説明

複数の個別プリント基板を含むプリント基板

【課題】 実装工程の作業効率を改善できるプリント基板を提供すること。1枚のプリント基板により多くの個別プリント基板を構成できるプリント基板を提供すること。
【解決手段】 プリント基板10には、90度回転させた際に部品の実装構成が変わらないように、隣接する他の個別プリント基板に対して90度回転された状態で、個別プリント基板11A〜11Dが配置されている。個別プリント基板11Aの短辺は個別プリント基板11Bの長辺に隣接し、個別プリント基板11Bの短辺は個別プリント基板11Cの長辺に隣接し、個別プリント基板11Cの短辺は個別プリント基板11Dの長辺に隣接し、個別プリント基板11Dの短辺は個別プリント基板11Aの長辺に隣接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に関し、詳細には複数の個別プリント基板が構成されるプリント基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器には様々なプリント基板が使用されており、最近、電子部品の小型化に伴い、非常に小さいプリント基板が使用されるようになってきている。小さいプリント基板を使用する場合、コストおよび製造工数を削減するため、複数のプリント基板(以下、これらを個別プリント基板という)を組み合わせたプリント基板を使用することにより、複数の個別プリント基板に同時に部品を実装する方法が採られている。具体的には、複数の個別プリント基板から構成されるプリント基板に部品を実装するためのプログラムが自動実装装置にインストールされており、自動実装装置を用いてプリント基板に部品を実装した後、各個別プリント基板を切り離す。
【0003】
一般的に、複数の個別プリント基板を組み合わせて1枚のプリント基板を構成する場合、複数の個別プリント基板は、長辺同士、短辺同士をそれぞれ隣接させ、各個別プリント基板の方向を揃える(つまり、各個別プリント基板同士が平行になるような)形で配置される。例えば、図6に示すように、プリント基板60に、2枚の個別プリント基板61が、その長辺同士が隣接するように配置されている。
【0004】
図6のプリント基板60は、矢印A方向から見た場合と、矢印B方向から見た場合とでは、プリント基板60の部品実装構成が異なる。そのため、自動実装装置にプリント基板60を搭載する際に、プリント基板60の方向を一致させる必要があり、作業効率が非常に悪化する。例えば、自動実装装置にA方向で部品を実装するプログラムをインストールしている場合には、必ずA方向にプリント基板60を自動実装装置に搭載する必要がある。誤ってB方向にプリント基板60を自動実装装置に搭載した場合に、部品実装エラーとなり不良品となるか、あるいは、自動実装装置の動作が途中で停止してしまう。
【0005】
さらに、1枚のプリント基板60により多くの個別プリント基板61を構成することがコストおよび製造工数の削減のために望まれている。例えば、図6のプリント基板60は1辺が245mmの略正方形であり、個別プリント基板61は長辺が138mm、短辺が87mmの略長方形であるとする。この場合、個別プリント基板61は図6に示すとおり、プリント基板60に最大2枚しか構成することができない。長辺138mmを2倍すると276mmとなりプリント基板60の1辺245mmを上回り、短辺87mmを3倍すると268mmとなりプリント基板60の1辺245mmを上回るからである。従って、この構成では捨て基板(個別プリント基板61として使用されない部分)の面積が非常に大きくなる。個別プリント基板構成比率(プリント基板60の面積に対する個別プリント基板61の面積の比率)は、40%((138mm×87mm×2枚)/(245mm×245mm))となり、捨て基板の面積が非常に大きくなってしまう。
【0006】
なお、上記のように最大2枚しか個別プリント基板を構成できないプリント基板60の一般的な寸法は、個別プリント基板61の長辺をp、短辺をq、プリント基板60の1辺をrとすると、p<r<2p、かつ、2q<r<3qとなる場合である。なお、上記のようにプリント基板の寸法が制限される理由は以下の通りである。プリント基板の品番切替時に自動実装装置やハンダディップ機のレール幅を変更せずに一定で使用可能とするため、プリント基板の一辺を一定寸法にする方法が一般的に採用されているからである。例えば、一辺が245mmのプリント基板であれば、245mmを上記レール幅として、他の品番もそれに合わす必要がある。こうすることにより、品番切替時にレール幅を変更しなくて済むので、自動実装装置やハンダディップ機を停止せずに済み、工数を上げることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2000−223796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、実装工程の作業効率を改善できるプリント基板を提供することである。本発明のもう1つの目的は、1枚のプリント基板により多くの個別プリント基板を構成できるプリント基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の好ましい実施形態のプリント基板は、複数の個別プリント基板を含み、90度回転させた際にプリント基板全体の部品の実装構成が同一であるように、該個別プリント基板の各々が配置されている。
【0010】
好ましい実施形態のプリント基板は、長辺および短辺を有する個別プリント基板を少なくとも4枚以上含み、90度回転させた際にプリント基板全体の部品の実装構成が同一であるように、該個別プリント基板の各々が配置されている。
【0011】
90度回転させてもプリント基板全体の部品の実装構成が同一であるので、従来のようにプリント基板の方向を一致させて自動実装装置にプリント基板を搭載する必要がない。そのため、作業効率が格段に向上する。プリント基板の方向性がないので、誤って異なる方向にプリント基板を搭載して、部品実装の不良が発生すること、あるいは、自動実装工程が途中で停止してしまうことを防止することができる。4枚以上の個別プリント基板を略正方形のプリント基板に配するので、90度回転させてもプリント基板全体の部品の実装構成が変わらないように各個別プリント基板を配置することができる。
【0012】
好ましい実施形態においては、上記個別プリント基板は、隣接する該他の個別プリント基板に対して90度回転された状態で配置されている。
【0013】
ある個別プリント基板は、隣接する他の個別プリント基板に対して90度回転された状態に配置される。そのため、プリント基板を90度回転させた際に、プリント基板全体の部品の実装構成を同一にできる。また、このように個別プリント基板を配置することで、略正方形のプリント基板に対して多くの個別プリント基板を構成することができる。個別プリント基板を組み合わせた形状の外周が略正方形になるからである。そのため、コストおよび作業効率を改善することができる。
【0014】
好ましい実施形態においては、上記個別プリント基板は、短辺が該他の個別プリント基板の長辺に隣接するように配置されている。
【0015】
ある個別プリント基板の短辺は、他の個別プリントの長辺に隣接する。そのため、プリント基板を90度回転させた際に、プリント基板全体の部品の実装構成同一にすることができる。さらに、このように個別プリント基板を配置することで、略正方形のプリント基板に対して多くの個別プリント基板を構成することができる。そのため、コストおよび作業効率を改善することができる。
【0016】
好ましい実施形態においては、上記プリント基板は、第1〜第4の個別プリント基板を含む。該第1の個別プリント基板の短辺が該第2の個別プリント基板の長辺に隣接し、該第2の個別プリント基板の短辺が該第3の個別プリント基板の長辺に隣接し、該第3の個別プリント基板の短辺が該第4の個別プリント基板の長辺に隣接し、該第4の個別プリント基板の短辺が該第1の個別プリント基板の長辺に隣接する。該第1〜該第4の個別プリント基板の部品の実装構成が全て同一である。
【0017】
例えば、プリント基板全体を時計方向に90度回転させた場合、第1の個別プリント基板は第2の個別プリント基板の位置に、第2の個別プリント基板は第3の個別プリント基板の位置に、第3の個別プリント基板は第4の個別プリント基板の位置に、第4の個別プリント基板は第1の個別プリント基板の位置に、それぞれ移動する。ここで、第1〜第4の個別プリント基板の部品の実装構成は全て同一であるので、プリント基板を90度回転させた場合に、プリント基板全体の部品の実装構成を同一にすることができる。
【0018】
好ましい実施形態においては、上記第1〜前記第4の個別プリント基板の外周に、さらに複数の個別プリント基板が配置されている。
【0019】
プリント基板を90度回転させた際に、プリント基板全体の部品の実装構成が同一であるように、第1〜第4の個別プリント基板の外周に個別プリント基板をさらに配置することにより、1枚のプリント基板により多くの個別プリント基板を構成することができる。捨て基板が、第1〜第4の個別プリント基板の内周部分と、最外周の個別プリント基板の外周部分のみになり、捨て基板の面積比率が非常に小さくなるからである。
【0020】
本発明の別の好ましい実施形態のプリント基板は、長辺および短辺を有する個別プリント基板を少なくとも4枚以上含み、該個別プリント基板の各々が、短辺が該他の個別プリント基板の長辺に隣接するように配置されている。
【0021】
各個別プリント基板が、短辺が他の個別プリント基板の長辺に隣接するように配置されることにより、各個別プリント基板によって規定される外周形状は略正方形になる。従って、各個別プリント基板の外周によって規定される正方形よりも面積が大きい略正方形のプリント基板に、少なくとも4枚の個別プリント基板を構成することができる。言い換えると、個別プリント基板の短辺と長辺との和がプリント基板の1辺より小さいことにより、プリント基板に少なくとも4枚の個別プリント基板を構成できる。従って、従来(2枚しか個別プリント基板を構成できないプリント基板)に比べてより多くの個別プリント基板を構成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のプリント基板は、90度回転させた場合に、プリント基板全体の部品の実装構成が同一であるように個別プリント基板の各々が配置されているので、自動実装工程においてプリント基板の方向を一致させる必要がない。そのため、実装工程における作業効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本発明の好ましい実施形態によるプリント基板10を示す概略図である。プリント基板10は、複数の個別プリント基板11A〜11Dおよび捨て基板12A,12Bを含む。プリント基板10は、複数の個別プリント基板が組み合わされた基板であり、このプリント基板10単位で部品(例えば、IC、抵抗、コンデンサ等)が実装される。個別プリント基板は、プリント基板から切り離されて実際に電子機器等に使用される基板である。個別プリント基板は、本例では、長辺および短辺を含む略長方形である(完全な長方形である必要はなく、用途に応じて一部が切り欠かれていてもよく、角が曲線状であってもよい)。
【0024】
プリント基板10には、好ましくは、プリント基板10の中心13に対して、90度回転させた場合に、プリント基板10全体の部品の実装構成(部品の並び)が同一であるように(90度の回転対称または4回の回転対称という)、個別プリント基板が配置される。すなわち、矢印A〜Dのいずれの方向から見てもプリント基板10全体の実装構成が同じである。言い換えると、矢印A〜Dの4方向に対して、プリント基板10は方向性を有しない。
【0025】
プリント基板10は略正方形であり、90度の回転対称の基板である。そのため、プリント基板10のA〜D方向における方向性をなくすことができる。本例では各個別プリント基板の部品の実装構成は全て同一であり、代表的には少なくとも4枚以上配される。個別プリント基板11A〜11Dは、隣接する個別プリント基板がプリント基板10の中心13を中心点としてそれぞれ90度回転された状態になるよう配置される。例えば、個別プリント基板11Aは個別プリント基板11Dを時計方向に90度回転された状態、個別プリント基板11Bは個別プリント基板11Aを時計方向に90度回転された状態、個別プリント基板11Cは個別プリント基板11Bを時計方向に90度回転された状態、個別プリント基板11Dは個別プリント基板11Cを時計方向に90度回転された状態である。従って、例えば、プリント基板10を時計方向に90度回転させた場合に、個別プリント基板11Aは個別プリント基板11Bの位置になる。ここで、個別プリント基板11A〜11Dの部品の実装構成が同一であるので、プリント基板10全体の部品の実装構成は変わらない。
【0026】
個別プリント基板11A〜11Dは、その短辺が、他の個別プリント基板の長辺に隣接するように配置される。具体的には、個別プリント基板11Aの短辺(a側)は個別プリント基板11Bの長辺に隣接し、個別プリント基板11Bの短辺(a側)は個別プリント基板11Cの長辺に隣接し、個別プリント基板11Cの短辺(a側)は個別プリント基板11Dの長辺に隣接し、個別プリント基板11Dの短辺(a側)は個別プリント基板11Aの長辺に隣接する。好ましくは、個別プリント基板11A〜11Dは、その外周形状が略正方形になるように配置されている。すなわち、矢印A方向から見た場合に、個別プリント基板11Aの長辺(外周側)と個別プリント基板11Bの短辺(b側)とが略一直線状になっている。矢印B〜D方向から見た場合についても同様である。このように配置することにより、詳細を後述するように、個別プリント基板構成比率が増加し、捨て基板の面積比率を減少することができる。
【0027】
上記構成のプリント基板10に部品を実装する際には、まず、カートリッジ内に複数のプリント基板10を収納し、自動実装装置のプリント基板の供給側に取り付ける。自動実装装置は、基板搬送用の基板誘導レールにプリント基板10を1枚ずつ引き込む。ここで、本実施形態のプリント基板10は、90度の回転対称に構成されているので、カートリッジ内にプリント基板を収納する際に、プリント基板10毎にその収納方向を一致させる必要がない。そのため、作業効率がきわめて良好に向上する。プリント基板10は、レール上を搬送されて、以下の工程が実行される。まず、半田印刷のマスクをプリント基板10に当て、スクリーン印刷の要領でプリント基板10上の実装部品の電極接合部にクリーム半田を塗布する(半田塗布工程)。プリント基板10の部品実装位置にノズルからの射出により接着剤を塗布する(接着剤塗布工程)。部品搭載機によりプリント基板10の部品実装位置に部品を搭載する(部品実装工程)。リフロー炉内部の熱風等により実装部品の接続電極部とクリーム半田とを接合する(リフロー工程)。最後に、個別プリント基板11A〜11Dをそれぞれ切り離す(切り離し工程)。なお、個別プリント基板11A〜11D(つまり、プリント基板10全体)が1回の各工程において同時に部品実装されるよう、自動実装装置にプログラムがインストールされている。以上のように、プリント基板10は90度の回転対称であり、矢印A〜D方向について方向性が存在しないので、カートリッジ内にプリント基板10を収納する際にその方向を一致させる必要がなく、作業効率が向上し、かつ、正確に部品を実装することができる。
【0028】
次に、実際の寸法を用いて図1のプリント基板10の実施例について説明する(本発明はこれらの寸法には特に限定されない)。プリント基板10は、1辺が245mmの略正方形である。個別プリント基板11A〜11Dはそれぞれ長辺が138mm、短辺が87mmの略長方形である。これらの寸法は、図6のプリント基板60および個別プリント基板61の寸法と同じである。図1の構成では、ある個別プリント基板(例えば、11A)の長辺と別の個別プリント基板(例えば、11B)の短辺とを組み合わせても、長辺と短辺の寸法の合計が225mmであるので、1辺が245mmのプリント基板10に収まることがわかる。そのため、図6の構成では2枚の個別プリント基板しか構成することができないが、本例では1枚のプリント基板10に4枚の個別プリント基板を構成することができる。個別プリント基板構成比率(プリント基板10の面積に対する個別プリント基板11A〜11Dの面積の比率)は、80%((138mm×87mm×4枚)/(245mm×245mm))である。図6の構成と比較して、個別プリント基板構成比率が非常に大きくなっている。従って、個別プリント基板11A〜11Dとして使用されない捨て基板12A,12Bの面積を非常に小さくすることができる。
【0029】
図1のように4枚の個別プリント基板を構成するために必要なプリント基板10の一般的な寸法は、個別プリント基板の長辺をp、短辺をq、プリント基板10の1辺をrとすると、p+q<rとなることである。p+qがrに近い方が、個別プリント基板構成比率を大きくすることができる。
【0030】
なお、図1の構成において、捨て基板12Aの代わりに、90度の回転対称の個別プリント基板を設けることもできる。この個別プリント基板は、個別プリント基板11A〜11Dと異なるプリント基板である。
【0031】
次に、別の好ましい実施形態について図2を用いて説明する。プリント基板20は、図1のプリント基板10(個別プリント基板11A〜11D)をプリント基板20の中心13を中心点として、90度の回転対称になるように4組配置したものである。この場合も、図1の構成と同様に、部品実装工程において、カートリッジにプリント基板20を収納する際に、その方向を一致させる必要がない。従って、作業効率が向上し、かつ、正確に部品を実装することができる。
【0032】
1枚のプリント基板20に対して、16枚の個別プリント基板11A〜11Dが配置される。すなわち、このような構成で図1のプリント基板10を90度回転対称になるよう複数組み合わせる場合、4n枚(nは自然数)の個別プリント基板が配置される。図1の構成ではn=1であり、図2の構成ではn=2である。個別プリント基板構成比率は、プリント基板20の面積が図1のプリント基板10の4倍である場合には、図1の構成と同じになる。一方、プリント基板20の外周の捨て基板12Bの幅が図1と同じ10mmである場合には、各プリント基板10同士が隣接する部分の捨て基板が不要であるので、その分だけ個別プリント基板構成比率を増加することができる。
【0033】
次に、さらに別の好ましい実施形態について図3を用いて説明する。プリント基板30は、個別プリント基板11A〜11Dの外周にさらに8枚の個別プリント基板31A〜31Hが、プリント基板30の中心13を中心点として、90度回転対称になるように配置されている。個別プリント基板11A〜11Dの外周とは、個別プリント基板11A〜11Dによって形成される形状(略正方形)の外周を意味する。個別プリント基板31A〜31Hは部品実装構成が全て同一であってもよいが、隣接する個別プリント基板とは異なり、1つ隔てた個別プリント基板と同じであってもよい。すなわち、少なくとも、個別プリント基板31A,31C,31E,31Gが各々同一の部品実装構成で、個別プリント基板31B,31D,31F,31Hが各々同一の部品実装構成であれば、90度回転対称にすることができる。つまり、90度回転させた際に、移動する位置に配置された個別プリント基板同士の部品実装構成が同一であればよい。個別プリント基板31A〜31Hの部品実装構成が全て同一である場合、それらは個別プリント基板11A〜11Dの部品実装構成と同一であっても異なっていてもよい。
【0034】
プリント基板30は、必要に応じて、個別プリント基板31A〜31Hの外周に12枚の個別プリント基板32A〜32Lが90度回転対称になるように配置されている。個別プリント基板32A〜32Lの部品実装構成は全て同一であってもよいが、隣接する個別プリント基板および1つ隔てた個別プリント基板とは異なり、2つ隔てた個別プリント基板と同じであってもよい。すなわち、少なくとも、個別プリント基板32A,32D,32G,32Jの部品実装構成が各々同一で、個別プリント基板32B,32E,32H,32Kの部品実装構成が各々同一で、個別プリント基板32C,32F,32I,32Lの部品実装構成が各々同一であれば、90度回転対称にすることができる。個別プリント基板32A〜32Lの部品実装構成が全て同一である場合、それらは個別プリント基板11A〜11Dおよび/または31A〜31Hの部品実装構成と同一であっても異なっていてもよい。
【0035】
図3の構成でも、図1の構成と同様に、部品実装工程において、カートリッジにプリント基板30を収納する際に、その方向を一致させる必要がない。従って、作業効率が向上し、かつ、正確に部品を実装することができる。外周の捨て基板12Bの幅が図1と同じ10mmである場合、個別プリント基板の枚数を増加させても、中心部の捨て基板12Aの枚数は増加しないので、個別プリント基板構成比率を図1および図2に比べて増加することができる。
【0036】
次に、さらに別の好ましい実施形態について図4を用いて説明する。プリント基板40は、図1に示すプリント基板10(個別プリント基板11A〜11D)を90度の回転対称になるように9枚配置し、その外周に個別プリント基板41A〜41Tを90度の回転対称になるように配置したものである。さらに、その外周に個別プリント基板42A〜42Xが90度の回転対称になるように配置されている。従って、図1の場合と同様に、90度回転させた場合にもプリント基板40全体の実装構成が同一である。
【0037】
次に、さらに別の好ましい実施形態について図5を用いて説明する。プリント基板50は、図1のプリント基板10と異なり、個別プリント基板51A〜51Dが略正方形である。そして、隣接する個別プリント基板がプリント基板50の中心点を中心にしてそれぞれ90度回転された形で配置されている。従って、図1の場合と同様に、90度回転させた場合にもプリント基板50全体の実装構成が同一である。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、図3の構成において、個別プリント基板11A〜11Dが存在せず、個別プリント基板31A〜31Hのみから構成されるプリント基板でもよい。さらに、図3の構成において、個別プリント基板31A,31Bが一体であり、31C,Dが一体であり、31E,Fが一体であり、31G,Hが一体であってもい。この場合、これらの4枚の個別プリント基板の部品実装構成は全て同一である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、アンプ、DVDプレーヤ等の各種電子機器に使用されるプリント基板およびそのプリント基板への電子部品実装方法に好適に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるプリント基板10を示す概略図である。
【図2】本発明の別の好ましい実施形態によるプリント基板20を示す概略図である。
【図3】本発明の別の好ましい実施形態によるプリント基板30を示す概略図である。
【図4】本発明の別の好ましい実施形態によるプリント基板40を示す概略図である。
【図5】本発明の別の好ましい実施形態によるプリント基板50を示す概略図である。
【図6】従来のプリント基板40を示す概略図である。
【符号の説明】
【0041】
10、20、30、40、50 プリント基板
11A〜11D 個別プリント基板
31A〜31H、32A〜32L 個別プリント基板
41A〜41T、42A〜42X 個別プリント基板
51A〜51D 個別プリント基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の個別プリント基板を含み、
90度回転させた際にプリント基板全体の部品の実装構成が同一であるように、該個別プリント基板の各々が配置されている、プリント基板。
【請求項2】
長辺および短辺を有する個別プリント基板を少なくとも4枚以上含み、
90度回転させた際にプリント基板全体の部品の実装構成が同一であるように、該個別プリント基板の各々が配置されている、プリント基板。
【請求項3】
前記個別プリント基板が、隣接する該他の個別プリント基板に対して90度回転された状態で配置されている、請求項1または2に記載のプリント基板。
【請求項4】
前記個別プリント基板が、短辺が該他の個別プリント基板の長辺に隣接するように配置されている、請求項2に記載のプリント基板。
【請求項5】
前記プリント基板が、第1〜第4の個別プリント基板を含み、
該第1の個別プリント基板の短辺が該第2の個別プリント基板の長辺に隣接し、
該第2の個別プリント基板の短辺が該第3の個別プリント基板の長辺に隣接し、
該第3の個別プリント基板の短辺が該第4の個別プリント基板の長辺に隣接し、
該第4の個別プリント基板の短辺が該第1の個別プリント基板の長辺に隣接し、
該第1〜該第4の個別プリント基板の部品の実装構成が全て同一である、請求項4に記載のプリント基板。
【請求項6】
前記第1〜前記第4の個別プリント基板の外周に、さらに複数の個別プリント基板が配置されている、請求項5に記載のプリント基板。
【請求項7】
長辺および短辺を有する個別プリント基板を少なくとも4枚以上含み、
該個別プリント基板の各々が、短辺が該他の個別プリント基板の長辺に隣接するように配置されている、プリント基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−179535(P2006−179535A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−368441(P2004−368441)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】