説明

装置への情報提供方法

装置(1)に情報を取得するための方法であって、当該の方法は、一つ以上のRFIDタグ(11,11’)内に保存された幾つかのコード(100,101)により装置(1)に標識を付ける工程と、RFIDリーダー機器(2)を用いて、当該のコードの中の少なくとも一つを非接触式に読み取る工程と、当該のリーダー機器(2)が、読み取った一つ以上のコードのセットをネームサービスサーバー(6)に電気通信網(4)を介して送信する工程と、当該のネームサービスサーバー(6)が、一つ以上のハイパーテキストページのアドレスを返答する工程と、当該のハイパーテキストページを用いて、探し求める情報(7)にアクセスする工程とを有する。この発明は、RFIDリーダー機器によって読み取ったすべてのコード(100,101)を送信するセット内に含めるのではなく、当該のセット内に含める一つ又は複数のコード(100,101)を当該のリーダー機器(2)において選定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、独立請求項にもとづく利用者及びRFIDタグに対して情報及びサービスを提供可能とする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所謂RFID部品(又はタグ)により、装置に情報を取得するための方法が既に知られている。そのために、一定のタグは、RFIDリーダー機器により非接触式で読み取ることができ、探し求める情報を保存するためのメモリ領域を有する。このタグの価格は、大きくメモリサイズに依存するので、そのようなタグは、特に、例えば、装置製造日、シリアル番号などの少ない情報しか必要としない場合に使用される。特許文献1は、例えば、RFIDリーダー機器と複数の読み取り対象のRFIDタグを記載している。
【0003】
幾つかのタグに関する情報を保存した外部データベースから探し求める情報を取り出すその他の方法も周知である。この場合、コードをタグから読み取って、探し求める情報を取り出す外部データベースにおける検索基準として使用している。そのために、データベース内における装置とデータセット間の関連付けは静的かつ恒久的であり、一つのタグにより標識を付けられた装置は、常に同じ情報にアクセスすることとなる。
【0004】
しかし、多くの場合、利用者が異なれば、必要とする情報も異なる。例えば、装置製造業者は、装置がいつ製造されたかを知りたい一方、最終利用者は、恐らく使用期限に興味を持っている。一定の利用者に対して、一定の情報を機密としなければならない場合も有る。安価な読み取り専用タグを使用する従来の方法は、このようなセキュリティと柔軟性の要求に答えていない。
【0005】
更に、探し求める情報を保存しているデータベースのアドレスは、リーダー機器に知らせるとともに、アクセス可能でなければならない。このアドレスの変更は、すべての利用者に通知された場合にのみ可能であり、そのことは、使用の可能性を更に制限することとなる。
【0006】
多くの場合、タグと関連した情報は、何度か更新又は再構成しなければならない。このことは、例えば、タグのメモリに新しい情報又は新しいコードを書き込むことによって行うことができ、それは、高価な再書込可能なタグの場合にのみ実現可能であり、その場合更に、タグが十分なメモリを持たなければならない。そのようなタグは、多くの場合通常の読み取り専用タグよりも10〜50倍高価なものとなる。
【0007】
また、外部データベースにおいて、タグに対応するデータセットを更新することは、何時でも可能である。しかし、幾つかの異なるパートナーが、その情報を修正したいと考える場合、そのようなすべてのパートナーは、データベースの当該領域に書き込む権利を持たなければならず、そのことは、セキュリティの理由から、大抵の場合望ましいことではない。
【0008】
特許文献2は、物理的又は電子的な実体にコードを付与する方法及びシステムを記載している。コードは、リーダー機器、例えば、カメラによって記録される。この記録されたコードにより、インターネットアドレスをデータベースで求めて、そのインターネットアドレスにブラウザーを用いてアクセスしている。この欠点は、更新することが難しい単一のコードだけを決めることにある。
【0009】
特許文献3は、通信機器が、RFIDインタフェースを介して、広告、ポスター等にアクセスすることができるシステムを記載している。そのため、URLアドレスを備えており、インターネットを介して直接ページにアクセスしている。URLアドレスは、しばしば変更又は更新されるので、RFIDタグにおいてURLアドレスを如何にして更新するのかが疑問である。
【0010】
特許文献4は、RFIDインタフェースにより情報を求めるシステムを記載している。RFIDインタフェースを備えた移動体通信機器が、直接インターネット又は電子メールアドレスを読み取り、インターネットを使って探し求める情報を受信している。特許文献3に関して示した欠点が、この場合にも適用される。
【特許文献1】米国特許公開第2004/046642号明細書
【特許文献2】欧州特許公開第1054335号明細書
【特許文献3】欧州特許公開第1191448号明細書
【特許文献4】米国特許公開第2002/116268号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明の課題は、前記の問題を解決することができる新しい方法及び新しいタグを提案することである。
【0012】
別の課題は、安価な読み取り専用タグを用いても十分なセキュリティと柔軟性が実現可能である、装置に対して情報を提供するための新しい方法を提案することである。
【0013】
また、この発明の課題は、新しいデータをタグに書き込むこと無く、何時でも提供する情報を更新及び再構成することが可能である、装置に対して情報を提供するための方法を提案することである。
【0014】
また、この発明の課題は、すべてのリーダー機器の利用者に通知すること無く、探し求める情報を保存しているメモリ領域の電子的なアドレスを変更することが可能な方法を提案することである。
【0015】
また、別の課題は、異なる利用者又は異なる環境の同じ利用者が異なる情報にアクセスすることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらの課題は、特に、請求項1の前段にもとづく方法において、RFIDリーダー機器によって読み取ったコードのサブセットを当該の送信するセットに含めることと、当該のセットに含める一つ又は複数のコードを当該のリーダー機器において選定することとによって達成される。
【0017】
これらの課題は、装置関連の独立請求項によるRFIDタグによっても達成される。
【0018】
以上のことは、特に、探し求める情報又は所望のサービスが編集可能な電子的なハイパーテキストページを介して入手可能であるという利点を有するものである。
【0019】
ページのアドレスは、RFIDタグから読み出したコードに対応する。コードとページの電子的なアドレス間の関連付けは、静的ではなく、ネームサービスサーバーに登録されている。このことは、ページアドレスの変更が何時でも可能であり、簡単に追跡することができるという利点を有する。このことは、サーバーの単一アドレスにより、すべての網のすべての移動体機器から、サービスをオーダーすることができる汎用的なシステムであるという利点も有する。
【0020】
装置と関連付けられたコード又は一定のコードセットの選定は、リーダー機器において手動で或いは自動的に行われる。このことは、異なる利用者(又は異なる状況の同じ利用者)が、異なるコード又はコードセットを使用することによって、異なる情報にアクセスすることができるという利点を有する。使用するコードは、読み取られた後でのみ選定されるので、タグ内に有るコードに関する事前の知識が不要である。更に、読み取り可能であり、かつ幾つかのコードから成るセットを提示可能な利用者に対してのみ一定の情報を提供可能とすることができ、そのことは、特に、セキュリティに関して厳しいアプリケーションでの利用に対する新しい手法を実現可能とする。
【0021】
選定したコードセットは、読み取ったコードのサブセットを含むものである。リーダー機器の選定に依存して、このサブセットは、少なくとも一つのコードか、最大ですべての読み取ったコードを含むことができる(又は全くコードを含まない)。使用するコードの数は、リーダー機器により決まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下では、この発明について、図面にもとづき詳しく述べる。
【0023】
図1は、利用者(又は移動体加入者)が、この発明による方法にもとづきサービス又は情報をオーダーするために使用するシステムを図示している。移動体機器3(例えば、移動体無線電話機又はセルラー移動体無線網とのインタフェースを備えたPDA)は、ショートメッセージ(例えば、SMSやUSSD)及びデータ(例えば、IPパケット)を移動体無線網4から受信するとともに、その網に送信することができる。この移動体無線網4は、データも伝送することができる網、例えば、GSM、GPRS、HSCSD、EDGE、UMTS又はCDMA網である。網4において、移動体機器3は、網を介して、その機器を識別するための識別モジュール(例えば、SIMカード30)を有する。移動体機器3内のプロセッサによって、一つ以上のソフトウェアアプリケーション31を実行することができる。
【0024】
移動体機器3は、更に、RFIDリーダー機器2を有するか、或いは(例えば、USB、ファイヤーワイヤー、PCカード、コンパクトフラッシュ(R)、専用又はその他の接続方式、或いはブルートゥースやWLANの非接触接続方式により)そのようなリーダー機器と接続される。リーダー機器2は、マイクロコントローラと、近傍の装置1内のRFID構成部品とデータを非接触により交換するための少なくとも一つのアンテナ又はコイルを有する。データの伝送は、好ましくは、13.56MHz、900MHz、860〜930MHzの中の一つ以上の周波数帯域で行われる。リーダー部分は、好ましくは、異なる周波数帯域で、かつ異なるRFIDにより動作するように選定することができる。RFIDを読み出させる動作範囲は、リーダー部分とタグの向きに依存して、好ましくは、2〜10メートルである。接続は、好ましくは、ASK後方散乱変調による半二重モードで行われる。タグは、好ましくは、リーダー機器2から電力を供給され、そのため独立した電源装置を必要としない。
【0025】
装置1は、一つ以上のタグ11を有する。図2は、チップ10,10’を有する二つのタグ11,11’を備えた装置1を図示している。図3は、単一のタグ11を備えた装置を図示している。
【0026】
各タグ11,11’は、少なくとも一つのチップ10,10’と一本のアンテナを有する。図2の各チップ10,10’は、チップの製造時又は個人向け設定時にコード100又は101等を保存するための固定メモリ領域を備えている。図3の実施形態では、幾つかのコード100,101,102が、同じチップ10内に保存されている。
【0027】
コード100,101,102は、好ましくは、64、96又はそれ以上のビットを有し、階層的に構成されている。リーダー機器2からの問合せに対するタグ11の返答1000は、好ましくは、ヘッダー1001と、冗長的な検証データ1002と、その次にタグ内のコード100,101又は102、或いは同時にすべてのコードだけで構成される(図4)。リーダー機器2の近傍に有る装置の幾つかのコードは、順番にアクセスすることも可能である。リーダー機器2の問合せは、数値範囲を指定することができ、各タグ11又は各チップ10,10’は、この数値範囲にもとづき、その問合せに対して、どの一つ又は複数のコードを返すのかを決定する。幾つかのコードを保存しているタグ11は、例えば、一定に問合せに対して、一つのコードだけ又は限定された数のコードを返すことができる。タグは、セキュリティの理由から、時間間隔毎に別々の利用可能なコードを生成することも可能である。
【0028】
その他のデータは、チップ10のメモリ領域に保存して、リーダー部分により読み出すことができる。
【0029】
チップ10,10’は、好ましくは、低価格かつ小さいサイズで生産することができる読み取り専用チップであり、多くの場合、二つの読み取り専用チップは、単一の再書込可能なチップよりも安価である。しかし、この発明の範囲内において、再書込可能なチップを使用することも可能である。
【0030】
コード100は、好ましくは、共通の認証機関によって、異なる装置製造業者、移動体無線網提供業者及び付加価値サービス提供業者に配布され、コードの一部は、好ましくは、装置1の提供業者の識別子を表す。装置の提供業者は、共通の認証機関から一連のコードを確保して、それらのコードの一部を、その次に装置と共に配布するタグ10,10’内に保存する。一つの装置に対して、幾つかの機関が異なるタグを配備することが可能である。
【0031】
移動体機器3では、後で述べる通り、リーダー機器2を介して近傍のタグ内のコード100,101,102を読み取って、その中のどのコードを更に情報又はサービスをオーダーするのに使用する必要があるのかを決定するための少なくとも一つのアプリケーション31が配備されている。
【0032】
コードの読み取りは、好ましくは、移動体機器3によって始動され、例えば、移動体機器が、連続的又は周期的に近傍のタグを探索して、見い出したタグ内のコードを読み出すか、処理するか、或いは転送することが可能である。別の低電流の実施形態では、読み取りは、移動体機器3の利用者によって始動され、利用者は、タグを読み出したい場合に、対応するアプリケーション31を立ち上げるか、或いはコマンドを入力する。移動体機器3又はその他の機器を用いたタグの読み取りは、近い範囲内ではインタフェース(例えば、ブルートゥースまたはWLAN)を介して、移動体無線網4を介して、或いはアクセスしているWEB又はWAPページ上のリンクを介して、外部機器(例えば、販売ポイント又は自動機械)によって始動することもできる。
【0033】
読み取った(幾つかの)コード100の中からコードセットを選定し、処理するために、移動体機器3とリーダー機器2の両方又は一方にアプリケーション31の一部として、簡単なフィルター及び処理手段を配備することができる。このアプリケーションは、例えば、コードの一定の部分だけを処理して転送することができる。それらしくない、或いはエラーを含むコードを削除するために、冗長性検査を配備することもできる。以前使用されていたコードは、好ましくは、将来における制御、静的な評価及びバックアップのために、移動体機器3のデータベースに保存される。
【0034】
このアプリケーション31では、この発明にもとづき選定されたコードセットを読み取るか、或いは転送する前に、パスワード又はその他の認証を要求することもできる。パスワードは、例えば、装置1の隠れた部分に印刷することができ、それを剥がすか、或いは別のチャネルを介して、移動体利用者に送ることができる。この場合、使用されるコードの選定は、既知のパスワードのリストにもとづき行うことができる。
【0035】
一つの実施形態では、パスワードは、コード100,101,102の一部を構成するか、或いはこのコードから関数を用いて求めることができる。パスワードは、例えば、パブリックキーを用いて検証することができる、コードのシグネチャーから取得することができる。この場合、権限の無い第三者が、対応する関数又はプライベート署名キーを知っていれば、コードだけからパスワードを求めることができる。この実施形態は、アプリケーション31が、コードだけにもとづき、パスワードの有効性を検証することができるという利点を有する。
【0036】
別の実施形態では、パスワードの有効性は、SIMカード30、移動体機器3又は外部サーバー内のテーブルにもとづき検証される。
【0037】
更に別の実施形態では、パスワードは、タグ11に保存されており、タグにより検証される。しかし、この実施形態は、パスワードを保存、受信及び比較するためのデータ処理手段を有するより複雑なタグを必要とする。
【0038】
移動体機器3又はリーダー機器2によってタグ11から読み取られ、選定されたコードセットは、アプリケーション31によって、オーダーメッセージ(例えば、ショートメッセージ、好ましくは、GPRS又はUMTSパケット)に纏められて、移動体無線網4を介して、周知のアドレスのサーバー5、好ましくは、移動体無線網4のインフラストラクチャー40内のサーバーに送信される(図1)。このオーダーメッセージは、任意選択により、移動体機器3又はSIMカード30によって、タイムスタンプを押されるか、或いは設定される。
【0039】
サーバー5は、幾つかの、或いは場合によってはすべてのRFIDリーダー2から受信する、コードセットの入ったオーダーメッセージを管理する。異なるエリアからのコードを異なった形で扱うか、或いは全く扱わないようにするために、その他のより複雑なフィルターをサーバー5に配備することができる。
【0040】
受信したコード又はコードセットを処理するために、サーバー5がパスワードを要求することもでき、移動体機器と同様に、このパスワードは、コード自体から導き出すか、或いはテーブルにもとづき検証することができる。このパスワードは、例えば、コード100,101と一緒に或いは対話形式で個別的に、一つのメッセージでサーバー5に伝送される。
【0041】
サーバー5は、移動体機器3の利用者の識別を検証することもできる。このことは、サーバー5が、移動体無線網4の運用業者によって管理されている場合、なお一層信頼性を増すことととなる。この場合、移動体利用者の識別は、確実には、SIMカード内のIMSI(国際移動電話加入者識別番号)又はその他の識別子にもとづき決定することができる。一定の情報及びサービスへのアクセスは、一定の利用者(例えば、相応に加入している、金銭口座に十分な残高を持っている、或いはそのプロファイルに対してサービスを提供することができる移動体利用者)にのみ許可される。
【0042】
パスワードが間違っている、或いはその他の理由により探し求める情報又は所望のサービスを提供することができない場合、好ましくは、(例えば、SMS、USSD又はインターネットを介して)利用者にメッセージが送信される。何回かの試みが失敗した後は、セキュリティ上の理由から、確定的に、或いは一時的に、更なる試みを阻止することができる。この手法により、試みを繰り返すうちに、有効なコードに突き当たってしまうことを防止すること可能である。
【0043】
サーバー5は、インターネット又はイントラネットを介して、各コードに対応した電子的なハイパーテキストページの電子的なアドレスを保存しているネームサービスサーバー6と接続される。また、一つの変化形態では、一つのページに対して、幾つかのコードの中の一定のセットが割り当てられる。
【0044】
サーバー5は、受信した、コード100,101の入った問合せ50をネームサービスサーバー6に転送して、ネームサービスサーバーは、対応する電子的なアドレスを回答する(応答60)。電子的なアドレスは、例えば、TCP−IP網に関するURL又はその他のアドレスで構成される。
【0045】
ネームサービスサーバー6は、サーバー5の運用業者と外部の団体(例えば、コード100を異なる会社に配布する機関)の両方又は一方によって管理することができる。所望のアドレスが、サーバー6内で見つからなかった場合に、別のネームサービスサーバーを検索するために、幾つかのネームサービスサーバーを相互に接続することができる。このことにより、例えば、移動体無線網の運用業者が、別の機関のコードを処理することも可能となる。外部のネームサービスのローカルなキャッシュをサーバー5又はサーバー5のドメイン内に配備することもでき、このキャッシュは、例えば、移動体無線網運用業者の価値保存カード内に有るコード100に対応するアドレスのみを含むものとすることができる。
【0046】
従って、移動体機器3の利用者は、すべてのサービス提供業者のすべてのコード100,101,102のセットを、同じ目標とするサーバー5に常に送信して、このサーバーが、ネームサービスサーバー6又はネームサービスサーバー6の網から、探し求める情報又は所望のサービスを受けるためのベースとなるページアドレスを決定するようにすることができる。このため、オーダーメッセージの処理は、メッセージ内のコードにのみ依存することとなる。従って、幾つかのサービス提供業者の異なるサーバー5に届く同様のメッセージにより、同じサービス又は情報を提供することができる。
【0047】
一つのコード又はコードセット100とアドレス間のネームサービスサーバー6内における関連付けは、好ましくは、探し求める情報の提供業者によって、(例えば、専用のWEBフォームにより)何時でも修正することができる。このことにより、最終利用者に通知することなく、ページ又はドメインの電子的なアドレスを変更することができる。
【0048】
従って、所望のページのアドレスは、タグ11内に保存されているコード又はコードセットにもとづき、一つだけ一義的に見い出すことができ、そのため、アクセスするページは、サーバー5のアドレス又は電話番号から完全に独立したものとなる。多くの装置と価値保存カードにマーキングしなければならず、そしてセキュリティの理由から、すべてのコードを使用することができないので、コードには、自由に使える十分なビットを持たなければならず、そして非常に多くの可能性の有る組み合わせが、既に割り当てられているので、例えば、単一のIP番号では、恐らく不十分である。好ましくは、その他の独立したページアドレス指定方式も使用される。
【0049】
サーバー5は、ネームサービスサーバー6から所望のページアドレスの入った応答60を受信して、サーバー7、或いは幾つかのローカル又はリモートサーバーを持つ網内の対応するページにアクセスする(図1の問合せ51と応答70)。
【0050】
一つの実施形態では、所望のページのアドレスは、ネームサービスサーバー6によって指定されたアドレスをコード100の中の一つ以上のビットと組み合わせることによって得られる。この場合、ネームサービスサーバー6内のアドレスは、一つのエリアに対応し、そのエリア内の個々のページは、コードの一定の部分に対応する。このことは、ネームサービスサーバー6をより容易に構成することができるという利点を有する。
【0051】
別の実施形態では、所望のページのアドレスは、ネームサービスサーバー6によって指定され、一つのセット内の幾つかの異なるコードに対応する幾つかのアドレスの組み合わせから得られる。一つのセット内の第一のコードを、例えば、一つのドメインに対応させる一方、第二のコードを、そのドメイン内の特定のページに対応させることができる。このようにして、読み取り可能であり、かつ幾つかのコードを提示可能な利用者、例えば、二つの特定のタグを持っていることを証明することができる利用者に対してのみ、一定の情報が提供可能となる。
【0052】
タグ又は装置内の幾つかのコードは、一つ以上の情報提供業者によって、一つ以上の工程にもとづき書き込むことができる。
【0053】
サーバー5によってアクセスされる、サーバー7内のページは、場合によっては、マークアップ言語のハイパーテキストコンテンツを含んでいる。一つの実施形態では、このページは、XML(拡張マークアップ言語)コンテンツで構成される。別の実施形態では、ページは、PML(物体情報マークアップ言語)コンテンツを含む。ページは、サーバー5及び最終的には移動体機器3が、サーバー7のサービス及びオブジェクトにアクセスすることができるためのSOAP(シンプルオブジェクトアクセスプロトコル)、.NETフレームワーク又はその他のWEBサービスをサポートすることもできる。この場合、この発明による方法は、実行可能なプログラムコード要素、SOAPサービス、.NETサービスの中の一つ以上を提供することを含むものである。
【0054】
サーバー5は、サーバー7から、所望のサービス又は情報を移動体機器3の利用者に提供するための所望のページをダウンロードするか、所望のサービス(又は指定されたアドレスのオブジェクト)にアクセスするか、その両方を行う。利用者は、例えば、標準的なブラウザーにより探し求める情報を再生することができる。
【0055】
以下では、移動体機器3又はRFIDリーダー機器2において、一定のコードセットを如何にして選定するのかを述べる。
【0056】
図5にもとづき詳細に記述する第一の実施形態では、先ずは、近くに有るタグ内の利用可能なすべてのコードを、RFIDリーダー機器2によって読み取って、メニューにより表示し、そのメニューから、利用者は、一つ以上のコードから成るセットを選定することができる。読み取る利用可能なコードの探索は、所定の数字範囲内に限定することもできる。提示した例では、近くに有るタグ内で検出した三つのコードをメニューで表示しており、その中から、利用者は、一つ又は場合によっては幾つかのコードを選定して、対応する探し求める情報又は所望のサービスにアクセスすることができる。
【0057】
権限の有る機関によるコード割当てに依存して、移動体機器3が、読み取ったコードから追加情報を直接求めて、メニューに表示することにより、コードの選定を容易にすることもできる。例えば、一定のコードに関して権限の有る機関の国籍又は識別子をそのコードから直接取得することが考えられ、それ以前の読み取りプロセスで得られた知見も利用可能である。
【0058】
読み取ったコードは、直ちにサーバー5に送信するか、或いは後で利用するために、移動体機器3のメモリに保存することができる。
【0059】
図6に図示した実施形態では、読み取ったコードのメニューは、リモートサーバー5又は7から取得した不完全な情報を既に含んでいる。この図では、近い範囲において読み取った各コードに関して、リモートサーバー7に保存されており、メニューを表示する前に取り出したコード発行権限機関の名称又は識別子が提示されている。このことにより、利用者の選定が著しく容易となっている。選定したコードに関する完全な情報は、メニュー内の相応のオプションを選定することによって、リモートサーバー7から伝送することができる。最初の情報をメニューに表示することを無料とする一方、場合によっては選定した完全な情報のダウンロードだけに課金することができる。
【0060】
図5と6は、テキストメニューによる変化形態を図示している。この発明の範囲内においては、メニューのオプションを選定するために、その他の方式も可能であり、例えば、画像によるメニュー又は音声によるメニューを使用することもできる。
【0061】
リーダー機器2は、アクセスすることができるすべてのタグを探索して、対応するコードにアクセスし、それらをメニューで表示することができる。読み取ったコードのリストは、メニューに表示する前に、所定の利用者のプリファレンス又はプロファイルにもとづき制限することができる。特定のコード又は特定のコードセットを自動的かつ利用者が介在すること無しに選定することも可能である。例えば、選定するコードセットの決定又はメニューに提示されたコードの選定のために、以下の従来から周知の選定基準を使用することができる。
【0062】
・それ以前の利用者の決定から明示的又は暗示的に求められる利用者のプリファレンス及び/又は利用者のプロファイル。
【0063】
・利用者の識別。例えば、この識別は、移動体機器3において利用可能なチップカードにもとづき決定することができる。例えば、移動体加入者識別子MSISDN(移動体端末統合サービスディジタル網)又はIMSI(国際移動電話加入者識別番号)を使用することができる。異なるプリファレンス又は権利を持つグループに利用者を纏めることもできる。このようにして、利用者が異なれば、異なるコード又はコートセットにアクセスすることとなる。
【0064】
・チップカード(SIMカード30)又は移動体機器3に保存されたその他のデータ。
【0065】
・移動体機器又は移動体無線網インフラストラクチャ40内の位置決定モジュールで求めることができる利用者の位置。この手法により、利用者は、別のコードを使用でき、そのため利用者の位置に従って異なる情報にアクセスすることができる。
【0066】
・時間、例えば、絶対時間、曜日、季節、特定の出来事からの経過時間等。
【0067】
・読み取ったコードのコード値又は数字範囲。これにより、利用者は、一定の数字範囲内のコードだけを使用したいと決めることができる。
【0068】
・移動体機器3がアクセス可能な金銭口座で利用可能な金額。特定のコードに割り当てられた情報へのアクセスに対して、利用者に料金を請求することができ、利用者は、例えば、プリファレンスにおいて、SIMカード30の前払い口座で支払うことができる場合にのみコードを使用したいと決めることができる。
【0069】
・時間、利用者の位置、移動体無線網運用業者のプリファレンス等を含む移動体無線網4のインフラストラクチャ40により決まるパラメータ。
【0070】
・例えば、外国語でのメニュー情報や割引価格での情報を表示しないようにするためのメニュー表示前にリモートサーバー7から取得したパラメータ。
【0071】
・コードを読み取る際の状況。例えば、利用者によるアクセス又は外部機器によるアクセスで始動されたかに依存して、別のコードを使用することができる。
【0072】
・それ以前における利用者の一定の情報へのアクセス。既に読み出したページに対応するコード又はパスワードの投入が既に何回か失敗しているコードは、もはやメニューには提示されない。
【0073】
・その他。
【0074】
このようにして、移動体機器の利用者又は移動体機器3自体は、利用可能なコード又はコードセットを選定して、それに対応する情報にアクセスすることができる。
【0075】
従って、この方法により、利用者は、装置に割り当てられたどの情報にアクセスしたいのかを決めることができる。様々な情報を利用可能とするために、別のアクセス権を要求するか、異なる形で料金を請求することができる。利用者が、一つ以上のタグ内に二つのコードを保存している装置を持っていることを証明することができた場合にのみ、その他の情報が利用可能となる。
【0076】
提示した例では、タグは、最大で三つのタグを有する。しかし、この発明の範囲内においては、非常に多くのコード、例えば、何十、何百又は何千のコードを持つタグを使用することも可能である。このようにして、各プログラムに対して一つのコードを保存しているタグにTVメニューを保存することができる。利用者は、(例えば、時間間隔に対応する)所望の数字範囲内のすべてのコードを読み取って、選定したプログラムに関する情報又はオーダー用パラメータをリモートサーバー7に要求することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】移動体機器、RFIDリーダー機器、RFIDタグ及びリモートサーバーを備えたシステムのブロック図
【図2】独立して動作する幾つかのRFIDタグを備えた装置の概略図
【図3】幾つかのコードを保存しているRFIDタグを備えた装置の概略図
【図4】この発明によるコードが入ったメッセージの構造図
【図5】この発明による方法の第一の実施形態にもとづきコードを選定するためのリーダー機器2,3の概略図
【図6】この発明による方法の第二の実施形態にもとづきコードを選定するためのリーダー機器2,3の概略図
【符号の説明】
【0078】
1 装置
10 チップ
10’ チップ
11 タグ
11’ タグ
100 コード
101 コード
102 コード
1000 返答
1001 ヘッダー
1002 検証データ
2 RFIDリーダー機器
3 移動体機器
30 SIMカード
31 アプリケーション
4 移動体無線網
40 移動体無線網インフラストラクチャ
5 サーバー
50 問合せ
51 問合せ
6 ネームサービスサーバー
60 返答
7 サーバー
70 返答

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上のRFIDタグ(11)内に保存された幾つかのコード(100,101)により装置(1)に標識を付ける工程と、
RFIDリーダー機器(2)を用いて、当該のコードの中の少なくとも一つを非接触式に読み取る工程と、
当該のリーダー機器(2)が、読み取った一つ以上のコードのセットをネームサービスサーバー(6)に電気通信網(4)を介して送信する工程と、
ネームサービスサーバー(6)が、一つ以上のハイパーテキストページのアドレスを返答する工程と、
当該のハイパーテキストページを用いて、探し求める情報(7)にアクセスする工程と、
を有する、装置(1)に情報を取得するための方法において、
RFIDリーダー機器(2)によって読み取ったコード(100,101)のサブセットを、当該の送信するセット内に含めることと、
当該のセット内に含める一つ又は複数のコード(100,101)を、当該のリーダー機器(2)において選定することと、
を特徴とする方法。
【請求項2】
当該のリーダー機器(2)が、利用者によって操作され、
当該のセット内に含められる一つ又は複数のコード(100,101)が、自動的に選定される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該のリーダー機器(2)が、利用者を識別する手段(3)を有し、
当該の選定される一つ又は複数のコードが、当該の利用者の識別に依存する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
当該のリーダー機器が、利用者を識別するためのチップカード(30)を有し、
選定される一つ又は複数のコード(100,101)が、当該のチップカード(30)の内容に依存する請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
当該のリーダー機器(2,3)が、位置を決定する手段を有し、
選定される一つ又は複数のコード(100,101)が、利用者の位置に依存する請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
当該のリーダー機器(2)が、時間を決定する手段を有し、
選定される一つ又は複数のコード(100,101)が、時間に依存する請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
当該のリーダー機器(2)が、利用者のプロファイルにアクセス可能であり、
選定される一つ又は複数のコード(100,101)が、当該のプロファイルに依存する請求項2から6までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
一つ又は複数のコード(100,101)が、その値に依存して選定される請求項1から7までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
当該のリーダー機器(2)が、電子的な金銭口座にアクセス可能であり、
当該の情報にアクセスするために、当該の金銭口座から金額が差し引かれ、
差し引かれる金額が、選定された量に依存する請求項1から8までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
当該のリーダー機器(2)が、移動体機器(3)で構成されるか、或いは移動体機器(3)と接続されており、
当該の電気通信網(4)は、当該の移動体機器(3)が接続されているセルラー移動体無線網である請求項1から9までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
当該の移動体網(4)が、中核となるインフラストラクチャ(40)を有し、
当該の選定される一つ又は複数のコードが、当該のインフラストラクチャによって決まるパラメータに依存する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
当該のリーダー機器が利用者によって操作され、
当該のセットに含まれる一つ又は複数のコードが、当該の利用者によって選定される請求項1から11までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
当該の装置(1)が、幾つかのコード(100,101)を有し、
当該のセットが、当該のコード(100,101)の中の一つを含む請求項1から12までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
当該の装置(1)が、一つのコード(100,101)を有する少なくとも一つのタグ(11,11’)を備えている請求項1から13までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
当該の装置(1)が、幾つかのコード(100,101)を有する少なくとも一つのタグ(11)を備えている請求項1から14までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
当該のリーダー機器(2)が、当該のアクセス可能なコードを読み取って、その次に読み取ったコードから一つのセットを選定する請求項1から15までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
当該のリーダー機器(2,3)が、当該のアクセス可能なコードを読み取り、好適なコードセットを見い出した場合直ちにその他のコードの探索を中止する請求項1から15までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】
読み取った幾つかのコードから成るメニューを、選定のために利用者に表示する請求項1から17までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
当該のメニューが、当該のハイパーテキストページから取得した不完全な情報を既に含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも一定のコードと関連する情報にアクセスするためには、パスワードが要求され、
当該のパスワードは、異なるコードに対して異なるパスワードが要求される請求項1から19までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項21】
一定の情報が、幾つかのコードを読み取って提示した利用者に対してのみ提供可能である請求項1から20までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項22】
幾つかの異なるコード(100,101)が、読み取り専用のメモリ領域に保存されており、
当該のコード(100,101)は、同じビット数を有し、そのためネームサービスサーバー(6)に対する指標としての役割を果たし、
当該のすべてのコード(100,101)は、同じRFIDインタフェースを介して、外部から読み取ることが可能であるRFIDタグ(11)。
【請求項23】
当該のコード(100,101)だけが、当該のインタフェースを介して読み取ることが可能である請求項22に記載のRFIDタグ(11)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2007−529800(P2007−529800A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503323(P2007−503323)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050911
【国際公開番号】WO2005/088516
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(301067357)スイスコム・モバイル・アクチエンゲゼルシヤフト (11)
【Fターム(参考)】