説明

計量装置

【課題】振動搬送に適していない粘着性のある生成物を、確実に搬送する。
【解決手段】計量された生成物の送り込み部と、前記送り込み部から計量システムへ生成物の一部を制御して搬送するための、少なくとも1つの投与機構3と、を備えた計量装置。投与機構3は、送り込み部から計量システムへ生成物を搬送するためのオープントラフの中に位置している、螺旋形状のロッドとして形成された、モータ駆動の輸送スクリュー5と、所望量の生成物を計量システムに搬送するためのモータを制御するための制御ユニットと、を備えている。この計量装置は、振動搬送又は管状のハウジング内のスクリューコンベヤーによる搬送に適さない生成物の、緩やかな、明確な搬送の提供を可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多頭秤のような計量装置に関するものであり、この装置は、計量される生成物の、送り込み部又は貯蔵ホッパー(両方とも送り込み部と名付ける)と、上記送り込み部から計量システムへ生成物の一部を制御して搬送するための、少なくとも1つの投与機構と、を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
このような計量装置においては、送り込み部から計量システムに生成物を搬送するためのトラフとして位置づけられた振動皿を備えた投与又は計量機構を使用すること、及び、計量システムへ所望量の生成物を搬送するために、振動の時間及び強度を制御すること、が知られている。このような計量装置は、十分に安定しており且つ組織的な方法で、生成物を振動によって搬送することができる限り、広範囲の生成物に使用することができる。計量システムに所望量の生成物を搬送するための別の方法は、管状のハウジング内に、スクリューコンベヤーを設けることであり、それは、例えば、欧州特許第1439379号明細書で知られているように、粒状又は粉状の物質を制御して輸送するのに適している。しかし、通常のスクリューコンベヤーは、生成物に比較的大きな機械的影響を与える。しかし、そのような機械的影響は、敏感な生成物に関しては、避けるべきである。このため、敏感な、粘着性のある、及び/又は、曲がりやすい、生成物、例えば、鶏肉、魚、新鮮な肉、マリネにした肉、及びそれらに相当するゴツゴツした及び/又は粘着性のある材料に関して、振動及びスクリューコンベヤーによる生成物の搬送は、十分に安定でなく、明確でなく、及び穏やかでなく、そのため、このようなタイプの生成物の所要の搬送方法として提供されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の目的は、振動搬送に適していない生成物の明確な搬送を提供できる、上述したような計量装置を提供することであり、この目的は、粘着性のある及び/又は曲がりやすい、生成物、例えば、新鮮な肉、マリネにした肉、鶏肉、魚、及びそれらに相当するゴツゴツした及び/又は粘着性のある材料、を計量するための、計量装置によって、達成される。本発明のそれは、請求項1に記載の特徴を備えている。上記装置は、螺旋形状のロッドとして形成された、モータ駆動の輸送スクリューを、備えており、そのスクリューは、生成物が、粘着性のある及び/又は曲がりやすい、又は、その他の理由で、振動搬送に適していないものであっても、送り込み部から計量システムへ生成物の明確な搬送を提供する。
【0004】
オープントラフにおけるスクリューの位置決めは、生成物に大きな機械的影響又は圧力を与えることなく、緩やかな搬送を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】生成物の送り込み部及び18個のモータ駆動の輸送スクリューの上面図であり、輸送スクリューは、生成物を送り込み部から計量システム(図示せず)へ搬送するための、トラフの中に位置している。
【図2】図1に示される装置のA−A断面図を示している。
【図3】モータと輸送スクリューとの間の結合部の例を示す、図2の詳細を、示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書の下記の詳細な説明の部分において、本発明は、図に示された本発明の計量装置の望ましい実施形態に関連して、より詳細に説明される。
【0007】
図1に示された装置は、送り込み部1を備えており、送り込み部1は、送り込み部1の外周に沿って対称的に位置している18個の投与機構3を有している。それぞれの投与機構3は、トラフ4を備えており、螺旋形状のロッドの形の輸送スクリュー5が、中に位置しており、モータ7(図3参照)によって駆動されている。コア6は、輸送スクリュー5と同軸上に位置しており、任意のものと考えられており、輸送スクリュー5の内径よりも小さい直径を有している。
【0008】
図2の断面図で示された送り込み部1は、送り込み部1の外壁12に向かって生成物を分配する、円錐形の中央底部2を、備えている。送り込み部の円錐形の中央底部2は、送り込み部の外壁12から少し離れて終わっており、それらの間で、生成物が、個々のトラフ4の中に落ちる。個々のトラフ4の中では、輸送スクリュー5及び可能なコア6が、トラフ4の端部の下方に位置している計量システムに、生成物を制御された量だけ搬送するための制御された方法で、生成物を送り込み部1から搬出するよう、位置づけられている。
【0009】
好ましくは、螺旋形状のロッドは、生成物の緩やかな輸送を改良するために、その長さに沿って増加するピッチを有している。
【0010】
図3に示すように、モータ7と輸送スクリュー5との間の結合部は、ブッシング8を備えており、ブッシング8の上には、輸送スクリュー5が、例えば溶接によって、恒久的に結合されており、又は、前記ブッシング8は、存在する場合には、コア6の中に一体化されることも可能である。ブッシング8は、モータ駆動軸へ無回転結合を提供するピン9と、例えばスプリング及びボールによって与えられる、クリック結合機構10と、を備えている。前記ボールは、モータ軸の中に設けられた凹部内に押し込められている。
【0011】
トラフ4から内部モータ区画内への生成物の漏出を避けるために、シーリング11が、モータ軸とトラフ4の後壁との間に設けられている。
【0012】
モータ7の台及び前記モータの軸のための任意で準備される追加のベアリングは、従来方法で設けられており、ここでは詳細な説明を必要としない。
【0013】
生成物と接触する構成部品は、ステンレス鋼でできていることが好ましいが、他の理由で、他の材料、例えば、プラスチック材料等、を選択することは可能である。
【0014】
図示の装置は、以下のとおり作動する。計量される生成物は、前記送り込み部1における生成物をほぼ一定量に保つために、制御された方法で、送り込み部1に搬送される。生成物は、送り込み部の円錐形の中央底部2によって、個々の投与機構3に分配される。生成物を個々のトラフ4の中に導くために、投与機構3の個々のトラフ4の間に、適切な傾斜面を設けることができる。投与機構3は、計量装置の全体制御による信号によって、既定量の生成物を、関連している計量システムに搬送する。制御された明確な分量が、制御された時間の間、モータ7の制御された速度によって搬送される。投与を最適化するために、搬送分量のその後の計量が、個々の投与機構3の各々からの生成物の投与を調整するために、時間及び/又はモータ速度を調整するのに、使用される。
【0015】
輸送スクリュー5の回転速度の標準値は、10〜100回転/分であり、運転時間の標準時間は、50〜2000msである。
【0016】
次の計量、及び、最終分量への投与された部分量の組み合わせは、既定数の投与量と計量された部分量との組み合わせによって、最終分量の所望量に、できるだけ近くなるようにされるが、これは、既存の技術からよく知られており、より詳細に説明する必要はないことである。
【0017】
上述のとおり、本発明は、図に示すような、その具体的な実施形態に関連して、記載及び説明されているが、多くの変形が、請求項から逸脱することなく、当業者にとって明らかである。そのような当然の逸脱の中には、その他の数の投与機構3、より小さい直径を有するコア6を設けること又はコア6を完全に取り除くこと、及び、コア6が図に示した円筒形とは異なる外形を備えている可能性、がある。更に、コアは、輸送スクリュー5と同調して回転する代わりに、輸送スクリュー5が回転している間、静止していてもよい。また、トラフ4が通って延びている、送り込み部1の側面12の開口が、投与機構3によって搬送される生成物に適合するようになっていなければならないことは、明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着性のある及び/又は曲がりやすい、生成物、例えば、新鮮な肉、マリネにした肉、鶏肉、魚、及びそれらに相当するゴツゴツした及び/又は粘着性のある材料を、計量する、計量装置であって、
計量される生成物のための送り込み部と、
前記送り込み部から計量システムへ生成物の一部を制御して搬送するための、少なくとも1つの投与機構と、を備えており、
前記投与機構が、モータ駆動の輸送スクリューと、制御ユニットと、を備えており、
前記輸送スクリューが、生成物を送り込み部から計量システムへ搬送するための、オープントラフの中に位置し、螺旋形状のロッドとして形成されており、
前記制御ユニットが、所望量の生成物を計量システムへ搬送するために、モータを制御する、ことを特徴とする計量装置。
【請求項2】
前記螺旋形状のロッドが、その長さに沿って増加するピッチを有している、請求項1記載の計量装置。
【請求項3】
輸送スクリューの内部に位置するコアを更に備え、前記コアが、輸送スクリューの内径より小さい又は同じである、直径を、有している、請求項1又は2に記載の計量装置。
【請求項4】
前記コアが、ほぼ円筒形である、請求項3記載の計量装置。
【請求項5】
前記コアが、輸送スクリューと同調して回転する、請求項3又は4に記載の計量装置。
【請求項6】
前記コアが、静止し続けている、請求項3又は4に記載の計量装置。
【請求項7】
前記コアが、溝付きの外表面を有している、請求項3〜6のいずれか1つに記載の計量装置。
【請求項8】
前記コアが、異なる生成物を搬送するための、及び/又は、異なる搬送速度を与えるための、種々の直径を、助長するために交換可能である、請求項3〜7のいずれか1つに記載の計量装置。
【請求項9】
前記トラフが、輸送スクリューの外径に、相当する又はそれより大きい、直径を備えた、円筒形を有する底部を、備えている、請求項1〜8のいずれか1つに記載の計量装置。
【請求項10】
前記トラフが、送り込み部の側面にある開口を通って延びている、請求項9記載の計量装置。
【請求項11】
前記送り込み部が、円錐形の中央底部を備えており、該底部は、生成物を、円錐底部の周囲に円状に位置している幾つかの投与機構に対し、放射状に外側に導いている、請求項1〜10のいずれか1つに記載の計量装置。
【請求項12】
輸送スクリューを駆動するモータが、送り込み部の円錐底部の下に位置している、請求項11記載の計量装置。
【請求項13】
輸送スクリュー及び存在する場合にはコアと、モータと、の間の結合が、輸送スクリュー及び/又はコアを、容易に、組み立て、分解、清掃、及び交換するための、クリップオン機構を、備えている、請求項1〜12のいずれか1つに記載の計量装置。
【請求項14】
前記モータが、コントローラによって、速度及び運転時間が制御されている、請求項1〜13のいずれか1つに記載の計量装置。
【請求項15】
前記コントローラが、生成物の一部の重量の情報を受けるよう接続されており、それに基づいて、速度及び/又は運転時間を調整するよう構成されている、請求項14記載の計量装置。
【請求項16】
前記装置が、2〜40個の投与機構、例えば2〜4個、4〜8個、8〜16個、16〜40個、例えば10〜20個、20〜40個、好ましくは16個又は18個の、投与機構を、備えている、請求項1〜15のいずれか1つに記載の計量装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−181195(P2012−181195A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−72033(P2012−72033)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【分割の表示】特願2007−557332(P2007−557332)の分割
【原出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(506081644)キャビンプラント・インターナショナル・アクティーゼルスカブ (3)
【氏名又は名称原語表記】Cabinplant International A/S
【Fターム(参考)】