被覆キブル形態のペットフード
被覆キブル形態のペットフードであって、被覆キブルがコア及びコーティングから作製されている。コアは押出されてもよく、12%未満の含湿量、即ち含水量を有してもよい。コアは、コーティングを含んでもよい。コーティングは、コーティングの50%〜95%のタンパク質構成成分と、ペットコーティングの5%〜50%の結合剤構成成分と、を有してもよい。一実施形態において、第1のコーティングと、脂肪構成成分を含む第2のコーティングと、を含む二重コーティングを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペットフードの分野に関する。本発明は、より詳細には動物の嗜好性を増大させる被覆キブル形態のペットフードに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
ペットフード、特に乾燥キブル形態のペットフードの動物の嗜好性を増大させることは、ペットフード製造業者の目標を決して終結させるものではない。例えばドッグフード及びキャットフード等の乾燥粗挽きペットフードは、乾燥された、そのまま食べられるペットフード製品である。ギブルは、該キブルの原材料が熱と圧力下で、ペレット化したキブルに形成されるように押出された押出プロセスによって形成され得る。
【0003】
これらキブル形態のペットフードは、乾燥キブルというその固有の形態により、その固有の課題を提示している。したがって、キブルは乾燥した形態を有する必要があるため、美味とすることが本質的に困難である。通常コアキブル中に位置する既存成分を表面にて活用することによって、美味剤(palatant)の費用を回避し、又は少なくとも低減することができ、製品の受容性を改善することが示唆される。しかしながら、コアキブル表面上にてコア又は内部成分等の既存成分を活用することによる、動物食物の、改善された製品受容性又は動物の嗜好性を付与することに関する技術的知識は容易に理解されない。
【0004】
コア成分を表面に適用する技術的課題を克服することの他の利点としては、ビタミン保持率が改善され、又はプロバイオティクス微生物が供給される等、所定の他の成分、例えば安定性に関して敏感な成分等が更に安定化され得ることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、一実施形態では、増大された動物の嗜好性を有するキブル形態のペットフードが所望されている。多数の実施形態が本明細書に開示され、それらの少なくとも1つはキブルの動物の嗜好性を増大する。少なくとも1つの方法では、動物の食物嗜好性を統合し、結合剤の補助によりコア成分を別様に外部に配置させる。1つの方法では、ペットフードの動物の嗜好性に実質的に影響を与えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、動物の嗜好性を向上する量の脂肪バンドを含むペットフードが開示される。いくつかの実施形態において、脂肪バンドは、3.900以上の値、又は4.000以上の値を有する。ペットフードは、キブルを含むことができ、被覆キブルであってもよく、栄養的にバランスがとれているキブルであってもよい。
【0007】
一実施形態において、ペットフードの容器も開示される。ペットフードは、複数のキブルを含むことができる。キブルは、動物の嗜好性を向上する量の脂肪バンドを有することができる。別の実施形態では、ペットフードの容器は、第1のキブルタイプ及び第2のキブルタイプを有することができ、第1のキブルタイプは、動物の嗜好性を向上する量の脂肪バンドを有するキブルであってもよく、第2のキブルタイプは、第1のキブルタイプとは異なる量の脂肪バンドを有するキブルであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】コア上のコーティングの形態のキブルの一実施形態を示す。
【図2】総アルデヒドの比較を示す。
【図3】酸素ボム試験の比較を示す。
【図4】脂肪分析の比較を提供する。
【図5】脂肪分析の比較を提供する。
【図6】脂肪分析の比較を提供する。
【図7】脂肪分析の比較を提供する。
【図8】脂肪分析の比較を提供する。
【図9】脂肪分析の比較を提供する。
【図10】匂い特徴付けの結果を提供する。
【図11】匂い特徴付けの結果を提供する。
【図12】匂い特徴付けの結果を提供する。
【図13】ビタミン損失の比較の結果を提供する。
【図14】ビタミン損失の比較の結果を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
本明細書で使用するとき、「the」、「a」及び「an」を含む冠詞は、特許請求の範囲又は明細書で使用されるときには、請求又は記載されるものの1以上を意味するものと理解される。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含んでいる(including)」は、限定することを意図しない。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「複数」は、1を超えることを意味する。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「キブル」は、例えばイヌ飼料又はネコ飼料等の動物飼料の粒子状ペレット様の構成成分を含み、典型的には含湿量、即ち含水量が12重量%未満である。キブルは、硬質から軟質までの範囲の質感であり得る。キブルは、膨張状態から稠密状態までの範囲の内部構造であり得る。キブルは、押出プロセスによって形成され得る。非限定例では、キブルは、コア及びコーティングから形成されて、被覆キブルとも称される被覆されたキブルを形成することができる。用語「キブル」が使用される際、キブルは、非被覆キブル又は被覆キブルを指すと理解するべきである。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「動物」又は「ペット」は、人家で飼うイヌ、ネコ、ウマ、雌牛、ケナガイタチ、ウサギ、ブタ、ラット、マウス、アレチネズミ、ハムスター、ウマ等を含むがこれらに限定されない、人家で飼う動物を意味する。人家で飼うイヌ及びネコが、ペットの具体的な例である。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「動物飼料」、「動物飼料組成物」、「動物飼料キブル」、「ペットフード」又は「ペットフード組成物」は全て、ペットにより摂食されることを目的とした組成物を意味する。ペットフードには、例えばキブル等の、日常の飼料に好適な栄養的にバランスがとれた組成物、並びに栄養的にバランスがとれていても又はとれていなくてもよいサプリメント及び/又はペットスナックを挙げてもよいが、これらに限定されない。
【0015】
本明細書で使用するとき、「栄養的にバランスがとれた」という表現は、ペットフード等の組成物が、追加の水に対する必要性を除いて、例えば非限定的に獣医薬のためのUnites States Food and Drug Administration’s Center、American Feed Control Officials Incorporated等の、ペット栄養物摂取の分野の行政機関を含む権威の推奨に基づいて、既知の必須栄養素を有して適切な量及び割合で生命を維持することを意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「プロバイオティクス」、「プロバイオティクス構成成分」、「プロバイオティクス成分」又は「プロバイオティクス生物」は、GI管内の自然の微生物相を保護及び/又は促進することによって哺乳類の健康を促進することができ、異常免疫反応に対する正常な制御を強化する、生存し若しくは死んでいる、細菌若しくは他の微生物、又はそれらのタンパク質若しくは炭水化物等の構成成分、又は、休眠状態及び胞子を含む細菌発酵素の精製画分を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「コア」又は「コアマトリックス」は、キブルの微粒子ペレットを意味し、典型的には成分のコアマトリックスから形成され、12重量%未満の含湿量、即ち含水量を有する。微粒子ペレットを被覆してコア上にコーティングを形成してもよく、これは被覆キブルであり得る。コアはコーティングを有さなくてもよく、又は部分的なコーティングを有してもよい。コーティングを有さない実施形態では、微粒子ペレットは、完全キブルを含むことができる。コアは、澱粉質材料、タンパク質材料、及びそれらの混合物及び組み合わせを含むことができる。一実施形態において、コアは、タンパク質、炭水化物及び脂肪のコアマトリックスを含むことができる。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「コーティング」は、表面、例えばコアの表面の少なくとも一部を覆っている、一般にコア上の部分又は完全被覆物を意味する。一例では、コアはコーティングで少なくとも部分的に覆われていてもよく、それによりコアの一部のみが覆われて、コアの一部は覆われずに露出されている。別の実施例では、コアはコーティングで完全に覆われていてもよく、それによりコア全体が覆われて露出されていない。したがって、コーティングは、表面のごく少量から表面全体まで覆うことができる。コーティングはまた、他のコーティング上に被覆されてもよく、それによりコーティングの層が存在してもよい。例えば、コアはコーティングAで完全に被覆されてもよく、コーティングAはコーティングBで完全に被覆されてもよく、それによりコーティングA及びコーティングBはそれぞれ層を形成する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「主要栄養素」は、タンパク質、脂肪、炭水化物、並びに/又はそれらの組み合わせ及び/若しくは混合物の供給源を意味する。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「押出物」は、例えば押出機を通して送られることにより加工された動物飼料を意味する。押出の一実施形態において、キブルは押出プロセスにより形成され、該プロセスでは、澱粉を含む原材料を熱及び圧力下で押出され得、澱粉をゼラチン化し、またコアであり得るペレット化キブルを形成し得る。任意のタイプの押出機を使用することができるが、該押出機の非限定例は、単軸押出機及び2軸押出機を含む。
【0021】
以下記載する供給源、成分及び構成成分のリストは、それらの組み合わせ及び混合物も想定されて、本発明の範囲内に含まれるよう列挙される。
【0022】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして含むと理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0023】
品目の全リスト、例えば成分のリストは、マーカッシュグループを意図するものであり、マーカッシュグループと解釈されるべきである。したがって、全リストは、品目のリスト...「並びにそれらの組み合わせ及び混合物」「からなる群から選択される」品目、と読み、また解釈することができる。
【0024】
本開示において利用する様々な成分を含む構成要素の商標名が本明細書で参照され得る。本発明者らは、本明細書における特定の商標名の物質により限定されることを意図していない。商品名により参照されているものと同等の物質(例えば、異なる名称又は参照番号で異なる供給源から得られるもの)は、本明細書の記載において置き換えられて使用されてもよい。
【0025】
本開示の様々な実施形態の記述において、様々な実施形態又は個別の特徴が開示される。当業者には明らかなように、このような実施形態及び特徴の全ての組み合わせが可能であり、そして本開示の好ましい実施態様とすることができる。本発明の様々な実施形態及び個々の特徴を説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正が可能である。これも明らかになるであろうが、先行する開示で教示された実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、本発明の好ましい実施となり得る。
【0026】
被覆キブル
本発明の様々な非限定的な実施形態は、被覆キブルの形態のペットフードを含み、被覆キブルは、コアと、コアを少なくとも部分的に覆うコーティングとを含む。一実施形態において、ペットフード、即ち被覆キブルは、栄養的にバランスがとれていてもよい。一実施形態において、ペットフード、即ち被覆キブルは、12%未満の含湿量、即ち含水量を有することができる。キブルは、作製された後、被覆されてもよく、即ち、結合剤を使用して乾燥タンパク質源を層状化(layering)又は被覆することにより後段階で区別されてもよく、これは増大された動物の嗜好性を有する被覆キブルを生じる。本発明の更なる別の実施形態は、コア混合物を形成し、コーティング混合物を形成し、コア混合物にコーティング混合物を適用して被覆キブルペットフードを形成することによる、ペットフードの作製方法を含む。本発明の追加の実施形態は、2つのサルモネラ菌不活性化熱処理工程を含む、ペットフードの作製方法を含む。
【0027】
本発明の一実施形態は、押出され得るコアと、コア上に被覆されたコーティングとを含む被覆キブル形態のペットフードを提供し、コーティングは、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分を含む。被覆キブルの一実施形態の描写を、図1に示す。図1は、被覆キブル100の断面図を示す。被覆キブル100は、コア101と、コア101を包囲するコーティング102とを含む。図1はコアを完全に覆っているコーティングを示しているが、本明細書に開示したように、コーティングはコアを部分的にのみ包囲していてもよい。一実施形態において、コーティングは被覆キブル全体の0.1%〜75重量%を構成してもよく、コアは被覆キブル全体の25%〜99.9%を構成してもよい。別の実施形態では、コーティングは被覆キブルの0.1重量%〜75重量%の間の任意の整数値の範囲を構成してもよく、コアは被覆キブルの25重量%〜99.9重量%の間の任意の整数値の範囲を構成してもよい。タンパク質構成成分は、コーティングの50%〜99%を構成してもよく、結合剤構成成分は、コーティングの1%〜50%を構成してもよい。別の実施形態では、タンパク質構成成分は、コーティングの50%〜99重量%の間の任意の整数値の範囲を構成してもよく、結合剤構成成分は、コーティングの1%〜50重量%の間の任意の整数値の範囲を構成してもよい。追加の実施形態では、コアは12%未満の含湿量、即ち含水量を有してもよく、本明細書に記載する押出プロセスにより形成され得るゼラチン化澱粉マトリックスを含んでもよい。
【0028】
一実施形態において、被覆キブルは、コア及びコーティングを含む。コアは、コアマトリックスを形成する数個の成分を含むことができる。非限定的な一例では、コアは炭水化物源、タンパク質源及び/又は脂肪源を含むことができる。一実施形態において、コアは、20%〜100%の炭水化物源を含むことができる。一実施形態において、コアは、0%〜80%のタンパク質源を含むことができる。一実施形態において、コアは、0%〜15%の脂肪源を含むことができる。コアはまた、他の成分を含んでもよい。一実施形態において、コアは、0%〜80%の他の成分を含むことができる。
【0029】
炭水化物源、又は炭水化物成分、又は澱粉成分としては、穀類、穀物、トウモロコシ、小麦、米、エンバク、挽き割りトウモロコシ、サトウモロコシ、穀実用モロコシ/ミロ、フスマ、エンバクフスマ、アマランス、デューラムコムギ及び/又はセモリナを挙げることができる。タンパク質源、又はタンパク質成分としては、鶏肉粉類、鶏肉、鶏副産物粉類、ラム肉、ラム肉粉類、シチメンチョウ、シチメンチョウ粉類、牛肉、牛肉副産物類、内蔵、魚肉粉、腸類(enterals)、カンガルー、白身魚、鹿肉、大豆粉、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、トウモロコシグルテン粉、トウモロコシタンパク質濃縮物、醸造用乾燥穀物類及び/又は醸造用乾燥穀物可溶分類(distillers dried grains solubles)を挙げることができる。脂肪源、又は脂肪成分としては、家禽脂肪、鶏肉脂肪、シチメンチョウ脂肪、豚肉脂肪、豚脂、獣脂、牛肉脂肪、植物油類、トウモロコシ油、大豆油、綿実油、ヤシ油、パーム核油、亜麻仁油、カノーラ油、菜種油、魚油、メンヘーデン油、アンチョビ油及び/又はオレストラを挙げることができる。
【0030】
他の成分としては、繊維成分、無機質成分、ビタミン成分、ポリフェノール成分、アミノ酸成分、カロテノイド成分、酸化防止剤成分、脂肪酸成分、グルコース模倣成分、プロバイオティクス成分、プレバイオティクス成分、及び更なる他の成分の供給源等の活性成分を挙げることができる。繊維成分の供給源としては、フラクトオリゴ糖類(FOS)、ビートパルプ、マンナンオリゴ糖類(MOS)、エンバク繊維、柑橘果肉、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、アラビアゴム、リンゴ絞りかす、柑橘繊維、繊維抽出物類、繊維誘導体類、乾燥ビート繊維(砂糖除去)、セルロース、α−セルロース、ガラクトオリゴ糖類、キシロオリゴ糖類、及び澱粉からのオリゴ誘導体類、イヌリン、サイリウム、ペクチン類、柑橘ペクチン、グアーガム、キサンタンゴム、アルギネート類、アラビアゴム、ガルハゴム(gum talha)、β−グルカン類、キチン類、リグニン、セルロース類、非澱粉多糖類、カラギーナン、還元澱粉、大豆オリゴ糖類、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ポリデキストロース、オリゴデキストラン(oligodextran)、ゲンチオリゴ糖(gentioligosaccharide)、ペクチンオリゴ糖(pectic oligosaccharide)及び/又はヘミセルロースを挙げることができる。無機質成分の供給源としては、亜セレン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化カリウム、硫酸第一鉄、酸化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、酸化マンガン、ヨウ化カリウム及び/又は炭酸コバルトを挙げることができる。ビタミン成分の供給源としては、塩化コリン、ビタミンEサプリメント、アスコルビン酸、ビタミンA酢酸塩、パントテン酸カルシウム、パントテン酸、ビオチン、チアミン硝酸塩(ビタミンB1の供給源)、ビタミンB12サプリメント、ナイアシン、リボフラビンサプリメント(ビタミンB2の供給源)、イノシトール、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6の供給源)、ビタミンD3サプリメント、葉酸、ビタミンC及び/又はアスコルビン酸を挙げることができる。ポリフェノール成分の供給源としては、茶抽出物、ローズマリー抽出物、ロスマリン酸、コーヒー抽出物、コーヒー酸、ウコン抽出物、ブルーベリー抽出物、ブドウ抽出物、ブドウ種子抽出物及び/又は大豆抽出物を挙げることができる。アミノ酸成分の供給源としては、l−トリプトファン、タウリン、ヒスチジン、カルノシン、アラニン、システイン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、リシン、アスパラギン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、バリン、スレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、ロイシン、グリシン、グルタミン、タウリン、チロシン、ホモシステイン、オルニチン、シトルリン(Citruline)、グルタミン酸、プロリン及び/又はセリンを挙げることができる。カロテノイド成分の供給源としては、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ビキシン、リコピン及び/又はβ−カロテンを挙げることができる。酸化防止剤成分の供給源としては、トコフェロール類(ビタミンE)、ビタミンC、ビタミンA、植物由来の材料、(上述した)カロテノイド類、セレン及び/又はCoQ10(Co−酵素Q10)を挙げることができる。脂肪酸成分の供給源としては、アラキドン酸、α−リノール酸、γリノール酸、リノール酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、並びに/又はEPA及び/若しくはDHAの供給源としての魚油類を挙げることができる。グルコース模倣成分の供給源としては、2−デオキシ−D−グルコース、5−チオ−D−グルコース、3−O−メチルグルコースを含むグルコース代謝拮抗物質類、1,5−無水−D−グルシトール、2,5−無水−D−グルシトール及び2,5−無水−D−マンニトールを含むアンヒドロ糖類、マンノヘプツロース、並びに/又はマンノヘプツロースを含むアボカド抽出物を挙げることができる。更なる他の成分としては、ビーフブロス、ビール乾燥酵母、卵、卵製品、挽き割り亜麻、DLメチオニン、アミノ酸類、ロイシン、リシン、アルギニン、システイン、シスチン、アスパラギン酸、ポリホスフェート類としてのヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等;塩化亜鉛、グルコン酸銅、塩化第1スズ、フッ化第1スズ、フッ化ナトリウム、トリクロサン、グルコサミン塩酸塩、グルコサミン硫酸塩、グリーンリップドマッセル、ブルーリップドマッセル(blue lipped mussel)、メチルスルホニルメタン(MSM)、ホウ素、ホウ酸、フィトエストロゲン類、フィトアンドロゲン類(phytoandrogens)、ゲニステイン、ダイゼイン(diadzein)、L−カルニチン、ピコリン酸クロム、三ピコリン酸クロム、ニコチン酸クロム、酸/塩基修飾因子類(modifiers)、クエン酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、重硫酸ナトリウム;ユーカリ属、ラベンダー、ペパーミント、可塑剤類、着色料類、香味剤類、甘味料類、緩衝剤類、滑り助剤類(slip aids)、担体類、pH調整剤類、天然成分類、安定剤類、酵素類(プロテアーゼ類及びリパーゼ類を含む)等の生物学的添加物類、化学添加物類、冷却剤類、キレート剤類、変性剤類、薬用収斂剤類(drug astringents)、乳化剤類、外部鎮痛薬類、芳香化合物類、湿潤剤類、乳白剤類(酸化亜鉛及び二酸化チタン等)、消泡剤類(シリコーン等)、保存料類(ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、塩化ベンザルコニウム、EDTA、ベンジルアルコール、ソルビン酸カリウム、パラベン類並びにそれらの混合物等)、還元剤類、溶剤類、ヒドロトロープ類、可溶化剤類、懸濁化剤類(非界面活性剤)、溶剤類、増粘剤類(水性及び非水性)、金属イオン封鎖剤類及び/又は角質溶解剤類を挙げることができる。
【0031】
プロバイオティクス成分又は構成成分は、ペットの消費に好適であり、ペットの胃腸管における微生物バランスの改善又はペットにとってのその他の利点(例えば疾患や病状の緩和又は予防)に有効であるような、1つ以上の細菌性プロバイオティクス微生物を含み得る。様々なプロバイオティクス微生物が当該技術分野で既知である。例えば、国際公開特許第WO 03/075676号、及び米国特許出願公開第2006/0228448A1号を参照のこと。特定の実施形態において、プロバイオティクス構成成分は、細菌、酵母、又は、バチルス属、バクテロイデス、ビフィドバクテリウム属、腸球菌属(例えばEnterococcus faecium DSM 10663及びEnterococcus faecium SF68)、乳酸桿菌属、リューコノストック属、サッカロミケス属、カンジダ属、連鎖球菌属の微生物、及びこれらの混合物から選択され得る。別の実施形態において、プロバイオティクスは、ビフィドバクテリウム属、乳酸桿菌属、及びこれらの組み合わせから選択され得る。バチルス属の細菌には胞子を形成するものがある。別の実施形態において、プロバイオティクスは胞子を形成しない。本明細書に用いるのに好適な乳酸菌の非限定例には、Streptococcus lactis、Streptococcus cremoris、Streptococcus diacetylactis、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus acidophilus(例えばLactobacillus acidophilus strain DSM 13241)、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus bifidus、Lactobacillus casei、Lactobacillus lactis、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus delbrukii、Lactobacillus thermophilus、Lactobacillus fermentii、Lactobacillus salvarius、Lactobacillus reuteri、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium pseudolongum、及びPediococcus cerevisiaeの菌株、又はそれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態において、プロバイオティクス強化コーティングは、菌株Bifidobacterium animalis AHC7 NCIMB 41199を含み得る。プロバイオティクス成分のその他の実施形態には、米国特許出願公開第2005/0152884A1号、同第2005/0158294A1号、同第2005/0158293A1号、同第2005/0175598A1号、同第2006/0269534A1号及び同第2006/0270020A1号、並びにPCT国際公開特許第WO 2005/060707A2号に特定されている1つ以上の微生物が含まれ得る。
【0032】
少なくとも1つの実施形態において、コーティングは、本明細書にて上記に記載したコア上に被覆され得る。少なくとも1つの実施形態において、コーティングは、コアに適用されて被覆キブルの動物の嗜好性、又はペット受容性若しくは嗜好性を増大させ得る。したがって、非被覆コアは、コーティングを適用することにより後段階で区別されてもよく、コーティングは、最終的な被覆キブルの動物の嗜好性を増大させ、したがってペット受容性又は嗜好性を増大させることができる。一実施形態において、この非被覆コアは、全て本明細書に記載されている粉砕すること、被覆すること、乾燥すること及び/又は押出されることを含む加工を既に施されているコアであってもよい。
【0033】
コーティングは、キブルのコアを被覆するコーティングを形成する数個のコーティング構成成分、又はコーティング剤を含むことができる。非限定的な一例では、コーティングは、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分を含むことができる。一実施形態において、コーティングは、50%〜99%のタンパク質構成成分と、1%〜50%の結合剤構成成分とを含むことができる。コーティングはまた、他の構成成分を含むことができ、当該他の構成成分は、タンパク質構成成分及び/若しくは結合剤構成成分と共に適用することができ、又はタンパク質及び/若しくは結合剤構成成分の適用後に適用することができる。一実施形態において、コーティングは、0%〜70%の美味剤構成成分を含むことができる。一実施形態において、コーティングは、0%〜50%の脂肪構成成分を含むことができる。一実施形態において、コーティングは、0%〜50%の他の構成成分を含むことができる。
【0034】
一実施形態において、被覆キブルは、2つ以上のコーティングを有することができる。したがって、第1のコーティング、第2のコーティング、第3のコーティング等を含むことができる。これらのコーティングのそれぞれは、本明細書に記載する任意のコーティング構成成分を含むことができる。
【0035】
本明細書に記載する任意の実施形態において、コーティング構成成分は、固体コーティング、固体構成成分又は固体成分と見なすことができる。したがって、この固体コーティングは、12%未満の含湿量、即ち含水量を含んでもよい。一実施形態において、コーティング構成成分は、12%未満の含湿量、即ち含水量を有する固体コーティングとしてのタンパク質構成成分を含む。
【0036】
本明細書に記載するコーティングは、コアの表面上を部分的に又は完全に覆っていてもよい。一例では、コアはコーティングで少なくとも部分的に覆われていてもよく、それによりコアの一部のみが覆われて、コアの一部は覆われずに露出されている別の実施例では、コアはコーティングで完全に覆われていてもよく、それによりコア全体が覆われて露出されていない。コーティングはまた他のコーティング上に被覆されてもよく、それによりコーティングの層が存在してもよい。例えば、コアは第1のコーティング構成成分で完全に覆われてもよく、第1のコーティング構成成分は第2のコーティング構成成分で完全に覆われてもよく、それにより第1のコーティング構成成分及び第2のコーティング構成成分は、それぞれ別個の層を形成する。勿論、コーティング構成成分の所望の数まで、第3、第4、第5、第6等の追加のコーティング構成成分を加えてもよい。一実施形態において、それぞれは分離した層を形成してもよい。別の実施形態において、それぞれは部分的な層を形成してもよい。一実施形態において、複数のコーティング構成成分は単一の層を形成してもよく、各層が1つ又は複数のコーティング構成成分から形成されていてもよい。
【0037】
タンパク質構成成分としては、鶏肉粉類、鶏肉、鶏副産物粉類、ラム肉、ラム肉粉類、シチメンチョウ、シチメンチョウ粉類、牛肉、牛肉副産物類、内蔵、魚肉粉、腸類、カンガルー、白身魚、鹿肉、大豆粉、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、トウモロコシグルテン粉、トウモロコシタンパク質濃縮物、醸造用乾燥穀物類、醸造用乾燥穀物可溶分類、並びに単細胞タンパク質類、例えば酵母、藻及び/又は細菌培養物類を挙げることができる。タンパク質構成成分の一実施形態は、鶏副産物を12%未満の水分、即ち水にて含む。
【0038】
結合剤構成成分としては、以下の任意の材料、又は以下の材料の組み合わせを挙げることができる:グルコース、フルクトース、マンノース、アラビノース等の単糖類;蔗糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、ラクツロース等の二及び三糖類;トウモロコシ及び米シロップ固形物類;トウモロコシ、小麦、米及びタピオカデキストリン類等のデキストリン類;マルトデキストリン類;米、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、タピオカ澱粉等の澱粉類、又は化学的修飾により修飾されたこれらの澱粉類;フラクトオリゴ糖類、アルギネート類、キトサン類等のオリゴ糖類;カラギーナン及びアラビアゴム等のゴム類;グリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール等のポリオール類;蔗糖エステル類、ポリグリコールエステル類、グリセロールエステル類、ポリグリセロールエステル類、ソルビタンエスエル類等のポリオール類のエステル類;ソルビトール;糖蜜類;蜂蜜;ゼラチン類;ペプチド類;乳清液、乳清粉、乳清濃縮物、乳清分離物、乳清タンパク質分離物、International Ingredient Corporation製のDAIRYLAC(登録商標)80等の高乳糖乳清副産物、食肉ブロス固形物類(チキンブロス、チキンブロス固形物類等)、大豆タンパク質及び卵白等のタンパク質類及び修飾タンパク質類。前述したこれらの結合剤構成成分は、水と組み合わせて使用されてもよい。結合剤材料は、水に溶解され又は水中に分散されて、液体混合物又は溶液を形成してもよく、次いでこの液体混合物又は溶液は、コアの表面上に適用され得る。液体混合物は、結合剤構成成分のコア表面上での均一な分散と、コア表面とコア表面に適用されているタンパク質構成成分との間の相互作用との両方を促進し得る。
【0039】
結合剤構成成分が使用される実施形態では、結合剤構成成分がコア表面上に保持され得るため、コアに向かった及びコア中への結合剤の吸収を防止し、又は少なくとも最小限にするよう試みられる。一実施形態において、添加物を加えて結合剤溶液の粘度を上昇させてもよい。それらの添加物は、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、穀粉、並びにそれらの組み合わせ及び混合物であってもよい。これらの添加物は、結合剤構成成分をキブル表面上に保持することを補助して、表面からコアに向かった及びコア中への吸収を防止し又は最小限にすることができる。別の実施形態では、結合剤溶液の温度を変更して溶液の粘度を上昇させてもよい。例えば、結合剤構成成分として卵白を使用した際、卵白のタンパク質の変性がゲル状溶液を形成し得る。このゲル状溶液の形成はほぼ80℃で起こり得るため、一実施形態では、結合剤溶液の温度を80℃に上昇させることが行われ得る。また、コアの温度も上昇させて、結合剤がコアに向かって吸収されることを最小限にすることを補助し得る。別の実施形態では、今記載した添加物と温度変更とを組み合わせて行ってもよい。
【0040】
したがって、一実施形態では、結合剤構成成分は接着剤、又は接着材料として作用して、タンパク質構成成分をコアに接着し得る。一実施形態において、タンパク質構成成分は12%未満の含湿量、即ち含水量の内容の固体成分であってもよく、結合剤構成成分は液体であってもよい。一実施形態において、結合剤構成成分はコア上に適用され又は層状化されて、タンパク質構成成分のための接着剤として作用することができ、次いでタンパク質構成成分が結合剤構成成分によりコア上に適用され又は層状化され得る。別の実施形態では、固体成分としてのタンパク質構成成分を結合剤構成成分と混合した後、この混合物がコア上に適用し又は層状化されてもよい。
【0041】
一実施形態では、脂質及び脂質誘導体も結合剤構成成分として使用することができる。脂質は、水及び/又は他の結合剤構成成分と組み合わせて使用することができる。脂質としては、大豆油、トウモロコシ油、菜種油、オリーブ油、紅花油、ヤシ油、ココナツ油、パーム核油等の植物脂肪類、並びにそれらの部分及び完全水素添加誘導体類;動物脂肪類、並びにそれらの部分及び完全水素添加誘導体類;並びに蝋類を挙げることができる。
【0042】
美味剤構成成分は、鶏レバー類由来の液体ダイジェスト等の鶏肉風味料を含むことができ、鶏肉風味料は、およそ70%の水及びチキン・レバー・ダイジェスト類であり得る。本明細書で使用するとき、美味剤構成成分は、動物による食物受容性又は嗜好性を改善することを主要な目的とする、動物飼料に添加される任意のものを意味する。風味料、風味剤又は風味構成成分としても考慮され得る美味剤構成成分は、ピロホスフェート等の酸と組み合わされてもよいレバー又は内蔵ダイジェストを含むことができる。ピロホスフェート類の非限定例には、ピロリン酸二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸三ナトリウム、トリポリホスフェート、及びピロリン酸亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。美味剤構成成分は追加の美味補助剤類(palatant aids)を含んでもよく、追加の美味補助剤類の非限定例には、メチオニン及びコリンを挙げることができる。他の美味補助剤類としては、食物中で動物の興味を引く芳香剤類又は他の実体が挙げられ、シクロヘキサンカルボン酸、ペプチド類、モノグリセリド類、単鎖脂肪酸類、酢酸、プロピオン酸、酪酸、3−メチルブチラート、ゼオライト、家禽加水分解物、タラゴン精油、オレガノ精油、2−メチルフラン、2−メチルピロール、2−メチル−チオフェン、二硫化メチル、硫化メチル、スルフロール、藻粉、イヌハッカ、2−ピペリジオン、2、3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール及びインドールを挙げることができる。また、様々な食肉ベースの香味剤類又は匂い剤類を使用することができ、非限定例としては、食肉、牛肉、鶏肉、シチメンチョウ、魚肉、チーズ、又は他の動物ベースの香料類が挙げられる。
【0043】
脂肪構成成分としては、家禽脂肪、鶏肉脂肪、シチメンチョウ脂肪、豚肉脂肪、豚脂、獣脂、牛肉脂肪、植物油類、トウモロコシ油、大豆油、綿実油、ヤシ油、パーム核油、亜麻仁油、カノーラ油、菜種油、魚油、メンヘーデン油、アンチョビ油及び/又はオレストラを挙げることができる。
【0044】
他の構成成分としては、繊維成分、無機質成分、ビタミン成分、ポリフェノール成分、アミノ酸成分、カロテノイド成分、酸化防止剤成分、脂肪酸成分、グルコース模倣成分、プロバイオティクス成分、プレバイオティクス成分、及び更なる他の成分の供給源等の活性成分を挙げることができる。繊維成分の供給源としては、フラクトオリゴ糖類(FOS)、ビートパルプ、マンナンオリゴ糖類(MOS)、エンバク繊維、柑橘果肉、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、アラビアゴム、リンゴ絞りかす、柑橘繊維、繊維抽出物類、繊維誘導体類、乾燥ビート繊維(砂糖除去)、セルロース、α−セルロース、ガラクトオリゴ糖類、キシロオリゴ糖類、及び澱粉からのオリゴ誘導体類、イヌリン、サイリウム、ペクチン類、柑橘ペクチン、グアーガム、キサンタンゴム、アルギネート類、アラビアゴム、ガルハゴム、β−グルカン類、キチン類、リグニン、セルロース類、非澱粉多糖類、カラギーナン、還元澱粉、大豆オリゴ糖類、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ポリデキストロース、オリゴデキストラン、ゲンチオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖及び/又はヘミセルロースを挙げることができる。無機質成分の供給源としては、亜セレン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化カリウム、硫酸第一鉄、酸化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、酸化マンガン、ヨウ化カリウム及び/又は炭酸コバルトを挙げることができる。ビタミン成分の供給源としては、塩化コリン、ビタミンEサプリメント、アスコルビン酸、ビタミンA酢酸塩、パントテン酸カルシウム、パントテン酸、ビオチン、チアミン硝酸塩(ビタミンB1の供給源)、ビタミンB12サプリメント、ナイアシン、リボフラビンサプリメント(ビタミンB2の供給源)、イノシトール、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6の供給源)、ビタミンD3サプリメント、葉酸、ビタミンC及び/又はアスコルビン酸を挙げることができる。ポリフェノール成分の供給源としては、茶抽出物、ローズマリー抽出物、ロスマリン酸、コーヒー抽出物、コーヒー酸、ウコン抽出物、ブルーベリー抽出物、ブドウ抽出物、ブドウ種子抽出物及び/又は大豆抽出物を挙げることができる。アミノ酸成分の供給源としては、l−トリプトファン、タウリン、ヒスチジン、カルノシン、アラニン、システイン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、リシン、アスパラギン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、バリン、スレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、ロイシン、グリシン、グルタミン、タウリン、チロシン、ホモシステイン、オルニチン、シトルリン(Citruline)、グルタミン酸、プロリン及び/又はセリンを挙げることができる。カロテノイド成分の供給源としては、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ビキシン、リコピン及び/又はβ−カロテンを挙げることができる。酸化防止剤成分の供給源としては、トコフェロール類(ビタミンE)、ビタミンC、ビタミンA、植物由来の材料、カロテノイド類(上述した)、セレン及び/又はCoQ10(Co−酵素Q10)を挙げることができる。脂肪酸成分の供給源としては、アラキドン酸、α−リノール酸、γリノール酸、リノール酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、並びに/又はEPA及び/若しくはDHAの供給源としての魚油類を挙げることができる。グルコース模倣成分の供給源としては、2−デオキシ−D−グルコース、5−チオ−D−グルコース、3−O−メチルグルコースを含むグルコース代謝拮抗物質類、1,5−無水−D−グルシトール、2,5−無水−D−グルシトール及び2,5−無水−D−マンニトールを含むアンヒドロ糖類、マンノヘプツロース、並びに/又はマンノヘプツロースを含むアボカド抽出物を挙げることができる。更なる他の成分としては、ビーフブロス、ビール乾燥酵母、卵、卵製品、挽き割り亜麻、DLメチオニン、アミノ酸類、ロイシン、リシン、アルギニン、システイン、シスチン、アスパラギン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等のポリホスフェート類;塩化亜鉛、グルコン酸銅、塩化第1スズ、フッ化第1スズ、フッ化ナトリウム、トリクロサン、グルコサミン塩酸塩、グルコサミン硫酸塩、グリーンリップドマッセル、ブルーリップドマッセル、メチルスルホニルメタン(MSM)、ホウ素、ホウ酸、フィトエストロゲン類、フィトアンドロゲン類、ゲニステイン、ダイゼイン(diadzein)、L−カルニチン、ピコリン酸クロム、三ピコリン酸クロム、ニコチン酸クロム、酸/塩基修飾因子類、クエン酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、重硫酸ナトリウム;ユーカリ属、ラベンダー、ペパーミント、可塑剤類、着色料類、香味剤類、甘味料類、緩衝剤類、滑り助剤類、担体類、pH調整剤類、天然成分類、安定剤類、酵素類(プロテアーゼ類及びリパーゼ類を含む)等の生物学的添加物類、化学添加物類、冷却剤類、キレート剤類、変性剤類、薬用収斂剤類、乳化剤類、外部鎮痛薬類、芳香化合物類、湿潤剤類、乳白剤類(酸化亜鉛及び二酸化チタン等)、消泡剤類(シリコーン等)、保存料類(ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、塩化ベンザルコニウム、EDTA、ベンジルアルコール、ソルビン酸カリウム、パラベン類並びにそれらの混合物等)、還元剤類、溶剤類、ヒドロトロープ類、可溶化剤類、懸濁化剤類(非界面活性剤)、溶剤類、増粘剤類(水性及び非水性)、金属イオン封鎖剤類及び/又は角質溶解剤類を挙げることができる。
【0045】
プロバイオティクス成分又は構成成分は、ペットの消費に好適であり、ペットの胃腸管における微生物バランスの改善又はペットにとってのその他の利点(例えば疾患や病状の緩和又は予防)に有効であるような、1つ以上の細菌性プロバイオティクス微生物を含み得る。様々なロバイオティクス微生物が当該技術分野で既知である。例えば、国際公開特許第WO 03/075676号、及び米国特許出願公開第2006/0228448A1号を参照のこと。特定の実施形態において、プロバイオティクス構成成分は、細菌、酵母、又は、バチルス属、バクテロイデス、ビフィドバクテリウム属、腸球菌属(例えばEnterococcus faecium DSM 10663及びEnterococcus faecium SF68)、乳酸桿菌属、リューコノストック属、サッカロミケス属、カンジダ属、連鎖球菌属の微生物、及びこれらの混合物から選択され得る。別の実施形態において、プロバイオティクスは、ビフィドバクテリウム属、乳酸桿菌属、及びこれらの組み合わせから選択され得る。バチルス属の細菌には胞子を形成するものがある。別の実施形態において、プロバイオティクスは胞子を形成しない。本明細書に用いるのに好適な乳酸菌の非限定例には、Streptococcus lactis、Streptococcus cremoris、Streptococcus diacetylactis、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus acidophilus(例えばLactobacillus acidophilus strain DSM 13241)、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus bifidus、Lactobacillus casei、Lactobacillus lactis、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus delbrukii、Lactobacillus thermophilus、Lactobacillus fermentii、Lactobacillus salvarius、Lactobacillus reuteri、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium pseudolongum、及びPediococcus cerevisiaeの菌株、又はそれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態において、プロバイオティクス強化コーティングは、菌株Bifidobacterium animalis AHC7 NCIMB 41199を含み得る。プロバイオティクス成分のその別の実施形態には、米国特許出願公開第2005/0152884A1号、同第2005/0158294A1号、同第2005/0158293A1号、同第2005/0175598A1号、同第2006/0269534A1号及び同第2006/0270020A1号、並びにPCT国際公開特許第WO 2005/060707A2号に特定されている1つ以上の微生物が含まれ得る。
【0046】
これらの活性成分は、任意の形態、例えば乾燥形態で提供されてもよい。活性物質の乾燥形態は、12%未満の水分、即ち水を含む形態であり得るため、固体成分と見なすことができる。したがって、一実施形態では、プロバイオティクス構成成分は、例えば100マイクロメートル未満の平均粒径を有する粉末として乾燥形態で提供され得る。100マイクロメートル未満において、プロバイオティクス構成成分は、キブルに対してより容易に接着することができる。一実施形態において、プロバイオティクス構成成分は、100マイクロメートルを越える粒径を有し得る。しかしながら、この実施形態では、より大量の結合剤を使用して、プロバイオティクスのキブルに対する接着を補助し得る。乾燥粉末形態のプロバイオティクス構成成分は、コーティングの一部としてコアに適用されて、コーティング中にプロバイオティクスを有する被覆キブルを得ることができる。
【0047】
かくして、コーティングは活性成分を含むことができる。したがって、本発明の一実施形態は、活性成分をペット又は動物に供給する方法に関し、該活性成分は、それらの混合物及び組み合わせを含む、本明細書に開示した任意の活性成分を含むことができる。一実施形態において、被覆キブル形態のペットフードを提供する。被覆キブルは、本明細書に記載したコアを含んでもよく、また被覆キブルは、本明細書に開示したコーティングを含んでもよい。一実施形態において、コーティングはコーティング構成成分を含み、該コーティング構成成分は、本明細書に開示したタンパク質構成成分、本明細書に記載した結合剤構成成分、本明細書に記載した脂肪構成成分、本明細書に記載した美味剤構成成分、及び本明細書に記載した活性成分を含む。一実施形態において、タンパク質構成成分、脂肪構成成分、及び美味剤構成成分、並びにそれらの組み合わせ及び混合物は、活性成分のための担体として作用することができる。別の実施形態では、活性成分は固体成分であってもよく、それにより含湿量、即ち含水量は12%未満である。活性成分を含む被覆キブルの形態のペットフードは、ペット又は動物に提供されて消費されてもよい。活性成分は、コーティングの0.01%〜50%を構成してもよい。
【0048】
したがって、本発明の実施形態は、少なくとも1つの活性成分を含む被覆キブルを想定している。したがって、本発明の一実施形態は、本明細書に開示した被覆キブルの実施形態に従って、被覆キブルを介して活性成分を供給することに関する。本発明の実施形態の被覆キブルは、活性成分を含む被覆キブルの動物の嗜好性を増大し、活性成分の安定性を増大し得ることが見出された。
【0049】
更なる他の構成成分としては、被覆キブル中での水の伝達を低下させることを補助し得る構成成分を挙げることができる。構成成分としては、ココアバター、パーム核油、パーム油、綿実油、大豆油、キャノーラ油、菜種油、油類若しくは脂肪類の水素添加誘導体類、パラフィン、蝋、流動パラフィン、固形パラフィン、キャンデリラ蝋、カルナバ蝋、マイクロクリスタリン蝋、蜜蝋、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アセチルアシルグリセロール類、セラック、脱蝋ガムラック(dewaxed gumlac)、トリオレイン、ピーナッツ油、チョコレート、メチルセルロース、トリオレイン、ステアリン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、モノステアリン酸グリセロール、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ベヘン酸、アジピン酸、カルボキシメチルセルロース、バター油、ペクチン、アセチル化モノグリセリド、小麦グルテン、オレイン酸、大豆レシチン、パラフィン蝋、パラフィン油、カゼイン酸ナトリウム、ラウリン酸、乳清タンパク質分離物、乳清タンパク質濃縮物、ステアリルアルコール、オレストラ、アセチル化モノグリセリド類、チョコレートリキュール、スイートミルクチョコレート、固形ココア類、トリステアリン、動物脂肪及び/又は家禽脂肪を挙げることができる。
【0050】
本発明の一実施形態において、コーティングのタンパク質構成成分は、乾燥構成成分又は固体成分であってもよく、それによりタンパク質構成成分の含水率は12%未満である。したがって、この実施形態では、タンパク質構成成分、又は固体成分は、結合剤成分を使用することによりコア上に被覆できる固体状材料として作用し得る。12%未満の含湿量、即ち水を有するタンパク質構成成分は、コア、又はキブル上に被覆するのが極めて困難な場合があり、コア、又はキブル自体が、本明細書に記載したように、12%未満もの低い含湿量、即ち含水量を有し得る。したがって、結合剤構成成分が乾燥タンパク質構成成分をコア、又はキブル上に被覆することを補助し得る。
【0051】
一実施形態において、完成品の被覆キブルは、80%〜90%のコアと、10%〜20%のコーティングとを含むことができる。コアは、45%〜55%の炭水化物源、35%〜45%のタンパク質源、0.1%〜5%の脂肪源、及び5%〜10%他の成分を含むことができる。コーティングは、非限定的に鶏副産物粉であってもよい65%〜75%のタンパク質構成成分、その非限定例が卵白、高乳糖乳清副産物、乳清タンパク質分離物又はチキンブロスであってもよい5%〜10%の結合剤構成成分、その非限定例が鶏肉脂肪であってもよい15%〜25%の脂肪構成成分、及びその非限定例がチキン・レバー・ダイジェストであってもよい1%〜10%の美味剤構成成分を含むことができる。被覆キブルは、12%未満の水を含むことができる。
【0052】
本発明の実施形態のキブル中に含まれ得る主要栄養素は、全て本明細書にて上記に記載したタンパク質源/成分/構成成分、脂肪源/成分/構成成分、及び炭水化物源/成分/構成成分、並びにそれらの混合物及び組み合わせを含むことができる。主要栄養素は、全て本明細書にて上記に記載したタンパク質源/成分/構成成分、脂肪源/成分/構成成分、炭水化物源/成分/構成成分、並びにそれらの組み合わせ及び混合物からなる群から選択されてもよい。これらの主要栄養素は全体として、コアが特定の量の主要栄養素を含み、コーティングが特定の量の主要栄養素を含むようにコアとコーティングとの間に分配されてもよい。一実施形態において、コアとコーティングとの間の主要栄養素の分配は、12対1の比にあってもよい。一実施形態において、コアとコーティングとの間の主要栄養素の分配は、1対12の比にあってもよい。一実施形態において、コアとコーティングとの間の主要栄養素の分配は、12対1〜1対12、及びその間の全ての整数の比にあってもよい。記載したような主要栄養素の分配は、タンパク質源/成分/構成成分、脂肪源/成分/構成成分、及び炭水化物源/成分/構成成分からなる主要栄養素の混合物としてである。したがって、主要栄養素のコアとコーティングとの間の分配比が12対1である一実施形態では、この実施形態は、合計としてのタンパク質源/成分/構成成分、脂肪源/成分/構成成分、及び炭水化物源/成分/構成成分全部の分配を、コアとコーティングとの間で12対1として表す。したがって、この実施形態では、12単位のタンパク質+脂肪+炭水化物、対、1単位のタンパク質+脂肪+炭水化物の比が存在する。
【0053】
プロセス
本発明のキブル実施形態は、押出プロセスにより形成することができ、それにより本明細書にて上記に記載したように、コア成分がコアマトリックスに形成された後、熱及び圧力下で押出されてペレット化キブル形態、即ちコアペレットが形成される。澱粉マトリックスが使用される場合、押出プロセス中に澱粉マトリックスが押出条件下でゼラチン化される場合があり、また一般にはゼラチン化され得る。
【0054】
一実施形態において、コアマトリックスの押出機は、単軸押出機を使用して実施することができ、一方別の実施形態では、2軸押出機を使用して実施することができる。コアマトリックスの押出は、キブルペットフードに好適な材料を製造するように、特定の押出機の構成を必要とする場合がある。例えば、顕著な色の劣化を防ぎ、押出機内での材料の重合化を防ぎ、1つ以上のコーティングを伴うコーティング等の、次の加工に耐久性のあるキブルの製造には、非常に高い剪断と短い押出時間が必要になることがある。
【0055】
一実施形態において、被覆キブルは、そのように押出されたコアペレットの塊を逆回転2軸パドルミキサー内でコーティング構成成分と接触させることにより製造され得る。
【0056】
一実施形態において、コアマトリックスに使用されてコアに形成される成分、即ちコア材料は、本明細書にて上記に記載した供給源/成分を含むがこれらに限定されない任意の個々の出発構成成分であってもよい。
【0057】
乾燥ペットフードの作製に一般的なプロセスは、粉砕、計量、コンディショニング、押出、乾燥及び被覆である。粉砕は、全成分又は一部の成分をより小さい形態に縮小するのに使用される任意のプロセスを包含する。計量のプロセス工程において、乾燥成分及び/又は液体成分を混合することにより全体又は部分的配合物が形成される。多くの場合、これらの成分は、最も栄養価の高い又は消化されやすい形態ではなく、したがってこれらの成分をある種類の料理プロセスを用いて更に消化されやすい形態に変換するプロセスが必要がある。
【0058】
粉砕プロセス中、コア材料の個々の出発構成成分を所望に割合にて一緒に混合及びブレンドして、コア材料を形成してもよい。一実施形態において、得られたコア材料をふるいにかけ、該コア材料から任意の大きい材料の凝集体を除去してもよい。この工程には、プラウミキサー(plough mixer)、パドルミキサー、流動ミキサー(fluidizing mixer)、コニカルミキサー、及びドラムミキサーを含むがこれらに限定されない、任意の種類の従来の固体ミキサーを使用することができる。固体混合の当業者は、材料のタイプ、粒径及び規模に基づいて、固体混合の主題に関する広く入手可能な多数の教科書及び論文の任意の1つから、混合条件を最適化することができるであろう。
【0059】
次いで、コア材料混合物を調整装置内に供給してもよい。成分の前処理にコンディショニングを用いてもよく、該コンディショニングには、水和、他の成分の添加/混合、及び部分的料理が含まれ得る。料理は、多くの場合、蒸気の形態の熱を加えることにより達成でき、45℃〜100℃(113°F〜212°F)の吐出し温度をもたらし得る。温度を、標準大気条件を超えて、例えば100℃(212°F)を超えて上昇させる必要がある場合、加圧コンディショニングが用いられ得る。次いで、コンディショニングされた成分及び/若しくは成分、又はそれらの組み合わせを押出機に移動して更に加工してもよい。
【0060】
次いで、かようにコンディショニングされたコア材料を押出操作に供して、膨張コアペレットを得ることができる。一実施形態において、コア材料は、押出操作の前にホッパーに送られてもよい。押出機は、任意の好適な単軸又は2軸スクリュー料理用押出機であってもよい。好適な押出機は、Wenger Manufacturing Inc.,Clextral SA,Buhler AG等から得ることができる。押出機の操作条件は、作製されるべき特定の製品に応じて変動し得る。例えば、押出機の操作パラメータの変更により押出された製品の質感、堅さ又は嵩密度を変化させることができる。コンディショニングと同様、押出を用いて、乾燥成分及び/又は液体成分の流れを、押出機供給ポート、バレル又はダイの長さに沿った任意の場所で加えることにより、他の成分(その非限定例は、炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、無機質及び保存剤)を組み込むことができる。押出機は、多くの場合、単軸又は2軸スクリューの設計を有するがこれらに限定されず、1700rpmまで操作される。押出プロセスは、多くの場合、高圧(10.3MPa(1500psig)まで)及び高温(250℃まで)で達成され得る。押出を用いて可食の食物の連続ロープ又はシートの作製を達成し得るが、別個の形状及びサイズも達成し得る。これらの形態、形状及びサイズは、多くの場合、ダイ又はダイセットの開口部を通して材料を強制的に移動して、より小さいセグメントに切る又は分割した結果である。
【0061】
この段階で、押出された製品は、押出されたロープ、シート、ある形状、又は他のセグメント等の任意の形態であってもよく、次いで後の押出操作に移動され得る膨張湿潤ペレットの形態であってもよい。後押出操作には、プロセスの流れの任意の組み合わせ又は倍数でクリンピング、破砕、スタンピング、搬送、乾燥、冷却及び/又は被覆が挙げられる。クリンピングは、食物を一緒に抓む任意のプロセスである。破砕は、押出に際して、好ましくは引裂によって食物のサイズを低下させる任意のプロセスである。スタンピングは、食物の表面を型押しし、又は食物を通して切る任意のプロセスである。搬送は、食物を1つの操作から他の操作に移送するのに用いられ、該移送中に食物の状態を変化させ又は維持し得、多くの場合、このプロセスは機械的又は空気圧式である。乾燥は、プロセスにおける水分、即ち水を、完成製品の貯蔵寿命に好適なレベルに低減するのに用いられ得る。キブル等の膨張湿潤ペレットのように、ペレットは押出機出口から、搬送、空気搬送(airveying)又はオーガリング(auguring)システムにより乾燥炉等の乾燥機に移送され得る。膨張され、乾燥機の入り口に移送された後、キブルは、一般に85℃〜95℃に冷却されていてもよく、キブル水分、即ち水は、蒸発により約25〜35%から約20〜28%に低下されている。乾燥炉の温度は、90℃〜150℃であってもよい。乾燥炉に存在するコアペレットの温度は、90℃〜99℃であってもよい。この段階で、ペレットの被覆が実行され得る。被覆を実行して、炭水化物、タンパク質、脂肪、水、ビタミン、無機質及び他の栄養上又は健康上有益な成分を食品に加え、中間又は完成製品を作製することができる。コアペレットの冷却を用いて、押出及び/又は乾燥による温度を低下させてもよい。
【0062】
したがって、この段階でコアペレット、即ちコアは、使用された任意の澱粉構成成分がゼラチン化され得るように料理されたと見なされてもよい。次いで、被覆キブル等の食品ペレットの製造においてコアペレットを流動ミキサーに供給して、コーティングを適用してもよい。一実施形態において、コアペレットは、流動ミキサーに入る前にホッパーに送られてもよい。被覆キブルは、コアを流動ミキサー内でコーティングと接触させることにより形成され得る。一実施形態において、流動ミキサーは、逆回転2軸パドルミキサーであってもよく、軸は水平方向に配向され、パドルは逆回転軸に取り付けられていてもよい。好適な逆回転2軸パドルミキサーは、Forberg International AS,Larvik,Norway;Eirich Machines,Inc,Gurnee,Ill.,USA及びDynamic Air Inc.,St.Paul,Minn.,USAから得ることができる。シャフト間内のパドルの運動が収束流れ領域を構成し、ミキサーの中心で粒子の実質的な流動をもたらす。ミキサーの操作の間、各シャフトのパドルの傾斜が、軸方向に対向する対流流れをもたらし、収束流れ領域内に追加の剪断場を生成してもよい。シャフトの外側のパドルの下向きの軌道が、下向きの収束流を構成する。
【0063】
一実施形態において、流動ミキサーは、逆回転パドル軸の中間に位置する収束流れ領域を有してもよい。1つの態様では、逆回転パドル軸の行程容積が、収束流れ領域内で重なり合う。本明細書で使用するとき、用語「行程容積」は、シャフトの完全回転中に回転しているシャフトに取り付けられた混合具により区切られる容積を意味する。1つの態様では、逆回転パドル軸の行程容積が、収束流れ領域内で重なり合わない。1つの態様では、逆回転パドル軸の行程容積間の収束流れ領域内には間隙が存在してもよい。
【0064】
上述したように、一実施形態において、コーティングは、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分を含むことができる。一実施形態において、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分は、ミキサーに加えられる前に、一緒に混合されて単一混合物、即ち予混合コーティングとされてもよい。別の実施形態では、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分は、ミキサーに加えられる前に、一緒に混合されて単一混合物とされない。
【0065】
一実施形態において、予混合コーティングは、該予混合コーティングが逆回転パドル軸の中間の収束領域内へと上方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入又は供給されてもよい。逆回転二重軸パドルミキサーは、逆回転パドル軸間に収束流れ領域を有することができる。重なり合った又は重なり合っていないパドルのいずれかを使用することができる。予混合コーティングを逆回転パドル軸の行程容積間の間隙内に指向させてもよい。一態様において、逆回転パドル軸の収束流れ領域の下方に位置する分配器パイプを通して、予混合コーティングの2軸パドルミキサー内への進入が起こり得る。分配器パイプは少なくとも1つの開口部を含んでもよく、該開口部をコーティングが2軸パドルミキサー内へと通過する。一態様において、予混合コーティングの2軸パドルミキサー内への進入は、予混合コーティングをミキサーの側部、好ましくはパドル軸に平行な側部に沿って加えることにより起こり得る。材料は、ミキサー底部へと下方に掃かれた後、逆回転パドル軸の収束流れ領域内へと上方に掃き戻される。
【0066】
一実施形態において、予混合コーティングは、該予混合コーティングが逆回転パドル軸の間の収束領域の頂部へと下方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入されてもよい。一実施形態において、予混合コーティングは、該予混合コーティングが逆回転パドル軸の外部上の対流内へと下方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入されてもよい。
【0067】
一実施形態において、タンパク質構成成分、脂肪構成成分、結合剤構成成分、及び/又は美味剤構成成分、並びにそれらの組み合わせ及び混合物等のコーティング構成成分は、該コーティング構成成分が逆回転パドル軸の間の収束領域内へと上方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に別々に導入され得る。逆回転二重軸パドルミキサーは、逆回転パドル軸間に収束流れ領域を有することができる。コーティング構成成分を逆回転パドル軸の行程容積間の間隙内に指向させてもよい。一態様において、逆回転パドル軸の収束流れ領域の下方に位置する分配器パイプを通して、コーティング組成物の2軸パドルミキサー内への侵入が起こり得る。分配器パイプは少なくとも1つの開口部を含んでもよく、該開口部をコーティング組成物が2軸パドルミキサー内へと通過する。一態様において、コーティング構成成分の2軸パドルミキサー内への進入は、別個のコーティング構成成分をミキサーの側部、好ましくはパドル軸に平行な側部に沿って加えることより起こり得る。材料はミキサー底部へと下方に掃かれるが、その後、逆回転パドル軸の収束流れ領域内へと上方に掃き戻される。
【0068】
一実施形態において、コーティング構成成分は、該コーティング構成成分が逆回転パドル軸の間の収束領域の頂部へと下方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に別個に導入されてもよい。一実施形態において、コーティング構成成分は、該コーティング構成成分が逆回転パドル軸の外部上の対流内への下方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入されてもよい。
【0069】
一実施形態において、タンパク質構成成分は、該タンパク質構成成分が逆回転パドル軸の間の収束領域内へと上方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入されてもよい。逆回転二重軸パドルミキサーは、逆回転パドル軸間に収束流れ領域を有することができる。タンパク質構成成分を逆回転パドル軸の行程容積間の間隙内に指向させてもよい。一態様において、逆回転パドル軸の収束流れ領域の下方に位置する分配器パイプを通して、タンパク質構成成分の2軸パドルミキサー内への侵入を行い得る。分配器パイプは少なくとも1つの開口部を含んでもよく、該開口部をタンパク質構成成分が2軸パドルミキサー内へと通過する。一態様において、タンパク質構成成分の2軸パドルミキサーへの進入は、タンパク質構成成分をミキサーの側部、好ましくはパドル軸に平行な側部に沿って加えることにより起こり得る。材料はミキサー底部へと下方に掃かれた後、逆回転パドル軸の収束流れ領域内へと上方に掃き戻される。
【0070】
一実施形態において、結合剤構成成分は、該結合剤構成成分が逆回転パドル軸の間の収束領域の頂部へと下方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入されてもよい。
【0071】
一実施形態において、単一の流動混合ユニットが使用され得る。一実施形態において、例えば、コアペレットに対するコーティングのための異なるコーティング構成成分のカスケードミキサー(cascading mixer)等、多数の流動混合ユニットが使用され得る。一実施形態において、例えば、容積容量が徐々に増加するカスケードミキサー等、多数のミキサーが使用され得る。容積容量の増加は、製品容量の増加に対応し得ると考えられる。一実施形態において、被覆プロセスは、少なくとも1回生じ得る。一実施形態において、被覆プロセスは所望により多数回生じて、所望の食品ペレットを製造し得る。一実施形態において、被覆プロセスは、当業者がコアペレットの当初質量と比較した際に、約1.04を越え、約4までの倍数でコアペレット質量を増加するのに十分であると決定した回数で反復され得る。
【0072】
一実施形態において、混合ユニットに結合剤構成成分が導入され得る。結合剤構成成分の適用は、タンパク質構成成分の適用前に開始されてもよい。結合剤構成成分の適用の開始後であるが、結合剤構成成分が尚適用されている間、タンパク質構成成分の適用が開始されてもよい。このようにして、結合剤構成成分及びタンパク質構成成分で被覆されたコアが形成され得る。この被覆コアが形成された後、下記に記載するサルモネラ菌不活性化工程を行うことができる。このサルモネラ菌不活性化工程の後、追加のコーティング構成成分として脂肪構成成分及び美味剤構成成分を混合ユニット内に導入し得る。
【0073】
一実施形態において、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分は、コーティング構成成分として実質的に同時に混合ユニット内に導入され得る。このようにして、結合剤構成成分及びタンパク質構成成分で被覆されたコアが形成され得る。この被覆コアが形成された後、下記に記載するサルモネラ菌不活性化工程を行うことができる。このサルモネラ菌不活性化工程の後、追加のコーティング構成成分として脂肪構成成分及び美味剤構成成分を混合ユニット内に導入し得る。
【0074】
別の実施形態では、タンパク質構成成分、結合剤構成成分、脂肪構成成分及び美味剤構成成分は、任意の順序で、また適用時間が任意の量で重なって適用されてもよい。
【0075】
一実施形態において、パドルチップと流動ミキサー壁との間の間隙は、被覆されるコアペレットの最大寸法よりも大きくてよい。理論に束縛されるものではないが、そのような間隙クリアランスは、コアペレット破損の原因となり得るパドルチップと壁との間のコアペレットのつかえを防止すると考えられる。
【0076】
一実施形態において、パドルチップと流動ミキサー壁との間の間隙は、被覆されるコアペレットの最小寸法よりも小さくてよい。理論に束縛されるものではないが、そのような間隙クリアランスは、コアペレット破損の原因となり得るパドルチップと壁との間のコアペレットのつかえを防止すると考えられる。
【0077】
一実施形態において、被覆プロセス開始時のコアペレットの温度は、より高い融点を有する構成成分の融点よりも1℃〜40℃低い。コアペレットの温度が高すぎると、コーティング構成成分のコアペレット表面上への結晶化が遅延する可能性があり、これはコアペレットからのコーティング構成成分の損失に繋がり、又は個々のコアペレット上での若しくは個々のコアペレットの間でのコーティング構成成分の不均一な分配に繋がる場合がある。コアペレットの温度が低すぎると、より高い融点を有する構成成分の小滴がコアペレット表面に触れるとすぐに結晶化され得る。
【0078】
一実施形態において、コーティング構成成分は液体としてコアペレットに接触し、短時間液体のままで留まって、コアペレットが流動ミキサー内で混合されている間、コアペレット同士の表面接触を介してコーティング構成成分をコアペレットの間に分散させ得る。一実施形態において、コーティング構成成分は、1〜15秒間、液体のままで留まる。理論に束縛されるものではないが、コアペレット又はより高い融点を有する構成成分の温度が低すぎると、より高い融点を有する構成成分の固化が製造プロセス中に早まりすぎると考えられる。より高い融点を有する構成成分の早期の固化は、凝塊形成、粘性及びまだらなコーティング等の困難をもたらすと考えられる。
【0079】
一実施形態において、被覆プロセス開始時のコアペレットの温度は周囲温度であり、又は周囲温度を越えるであろう。プロセスは、周囲温度、又は周囲温度を越える温度でコアペレットを提供し得る。結晶化又は粘度増大の理由から、コアペレットを冷却から利益を得ないコーティングは、ミキサーに提供された時のコアペレットを直接的に使用し、コアペレットを冷却しないことにより利益を得ることができる。
【0080】
一実施形態において、コアペレット及びコーティング構成成分は、別個の時間であるが、実質的に同一の物理的位置にてパドルミキサー内に導入され得る。一実施形態において、コアペレット及びコーティングは、同一時間に、実質的に同一の物理的位置にてパドルミキサー内に導入され得る。一実施形態において、コアペレット及びコーティングは、別個の時間に、別個の位置にてパドルミキサー内に導入され得る。一実施形態において、コアペレット及びコーティングは、同一時間に、別個の位置にてパドルミキサー内に導入され得る。一実施形態において、ミキサーにコアペレットを加えてもよく、ミキサーを開始させて、キブルの流動化が始まる。キブルは、場合により、冷却空気流又は二酸化炭素等の気体流の導入により更に冷却されてもよい。次いで、コーティングをミキサーの側部にて下方に加え得る。被覆されるべき材料をミキサーの側部にて下方に導入することにより、材料は降下するコア流と共に下方に掃かれ、ミキサーの底部を横切った後、コア全てが被覆され得る流動化領域内へとコアと共に上方に掃かれることができる。コーティングが側部にて下方に加えられた際、コーティングはコア流と共に下方に、次いで中心部に向かって上方に掃かれるのみでなく、コアと共に親密に混合及び分散され得る。コアは下方に掃かれた後、上方及び周囲に掃かれるのみでなく、同時にミキサーの側部から側部へと動き回る。
【0081】
一実施形態において、被覆プロセスは、2軸パドルミキサー内での0〜20分間の平均コアペレット滞留時間を有し得る。一実施形態において、2軸パドルミキサー内でのコアペレット滞留時間は、0.2、0.4、0.5又は0.75分間〜1、1.5、2、1.5又は3分間であり得る。
【0082】
被覆キブル形成操作中のミキサーのフルード数は、0.5を越え、又は更には1.0を越えてもよい。フルード数は、無次元数(Fr)=(V2/Rg)として定義され、慣性力を重力に関連付ける;Rは、軸の中心線からパドルの先端までのパドルの長さ(cm)、Vは、パドルの先端速度(cm/秒)、gは、重力定数である。フルード数は、慣性力と重力とを比較する無次元数である。慣性力は、コアとコーティングとを混合する遠心力である。材料特性は、フルード数に計上されない。フルード数が約1より大きい場合、コア及び他の材料を中心部内と上方に勢いよく送る遠心力は、それらを下方に再度牽引する重力よりも大きい。したがって、キブルは空気中に短時間浮遊される。この状態で、コーティング材料等の材料は自由に動き回ることができ、コア上へと移動して、均一に近い及び均一を含むコーティングを確実にする。一実施形態において、フルード数が大き過ぎる場合、キブルは、キブルがひび割れし、若しくは欠け、若しくは砕かれる程の力でミキサーの頂部及び/又は側部に対して投げ付けられる場合があり、又はミキサーの頂部が開放している場合、キブルはミキサーから完全に放出され得る。一実施形態において、フルード数は、約0.5を越え、約3未満であり得る。
【0083】
結合剤構成成分がミキサーの流動化領域の頂部上に別個に加えられ、タンパク質構成成分が流動化領域の下方に別個に加えられる場合、タンパク質構成成分を2つの流れに分割し、これらの流れをミキサーの対向する角部にて導入し(角部のそれぞれは結合剤添加領域のどちらかの側部に存在する)、それによりタンパク質構成成分がミキサーの側部、好ましくはパドル軸に平行な側部に沿って下方に移動することが有効であり得る。材料はミキサー底部へと下方に掃かれた後、逆回転パドル軸の収束流れ領域内へと上方に掃き戻される。
【0084】
理論に制限されるものではないが、これはミキサー内を循環するタンパク質構成成分の2つの対流ループを構成し、対流ループのそれぞれは結合剤添加領域のどちらかの側部に存在すると考えられる。対流ループを通るタンパク質構成成分の1回の完全巡回は、対流サイクル時間と称される。ミキサーのサイズに関わらず、対流サイクル時間を一定に保つことにより、コーティングが、ミキサーのサイズに関わらず、コアペレットの表面上に同様に分配され得ると考えられる。
【0085】
多くの場合、コーティングの均一性を改善するために、流動化領域の頂部上に2つ以上の結合剤構成成分噴霧領域を含むことが都合のよい可能性がある。結合剤添加領域のそれぞれは2つのタンパク質添加地点を含んでもよく、添加地点のそれぞれは個々の噴霧領域のどちらかの側部に存在する。タンパク質添加地点はミキサーの流動化領域の下方に存在してもよく、結合剤添加地点はミキサーの流動化領域の上方に存在してもよい。したがって、ミキサーの流動化領域の上方の2つの別個の結合剤添加地点は、流動化領域の下方に4つの別個の結合剤添加地点を含み得る。
【0086】
結合剤流束は、流動化領域の頂部上の所定の範囲を下方に通過する結合剤構成成分のグラム量として定義されるコーティング添加流束は、同一の所定の範囲を流動化領域を通って上方に通過するコーティング構成成分のグラム量として定義される。無次元流束は、コーティング流束で除算した結合材流束、及びミキサー内の対流ループの数として定義される。理論に制限されるものではないが、ミキサーのサイズに関わらず無次元流束を一定に保つことにより、ミキサーのサイズに関わらずコーティングがコアペレットの表面上に同様に分配されることが補助され得ると考えられる。
【0087】
水ベースの結合剤を使用してコーティングを適用する場合、又は製品が、本明細書に記載したように、被覆工程後に蒸気を適用された場合、一実施形態では、製品を乾燥することが望ましい場合がある。乾燥は、本明細書に記載した任意の方法により達成され得る。乾燥の正確な条件は、使用する乾燥機のタイプ、除去される水分、即ち水の量、適用されるコーティングの温度感受性、及び必要とされる製品の最終的な水分、即ち水のレベルに依存するであろう。当業者は、これらの因子を適宜調整して、所望の製品を達成できるであろう。また、乾燥は、被覆が行われるミキサー内で実行されてもよい。周囲温度を超えて上昇させた温度で、乾燥空気の流れを製品上に十分な速度で通過させて、必要な量の水分、即ち水を、必要な時間に亘って除去し得る。一実施形態では、流動化ミキサーを使用して、製品を撹拌すると同時に空気を流動化領域の中心上にて製品の頂部上に直接指向させてもよい。一実施形態において、空気はミキサーの片側又は両側を下方に指向されてもよく、それにより空気流が流動化領域を通って上方に強制的に移動される。一実施形態において、空気は、ミキサー内部壁上のマニフォルドにより、ミキサー内に導入されてもよい。一実施形態において、空気は、流動化領域の下方のミキサー底部のマニフォルドにより、ミキサー内に導入されてもよい。当業者は、ミキサー撹拌速度を調整して、空気流の導入による製品の流動化挙動に対する任意の効果を補償することができるであろう。
【0088】
サルモネラ菌不活性化工程
本発明の追加の実施形態は、少なくとも1つのサルモネラ菌不活性化熱処理工程を含む、ペットフードの作製方法を含む。ペットフードは、本明細書にて上記に記載したペットフードの実施形態の任意の形態であってもよく、また任意の他のペットフードも含むことができる。一実施形態において、ペットフードの非限定例は、本明細書にて上述したコア及びコーティングを含む被覆キブルであり、2つの熱処理不活性化工程を実行することができる。コアは、本明細書にて上記に記載したように、押出成形により形成され得る。コアに押出成形された後、コアは、コア中に存在する任意のサルモネラ菌を十分不活性化するやり方で熱処理され得る。その後、又はその前に、又はそれと同時に、コーティングが形成され、コアと同様のやり方で熱処理されて、存在する任意のサルモネラ菌が不活性化され得る。次いで、本明細書にて上記に記載したように、コアをコーティングで被覆することにより被覆キブルが形成され得る。
【0089】
サルモネラ菌は、一般にその微生物が湿潤環境内に存在する間に熱の適用を必要とする。完全に乾燥した後、サルモネラ菌は休眠中となり、乾燥熱を使用してそれらを不活性化する尽力に抵抗し得る。湿潤環境において、サルモネラ菌は、より容易に不活性化される。例えば、サルモネラ菌が湿潤環境内にある場合、80℃の熱を約2分間を越えて適用することにより、サルモネラ菌を効果的に不活性化し得る。湿潤環境内で80℃を越える温度の適用が、サルモネラ菌の不活性化に必要な時間を応じて短縮する。
【0090】
多くの産業界において過熱蒸気が効果的に使用されて、サルモネラ菌を不活性化している。過熱蒸気は、存在する圧力における沸点を超える水の温度の蒸気として定義される。過熱蒸気の殆どの工業的用途では、純粋又は実質的に純粋な蒸気を使用する。非蒸気構成成分は通常、空気である。
【0091】
しかしながら現在、サルモネラ菌が周囲気圧にて約80℃を越える温度の高湿度温風により効果的に不活性化され得ることが更に見出されている。この方法の1つの利点は、高湿度温風が被覆工程中又は該工程後に、周囲気圧条件で流動ミキサー内に注入できることである。高湿度温風の温度は、80℃を越えてもよい。より高い温度は、サルモネラ菌を効果的に不活性化する高湿度温風の適用時間の短縮をもたらすことができる。温風の相対湿度は50%を越えてもよく、更には90%を越えてもよい。相対湿度は、所定の温度における、空気中の水蒸気の分圧の、水の飽和蒸気圧に対する比として定義される。
【0092】
したがって、一実施形態では、80℃を越え、200℃までの温風を被覆キブルが形成されているミキサーの頂部内へ吹きつける。温風は、約0〜80CFMで吹きつけられてもよい。温風のミキサー内への吹きつけが開始した後、圧力0〜0.21MPa(0〜30PSIG)及び速度約0〜4kg/分の蒸気がミキサー内へ0〜約2分間注入され得る。ミキサー内の温風と蒸気の組み合わせは、約95%の相対湿度に達し得る温風の流れを生じさせる。0〜2分間の終わりに、蒸気は停止され得るが、温風は更に8分間まで継続し得る。この時間中、ミキサー内部の相対湿度が低下し、相対湿度が低下するにつれてキブルの表面から水分、即ち水が除去される。温風サイクルの終わりに、サルモネラ菌は十分不活性化されているであろう。
【0093】
本発明の一実施形態によるペットフードのサルモネラ菌の熱処理、即ち不活性化の更なる方法は、ロシア特許第2251364号に開示されている。
【0094】
ビタミン安定性
本発明の実施形態による被覆キブル及び該被覆キブルの作製プロセスは、本明細書に記載した全ての成分、供給源及び構成成分を含む、温度、圧力及び水分感受性成分でキブルを被覆することを可能にし得ることが見出された。一実施形態では、感受性成分は、通常ストレスの多い、押出プロセスの条件、及び当技術分野で習慣的に使用されている条件を迂回する。
【0095】
また、本発明の実施形態による被覆キブルは、ビタミン供給安定性を向上させ、また通常の、従来より使用されている押出プロセス中のビタミン損失による原価節約を低減し得ることが見出された。
【0096】
本発明の実施形態は、感受性成分の提供又は供給に関する。感受性成分の非限定例としては、ビタミンを含む、本明細書に記載した活性成分を含む本明細書に記載した他の成分が挙げられる。感受性成分は一般に、温度、水分及び圧力感受性であると考えられるものであり、したがって温度、水分及び圧力の所定の条件が、加工中又は貯蔵中の感受性成分損失の増大によるものを含み、感受性成分の有効性に負の影響を与える場合がある。したがって、通常ストレスの多い押出プロセスの条件を、コアが押出された後にコアキブルに加えることによって迂回することが、感受性成分とって有利であり得る。したがって、一実施形態では、本明細書に開示した任意の実施形態のコアキブルは、本明細書に記載したビタミンを含む感受性成分により、後段階で区別され得る。ビタミンは、押出の酸化条件の影響を非常に受けやすい場合があり、その結果、押出プロセスに入る前にビタミンプレミックスを過剰形成して、ペットによる消費の時間における適切なビタミンレベルを確実にする。本明細書に開示した流動化ミキサー内でのビタミンの被覆は、ビタミンを厳しい条件に暴露せず、ビタミン及び任意の安定剤の物理的及び化学的完全性を維持することができる。その結果、プロセス中のビタミン保持率が増大し、貯蔵中の安定性が改善され得る。本明細書で使用するとき、ビタミン構成成分はビタミン及びビタミンプレミックスを含む。
【0097】
したがって、本発明の一実施形態は、ビタミン保持率が改善され得るように、被覆キブル形態のペットフードのビタミンの加工損失を低減するプロセスを含む。キブル、即ちコアがビタミンと共に押出される際、ビタミン損失はそのピークにあると考えることができる。押出前にコアに加えられるビタミンの30%〜40%以上が、押出プロセス中に損失され得る。場合により、押出中に、ビタミンAの36%までが損失され得、ビタミンEの約11.2%が損失され得る。しかしながら、本発明の一実施形態では、コアは本明細書に記載したように押出され得、コアは押出前にビタミンを実質的に含まない。コアが本発明の実施形態に従って押出された後、その非限定例がビタミンA及びビタミンBであり得る本明細書に開示した任意のビタミン等の感受性成分は、その非限定例が本明細書に開示されている流動ミキサーを使用して押出されたコア上に被覆され得る。コーティングは、本明細書に記載した任意のコーティングであってもよい。一実施形態において、コーティングは、ビタミンA、ビタミンE、脂肪構成成分、美味剤構成成分、並びにそれらの任意の組み合わせ及び混合物を含むことができる。被覆プロセス中もビタミン損失が存在し得るが、本発明の実施形態によれば、ビタミン損失はビタミンを押出する場合と比較して低減され得る。一実施形態において、被覆中のビタミン損失は、10%未満であり得る。別の実施形態は、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満及び3%未満のビタミン加工損失を含む。一実施形態において、ビタミンAのビタミン損失は、9%未満であり得る。別の実施形態では、ビタミンEのビタミン損失は、4%未満であり得る。
【0098】
また、本発明の別の実施形態は、被覆キブル形態のペットフードの貯蔵中及び貯蔵後のビタミン安定性を改善する方法又はプロセスを含む。したがって、コーティングが脂肪構成成分及び結合剤構成成分を含む被覆キブルを含む本発明の実施形態は、ビタミンの安定性を改善又は増大することができる。一実施形態において、キブルの加工後及び16週間貯蔵した後のビタミンAの総保持率は、少なくとも50%であり得る。別の実施形態では、ビタミンAの総保持率は、少なくとも55%であり得る。別の実施形態では、ビタミンAの総保持率は、少なくとも60%であり得る。別の実施形態では、キブル加工後のビタミンAの総保持率は、少なくとも61%であり得る。
【0099】
別の実施形態では、キブル加工後のビタミンAの総保持率は、少なくとも61%であり得る。別の実施形態では、キブル加工後のビタミンAの総保持率は、少なくとも60%であり得る。別の実施形態では、キブル加工後のビタミンAの総保持率は、少なくとも55%であり得る。別の実施形態では、キブル加工後のビタミンAの総保持率は、少なくとも50%であり得る。
【0100】
一実施形態は、ホモジナイズされたビードレット(beadlet)を含むコーティングを含み得る。この実施形態において、コーティングは、結合剤構成成分及びビタミン構成成分を含むことができる。結合剤構成成分は、ビタミン構成成分とホモジナイズされた溶液であってもよい。混合物は高剪断ミキサーによりホモジナイズされてビードレットの粒径を縮小し、キブル表面に対するビードレットの接着を改善し得る。
【0101】
別の実施形態は、被覆ビードレットであり得る。この実施形態は、結合剤構成成分溶液をキブル上に約10秒間噴霧した後、結合剤溶液を更に45秒間噴霧している間、ビタミン構成成分をミキサーに加えることにより作製することができる。
【0102】
別の実施形態は、粉末形態のコーティングであり得る。この実施形態は、水溶性形態のビタミン構成成分を結合剤溶液に加えた後、この溶液をキブル上に被覆することにより作製することができる。粉末形態は、澱粉マトリックス中のビタミン構成成分を含み得る。
【0103】
これらの実施形態において、ビタミン構成成分は、被覆キブルの1%未満であってもよく、更には被覆キブルの0.5%未満、更には0.2%未満であってもよい。ビタミン構成成分は、担体を含み得るビタミンプレミックスであってもよい。一実施形態において、ビタミン構成成分は、0.3%までであってもよい。
【0104】
また、下記の実施例に言及されるように、本発明の実施形態によるビタミンの添加により、動物の嗜好性の増大がもたらされる。ビタミンをペットフードに加えることにより、通常、動物の嗜好性の低下がもたらされることが当技術分野にて周知である。しかしながら、ビタミンがペットフードに加えられる本発明の実施形態は、動物の嗜好性の増大をもたらす。したがって、本発明の一実施形態は、コーティングがビタミンを含み、被覆キブルの動物の嗜好性が、本発明のコーティング実施形態に従って被覆されていないビタミンを有するキブルの動物の嗜好性よりも高い被覆キブルを含む。
【0105】
被覆キブル加工をビタミン保持率及び安定性の改善の点から記載する場合、本明細書の任意の箇所に開示されている任意の加工工程、加工方法及び加工パラメータはビタミン保持率及び安定性を改善するプロセスに適用できることを理解するべきである。
【0106】
酸化
本発明の実施形態に従って作製された被覆キブルは、安定性、即ち酸化不足が増大され得ることが見出された。一実施形態において、本明細書に開示したような固体成分の層状化物又はコーティングは、酸化のための触媒が存在し得るコア中に移動し又は逃れるコーティングの脂肪成分の量を低下させる。一実施形態において、酸化触媒の非限定例は、コア中に存在し得る鉄である。コーティングは、その非限定例が鶏副産物粉であるタンパク質構成成分と、脂肪構成成分の層とを含むことができる。タンパク質構成成分は、コアに到達する脂肪構成成分の量を低下させ得るため、鉄が酸化触媒として作用することにより起こる酸化の量を低減することができる。総アルデヒドは、食品中に形成されるアルデヒドの尺度である。アルデヒドは、二重結合を含む食物脂肪酸が、酸素に暴露されることによりアルデヒドに変換される結果として形成される。したがって、酸化が低下するとアルデヒド形成が低下し、これは酸敗臭の低下を意味し得る。また、酸素ボム(Oxygen Bomb)は、食品中の酸化防止剤の酸素吸収能の長さのおよその尺度である。値が大きい程、製品は、より長時間安定であることが期待される。
【0107】
したがって、一実施形態では、他のキブルと比較してアルデヒド形成の少ない被覆キブルを開示する。この被覆キブルは、脂肪構成成分、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分を含むコーティングを有することができる。被覆キブルは、コーティングを有さないコアと比較して、アルデヒド形成が少ない可能性がある。被覆キブルは、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分を有するが、タンパク質構成成分を有さないコアと比較して、アルデヒド形成が少ない可能性がある。
【0108】
2つの比較を図2及び図3に示す。非被覆Iams(登録商標)Mini−Chunksコアキブルは、図2に示す高い総アルデヒド(TA)レベルから留意されるように、酸化に対して不安定であると考えることができる。このグラフは、家禽脂肪を介して加えられた混合トコフェロールにより提供される製品安定性の利益を示す。Iams(登録商標)Mini−Chunksの現在の又は鶏副産物粉が、層状化されたキブルが、5%の量にて脂肪で被覆された際、総アルデヒドは60ppm未満である。これと比較して、鶏肉粉副産物の層状化は、現行のIams(登録商標)Mini−Chunksと比較してより大量のアルデヒドをもたらすとは思われない。試料中の総アルデヒドが増大するにつれて、ヒトの感覚はこれらの試料を酸敗臭のあるものとして特定することを開始する。酸素ボムの比較を、図3に示す。理解し得るように、非被覆コア及びIams(登録商標)Mini−Chunksキブルと比較した場合、鶏肉粉試作品は酸素ボムレベルを増大させた。この結果は、安定性の増大と相関付けられ、それ故、製品の保存可能期間と相関付けられる。
【0109】
このように、図2及び3は、鶏副産物粉を含むコーティングを有する被覆キブルを含む本発明の実施形態が、酸素ボムが増大すると共に総アルデヒドが低下する点において被覆キブルの酸化安定性を増大させることを示す。
【0110】
被覆キブルの特性
本明細書にて上記に記載したように、本発明の実施形態による被覆キブルの少なくとも1つの利点は、動物の嗜好性、又はペット受容性若しくは嗜好性を増大させることを含む。したがって、本明細書に開示した実施形態による被覆キブルは、本明細書に記載した動物の嗜好性試験に基づいて、ペットからより好まれる。したがって、下記の実施例に開示するように、動物の嗜好性の増大は、本発明の実施形態による被覆キブルにより示され得る。理論に制限されるものではないが、動物の嗜好性、又はペット受容性の増大は、それらの混合物及び組み合わせを含む被覆キブルの以下の特徴により説明できると考えられる。したがって、本発明の実施形態による被覆キブルは、以下の特性のいずれか、以下の特性の全て、並びにこれらの特性の任意の混合物及び組み合わせを有し得ると理解するべきである。また、被覆キブルは、本明細書に記載したように、栄養的にバランスがとれたものであり得る。
【0111】
脂肪/美味剤の逃れ
一実施形態において、被覆キブルはコア及びコーティングを含んでもよく、コーティングは、鶏副産物粉を含むタンパク質構成成分を含んでもよく、鶏副産物粉コーティングは、キブルの最も外側のコーティングを含んでもよく、それにより最も外側コーティングは環境に暴露され、したがって食することにより動物に暴露される。本発明の一実施形態において、動物の嗜好性における応答(PREF)、又は動物受容性若しくは嗜好性の増大は、キブル表面上の相対的な脂肪レベルの増大と相関づけることができる。分割プレート(split plate)試験応答を用いて試験し得る動物の嗜好性における応答、PREF試験は、百分率変換摂取量の比又は第1のバイトの比を含む。理論に制限されるものではないが、一実施形態において、本明細書に記載したタンパク質構成成分等、コア上に層状化されたコーティングのタンパク質構成成分(その非限定例は鶏副産物粉である)は、同様にキブル上に層状化されたコーティング層の一部であり得る脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の逃れを防止又は低下させるため動物の嗜好性における応答が増大されると考えられる。したがって、本発明の一実施形態は、キブルのコーティングからキブルのコアへの脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の逃れを防止し、又は逃れの量を低下させる方法に関する。また、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の逃れの低下又は防止は、より大量の脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分がキブルの暴露表面上に残留することから、動物の嗜好性における応答の改善に寄与すると考えられる。したがって、本発明の一実施形態は、キブル表面上に動物の嗜好性を向上する量の脂肪を含むペットフードと、該ペットフードを提供する方法とに関する。本明細書で使用するとき、動物の嗜好性を向上する量とは、百分率変換摂取量の比、又は第1のバイトの比、又はこれらの両方のいずれであろうとも、動物の嗜好性における応答を増大させる量を意味する。また、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分はペットフードの外側に単純に加えることができるが、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の増加量はペットフードの栄養物摂取プロファイルを変更して、バランスの取れていないペットフードをもたらすであろう。したがって、本発明の一実施形態において、ペットフードは、被覆キブル等の、バランスのとれたペットフードであり得る。
【0112】
本発明の一実施形態の非限定的な一例では、図1に示すように、被覆キブル100はコア101を含む。第1のコーティング102は、内側コーティングとしてコア101上に層状化されてもよい。第2のコーティング103は、第1のコーティング102上に層状化されてもよく、外側コーティングとなっていてもよい。第1のコーティング102は、タンパク質構成成分等の、結合剤構成成分及び固体構成成分、並びにそれらの組み合わせ及び混合物を含んでもよい。結合剤構成成分の非限定例は、本明細書に記載した通りであってもよく、乳清タンパク質分離物又はチキンブロスを含んでもよい。固体構成成分の非限定例は、本明細書に記載した通りであってもよく、鶏副産物粉を含んでもよい。第2のコーティング103は、脂肪構成成分及び美味剤構成成分、並びにこれらの組み合わせ及び混合物を含んでもよい。脂肪構成成分の非限定例は、本明細書に記載した通りであってもよく、鶏肉脂肪を含んでもよい。美味剤の非限定例は、本明細書に記載した通りであってもよく、チキン・レバー・ダイジェストを含んでもよい。
【0113】
したがって、図1に示すように、第1のコーティング102は、第1のコーティング102が第2のコーティング103の構成成分の外側コーティングから内側コーティングへの、更にはコア中への、自然の移動又は逃れを低減するという点において、第2のコーティング103に対するバリア層として作用し得るしたがって、キブル上に被覆された初期量の第2のコーティングが、より大量に被覆キブルの外側コーティング上に残留する。第1のコーティングは、本明細書に開示したように鶏副産物粉等の固体構成成分を含み得るため、この固体構成成分は、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分を含み得る通常湿潤した第2のコーティングが被覆キブルの、外側コーティングから内側コーティング及び/又はコア中へ、移動し又は逃れることを防ぐものと考えられる。
【0114】
しかしながら、結合剤構成成分、固体構成成分、脂肪構成成分、美味剤構成成分、及び本明細書で使用される任意の他の構成成分は、任意の順序で、任意の被覆手順を用いて適用又は被覆できることを理解するべきである。したがって、固体構成成分、結合剤構成成分、脂肪構成成分及び美味剤構成成分は、任意の順序で適用されてもよい。
【0115】
したがって、一実施形態では、固体バリア層を含む被覆キブル、被覆キブルを提供する方法、及び被覆キブルを作製するためのプロセスを開示する。非限定的な一例では、固体バリア層は、コアに適用されてもよく、鶏副産物粉を含み得るタンパク質構成成分、及び結合剤構成成分を含み得る。次いで、外側層を適用してもよく、該外側層は脂肪構成成分及び美味剤構成成分を含んでもよい。一実施形態において、固体構成成分及び結合剤構成成分のバリア層は、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の移動、又は逃れを低減し得る。
【0116】
本発明の一実施形態における被覆キブルは、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の移動の低減を含んでもよく、これは他のペットフードのキブルと比較した場合、被覆キブルの表面上の脂肪レベルの増大をもたらす。増大された脂肪レベルは、下記の実施例に記載されており、また図4〜9に示されている。本発明の非限定例に対応するドッグフードの調製品は、本明細書の方法の節に開示するように、OPOTEK NIRイメージングにより分析された。
【0117】
本明細書に開示したようなコア及びコーティングを有する被覆キブルを含む本発明の一実施形態では、本明細書に記載するようにNIRで測定した統合脂肪バンド、又は別称脂肪バンド値は、4.000以上であってもよい。別の実施形態では、統合脂肪バンドは、3.900以上であってもよい。下記の実施例に記載するように、商業的なドッグフードに関する統合脂肪バンドは、一般に3.900未満であり、3.800未満及び3.700未満であり得る。また、別の実施形態は、動物の嗜好性を向上する量の統合脂肪バンドを含むペットフードと、該ペットフードを提供する方法と、に関する。統合脂肪バンドは、本明細書に記載したようなものであり得る。別の実施形態は、本明細書に記載するような統合脂肪バンドを有するペットフードを提供することにより、ペットフードの動物の嗜好性を向上させることに関し得る。
【0118】
本発明の別の実施形態は、ペットフードの容器と、ペットフードの容器を提供することとを含み、ペットフードは、非限定例が被覆キブル等である本明細書の任意の実施形態に開示した複数のキブルを含んでもよく、該キブルは、容器全体における平均で栄養的にバランスがとれていてもよく、4.000以上の統合脂肪バンド、及び/又は平均統合脂肪バンドを有してもよい。別の実施形態では、容器のペットフードは、平均で栄養的にバランスがとれていてもよく、3.900以上であってもよい統合脂肪バンド及び/又は平均統合脂肪バンドを有してもよい。別の実施形態では、容器はペットフードを収容していてもよく、前記ペットフードは、3.900又は4.000以上の統合脂肪バンド及び/又は平均統合脂肪バンドを有する第1のキブルタイプと、第1のキブルタイプの統合脂肪バンド及び/又は平均統合脂肪バンドの範囲外の統合脂肪バンド及び/又は平均統合脂肪バンドを有する第2のキブルタイプと、を含んでもよい。容器は、当技術分野にて既知のパッケージ等の、任意の容器であってもよい。一実施形態において、容器は、本発明の実施形態による被覆キブルで実質的に満たされていてもよい。別の実施形態は、本発明の実施形態と、標準的な又はIams(登録商標)Mini−Chunks等の商業的に入手可能なペットフード等の本発明の実施形態によらないペットフードとの混合物を含む。別の実施形態は、本明細書に記載した実施形態に開示されている一タイプのキブルと、本明細書に記載した別の実施形態に開示されている第2のタイプのキブルと、を含む。
【0119】
本明細書に記載したように、統合脂肪バンドは、百分率変換摂取量の比、又は第1のバイトの比、又はこれらの両方のいずれであろうとも動物の嗜好性における応答を増大することができる。例えば下記の実施例3は、本発明の2つのみの非限定例、即ち、配合を再バランス化したIams(登録商標)Mini−Chunksコアキブルに、全てキブルの重量に基づいて、10%鶏副産物粉及び5%チキンブロス(20%チキンブロス溶液)を被せることにより作製された鶏副産物粉層状化キブルであって、1%チキン・レバー・ダイジェスト及び2%鶏内蔵ダイジェストからなる美味剤システムを5%脂肪と共に加えた、キブル、からなる第1の試作品と、異なる結合剤、5%乳清タンパク質分離物(20%乳清タンパク質分離物溶液)を使用し、いずれの鶏内蔵ダイジェストも含まなかった以外は第1の試作品と同様に作製された第2の試作品と、を示す。第1の試作品に関する試験1と、第2の試作品に関する試験2とを有する表3に示すように、百分率変換摂取量及び第1のバイトは両方とも、動物の嗜好性における応答の増大と比において一致する。詳細には、第1の試作品では16.5:1の百分率変換摂取量の比と、無限大の第1のバイトと、が存在した。詳細には、第2の試作品では16.2:1の百分率変換摂取量の比と、31:1の第1のバイトと、が存在した。したがって、本明細書に記載したレベルの平均脂肪バンドが存在し得、これら増大された動物の嗜好性における応答により証明される。
【0120】
匂い
本明細書に記載したようなコア上のコーティングとしての、タンパク質構成成分又は本明細書に記載した任意の他の構成成分の層状化は、被覆キブルの匂いプロファイルも変更し、典型的なペットフードとは異なる匂いプロファイルを有する被覆キブルをもたらし得る。本明細書に開示したような所定の被覆キブルの実施形態は、ペットフードに所望の匂いを付与し得る特定の化合物及び構成成分を含み得る。これらの化合物及び構成成分は、匂いプロファイルを変化させ、又は匂い属性を変化させることができ、このことは本明細書に開示した被覆キブルの実施形態を用いて動物の嗜好性又は動物受容性若しくは嗜好性の改善をもたらすことができる。理論に束縛されるものではないが、これらの匂い属性の変化は、本明細書に詳細し、かつ表1、2及び3に示すように、被覆キブルの嗜好性の結果の改善に寄与すると考えられ、ここでコーティングは、その非限定例が鶏副産物粉等であるキブルコア上に層状化されたタンパク質構成成分を含む。以前の消費者調査では、ペットフード上のヒト様の匂いが製品の改善として知覚され得ることが示唆された。下記の実施例は、本発明の実施形態の非限定例に付随する、匂いプロファイル又は特徴における変化を記載し及び示すことを助ける。
【0121】
したがって、本発明の実施形態の非限定的な一例は、匂いプロファイル、被験物濃度及び匂い相関を有する被覆キブル及び該被覆キブルの供給方法に関し、ここで匂い相関は、被験物濃度を含む匂いプロファイルを動物の嗜好性の増大と関連付ける。また、別の実施形態は、匂いプロファイル、被験物濃度を有し、したがって匂い相関を有する被覆キブルに関する。これらの実施形態により、本明細書に開示するように、動物の嗜好性(PREF)応答データ又は動物受容性若しくは嗜好性を、匂いプロファイル及び被験物濃度と関連付けることができる。したがって、一実施形態では、匂い被験物プロファイル及び濃度は、正の、又は増大された動物の嗜好性における応答データに関連付けることができる。また一実施形態において、被覆キブルは動物の嗜好性を向上する量の被験物を含む。動物の嗜好性を向上する量の被験物は、コーティング中に存在し、コア中に存在し、並びにこれらの組み合わせ及び混合物であってもよい。別の実施形態では、動物の嗜好性を向上する量の被験物をペットフード中に供給することを含む、ペットフードの動物の嗜好性を向上させる方法を開示する。本明細書で使用するとき、動物の嗜好性を向上する量とは、百分率変換摂取量の比、又は第1のバイトの比、又はこれらの両方のいずれであろうとも動物の嗜好性における応答を増大させる量を意味する。
【0122】
被験物濃度を含む匂いプロファイルは、下記に開示する方法に従って、固相微量抽出ガスクロマトグラフィー/質量分析(SPME−GC−MS)を用いてペットフード試料の匂いに関連した化合物を分析することにより測定することができる。曲線下面積を、SPME分析数又はカウントとして測定した。
【0123】
本発明の一実施形態は、特定の匂いプロファイルを有する被覆キブル、及び該被覆キブルの供給方法に関する。被覆キブルの非限定例は、全て本明細書に開示した炭水化物源、タンパク質源、脂肪源、及び他の成分を含むコアと、タンパク質構成成分、結合剤構成成分、美味剤構成成分、脂肪構成成分、及び他の構成成分を含むコーティングと、を含む。この実施形態では、被覆キブルの匂いプロファイルを生成し、分析して、匂いの特定の被験物濃度を示し得る。被験物のそれぞれについての濃度を決定し得る。次いで、被験物の濃度を各実施形態について集めたPREF応答データと相関付けて、PREF応答データとの匂い相関を示し得る。このように、一実施形態では、匂いの中に存在する特定の被験物の増大は、より大きいPREF応答を意味するPREF応答データの引き上げ又は増大が可能であり、より高い動物の嗜好性又は受容性をもたらす。
【0124】
一実施形態において、被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせは、市販の(shelf)ペットフードと比較して高められていてもよく、又は高いレベルを有するファミリーの代表であってもよい。したがって、一実施形態では、特定の濃度の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせを含む被覆キブルは、PREF応答を増大させる。したがって、動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせが被覆キブルの一実施形態に存在し得る。この動物の嗜好性を向上する量の被験物は、PREF応答を増大させることができる。一実施形態において、百分率変換摂取量の比(PCI)は、動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせにより増大させることができる。別の実施形態では、第1のバイトの比は、動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせにより増大させることができる。
【0125】
したがって、本発明の一実施形態は、強化された量、即ち動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせを含む被覆キブルに関する。別の実施形態は、動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせを含む被覆キブルの供給方法を含む。
【0126】
本発明の別の実施形態は、動物の嗜好性を向上する量の被験物をペットフード中に供給することを含む、ペットフードの動物の嗜好性を向上させる方法に関する。この方法は、本明細書に開示したペットフードを提供することを含んでもよく、ここでペットフードは、強化された量、即ち動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせを含む。この方法はまた、動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせをペットフードに加えることを含むことができる。
【0127】
一実施形態において、被験物2−ピペリジオンは、1,500,000を越える、又は10,000,000未満の、又は1,500,00〜10,000,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。一実施形態において、被験物2,3ペンタンジオンは、65,000を越える、又は500,000未満の、又は65,000〜500,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。一実施形態において、被験物2−エチル−3,5−ジメチルピラジンは、310,000を越える、又は1,000,000未満の、又は310,000〜1,000,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。一実施形態において、被験物フルフラールは、2,300,000を越える、又は7,000,000未満の、又は2,300,000〜7,000,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。一実施形態において、被験物スルフロールは、150,000を越える、又は1,000,000未満の、又は150,000〜1,000,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。一実施形態において、被験物インドールは、176,000を越える、又は2,000,000未満の、又は176,000〜2,000,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。別の実施形態では、被覆キブルは、これら被験物のSPME分析数のうちの1つのみを含む、これら被験物のSPME分析数の混合物及び組み合わせを含むことができる。
【0128】
本明細書に記載したように、これらの動物の嗜好性を向上する量の被験物は、単独で又は組み合わせ若しくは混合物で、百分率変換摂取量の比、又は第1のバイトの比、又はこれらの両方のいずれであろうとも動物の嗜好性における応答を増大させることができる。例えば下記の実施例3は、本発明の2つのみの非限定例、即ち、配合を再バランス化したIams(登録商標)Mini−Chunksコアキブルに、全てキブルの重量に基づいて、10%鶏副産物粉及び5%チキンブロス(20%チキンブロス溶液)を被せることにより作製された鶏副産物粉層状化キブルであって、1%チキン・レバー・ダイジェスト及び2%鶏内蔵ダイジェストからなる美味剤システムを5%脂肪と共に加えた、キブル、からなる第1の試作品と、異なる結合剤、5%乳清タンパク質分離物(20%乳清タンパク質分離物溶液)を使用し、いずれの鶏内蔵ダイジェストも含まなかった以外は第1の試作品と同様に作製された第2の試作品と、を示す。第1の試作品に関する試験1と、第2の試作品に関する試験2とを有する表3に示すように、百分率変換摂取量及び第1のバイトは両方とも、動物の嗜好性における応答の増大と比において一致する。詳細には、第1の試作品では16.5:1の百分率変換摂取量の比と、無限大の第1のバイトとが存在した。詳細には、第2の試作品では16.2:1の百分率変換摂取量の比と、31:1の第1のバイトとが存在した。したがって、動物の嗜好性を向上する量の、被験物のうちの1つ、又は全て、又は被験物の混合物若しくは組み合わせが存在し得、これら増大された動物の嗜好性における応答により、それが証明される。
【0129】
これに加えて、また下記の実施例4に記載し、かつ図10〜12に示すように、消費者データは、非限定的な本発明の実施形態と、本明細書に記載した匂い被験物が強化されていない商業的なペットフードとの間の匂いプロファイルの差異を示す。図10は、Iams(登録商標)Mini−Chunksに関するパネルの匂い特徴付けを示す。理解し得るように、Mini−Chunksは、全体的な強度、酵母及び汚れた靴下の匂いの特徴において低下されている。図11は、追加の美味剤を有さない、実施例2の鶏副産物粉タンパク質を層状化した試作品を示す。鶏副産物粉タンパク質を層状化した試作品は、油性/脂肪性及び全体的な食肉性の特徴の増大をもたらす。図12は、実施例3、試験1及び2の、美味剤を添加した、鶏副産物粉を層状化した試作品を示す。鶏副産物粉タンパク質を層状化した試作品は、油性/脂肪性の特徴の増大をもたらすが、同様の全体的な食肉性の特徴を有した。追加の美味剤を有する鶏副産物粉を層状化した試作品においては、鶏肉特徴も上昇した。
【0130】
また、消費者調査により、ペットフード上の所定の匂いが、キブル等のペットフード製品のヒトの視点からの改善として知覚され得ることが示唆されている。したがって、本発明の実施形態の非限定例は、ヒトにより知覚される、匂い属性の所定の増大及び低下を提供する匂いプロファイルを提供する。匂い属性は、以下を含むことができる:全体的な強度、油性/脂肪性、全体的な食肉性、鶏肉、魚肉、酵母、トースト、甘味性、汚れた靴下、ボール紙、土性、穀物性及び牛肉性。いくつかの実施形態では、これらの匂い属性の所定のものが増大され、又はより高いレベルにあると共に、これらの属性の所定のものが低下され、又はより低いレベルにあることが所望され得る。したがって本発明の一実施形態では、ヒトが知覚可能な匂いプロファイルがペットフードにより提供されるような、本明細書に記載した任意の実施形態によるペットフードが提供され、ここで匂いプロファイルは、ヒトの感覚による匂い属性により記載され得る。ヒトの感覚による属性の実施形態は、高いレベルの油性/脂肪性の匂い、高いレベルの全体的な強度、高いレベルの全体的な食肉性の匂い、低いレベルのボール紙の匂い、低いレベルの汚れた靴下の匂い、並びにこれらの組み合わせ及び混合物を含む。
【実施例】
【0131】
実施例1−動物の嗜好性
試験#1:以下のキブルを使用して、犬舎に入れたイヌを試験した。Iams(登録商標)Mini−Chunksのコアを使用して、試験キブル試作品として粗挽きドッグフードを作製した。全てキブルの重量に基づいて0.5%チキン・レバー・ダイジェスト、2%脂肪、10%鶏副産物粉及び5%チキンブロス(結合剤として、20%チキンブロス溶液)の層でコアを被覆した。Iams(登録商標)Mini−Chunksのコアと、全てキブルの重量に基づいて0.5%チキン・レバー・ダイジェスト及び2%脂肪を有するコーティングとを使用して対照試作品を作製した。
【0132】
試験#2:以下のキブルを使用して家庭内ペットイヌを試験した。Iams(登録商標)Mini−Chunksのコアを使用して、試験キブル試作品を作製した。全てキブルの重量に基づいて、0.5%チキン・レバー・ダイジェスト、2%脂肪、10%鶏副産物粉、5%チキンブロス(結合剤として、20%チキンブロス溶液)の層でコアを被覆し、0.13%ビタミンプレミックスで被覆して、タンパク質層を有するコア上の外側に被覆したビタミンが、キブルの動物の嗜好性に負の影響を与えるか否かを決定した。コアとしてIams(登録商標)Mini−Chunksを使用し、全てキブルの重量に基づいて0.5%チキン・レバー・ダイジェスト及び2%脂肪で被覆した対照試作品を作製した。
【0133】
両方の試験は、4%水分、即ち水を鶏副産物粉層に加えた後、製品を127℃(260°F)で3分間乾燥する、サルモネラ菌不活性化工程を含んだ。
【0134】
試験#1は、イヌが圧倒的に好む鶏副産物粉層状化試作品をもたらした(41:1総容積;50:1百分率変換摂取量(PCI);下記の表1参照)。更に、2日間の分割プレート試験中に消費された総食物の98%超は、鶏副産物粉を層状化した試作品であった。試験#2は、家庭内イヌがより好む鶏副産物粉層状化試作品をもたらした(4.5:1総容積;4.4:1 PCI)。これらの結果を大局的に見るために、イヌ(又はネコ)が動物の嗜好性パネルとされる前に、該イヌ(又はネコ)は適格PREF試験を受けた。適格試験の1つは、一般に、明白な選択である(既知の正の対照、対、既知の負の対照)。正の対照は、一般にチキン・レバー・ダイジェスト等の通常の商業的な美味剤を上に被覆して作製する。負の対照は、美味剤なしで作製した。犬舎に入れたイヌを使用した前述の「明白な選択」試験の結果は、16:1総容積;14:1 PCIであった。家庭内イヌを使用した前述の「明白な選択」試験の結果は、2.2:1総容積;2.4:1 PCIであった。犬舎に入れた又は家庭内ペットのいずれの場合も、明白な選択の試験は、鶏副産物粉層状化試作品で生じた程の強力な嗜好性をもたらなかった。
【0135】
【表1】
*P<0.02
**P<0.05
1∞=無限大;対照試作品を最初に食べたイヌはいなかったため、除数はゼロであった。
2嗜好性分割=試験試作品の方を好むイヌの数/嗜好性を示さないイヌの数/対照試作品の方を好むイヌの数
【0136】
実施例2−動物の嗜好性
全てキブルの重量に基づいて、10%鶏副産物粉及び5%チキンブロス(20%チキンブロス溶液)をIams(登録商標)Mini−Chunksのコアに層状化し又は被せることにより、鶏副産物粉を層状化したキブル試作品を作製した。美味剤は、全く加えなかった。キブルの重量に基づいて5%の脂肪のコーティングも加えた。この試作品を、分割プレート、又は動物の嗜好性試験でIams(登録商標)Mini−Chunks及びPurina ONE(登録商標)(Total Nutrition Chicken and Rice)と比較した。全ての分割プレート試験は、犬舎に入れたイヌを使用して標準的な方法により行った。4%の水分、即ち水を鶏副産物粉層に加えた後、製品を127℃(260°F)で3分間乾燥する、サルモネラ菌不活性化工程を実行した。
【0137】
層状化試作品は、Iams Mini−Chunksよりも好まれた(P<0.05)(8:1百分率変換摂取量(PCI);表2参照)。層状化試作品はまた、Purina ONE(登録商標)よりも好まれた(P<0.05)(3:1 PCI)。
【0138】
【表2】
*P<0.05
**P<0.10
1嗜好性分割=試験試作品の方を好むイヌの数/嗜好性を示さないイヌの数/対照試作品の方を好むイヌの数
【0139】
実施例3−動物の嗜好性
配合を再バランス化したIams(登録商標)Mini−Chunksコアキブルに、32リットルのパイロットBellaミキサー内で、全てキブルの重量に基づいて、10%鶏副産物粉及び5%チキンブロス(20%チキンブロス溶液)を被せることにより、鶏副産物粉層状化キブルの第1の試作品を作製した。キブルの重量に基づいて、1%チキン・レバー・ダイジェスト及び2%鶏内蔵ダイジェストからなる美味剤システムを、5%脂肪と共に、この試作品に追加のコーティングとして加えた。要するに、この試作品は、Iams(登録商標)Mini−Chunksと同様の栄養素組成を有するよう再配合された。第2の試作品を、異なる結合剤、5%乳清タンパク質分離物(20%乳清タンパク質分離物溶液)を使用し、いずれの鶏内蔵ダイジェストも含まなかったことを除いて、この試作品と同様に作製した。これらの試作品を嗜好性試験でPurina ONE(登録商標)(Total Nutrition Chicken & Rice)と比較した。他の一比較は、第3の試作品をIams(登録商標)Mini−Chunksと比較することを含み、この第3の試作品は、チキンブロスを結合剤として使用して、Iams(登録商標)Mini−Chunksの押出されたコア上に10%鶏副産物粉を層状化した第1の試作品であるが、再バランス化されていない。鶏副産物粉を含まない同一の第3の試作品も含まれ、再びIams(登録商標)Mini−Chunksと比較した。全ての嗜好性試験は2日間であり、犬舎に入れたイヌ(n=16)を使用して標準的な方法により実行した。鶏副産物粉層を有する試作品を作製するプロセスは、鶏副産物粉層に4%水分、即ち水を加えた後、製品を127℃(260°F)で3分間乾燥する、サルモネラ菌不活性化工程を含んだ。
【0140】
鶏副産物粉を層状化した再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunk試作品(ブロス又は乳清タンパク質分離物を使用した)は、Purina ONE(登録商標)よりも実質的に好まれた(P<0.05)(17:1及び16:1百分率変換摂取量(PCI);表3参照)。ブロスを結合剤として使用した鶏副産物粉層状化試作品(再バランス化されていない)も、Iams Mini−Chunksよりも好まれたが(P<0.05)(8:1 PCI)、ブロス単独(鶏副産物粉なし)では、同様の多大な動物の嗜好性の上昇をもたらさなかった(2:1、P<0.10)。少なくとも3つの主な結論を引き出すことができる。1)10%鶏副産物粉の層状化と、現行の動物の嗜好性システムとの組み合わせは、Purina ONE(登録商標)を圧倒的に負かす、2)製品がタンパク質に関して再バランス化される(即ち、コアキブル内のタンパク質のレベルが低下される)ので、10%鶏副産物粉層状化の正の影響が維持される、及び3)10%鶏副産物粉層状化の影響は、動物の嗜好性に対する結合剤の影響とは無関係である。
【0141】
【表3】
*P<0.02
**P<0.05
***NS(P>0.10)
****P<0.10
1∞=無限大;対照試作品を最初に食べたイヌはいなかったため、除数はゼロであった。
【0142】
2嗜好性分割=試験試作品の方を好むイヌの数/嗜好性を示さないイヌの数/対照試作品の方を好むイヌの数
実施例4−ヒト感覚
9人のヒト感覚記述的パネルを用いてドッグフードの匂い属性を評価した。13個の記述的属性を使用してドッグフードの匂いを評価し、0〜8の段階評価上で評価した。
【0143】
図10は、Iams(登録商標)Mini−Chunksに関するパネルの匂い特徴付けを示す。理解し得るように、Mini−Chunksは、全体的な強度、酵母、及び汚れた靴下の匂いの特徴において低下されている。図11は、追加の美味剤を有さない、実施例2の鶏副産物粉タンパク質層状化試作品を示す。鶏副産物粉タンパク質を層状化した試作品は、他の市販のイヌキブル食物に対して油性/脂肪性及び全体的な食肉性の特徴の増大をもたらす。図12は、実施例3、試験1及び2の、美味剤を添加した鶏副産物粉層状化試作品を示す。鶏副産物粉タンパク質層状化試作品は、油性/脂肪性の特徴の増大をもたらすが、他の既製のイヌキブル食物に対して同様の全体的な食肉性の特徴を有した。追加の美味剤を有する鶏副産物粉層状化試作品においては、鶏肉特徴も上昇した。
【0144】
実施例5−プロセス
粉砕トウモロコシ、鶏副産物粉、無機質、ビタミン、アミノ酸、魚油、水及びビートパルプの押出された及び乾燥された混合物からなる約6000gのコアキブルを、パドルミキサーの上方に位置するホッパー内にてパドルミキサー内に導入する。ミキサーは、Eirich Machines,Inc.,Gurnee,Ill.,USAにより製造されたモデルFZM−0.7 Forberg流動化ゾーンミキサー(fluidized zone mixer)である。結合剤構成成分は、溶液を作製するために、約300グラムの温水(60℃)と混合された約70グラムの乳清タンパク質分離物(Fonterra NMZP)から構成されている。キブルをミキサーに加えたら、パドルを回転させて、キブルを流動化する。パドルは約84RPMで回転させ、フルード数は約0.95である。乳清タンパク質溶液を、Cole−Parmerモデル07550−30蠕動ポンプを使用して、平行Masterflex L/S Easyload IIポンプヘッドを用いてミキサー中心内の流動化領域上の噴霧弁に揚送する。乳清タンパク質溶液を、ミキサーの流動化領域上に約60秒間に亘り噴霧する。タンパク質構成成分としての約750グラムの鶏副産物粉を2つの375グラム部分に分割し、乳清タンパク質を加えるのと同時に、各部分を、別々の角部においてミキサーの側部を降下させて約60秒間に亘って加える。次いで、被覆キブルを形成する。ミキサー底部のドアを開放して、被覆キブルを金属容器(metal receiver)内にどっと落とす。次いで、被覆キブルを約140℃の空気衝突炉内で約2分間乾燥する。キブルの目視検査では、混合物はキブルの表面に実質的に均一に被覆され、固体層を形成している。いくつかのキブルを半分にスライスし、個々のキブルの表面周辺のコーティングの分布が実質的に均一であることを確認する。この実施例では、ミキサーの作動中、フルード数は約0.95、無次元流束は約0.000262、対流サイクル時間は約10秒であった。
【0145】
実施例6−プロセス/サルモネラ菌
この実施例では、Eirich Machines,Inc.により製造された200リットル(7cu.ft.)2軸流動ミキサー、モデルFZM 7を使用する。FZM 7ミキサーの対向する角部上の2つのポートに蒸気を接続する。ミキサーに温風送風機を接続して、温風をミキサーの頂部内に吹きつける。約60kgの乾燥(約7.5%水分、即ち水)ペットフードコア、即ちコアペレットをミキサーに加える。別個の容器内で、約600グラムの乳清タンパク質分離物(Fonterra NMZP)結合剤を約2400グラムの温水(60℃)と混合して結合剤溶液を作製する。4つの容器のそれぞれに、タンパク質としての約1.5kgの鶏副産物粉(合計6kgの鶏副産物粉)を満たす。鶏副産物粉のサルモネラ菌に関する試験の結果は、正である。この結合剤溶液を圧力キャニスターに移動し、噴霧ノズルラインを、キャニスターと、ミキサーの流動化領域上の中心に置かれた噴霧弁との間に接続する。2つの噴霧ノズルが存在し、該ノズルはそれぞれ、約45度の角度を有する平坦な噴霧プロファイルを有する。2つのノズルをパドルの軸に沿って流動化領域の中心上に配置し、即ち一つのノズルを一方のミキサーの側壁と中心との間のほぼ半分の所に、第2のノズルをミキサーの中心と反対側との間のほぼ半分の所に配置する。ミキサーを、温風で約60℃に予熱する。ミキサーを、約55RPMで始動させる。結合剤を収容するキャニスターを約0.21MPa(30psi)に加圧し、ミキサー内への結合剤の噴霧を開始する。同時に、それぞれが約1.5kgの鶏副産物粉を保持する4つの容器を4つの異なる地点にてミキサーに加え、即ち2つの容器はミキサーの対向する角部にて加え、2つの容器はミキサーの中心部の対向側にて加える。ミキサーに結合剤及び鶏副産物粉を約45秒間かけて加える。結合剤及び鶏副産物粉の添加が完了した後、次いでミキサーが尚回転している間、温風(約200℃)をミキサーの頂部内に約40CFMで吹きつける。ミキサー内への温風の吹きつけを開始した後、約0.10MPa(15psig)の蒸気をミキサーの対向側上の2つの蒸気ノズルを介してミキサー内に速度約2kg/分で約1分間注入する。ミキサー内の温風と蒸気との組み合わせは、約95%の相対湿度の温風の流れを生じさせる。1分間の終わりに、蒸気を停止するが、温風は更に4分間継続する。この期間中、ミキサー内部の相対湿度が低下し、相対湿度が低下するにつれてキブルの表面から水分、即ち水が除去される。2分間の温風の終わりに、ミキサーの底部のドアを開放し、キブルを容器内に落下させる。キブルの目視検査では、混合物はキブルの表面に実質的に均一に被覆され、固体層を形成している。いくつかのキブルを半分にスライスし、個々のキブルの表面周辺のコーティングの分布が実質的に均一であることを確認する。この実施例では、ミキサーの作動中、フルード数は約0.95、無次元流束は約0.000261、対流循環時間は約8秒であった。これらは、実施例5に関するフルード数、無次元流束及び対流循環時間と実質的に同一の条件である。完成製品は、同一の拡大条件下で、より大きいミキサー内でも、より小さいミキサー内と実質的に同一であったため、拡大基準は検証されたと見なすことができる。完成被覆キブル上のサルモネラ菌に関する試験は負である。
【0146】
実施例7−ビタミン安定性
流動化ミキサーを使用して適用されたコーティングによるビタミン保持率の改善を示すために、押出されたビタミンに対する被覆ビタミンのプロセス損失及び貯蔵における損失の比較を分析し得る。プロセス損失を比較するために、現行のIams(登録商標)Mini−chunksをビタミンと伴に、及びビタミンを伴わずに押出された。ビタミンを伴う製品に、1.6%チキンレバーダイジェスト及び0.14%ビタミンプレミックスと混合した5%家禽脂肪のコーティングを被せた。ビタミンを伴わない製品に、流動ミキサー上で、5%家禽脂肪コーティング及び1.6%チキンレバーダイジェスト美味剤コーティングを被せた。プロセスに投入され、またプロセスから産出された全ての試料を収集し、ビタミンA及びビタミンEに関して分析した。
【0147】
流動ミキサー周囲の物質収支に基づいて、被覆プロセスは、8.2%のビタミンA損失及び3.3%のビタミンE損失を有した。押出機は、ビタミンAを36%、ビタミンEを11.2%低下させた。表4を参照のこと。
【0148】
【表4】
【0149】
貯蔵における損失を比較するために、ビタミン被覆製品と押出されたビタミン製品とを袋に詰め、13個の多層紙袋内に密封した。袋を加速条件(38℃(100°F)及び50%相対湿度)及び周囲条件(21℃(70°F)及び25%相対湿度)内で貯蔵した。1つはLoders Croklaan製のParamount B(部分水素化パーム核油)からなる1つの層と、ビタミン、脂肪及び美味剤からなる第2の層とを有するIams(登録商標)Mini−Chunksとして、2つ目は、ビタミンと混合された5%チキンブロス及び10%鶏副産物粉をコーティングとして有するIams(登録商標)Mini−Chunksとして含む2つの更なる試作品を、貯蔵安定性試験において評価した。2つの製品を密封し、上記の加速条件及び周囲条件の両方内に貯蔵した。
【0150】
貯蔵している製品の標本を抽出し、ビタミンA及びEに関して分析した。時間ゼロにおけるレベルが全製品で一致しなかったため、結果を正規化した。図13及び14は、結果を示す。図13は、x軸に時間を週で示し、y軸に初期ビタミン量に対する最終ビタミン量の比を示す。全体的に、ビタミンコーティングは、押出されたビタミン対照と比較して高いビタミンA安定性を維持した。鶏肉脂肪中のビタミンは、最初の2週間後にビタミンAレベルの大きな低下を示したが、急速に安定した。鶏肉脂肪は粒径が大きすぎるため、ビタミンプレミックス中のもみ殻に接着する結合能力を有さないことが仮定され、後に卓上試験により確認された。この問題は、より強力な結合剤を使用して解決することができ、このことは、Paramount B及びチキンブロスを結合剤として使用したビタミンA安定性の改善により示される。
【0151】
実施例7A−ビタミンA安定性
4つの追加のキブルを比較した。比較した被覆キブルは全て再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコアを使用した。4つのコーティングは、以下のようなものであった。1)ホモジナイズされたビードレット、これはゼラチンと架橋されたビタミンA(BASF及びDSM製の、標準的な架橋形態のビタミンA)と共にホモジナイズされた乳清タンパク質分離物溶液で被覆されたキブルである。混合物を高剪断ミキサーによりホモジナイズしてビードレットの粒径を縮小し、キブル表面に対してより良好な接着するようにした。2)被覆ビードレット、これは乳清タンパク質分離物溶液をキブル上に10秒間噴霧し、次いで結合剤溶液を更に45秒間に亘り尚噴霧している間、架橋ビタミンAを乾燥した状態でミキサーに加えることにより被覆されたキブルである。3)粉末A、これは乳清タンパク質分離物溶液に水溶性形態のビタミンAを加え、次いでこの溶液をキブル上に被覆することにより、被覆されたキブルである。粉末形態は、澱粉マトリックス中のビタミンAである。4)押出前にコアと混合されたビタミンAを有する押出されたキブル。全てのキブルは、配合物の0.13重量%で被覆されたビタミンを使用した。
【0152】
ビタミンAのプロセス損失及び貯蔵損失の結果を表5に示す。実行した貯蔵損失手順は、実施例7に記載したようなものであった。
【0153】
【表5】
【0154】
実施例8−脂肪分布
本明細書の方法の節にてより詳細に開示するように、OPOTEK NIRイメージングによりドッグフードの調製品を分析した。調製品を分析し、以下のように互いに比較した。
【0155】
図4は、被覆キブルを示す。被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%チキンブロス、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪レベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域(integrated area)を示している。参照キブルからのヒストグラム(図示せず)の重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布間の大きな相違を示す。図4に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、およそそれらの標準偏差の合計だけ異なる平均を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側<0.05)。被覆キブルに関する平均脂肪バンド値は、4.08であった。
【0156】
図5は、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコアを示す。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪レベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域を示している。参照キブルからのヒストグラム(図示せず)の重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布間の大きな相違を示す。図5に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、それらの標準偏差の合計を超える異なる平均を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側<0.05)。コアに関する平均脂肪バンド値は、2.77であった。
【0157】
図6は、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコアと被覆キブルとの比較を示す。被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%チキンブロス、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪レベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域を示している。参照キブルからのヒストグラム(図示せず)の重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布間の大きな相違を示す。図6に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、それらの標準偏差の合計を超える異なる平均を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側<0.05)。コアに関する平均脂肪バンド値は、上記と同様、2.77であった。被覆キブルに関する平均脂肪バンド値は、上記と同様、4.08であった。
【0158】
図7は、2つの異なる被覆キブル間の比較を示す。第1の被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%チキンブロス、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。第2の被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%乳清タンパク質分離物、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪のレベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域を示している。参照キブルからのヒストグラム(図示せず)の重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布が同様であることを示す。図7に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、同様の平均及び標準偏差を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側>0.05)。第1の被覆キブルに関する平均脂肪バンド値は、上記と同様、4.08であった。第2の被覆キブルに関する平均脂肪バンド値は、4.06であった。
【0159】
図8は、被覆キブルとIams(登録商標)Mini−Chunksとの比較を示す。被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%チキンブロス、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪レベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域を示している。参照キブルからのヒストグラム(図示せず)の重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布間の大きな相違を示す。図8に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、およそ1標準偏差だけ異なる平均を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側<0.05)。
【0160】
図9は、被覆キブルとIams(登録商標)Mini−Chunksとの比較を示す。被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%乳清タンパク質分離物、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪レベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域を示している。参照キブルからのヒストグラムの重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布間の大きな相違を示す。図9に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、およそ1標準偏差だけ異なる平均を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側<0.05)。
【0161】
実施例9−匂い分析
この実施例では、被覆キブルの匂いを分析する19の異なるキブル試作品の試験を行った。この方法では、固相微量抽出ガスクロマトグラフィー/質量分析(SPME−GC−MS)を用いて、ペットフード試料を、匂いに関連した化合物に関して分析する(以後記載するように)。また、SPMEデータと動物の嗜好性(PREF)との間の相関度を試験して、どの配合物構成成分が最も高い、又は最良のPREFと相関するかを決定した。
【0162】
39個のSPME被験物を、対応する百分率変換摂取量の比及び第1のバイトの分割プレート分析との相関と共に、19個の芳香族化合物ファミリーのうちの1つに分類した。次いで、現行のIams(登録商標)Mini−Chunksと、実施例3の第1の試作品及び第2の試作品とからのSPME結果を比較して、先導試験試作品において、異なる被験物を識別した。結果は、現行のIams Mini Chunksと比較して、被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール及びインドールが全て上昇し、又は上昇したレベルを有するファミリーの代表であった。これらの化合物はまた、表6に示すように、イヌによる改善された動物の嗜好性における応答と有意に(P<0.01)相関した(R2>0.60)。
【0163】
【表6】
【0164】
方法
NIRイメージング
OPOTEK HySPEC(商標)近赤外(NIR)イメージングシステムを使用して、ドッグフードの調製品を分析した。ハイパースペクトルNIR反射率画像スタックを収集し、一連の画像を得、前記画像は、セットとして撮った際に各画素にてNIRスペクトルデータを提供する。HySPEC(商標)は、パルス状の、狭いバンド幅のレーザー光源及び熱電的に冷却された、拡張レンジInGaAsフォーカルプレーンアレイ(FPA)検出器を使用する。レーザーは、10Hz反復率で持続時間5nsのパルスを生成する。検出器は、30μm×30μmのサイズの320×256個のエレメントからなる。組み合わせイメージングシステムは、430〜690nmの可視波長領域と、900〜1650nm(11,000〜6,000cm−1)のNIR波長領域とを走査することができる。帯域幅は、可視にて0.5nm未満であり、1650nmにて1.5nm未満である。空間分解能は、およそ660×660μm2/画素であり、視野はおよそ21cm×17cmである。
【0165】
無傷キブルの収集物(一般に全部で70〜100)を、拡散された、ファイバー結合レーザー出力に暴露し、InGaAs FPAを一時的にゲートして、個々の各パルスから反射レーザー光を捕捉した。画像を900〜1650nmにておよそ2nmの間隔で記録し、各波長にて5つの反復画像を取得し、平均した。機器ソフトウェアは、各画像の暗電流、照明均一性、及びレンズ/検出器のスペクトル応答を自動的に修正する。視界に亘る照度の変動に関する補償は、スペクトル領域に亘り99%の反射率を用いたSpectralonプレートイメージングにより実行し、Spectralonデータを使用して試料データセットを正規化した。検出器の非線形応答と、レーザー光源のパルス間の強度の変動は、視野の4つの角部付近に位置する4つのSpectralonディスク(公称反射率2%、40%、60%及び99%)により対処した。各試料に関して3つの全体のハイパースペクトル画像スタックを収集し、試料はデータ収集間で移動せず、全てのデータは即時連続にて収集した。これらの3つのデータセットを平均して、「脂肪バンド」値の決定に使用する最終的なデータセットを得た。
【0166】
分析のために、反射率値の逆数の対数を取ることにより、反射率画像スタックを擬似吸収スペクトル画像スタックに変換した。炭素−水素伸長振動の第2の倍音に対応するピークを捕捉して、1155nm〜1242nmにおける各画素にてハイパースペクトルデータを(波長軸に沿って)統合することにより、そのコントラストが脂肪分布に関連する単一画像を形成した。詳細には、スペクトル曲線下面積と、1155nm及び1242nmにおける擬似吸収値を接続する直線の上方との面積を統合することにより、各画素の「脂肪バンド」値を決定した。イメージングマスクを使用して、FOV中のキブルに対応する画素のみが、「脂肪バンド」に関する統計に含まれることを確実にした。統合された面積の値は、絶対脂肪レベルに較正されていないが、統合面積の増大は、脂肪の存在の増大を示している。公称1%脂肪コーティング及び13%脂肪コーティングを有する固定セットのキブルを調製し、「脂肪バンド」計算におけるラン・ツー・ラン(run-to-run)一貫性の更なる確認物として全ての記録画像内に存在した。
【0167】
サルモネラ菌検出
サルモネラ菌が十分に不活性化されているか否かの検出は多数の方法により実行することができ、その1つは以下であり得る。BAXシステムPCRアッセイを自動検出と共に用いて、以下の工程を実行する。
【0168】
試験される試料を、滅菌容器内に25グラム秤量することにより試料を調製する。試料に225mLの滅菌緩衝ペプトン水(BPW)を加える。試料を35〜37℃で少なくとも16時間インキュベートする。次に、10μlの試料を、500μlのブレインハートインフュージョン(BHI)を収容するクラスターチューブに移動することにより、1:50希釈物を調製する。チューブを35〜37℃で3時間インキュベートする。次いで、加熱ブロックを暖める。試料が調製された順序を試料追跡シート上にBAXシステムキットロット番号に加えて記録する。試料IDをユーザガイドの指示に従ってBAXシステムのソフトウェアに入力する。ランフルプロセス(run full process)アイコンをクリックして、サーモサイクラーを開始させる。BHI中で3時間インキュベートした後、5μLの再増殖試料を、200μlの溶解試薬を収容するクラスターチューブに移動する(150μlを12mLの溶解緩衝液へ)。溶解チューブを37℃で20分間加熱する。溶解チューブを95℃で10分間加熱する。溶解チューブを可溶化液冷却ブロックアセンブリー内で5分間冷却する。適切な数のPCRチューブを、冷却ブロックアセンブリー上のPCRチューブホルダー内に配置する。キャップ除去具によりキャップを緩めるが、タブレットを水和させる準備が整うまで、定位置に残留させる。50μlの溶解物をPCRチューブに移動する。平坦な光学キャップでチューブに蓋をし、蛍光シグナルを検出する。冷却ブロック全体をサーモサイクラー/検出器に持っていく。サーモサイクラー/検出器が負荷される準備が整う時間に関しては、スクリーンプロンプトに従う。ドアをサーモサイクラー/検出器へ開放し、引き出しを外部に滑らせ、PCRチューブを加熱ブロック内に配置し(チューブがウェル内にしっかり着座されたことを確認して)、引き出しを閉じ、ドアを降下させた後、NEXをクリックする。サーモサイクラーはDNAを増幅し、蛍光シグナルを生成し、該蛍光シグナルが自動的に分析されて結果を測定する。
【0169】
次に結果を提供する。サーモサイクラー/検出器が完了した際、スクリーンはドアを開放し、試料を除去し、ドアを閉鎖することを促し、次いでNEXTをクリックする。FINISHボタンをクリックして、結果を検討する。スクリーンは変更された棚の光景をウィンドウに表示し、異なる色をウェル内に示し、中心内の記号は結果を示している。緑(−)は標的生物(サルモネラ菌)に関して負を表し、赤(+)は標的生物(サルモネラ菌)に関して正を表し、(?)を有する黄色は、不確定な結果を表す。負の結果に関するグラフを見て、ほぼ75〜80付近の大きい対照ピークをチェックする必要がある。正の結果に関するグラフは、解釈に関するQualiconの原理を用いて解釈する必要がある。黄色(?)の結果が生じた場合、(?)試料溶解物及びBHI試料溶解物から再試験する。上記の工程に従い、試験を完了する。
【0170】
分割プレート試験
このプロトコルは、百分率変換摂取量の比及び第1のバイトの比を含む、通常のイヌ科の分割プレート試験の誘導に関する方法論及び標準的な操作手順を記載する。
【0171】
供給される全食餌は、本明細書のサルモネラ菌方法の節に記載したように、サルモネラ菌に関する「負」の結果を受容する必要がある。食餌が微生物試験に首尾良く通過した後、試験の誘導を開始することができる。分割プレート試験の食餌は、各食餌に関して対応する色分けラベルで標識されたRubbermaid(登録商標)ブランドの貯蔵ケース内に保たれる。分割プレート試験の餌入れを試験開始の前日に満たした後、対応するRubbermaid(登録商標)ブランドの食餌ケース内で一夜貯蔵する。食餌をケース内に納めることができない場合、同様に正確な色/模様のラベルで適切に標識された追加のケース内に配置する。分割プレート試験は、7:00amのようなその日の初めに供給される。
【0172】
毎朝、犬舎の時系列順に配置されている餌入れを食物カートに負荷する。技術者は、犬舎範囲に入った後、夜中の糞便を全て拾い、各動物の目視検査を完了させる。この、一日の初期動物検査後、給餌を開始する。作業コピー、属性シート及び任意の他の必須の情報を含むクリップボードは、予めカート上に配置してある。次いで、第1選択の情報を収集する。技術者は餌入れを手に犬舎ドアを開放し、イヌを中立、即ち中心の位置へと促す。餌入れをイヌの前に短時間保持して、嗅覚の使用を確実にした後、餌入れを餌入れ輪内に配置する。ドアを素早く閉鎖し、技術者は後退し、動物が第1の選択を行うまで待つ。選択をシート上に丸で記録し、技術者は犬舎を通って前進して、上記の動作を各パネルメンバーについて繰り返す。
【0173】
餌入れは、動物と共に1時間、又はいずれか1つの餌入れが完全に消費され、若しくは各餌入れの50%が消費されるまで残留させる。餌入れを収集し、台所に返却し、再秤量する。残留量、即ち「ORT」を、個々の各パネルメンバーの名称により、正しい食餌カラム内に記録する。再秤量した後、餌入れをケージ洗浄機の棚内に配置し、機械的に処理して有効な衛生を確実にする。
【0174】
任意の異常な挙動を記録する。修繕、特別な収集(special collection)、健康管理調査による採血等の、通常と異なる任意の事象もそこに記録する。これらのいずれも直ちに観察者の注意を向けさせる。いずれかの動物が病気であり、又は軟便を有し、又は嘔吐し、又は仲裁を必要とする場合、通知を行う。
【0175】
一般に、食餌1は試験食餌であり、食餌2は対照食餌である。上述したように、ORTは、給餌が完了した後に残留した食物の量を意味する。
【0176】
記録された典型的な分割プレートデータは、百分率変換摂取量の比及び第1のバイトの比を含むことができる。本明細書で使用するとき、百分率変換摂取量の比は、食餌1対食餌2の消費された食物の比である。例えば、イヌが食餌1及び食餌2を給餌され、60グラムの食餌1が消費されると共に40グラムの食餌2が消費された場合、百分率変換摂取量の比は、60g:40g又は1.5:1であろう。本明細書で使用するとき、第1のバイトの比は、動物が噛みついた最初の食物の比である。例えば、食餌1及び食餌2を10匹のイヌに提示し、7匹のイヌが食餌1に最初に噛みつき、3匹のイヌが食餌2に最初に噛みついた場合、第1のバイトの比は、7:3又は2.33:1である。
【0177】
ヒト感覚による匂い試験
このプロトコルは、感覚科学者により使用される感覚評価に関する方法論を記載する。この方法は、パネリストのヒト鼻(ヒト器具)を用いて匂いを評価する。最初に、臭気感覚力試験を潜在的なパネリストに施行して、パネリストとしての資格認定を行う。臭気感覚力試験は、2部を含む。第1部は、臭気識別である。潜在的なパネリストに10個の試料を提供する。潜在的なパネリストは試料を嗅いだ後、試料のそれぞれの匂いを、パネリストに提供された匂いのリストから識別する。第2部は、同一差異試験である。潜在的なパネリストに10対の試料を提示する。潜在的なパネリストは試料の各対を嗅ぎ、それらが同一の匂い又は異なる匂いであるかを決定する。異なる匂いは、異なる特徴、例えば、カラメル対サクランボ、及び異なる強度、例えば、低いペパーミント濃度対高いペパーミント濃度、を含むことができる。パネリストはこの臭気感覚力試験の2部を累積で75%以上正確に識別した場合、パネリストとしての資格を得る。
【0178】
次いで、臭気感覚力試験に基づき資格を得たパネリストは、成分、参照標準物、及び完成した製品試料を使用して、食餌の匂いの記述的分析に用いられる。パネリストは、以下のように、0〜8段階評価を使用して、製品を様々な属性に関して評価する。
【0179】
90〜100グラムの各試験製品(被覆キブル)を、テフロン蓋を有する広口ガラスビン内に配置することにより試料を調製し、試料を評価する。次いで、パネリストが1回に1つの試料を採取し、全試料をセットにて評価する。パネリストによる評価は、以下を含む。
1)パネリストが、蓋を回して蓋をビンから取る。
2)パネリストが、3回深く嗅いだ後、試料を鼻から除去する。
3)パネリストが0〜8段階評価を用いて評価を行い、評価を記録する。
4)パネリストが、試料の間に、清浄な空気を少なくとも20秒間呼吸する。
【0180】
パネリストによる評価は、以下の感覚属性匂い定義に従って実行する。また、以下の匂いの参照を提供して、パネリストが0〜8段階評価上で資料を評価するのを補助する。
感覚属性匂い定義:
油性/脂肪性:油性の強度;油脂性、料理用油、ピーナツ油、オリーブ油及び脂肪性(家禽脂肪)を含む。
鶏肉:鶏肉の匂いの強度:鶏副産物粉、チキンスープ、鶏副産物粉ローストチキンを含む。
魚肉:魚肉の匂いの強度;魚粉、湿潤キャットフード(海魚及びマグロ)、魚油含む。
酵母:酵母の匂いの強度−より詳細にはビール酵母。
トースト:焼けた匂いの強度;炒った木の実又はコーヒー及び木の実風味、浅い焼き加減〜より深い焼き加減を含む。
甘味性:甘い匂いの強度;キャンディー、カラメル様、タフィー様、バタースコッチ、「シュガー・ベイビーズ」、花を含む。
汚れた靴下:汚れた靴下の臭いの強度−かび臭さを含む。
ボール紙:ボール紙又はダンボール紙の強度。
土:土/新鮮な泥様の匂いの強度。
穀物性:穀物様、エンバク、穀類の臭い又はトウモロコシの強度
牛肉性:牛肉の臭いの強度−IAMS(登録商標)ブランドの湿潤savory sauce beef、及びIAMS(登録商標)ブランドのdog chunks(beef)を含む。
【0181】
全体的な強度:全体的な任意の種類の匂いの強度、低刺激性、微弱、薄い又は弱い〜強い、濃い又は刺激性の範囲。
【0182】
【表7】
【0183】
匂い分析
この方法では、固相微量抽出ガスクロマトグラフィー/質量分析(SPME−GC−MS)を用いて、ペットフード試料を、ペットフードの匂いに関連した化合物に関して分析する。下記の手順が、ペットフード試料のヘッドスペース揮発物を分析するのに使用された。キブル製品を2.0g(+/−0.05g)までSPMEヘッドスペースバイアル瓶(22mL、隔膜キャップ付き)に秤量し、バイアルのキャップをした。分析する各試料について同じものを2つ準備した。この試料を、Gerstel MPS 2オートサンプラー(Gerstel,Inc.Linthicom,MD,USA)のオートサンプラートレイに配置した。試料を10分間(平衡化時間)で75℃に加熱し、次いで2cmのCarb/DVB/PDMS SPME繊維(Supelco,Bellefonte,PA,USA)を用いて、75℃で10分間、試料採取する。このSPME繊維を、Agilent 6890GC−5973 MSのGC入口(250℃)内へ8分間脱離させる。GCは、Restek Stabilwaxカラム30m×0.25mm×0.25μmフィルムで装備されている。GC温度は最初50℃で、この温度に1分間保持し、次いで15℃/分の勾配で240℃まで上げ、この温度で4分間保持する。Chemstationソフトウェアを使用して、抽出イオンクロマトグラム(EIC)を使用して採取された特定の化合物に対応するピークで、標準の保持時間/標的イオンについてクロマトグラムが測定される。次に、曲線下面積を測定してSPME分析数又はカウントを与える。
【0184】
芳香族化合物と、嗜好性試験(百分率変換摂取量及び第1のバイトの比)からの2つの結果因子との間の統計的ペアワイズ相関を作製した。次に、Iams(登録商標)Mini−Chunksと、実施例3の第1の試作品及び第2の試作品とのヘッドスペース芳香族化合物を比較した。1)嗜好性と有意に相関し、2)Mini−Chunksと比較して高い芳香族化合物を、イヌの嗜好性の改善に最も関与する可能性があるとして同定した。
【0185】
ビタミン量
以下の供給物を使用する。
【0186】
【表8】
【0187】
電子秤を使用して、70.0X g(Xは任意の数である)の試料を、Teflon(登録商標)裏張りを有するねじ式の蓋を備えた250mL広口ガラスビン内に秤量する。140.0X gの脱イオン水を加え、蓋を容器上にて回して締め、内容物をよく混合する。容器を50℃の水浴内に2時間配置する。容器を水浴から除去する。
【0188】
Retsch Grindomix GM 200 Knife Millを使用して、広口ガラスビンの内容物を10000rpmで25秒間の2工程で粉砕する。100〜150gをプラスチック試料カップ内に収集し、更に分析する。
【0189】
化学天秤を使用して、3〜3.3gの得られたミックスを20mLアンバーバイアル内に秤量し、小数点以下第4位に四捨五入して重量を記録する。0.25〜0.3gのアスコルビン酸を加える。バイアル内部にマグネット棒を配置する。10mLの試薬アルコールを加えた後、5mLの45%w/w水酸化カリウム溶液を加える。バイアルに蓋をし、内容物をボルテックスする。バイアルの重量を記録し、マグネチックスターラーと共に熱ブロック上に配置する。試料を110℃にて1時間、熱ブロック上に保持する。バイアルを除去し、冷蔵庫内に配置して、室温に又は室温未満に冷却する。けん化後、バイアルの重量を記録する。初期重量と最終重量との間の相違は、2%以内である必要があり、さもなくば試料を再び消化する必要がある。
【0190】
オートサンプラーバイアルを棚内に配置し、〜100ppmのエトキシキンを有する0.5mLの60:40試薬アルコール:酢酸を加える。冷凍庫内に少なくとも30分間配置する。フード内でバイアルの蓋を開け、0.5mLのけん化試料を除去し、該試料を冷却させたオートサンプラーバイアル内に配置する。オートサンプラーバイアルに蓋をし、激しく振る。HPLC上に配置し、該HPLCは、抽出物中のビタミンの濃度をμg/mLで与えるであろう。ビタミンAのピークは5分付近に見出される筈であり、ビタミンEのピークは12分付近に見出される筈である。
【0191】
標準物を以下のように形成する。
【0192】
レチノールストック標準物:250mLの化学線メスフラスコ内に大体200mgのBHTと100mgのレチノールを秤量し、値を4箇所に記録する。メタノール中で線まで希釈し、混合する。
【0193】
α−トコフェロールストック標準物:250mLの化学線メスフラスコ内に大体200mgのBHTと100mgのα−トコフェロールを秤量し、値を4箇所に記録する。約200mLのメタノールを加えて振り、全トコフェロールが溶解したことを確認する。線まで希釈し、混合する。
【0194】
各標準物の濃度をμg/mLで計算し、冷蔵庫内に配置する。光から保護された場合、これらのストック溶液は2ヶ月間保持することができる。
【0195】
標準物1:10mLのメスフラスコ内に100μLのレチノールストック標準物と1mLのα−トコフェロールストック標準物を加える。メタノールで線まで希釈する。
【0196】
標準物2:10mLのメスフラスコ内に1mLの標準物1を加える。メタノールで線まで希釈し、混合する。
【0197】
標準物3:10mLのメスフラスコ内に1mLの標準物2を加える。メタノールで線まで希釈し、混合する。
【0198】
新しいカラムに関して較正曲線を1回作成し、又は必要であればより頻繁に作成する。少なくとも一日1回、バッチ開始時に対照試料を流す。
【0199】
HPLC条件:カラムヒーター:30℃;注入量:50μL
【表9】
カラム:4.6×100mm Onyx Monolithic C18。
ガードカラム:4.6×5mm Onyx Monolithic C18。
検出:UV/Visダイオードアレイ又は等価物、324nm及び290nmにて。
保持率:ビタミンAのピークは5分付近に見出される筈であり、ビタミンEのピークは12分付近に見出される筈である。
【0200】
較正及びHPLC操作新しい各カラムについて、新鮮な標準物を用いて較正を行う必要がある。較正曲線の有効性は、対照試料で調べる。
【0201】
ビタミン結果は、単位IU/kgで以下のように報告される。
【数1】
式中
C−抽出物中のビタミン濃度、μg/mL(HPLCから)
V−抽出溶媒(試薬アルコール及び水酸化カリウム)の総容積、mL
DF−希釈係数(中和溶液の添加を補償)
W−試料アリコートの重量、g
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0202】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0203】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明はペットフードの分野に関する。本発明は、より詳細には動物の嗜好性を増大させる被覆キブル形態のペットフードに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
ペットフード、特に乾燥キブル形態のペットフードの動物の嗜好性を増大させることは、ペットフード製造業者の目標を決して終結させるものではない。例えばドッグフード及びキャットフード等の乾燥粗挽きペットフードは、乾燥された、そのまま食べられるペットフード製品である。ギブルは、該キブルの原材料が熱と圧力下で、ペレット化したキブルに形成されるように押出された押出プロセスによって形成され得る。
【0003】
これらキブル形態のペットフードは、乾燥キブルというその固有の形態により、その固有の課題を提示している。したがって、キブルは乾燥した形態を有する必要があるため、美味とすることが本質的に困難である。通常コアキブル中に位置する既存成分を表面にて活用することによって、美味剤(palatant)の費用を回避し、又は少なくとも低減することができ、製品の受容性を改善することが示唆される。しかしながら、コアキブル表面上にてコア又は内部成分等の既存成分を活用することによる、動物食物の、改善された製品受容性又は動物の嗜好性を付与することに関する技術的知識は容易に理解されない。
【0004】
コア成分を表面に適用する技術的課題を克服することの他の利点としては、ビタミン保持率が改善され、又はプロバイオティクス微生物が供給される等、所定の他の成分、例えば安定性に関して敏感な成分等が更に安定化され得ることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、一実施形態では、増大された動物の嗜好性を有するキブル形態のペットフードが所望されている。多数の実施形態が本明細書に開示され、それらの少なくとも1つはキブルの動物の嗜好性を増大する。少なくとも1つの方法では、動物の食物嗜好性を統合し、結合剤の補助によりコア成分を別様に外部に配置させる。1つの方法では、ペットフードの動物の嗜好性に実質的に影響を与えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、動物の嗜好性を向上する量の脂肪バンドを含むペットフードが開示される。いくつかの実施形態において、脂肪バンドは、3.900以上の値、又は4.000以上の値を有する。ペットフードは、キブルを含むことができ、被覆キブルであってもよく、栄養的にバランスがとれているキブルであってもよい。
【0007】
一実施形態において、ペットフードの容器も開示される。ペットフードは、複数のキブルを含むことができる。キブルは、動物の嗜好性を向上する量の脂肪バンドを有することができる。別の実施形態では、ペットフードの容器は、第1のキブルタイプ及び第2のキブルタイプを有することができ、第1のキブルタイプは、動物の嗜好性を向上する量の脂肪バンドを有するキブルであってもよく、第2のキブルタイプは、第1のキブルタイプとは異なる量の脂肪バンドを有するキブルであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】コア上のコーティングの形態のキブルの一実施形態を示す。
【図2】総アルデヒドの比較を示す。
【図3】酸素ボム試験の比較を示す。
【図4】脂肪分析の比較を提供する。
【図5】脂肪分析の比較を提供する。
【図6】脂肪分析の比較を提供する。
【図7】脂肪分析の比較を提供する。
【図8】脂肪分析の比較を提供する。
【図9】脂肪分析の比較を提供する。
【図10】匂い特徴付けの結果を提供する。
【図11】匂い特徴付けの結果を提供する。
【図12】匂い特徴付けの結果を提供する。
【図13】ビタミン損失の比較の結果を提供する。
【図14】ビタミン損失の比較の結果を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
本明細書で使用するとき、「the」、「a」及び「an」を含む冠詞は、特許請求の範囲又は明細書で使用されるときには、請求又は記載されるものの1以上を意味するものと理解される。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含んでいる(including)」は、限定することを意図しない。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「複数」は、1を超えることを意味する。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「キブル」は、例えばイヌ飼料又はネコ飼料等の動物飼料の粒子状ペレット様の構成成分を含み、典型的には含湿量、即ち含水量が12重量%未満である。キブルは、硬質から軟質までの範囲の質感であり得る。キブルは、膨張状態から稠密状態までの範囲の内部構造であり得る。キブルは、押出プロセスによって形成され得る。非限定例では、キブルは、コア及びコーティングから形成されて、被覆キブルとも称される被覆されたキブルを形成することができる。用語「キブル」が使用される際、キブルは、非被覆キブル又は被覆キブルを指すと理解するべきである。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「動物」又は「ペット」は、人家で飼うイヌ、ネコ、ウマ、雌牛、ケナガイタチ、ウサギ、ブタ、ラット、マウス、アレチネズミ、ハムスター、ウマ等を含むがこれらに限定されない、人家で飼う動物を意味する。人家で飼うイヌ及びネコが、ペットの具体的な例である。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「動物飼料」、「動物飼料組成物」、「動物飼料キブル」、「ペットフード」又は「ペットフード組成物」は全て、ペットにより摂食されることを目的とした組成物を意味する。ペットフードには、例えばキブル等の、日常の飼料に好適な栄養的にバランスがとれた組成物、並びに栄養的にバランスがとれていても又はとれていなくてもよいサプリメント及び/又はペットスナックを挙げてもよいが、これらに限定されない。
【0015】
本明細書で使用するとき、「栄養的にバランスがとれた」という表現は、ペットフード等の組成物が、追加の水に対する必要性を除いて、例えば非限定的に獣医薬のためのUnites States Food and Drug Administration’s Center、American Feed Control Officials Incorporated等の、ペット栄養物摂取の分野の行政機関を含む権威の推奨に基づいて、既知の必須栄養素を有して適切な量及び割合で生命を維持することを意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「プロバイオティクス」、「プロバイオティクス構成成分」、「プロバイオティクス成分」又は「プロバイオティクス生物」は、GI管内の自然の微生物相を保護及び/又は促進することによって哺乳類の健康を促進することができ、異常免疫反応に対する正常な制御を強化する、生存し若しくは死んでいる、細菌若しくは他の微生物、又はそれらのタンパク質若しくは炭水化物等の構成成分、又は、休眠状態及び胞子を含む細菌発酵素の精製画分を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「コア」又は「コアマトリックス」は、キブルの微粒子ペレットを意味し、典型的には成分のコアマトリックスから形成され、12重量%未満の含湿量、即ち含水量を有する。微粒子ペレットを被覆してコア上にコーティングを形成してもよく、これは被覆キブルであり得る。コアはコーティングを有さなくてもよく、又は部分的なコーティングを有してもよい。コーティングを有さない実施形態では、微粒子ペレットは、完全キブルを含むことができる。コアは、澱粉質材料、タンパク質材料、及びそれらの混合物及び組み合わせを含むことができる。一実施形態において、コアは、タンパク質、炭水化物及び脂肪のコアマトリックスを含むことができる。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「コーティング」は、表面、例えばコアの表面の少なくとも一部を覆っている、一般にコア上の部分又は完全被覆物を意味する。一例では、コアはコーティングで少なくとも部分的に覆われていてもよく、それによりコアの一部のみが覆われて、コアの一部は覆われずに露出されている。別の実施例では、コアはコーティングで完全に覆われていてもよく、それによりコア全体が覆われて露出されていない。したがって、コーティングは、表面のごく少量から表面全体まで覆うことができる。コーティングはまた、他のコーティング上に被覆されてもよく、それによりコーティングの層が存在してもよい。例えば、コアはコーティングAで完全に被覆されてもよく、コーティングAはコーティングBで完全に被覆されてもよく、それによりコーティングA及びコーティングBはそれぞれ層を形成する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「主要栄養素」は、タンパク質、脂肪、炭水化物、並びに/又はそれらの組み合わせ及び/若しくは混合物の供給源を意味する。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「押出物」は、例えば押出機を通して送られることにより加工された動物飼料を意味する。押出の一実施形態において、キブルは押出プロセスにより形成され、該プロセスでは、澱粉を含む原材料を熱及び圧力下で押出され得、澱粉をゼラチン化し、またコアであり得るペレット化キブルを形成し得る。任意のタイプの押出機を使用することができるが、該押出機の非限定例は、単軸押出機及び2軸押出機を含む。
【0021】
以下記載する供給源、成分及び構成成分のリストは、それらの組み合わせ及び混合物も想定されて、本発明の範囲内に含まれるよう列挙される。
【0022】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして含むと理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0023】
品目の全リスト、例えば成分のリストは、マーカッシュグループを意図するものであり、マーカッシュグループと解釈されるべきである。したがって、全リストは、品目のリスト...「並びにそれらの組み合わせ及び混合物」「からなる群から選択される」品目、と読み、また解釈することができる。
【0024】
本開示において利用する様々な成分を含む構成要素の商標名が本明細書で参照され得る。本発明者らは、本明細書における特定の商標名の物質により限定されることを意図していない。商品名により参照されているものと同等の物質(例えば、異なる名称又は参照番号で異なる供給源から得られるもの)は、本明細書の記載において置き換えられて使用されてもよい。
【0025】
本開示の様々な実施形態の記述において、様々な実施形態又は個別の特徴が開示される。当業者には明らかなように、このような実施形態及び特徴の全ての組み合わせが可能であり、そして本開示の好ましい実施態様とすることができる。本発明の様々な実施形態及び個々の特徴を説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正が可能である。これも明らかになるであろうが、先行する開示で教示された実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、本発明の好ましい実施となり得る。
【0026】
被覆キブル
本発明の様々な非限定的な実施形態は、被覆キブルの形態のペットフードを含み、被覆キブルは、コアと、コアを少なくとも部分的に覆うコーティングとを含む。一実施形態において、ペットフード、即ち被覆キブルは、栄養的にバランスがとれていてもよい。一実施形態において、ペットフード、即ち被覆キブルは、12%未満の含湿量、即ち含水量を有することができる。キブルは、作製された後、被覆されてもよく、即ち、結合剤を使用して乾燥タンパク質源を層状化(layering)又は被覆することにより後段階で区別されてもよく、これは増大された動物の嗜好性を有する被覆キブルを生じる。本発明の更なる別の実施形態は、コア混合物を形成し、コーティング混合物を形成し、コア混合物にコーティング混合物を適用して被覆キブルペットフードを形成することによる、ペットフードの作製方法を含む。本発明の追加の実施形態は、2つのサルモネラ菌不活性化熱処理工程を含む、ペットフードの作製方法を含む。
【0027】
本発明の一実施形態は、押出され得るコアと、コア上に被覆されたコーティングとを含む被覆キブル形態のペットフードを提供し、コーティングは、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分を含む。被覆キブルの一実施形態の描写を、図1に示す。図1は、被覆キブル100の断面図を示す。被覆キブル100は、コア101と、コア101を包囲するコーティング102とを含む。図1はコアを完全に覆っているコーティングを示しているが、本明細書に開示したように、コーティングはコアを部分的にのみ包囲していてもよい。一実施形態において、コーティングは被覆キブル全体の0.1%〜75重量%を構成してもよく、コアは被覆キブル全体の25%〜99.9%を構成してもよい。別の実施形態では、コーティングは被覆キブルの0.1重量%〜75重量%の間の任意の整数値の範囲を構成してもよく、コアは被覆キブルの25重量%〜99.9重量%の間の任意の整数値の範囲を構成してもよい。タンパク質構成成分は、コーティングの50%〜99%を構成してもよく、結合剤構成成分は、コーティングの1%〜50%を構成してもよい。別の実施形態では、タンパク質構成成分は、コーティングの50%〜99重量%の間の任意の整数値の範囲を構成してもよく、結合剤構成成分は、コーティングの1%〜50重量%の間の任意の整数値の範囲を構成してもよい。追加の実施形態では、コアは12%未満の含湿量、即ち含水量を有してもよく、本明細書に記載する押出プロセスにより形成され得るゼラチン化澱粉マトリックスを含んでもよい。
【0028】
一実施形態において、被覆キブルは、コア及びコーティングを含む。コアは、コアマトリックスを形成する数個の成分を含むことができる。非限定的な一例では、コアは炭水化物源、タンパク質源及び/又は脂肪源を含むことができる。一実施形態において、コアは、20%〜100%の炭水化物源を含むことができる。一実施形態において、コアは、0%〜80%のタンパク質源を含むことができる。一実施形態において、コアは、0%〜15%の脂肪源を含むことができる。コアはまた、他の成分を含んでもよい。一実施形態において、コアは、0%〜80%の他の成分を含むことができる。
【0029】
炭水化物源、又は炭水化物成分、又は澱粉成分としては、穀類、穀物、トウモロコシ、小麦、米、エンバク、挽き割りトウモロコシ、サトウモロコシ、穀実用モロコシ/ミロ、フスマ、エンバクフスマ、アマランス、デューラムコムギ及び/又はセモリナを挙げることができる。タンパク質源、又はタンパク質成分としては、鶏肉粉類、鶏肉、鶏副産物粉類、ラム肉、ラム肉粉類、シチメンチョウ、シチメンチョウ粉類、牛肉、牛肉副産物類、内蔵、魚肉粉、腸類(enterals)、カンガルー、白身魚、鹿肉、大豆粉、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、トウモロコシグルテン粉、トウモロコシタンパク質濃縮物、醸造用乾燥穀物類及び/又は醸造用乾燥穀物可溶分類(distillers dried grains solubles)を挙げることができる。脂肪源、又は脂肪成分としては、家禽脂肪、鶏肉脂肪、シチメンチョウ脂肪、豚肉脂肪、豚脂、獣脂、牛肉脂肪、植物油類、トウモロコシ油、大豆油、綿実油、ヤシ油、パーム核油、亜麻仁油、カノーラ油、菜種油、魚油、メンヘーデン油、アンチョビ油及び/又はオレストラを挙げることができる。
【0030】
他の成分としては、繊維成分、無機質成分、ビタミン成分、ポリフェノール成分、アミノ酸成分、カロテノイド成分、酸化防止剤成分、脂肪酸成分、グルコース模倣成分、プロバイオティクス成分、プレバイオティクス成分、及び更なる他の成分の供給源等の活性成分を挙げることができる。繊維成分の供給源としては、フラクトオリゴ糖類(FOS)、ビートパルプ、マンナンオリゴ糖類(MOS)、エンバク繊維、柑橘果肉、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、アラビアゴム、リンゴ絞りかす、柑橘繊維、繊維抽出物類、繊維誘導体類、乾燥ビート繊維(砂糖除去)、セルロース、α−セルロース、ガラクトオリゴ糖類、キシロオリゴ糖類、及び澱粉からのオリゴ誘導体類、イヌリン、サイリウム、ペクチン類、柑橘ペクチン、グアーガム、キサンタンゴム、アルギネート類、アラビアゴム、ガルハゴム(gum talha)、β−グルカン類、キチン類、リグニン、セルロース類、非澱粉多糖類、カラギーナン、還元澱粉、大豆オリゴ糖類、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ポリデキストロース、オリゴデキストラン(oligodextran)、ゲンチオリゴ糖(gentioligosaccharide)、ペクチンオリゴ糖(pectic oligosaccharide)及び/又はヘミセルロースを挙げることができる。無機質成分の供給源としては、亜セレン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化カリウム、硫酸第一鉄、酸化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、酸化マンガン、ヨウ化カリウム及び/又は炭酸コバルトを挙げることができる。ビタミン成分の供給源としては、塩化コリン、ビタミンEサプリメント、アスコルビン酸、ビタミンA酢酸塩、パントテン酸カルシウム、パントテン酸、ビオチン、チアミン硝酸塩(ビタミンB1の供給源)、ビタミンB12サプリメント、ナイアシン、リボフラビンサプリメント(ビタミンB2の供給源)、イノシトール、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6の供給源)、ビタミンD3サプリメント、葉酸、ビタミンC及び/又はアスコルビン酸を挙げることができる。ポリフェノール成分の供給源としては、茶抽出物、ローズマリー抽出物、ロスマリン酸、コーヒー抽出物、コーヒー酸、ウコン抽出物、ブルーベリー抽出物、ブドウ抽出物、ブドウ種子抽出物及び/又は大豆抽出物を挙げることができる。アミノ酸成分の供給源としては、l−トリプトファン、タウリン、ヒスチジン、カルノシン、アラニン、システイン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、リシン、アスパラギン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、バリン、スレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、ロイシン、グリシン、グルタミン、タウリン、チロシン、ホモシステイン、オルニチン、シトルリン(Citruline)、グルタミン酸、プロリン及び/又はセリンを挙げることができる。カロテノイド成分の供給源としては、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ビキシン、リコピン及び/又はβ−カロテンを挙げることができる。酸化防止剤成分の供給源としては、トコフェロール類(ビタミンE)、ビタミンC、ビタミンA、植物由来の材料、(上述した)カロテノイド類、セレン及び/又はCoQ10(Co−酵素Q10)を挙げることができる。脂肪酸成分の供給源としては、アラキドン酸、α−リノール酸、γリノール酸、リノール酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、並びに/又はEPA及び/若しくはDHAの供給源としての魚油類を挙げることができる。グルコース模倣成分の供給源としては、2−デオキシ−D−グルコース、5−チオ−D−グルコース、3−O−メチルグルコースを含むグルコース代謝拮抗物質類、1,5−無水−D−グルシトール、2,5−無水−D−グルシトール及び2,5−無水−D−マンニトールを含むアンヒドロ糖類、マンノヘプツロース、並びに/又はマンノヘプツロースを含むアボカド抽出物を挙げることができる。更なる他の成分としては、ビーフブロス、ビール乾燥酵母、卵、卵製品、挽き割り亜麻、DLメチオニン、アミノ酸類、ロイシン、リシン、アルギニン、システイン、シスチン、アスパラギン酸、ポリホスフェート類としてのヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等;塩化亜鉛、グルコン酸銅、塩化第1スズ、フッ化第1スズ、フッ化ナトリウム、トリクロサン、グルコサミン塩酸塩、グルコサミン硫酸塩、グリーンリップドマッセル、ブルーリップドマッセル(blue lipped mussel)、メチルスルホニルメタン(MSM)、ホウ素、ホウ酸、フィトエストロゲン類、フィトアンドロゲン類(phytoandrogens)、ゲニステイン、ダイゼイン(diadzein)、L−カルニチン、ピコリン酸クロム、三ピコリン酸クロム、ニコチン酸クロム、酸/塩基修飾因子類(modifiers)、クエン酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、重硫酸ナトリウム;ユーカリ属、ラベンダー、ペパーミント、可塑剤類、着色料類、香味剤類、甘味料類、緩衝剤類、滑り助剤類(slip aids)、担体類、pH調整剤類、天然成分類、安定剤類、酵素類(プロテアーゼ類及びリパーゼ類を含む)等の生物学的添加物類、化学添加物類、冷却剤類、キレート剤類、変性剤類、薬用収斂剤類(drug astringents)、乳化剤類、外部鎮痛薬類、芳香化合物類、湿潤剤類、乳白剤類(酸化亜鉛及び二酸化チタン等)、消泡剤類(シリコーン等)、保存料類(ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、塩化ベンザルコニウム、EDTA、ベンジルアルコール、ソルビン酸カリウム、パラベン類並びにそれらの混合物等)、還元剤類、溶剤類、ヒドロトロープ類、可溶化剤類、懸濁化剤類(非界面活性剤)、溶剤類、増粘剤類(水性及び非水性)、金属イオン封鎖剤類及び/又は角質溶解剤類を挙げることができる。
【0031】
プロバイオティクス成分又は構成成分は、ペットの消費に好適であり、ペットの胃腸管における微生物バランスの改善又はペットにとってのその他の利点(例えば疾患や病状の緩和又は予防)に有効であるような、1つ以上の細菌性プロバイオティクス微生物を含み得る。様々なプロバイオティクス微生物が当該技術分野で既知である。例えば、国際公開特許第WO 03/075676号、及び米国特許出願公開第2006/0228448A1号を参照のこと。特定の実施形態において、プロバイオティクス構成成分は、細菌、酵母、又は、バチルス属、バクテロイデス、ビフィドバクテリウム属、腸球菌属(例えばEnterococcus faecium DSM 10663及びEnterococcus faecium SF68)、乳酸桿菌属、リューコノストック属、サッカロミケス属、カンジダ属、連鎖球菌属の微生物、及びこれらの混合物から選択され得る。別の実施形態において、プロバイオティクスは、ビフィドバクテリウム属、乳酸桿菌属、及びこれらの組み合わせから選択され得る。バチルス属の細菌には胞子を形成するものがある。別の実施形態において、プロバイオティクスは胞子を形成しない。本明細書に用いるのに好適な乳酸菌の非限定例には、Streptococcus lactis、Streptococcus cremoris、Streptococcus diacetylactis、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus acidophilus(例えばLactobacillus acidophilus strain DSM 13241)、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus bifidus、Lactobacillus casei、Lactobacillus lactis、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus delbrukii、Lactobacillus thermophilus、Lactobacillus fermentii、Lactobacillus salvarius、Lactobacillus reuteri、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium pseudolongum、及びPediococcus cerevisiaeの菌株、又はそれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態において、プロバイオティクス強化コーティングは、菌株Bifidobacterium animalis AHC7 NCIMB 41199を含み得る。プロバイオティクス成分のその他の実施形態には、米国特許出願公開第2005/0152884A1号、同第2005/0158294A1号、同第2005/0158293A1号、同第2005/0175598A1号、同第2006/0269534A1号及び同第2006/0270020A1号、並びにPCT国際公開特許第WO 2005/060707A2号に特定されている1つ以上の微生物が含まれ得る。
【0032】
少なくとも1つの実施形態において、コーティングは、本明細書にて上記に記載したコア上に被覆され得る。少なくとも1つの実施形態において、コーティングは、コアに適用されて被覆キブルの動物の嗜好性、又はペット受容性若しくは嗜好性を増大させ得る。したがって、非被覆コアは、コーティングを適用することにより後段階で区別されてもよく、コーティングは、最終的な被覆キブルの動物の嗜好性を増大させ、したがってペット受容性又は嗜好性を増大させることができる。一実施形態において、この非被覆コアは、全て本明細書に記載されている粉砕すること、被覆すること、乾燥すること及び/又は押出されることを含む加工を既に施されているコアであってもよい。
【0033】
コーティングは、キブルのコアを被覆するコーティングを形成する数個のコーティング構成成分、又はコーティング剤を含むことができる。非限定的な一例では、コーティングは、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分を含むことができる。一実施形態において、コーティングは、50%〜99%のタンパク質構成成分と、1%〜50%の結合剤構成成分とを含むことができる。コーティングはまた、他の構成成分を含むことができ、当該他の構成成分は、タンパク質構成成分及び/若しくは結合剤構成成分と共に適用することができ、又はタンパク質及び/若しくは結合剤構成成分の適用後に適用することができる。一実施形態において、コーティングは、0%〜70%の美味剤構成成分を含むことができる。一実施形態において、コーティングは、0%〜50%の脂肪構成成分を含むことができる。一実施形態において、コーティングは、0%〜50%の他の構成成分を含むことができる。
【0034】
一実施形態において、被覆キブルは、2つ以上のコーティングを有することができる。したがって、第1のコーティング、第2のコーティング、第3のコーティング等を含むことができる。これらのコーティングのそれぞれは、本明細書に記載する任意のコーティング構成成分を含むことができる。
【0035】
本明細書に記載する任意の実施形態において、コーティング構成成分は、固体コーティング、固体構成成分又は固体成分と見なすことができる。したがって、この固体コーティングは、12%未満の含湿量、即ち含水量を含んでもよい。一実施形態において、コーティング構成成分は、12%未満の含湿量、即ち含水量を有する固体コーティングとしてのタンパク質構成成分を含む。
【0036】
本明細書に記載するコーティングは、コアの表面上を部分的に又は完全に覆っていてもよい。一例では、コアはコーティングで少なくとも部分的に覆われていてもよく、それによりコアの一部のみが覆われて、コアの一部は覆われずに露出されている別の実施例では、コアはコーティングで完全に覆われていてもよく、それによりコア全体が覆われて露出されていない。コーティングはまた他のコーティング上に被覆されてもよく、それによりコーティングの層が存在してもよい。例えば、コアは第1のコーティング構成成分で完全に覆われてもよく、第1のコーティング構成成分は第2のコーティング構成成分で完全に覆われてもよく、それにより第1のコーティング構成成分及び第2のコーティング構成成分は、それぞれ別個の層を形成する。勿論、コーティング構成成分の所望の数まで、第3、第4、第5、第6等の追加のコーティング構成成分を加えてもよい。一実施形態において、それぞれは分離した層を形成してもよい。別の実施形態において、それぞれは部分的な層を形成してもよい。一実施形態において、複数のコーティング構成成分は単一の層を形成してもよく、各層が1つ又は複数のコーティング構成成分から形成されていてもよい。
【0037】
タンパク質構成成分としては、鶏肉粉類、鶏肉、鶏副産物粉類、ラム肉、ラム肉粉類、シチメンチョウ、シチメンチョウ粉類、牛肉、牛肉副産物類、内蔵、魚肉粉、腸類、カンガルー、白身魚、鹿肉、大豆粉、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、トウモロコシグルテン粉、トウモロコシタンパク質濃縮物、醸造用乾燥穀物類、醸造用乾燥穀物可溶分類、並びに単細胞タンパク質類、例えば酵母、藻及び/又は細菌培養物類を挙げることができる。タンパク質構成成分の一実施形態は、鶏副産物を12%未満の水分、即ち水にて含む。
【0038】
結合剤構成成分としては、以下の任意の材料、又は以下の材料の組み合わせを挙げることができる:グルコース、フルクトース、マンノース、アラビノース等の単糖類;蔗糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、ラクツロース等の二及び三糖類;トウモロコシ及び米シロップ固形物類;トウモロコシ、小麦、米及びタピオカデキストリン類等のデキストリン類;マルトデキストリン類;米、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、タピオカ澱粉等の澱粉類、又は化学的修飾により修飾されたこれらの澱粉類;フラクトオリゴ糖類、アルギネート類、キトサン類等のオリゴ糖類;カラギーナン及びアラビアゴム等のゴム類;グリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール等のポリオール類;蔗糖エステル類、ポリグリコールエステル類、グリセロールエステル類、ポリグリセロールエステル類、ソルビタンエスエル類等のポリオール類のエステル類;ソルビトール;糖蜜類;蜂蜜;ゼラチン類;ペプチド類;乳清液、乳清粉、乳清濃縮物、乳清分離物、乳清タンパク質分離物、International Ingredient Corporation製のDAIRYLAC(登録商標)80等の高乳糖乳清副産物、食肉ブロス固形物類(チキンブロス、チキンブロス固形物類等)、大豆タンパク質及び卵白等のタンパク質類及び修飾タンパク質類。前述したこれらの結合剤構成成分は、水と組み合わせて使用されてもよい。結合剤材料は、水に溶解され又は水中に分散されて、液体混合物又は溶液を形成してもよく、次いでこの液体混合物又は溶液は、コアの表面上に適用され得る。液体混合物は、結合剤構成成分のコア表面上での均一な分散と、コア表面とコア表面に適用されているタンパク質構成成分との間の相互作用との両方を促進し得る。
【0039】
結合剤構成成分が使用される実施形態では、結合剤構成成分がコア表面上に保持され得るため、コアに向かった及びコア中への結合剤の吸収を防止し、又は少なくとも最小限にするよう試みられる。一実施形態において、添加物を加えて結合剤溶液の粘度を上昇させてもよい。それらの添加物は、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、穀粉、並びにそれらの組み合わせ及び混合物であってもよい。これらの添加物は、結合剤構成成分をキブル表面上に保持することを補助して、表面からコアに向かった及びコア中への吸収を防止し又は最小限にすることができる。別の実施形態では、結合剤溶液の温度を変更して溶液の粘度を上昇させてもよい。例えば、結合剤構成成分として卵白を使用した際、卵白のタンパク質の変性がゲル状溶液を形成し得る。このゲル状溶液の形成はほぼ80℃で起こり得るため、一実施形態では、結合剤溶液の温度を80℃に上昇させることが行われ得る。また、コアの温度も上昇させて、結合剤がコアに向かって吸収されることを最小限にすることを補助し得る。別の実施形態では、今記載した添加物と温度変更とを組み合わせて行ってもよい。
【0040】
したがって、一実施形態では、結合剤構成成分は接着剤、又は接着材料として作用して、タンパク質構成成分をコアに接着し得る。一実施形態において、タンパク質構成成分は12%未満の含湿量、即ち含水量の内容の固体成分であってもよく、結合剤構成成分は液体であってもよい。一実施形態において、結合剤構成成分はコア上に適用され又は層状化されて、タンパク質構成成分のための接着剤として作用することができ、次いでタンパク質構成成分が結合剤構成成分によりコア上に適用され又は層状化され得る。別の実施形態では、固体成分としてのタンパク質構成成分を結合剤構成成分と混合した後、この混合物がコア上に適用し又は層状化されてもよい。
【0041】
一実施形態では、脂質及び脂質誘導体も結合剤構成成分として使用することができる。脂質は、水及び/又は他の結合剤構成成分と組み合わせて使用することができる。脂質としては、大豆油、トウモロコシ油、菜種油、オリーブ油、紅花油、ヤシ油、ココナツ油、パーム核油等の植物脂肪類、並びにそれらの部分及び完全水素添加誘導体類;動物脂肪類、並びにそれらの部分及び完全水素添加誘導体類;並びに蝋類を挙げることができる。
【0042】
美味剤構成成分は、鶏レバー類由来の液体ダイジェスト等の鶏肉風味料を含むことができ、鶏肉風味料は、およそ70%の水及びチキン・レバー・ダイジェスト類であり得る。本明細書で使用するとき、美味剤構成成分は、動物による食物受容性又は嗜好性を改善することを主要な目的とする、動物飼料に添加される任意のものを意味する。風味料、風味剤又は風味構成成分としても考慮され得る美味剤構成成分は、ピロホスフェート等の酸と組み合わされてもよいレバー又は内蔵ダイジェストを含むことができる。ピロホスフェート類の非限定例には、ピロリン酸二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸三ナトリウム、トリポリホスフェート、及びピロリン酸亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。美味剤構成成分は追加の美味補助剤類(palatant aids)を含んでもよく、追加の美味補助剤類の非限定例には、メチオニン及びコリンを挙げることができる。他の美味補助剤類としては、食物中で動物の興味を引く芳香剤類又は他の実体が挙げられ、シクロヘキサンカルボン酸、ペプチド類、モノグリセリド類、単鎖脂肪酸類、酢酸、プロピオン酸、酪酸、3−メチルブチラート、ゼオライト、家禽加水分解物、タラゴン精油、オレガノ精油、2−メチルフラン、2−メチルピロール、2−メチル−チオフェン、二硫化メチル、硫化メチル、スルフロール、藻粉、イヌハッカ、2−ピペリジオン、2、3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール及びインドールを挙げることができる。また、様々な食肉ベースの香味剤類又は匂い剤類を使用することができ、非限定例としては、食肉、牛肉、鶏肉、シチメンチョウ、魚肉、チーズ、又は他の動物ベースの香料類が挙げられる。
【0043】
脂肪構成成分としては、家禽脂肪、鶏肉脂肪、シチメンチョウ脂肪、豚肉脂肪、豚脂、獣脂、牛肉脂肪、植物油類、トウモロコシ油、大豆油、綿実油、ヤシ油、パーム核油、亜麻仁油、カノーラ油、菜種油、魚油、メンヘーデン油、アンチョビ油及び/又はオレストラを挙げることができる。
【0044】
他の構成成分としては、繊維成分、無機質成分、ビタミン成分、ポリフェノール成分、アミノ酸成分、カロテノイド成分、酸化防止剤成分、脂肪酸成分、グルコース模倣成分、プロバイオティクス成分、プレバイオティクス成分、及び更なる他の成分の供給源等の活性成分を挙げることができる。繊維成分の供給源としては、フラクトオリゴ糖類(FOS)、ビートパルプ、マンナンオリゴ糖類(MOS)、エンバク繊維、柑橘果肉、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、アラビアゴム、リンゴ絞りかす、柑橘繊維、繊維抽出物類、繊維誘導体類、乾燥ビート繊維(砂糖除去)、セルロース、α−セルロース、ガラクトオリゴ糖類、キシロオリゴ糖類、及び澱粉からのオリゴ誘導体類、イヌリン、サイリウム、ペクチン類、柑橘ペクチン、グアーガム、キサンタンゴム、アルギネート類、アラビアゴム、ガルハゴム、β−グルカン類、キチン類、リグニン、セルロース類、非澱粉多糖類、カラギーナン、還元澱粉、大豆オリゴ糖類、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ポリデキストロース、オリゴデキストラン、ゲンチオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖及び/又はヘミセルロースを挙げることができる。無機質成分の供給源としては、亜セレン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化カリウム、硫酸第一鉄、酸化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、酸化マンガン、ヨウ化カリウム及び/又は炭酸コバルトを挙げることができる。ビタミン成分の供給源としては、塩化コリン、ビタミンEサプリメント、アスコルビン酸、ビタミンA酢酸塩、パントテン酸カルシウム、パントテン酸、ビオチン、チアミン硝酸塩(ビタミンB1の供給源)、ビタミンB12サプリメント、ナイアシン、リボフラビンサプリメント(ビタミンB2の供給源)、イノシトール、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6の供給源)、ビタミンD3サプリメント、葉酸、ビタミンC及び/又はアスコルビン酸を挙げることができる。ポリフェノール成分の供給源としては、茶抽出物、ローズマリー抽出物、ロスマリン酸、コーヒー抽出物、コーヒー酸、ウコン抽出物、ブルーベリー抽出物、ブドウ抽出物、ブドウ種子抽出物及び/又は大豆抽出物を挙げることができる。アミノ酸成分の供給源としては、l−トリプトファン、タウリン、ヒスチジン、カルノシン、アラニン、システイン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、リシン、アスパラギン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、バリン、スレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、ロイシン、グリシン、グルタミン、タウリン、チロシン、ホモシステイン、オルニチン、シトルリン(Citruline)、グルタミン酸、プロリン及び/又はセリンを挙げることができる。カロテノイド成分の供給源としては、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ビキシン、リコピン及び/又はβ−カロテンを挙げることができる。酸化防止剤成分の供給源としては、トコフェロール類(ビタミンE)、ビタミンC、ビタミンA、植物由来の材料、カロテノイド類(上述した)、セレン及び/又はCoQ10(Co−酵素Q10)を挙げることができる。脂肪酸成分の供給源としては、アラキドン酸、α−リノール酸、γリノール酸、リノール酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、並びに/又はEPA及び/若しくはDHAの供給源としての魚油類を挙げることができる。グルコース模倣成分の供給源としては、2−デオキシ−D−グルコース、5−チオ−D−グルコース、3−O−メチルグルコースを含むグルコース代謝拮抗物質類、1,5−無水−D−グルシトール、2,5−無水−D−グルシトール及び2,5−無水−D−マンニトールを含むアンヒドロ糖類、マンノヘプツロース、並びに/又はマンノヘプツロースを含むアボカド抽出物を挙げることができる。更なる他の成分としては、ビーフブロス、ビール乾燥酵母、卵、卵製品、挽き割り亜麻、DLメチオニン、アミノ酸類、ロイシン、リシン、アルギニン、システイン、シスチン、アスパラギン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等のポリホスフェート類;塩化亜鉛、グルコン酸銅、塩化第1スズ、フッ化第1スズ、フッ化ナトリウム、トリクロサン、グルコサミン塩酸塩、グルコサミン硫酸塩、グリーンリップドマッセル、ブルーリップドマッセル、メチルスルホニルメタン(MSM)、ホウ素、ホウ酸、フィトエストロゲン類、フィトアンドロゲン類、ゲニステイン、ダイゼイン(diadzein)、L−カルニチン、ピコリン酸クロム、三ピコリン酸クロム、ニコチン酸クロム、酸/塩基修飾因子類、クエン酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、重硫酸ナトリウム;ユーカリ属、ラベンダー、ペパーミント、可塑剤類、着色料類、香味剤類、甘味料類、緩衝剤類、滑り助剤類、担体類、pH調整剤類、天然成分類、安定剤類、酵素類(プロテアーゼ類及びリパーゼ類を含む)等の生物学的添加物類、化学添加物類、冷却剤類、キレート剤類、変性剤類、薬用収斂剤類、乳化剤類、外部鎮痛薬類、芳香化合物類、湿潤剤類、乳白剤類(酸化亜鉛及び二酸化チタン等)、消泡剤類(シリコーン等)、保存料類(ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、塩化ベンザルコニウム、EDTA、ベンジルアルコール、ソルビン酸カリウム、パラベン類並びにそれらの混合物等)、還元剤類、溶剤類、ヒドロトロープ類、可溶化剤類、懸濁化剤類(非界面活性剤)、溶剤類、増粘剤類(水性及び非水性)、金属イオン封鎖剤類及び/又は角質溶解剤類を挙げることができる。
【0045】
プロバイオティクス成分又は構成成分は、ペットの消費に好適であり、ペットの胃腸管における微生物バランスの改善又はペットにとってのその他の利点(例えば疾患や病状の緩和又は予防)に有効であるような、1つ以上の細菌性プロバイオティクス微生物を含み得る。様々なロバイオティクス微生物が当該技術分野で既知である。例えば、国際公開特許第WO 03/075676号、及び米国特許出願公開第2006/0228448A1号を参照のこと。特定の実施形態において、プロバイオティクス構成成分は、細菌、酵母、又は、バチルス属、バクテロイデス、ビフィドバクテリウム属、腸球菌属(例えばEnterococcus faecium DSM 10663及びEnterococcus faecium SF68)、乳酸桿菌属、リューコノストック属、サッカロミケス属、カンジダ属、連鎖球菌属の微生物、及びこれらの混合物から選択され得る。別の実施形態において、プロバイオティクスは、ビフィドバクテリウム属、乳酸桿菌属、及びこれらの組み合わせから選択され得る。バチルス属の細菌には胞子を形成するものがある。別の実施形態において、プロバイオティクスは胞子を形成しない。本明細書に用いるのに好適な乳酸菌の非限定例には、Streptococcus lactis、Streptococcus cremoris、Streptococcus diacetylactis、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus acidophilus(例えばLactobacillus acidophilus strain DSM 13241)、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus bifidus、Lactobacillus casei、Lactobacillus lactis、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus delbrukii、Lactobacillus thermophilus、Lactobacillus fermentii、Lactobacillus salvarius、Lactobacillus reuteri、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium pseudolongum、及びPediococcus cerevisiaeの菌株、又はそれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態において、プロバイオティクス強化コーティングは、菌株Bifidobacterium animalis AHC7 NCIMB 41199を含み得る。プロバイオティクス成分のその別の実施形態には、米国特許出願公開第2005/0152884A1号、同第2005/0158294A1号、同第2005/0158293A1号、同第2005/0175598A1号、同第2006/0269534A1号及び同第2006/0270020A1号、並びにPCT国際公開特許第WO 2005/060707A2号に特定されている1つ以上の微生物が含まれ得る。
【0046】
これらの活性成分は、任意の形態、例えば乾燥形態で提供されてもよい。活性物質の乾燥形態は、12%未満の水分、即ち水を含む形態であり得るため、固体成分と見なすことができる。したがって、一実施形態では、プロバイオティクス構成成分は、例えば100マイクロメートル未満の平均粒径を有する粉末として乾燥形態で提供され得る。100マイクロメートル未満において、プロバイオティクス構成成分は、キブルに対してより容易に接着することができる。一実施形態において、プロバイオティクス構成成分は、100マイクロメートルを越える粒径を有し得る。しかしながら、この実施形態では、より大量の結合剤を使用して、プロバイオティクスのキブルに対する接着を補助し得る。乾燥粉末形態のプロバイオティクス構成成分は、コーティングの一部としてコアに適用されて、コーティング中にプロバイオティクスを有する被覆キブルを得ることができる。
【0047】
かくして、コーティングは活性成分を含むことができる。したがって、本発明の一実施形態は、活性成分をペット又は動物に供給する方法に関し、該活性成分は、それらの混合物及び組み合わせを含む、本明細書に開示した任意の活性成分を含むことができる。一実施形態において、被覆キブル形態のペットフードを提供する。被覆キブルは、本明細書に記載したコアを含んでもよく、また被覆キブルは、本明細書に開示したコーティングを含んでもよい。一実施形態において、コーティングはコーティング構成成分を含み、該コーティング構成成分は、本明細書に開示したタンパク質構成成分、本明細書に記載した結合剤構成成分、本明細書に記載した脂肪構成成分、本明細書に記載した美味剤構成成分、及び本明細書に記載した活性成分を含む。一実施形態において、タンパク質構成成分、脂肪構成成分、及び美味剤構成成分、並びにそれらの組み合わせ及び混合物は、活性成分のための担体として作用することができる。別の実施形態では、活性成分は固体成分であってもよく、それにより含湿量、即ち含水量は12%未満である。活性成分を含む被覆キブルの形態のペットフードは、ペット又は動物に提供されて消費されてもよい。活性成分は、コーティングの0.01%〜50%を構成してもよい。
【0048】
したがって、本発明の実施形態は、少なくとも1つの活性成分を含む被覆キブルを想定している。したがって、本発明の一実施形態は、本明細書に開示した被覆キブルの実施形態に従って、被覆キブルを介して活性成分を供給することに関する。本発明の実施形態の被覆キブルは、活性成分を含む被覆キブルの動物の嗜好性を増大し、活性成分の安定性を増大し得ることが見出された。
【0049】
更なる他の構成成分としては、被覆キブル中での水の伝達を低下させることを補助し得る構成成分を挙げることができる。構成成分としては、ココアバター、パーム核油、パーム油、綿実油、大豆油、キャノーラ油、菜種油、油類若しくは脂肪類の水素添加誘導体類、パラフィン、蝋、流動パラフィン、固形パラフィン、キャンデリラ蝋、カルナバ蝋、マイクロクリスタリン蝋、蜜蝋、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アセチルアシルグリセロール類、セラック、脱蝋ガムラック(dewaxed gumlac)、トリオレイン、ピーナッツ油、チョコレート、メチルセルロース、トリオレイン、ステアリン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、モノステアリン酸グリセロール、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ベヘン酸、アジピン酸、カルボキシメチルセルロース、バター油、ペクチン、アセチル化モノグリセリド、小麦グルテン、オレイン酸、大豆レシチン、パラフィン蝋、パラフィン油、カゼイン酸ナトリウム、ラウリン酸、乳清タンパク質分離物、乳清タンパク質濃縮物、ステアリルアルコール、オレストラ、アセチル化モノグリセリド類、チョコレートリキュール、スイートミルクチョコレート、固形ココア類、トリステアリン、動物脂肪及び/又は家禽脂肪を挙げることができる。
【0050】
本発明の一実施形態において、コーティングのタンパク質構成成分は、乾燥構成成分又は固体成分であってもよく、それによりタンパク質構成成分の含水率は12%未満である。したがって、この実施形態では、タンパク質構成成分、又は固体成分は、結合剤成分を使用することによりコア上に被覆できる固体状材料として作用し得る。12%未満の含湿量、即ち水を有するタンパク質構成成分は、コア、又はキブル上に被覆するのが極めて困難な場合があり、コア、又はキブル自体が、本明細書に記載したように、12%未満もの低い含湿量、即ち含水量を有し得る。したがって、結合剤構成成分が乾燥タンパク質構成成分をコア、又はキブル上に被覆することを補助し得る。
【0051】
一実施形態において、完成品の被覆キブルは、80%〜90%のコアと、10%〜20%のコーティングとを含むことができる。コアは、45%〜55%の炭水化物源、35%〜45%のタンパク質源、0.1%〜5%の脂肪源、及び5%〜10%他の成分を含むことができる。コーティングは、非限定的に鶏副産物粉であってもよい65%〜75%のタンパク質構成成分、その非限定例が卵白、高乳糖乳清副産物、乳清タンパク質分離物又はチキンブロスであってもよい5%〜10%の結合剤構成成分、その非限定例が鶏肉脂肪であってもよい15%〜25%の脂肪構成成分、及びその非限定例がチキン・レバー・ダイジェストであってもよい1%〜10%の美味剤構成成分を含むことができる。被覆キブルは、12%未満の水を含むことができる。
【0052】
本発明の実施形態のキブル中に含まれ得る主要栄養素は、全て本明細書にて上記に記載したタンパク質源/成分/構成成分、脂肪源/成分/構成成分、及び炭水化物源/成分/構成成分、並びにそれらの混合物及び組み合わせを含むことができる。主要栄養素は、全て本明細書にて上記に記載したタンパク質源/成分/構成成分、脂肪源/成分/構成成分、炭水化物源/成分/構成成分、並びにそれらの組み合わせ及び混合物からなる群から選択されてもよい。これらの主要栄養素は全体として、コアが特定の量の主要栄養素を含み、コーティングが特定の量の主要栄養素を含むようにコアとコーティングとの間に分配されてもよい。一実施形態において、コアとコーティングとの間の主要栄養素の分配は、12対1の比にあってもよい。一実施形態において、コアとコーティングとの間の主要栄養素の分配は、1対12の比にあってもよい。一実施形態において、コアとコーティングとの間の主要栄養素の分配は、12対1〜1対12、及びその間の全ての整数の比にあってもよい。記載したような主要栄養素の分配は、タンパク質源/成分/構成成分、脂肪源/成分/構成成分、及び炭水化物源/成分/構成成分からなる主要栄養素の混合物としてである。したがって、主要栄養素のコアとコーティングとの間の分配比が12対1である一実施形態では、この実施形態は、合計としてのタンパク質源/成分/構成成分、脂肪源/成分/構成成分、及び炭水化物源/成分/構成成分全部の分配を、コアとコーティングとの間で12対1として表す。したがって、この実施形態では、12単位のタンパク質+脂肪+炭水化物、対、1単位のタンパク質+脂肪+炭水化物の比が存在する。
【0053】
プロセス
本発明のキブル実施形態は、押出プロセスにより形成することができ、それにより本明細書にて上記に記載したように、コア成分がコアマトリックスに形成された後、熱及び圧力下で押出されてペレット化キブル形態、即ちコアペレットが形成される。澱粉マトリックスが使用される場合、押出プロセス中に澱粉マトリックスが押出条件下でゼラチン化される場合があり、また一般にはゼラチン化され得る。
【0054】
一実施形態において、コアマトリックスの押出機は、単軸押出機を使用して実施することができ、一方別の実施形態では、2軸押出機を使用して実施することができる。コアマトリックスの押出は、キブルペットフードに好適な材料を製造するように、特定の押出機の構成を必要とする場合がある。例えば、顕著な色の劣化を防ぎ、押出機内での材料の重合化を防ぎ、1つ以上のコーティングを伴うコーティング等の、次の加工に耐久性のあるキブルの製造には、非常に高い剪断と短い押出時間が必要になることがある。
【0055】
一実施形態において、被覆キブルは、そのように押出されたコアペレットの塊を逆回転2軸パドルミキサー内でコーティング構成成分と接触させることにより製造され得る。
【0056】
一実施形態において、コアマトリックスに使用されてコアに形成される成分、即ちコア材料は、本明細書にて上記に記載した供給源/成分を含むがこれらに限定されない任意の個々の出発構成成分であってもよい。
【0057】
乾燥ペットフードの作製に一般的なプロセスは、粉砕、計量、コンディショニング、押出、乾燥及び被覆である。粉砕は、全成分又は一部の成分をより小さい形態に縮小するのに使用される任意のプロセスを包含する。計量のプロセス工程において、乾燥成分及び/又は液体成分を混合することにより全体又は部分的配合物が形成される。多くの場合、これらの成分は、最も栄養価の高い又は消化されやすい形態ではなく、したがってこれらの成分をある種類の料理プロセスを用いて更に消化されやすい形態に変換するプロセスが必要がある。
【0058】
粉砕プロセス中、コア材料の個々の出発構成成分を所望に割合にて一緒に混合及びブレンドして、コア材料を形成してもよい。一実施形態において、得られたコア材料をふるいにかけ、該コア材料から任意の大きい材料の凝集体を除去してもよい。この工程には、プラウミキサー(plough mixer)、パドルミキサー、流動ミキサー(fluidizing mixer)、コニカルミキサー、及びドラムミキサーを含むがこれらに限定されない、任意の種類の従来の固体ミキサーを使用することができる。固体混合の当業者は、材料のタイプ、粒径及び規模に基づいて、固体混合の主題に関する広く入手可能な多数の教科書及び論文の任意の1つから、混合条件を最適化することができるであろう。
【0059】
次いで、コア材料混合物を調整装置内に供給してもよい。成分の前処理にコンディショニングを用いてもよく、該コンディショニングには、水和、他の成分の添加/混合、及び部分的料理が含まれ得る。料理は、多くの場合、蒸気の形態の熱を加えることにより達成でき、45℃〜100℃(113°F〜212°F)の吐出し温度をもたらし得る。温度を、標準大気条件を超えて、例えば100℃(212°F)を超えて上昇させる必要がある場合、加圧コンディショニングが用いられ得る。次いで、コンディショニングされた成分及び/若しくは成分、又はそれらの組み合わせを押出機に移動して更に加工してもよい。
【0060】
次いで、かようにコンディショニングされたコア材料を押出操作に供して、膨張コアペレットを得ることができる。一実施形態において、コア材料は、押出操作の前にホッパーに送られてもよい。押出機は、任意の好適な単軸又は2軸スクリュー料理用押出機であってもよい。好適な押出機は、Wenger Manufacturing Inc.,Clextral SA,Buhler AG等から得ることができる。押出機の操作条件は、作製されるべき特定の製品に応じて変動し得る。例えば、押出機の操作パラメータの変更により押出された製品の質感、堅さ又は嵩密度を変化させることができる。コンディショニングと同様、押出を用いて、乾燥成分及び/又は液体成分の流れを、押出機供給ポート、バレル又はダイの長さに沿った任意の場所で加えることにより、他の成分(その非限定例は、炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、無機質及び保存剤)を組み込むことができる。押出機は、多くの場合、単軸又は2軸スクリューの設計を有するがこれらに限定されず、1700rpmまで操作される。押出プロセスは、多くの場合、高圧(10.3MPa(1500psig)まで)及び高温(250℃まで)で達成され得る。押出を用いて可食の食物の連続ロープ又はシートの作製を達成し得るが、別個の形状及びサイズも達成し得る。これらの形態、形状及びサイズは、多くの場合、ダイ又はダイセットの開口部を通して材料を強制的に移動して、より小さいセグメントに切る又は分割した結果である。
【0061】
この段階で、押出された製品は、押出されたロープ、シート、ある形状、又は他のセグメント等の任意の形態であってもよく、次いで後の押出操作に移動され得る膨張湿潤ペレットの形態であってもよい。後押出操作には、プロセスの流れの任意の組み合わせ又は倍数でクリンピング、破砕、スタンピング、搬送、乾燥、冷却及び/又は被覆が挙げられる。クリンピングは、食物を一緒に抓む任意のプロセスである。破砕は、押出に際して、好ましくは引裂によって食物のサイズを低下させる任意のプロセスである。スタンピングは、食物の表面を型押しし、又は食物を通して切る任意のプロセスである。搬送は、食物を1つの操作から他の操作に移送するのに用いられ、該移送中に食物の状態を変化させ又は維持し得、多くの場合、このプロセスは機械的又は空気圧式である。乾燥は、プロセスにおける水分、即ち水を、完成製品の貯蔵寿命に好適なレベルに低減するのに用いられ得る。キブル等の膨張湿潤ペレットのように、ペレットは押出機出口から、搬送、空気搬送(airveying)又はオーガリング(auguring)システムにより乾燥炉等の乾燥機に移送され得る。膨張され、乾燥機の入り口に移送された後、キブルは、一般に85℃〜95℃に冷却されていてもよく、キブル水分、即ち水は、蒸発により約25〜35%から約20〜28%に低下されている。乾燥炉の温度は、90℃〜150℃であってもよい。乾燥炉に存在するコアペレットの温度は、90℃〜99℃であってもよい。この段階で、ペレットの被覆が実行され得る。被覆を実行して、炭水化物、タンパク質、脂肪、水、ビタミン、無機質及び他の栄養上又は健康上有益な成分を食品に加え、中間又は完成製品を作製することができる。コアペレットの冷却を用いて、押出及び/又は乾燥による温度を低下させてもよい。
【0062】
したがって、この段階でコアペレット、即ちコアは、使用された任意の澱粉構成成分がゼラチン化され得るように料理されたと見なされてもよい。次いで、被覆キブル等の食品ペレットの製造においてコアペレットを流動ミキサーに供給して、コーティングを適用してもよい。一実施形態において、コアペレットは、流動ミキサーに入る前にホッパーに送られてもよい。被覆キブルは、コアを流動ミキサー内でコーティングと接触させることにより形成され得る。一実施形態において、流動ミキサーは、逆回転2軸パドルミキサーであってもよく、軸は水平方向に配向され、パドルは逆回転軸に取り付けられていてもよい。好適な逆回転2軸パドルミキサーは、Forberg International AS,Larvik,Norway;Eirich Machines,Inc,Gurnee,Ill.,USA及びDynamic Air Inc.,St.Paul,Minn.,USAから得ることができる。シャフト間内のパドルの運動が収束流れ領域を構成し、ミキサーの中心で粒子の実質的な流動をもたらす。ミキサーの操作の間、各シャフトのパドルの傾斜が、軸方向に対向する対流流れをもたらし、収束流れ領域内に追加の剪断場を生成してもよい。シャフトの外側のパドルの下向きの軌道が、下向きの収束流を構成する。
【0063】
一実施形態において、流動ミキサーは、逆回転パドル軸の中間に位置する収束流れ領域を有してもよい。1つの態様では、逆回転パドル軸の行程容積が、収束流れ領域内で重なり合う。本明細書で使用するとき、用語「行程容積」は、シャフトの完全回転中に回転しているシャフトに取り付けられた混合具により区切られる容積を意味する。1つの態様では、逆回転パドル軸の行程容積が、収束流れ領域内で重なり合わない。1つの態様では、逆回転パドル軸の行程容積間の収束流れ領域内には間隙が存在してもよい。
【0064】
上述したように、一実施形態において、コーティングは、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分を含むことができる。一実施形態において、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分は、ミキサーに加えられる前に、一緒に混合されて単一混合物、即ち予混合コーティングとされてもよい。別の実施形態では、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分は、ミキサーに加えられる前に、一緒に混合されて単一混合物とされない。
【0065】
一実施形態において、予混合コーティングは、該予混合コーティングが逆回転パドル軸の中間の収束領域内へと上方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入又は供給されてもよい。逆回転二重軸パドルミキサーは、逆回転パドル軸間に収束流れ領域を有することができる。重なり合った又は重なり合っていないパドルのいずれかを使用することができる。予混合コーティングを逆回転パドル軸の行程容積間の間隙内に指向させてもよい。一態様において、逆回転パドル軸の収束流れ領域の下方に位置する分配器パイプを通して、予混合コーティングの2軸パドルミキサー内への進入が起こり得る。分配器パイプは少なくとも1つの開口部を含んでもよく、該開口部をコーティングが2軸パドルミキサー内へと通過する。一態様において、予混合コーティングの2軸パドルミキサー内への進入は、予混合コーティングをミキサーの側部、好ましくはパドル軸に平行な側部に沿って加えることにより起こり得る。材料は、ミキサー底部へと下方に掃かれた後、逆回転パドル軸の収束流れ領域内へと上方に掃き戻される。
【0066】
一実施形態において、予混合コーティングは、該予混合コーティングが逆回転パドル軸の間の収束領域の頂部へと下方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入されてもよい。一実施形態において、予混合コーティングは、該予混合コーティングが逆回転パドル軸の外部上の対流内へと下方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入されてもよい。
【0067】
一実施形態において、タンパク質構成成分、脂肪構成成分、結合剤構成成分、及び/又は美味剤構成成分、並びにそれらの組み合わせ及び混合物等のコーティング構成成分は、該コーティング構成成分が逆回転パドル軸の間の収束領域内へと上方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に別々に導入され得る。逆回転二重軸パドルミキサーは、逆回転パドル軸間に収束流れ領域を有することができる。コーティング構成成分を逆回転パドル軸の行程容積間の間隙内に指向させてもよい。一態様において、逆回転パドル軸の収束流れ領域の下方に位置する分配器パイプを通して、コーティング組成物の2軸パドルミキサー内への侵入が起こり得る。分配器パイプは少なくとも1つの開口部を含んでもよく、該開口部をコーティング組成物が2軸パドルミキサー内へと通過する。一態様において、コーティング構成成分の2軸パドルミキサー内への進入は、別個のコーティング構成成分をミキサーの側部、好ましくはパドル軸に平行な側部に沿って加えることより起こり得る。材料はミキサー底部へと下方に掃かれるが、その後、逆回転パドル軸の収束流れ領域内へと上方に掃き戻される。
【0068】
一実施形態において、コーティング構成成分は、該コーティング構成成分が逆回転パドル軸の間の収束領域の頂部へと下方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に別個に導入されてもよい。一実施形態において、コーティング構成成分は、該コーティング構成成分が逆回転パドル軸の外部上の対流内への下方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入されてもよい。
【0069】
一実施形態において、タンパク質構成成分は、該タンパク質構成成分が逆回転パドル軸の間の収束領域内へと上方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入されてもよい。逆回転二重軸パドルミキサーは、逆回転パドル軸間に収束流れ領域を有することができる。タンパク質構成成分を逆回転パドル軸の行程容積間の間隙内に指向させてもよい。一態様において、逆回転パドル軸の収束流れ領域の下方に位置する分配器パイプを通して、タンパク質構成成分の2軸パドルミキサー内への侵入を行い得る。分配器パイプは少なくとも1つの開口部を含んでもよく、該開口部をタンパク質構成成分が2軸パドルミキサー内へと通過する。一態様において、タンパク質構成成分の2軸パドルミキサーへの進入は、タンパク質構成成分をミキサーの側部、好ましくはパドル軸に平行な側部に沿って加えることにより起こり得る。材料はミキサー底部へと下方に掃かれた後、逆回転パドル軸の収束流れ領域内へと上方に掃き戻される。
【0070】
一実施形態において、結合剤構成成分は、該結合剤構成成分が逆回転パドル軸の間の収束領域の頂部へと下方に指向されるように、逆回転2軸パドルミキサー内に導入されてもよい。
【0071】
一実施形態において、単一の流動混合ユニットが使用され得る。一実施形態において、例えば、コアペレットに対するコーティングのための異なるコーティング構成成分のカスケードミキサー(cascading mixer)等、多数の流動混合ユニットが使用され得る。一実施形態において、例えば、容積容量が徐々に増加するカスケードミキサー等、多数のミキサーが使用され得る。容積容量の増加は、製品容量の増加に対応し得ると考えられる。一実施形態において、被覆プロセスは、少なくとも1回生じ得る。一実施形態において、被覆プロセスは所望により多数回生じて、所望の食品ペレットを製造し得る。一実施形態において、被覆プロセスは、当業者がコアペレットの当初質量と比較した際に、約1.04を越え、約4までの倍数でコアペレット質量を増加するのに十分であると決定した回数で反復され得る。
【0072】
一実施形態において、混合ユニットに結合剤構成成分が導入され得る。結合剤構成成分の適用は、タンパク質構成成分の適用前に開始されてもよい。結合剤構成成分の適用の開始後であるが、結合剤構成成分が尚適用されている間、タンパク質構成成分の適用が開始されてもよい。このようにして、結合剤構成成分及びタンパク質構成成分で被覆されたコアが形成され得る。この被覆コアが形成された後、下記に記載するサルモネラ菌不活性化工程を行うことができる。このサルモネラ菌不活性化工程の後、追加のコーティング構成成分として脂肪構成成分及び美味剤構成成分を混合ユニット内に導入し得る。
【0073】
一実施形態において、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分は、コーティング構成成分として実質的に同時に混合ユニット内に導入され得る。このようにして、結合剤構成成分及びタンパク質構成成分で被覆されたコアが形成され得る。この被覆コアが形成された後、下記に記載するサルモネラ菌不活性化工程を行うことができる。このサルモネラ菌不活性化工程の後、追加のコーティング構成成分として脂肪構成成分及び美味剤構成成分を混合ユニット内に導入し得る。
【0074】
別の実施形態では、タンパク質構成成分、結合剤構成成分、脂肪構成成分及び美味剤構成成分は、任意の順序で、また適用時間が任意の量で重なって適用されてもよい。
【0075】
一実施形態において、パドルチップと流動ミキサー壁との間の間隙は、被覆されるコアペレットの最大寸法よりも大きくてよい。理論に束縛されるものではないが、そのような間隙クリアランスは、コアペレット破損の原因となり得るパドルチップと壁との間のコアペレットのつかえを防止すると考えられる。
【0076】
一実施形態において、パドルチップと流動ミキサー壁との間の間隙は、被覆されるコアペレットの最小寸法よりも小さくてよい。理論に束縛されるものではないが、そのような間隙クリアランスは、コアペレット破損の原因となり得るパドルチップと壁との間のコアペレットのつかえを防止すると考えられる。
【0077】
一実施形態において、被覆プロセス開始時のコアペレットの温度は、より高い融点を有する構成成分の融点よりも1℃〜40℃低い。コアペレットの温度が高すぎると、コーティング構成成分のコアペレット表面上への結晶化が遅延する可能性があり、これはコアペレットからのコーティング構成成分の損失に繋がり、又は個々のコアペレット上での若しくは個々のコアペレットの間でのコーティング構成成分の不均一な分配に繋がる場合がある。コアペレットの温度が低すぎると、より高い融点を有する構成成分の小滴がコアペレット表面に触れるとすぐに結晶化され得る。
【0078】
一実施形態において、コーティング構成成分は液体としてコアペレットに接触し、短時間液体のままで留まって、コアペレットが流動ミキサー内で混合されている間、コアペレット同士の表面接触を介してコーティング構成成分をコアペレットの間に分散させ得る。一実施形態において、コーティング構成成分は、1〜15秒間、液体のままで留まる。理論に束縛されるものではないが、コアペレット又はより高い融点を有する構成成分の温度が低すぎると、より高い融点を有する構成成分の固化が製造プロセス中に早まりすぎると考えられる。より高い融点を有する構成成分の早期の固化は、凝塊形成、粘性及びまだらなコーティング等の困難をもたらすと考えられる。
【0079】
一実施形態において、被覆プロセス開始時のコアペレットの温度は周囲温度であり、又は周囲温度を越えるであろう。プロセスは、周囲温度、又は周囲温度を越える温度でコアペレットを提供し得る。結晶化又は粘度増大の理由から、コアペレットを冷却から利益を得ないコーティングは、ミキサーに提供された時のコアペレットを直接的に使用し、コアペレットを冷却しないことにより利益を得ることができる。
【0080】
一実施形態において、コアペレット及びコーティング構成成分は、別個の時間であるが、実質的に同一の物理的位置にてパドルミキサー内に導入され得る。一実施形態において、コアペレット及びコーティングは、同一時間に、実質的に同一の物理的位置にてパドルミキサー内に導入され得る。一実施形態において、コアペレット及びコーティングは、別個の時間に、別個の位置にてパドルミキサー内に導入され得る。一実施形態において、コアペレット及びコーティングは、同一時間に、別個の位置にてパドルミキサー内に導入され得る。一実施形態において、ミキサーにコアペレットを加えてもよく、ミキサーを開始させて、キブルの流動化が始まる。キブルは、場合により、冷却空気流又は二酸化炭素等の気体流の導入により更に冷却されてもよい。次いで、コーティングをミキサーの側部にて下方に加え得る。被覆されるべき材料をミキサーの側部にて下方に導入することにより、材料は降下するコア流と共に下方に掃かれ、ミキサーの底部を横切った後、コア全てが被覆され得る流動化領域内へとコアと共に上方に掃かれることができる。コーティングが側部にて下方に加えられた際、コーティングはコア流と共に下方に、次いで中心部に向かって上方に掃かれるのみでなく、コアと共に親密に混合及び分散され得る。コアは下方に掃かれた後、上方及び周囲に掃かれるのみでなく、同時にミキサーの側部から側部へと動き回る。
【0081】
一実施形態において、被覆プロセスは、2軸パドルミキサー内での0〜20分間の平均コアペレット滞留時間を有し得る。一実施形態において、2軸パドルミキサー内でのコアペレット滞留時間は、0.2、0.4、0.5又は0.75分間〜1、1.5、2、1.5又は3分間であり得る。
【0082】
被覆キブル形成操作中のミキサーのフルード数は、0.5を越え、又は更には1.0を越えてもよい。フルード数は、無次元数(Fr)=(V2/Rg)として定義され、慣性力を重力に関連付ける;Rは、軸の中心線からパドルの先端までのパドルの長さ(cm)、Vは、パドルの先端速度(cm/秒)、gは、重力定数である。フルード数は、慣性力と重力とを比較する無次元数である。慣性力は、コアとコーティングとを混合する遠心力である。材料特性は、フルード数に計上されない。フルード数が約1より大きい場合、コア及び他の材料を中心部内と上方に勢いよく送る遠心力は、それらを下方に再度牽引する重力よりも大きい。したがって、キブルは空気中に短時間浮遊される。この状態で、コーティング材料等の材料は自由に動き回ることができ、コア上へと移動して、均一に近い及び均一を含むコーティングを確実にする。一実施形態において、フルード数が大き過ぎる場合、キブルは、キブルがひび割れし、若しくは欠け、若しくは砕かれる程の力でミキサーの頂部及び/又は側部に対して投げ付けられる場合があり、又はミキサーの頂部が開放している場合、キブルはミキサーから完全に放出され得る。一実施形態において、フルード数は、約0.5を越え、約3未満であり得る。
【0083】
結合剤構成成分がミキサーの流動化領域の頂部上に別個に加えられ、タンパク質構成成分が流動化領域の下方に別個に加えられる場合、タンパク質構成成分を2つの流れに分割し、これらの流れをミキサーの対向する角部にて導入し(角部のそれぞれは結合剤添加領域のどちらかの側部に存在する)、それによりタンパク質構成成分がミキサーの側部、好ましくはパドル軸に平行な側部に沿って下方に移動することが有効であり得る。材料はミキサー底部へと下方に掃かれた後、逆回転パドル軸の収束流れ領域内へと上方に掃き戻される。
【0084】
理論に制限されるものではないが、これはミキサー内を循環するタンパク質構成成分の2つの対流ループを構成し、対流ループのそれぞれは結合剤添加領域のどちらかの側部に存在すると考えられる。対流ループを通るタンパク質構成成分の1回の完全巡回は、対流サイクル時間と称される。ミキサーのサイズに関わらず、対流サイクル時間を一定に保つことにより、コーティングが、ミキサーのサイズに関わらず、コアペレットの表面上に同様に分配され得ると考えられる。
【0085】
多くの場合、コーティングの均一性を改善するために、流動化領域の頂部上に2つ以上の結合剤構成成分噴霧領域を含むことが都合のよい可能性がある。結合剤添加領域のそれぞれは2つのタンパク質添加地点を含んでもよく、添加地点のそれぞれは個々の噴霧領域のどちらかの側部に存在する。タンパク質添加地点はミキサーの流動化領域の下方に存在してもよく、結合剤添加地点はミキサーの流動化領域の上方に存在してもよい。したがって、ミキサーの流動化領域の上方の2つの別個の結合剤添加地点は、流動化領域の下方に4つの別個の結合剤添加地点を含み得る。
【0086】
結合剤流束は、流動化領域の頂部上の所定の範囲を下方に通過する結合剤構成成分のグラム量として定義されるコーティング添加流束は、同一の所定の範囲を流動化領域を通って上方に通過するコーティング構成成分のグラム量として定義される。無次元流束は、コーティング流束で除算した結合材流束、及びミキサー内の対流ループの数として定義される。理論に制限されるものではないが、ミキサーのサイズに関わらず無次元流束を一定に保つことにより、ミキサーのサイズに関わらずコーティングがコアペレットの表面上に同様に分配されることが補助され得ると考えられる。
【0087】
水ベースの結合剤を使用してコーティングを適用する場合、又は製品が、本明細書に記載したように、被覆工程後に蒸気を適用された場合、一実施形態では、製品を乾燥することが望ましい場合がある。乾燥は、本明細書に記載した任意の方法により達成され得る。乾燥の正確な条件は、使用する乾燥機のタイプ、除去される水分、即ち水の量、適用されるコーティングの温度感受性、及び必要とされる製品の最終的な水分、即ち水のレベルに依存するであろう。当業者は、これらの因子を適宜調整して、所望の製品を達成できるであろう。また、乾燥は、被覆が行われるミキサー内で実行されてもよい。周囲温度を超えて上昇させた温度で、乾燥空気の流れを製品上に十分な速度で通過させて、必要な量の水分、即ち水を、必要な時間に亘って除去し得る。一実施形態では、流動化ミキサーを使用して、製品を撹拌すると同時に空気を流動化領域の中心上にて製品の頂部上に直接指向させてもよい。一実施形態において、空気はミキサーの片側又は両側を下方に指向されてもよく、それにより空気流が流動化領域を通って上方に強制的に移動される。一実施形態において、空気は、ミキサー内部壁上のマニフォルドにより、ミキサー内に導入されてもよい。一実施形態において、空気は、流動化領域の下方のミキサー底部のマニフォルドにより、ミキサー内に導入されてもよい。当業者は、ミキサー撹拌速度を調整して、空気流の導入による製品の流動化挙動に対する任意の効果を補償することができるであろう。
【0088】
サルモネラ菌不活性化工程
本発明の追加の実施形態は、少なくとも1つのサルモネラ菌不活性化熱処理工程を含む、ペットフードの作製方法を含む。ペットフードは、本明細書にて上記に記載したペットフードの実施形態の任意の形態であってもよく、また任意の他のペットフードも含むことができる。一実施形態において、ペットフードの非限定例は、本明細書にて上述したコア及びコーティングを含む被覆キブルであり、2つの熱処理不活性化工程を実行することができる。コアは、本明細書にて上記に記載したように、押出成形により形成され得る。コアに押出成形された後、コアは、コア中に存在する任意のサルモネラ菌を十分不活性化するやり方で熱処理され得る。その後、又はその前に、又はそれと同時に、コーティングが形成され、コアと同様のやり方で熱処理されて、存在する任意のサルモネラ菌が不活性化され得る。次いで、本明細書にて上記に記載したように、コアをコーティングで被覆することにより被覆キブルが形成され得る。
【0089】
サルモネラ菌は、一般にその微生物が湿潤環境内に存在する間に熱の適用を必要とする。完全に乾燥した後、サルモネラ菌は休眠中となり、乾燥熱を使用してそれらを不活性化する尽力に抵抗し得る。湿潤環境において、サルモネラ菌は、より容易に不活性化される。例えば、サルモネラ菌が湿潤環境内にある場合、80℃の熱を約2分間を越えて適用することにより、サルモネラ菌を効果的に不活性化し得る。湿潤環境内で80℃を越える温度の適用が、サルモネラ菌の不活性化に必要な時間を応じて短縮する。
【0090】
多くの産業界において過熱蒸気が効果的に使用されて、サルモネラ菌を不活性化している。過熱蒸気は、存在する圧力における沸点を超える水の温度の蒸気として定義される。過熱蒸気の殆どの工業的用途では、純粋又は実質的に純粋な蒸気を使用する。非蒸気構成成分は通常、空気である。
【0091】
しかしながら現在、サルモネラ菌が周囲気圧にて約80℃を越える温度の高湿度温風により効果的に不活性化され得ることが更に見出されている。この方法の1つの利点は、高湿度温風が被覆工程中又は該工程後に、周囲気圧条件で流動ミキサー内に注入できることである。高湿度温風の温度は、80℃を越えてもよい。より高い温度は、サルモネラ菌を効果的に不活性化する高湿度温風の適用時間の短縮をもたらすことができる。温風の相対湿度は50%を越えてもよく、更には90%を越えてもよい。相対湿度は、所定の温度における、空気中の水蒸気の分圧の、水の飽和蒸気圧に対する比として定義される。
【0092】
したがって、一実施形態では、80℃を越え、200℃までの温風を被覆キブルが形成されているミキサーの頂部内へ吹きつける。温風は、約0〜80CFMで吹きつけられてもよい。温風のミキサー内への吹きつけが開始した後、圧力0〜0.21MPa(0〜30PSIG)及び速度約0〜4kg/分の蒸気がミキサー内へ0〜約2分間注入され得る。ミキサー内の温風と蒸気の組み合わせは、約95%の相対湿度に達し得る温風の流れを生じさせる。0〜2分間の終わりに、蒸気は停止され得るが、温風は更に8分間まで継続し得る。この時間中、ミキサー内部の相対湿度が低下し、相対湿度が低下するにつれてキブルの表面から水分、即ち水が除去される。温風サイクルの終わりに、サルモネラ菌は十分不活性化されているであろう。
【0093】
本発明の一実施形態によるペットフードのサルモネラ菌の熱処理、即ち不活性化の更なる方法は、ロシア特許第2251364号に開示されている。
【0094】
ビタミン安定性
本発明の実施形態による被覆キブル及び該被覆キブルの作製プロセスは、本明細書に記載した全ての成分、供給源及び構成成分を含む、温度、圧力及び水分感受性成分でキブルを被覆することを可能にし得ることが見出された。一実施形態では、感受性成分は、通常ストレスの多い、押出プロセスの条件、及び当技術分野で習慣的に使用されている条件を迂回する。
【0095】
また、本発明の実施形態による被覆キブルは、ビタミン供給安定性を向上させ、また通常の、従来より使用されている押出プロセス中のビタミン損失による原価節約を低減し得ることが見出された。
【0096】
本発明の実施形態は、感受性成分の提供又は供給に関する。感受性成分の非限定例としては、ビタミンを含む、本明細書に記載した活性成分を含む本明細書に記載した他の成分が挙げられる。感受性成分は一般に、温度、水分及び圧力感受性であると考えられるものであり、したがって温度、水分及び圧力の所定の条件が、加工中又は貯蔵中の感受性成分損失の増大によるものを含み、感受性成分の有効性に負の影響を与える場合がある。したがって、通常ストレスの多い押出プロセスの条件を、コアが押出された後にコアキブルに加えることによって迂回することが、感受性成分とって有利であり得る。したがって、一実施形態では、本明細書に開示した任意の実施形態のコアキブルは、本明細書に記載したビタミンを含む感受性成分により、後段階で区別され得る。ビタミンは、押出の酸化条件の影響を非常に受けやすい場合があり、その結果、押出プロセスに入る前にビタミンプレミックスを過剰形成して、ペットによる消費の時間における適切なビタミンレベルを確実にする。本明細書に開示した流動化ミキサー内でのビタミンの被覆は、ビタミンを厳しい条件に暴露せず、ビタミン及び任意の安定剤の物理的及び化学的完全性を維持することができる。その結果、プロセス中のビタミン保持率が増大し、貯蔵中の安定性が改善され得る。本明細書で使用するとき、ビタミン構成成分はビタミン及びビタミンプレミックスを含む。
【0097】
したがって、本発明の一実施形態は、ビタミン保持率が改善され得るように、被覆キブル形態のペットフードのビタミンの加工損失を低減するプロセスを含む。キブル、即ちコアがビタミンと共に押出される際、ビタミン損失はそのピークにあると考えることができる。押出前にコアに加えられるビタミンの30%〜40%以上が、押出プロセス中に損失され得る。場合により、押出中に、ビタミンAの36%までが損失され得、ビタミンEの約11.2%が損失され得る。しかしながら、本発明の一実施形態では、コアは本明細書に記載したように押出され得、コアは押出前にビタミンを実質的に含まない。コアが本発明の実施形態に従って押出された後、その非限定例がビタミンA及びビタミンBであり得る本明細書に開示した任意のビタミン等の感受性成分は、その非限定例が本明細書に開示されている流動ミキサーを使用して押出されたコア上に被覆され得る。コーティングは、本明細書に記載した任意のコーティングであってもよい。一実施形態において、コーティングは、ビタミンA、ビタミンE、脂肪構成成分、美味剤構成成分、並びにそれらの任意の組み合わせ及び混合物を含むことができる。被覆プロセス中もビタミン損失が存在し得るが、本発明の実施形態によれば、ビタミン損失はビタミンを押出する場合と比較して低減され得る。一実施形態において、被覆中のビタミン損失は、10%未満であり得る。別の実施形態は、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満及び3%未満のビタミン加工損失を含む。一実施形態において、ビタミンAのビタミン損失は、9%未満であり得る。別の実施形態では、ビタミンEのビタミン損失は、4%未満であり得る。
【0098】
また、本発明の別の実施形態は、被覆キブル形態のペットフードの貯蔵中及び貯蔵後のビタミン安定性を改善する方法又はプロセスを含む。したがって、コーティングが脂肪構成成分及び結合剤構成成分を含む被覆キブルを含む本発明の実施形態は、ビタミンの安定性を改善又は増大することができる。一実施形態において、キブルの加工後及び16週間貯蔵した後のビタミンAの総保持率は、少なくとも50%であり得る。別の実施形態では、ビタミンAの総保持率は、少なくとも55%であり得る。別の実施形態では、ビタミンAの総保持率は、少なくとも60%であり得る。別の実施形態では、キブル加工後のビタミンAの総保持率は、少なくとも61%であり得る。
【0099】
別の実施形態では、キブル加工後のビタミンAの総保持率は、少なくとも61%であり得る。別の実施形態では、キブル加工後のビタミンAの総保持率は、少なくとも60%であり得る。別の実施形態では、キブル加工後のビタミンAの総保持率は、少なくとも55%であり得る。別の実施形態では、キブル加工後のビタミンAの総保持率は、少なくとも50%であり得る。
【0100】
一実施形態は、ホモジナイズされたビードレット(beadlet)を含むコーティングを含み得る。この実施形態において、コーティングは、結合剤構成成分及びビタミン構成成分を含むことができる。結合剤構成成分は、ビタミン構成成分とホモジナイズされた溶液であってもよい。混合物は高剪断ミキサーによりホモジナイズされてビードレットの粒径を縮小し、キブル表面に対するビードレットの接着を改善し得る。
【0101】
別の実施形態は、被覆ビードレットであり得る。この実施形態は、結合剤構成成分溶液をキブル上に約10秒間噴霧した後、結合剤溶液を更に45秒間噴霧している間、ビタミン構成成分をミキサーに加えることにより作製することができる。
【0102】
別の実施形態は、粉末形態のコーティングであり得る。この実施形態は、水溶性形態のビタミン構成成分を結合剤溶液に加えた後、この溶液をキブル上に被覆することにより作製することができる。粉末形態は、澱粉マトリックス中のビタミン構成成分を含み得る。
【0103】
これらの実施形態において、ビタミン構成成分は、被覆キブルの1%未満であってもよく、更には被覆キブルの0.5%未満、更には0.2%未満であってもよい。ビタミン構成成分は、担体を含み得るビタミンプレミックスであってもよい。一実施形態において、ビタミン構成成分は、0.3%までであってもよい。
【0104】
また、下記の実施例に言及されるように、本発明の実施形態によるビタミンの添加により、動物の嗜好性の増大がもたらされる。ビタミンをペットフードに加えることにより、通常、動物の嗜好性の低下がもたらされることが当技術分野にて周知である。しかしながら、ビタミンがペットフードに加えられる本発明の実施形態は、動物の嗜好性の増大をもたらす。したがって、本発明の一実施形態は、コーティングがビタミンを含み、被覆キブルの動物の嗜好性が、本発明のコーティング実施形態に従って被覆されていないビタミンを有するキブルの動物の嗜好性よりも高い被覆キブルを含む。
【0105】
被覆キブル加工をビタミン保持率及び安定性の改善の点から記載する場合、本明細書の任意の箇所に開示されている任意の加工工程、加工方法及び加工パラメータはビタミン保持率及び安定性を改善するプロセスに適用できることを理解するべきである。
【0106】
酸化
本発明の実施形態に従って作製された被覆キブルは、安定性、即ち酸化不足が増大され得ることが見出された。一実施形態において、本明細書に開示したような固体成分の層状化物又はコーティングは、酸化のための触媒が存在し得るコア中に移動し又は逃れるコーティングの脂肪成分の量を低下させる。一実施形態において、酸化触媒の非限定例は、コア中に存在し得る鉄である。コーティングは、その非限定例が鶏副産物粉であるタンパク質構成成分と、脂肪構成成分の層とを含むことができる。タンパク質構成成分は、コアに到達する脂肪構成成分の量を低下させ得るため、鉄が酸化触媒として作用することにより起こる酸化の量を低減することができる。総アルデヒドは、食品中に形成されるアルデヒドの尺度である。アルデヒドは、二重結合を含む食物脂肪酸が、酸素に暴露されることによりアルデヒドに変換される結果として形成される。したがって、酸化が低下するとアルデヒド形成が低下し、これは酸敗臭の低下を意味し得る。また、酸素ボム(Oxygen Bomb)は、食品中の酸化防止剤の酸素吸収能の長さのおよその尺度である。値が大きい程、製品は、より長時間安定であることが期待される。
【0107】
したがって、一実施形態では、他のキブルと比較してアルデヒド形成の少ない被覆キブルを開示する。この被覆キブルは、脂肪構成成分、タンパク質構成成分及び結合剤構成成分を含むコーティングを有することができる。被覆キブルは、コーティングを有さないコアと比較して、アルデヒド形成が少ない可能性がある。被覆キブルは、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分を有するが、タンパク質構成成分を有さないコアと比較して、アルデヒド形成が少ない可能性がある。
【0108】
2つの比較を図2及び図3に示す。非被覆Iams(登録商標)Mini−Chunksコアキブルは、図2に示す高い総アルデヒド(TA)レベルから留意されるように、酸化に対して不安定であると考えることができる。このグラフは、家禽脂肪を介して加えられた混合トコフェロールにより提供される製品安定性の利益を示す。Iams(登録商標)Mini−Chunksの現在の又は鶏副産物粉が、層状化されたキブルが、5%の量にて脂肪で被覆された際、総アルデヒドは60ppm未満である。これと比較して、鶏肉粉副産物の層状化は、現行のIams(登録商標)Mini−Chunksと比較してより大量のアルデヒドをもたらすとは思われない。試料中の総アルデヒドが増大するにつれて、ヒトの感覚はこれらの試料を酸敗臭のあるものとして特定することを開始する。酸素ボムの比較を、図3に示す。理解し得るように、非被覆コア及びIams(登録商標)Mini−Chunksキブルと比較した場合、鶏肉粉試作品は酸素ボムレベルを増大させた。この結果は、安定性の増大と相関付けられ、それ故、製品の保存可能期間と相関付けられる。
【0109】
このように、図2及び3は、鶏副産物粉を含むコーティングを有する被覆キブルを含む本発明の実施形態が、酸素ボムが増大すると共に総アルデヒドが低下する点において被覆キブルの酸化安定性を増大させることを示す。
【0110】
被覆キブルの特性
本明細書にて上記に記載したように、本発明の実施形態による被覆キブルの少なくとも1つの利点は、動物の嗜好性、又はペット受容性若しくは嗜好性を増大させることを含む。したがって、本明細書に開示した実施形態による被覆キブルは、本明細書に記載した動物の嗜好性試験に基づいて、ペットからより好まれる。したがって、下記の実施例に開示するように、動物の嗜好性の増大は、本発明の実施形態による被覆キブルにより示され得る。理論に制限されるものではないが、動物の嗜好性、又はペット受容性の増大は、それらの混合物及び組み合わせを含む被覆キブルの以下の特徴により説明できると考えられる。したがって、本発明の実施形態による被覆キブルは、以下の特性のいずれか、以下の特性の全て、並びにこれらの特性の任意の混合物及び組み合わせを有し得ると理解するべきである。また、被覆キブルは、本明細書に記載したように、栄養的にバランスがとれたものであり得る。
【0111】
脂肪/美味剤の逃れ
一実施形態において、被覆キブルはコア及びコーティングを含んでもよく、コーティングは、鶏副産物粉を含むタンパク質構成成分を含んでもよく、鶏副産物粉コーティングは、キブルの最も外側のコーティングを含んでもよく、それにより最も外側コーティングは環境に暴露され、したがって食することにより動物に暴露される。本発明の一実施形態において、動物の嗜好性における応答(PREF)、又は動物受容性若しくは嗜好性の増大は、キブル表面上の相対的な脂肪レベルの増大と相関づけることができる。分割プレート(split plate)試験応答を用いて試験し得る動物の嗜好性における応答、PREF試験は、百分率変換摂取量の比又は第1のバイトの比を含む。理論に制限されるものではないが、一実施形態において、本明細書に記載したタンパク質構成成分等、コア上に層状化されたコーティングのタンパク質構成成分(その非限定例は鶏副産物粉である)は、同様にキブル上に層状化されたコーティング層の一部であり得る脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の逃れを防止又は低下させるため動物の嗜好性における応答が増大されると考えられる。したがって、本発明の一実施形態は、キブルのコーティングからキブルのコアへの脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の逃れを防止し、又は逃れの量を低下させる方法に関する。また、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の逃れの低下又は防止は、より大量の脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分がキブルの暴露表面上に残留することから、動物の嗜好性における応答の改善に寄与すると考えられる。したがって、本発明の一実施形態は、キブル表面上に動物の嗜好性を向上する量の脂肪を含むペットフードと、該ペットフードを提供する方法とに関する。本明細書で使用するとき、動物の嗜好性を向上する量とは、百分率変換摂取量の比、又は第1のバイトの比、又はこれらの両方のいずれであろうとも、動物の嗜好性における応答を増大させる量を意味する。また、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分はペットフードの外側に単純に加えることができるが、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の増加量はペットフードの栄養物摂取プロファイルを変更して、バランスの取れていないペットフードをもたらすであろう。したがって、本発明の一実施形態において、ペットフードは、被覆キブル等の、バランスのとれたペットフードであり得る。
【0112】
本発明の一実施形態の非限定的な一例では、図1に示すように、被覆キブル100はコア101を含む。第1のコーティング102は、内側コーティングとしてコア101上に層状化されてもよい。第2のコーティング103は、第1のコーティング102上に層状化されてもよく、外側コーティングとなっていてもよい。第1のコーティング102は、タンパク質構成成分等の、結合剤構成成分及び固体構成成分、並びにそれらの組み合わせ及び混合物を含んでもよい。結合剤構成成分の非限定例は、本明細書に記載した通りであってもよく、乳清タンパク質分離物又はチキンブロスを含んでもよい。固体構成成分の非限定例は、本明細書に記載した通りであってもよく、鶏副産物粉を含んでもよい。第2のコーティング103は、脂肪構成成分及び美味剤構成成分、並びにこれらの組み合わせ及び混合物を含んでもよい。脂肪構成成分の非限定例は、本明細書に記載した通りであってもよく、鶏肉脂肪を含んでもよい。美味剤の非限定例は、本明細書に記載した通りであってもよく、チキン・レバー・ダイジェストを含んでもよい。
【0113】
したがって、図1に示すように、第1のコーティング102は、第1のコーティング102が第2のコーティング103の構成成分の外側コーティングから内側コーティングへの、更にはコア中への、自然の移動又は逃れを低減するという点において、第2のコーティング103に対するバリア層として作用し得るしたがって、キブル上に被覆された初期量の第2のコーティングが、より大量に被覆キブルの外側コーティング上に残留する。第1のコーティングは、本明細書に開示したように鶏副産物粉等の固体構成成分を含み得るため、この固体構成成分は、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分を含み得る通常湿潤した第2のコーティングが被覆キブルの、外側コーティングから内側コーティング及び/又はコア中へ、移動し又は逃れることを防ぐものと考えられる。
【0114】
しかしながら、結合剤構成成分、固体構成成分、脂肪構成成分、美味剤構成成分、及び本明細書で使用される任意の他の構成成分は、任意の順序で、任意の被覆手順を用いて適用又は被覆できることを理解するべきである。したがって、固体構成成分、結合剤構成成分、脂肪構成成分及び美味剤構成成分は、任意の順序で適用されてもよい。
【0115】
したがって、一実施形態では、固体バリア層を含む被覆キブル、被覆キブルを提供する方法、及び被覆キブルを作製するためのプロセスを開示する。非限定的な一例では、固体バリア層は、コアに適用されてもよく、鶏副産物粉を含み得るタンパク質構成成分、及び結合剤構成成分を含み得る。次いで、外側層を適用してもよく、該外側層は脂肪構成成分及び美味剤構成成分を含んでもよい。一実施形態において、固体構成成分及び結合剤構成成分のバリア層は、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の移動、又は逃れを低減し得る。
【0116】
本発明の一実施形態における被覆キブルは、脂肪構成成分及び/又は美味剤構成成分の移動の低減を含んでもよく、これは他のペットフードのキブルと比較した場合、被覆キブルの表面上の脂肪レベルの増大をもたらす。増大された脂肪レベルは、下記の実施例に記載されており、また図4〜9に示されている。本発明の非限定例に対応するドッグフードの調製品は、本明細書の方法の節に開示するように、OPOTEK NIRイメージングにより分析された。
【0117】
本明細書に開示したようなコア及びコーティングを有する被覆キブルを含む本発明の一実施形態では、本明細書に記載するようにNIRで測定した統合脂肪バンド、又は別称脂肪バンド値は、4.000以上であってもよい。別の実施形態では、統合脂肪バンドは、3.900以上であってもよい。下記の実施例に記載するように、商業的なドッグフードに関する統合脂肪バンドは、一般に3.900未満であり、3.800未満及び3.700未満であり得る。また、別の実施形態は、動物の嗜好性を向上する量の統合脂肪バンドを含むペットフードと、該ペットフードを提供する方法と、に関する。統合脂肪バンドは、本明細書に記載したようなものであり得る。別の実施形態は、本明細書に記載するような統合脂肪バンドを有するペットフードを提供することにより、ペットフードの動物の嗜好性を向上させることに関し得る。
【0118】
本発明の別の実施形態は、ペットフードの容器と、ペットフードの容器を提供することとを含み、ペットフードは、非限定例が被覆キブル等である本明細書の任意の実施形態に開示した複数のキブルを含んでもよく、該キブルは、容器全体における平均で栄養的にバランスがとれていてもよく、4.000以上の統合脂肪バンド、及び/又は平均統合脂肪バンドを有してもよい。別の実施形態では、容器のペットフードは、平均で栄養的にバランスがとれていてもよく、3.900以上であってもよい統合脂肪バンド及び/又は平均統合脂肪バンドを有してもよい。別の実施形態では、容器はペットフードを収容していてもよく、前記ペットフードは、3.900又は4.000以上の統合脂肪バンド及び/又は平均統合脂肪バンドを有する第1のキブルタイプと、第1のキブルタイプの統合脂肪バンド及び/又は平均統合脂肪バンドの範囲外の統合脂肪バンド及び/又は平均統合脂肪バンドを有する第2のキブルタイプと、を含んでもよい。容器は、当技術分野にて既知のパッケージ等の、任意の容器であってもよい。一実施形態において、容器は、本発明の実施形態による被覆キブルで実質的に満たされていてもよい。別の実施形態は、本発明の実施形態と、標準的な又はIams(登録商標)Mini−Chunks等の商業的に入手可能なペットフード等の本発明の実施形態によらないペットフードとの混合物を含む。別の実施形態は、本明細書に記載した実施形態に開示されている一タイプのキブルと、本明細書に記載した別の実施形態に開示されている第2のタイプのキブルと、を含む。
【0119】
本明細書に記載したように、統合脂肪バンドは、百分率変換摂取量の比、又は第1のバイトの比、又はこれらの両方のいずれであろうとも動物の嗜好性における応答を増大することができる。例えば下記の実施例3は、本発明の2つのみの非限定例、即ち、配合を再バランス化したIams(登録商標)Mini−Chunksコアキブルに、全てキブルの重量に基づいて、10%鶏副産物粉及び5%チキンブロス(20%チキンブロス溶液)を被せることにより作製された鶏副産物粉層状化キブルであって、1%チキン・レバー・ダイジェスト及び2%鶏内蔵ダイジェストからなる美味剤システムを5%脂肪と共に加えた、キブル、からなる第1の試作品と、異なる結合剤、5%乳清タンパク質分離物(20%乳清タンパク質分離物溶液)を使用し、いずれの鶏内蔵ダイジェストも含まなかった以外は第1の試作品と同様に作製された第2の試作品と、を示す。第1の試作品に関する試験1と、第2の試作品に関する試験2とを有する表3に示すように、百分率変換摂取量及び第1のバイトは両方とも、動物の嗜好性における応答の増大と比において一致する。詳細には、第1の試作品では16.5:1の百分率変換摂取量の比と、無限大の第1のバイトと、が存在した。詳細には、第2の試作品では16.2:1の百分率変換摂取量の比と、31:1の第1のバイトと、が存在した。したがって、本明細書に記載したレベルの平均脂肪バンドが存在し得、これら増大された動物の嗜好性における応答により証明される。
【0120】
匂い
本明細書に記載したようなコア上のコーティングとしての、タンパク質構成成分又は本明細書に記載した任意の他の構成成分の層状化は、被覆キブルの匂いプロファイルも変更し、典型的なペットフードとは異なる匂いプロファイルを有する被覆キブルをもたらし得る。本明細書に開示したような所定の被覆キブルの実施形態は、ペットフードに所望の匂いを付与し得る特定の化合物及び構成成分を含み得る。これらの化合物及び構成成分は、匂いプロファイルを変化させ、又は匂い属性を変化させることができ、このことは本明細書に開示した被覆キブルの実施形態を用いて動物の嗜好性又は動物受容性若しくは嗜好性の改善をもたらすことができる。理論に束縛されるものではないが、これらの匂い属性の変化は、本明細書に詳細し、かつ表1、2及び3に示すように、被覆キブルの嗜好性の結果の改善に寄与すると考えられ、ここでコーティングは、その非限定例が鶏副産物粉等であるキブルコア上に層状化されたタンパク質構成成分を含む。以前の消費者調査では、ペットフード上のヒト様の匂いが製品の改善として知覚され得ることが示唆された。下記の実施例は、本発明の実施形態の非限定例に付随する、匂いプロファイル又は特徴における変化を記載し及び示すことを助ける。
【0121】
したがって、本発明の実施形態の非限定的な一例は、匂いプロファイル、被験物濃度及び匂い相関を有する被覆キブル及び該被覆キブルの供給方法に関し、ここで匂い相関は、被験物濃度を含む匂いプロファイルを動物の嗜好性の増大と関連付ける。また、別の実施形態は、匂いプロファイル、被験物濃度を有し、したがって匂い相関を有する被覆キブルに関する。これらの実施形態により、本明細書に開示するように、動物の嗜好性(PREF)応答データ又は動物受容性若しくは嗜好性を、匂いプロファイル及び被験物濃度と関連付けることができる。したがって、一実施形態では、匂い被験物プロファイル及び濃度は、正の、又は増大された動物の嗜好性における応答データに関連付けることができる。また一実施形態において、被覆キブルは動物の嗜好性を向上する量の被験物を含む。動物の嗜好性を向上する量の被験物は、コーティング中に存在し、コア中に存在し、並びにこれらの組み合わせ及び混合物であってもよい。別の実施形態では、動物の嗜好性を向上する量の被験物をペットフード中に供給することを含む、ペットフードの動物の嗜好性を向上させる方法を開示する。本明細書で使用するとき、動物の嗜好性を向上する量とは、百分率変換摂取量の比、又は第1のバイトの比、又はこれらの両方のいずれであろうとも動物の嗜好性における応答を増大させる量を意味する。
【0122】
被験物濃度を含む匂いプロファイルは、下記に開示する方法に従って、固相微量抽出ガスクロマトグラフィー/質量分析(SPME−GC−MS)を用いてペットフード試料の匂いに関連した化合物を分析することにより測定することができる。曲線下面積を、SPME分析数又はカウントとして測定した。
【0123】
本発明の一実施形態は、特定の匂いプロファイルを有する被覆キブル、及び該被覆キブルの供給方法に関する。被覆キブルの非限定例は、全て本明細書に開示した炭水化物源、タンパク質源、脂肪源、及び他の成分を含むコアと、タンパク質構成成分、結合剤構成成分、美味剤構成成分、脂肪構成成分、及び他の構成成分を含むコーティングと、を含む。この実施形態では、被覆キブルの匂いプロファイルを生成し、分析して、匂いの特定の被験物濃度を示し得る。被験物のそれぞれについての濃度を決定し得る。次いで、被験物の濃度を各実施形態について集めたPREF応答データと相関付けて、PREF応答データとの匂い相関を示し得る。このように、一実施形態では、匂いの中に存在する特定の被験物の増大は、より大きいPREF応答を意味するPREF応答データの引き上げ又は増大が可能であり、より高い動物の嗜好性又は受容性をもたらす。
【0124】
一実施形態において、被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせは、市販の(shelf)ペットフードと比較して高められていてもよく、又は高いレベルを有するファミリーの代表であってもよい。したがって、一実施形態では、特定の濃度の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせを含む被覆キブルは、PREF応答を増大させる。したがって、動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせが被覆キブルの一実施形態に存在し得る。この動物の嗜好性を向上する量の被験物は、PREF応答を増大させることができる。一実施形態において、百分率変換摂取量の比(PCI)は、動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせにより増大させることができる。別の実施形態では、第1のバイトの比は、動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせにより増大させることができる。
【0125】
したがって、本発明の一実施形態は、強化された量、即ち動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせを含む被覆キブルに関する。別の実施形態は、動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせを含む被覆キブルの供給方法を含む。
【0126】
本発明の別の実施形態は、動物の嗜好性を向上する量の被験物をペットフード中に供給することを含む、ペットフードの動物の嗜好性を向上させる方法に関する。この方法は、本明細書に開示したペットフードを提供することを含んでもよく、ここでペットフードは、強化された量、即ち動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせを含む。この方法はまた、動物の嗜好性を向上する量の被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール、インドール、並びにこれらの混合物及び組み合わせをペットフードに加えることを含むことができる。
【0127】
一実施形態において、被験物2−ピペリジオンは、1,500,000を越える、又は10,000,000未満の、又は1,500,00〜10,000,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。一実施形態において、被験物2,3ペンタンジオンは、65,000を越える、又は500,000未満の、又は65,000〜500,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。一実施形態において、被験物2−エチル−3,5−ジメチルピラジンは、310,000を越える、又は1,000,000未満の、又は310,000〜1,000,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。一実施形態において、被験物フルフラールは、2,300,000を越える、又は7,000,000未満の、又は2,300,000〜7,000,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。一実施形態において、被験物スルフロールは、150,000を越える、又は1,000,000未満の、又は150,000〜1,000,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。一実施形態において、被験物インドールは、176,000を越える、又は2,000,000未満の、又は176,000〜2,000,000の、並びにこれらの値未満の、及びこれらの値を越える、及びこれらの値の間の全ての整数値であるSPME分析数を有し得る。別の実施形態では、被覆キブルは、これら被験物のSPME分析数のうちの1つのみを含む、これら被験物のSPME分析数の混合物及び組み合わせを含むことができる。
【0128】
本明細書に記載したように、これらの動物の嗜好性を向上する量の被験物は、単独で又は組み合わせ若しくは混合物で、百分率変換摂取量の比、又は第1のバイトの比、又はこれらの両方のいずれであろうとも動物の嗜好性における応答を増大させることができる。例えば下記の実施例3は、本発明の2つのみの非限定例、即ち、配合を再バランス化したIams(登録商標)Mini−Chunksコアキブルに、全てキブルの重量に基づいて、10%鶏副産物粉及び5%チキンブロス(20%チキンブロス溶液)を被せることにより作製された鶏副産物粉層状化キブルであって、1%チキン・レバー・ダイジェスト及び2%鶏内蔵ダイジェストからなる美味剤システムを5%脂肪と共に加えた、キブル、からなる第1の試作品と、異なる結合剤、5%乳清タンパク質分離物(20%乳清タンパク質分離物溶液)を使用し、いずれの鶏内蔵ダイジェストも含まなかった以外は第1の試作品と同様に作製された第2の試作品と、を示す。第1の試作品に関する試験1と、第2の試作品に関する試験2とを有する表3に示すように、百分率変換摂取量及び第1のバイトは両方とも、動物の嗜好性における応答の増大と比において一致する。詳細には、第1の試作品では16.5:1の百分率変換摂取量の比と、無限大の第1のバイトとが存在した。詳細には、第2の試作品では16.2:1の百分率変換摂取量の比と、31:1の第1のバイトとが存在した。したがって、動物の嗜好性を向上する量の、被験物のうちの1つ、又は全て、又は被験物の混合物若しくは組み合わせが存在し得、これら増大された動物の嗜好性における応答により、それが証明される。
【0129】
これに加えて、また下記の実施例4に記載し、かつ図10〜12に示すように、消費者データは、非限定的な本発明の実施形態と、本明細書に記載した匂い被験物が強化されていない商業的なペットフードとの間の匂いプロファイルの差異を示す。図10は、Iams(登録商標)Mini−Chunksに関するパネルの匂い特徴付けを示す。理解し得るように、Mini−Chunksは、全体的な強度、酵母及び汚れた靴下の匂いの特徴において低下されている。図11は、追加の美味剤を有さない、実施例2の鶏副産物粉タンパク質を層状化した試作品を示す。鶏副産物粉タンパク質を層状化した試作品は、油性/脂肪性及び全体的な食肉性の特徴の増大をもたらす。図12は、実施例3、試験1及び2の、美味剤を添加した、鶏副産物粉を層状化した試作品を示す。鶏副産物粉タンパク質を層状化した試作品は、油性/脂肪性の特徴の増大をもたらすが、同様の全体的な食肉性の特徴を有した。追加の美味剤を有する鶏副産物粉を層状化した試作品においては、鶏肉特徴も上昇した。
【0130】
また、消費者調査により、ペットフード上の所定の匂いが、キブル等のペットフード製品のヒトの視点からの改善として知覚され得ることが示唆されている。したがって、本発明の実施形態の非限定例は、ヒトにより知覚される、匂い属性の所定の増大及び低下を提供する匂いプロファイルを提供する。匂い属性は、以下を含むことができる:全体的な強度、油性/脂肪性、全体的な食肉性、鶏肉、魚肉、酵母、トースト、甘味性、汚れた靴下、ボール紙、土性、穀物性及び牛肉性。いくつかの実施形態では、これらの匂い属性の所定のものが増大され、又はより高いレベルにあると共に、これらの属性の所定のものが低下され、又はより低いレベルにあることが所望され得る。したがって本発明の一実施形態では、ヒトが知覚可能な匂いプロファイルがペットフードにより提供されるような、本明細書に記載した任意の実施形態によるペットフードが提供され、ここで匂いプロファイルは、ヒトの感覚による匂い属性により記載され得る。ヒトの感覚による属性の実施形態は、高いレベルの油性/脂肪性の匂い、高いレベルの全体的な強度、高いレベルの全体的な食肉性の匂い、低いレベルのボール紙の匂い、低いレベルの汚れた靴下の匂い、並びにこれらの組み合わせ及び混合物を含む。
【実施例】
【0131】
実施例1−動物の嗜好性
試験#1:以下のキブルを使用して、犬舎に入れたイヌを試験した。Iams(登録商標)Mini−Chunksのコアを使用して、試験キブル試作品として粗挽きドッグフードを作製した。全てキブルの重量に基づいて0.5%チキン・レバー・ダイジェスト、2%脂肪、10%鶏副産物粉及び5%チキンブロス(結合剤として、20%チキンブロス溶液)の層でコアを被覆した。Iams(登録商標)Mini−Chunksのコアと、全てキブルの重量に基づいて0.5%チキン・レバー・ダイジェスト及び2%脂肪を有するコーティングとを使用して対照試作品を作製した。
【0132】
試験#2:以下のキブルを使用して家庭内ペットイヌを試験した。Iams(登録商標)Mini−Chunksのコアを使用して、試験キブル試作品を作製した。全てキブルの重量に基づいて、0.5%チキン・レバー・ダイジェスト、2%脂肪、10%鶏副産物粉、5%チキンブロス(結合剤として、20%チキンブロス溶液)の層でコアを被覆し、0.13%ビタミンプレミックスで被覆して、タンパク質層を有するコア上の外側に被覆したビタミンが、キブルの動物の嗜好性に負の影響を与えるか否かを決定した。コアとしてIams(登録商標)Mini−Chunksを使用し、全てキブルの重量に基づいて0.5%チキン・レバー・ダイジェスト及び2%脂肪で被覆した対照試作品を作製した。
【0133】
両方の試験は、4%水分、即ち水を鶏副産物粉層に加えた後、製品を127℃(260°F)で3分間乾燥する、サルモネラ菌不活性化工程を含んだ。
【0134】
試験#1は、イヌが圧倒的に好む鶏副産物粉層状化試作品をもたらした(41:1総容積;50:1百分率変換摂取量(PCI);下記の表1参照)。更に、2日間の分割プレート試験中に消費された総食物の98%超は、鶏副産物粉を層状化した試作品であった。試験#2は、家庭内イヌがより好む鶏副産物粉層状化試作品をもたらした(4.5:1総容積;4.4:1 PCI)。これらの結果を大局的に見るために、イヌ(又はネコ)が動物の嗜好性パネルとされる前に、該イヌ(又はネコ)は適格PREF試験を受けた。適格試験の1つは、一般に、明白な選択である(既知の正の対照、対、既知の負の対照)。正の対照は、一般にチキン・レバー・ダイジェスト等の通常の商業的な美味剤を上に被覆して作製する。負の対照は、美味剤なしで作製した。犬舎に入れたイヌを使用した前述の「明白な選択」試験の結果は、16:1総容積;14:1 PCIであった。家庭内イヌを使用した前述の「明白な選択」試験の結果は、2.2:1総容積;2.4:1 PCIであった。犬舎に入れた又は家庭内ペットのいずれの場合も、明白な選択の試験は、鶏副産物粉層状化試作品で生じた程の強力な嗜好性をもたらなかった。
【0135】
【表1】
*P<0.02
**P<0.05
1∞=無限大;対照試作品を最初に食べたイヌはいなかったため、除数はゼロであった。
2嗜好性分割=試験試作品の方を好むイヌの数/嗜好性を示さないイヌの数/対照試作品の方を好むイヌの数
【0136】
実施例2−動物の嗜好性
全てキブルの重量に基づいて、10%鶏副産物粉及び5%チキンブロス(20%チキンブロス溶液)をIams(登録商標)Mini−Chunksのコアに層状化し又は被せることにより、鶏副産物粉を層状化したキブル試作品を作製した。美味剤は、全く加えなかった。キブルの重量に基づいて5%の脂肪のコーティングも加えた。この試作品を、分割プレート、又は動物の嗜好性試験でIams(登録商標)Mini−Chunks及びPurina ONE(登録商標)(Total Nutrition Chicken and Rice)と比較した。全ての分割プレート試験は、犬舎に入れたイヌを使用して標準的な方法により行った。4%の水分、即ち水を鶏副産物粉層に加えた後、製品を127℃(260°F)で3分間乾燥する、サルモネラ菌不活性化工程を実行した。
【0137】
層状化試作品は、Iams Mini−Chunksよりも好まれた(P<0.05)(8:1百分率変換摂取量(PCI);表2参照)。層状化試作品はまた、Purina ONE(登録商標)よりも好まれた(P<0.05)(3:1 PCI)。
【0138】
【表2】
*P<0.05
**P<0.10
1嗜好性分割=試験試作品の方を好むイヌの数/嗜好性を示さないイヌの数/対照試作品の方を好むイヌの数
【0139】
実施例3−動物の嗜好性
配合を再バランス化したIams(登録商標)Mini−Chunksコアキブルに、32リットルのパイロットBellaミキサー内で、全てキブルの重量に基づいて、10%鶏副産物粉及び5%チキンブロス(20%チキンブロス溶液)を被せることにより、鶏副産物粉層状化キブルの第1の試作品を作製した。キブルの重量に基づいて、1%チキン・レバー・ダイジェスト及び2%鶏内蔵ダイジェストからなる美味剤システムを、5%脂肪と共に、この試作品に追加のコーティングとして加えた。要するに、この試作品は、Iams(登録商標)Mini−Chunksと同様の栄養素組成を有するよう再配合された。第2の試作品を、異なる結合剤、5%乳清タンパク質分離物(20%乳清タンパク質分離物溶液)を使用し、いずれの鶏内蔵ダイジェストも含まなかったことを除いて、この試作品と同様に作製した。これらの試作品を嗜好性試験でPurina ONE(登録商標)(Total Nutrition Chicken & Rice)と比較した。他の一比較は、第3の試作品をIams(登録商標)Mini−Chunksと比較することを含み、この第3の試作品は、チキンブロスを結合剤として使用して、Iams(登録商標)Mini−Chunksの押出されたコア上に10%鶏副産物粉を層状化した第1の試作品であるが、再バランス化されていない。鶏副産物粉を含まない同一の第3の試作品も含まれ、再びIams(登録商標)Mini−Chunksと比較した。全ての嗜好性試験は2日間であり、犬舎に入れたイヌ(n=16)を使用して標準的な方法により実行した。鶏副産物粉層を有する試作品を作製するプロセスは、鶏副産物粉層に4%水分、即ち水を加えた後、製品を127℃(260°F)で3分間乾燥する、サルモネラ菌不活性化工程を含んだ。
【0140】
鶏副産物粉を層状化した再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunk試作品(ブロス又は乳清タンパク質分離物を使用した)は、Purina ONE(登録商標)よりも実質的に好まれた(P<0.05)(17:1及び16:1百分率変換摂取量(PCI);表3参照)。ブロスを結合剤として使用した鶏副産物粉層状化試作品(再バランス化されていない)も、Iams Mini−Chunksよりも好まれたが(P<0.05)(8:1 PCI)、ブロス単独(鶏副産物粉なし)では、同様の多大な動物の嗜好性の上昇をもたらさなかった(2:1、P<0.10)。少なくとも3つの主な結論を引き出すことができる。1)10%鶏副産物粉の層状化と、現行の動物の嗜好性システムとの組み合わせは、Purina ONE(登録商標)を圧倒的に負かす、2)製品がタンパク質に関して再バランス化される(即ち、コアキブル内のタンパク質のレベルが低下される)ので、10%鶏副産物粉層状化の正の影響が維持される、及び3)10%鶏副産物粉層状化の影響は、動物の嗜好性に対する結合剤の影響とは無関係である。
【0141】
【表3】
*P<0.02
**P<0.05
***NS(P>0.10)
****P<0.10
1∞=無限大;対照試作品を最初に食べたイヌはいなかったため、除数はゼロであった。
【0142】
2嗜好性分割=試験試作品の方を好むイヌの数/嗜好性を示さないイヌの数/対照試作品の方を好むイヌの数
実施例4−ヒト感覚
9人のヒト感覚記述的パネルを用いてドッグフードの匂い属性を評価した。13個の記述的属性を使用してドッグフードの匂いを評価し、0〜8の段階評価上で評価した。
【0143】
図10は、Iams(登録商標)Mini−Chunksに関するパネルの匂い特徴付けを示す。理解し得るように、Mini−Chunksは、全体的な強度、酵母、及び汚れた靴下の匂いの特徴において低下されている。図11は、追加の美味剤を有さない、実施例2の鶏副産物粉タンパク質層状化試作品を示す。鶏副産物粉タンパク質を層状化した試作品は、他の市販のイヌキブル食物に対して油性/脂肪性及び全体的な食肉性の特徴の増大をもたらす。図12は、実施例3、試験1及び2の、美味剤を添加した鶏副産物粉層状化試作品を示す。鶏副産物粉タンパク質層状化試作品は、油性/脂肪性の特徴の増大をもたらすが、他の既製のイヌキブル食物に対して同様の全体的な食肉性の特徴を有した。追加の美味剤を有する鶏副産物粉層状化試作品においては、鶏肉特徴も上昇した。
【0144】
実施例5−プロセス
粉砕トウモロコシ、鶏副産物粉、無機質、ビタミン、アミノ酸、魚油、水及びビートパルプの押出された及び乾燥された混合物からなる約6000gのコアキブルを、パドルミキサーの上方に位置するホッパー内にてパドルミキサー内に導入する。ミキサーは、Eirich Machines,Inc.,Gurnee,Ill.,USAにより製造されたモデルFZM−0.7 Forberg流動化ゾーンミキサー(fluidized zone mixer)である。結合剤構成成分は、溶液を作製するために、約300グラムの温水(60℃)と混合された約70グラムの乳清タンパク質分離物(Fonterra NMZP)から構成されている。キブルをミキサーに加えたら、パドルを回転させて、キブルを流動化する。パドルは約84RPMで回転させ、フルード数は約0.95である。乳清タンパク質溶液を、Cole−Parmerモデル07550−30蠕動ポンプを使用して、平行Masterflex L/S Easyload IIポンプヘッドを用いてミキサー中心内の流動化領域上の噴霧弁に揚送する。乳清タンパク質溶液を、ミキサーの流動化領域上に約60秒間に亘り噴霧する。タンパク質構成成分としての約750グラムの鶏副産物粉を2つの375グラム部分に分割し、乳清タンパク質を加えるのと同時に、各部分を、別々の角部においてミキサーの側部を降下させて約60秒間に亘って加える。次いで、被覆キブルを形成する。ミキサー底部のドアを開放して、被覆キブルを金属容器(metal receiver)内にどっと落とす。次いで、被覆キブルを約140℃の空気衝突炉内で約2分間乾燥する。キブルの目視検査では、混合物はキブルの表面に実質的に均一に被覆され、固体層を形成している。いくつかのキブルを半分にスライスし、個々のキブルの表面周辺のコーティングの分布が実質的に均一であることを確認する。この実施例では、ミキサーの作動中、フルード数は約0.95、無次元流束は約0.000262、対流サイクル時間は約10秒であった。
【0145】
実施例6−プロセス/サルモネラ菌
この実施例では、Eirich Machines,Inc.により製造された200リットル(7cu.ft.)2軸流動ミキサー、モデルFZM 7を使用する。FZM 7ミキサーの対向する角部上の2つのポートに蒸気を接続する。ミキサーに温風送風機を接続して、温風をミキサーの頂部内に吹きつける。約60kgの乾燥(約7.5%水分、即ち水)ペットフードコア、即ちコアペレットをミキサーに加える。別個の容器内で、約600グラムの乳清タンパク質分離物(Fonterra NMZP)結合剤を約2400グラムの温水(60℃)と混合して結合剤溶液を作製する。4つの容器のそれぞれに、タンパク質としての約1.5kgの鶏副産物粉(合計6kgの鶏副産物粉)を満たす。鶏副産物粉のサルモネラ菌に関する試験の結果は、正である。この結合剤溶液を圧力キャニスターに移動し、噴霧ノズルラインを、キャニスターと、ミキサーの流動化領域上の中心に置かれた噴霧弁との間に接続する。2つの噴霧ノズルが存在し、該ノズルはそれぞれ、約45度の角度を有する平坦な噴霧プロファイルを有する。2つのノズルをパドルの軸に沿って流動化領域の中心上に配置し、即ち一つのノズルを一方のミキサーの側壁と中心との間のほぼ半分の所に、第2のノズルをミキサーの中心と反対側との間のほぼ半分の所に配置する。ミキサーを、温風で約60℃に予熱する。ミキサーを、約55RPMで始動させる。結合剤を収容するキャニスターを約0.21MPa(30psi)に加圧し、ミキサー内への結合剤の噴霧を開始する。同時に、それぞれが約1.5kgの鶏副産物粉を保持する4つの容器を4つの異なる地点にてミキサーに加え、即ち2つの容器はミキサーの対向する角部にて加え、2つの容器はミキサーの中心部の対向側にて加える。ミキサーに結合剤及び鶏副産物粉を約45秒間かけて加える。結合剤及び鶏副産物粉の添加が完了した後、次いでミキサーが尚回転している間、温風(約200℃)をミキサーの頂部内に約40CFMで吹きつける。ミキサー内への温風の吹きつけを開始した後、約0.10MPa(15psig)の蒸気をミキサーの対向側上の2つの蒸気ノズルを介してミキサー内に速度約2kg/分で約1分間注入する。ミキサー内の温風と蒸気との組み合わせは、約95%の相対湿度の温風の流れを生じさせる。1分間の終わりに、蒸気を停止するが、温風は更に4分間継続する。この期間中、ミキサー内部の相対湿度が低下し、相対湿度が低下するにつれてキブルの表面から水分、即ち水が除去される。2分間の温風の終わりに、ミキサーの底部のドアを開放し、キブルを容器内に落下させる。キブルの目視検査では、混合物はキブルの表面に実質的に均一に被覆され、固体層を形成している。いくつかのキブルを半分にスライスし、個々のキブルの表面周辺のコーティングの分布が実質的に均一であることを確認する。この実施例では、ミキサーの作動中、フルード数は約0.95、無次元流束は約0.000261、対流循環時間は約8秒であった。これらは、実施例5に関するフルード数、無次元流束及び対流循環時間と実質的に同一の条件である。完成製品は、同一の拡大条件下で、より大きいミキサー内でも、より小さいミキサー内と実質的に同一であったため、拡大基準は検証されたと見なすことができる。完成被覆キブル上のサルモネラ菌に関する試験は負である。
【0146】
実施例7−ビタミン安定性
流動化ミキサーを使用して適用されたコーティングによるビタミン保持率の改善を示すために、押出されたビタミンに対する被覆ビタミンのプロセス損失及び貯蔵における損失の比較を分析し得る。プロセス損失を比較するために、現行のIams(登録商標)Mini−chunksをビタミンと伴に、及びビタミンを伴わずに押出された。ビタミンを伴う製品に、1.6%チキンレバーダイジェスト及び0.14%ビタミンプレミックスと混合した5%家禽脂肪のコーティングを被せた。ビタミンを伴わない製品に、流動ミキサー上で、5%家禽脂肪コーティング及び1.6%チキンレバーダイジェスト美味剤コーティングを被せた。プロセスに投入され、またプロセスから産出された全ての試料を収集し、ビタミンA及びビタミンEに関して分析した。
【0147】
流動ミキサー周囲の物質収支に基づいて、被覆プロセスは、8.2%のビタミンA損失及び3.3%のビタミンE損失を有した。押出機は、ビタミンAを36%、ビタミンEを11.2%低下させた。表4を参照のこと。
【0148】
【表4】
【0149】
貯蔵における損失を比較するために、ビタミン被覆製品と押出されたビタミン製品とを袋に詰め、13個の多層紙袋内に密封した。袋を加速条件(38℃(100°F)及び50%相対湿度)及び周囲条件(21℃(70°F)及び25%相対湿度)内で貯蔵した。1つはLoders Croklaan製のParamount B(部分水素化パーム核油)からなる1つの層と、ビタミン、脂肪及び美味剤からなる第2の層とを有するIams(登録商標)Mini−Chunksとして、2つ目は、ビタミンと混合された5%チキンブロス及び10%鶏副産物粉をコーティングとして有するIams(登録商標)Mini−Chunksとして含む2つの更なる試作品を、貯蔵安定性試験において評価した。2つの製品を密封し、上記の加速条件及び周囲条件の両方内に貯蔵した。
【0150】
貯蔵している製品の標本を抽出し、ビタミンA及びEに関して分析した。時間ゼロにおけるレベルが全製品で一致しなかったため、結果を正規化した。図13及び14は、結果を示す。図13は、x軸に時間を週で示し、y軸に初期ビタミン量に対する最終ビタミン量の比を示す。全体的に、ビタミンコーティングは、押出されたビタミン対照と比較して高いビタミンA安定性を維持した。鶏肉脂肪中のビタミンは、最初の2週間後にビタミンAレベルの大きな低下を示したが、急速に安定した。鶏肉脂肪は粒径が大きすぎるため、ビタミンプレミックス中のもみ殻に接着する結合能力を有さないことが仮定され、後に卓上試験により確認された。この問題は、より強力な結合剤を使用して解決することができ、このことは、Paramount B及びチキンブロスを結合剤として使用したビタミンA安定性の改善により示される。
【0151】
実施例7A−ビタミンA安定性
4つの追加のキブルを比較した。比較した被覆キブルは全て再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコアを使用した。4つのコーティングは、以下のようなものであった。1)ホモジナイズされたビードレット、これはゼラチンと架橋されたビタミンA(BASF及びDSM製の、標準的な架橋形態のビタミンA)と共にホモジナイズされた乳清タンパク質分離物溶液で被覆されたキブルである。混合物を高剪断ミキサーによりホモジナイズしてビードレットの粒径を縮小し、キブル表面に対してより良好な接着するようにした。2)被覆ビードレット、これは乳清タンパク質分離物溶液をキブル上に10秒間噴霧し、次いで結合剤溶液を更に45秒間に亘り尚噴霧している間、架橋ビタミンAを乾燥した状態でミキサーに加えることにより被覆されたキブルである。3)粉末A、これは乳清タンパク質分離物溶液に水溶性形態のビタミンAを加え、次いでこの溶液をキブル上に被覆することにより、被覆されたキブルである。粉末形態は、澱粉マトリックス中のビタミンAである。4)押出前にコアと混合されたビタミンAを有する押出されたキブル。全てのキブルは、配合物の0.13重量%で被覆されたビタミンを使用した。
【0152】
ビタミンAのプロセス損失及び貯蔵損失の結果を表5に示す。実行した貯蔵損失手順は、実施例7に記載したようなものであった。
【0153】
【表5】
【0154】
実施例8−脂肪分布
本明細書の方法の節にてより詳細に開示するように、OPOTEK NIRイメージングによりドッグフードの調製品を分析した。調製品を分析し、以下のように互いに比較した。
【0155】
図4は、被覆キブルを示す。被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%チキンブロス、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪レベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域(integrated area)を示している。参照キブルからのヒストグラム(図示せず)の重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布間の大きな相違を示す。図4に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、およそそれらの標準偏差の合計だけ異なる平均を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側<0.05)。被覆キブルに関する平均脂肪バンド値は、4.08であった。
【0156】
図5は、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコアを示す。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪レベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域を示している。参照キブルからのヒストグラム(図示せず)の重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布間の大きな相違を示す。図5に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、それらの標準偏差の合計を超える異なる平均を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側<0.05)。コアに関する平均脂肪バンド値は、2.77であった。
【0157】
図6は、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコアと被覆キブルとの比較を示す。被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%チキンブロス、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪レベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域を示している。参照キブルからのヒストグラム(図示せず)の重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布間の大きな相違を示す。図6に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、それらの標準偏差の合計を超える異なる平均を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側<0.05)。コアに関する平均脂肪バンド値は、上記と同様、2.77であった。被覆キブルに関する平均脂肪バンド値は、上記と同様、4.08であった。
【0158】
図7は、2つの異なる被覆キブル間の比較を示す。第1の被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%チキンブロス、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。第2の被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%乳清タンパク質分離物、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪のレベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域を示している。参照キブルからのヒストグラム(図示せず)の重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布が同様であることを示す。図7に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、同様の平均及び標準偏差を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側>0.05)。第1の被覆キブルに関する平均脂肪バンド値は、上記と同様、4.08であった。第2の被覆キブルに関する平均脂肪バンド値は、4.06であった。
【0159】
図8は、被覆キブルとIams(登録商標)Mini−Chunksとの比較を示す。被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%チキンブロス、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪レベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域を示している。参照キブルからのヒストグラム(図示せず)の重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布間の大きな相違を示す。図8に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、およそ1標準偏差だけ異なる平均を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側<0.05)。
【0160】
図9は、被覆キブルとIams(登録商標)Mini−Chunksとの比較を示す。被覆キブルは、再バランス化Iams(登録商標)Mini−Chunksコア並びに10%鶏副産物粉、1%乳清タンパク質分離物、1%チキン・レバー・ダイジェスト、2%鶏内蔵ダイジェスト及び5.0%鶏肉脂肪のコーティングを有する。NIRスペクトル画像の結果は、相対的な表面脂肪レベルの目安を与える脂肪バンドの統合領域を示している。参照キブルからのヒストグラムの重ね合わせは、良好な一致を示す。フィールドキブルヒストグラム(図示せず)に関する重ね合わせは、分布間の大きな相違を示す。図9に示すように、各フィールドキブルに関する脂肪バンドの平均統合領域のグラフは、2つの試料が、およそ1標準偏差だけ異なる平均を有することを示す。Wilcoxon試験は、95%信頼限界以内で、平均キブル値(脂肪バンドの統合領域に関する)の分布が同一であるという仮説が拒否されるべきであることを示す(P両側<0.05)。
【0161】
実施例9−匂い分析
この実施例では、被覆キブルの匂いを分析する19の異なるキブル試作品の試験を行った。この方法では、固相微量抽出ガスクロマトグラフィー/質量分析(SPME−GC−MS)を用いて、ペットフード試料を、匂いに関連した化合物に関して分析する(以後記載するように)。また、SPMEデータと動物の嗜好性(PREF)との間の相関度を試験して、どの配合物構成成分が最も高い、又は最良のPREFと相関するかを決定した。
【0162】
39個のSPME被験物を、対応する百分率変換摂取量の比及び第1のバイトの分割プレート分析との相関と共に、19個の芳香族化合物ファミリーのうちの1つに分類した。次いで、現行のIams(登録商標)Mini−Chunksと、実施例3の第1の試作品及び第2の試作品とからのSPME結果を比較して、先導試験試作品において、異なる被験物を識別した。結果は、現行のIams Mini Chunksと比較して、被験物2−ピペリジオン、2,3ペンタンジオン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フルフラール、スルフロール及びインドールが全て上昇し、又は上昇したレベルを有するファミリーの代表であった。これらの化合物はまた、表6に示すように、イヌによる改善された動物の嗜好性における応答と有意に(P<0.01)相関した(R2>0.60)。
【0163】
【表6】
【0164】
方法
NIRイメージング
OPOTEK HySPEC(商標)近赤外(NIR)イメージングシステムを使用して、ドッグフードの調製品を分析した。ハイパースペクトルNIR反射率画像スタックを収集し、一連の画像を得、前記画像は、セットとして撮った際に各画素にてNIRスペクトルデータを提供する。HySPEC(商標)は、パルス状の、狭いバンド幅のレーザー光源及び熱電的に冷却された、拡張レンジInGaAsフォーカルプレーンアレイ(FPA)検出器を使用する。レーザーは、10Hz反復率で持続時間5nsのパルスを生成する。検出器は、30μm×30μmのサイズの320×256個のエレメントからなる。組み合わせイメージングシステムは、430〜690nmの可視波長領域と、900〜1650nm(11,000〜6,000cm−1)のNIR波長領域とを走査することができる。帯域幅は、可視にて0.5nm未満であり、1650nmにて1.5nm未満である。空間分解能は、およそ660×660μm2/画素であり、視野はおよそ21cm×17cmである。
【0165】
無傷キブルの収集物(一般に全部で70〜100)を、拡散された、ファイバー結合レーザー出力に暴露し、InGaAs FPAを一時的にゲートして、個々の各パルスから反射レーザー光を捕捉した。画像を900〜1650nmにておよそ2nmの間隔で記録し、各波長にて5つの反復画像を取得し、平均した。機器ソフトウェアは、各画像の暗電流、照明均一性、及びレンズ/検出器のスペクトル応答を自動的に修正する。視界に亘る照度の変動に関する補償は、スペクトル領域に亘り99%の反射率を用いたSpectralonプレートイメージングにより実行し、Spectralonデータを使用して試料データセットを正規化した。検出器の非線形応答と、レーザー光源のパルス間の強度の変動は、視野の4つの角部付近に位置する4つのSpectralonディスク(公称反射率2%、40%、60%及び99%)により対処した。各試料に関して3つの全体のハイパースペクトル画像スタックを収集し、試料はデータ収集間で移動せず、全てのデータは即時連続にて収集した。これらの3つのデータセットを平均して、「脂肪バンド」値の決定に使用する最終的なデータセットを得た。
【0166】
分析のために、反射率値の逆数の対数を取ることにより、反射率画像スタックを擬似吸収スペクトル画像スタックに変換した。炭素−水素伸長振動の第2の倍音に対応するピークを捕捉して、1155nm〜1242nmにおける各画素にてハイパースペクトルデータを(波長軸に沿って)統合することにより、そのコントラストが脂肪分布に関連する単一画像を形成した。詳細には、スペクトル曲線下面積と、1155nm及び1242nmにおける擬似吸収値を接続する直線の上方との面積を統合することにより、各画素の「脂肪バンド」値を決定した。イメージングマスクを使用して、FOV中のキブルに対応する画素のみが、「脂肪バンド」に関する統計に含まれることを確実にした。統合された面積の値は、絶対脂肪レベルに較正されていないが、統合面積の増大は、脂肪の存在の増大を示している。公称1%脂肪コーティング及び13%脂肪コーティングを有する固定セットのキブルを調製し、「脂肪バンド」計算におけるラン・ツー・ラン(run-to-run)一貫性の更なる確認物として全ての記録画像内に存在した。
【0167】
サルモネラ菌検出
サルモネラ菌が十分に不活性化されているか否かの検出は多数の方法により実行することができ、その1つは以下であり得る。BAXシステムPCRアッセイを自動検出と共に用いて、以下の工程を実行する。
【0168】
試験される試料を、滅菌容器内に25グラム秤量することにより試料を調製する。試料に225mLの滅菌緩衝ペプトン水(BPW)を加える。試料を35〜37℃で少なくとも16時間インキュベートする。次に、10μlの試料を、500μlのブレインハートインフュージョン(BHI)を収容するクラスターチューブに移動することにより、1:50希釈物を調製する。チューブを35〜37℃で3時間インキュベートする。次いで、加熱ブロックを暖める。試料が調製された順序を試料追跡シート上にBAXシステムキットロット番号に加えて記録する。試料IDをユーザガイドの指示に従ってBAXシステムのソフトウェアに入力する。ランフルプロセス(run full process)アイコンをクリックして、サーモサイクラーを開始させる。BHI中で3時間インキュベートした後、5μLの再増殖試料を、200μlの溶解試薬を収容するクラスターチューブに移動する(150μlを12mLの溶解緩衝液へ)。溶解チューブを37℃で20分間加熱する。溶解チューブを95℃で10分間加熱する。溶解チューブを可溶化液冷却ブロックアセンブリー内で5分間冷却する。適切な数のPCRチューブを、冷却ブロックアセンブリー上のPCRチューブホルダー内に配置する。キャップ除去具によりキャップを緩めるが、タブレットを水和させる準備が整うまで、定位置に残留させる。50μlの溶解物をPCRチューブに移動する。平坦な光学キャップでチューブに蓋をし、蛍光シグナルを検出する。冷却ブロック全体をサーモサイクラー/検出器に持っていく。サーモサイクラー/検出器が負荷される準備が整う時間に関しては、スクリーンプロンプトに従う。ドアをサーモサイクラー/検出器へ開放し、引き出しを外部に滑らせ、PCRチューブを加熱ブロック内に配置し(チューブがウェル内にしっかり着座されたことを確認して)、引き出しを閉じ、ドアを降下させた後、NEXをクリックする。サーモサイクラーはDNAを増幅し、蛍光シグナルを生成し、該蛍光シグナルが自動的に分析されて結果を測定する。
【0169】
次に結果を提供する。サーモサイクラー/検出器が完了した際、スクリーンはドアを開放し、試料を除去し、ドアを閉鎖することを促し、次いでNEXTをクリックする。FINISHボタンをクリックして、結果を検討する。スクリーンは変更された棚の光景をウィンドウに表示し、異なる色をウェル内に示し、中心内の記号は結果を示している。緑(−)は標的生物(サルモネラ菌)に関して負を表し、赤(+)は標的生物(サルモネラ菌)に関して正を表し、(?)を有する黄色は、不確定な結果を表す。負の結果に関するグラフを見て、ほぼ75〜80付近の大きい対照ピークをチェックする必要がある。正の結果に関するグラフは、解釈に関するQualiconの原理を用いて解釈する必要がある。黄色(?)の結果が生じた場合、(?)試料溶解物及びBHI試料溶解物から再試験する。上記の工程に従い、試験を完了する。
【0170】
分割プレート試験
このプロトコルは、百分率変換摂取量の比及び第1のバイトの比を含む、通常のイヌ科の分割プレート試験の誘導に関する方法論及び標準的な操作手順を記載する。
【0171】
供給される全食餌は、本明細書のサルモネラ菌方法の節に記載したように、サルモネラ菌に関する「負」の結果を受容する必要がある。食餌が微生物試験に首尾良く通過した後、試験の誘導を開始することができる。分割プレート試験の食餌は、各食餌に関して対応する色分けラベルで標識されたRubbermaid(登録商標)ブランドの貯蔵ケース内に保たれる。分割プレート試験の餌入れを試験開始の前日に満たした後、対応するRubbermaid(登録商標)ブランドの食餌ケース内で一夜貯蔵する。食餌をケース内に納めることができない場合、同様に正確な色/模様のラベルで適切に標識された追加のケース内に配置する。分割プレート試験は、7:00amのようなその日の初めに供給される。
【0172】
毎朝、犬舎の時系列順に配置されている餌入れを食物カートに負荷する。技術者は、犬舎範囲に入った後、夜中の糞便を全て拾い、各動物の目視検査を完了させる。この、一日の初期動物検査後、給餌を開始する。作業コピー、属性シート及び任意の他の必須の情報を含むクリップボードは、予めカート上に配置してある。次いで、第1選択の情報を収集する。技術者は餌入れを手に犬舎ドアを開放し、イヌを中立、即ち中心の位置へと促す。餌入れをイヌの前に短時間保持して、嗅覚の使用を確実にした後、餌入れを餌入れ輪内に配置する。ドアを素早く閉鎖し、技術者は後退し、動物が第1の選択を行うまで待つ。選択をシート上に丸で記録し、技術者は犬舎を通って前進して、上記の動作を各パネルメンバーについて繰り返す。
【0173】
餌入れは、動物と共に1時間、又はいずれか1つの餌入れが完全に消費され、若しくは各餌入れの50%が消費されるまで残留させる。餌入れを収集し、台所に返却し、再秤量する。残留量、即ち「ORT」を、個々の各パネルメンバーの名称により、正しい食餌カラム内に記録する。再秤量した後、餌入れをケージ洗浄機の棚内に配置し、機械的に処理して有効な衛生を確実にする。
【0174】
任意の異常な挙動を記録する。修繕、特別な収集(special collection)、健康管理調査による採血等の、通常と異なる任意の事象もそこに記録する。これらのいずれも直ちに観察者の注意を向けさせる。いずれかの動物が病気であり、又は軟便を有し、又は嘔吐し、又は仲裁を必要とする場合、通知を行う。
【0175】
一般に、食餌1は試験食餌であり、食餌2は対照食餌である。上述したように、ORTは、給餌が完了した後に残留した食物の量を意味する。
【0176】
記録された典型的な分割プレートデータは、百分率変換摂取量の比及び第1のバイトの比を含むことができる。本明細書で使用するとき、百分率変換摂取量の比は、食餌1対食餌2の消費された食物の比である。例えば、イヌが食餌1及び食餌2を給餌され、60グラムの食餌1が消費されると共に40グラムの食餌2が消費された場合、百分率変換摂取量の比は、60g:40g又は1.5:1であろう。本明細書で使用するとき、第1のバイトの比は、動物が噛みついた最初の食物の比である。例えば、食餌1及び食餌2を10匹のイヌに提示し、7匹のイヌが食餌1に最初に噛みつき、3匹のイヌが食餌2に最初に噛みついた場合、第1のバイトの比は、7:3又は2.33:1である。
【0177】
ヒト感覚による匂い試験
このプロトコルは、感覚科学者により使用される感覚評価に関する方法論を記載する。この方法は、パネリストのヒト鼻(ヒト器具)を用いて匂いを評価する。最初に、臭気感覚力試験を潜在的なパネリストに施行して、パネリストとしての資格認定を行う。臭気感覚力試験は、2部を含む。第1部は、臭気識別である。潜在的なパネリストに10個の試料を提供する。潜在的なパネリストは試料を嗅いだ後、試料のそれぞれの匂いを、パネリストに提供された匂いのリストから識別する。第2部は、同一差異試験である。潜在的なパネリストに10対の試料を提示する。潜在的なパネリストは試料の各対を嗅ぎ、それらが同一の匂い又は異なる匂いであるかを決定する。異なる匂いは、異なる特徴、例えば、カラメル対サクランボ、及び異なる強度、例えば、低いペパーミント濃度対高いペパーミント濃度、を含むことができる。パネリストはこの臭気感覚力試験の2部を累積で75%以上正確に識別した場合、パネリストとしての資格を得る。
【0178】
次いで、臭気感覚力試験に基づき資格を得たパネリストは、成分、参照標準物、及び完成した製品試料を使用して、食餌の匂いの記述的分析に用いられる。パネリストは、以下のように、0〜8段階評価を使用して、製品を様々な属性に関して評価する。
【0179】
90〜100グラムの各試験製品(被覆キブル)を、テフロン蓋を有する広口ガラスビン内に配置することにより試料を調製し、試料を評価する。次いで、パネリストが1回に1つの試料を採取し、全試料をセットにて評価する。パネリストによる評価は、以下を含む。
1)パネリストが、蓋を回して蓋をビンから取る。
2)パネリストが、3回深く嗅いだ後、試料を鼻から除去する。
3)パネリストが0〜8段階評価を用いて評価を行い、評価を記録する。
4)パネリストが、試料の間に、清浄な空気を少なくとも20秒間呼吸する。
【0180】
パネリストによる評価は、以下の感覚属性匂い定義に従って実行する。また、以下の匂いの参照を提供して、パネリストが0〜8段階評価上で資料を評価するのを補助する。
感覚属性匂い定義:
油性/脂肪性:油性の強度;油脂性、料理用油、ピーナツ油、オリーブ油及び脂肪性(家禽脂肪)を含む。
鶏肉:鶏肉の匂いの強度:鶏副産物粉、チキンスープ、鶏副産物粉ローストチキンを含む。
魚肉:魚肉の匂いの強度;魚粉、湿潤キャットフード(海魚及びマグロ)、魚油含む。
酵母:酵母の匂いの強度−より詳細にはビール酵母。
トースト:焼けた匂いの強度;炒った木の実又はコーヒー及び木の実風味、浅い焼き加減〜より深い焼き加減を含む。
甘味性:甘い匂いの強度;キャンディー、カラメル様、タフィー様、バタースコッチ、「シュガー・ベイビーズ」、花を含む。
汚れた靴下:汚れた靴下の臭いの強度−かび臭さを含む。
ボール紙:ボール紙又はダンボール紙の強度。
土:土/新鮮な泥様の匂いの強度。
穀物性:穀物様、エンバク、穀類の臭い又はトウモロコシの強度
牛肉性:牛肉の臭いの強度−IAMS(登録商標)ブランドの湿潤savory sauce beef、及びIAMS(登録商標)ブランドのdog chunks(beef)を含む。
【0181】
全体的な強度:全体的な任意の種類の匂いの強度、低刺激性、微弱、薄い又は弱い〜強い、濃い又は刺激性の範囲。
【0182】
【表7】
【0183】
匂い分析
この方法では、固相微量抽出ガスクロマトグラフィー/質量分析(SPME−GC−MS)を用いて、ペットフード試料を、ペットフードの匂いに関連した化合物に関して分析する。下記の手順が、ペットフード試料のヘッドスペース揮発物を分析するのに使用された。キブル製品を2.0g(+/−0.05g)までSPMEヘッドスペースバイアル瓶(22mL、隔膜キャップ付き)に秤量し、バイアルのキャップをした。分析する各試料について同じものを2つ準備した。この試料を、Gerstel MPS 2オートサンプラー(Gerstel,Inc.Linthicom,MD,USA)のオートサンプラートレイに配置した。試料を10分間(平衡化時間)で75℃に加熱し、次いで2cmのCarb/DVB/PDMS SPME繊維(Supelco,Bellefonte,PA,USA)を用いて、75℃で10分間、試料採取する。このSPME繊維を、Agilent 6890GC−5973 MSのGC入口(250℃)内へ8分間脱離させる。GCは、Restek Stabilwaxカラム30m×0.25mm×0.25μmフィルムで装備されている。GC温度は最初50℃で、この温度に1分間保持し、次いで15℃/分の勾配で240℃まで上げ、この温度で4分間保持する。Chemstationソフトウェアを使用して、抽出イオンクロマトグラム(EIC)を使用して採取された特定の化合物に対応するピークで、標準の保持時間/標的イオンについてクロマトグラムが測定される。次に、曲線下面積を測定してSPME分析数又はカウントを与える。
【0184】
芳香族化合物と、嗜好性試験(百分率変換摂取量及び第1のバイトの比)からの2つの結果因子との間の統計的ペアワイズ相関を作製した。次に、Iams(登録商標)Mini−Chunksと、実施例3の第1の試作品及び第2の試作品とのヘッドスペース芳香族化合物を比較した。1)嗜好性と有意に相関し、2)Mini−Chunksと比較して高い芳香族化合物を、イヌの嗜好性の改善に最も関与する可能性があるとして同定した。
【0185】
ビタミン量
以下の供給物を使用する。
【0186】
【表8】
【0187】
電子秤を使用して、70.0X g(Xは任意の数である)の試料を、Teflon(登録商標)裏張りを有するねじ式の蓋を備えた250mL広口ガラスビン内に秤量する。140.0X gの脱イオン水を加え、蓋を容器上にて回して締め、内容物をよく混合する。容器を50℃の水浴内に2時間配置する。容器を水浴から除去する。
【0188】
Retsch Grindomix GM 200 Knife Millを使用して、広口ガラスビンの内容物を10000rpmで25秒間の2工程で粉砕する。100〜150gをプラスチック試料カップ内に収集し、更に分析する。
【0189】
化学天秤を使用して、3〜3.3gの得られたミックスを20mLアンバーバイアル内に秤量し、小数点以下第4位に四捨五入して重量を記録する。0.25〜0.3gのアスコルビン酸を加える。バイアル内部にマグネット棒を配置する。10mLの試薬アルコールを加えた後、5mLの45%w/w水酸化カリウム溶液を加える。バイアルに蓋をし、内容物をボルテックスする。バイアルの重量を記録し、マグネチックスターラーと共に熱ブロック上に配置する。試料を110℃にて1時間、熱ブロック上に保持する。バイアルを除去し、冷蔵庫内に配置して、室温に又は室温未満に冷却する。けん化後、バイアルの重量を記録する。初期重量と最終重量との間の相違は、2%以内である必要があり、さもなくば試料を再び消化する必要がある。
【0190】
オートサンプラーバイアルを棚内に配置し、〜100ppmのエトキシキンを有する0.5mLの60:40試薬アルコール:酢酸を加える。冷凍庫内に少なくとも30分間配置する。フード内でバイアルの蓋を開け、0.5mLのけん化試料を除去し、該試料を冷却させたオートサンプラーバイアル内に配置する。オートサンプラーバイアルに蓋をし、激しく振る。HPLC上に配置し、該HPLCは、抽出物中のビタミンの濃度をμg/mLで与えるであろう。ビタミンAのピークは5分付近に見出される筈であり、ビタミンEのピークは12分付近に見出される筈である。
【0191】
標準物を以下のように形成する。
【0192】
レチノールストック標準物:250mLの化学線メスフラスコ内に大体200mgのBHTと100mgのレチノールを秤量し、値を4箇所に記録する。メタノール中で線まで希釈し、混合する。
【0193】
α−トコフェロールストック標準物:250mLの化学線メスフラスコ内に大体200mgのBHTと100mgのα−トコフェロールを秤量し、値を4箇所に記録する。約200mLのメタノールを加えて振り、全トコフェロールが溶解したことを確認する。線まで希釈し、混合する。
【0194】
各標準物の濃度をμg/mLで計算し、冷蔵庫内に配置する。光から保護された場合、これらのストック溶液は2ヶ月間保持することができる。
【0195】
標準物1:10mLのメスフラスコ内に100μLのレチノールストック標準物と1mLのα−トコフェロールストック標準物を加える。メタノールで線まで希釈する。
【0196】
標準物2:10mLのメスフラスコ内に1mLの標準物1を加える。メタノールで線まで希釈し、混合する。
【0197】
標準物3:10mLのメスフラスコ内に1mLの標準物2を加える。メタノールで線まで希釈し、混合する。
【0198】
新しいカラムに関して較正曲線を1回作成し、又は必要であればより頻繁に作成する。少なくとも一日1回、バッチ開始時に対照試料を流す。
【0199】
HPLC条件:カラムヒーター:30℃;注入量:50μL
【表9】
カラム:4.6×100mm Onyx Monolithic C18。
ガードカラム:4.6×5mm Onyx Monolithic C18。
検出:UV/Visダイオードアレイ又は等価物、324nm及び290nmにて。
保持率:ビタミンAのピークは5分付近に見出される筈であり、ビタミンEのピークは12分付近に見出される筈である。
【0200】
較正及びHPLC操作新しい各カラムについて、新鮮な標準物を用いて較正を行う必要がある。較正曲線の有効性は、対照試料で調べる。
【0201】
ビタミン結果は、単位IU/kgで以下のように報告される。
【数1】
式中
C−抽出物中のビタミン濃度、μg/mL(HPLCから)
V−抽出溶媒(試薬アルコール及び水酸化カリウム)の総容積、mL
DF−希釈係数(中和溶液の添加を補償)
W−試料アリコートの重量、g
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0202】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0203】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の嗜好性を向上する量の脂肪バンドを含む、ペットフード。
【請求項2】
前記脂肪バンドが3.900又は4.000以上の値を有する、請求項1に記載のペットフード。
【請求項3】
栄養的にバランスがとれているキブルを含む、請求項1又は2に記載のペットフード。
【請求項4】
前記キブルが第1のコーティングを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項5】
前記キブルが第2のコーティングを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項6】
前記第1のコーティングが固体構成成分を含み、前記第2のコーティングが脂肪構成成分を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項7】
12%未満の含水量を有する押出されたコアと、
前記押出されたコア上に被覆されて被覆キブルを形成する、0.1%〜75%のコーティングと、を含み、
前記コーティングが、前記コーティングの50%〜99%のタンパク質構成成分と、前記コーティングの1%〜50%の結合剤構成成分とを含み、
前記被覆キブルが12%未満の含水量を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項8】
前記被覆キブルが、栄養的にバランスがとれている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項9】
前記コーティングが、12%未満の含湿量のタンパク質構成成分を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項10】
前記コアがゼラチン化澱粉マトリックスを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項11】
前記タンパク質構成成分が、鶏肉粉、鶏副産物粉、ラム肉粉、シチメンチョウ粉、魚肉粉、大豆粉、トウモロコシグルテン粉、並びにそれらの組み合わせ及び混合物からなる群から選択される粉を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項12】
前記コーティングが65%〜75%の鶏副産物粉を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項13】
前記結合剤構成成分が、高乳糖乳清副産物、卵白、乳清タンパク質分離物、チキンブロス、並びにそれらの組み合わせ及び混合物からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項14】
ペットフードの容器であって、前記ペットフードが複数の請求項1〜13のいずれか一項に記載のキブルを含む、ペットフードの容器。
【請求項15】
ペットフードの容器であって、前記ペットフードが第1のキブルタイプ及び第2のキブルタイプを含み、前記第1のキブルタイプが請求項1〜14のいずれか一項に記載のキブルを含み、前記第2のキブルタイプが、請求項1〜14のいずれか一項に記載のレベルの範囲外の平均脂肪バンドを有するキブルを含む、ペットフードの容器。
【請求項1】
動物の嗜好性を向上する量の脂肪バンドを含む、ペットフード。
【請求項2】
前記脂肪バンドが3.900又は4.000以上の値を有する、請求項1に記載のペットフード。
【請求項3】
栄養的にバランスがとれているキブルを含む、請求項1又は2に記載のペットフード。
【請求項4】
前記キブルが第1のコーティングを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項5】
前記キブルが第2のコーティングを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項6】
前記第1のコーティングが固体構成成分を含み、前記第2のコーティングが脂肪構成成分を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項7】
12%未満の含水量を有する押出されたコアと、
前記押出されたコア上に被覆されて被覆キブルを形成する、0.1%〜75%のコーティングと、を含み、
前記コーティングが、前記コーティングの50%〜99%のタンパク質構成成分と、前記コーティングの1%〜50%の結合剤構成成分とを含み、
前記被覆キブルが12%未満の含水量を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項8】
前記被覆キブルが、栄養的にバランスがとれている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項9】
前記コーティングが、12%未満の含湿量のタンパク質構成成分を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項10】
前記コアがゼラチン化澱粉マトリックスを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項11】
前記タンパク質構成成分が、鶏肉粉、鶏副産物粉、ラム肉粉、シチメンチョウ粉、魚肉粉、大豆粉、トウモロコシグルテン粉、並びにそれらの組み合わせ及び混合物からなる群から選択される粉を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項12】
前記コーティングが65%〜75%の鶏副産物粉を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項13】
前記結合剤構成成分が、高乳糖乳清副産物、卵白、乳清タンパク質分離物、チキンブロス、並びにそれらの組み合わせ及び混合物からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載のペットフード。
【請求項14】
ペットフードの容器であって、前記ペットフードが複数の請求項1〜13のいずれか一項に記載のキブルを含む、ペットフードの容器。
【請求項15】
ペットフードの容器であって、前記ペットフードが第1のキブルタイプ及び第2のキブルタイプを含み、前記第1のキブルタイプが請求項1〜14のいずれか一項に記載のキブルを含み、前記第2のキブルタイプが、請求項1〜14のいずれか一項に記載のレベルの範囲外の平均脂肪バンドを有するキブルを含む、ペットフードの容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−527894(P2012−527894A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513138(P2012−513138)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/035551
【国際公開番号】WO2010/138372
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(595056859)ザ・アイムス・カンパニー (52)
【氏名又は名称原語表記】The Iams Company
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/035551
【国際公開番号】WO2010/138372
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(595056859)ザ・アイムス・カンパニー (52)
【氏名又は名称原語表記】The Iams Company
【Fターム(参考)】
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