説明

蓋付き容器

【課題】ウェットティシュの包装体を収容する容器本体と、必要に応じて簡単かつ容易に,複数の機能を持たせることができる蓋付き容器を提供する。
【解決手段】開閉蓋1に特定の機能を持たせるとともに,開閉蓋1を収容容器に対して着脱可能に嵌着することにより,例えば様々な機能を有する開閉蓋1を適宜交換することができるようになり,収容容器に複数の機能を持たせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,例えばウェットティシュの包装体を収容する容器本体と,容器本体に対して開閉自在に取り付けられた開閉蓋を備える蓋付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットティシュの包装体のような収容物を収容する容器には,容器本体の上部に収容物の取出口が設けられ,この取出し口を開閉するための開閉蓋が取り付けられている。そして,開閉蓋を開くことにより,容器本体の取出口から,ウェットティシュを取り出すことができるようになっている(特許文献1)。
【0003】
また,このような容器においては,単にウェットティシュ等の包装体を収容するだけでなく,容器の内側に使い捨て懐炉が出し入れできるようになっており,必要に応じて,使い捨て懐炉の蓄熱によってウェットティシュを温めることができる保温機能を有する容器も提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−116199号公報
【特許文献2】特開2001−190443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,このような収容容器においては,例えばウェットティシュを温めるという機能以外にも様々なニーズがある。例えば,暗所において容器からウェットティシュを取り出して使用する場合,取出し口付近が照光されれば,手元が明るくなり大変便利である。
【0006】
また,収容容器やその収容物は,様々な用途や環境で使用されることが想定されるため,使用される用途や環境に応じて,容器に最適な機能を持たせたいというニーズもある。
【0007】
このように,現在では,必要に応じて,簡単かつ容易に,複数の機能を持たせることができる収容容器が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで,本発明の発明者は,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,開閉蓋に特定の機能を持たせるとともに,開閉蓋を収容容器に対して着脱可能に嵌着することにより,例えば様々な機能を有する開閉蓋を適宜交換することができるようになり,収容容器に複数の機能を持たせることができるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に本発明は,以下の構成を有する。
【0009】
本発明は,開閉蓋1と,収容物を収容し開閉蓋1が開閉自在に取り付けられる容器本体2を備えた蓋付き容器100に関する。
そして,容器本体2には,容器本体2内に収容されている収容物が取り出される取出口24が形成されている。開閉蓋1は,容器本体2に対して着脱自在に嵌着されるとともに,閉じた状態において取出口24を密閉するものである。また,開閉蓋1は,開閉蓋1が閉じた状態において,取出口24に対向する面である内面,又は内面とは反対側の面である外面に第1の機能を有する第1の機能部13を備える。
【0010】
また,本発明においては,開閉蓋1は,取出口24に対向する面である内面に第1の機能を有する第1の機能部13を備えるとともに,開閉蓋1の内面とは反対側の面である外面に,第1の機能とは異なる第2の機能を有する第2の機能部14を備えることとしてもよい。
【0011】
第1の機能部13は,例えば,外部を照らすための照明機能,容器本体2に収容される収容物を温めるための保温機能,容器本体2に収容される収容物を冷やすための保冷機能,時刻を表示するための時刻表示機能,又は他の収容物を収容する収容機能を有している。また,第2の機能部14は,例えば,照明機能,保温機能,保冷機能,時刻表示機能,又は収容機能のうちの一つであって,第1の機能とは異なる機能を有していることとしてもよい。
【0012】
このように,開閉蓋1の内面若しくは外面,又はその両方に,特定の機能が設けられていることにより,容器やその収容物は使用される用途や環境に応じた最適な機能を持たせることができる。
【0013】
また,容器本体2から開閉蓋1が取り外され,開閉蓋1に代えて,換装用開閉蓋3が容器本体2に対して着脱自在に嵌着され,換装用開閉蓋3は,換装用開閉蓋3が閉じた状態において,取出口24に対向する面である内面に第3の機能を有する第3の機能部33を備えるとともに,内面とは反対側の面である外面に,第3の機能とは異なる第4の機能を有する第4の機能部34を備えることとしてもよい。本発明においては,容器本体2から開閉蓋1が取り外され,換装用開閉蓋3に交換されることを想定し,容器本体2と開閉蓋1,及び容器本体2と換装用開閉蓋3は,着脱可能に嵌着されている。
【0014】
この場合には,換装用開閉蓋3は,取出口24に対向する面である内面に第3の機能を有する第3の機能部33を備え,内面とは反対側の面である外面に,第3の機能とは異なる第3の機能を有する第4の機能部34を備えることが好ましい。
【0015】
また,換装用開閉蓋3における第3の機能部33の第3の機能は,例えば,照明機能,保温機能,保冷機能,時刻表示機能,又は収容機能であって,開閉蓋1の第1の機能及び第2の機能とは異なる機能であることが好ましい。
さらに,換装用開閉蓋3における第4の機能部34の第4の機能部34は,例えば,照明機能,保温機能,保冷機能,時刻表示機能,又は収容機能のうちの一つであって,開閉蓋1の第1の機能と前記第2の機能,及び換装用開閉蓋3における第3の機能とは異なる機能を有していることが好ましい。
【0016】
このように,本発明にかかる蓋付き容器100は,容器本体2に取り付けられている開閉1を,換装用開閉蓋3に取り換えることができる。また,容器本体2に取り付け可能な開閉蓋1と換装用開閉蓋3に設けられている機能は,それぞれ異なるものであるため,蓋付き容器100に対して,簡単かつ容易に,複数の機能を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は,本発明の実施形態に係る蓋付き容器の外観の例を示す斜視図である。図1(a)は開閉蓋が取り外された状態を示し,図1(b)は取り付けられた開閉蓋が開いた状態を示しており,図1(c)は取り付けられた開閉蓋が閉じた状態を示している。
【図2】図2は,開閉蓋が容器本体に着脱される着脱機構の例を概念的に示した概略図であり,特に,開閉蓋が容器本体から取り外された状態を示している。
【図3】図3は,開閉蓋が容器本体に着脱される着脱機構の例を概念的に示した概略図であり,特に,開閉蓋が容器本体に取り付けられた状態を示している。
【図4】図4は,開閉蓋が容器本体に着脱される着脱機構の例を概念的に示した概略図であり,特に,開閉蓋が容器本体から取り外される経過の状態を示している。
【図5】図5は,本発明の好ましい形態を示しており,蓋付き容器の外観の例を示す斜視図である。図5(a)は取り付けられた開閉蓋が開いた状態を示しており,図5(b)は取り付けられた開閉蓋が閉じた状態を示している。
【図6】図6は,本発明の好ましい形態を示しており,蓋付き容器の外観の例を示す斜視図である。図6(a)は取り付けられた開閉蓋が開いた状態を示しており,図6(b)は取り付けられた開閉蓋が閉じた状態を示している。
【図7】図7は,本発明の好ましい形態を示す斜視図であり,開閉蓋が換装用開閉蓋に取り換えられる様子を示している。
【図8】図8は,本発明の実施形態に係る蓋付き容器の外観の例を示す斜視図である。図8(a)は開閉蓋が取り外された状態を示し,図8(b)は取り付けられた開閉蓋が開いた状態を示しており,図8(c)は取り付けられた開閉蓋が閉じた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。例えば,以下の説明においては,主に,ウェットティシュが包装された包装体を収容する蓋付き容器について説明するが,本発明に係る蓋付き容器の収容物はこれに限定されるものではなく,容器に収容され使用に際して取り出されるあらゆる収容物が含まれる。
【0019】
図1は,本発明の実施形態に係る蓋付き容器100の外観の例を示す斜視図である。また,図1(a)は開閉蓋1が取り外された状態を示し,図1(b)は開閉蓋1が取り付けられ開閉蓋1が開いた状態を示しており,図1(c)は開閉蓋1が閉じた状態を示している。実施形態に係る蓋付き容器100は,図1に示されるように,開閉蓋1と,容器本体2とを基本構成としている。開閉蓋1と容器本体2は,例えば樹脂の成形品にて形成されている。また,蓋付き容器100は,着脱機構を備えており,開閉蓋1が,容器本体2に対して着脱自在となっている。
【0020】
開閉蓋1は,蓋本体15の一端部に,容器本体2と連結するための連結部10が形成されている。図1に示す例において,連結部10は,平板状で略矩形状に形成された蓋本体15の長辺の一方に形成され,その左右の両端には突起部が突設されている。
【0021】
一方,容器本体2は,図1に示されるように,例えば収容物としてのウェットティシュの包装体が載置されるトレー部25と,収容物を覆うようにトレー25に取り付けられるカバー部26を有している。例えば,トレー部25には,収容物が載置される側の面である上面の外周全体にわたって溝が形成されており,トレー部25の溝に,カバー部26の下端が差し込まれることにより,トレー部25とカバー部26とが係合するようになっている。
【0022】
また,容器本体2のカバー部26は,開閉蓋1が取り付けられる側の面である上面の中頃が容器本体2の内方に窪んでおり,この窪みによって,開閉蓋1を連結するための連結凹部20と,開閉蓋1の蓋本体15が収納される蓋収納凹部27が形成されている。連結凹部20は,開閉蓋1の連結部10の突起部が嵌り込む位置に,孔部が形成されており,この連結部凹部20の孔部と,連結部10の突起部によって,着脱機構を形成する。着脱機構については,後述する。また,蓋収納凹部27は,開閉蓋1が閉じた状態において,開閉蓋1との間に隙間が生じないように,開閉蓋1と略同一の形状に窪んでいることが好ましい。
【0023】
容器本体2のカバー部26の上面に形成された蓋収納凹部27には,その中央に,例えばウェットティシュを取り出すための取出口24が形成されている。取出口24は,カバー部26を貫通して形成されており,取出口24を通して,カバー部26によって覆われている収容物を取り出すことができる。図1に示す例においては,取出口24は,カバー部26の長手方向に延びたひょうたん型に形成されている。取出口24の形状は,例えば,正円形,楕円形,正方形,長方形,星型,砂時計型,その他多角形としてもよい。開閉蓋1が閉じられると,取出口24が塞がれ,取出口24が密閉される。このため,容器本体2内の気密性を保つことができ,容器本体2内にウェットティシュ等の湿潤した収容物が配されている場合でも,その乾燥を防ぐことができる。
【0024】
また,開閉蓋1と容器本体2には,開閉蓋1が閉じたロック状態を維持し,必要な場合に,ロック状態を解除するためのロック機構が設けられていてもよい。ロック機構は,例えば,開閉蓋1の連結部10とは他端の端部に設けられた係止爪部16と,開閉蓋1が閉じられた状態において係止爪部16の位置と対応する容器本体2の位置に設けられた解除レバー28から形成される。解除レバー28には,係止孔部が形成されており,開閉蓋1が閉じられると,係止孔部に係止爪部16が係合されるようになっている。そして,解除レバー28を下方へ押し下げると,係止爪部16と係止孔部の係合状態が解除される。
【0025】
また,図1(a)から図1(c)に示されているように,容器本体2の上面に板ゴム29の一端を取り付け,開閉蓋1の内面の下端部に板ゴム29の他端を差込み収納するための収納部17を設けることとしてもよい。開閉蓋1の収納部17には,開閉蓋1を容器本体2に嵌着するに際して,板ゴム29が差し込み収納される。開閉蓋1が容器本体2に取り付けられ,開閉蓋1が閉じた状態になると,板ゴム29は湾曲する。そして,上述した解除レバー28が下方へ押し下げられ,係止爪部16と係止孔部の係合状態が解除されと,湾曲していた板ゴム29は復元し,開閉蓋1を開く方向に向って付勢する。このような板ゴム29の付勢力を利用して,開閉蓋1が開かれることしてもよい。板ゴム29とは,例えばシリコンゴムで形成すればよい。
【0026】
図2から図4は,開閉蓋1が容器本体2に着脱される着脱機構の例を概念的に示した概略図である。図2は,開閉蓋1が容器本体2から取り外された状態を示し,図3は,開閉蓋1が容器本体2に取り付けられた状態を示しており,図4は,開閉蓋1が容器本体2から取り外される経過の状態を示している。なお,図2から図4においては,着脱機構の構造を分り易く示すために,容器本体2については,開口蓋1の連結部10が連結される連結凹部20のみを概念的に抽出して描画している。このため,後述する支持切欠部21,ガイド孔22,及びガイド切欠部23は,図2から図4において容器本体2の連結凹部20の側壁を貫通するように描画されているが,これらは連結凹部20の側壁を貫通しない溝として形成されていることが好ましい。
【0027】
図2に示されるように,開口蓋1の一端には連結部10が形成されており,この連結部10の左右両端側の側面からは,容器本体2側に向かって突起する一対の軸突起部11が突設されている。一対の軸突起部11は,連結部10の左右両端側に一直線上に存在しており,相互に逆向きに突設している。一対の軸突起部11が存在する一直線は,開口蓋1が容器本体2に対する開閉動作する際の回転軸となる。また,一対の軸突起部11のそれぞれは,円形の上面と周側面が形成された略円柱形状である。
【0028】
また,図2に示されるように,連結部10の左右両端側の側面からは,軸突起部11が突設した位置から所定距離ずれた位置に,容器本体2側に向かって突起する一対のガイド突起部12が突設されている。一対のガイド突起部12も,連結部10の左右両端側に一直線上に存在しており,相互に逆向きに突設している。ガイド突起部12は,例えば,開閉蓋1の連結部10が形成された一端とは反対の他端の方向(図2中上方向)に向かって,0.5mm〜2mm,又は1mm〜1.5mmずれた位置に形成されている。また,一対のガイド突起部12のそれぞれは,点である頂点と頂点から外方に膨らんで円弧状に湾曲している側面を有する略半球形(ドーム形)であることが好ましい。また,略半球形に形成されたガイド突起部12の底面から頂点までの高さは,軸突起部11の天面から上面までの高さと,同一又は略同一であることとしてもよいし,軸突起部11の天面から上面までの高さより高いものであってもよい。
【0029】
一方,図2に示されるように,容器本体2には,開閉蓋1の連結部10が嵌め込まれる連結凹部20が形成されている。連結凹部20は,開閉蓋1の連結部10と略同一の長さで形成されている。連結凹部20の左右の側壁には,一部が開放された切り欠きとして,一対の支持切欠部21が形成されている。一対の支持切欠部21には,それぞれ,開閉蓋1の連結部10に突設された軸突起部11が差し込まれ,軸突起部11が回転できるように支持する。支持切欠部21は,閉鎖された側の一端に,支持突起部11の周側面が当接することにより支持突起部11を支えるため,支持切欠部21の閉鎖された一端側は,支持突起部11の周側面に合せて円弧状となっている。また,支持切欠部21の溝幅寸法は,略円柱形である軸突起部11の直径寸法と略同一となっていることが好ましい。また,支持切欠部21の開放された一端側は,溝幅が幅広となっていることが好ましい。例えば,支持切欠部21の開放された一端側は,略円柱形である軸突起部11の直径よりも広くなっていることが好ましい。これにより,軸突起部11が支持切欠部21に容易に差し込まれるとともに軸突起部11が支持切欠部21から容易に抜き出されるようになっている。
【0030】
また,支持切欠部21に軸突起部11が支持された状態で開閉蓋1が開閉する際に,開閉蓋1の連結部10に突設された一対のガイド突起部12が回動する軌道に対応する位置には,閉鎖された孔部である一対のガイド孔22が形成されている。従って,ガイド孔22は,図2に示されるように,支持切欠部21の周縁に沿って湾曲した形状に形成されている。ガイド孔22は,全周囲が閉じられており,容器本体2の底面側が下端となり,容器本体2の上面側が上端となる。ガイド孔22は,後述するように,開閉蓋1の開閉範囲を規定する機能(特に,開閉蓋1の最大開閉可能角度を規定する機能)を有する。ガイド孔22の下端は,開閉蓋1を最大で閉じることができる角度を規定しており,開閉蓋1が容器本体2に対して閉じた状態の角度が,0度となることが好ましい。また,ガイド孔22の上端は,開閉蓋1を最大で開くことができる角度を規定している。開閉蓋1を最大で開くことができる角度は,例えば,50度〜150度,60度〜140度,70度〜130度,好ましくは,90度〜110度であることが好ましい。このように,ガイド孔22については,開閉蓋1の最大開閉可能角度が上述した範囲内となるよう,下端から上端までの長さを調整することが好ましい。また,ガイド孔22の溝幅寸法は,開閉蓋1の連結部10に突設されたガイド突起部12の直径寸法と略同一であることが好ましい。
【0031】
また,ガイド孔22から,支持切欠部21の開放端方向に向かう延長線上には,一部が開放された切り欠きである一対のガイド切欠部23が形成されている。ガイド切欠部23は,開閉蓋1が取り付けられるに際して,開閉蓋1の連結部10に突設された一対のガイド突起部12の導入口となり,一方,開閉蓋1が取り外されるに際して,ガイド突起部12の導出口となる。図2に示されるように,ガイド切欠部23は,支持切欠部21の上方に形成されており,また,切り欠きの長さが,支持切欠部21よりも短くなっている。図2に示す例において,ガイド切欠部23は,ガイド孔22の一端部に向かって,支持切欠部21の切欠部と平行な略一直線上に形成された切り欠きとなっている。そして,軸突起部11が支持切欠部21に差し込まれると同時に,ガイド突起部12がガイド切欠部23に差し込まれ,軸突起部11が支持切欠部21から抜き出されると同時に,ガイド突起部12がガイド切欠部23に抜き出されるようになっている。ただし,ガイド切欠部23は,支持切欠部21に軸突起部11が支持された状態で開閉蓋1が開閉する際に,開閉蓋1の連結部10に突設された一対のガイド突起部12が回動する軌道に沿って湾曲した形状となっていてもよい。また,ガイド切欠部23の溝幅寸法は,開閉蓋1の連結部10に突設されたガイド突起部12の直径寸法と略同一となっていることが好ましい。
【0032】
このように,蓋付き容器100における開閉蓋1の着脱機構は,基本的には,軸突起部11,ガイド突起部12,支持切欠部21,ガイド孔22,及びガイド切欠部23によって構成される。
【0033】
次に,図2から図4を用いて,開閉蓋1の着脱動作について説明する。
開閉蓋1は,図2に示す取り外された状態から,図2中の破線で示した矢印に従って,軸突起部11とガイド突起部12を,それぞれ,支持切欠部21とガイド切欠部23に差し込む。すると,軸突起部11は,支持切欠部21の閉鎖された端部に当接し,これと同時に支持切欠部21によって回転可能に支持される。また,ガイド突起部12も,ガイド切欠部23の閉鎖された端部に当接する。ここで,軸突起部11が支持切欠部21の閉鎖された端部に当接した状態で,軸突起部11を軸として,開閉蓋1を閉じる方向に圧力を加えて回動すると,容器本体2の連結凹部20の側壁(特に,ガイド切欠部23とガイド孔22の間の部分)が弾性変形し,ガイド突起部12が,ガイド切欠部23からガイド孔22に移行して嵌合する。
【0034】
図3は,ガイド突起部12がガイド孔22に嵌合した状態であり,この状態では,軸突起部11が支持切欠部21からの抜き出しも阻止される。すなわち,開閉蓋1が容器本体2に取り付けられた状態を示している。この状態において,開閉蓋1は,一対の支持切欠部21に差し込まれた一対の軸突起部11を軸として,容器本体2に対して開閉自在となっている。また,開閉蓋1が開閉するに際し,ガイド突起部12は,ガイド孔22内をスライドする。ガイド孔22は,開閉蓋1の開閉範囲を規定する機能(特に,開閉蓋1の最大開閉可能角度を規定する機能)を有している。つまり,ガイド突起部12がスライドできる範囲は,ガイド孔22によって規定されており,開閉蓋1は,ガイド突起部12がガイド孔22の下端から上端までスライド可能な範囲内において,開閉できるようになっている。また,開閉蓋1のガイド突起部12が,容器本体2のガイド孔22に嵌合されているため,比較的大きな外力を加えない限り,開閉蓋1が容器本体2から脱落しないようになっている。
【0035】
図4は,開閉蓋1が,ガイド孔22が規定する最大開閉可能範囲を越えて,開かれた状態であり,ガイド突起部12がガイド孔22の上端からガイド切欠部23へ移行した状態を示している。つまり,図3に示す状態から,さらに開閉蓋1を開く方向に圧力を加えると,容器本体2の連結凹部20の側壁(特に,ガイド切欠部23とガイド孔22の間の部分)が弾性変形し,ガイド突起部12がガイド孔22の上端からガイド切欠部23へ移行する。ガイド突起部12がガイド孔22からガイド切欠部23へ移行すると,ガイド突起部12がガイド孔22から抜き出し可能となるとともに,軸突起部11が支持切欠部21から抜き出し可能となる。そして,ガイド突起部12及び軸突起部11がガイド孔22及び支持切欠部21から抜き出される方向に開閉蓋1を引き出せば,ガイド突起部12及び軸突起部11がガイド孔22及び支持切欠部21から離脱して開閉蓋1が容器本体2から取り外れるようになっている。このように,本発明に係る蓋付き容器100では,開閉蓋1が,容器本体2から,簡単かつ容易に脱着できるようになっている。
【0036】
本発明において,開閉蓋1は,内面又は外面に,第1の機能を有する第1の機能部13を備えている。ここで,開閉蓋1の内面とは,開閉蓋1が容器本体2に取り付けられ,開閉蓋1が閉じた状態において,容器本体2の取出口24に対向する面である。また,開閉蓋1の外面とは,内面とは反対側の面であり,開閉蓋1が容器本体2に取り付けられ,開閉蓋1が閉じた状態において,蓋付き容器100の上面にあたる面を意味する。
【0037】
また,開閉蓋1には,その内面に,第1の機能を有する第1の機能部13を備え,その外面に第2の機能を有する第2の機能部14を備えることとしてもよい。ここで,第1の機能と第2の機能は同一の機能であってもよいが,異なる機能であることが好ましい。ここにいう,機能とは,例えば,外部を照らすための照明機能,容器本体2に収容される収容物を温めるための保温機能,容器本体2に収容される収容物を冷やすための保冷機能,時刻を表示するための時刻表示機能,又は他の収容物を収容する収容機能が考えられる。
【0038】
図5(a)には,第1の機能として照明機能を有する第1の機能部13が,開閉蓋1の内面に形成された例を示している。照明機能は,外部を照らすための機能である。図5に示す例においては,照明機能を有する第1の機能部13が,開閉蓋1の内面に形成されているため,第1の機能部13によって,容器本体2の上面に形成された取出口24を照らすことができる。照明機能を有する第1の機能部13は,例えば発光ダイオード(LED)のような発光部材が,開閉蓋1の内部に備え付けられることにより形成されている。
【0039】
また,発光部材が発光する際に電力を要する場合には,例えば,電池等の電源と,電源から発光部材に電力を供給すするための導線も併せて開閉蓋1の内部に備え付けることとしてもよいし,容器本体2に電源を備え,導電性材料や導線を介して開閉蓋1の発光部材に電力を供給することとしてもよい。容器本体2が電源を備える場合には,容器本体2と開閉蓋1との連結部を介して開閉蓋1の発光部材に電力を供給することが好ましい。例えば,容器本体2の連結凹部20の側壁及び軸突起部11に接続端子をインサート成形する等して容器本体2への開閉蓋1の嵌着部を介して開閉蓋1の発光部材に電力を供給するようにしてもよい。また,容器本体2に取り付けられた板ゴム29を導電性材料で形成したり,板ゴム29内に導線を配したりすることにより,開閉蓋1が嵌着される際,板ゴム29が開閉蓋1の収納部17に差し込み収納されることを利用して,開閉蓋1の発光部材に電力を供給するようにしてもよい。
【0040】
また,開閉蓋1が開かれたことを契機として,発光部材が発光することとしてもよい。例えば,開閉蓋1の係止爪部16が,容器本体2の解除レバー28に形成された係止孔部に係合された状態のときに,発光部材に電力を供給するための回路を切断する回路切断手段が設けられており,解除レバー28が押下され,係止爪部16が係止孔部から開放されたときに,再び回路が接続され,発光部材に電力が供給されることにより,発光部材を発光させることとすればよい。
【0041】
その他,照明機能としては公知の構成を採用することができる。例えば,発光部材として,蓄光が可能な蛍光塗料を採用することもでき,開閉蓋1に蛍光塗料を塗布することにより暗所において発光させることとしてもよい。
【0042】
図5(b)は,第2の機能として時刻表示機能を有する第2の機能部14が,開閉蓋1の外面に形成された例を示している。図5(b)に示す例では,時刻表示機能を有する第2の機能部14は,デジタル時計である。時刻表示機能は,その他,例えばアナログ時計を採用することとしてもよい。時刻表示機能を有する第2の機能部14が,電力を要する場合,例えば,開閉蓋1の内面に備えられた照明機能を有する第1の機能部13の発光部材に対して電力を供給している電源を利用することとしてもよい。このように,照明機能を有する第1の機能部13と時刻表示機能を有する第2の機能部14を,開閉蓋1の内面と外面のそれぞれに形成することにより,電源を統一することが可能である。
【0043】
このように,蓋付き容器100の開閉蓋1の内面に照明機能を有する第1の機能部13を設けることにより,例えば,夜間のような暗所で幼児の肌を拭く必要が生じた場合において,開閉蓋1を開くと取出口24が照らされるため,容器に収容されているウェットティシュを取り出し易くなるといった利便性があり,暗所におけるおむつ交換の負担を大幅に軽減することができる。また,開閉蓋1の外面に時刻が表示されるため,おむつの交換に際して,時間を確認することもでき,幼児の睡眠時間を確認して作るミルクの量を勘案したり,次のおむつ替え(授乳時間)の目安を知るための情報を得たりすることができる。
【0044】
図6(a)は,第1の機能として保温機能を有する第1の機能部13が,開閉蓋1の内面に形成された例を示している。保温機能を有する第1の機能部13は,例えば,使い捨て懐炉13aと,使い捨て懐炉13aを開閉蓋1の内面に保持するメッシュシート13bと,メッシュシート13bの四隅を開閉蓋1の内面に固定する固定手段13c(例えば,ビスやネジ)を含む。使い捨て懐炉13aは,メッシュシート13の四辺のいずれからでも出し入れすることができるようになっている。メッシュシートは,例えば,伸縮可能な弾性伸縮部材によって形成されており,伸長状態のまま固定手段13cによって四隅が開閉蓋1の内面に固定され,収縮力を利用して,使い捨て懐炉13aを開閉蓋1の内面に保持する。使い捨て懐炉13aとしては公知のものを採用することができる。
【0045】
図6(a)に示す例においては,使い捨て懐炉13aの代わりに,保冷剤を用いることとしてもよい。つまり,開閉蓋1の内面には,第1の機能として保冷機能を有する第1の機能部13が形成される。保冷剤としては公知のものを採用することができる。
【0046】
このように,開閉蓋1の内面に保温機能又は保冷機能を有する第1の機能部13を設けることにより,例えば,蓋付き容器100に収容されているウェットティシュの温度を,使用する環境や用途に応じて,適切な温度に保つことが可能である。
【0047】
図6(b)に示す例においては,第2の機能として収容機能を有する第2の機能部14が,開閉蓋1の外面に形成された例を示している。収容機能を有する第2の機能部14は,例えば,収容物を収容する収容部14aと,収容物を取り出すための開口部14bと,開口部14bを開閉する蓋部14cを含む。収容機能を有する第2の機能部14に収容される収容物としては,例えば,ウェットティシュや,ポケットティシュであってもよいし,その他,錠剤やカプセル剤であってもよい。図6(b)に示されるように,収容機能を有する第2の機能部14が,開閉蓋1の外面に形成された場合,蓋付き容器100の開閉蓋1と,第2の機能部14の蓋部14cとで,2重蓋となる。また,開閉蓋1を,中空構造とし,その内部に収容部を収容する収容部14aを形成することとしてもよい。
【0048】
図6に示されるように,開閉蓋1の内面に保冷機能又は保温機能を有する第1の機能部13を形成し,開閉蓋1の外部に収容機能を有する第2の機能部14を形成することにより,第1の機能部13による保温・保冷効果により,容器本体2に収容される収容物だけでなく,第2の機能部14に収容される収容物をも保温・保冷することができる。
【0049】
図7は,本発明のさらに好ましい形態を示しており,特定の機能が付与された開閉蓋1が取り外され,別の機能が付与された換装用開閉蓋3と取換え可能とした例を示している。図1に示されるように,開閉蓋1の内面には,第1の機能として照明機能を有する第1の機能部13が形成されている。また,開閉蓋1の外面には,例えば,第2の機能として時刻表示機能を有する第2の機能部14が形成されていても良い。そして,開閉蓋1と取り換えられる換装用開閉蓋3の内面には,第3の機能として保温機能(又は保冷機能)を有する第3の機能部33が形成されている。また,換装用開閉蓋3の外面には,第3の機能と異なる第4の機能,例えば,収容機能を有する第4の機能部34が形成されていてもよい。
【0050】
ここで,開閉蓋1の下端に形成された連結部10と換装用開閉蓋3の下端に形成された換装用連結部30は,同一の形状である。すなわち,換装用開閉蓋3の換装用連結部30には,開閉蓋1の連結部10に軸突起部11とガイド突起部12が突設された位置と同じ位置に,換装用軸突起部31と,換装用ガイド突起部32が突設している。これにより,換装用開閉蓋3は,開閉蓋1に代えて,容器本体2に着脱することが可能となっている。
【0051】
以上のとおり,本発明の実施形態においては,上述した構成を有しているが,上述した構成から当業者が自明な範囲で適宜修正することができる。例えば,第1の機能部13,第2の機能部14,第3の機能部33,及び第4の機能部34のそれぞれには,上述した例以外にも,例えば,照明機能,保温機能,保冷機能,時刻表示機能,又は収容機能から適宜選択した機能を持たせることができる。また,第1の機能部13,第2の機能部14,第3の機能部33,及び第4の機能部34が有する機能は,照明機能,保温機能,保冷機能,時刻表示機能,又は収容機能に限られるものではない。例えば,開閉蓋1若しくは換装用開閉蓋3の内面又は外面に,消臭剤や芳香剤を収納保持し,開閉蓋1に消臭機能や芳香機能を持たせることとしてもよい。
【0052】
また,開閉蓋1又は換装用開閉蓋3を容器本体2に対して着脱可能に嵌着する着脱機構は,上記機構に限らず,種々の機構を適用可能である。例えば,図8には,上記機構とは異なる着脱機構を有する蓋付き容器の例が示されている。具体的に説明すると,図8(a)に示されるように,開閉蓋1(又は換装用開閉蓋3)には,開閉蓋1の下端に設けられたヒンジ51を介して,連結片52が回動可能に連結されている。また,容器本体2の上面には,開閉蓋1の連結片52の長さ,幅,及び厚みに対応した係合孔53が形成されている。ここで,図8(b)に示されているように,開閉蓋1に設けられた連結片52を,容器本体2の係合孔53に差し込むことにより,開閉蓋1は容器本体2に着脱可能に嵌着される。また,開閉蓋1に設けられた連結片52はヒンジ51を基軸として回動可能であるため,図8(c)に示されるように,開閉蓋1は,容器本体2に対して開閉自在となっている。なお,容器本体2に電源を設けるとともに,連結片52に接続端子をインサート成形する等して設ければ,この場合にも容器本体2への開閉蓋1の嵌着部を介して開閉蓋1の発光部材に電力を供給することができる。
【0053】
また,例えば,上述したヒンジ51と連結片52に代えて,平板状の弾性部材を開閉蓋1の下端側に連結し,この平板状の弾性部材を,容器本体2に形成された係合孔53に差し込むことにより,開閉蓋1を容器本体2に着脱可能に嵌着することとしてもよい。これにより,係合孔53に差し込まれた弾性部材は,開閉蓋1を閉じた状態において湾曲し,開閉蓋1を開くに際して,弾性部材が開閉蓋1に対し開く方向への付勢力を与えるため,開閉蓋1を開きやすくなる。
また,平板状の弾性部材は,容器本体2が備えるものであってもよい。この場合には,開閉蓋1に平板状の弾性部材の長さ,幅,及び厚みに対応した係合孔を形成し,開閉蓋1に設けられた係合孔に,容器本体2に取り付けられた弾性部材を差し込むことにより,開閉蓋1を容器本体2に対して着脱可能に嵌着することとすればよい。
【符号の説明】
【0054】
1 開閉蓋
2 容器本体
3 換装用開閉蓋
10 連結部
11 軸突起部
12 ガイド突起部
13 第1の機能部
14 第2の機能部
15 蓋本体
16 係止爪部
17 収納部
20 連結凹部
21 支持切欠部
22 ガイド孔
23 ガイド切欠部
24 取出口
25 トレー部
26 カバー部
27 蓋収納凹部
28 解除レバー
29 板ゴム
30 換装用連結部
31 換装用軸突起部
32 換装用ガイド突起部
33 第3の機能部
34 第4の機能部
51 ヒンジ
52 連結片
53 係合孔
100 蓋付き容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉蓋(1)と,前記開閉蓋(1)が開閉自在に取り付けられる容器本体(2)を備えた蓋付き容器において,
前記容器本体(2)には,前記容器本体(2)内に収容されている収容物が取り出される取出口(24)が形成されており,
前記開閉蓋(1)は,前記容器本体(2)に対して着脱自在に嵌着されるとともに,閉じた状態において前記取出口(24)を密閉するものであり,
前記開閉蓋(1)は,閉じた状態において,前記取出口(24)に対向する面である内面,又は前記内面とは反対側の面である外面に第1の機能を有する第1の機能部(13)を備える
蓋付き容器。

【請求項2】
前記開閉蓋(1)は,
前記取出口(24)に対向する面である内面に第1の機能を有する第1の機能部(13)を備えるとともに,
前記内面とは反対側の面である外面に,前記第1の機能とは異なる第2の機能を有する第2の機能部(14)を備える
請求項1に記載の蓋付き容器。

【請求項3】
前記第1の機能部(13)の第1の機能は,外部を照らすための照明機能,前記容器本体(2)に収容される収容物を温めるための保温機能,前記容器本体(2)に収容される収容物を冷やすための保冷機能,時刻を表示するための時刻表示機能,又は他の収容物を収容する収容機能のうちの一つであり,
前記第2の機能部(14)の第2の機能は,前記照明機能,前記保温機能,前記保冷機能,前記時刻表示機能,又は前記収容機能のうちの一つであって,前記第1の機能とは異なる機能である
請求項2に記載の蓋付き容器。

【請求項4】
前記容器本体(2)から前記開閉蓋(1)が取り外され,前記開閉蓋(1)に代えて換装用開閉蓋(3)が前記容器本体(2)に対して着脱自在に嵌着され,
前記換装用開閉蓋(3)は,
前記取出口(24)に対向する面である内面に第3の機能を有する第3の機能部(33)を備えるとともに,
前記内面とは反対側の面である外面に,前記第3の機能とは異なる第4の機能を有する第4の機能部(34)を備える
請求項3に記載の蓋付き容器。

【請求項5】
前記第3の機能部(33)は,前記照明機能,前記保温機能,前記保冷機能,前記時刻表示機能,又は前記収容機能のうちの一つであって,前記第1の機能及び前記第2の機能とは異なる第3の機能を有しており,
前記第4の機能部(34)は,前記照明機能,前記保温機能,前記保冷機能,前記時刻表示機能,又は前記収容機能のうちの一つであって,前記第1の機能,前記第2の機能,及び前記第3の機能とは異なる第4の機能を有している
請求項4に記載の蓋付き容器。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−201379(P2012−201379A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66014(P2011−66014)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】