説明

蛍光ランプ装置および照明器具

【課題】装置全体の大形化を抑制しつつ、横方向等所要方向の光出力と全体の光出力を向上させることができる蛍光ランプ装置および照明器具を提供する。
【解決手段】管外径7〜12mmの発光管により屈曲形成され発光管で囲まれた最大が外径50〜85mm、この最大外径方向に対して垂直方向に沿う高さ30〜65mm、放電路長200〜500mmの蛍光ランプ5と;この蛍光ランプを点灯させる点灯装置3と;この点灯装置を収容するとともに、前記蛍光ランプを保持しており、前記点灯装置に電気的に接続された口金部4を有する本体2と;を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプと点灯装置とを具備した蛍光ランプ装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の蛍光ランプ装置の一例としては、IEC(国際電気標準会議)で規格されたGX53形の口金を用いたランプ装置がある。このランプ装置は、扁平状でその上面にGX53形の口金部が設けられているとともに、下面側に例えば複数本のU字形の発光管を一平面上に横置きで並設し、これら隣り合う発光管同士を連結管等により一体に連結して1本の屈曲放電路に形成した扁平薄形の蛍光ランプを配置し、内部に蛍光ランプを点灯させる点灯装置を収容し、上面側、下面側とのなす高さ寸法が小さい薄形に形成されている。口金部の上面には、ランプ装置の高さ方向を軸方向として、一対のランプピンが突き出している。これらランプピンをソケットに挿入し、蛍光ランプ装置を中心軸回りに回転させてランプピンをソケット部に引っ掛けることにより、ソケット部の受金が接触してランプピンに電源供給するように構成されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−42290号公報
【特許文献2】特開2007−180011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この特許文献1,2記載の蛍光ランプ装置では、複数の発光管が横置き状態で並設された一平面に対して平行な方向、すなわち横方向の光出力がその垂直方向、すなわち縦方向の光出力よりも大幅に低く、配光が偏向しているという課題を有する。
【0005】
すなわち、複数の発光管は、その並設方向、すなわち、横方向では、相互に隣り合っているが、その垂直方向では、相互に隣り合っていない。このために、これら発光管の各垂直方向(縦方向)の光出力は、他の発光管により遮光されずに、そのまま出力される。このために、垂直方向(縦方向)への光出力は高い。
【0006】
これに対し、これら発光管の横方向の光出力は、これら発光管の並設方向の中間部に位置する発光管の横方向の光出力が、その両側で隣り合う発光管により遮光され、または吸収されてしまうので、その分、低下する。
【0007】
また、一般に、蛍光ランプでは、その一対の電極封止端部側と、複数の発光管同士を連結する連結管側は、共に光出力の低い部分であるが、これら一対の電極封止端部と連結管が上記従来例では、同一側にあるので、これら電極封止端部側の光出力の方がその直径方向反対側の光出力よりも低く、横方向の配光においても、その配光が偏向しているという課題もある。
【0008】
さらに、上記従来例では、一平面上に複数の発光管を横置き状態で並設することにより蛍光ランプをいわば平面形に形成している。このために、この蛍光ランプの高さ(厚さ)は、各発光管の直径にほぼ相当し、高さが低い。その結果、この蛍光ランプの高さ方向から横方向へ出力される配光が少ないうえに、この高さ方向に配設される点灯装置との間隔が短くなり、その分、蛍光ランプの発熱により点灯装置が加熱され易くなり、点灯装置が熱的に劣化し易いという課題もある。
【0009】
さらにまた、上記従来例では、一平面上に複数の発光管を横置きで並設して1本の放電路を形成しているので、この放電路の長さを長くして光出力を増大させるためには、これら発光管の並設面の大形化を招くという課題もある。
【0010】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、装置全体の大形化を抑制しつつ、横方向等所要方向の光出力と全体の光出力を向上させることができる蛍光ランプ装置および照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る蛍光ランプ装置は、管外径7〜12mmの発光管により屈曲形成され発光管で囲まれた最大が外径50〜85mm、この最大外径方向に対して垂直方向に沿う高さ30〜65mm、放電路長200〜500mmの蛍光ランプと;この蛍光ランプを点灯させる点灯装置と;この点灯装置を収容するとともに、前記蛍光ランプを保持しており、前記点灯装置に電気的に接続された口金部を有する本体と;を具備していることを特徴とする。
【0012】
本請求項1以下において、蛍光ランプは例えば扁平2重螺旋形に形成された場合、螺旋回転軸に直交する螺旋部の平面形状が環形の環状部が、発光管に囲まれた最大径部を示す。また、その螺旋の高さは、螺旋軸に直交する螺旋部の最大外径よりも低い扁平に形成されている。しかし、蛍光ランプはこの扁平2重螺旋形に限定されるものではなく、複数のU字バルブを連結して1本の放電路を形成したものであっても、鞍形に屈曲形成されていても構わない。この場合の外径とは、複数の直線部に囲まれた部分を示す。
【0013】
また、口金部は、例えばソケットの引っ掛けシーリングに着脱可能に装着されて電気的かつ機械的に接続される引っ掛けシーリング用口金GX53を具備してもよい。これによれば、ねじ込み形の例えばE17やE26型等の口金よりも高さを低くすることができるうえに、感電防止の点でも優れている。
【0014】
請求項2に係る蛍光ランプ装置は、前記蛍光ランプを覆う光拡散性と透光性を有するグローブを具備していることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る蛍光ランプ装置は、前記蛍光ランプは、その一対の電極封止端部を、前記発光管に囲まれた最大外径の直径方向で対向する位置に配置しており、前記点灯装置の複数の電子部品およびラッピングピンを実装した点灯回路基板を、前記蛍光ランプの一対の電極封止端部同士の間に配設していると共に一対の電極封止端部からそれぞれ導出されるワイヤーを巻き付けるラッピングピンは、一対のバルブ端部を結ぶ仮想線に近接し、バルブ端部に対向するよう配設していることを特徴とする。
【0016】
請求項4に係る蛍光ランプ装置は、前記口金部は、その露出外面に放熱用フィンを形成していることを特徴とする。
【0017】
請求項5に係る照明器具は、請求項1ないし4のいずれか一記載の蛍光ランプ装置と;前記口金部に着脱可能に装着されて電気的に接続されるソケットを備えた器具本体と;を具備していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る蛍光ランプ装置によれば、蛍光ランプは発光管の外径(7〜12mm)よりも大きい高さ(30〜65mm)を有するので、この蛍光ランプの発光は、その高さのほぼ全域から横方向、すなわち、高さ方向に対して垂直な方向へ出力されるので、その横方向の光出力を向上させることができる。また、その分、蛍光ランプ装置全体の光出力を向上させることができる。
【0019】
請求項2に係る蛍光ランプ装置によれば、蛍光ランプの発光がこの蛍光ランプを覆うグローブにより拡散されるので、蛍光ランプの形状がグローブに投影されることを防止または低減することができる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、蛍光ランプの一対の電極封止端部のアウターワイヤーを点灯回路基板のラックピンにそれぞれ巻き付けることにより、これら一対の電極封止端部を点灯回路基板に電気的に接続することができると共に、点灯回路を本体に固定することができる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、口金部の放熱フィンから外部に放熱し、蛍光ランプ装置の温度上昇を抑制できる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、前記請求項1ないし4のいずれか一記載の蛍光ランプ装置を具備しているので、照明器具としてもこれらとほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプ装置の一部を縦断面で示す正面図。
【図2】図1で示す蛍光ランプ装置の外観正面図。
【図3】図1で示す蛍光ランプの正面図。
【図4】図1で示す蛍光ランプ装置における本体およびホルダに点灯回路基板が固定された状態を示す平面図。
【図5】(a)は本発明の第2の実施形態に係る蛍光ランプ装置の斜視図、(b)は同(a)の平面図、(c)は同(a)の正面図。
【図6】(a)は本発明の第3の実施形態に係る蛍光ランプ装置の斜視図、(b)は同(a)の底面図、(c)は同(a)の正面図、(d)は同(c)の側面図。
【図7】(a)は本発明の第4の実施形態に係る照明器具の斜視図、(b)は同(a)の底面図、(c)は同(a)の正面図、(d)は同(b)のB−B線断面図。
【図8】(a)は本発明の第4の実施形態に係る照明器具の外観斜視図、(b)は同(a)の平面図、(c)は同(a)の正面図、(d)は同(a)の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、これら添付図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0025】
図1は本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプ装置の一部を縦断面で示す正面図、図2は図1で示す蛍光ランプ装置の外観正面図、図3は図1で示す蛍光ランプの正面図である。
【0026】
これら図1〜図3に示すように蛍光ランプ装置1は、本体2、この本体2内に収容される点灯装置3、この本体2に一体的に結合されるGX53形式の口金部4、本体2の図1中下面に取り付けられる蛍光ランプ5および本体2の図1中下部に取り付けられて、蛍光ランプ5の外周を覆うグローブ6を具備している。
【0027】
本体2は、有底扁平円筒体で互いに組み合わされるホルダ7、断熱手段を構成する仕切板8、口金部4および図1,図2中、左右一対の口金ピン9,9を備えている。
【0028】
ホルダ7は、伝熱性の良好な金属であるアルミニウム等により略円盤状に形成され、底部の円板状をなすカバー基板部7aと、このカバー基板部7aの外周部に連続するカバー外縁部7bとが一体に形成されている。カバー基板部7aには、蛍光ランプ5の一対の電極封止端部5a,5bを挿通させる一対のバルブ挿通孔7c,7cが形成されている。また、カバー外縁部7bは、下面を開口した断面略V字状をなし、外周面は、上側に向かって径寸法が小さくなるように傾斜している。また、このカバー外縁部7bのV字状開口には、グローブ6の上部開口端部が挿入され、接着等により取り付けられている。
【0029】
さらに、カバー外縁部7bの上側の内周側は、環状に形成されて若干内側に突出し、口金部4を係合して保持している。また、本体2には、本実施の形態ではカバー基板部7aの上面とカバー外縁部7bの内周面との角部の2カ所に、図示しない位置決め部が突設されている。
【0030】
また、仕切板8は、絶縁性を有する樹脂により形成された略円盤状であって、円板状をなす仕切板基板部8aには、蛍光ランプ5の一対の電極封止端部5a,5bを挿通させるバルブ挿通孔8b,8bと、この仕切板基板部8aの上面の中央部に設けられた点灯装置取付部と、仕切板基板部8aの上面の両側部に設けられた口金ピン取付部8c,8cと、仕切板基板部8aの外周部に設けられた仕切板外縁部8dとが一体に形成されている。そして、仕切板基板部8aは、ホルダ7のカバー基板部7aの上面に密着し、あるいは所定の間隔を介して対向して配置され、本実施形態では、カバー基板部7a上面に密着して重ねられるようになっている。
【0031】
そして、口金部4は、絶縁性を有する樹脂で形成された略円盤状で、円環板状をなす口金基板部4aと、この口金基板部4aの内側の縁部から円筒状をなして上側に突設された内筒部4bと、この内筒部4bの上端部を閉塞する天板部4cとが一体に形成されている。内筒部4bは、その内部に点灯装置3を収容する点灯装置収容部を形成している。また、口金基板部4aの直径方向両端部には、それぞれ一対の口金ピン9,9が装着される。口金ピン9,9は、導電性を有する金属により、円柱状をなす軸部と、この軸部の上端部から断面T字状に突設されたプラグ部とが一体に形成されている。プラグ部は口金部4の口金基板部4aの上面よりも上方に突出し、後述するソケット装置10の給電孔に拡径部から挿入され、接続金具に電気的及び機械的に接続保持されるようになっている。
【0032】
そして、点灯装置3は、回路基板3aと、この回路基板3aの片面あるいは両面に実装された電気部品3bとを備え、インバータ回路等の点灯回路を構成している。図4に示すように、回路基板3aは、仕切基板部8aの直径とほぼ同じ長さの長方形の平板よりなり、その長手方向両端部は、円盤状の仕切基板部8aの外周縁部とほぼ同形の円弧状に形成されて嵌合し、その長手方向中間部にて、回路基板3aの出力部である導電性小円柱状の左右一対のラックピン11,11が回路基板3aの両側にそれぞれ立設されている。すなわち、これらラッピングピン11,11,…は、一対の電極封止端部5a,5a同士を直線で結ぶ仮想線に近接し、これら電極封止端部5a,5aに対向するように立設されている。これらラックピン11,11,…は回路基板3aに電気的に接続されている。これら4本のラックピン11,11,…の外周には、蛍光ランプ5の左右一対の電極封止端部5a,5aからそれぞれ導出される4本のアウターワイヤー12,12,…がそれぞれ巻き付けられ、半田付けされる。これにより、これら蛍光ランプ5の一対の電極封止端部5a,5aと回路基板3aが電気的に接続される。
【0033】
図3に示すように蛍光ランプ5は、外径φ1が例えば7〜12mmの発光管5bを、例えば2重螺旋形に形成して、環外径φ2が例えば50〜80mmの円環状の環状部5cと、この環状部5cの一端からほぼ垂直に立ち上がる一対の電極封止端部5a,5aをそれぞれ一体に形成し、放電路長が例えば200〜500mmの1本の屈曲放電路と、30〜65mmの高さを形成している。この高さは環状部5cの直径方向に対して垂直方向の長さである。そして、蛍光ランプ5は、その内面に例えば3波長形の蛍光体が設けられ、内部にアルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、あるいはクリプトン(Kr)などの希ガスや水銀などを含む封入ガスが封入されている。また、一対の電極封止端部5a,5aは、環状部5cの直径方向両端部で離間配置され、さらに、ステムシールあるいはピンチシールによって一対の電極が封装されている。各電極は、フィラメントコイルを有し、このフィラメントコイルが一対の線状のウエルズに支持されている。各ウエルズは、例えばジュメット線を介して両端から外部に導出され、点灯装置22に接続されるアウターワイヤー12,12に接続されている。また、例えば発光管5bの各一端部には、ステムシールあるいはピンチシールによって封装された図示しない排気管5d,5dが形成されている。各排気管5d,5dは、発光管5bの製造工程で発光管5bの排気を行い、溶断により封止されている。また、発光管5bの一端部には、排気管よりも長く直線状に延設されたガラス管である延設部としてのアマルガム専用細管が設けられている。このアマルガム専用細管の先端部には、アマルガムが封入されている。このアマルガムは、主アマルガムとも呼ばれ、ビスマス、錫、及び水銀で構成される合金であり、略球形状に形成され、発光管5b内の水銀蒸気圧を適正な範囲に制御する。なお、このアマルガムは、水銀あるいは水銀合金であり、ビスマス及び錫の他に、インジウム、鉛などを組み合わせた合金により形成することもできる。
【0034】
そして、グローブ6は、透光性を有し、すなわち、透明あるいは光拡散性を有するガラスや合成樹脂により、図1中、上端部に開口部6aを設けた扁平円筒状に形成されている。そして、この開口部6aを囲む縁部は、上側に向かう取付部となるとともに、下方に対向する正面部は、図1中、下方に凸のドーム状に形成されている。
【0035】
図2は、このように構成された蛍光ランプ装置1の外径寸法の一例を示しており、高さ寸法は60mm、全幅が73.1mm、グローブ6の高さが40.1mm、一対の口金ピン9,9同士の間隔が53mmであり、蛍光ランプ3の定格出力は10Wである。口金部4はGX53形式であり、図示しない照明器具のソケットの引っ掛けシーリングに着脱可能に装着されて電気的および機械的に接続される。このようにしてソケット装置10に装着された蛍光ランプ装置は、ソケットに機械的に保持されるとともに、ソケットから商用交流電源が供給され、内蔵した点灯装置3のインバータ回路により蛍光ランプ5の発光管5bを高周波で点灯するようになっている。
【0036】
そして、本実施形態の蛍光ランプ装置1によれば、蛍光ランプ5は発光管の外径φ1(7〜12mm)よりも大きい高さh(30〜65mm)を有するので、この蛍光ランプ5の発光は、その高さhのほぼ全域から横方向、すなわち、高さ方向に対して垂直な方向へ出力されるので、その横方向の光出力を向上させることができる。また、その分、蛍光ランプ装置1全体の光出力を向上させることができる。さらに、蛍光ランプ5の放電路が200〜500mmであって、長いので、蛍光ランプ装置1全体としての光出力を増大させることができる。
【0037】
さらに、蛍光ランプ5の発光を、拡散性を有するグローブ6により拡散するので、蛍光ランプ5の形状がグローブ6に投影されることを防止または低減することができる。また、蛍光ランプ5の一対の電極封止端部5a,5aのアウターワイヤー12,12,…を点灯回路基板3aのラックピン11,11,…にそれぞれ巻き付けることにより、これら一対の電極封止端部5a,5aを点灯回路基板3aに電気的に接続することができると共に、点灯回路3を本体2に固定することができる。
【0038】
図5(a)は本発明の第2の実施形態に係る蛍光ランプ装置の斜視図、(b)は同(a)の平面図、(c)は同(a)の正面図である。これらの図に示すようにこの蛍光ランプ装置1Aは、上記蛍光ランプ装置1の口金部4の露出外面の一例である天板4c上に、複数の放熱フィン20a,20a,…を有する放熱器20を形成した点に特徴がある。放熱器20は口金部4の天板4cとほぼ同形同大の円板状のベース上に、複数の羽根状のフィン20a,20a,…を所要のピッチで並設している。これ以外は上記蛍光ランプ装置1Aと同じ構成である。
【0039】
したがって、この蛍光ランプ装置1Aによれば、その発熱を口金部4の放熱器20から外部に放熱できるので、蛍光ランプ装置1Aの温度上昇を抑制できる。ひいては口金部4の点灯装置収容部4b内の点灯装置3の熱的劣化を抑制できる。
【0040】
図6(a)は本発明の第3の実施形態に係る蛍光ランプ装置1Bの斜視図、(b)は同(a)の底面図、(c)は同(a)の正面図、(d)は同(c)の側面図である。これらの図に示すように蛍光ランプ装置1Bは、上記蛍光ランプ装置1の口金部4の本体2およびグローブ6の外側面に、軸横断面形状が円弧状で外方に開口した左右一対の縦溝21,21を軸方向にそれぞれ形成した点に特徴がある。これら縦溝21,21は、その軸方向一端側の口金部4側で開口21aし、その軸方向他端側のグローブ6側でも外側に開口21bしている。この下開口21bは上開口21aよりも幅広に形成されている。
【0041】
この蛍光ランプ装置1Bによれば、この蛍光ランプ装置1Bを手に持ったときに、その手が一対の縦溝21,21に引っ掛かり易いので、その滑りを防止または低減できる。したがって、この蛍光ランプ装置1Bを手に持ってそのGX53形の口金部4を、図7(a)〜(d)で示す照明器具22のソケット23の引っ掛けシーリングに挿入し、所要角回動させて、このソケット23に装着し、あるいは、その逆に取り外す際の滑りを防止または低減できる。その結果、口金部4をソケットへ装着し、取り外す際の作業の容易性を向上させることができる。
【0042】
また、これら縦溝21,21は、蛍光ランプ装置1Bの定格等の規格に応じて、その形状や寸法を種々変えることにより、規格に適合した照明器具22にしか装着できないように構成することもできる。
【0043】
図7(a)はこの目的のために構成された照明器具22の斜視図、(b)は同(a)の底面図、(c)は同(a)の正面図、(d)は同(b)のB−B線断面図である。
【0044】
これらの図に示すように照明器具22は、円錐台状の器具本体22aの大径端部に外向きフランジ22bを一体に突設し、小径端部の頂端22cに、円形の挿通孔22dを形成し、図7(d)に示すように器具本体22aの頂端22cの内側に引っ掛けシーリング用の環状のソケット23を、挿通孔22dと同心状に形成している。
【0045】
そして、図7(b),(d)に示すように器具本体22は、その内面に、軸方向ほぼ中間部にて、左右一対の突起24,24を突設している。これら一対の突起24,24は器具本体22aの直径方向で対向する位置に突設され、その寸法は、照明器具22の定格に応じて、種々相違する。すなわち、蛍光ランプ装置1Bと照明器具22の定格等規格が同一である場合には、蛍光ランプ装置1Bの各縦溝21をソケット装置23の各突起24に一致させる位置決めをした後、この蛍光ランプ装置1Bをソケット装置23内に軸方向に押し込む。すると、蛍光ランプ装置1Bの一対の縦溝21,21内に、照明器具22の一対の突起24,24が各縦溝21の上開口21aから挿入されて、下開口21bから外部へ出るように挿通される。この後、さらに蛍光ランプ装置1Bを押し込むと、照明器具22のソケット装置23の図示しないソケット孔内に蛍光ランプ装置1Bの一対の口金ピン9,9が挿入され、口金円筒部4bが照明器具22の挿通孔22d内に挿入される。ここで蛍光ランプ装置1Bをその中心軸回りに所要角回動させると、ソケット装置23の引っ掛けシーリングに係合し、装着される。しかし、両者の規格が不一致の場合は挿通できないようになっている。
【0046】
したがって、これら蛍光ランプ装置1Bと照明器具22によれば、これら両者の規格が一致する場合のみ蛍光ランプ装置1Bを照明器具22に装着することができ、規格不一致の場合は装着できないので、誤装着を未然に防止することができる。
【0047】
図8(a)は本発明の第4の実施形態に係る照明器具22Aの外観斜視図、(b)は同(a)の平面図、(c)は同(a)の正面図、(d)は同(a)の底面図である。
【0048】
この照明器具22Aは、図7(a)〜(d)で示す照明器具22の頂端22cの中央部に挿通孔22dの上方にて、例えば円板状の放熱器25を設けた点に特徴がある。この放熱器25は、円板状のベース上に、複数の羽根状の放熱フィン25a,25a…を所要のピッチで並設している。
【0049】
この照明器具22Aは、例えば建屋の天井等に配設され、その頂端部の放熱器25が天井裏空間に突き出し、その通風により冷却されるので、この放熱器25の放熱性を向上させることができる。このために、この照明器具22Aに装着された蛍光ランプ装置1A,1Bの放熱性も向上させることができる。
【符号の説明】
【0050】
1,1A,1B…蛍光ランプ装置、2…本体、3…点灯回路、3a…点灯回路基板、4…口金部、4b…円筒部(点灯装置収容部)、5…蛍光ランプ、5a,5a…蛍光ランプの一対の電極封止端部、5b…発光管、5c…環状部、11…ラックピン、21…縦溝(凹部)、22,22A…照明器具、24…突起、φ1…発光管の外径、φ2…環状部の環外径、h…蛍光ランプの高さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管外径7〜12mmの発光管により屈曲形成され発光管で囲まれた最大が外径50〜85mm、この最大外径方向に対して垂直方向に沿う高さ30〜65mm、放電路長200〜500mmの蛍光ランプと;
この蛍光ランプを点灯させる点灯装置と;
この点灯装置を収容するとともに、前記蛍光ランプを保持しており、前記点灯装置に電気的に接続された口金部を有する本体と;
を具備していることを特徴とする蛍光ランプ装置。
【請求項2】
前記蛍光ランプを覆う光拡散性と透光性を有するグローブを具備していることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ装置。
【請求項3】
前記蛍光ランプは、その一対の電極封止端部を、前記発光管に囲まれた最大外径の直径方向で対向する位置に配置しており、
前記点灯装置の複数の電子部品およびラッピングピンを実装した点灯回路基板を、前記蛍光ランプの一対の電極封止端部同士の間に配設していると共に一対の電極封止端部からそれぞれ導出されるワイヤーを巻き付けるラッピングピンは、一対のバルブ端部を結ぶ仮想線に近接し、バルブ端部に対向するよう配設していることを特徴とする請求項1または2記載の蛍光ランプ装置。
【請求項4】
前記口金部は、その露出外面に放熱用フィンを形成していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の蛍光ランプ装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一記載の蛍光ランプ装置と;
前記口金部に着脱可能に装着されて電気的に接続されるソケットを備えた器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−205433(P2010−205433A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46533(P2009−46533)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】