説明

荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置補正方法

【課題】 荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置補正を精度良く行う方法を実現する。
【解決手段】 メトロロジー測定を複数のマーク位置について正順および逆順でそれぞれ行ってマーク位置ごとの位置誤差とピッチング値またはヨーイング値を互いに垂直な2軸方向において求め(101)、位置誤差とピッチング値またはヨーイング値について正順と逆順の差をマーク位置ごとに互いに垂直な2軸方向において求め(101)、アッベエラーによるマーク位置ごとのビーム位置補正効果を予め仮定された複数のアッベエラーについてそれぞれシミュレーションして、位置誤差の正順と逆順の差が複数のマーク位置を通じて互いに垂直な2軸方向においてそれぞれ最小となる2種類のアッベエラーを互いに垂直な2軸方向のアッベエラーとしてそれぞれ特定し(103)、それらアッベエラーを用いてビーム位置を補正する(104)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置補正方法に関し、特に荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置をアッベエラーを用いて補正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ビームやイオンビームによって半導体ウェハやマスク材料に所定のパターンを描画する荷電粒子ビーム描画装置では、描画材料はステージに搭載されてフィールド単位でステップ送りされる。ステージ位置の2次元座標は光軸が直交する2つのレーザー測長器で測定される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
レーザー測長器は、3本のレーザービームを使用してステージのピッチングおよびヨーイングをも測定できるようになっている。なお、2軸のうちの一方におけるピッチングは他方におけるローリングであるから、ピッチング、ローリングおよびヨーイングを測定することができることになる。測定されたピッチング(ローリング)値およびヨーイング値はアッベエラーに基づくビーム位置のずれを補正するのに利用される。なお、アッベエラーとは、レーザービーム軸と電子ビーム(イオンビーム)軸の間のずれ、または、レーザービーム軸と材料面の高さの間のずれのことである。
【特許文献1】特開2001−326170号公報(第3−4頁、図1−4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アッベエラーに基づくビーム位置補正は、ステージ送りの各位置でピッチングやヨーイングの再現性が良いことを前提としている。しかし、ステージ送り機構を構成する部品の公差等の影響で、ステージ送りの往路と復路でピッチングやヨーイングが異なる場合があり、そのような場合は、ビーム位置を精度良く補正することが不可能になり描画精度が低下する。
【0005】
そこで、本発明の課題は、荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置補正を精度良く行う方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための請求項1に係る発明は、荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置をアッベエラーを用いて補正するにあたり、メトロロジー測定を複数のマーク位置について正順および逆順でそれぞれ行ってマーク位置ごとの位置誤差とピッチング値またはヨーイング値を互いに垂直な2軸方向において求め、前記位置誤差とピッチング値またはヨーイング値について正順と逆順の差をマーク位置ごとに互いに垂直な2軸方向において求め、アッベエラーによるマーク位置ごとのビーム位置補正効果を予め仮定された複数のアッベエラーについてそれぞれシミュレーションして、前記位置誤差の正順と逆順の差が複数のマーク位置を通じて互いに垂直な2軸方向においてそれぞれ最小となる2種類のアッベエラーを互いに垂直な2軸方向のアッベエラーとしてそれぞれ特定し、前記特定されたアッベエラーを用いてビーム位置を補正する、ことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置補正方法である。
【0007】
上記の課題を解決するための請求項2に係る発明は、前記シミュレーションをピッチング値またはヨーイング値の正順と逆順の差の複数のマーク位置を通じての変動が相対的に大きい部分について行う、ことを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置補正方法である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置をアッベエラーを用いて補正するにあたり、メトロロジー測定を複数のマーク位置について正順および逆順でそれぞれ行ってマーク位置ごとの位置誤差とピッチング値またはヨーイング値を互いに垂直な2軸方向において求め、前記位置誤差とピッチング値またはヨーイング値について正順と逆順の差をマーク位置ごとに互いに垂直な2軸方向において求め、アッベエラーによるマーク位置ごとのビーム位置補正効果を予め仮定された複数のアッベエラーについてそれぞれシミュレーションして、前記位置誤差の正順と逆順の差が複数のマーク位置を通じて互いに垂直な2軸方向においてそれぞれ最小となる2種類のアッベエラーを互いに垂直な2軸方向のアッベエラーとしてそれぞれ特定し、前記特定されたアッベエラーを用いてビーム位置を補正するので、荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置補正を精度良く行う方法を実現することができる。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、前記シミュレーションをピッチング値またはヨーイング値の正順と逆順の差の複数のマーク位置を通じての変動が相対的に大きい部分について行うので、最適値を特定することが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、本発明は発明を実施するための最良の形態に限定されるものではない。図1に、荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置補正動作の一例のフロー図を示す。このフロー図によって、荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置補正方法に関する発明を実施するための最良の形態の一例が示される。
【0011】
図2に、荷電粒子ビーム描画装置の一例の構成をブロック図で示す。本装置によって本発明の方法によるビーム位置補正が行われる。先ず、図2により荷電粒子ビーム描画装置について説明する。荷電粒子ビーム描画装置は電子銃1を有する。電子銃1から発生した電子ビームEBは、照明レンズ2を介して第1成形アパーチャ3上に照射される。
【0012】
第1成形アパーチャの開口像は、成形レンズ4により、第2成形アパーチャ6上に結像されるが、その結像の位置は、成形偏向器5により変えることができる。第2成形アパーチャ6により成形された像は、縮小レンズ7、対物レンズ8を経て材料10上に照射される。材料10への照射位置は、位置決め偏向器9により変えることができる。
【0013】
コンピュータ11は、メモリ12からのパターンデータをデータ転送回路13を通じてショット分割器14に転送する。パターンデータはショット分割器14によってショット分割される。
【0014】
ショット分割器14からの描画データに応じた信号は、DA変換器15を介して、成形偏向器5に偏向電圧を供給する増幅器16に供給される。また、偏向器制御回路28およびDA変換器17を介して、位置決め偏向器9に偏向電圧を供給する増幅器18に供給される。さらに、DA変換器19を介して、電子銃1から発生した電子ビームのブランキングを行うブランキング電極20を制御するブランキングコントロール回路21に供給される。
【0015】
コンピュータ11は、材料のフィールドごとの移動のために、材料10が載せられたステージ22の駆動機構23を制御する。このステージ22の移動量は、レーザー測長器24によって測定され、その測定結果はコンピュータ11に供給される。レーザー測長器24については後にあらためて説明する。
【0016】
材料10への電子ビームEBの照射によって2次電子や反射電子が発生するが、例えば、反射電子は一対の反射電子検出器25によって検出される。反射電子検出器25の検出信号は、加算器26によって加算された後、マーク信号処理装置27を通じてコンピュータ11に供給される。
【0017】
ステージ22上にはファラデーカップ202が設けられ、電子ビームEBがファラデーカップ202に入射する位置にステージ22を移動させることにより、電子ビームEBの電流を測定できるようになっている。測定結果は電流信号処理回路29を通じてコンピュータ11に供給される。
【0018】
レーザー測長器24について説明する。レーザー測長器24は、図3に示すように、ステージ22とともにレーザー測長システムの構成している。ステージ22は内部が真空に排気されたワークチャンバー内に配置される。レーザーヘッド31より発生したレーザービームBは、ビームスプリッタ32によりX,Y軸測定用の2本のビームに分割される。分割された一方のビームは、X軸測定用としてビームベンダ33によりその方向が曲げられ、ステージ22の側面に設けられたステージミラー34xと垂直となるようにされる。分割された他方のビームは、Y軸測定用としてビームベンダ35によりその方向が曲げられ、ステージミラー34yと垂直となるようにされる。
【0019】
各ビームベンダ33,35には、ビームの横方向と縦方向とが微調整できる機構が取り付けられており、その結果、レーザービームBのステージミラー34に入射する位置は調整可能とされている。なお、レーザービームBは干渉計36,37でそれぞれ3本のレーザービームに分割され、それぞれのレーザービームに基づいてのステージ22の移動量が測定される。
【0020】
すなわち、X軸測定用のレーザービームとして、x1,x2,x3の3本のビームがミラー34xに照射される。この3本のレーザービームごとに干渉計36では参照光と干渉させ、それぞれの干渉光が検出される。また、Y軸測定用のレーザービームとして、y1,y2,y3の3本のビームがミラー34yに照射される。この3本のレーザービームごとに干渉計37では参照光と干渉させ、それぞれの干渉光が検出される。それぞれの干渉計36,37で検出した合計6種類の信号は、コンピュータ11に供給される。
【0021】
上記したように、ステージのX方向の位置は、3本のレーザーx1,x2,x3で測定されるが、その位置としては、3本のビームに基づく3種類の位置情報の平均が求められる。同様に、ステージのY方向の位置は、3本のレーザーy1,y2,y3で測定されるが、その位置としては、3本のビームに基づく3種類の位置情報の平均が求められる。
【0022】
X軸の回転量は、レーザーy3に基づく値とレーザーy1に基づく値の差により求められる。これはステージ22のX軸方向のローリングすなわちY軸方向のピッチングを表す。Y軸の回転量は、レーザーx3に基づく値とレーザーx1に基づく値の差により求められる。これはステージ22のY軸方向のローリングすなわちX軸方向のピッチングを表す。Z軸の回転量は、レーザーx2とレーザーx1との差分と、レーザーy2とレーザーy1との差分の平均によって求められる。これはステージ22のヨーイングを表す。
【0023】
このようにして求められた移動量、回転量(ピッチングおよびヨーイング)は、コンピュータ11に供給される。なお、図4には+Y軸方向からみたステージミラー34yに照射される3本のレーザーy1,y2,y3の位置関係を示している。+X軸方向からみたステージミラー34xに照射される3本のレーザーx1,x2,x3の位置関係も同様になっている。
【0024】
本装置の描画動作について説明する。メモリ12に格納されたパターンデータは逐次読み出され、データ転送回路13を経てショット分割器14に供給される。ショット分割器14で分割されたデータに基づき、電子ビームの成形データはDA変換器15を介して増幅器16に供給され、増幅器16によって増幅された信号が成形偏向器5に供給される。また、描画パターンに応じた電子ビームの偏向信号は、偏向器制御回路28およびDA変換器17を介して増幅器18に供給され、増幅器18によって増幅された信号が位置決め偏向器9に供給される。
【0025】
この結果、各分割されたパターンデータに基づき、成形偏向器5により電子ビームの断面が所望の面積の矩形や台形に成形され、そのような断面のビームが、位置決め偏向器9に供給される偏向信号に応じて順々に材料上にショットされ、所望の形状のパターン描画が行われる。なお、このとき、ブランキングコントロール回路21からブランキング電極20へのブランキング信号により、材料10への電子ビームのショットに同期して電子ビームのブランキングが実行される。
【0026】
このような電子ビームの偏向による描画動作はフィールド単位で行われ、ひとつのフィールド内の描画が終了した後は、ステージ22が駆動機構23によってフィールドの長さ分移動させられ、次のフィールドの描画が行われる。このステージ22の移動量は、レーザー測長器24によって測定され、その測定値はコンピュータ11に供給される。コンピュータ11は移動量測定値に基づいて駆動機構23を制御することにより、正確なステージ22の移動が行われる。
【0027】
このような描画を行う過程で、ステージ22のピッチングおよびヨーイングに応じたビーム位置補正がアッベエラーを用いてフィールド単位で行われる。ビーム位置補正はコンピュータ11による制御の下で行われる。ビーム位置補正にはアッベエラーの最適値が用いられる。アッベエラーの最適値は予め所定の手続によって求められ、メモリ12に記憶されている。
【0028】
以下、アッベエラーの最適値によるビーム位置補正を、図1のフロー図によって説明する。ステップ101でメトロロジー測定を行う。メトロロジー測定は往復測定によって行う。図5に往復メトロロジー測定の概念を示す。メトロロジー測定には標準試料500が用いられる。標準試料500の表面には、複数のマーク501が所定の間隔でマトリクス状に配列されている。マトリクスは例えば11×11の正方マトリクスであり、マーク間隔は例えば13300μmである。
【0029】
メトロロジー測定では、標準試料500をステージ22に搭載し、ステージ送りと電子ビーム走査によって全てのマーク501の位置を順次測定し、予め分かっているマークの座標に対する測定値の誤差(位置ずれ)をマーク位置ごとに求める。このとき同時に、ステージのピッチングおよびヨーイングもマーク位置ごとに測定される。位置ずれは2次元座標のx成分とy成分に分けて求められる。ピッチングもx成分とy成分に分けて求められる。ヨーイングはx成分とy成分が同じなのでいずれか一方でよい。あるいは両者の平均を求めるようにしてもよい。
【0030】
測定はステージ送りの往路と復路でそれぞれ行われる。往路では、例えば標準試料500の左上のマークを始点として順次右方向に進行し、右端のマークに達したら次の行を左方向に折返し、左端のマークに達したら次の行を右方向に折返す。この繰り返しにより、終点の右下のマークまで順次に測定する。復路はこの逆順となる。
【0031】
ステップ102で往復差を計算する。すなわち、往路の測定値と復路の測定値の差が求められる。測定値の差はマーク位置が同一なもの同士で求められる。これによって、往路と復路の位置ずれの差、往路と復路のピッチングの差および往路と復路のヨーイングの差が求められる。
【0032】
図6に、往路と復路の位置ずれの差の一例をグラフによって示す。(a)および(b)はそれぞれ往路および復路の位置ずれであり、いずれもマーク位置1−121横軸とし位置ずれを縦軸としている。(c)は往路と復路の位置ずれの差であり、マーク位置1−121横軸とし位置ずれの差を縦軸としている。太線のグラフはx成分、細線のグラフはy成分である。
【0033】
図7に、往路と復路のピッチングの差の一例をグラフによって示す。(a)および(b)はそれぞれ往路および復路のピッチングであり、いずれもマーク位置1−121横軸としピッチングを縦軸としている。(c)は往路と復路のピッチングの差であり、マーク位置1−121横軸としピッチングの差を縦軸としている。太線のグラフはx成分、細線のグラフはy成分である。なお、ヨーイングの測定結果については図示を省略する。
【0034】
ステップ103でアッベエラーの最適値を特定する。アッベエラー最適値の特定はシミュレーションを通じて行われる。シミュレーションは、予め用意された複数通りのアッベエラーについて、それらを用いた場合の位置ずれ補正効果をそれぞれ求めるものである。なお、予め用意された複数通りのアッベエラーは仮定のアッベエラーである。
【0035】
ピッチングによる位置ずれを補正するには、
補正値=アッベエラー値×ピッチング値
が用いられる。このような補正値を用いてマーク位置ごとの位置ずれ測定値が補正される。その際、アッベエラー値としては複数の仮定値が逐一試みられ、ピッチング値としては各マーク位置におけるピッチング測定値が用いられる。位置ずれのx成分の補正にはピッチングのx成分が用いられ、位置ずれのy成分の補正にはピッチングのy成分が用いられる。
【0036】
図8および図9にシミュレーション結果の一例をグラフによって示す。図8は補正後の位置ずれの往復差のx成分についての計算結果を示し、図9は補正後の位置ずれの往復差のy成分についての計算結果を示す。
【0037】
仮定のアッベエラーとしては、例えば、−2mmから+2mmまで0.2mm刻みの21個の値が試みられたが、全部を示すとグラフが錯綜するので、仮定値の両端の値と中間の値についての結果のみ示す。なお、x成分についてはマーク位置45−78の範囲におけるシミュレーション結果を示し、y成分についてはマーク位置1−34の範囲におけ−るシミュレーション結果を示す。これらは、それぞれ、ピッチングのx成分の往復差およびピッチングのy成分の往復差が相対的に大きい部分に相当する。
【0038】
このような部分に限定してシミュレーションを行うことにより、シミュレーションを能率良く行うことができる。なお、シミュレーションはマーク位置の全範囲にわたって行うようにしてもよい。
【0039】
このようなシミュレーション結果に基づいて、位置ずれの往復差が複数のマーク位置を通じて最小となるアッベエラー値を抽出する。これによって、図8の例では0mmが抽出され、図9の例では−0.8mmが抽出される。
【0040】
これらの値は、補正後の位置ずれの往復差のx成分およびy成分を複数のマーク位置を通じてそれぞれ最小化するものであるから、それぞれの方向におけるアッベエラーの最適値としてよい。そこで、図8の例では0mmがx成分に関する最適アッベエラー値として特定され、図9の例では−0.8mmがy成分に関する最適アッベエラー値として特定される。
【0041】
以上は、ピッチングによる位置ずれを補正するための最適アッベエラー値を求める例であるが、ヨーイングによる位置ずれを補正するための最適アッベエラー値も同じ要領で求められる。
【0042】
このように特定された最適アッベエラー値はビーム位置補正用データの一部としてメモリに記憶される。そして、ステップ104において、描画時のビーム位置補正に利用される。ビーム位置補正に最適アッベエラー値を用いられるので、本装置の長寸法精度が向上する。
【0043】
図10に、最適アッベエラー値による補正を行った場合と行わない場合との長寸法精度の比較の一例を示す。同図に示すように、長寸法精度は最適アッベエラー値を用いることにより約2倍に向上する。以上は電子ビームを用いる描画装置の例であるが、イオンビームを用いる描画装置についても同じ効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明を実施するための最良の形態の一例のビーム位置補正方法を示すフロー図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態の一例のビーム位置補正方法が適用される荷電粒子ビーム描画装置の一例を示すブロック図である。
【図3】レーザー測長システムの構成を示す図である。
【図4】ステージミラーにおけるレーザー照射点の配置を示す図である。
【図5】メトロロジー測定の要領を示す図である。
【図6】メトロロジー測定結果の一例を示す図である。
【図7】メトロロジー測定結果の一例を示す図である。
【図8】シミュレーション結果の一例を示す図である。
【図9】シミュレーション結果の一例を示す図である。
【図10】長寸法精度の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 電子銃
2 照明レンズ
3 第2成形アパーチャ
4 成形レンズ
5 成形偏向器
6 第2成形アパーチャ
7 縮小レンズ
8 対物レンズ
9 位置決め偏向器
10 材料
11 コンピュータ
12 メモリ
13 データ転送回路
14 ショット分割器
15,17,19 DA変換器
16,18 増幅器
20 ブランキング電極
21 ブランキングコントロール回路
22 ステージ
23 駆動機構
24 レーザー測長器
25 反射電子検出器
26 加算器
27 マーク信号処理回路
28 偏向器制御回路
29 電流信号処理回路
202 ファラデーカップ
500 基準試料
501 マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置をアッベエラーを用いて補正するにあたり、
メトロロジー測定を複数のマーク位置について正順および逆順でそれぞれ行ってマーク位置ごとの位置誤差とピッチング値またはヨーイング値を互いに垂直な2軸方向において求め、
前記位置誤差とピッチング値またはヨーイング値について正順と逆順の差をマーク位置ごとに互いに垂直な2軸方向において求め、
アッベエラーによるマーク位置ごとのビーム位置補正効果を予め仮定された複数のアッベエラーについてそれぞれシミュレーションして、前記位置誤差の正順と逆順の差が複数のマーク位置を通じて互いに垂直な2軸方向においてそれぞれ最小となる2種類のアッベエラーを互いに垂直な2軸方向のアッベエラーとしてそれぞれ特定し、
前記特定されたアッベエラーを用いてビーム位置を補正する、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置補正方法。
【請求項2】
前記シミュレーションをピッチング値またはヨーイング値の正順と逆順の差の複数のマーク位置を通じての変動が相対的に大きい部分について行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置のビーム位置補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−278611(P2006−278611A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−93752(P2005−93752)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】