説明

表示装置、表示方法およびプログラム

【課題】直感的な操作によって、ある表示媒体に表示していた情報を別の表示媒体に表示すること。
【解決手段】本発明の表示装置は、表示部と、前記表示部面上の接触位置を検知するセンサと、を有する表示媒体と、複数の前記表示媒体を重ねた多層構造として配置し、各表示媒体の端部を、保持する保持部と、前記複数の表示部に表示する情報を記憶する記憶部と、前記複数の表示部に表示する情報を変更する制御部と、を有する。前記制御部は、一のセンサから、前記一のセンサに対応する第1の表示媒体にて情報の移動指示操作が検知されたことを示す所定の検知情報と、他のセンサから、前記他のセンサに対応する第2の表示媒体にて情報の表示指示操作が行われたことを示す所定の検知情報を受けると、前記第1の表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を、前記第2の表示媒体または前記第2の表示媒体に応じた第3の表示媒体の有する表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する表示装置、表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報を表示する表示装置として、複数の薄い表示媒体から構成され、複数の表示媒体の各々に情報を表示するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
なお、本明細書では、表示装置を閉じた状態で一番上位にある表示媒体、または、操作者に面して一番上位にある表示媒体を最上層とし、逆方向にある表示媒体を下層にあると定義する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−58081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された表示装置においては、複数の表示媒体のうちの1つの表示媒体にボタンが設けられており、このボタンの押下により操作が行われる。
【0006】
そのため、特許文献1に開示された表示装置においては、ある表示媒体に表示していた情報を別の表示媒体に表示したい場合、その操作を上記のボタンの押下により行う必要があり、直感的な操作でなく操作が煩雑になるという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決することができる表示装置、表示方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の表示装置は、
表示部と、前記表示部面上の接触位置を検知するセンサと、を有する表示媒体と、
複数の前記表示媒体を重ねた多層構造として配置し、各表示媒体の端部を、保持する保持部と、
前記複数の表示部に表示する情報を記憶する記憶部と、
前記複数の表示部に表示する情報を変更する制御部と、を有し、
前記制御部は、
一のセンサから、前記一のセンサに対応する第1の表示媒体にて情報の移動指示操作が検知されたことを示す所定の検知情報と、他のセンサから、前記他のセンサに対応する第2の表示媒体にて情報の表示指示操作が行われたことを示す所定の検知情報を受けると、前記第1の表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を、前記第2の表示媒体または前記第2の表示媒体に応じた第3の表示媒体の有する表示部に表示する。
【0009】
本発明の表示方法は、
表示部と、前記表示部面上の接触位置を検知するセンサと、を有する表示媒体と、
複数の前記表示媒体を重ねた多層構造として配置し、各表示媒体の端部を、保持する保持部と、を有する表示装置による表示方法であって、
一のセンサが、前記一のセンサに対応する第1の表示媒体にて情報の移動指示操作が検知されたことを示す所定の検知情報を出力し、
他のセンサが、前記他のセンサに対応する第2の表示媒体にて情報の表示指示操作が行われたことを示す所定の検知情報を出力し、
前記一のセンサおよび前記他のセンサの各々から前記検知情報が出力されると、前記第1の表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を、前記第2の表示媒体または前記第2の表示媒体に応じた第3の表示媒体の有する表示部に表示する。
【0010】
本発明のプログラムは、
表示部と、前記表示部面上の接触位置を検知するセンサと、を有する表示媒体と、
複数の前記表示媒体を重ねた多層構造として配置し、各表示媒体の端部を、保持する保持部と、を有する表示装置に、
一のセンサが、前記一のセンサに対応する第1の表示媒体にて情報の移動指示操作が検知されたことを示す所定の検知情報を出力する手順と、
他のセンサが、前記他のセンサに対応する第2の表示媒体にて情報の表示指示操作が行われたことを示す所定の検知情報を出力する手順と、
前記一のセンサおよび前記他のセンサの各々から前記検知情報が出力されると、前記第1の表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を、前記第2の表示媒体または前記第2の表示媒体に応じた第3の表示媒体の有する表示部に表示する手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、直感的な操作によって、第1の表示媒体に表示していた情報を、第2の表示媒体または第2の表示媒体に応じた表示媒体に表示することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の表示装置の外観図である。
【図2】図1に示した表示装置の機能ブロック図である。
【図3】図1に示した各表示媒体に対する第1の操作と第2の操作とを説明する図である。
【図4】図2に示した記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【図5】図1に示した表示装置の動作例1の流れを説明するフローチャートである。
【図6】図1に示した表示装置の動作例1の具体例を説明する図である。
【図7】図1に示した表示装置の動作例2の流れを説明するフローチャートである。
【図8】図1に示した表示装置の動作例2の具体例を説明する図である。
【図9】図1に示した表示装置の動作例3の流れを説明するフローチャートである。
【図10A】図1に示した表示装置の動作例3の具体例を説明する図である。
【図10B】図1に示した表示装置の動作例3の具体例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(1)本実施形態の構成
図1は、本実施形態の表示装置1の外観図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の表示装置1は、階層的に配置した表示媒体10−1〜10−4(以下、どの表示媒体か特定しないときは表示媒体10と称す)と、表示媒体10−1〜10−4の端部を保持する保持部20と、を有している。
【0015】
なお、図1においては、表示媒体10が4つである場合を例に挙げて示しているが、表示媒体10の数は2つ以上であれば良い。また、保持部20は、表示媒体10を個別に着脱可能な構造としてもよいし、他の表示媒体10を追加して保持することも可能である。
【0016】
表示媒体10−1〜10−4は、画像や文字等の情報を表示する表示媒体であり、例えば、電子ペーパー等である。
【0017】
表示媒体10に利用される素材が、ある程度の変形を許容するものであれば、当該表示媒体のしなりにより、各表示媒体をページめくり閲覧が可能である。
【0018】
また、各表示媒体10毎のページめくりを容易化させるために、保持部20において、各表示媒体10を開閉可能に保持する構造を取ってもよい。
【0019】
図2は、本実施形態の表示装置1の機能ブロック図である。
【0020】
図2に示すように、本実施形態の表示装置は、表示媒体10−1〜10−4と、記憶部30と、制御部40と、を有している。なお、記憶部30および制御部40は、図1に示した保持部20の内部に設けられている。
【0021】
表示媒体10は、記憶部30や外部の通信ネットワークを介して取得した情報を表示可能な表示部を備えており、当該表示部は、各表示媒体10の表面、背面の少なくとも1つの面上に実装することが可能である。
【0022】
また、表示媒体10−1〜10−4は、センサ11を備えている。
【0023】
センサ11は、表示媒体10の表面および裏面への接触、さらには接触された位置を検知する接触センサで構成することができる。なお、接触センサは、表面用と裏面用とで別々に設けることができる。
【0024】
また、センサ11は、上述した接触センサに、表示媒体10の表面および背面への押圧を検知する圧力センサを追加することができる。なお、圧力センサは、表面用と裏面用とで別々に設けることができる。
【0025】
ここで、センサ11が検知する所定の操作について、表示媒体10−4を例に挙げて、図3を参照して説明する。なお、図3は、表示装置1を図1のX側から見た側面図に相当する。
【0026】
第1に、センサ11は、表示媒体10−4をつまんで取り出すような操作(以下、第1の操作と称す)を検知する。第1の操作は、表示媒体10−4の表面および裏面へ接触または押圧を検知しつつ、当該検知している領域が表示媒体10−4の中心とは略反対方向に向かって移動する操作として検知することができる。第1の操作は、情報の移動指示操作に対応し、センサ11は、第1の操作を検知すると、第1の操作が検知されたことを示す検知情報を、制御部40に出力する。
【0027】
第2に、センサ11は、表示媒体10−4をつまんで元に戻すような操作(以下、第2の操作と称す)を検知する。第2の操作は、操作者の指が表示媒体10−4の表示面および背面へ接触または押圧しつつ、表示媒体10−4の略中心方向に向かって移動する操作として検知することができる。第2の操作は、情報の表示指示操作に対応し、センサ11は、第2の操作を検知すると、第2の操作が検知されたことを示す検知情報を、制御部40に出力する。
【0028】
記憶部30は、表示媒体10−1〜10−4の有する表示部に表示する(以下、単に、「表示媒体10−1〜10−4に表示する」と称す)情報を記憶する。
【0029】
なお、記憶部30は、図4に示すように、表示媒体10−1〜10−4毎に、その表示媒体10が表示している情報と、その表示媒体10にて第1の操作が行われたか否かを表すフラグと、が登録されたテーブルを記憶する。
【0030】
制御部40は、表示媒体10−1〜10−4に表示する情報を変更する。
【0031】
本実施形態においては、制御部40は、表示媒体10−1〜10−4のうちのいずれかの表示媒体(第1の表示媒体)10に対応するセンサ11から、第1の操作が検知されたことを示す検知情報が出力され、その後に、表示媒体10−1〜10−4のうちのいずれかの表示媒体(第2の表示媒体)10に対応するセンサ11から、第2の操作が検知されたことを示す検知情報が出力された場合、第1の表示媒体10に表示されていた情報を、第2の表示媒体10または第2の表示媒体10に応じた表示媒体10(第3の表示媒体)に表示する。
【0032】
そのため、操作者は、特許文献1のようにボタン押下による煩雑な操作をしなくても、第1の表示媒体10および第2の表示媒体10に対する接触という直感的な操作によって、第1の表示媒体10に表示していた情報を、第2の表示媒体10または第2の表示媒体10に応じた第3の表示媒体10に表示することができる。
(2)本実施形態の動作
以下、本実施形態の表示装置1の動作について説明する。
(2−1)動作例1
図5は、本実施形態の表示装置1の動作例1の流れを説明するフローチャートである。
【0033】
図5に示すように、まず、制御部40は、センサ11が表示媒体10−1〜10−4のいずれかで第1の操作を検知したかを判断する(ステップS11)。
【0034】
ステップS11において、第1の表示媒体10で第1の操作が検知された場合(ステップS11のYes)、制御部40は、記憶部30に記憶されたテーブルにおいて、第1の表示媒体10のフラグをONにする(ステップS12)。
【0035】
このとき、第1の表示媒体10に表示されている表示情報が、抜き出しを示す選択がなされている旨の所定の情報を表示してもよい。
【0036】
次に、制御部40は、センサ11が表示媒体10−1〜10−4のいずれかで第2の操作を検知したかを判断する(ステップS13)。
【0037】
ステップS13において、第2の表示媒体10で第2の操作が検知された場合(ステップS13のYes)、制御部40は、記憶部30に記憶されたテーブルを参照して、フラグがONになっている第1の表示媒体10を特定する(ステップS14)。この状態は、ページの入れ替えを示す状態である。
【0038】
次に、制御部40は、表示媒体10同士における表示情報の入れ替え指定であることより、記憶部30に記憶されたテーブルを参照して、第1の表示媒体10に表示されていた情報を記憶部30から読み出し第2の表示媒体10に表示すると共に(ステップS15)、第2の表示媒体10に表示されていた情報を記憶部30から読み出し第1の表示媒体10に表示する(ステップS16)。
【0039】
その後、制御部40は、記憶部30に記憶されたテーブルを更新する(ステップS17)。すなわち、制御部40は、テーブル上で、第1の表示媒体10および第2の表示媒体10毎に、ステップS15,S16で新たに表示した情報を登録し、また、第1の表示媒体10のフラグをOFFにする。
【0040】
このように、動作例1においては、操作者が第1の表示媒体10で第1の操作をし、第1の表示媒体10とは異なる第2の表示媒体10で第2の操作をした場合、第1の表示媒体10および第2の表示媒体10にそれぞれ表示していた情報を入れ替えることができる。
【0041】
なお、第1の表示媒体10および第2の表示媒体10が同じ表示媒体10である場合は、その表示媒体10に元々表示されていた情報が再度表示されることになる。
【0042】
以下、動作例1の具体例について、図6を参照して説明する。なお、図6の各状態において、上側の図面は、表示媒体10−1〜10−4を図1のX側から見た場合の概念図であり、下側の図面は、記憶部30に記憶されたテーブルの内容を示す図面である(以下の図8、図10Aおよび図10Bにおいて同じ)。
【0043】
図6に示すように、状態X1では、表示媒体10−1,10−2,10−3,10−4には、それぞれ情報A,B,C,Dが表示されている。この状態で、表示媒体10−1にて第1の操作が行われると、制御部40は、テーブル上の表示媒体10−1のフラグをONにする。
【0044】
続く状態X2では、表示媒体10−3にて第2の操作が行われている。このとき、テーブル上の表示媒体10−1のフラグがONになっている。
【0045】
そのため、続く状態X3では、制御部40は、表示媒体10−1に表示されていた情報Aを表示媒体10−3に表示すると共に、表示媒体10−3に表示されていた情報Cを表示媒体10−1に表示する。また、制御部40は、テーブル上で、表示媒体10−1には情報Cを登録すると共に、表示媒体10−3には情報Aを登録し、表示媒体10−1のフラグをOFFにする。
(2−2)動作例2
図7は、本実施形態の表示装置1の動作例2の流れを説明するフローチャートである。
【0046】
図7に示すように、まず、制御部40は、センサ11が表示媒体10−1〜10−4のいずれかで第1の操作を検知したかを判断する(ステップS21)。
【0047】
ステップS21において、第1の表示媒体10で第1の操作が検知された場合(ステップS21のYes)、制御部40は、記憶部30に記憶されたテーブルにおいて、第1の表示媒体10のフラグをONにする(ステップS22)。
【0048】
次に、制御部40は、センサ11が表示媒体10−1〜10−4のいずれかで第2の操作を検知したかを判断する(ステップS23)。
【0049】
ステップS23において、第2の表示媒体10で第2の操作が検知された場合(ステップS23のYes)、制御部40は、記憶部30に記憶されたテーブルを参照して、フラグがONになっている第1の表示媒体10を特定する(ステップS24)。
【0050】
次に、制御部40は、記憶部30に記憶されたテーブルを参照して、第1の表示媒体10に表示されていた情報を記憶部30から読み出し、第2の表示媒体10に表示する(ステップS25)。
【0051】
次に、制御部40は、第1の表示媒体10の下層側に第2の表示媒体10が位置していれば、第1の表示媒体10の下層に位置する表示媒体10から第2の表示媒体10までの各表示媒体10に表示されていた情報を、それぞれその上層に位置する表示媒体10に表示する。また、制御部40は、第1の表示媒体10の上層側に第2の表示媒体10が位置していれば、第1の表示媒体10の上層に位置する表示媒体10から第2の表示媒体10までの各表示媒体10に表示されていた情報を、それぞれその下層に位置する表示媒体10に表示する(ステップS26)。
【0052】
その後、制御部40は、記憶部30に記憶されたテーブルを更新する(ステップS27)。すなわち、制御部40は、テーブル上で、第1の表示媒体10から第2の表示媒体10までの各表示媒体10に、ステップS25,S26で新たに表示した情報を登録し、また、第1の表示媒体10のフラグをOFFにする。
【0053】
このように、動作例2においては、操作者が第1の表示媒体10で第1の操作をし、第1の表示媒体10とは異なる第2の表示媒体10で第2の操作をした場合、第1の表示媒体10に表示していた情報を第2の表示媒体10に移動させることができる。さらに、第2の表示媒体10に表示されていた情報と第2の表示媒体10の上層側または下層側に位置する各表示媒体10に表示されていた情報を、それぞれその上層または下層に位置する表示媒体10にずらすことができる。
【0054】
以下、動作例2の具体例について、図8を参照して説明する。
【0055】
図8に示すように、状態Y1では、表示媒体10−1,10−2,10−3,10−4には、それぞれ情報A,B,C,Dが表示されている。この状態で、表示媒体10−1にて第1の操作が行われると、制御部40は、テーブル上の表示媒体10−1のフラグをONにする。
【0056】
続く状態Y2では、表示媒体10−4にて第2の操作が行われている。このとき、テーブル上の表示媒体10−1のフラグがONになっている。
【0057】
そのため、続く状態Y3では、制御部40は、表示媒体10−1に表示されていた情報Aを表示媒体10−4に表示する。また、表示媒体10−4は、表示媒体10−1の下層側に位置しているので、制御部40は、表示媒体10−1の下層に位置する表示媒体10−2から表示媒体10−4までの各表示媒体10に表示されていた情報B,C,Dを、それぞれその上層に位置する表示媒体10−1,10−2,10−3に表示する。また、制御部40は、テーブル上で、表示媒体10−1,10−2,10−3,10−4にそれぞれ情報B,C,D,Aを登録し、表示媒体10−1のフラグをOFFにする。
(2−3)動作例3
図9は、本実施形態の表示装置1の動作例3の流れを説明するフローチャートである。
【0058】
図9に示すように、まず、制御部40は、センサ11が表示媒体10−1〜10−4のいずれかで第1の操作を検知したかを判断する(ステップS31)。
【0059】
ステップS31において、第1の表示媒体10で第1の操作が検知された場合(ステップS31のYes)、制御部40は、記憶部30に記憶されたテーブルにおいて、第1の表示媒体10のフラグをONにする(ステップS32)。
【0060】
次に、制御部40は、センサ11が表示媒体10−1〜10−4のいずれかで第2の操作を検知したかを判断する(ステップS33)。
【0061】
ステップS33において、第2の表示媒体10で第2の操作が検知された場合(ステップS33のYes)、制御部40は、記憶部30に記憶されたテーブルを参照して、フラグがONになっている第1の表示媒体10を特定する(ステップS34)。
【0062】
次に、制御部40は、記憶部30に記憶されたテーブルを参照して、第1の表示媒体10に表示されていた情報を記憶部30から読み出し、第2の表示媒体10に対し上層に位置する第3の表示媒体、或いは、下層に位置する第3の表示媒体10のいずれかに表示する(ステップS35)。なお、上層または下層のどちらにするかの設定は、予め記憶部30に記憶しておいてもよいし、操作者が上層、下層を指定する旨の操作であってもよい。
【0063】
また、表示媒体10の表面、裏面に表示部を実装している場合には、表面の表示部、裏面の表示部のいずれに表示するかについても設定情報として、予め記憶部30に記憶するか、操作者が表示先とする表示部を指定する操作を行ってもよい。
【0064】
次に、制御部40は、第1の表示媒体10の下層側に第3の表示媒体10が位置していれば、第1の表示媒体10の下層に位置する表示媒体10から第3の表示媒体10までの各表示媒体10に表示されていた情報を、それぞれその上層に位置する表示媒体10に表示する。また、制御部40は、第1の表示媒体10の上層側に第3の表示媒体10が位置していれば、第1の表示媒体10の上層に位置する表示媒体10から第3の表示媒体10までの各表示媒体10に表示されていた情報を、それぞれその下層に位置する表示媒体10に表示する(ステップS36)。
【0065】
その後、制御部40は、記憶部30に記憶されたテーブルを更新する(ステップS37)。すなわち、制御部40は、テーブル上で、第1の表示媒体10から第3の表示媒体10までの各表示媒体10に、ステップS35,36で新たに表示した情報を登録し、また、第1の表示媒体10のフラグをOFFにする。
【0066】
このように、動作例3においては、操作者が第1の表示媒体10で第1の操作をし、第2の表示媒体10で第2の操作をした場合、第1の表示媒体10に表示していた情報を、第2の表示媒体10の上層または下層に位置する表示媒体10に移動させることができる。さらに、第3の表示媒体10に表示されていた情報と第3の表示媒体10の上層側または下層側に位置する各表示媒体10に表示されていた情報を、それぞれその上層または下層に位置する表示媒体10にずらすことができる。
【0067】
以下、動作例3の具体例について、図10Aおよび図10Bを参照して説明する。なお、図10Aにおいては、第1の表示媒体10に表示していた情報を、第2の表示媒体10の上層に位置する第3の表示媒体10に表示する旨の設定が記憶部30に記憶されているものとする。また、図10Bにおいては、第1の表示媒体10に表示していた情報を、第2の表示媒体10の下層に位置する第3の表示媒体10に表示する旨の設定が記憶部30に記憶されているものとする。
【0068】
図10Aに示すように、状態Z11では、表示媒体10−1,10−2,10−3,10−4には、それぞれ情報A,B,C,Dが表示されている。この状態で、表示媒体10−1にて第1の操作が行われると、制御部40は、テーブル上の表示媒体10−1のフラグをONにする。
【0069】
続く状態Z12では、表示媒体10−4にて第2の操作が行われている。このとき、テーブル上の表示媒体10−1のフラグがONになっている。
【0070】
そのため、続く状態Z13では、制御部40は、表示媒体10−1に表示されていた情報Aを、表示媒体10−4の上層に位置する表示媒体10−3に表示する。また、表示媒体10−3は、表示媒体10−1の下層側に位置しているので、制御部40は、表示媒体10−1の下層に位置する表示媒体10−2から表示媒体10−3までの各表示媒体10に表示されていた情報B,Cを、それぞれその上層に位置する表示媒体10−1,10−2に表示する。また、制御部40は、テーブル上で、表示媒体10−1,10−2,10−3にそれぞれ情報B,C,Aを登録し、表示媒体10−1のフラグをOFFにする。
【0071】
なお、図10Aにおいて、第2の操作が表示媒体10−1にて行われた場合、表示媒体10−1の上層には何らの表示媒体10も存在しない。この場合、表示媒体10−1自身に表示するか、表示媒体10−1の下層の表示媒体10−2に表示するかの設定は、予め記憶部30に記憶しておく。また、記憶されている設定に対応する表示媒体が存在しない場合には、表示先用とする表示媒体がない旨の注意表示をしてもよい。
【0072】
一方、図10Bに示すように、状態Z21でも、表示媒体10−1,10−2,10−3,10−4には、それぞれ情報A,B,C,Dが表示されている。この状態で、表示媒体10−4にて第1の操作が行われると、制御部40は、テーブル上の表示媒体10−4のフラグをONにする。
【0073】
続く状態Z22では、表示媒体10−1にて第2の操作が行われている。このとき、テーブル上の表示媒体10−4のフラグがONになっている。
【0074】
そのため、続く状態Z23では、制御部40は、表示媒体10−4に表示されていた情報Aを、表示媒体10−1の下層に位置する表示媒体10−2に表示する。また、表示媒体10−2は、表示媒体10−4の上層側に位置しているので、制御部40は、表示媒体10−4の上層に位置する表示媒体10−3から表示媒体10−2までの各表示媒体10に表示されていた情報C,Bを、それぞれその下層に位置する表示媒体10−4,10−3に表示する。また、制御部40は、テーブル上で、表示媒体10−2,10−3,10−4にそれぞれ情報D,B,Cを登録し、表示媒体10−4のフラグをOFFにする。
【0075】
なお、図10Bにおいて、第2の操作が表示媒体10−4にて行われた場合、表示媒体10−4の下層には何らの表示媒体10も存在しない。この場合、表示媒体10−4自身に表示するか、表示媒体10−4の上層の表示媒体10−3に表示するかの設定は、予め記憶部30に記憶しておく。
【0076】
上述したように本実施形態においては、制御部40は、第1の表示媒体10にて第1の操作が行われ、その後に、第2の表示媒体10にて第2の操作が行われた場合、第1の表示媒体10に表示されていた情報を、第2の表示媒体10または第2の表示媒体10に隣接する上層または下層に位置する第3の表示媒体10に表示する。
【0077】
そのため、操作者は、特許文献1のようにボタン押下による煩雑な操作をしなくても、第1の表示媒体10および第2の表示媒体10に対する接触という直感的な操作によって、第1の表示媒体10に表示していた情報を、第2の表示媒体10または第2の表示媒体10に応じた第3の表示媒体10に表示することができる。
【0078】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0079】
例えば、上記実施形態において、第1の表示媒体10にて第1の操作が行われた場合、制御部40は、第2の表示媒体10にて第2の操作が行われるまでの期間に、第1の表示媒体10に、他の表示媒体10と区別可能にするための所定の情報を表示しても良い。所定の情報としては、例えば、グレー画像が考えられる。ただし、グレー画像は、固定のグレー画像に限らず、第1の操作が行われる前に表示していた情報をグレー表示したものであっても良い。
【0080】
なお、本発明の表示装置1にて行われる方法は、コンピュータに実行させるためのプログラムに適用してもよい。また、そのプログラムを記憶媒体に格納することも可能であり、ネットワークを介して外部に提供することも可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 表示装置
10−1〜10−4 表示媒体
11 センサ
20 保持部
30 記憶部
40 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、前記表示部面上の接触位置を検知するセンサと、を有する表示媒体と、
複数の前記表示媒体を重ねた多層構造として配置し、各表示媒体の端部を、保持する保持部と、
前記複数の表示部に表示する情報を記憶する記憶部と、
前記複数の表示部に表示する情報を変更する制御部と、を有し、
前記制御部は、
一のセンサから、前記一のセンサに対応する第1の表示媒体にて情報の移動指示操作が検知されたことを示す所定の検知情報と、他のセンサから、前記他のセンサに対応する第2の表示媒体にて情報の表示指示操作が行われたことを示す所定の検知情報を受けると、前記第1の表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を、前記第2の表示媒体または前記第2の表示媒体に応じた第3の表示媒体の有する表示部に表示する、表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記表示媒体の表面、裏面の少なくとも1面の上に配置されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記保持部は、前記複数の表示媒体をそれぞれ見開き可能に保持する、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2の表示媒体の有する表示部に、前記第1の表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を表示し、
前記第1の表示媒体の有する表示部に、前記第2の表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を表示する、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第2の表示媒体の有する表示部に、前記第1の表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を表示し、
前記第1の表示媒体の下層側に前記第2の表示媒体が位置する場合、該第1の表示媒体の下層に位置する表示媒体から該第2の表示媒体までの各表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を、それぞれその上層に位置する表示媒体の有する表示部に表示し、また、前記第1の表示媒体の上層側に前記第2の表示媒体が位置する場合、該第1の表示媒体の上層に位置する表示媒体から該第2の表示媒体までの各表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を、それぞれその下層に位置する表示媒体の有する表示部に表示する、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第2の表示媒体の上層または下層に位置する前記第3の表示媒体の有する表示部に、前記第1の表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を表示し、
前記第1の表示媒体の下層側に前記第3の表示媒体が位置する場合、該第1の表示媒体の下層に位置する表示媒体から該第3の表示媒体までの各表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を、それぞれその上層に位置する表示媒体の有する表示部に表示し、また、前記第1の表示媒体の上層側に前記第3の表示媒体が位置する場合、該第1の表示媒体の上層に位置する表示媒体から該第3の表示媒体までの各表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を、それぞれその下層に位置する表示媒体の有する表示部に表示する、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第1の表示媒体にて前記移動指示が行われてから、前記第2の表示媒体にて前記表示指示が行われるまでの期間に、前記第1の表示媒体の有する表示部に所定の情報を表示する、請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記所定の情報は、グレー画像である、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記移動指示操作は、前記第1の表示媒体の表示面および背面へ接触または押圧しつつ前記第1の表示媒体の中心とは略反対方向に向かって移動する操作であり、
前記表示指示操作は、前記第2の表示媒体の表示面および背面へ接触または押圧しつつ前記第2の表示媒体の略中心方向に向かって移動する操作である、請求項1から8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
表示部と、前記表示部面上の接触位置を検知するセンサと、を有する表示媒体と、
複数の前記表示媒体を重ねた多層構造として配置し、各表示媒体の端部を、保持する保持部と、を有する表示装置による表示方法であって、
一のセンサが、前記一のセンサに対応する第1の表示媒体にて情報の移動指示操作が検知されたことを示す所定の検知情報を出力し、
他のセンサが、前記他のセンサに対応する第2の表示媒体にて情報の表示指示操作が行われたことを示す所定の検知情報を出力し、
前記一のセンサおよび前記他のセンサの各々から前記検知情報が出力されると、前記第1の表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を、前記第2の表示媒体または前記第2の表示媒体に応じた第3の表示媒体の有する表示部に表示する、表示方法。
【請求項11】
表示部と、前記表示部面上の接触位置を検知するセンサと、を有する表示媒体と、
複数の前記表示媒体を重ねた多層構造として配置し、各表示媒体の端部を、保持する保持部と、を有する表示装置による表示方法であって、
一のセンサが、前記一のセンサに対応する第1の表示媒体にて情報の移動指示操作が検知されたことを示す所定の検知情報を出力し、
他のセンサが、前記他のセンサに対応する第2の表示媒体にて情報の表示指示操作が行われたことを示す所定の検知情報を出力し、
前記一のセンサおよび前記他のセンサの各々から前記検知情報が出力されると、前記第1の表示媒体の有する表示部に表示されていた情報を、前記第2の表示媒体または前記第2の表示媒体に応じた第3の表示媒体の有する表示部に表示する手順と、を実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate


【公開番号】特開2013−68865(P2013−68865A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208473(P2011−208473)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】