説明

複数のフライトディスプレイを有するフライトデッキ上でカーソルの位置を示す方法

【課題】複数のフライトディスプレイを有する航空機のフライトデッキ上でカーソルの位置を示す方法を提供する。
【解決手段】方法は、複数のフライトディスプレイ14の第1のフライトディスプレイ34の上の第1の位置から、複数のフライトディスプレイ14の第2のフライトディスプレイ32の上の第2の位置へ、カーソル64がジャンプするときを検出するステップと、検出されたジャンプに応答して、第1のフライトディスプレイ34および第2のフライトディスプレイ32のうちの少なくとも1つの上に、第2の位置の方向へ向けられたコメットテイルを表示するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のフライトディスプレイを有するフライトデッキ上でカーソルの位置を示す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の航空機のコクピットは、パイロットおよび航空機搭乗員が、航空機の操作および制御において使用することができるディスプレイおよび制御システムを有するフライトデッキを含む。航空機のディスプレイおよび制御システムは、とりわけ、処理装置、カーソル制御および選択デバイス、マルチファンクションキーボード、および複数のフライトディスプレイを含むことが可能である。パイロットおよび航空機搭乗員は、カーソル制御デバイスおよびマルチファンクションキーボードを使用して、複数のフライトディスプレイのグラフィック情報および文字情報を操作することによって、飛行計画の登録および修正を行うことが可能である。パイロットが、カーソル制御デバイスを使用して、1つのディスプレイから別のディスプレイへジャンプするようにカーソルに命じたときは、カーソルは、その古い位置から消え、その新しい位置に再出現するであろうが、パイロットは、カーソルを視覚的に再度捕えるために予期されるディスプレイ領域を探す必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7724240号明細書
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、複数のフライトディスプレイを有する航空機のフライトデッキ上でカーソルの位置を示す方法は、複数のフライトディスプレイの第1のフライトディスプレイの上の第1の位置から、複数のフライトディスプレイの第2のフライトディスプレイの上の第2の位置へ、カーソルがジャンプするときを検出するステップと、検出されたジャンプに応答して、第1のフライトディスプレイおよび第2のフライトディスプレイのうちの少なくとも1つの上に、第2の位置の方向へ向けられたコメットテイルを表示するステップとを含む。 図中、
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】その中で本発明を実施することが可能である複数のディスプレイデバイスを有するフライトデッキを備えた、従来技術の航空機のコクピットの一部分の斜視図である。
【図2A】本発明の実施形態によるカーソルの動きおよびコメットテイルの表示を示す、図1のフライトディスプレイの正面図である。
【図2B】本発明の実施形態によるカーソルの動きおよびコメットテイルの表示を示す、図1のフライトディスプレイの正面図である。
【図2C】本発明の実施形態によるカーソルの動きおよびコメットテイルの表示を示す、図1のフライトディスプレイの正面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による複数のカーソルおよびコメットテイルを図示する、図1のフライトデッキの一部分の正面図である。
【図4A】本発明の追加の実施形態によるコメットテイルを形成する例示的な像を示す、図1のフライトディスプレイの正面図である。
【図4B】本発明の追加の実施形態によるコメットテイルを形成する例示的な像を示す、図1のフライトディスプレイの正面図である。
【図4C】本発明の追加の実施形態によるコメットテイルを形成する例示的な像を示す、図1のフライトディスプレイの正面図である。
【図4D】本発明の追加の実施形態によるコメットテイルを形成する例示的な像を示す、図1のフライトディスプレイの正面図である。
【図4E】本発明の追加の実施形態によるコメットテイルを形成する例示的な像を示す、図1のフライトディスプレイの正面図である。
【図4F】本発明の追加の実施形態によるコメットテイルを形成する例示的な像を示す、図1のフライトディスプレイの正面図である。
【図4G】本発明の追加の実施形態によるコメットテイルを形成する例示的な像を示す、図1のフライトディスプレイの正面図である。
【図4H】本発明の追加の実施形態によるコメットテイルを形成する例示的な像を示す、図1のフライトディスプレイの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、フライトデッキ12を備えたコクピット10を有する従来技術の航空機8の一部分を示し、フライトデッキ12は、複数のフライトディスプレイ14および制御システム16を有しており、それは、複数のフライトディスプレイ14のグラフィック情報および文字情報を操作することによって飛行計画の登録および修正を行うために、パイロットおよび航空機搭乗員に使用されることが可能である。また、フライトデッキ12は、様々な計器18を含むことが可能であり、計器18は、高度計、対気速度指示器、姿勢指示器、および計器着陸システム指示器など、従来タイプのものとすることが可能である。
【0007】
複数のフライトディスプレイ14は、物理的に別個のディスプレイ20、22、24、および26を含むように示されており、それらのディスプレイは、ディスプレイ20〜26の周囲のハウジング28およびフライトデッキ12の一部の両方の形態の物理的な分割体によって分離されている。それぞれのフライトディスプレイ20〜26は、非限定的な例として、カラー平面パネルLCD画面などの2つのディスプレイデバイスを含むように図示されている。2つのディスプレイデバイスのそれぞれは、各フライトディスプレイ20〜26の中のそれぞれのディスプレイデバイスの間に配置された仮想分割体30によって分離されている。したがって、ディスプレイ20は、左側ディスプレイコンポーネント32、および、左側ディスプレイコンポーネント32から仮想的に分離された右側ディスプレイコンポーネント34を有するということを理解することが可能である。同様に、ディスプレイ22は、左側ディスプレイコンポーネント36および右側ディスプレイコンポーネント38を有し、ディスプレイ24は、左側ディスプレイコンポーネント40および右側ディスプレイコンポーネント42を有し、ディスプレイ26は、左側ディスプレイコンポーネント44および右側ディスプレイコンポーネント46を有する。
【0008】
ディスプレイ20〜26は、航空機8を飛ばすときに航空機搭乗員によって使用される情報を含むことが可能であると考えられる。非限定的な例として、ディスプレイ20および24は、それぞれ、プライマリフライトディスプレイ(PFD)を構成する、外側にあるディスプレイとすることが可能である。典型的な使用法では、ディスプレイ20およびディスプレイ24は、実質的に同一の情報を示し、パイロットおよび副操縦士が同一の情報にアクセスできるようになっている。ディスプレイ22および26は、それぞれ内側にあるディスプレイとすることが可能であり、それぞれマルチファンクションディスプレイ(MFD)を構成することが可能である。ディスプレイ22および26は、とりわけ、飛行計画を管理し、飛行経路の修正を実施するために使用することが可能である。
【0009】
ディスプレイ20の前にあり、ディスプレイ26に隣接した、コクピットの左側の座席50に、例えばパイロットなどの使用者(図示せず)が、存在することが可能であり、ディスプレイ24の前にあり、ディスプレイ26に隣接した、コクピットの右側の座席52に、例えば副操縦士などの別の使用者(図示せず)が、存在することが可能であるとういうことが理解されるであろう。ディスプレイ22および26は、1人より多くの人によって使用されることが可能である。ディスプレイ20〜26は、同一平面上にある必要はなく、同一のサイズである必要もない。さらに、複数のフライトディスプレイ14は、任意の態様でレイアウトされ得るということが考えられる。
【0010】
1つまたは複数のカーソル制御デバイス54および1つまたは複数のマルチファンクションキーボード56は、制御システム16に含まれることが可能であり、パイロットおよび副操縦士を含む1人または複数の航空機乗組員によって使用されて、(1つまたは複数の)カーソル制御デバイス54を通して処理装置(図示せず)へ入力を提供し、および、複数のフライトディスプレイ14の1つまたは複数に提示されたグラフ表示を介して視覚によるフィードバックを受け取ることが可能である。適切なカーソル制御デバイス54は、使用者からの入力を受け入れ、その入力を、複数のフライトディスプレイ14のいずれかの上においてグラフィカルな位置に変換するのに適切な任意のデバイスを含むことが可能である。様々なジョイスティック、多方向ロッカースイッチ、マウス、トラックボールなどが、この目的に適しており、それぞれの使用者が、別個のカーソル制御デバイス54およびキーボード56を持つことも可能である。
【0011】
非限定的な例として、多方向ロッカー58およびトラックボール60が、カーソル制御デバイス54の一部分として図示されており、様々なキーおよびボタン62が、キーボード56を形成するものとして図示されている。(1つまたは複数の)カーソル制御デバイス54および(1つまたは複数の)マルチファンクションキーボード56の使用を通して、パイロットおよび副操縦士は、複数のディスプレイ14によって提供されたフィードバックにしたがって、画像と文字とでデータ要素をやり取りすることが可能である。したがって、このようにして、複数のフライトディスプレイ14は、1つまたは複数のカーソル制御デバイス54を介して1人または複数の使用者からの入力にしたがって位置付けられた1つまたは複数のカーソル64を含むことが可能であるということが理解されるであろう。一般に、複数のフライトディスプレイ14のいずれかの上に現れるデータ要素を選択し、グラフィカルに編集するために、カーソル64は、1人または複数の使用者によって適切に位置付けられることが可能である。トラックボール60は、使用者によって操作され、単独のディスプレイデバイス内においてカーソル64が動かされるか、または複数のディスプレイ14の中でカーソル64が動かされる。ロッカー58は、複数のディスプレイ14の中でカーソル64を動かすためのシングル制御とすることが可能であり、複数の方向においてそのようにすることが可能であるということが考えられる。より具体的には、ロッカー58によって、使用者が、カーソル64を、ディスプレイの上方向へ、ディスプレイの下方向へ、1つまたは複数のディスプレイの左方向へ、および1つまたは複数のディスプレイの右方向へ、ならびに、左上方向、右上方向、左下方向、右下方向を含む、それらの動きの組み合わせ方向へ、ロッカー58の単一の作動によって動かすことが可能となる。
【0012】
パイロットおよび副操縦士の両者が、その各座席50および52のそれぞれから、独自のカーソル64を使用して、ディスプレイ22および26の両方にアクセスできるということが考えられる。例えば、パイロットが、ディスプレイ22において、例えば高高度用航空路チャート上で作業をしているとき、副操縦士が、ディスプレイ26において同一のチャート上で、異なる距離範囲または異なるタイプのフォーマットを使用して作業することが可能であるように、ディスプレイの両方が、同一の選択肢を提供し、航空機ディスプレイおよび制御システムによって同期されている。また、パイロットおよび副操縦士は、それぞれが、同一のパネルにおいて同一のディスプレイ上で、別個のマルチファンクションキーボード56および別個のカーソル制御デバイス54を使用してディスプレイシステムとやり取りしながら、一緒に作業することが可能である。また、所定のディスプレイデバイスまたはウィンドウの中において、同時に1つだけのカーソル64が、アクティブになることが可能であるということも考えられる。
【0013】
ディスプレイ20〜26へのアクセス、およびその間へのアクセスは、「カーソルジャンプ」機能によって実施されることが可能であり、その機能は、それぞれのカーソル64がディスプレイ20〜26の各々を動き回ることを選択的に可能とする。一例では、カーソルジャンプ機能は、専用の1つまたは複数のジャンプボタンに基づいてカーソル64の動きを制御するように実施されることが可能であり、図示された例において、ジャンプボタンはロッカー58である。使用者がロッカー58を操作すると、カーソル64が別のディスプレイへジャンプすることが可能である。非限定的な例として、もし、ロッカー58の左部分が使用者によって選択されたとすれば、カーソル64は、以前その中に存在したディスプレイの直ぐ左のディスプレイへジャンプすることが可能である。追加の非限定的な例として、使用者は、ロッカー58において左方向および上方向の両方の選択肢を選択することが可能であり、カーソル64は、その以前の位置から左上方向のディスプレイへ移動することが可能である。別法として、カーソルジャンプ機能は、トラックボール60を使用して、カーソル位置によって実施されることが可能である。例えば、もし、パイロットがトラックボール60を操作して、カーソル64をディスプレイ22の下部へ動かし、カーソル64を下方へ動かし続けるとすれば、カーソル64はディスプレイ26へ「ジャンプ」するであろう。次いで、パイロットは、カーソル64および関連するボタン、ノブ、および/またはキーを使用して、ディスプレイ26上において利用できる任意の機能を実施することが可能である。また、2つの実施の何らかの組み合わせも考えられ、すなわち、その位置に基づいたカーソル64の動き、および専用ボタンはともに、使用者に最高の制御を提供するために組み合わせられることが可能である。
【0014】
カーソル64が使用者によってジャンプさせられる態様にかかわらず、使用者が、1つのディスプレイ領域から別のディスプレイ領域へジャンプするようにカーソル64に命じたときは、カーソル64は、その古い位置から消え、その新しい位置に再出現するであろう。特に、新しい位置が古い位置から非常に離れている場合には、パイロットは、カーソル64を視覚的に再度捕えるために予期されるディスプレイ領域を探さなければならないであろう。カーソル64が別のディスプレイへジャンプするということは、第2のディスプレイの中央へカーソル64を自動的にジャンプさせることが可能であると考えられる。別法として、カーソル64がジャンプするということは、ディスプレイの一部分へカーソル64を自動的にジャンプさせることが可能であると考えられる。非限定的な例として、これは、左下、右下、左上、右上のうちの1つを含むことが可能である。また、仮想分割体30および/またはハウジング28およびフライトデッキ12によって作られた物理的な分割体を横切ってカーソル64をジャンプさせることが可能であるということも考えられる。そのような両方の例において、カーソル64は、隣のディスプレイの一部分へ自動的にジャンプすることが可能である。カーソル64をジャンプさせるこれらの様々なやり方によって、使用者がカーソル64を追跡し続けることがさらに困難になり得る。例えば、もし、仮想分割体を横切ってカーソル64がジャンプしたとすれば、使用者は、カーソル64が次いで第2のディスプレイの中央に現れるということを予期できない。
【0015】
本発明方法は、複数のフライトディスプレイを有する、上述の航空機8または任意の航空機において使用することが可能である。本発明方法は、使用者が新しい位置に向かって視覚的に走査することを導いて助けるために、指示体またはコメットテイルを使用する。本明細書で使用される用語「コメットテイル」は、カーソル64の動きの方向をその現在の位置からジャンプ位置へ示すことができる任意の視覚的な指示体であることが可能であり、限定的な用語にするためのものでは決してない。
【0016】
図2A〜図2Cは、カーソル64がジャンプした後のカーソル64の位置を示す本発明方法をグラフィカルに図示している。図2Aは、ディスプレイ34の上のカーソル64を図示しており、ディスプレイ34は、第1のフライトディスプレイであると考えることが可能である。本方法は、カーソル64が、第1のフライトディスプレイ34の上の第1の位置から第2のフライトディスプレイ32の上の第2の位置へジャンプするときを検出することから始まる。図2Bでは、カーソル64が、第1のフライトディスプレイ34から、第2のフライトディスプレイであると考えることができるディスプレイ32の左上へジャンプしたように図示されている。カーソル64のジャンプが起こったことが検出されると、本発明方法は、検出されたジャンプに応答して、カーソル64の第2の位置の方向へ向けられたコメットテイル70を表示することを含む。
【0017】
図示されるように、コメットテイル70は、第1のフライトディスプレイ34および第2のフライトディスプレイ32の両方の上に表示されることが可能であり、コメットテイル70は、カーソル64がジャンプする前のカーソル64の第1の位置と、ジャンプの後のカーソルの第2の位置との間に延在することが可能である。コメットテイル70は、そのような第1の位置と第2の位置との間に延在する線に沿って位置付けられることが可能である。コメットテイル70は、第1の位置と第2の位置との間に完全に延在することはできないと考えられる。例えば、コメットテイル70は、第2のフライトディスプレイのみの上に表示されることが可能である。
【0018】
コメットテイル70が、しばらくの間表示された後、それは、フライトディスプレイから取り除かれ、図2Cに図示されるように、ディスプレイ32にカーソル64だけが残されることが可能である。このように、コメットテイル70は、一時的に表示されるものとして考えることが可能である。別法として、コメットテイル70は、カーソル制御デバイス54のうちの1つの操作を通じて使用者がカーソルを動かすまで、または使用者がキーボード56によって情報を入力し始めるまで、表示されることが可能であるということが考えられる。
【0019】
図3は、フライトデッキ12の一部分の正面図であり、それは、カーソル64、第2のカーソル72、コメットテイル74、残存カーソルマーク76、第3のカーソル78、およびコメットテイル80を含むように図示されており、複数のフライトディスプレイ20〜26の上の複数のカーソル64、72、および78の相互作用を考える本発明の第2の実施形態を図示している。図示目的のために、カーソル64および72はパイロットによって使用されると理解されるが、第3のカーソル78は副操縦士によって使用されるものと考えることが可能である。どの時点においても任意の数のカーソルが複数のフライトディスプレイ20〜26の上に位置付けられることが可能であるということ、および、それらのカーソルは、航空機8の中の様々な使用者のいずれかによって使用されることが可能であるということが考えられるように、そのような例は、非限定的な例として理解されるであろう。
【0020】
第2のカーソル72が、フライトディスプレイ44からフライトデッキ12の一部分を横切ってフライトディスプレイ34の中央へジャンプしたように図示されている。コメットテイル74は、フライトディスプレイ34へのカーソル72の移動の方向を図示している。残存カーソル76は、カーソル72がどこからジャンプしたかを図示するために表示されるオプションの指示体であることが可能であると考えられる。複数の画面を横切って、またはフライトデッキ12のより大きな部分を横切ってジャンプが行われた場合、そのような追加の指示体が、特に役立つことが可能である。
【0021】
カーソル64は、ディスプレイ38の中で使用されているアクティブカーソルであると考えることが可能である。第3のカーソル78が第1のフライトディスプレイ36から第2のフライトディスプレイ40へジャンプするとき、それは、また、2つのフライトディスプレイ36および40の間に位置付けられた第3のフライトディスプレイ38も超えてジャンプする。コメットテイル80は、第1のフライトディスプレイ36および第2のフライトディスプレイ40の両方に図示されているが、アクティブカーソル64を有する第3のフライトディスプレイ38には図示されていないということが図示されている。コメットテイル80は、アクティブカーソル64を使用する使用者の邪魔にならないように第3のディスプレイ38には表示されていないが、そうでなければ、アクティブカーソル64を有するフライトディスプレイ38を損ねる。他に、もしカーソル64が存在せず、またはカーソル64がアクティブでなければ、コメットテイル80は、第3のフライトディスプレイ38を横切って表示されることも可能であるということが考えられる。さらに、もし第3のフライトディスプレイ38の上のカーソル64が、同一の使用者によって、ディスプレイ38を超えてジャンプしたカーソル78として制御されていたとすれば、コメットテイル80は、第3のディスプレイ38の上に表示されることが可能であるということが考えられる。したがって、コメットテイルは、カーソルがジャンプする間に横切ることができる追加のフライトディスプレイの上に表示されることが可能であるということが考えられる。
【0022】
さらに、上述のコメットテイルの表示が互いの上に成り立つことが可能であるということが理解されるであろう。非限定的な例として、もしカーソルが第1のディスプレイから第2のディスプレイへ、次いで第3のディスプレイへと連続してジャンプするとすれば、複数のジャンプを単一のジャンプとして扱うことが可能であり、コメットテイルは、全ての3つのディスプレイを通って延在することが可能である。3つのディスプレイは、線状に配列されていないので、複数のディスプレイを通る単一のコメットテイルが、方向を変えて、移動経路を示すことが可能であるということが考えられる。そのような方向変化は、滑らかな曲線または鋭角を有する単一の連続したコメットテイルとして図示されることが可能である。第2の非限定的な例として、もしカーソルが、第1のディスプレイから第3のディスプレイへ同一の連続ジャンプをするとすれば、別個のコメットテイルが、第1のディスプレイと第2のディスプレイとの間の第1のジャンプに対して示されることが可能であり、第2のコメットテイルが、第2のディスプレイと第3のディスプレイとの間の第2のジャンプに対して示されることが可能である。もし、追加の連続ジャンプが行われるとすれば、追加のコメットテイルを表示することが可能である。
【0023】
検出されたジャンプに応答して第2の位置の方向へ向けられたコメットテイルを表示することは、カーソルの移動方向を視覚的に示す像を表示することを含むことが可能であるということが理解できる。図4A〜図4Hは、像の追加の例を図示しており、カーソルの移動方向を視覚的に示す像を表示するために、カーソル82がフライトディスプレイ34の上の第1の位置からフライトディスプレイ32の上の第2の位置へジャンプした後に、それを表示することが可能である。カーソル82の移動方向を視覚的に示す(1つまたは複数の)任意の像が使用され得るということが考えられるように、これらの例は非限定的な例であり、図示目的のためにだけに示されている。
【0024】
図4Aに図示されているように、カーソル82がジャンプするとき、表示された像は、カーソル82の新しい位置に向かって集束する1対の線の形態のコメットテイル84を含むことが可能である。図4Bは、両方ともカーソル82の移動方向に厚さが縮小する2つの線の形態でコメットテイル86を図示している。図4Cは、像が、カーソル82の移動方向にサイズが縮小する複数の形を含むことが可能であるということを図示している。図4Dは、カーソル82の移動方向に縮小するサイズおよび周期の増加をともに有する複数の線の形態でコメットテイル90を図示している。図4Eは、カーソル82の移動方向を向いた複数の矢頭の形態でコメットテイル92を図示している。また、コメットテイル92は、そうである必要はないが、矢頭の周期がカーソル82の移動方向に増加するということを図示している。
【0025】
図4Fは、カーソル82の移動方向に減少する厚さを有する幻影の形態でコメットテイル94を図示している。コメットテイル94は、カーソル82の位置およびカーソル82の移動方向に関する使用者の認識を高めるための様々な属性を有することが可能であるということが考えられる。例えば、コメットテイル94は、移動方向に減少する透明度、移動方向に増加する輝度、移動方向の色の変化、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つを有することが可能である。また、複数の形および線を有するコメットテイルは、そのような特徴を表すことも可能であるということも考えられる。図4Gは、カーソル82の移動方向に減少する振幅を有する波の形態でコメットテイル96を図示している。別のコメットテイルは、何らかのパターンを有する像を含むことが可能であるということが考えられ、そのパターンは、波ではなく、移動方向に減少する振幅か、または移動方向に増加する周期を有する。
【0026】
また、様々なコメットテイルを形成する像を表示するための多数の手段がある。非限定的な例として、使用者の注意を引くために、カーソルの移動方向を視覚的に示す像の表示は、様々な態様で生じることが可能であるということが考えられる。非限定的な例として、コメットテイルを形成する完全な像は、一度に表示されることが可能であり、その像の一部分は連続的に表示されるか、または、その像の一部分は連続的に取り除かれることが可能であるということが考えられる。さらに、コメットテイルは、使用者がカーソルを見つけるときに助けるように一時的にだけ表示されることが可能であり、その後に使用者の視界を妨げないということが考えられる。さらに、像を表示することは、表示される像をフラッシュさせること、表示される像の全部または一部分を次第に暗くすること、表示される像の全部または一部分を次第に明るくすること、および、移動方向に、像を変化させること、または像の1つまたは複数の変化または一部分を増加させることも含むことができると考えられる。例えば、図4Hは、様々な突出部100を有する2つの平行線の形態でコメットテイル98を図示している。突出部100は、カーソル82の移動方向のコメットテイル98に沿って動かされたり、増加させられたりすることが可能であるということが考えられる。
【0027】
上述の本発明の実施形態は、カーソルが、1つのディスプレイから別のディスプレイへジャンプするときに、使用者が、カーソルの突然の移転を視覚的に追跡するための手段を提供する。記載された実施形態は、新しいカーソル位置に向けて使用者が視覚的に走査することを導いて助け、カーソルを視覚的に再度捕えるための使用者による探査が少なくて済む。これによって、使用者は、カーソルをより迅速に見つけることが可能となり、ジャンプしたカーソルを探すのに時間を費やす代わりに、飛行機を飛ばす他の面に集中することが可能となる。
【0028】
この書面にした明細書は、最良の形態を含む本発明を開示するために、また、任意のデバイスまたはシステムを作ることおよび使用すること、並びに、任意の組み込まれた方法を実施することを含む本発明を当業者が実施することができるようにするために、例を使用している。本発明の特許の範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が思い付く他の例を含むことが可能である。そのような他の例は、もし、それらが、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有するとすれば、または、もし、それらが、特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない均等の構造要素を含むとすれば、特許請求の範囲の中に含まれているということが意図されている。
【符号の説明】
【0029】
8 従来の航空機
10 コクピット
12 フライトデッキ
14 フライトディスプレイ
16 制御システム
18 様々な計器
20 ディスプレイ
22 ディスプレイ
24 ディスプレイ
26 ディスプレイ
28 ハウジング
30 仮想分割体
32 左側ディスプレイコンポーネント
34 右側ディスプレイコンポーネント
36 左側ディスプレイコンポーネント
38 右側ディスプレイコンポーネント
40 左側ディスプレイコンポーネント
42 右側ディスプレイコンポーネント
44 左側ディスプレイコンポーネント
46 右側ディスプレイコンポーネント
50 座席
52 座席
54 カーソル制御デバイス
56 マルチファンクションキーボード
58 多方向ロッカー
60 トラックボール
62 キーおよびボタン
64 カーソル
70 コメットテイル
72 第2のカーソル
74 コメットテイル
76 残存カーソルマーク
78 第3のカーソル
80 コメットテイル
82 カーソル
84 コメットテイル
86 コメットテイル
90 コメットテイル
92 コメットテイル
94 コメットテイル
96 コメットテイル
98 コメットテイル
100 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフライトディスプレイを有する航空機のフライトデッキ上でカーソルの位置を示す方法であって、
前記複数のフライトディスプレイの第1のフライトディスプレイの上の第1の位置から、前記複数のフライトディスプレイの第2のフライトディスプレイの上の第2の位置へ、前記カーソルがジャンプするときを検出するステップと、
前記検出されたジャンプに応答して、前記第1のフライトディスプレイおよび前記第2のフライトディスプレイのうちの少なくとも1つの上に、前記第2の位置の方向へ向けられたコメットテイルを表示するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記コメットテイルが、前記第1のフライトディスプレイおよび前記第2のフライトディスプレイの両方の上に表示される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記コメットテイルが、前記第1の位置と前記第2の位置との間に延在する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記コメットテイルが、前記第1の位置と前記第2の位置との間に延在する線に沿って位置付けられる、請求項1乃至3記載の方法。
【請求項5】
前記カーソルが、前記第1のフライトディスプレイと前記第2のフライトディスプレイとの間に位置付けられた第3のフライトディスプレイを超えてジャンプする、請求項1乃至4記載の方法。
【請求項6】
前記第3のフライトディスプレイが、第2のパイロットの第2のカーソルを含んでいないときは、前記コメットテイルが、前記第3のフライトディスプレイを横切って表示される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記コメットテイルを表示する前記ステップは、前記カーソルの移動方向を視覚的に示す像を表示するステップを含む、請求項1乃至6記載の方法。
【請求項8】
前記像を表示する前記ステップは、
a)完全な前記像をすべて一度に表示するステップと、
b)前記像の一部分を連続的に表示するステップと、
c)前記像の一部分を連続的に取り除くステップと
のうちの少なくとも1つのステップを含む、請求項1乃至7記載の方法。
【請求項9】
前記像を表示する前記ステップは、
a)表示される前記像をフラッシュさせるステップと、
b)表示される前記像を次第に暗くするステップと、
c)表示される前記像を次第に明るくするステップと、
d)表示される前記像を移動方向に変化させるステップと
のうちの少なくとも1つのステップをさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記コメットテイルは一時的に表示される、請求項1乃至9記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【公開番号】特開2013−12199(P2013−12199A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−142553(P2012−142553)
【出願日】平成24年6月26日(2012.6.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】