説明

蒸し調理装置

【課題】必要に応じて高温蒸し調理及び低温蒸し調理を適切に行うことができる蒸し調理装置を提供する。
【解決手段】水貯留部3に貯留された水Wを加熱する加熱手段4を有して、発生した蒸気Sを蒸気放出口3sから上方に放出させる装置本体5と、上部が開口し且つ底部に複数の蒸気通過孔1hを有して、被調理物Gを収容する複数の蒸し容器1と、積み重ねられた状態にある複数の蒸し容器1のうち、最上部の蒸し容器1の開口を閉じる蓋体6と、上下方向に貫通する蒸気通過部2pを有し、当該蒸気通過部2pを通過する蒸気Sと内部に収容された水Wとの熱交換が可能な水タンク2とを備え、複数の蒸し容器1が、当該複数の蒸し容器1の上下間に水タンク2を介装した状態で、装置本体5における蒸気放出口3sの上方に積み重ね可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜等の被調理物を蒸し調理する蒸し調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる蒸し調理装置は、被調理物を蒸し調理するものであり、従来では、水貯留部に貯留された水を加熱する加熱手段を有して、発生した蒸気を蒸気放出口から上方に放出させる装置本体と、上部が開口し且つ底部に複数の蒸気通過孔を有して、被調理物を収容する複数の蒸し容器と、積み重ねられた状態にある複数の蒸し容器のうち、最上部の蒸し容器の開口を閉じる蓋体とを備えて構成されていた。
そして、被調理物を収容した状態で複数の蒸し容器を装置本体における蒸気放出口の上方に積み重ねると共に、最上部の蒸し容器の上部開口を蓋体にて閉じ、その状態で、加熱手段を加熱作動させて蒸気放出口から蒸気を放出させることにより、積み重ね状態の複数の蒸し容器内に蒸気を充満させて、被調理物を蒸し調理するようになっていた(例えば、特許文献1、2参照。)。
尚、積み重ね状態の複数の蒸し容器内に充満している蒸気の一部は凝縮して水滴となる。又、水貯留部の水は継続して蒸発して、蒸気放出口から継続して蒸気が放出されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−26014号公報
【特許文献2】特開2004−188197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、野菜のパリパリ感を向上させることにより食感を向上させる蒸し調理法として、野菜を低温の蒸気で蒸す低温蒸し調理が見直されている。
即ち、野菜の組織細胞を形成するペクチン質には所定の温度帯で硬化反応を起こす性質があり、この硬化反応を利用すると、野菜のパリパリ感を向上させることができる。
そして、ペクチン質に硬化反応を起こさせる温度帯は、例えば、50〜80℃であると考えられ、50〜80℃の低温の蒸気を用いて低温蒸し調理を行うことにより、ペクチン質に硬化反応を起こさせることができる。
しかしながら、従来の蒸し調理装置では、蒸気放出口から放出された高温(例えば、100℃に近い温度)の蒸気が、最下部の蒸し容器から順に積み重ね状態の複数の蒸し容器内を流動して、それら積み重ね状態の複数の蒸し容器内に充満するので、100℃に近い高温の蒸気により実質的に高温蒸し調理のみが行われることになり、低温蒸し調理を行うことができなかった。ましてや、一つの蒸し調理装置での蒸し調理において、高温蒸し調理及び低温蒸し調理を選択的に行うことはできない構成であった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、必要に応じて高温蒸し調理及び低温蒸し調理を適切に行うことができる調理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る蒸し調理装置の特徴構成は、水貯留部に貯留された水を加熱する加熱手段を有して、発生した蒸気を蒸気放出口から上方に放出させる装置本体と、
上部が開口し且つ底部に複数の蒸気通過孔を有して、被調理物を収容する複数の蒸し容器と、
積み重ねられた状態にある前記複数の蒸し容器のうち、最上部の蒸し容器の開口を閉じる蓋体と、
上下方向に貫通する蒸気通過部を有し、当該蒸気通過部を通過する蒸気と内部に収容された水との熱交換が可能な水タンクとを備え、
前記複数の蒸し容器が、当該複数の蒸し容器の上下間に前記水タンクを介装した状態で、前記装置本体における前記蒸気放出口の上方に積み重ね可能に構成されている点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、水タンクの下方の蒸し容器には、蒸気放出口から放出された蒸気が底部の複数の蒸気通過孔を通して供給され、水タンクの上方の蒸し容器には、水タンクの下方の蒸し容器を通過した後に水タンクの蒸気通過部を通過した蒸気が、底部の複数の蒸気通過孔を通して供給される。
つまり、水タンクの下方の蒸し容器内には、蒸気放出口から放出された高温の蒸気が充満するので、水タンクの下方の蒸し容器内では、被調理物を高温(例えば、100℃程度)の蒸気で蒸す高温蒸し調理を行うことができる。
一方、水タンクの上方の蒸し容器内には、水タンクの下方の蒸し容器を通過して温度が低下し、更に、水タンクの蒸気通過部を通過する際に水タンク内の水との熱交換により冷却されて温度が低下した比較的低温の蒸気が充満するので、水タンクの上方の蒸し容器内では、被調理物を低温(例えば、50〜80℃程度)の蒸気で蒸す低温蒸し調理を行うことができる。
ここで、蒸気通過部における流路長さや蒸気と水タンク内の水との熱交換面積等を予め適切に設定することにより、蒸気通過部を通過して水タンク内の水と熱交換によって冷却された蒸気の温度が、低温蒸し調理に適した温度になるようにすることが可能である。
従って、低温蒸し調理が可能であり、しかも、その低温蒸し調理と同時に高温蒸し調理を行うことができる蒸し調理装置を提供することができる。
【0008】
本発明に係る蒸し調理装置の更なる特徴構成は、前記水タンクが、前記蒸気通過部を前記蒸気放出口の上方に位置させた状態で、前記装置本体に積み重ね可能に構成され、
前記複数の蒸し容器の前記装置本体への積み重ね形態として、
前記複数の蒸し容器を、当該複数の蒸し容器の上下間に前記水タンクを介装した状態で、前記装置本体に積み重ねる高低温蒸し併行用の積み重ね形態と、前記水タンクを前記装置本体に積み重ね、その水タンクに前記複数の蒸し容器を積み重ねる低温蒸し用の積み重ね形態とを選択可能に構成されている点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、複数の蒸し容器を低温蒸し用の積み重ね形態で装置本体に積み重ねると、水タンクの蒸気通過部を通過して水タンク内の水との熱交換により温度が低下した蒸気が、最下部の蒸し容器から順に積み重ね状態の複数の蒸し容器内を流動して、それら複数の蒸し容器内に充満する。
つまり、複数の蒸し容器内で同時に低温蒸し調理を行うことができるので、一度に多量の被調理物を低温蒸し調理することができる。
一方、複数の蒸し容器を高低温蒸し併行用の積み重ね形態で装置本体に積み重ねると、水タンクの下方の蒸し容器内では、高温蒸し調理を行うことができ、水タンクの上方の蒸し容器内では、低温蒸し調理を行うことができる。
従って、低温蒸し調理と高温蒸し調理とを併行して行う蒸し調理方法と、一度に多量の被調理物を低温蒸し調理する蒸し調理方法とを選択することができるので、使い勝手を向上することができる。
【0010】
本発明に係る蒸し調理装置の更なる特徴構成は、前記積み重ね形態として、
前記高低温蒸し併行用の積み重ね形態と、前記低温蒸し用の積み重ね形態と、上下間に前記水タンクを介装することなく、前記複数の蒸し容器を前記装置本体に積み重ねる高温蒸し用の積み重ね形態とを選択可能に構成されている点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、複数の蒸し容器を高温蒸し用の積み重ね形態で装置本体に積み重ねると、蒸気放出口から放出された高温の蒸気がその蒸気を強制的に冷却するような部分を通過することなく、最下部の蒸し容器から順に積み重ね状態の複数の蒸し容器内を流動して、それら積み重ね状態の複数の蒸し容器内に充満する。
つまり、複数の蒸し容器内で同時に高温蒸し調理を行うことができるので、一度に多量の被調理物を高温蒸し調理することができる。
一方、複数の蒸し容器を高低温蒸し併行用の積み重ね形態で装置本体に積み重ねると、水タンクの下方の蒸し容器内では、高温蒸し調理を行うことができ、水タンクの上方の蒸し容器内では、低温蒸し調理を行うことができる。
又、複数の蒸し容器を低温蒸し用の積み重ね形態で装置本体に積み重ねると、複数の蒸し容器内で同時に低温蒸し調理を行うことがきる。
従って、低温蒸し調理と高温蒸し調理とを併行して行う蒸し調理方法と、一度に多量の被調理物を低温蒸し調理する蒸し調理方法と、一度に多量の被調理物を高温蒸し調理する蒸し調理方法とを選択することができるので、使い勝手をより一層向上することができる。
【0012】
本発明に係る蒸し調理装置の更なる特徴構成は、前記水タンクの水を前記水貯留部に、当該水貯留部内の水位が定水位となるように補給可能な水補給手段が設けられている点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、蒸し調理が進行して水貯留部の水位が低下しても、水補給手段により、水貯留部内の水位が定水位となるように、水タンク内の水が水貯留部に補給される。つまり、蒸気を冷却するための水タンク内の水を、蒸し調理のための蒸気発生用の水として用いることができる。
従って、使用者が水貯留部に水を補給することなく、長時間にわたって継続して低温蒸し調理を行うことができるので、使い勝手をより一層向上することができる。
【0014】
本発明に係る蒸し調理装置の更なる特徴構成は、前記蓋体に、蒸気を外部に排出可能で且つその排出量を調節可能な蒸気排出部が設けられている点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、蒸気排出部により蒸気の排出量を変更調整することにより、複数の蒸し容器内の雰囲気温度を変更調整して、蒸し調理する温度を変更調整することができる。つまり、蒸気の排出量を多くすると、複数の蒸し容器内の雰囲気温度が低くなり、逆に、蒸気の排出量を少なくすると、複数の蒸し容器内の雰囲気温度が高くなる。
従って、特に、低温蒸し調理を行うときに蒸気の排出量を変更調整することにより、低温蒸し調理をより一層適切に行うことができる。
【0016】
本発明に係る蒸し調理装置の更なる特徴構成は、前記水タンクが平面視で環状に構成されて、その環状の水タンクにおける上下方向に貫通する穴を前記蒸気通過部として機能させるように構成され、
上方に膨出すると共に複数の通気孔が形成された膨出部を有する蒸気放散体が、前記膨出部を前記環状の水タンクの穴に被せた状態で、前記環状の水タンクに載置されている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、蒸気は、環状の水タンクの穴を通過してその水タンクの上方の蒸し容器に供給されるので、蒸気が外部に漏れることを防止することができることになり、熱効率が低下するのを抑制することができる。
又、流路面積が狭められた環状の水タンクの穴を通過した蒸気は、蒸気放散体の膨出部に形成されている複数の通気孔から放出されるので、環状の水タンクの穴を通過した蒸気が、蒸し容器の底面に沿って放散されることになる。それにより、蒸し容器の底部における極力広い範囲に存在する蒸気通過孔を通して、蒸し容器に蒸気を供給することができるので、蒸し容器内の被調理物を極力均等に低温蒸し調理することができる。
従って、熱効率が低下するのを抑制しながら、被調理物を極力均等に低温蒸し調理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態に係る高低温蒸し併行用の積み重ね状態での斜視図
【図2】第1実施形態に係る高低温蒸し併行用の積み重ね状態での分解斜視図
【図3】第1実施形態に係る高低温蒸し併行用の積み重ね状態での縦断面図
【図4】第1実施形態に係る低温蒸し用の積み重ね形態での分解斜視図
【図5】第1実施形態に係る低温蒸し用の積み重ね形態での縦断面図
【図6】第1実施形態に係る高温蒸し用の積み重ね状態での分解斜視図
【図7】第1実施形態に係る高温蒸し用の積み重ね状態での縦断面図
【図8】第2実施形態に係る高低温蒸し併行用の積み重ね状態での分解斜視図
【図9】第2実施形態に係る高低温蒸し併行用の積み重ね状態での縦断面図
【図10】第3実施形態に係る高低温蒸し併行用の積み重ね状態での縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
〔第1実施形態〕
先ず、第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図2及び図3に示すように、蒸し調理装置は、水貯留部としての水貯留皿3に貯留された水Wを加熱する加熱手段としての電気ヒータ4を有して、発生した蒸気Sを蒸気放出口3sから上方に放出させる装置本体5と、上部が開口し且つ底部に複数の蒸気通過孔1hを有して、被調理物Gを収容する複数の蒸し容器1と、積み重ねられた状態にある複数の蒸し容器1のうち、最上部の蒸し容器1の開口を閉じる蓋体6と、上下方向に貫通する蒸気通過部2pを有し、当該蒸気通過部2pを通過する蒸気Sと内部に収容された水Wとの熱交換が可能な水タンク2とを備えて構成されている。つまり、この蒸し調理装置は、電力を用いて水Wを加熱して蒸し調理用の蒸気Sを生成する電気式に構成されている。
そして、複数の蒸し容器1が、当該複数の蒸し容器1の上下間に水タンク2を介装した状態で、装置本体5における蒸気放出口3sの上方に積み重ね可能に構成されている。
【0020】
又、図4及び図5に示すように、この第1実施形態では、水タンク2が、蒸気通過部2pを蒸気放出口3sの上方に位置させた状態で、装置本体5に積み重ね可能に構成されている。
そして、複数の蒸し容器1の装置本体5への積み重ね形態として、複数の蒸し容器1を、当該複数の蒸し容器1の上下間に水タンク2を介装した状態で、装置本体5に積み重ねる高低温蒸し併行用の積み重ね形態(図1〜図3参照)と、水タンク2を装置本体5に積み重ね、その水タンク2に複数の蒸し容器1を積み重ねる低温蒸し用の積み重ね形態(図4及び図5参照)と、上下間に水タンク2を介装することなく、複数の蒸し容器1を装置本体5に積み重ねる高温蒸し用の積み重ね形態(図6及び図7参照)とを選択可能に構成されている。
又、水タンク2の水Wを水貯留皿3に、当該水貯留皿3内の水位が定水位となるように補給可能な水補給手段としての水補給部Mが設けられている。
更に、蓋体6に、蒸気Sを外部に排出可能で且つその排出量を調節可能な蒸気排出部Vが設けられている。
【0021】
次に、蒸し調理装置の各部について、説明を加える。
図1〜図3に示すように、装置本体5は、概ね有底円筒状のケーシング7を用いて構成されている。
図2及び図3に示すように、ケーシング7の上下方向の中間部に、径方向内方側に張り出す形態で皿受け部7aが設けられ、並びに、ケーシング7の上端部は、外径が下方側の部分の外径よりも大径となり且つ内径が蒸し容器1の外径よりもやや大きい状態の大径部7bに構成されている。
そして、水貯留皿3は、皿受け部7aに吊り下げ支持された状態で、装置本体5に装着されるように構成されている。つまり、水貯留皿3は装置本体5に着脱自在に構成されている。
又、ケーシング7の内周面における大径部7bの下端に形成される環状の段部7dにより、蒸し容器1の外径と略同径の円状の外周形状を有する部材を載置支持可能なように構成されている。
【0022】
電気ヒータ4は、皿受け部7aに吊り下げられた状態で設けられる水貯留皿3の底面に当接するように、ケーシング7内に設けられ、この電気ヒータ4としては、例えば、シーズヒータが利用される。
そして、電気ヒータ4に通電することにより、水貯留皿3内の水Wを加熱して、水貯留皿3の上部開口から蒸気Sを上方に放出可能なように構成され、水貯留皿3の上部開口を蒸気放出口3sとして機能させるように構成されている。
又、ケーシング7内には、皿受け部7aに吊り下げ支持された水貯留皿3の底面に当接するように、温度センサ8が設けられ、更に、ケーシング7内には、蒸し調理装置の運転を制御する制御部9も設けられている。
【0023】
図1及び図2に示すように、ケーシング7の外周面には、運転開始及び運転停止を指令したり、調理時間を設定する操作スイッチ10、及び、水貯留皿3に水がなくなったことを報知する水無し報知ランプ11が設けられている。
制御部9の制御動作について簡単に説明する。この制御部9は、操作スイッチ10により運転開始が指令されると、電気ヒータ4への通電を開始し、操作スイッチ10により運転停止が指令されるか、あるいは、操作スイッチ10により設定された調理時間が経過すると、電気ヒータ4への通電を停止する。
又、制御部9は、運転停止が指令されるか、あるいは、設定された調理時間が経過するまでの間は、温度センサ8の検出温度を監視し、温度センサ8の検出温度が水無し報知用の設定温度(例えば、105℃)以上になると、電気ヒータ4への通電を停止すると共に、報知ランプ11を点灯させる。
【0024】
図1〜図3に示すように、装置本体5の上部に、蒸し容器1から滴下する液滴を受けて貯留する下側水受け皿12が備えられている。
図2及び図3に示すように、この下側水受け皿12は、外径が蒸し容器1の外径と同径の概ね円形皿状で、底部の略中央に上方に向かって円筒状に膨出した膨出部12gを有する形状に構成されている。更に、下側水受け皿12の底部において、膨出部12gよりも径方向外方側に寄せて、後述する水補給部Mを構成する筒状弁ケース16を挿通可能な円筒状の挿通筒12eが上下方向の両端開口部を外部に臨ませた状態で立設されている。
又、下側水受け皿12の膨出部12gの周壁における上方側には、その周方向全周にわたって、複数の通気孔12hが間隔を隔てて並べて設けられている。
【0025】
下側水受け皿12の周壁の上端側は、径方向内方側に張り出す形態の厚肉部12bに構成され、更に、その厚肉部12bの上端部が鍔状に径方向外方に張り出すと共に、その厚肉部12bの上端面が、径方向内方側が低くなる形態の2段状に構成されて、下側水受け皿12の上端に、その下側水受け皿12の全周にわたる環状の凹部12dが設けられている。そして、その環状の凹部12dにおける上下方向に延びる壁面の内径は、蒸し容器1の外径よりもやや大きくなるように設定されて、その環状の凹部12dにより、蒸し容器1の外径と略同径の円状の外周形状を有する部材を載置支持可能なように構成されている。又、厚肉部12bの上端の鍔状部において、下側水受け皿12の中心に対して対称となる箇所が径方向外方に突出しており、その突出部により、把手12tが構成されている。
【0026】
図1〜図3に示すように、この実施形態では、複数の蒸し容器1として、上側蒸し容器1Aと下側蒸し容器1Bとが設けられている。これら上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1B夫々は、外径が同径の概ね有底円筒状に構成され、深さは、上側蒸し容器1Aの方が深い。尚、これら上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bは、耐熱性のガラス又は樹脂を用いて透明状に構成されている。
図2及び図3に示すように、下側蒸し容器1Bの底部には、径方向外方側に寄せて、後述する水補給部Mを構成する筒状弁ケース16及び延長筒19を挿通可能な挿通穴1wが設けられ、多数の蒸気通過孔1hが、下側蒸し容器1Bの底部における挿通穴1wの存在箇所以外の全域にわたって分散させて設けられている。上側蒸し容器1Aの底部には、その全域にわたって分散させて、多数の蒸気通過孔1hが設けられている。
【0027】
上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1B夫々の上端側は、下側水受け皿12の厚肉部12bと同様の厚肉部1bに構成され、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1B夫々の厚肉部1bに、下側水受け皿12の凹部12d及び一対の把手12tと同様に、凹部1d及び一対の把手1tが設けられて、その環状の凹部1dにより、蒸し容器1の外径と略同径の円状の外周形状を有する部材を載置支持可能なように構成されている。
【0028】
図1〜図3に示すように、水タンク2は、外径が蒸し容器1の外径と同径の平面視で概ね円形の環状に構成されて、その環状の水タンク2における上下方向に貫通する穴2hを蒸気通過部2pとして機能させるように構成されている。又、この環状の水タンク2は、密閉型に構成され、並びに、その中心を通る縦断面形状が矩形状となるように構成されている。
そして、この環状の水タンク2の高さ、穴2hの径は、以下のように設定されている。
即ち、水タンク2内に所定の水位(例えば、満杯状態)で常温の水Wを貯留した状態で、100℃近くの蒸気Sを穴2hに流動させる。そして、穴2hを流動して穴2hから流出したときの蒸気Sの温度が、水タンク2内の水Wとの熱交換による冷却により、低温蒸し調理に適した温度(例えば、50〜80℃)にまで低下するように、環状の水タンク2の高さ、穴2hの径等が設定されている。
尚、この水タンク2は、水タンク2の下側及び穴2hを通過する蒸気Sと内部の水Wとの伝熱を十分に行わせることが可能な材料、例えば、ポリカーボネイトにて構成されている。
【0029】
図2及び図3に示すように、この水タンク2の底部には、筒状の連結部2c(図3参照)が、内部空間と連通する状態で突設され、その連結部2cの外周部には雄ネジ部(図示省略)が形成されている。
又、水タンク2の上端部には、鍔部2fが設けられ、更に、水タンク2の上面には、外周が円形の凹部2dが設けられている。そして、その凹部2dにおける上下方向に延びる壁面の内径は、蒸し容器1の外径よりもやや大きくなるように設定されて、その凹部2dにより、蒸し容器1の外径と略同径の円状の外周形状を有する部材を載置支持可能なように構成されている。又、鍔部2fにおいて、水タンク2の中心に対して対称となる箇所が径方向外方に突出しており、その突出部により、把手2tが構成されている。
【0030】
図1〜図3に示すように、この蒸し調理装置には、水タンク2の上端の凹部2dに載置支持可能な上側水受け皿13が備えられている。
この上側水受け皿13は、外径が蒸し容器1の外径と同径の概ね円形皿状で、底部の略中央に上方に向かって円筒状に膨出した膨出部13gを有する形状に構成され、その膨出部13gの周壁における上方側には、その周方向全周にわたって、複数の通気孔13hが間隔を隔てて並べて設けられている。
上側水受け皿13の上端側は、下側水受け皿12の厚肉部12bと同様の厚肉部13bに構成され、その厚肉部13bには、下側水受け皿12の凹部12d及び一対の把手12tと同様に、凹部13d及び一対の把手13tが設けられて、その環状の凹部13dにより、ケーシング7の外径と略同径の円状の外周形状を有する部材を載置支持可能なように構成されている。
【0031】
そして、この上側水受け皿13が環状の水タンク2の凹部2dに載置支持されると、その上側水受け皿13の膨出部13gが環状の水タンク2の穴2hに被さる状態となる。つまり、この上側水受け皿13が蒸気放散体に相当し、その上側水受け皿13が、膨出部13gを環状の水タンク2の穴2hに被せた状態で、環状の水タンク2に載置されていることになる。
【0032】
蓋体6は、概ね円錐状に構成され、その下端の外径が蒸し容器1の外径と同径に構成されて、上側蒸し容器1Aの凹部1dに載置支持された状態で、上側蒸し容器1Aの開口を閉じるように構成されている。尚、この蓋体6は、耐熱性のガラス又は樹脂を用いて透明状に構成されている。
この蓋体6には、長円状の排気口6wが長手方向を径方向に沿わせた状態で設けられ、その排気口6wを開閉すると共に、その開度を調節自在な開度調整蓋14が、排気口6wの長手方向に移動操作自在に設けられている。つまり、蓋体6の排気口6wと開度調整蓋14とにより、蒸気Sを外部に排出可能で且つその排出量を調節可能な蒸気排出部Vが構成されることになる。
【0033】
そして、図1〜図7に示すように、装置本体5の上端部の段部7dに、下側水受け皿12及び上側水受け皿13のいずれもが選択的に載置支持可能であり、図1〜図5に示すように、下側水受け皿12の上端部の凹部12dには、下側蒸し容器1B及び水タンク2のいずれもが選択的に載置支持可能である。
又、図1〜図7に示すように、下側蒸し容器1Bの上端部の凹部1dには、水タンク2及び上側蒸し容器1Aのいずれもが選択的に載置支持可能であり、図1〜図5に示すように、水タンク2の上端の凹部2dには、上側水受け皿13が載置支持可能である。
更に、図1〜図7に示すように、水タンク2に載置支持した上側水受け皿13の上端部の凹部13dには、下側蒸し容器1B及び上側蒸し容器1Aのいずれもが選択的に載置支持可能である。
【0034】
つまり、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1B(複数の蒸し容器1)は、装置本体5に載置支持された下側水受け皿12又は上側水受け皿13を介して、装置本体5における蒸気放出口3sの上方に積み重ねることが可能なように構成されている。
そして、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bの装置本体5への積み重ね形態として、上側水受け皿13を載置した水タンク2を上側蒸し容器1Aと下側蒸し容器1Bとの上下間に介装した状態で、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを下側水受け皿12を介して装置本体5に積み重ねる高低温蒸し併行用の積み重ね形態(図1〜図3参照)と、水タンク2を下側水受け皿12を介して装置本体5に積み重ね、その水タンク2に上側水受け皿13を介して上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを積み重ねる低温蒸し用の積み重ね形態(図4及び図5参照)と、上側蒸し容器1Aと下側蒸し容器1Bとの上下間に水タンク2を介装することなく、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを上側水受け皿13を介して装置本体5に積み重ねる高温蒸し用の積み重ね形態(図6及び図7参照)とを選択可能に構成されていることになる。
【0035】
次に、水補給部Mについて、説明を加える。
図3及び図5に示すように、水補給部Mは、底壁部に通水孔16hを有し且つ上端に水タンク2の連結部2cの雄ネジ部(図示省略)に螺合可能な雌ネジ部(図示省略)を有する有底円筒状の筒状弁ケース16と、筒状弁ケース16の通水孔16hを開閉可能な弁体17と、その弁体17を閉じ方向に付勢するコイルバネ18と、下端に筒状弁ケース16の上端の雌ネジ部(図示省略)に螺合可能な雄ネジ部(図示省略)を有し且つ上端に水タンク2の連結部2cの雄ネジ部(図示省略)に螺合可能な雌ネジ部(図示省略)を有する円筒状の延長筒19とを備えて構成されている。つまり、筒状弁ケース16の上端の雌ネジ部(図示省略)は、水タンク2の連結部2cの雄ネジ部(図示省略)及び延長筒19の下端の雄ネジ部(図示省略)のいずれにも螺合可能なように構成されている。
【0036】
弁体17は、筒状弁ケース16の通水孔16hよりも小径で且つその通水孔16hに挿通される棒状体20と、筒状弁ケース16内に位置する状態で、棒状体20の上端に固着された円板状のパッキング受け21と、そのパッキング受け21の下面に取り付けられたパッキング22と、筒状弁ケース16外に位置する状態で、棒状体20の下端に固着された円板状の当て付け板23とを備えて構成されている。コイルバネ18は、筒状弁ケース16の底壁部の外面と当て付け板23の上面との間に収縮状態で設けられ、図示を省略するが、弁体17の当て付け板23に対して上向きの力が印加されないフリー状態では、コイルバネ18の付勢力により、パッキング22を筒状弁ケース16の底壁部の内面に当て付けて、通水孔16hを閉じるように構成されている。
【0037】
図2及び図3に示すように、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを高低温蒸し併行用の積み重ね形態で装置本体5に積み重ねる場合は、タンク2の連結部2cに延長筒19を連結し、弁体17が装備された筒状弁ケース16(以下、弁体付の筒状弁ケース16と略記する場合がある)を延長筒19の下端に連結する。又、図4及び図5に示すように、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを低温蒸し用の積み重ね形態で装置本体5に積み重ねる場合は、弁体付の筒状弁ケース16をタンク2の連結部2cに直接連結する。
【0038】
そして、図3に示すように、弁体付の筒状弁ケース16が延長筒19を介して連結部2cに連結された水タンク2が、下側水受け皿12を介して装置本体5に積み重ねられた下側蒸し容器1Bに積み重ねられると、当て付け板23が水貯留皿3の底面に当接することにより弁体17が上方に押し上げられて、筒状弁ケース16の通水孔16hが開かれる状態となるように、筒状弁ケース16、弁体17及び延長筒19夫々の長さが設定されている。
又、図5に示すように、弁体付の筒状弁ケース16が連結部2cに連結された水タンク2が下側水受け皿12を介して装置本体5に積み重ねられると、当て付け板23が水貯留皿3の底面に当接することにより弁体17が上方に押し上げられて、筒状弁ケース16の通水孔16hが開かれる状態となるように、筒状弁ケース16及び弁体17夫々の長さが設定されている。
【0039】
次に、上述のように構成した蒸し調理装置を用いて蒸し調理を行う手順について、説明する。先ず、図1〜図3に基づいて、低温蒸し調理及び高温蒸し調理を併行して行う場合の手順を説明する。
連結部2cから水タンク2内に水Wを充填した後、連結部2cに延長筒19を連結し、その延長筒19に弁体付の筒状弁ケース16を連結する(図2参照)。この状態では、弁体17により筒状弁ケース16の通水孔16hが閉じられているので、水タンク2内の水Wが漏れることがない。
そして、装置本体5の水貯留皿3に水Wを所定水位まで入れた後、その装置本体5に下側水受け皿12を積み重ね、更に、その下側水受け皿12に、下側蒸し容器1Bを積み重ねて、その下側蒸し容器1Bに被調理物Gを収容する。
続いて、互いに連結された状態の弁体付の筒状弁ケース16及び延長筒19を、下側蒸し容器1Bの挿通穴1w及び下側水受け皿12の挿通筒12eに挿通する姿勢で、水タンク2を下側蒸し容器1Bに積み重ねる。続いて、水タンク2に、上側水受け皿13、上側蒸し容器1Aを順に積み重ね、その上側蒸し容器1Aに被調理物Gを収容した後、蓋体6を上側蒸し容器1Aに積み重ねる。
【0040】
そして、操作スイッチ10により所望の調理時間を設定して運転を開始すると、水貯留皿3内の水Wが目標温度に加熱されて、蒸気放出口3sから蒸気Sが上方に放出される。
図3に示すように、そのように放出された蒸気Sは、一部が蓋体6の排気口6wから排出される状態で、下側水受け皿12の通気孔12h、下側水受け皿12内、下側蒸し容器1Bの蒸気通過孔1h、下側蒸し容器1B内、水タンク2の穴2h、上側水受け皿13の通気孔13h、上側水受け皿13内、上側蒸し容器1Aの蒸気通過孔1h、上側蒸し容器1A内を順に流動して、それら下側水受け皿12内、下側蒸し容器1B内、水タンク2の穴2h内、上側水受け皿13内、及び、上側蒸し容器1A内に満たされる。
そして、開度調整蓋14により蓋体6の排気口6wの開度を調節して、蒸気Sの排出量を変更調整することにより、下側水受け皿12内、下側蒸し容器1B内、水タンク2の穴2h内、上側水受け皿13内、及び、上側蒸し容器1A内の雰囲気温度を調整することができる。
【0041】
それら下側水受け皿12内、下側蒸し容器1B内、水タンク2の穴2h内、上側水受け皿13内、及び、上側蒸し容器1A内に充満している蒸気Sの一部は温度が低下して液化し、下側水受け皿12や上側水受け皿13内に貯留されるので、水貯留皿3から継続して蒸気Sが放出され、それに伴って、水貯留皿3内の水Wの水位が低くなる。そして、その水位が筒状弁ケース16の下端よりも低くなると、その水位が筒状弁ケース16の下端に達するまで、通水孔16hから空気が筒状弁ケース16内に流入すると共に、それに伴って、密閉状態にある水タンク2内の水Wが通水孔16hから流出するので、水貯留皿3の水位が筒状弁ケース16の下端位置の定水位になるように水Wが補給される。
【0042】
下側蒸し容器1B内には、蒸気放出口3sから放出された蒸気Sが下側水受け皿12の通気孔12hを通過して直ぐに供給されるので、下側蒸し容器1B内には、蒸気放出口3sから放出された後、温度がほとんど低下していない(100℃に近い)蒸気Sが充満することになり、下側蒸し容器1B内の被調理物Gを高温蒸し調理することができる。
そして、下側水受け皿12の膨出部12gの周壁には、その全周にわたって複数の通気孔12hが分散して設けられているので、それら複数の通気孔12hにより蒸気Sが放射状に放散されることになり、下側蒸し容器1Bの底部の極力広い範囲に存在する蒸気通過孔1hを通して蒸気Sを下側蒸し容器1B内に流入させることができる。それによって、下側蒸し容器1B内の被調理物Gを極力均等に高温蒸し調理することができる。
【0043】
上側蒸し容器1A内には、水タンク2の穴2h内を流動した後、上側水受け皿13の通気孔13hを通過した蒸気Sが供給されるので、上側蒸し容器1A内には、水タンク2の穴2h内を流動する際に水タンク2内の水Wとの熱交換により冷却されて温度が低下した(例えば、50〜80℃)蒸気Sが充満することになり、上側蒸し容器1A内の被調理物Gを低温蒸し調理することができる。
そして、上側水受け皿13の膨出部13gの周壁には、その全周にわたって複数の通気孔13hが分散して設けられているので、水タンク2の穴2hを通過してきた蒸気Sがそれら複数の通気孔13hにより放射状に放散されることになり、上側蒸し容器1Aの底部の極力広い範囲に存在する蒸気通過孔1hを通して蒸気Sを上側蒸し容器1A内に流入させることができる。それによって、上側蒸し容器1A内の被調理物Gを極力均等に低温蒸し調理することができる。
【0044】
次に、図4及び図5に基づいて、低温蒸し調理のみを行う場合の手順を説明する。
連結部2cから水タンク2内に水Wを充填した後、連結部2cに弁体付の筒状弁ケース16を連結する(図4参照)。この状態では、弁体17により筒状弁ケース16の通水孔16hが閉じられているので、水タンク2内の水Wが漏れることがない。
そして、装置本体5の水貯留皿3に水Wを所定水位まで入れた後、その装置本体5に下側水受け皿12を積み重ね、続いて、弁体付の筒状弁ケース16を下側水受け皿12の挿通筒12eに挿通する姿勢で、水タンク2を下側水受け皿12に積み重ねる。
続いて、上側水受け皿13、下側蒸し容器1B、上側蒸し容器1Aを順に水タンク2に積み重ね、更に、蓋体6を上側蒸し容器1Aに積み重ねる。尚、下側蒸し容器1B、上側蒸し容器1A夫々を積み重ねる都度、被調理物Gを収容するのは勿論である。
【0045】
そして、操作スイッチ10により所望の調理時間を設定して運転を開始すると、水貯留皿3内の水Wが目標温度に加熱されて、図5に示すように、蒸気Sが、一部が蓋体6の排気口6wから排出される状態で、下側水受け皿12の通気孔12h、下側水受け皿12内、水タンク2の穴2h、上側水受け皿13の通気孔13h、上側水受け皿13内、下側蒸し容器1Bの蒸気通過孔1h、下側蒸し容器1B内、上側蒸し容器1Aの蒸気通過孔1h、上側蒸し容器1A内を順に流動して、それら下側水受け皿12内、水タンク2の穴2h内、上側水受け皿13内、下側蒸し容器1B内、及び、上側蒸し容器1A内に満たされる。
開度調整蓋14により蓋体6の排気口6wの開度を調節して、蒸気Sの排出量を変更調整することにより、下側水受け皿12内、水タンク2の穴2h内、上側水受け皿13内、下側蒸し容器1B内、及び、上側蒸し容器1A内の雰囲気温度を調整することができる。
又、低温蒸し調理及び高温蒸し調理を併行して行う場合と同様に、水貯留皿3からは継続して蒸気Sが放出され、水貯留皿3の水位が筒状弁ケース16の下端位置の定水位になるように、水タンク2内の水Wが水貯留皿3に補給される。
【0046】
下側蒸し容器1B内には、水タンク2の穴2h内を流動した後、上側水受け皿13の通気孔13hを通過した蒸気Sが供給され、上側蒸し容器1A内には、下側蒸し容器1B内を通過した蒸気Sが供給される。
つまり、下側蒸し容器1B及び上側蒸し容器1A内には、水タンク2の穴2h内を流動する際に水タンク2内の水Wとの熱交換により冷却されて温度が低下した(例えば、50〜80℃)蒸気Sが充満するので、下側蒸し容器1B内及び上側蒸し容器1A内の両方で同時に被調理物Gを低温蒸し調理することができる。
そして、上側水受け皿13の膨出部13gの周壁には、その全周にわたって複数の通気孔13hが分散して設けられているので、水タンク2の穴2hを通過してきた蒸気Sがそれら複数の通気孔13hにより放射状に放散されることになり、下側蒸し容器1Bの底部の極力広い範囲に存在する蒸気通過孔1hを通して下側蒸し容器1B内に蒸気Sを流入させると共に、上側蒸し容器1Aの底部の極力広い範囲に存在する蒸気通過孔1hを通して上側蒸し容器1A内に蒸気Sを流入させることができる。
それによって、下側蒸し容器1B内及び上側蒸し容器1A内の被調理物Gを極力均等に低温蒸し調理することができる。
【0047】
次に、図6及び図7に基づいて、高温蒸し調理のみを行う場合の手順を説明する。
装置本体5の水貯留皿3に水Wを所定水位まで入れた後、その装置本体5に上側水受け皿13を積み重ねる。続いて、下側蒸し容器1B、上側蒸し容器1Aを順に上側水受け皿13に積み重ね、更に、蓋体6を上側蒸し容器1Aに積み重ねる。尚、下側蒸し容器1B、上側蒸し容器1A夫々を積み重ねる都度、被調理物Gを収容するのは勿論である。
続いて、操作スイッチ10により所望の調理時間を設定して運転を開始すると、水貯留皿3内の水Wが目標温度に加熱されて、図7に示すように、蒸気Sが、一部が蓋体6の排気口6wから排出される状態で、上側水受け皿13の通気孔13h、上側水受け皿13内、下側蒸し容器1Bの蒸気通過孔1h、下側蒸し容器1B内、上側蒸し容器1Aの蒸気通過孔1h、上側蒸し容器1A内を順に流動して、それら上側水受け皿13内、下側蒸し容器1B内、及び、上側蒸し容器1A内に充満する。
【0048】
下側蒸し容器1B内には、蒸気放出口3sから放出された蒸気Sが上側水受け皿13の通気孔13hを通過して直ぐに供給され、上側蒸し容器1A内には、下側蒸し容器1B内を通過した蒸気Sが供給される。
つまり、下側蒸し容器1B及び上側蒸し容器1A内には、蒸気放出口3sから放出された後、温度低下が抑制された蒸気Sが充満するので、下側蒸し容器1B内及び上側蒸し容器1A内の両方で同時に被調理物Gを高温蒸し調理することができる。
【0049】
以下、本発明の第2及び第3の各実施形態を説明するが、各実施形態は水タンク2及び水補給部Mの別の実施形態を説明するものであり、水タンク2及び水補給部M以外の構成は上記の第1実施形態と同様である。従って、重複説明を避けるために、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、同じ符号を付すことにより説明を省略して、主として、水タンク2及び水補給部Mについて説明する。
【0050】
〔第2実施形態〕
以下、図8及び図9に基づいて、第2実施形態を説明する。
尚、この第2実施形態においても、複数の蒸し容器1の装置本体5への積み重ね形態としては、上記の第1実施形態と同様に、高低温蒸し併行用の積み重ね形態と低温蒸し用の積み重ね形態と高温蒸し用の積み重ね形態とを選択可能に構成されているが、図8及び図9にて、高低温蒸し併行用の積み重ね形態を図示して、低温蒸し用の積み重ね形態及び高温蒸し用の積み重ね形態夫々の図示を省略する。
【0051】
この第2実施形態では、水タンク2は、上記の第1実施形態と同様に、円形の環状に構成されているが、上面部が全体にわたって開放された開放型に構成されている。
又、第1実施形態と同様に、環状の水タンク2の穴2hを蒸気通過部2pとして機能させるように構成されている。
【0052】
水補給部Mは、第1実施形態と同様の延長筒19と、上端に延長筒19の下端の雄ネジ部(図示省略)及び水タンク2の連結部2cの雄ネジ部(図示省略)のいずれにも螺合可能な雌ネジ部(図示省略)を有し、且つ、下端に下側ほど大径となる漏斗状部24rを有する円筒状の水補給筒24と、その水補給筒24の漏斗状部24r内に保持されて、漏斗状部24rの上端開口部を開閉可能なボール状の浮体25とを備えて構成されている。もちろん、浮体25は水に浮くように構成されている。ちなみに、水補給筒24の漏斗状部24rの下端には、網状体26が被せられて、その網状体26により浮体25が漏斗状部24r内に保持されている。
【0053】
次に、水タンク2に水を貯留する手順について、説明する。
上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを高低温蒸し併行用の積み重ね形態で装置本体5に積み重ねる場合は、タンク2の連結部2cに延長筒19を連結し、補給筒24を延長筒19の下端に連結する。
先ず、装置本体5に下側水受け皿12を積み重ねて、更に、その下側水受け皿12に下側蒸し容器1Bを積み重ねる。続いて、互いに連結された水補給筒24及び延長筒19を、下側蒸し容器1Bの挿通穴1w及び下側水受け皿12の挿通筒12eに挿通する姿勢で、水タンク2を下側蒸し容器1Bに積み重ねる。この状態は、図9において、上側水受け皿13、上側蒸し容器1A及び蓋体6を削除した状態に相当する。
この状態では、水補給筒24の漏斗状部24rの下端が水貯留皿3の底面と間隔を隔てる状態となるように、水補給筒24及び延長筒19の長さが設定されている。
そして、水タンク2の上部開口2oから水Wを注ぎ入れると、水Wは延長筒19、水補給筒24を流下して水貯留皿3に溜まって、水貯留皿3の水位が徐々に高くなる。水貯留皿3の水位が高くなるに伴って浮体25が上昇し、やがて、漏斗状部24rの上端開口部に当接してその上端開口部が閉じられる。浮体25により漏斗状部24rの上端開口部が閉じられると、その漏斗状部24rから水Wが流出しなくなるので、水タンク2内に水Wが貯留される。
【0054】
水タンク2内に所定の水位で水Wが貯留されると、上側水受け皿13、上側蒸し容器1Aを順に水タンク2に積み重ねた後、蓋体6を上側蒸し容器1Aに積み重ねて、上記の第1実施形態と同様に、操作スイッチ10を操作して、蒸し調理を行うことになる。
蒸し調理の進行に伴って水貯留皿3の水位が低下すると、浮体25が下がって漏斗状部24rの上端開口部から離間するので、浮体25が上昇して漏斗状部24rの上端開口部に当接するまで、水貯留皿3に水タンク2内の水Wが補給されることになり、水貯留皿3の水位が所定の定水位になるように、水タンク2内の水Wが補給されるように構成されている。
【0055】
図示を省略するが、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを低温蒸し用の積み重ね形態で装置本体5に積み重ねて、低温蒸し調理のみを行う場合は、タンク2の連結部2cに補給筒24を直接連結する。
続いて、装置本体5に下側水受け皿12を積み重ね、更に、水補給筒24を下側水受け皿12の挿通筒12eに挿通する姿勢で、水タンク2を下側水受け皿12に積み重ねる。
この状態では、水補給筒24の漏斗状部24rの下端が水貯留皿3の底面と間隔を隔てる状態となるように、水補給筒24の長さが設定されている。
そして、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを高低温蒸し併行用の積み重ね形態で装置本体5に積み重ねる場合と同様に、水貯留皿3及び水タンク2に水Wを貯留する。
続いて、上側水受け皿13、下側蒸し容器1B、上側蒸し容器1Aを順に水タンク2に積み重ねた後、蓋体6を上側蒸し容器1Aに積み重ねて、上記の第1実施形態と同様に、操作スイッチ10を操作して蒸し調理を行うことになる。
図示を省略するが、高温蒸し調理のみを行う場合は、上記の第1実施形態と同様に、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを高温蒸し用の積み重ね形態で装置本体5に積み重ねて、操作スイッチ10を操作することになる。
【0056】
〔第3実施形態〕
以下、図10に基づいて、第3実施形態を説明する。
尚、この第3実施形態においても、複数の蒸し容器1の装置本体5への積み重ね形態としては、上記の第1実施形態と同様に、高低温蒸し併行用の積み重ね形態と低温蒸し用の積み重ね形態と高温蒸し用の積み重ね形態とを選択可能に構成されているが、図10にて、高低温蒸し併行用の積み重ね形態を図示して、低温蒸し用の積み重ね形態及び高温蒸し用の積み重ね形態夫々の図示を省略する。
この第3実施形態では、水タンク2は、第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0057】
水補給部Mは、第1実施形態と同様の延長筒19と、水貯留皿3の底面に立設され且つ周壁にその上端から下方側に延びる細長状のスリット27hを有する円筒状の本体側通水筒27と、上端に延長筒19の下端の雄ネジ部(図示省略)及び水タンク2の連結部2cの雄ネジ部(図示省略)のいずれにも螺合可能な雌ネジ部(図示省略)を有し、且つ、下端に本体側通水筒27の上端部に被せることが可能な大径部28xを有する円筒状のタンク側通水筒28と、本体側通水筒27内に保持されて、タンク側通水筒28の大径部28xの上端開口部を開閉可能なボール状の浮体29とを備えて構成されている。もちろん、浮体29は水に浮くように構成されている。ちなみに、水貯留皿3は、本体側通水筒27を一体的に備えるように成形加工されている。
【0058】
次に、水タンク2に水を貯留する手順について、説明する。
上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを高低温蒸し併行用の積み重ね形態で装置本体5に積み重ねる場合は、タンク2の連結部2cに延長筒19を連結し、タンク側通水筒28を延長筒19の下端に連結する。
先ず、装置本体5に下側水受け皿12を積み重ねて、更に、その下側水受け皿12に下側蒸し容器1Bを積み重ねる。続いて、互いに連結されたタンク側通水筒28及び延長筒19を、下側蒸し容器1Bの挿通穴1w及び下側水受け皿12の挿通筒12eに挿通して、大径部28xを本体側通水筒27の上端部に被せた姿勢で、水タンク2を下側蒸し容器1Bに積み重ねる。この状態は、図10において、上側水受け皿13、上側蒸し容器1A及び蓋体6を削除した状態に相当する。
この状態では、タンク側通水筒28の大径部28xが本体側通水筒27の上端部に被さる状態となるように、タンク側通水筒28及び延長筒19の長さが設定されている。
そして、水タンク2の上部開口2oから水Wを注ぎ入れると、水Wは延長筒19、タンク側通水筒28を流下し、更に、本体側通水筒27のスリット27hから流出して、水貯留皿3に溜まって、水貯留皿3の水位が徐々に高くなる。水貯留皿3の水位が高くなるに伴って浮体29が上昇し、やがて、タンク側通水筒28の大径部28xの上端開口部に当接してその上端開口部が閉じられる。浮体29により大径部28xの上端開口部が閉じられると、タンク側通水筒28から水Wが流出しなくなるので、水タンク2内に水Wが貯留される。
【0059】
水タンク2内に所定の水位で水Wが貯留されると、上側水受け皿13、上側蒸し容器1Aを順に水タンク2に積み重ねた後、蓋体6を上側蒸し容器1Aに積み重ねて、上記の第1実施形態と同様に、操作スイッチ10を操作して、蒸し調理を行うことになる。
蒸し調理の進行に伴って水貯留皿3の水位が低下すると、浮体29が下がって大径部28xの上端開口部から離間するので、浮体29が上昇して大径部28xの上端開口部に当接するまで、水貯留皿3に水タンク2内の水Wが補給されることになり、水貯留皿3の水位が所定の定水位になるように、水タンク2内の水Wが補給されるように構成されている。
【0060】
図示を省略するが、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを低温蒸し用の積み重ね形態で装置本体5に積み重ねて、低温蒸し調理のみを行う場合は、タンク2の連結部2cにタンク側通水筒28を直接連結する。
続いて、装置本体5に下側水受け皿12を積み重ね、更に、タンク側通水筒28を下側蒸し容器1Bの挿通穴1wに挿通して、大径部28xを本体側通水筒27の上端部に被せた姿勢で、水タンク2を下側水受け皿12に積み重ねる。
この状態では、タンク側通水筒28の大径部28xが本体側通水筒27の上端部に被さる状態となるように、タンク側通水筒28の長さが設定されている。
そして、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを高低温蒸し併行用の積み重ね形態で装置本体5に積み重ねる場合と同様に、水貯留皿3及び水タンク2に水Wを貯留する。
続いて、上側水受け皿13、下側蒸し容器1B、上側蒸し容器1Aを順に水タンク2に積み重ねた後、蓋体6を上側蒸し容器1Aに積み重ねて、上記の第1実施形態と同様に、操作スイッチ10を操作して蒸し調理を行うことになる。
図示を省略するが、高温蒸し調理のみを行う場合は、上記の第1実施形態と同様に、上側蒸し容器1A及び下側蒸し容器1Bを高温蒸し用の積み重ね形態で装置本体5に積み重ねて、操作スイッチ10を操作することになる。
【0061】
〔別実施形態〕
(A) 上記の各実施形態では、複数の蒸し容器1の装置本体5への積み重ね形態として、高低温蒸し併行用の積み重ね形態と低温蒸し用の積み重ね形態と高温蒸し用の積み重ね形態とを選択可能なように構成したが、高低温蒸し併行用の積み重ね形態に加えて、低温蒸し用の積み重ね形態及び高温蒸し用の積み重ね形態のうちのいずれか一つを選択可能に構成しても良いし、高低温蒸し併行用の積み重ね形態のみが可能なように構成しても良い。
【0062】
(B) 水タンク2の形状は、上記の各実施形態において例示した形状に限定されるものではない。例えば、平面視で概ね馬蹄形になるように構成して、その馬蹄形の水タンク2の凹部を蒸気通過部2pとして機能させるように構成しても良い。あるいは、上下方向に貫通する穴を複数個備えた形状に構成して、それら複数個の穴を蒸気通過部2pとして機能させるように構成しても良い。
蒸気通過部2pを流動する蒸気Sと水タンク2内の水Wとの熱交換を向上させるために、水タンク2において蒸気通過部2pに面する面を形成する壁部を例えば波板状に構成して、熱交換面積を増大させても良い。
あるいは、水タンク2において蒸気通過部2pに面する面を形成する壁部に、蒸気通過部2pに突出する複数のフィンを設けても良い。
尚、水タンク2を構成する材料としては、上記の各実施形態において例示したポリカーボネイトに限定されるものではなく、アルミ、耐熱性のガラス、耐熱性の樹脂(例えばABS)等、種々の材料を適用することができる。但し、水タンク2の下側及び穴2hを通過する蒸気Sと内部の水Wとの伝熱を十分に行わせるために、熱伝導率の高い材料を採用するのが好ましい。
又、水タンク2を、耐熱性のガラス又は樹脂を用いて透明状に構成すると、内部に貯留されている水Wの水位を視認できるので使い勝手が良い。
【0063】
(C) 上記の各実施形態に設けた水補給部Mを省略して、水タンク2の水を水貯留皿3に補給しないように構成しても良い。
【0064】
(D) 装置本体5において、水貯留部の水を加熱手段にて加熱して蒸気放出口3sから蒸気Sを上方に放出させる構成は、上記の各実施形態において例示した構成に限定されるものではない。例えば、水貯留部に貯留される水Wを管路で加熱手段に供給して加熱し、その加熱により発生する蒸気Sを管路で導いてその管路の上向きの先端開口から放出するように構成して、その管路の上向きの先端開口を蒸気放出口3sとして機能させるように構成しても良い。
【0065】
(E) 上記の各実施形態において設けた下側水受け皿12及び上側水受け皿13のいずれか一方、あるいは、両方を省略しても良い。
【0066】
(F) 蒸し容器1の形状は、上記の各実施形態で例示した形状に限定されるものではない。例えば、平面視で矩形状や楕円状となる形状でも良い。
又、蒸し容器1の個数は、上記の各実施形態で例示した2個に限定されるものではなく、3個以上でも良い。
【0067】
(G) 水貯留部の具体的な構成は、上記の各実施形態にて例示した構成、即ち、装置本体5に着脱自在な水貯留皿3に限定されるものではない。例えば、装置本体5に、皿状の凹状部を設け、この凹状部と電気ヒータ4との間をシール部材を用いてシールした状態とし、その皿状の凹状部を水貯留部として構成するようにしても良い。
【0068】
(H) 加熱手段の具体構成は、上記の各実施形態で例示した電気ヒータ4に限定されるものではなく、例えば電磁誘導コイルでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上説明したように、必要に応じて高温蒸し調理及び低温蒸し調理を適切に行うことができる蒸し調理装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 蒸し容器
1h 蒸気通過孔
2 水タンク
2h 穴
2p 蒸気通過部
3 水貯留皿(水貯留部)
3s 蒸気放出口
4 電気ヒータ(加熱手段)
5 装置本体
6 蓋体
13 上側水受け皿(蒸気放散体)
13g 膨出部
13h 通気孔
G 被調理物
M 水補給部(水補給手段)
S 蒸気
V 蒸気排出部
W 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水貯留部に貯留された水を加熱する加熱手段を有して、発生した蒸気を蒸気放出口から上方に放出させる装置本体と、
上部が開口し且つ底部に複数の蒸気通過孔を有して、被調理物を収容する複数の蒸し容器と、
積み重ねられた状態にある前記複数の蒸し容器のうち、最上部の蒸し容器の開口を閉じる蓋体と、
上下方向に貫通する蒸気通過部を有し、当該蒸気通過部を通過する蒸気と内部に収容された水との熱交換が可能な水タンクとを備え、
前記複数の蒸し容器が、当該複数の蒸し容器の上下間に前記水タンクを介装した状態で、前記装置本体における前記蒸気放出口の上方に積み重ね可能に構成されている蒸し調理装置。
【請求項2】
前記水タンクが、前記蒸気通過部を前記蒸気放出口の上方に位置させた状態で、前記装置本体に積み重ね可能に構成され、
前記複数の蒸し容器の前記装置本体への積み重ね形態として、
前記複数の蒸し容器を、当該複数の蒸し容器の上下間に前記水タンクを介装した状態で、前記装置本体に積み重ねる高低温蒸し併行用の積み重ね形態と、前記水タンクを前記装置本体に積み重ね、その水タンクに前記複数の蒸し容器を積み重ねる低温蒸し用の積み重ね形態とを選択可能に構成されている請求項1に記載の蒸し調理装置。
【請求項3】
前記積み重ね形態として、
前記高低温蒸し併行用の積み重ね形態と、前記低温蒸し用の積み重ね形態と、上下間に前記水タンクを介装することなく、前記複数の蒸し容器を前記装置本体に積み重ねる高温蒸し用の積み重ね形態とを選択可能に構成されている請求項2に記載の蒸し調理装置。
【請求項4】
前記水タンクの水を前記水貯留部に、当該水貯留部内の水位が定水位となるように補給可能な水補給手段が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸し調理装置。
【請求項5】
前記蓋体に、蒸気を外部に排出可能で且つその排出量を調節可能な蒸気排出部が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の蒸し調理装置。
【請求項6】
前記水タンクが平面視で環状に構成されて、その環状の水タンクにおける上下方向に貫通する穴を前記蒸気通過部として機能させるように構成され、
上方に膨出すると共に複数の通気孔が形成された膨出部を有する蒸気放散体が、前記膨出部を前記環状の水タンクの穴に被せた状態で、前記環状の水タンクに載置されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の蒸し調理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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