説明

表示パネルのフレキシブル基板剥離装置

【課題】表示パネルのパネル端子部に異方性導電接着材を介して接続されているフレキシブル基板を、パネル端子部側の電極端子に損傷を与えることなく、また、剥離残渣が残らないように自動的にきれいに剥離できるようにする。
【解決手段】加熱手段200によりパネル端子部12aの下面側からパネル端子部の一部分を異方性導電接着材のTg温度以上に加熱した状態で、剥離力付与手段300にてフレキシブル基板20の一端側の端部20aに剥離荷重を加えて、フレキシブル基板20を一端側20aから他端側20bに向けて剥離する際、移動手段によりフレキシブル基板20の剥離点Pが加熱手段200上に位置するように液晶表示パネル10をテーブル100とともに移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルのフレキシブル基板剥離装置に関し、さらに詳しく言えば、表示パネルのリペア時に表示パネルからフレキシブル基板を剥離するフレキシブル基板の剥離装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示パネルには、外部の表示制御装置から表示駆動信号を入力するための中継基板としてのフレキシブル基板が接続される。表示パネルの分野において、フレキシブル基板には、TCP(Tape Carrier Package)やCOF(Chip on Film)などが用いられることが多い。
【0003】
表示パネルとして液晶表示パネルを例示すると、液晶表示パネルにフレキシブル基板を接続したのち、実際にフレキシブル基板を介して表示駆動信号を入力して点灯検査が行われるが、その検査で異常が発見された液晶表示パネルはリペア工程に回される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
リペア工程においては、多くの場合、液晶表示パネルからフレキシブル基板が剥離される。その従来例を図4ないし図6により説明する。図4,図5は液晶表示パネルは同一構成であるが、フレキシブル基板の異なる剥がし方を示す模式図で、図6はフレキシブル基板の接続部分を示す図4のA−A線に沿った拡大断面図である。
【0005】
図4および図5に示すように、液晶表示パネル10は、ともにガラス材からなる一対の透明電極基板11,12を図示しない周辺シール材を介して貼り合わせ、そのセル内に液晶物質を封入することにより構成されるが、少なくとも一方の透明電極基板12には、表示信号入力用のパネル端子部12aが側方に張り出すように連設される。
【0006】
図6に示すように、パネル端子部12aには、液晶表示パネル10内の表示電極と引き回し配線(ともに図示しない)を介して接続される電極端子13が設けられている。図6には、1本の電極端子13しか示されていないが、実際には、上記表示電極と対応する本数分設けられている。
【0007】
液晶表示パネル10がドットマトリクス型の場合、電極端子13は表示電極と同じくITO(インジウム錫酸化物)材にて形成されるITO電極13aのみからなるが、TFT(薄膜トランジスタ)型機種の場合には、比較的大きな電流を流す必要があることから、ITO電極13a上に例えばクロムなどのメタル電極13bが形成される。
【0008】
このほか、透明電極基板11,12の各外面には、それぞれ偏光膜14が貼着され、また、COG(Chip on Glass)型機種の場合には、図4および図5に示すように、パネル端子部12aに表示駆動用のベアチップ15が実装される。
【0009】
パネル端子部12aには、フレキシブル基板20が接続される。図6に示すように、フレキシブル基板20には、パネル端子部12aの電極端子13に対応する例えば銅箔からなる接続端子21が形成されている。
【0010】
電極端子13と接続端子21の接続には、図6に示すように、その多数本同士を一括して接続することができる異方性導電接着材30が好ましく用いられている。
【0011】
異方性導電接着材30は、例えば熱可塑性樹脂31内に導電性粒子32をほぼ均一に分散させてなる機械的,電気的な接続機能を有するコネクタ材であって、通常は、フィルム形態のACF(Anisotropic Conductive Film)で提供される。このため、以下の説明において、異方性導電接着材をACFということがある。
【0012】
パネル端子部12aからフレキシブル基板20を剥離する場合、例えばハンダ鏝でACF30をそのTg温度(ガラス遷移温度)付近にまで加熱し接着性を低下させたうえで、フレキシブル基板20を引き剥がすようにしている。
【0013】
ACF30を加熱する方法には、図4に示すように、ハンダ鏝Hをパネル端子部12aの下面側に当てて加熱する第1の加熱法と、図5に示すように、ハンダ鏝Hをフレキシブル基板20の表面側に当てて加熱する第2の加熱法とがある。
【0014】
パネル端子部12aの下面側から加熱する第1の加熱法の場合、メタル電極13bでの放熱により、電極端子13上に存在するACFと、電極端子13間に存在するACFとで微少ではあるが温度差が生じ、電極端子13間に存在するACFが先に軟らかくなり、加熱部分での接着力は全体的に低下する。
【0015】
しかしながら、一般的に、ITO電極13aとメタル電極13bの付着力は余り強くないため、フレキシブル基板20を引き剥がす際、フレキシブル基板20に付着したACFとともにメタル電極13bが剥離してしまうことがある。
【0016】
また、フレキシブル基板20の表面側から加熱する第2の加熱法の場合、ACF30が均等に加熱され、主にフレキシブル基板20とACF30の界面で剥離が生ずるため、メタル電極13bが剥離されるリスクは減少するが、他方においてパネル端子部12aにACF残渣が多く残ることになる。
【0017】
そのため、アルコールなどの溶剤でACF残渣を除去することになるが、これには時間がかかるばかりでなく、その残渣除去作業時に電極端子13に例えば払拭傷が付けられることもある。なお、電極端子13がITO電極13aのみからなる場合でも、少なからず同様な問題が生ずる。
【0018】
【特許文献1】特開平10−153789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、本発明の課題は、表示パネルのパネル端子部に異方性導電接着材を介して接続されているフレキシブル基板を、パネル端子部側の電極端子に損傷を与えることなく、また、剥離残渣が残らないように自動的にきれいに剥離できるフレキシブル基板剥離装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、表示パネルのパネル端子部に異方性導電接着材を介して接続されているフレキシブル基板を、上記パネル端子部から剥離する表示パネルのフレキシブル基板剥離装置において、上記表示パネルが載置されるテーブルと、上記パネル端子部から上記フレキシブル基板を剥離する部分において上記パネル端子部の下面側から上記異方性導電接着材のTg温度(ガラス遷移温度)以上に加熱する固定配置の加熱手段と、上記フレキシブル基板の一端側の端部を掴み上記フレキシブル基板に対して剥離荷重を加える剥離力付与手段と、上記表示パネルを上記パネル端子部から上記フレキシブル基板を剥離する部分を順次加熱するとともに上記剥離力付与手段により上記パネル端子部から上記フレキシブル基板を剥離するために上記テーブルとともに移動させる移動手段とを備えていることを特徴としている。
【0021】
請求項2に係る発明は、加熱手段による加熱温度をTg温度+10℃以上,Tg温度+20℃未満とすることを特徴としている。
【0022】
請求項3に係る発明は、請求項1または2において、上記パネル端子部に対する上記フレキシブル基板の剥離角度を40度以上,80度未満とすることを特徴としている。
【0023】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項において、剥離力付与手段として、釣り合い重りを用いることを特徴としている。
【0024】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項で、上記パネル端子部にITO電極上にメタル電極を積層してなる電極端子が形成されている場合において、上記剥離荷重を上記ITO電極と上記メタル電極の付着力よりも小さくすることを特徴としている。
【0025】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれか1項において、上記パネル端子部に形成されている電極端子の幅をWとして、上記パネル端子部に対する上記加熱手段の加熱幅をW×電極端子4〜8本分の局所加熱幅とすることを特徴としている。
【0026】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか1項において、上記テーブルを自由に移動可能にするとともに、上記加熱手段として自由に回転可能なローラヒータを用い、上記剥離力付与手段による剥離力にて上記テーブルを移動させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に係る発明によれば、加熱手段によりパネル端子部からフレキシブル基板を剥離する部分においてパネル端子部の下面側から異方性導電接着材のTg温度以上に加熱した状態で、剥離力付与手段にてフレキシブル基板の一端側の端部に剥離荷重を加えて、フレキシブル基板を一端側から他端側に向けて剥離する際、移動手段によりパネル端子部からフレキシブル基板を剥離する部分を順次加熱するとともに上記剥離力付与手段により上記パネル端子部からフレキシブル基板を剥離するために表示パネルをテーブルとともに移動させるようにしたことにより、フレキシブル基板をパネル端子部側の電極端子に損傷を与えることなく、また、剥離残渣が残らないように自動的にきれいに剥離することができる。
【0028】
請求項2に係る発明によれば、加熱手段による加熱温度をTg温度+10℃以上,Tg温度+20℃未満とすることにより、異方性導電接着材を確実に溶融させることができるとともに、偏光膜やパネル端子部に実装されている表示駆動用のベアチップ等の電子部品に熱的な悪影響を与えずに済む。
【0029】
請求項3に係る発明によれば、パネル端子部に対するフレキシブル基板の剥離角度を40度以上,80度未満とすることにより、フレキシブル基板に適正な荷重をかけて引き剥がすことができるとともに、パネル端子部の面と平行なベクトル分力にてテーブルを引き剥がしに同調させて横方向に移動させることができる。すなわち、場合によっては、剥離力付与手段にテーブル移動手段を兼用させることができる。
【0030】
請求項4に係る発明によれば、剥離力付与手段として、釣り合い重りを用いることにより、常に一定の剥離荷重を加えることができる。また、剥離荷重の調整も簡単に行うことができる。
【0031】
請求項5に係る発明によれば、パネル端子部にITO電極上にメタル電極を積層してなる電極端子が形成されている場合において、剥離荷重をITO電極とメタル電極の付着力よりも小さくすることにより、メタル電極の剥離を防止することができる。
【0032】
請求項6に係る発明によれば、パネル端子部に形成されている電極端子の幅をWとして、パネル端子部に対する加熱手段の加熱幅をW×電極端子4〜8本分の局所加熱幅とすることにより、加熱不足,過剰加熱を防止できる。また、請求項2と同じく、偏光膜やパネル端子部に実装されている表示駆動用のベアチップ等の電子部品に熱的な悪影響を与えずに済む。
【0033】
請求項7に係る発明によれば、テーブルを自由に移動可能にするとともに、加熱手段として自由に回転可能なローラヒータを用い、剥離力付与手段による剥離力にてテーブルを移動させることにより、請求項3と同じく、剥離力付与手段にテーブル移動手段を兼用させることができる。これによれば、フレキシブル基板の剥離に伴ってテーブルを微妙に移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
次に、図1ないし図3により、本発明の2つの実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
図1は本発明の第1実施形態に係るフレキシブル基板剥離装置を示す模式的な正面図(パネル端子部の端面側から見た図)、図2はその側面図、図3は本発明の第2実施形態に係るフレキシブル基板剥離装置を示す図1と同様の正面図である。
【0036】
なお、この実施形態においても、例示される液晶表示パネルおよびフレキシブル基板は、先の図4ないし図6で説明した構成と同じであってよい。すなわち、液晶表示パネル10は電極端子13が形成されたパネル端子部12aを有し、パネル端子部12aには異方性導電接着材(ACF)30を介してフレキシブル基板20が電気的,機械的に接続されている。
【0037】
図1および図2に示すように、第1実施形態に係るフレキシブル基板剥離装置は、パネル端子部12aからフレキシブル基板20を自動的に剥離するため、液晶表示パネル10が載置されるテーブル100と、ACF30(図6参照)を加熱する加熱手段200と、フレキシブル基板20に剥離荷重を加える剥離力付与手段300とを備えている。
【0038】
テーブル100は、図2に示すように、液晶表示パネル10のパネル端子部12aを除く本体部分(表示部分)を支持する表面が平滑なテーブルで、図示しないが、液晶表示パネル10を例えば負圧吸着により一時的に固定するパネル固定手段を備えている。
【0039】
テーブル100は可動テーブルで、図1の正面図では左右方向、図2の側面図では紙面と直交する方向に往復的に移動する。この第1実施形態において、テーブル100はステッピングモータ120により送りねじ軸110を介して移動が制御される。その移動制御ピッチは1mm単位程度であることが好ましい。
【0040】
この第1実施形態では、加熱手段200にヒータバー210が用いられている。ヒータバー210は、パネル端子部12aの下面側の固定された位置に配置され、高さ調整手段211によりパネル端子部12aの下面に接触するように、その高さが調整される。
【0041】
なお、加熱手段200によりフレキシブル基板20の表面(上面)側から加熱する場合には、剥離界面がフレキシブル基板20とACF30との接合面間になり、パネル端子部12a側にACF残渣が残り易くなるため、好ましくない。
【0042】
ヒータバー210は、パネル端子部12aの下面側からACF30をそのTg温度以上の温度に加熱する。液晶表示パネル10に貼着されている偏光膜14(図4参照)やパネル端子部12a上のベアチップ15などに熱的な悪影響を与えないようにするうえで、ヒータバー210の好ましい加熱温度は、Tg温度+10℃以上,Tg温度+20℃未満である。
【0043】
また、ヒータバー210は、パネル端子部12aの一部分のみを加熱する。加熱不足,過剰加熱を防止するとともに、上記偏光膜14や上記ベアチップ15などに熱的な悪影響を与えないようにするうえで、ヒータバー210の好ましい加熱幅は、パネル端子部12aに形成されている電極端子13(図6参照)の幅をWとして、W×電極端子4〜8本分の局所加熱幅であることが好ましい。
【0044】
剥離力付与手段300には、釣り合い重り方式を採用している。すなわち、剥離力付与手段300は、ヒータバー210の近傍に立設され、上端に水平方向に延びる横梁311を有する支柱310を備えている。
【0045】
横梁311には紐320がかけられ、紐320の一端にはクリップ321が取り付けられ、紐320の他端には重り330がつり下げられる。横梁311に対する紐320の摩擦抵抗を少なくするため、横梁311に滑車が設けられるとよい。
【0046】
クリップ321でフレキシブル基板20の一端側の端部20aを掴むことにより、フレキシブル基板20に重り330による剥離荷重がかけられる。
【0047】
重り330の重さは任意に選択されてよいが、先の図6で説明したように、パネル端子部12aに形成される電極端子13がITO電極13aとメタル電極13bとの積層体からなる場合には、メタル電極13bに剥離が生じないようにするため、剥離荷重をITO電極13aとメタル電極13bとの付着力よりも小さくすることが好ましい。
【0048】
ただし、剥離荷重を余り小さくすると、フレキシブル基板20の剥離に時間がかかり、同一箇所が過剰に加熱され、その周辺の熱履歴が問題となるため、最低荷重は50g以上とすることが好ましい。
【0049】
また、図1に示す剥離点Pを移動させながら、フレキシブル基板20に適正な範囲で剥離荷重をかけて引き剥がすうえで、パネル端子部12aに対するフレキシブル基板20の剥離角度αは40度以上,80度未満であることが好ましい。
【0050】
なお、本発明における剥離角度αとは、剥離力付与手段300によりフレキシブル基板20が屈曲した際に曲率が最大になる箇所とフレキシブル基板の剥離点Pを結んだ仮想接線と、パネル端子部12aの表面とのなす角度のことである。
【0051】
次に、上記構成の第1実施形態の動作の一例について説明する。まず、ステッピングモータ120を駆動して、図1において、フレキシブル基板20の一端側(右側)の端部20aがヒータバー210上に位置するようにテーブル100を左側に寄せる。
【0052】
次に、紐320の一端側のクリップ321でフレキシブル基板20の一端側の端部20aを掴むとともに、紐320の他端に所定の重さの重り330を吊す。
【0053】
そして、ヒータバー210に通電して、パネル端子部12aの下面側から上記ACF30をそのTg温度以上の温度(好ましくは、Tg温度+10℃以上,Tg温度+20℃未満)で加熱する。
【0054】
上記ACF30が溶融し、フレキシブル基板20が剥がれ始めたら、その剥離角度αが好ましくは40度以上,80度未満の範囲内に収まるように、ステッピングモータ120により送りをかけてテーブル100を図1において右側に移動させる。
【0055】
すなわち、フレキシブル基板20の剥離点Pが常にヒータバー210上に存在するように、ステッピングモータ120により送りをかけてテーブル100を移動させ、これを最終的にフレキシブル基板20の他端側の端部20bが剥がれるまで実行する。
【0056】
上記第1実施形態では、ステッピングモータ120によりテーブル100を移動させるようにしているが、使用する重り330が重い場合には、フレキシブル基板20にかけられる剥離荷重によってテーブル100を移動させることができる。
【0057】
すなわち、フレキシブル基板20の一端側の端部20aを所定の角度で斜め上方に引っ張り上げる場合、パネル端子部12aには、その引っ張り上げベクトルの水平方向の分力が作用する。
【0058】
上記したように、特に、パネル端子部12aに対するフレキシブル基板20の剥離角度αが40度以上,80度未満の場合、大きな水平方向の分力が得られるため、テーブル110を引き剥がしに同調させて横方向に移動させることができる。
【0059】
これを実現するには、移動摩擦抵抗を極力小さくする必要がある。そのため、図3の第2実施形態では、図示しないガイドレールによりテーブル100を図3において左右方向に自由に移動可能にするとともに、加熱手段200に自由回転可能なローラヒータ220を用いる。これによれば、フレキシブル基板20の剥離に伴ってテーブル100を微妙に移動させることができる。
【0060】
なお、図3の第2実施形態のさらなる変形例として、ローラヒータ220を図示しないモータに連結し、ローラヒータ220を補助送り機構とすることもでき、このような態様も本発明に含まれる。
【0061】
また、上述の実施形態は液晶表示パネルを例にしているが、本発明は、有機ELパネル等の他の表示パネルの場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフレキシブル基板剥離装置を示す模式的な正面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】本発明の第2実施形態に係るフレキシブル基板剥離装置を示す模式的な正面図。
【図4】従来でのフレキシブル基板の剥がし方の一例を示す模式図。
【図5】従来でのフレキシブル基板の剥がし方の別の例を示す模式図。
【図6】図4のA−A線に沿った拡大断面図。
【符号の説明】
【0063】
10 液晶表示パネル
12a パネル端子部
13 電極端子
13a ITO電極
13b メタル電極
20 フレキシブル基板
30 異方性導電接着材(ACF)
100 テーブル
200 加熱手段
210 ヒーターバー
220 ローラヒータ
300 剥離力付与手段
321 クリップ
330 重り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルのパネル端子部に異方性導電接着材を介して接続されているフレキシブル基板を、上記パネル端子部から剥離する表示パネルのフレキシブル基板剥離装置において、
上記表示パネルが載置されるテーブルと、上記パネル端子部から上記フレキシブル基板を剥離する部分において上記パネル端子部の下面側から上記異方性導電接着材のTg温度(ガラス遷移温度)以上に加熱する固定配置の加熱手段と、上記フレキシブル基板の一端側の端部を掴み上記フレキシブル基板に対して剥離荷重を加える剥離力付与手段と、上記表示パネルを上記パネル端子部から上記フレキシブル基板を剥離する部分を順次加熱するとともに上記剥離力付与手段により上記パネル端子部から上記フレキシブル基板を剥離するために上記テーブルとともに移動させる移動手段とを備えていることを特徴とする液晶表示パネルのフレキシブル基板剥離装置。
【請求項2】
上記加熱手段による加熱温度を上記Tg温度+10℃以上,上記Tg温度+20℃未満とすることを特徴とする請求項1に記載の表示パネルのフレキシブル基板剥離装置。
【請求項3】
上記パネル端子部に対する上記フレキシブル基板の剥離角度を40度以上,80度未満とすることを特徴とする請求項1または2に記載の表示パネルのフレキシブル基板剥離装置。
【請求項4】
剥離力付与手段として、釣り合い重りを用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の表示パネルのフレキシブル基板剥離装置。
【請求項5】
上記パネル端子部にITO電極上にメタル電極を積層してなる電極端子が形成されている場合において、上記剥離荷重を上記ITO電極と上記メタル電極の付着力よりも小さくすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の表示パネルのフレキシブル基板剥離装置。
【請求項6】
上記パネル端子部に形成されている電極端子の幅をWとして、上記パネル端子部に対する上記加熱手段の加熱幅をW×電極端子4〜8本分の局所加熱幅とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の表示パネルのフレキシブル基板剥離装置。
【請求項7】
上記テーブルを自由に移動可能にするとともに、上記加熱手段として自由に回転可能なローラヒータを用い、上記剥離力付与手段による剥離力にて上記テーブルを移動させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の表示パネルのフレキシブル基板剥離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−36894(P2009−36894A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−199709(P2007−199709)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】