茸栽培容器搬送装置
【課題】複数個の円筒状の茸栽培容器を受け皿状のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納し、コンテナ内の外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器の外側周側面を圧接部材により同時圧接することになり、この圧接部材を支持可能な支持部材を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器の間に存在する平面略V谷状の間隙部に配置しているから、搬送速度を向上することができる。
【解決手段】複数個の円筒状の茸栽培容器Wを受け皿状のコンテナH内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納し、コンテナ内の茸栽培容器を搬送する搬送装置において、コンテナ内の外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器の外側周側面を同時圧接可能な圧接部材1を設けてなる。
【解決手段】複数個の円筒状の茸栽培容器Wを受け皿状のコンテナH内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納し、コンテナ内の茸栽培容器を搬送する搬送装置において、コンテナ内の外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器の外側周側面を同時圧接可能な圧接部材1を設けてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば榎茸やしめじ等の茸の人工栽培に使用する茸栽培容器を茸栽培処理部に搬送する際に用いられる茸栽培容器搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の茸栽培容器搬送装置として、複数個の円筒状の茸栽培容器を受け皿状のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納し、該コンテナ内の茸栽培容器を一個宛若しくは横一列分の複数個の茸栽培容器を同時一体に搬送する構造のものが知られている。
【特許文献1】特開2000−83473
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながらこれら従来構造の場合、コンテナ内の茸栽培容器を一個宛若しくは横一列分の複数個の茸栽培容器を同時一体に搬送する構造であって全個数を一挙に搬送する構造でないから、搬送速度の向上の要望を満足することができないことがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、複数個の円筒状の茸栽培容器を受け皿状のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納し、該コンテナ内の茸栽培容器を搬送する搬送装置において、上記コンテナ内の外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器の外側周側面を同時圧接可能な圧接部材を設け、該圧接部材を支持可能な支持部材を設け、該圧接部材を茸栽培容器に対して圧接離反動作可能な圧接機構を設け、該支持部材を該外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器の間に存在する平面略V谷状の間隙部に配置し、該圧接部材の相互の挟着によりコンテナ内の全個数の茸栽培容器を同時一体に搬送可能に設けて構成したことを特徴とする茸栽培容器搬送装置にある。
【0005】
又、請求項2記載の発明は、上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に直交する対面方向に直線的に圧接離反移動させる構造となっていることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に対面可能な圧接離反揺動させる構造となっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、複数個の円筒状の茸栽培容器を受け皿状のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納し、コンテナ内の外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器の外側周側面を圧接部材により同時圧接することになり、この圧接部材を支持可能な支持部材を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器の間に存在する平面略V谷状の間隙部に配置しているから、圧接部材を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器の外側周側面とコンテナの勾配内面との少許の隙間に深く侵入させることができ、それだけ、圧接部材によりコンテナ内の全個数の茸栽培容器を同時一体に確実に相互挟着することができ、搬送時の茸栽培容器の滑落を防ぐことができ、茸栽培容器の円滑な搬送を行うことができ、搬送速度を向上することができる。
【0007】
又、請求項2記載の発明は、上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に直交する対面方向に直線的に圧接離反移動させる構造となっているから、圧接機構の構造を簡素化することができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に対面可能な圧接離反揺動させる構造となっているから、圧接機構の構造を簡素化することができると共に圧接部材の圧接離反を円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1乃至図12は本発明の実施の形態例を示し、図1乃至図7は第一形態例、図8乃至図12は第二形態例である。
【0009】
図1乃至図7の第一形態例において、Wは茸栽培容器であって、合成樹脂製の円筒容器状に形成され、茸栽培容器Wは茸栽培作業の状況に応じ、空状態であったり、栽培床の詰入状態であったり、栽培床に茸が生育している状態であったりし、茸栽培容器Wは合成樹脂製の受け皿状のコンテナH内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納され、この場合、横4列及び縦3列の矩形配列状態に計12個収納されている。尚、横4列及び縦4列の計16個や横4列及び縦5列の計20個を収納可能なコンテナHを用いることもある。
【0010】
1は圧接部材であって、この場合、圧接部材1は上記コンテナH内の外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器Wの外側周側面を同時圧接可能な4個の板状の圧接部材1からなる。
【0011】
2は圧接機構であって、この場合、図示省略の搬送機構により昇降及び水平移動可能な搬送枠3に軸受台4を前後左右位置の四カ所に取付け、各軸受台4にガイド軸5を対向水平方向に直線的に移動自在に設け、各ガイド軸5に取付枠6を取付け、各取付枠6に移動用シリンダ7を四個取付け、移動用シリンダ7のロッド7aを搬送枠3のブラケット3aに連結固定し、各取付枠6に杆状の支持部材8を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器Wの間に存在する平面略V谷状の間隙部Rに垂下状態に配置固定し、各支持部材8の外側面に圧接部材1を支持固定している。
【0012】
しかして、各移動用シリンダ7の作動により各取付枠6を介して四個の圧接部材1はそれぞれ内方又は外方に水平移動し、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wを各圧接部材1の相互の挟着により同時一体に搬送可能に設けている。
【0013】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、図1の如く、複数個の茸栽培容器Wを収納したままでコンテナHは図示省略のコンベヤや移送機構により搬送位置Aに移送され、四個の各圧接部材1は離反移動して外方に位置しており、この図4の状態から搬送枠3は図示省略の搬送機構により下降し、下降途中において、移動用シリンダ7を作動させる図示省略の電磁弁の一方側への励磁により各圧接部材1は圧接移動して内方に位置し、その後、図示省略の電磁弁の一方側への励磁は解除されて中立状態となり、この自由停止状態で下降して、図5の如く、各圧接部材1は外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器Wの外側周側面とコンテナHの勾配内面H1との間に侵入し、各圧接部材1は茸栽培容器Wの外側周側面の中程部に対面して下降を停止し、この下降位置で図示省略の電磁弁は一方側へ励磁され、移動用シリンダ7により各圧接部材1は圧接移動し、四個の圧接部材1はそれぞれ内方に水平移動し、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wは各圧接部材1により同時一体に挟着され、搬送枠3の上昇により、図7の如く、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wは各圧接部材1により同時一体に挟着されて持ち上げ搬送されて上昇位置Bにて停止し、その後、所定位置に水平搬送されることになる。
【0014】
そして、当該、図示省略の所定位置において、搬送枠3は下降し、下降位置において、当該電磁弁の一方側の非励磁により各圧接部材1を自由停止状態として上昇させ、上昇途中において、当該電磁弁の他方側への励磁により各圧接部材1は外方に位置することになる。
【0015】
この際、上記圧接部材1を支持している支持部材8は、外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器Wの間に存在する平面略V谷状の間隙部Rに配置されているので、圧接部材1を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器Wの外側周側面とコンテナHの勾配内面H1との少許の隙間Bに深く侵入させることができ、それだけ、圧接部材1によりコンテナ内の全個数の茸栽培容器Wを同時一体に確実に相互挟着することができ、搬送時の茸栽培容器の滑落を防ぐことができ、茸栽培容器Wの円滑な搬送を行うことができ、搬送速度を向上することができる。
【0016】
この場合、上記圧接機構2は上記圧接部材1を上記茸栽培容器Wの外側周側面に直交する対面方向に直線的に圧接離反移動させる構造となっているから、圧接機構1の構造を簡素化することができる。
【0017】
図8乃至図12の第二形態例は別例構造を示し、この場合、茸栽培容器Wは合成樹脂製の受け皿状のコンテナH内に横4列及び縦4列の矩形配列状態に計16個収納されている。
【0018】
又、上記圧接機構2は上記茸栽培容器Wの外側周側面に対面可能な圧接離反揺動可能な四個の圧接部材からなる構造となっている。
【0019】
この場合、図示省略の搬送機構により昇降及び水平移動可能な搬送枠3に揺動用シリンダ9を前後左右位置のいずれか三カ所に取付け、残りの一カ所には固定ブラケット10を搬送枠3から垂設すると共に当該三カ所に搬送枠3から取付ブラケット11を垂設し、各取付ブラケット11に支持部材12をそれぞれ支点軸13により揺動自在に設け、各揺動用シリンダ9のロッド9aを各支持部材12の上端部にピン12aにより枢着連結し、固定ブラケット10に固定部材14を固定すると共に各支持部材12に圧接部材1を取付け、支持部材12及び固定部材14を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器Wの間に存在する平面略V谷状の間隙部Rに垂下状態に配置して構成している。
【0020】
しかして、各揺動用シリンダ9の作動により三個の圧接部材1は各支点軸13を中心にそれぞれ内方又は外方に揺動し、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wを各圧接部材1及び固定部材14との相互の挟着協動により同時一体に搬送可能に設けている。
【0021】
この実施の第二形態例は上記構成であるから、図8の如く、複数個の茸栽培容器Wを収納したままでコンテナHは図示省略のコンベヤや移送機構により搬送位置Aに移送され、三個の各圧接部材1は離反移動して外方に位置しており、この図8の状態から搬送枠3は図示省略の搬送機構により下降し、下降途中において、揺動用シリンダ9作動させる図示省略の電磁弁の一方側への励磁により各圧接部材1は圧接移動して内方に位置し、その後、図示省略の電磁弁の一方側への励磁は解除されて中立状態となり、この自由停止状態で下降して、図11の如く、各圧接部材1及び固定部材14は外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器Wの外側周側面とコンテナHの勾配内面H1との間に侵入し、各圧接部材1及び固定部材14は茸栽培容器Wの外側周側面の中程部に対面して下降を停止し、この下降位置で図示省略の電磁弁は一方側へ励磁され、揺動用シリンダ9により各圧接部材1は圧接揺動し、三個の圧接部材1はそれぞれ内方に揺動し、図10、図11の如く、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wは各圧接部材1及び固定部材14の協動により同時一体に挟着され、搬送枠3の上昇により、図12の如く、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wは各圧接部材1により同時一体に挟着されて持ち上げ搬送されて上昇位置Bにて停止し、その後、所定位置に水平搬送され、そして、当該、図示省略の所定位置において、搬送枠3は下降し、下降位置において、当該電磁弁の一方側の非励磁により各圧接部材1を自由停止状態として上昇させ、上昇途中において、当該電磁弁の他方側への励磁により各三個の圧接部材1は外方に位置することになる。
【0022】
この第二形態例にあっても、上記圧接部材1を支持している支持部材12は、外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器Wの間に存在する平面略V谷状の間隙部Rに配置されているので、圧接部材1を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器Wの外側周側面とコンテナHの勾配内面H1との少許の隙間Cに深く侵入させることができ、それだけ、圧接部材1によりコンテナ内の全個数の茸栽培容器Wを同時一体に確実に相互挟着することができ、搬送時の茸栽培容器の滑落を防ぐことができ、茸栽培容器Wの円滑な搬送を行うことができ、搬送速度を向上することができる。
【0023】
又、この場合、上記圧接機構2は上記圧接部材1を上記茸栽培容器Wの外側周側面に対面可能な圧接離反揺動させる構造となっているから、圧接機構1の構造を簡素化することができると共に圧接部材1の圧接離反を円滑に行うことができる。
【0024】
尚、本発明は上記の形態例に限られるものではなく、圧接部材1、圧接機構2等の構造は適宜変更して設計されるものである。
【0025】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の第一形態例の全体正面図である。
【図2】本発明の実施の第一形態例の平断面図である。
【図3】本発明の実施の第一形態例の部分平断面図である。
【図4】本発明の実施の第一形態例の部分正面図である。
【図5】本発明の実施の第一形態例の部分正面図である。
【図6】本発明の実施の第一形態例の部分正面図である。
【図7】本発明の実施の第一形態例の部分正面図である。
【図8】本発明の実施の第二形態例の全体正面図である。
【図9】本発明の実施の第二形態例の部分平断面図である。
【図10】本発明の実施の第二形態例の部分平断面図である。
【図11】本発明の実施の第二形態例の部分正面図である。
【図12】本発明の実施の第二形態例の部分正面図である。
【符号の説明】
【0027】
W 茸栽培容器
H コンテナ
R 間隙部
C 隙間
1 圧接部材
2 圧接機構
8 支持部材
12 支持部材
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば榎茸やしめじ等の茸の人工栽培に使用する茸栽培容器を茸栽培処理部に搬送する際に用いられる茸栽培容器搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の茸栽培容器搬送装置として、複数個の円筒状の茸栽培容器を受け皿状のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納し、該コンテナ内の茸栽培容器を一個宛若しくは横一列分の複数個の茸栽培容器を同時一体に搬送する構造のものが知られている。
【特許文献1】特開2000−83473
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながらこれら従来構造の場合、コンテナ内の茸栽培容器を一個宛若しくは横一列分の複数個の茸栽培容器を同時一体に搬送する構造であって全個数を一挙に搬送する構造でないから、搬送速度の向上の要望を満足することができないことがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、複数個の円筒状の茸栽培容器を受け皿状のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納し、該コンテナ内の茸栽培容器を搬送する搬送装置において、上記コンテナ内の外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器の外側周側面を同時圧接可能な圧接部材を設け、該圧接部材を支持可能な支持部材を設け、該圧接部材を茸栽培容器に対して圧接離反動作可能な圧接機構を設け、該支持部材を該外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器の間に存在する平面略V谷状の間隙部に配置し、該圧接部材の相互の挟着によりコンテナ内の全個数の茸栽培容器を同時一体に搬送可能に設けて構成したことを特徴とする茸栽培容器搬送装置にある。
【0005】
又、請求項2記載の発明は、上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に直交する対面方向に直線的に圧接離反移動させる構造となっていることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に対面可能な圧接離反揺動させる構造となっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、複数個の円筒状の茸栽培容器を受け皿状のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納し、コンテナ内の外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器の外側周側面を圧接部材により同時圧接することになり、この圧接部材を支持可能な支持部材を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器の間に存在する平面略V谷状の間隙部に配置しているから、圧接部材を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器の外側周側面とコンテナの勾配内面との少許の隙間に深く侵入させることができ、それだけ、圧接部材によりコンテナ内の全個数の茸栽培容器を同時一体に確実に相互挟着することができ、搬送時の茸栽培容器の滑落を防ぐことができ、茸栽培容器の円滑な搬送を行うことができ、搬送速度を向上することができる。
【0007】
又、請求項2記載の発明は、上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に直交する対面方向に直線的に圧接離反移動させる構造となっているから、圧接機構の構造を簡素化することができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に対面可能な圧接離反揺動させる構造となっているから、圧接機構の構造を簡素化することができると共に圧接部材の圧接離反を円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1乃至図12は本発明の実施の形態例を示し、図1乃至図7は第一形態例、図8乃至図12は第二形態例である。
【0009】
図1乃至図7の第一形態例において、Wは茸栽培容器であって、合成樹脂製の円筒容器状に形成され、茸栽培容器Wは茸栽培作業の状況に応じ、空状態であったり、栽培床の詰入状態であったり、栽培床に茸が生育している状態であったりし、茸栽培容器Wは合成樹脂製の受け皿状のコンテナH内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納され、この場合、横4列及び縦3列の矩形配列状態に計12個収納されている。尚、横4列及び縦4列の計16個や横4列及び縦5列の計20個を収納可能なコンテナHを用いることもある。
【0010】
1は圧接部材であって、この場合、圧接部材1は上記コンテナH内の外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器Wの外側周側面を同時圧接可能な4個の板状の圧接部材1からなる。
【0011】
2は圧接機構であって、この場合、図示省略の搬送機構により昇降及び水平移動可能な搬送枠3に軸受台4を前後左右位置の四カ所に取付け、各軸受台4にガイド軸5を対向水平方向に直線的に移動自在に設け、各ガイド軸5に取付枠6を取付け、各取付枠6に移動用シリンダ7を四個取付け、移動用シリンダ7のロッド7aを搬送枠3のブラケット3aに連結固定し、各取付枠6に杆状の支持部材8を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器Wの間に存在する平面略V谷状の間隙部Rに垂下状態に配置固定し、各支持部材8の外側面に圧接部材1を支持固定している。
【0012】
しかして、各移動用シリンダ7の作動により各取付枠6を介して四個の圧接部材1はそれぞれ内方又は外方に水平移動し、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wを各圧接部材1の相互の挟着により同時一体に搬送可能に設けている。
【0013】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、図1の如く、複数個の茸栽培容器Wを収納したままでコンテナHは図示省略のコンベヤや移送機構により搬送位置Aに移送され、四個の各圧接部材1は離反移動して外方に位置しており、この図4の状態から搬送枠3は図示省略の搬送機構により下降し、下降途中において、移動用シリンダ7を作動させる図示省略の電磁弁の一方側への励磁により各圧接部材1は圧接移動して内方に位置し、その後、図示省略の電磁弁の一方側への励磁は解除されて中立状態となり、この自由停止状態で下降して、図5の如く、各圧接部材1は外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器Wの外側周側面とコンテナHの勾配内面H1との間に侵入し、各圧接部材1は茸栽培容器Wの外側周側面の中程部に対面して下降を停止し、この下降位置で図示省略の電磁弁は一方側へ励磁され、移動用シリンダ7により各圧接部材1は圧接移動し、四個の圧接部材1はそれぞれ内方に水平移動し、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wは各圧接部材1により同時一体に挟着され、搬送枠3の上昇により、図7の如く、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wは各圧接部材1により同時一体に挟着されて持ち上げ搬送されて上昇位置Bにて停止し、その後、所定位置に水平搬送されることになる。
【0014】
そして、当該、図示省略の所定位置において、搬送枠3は下降し、下降位置において、当該電磁弁の一方側の非励磁により各圧接部材1を自由停止状態として上昇させ、上昇途中において、当該電磁弁の他方側への励磁により各圧接部材1は外方に位置することになる。
【0015】
この際、上記圧接部材1を支持している支持部材8は、外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器Wの間に存在する平面略V谷状の間隙部Rに配置されているので、圧接部材1を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器Wの外側周側面とコンテナHの勾配内面H1との少許の隙間Bに深く侵入させることができ、それだけ、圧接部材1によりコンテナ内の全個数の茸栽培容器Wを同時一体に確実に相互挟着することができ、搬送時の茸栽培容器の滑落を防ぐことができ、茸栽培容器Wの円滑な搬送を行うことができ、搬送速度を向上することができる。
【0016】
この場合、上記圧接機構2は上記圧接部材1を上記茸栽培容器Wの外側周側面に直交する対面方向に直線的に圧接離反移動させる構造となっているから、圧接機構1の構造を簡素化することができる。
【0017】
図8乃至図12の第二形態例は別例構造を示し、この場合、茸栽培容器Wは合成樹脂製の受け皿状のコンテナH内に横4列及び縦4列の矩形配列状態に計16個収納されている。
【0018】
又、上記圧接機構2は上記茸栽培容器Wの外側周側面に対面可能な圧接離反揺動可能な四個の圧接部材からなる構造となっている。
【0019】
この場合、図示省略の搬送機構により昇降及び水平移動可能な搬送枠3に揺動用シリンダ9を前後左右位置のいずれか三カ所に取付け、残りの一カ所には固定ブラケット10を搬送枠3から垂設すると共に当該三カ所に搬送枠3から取付ブラケット11を垂設し、各取付ブラケット11に支持部材12をそれぞれ支点軸13により揺動自在に設け、各揺動用シリンダ9のロッド9aを各支持部材12の上端部にピン12aにより枢着連結し、固定ブラケット10に固定部材14を固定すると共に各支持部材12に圧接部材1を取付け、支持部材12及び固定部材14を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器Wの間に存在する平面略V谷状の間隙部Rに垂下状態に配置して構成している。
【0020】
しかして、各揺動用シリンダ9の作動により三個の圧接部材1は各支点軸13を中心にそれぞれ内方又は外方に揺動し、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wを各圧接部材1及び固定部材14との相互の挟着協動により同時一体に搬送可能に設けている。
【0021】
この実施の第二形態例は上記構成であるから、図8の如く、複数個の茸栽培容器Wを収納したままでコンテナHは図示省略のコンベヤや移送機構により搬送位置Aに移送され、三個の各圧接部材1は離反移動して外方に位置しており、この図8の状態から搬送枠3は図示省略の搬送機構により下降し、下降途中において、揺動用シリンダ9作動させる図示省略の電磁弁の一方側への励磁により各圧接部材1は圧接移動して内方に位置し、その後、図示省略の電磁弁の一方側への励磁は解除されて中立状態となり、この自由停止状態で下降して、図11の如く、各圧接部材1及び固定部材14は外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器Wの外側周側面とコンテナHの勾配内面H1との間に侵入し、各圧接部材1及び固定部材14は茸栽培容器Wの外側周側面の中程部に対面して下降を停止し、この下降位置で図示省略の電磁弁は一方側へ励磁され、揺動用シリンダ9により各圧接部材1は圧接揺動し、三個の圧接部材1はそれぞれ内方に揺動し、図10、図11の如く、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wは各圧接部材1及び固定部材14の協動により同時一体に挟着され、搬送枠3の上昇により、図12の如く、コンテナH内の全個数の茸栽培容器Wは各圧接部材1により同時一体に挟着されて持ち上げ搬送されて上昇位置Bにて停止し、その後、所定位置に水平搬送され、そして、当該、図示省略の所定位置において、搬送枠3は下降し、下降位置において、当該電磁弁の一方側の非励磁により各圧接部材1を自由停止状態として上昇させ、上昇途中において、当該電磁弁の他方側への励磁により各三個の圧接部材1は外方に位置することになる。
【0022】
この第二形態例にあっても、上記圧接部材1を支持している支持部材12は、外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器Wの間に存在する平面略V谷状の間隙部Rに配置されているので、圧接部材1を外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器Wの外側周側面とコンテナHの勾配内面H1との少許の隙間Cに深く侵入させることができ、それだけ、圧接部材1によりコンテナ内の全個数の茸栽培容器Wを同時一体に確実に相互挟着することができ、搬送時の茸栽培容器の滑落を防ぐことができ、茸栽培容器Wの円滑な搬送を行うことができ、搬送速度を向上することができる。
【0023】
又、この場合、上記圧接機構2は上記圧接部材1を上記茸栽培容器Wの外側周側面に対面可能な圧接離反揺動させる構造となっているから、圧接機構1の構造を簡素化することができると共に圧接部材1の圧接離反を円滑に行うことができる。
【0024】
尚、本発明は上記の形態例に限られるものではなく、圧接部材1、圧接機構2等の構造は適宜変更して設計されるものである。
【0025】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の第一形態例の全体正面図である。
【図2】本発明の実施の第一形態例の平断面図である。
【図3】本発明の実施の第一形態例の部分平断面図である。
【図4】本発明の実施の第一形態例の部分正面図である。
【図5】本発明の実施の第一形態例の部分正面図である。
【図6】本発明の実施の第一形態例の部分正面図である。
【図7】本発明の実施の第一形態例の部分正面図である。
【図8】本発明の実施の第二形態例の全体正面図である。
【図9】本発明の実施の第二形態例の部分平断面図である。
【図10】本発明の実施の第二形態例の部分平断面図である。
【図11】本発明の実施の第二形態例の部分正面図である。
【図12】本発明の実施の第二形態例の部分正面図である。
【符号の説明】
【0027】
W 茸栽培容器
H コンテナ
R 間隙部
C 隙間
1 圧接部材
2 圧接機構
8 支持部材
12 支持部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の円筒状の茸栽培容器を受け皿状のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納し、該コンテナ内の茸栽培容器を搬送する搬送装置において、上記コンテナ内の外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器の外側周側面を同時圧接可能な圧接部材を設け、該圧接部材を支持可能な支持部材を設け、該圧接部材を茸栽培容器に対して圧接離反動作可能な圧接機構を設け、該支持部材を該外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器の間に存在する平面略V谷状の間隙部に配置し、該圧接部材の相互の挟着によりコンテナ内の全個数の茸栽培容器を同時一体に搬送可能に設けて構成したことを特徴とする茸栽培容器搬送装置。
【請求項2】
上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に直交する対面方向に直線的に圧接離反移動させる構造となっていることを特徴とする請求項1記載の茸栽培容器搬送装置。
【請求項3】
上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に対面可能な圧接離反揺動させる構造となっていることを特徴とする請求項1記載の茸栽培容器搬送装置。
【請求項1】
複数個の円筒状の茸栽培容器を受け皿状のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形配列状に収納し、該コンテナ内の茸栽培容器を搬送する搬送装置において、上記コンテナ内の外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の茸栽培容器の外側周側面を同時圧接可能な圧接部材を設け、該圧接部材を支持可能な支持部材を設け、該圧接部材を茸栽培容器に対して圧接離反動作可能な圧接機構を設け、該支持部材を該外周列に位置する縦一列分及び横一列分の複数個の隣り合う茸栽培容器の間に存在する平面略V谷状の間隙部に配置し、該圧接部材の相互の挟着によりコンテナ内の全個数の茸栽培容器を同時一体に搬送可能に設けて構成したことを特徴とする茸栽培容器搬送装置。
【請求項2】
上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に直交する対面方向に直線的に圧接離反移動させる構造となっていることを特徴とする請求項1記載の茸栽培容器搬送装置。
【請求項3】
上記圧接機構は上記圧接部材を上記茸栽培容器の外側周側面に対面可能な圧接離反揺動させる構造となっていることを特徴とする請求項1記載の茸栽培容器搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−296369(P2006−296369A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126430(P2005−126430)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(592122384)有限会社新潟システム制御 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(592122384)有限会社新潟システム制御 (1)
【Fターム(参考)】
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