれを具えた茶刈装置

【課題】 茶枝葉が移送ダクトの前面板に当接して、茶枝葉が移送ダクトの前方に倒れてしまうことを防止するとともに、背面ダクトの吹出口付近での風の乱れを防止し、且つ送風機の圧力風の圧力損失を低減させる茶枝葉の移送装置並びにこれを具えた茶刈装置を提供する。
【解決手段】 茶葉Aや枝幹等の茶枝葉Aを刈り取る刈刃22の上方に対し、移送ダクト6を具え、ここに背面風Wを前記刈刃22の後方位置から吹き込み、茶枝葉Aを所定の位置に向けて移送する装置において、前記移送ダクト6の移送開始部31の箇所には、前面板36の下方への張り出し長さを変更できる長さ調節板360が設けられている。更に移送ダクト6の移送開始部31の後方側内壁面は、上り傾斜角度が40〜70°に設定されていること、また上方の導入口39から下方の吹出口38に向かうにしたがい薄い厚さに形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、茶葉の摘採や枝幹の剪除等を行う茶刈装置における茶枝葉の移送装置並びにこれを具えた茶刈装置に関するものであって、特にスムーズに茶葉の移送を行う移送装置の改良に係るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば茶葉の摘採を行う摘採装置としては、比較的大型の乗用型摘採装置が存在する。このものは、摘採した茶葉の収容部として、大容量のコンテナを搭載したもの、あるいは複数の茶袋を吊り下げ状態に取り付けて収容部を形成する等、大量の茶葉を収容できるようにしたものが多い。
そして、このような摘採装置にあっては、例えば図12に示すように、刈刃22′の前方側に茶葉移送のための分岐ノズル50付きの送風管を配し、この分岐ノズル50からの送風によって茶葉Aを移送するのが一般的であった。また、刈刃22′から収容部4′まで茶葉Aを移送する移送路は、刈刃22′のほぼ後方に延びる水平移送部Xと、その後に収容部4′の上部に臨むように接続された上昇移送部Yとを具えるのが一般的であった(例えば特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、このような移送形態(送風形態)では、水平移送部Xを要する分、移送装置5′ひいては摘採装置の前後長が長くなり、摘採装置の取り回し性を低下させてしまうという問題があった。
このようなことから、本出願人は、図13、14に示されるように、刈り取られた茶枝葉Aの上昇移送を伴う茶刈装置において、水平移送部Xを設けることなく、刈り取り直後の茶枝葉Aをすぐに上昇移送できるようにし、摘採装置の前後寸法の短縮化を図り、摘採装置をコンパクトに構成できるようにした茶枝葉の移送方法並びにその移送装置並びにこれを具えた茶刈機を開発し、特許出願に到っている(特許文献2参照)。
【0004】
上記発明により移送装置から摘採装置の前後寸法の短縮化を図り、摘採装置をコンパクトに構成するという目的の達成がなされるものであるが、刈り取られた茶枝葉Aのスムーズな吹き上げを考慮すると更に改良の余地があった。
すなわち通常は、刈り取られた茶枝葉Aは、図14(a)に示されるように背面風W′によりスムーズに移送ダクト内を吹き上げられるが、図14(b)に示されるように比較的長い長さで茶枝葉Aを刈り取る(長芽等)際に、茶枝葉Aが移送ダクト6A′の前面板36′に当接して、刈り取られた後、茶枝葉Aが移送ダクト6A′の前方に倒れ、スムーズに移送ダクト6A′内へ吹き上げられないということがあった。ここで単純に移送ダクト6A′の前面板36′を短くし、移送ダクト6A′の前面受入口を大きく構成しておくことも考えられるが、このように開口部を大きくした場合、吹出口38′付近では背面風W′の乱れが生じ、刈り取られた茶枝葉Aの吹き上げ力が低下するという問題がある。
更に強風時での摘採などのように使用状況によって背面風W′の吹出口38′付近で風が乱れ、スムーズに背面風W′が吹き上がらない場合もあった。
また更に送風機から送り出される圧力風の移送中における圧力損失の面でも更に改良の余地があった。
【特許文献1】特開2001−95346
【特許文献2】特開2006−50963
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような背景からなされたものであって、比較的長い長さで茶枝葉を刈り取る(長芽等)という難しい作業状況の際に、茶枝葉が移送ダクトの前面板に当接して、茶枝葉が移送ダクトの前方に倒れてしまうことを防止するとともに、背面ダクトの吹出口付近での風の乱れを防止し、且つ送風機の圧力風の圧力損失を低減させる茶枝葉の移送装置並びにこれを具えた茶刈装置を実現しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち請求項1記載の茶枝葉の移送装置は、茶葉や枝幹等の茶枝葉を刈り取る刈刃の上方に対し、刈り取り後の茶枝葉を所定の位置に向けて移送する移送ダクトを具え、この移送ダクト内に背面風を前記刈刃の後方位置から吹き込み、風送によって刈り取り後の茶枝葉を所定の位置に向けて移送する装置において、前記移送ダクトの前面板における刈刃に臨んだ移送開始部の箇所には、前面板の下方への張り出し長さを変更できる長さ調節板が設けられていることを特徴として成るものである。
【0007】
更に請求項2記載の茶枝葉の移送装置は、前記請求項1記載の要件に加え、前記長さ調節板は、前記移送ダクトの前面板の下端に対し、上下方向にスライド自在に設けられ、無段階に長さ調節自在であることを特徴として成るものである。
【0008】
また請求項3記載の茶枝葉の移送装置は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記移送ダクトの刈刃に臨んだ移送開始部の後方側内壁面は、上り傾斜角度が40〜70°に設定されていることを特徴として成るものである。
【0009】
また請求項4記載の茶枝葉の移送装置は、前記請求項3記載の要件に加え、前記移送ダクトの移送開始部の後方側内壁面を、上り傾斜角度が40〜70°に設定するにあたっては、刈刃の後部付近から移送ダクトの背板にかけて、上り傾斜角度40〜70°に移送促進板を設置することにより行われることを特徴として成るものである。
【0010】
また請求項5記載の茶枝葉の移送装置は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記移送ダクト内に送り込まれる背面風は、移送ダクトの背面に設置された背面ダクトによって送り込まれるものであり、この背面ダクトは、背面視で裾広がりの略台形形状を成し、且つこの奥行き寸法は、上方の導入口から下方の吹出口に向かうにしたがい薄い厚さに形成されていることを特徴として成るものである。
【0011】
また請求項6記載の茶枝葉の移送装置は、前記請求項5記載の要件に加え、前記背面ダクトの上部には、二つの導入口があり、これら二つの導入口に対し、二つの送風機からの送風ダクトをそれぞれ接続したことを特徴として成るものである。
【0012】
また請求項7記載の茶枝葉の移送装置は、前記請求項1、2、3、4、5または6記載の要件に加え、前記移送ダクトは、後傾して設置されていることを特徴として成るものである。
【0013】
また請求項8記載の茶刈装置は、茶畝を跨いで走行する走行機体と、
この走行機体に取り付けられ摘採作業または剪枝作業を実質的に行う茶刈機体と、
この茶刈機体の後方に設けられ摘採した茶葉を収容可能とする収容部と、
刈り取った茶葉や枝幹等の茶枝葉を茶刈機体から収容部まで移送する移送装置とを具え、目的に応じて摘採または剪枝作業が行えるようにした装置であって、
前記移送装置には、請求項1、2、3、4、5、6または7記載の茶枝葉の移送部構造が適用されて成ることを特徴として成るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の茶枝葉の移送装置並びにこれを具えた茶刈装置は、上述した手段により以下のような効果を奏するものである。
すなわち請求項1記載の茶枝葉の移送装置によれば、移送ダクトの前面板の下方への張り出し長さを変更できる長さ調節板が設けられているため、比較的長い長さで茶枝葉を刈り取る(長芽等)際に、移送ダクトの前面板にその長芽などが当接し、前方に倒れてしまうことがなく、刈られた茶枝葉がスムーズに移送開始部にて吹き上げられる。また刈り取る茶枝葉の長さに合わせて移送ダクトの前面板の下方への張り出し状態の調節ができるため、前面板を不必要に開口しておくことによる、吹き上げ力の低下を防止できるとともに、茶枝葉の移送開始部からの飛散を妨げる。
【0015】
更に請求項2記載の茶枝葉の移送装置によれば、長さ調節板は、移送ダクトの前面板の下端に対し、上下方向にスライド自在に設けられるものであるため、長さ調節板を脱着する手間がなく、また無段階に長さ調節自在であるため、刈り取る茶枝葉の寸法に応じ最も適した高さ寸法に設定することができる。
【0016】
また請求項3記載の茶枝葉の移送装置によれば、移送ダクトの移送開始部における後方側内壁面の上り傾斜角度は、40〜70°に設定されるものであるため、移送開始部において、後方側内壁面のコアンダ効果によって後方内壁面の上面に沿って背面風が流れようとする作用が働き、背面風に乱れが生じず、移送ダクトの奥方向へスムーズに送り込まれる。
【0017】
また請求項4記載の茶枝葉の移送装置によれば、移送ダクトの移送開始部の後方側内壁面を、上り傾斜角度が40〜70°に設定するにあたっては、刈刃の後部付近から移送ダクトの背板にかけて、上り傾斜角度40〜70°に移送促進板を設置することにより行われるものであるため、送風機の風量等に応じて移送促進板の傾斜角度を細かく設計変更することが容易に行うことができる。また移送開始部の後方側内壁面の傾斜角度をユーザー側で刈り取り態様(摘採や剪枝など)に応じて調節自在とすることも可能となる。
【0018】
また請求項5記載の茶枝葉の移送装置によれば、背面ダクトは、上方の導入口から下方の吹出口に向かうにしたがい薄い厚さに形成されているため、送風機からの圧力風の圧力損失が低減される。
【0019】
また請求項6記載の茶枝葉の移送装置によれば、背面ダクトの二箇所から圧力風が送り込まれるため、背面ダクトの幅方向に比較的万遍なく充分な量の圧力風を送り込むことができる。
【0020】
また請求項7記載の茶枝葉の移送装置によれば、移送ダクトは、後傾して設置されているため、刈り取られた茶枝葉が移送ダクト内から前方へこぼれ落ちにくい。
【0021】
また請求項8記載の茶刈装置によれば、移送ダクトの前面板の下方への張り出し長さを変更できる長さ調節板が設けられているため、比較的長い長さで茶枝葉を刈り取る(長芽等)際に、移送ダクトの前面板にその長芽などが当接し、前方に倒れてしまうことがなく、刈られた茶枝葉がスムーズに移送開始部にて吹き上げられる。また刈り取る茶枝葉の長さに合わせて移送ダクトの前面板の下方への張り出し状態の調節ができるため、前面板を不必要に開口しておくことによる、吹き上げ力の低下を防止できるとともに、茶枝葉の移送開始部からの飛散を妨げる。
更に長さ調節板が、移送ダクトの前面板の下端に対し、上下方向にスライド自在に設けられた場合、長さ調節板を脱着する手間がなく、また無段階に長さ調節自在であるため、刈り取る茶枝葉の寸法に応じ最も適した高さ寸法に設定することができる。
また移送ダクトの移送開始部における後方側内壁面の上り傾斜角度が、40〜70°に設定された場合、移送開始部において、後方側内壁面のコアンダ効果によって後方内壁面の上面に沿って背面風が流れようとする作用が働き、背面風に乱れが生じず、移送ダクトの奥方向へスムーズに送り込まれる。
また移送ダクトの移送開始部の後方側内壁面を、上り傾斜角度が40〜70°に設定するにあたって、刈刃の後部付近から移送ダクトの背板にかけて、上り傾斜角度40〜70°に移送促進板を設置することにより行われた場合、送風機の風量等に応じて移送促進板の傾斜角度を細かく設計変更することが容易に行うことができる。また移送開始部の後方側内壁面の傾斜角度をユーザー側で刈り取り態様(摘採や剪枝など)に応じて調節自在とすることも可能となる。
また背面ダクトが、上方の導入口から下方の吹出口に向かうにしたがい薄い厚さに形成された場合、送風機からの圧力風の圧力損失が低減される。
また背面ダクトの二箇所から圧力風が送り込まれた場合、背面ダクトの幅方向に比較的万遍なく充分な量の圧力風を送り込むことができる。
また移送ダクトが、後傾して設置された場合、刈り取られた茶枝葉が移送ダクト内から前方へこぼれ落ちにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の最良の形態は、以下の実施例に述べる通りである。なお説明にあたっては、まず本発明の茶刈装置として摘採装置を例に挙げながら、その全体構成を概略的に説明し、併せて本発明装置である茶枝葉の移送装置について説明する。また、この摘採装置としては、刈り取った茶葉Aを上昇移送して収容部に収容する、いわゆる大型の乗用式摘採装置(茶畝跨走型摘採装置1)を例に挙げて説明する。
なお本発明の移送手法そのものは、茶芽を刈り取る摘採作業のみならず、樹形を整え樹勢の回復を図るために枝幹を剪除する剪枝作業にも利用でき、このようなことに因み、本発明の名称中や請求項等に記載した「茶枝葉」とは、摘採した茶葉Aと剪除した枝幹とを総称するものである(茶枝葉にも茶葉と同一の符号Aを付す)。また、「茶刈」もしくは「茶刈装置」とは、摘採(摘採装置)と剪枝(剪枝装置)とを総称するものである。なお剪枝作業の具体的形態については後述する。
【実施例】
【0023】
本発明の移送手法を適用した茶畝跨走型摘採装置1は、一例として図1、2に示すように、茶畝Tを跨ぐように走行する走行機体2と、この走行機体2によって茶畝T上面に位置するように支持される摘採機体3と、摘採機体3の後方に設けられ摘採した茶葉Aを収容する収容部4と、摘採した茶葉Aを摘採機体3から収容部4まで移送する移送装置5とを具えて成るものである。以下、各構成部について説明する。
【0024】
まず走行機体2について説明する。このものは、茶畝Tを跨いで茶畝間の畝地を接地走行するものであり、走行方向から見て概ね門型状に形成されたフレーム11を骨格部材とする。このフレーム11は、畝間に立ち上げ状態に設けられる脚部フレーム11Aと、この脚部フレーム11Aを繋ぐ連結フレーム11Bと、脚部フレーム11Aに対し昇降自在に取り付けられる昇降ブラケット11Cとを具えて成るものである。そして、脚部フレーム11Aの下端には一例としてクローラを適用した走行体12を設ける。もちろん、この走行体12は、このようなクローラに限らず、畝地を過剰に押し付けないような空気タイヤ、あるいは双方を適用した形態(例えば前側に空気タイヤ、後側にクローラを適用した形態)等が適宜採り得る。
【0025】
更に連結フレーム11Bの上部には、茶畝跨走型摘採装置1に乗車した作業者が座る操縦者用シート13、操縦桿14、茶畝跨走型摘採装置1の制御や操作等を行うためのコントロールボックス15を設けるものである。そして操縦者用シート13の側傍には、例えばディーゼルエンジン等を適用した原動機16を搭載するものであり、一例として、この原動機16により図示を省略する油圧ポンプを駆動し、この油圧ポンプにより供給される作動油によって前記走行体12の駆動や、後述する摘採機体3の刈刃22の駆動、更には前記昇降ブラケット11Cの昇降動を担うシリンダ(図示略)等の駆動を行う。
【0026】
また前記連結フレーム11B上には、刈刃22によって刈り取った茶葉Aを風送するための送風機17A、17Bを二基並設するもので、これら送風機17A、17Bは前記原動機16により直接駆動される。なお二基の送風機17A、17Bは、回転軸171が同軸であり、この回転軸171がプーリとベルトを介して前記原動機16により駆動される。
そして、これら送風機17A、17Bからは送風ダクト18A、18Bを介して圧力風が移送装置5(摘採機体3側)に供給される。なお送風ダクト18A、18Bは、一部または全部が、フレキシブルダクト180によって構成され、移送装置5に接続されている。
【0027】
次に摘採機体3について説明する。このものは茶葉Aの摘採を実質的に行うものであり、刈刃22を主要部材として成るものである。この刈刃22は、例えば上下一対の刈刃体22Aと、これら刈刃体22Aを摺動自在に支持する刈刃支持フレーム22Bと、刈刃体22Aを偏心板やエキセントリックシャフト等によって往復摺動させる駆動部22Cとを具えて成り、上下一対の刈刃体22Aを交互に往復動させることで、各刈刃体22Aに形成した刃(歯)のバリカン作用により茶葉Aを刈り取るものである。
【0028】
このように刈刃22は、刈刃体22A、刈刃支持フレーム22B、駆動部22C等を一体的に組み付けた、いわゆるカセット式替刃の形態を採り、刈刃22の取り替えにより、容易に茶畝跨走型摘採装置1から浅刈装置・中刈装置等の剪枝装置に仕様変更できるものである。なお図中符号23は、このようなカセット式の刈刃22を着脱自在に保持する側板部であり、この側板部23が上記昇降ブラケット11Cに支持され、刈刃22の高さが自在に設定できる構成となっている。
【0029】
また、上記刈刃22の駆動部22Cも、前記油圧ポンプ(走行機体2に搭載された原動機16によって駆動される)から供給される作動油によって駆動することが望ましい構成であるが、刈刃22の駆動は別途エンジンによって行うことも可能である。
【0030】
次に上記刈刃22によって刈り取った茶葉Aを収容する収容部4について説明する。収容部4は、一例として図1〜3に示すように、コンテナ式のものを採用し、この中に直接的に茶葉Aを収容する形態を採る。コンテナ式の収容部4の他は、収容部フレーム内に1袋または2袋以上の茶袋を支持し、これら茶袋の口を後述する移送ダクト6の吐出口33に掛け止めしておくような形態を採ることも可能である。
【0031】
次に本発明装置である茶枝葉Aの移送装置5について説明する。移送装置5は、刈り取った茶葉Aを所定の位置に向けて移送する部位であり、ここでは茶葉Aを摘採機体3から収容部4まで中継移送するものである。具体的には刈り取り直後の茶葉Aを収容部4に向けて刈刃22のほぼ真上に上昇移送する形態を採る。ここで、茶葉Aの移送は空気流、つまりダクト内に圧力風を送り込んで収容部4に移送するものであり、ここでは複数のダクト部材を用いることに因み、これらをダクトユニット5Aと総称する。
【0032】
ダクトユニット5Aは、一例として図4に示すように、移送ダクト6と背面ダクト7とを主要部材として成るものである。このうち移送ダクト6は、刈刃22の直上部からやや斜め上方に立ち上げられた後、収容部4上方に臨むように形成されるものである。また背面ダクト7は、刈刃22の後方側、すなわち摘採方向に対して後方となる刈刃22の背面側から、前記移送ダクト6内に上昇流となる圧力風(これを背面風Wとする)を送り込むものである。以下、これら移送ダクト6や背面ダクト7等について更に詳細に説明する。
【0033】
まず移送ダクト6について説明する。このものは、上述したように刈刃22のほぼ真上に立ち上げられ、刈り取り直後の茶葉Aを収容部4まで上昇移送するものである。なお移送ダクト6は本実施例の特徴として直立状態から約8°後傾させて設置されている。これは、刈り取られた茶枝葉が移送ダクト内から前方へこぼれ落ちにくく、スムーズに吹き上げられていくためであるが、この後傾角度は、5°〜45°のように茶畝跨走型摘採装置1の全長を長くすることを要しない範囲内で、適宜の角度を選択可能である。また移送ダクト6において茶葉Aの移送が開始される部位(下部)を移送開始部31とし、茶葉Aの移送が終わる部位(上部)を移送終端部32とするものであり、この移送終端部32には収容部4に臨む吐出口33が形成される。また、本実施例では、移送開始部31は、下方側に開口され、平面から視て、刈刃22を取り囲むように形成されている。一方、移送終端部32は、吐出口33が収容部4に臨むように適宜湾曲形成されるものであり、更にこの吐出口33には茶袋Bの開放端側を取り付けるフック32aが設けられる。
【0034】
なお移送ダクト6は、移送開始部31から吐出口33(移送終端部32)に至る移送途中において、幅寸法や断面積等を急激に変化させないことが好ましく、これは移送に伴う茶葉Aの傷みを極力低減させるためである。また、移送路は、例えば図4、5、7 に示すように、途中部分が二股状に分岐した分岐部35が形成されている。なおこの分岐部35は、上昇移送する茶葉Aを左右に分ける部位となるため、分岐部35に茶葉Aが当たっても極力茶葉Aが傷まないように、滑らかなR状つまり移送路としては略U字状を成し、スムーズに茶葉Aを左右に振り分けるようにすることが好ましい。
【0035】
また、このような移送ダクト6(ダクトユニット5A)は、少なくとも一部が入れ子状もしくはフレキシブル状に形成され、刈刃22とともに上下動できる構成が望ましい。
以上述べたように、本実施例では、茶葉Aを上昇移送するにあたり刈刃後方側への移送を伴わないため、移送装置5ひいては茶畝跨走型摘採装置1の前後長を短縮化できるものである。
【0036】
また本発明の特徴として、移送ダクト6の前面板36における刈刃22に臨んだ移送開始部31の箇所には、前面板36の下方への張り出し長さを変更できる長さ調節板360が上下方向にスライド自在に設けられている。長さ調節板360は、刈刃22の長さとほぼ同一寸法で、茶畝Tの上面形状に合わせて刈刃22と同様に中央がやや高く彎曲した形状をしたものである。そして長さ調節板360の幅方向の複数間隔おきに長孔361が穿孔され、前面板36に穿孔されたネジ孔36aの箇所で、蝶ネジ362によりネジ留めされている。なお一例として前面板36には、ネジ孔36aを複数高さ位置に穿孔しており、蝶ネジ362のネジ留めする位置を変更することにより長孔361の長さ以上に長さ調節板360の張り出し加減を調節できる。
【0037】
また更に本発明の特徴として、前記移送ダクト6の移送開始部31には、刈刃22の後部付近から移送ダクト6の背板37に対し、上り傾斜に設置される移送促進板34が設けられる。なお傾斜角度は、本実施例では図3、7、8の側面図に示されるように約55°に設定されている。なおこの角度は、茶葉Aの刈り取り長さや、送風機17A、17Bの風量等によって適宜変更されるものであるが、およそ40〜70°の上り傾斜に設定される。
この移送促進板34によって移送ダクト6の移送開始部31において背面風Wに乱れが生じず、スムーズに背面風Wが上方へ吹き上がる。
【0038】
次に背面ダクト7について説明する。このものは、上述したように刈刃22の後方側から移送ダクト6(移送開始部31)内に背面風Wを送り込むダクトであり、移送ダクト6の背面側に密着状態に設けられる。なお、本実施例では、別体構成の移送ダクト6と背面ダクト7とを張設してダクトユニット5Aを形成するものであるが、上述した構成上、これらは一体的に形成することも可能であり、その場合には、移送ダクト6の背板37は、背面ダクト7の前面板36と共通化させることが可能である。
【0039】
また背面ダクト7は、茶畝跨走型摘採装置1の背面から視た場合、裾広がりの略台形形状を呈している(図1、7(a)参照)。そして本実施例の特徴として、図4、7(b)に示すように背面ダクト7は、(奥行き寸法が)上方の導入口39から下方の吹出口38に向かうにしたがい薄い厚さに形成されている。
背面ダクト7の上部には、導入口39が二つ並んで開口され、これら導入口39にそれぞれ送風機17A、17Bに接続された送風ダクト18A、18Bが接続される。そして背面ダクト7はこの送られてきた圧力風を下方に導いた後、吹出口38から移送ダクト6(移送開始部31)に対し上昇流として送り込むものである。なお前記送風機17A、17Bは一基で実施することも可能であり、一基で実施する場合には、背面ダクト7の導入口39を一つに変更することも可能であるが、一本の送風ダクトを途中で二本に分岐して二つの導入口39に接続することが好ましい。
【0040】
本発明の茶刈装置は一例として以上のようにして成り、以下この作動態様について説明する。
(1)背面風の形成過程の概要
背面風Wを生じさせるには、まず走行機体2上の原動機16を駆動し、二基の送風機17A、17Bによって圧力風を生起する。生起された圧力風は、その後、各送風ダクト18A、18B(フレキシブルダクト180)を通して背面ダクト7内に取り込まれる。背面ダクト7内に導入された圧力風は、背面ダクト7内で幅方向に拡がり、刈刃後方の吹出口38から背面風Wとして移送ダクト6(移送開始部31)内に送り込まれる。この背面風Wは、刈刃22の後方から、上部方向に向かう上昇流であり、少なくとも茶葉Aを移送ダクト6の吐出口33(移送終端部32)まで搬送する移送能力を有する。
【0041】
(2)茶葉の移送態様の概要
このような背面風Wによって、茶葉Aは、刈り取り直後、まず刈刃22の後方側に引き寄せられる。これは、刈刃22の後方から背面風Wを吹き出すことにより、刈刃22の後方付近、具体的には、背面風Wの吹出口38近傍に負圧が形成され(背面風Wの負圧吸引作用)、茶葉Aが刈刃部分から吹出口38側に引き寄せられるものと考えられる。そして、吹出口38側に引き付けられた茶葉Aは、その後、上昇流を形成する背面風Wに乗って、移送ダクト6内を上昇し、吐出口33から収容部4内に収容される。
【0042】
(3)移送ダクトの長さ調節板の作動態様
次に本発明の特徴である移送ダクト6の長さ調節板360の作動態様について説明する。設定した茶葉Aの摘採長に合わせて長さ調節板360を上下にスライドして移送ダクト6の前面板36の長さを調節する。例えば図8(b)に示されるように長芽で茶葉Aを摘採する場合には、長さ調節板360を上方にスライドして摘採し、一方、短芽で茶葉Aを摘採する場合には、図8(a)に示されるように長さ調節板360を下方にスライドして摘採する。このように長さ調節板360を上方にスライドすることにより、例えば長芽として茶葉Aを摘採する場合に、移送ダクト6の前面板36に茶葉Aが当接し、前方に倒れてスムーズな吹き上げがなされない状況を免れる。また短芽で茶葉Aを摘採する場合には、移送ダクト6の前面板36が不必要に開放されていることにより、不必要に吹き上げ力が低下されることが防止されるとともに、開放した前面板36からの茶葉Aの前方への飛散を防ぐことができる。
【0043】
(4)移送促進板の作動態様
吹出口38から吹き上げられる背面風Wは、流れの中に移送促進板34が存在していることから、コアンダ効果により移送促進板34の上面に沿って流れようとする作用が働くため、移送開始部31において背面風Wが乱れずスムーズに吹き上がろうとする。また更に移送ダクト6が後方に弱冠傾斜していることから、刈り取られた茶葉Aが前方に落下することが防止される。
【0044】
(5)背面ダクトにおける圧力風の送風態様
背面ダクト7の管径が図3、7、8に示すように上方の導入口39から下方の吹出口38に向かうにしたがいテーパ状に徐々に管径が小さくなっているため、圧力風の背面ダクト7通過時での圧力損失が少なくなり、送風機17A、17Bの能力を著しく上げなくても充分な風圧で、移送ダクト6内へ背面風Wを送り出すことができる。
【0045】
〔他の実施例〕
本発明は、以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。すなわち背面ダクト7の導入口39に導入された圧力風が下方の吹出口38に向かって万遍なく拡がって供給されるように、背面ダクト7内の導入口39の箇所に図9(a)に示されるような背面ダクト7の幅方向に先端が拡開された案内筒40を設けるようにしてもよい。また同一趣旨で、図9(b)に示すように背面ダクト7内に拡開案内体41を設置するようにしてもよい。このものは、一例として断面L字状のブラケットを複数用い、これを導入口39から吹出口38に向かって裾広がり状もしくは放射状に取り付けて構成される。
【0046】
また前記基本的な実施例では、長さ調節板360は、手動によるネジ留めにより所定高さに係止するものであったが、ラックピニオン機構や電動モータシリンダ等を用いて、上下動させるようにしてもよい。またこのような駆動方式を取った場合、赤外線センサや接触式センサで茶樹の高さを検出して、制御装置により長さ調節板360を上下動させるようにしてもよい。
【0047】
また先の基本的な実施例では、刈刃22の後方から作用する背面風Wのみによって茶葉Aを移送するものであったが、これに限定されるものではない。すなわち摘採する茶芽の生育状態、移送路の状況(上昇移送距離等)、背面風Wを生起させる送風機17A、17Bの能力等によっては、例えば図10に示すように背面風Wに加えて、刈刃22の正面側(刈り取り方向正面側)からも移送風(これを正面風W1とする)を補助的に作用させることが可能である。
【0048】
また先の基本的な実施例では、移送ダクト6の移送開始部31の後方側内壁面を、上り傾斜角度40〜70°に設定するにあたって、移送促進板34を設置することによって行ったが、図11に示すように移送ダクト6の移送開始部31における背板37自体を、上り傾斜角度40〜70°に形成して実施することももちろん可能である。
【0049】
また、先に述べた基本の実施例では、上昇移送を伴う茶畝跨走型摘採装置1の形態を例に挙げて説明したが、上述したように、本発明に係る茶枝葉の移送装置は、摘採装置のみに限らず剪枝装置にも利用できる。この場合、剪除した枝幹は、例えば移送ダクト6内を上昇移送させた後、収容部4内を通過するように設けたシュート部材によって畝間まで導き、落下させる形態が可能である(例えば本出願人の出願に係る特開2002−136214号「茶畝跨走型茶刈装置における剪除枝幹の移送構造」参照)。もちろん剪除した枝幹は、必ずしも収容部4内を経由させて畝間まで導く必要はなく、例えば移送ダクト6の吐出口33から畝間までダクトを取り付け、剪除枝幹を畝間に落下させることも可能である。なお、茶畝跨走型摘採装置1を剪枝装置に変更する場合、先に述べたカセット式の刈刃22を剪枝機用のものに変更すれば、摘採機体3を容易に剪枝機体に仕様変更できるものである。
【0050】
また先に述べた基本の実施例では、刈刃22を一基のみ設けた摘採装置(一段刈摘採装置)を例に挙げて説明したが、本発明は、刈刃22を上下方向に複数基設けた、いわゆる多段刈摘採装置にも適用することが可能である。例えば二段刈摘採装置場合には、上段刈刃と下段刈刃とについて、各々にダクトユニットが形成されるものであり、これら上段刈刃によって摘採した茶葉Aと、下段刈刃によって摘採した茶葉Aとを、各ダクトユニットに掛け留められた別々の茶袋に分けて収容する。
これは、上段刈刃と下段刈刃によって、性状の異なった茶葉Aを別々に摘採する場合、例えば上段刈刃によって手摘み物に近い上質の茶葉Aを摘採し、下段刈刃によって手摘み物よりは幾らか品質的には低下するが、良質の茶葉Aを摘採する場合等に好適な収容形態であり、これによって、その後の製茶加工においても茶葉Aの性状に応じた適切な加工条件が適宜採り得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の茶枝葉の移送装置を具えた茶刈装置の一例を示す茶畝跨走型摘採装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】同上、正面図である。
【図3】同上、側面図(a)と、移送装置のダクトユニットの縦断側面図(b)である。
【図4】移送装置を示す斜視図である。
【図5】移送ダクトと長さ調節板を示す正面図である。
【図6】摘採機体を示す正面図である。
【図7】ダクトユニットを示す背面図(a)と、同図b−b線で破断した縦断側面図である。
【図8】長さ調節板の作動態様(a)(b)を示す縦断側面図である。
【図9】ダクトユニットの他の二種の実施例(a)(b)を示す背面図である。
【図10】ダクトユニットによる背面風に加えて補助的に正面風を作用させるようにした他の実施例を示す縦断側面図である。
【図11】移送ダクトの移送開始部の背板自体を、上り傾斜角度が55°になるように設定した他の実施例を示す縦断側面図である。
【図12】従来の摘採装置の摘採茶葉の移送経路を模式的に示す説明図である。
【図13】従来の移送装置の構成を示す分解斜視図(a)と、導入口周辺を拡大して示す斜視図(b)である。
【図14】従来の移送装置の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 茶畝跨走型摘採装置
2 走行機体
3 摘採機体
4 収容部
5 移送装置
5A ダクトユニット
6 移送ダクト
7 背面ダクト
11 フレーム
11A 脚部フレーム
11B 連結フレーム
11C 昇降ブラケット
12 走行体
13 操縦者用シート
14 操縦桿
15 コントロールボックス
16 原動機
17A 送風機
17B 送風機
171 回転軸
18A 送風ダクト
18B 送風ダクト
180 フレキシブルダクト
22 刈刃
22A 刈刃体
22B 刈刃支持フレーム
22C 駆動部
23 側板部
31 移送開始部
32 移送終端部
32a フック
33 吐出口
34 移送促進板
35 分岐部
36 前面板
36a ネジ孔
360 長さ調節板
361 長孔
362 蝶ネジ
37 背板
38 吹出口
39 導入口
40 案内筒
41 拡開案内体
50 分岐ノズル
A 茶葉(茶枝葉)
T 茶畝
X 水平移送部
Y 上昇移送部
W 背面風

【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶葉や枝幹等の茶枝葉を刈り取る刈刃の上方に対し、刈り取り後の茶枝葉を所定の位置に向けて移送する移送ダクトを具え、この移送ダクト内に背面風を前記刈刃の後方位置から吹き込み、風送によって刈り取り後の茶枝葉を所定の位置に向けて移送する装置において、
前記移送ダクトの前面板における刈刃に臨んだ移送開始部の箇所には、前面板の下方への張り出し長さを変更できる長さ調節板が設けられていることを特徴とする茶枝葉の移送装置。
【請求項2】
前記長さ調節板は、前記移送ダクトの前面板の下端に対し、上下方向にスライド自在に設けられ、無段階に長さ調節自在であることを特徴とする請求項1記載の茶枝葉の移送装置。
【請求項3】
前記移送ダクトの刈刃に臨んだ移送開始部の後方側内壁面は、上り傾斜角度が40〜70°に設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の茶枝葉の移送装置。
【請求項4】
前記移送ダクトの移送開始部の後方側内壁面を、上り傾斜角度が40〜70°に設定するにあたっては、刈刃の後部付近から移送ダクトの背板にかけて、上り傾斜角度40〜70°に移送促進板を設置することにより行われることを特徴とする請求項3記載の茶枝葉の移送装置。
【請求項5】
前記移送ダクト内に送り込まれる背面風は、移送ダクトの背面に設置された背面ダクトによって送り込まれるものであり、この背面ダクトは、背面視で裾広がりの略台形形状を成し、且つこの奥行き寸法は、上方の導入口から下方の吹出口に向かうにしたがい薄い厚さに形成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の茶枝葉の移送装置。
【請求項6】
前記背面ダクトの上部には、二つの導入口があり、これら二つの導入口に対し、二つの送風機からの送風ダクトをそれぞれ接続したことを特徴とする請求項5記載の茶枝葉の移送装置。
【請求項7】
前記移送ダクトは、後傾して設置されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の茶枝葉の移送装置。
【請求項8】
茶畝を跨いで走行する走行機体と、
この走行機体に取り付けられ摘採作業または剪枝作業を実質的に行う茶刈機体と、
この茶刈機体の後方に設けられ摘採した茶葉を収容可能とする収容部と、
刈り取った茶葉や枝幹等の茶枝葉を茶刈機体から収容部まで移送する移送装置とを具え、目的に応じて摘採または剪枝作業が行えるようにした装置であって、
前記移送装置には、請求項1、2、3、4、5、6または7記載の茶枝葉の移送装置が適用されて成ることを特徴とする茶刈装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−35706(P2008−35706A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209908(P2006−209908)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(000104375)カワサキ機工株式会社 (30)
【Fターム(参考)】