説明

表示装置

【課題】複数の表示パネルが並置された表示装置であっても、表示パネルの間にある意匠部が透過照明されることによって、複数の表示パネルに一体感を持たせることができる。
【解決手段】光源の光によって照明される第1の表示パネルと、第1の表示パネルと並置して設けられる第2の表示パネルと、第1の表示パネル及び第2の表示パネルを覆うように設けられた前面板3とを備えた表示装置において、第1の表示パネルと第2の表示パネルとの間に非表示領域3aを有し、非表示領域3aと対応する箇所に意匠部31を有し、意匠部31は、前面板3を透過する光によって照明されることによって、複数の表示パネルが並置された表示装置であっても、表示パネルの間にある意匠部31が透過照明されることによって、意匠部31と各表示パネルとの間において段差や境界が見えないため、表示パネルに一体感を持たせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に複数の表示パネルを備えてなる表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示パネルを複数備えてなる表示装置は、例えば特許文献1に記載されている。この表示装置は、複数の有機ELパネルを並置して表示領域を大型化するものである。通常、複数の表示パネルを並置すると、保持部材などによって各表示パネル間に一定の非表示領域が生じる。従来は、文字板に設けた透視窓などによって表示パネルを視認可能とし、非表示領域は文字板で隠す構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−71944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記各表示パネル間に段差や隙間が生じることによって、表示装置の表示領域内の見栄えが損なわれ、表示装置の一体感を表現しにくいという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、光源の光によって照明される第1の表示パネルと、前記第1の表示パネルと並置して設けられる第2の表示パネルと、前記第1の表示パネル及び前記第2の表示パネルの表示面側を覆うように設けられた前面板とを備えた表示装置において、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとの間に中間部を有し、
前記中間部と対応する箇所に意匠部を有し、
前記意匠部は、前記前面板を透過する光によって照明されるものである。
【0006】
このように構成することによって、複数の表示パネルが並置された表示装置であっても、表示パネルの間にある意匠部が透過照明されることによって、複数の表示パネルに一体感を持たせることができる。
【0007】
また本発明は、前記前面板は、前記中間部に屈曲部を有し、前記意匠部に光を導光する導光部が前記中間部の背面側に設けられたものである。
【0008】
このように構成することによって、前記意匠部を専用光源を設けることなく照明することができるので、コストダウンを達成することができる。
【0009】
また本発明は、前記第1の表示パネルは、液晶表示パネルからなることを特徴とする請求項1及び2に記載の表示装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、複数の表示パネルを用いた表示装置に関するものであり、各表示パネルによる表示に一体感を持たせ、表示装置の外観を良好にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態を示す液晶表示装置の正面図。
【図2】図1のA−A断面図(ハッチング省略)。
【図3】本発明の第2実施形態を示す液晶表示装置の正面図と。
【図4】図3のA−A断面図(ハッチング省略)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る表示装置を燃料残量などの車両情報を表示する車両用計器に適用したものを例に挙げて添付の図面を参照して説明する。
【0013】
本発明の表示装置は、TFT型液晶表示ユニットから構成された第1の表示パネル1と、バーグラフ表示部23を有するセグメント表示をさせる第2の表示パネル2と、第1の表示パネル1と第2の表示パネル2を連続して覆う前面板3とから主に構成される。
【0014】
第1の表示パネル1は、本実施形態においては、液晶表示部であり、2枚のガラス基板間に液晶分子を封入し、各々のガラス基板に偏光膜を貼り合わせた矩形の液晶表示パネル11と、この液晶表示パネル11の裏面側に配置され光透過性を有する図示しない拡散板と、液晶表示パネル11および拡散板が支持される図示しないホルダーと、液晶表示パネル11の表面側周縁を抑える枠状の縁部を有する図示しないパネル抑えと、回路基板7上に実装され液晶表示パネル11を背後から透過照明する光源としての発光ダイオードと、液晶表示パネル11と回路基板とを繋ぐ導電性の接続部材としての端子とから主に構成される。それらは、液晶ユニットUとして構成されている。この場合、液晶表示パネル11は、画像表示可能なTFT型の駆動モジュールが実装され、別途設けられた駆動回路によって区画形成された画素毎に表示制御される。
【0015】
第2の表示パネル2は、本実施形態においては、セグメント表示部であり、液晶表示パネル21と、この液晶表示パネル21の裏面側に配置された拡散板(図示せず)と、液晶表示パネル21および拡散板が保持されるホルダー(図示せず)と、このホルダーの背後に配置され液晶表示パネル21および拡散板を背後から透過照明するセグメント表示用光源6としての発光ダイオードと、この光源の光を液晶表示パネル21に導光する導光体22や液晶表示パネル21を駆動させる制御手段(図示せず)などが実装された硬質の回路基板7と、液晶表示パネル21と回路基板7とを電気的に接続する接続端子8とを備え、セルケース9によって保持されている。
【0016】
液晶表示パネル11は、周知の如く、ITOからなる透明電極(所謂セグメント電極)が形成された前側ガラス基板と、同じく透明電極(所謂コモン電極)が形成された後側ガラス基板との間に液晶分子を封入し、各々のガラス基板に偏光膜を貼ったものである。そして、後側ガラス基板の端部に引き回された電極を通して各透明電極に外部計測量に応じた信号が印加されると、計測量である例えば車両の燃料残量がバー表示されるようになっており、液晶表示パネル11は、例えば燃料残量をバー表示するバーグラフ表示部23を有している。
【0017】
前面板3は、光透過性の合成樹脂パネルからなる基材の表面又は裏面に、例えば黒色など不透過の印刷が施された非表示領域3aと、第1及び第2の表示パネルが視認可能なように設けられた表示枠3dと、非表示領域3aの印刷時に所定の意匠が抜き印刷された意匠部31とを備えている。また、前面板3の一辺(図1中右下)には、エッジライト用光源6aの光を意匠部31の方向に反射させるための反射面32が設けられている。意匠部31は、第2の表示パネル2の表示内容に関連する意匠が形成され、この場合、バーグラグ表示部23の指標部や表示内容を示すアイコンが形成されている。これにより、意匠部31と第2の表示パネル2との一体感を得ることができる。
【0018】
回路基板7は、硬質の基板からなり、図示しないが回路パターン等が印刷されている。また、回路基板7には、セグメント表示用光源6の他に、エッジライト照明用光源6aも実装されてある。
【0019】
このように構成された表示装置において、エッジライト照明用光源6aから出射した光は、透明パネル3に設けられた反射面32によって意匠部31の方向に反射され、その光によって意匠部31が透過照明される。
【0020】
このように本発明は、光源の光によって照明される第1の表示パネルと、第1の表示パネルと並置して設けられる第2の表示パネルと、第1の表示パネル及び第2の表示パネルを覆うように設けられた前面板3とを備えた表示装置において、第1の表示パネルと第2の表示パネルとの間に中間部Sを有し、中間部Sと対応する箇所に意匠部31を有し、意匠部31は、前面板3を透過する光によって照明されることによって、複数の表示パネルが並置された表示装置であっても、表示パネルの間にある意匠部31が透過照明されることによって、意匠部31と各表示パネルとの間において段差や境界が見えないため、表示パネルに一体感を持たせることができる。
【0021】
次に、第2の実施形態を説明する。 第1の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、詳細は省略する。
【0022】
本実施形態の場合、第2の表示パネル2は第1の表示パネル1よりも観察者側に傾いて配置され、その傾きによって生じる中間部Sを挟んで第1の表示パネル1と第2の表示パネル2が並置されている。
【0023】
前面板3は、光透過性の合成樹脂パネルからなる基材の表面に、不透過の印刷が施された文字板32であり、第1の表示パネル1の表示枠3cと、第2の表示パネル2の表示枠3dと、所定の意匠が抜き印刷された意匠部31とを備え、意匠部31を軸点として観察者側方向に傾く屈曲部32aが、例えば絞り成形などの手法によって形成されている。この表示枠3c,3dと意匠部31の背景となる中間部Sの遮光印刷とを連続的に形成することによって、一体感を得ることができる。
【0024】
また、前面板3の表示面と反対側には、回路基板7に実装されたセグメント表示用光源6からの光を意匠部31に導光するための導光部材50が設けられている。導光部材50は、液晶表示パネル21を保持するセルケース9と一体成形されている。
【0025】
このように構成された表示装置において、セグメント表示用光源6から出射した光は、導光部材50によって意匠部31の方向に導かれ、意匠部31を透過照明する。
【0026】
このように本発明は、前面板3は、第1の表示パネル1と第2の表示パネル2とが中間部Sを介して配置される箇所と対応する屈曲部32aを有し、意匠部31に光を導光する導光部材50が屈曲部32aの背面側に設けられたことによって、各表示パネルの間に空間が生まれ、その空間に意匠部31に光を導光するための導光部材50を配置することで、意匠部31を照明することができるので、第1の実施形態のようにエッジライト照明を設ける必要がなくコストダウンを達成することができる。また、観察者はセグメント表示部2を液晶表示部1よりも手前側に視認することができるので、奥行き感のある表示装置となる。また、構成全体を屈曲した大きな一枚のディスプレイのように見せることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 液晶表示部(第1の表示パネル)
2 セグメント表示部(第2の表示パネル)
3 前面板
3a 非表示領域
3c 表示枠
3d 表示枠
5 導光体
6 セグメント表示用光源
6a エッジライト用光源
7 回路基板
8 接続端子
9 セルケース
22 導光体
23 バーグラフ表示部
31 意匠部
32 文字板
32a 屈曲部
50 導光部材
S 中間部
U 液晶ユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源の光によって照明される第1の表示パネルと、前記第1の表示パネルと並置して設けられる第2の表示パネルと、前記第1の表示パネル及び前記第2の表示パネルの表示面側を覆うように設けられた前面板とを備えた表示装置において、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとの間に中間部を有し、
前記非表示領域と対応する箇所に意匠部を有し、
前記意匠部は、前記前面板を透過する光によって照明されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記前面板は、前記中間部に屈曲部を有し、前記意匠部に光を導光する導光部が前記中間部の背面側に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の表示パネルは、液晶表示パネルからなることを特徴とする請求項1及び2に記載の表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−189666(P2012−189666A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51177(P2011−51177)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】