説明

薄型ラウドスピーカサスペンションシステム

【課題】サラウンドサスペンションシステムを提供すること。
【解決手段】上記サラウンドサスペンションシステムは、巻型、振動板、およびラウドスピーカ磁石組立体を有する薄型ラウドスピーカ変換器に用いられるサラウンドサスペンションシステムであって、前記巻型は音声コイルに接続し、前記巻型の上端は前記音声コイルに対向し、前記ラウドスピーカ磁石組立体は上面を有する環状外側磁石を含み、前記環状外側磁石の上面に取り付けられた外端、および前記巻型の上端に取り付けられた内端を含むサラウンドサスペンション部を備えている、サラウンドサスペンションシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国仮特許出願シリアル番号第61/474555号(2011年4月12日出願)である、題名「LOUDSPEAKER MAGNET ASSEMBLY」、同第61/474527号(2011年4月12日出願)である、題名「CHANNEL MAGNET ASSEMBLY」、同第61/474611号(2011年4月12日出願)である、題名「LOW PROFILE LOUDSPEAKER WITH REINFORCED DIAPHRAGM」、および同第61/474592号(2011年4月12日出願)である、題名「LOW PROFILE LOUDSPEAKER SUSPENSION SYSTEM」の優先権を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ラウドスピーカ変換器に関するものであり、より詳細には、薄型ラウドスピーカ変換器内の薄型ドライバサスペンションシステム構造に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ラウドスピーカなどの音響再生装置は、消費および産業分野両方を含む多くの異なる技術分野において広範囲に利用されている。ラウドスピーカは、通常、ボックス内に1つ以上のドライバユニットを含む。これらのドライバユニットは、「ラウドスピーカドライバ」、「ドライバ」、「ラウドスピーカ変換器」、または「変換器」として一般的に公知である。機械部品と電気部品とを組み合わせたラウドスピーカ変換器は、(音の)電気信号を、電気信号に対応する周囲音場に音波を生成する機械エネルギーに変換する。変換器内の柔軟性のある振動板が高速に振動することにより、変化した電気エネルギーが対応する音響エネルギー(すなわち、音波)に変換される。
【0004】
ラウドスピーカ変換器は、概して2つの共通構造型からなる。第1の構造型は、従来型の二重サスペンションドライバ構造であり、このラウドスピーカ変換器の振動板はコーン状に形成され、その直径は音声コイルよりも十分に大きい。一例として、公知の代表的な二重サスペンションラウドスピーカ変換器100を図1Aおよび図1Bに示す。図1Aは公知のラウドスピーカ変換器100の斜視図であり、図1Bは断面図である。示すラウドスピーカ変換器100は、「ダイナミックスピーカ」としても一般的に公知の可動コイル動電型ピストンドライバを実装する例である。公知のラウドスピーカ変換器100は、振動板102、フレーム104、サラウンド106、前板108、磁石110、裏板112、音声コイル114、巻型116、中央柱118、ベント120、ギャップ122、スパイダ124、および選択的なダストキャップ126を含み得る。
【0005】
この例では、ラウドスピーカ変換器100は、サラウンド106を介して(「バスケット」としても公知の)フレーム104に取り付けられた(「コーン」としても公知の)振動板102から構成される。振動板102の後方には、(音声コイル114として示す)電線コイルが取り付けられており、これは巻型116として示す、振動板102の円筒状の伸長部に巻き付けられる。音声コイル114と巻型116との組み合わせが、実際には単に「音声コイル」とも呼ばれることを当業者は理解する。巻型116は、スパイダ124を介してフレーム104に接続される。サラウンド106とスパイダ124との組み合わせが、振動板102のサスペンションシステムを構成する。スパイダ124とサラウンド106との両方は枠として機能し、それぞれ、巻型122とフレーム104との間と、振動板102とフレーム104との間とをつなぎ、通常は柔軟性のある材料から形成される。サスペンションシステムは振動板102に剛性を与え、さらに変換器100を空気密閉するように機能する。サスペンションシステムを介する音声コイル114、巻型122、およびフレーム104内側の振動板102の構造は、音声コイル114および巻型122と相対的な振動板102の構造およびサイズに応じて大まかに決まる。動作の一例として、振動板102は、空気を送り込んで音波を生成するピストンとして機能する。
【0006】
ラウドスピーカ変換器100はまた、磁石110、前板108、裏板112、および(「磁極片」としても公知の)中央柱118から構成される。前板108、裏板112、および中央柱118は、通常、鉄、鋼鉄、または類似する透水性材料から形成され、通常は永久磁石である磁石110と共に磁気回路を形成する。前板108および裏板112の両方は、通常では輪状である。磁石110は円筒環状であり、中央柱118は磁石110の内側に位置する中空シリンダであり、前板108と裏板112との間を延伸する。中央柱118の端部には、そこから前板108に向かい略垂直に延伸するへりが形成される。へりは中央柱118から外側に前板108に向かい延伸し、ギャップ122を形成する。前板108と中央柱118とは、磁気回路における円形ギャップ122を大まかに形成する。この結果、音声コイル114および巻型116がギャップ122の内側で吊るされ、ギャップ122の内側で前後に自由に移動可能であり、かつギャップ122内の中央に位置するようにスパイダ124は作用する。中央柱118は選択的に円筒状のベント120を含み得、これは、磁石組立体内の振動板102後方の圧力上昇を抑え、音声コイル114を冷却する。ベント120が形成されている場合には、ベント120を通って進入する破片を阻止する(「スクリーン」としても公知の)選択的なダストキャップ126を備えてもよい。
【0007】
動作の一例として、増幅器からの電気信号が音声コイル114を通り抜けると、音声コイル114および巻型122は電磁石に変化する。音声コイル114を通る電流の方向に応じて、音声コイル114により生成された磁場のN極およびS極が、音声コイル114または他の部材の一端に位置する。磁石110も同様にN極およびS極を有し、2つの磁場のN極およびS極が共に一列に並ぶ(N極−N極およびS極−S極)場合には、その磁場は音声コイル114(およびそれに取り付けられた振動板102)を外側に押し込み、また、それらと反対の位置(N極−S極およびS極−N極)に並ぶ場合には、音声コイル114を内側に引っ張る。
【0008】
第2の型のドライバ構造は端部駆動振動板型のドライバである。この構造では、振動板の直径と音声コイルの直径はほぼ等しい。この結果、振動板の外端が振動板に取り付けられて振動板組立体を形成する。この組立体は、次に、音声コイルに取り付けられる。サラウンドサスペンション組立体は外側に延伸して、組立体とフレームとが接続する。この端部駆動振動板型のドライバ構造は、多くの場合に、ツイータなどの小型のスピーカ組立体、さらには中音域スピーカにも用いられる。端部駆動振動板型のドライバの例は、Clayton C.Williamson発明の米国特許シリアル番号第7167573号(2007年1月23日公表)である、題名「FULL RANGE LOUDSPEAKER」に開示されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
小型のラウドスピーカに共通する問題の1つに、ラウドスピーカのサイズが小型になるため、許容範囲にある低周波応答を実現することが困難になるということがある。なぜなら、低周波を実現するためには、ラウドスピーカはより多くの空気容量を排出する必要があり、小型のドライバの軽い質量に対応する低共鳴を維持するために、サスペンションの剛性を低減する必要があるからである。ラウドスピーカが排出し得る空気容量は、振動板の面積およびサスペンションが許容する可動域、すなわちラウドスピーカの振動変位量、または体積変位に応じて決まる。さらに、堅いサスペンションは既定入力された振動板の動きを縮小するため、剛性は最低限であることが望ましい。小型のラウドスピーカは小型の振動板および堅いサスペンションを有するため、体積変位、それ故その動作は、非常に剛性が小さく、変位能力が高いラウドスピーカを製造する能力に従い制限される。
【0010】
効率的に動作させるため、端部駆動振動板型のスピーカなどに用いられる、小型のラウドスピーカ内のサスペンションシステムは、本質的に直線経路に振動運動を抑制して、音声コイルが周囲構造に接触しないようにしつつ、振動に要求される最大振幅を許容する必要がある。それ故、サラウンドサスペンション部は、所望の振動の最大可能振幅を許容しつつ、振動板の任意の傾き、動揺、または他の外部振動を抑制する必要がある。現在の構造の端部駆動型のスピーカの一般的な問題は、振動板が磁石空隙を遮断するため、製造中における構成要素の正確な位置合わせが困難なことである。すなわち、振動板/コイル組立体の配置前に全ての調整ゲージを取り外す必要があるため、モータと相対的な音声コイルの位置が不正確になることがある。これは「ブラインド」組立体として公知である。
【0011】
現在の構造のラウドスピーカのさらなる一般的な問題は、サラウンドサスペンション部の一部におけるスプリアス振動が高可聴周波数において生じることである。これらのスプリアス振動がサスペンションを通じて振動板に伝わり得るため、スピーカの高周波性能が低下する。また、現在のラウドスピーカ構造では、それが小型であれば振動の最大振幅が制限され、直径が短いスピーカでは低周波応答が抑制される。さらに、より小型のラウドスピーカのフレーム構造では、これらのラウドスピーカはラップトップおよび電子タブレットデバイスに用いられるのに十分に薄く構成されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
それ故、振動板におけるサスペンションシステムのスプリアス振動の影響を最小限にし、音声コイル/振動板組立体の変位量を増大して、直径が短いラウドスピーカシステムにおける低周波応答を実現し、ラップトップ、電子タブレット、および他の薄型デバイスに使用するのに適した薄型のラウドスピーカ構造が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
巻型、振動板、およびラウドスピーカ磁石組立体を有する薄型ラウドスピーカ変換器に用いられるサラウンドサスペンションシステムを示す。巻型は音声コイルに接続し、巻型の上端は音声コイルに対向する。ラウドスピーカ磁石組立体は上面を有する環状外側磁石を含む。サラウンドサスペンションシステムは、サラウンドサスペンション部を含み得る。サラウンドサスペンション部は、環状外側磁石の上面に取り付けられた外端、および巻型の上端に取り付けられた内端を含む。
【0014】
以下の図面および詳細な説明の考察から、本発明の他のデバイス、装置、システム、方法、特徴および利点が当業者に明らかになる。全てのこのような追加のシステム、方法、特徴および利点がこの説明に含まれ、本発明の範囲内に含まれ、添付の請求項により保護されることが意図される。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
巻型、振動板、およびラウドスピーカ磁石組立体を有する薄型ラウドスピーカ変換器に用いられるサラウンドサスペンションシステムであって、上記巻型は音声コイルに接続し、上記巻型の上端は上記音声コイルに対向し、上記ラウドスピーカ磁石組立体は上面を有する環状外側磁石を含み、
上記環状外側磁石の上面に取り付けられた外端、および上記巻型の上端に取り付けられた内端を含むサラウンドサスペンション部を備えている、サラウンドサスペンションシステム。
(項目2)
上記振動板は外周端を有し、上記ラウドスピーカ磁石組立体は、
第1の磁石組立体と、上記第1の磁石組立体の下方に位置する上板と、上記上板の下方に位置する第2の磁石組立体と、上記第2の磁石組立体の下方に位置する底板と、を備えており、
上記第1の磁石組立体は、
外径およびそれ自体の内側の中空円形中心を画定する内径を有する環状外側磁石と、
上記環状外側磁石の内径よりも短い直径を有しており、上記環状外側磁石の上記中空円形中心と同心円状に位置する円形内側磁石であって、その直径と上記環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第1の磁石組立体の空隙を画定する円形内側磁石と、を含み、
上記上板は、
外径およびそれ自体の内側の中空円形中心を画定する内径を有する環状外側上板と、
上記環状外側上板の内径よりも短い直径を有しており、上記環状外側上板の上記中空円形中心と同心円状に位置する円形内側上板であって、その直径と上記環状外側上板の内径との長さの違いが、環状上板の空隙を画定する円形内側上板と、を含み、
上記第2の磁石組立体は、
外径およびそれ自体の内側の中空円形中心を画定する内径を有する環状外側磁石と、
上記環状外側磁石の内径よりも短い直径を有しており、上記環状外側磁石の上記中空円形中心と同心円状に位置する円形内側磁石であって、その直径と上記環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第2の磁石組立体の空隙を画定する円形内側磁石と、を含み、
上記第1の磁石組立体の上記円形内側磁石の直径が、上記円形内側上板および上記第2の磁石組立体の上記円形内側磁石の直径と一致することにより、上記第1の磁石組立体の空隙、上記上板の空隙、および上記第2の磁石組立体の空隙が一列に位置し、磁石空隙を画定し、
上記磁石空隙は上記音声コイルを受け入れるように構成されており、
上記サラウンドサスペンション部の内端は、上記振動板の外周端に取り付けられており、
上記サラウンドサスペンション部の内端は、上記磁石空隙上方の上記巻型の上端および上記振動板の外周端両方に取り付けられている、上記項目のいずれかに記載のサラウンドサスペンションシステム。
(項目3)
上記サラウンドサスペンション部は、上記振動板と、上記環状外側磁石の上面に取り付けられた外端との間に約180度の範囲の弧を含む、上記項目のいずれかに記載のサラウンドサスペンションシステム。
(項目4)
上記サラウンドサスペンション部は、上記振動板と、上記環状外側磁石の上面に取り付けられた外端との間に一連の同心波形を含む、上記項目のいずれかに記載のサラウンドサスペンションシステム。
(項目5)
巻型、振動板、およびバッフルを有する薄型ラウドスピーカ変換器に用いられるサラウンドサスペンションシステムであって、上記巻型は音声コイルに接続し、上記巻型の上端は上記音声コイルに対向し、上記バッフルは踊り場領域を含み、
上記バッフルの踊り場領域に取り付けられた外端、および上記巻型の上端に取り付けられた内端を含むサラウンドサスペンション部を備えている、サラウンドサスペンションシステム。
(項目6)
上記振動板は外周端を有し、上記ラウドスピーカ磁石組立体は、
中心穴が形成されたバッフルと、中心穴が形成された第1の磁石組立体と、上記第1の磁石組立体の下方に位置する上板と、上記上板の下方に位置する第2の磁石組立体と、上記第2の磁石組立体の下方に位置し、中心穴が形成された底板と、上記底板、上記第2の磁石組立体の円形内側磁石、円形内側上板、および上記第1の磁石組立体の円形内側磁石の中心穴に嵌るように構成されたプラグと、を備えており、
上記上板は、
外径およびそれ自体の内側の中空円形中心を画定する内径を有する環状外側上板と、
上記環状外側上板の内径よりも短い直径を有しており、上記環状外側上板の上記中空円形中心と同心円状に位置する上記円形内側上板であって、その直径と上記環状外側上板の内径との長さの違いが環状上板の空隙を画定し、中心穴が形成された円形内側上板と、を含み、
上記第2の磁石組立体は、
外径およびそれ自体の内側の中空円形中心を画定する内径を有する環状外側磁石と、
上記環状外側磁石の内径よりも短い直径を有しており、上記環状外側磁石の上記中空円形中心と同心円状に位置する上記円形内側磁石であって、その直径と上記環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第2の磁石組立体の空隙を画定し、中心穴が形成された円形内側磁石と、を含み、
上記第1の磁石組立体の直径が、上記円形内側上板および上記第2の磁石組立体の上記円形内側磁石の直径と一致することにより、上記上板の空隙および上記第2の磁石組立体の空隙が一列に位置し、磁石空隙を画定し、
上記磁石空隙は上記音声コイルを受け入れるように構成されている、上記項目のいずれかに記載のサラウンドサスペンションシステム。
(項目7)
上記サラウンドサスペンション部は、上記振動板と、上記バッフルの踊り場領域との間に約180度の範囲の弧を含む、上記項目のいずれかに記載のサラウンドサスペンションシステム。
(項目8)
上記サラウンドサスペンション部は、上記振動板と、上記環状外側磁石の上面に取り付けられた上記バッフルの踊り場領域との間に一連の同心波形を含む、上記項目のいずれかに記載のサラウンドサスペンションシステム。
摘要
巻型、振動板、およびラウドスピーカ磁石組立体を有する薄型ラウドスピーカ変換器に用いられるサラウンドサスペンションシステムを示す。巻型は音声コイルに接続し、巻型の上端は音声コイルに対向する。ラウドスピーカ磁石組立体は上面を有する環状外側磁石を含む。サラウンドサスペンションシステムは、サラウンドサスペンション部を含み得る。サラウンドサスペンション部は、環状外側磁石の上面に取り付けられた外端、および巻型の上端に取り付けられた内端を含む。
【0015】
本発明は以下の図面を参照してより良く理解される。図に示す構成要素は必ずしも原寸大ではなく、むしろ本発明の原理を説明するために誇張されている。図面では、異なる図面間において一致する部材を同じ参照番号で指定する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】従来のラウドスピーカ変換器を示す斜視図である。
【図1B】図1Aに示す従来のラウドスピーカ変換器の断面図である。
【図2】本発明に従うラウドスピーカ変換器の実施例を示す分解された立体組立図である。
【図3】図2に示すラウドスピーカ変換器の第1および第2の磁石組立体の分解立体斜視図である。
【図4A】図2に示すラウドスピーカ変換器の磁石組立体の上面図である。
【図4B】図2に示すラウドスピーカ変換器の底板の底面図である。
【図5】図2に示すラウドスピーカ変換器の断面図である。
【図6】図5に示す囲み領域の拡大斜視図である。
【図7】図2に示すラウドスピーカ変換器の第1の磁石組立体に形成されたチャネルの拡大斜視図である。
【図8】本発明に従うラウドスピーカ変換器の別の実施例を示す分解された立体組立図である。
【図9】図8に示すラウドスピーカ変換器の第1および第2の磁石組立体の分解立体斜視図である。
【図10A】図8に示すラウドスピーカ変換器の磁石組立体の上面図である。
【図10B】図8に示すラウドスピーカ変換器の磁石組立体の底面図である。
【図11】図8に示すラウドスピーカ変換器の断面図である。
【図12】図11に示す囲み領域の拡大斜視図である。
【図13】図8に示すラウドスピーカ変換器のバッフルに形成された通路の拡大斜視図である。
【図14】本発明のラウドスピーカ変換器のさらなる別の実施例を示す分解された立体組立図である。
【図15】図8に示すバッフルの背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
先行技術の課題を解決するために、音声コイルを有するラウドスピーカ変換器に用いられるラウドスピーカ磁石組立体は、本発明に従う薄型構造を有する。ラウドスピーカ磁石組立体は、第1の磁石組立体、第1の磁石組立体の下方に位置する上板、上板の下方に位置する第2の磁石組立体、および第2の磁石組立体の下方に位置する底板を含み得る。
【0018】
第1の磁石組立体は、環状外側磁石および円形内側磁石を含み得る。環状外側磁石は外径および内径を有し、内径は環状外側磁石内側の中空円形中心を画定する。円形内側磁石の直径は環状外側磁石の内径よりも短く、環状外側磁石の中空円形中心と同心円状に位置する。円形内側磁石の直径と環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第1の磁石組立体の空隙を画定する。
【0019】
上板は環状外側上板および円形内側上板を含み得る。環状外側上板は外径および内径を有し、内径は環状外側上板内側の中空円形中心を画定する。円形内側上板の直径は環状外側上板の内径よりも短く、環状外側上板の中空円形中心と同心円状に位置する。円形内側上板の直径と環状外側上板の内径との長さの違いが、環状上板の空隙を画定する。
【0020】
第2の磁石組立体は、環状外側磁石および円形内側磁石を含み得る。環状外側磁石は外径および内径を有し、内径は環状外側磁石内側の中空円形中心を画定する。円形内側磁石の直径は環状外側磁石の内径よりも短く、環状外側磁石の中空円形中心と同心円状に位置する。円形内側磁石の直径と環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第2の磁石組立体の空隙を画定する。
【0021】
第1の磁石組立体の円形内側磁石の直径が、円形内側上板および第2の磁石組立体の円形内側磁石の直径と一致することにより、第1の磁石組立体の空隙、上板の空隙、および第2の磁石組立体の空隙が一列に位置し、磁石空隙を画定する。磁石空隙は音声コイルを受け入れるように構成される。
【0022】
この例では、ラウドスピーカ磁石組立体の磁石空隙は、底板に保護された空隙底部を含む。底板は周囲を有する円形でもよく、底板の外周から内側に延伸する放射状に配置された1つ以上の底板スロットを含む。これらのスロットは磁石空隙への物理的アクセスとなる。
【0023】
第1の磁石組立体の環状外側磁石は、音声コイルからの回路用電線を第1の磁石組立体から外部に通すように構成された少なくとも1つのチャネルを含み得る。第1の磁石組立体の環状外側磁石は、少なくとも2つの環状外側磁石に分割され得、分割環状外側磁石各々の端部により、少なくとも1つのチャネルが少なくとも2つのチャネルに画定される。
【0024】
より詳細に説明するために、本発明に従うラウドスピーカ変換器200の実施例の分解された立体組立図を図2に示す。ラウドスピーカ変換器200は略円形構造であり、振動板202、第1の磁石組立体204、および上板208と底板210との間に位置する第2の磁石組立体206を含み得る。一例として、第1の磁石組立体204、第2の磁石組立体206、上板208、および底板210は、例えば、2部エポキシを用いて取り付けられ得る(すなわち、物理的に共に接続または連結される)。ラウドスピーカ変換器200は、振動板202を浮かせるサラウンドサスペンション部212、および音声コイル214をさらに含み得、音声コイル214は、そこから外側に延伸する(引張リード線としても公知の)一対の回路用電線216を有する。音声コイル214は、巻型218を囲む回路用電線216の巻線である。
【0025】
示す振動板202は略平円形構造であるが、凹状または凸状などの他の構造でもよいことを当業者は理解する。平坦状の振動板202はラウドスピーカ変換器200の高さを低くするために利用され、ポータブル、ラップトップ、ネットワーク、タブレットコンピュータ、およびモバイル機器用に設計されたラウドスピーカなどの、小型の用途として多くの場合に所望される全体が低輪郭のパッケージを可能にする。振動板202は、チタン、アルミニウムもしくは他の金属、プラスチック、含浸紙、強化紙などの非金属材料、または種々の含浸繊維などの、剛性を有する任意の適切な材料から形成され得る。さらなる剛性をもたらすために、花構造218などの隆起構造が振動板202の上面にエンボス加工され得る。
【0026】
第1の磁石組立体204は略円形構造でもよく、円形内側磁石220、並びに環状外側磁石222および224を含み得る。円形内側磁石220、並びに環状外側磁石222および224は、ラウドスピーカ変換器に共通して利用される任意の公知の磁石材料でもよい。組み立てられる際に、円形内側磁石220、並びに環状外側磁石222および224は、互いに間隙を介して同心円状に配置され得、さらなる詳細を下記するように、音声コイル214および巻型218が通過するための第1の磁石組立体の空隙226を画定する。さらに、環状外側磁石222および224は分割され得、示すように、音声コイル214からの回路用電線216がラウドスピーカ変換器200から外側に通過する1つ以上のチャネル228を画定する。図1には2つのチャネル228を画定する環状外側磁石222および224を示したが、この例では、チャネルが1つのみまたは全く有さない1つのみの環状外側磁石を用いてもよいことを当業者は理解する。
【0027】
第1の磁石組立体204の次に第2の磁石組立体206を説明すると、これは略円形構造でもよく、円形内側永久磁石230および環状外側永久磁石232を含み得る。内側永久磁石230および環状外側永久磁石232は、ラウドスピーカ変換器に共通して利用される任意の公知の磁石材料から形成され得る。組み立てられる際に、内側永久磁石230および環状外側永久磁石232は、互いに間隙を介して同心円状に配置され得、音声コイル214および巻型218が通過するための第2の磁石組立体の空隙234を画定する。
【0028】
別の例では、環状外側永久磁石232は環状部に分割され得、音響穴となる1つ以上のチャネル(不図示)を画定する。音響穴を形成することにより、振動板202背面からの音波圧力が通常、バスレフまたは音響緩衝システムであるスピーカ「ボックス」またはエンクロージャ(不図示)に伝達し得る。チャネル(不図示)は吸気端および排気端を含み得、これは円形、面取り、または第2の磁石組立体の空隙234からスピーカエンクロージャに圧力波を伝搬する他の構造でもよい。
【0029】
上板208を参照すると、これは略円形構造でもよく、円形内側上板236および環状外側上板238を含み得る。上板208は、磁気軟鉄、鋼鉄、または上板として機能するのに適した任意の他の類似の透水性材料から形成され得、第1の磁石組立体204、内側永久磁石230、および底板210と共に磁気回路を形成する。組み立てられる際に、円形内側上板236および環状外側上板238は、互いに間隙を介して同心円状に配置され得、音声コイル214および巻型218が通過するための上板の空隙240を画定する。
【0030】
底板210は略円形構造でもよく、底板210の外周から内側に延伸する放射状に配置された1つ以上の底板スロット242を含み得る。底板210は、磁気軟鉄、鋼鉄、または底板として機能するのに適した任意の他の類似の透水性材料から形成され得、第1の磁石組立体204、内側永久磁石230、および上板208と共に磁気回路を形成する。
【0031】
(図2に示す)ラウドスピーカ変換器200の第1の磁石組立体204および第2の磁石組立体206を説明する分解立体斜視図を図3に示す。第1の磁石組立体204は、薄型ラウドスピーカ変換器用の変換磁石である。第1の磁石組立体204は、外周、外径および内径を有する環状外側磁石を含み得る。内径は環状外側磁石内側の中空円形中心を画定し、円形内側磁石の直径と環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第1の磁石組立体の空隙を画定する。環状外側磁石は、環状外側磁石の外周から第1の磁石組立体の空隙に向かって内側に延伸する1つ以上のチャネルを含み、第1の磁石組立体の空隙は音声コイルを受け入れるように構成され、チャネルは音声コイルからの回路用電線を、変換磁石から外部デバイスに通すように構成される。
【0032】
より具体的には、図3では環状外側磁石222および224は2つの別々の磁石であるが、1つの環状外側磁石(不図示)を形成するように結合してもよいことを当業者はさらに理解する。この結果形成された1つの環状外側磁石(不図示)は、図3に示す2つのチャネルではなく、1つのみのチャネルを有する。同様に、環状外側磁石222および224は、図3に示す形状で3以上のチャネル228が形成される(図3に示す形状で)3以上の部分に分割されてもよい。さらに、前述のように、第2の磁石組立体206の環状外側永久磁石232は環状部に分割され、音響穴となる1つ以上のチャネル(不図示)を画定してもよい。
【0033】
図4Aおよび図4Bを参照すると、(図2に示す)ラウドスピーカ変換器200の磁石組立体の上面図が図4Aに示される。この上面図は第1の磁石組立体204を示す。示すように、第1の磁石組立体204の直径は第2の磁石組立体206の直径よりも多少短く、環状外側磁石222部分と磁石224部分との間に画定されたチャネル228は、(図2および図3に画定されるような)第1の磁石組立体の空隙226から外側に、例えば、第1の磁石組立体の空隙226の直径の接線方向に延伸し得る。空隙400全体が第1の磁石組立体の空隙226、上板の空隙240、および第2の磁石組立体の空隙234の組み合わせにより画定されることを当業者は理解する。空隙400全体はさらに円筒環状空洞を画定し、これは第1の磁石組立体204の上面から始まり、底板210の上面まで続く。空隙400全体の底部には、空隙400全体の円筒環状空洞と、底板210の放射状に配置されたスロット242とにより画定された開放領域が形成される。
【0034】
(図2に示す)ラウドスピーカ変換器200の底板210の底面図を図4Bに示す。示すように、底板210に放射状に配置されたスロット242は、底板210の外周からその中心に向かい内側に延伸する。この例では、個々のスロット242と空隙400全体とを繋ぐ通気道402が形成される。
【0035】
図2のラウドスピーカ変換器200の断面図を図5に示す。図5では、示すように底板210は、円筒状の永久磁石(すなわち、第2の磁石組立体206)、上板208、および第1の磁石組立体204を含むスタックを支持する。この例では、スタックにおける第2の磁石組立体206の上方の位置には、上板208および(上板208の上方の位置には)第1の磁石組立体204が位置する。
【0036】
図5に示すように、円形内側磁石220の直径が円形内側上板236および内側永久磁石230の直径に一致するため、第1の磁石組立体の空隙226、上板の空隙240、および第2の磁石組立体の空隙234が一列に配置され、空隙400全体を画定する。それ故空隙400全体は、円形内側磁石220と、環状外側磁石224と、円形内側上板236と、環状外側上板238と、円形内側永久磁石230と、環状外側永久磁石232との間にそれぞれ形成された環状空間である。このように空隙400全体は「磁石空隙」である。この結果、音声コイル214および巻型218は磁石空隙400内に位置し、上方に延伸して、外周500における振動板202に接合する。巻型218および接続振動板202は、以下に詳細に記載するように、巻型218に接続されたサラウンドサスペンション部212により適切な位置に支持される。音声コイル214は、音声コイル214および巻型218を包み込むラッパ(不図示)をさらに含んでもよい。それ故、サスペンション部212または任意の他のスピーカ構成要素の巻型402への接続または取り付けについて言及すると、音声コイル214および巻型402のラッパに直接取り付けてもよいし、巻型218がラッパを有しない場合には、音声コイル214および巻型218に直接取り付けてもよい。本発明の範囲から逸脱することなく、底板210、第2の磁石組立体206、上板208、第1の磁石組立体204、音声コイル214、および巻型218の他の構造が利用され得ることを当業者は理解する。
【0037】
図6は図5の囲み領域502の拡大図であり、音声コイル214、巻型218、および振動板202に関連するサラウンドサスペンション部212の構造をより詳細に示す。前述のように、音声コイル214および巻型218は、環状外側磁石224、環状外側上板238、および環状外側永久磁石232各々の内側部600、602および604と、円形内側磁石220、円形内側上板236、および内側永久磁石230各々の外側部606、608および610との間の磁石空隙400に位置する。
【0038】
音声コイル214および巻型218は、次に、円形内側磁石220、円形内側上板236、および内側永久磁石230の外側部606、608および610と平行方向に、磁石空隙400から外側かつ上方に延伸する。この例では、巻型218は第1の磁石組立体204上方の地点まで上方に延伸し、ラウドスピーカ変換器200の振動板202に接続する。巻型218はその上端612において振動板202に取り付けられる。接着剤または振動板202を巻型218に備え付ける当業界で公知の他の手段を用いて、巻型218の上端612は振動板202の外周端部500の底面に取り付けられる。この例では、外周端部500は正方形の端フランジとして形成されるが、振動板202を巻型218に取り付けるための代替的な周囲端部構造が用いられてもよい。例えば、振動板202は、位置決めおよび締め付け作業が容易になるように、巻型218の上端612の側面に位置し得る環状の下向きチャネルと一体化されてもよい。
【0039】
図6に示すように、サラウンドサスペンション部212は、接着剤などを用いて第1の磁石組立体204に取り付けられ得、巻型218および振動板202を支持し、磁石空隙400内における音声コイル214および巻型218の配置を維持する。サラウンドサスペンション部212は、示すように、短フランジ616を含む内端614を含み得る。サラウンドサスペンション部212の内端614は、振動板202が巻型218の上端612に取り付けられた地点よりも下方の位置において巻型218に取り付けられ得る。サラウンドサスペンション部212の外端618は、環状外側磁石224の上面620に取り付けられ得る。
【0040】
サラウンドサスペンション部212は、音声コイル214、巻型218、および/または振動板202組立体の上方向および下方向両方の最大変位をある程度抑制するように構成および配置される。この上方向では最大変位は他に抑制されず、下方向では、サラウンドサスペンション部212が底板210と音声コイル114および巻型218とのクッションとして機能する。示す配置では、180度または多少小さい角度の範囲の弧を有するサラウンドサスペンション部212を示すが、本発明は、一連の同心波形などのサラウンドサスペンション部212の公知の代替的な配置を利用しても実行され得る。
【0041】
図1のラウドスピーカ変換器200の第1の磁石組立体204に形成されたチャネルの拡大斜視図を図7に示す。明確さを目的として、この図にはサラウンドサスペンション部212は示さない。示すように、第1の磁石組立体204のチャネル228は、音声コイル214からの回路用電線216がラウドスピーカ変換器200から外側に通過するための吸気端700および排気端702を含み得る。作動中、示すように回路用電線216の一端は、統合された平板導体(不図示)を通じて、巻型218に接続され得る。回路用電線216の反対端は、ラウドスピーカ変換器200の電気端子(不図示)に接続され得る。
【0042】
本発明に従う音声コイル、サラウンドサスペンション部、および振動板を有するラウドスピーカ変換器に用いられるラウドスピーカ磁石組立体の別の実施例を図8に示す。ラウドスピーカ磁石組立体は、バッフル、第1の磁石組立体、第1の磁石組立体の下方に位置する上板、上板の下方に位置する第2の磁石組立体、第2の磁石組立体の下方に位置する底板、およびプラグを含み得る。
【0043】
バッフルには中心穴が形成され得、第1の磁石組立体にも中心穴が形成され得る。上板は環状外側上板および円形内側上板を含み得る。環状外側上板は外径および内径を有し、内径は環状外側上板内側の中空円形中心を画定する。円形内側上板の直径は環状外側上板の内径よりも短く、環状外側上板の中空円形中心と同心円状に位置する。円形内側上板の直径と環状外側上板の内径との長さの違いが、環状上板の空隙を画定する。円形内側上板にはさらに中心穴が形成され得る。
【0044】
第2の磁石組立体は、環状外側磁石および円形内側磁石を含み得る。環状外側磁石は外径および内径を有し、内径は環状外側磁石内側の中空円形中心を画定する。円形内側磁石の直径は環状外側磁石の内径よりも短く、環状外側磁石の中空円形中心と同心円状に位置する。円形内側磁石の直径と環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第2の磁石組立体の空隙を画定する。円形内側磁石にはさらに中心穴が形成され得る。
【0045】
底板にはさらに中心穴が形成され得、プラグは、底板、第2の磁石組立体の円形内側磁石、円形内側上板、および第1の磁石組立体の中心穴に嵌るように構成される。
【0046】
第1の磁石組立体の直径が円形内側上板および第2の磁石組立体の円形内側磁石の直径と一致することにより、上板の空隙および第2の磁石組立体の空隙が一列に位置し、磁石空隙を画定する。磁石空隙は音声コイルを受け入れるように構成される。バッフルは周囲を有する円形でもよく、バッフルの外周からバッフルの中心穴に向かい内側に延伸する1つ以上の通路を含み、音声コイルからの回路用電線を、ラウドスピーカ変換器の外部デバイスまで通す。
【0047】
本発明の別の実施例のラウドスピーカ変換器800の分解された立体組立図を図8に示す。ラウドスピーカ変換器800は略円形構造でもよく、振動板802、第1の磁石組立体804、および上板808と底板810との間に配置された第2の磁石組立体806を含み得る。いくつかの実施では、第1の磁石組立体804、第2の磁石組立体806、上板808、および底板810は、例えば、2部エポキシを用いて共に取り付けられ得る(例えば、物理的に接続または連結される)。バッフル812、振動板802を浮かせるサラウンドサスペンション部814、およびそこから外側に延伸する一対の回路用電線818または金糸リード線を有する音声コイル816をさらに示す。音声コイル816は巻型819の周囲に巻き付き得る。第1の磁石組立体804、第2の磁石組立体806、上板808、および底板810は、これらのラウドスピーカ変換器800部材の中心を通るように構成されたプラグ820を用いて共に組み立てられ得る。
【0048】
示す振動板802は略平円形構造でもよいが、凹状または凸状などの他の構造でもよいことを当業者は理解する。平坦状の振動板802はラウドスピーカ変換器800の高さを低くするために利用され、ポータブル、ラップトップ、ネットワーク、タブレットコンピュータ、およびモバイル機器用に設計されたラウドスピーカなどの、小型の用途として多くの場合に所望される全体が低輪郭のパッケージを可能にする。振動板802は、チタン、アルミニウムもしくは他の金属、プラスチック、含浸紙、強化紙などの非金属材料、または種々の含浸繊維などの、剛性を有する任意の適切な材料から形成され得る。さらなる剛性をもたらすために、花構造822などの隆起構造が振動板802の上面にエンボス加工され得る。
【0049】
バッフル812は略環状構造でもよく、より詳しくは下記するように、そこを音声コイル816および巻型819の少なくとも一部が通るための中心穴824が形成され得る。バッフル812は、回路用電線818が音声コイル816から外側に、ラウドスピーカ変換器800の外部に通るための一対の対向通路826をさらに含み得る。対向通路826は図2、図3、図4Aおよび図7に示すチャネル228に類似するが、チャネル228が第1の磁石組立体204などの磁性物質に形成されるのに対して、通路826は非磁性のバッフル812に形成されるという点が異なる。
【0050】
第1の磁石組立体804は、示すように、プラグ820を受け入れるための第1の磁石中心穴828が形成された略ディスク形の磁石でもよい。第1の磁石組立体804は、ラウドスピーカ変換器に共通して利用される任意の公知の磁石材料から形成され得る。
【0051】
第1の磁石組立体804の次に第2の磁石組立体806を説明すると、これは略円形構造でもよく、第2の磁石中心穴832が形成された円形内側永久磁石830および環状外側永久磁石834を含み得る。円形内側永久磁石830および環状外側永久磁石834は、ラウドスピーカ変換器に共通して利用される任意の公知の磁石材料から形成され得る。組み立てられる際に、円形内側永久磁石830および環状外側永久磁石834は、互いに間隙を介して同心円状に配置され得、音声コイル816および巻型819が通過するための第2の磁石空隙836を画定する。
【0052】
示す上板808は略円形構造でもよく、中心穴840が形成された円形内側上板838、および環状外側上板842を含み得る。上板808は磁気軟鉄、鋼鉄、または上板として機能するのに適した任意の他の材料から形成され得、第1の磁石組立体804、第2の磁石組立体806、および底板810と共に磁気回路を形成する。組み立てられる際に、円形内側上板838および環状外側上板842は、互いに間隙を介して同心円状に配置され得、音声コイル816および巻型819が通過するための上板の空隙844を画定する。
【0053】
底板810は円板状でもよく、中心穴846が形成される。底板810は磁気軟鉄、鋼鉄、または底板として機能するのに適した任意の他の類似の透水性材料から形成され得、第1の磁石組立体804、第2の磁石組立体806、および上板808と共に磁気回路を形成する。
【0054】
(図8に示す)ラウドスピーカ変換器800の第1の磁石組立体804および第2の磁石組立体806を説明する分解立体斜視図を図9に示す。前述のように、第1の磁石組立体804は、プラグ820を受け入れるための第1の中心穴828が形成された略ディスク形の磁石でもよい。第2の磁石組立体806は略円形構造でもよく、第2の中心穴832が形成された円形内側永久磁石830、および環状外側永久磁石834を含み得る。
【0055】
図10Aは図8のラウドスピーカ変換器800の磁石組立体の上面図である。この上面図は、プラグ820を用いて組み立てられる第1の磁石組立体804、上板808、第2の磁石組立体806、および底板(この図では不示)を示す。いくつかの実施では、第1の磁石組立体804、上板808、第2の磁石組立体806、および底板(不図示)は、接着剤、溶接物、圧入、または他の固定手段を用いて、プラグを利用して共に連結され得る。示すように、上板808の直径は第2の磁石組立体806の直径よりも多少短い。空隙1000全体が上板の空隙844と第2の磁石組立体の空隙836との組み合わせにより画定されることを当業者は理解する。さらに、空隙1000全体は円筒環状空洞を画定し、これは上板808の上面から始まり、底板810の上面まで続く。
【0056】
図10Bは図8のラウドスピーカ変換器800の磁石組立体の底面図である。この底面図は、プラグ720を用いて組み立てられる第1の磁石組立体804(この図では不示)、上板808(この図では不示)、第2の磁石組立体706、および底板810を示す。示すように、組み立てられる際に、プラグ820は、底板810における中心穴840を通じて、ラウドスピーカ変換器800の底面に係合する。
【0057】
図11は図8のラウドスピーカ変換器800の断面図である。図11では、示すように底板810は、円筒状の永久磁石(すなわち、第2の磁石組立体806)、上板808、および第1の磁石組立体804を含むスタックを支持する。この例では、スタックにおける第2の磁石組立体806の上方の位置には、上板808、(上板808の円形内側上板838の上方の位置には)第1の磁石組立体804、およびバッフル812が位置する。バッフル812は、環状外側上板842および環状外側永久磁石834の直径範囲をそれぞれが補完するように構成された一対の同心半径面1102および1104を含み得る底面1100を有する。
【0058】
図11に示すように、第1の磁石組立体704の直径が円形内側上板838および円形内側永久磁石830の直径に一致するため、上板の空隙844と第2の磁石組立体の空隙806とが一列に配置され、空隙1000全体を画定する。それ故、空隙1000全体は、円形内側上板838と、環状外側上板842と、円形内側永久磁石830と、環状外側永久磁石834との間にそれぞれ形成された環状空間である。このように空隙1000全体は「磁石空隙」である。
【0059】
この結果、音声コイル816および巻型819は磁石空隙1000内に位置し、上方に延伸して、外周1106における振動板802に接合する。巻型819および接続振動板802は、以下に詳細に記載するように、巻型819に接続されたサラウンドサスペンション部814により適切な位置に支持される。音声コイル816は、音声コイル816および巻型819を包み込むラッパ(不図示)をさらに含んでもよい。それ故、サスペンション部814または任意の他のスピーカ構成要素の巻型819への接続または取り付けについて言及すると、音声コイル816および巻型819のラッパに直接取り付けてもよいし、巻型819がラッパを有していない場合には、音声コイル816および巻型819に直接取り付けてもよい。
【0060】
さらに示すように、組み立てられる際に、プラグ820はスタックに係合し、底板中心穴840、第2の磁石中心穴832、上板中心穴840、第1の磁石中心穴828、およびバッフル812の中心穴824(第1の磁石組立体804がバッフル812の中心穴824に位置する)を通り延伸する。本発明の範囲から逸脱することなく、底板810、第2の磁石組立体806、上板808、第1の磁石組立体804、音声コイル816、および巻型819の他の構造が利用され得ることを当業者は理解する。
【0061】
図12は図11の囲み領域1108の拡大図であり、音声コイル816、巻型819、および振動板802に関連するサスペンション部814の構造をより詳細に示す。前述のように、音声コイル816および巻型819は、バッフル812の中心穴824、環状外側上板842、および環状外側永久磁石834各々の外側部1202、1204および1206と、第1の磁石組立体804、円形内側上板838、および円形内側永久磁石830各々の内側部1208、1210および1212との間の磁石空隙1006に位置する。
【0062】
音声コイル816および巻型819は、次に、第1の磁石組立体804、円形内側上板838、および円形内側永久磁石830の内側部1208、1210および1212と平行方向に、磁石空隙1000から外側かつ上方に延伸する。この例では、巻型819は第1の磁石組立体804上方の地点まで上方に延伸し、ラウドスピーカ変換器800の振動板802に接続する。巻型819はその上端1214において振動板802に取り付けられる。接着剤または振動板802を巻型819に備え付ける当業界で公知の他の手段を用いて、巻型819の上端1214は振動板802の外周端部1106の底面に取り付けられる。この例では、外周端部1106は正方形の端フランジとして形成されるが、振動板802を巻型819に取り付けるための代替的な周囲端部構造が用いられてもよい。例えば、振動板802は、位置決めおよび締め付け作業が容易になるように、巻型819の上端1214の側面に位置し得る環状の下向きチャネルと一体化されてもよい。
【0063】
図12に示すように、サラウンドサスペンション部814は、バッフル812の中心穴824を囲む踊り場領域1216に取り付けられ得、巻型819および振動板802を支持し、磁石空隙1000内における音声コイル816および巻型819の配置を維持する。サラウンドサスペンション部814は、示すように、短フランジ1220を含み得る内端1218を含み得る。サラウンドサスペンション部814の内端1218は、振動板802が巻型1819の上端1214に取り付けられた地点よりも下方の位置において接着剤などを用いて巻型819に取り付けられ得る。サラウンドサスペンション部814の外端1222は、踊り場領域1216に取り付けられ得る。
【0064】
図8のラウドスピーカ変換器800のバッフルに形成された通路の拡大斜視図を図13に示す。明確さを目的として、この図にはサラウンドサスペンション部814は示さない。示すように、バッフル812における通路826は、音声コイル816からの金糸リード線(すなわち、回路用電線818)がラウドスピーカ変換器800から外側に通過するための吸気端1302および排気端1304を含み得る。作動中、示すように金糸リード線818は、統合された平板導体(不図示)を通じて、音声コイル816の巻型819に接続され得る。
【0065】
本発明に従う音声コイル、サラウンドサスペンション部、および振動板を有するラウドスピーカ変換器に用いられるラウドスピーカ磁石組立体の別の実施例を示す。ラウドスピーカ磁石組立体は、第1の磁石組立体、第1の磁石組立体の下方に位置する上板、上板の下方に位置する第2の磁石組立体、第2の磁石組立体の下方に位置する底板、およびプラグを含み得る。
【0066】
第1の磁石組立体は、環状外側磁石および円形内側磁石を含み得る。環状外側磁石は外径および内径を有し、内径は環状外側磁石内側の中空円形中心を画定する。円形内側磁石の直径は環状外側磁石の内径よりも短く、環状外側磁石の中空円形中心と同心円状に位置する。円形内側磁石の直径と環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第1の磁石組立体の空隙を画定する。円形内側磁石にはさらに中心穴が形成され得る。
【0067】
上板は環状外側上板および円形内側上板を含み得る。環状外側上板は外径および内径を有し、内径は環状外側上板内側の中空円形中心を画定する。円形内側上板の直径は環状外側上板の内径よりも短く、環状外側上板の中空円形中心と同心円状に位置する。円形内側上板の直径と環状外側上板の内径との長さの違いが、環状上板の空隙を画定する。円形内側上板にはさらに中心穴が形成され得る。
【0068】
第2の磁石組立体は、環状外側磁石および円形内側磁石を含み得る。環状外側磁石は外径および内径を有し、内径は環状外側磁石内側の中空円形中心を画定する。円形内側磁石の直径は環状外側磁石の内径よりも短く、環状外側磁石の中空円形中心と同心円状に位置する。円形内側磁石の直径と環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第2の磁石組立体の空隙を画定する。円形内側磁石にはさらに中心穴が形成され得る。
【0069】
底板にはさらに中心穴が形成され得、プラグは、底板、第2の磁石組立体の円形内側磁石、円形内側上板、および第1の磁石組立体の円形内側磁石の中心穴に嵌るように構成される。
【0070】
第1の磁石組立体の円形内側磁石の直径が、円形内側上板および第2の磁石組立体の円形内側磁石の直径と一致することにより、第1の磁石組立体の空隙、上板の空隙、および第2の磁石組立体の空隙が一列に位置し、磁石空隙を画定する。磁石空隙は音声コイルを受け入れるように構成される。
【0071】
この例では、ラウドスピーカ磁石組立体の磁石空隙は、底板に保護された空隙底部を含む。底板は周囲を有する円形でもよく、底板の外周から内側に延伸する放射状に配置された1つ以上の底板スロットを含む。これらのスロットは磁石空隙への物理的アクセスとなる。
【0072】
第1の磁石組立体の環状外側磁石は、音声コイルからの回路用電線を第1の磁石組立体から外部に通すように構成された少なくとも1つのチャネルを含み得る。第1の磁石組立体の環状外側磁石は、少なくとも2つの環状外側磁石に分割され得、分割環状外側磁石各々の端部により、少なくとも1つのチャネルが少なくとも2つのチャネルに画定される。
【0073】
環状外側上板はまた、各々が外周を有する少なくとも2つの環状外側上板に分割されてもよい。この例では、分割された環状外側上板各々は、上板内に1つ以上の空気チャネルを画定する端部を含み、この空気チャネルは、外周から上板の空隙に向かって半径方向内側に延伸する。
【0074】
本発明のさらなる別の実施例であるラウドスピーカ変換器1400のより詳細な分解された立体組立図を図14に示す。この実施例は図2および図8に示す本発明の実施例に類似するが、この例のラウドスピーカ変換器1400が、分割された上板1402およびプラグ1404を含むという点が異なる。この例はまた、環状外側上板部1406に分割された上板1402に特徴付けられ、この分割により、音響穴となる1つ以上の上板空気チャネル1408が画定される。上板1402は円形内側上板1410および上板の空隙1412をさらに含み得る。音響穴を形成することにより、振動板1414背面からの音波圧力は、スピーカエンクロージャ(不図示)に伝達し得る。
【0075】
図2および図11に示す例に類似するように、この例のラウドスピーカ変換器1400もまた、サラウンドサスペンション部1416、巻型1418、音声コイル1420、回路用電線1422、第1の磁石組立体1425の円形内側磁石1424、円形内側永久磁石1428と環状外側永久磁石1430と第2の磁石空隙1432を含む第2の磁石組立体1426、底板1434、および隆起構造1436を含み得る。
【0076】
さらに、図11とは異なるが図2に類似するように、この例の第1の磁石組立体1425もまた、2つの環状外側磁石1438、第1の磁石組立体の空隙1439、および環状外側磁石1438の間に形成された少なくとも1つのチャネル1440を含み得、このチャネルを通り、音声コイル1420からの回路用電線1422は、ラウドスピーカ変換器1400から外部に出る。底板1434もまた、底板1434の外周から内側に延伸する、放射状に配置された複数の底板スロット1441を含み得る。さらに、図2とは異なるが図11に類似するように、この例のラウドスピーカ変換器1400は、第1の磁石組立体1425内側の第1の磁石中心穴1442、上板1402内側の上板中心穴1444、第2の磁石組立体1426内側の第2の磁石中心穴1446、および底板1434内側の底板中心穴1448を含み得る。
【0077】
図8に示すラウドスピーカ変換器800の実施例を再度参照する、バッフル812の底面図を図15に示す。図11において前述したようにバッフル812は底面1100を有し、この底面1100は、環状外側上板842および環状外側永久磁石834各々の直径範囲をそれぞれが補完するように構成された一組の同心半径面1102および1104を含み得る。さらに、バッフル812の底面1100に1つ以上の空気チャネル1502が形成され得、これは磁石空隙1000からスピーカエンクロージャ(不図示)への音響穴となる。
【0078】
本発明の一実施例では、ラウドスピーカ変換器の構造全体の厚さは3.5mm〜4mmの範囲でもよい。これらのラウドスピーカ変換器の寸法は単なる一例として示され、前述の構造が種々のサイズおよび形状のスピーカシステムに組み込まれ得るが、本発明が前述の寸法に制限されず、所望の用途に基づいて異なり得ることを当業者は理解する。
【0079】
概して、「に連結する」、「に連結するように構成される」、および「に固定される」などの用語(例えば、第1の構成部品は第2の構成部品「に連結する」、「に連結するように構成される」、または「に固定される」)は、2つ以上の構成部品または構成要素間の構造的、機能的、機械的、電気的、示唆的、光学的、磁気的、電磁気的、イオンまたは流体関係を示すために本明細書に用いられる。このように、1つの構成部品が第2の構成部品に連結するという事実は、それらの間にさらなる構成部品が存在し得、かつ/または機能的に第1の構成部品と第2の構成部品とが関連または係合している可能性を排除するようには意図されない。
【0080】
前の記述は特定の種々の実施例のみを説明したが、本発明は前に説明した例に限定されない。添付の請求項により定義された本発明の種々のさらなる実施および変更が達成され得ることを当業者は理解する。特に、これらの特徴が互いに矛盾しない限り、記述した実施例の種々の特徴を組み合わせることが可能である。従って、前の実施例の記述は例証および説明を目的として提示される。この記述は包括的ではなく、請求項の範囲に記載した本発明を開示する正確な形態に限定されない。前述の記載を考慮してか、本発明の実施により変更および変形が達成され得る。請求項およびそれらの均等物が本発明の範囲を規定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻型、振動板、およびラウドスピーカ磁石組立体を有する薄型ラウドスピーカ変換器に用いられるサラウンドサスペンションシステムであって、前記巻型は音声コイルに接続し、前記巻型の上端は前記音声コイルに対向し、前記ラウドスピーカ磁石組立体は上面を有する環状外側磁石を含み、
前記環状外側磁石の上面に取り付けられた外端、および前記巻型の上端に取り付けられた内端を含むサラウンドサスペンション部を備えている、サラウンドサスペンションシステム。
【請求項2】
前記振動板は外周端を有し、前記ラウドスピーカ磁石組立体は、
第1の磁石組立体と、前記第1の磁石組立体の下方に位置する上板と、前記上板の下方に位置する第2の磁石組立体と、前記第2の磁石組立体の下方に位置する底板と、を備えており、
前記第1の磁石組立体は、
外径およびそれ自体の内側の中空円形中心を画定する内径を有する環状外側磁石と、
前記環状外側磁石の内径よりも短い直径を有しており、前記環状外側磁石の前記中空円形中心と同心円状に位置する円形内側磁石であって、その直径と前記環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第1の磁石組立体の空隙を画定する円形内側磁石と、を含み、
前記上板は、
外径およびそれ自体の内側の中空円形中心を画定する内径を有する環状外側上板と、
前記環状外側上板の内径よりも短い直径を有しており、前記環状外側上板の前記中空円形中心と同心円状に位置する円形内側上板であって、その直径と前記環状外側上板の内径との長さの違いが、環状上板の空隙を画定する円形内側上板と、を含み、
前記第2の磁石組立体は、
外径およびそれ自体の内側の中空円形中心を画定する内径を有する環状外側磁石と、
前記環状外側磁石の内径よりも短い直径を有しており、前記環状外側磁石の前記中空円形中心と同心円状に位置する円形内側磁石であって、その直径と前記環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第2の磁石組立体の空隙を画定する円形内側磁石と、を含み、
前記第1の磁石組立体の前記円形内側磁石の直径が、前記円形内側上板および前記第2の磁石組立体の前記円形内側磁石の直径と一致することにより、前記第1の磁石組立体の空隙、前記上板の空隙、および前記第2の磁石組立体の空隙が一列に位置し、磁石空隙を画定し、
前記磁石空隙は前記音声コイルを受け入れるように構成されており、
前記サラウンドサスペンション部の内端は、前記振動板の外周端に取り付けられており、
前記サラウンドサスペンション部の内端は、前記磁石空隙上方の前記巻型の上端および前記振動板の外周端両方に取り付けられている、請求項1に記載のサラウンドサスペンションシステム。
【請求項3】
前記サラウンドサスペンション部は、前記振動板と、前記環状外側磁石の上面に取り付けられた外端との間に約180度の範囲の弧を含む、請求項1に記載のサラウンドサスペンションシステム。
【請求項4】
前記サラウンドサスペンション部は、前記振動板と、前記環状外側磁石の上面に取り付けられた外端との間に一連の同心波形を含む、請求項1に記載のサラウンドサスペンションシステム。
【請求項5】
巻型、振動板、およびバッフルを有する薄型ラウドスピーカ変換器に用いられるサラウンドサスペンションシステムであって、前記巻型は音声コイルに接続し、前記巻型の上端は前記音声コイルに対向し、前記バッフルは踊り場領域を含み、
前記バッフルの踊り場領域に取り付けられた外端、および前記巻型の上端に取り付けられた内端を含むサラウンドサスペンション部を備えている、サラウンドサスペンションシステム。
【請求項6】
前記振動板は外周端を有し、前記ラウドスピーカ磁石組立体は、
中心穴が形成されたバッフルと、中心穴が形成された第1の磁石組立体と、前記第1の磁石組立体の下方に位置する上板と、前記上板の下方に位置する第2の磁石組立体と、前記第2の磁石組立体の下方に位置し、中心穴が形成された底板と、前記底板、前記第2の磁石組立体の円形内側磁石、円形内側上板、および前記第1の磁石組立体の円形内側磁石の中心穴に嵌るように構成されたプラグと、を備えており、
前記上板は、
外径およびそれ自体の内側の中空円形中心を画定する内径を有する環状外側上板と、
前記環状外側上板の内径よりも短い直径を有しており、前記環状外側上板の前記中空円形中心と同心円状に位置する前記円形内側上板であって、その直径と前記環状外側上板の内径との長さの違いが環状上板の空隙を画定し、中心穴が形成された円形内側上板と、を含み、
前記第2の磁石組立体は、
外径およびそれ自体の内側の中空円形中心を画定する内径を有する環状外側磁石と、
前記環状外側磁石の内径よりも短い直径を有しており、前記環状外側磁石の前記中空円形中心と同心円状に位置する前記円形内側磁石であって、その直径と前記環状外側磁石の内径との長さの違いが、環状の第2の磁石組立体の空隙を画定し、中心穴が形成された円形内側磁石と、を含み、
前記第1の磁石組立体の直径が、前記円形内側上板および前記第2の磁石組立体の前記円形内側磁石の直径と一致することにより、前記上板の空隙および前記第2の磁石組立体の空隙が一列に位置し、磁石空隙を画定し、
前記磁石空隙は前記音声コイルを受け入れるように構成されている、請求項5に記載のサラウンドサスペンションシステム。
【請求項7】
前記サラウンドサスペンション部は、前記振動板と、前記バッフルの踊り場領域との間に約180度の範囲の弧を含む、請求項6に記載のサラウンドサスペンションシステム。
【請求項8】
前記サラウンドサスペンション部は、前記振動板と、前記環状外側磁石の上面に取り付けられた前記バッフルの踊り場領域との間に一連の同心波形を含む、請求項7に記載のサラウンドサスペンションシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−222829(P2012−222829A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−91176(P2012−91176)
【出願日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【出願人】(592051453)ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド (91)
【Fターム(参考)】