説明

補助プログラムを管理する方法及び対応する受信器とシステム

【課題】ユーザーの要求する補助プログラムを迅速に実行することのできる、補助プログラム管理方法と、このプログラムを実施する受信機と、対応するシステムとを提供する。
【解決手段】メインプログラムと共に放送されている補助プログラムを管理する方法において、デジタルデータのストリームを含む複数のストリームを受信する段階9と、ストリームに含まれている全ての前記補助プログラムを識別するデータを検出する段階10と、ストリームの中で識別された前記補助プログラムの全てを抽出する段階20と、受信器が、前記デジタルデータのストリームから識別され抽出された前記補助プログラムの全てを記憶する段階40と、から成ることを特徴とする方法が提供される。この方法は、好都合に、記憶された補助プログラムの全て又は一部を高速送信するサブステップ56を含む、補助プログラムにアクセスする段階50を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルデータのストリームの中でメインプログラムと共に放送されている補助プログラムを管理する方法、この方法を実施するための受信器、及びこの受信器を含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
放送の分野、特にラジオ放送では、一般に「送信内容」と呼ばれるプログラムを、送信器から複数の受信器端末に送っている。
従って、ラジオプログラム、テレビプログラム、及び対話式プログラムは、メインプログラムを放送している情況では、ビデオ、オーディオ、又は対話式プログラムの様な補助プログラムへアクセスできるようになっている。
【0003】
補助プログラムをその放送ウインドウに続いて使用できるようにすることを目指している補助プログラムを管理する方法は、当該技術分野では既知であり、なかでも公開された国際特許出願第WO−01/50763−A1から知ることができる。
【0004】
上記参考文献では、アナログストリームを管理する方法を詳しく説明しているが、デジタルデータのストリームの中でメインプログラムと共に放送されている複数の補助プログラムをどの様に管理するかついては、何ら言及していない。
【0005】
デジタルアプリケーションの関係では、補助プログラムとメインプログラムは、同じデジタルデータのストリームの中で多重化され送信されている。
メイン及び補助プログラムの全ては、セクション毎に、継続的に繰り返される周期的な順序で送信されるので、プログラムの各種部分は、時分割多重化されているわけである。この種の送信は、一般的に「カルーセル(回転木馬式)送信」と称される。
【0006】
所与のプログラム対するアクセス要求に応えて、受信器は、送信内容を形成している複数のストリームからデジタルデータストリームの1つをロックする。
カルーセル送信を聴取する最初のサイクルの間に、受信器は、プログラム、具体的には要求された補助プログラム、を識別するデータを検出する。
【0007】
デジタルデータのストリームを聴取する第2サイクルの間に、この識別プログラムを使って、受信器は、要求された補助プログラムを再構築してそれを直ちに又はその後に実行するために、当該補助プログラムの構成要素を全て抽出する。
【0008】
そのような送信の詳細は、当該技術では既知であり、具体的には、MPEG−2コーディングを定義する標準の第6部である仕様書ISO13818.6に記載されている。
しかしながら、上記管理方法では、ユーザーが要求する補助プログラム全体を再構成できるようにするため、受信器は複数の送信サイクル、即ちカルーセルの回転を待たねばならず、この待ち時間のせいで、このシステムは、ユーザーにとってあまり使い易いとはいえず、具体的には対話性が劣るという問題が生じている。
【0009】
従って、現時点では、ユーザーの要求する補助プログラムを迅速に実行することのできる、デジタルデータのストリームの中でメインプログラムと共に放送されている補助プログラムを管理する方法は存在していない。
【0010】
本発明の目的は、要求に応えて補助プログラムを迅速に実行できるようにする補助プログラムを管理する方法と、この方法を実施する受信器と、対応するシステムと、を提供することによって上記問題点を解決することである。
【0011】
【特許文献1】国際特許出願第WO−01/50763−A1
【非特許文献1】ISO13818.6
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
このため、本発明は、デジタルデータのストリームの中でメインプログラムと共に放送されている補助プログラムを管理する方法において、
−前記デジタルデータのストリームを含む複数のデジタルデータのストリームを受信する段階と、
−前記デジタルデータのストリームに含まれている全ての補助プログラムを識別するデータを検出する段階と、
−前記ストリームの中で識別された全ての補助プログラムを抽出する段階と、
−受信器が、前記ストリームから識別され抽出された補助プログラムの全てを記憶する段階と、から成ることを特徴とする方法に在る。
【0013】
受信器で全ての補助プログラムを体系的に検出して記憶すると、ユーザーは補助プログラムを迅速に利用できるようになる。
また、本発明は、メインプログラムと補助プログラムを含んでいるデジタルデータのストリームを受信するための手段を備えている受信器において、
前記デジタルデータのストリームの中で受信したデータをフィルタリングするための、記憶手段と受信手段の制御手段とに接続されている選択的作動可能手段を更に備えており、前記フィルタリング手段は、前記デジタルデータのストリームの中の全ての補助プログラムを体系的に検出し体系的に記憶するように命令できるようになっていることを特徴とする受信器にも在る。
【0014】
また、本発明は、デジタルデータのストリームの中でメインプログラムと共に放送されている補助プログラムを管理するためのシステムであって、デジタルデータのストリームの送信器と、前記デジタルデータの全部分又は一部を転送するためにユーザー端末に接続されている、前記デジタルデータのストリームの受信器と、を備えているシステムにおいて、前記受信器が上に定義された受信器であることを特徴とするシステムに在る。
【0015】
以下の説明を読めば本発明をよく理解頂けるであろうが、この説明は、例示に過ぎず、また添付図面を参照しながら読んで頂きたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示すシステムは、対話式デジタルテレビシステムであり、デジタルデータのストリームTSを複数の受信器、具体的には受信器4に送信するための信号送信器2を含んでいる。
【0017】
説明している実施形態では、受信器4は「私用」又は「家庭用」ネットワークと呼ばれるネットワーク8で、ユーザー端末6に接続されている。そのようなネットワークの配設及び使用は、当技術では既知であり、ここでこれ以上詳しく説明することはしない。
【0018】
ユーザー端末6は、「対話式端末」と呼ばれ、視聴覚データを管理することができ、各端末は、ユーザーインターフェースを含んでいる。
具体的には、端末6は、対話式テレビプログラムを受信できるようになっており、例えば、テレビ6A又はコンピュータ6Bを含んでいる。
【0019】
図2は、カルーセルモードの送信を使って、送信器2と受信器4の間でメイン及び補助プログラムを運んでいる具体的なデジタルデータのストリームTSのデータ構造を示す図である。
【0020】
この種の構造を使用する送信は、一般には、「デジタル記憶媒体コントロール及びコマンド」(DSM−CC)送信と呼ばれている。
このモードの送信では、全てのファイルは、多重化されており、該当する場合には、周期的に送信されるストリームTSを構成する複数のパケットに分割されている。
【0021】
このストリーム内では、各データパケットは、そのアドレス又は識別データによって識別される。それらアドレスの一部は固定されており、他は動的に割り付けられる。
このデータ構造は、第1に、アドレスが固定され既知であるプログラム対応表(PAT)を含んでいる。PATは、データストリーム内で利用可能な全てのプログラムとそれぞれの識別データの間の対応付けを表す表である。
【0022】
このようにして識別された各プログラムのデータ構造は、プログラムマップ表(PMT)を含んでいる。
各PMTは、プログラムと各プログラムの識別データを構成する全ての基本ストリーム(ES)の間の対応を示す表である。
【0023】
各基本ストリームESは、ビデオーデータ又はオーディオデータの様な1種類のデータを含んでいる。
或るプログラムが、「マルチメディア・ホーム・プラットフォーム(MHP)アプリケーション」と一般に呼ばれている補助プログラムを含んでいる場合、それら補助プログラムは、「私用部分」(PS)として知られているパケットを含んでいる特定の基本ストリーム内に位置している。これらの私用部分としての基本ストリームは、その識別データ内に、デコードする必要なしに、それらがMHP補助プログラムを含んでいる基本ストリームとして認識され得るようにする特定の要素を含んでいる。
【0024】
この様に、私用部分のストリームは、MHPと表示される複数のMHPアプリケーションを含んでおり、MHPは、例えば、複数のファイルFiで構成されている。これらファイルの全てを識別できるようにするために、私用部分PSのストリームは、各MHPアプリケーションと、それを構成しているファイルのアドレス又は識別データとの対応を定義するアプリケーション情報表(AIT)も含んでいる。
【0025】
また、上記ファイルFiは2つ以上のMHPアプリケーションに含まれていてもよい。
図1のシステムに使用され、図2のデータ構造を使用している本発明の方法について、これより図3を参照しながら説明する。
【0026】
本発明の方法は、図2に関連付けて説明したデータ構造に合致するメインプログラムと補助プログラムのセットを含んでいるデータストリームTSを含む複数のデジタルデータのストリームを受信する段階9で開始される。ストリームTSは、継続的及び周期的に送信され、全てのプログラムを時分割多重化形式で保有している。
【0027】
この受信段階9は、チューナ装置を整調して、デジタルデータのストリームTSを搬送している信号を含む複数の信号をピックアップすることに相当し、ユーザーからの要求に応えて又は自動的に、の何れかで実行され、例えばシステムの起動時に実行される。
【0028】
次に、本方法は、データストリームTSの全ての補助プログラムの識別データを検出する段階10を含んでいる。
この段階10は、プログラム対応表PAT20を、それを構成している、特有且つ特定の識別データを特徴付けるデータパケットを認識した後で抽出するサブステップ12で開始する。
【0029】
次に、本方法は、ストリームTS内の利用可能な全てのプログラムの全ての識別データを認識するために、PATを分析するサブステップ14を含んでいる。
このサブステップ14の後には、データストリーム内の利用可能な全てのプログラムのPMTを再構築するために、PMT型識別データを保有している全てのデータパケットを抽出するサブステップ16が続く。
【0030】
段階10は、次に、デジタルデータのストリームTS内の利用可能な全てのMHP型補助プログラムの全ての識別データの網羅的なリストをサブステップ19で描くために、サブステップ16で抽出された全てのPMTを分析してデータストリーム内に含まれている全てのMHPアプリケーションの識別データを手に入れるサブステップ18を含んでいる。
【0031】
本方法は、次に、デジタルデータのストリームTS内で識別された全ての補助プログラムを抽出する段階20を含んでいる。
この段階20は、サブステップ19で求められたリストを形成しているものに対応する識別データを保有している、デジタルデータのストリームTS内の全てのデータパケットを抽出するサブステップ22を含んでいる。
【0032】
本方法は、次に、同じ識別データを有する抽出されたデータパケットを再結合することにより、補助プログラムのそれぞれを再構築するサブステップ24を含んでいる。
従って、検出段階10と抽出段階20が済んだ時点で、データストリームTS内の全ての利用可能な補助プログラムが抽出されたことになる。
【0033】
本方法は、次に好都合に、補助プログラムを実行するためコマンドを分析する段階30を含んでいる。
これは、対話式デジタルテレビでは、補助プログラムの実行を命令するのに様々なモードがあるためである。
【0034】
ある種の実行コマンドは、時刻又は日付条件の様なトリガ条件を含んでおり、他のコマンドはユーザーの要求によりトリガされ、また別の実行コマンドは、メインプログラムの送信と同時に自動的に実行することを目的に、送信されたデジタルデータのストリームTSと同期化される。
【0035】
このような実行コマンドは、一般的には、即時実行コマンド又は「ドゥー・イット・ナウ」コマンドと呼ばれている。
本例では、送信されたデジタルデータのストリームから抽出された全ての補助プログラムは、それらの実行コマンドと共にキャッシュされる。従って、対応する「ドゥー・イット・ナウ」コマンドを消去することにより、メインプログラムとの同期化を解消する必要がある。
【0036】
このために、分析段階30は、全ての抽出された補助プログラムについて、全ての補助プログラム実行コマンドデータを読み出すサブステップ32を含んでいる。
このサブステップ32の後には、検出された即時実行コマンドを消去するサブステップ34が続いている。
【0037】
これによって即時実行コマンドが消去され、対応付けられた補助プログラムは、明示的な要求によってのみ実行されることになる。
サブステップ32は、DSM−CC MPEG−2プロトコルをカバーしている標準に定義された即時実行コマンドに特定の識別データを使用することにより可能になる。
【0038】
本方法は、次に、受信器4が、デジタルデータのストリームTSから抽出された全ての識別済みの補助プログラムを記憶する段階40を含んでいる。
この記憶段階40は、好都合に、記憶された補助プログラムを、端末6に直接転送するのに適した、及び/又は端末6で即時利用するのに適したフォーマットで記憶するためにフォーマットするサブステップ42を含んでいる。
【0039】
説明している実施形態では、受信器4と端末6は、送信器2と受信器4の間のリンクと同じプロトコル、即ちDSM−CC MPEG−2プロトコルの下で作動しているネットワーク8を介して接続されている。
【0040】
従って、記憶されるデータをフォーマットするサブステップ32は、補助プログラムを構成しているデータパケットのそれぞれを受信されたフォーマットで記憶することに相当する。
【0041】
而して、データをデコード又は再結合する補足的段階は不要であり、補助プログラムを形成しているデータパケットは、同じフォーマットで転送するために、受信時のフォーマットで記憶される。
【0042】
従って、本方法は、MPEG2標準にエンコードされたデータをデコードする段階を含んでおらず、受信器4ではかなりの計算処理時間が節約できる。
この様に、本発明の管理方法は、デジタルデータのストリームTSで送信された全ての補助プログラムを体系的に検出して記憶する。
【0043】
デジタルデータのストリームTSに対して、識別段階10、抽出段階20、分析段階30、及び記憶段階40が連続的に実行される。
また、本発明の方法をより効率的にするために、受信器4は、補助プログラム毎に、それを構成している各種ファイルの上又は上方に、例えばサービス番号及び説明データの様なバージョンデータを記憶する。
【0044】
このデータのおかげで、実行段階20、分析段階30、及び記憶段階40は、新しい補助プログラム又は既存の補助プログラムの新バージョンに関してのみ実行され、新バージョンの場合には、メモリ内で以前のバージョンと置き換えられる。
【0045】
記憶される補助プログラムのこうした選択は、AITで従来から利用可能であった特定のバージョンデータの場合に使用する。
本方法は、次の、端末6による補助プログラムに対するアクセスの段階50を含んでいる。
【0046】
この段階50は、例えば、端末6が端末のユーザーの主導により要求を送るサブステップ52で開始される。
受信器4がこの要求を受信すると、従来式に実行されるサブステップ54で、受信器4の受信した補助プログラムが端末6に従来どおりに送信されることになり、受信器4は、要求された補助プログラムに関係するデータを、送信器2から到着するタイミングで、即ち送信カルーセルの速度で、端末6に転送する。
【0047】
しかしながら、受信器4と端末6の間のこの送信は、利用可能な大域幅全体を占めているわけではない。
その結果、本方法は、段階10、20、30及び40の後で、受信器4がそのメモリ内に要求された補助プログラムを有している場合は、受信器4が記憶している補助プログラムを迅速に送信するサブステップ56を、サブステップ54と並行して含んでいる。
【0048】
このサブステップ56は、受信器4と端末6の間で、送信カルーセルの利用可能なスロット内で高ビットレートで送信を行うことにより実施される。
結果的に、端末6は、要求した補助プログラムをサブステップ54では通常のやり方で受信し、補助プログラムが既に受信器4に記憶されている場合には、サブステップ56でそれを更に高速で受信する。
【0049】
この種の送信は高速であり、一般には「バースト」送信と呼ばれている。
受信器による通常速度と高速度による補助プログラムの並列送信は、ユーザー端末6が、通常速度で送信されたデータストリーム内のデータを検索することができるようにしており、それらデータは高速で送信されたデータストリームでは失われてしまうであろうデータである。
【0050】
結果として、本発明の管理方法のおかげで、補助プログラムは、それが既に記憶されている場合には極めて迅速に、またそうでない場合には通常の方式で、の何れかのやり方で端末6で利用可能となる。
【0051】
或いは、サブステップ54で実施される通常送信は、要求された補助プログラムが既に記憶されている場合、サブステップ56の高速送信の方を選択して、止められる。
全ての場合において、本発明の方法は、上記の識別、抽出及び記憶の各段階に関わっていない端末のユーザーに対して全く見えない。
【0052】
本発明の方法は、複数の異なる端末が、同じデータストリームで搬送される異なる補助プログラムに同時に又は順にアクセスする家庭内ネットワークの場合、特に有利である。
これは、或る端末が特定のデータストリームにアクセスを要求すると、そのデータストリームの全ての補助プログラムが記憶されるので、この特定のデータストリームに対する最初のアクセスの後では、それらが別のターミナルに対しても直接アクセス可能となるからである。
【0053】
また、補助プログラムのバージョンデータと同期化データを考慮し、及びとりわけ即時実行コマンドを考慮すると、性能が改善される。
これより本発明の受信器4について、包括的なブロック図である図4を参照しながら説明する。
【0054】
受信器4は、例えば、作業用メモリを随伴するマイクロプロセッサを従来式に備えているマイクロコントローラの様な制御装置60を含んでいる。
受信器4は、例えば、サテライトアンテナの様な送信器2と受信器3の間の送信モードに適合したアンテナ62、又はケーブルネットワークに対する接続部も含んでいる。
【0055】
アンテナ62は、受信器4を、アンテナ62を介して受信されたデジタルデータのストリームの1つにロックするためのチューナ装置64に接続されている。
チューナ装置64は、選択されるデジタルデータのストリームの識別に関係するインストラクションを送る制御装置60によって制御される。
【0056】
チューナ装置64の次には、受信したデータパケットをそれらの識別データの関数としてフィルタリングするためのフィルタ装置66が続いている。このフィルタ装置66も、制御装置66によって制御されている。
【0057】
フィルタ装置66は、型式は問わないが「フラッシュ」メモリの様な永久メモリであるのが好都合なメモリで構成された記憶装置68に接続されている。
フィルタ装置66と記憶装置68は、共に、ネットワーク8に接続され制御装置60によって制御されている送信装置70に接続されている。
【0058】
最後に、受信器4は、本図では示していないが、ユーザー端末6に対するインターフェースを提供するインターフェース装置72を含んでおり、これは、ユーザー端末6から、補助プログラム及び/又はメインプログラムに関係する要求を、直接又はネットワーク8を介しての何れかで受信するためのものである。
【0059】
従って、作動時、ユーザーは、端末6を使って、特定のデジタルデータのストリームから所与のプログラムを受信することを要求する。
この要求は、インターフェース72により受信され、インターフェース72がそれを制御装置60に転送する。
【0060】
すると、制御装置60は、段階9の実行に対応する特定のデータストリームを受信するために、チューナ装置64にインストラクションを送る。
要求されているプログラムの従来方式の送信と並行して、受信器4は本発明の方法を実行する。
【0061】
制御装置60は、受信したデジタルデータのストリーム内の全ての補助プログラムの識別データを検出する段階10と、これに続く全ての補助プログラムを抽出する段階20を実行するために、フィルタ装置66に対して連続的にフィルタリングのインストラクションを送る。
【0062】
受信されたデジタルデータのストリームから抽出されると、全ての補助プログラムはメモリ58に記憶される(段階40)。
次いで、ストリームからの全ての補助プログラムは、ネットワーク8に接続されている全ての端末に対して非常に迅速に、具体的にはサブステップ56のバースト送信で、利用可能となるように、受信器4に記憶される。
【0063】
無論、本発明の他の実施形態及び変形を考えることもできる。
1つの変形例では、受信器4と端末6の間の接続の特性が、送信器2と受信器4の間のものとは異なっており、結果的に、フォーマットのサブステップ42では、送信されたデータをデコーディングし、その後にそれを新しいフォーマットにエンコーディングする必要がある。
【0064】
別の変形例では、ユーザー端末6は、受信器4の補助プログラム記憶メモリに直接アクセスすることができ、補助プログラムは、直接実行可能な形態で記憶されている。
最後に、また別の変形例では、受信器4と端末6は1つの装置を構成し、両者の間の接続の必要を無くしており、また、この1つの装置を他の機器との接続に使用することができるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明を実施するシステムのブロック図である。
【図2】図1のシステムに使用されるデータ構造の図である。
【図3】本発明の方法のフローチャートである。
【図4】本発明の受信器のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルデータのストリーム(TS)の中でメインプログラムと共に放送されている補助プログラムを管理する方法において、
−前記デジタルデータのストリーム(TS)を含む複数のデジタルデータのストリームを受信する段階(9)と、
−前記デジタルデータのストリーム(TS)に含まれている全ての前記補助プログラムを識別するデータを検出する段階(10)と、
−前記ストリーム(TS)の中で識別された全ての前記補助プログラムを抽出する段階(20)と、
−受信器(4)が、前記デジタルデータのストリーム(TS)から識別され抽出された前記補助プログラムの全てを記憶する段階(40)と、から成ることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記検出する段階(10)が、
−前記デジタルデータのストリーム(TS)に含まれている全てのプログラムのリスト(PAT)を抽出するサブステップ(12)と、
−前記ストリーム(TS)の前記プログラムを識別するために前記リスト(PAT)を分析するサブステップ(14)と、
−各プログラムを構成する基本的なストリーム(ES、PS)を識別するデータのリスト(PMT)を抽出するサブステップ(16)と、
−前記補助プログラム(MHP)を識別するために全ての前記プログラムの基本的なストリーム(ES、PS)を識別するデータを分析するサブステップ(18)と、
−補助プログラム(MHP)に対応する全ての識別データのリストを描くサブステップ(19)と、を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抽出する段階(20)が、
−補助プログラムに対応する、前記デジタルストリーム(TS)で送信された全てのデータパケットを抽出するサブステップ(22)と、
−全ての前記補助プログラムを、前記データパケットをそれらの識別データの関数として再結合することによって再構築するサブステップ(24)と、を含んでいることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の方法。
【請求項4】
前記抽出する段階(20)の後に、前記補助プログラムに対応付けられた実行コマンドを分析する段階(30)が続いており、前記分析する段階(30)が、
−全ての前記補助プログラムの実行コマンドデータを抽出するサブステップ(32)と、
−前記デジタルデータのストリーム(TS)と同期化している全ての前記補助プログラムの実行コマンドを消去するサブステップ(34)と、を含んでいることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
前記記憶する段階(40)が、前記補助プログラムを、前記受信器(4)によりユーザー端末(6)に直接転送できるような、及び/又は即時利用できるようなフォーマットで記憶されるように、フォーマットするサブステップ(42)を含んでいることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、ユーザー端末(6)が、前記デジタルデータのストリーム(TS)の中の特定の補助プログラムにアクセスする段階(50)を含んでおり、前記アクセスする段階(50)は、前記受信器(4)が前記ユーザー端末に、前記記憶された特定の補助プログラムの全て又は一部を高速送信するサブステップ(56)を含んでいることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の方法。
【請求項7】
前記アクセスする段階(50)は、前記受信器(4)が、前記端末(6)に、前記特定の補助プログラムに対応する、前記受信されたデジタルデータのストリーム(TS)の部分を、それらを受信後直ちに送るサブステップ(54)も含んでいることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
メインプログラムと補助プログラムを含んでいるデジタルデータのストリーム(TS)を受信するための手段(62、64)を備えている受信器において、
前記デジタルデータのストリーム(TS)の中で受信したデータをフィルタリングするための、記憶手段(68)と前記受信手段(62、64)の制御手段(60)とに接続されている選択的作動可能手段(66)を更に含んでおり、前記フィルタリング手段(66)は、前記デジタルデータのストリーム(TS)の中の全ての前記補助プログラムを体系的に検出し体系的に記憶するように命令できるようになっていることを特徴とする受信器。
【請求項9】
デジタルデータのストリーム(TS)の中でメインプログラムと共に放送されている補助プログラムを管理するためのシステムであって、前記デジタルデータのストリーム(TS)の送信器(2)と、前記デジタルデータの全て又は一部を転送するためにユーザー端末(6)に接続されている、前記デジタルデータのストリーム(TS)の受信器(4)と、を備えているシステムにおいて、前記受信器(4)が請求項8に記載の受信器であることを特徴とするシステム。
【請求項10】
前記受信器(4)と前記ユーザー端末(6)は、データ転送ネットワーク(8)を介して接続されていることを特徴とする、請求項9に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−33812(P2006−33812A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−170335(P2005−170335)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(302009187)トムソン ライセンシング  ソシエテ アノニム (1)
【Fターム(参考)】