説明

記録機器セットおよびホルダー

【課題】記録機器を固定する際の記録機器本体にかかる負荷を抑制することができる、記録機器セットおよびホルダーを提供する。
【解決手段】外部機器に電気的に接続するUSB端子5および筐体2を有する録音機器1と、録音機器1の姿勢を維持するホルダー11とを備えている。筐体2は、内部にUSB端子5を収納する収納部10、および、USB端子5を外部に突出可能とする開口部を有している。ホルダー11は、録音機器1が所定の姿勢で取付けられる取付部18を含む。取付部18は、USB端子5のプラグ6の外形と嵌合する内壁を有する嵌合部19を含む。嵌合部19は、開口部と嵌合可能な外壁を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録機器セットおよびホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、本体内部に収納できるスライド式のUSB(Universal Serial Bus)端子を採用することにより、ケーブルを介することなくPC(personal computer)との直接接続が可能な記録機器が開発されている。
【0003】
これらの記録機器の姿勢を維持して被固定部材に固定するホルダーを開示した先行文献として、非特許文献1がある。非特許文献1に記載されたホルダーは、ゴム製のクリップと三脚取付部とを有しており、ホルダー本体を三脚取付部により三脚に取付けて、クリップで記録機器本体を挟持することにより、三脚に記録機器を取付けることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ケータイWatch、[online]、[2009年12月11日検索]、インターネット<URL:http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/todays_goods/34256.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に記載されたホルダーにおいては、クリップで記録機器本体を挟持しているため、記録機器本体に負荷がかかり変形することがある。また、記録機器本体の表面には種々の操作ボタンが設けられているため、クリップで記録機器本体を挟持させることができないこともある。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであって、記録機器を固定する際の記録機器本体にかかる負荷を抑制することができる、記録機器セットおよびホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に基づく記録機器セットは、外部機器に電気的に接続する接続端子および筐体を有する記録機器と、記録機器の姿勢を維持するホルダーとを備えている。筐体は、内部に接続端子を収納する収納部、および、接続端子を外部に突出可能とする開口部を有している。ホルダーは、記録機器が所定の姿勢で取付けられる取付部を含む。取付部は、接続端子の外形と嵌合する内壁を有する嵌合部を含む。嵌合部は、開口部と嵌合可能な外壁を有する。
【0008】
上記の構成により、ホルダーにおいては、記録機器の接続端子および記録機器の筐体の開口部に嵌合する嵌合部を有する取付部に記録機器を取付けるため、記録機器を固定する際に記録機器本体にかかる負荷を抑制することができる。
【0009】
本発明に基づくホルダーは、外部機器に電気的に接続する接続端子を収納する収納部およびこの接続端子の突出用開口部が形成された筐体を有する記録機器の姿勢を維持するホルダーである。ホルダーは、記録機器を所定の姿勢で取付けられる取付部を備えている。取付部は、接続端子の外形と嵌合する内壁を有する嵌合部を含む。嵌合部は、開口部と嵌合可能な外壁を有する。
【0010】
上記の構成により、記録機器の接続端子および記録機器の筐体の開口部に嵌合する嵌合部を有する取付部に記録機器を取付けるため、記録機器を固定する際に記録機器本体にかかる負荷を抑制することができる。
【0011】
本発明の一形態においては、取付部は、スライドして筐体から突出する接続端子の外形と嵌合する内壁を有する嵌合部を含む。この構成により、記録機器のスライド式接続端子および記録機器の筐体の開口部に嵌合する嵌合部を有する取付部に記録機器を取付けるため、記録機器を固定する際に記録機器本体にかかる負荷を抑制することができる。
【0012】
本発明に基づくホルダーにおいて好ましくは、記録機器を被固定部材に固定する固定部と、固定部と取付部とを連結する連結部とを備えている。連結部は、取付部と固定部とを相対移動可能に連結している。この構成により、記録機器を固定する姿勢を調整することができるとともに、固定された記録機器に外力が作用した際に、取付部と固定部とが相対移動することにより記録機器およびホルダーに外力がそのまま作用することを抑制することができる。
【0013】
本発明に基づくホルダーにおいて好ましくは、連結部は、取付部と固定部とを引き離す方向の過負荷が作用した際に取付部が固定部から離脱するように、取付部と固定部とを連結する。上記の構成により、過負荷により取付部および固定部が破壊することを防止することができる。
【0014】
本発明に基づくホルダーにおいて好ましくは、連結部は、離脱した取付部を固定部に再連結可能に構成されている。上記の構成により、過負荷が作用して分離されたホルダーを再度組立てて利用することができる。
【0015】
本発明に基づくホルダーにおいて好ましくは、連結部は、ボールジョイント構造を有する。上記の構成により、取付部を固定部に対して縦横自在に相対移動させることができるため、記録機器を所望の姿勢で被固定部材に固定することができる。
【0016】
本発明に基づくホルダーにおいて好ましくは、連結部において、固定部と取付部との接触位置に潤滑剤が塗布されている。上記の構成により、連結部の連結が滑らかになり、取付部と固定部とが相対移動した際の音の発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、記録機器の接続端子および記録機器の筐体の開口部に嵌合する嵌合部を有する取付部に記録機器を取付けるため、記録機器を固定する際の記録機器本体にかかる負荷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る録音機器の外観を模式的に示す斜視図である。
【図2】同実施形態に係る録音機器のUSB端子をスライドして外部に突出させた状態を模式的に示す斜視図である。
【図3】同実施形態に係る録音機器のUSB端子をスライドして外部に突出させた状態を録音機器の裏面側から模式的に示す斜視図である。
【図4】同実施形態に係る録音機器のUSB端子を筐体の内部に収納した状態を模式的に示す斜視図である。
【図5】同実施形態に係るホルダーの構成を模式的に示す斜視図である。
【図6】図5のホルダーを矢印VIから見た図である。
【図7】同実施形態において、USB端子を突出させた状態の録音機器をホルダーに取付けた状態を模式的に示す側面図である。
【図8】同実施形態において、USB端子を収納した状態の録音機器をホルダーに取付けた状態を模式的に示す側面図である。
【図9】図8の矢印IXから見た状態を示す図である。
【図10】図9のX−X線矢印方向から見た断面図である。
【図11】同実施形態に係るホルダーにおいて、取付部が固定部から離脱した状態を模式的に示す側面図である。
【図12】同実施形態に係る固定部を下側から見た状態を模式的に示す底面図である。
【図13】(A)は、平面上にホルダーを載置した状態、(B)は、挟持面で被固定部材を挟持した状態、(C)は、固定部の凹部で被固定部材を挟持した状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に基づいた一実施形態における記録機器セットおよびホルダーについて図を参照して説明する。本実施形態においては、記録機器として、接続端子としてスライド式USB端子を有した録音機器について説明するが、記録機器はこれに限られない。記録機器として、たとえば、録画機器などでもよい。接続端子としては、たとえば、SCSI(Small Computer System Interface)インタフェースに対応した端子でもよい。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る録音機器セットに含まれる録音機器の外観を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る録音機器セットに含まれる録音機器1は、たとえばICレコーダなどの録音機器であり、マイク46を備えている。マイク46は、録音機器1の先端の両側面に設けられている。
【0021】
マイク46から入力された音声信号は、ICレコーダに内蔵されたメモリに、デジタル音声信号として記録される。マイク46は、入力感度に指向性を有しているため、音源に対して感度の高い位置にマイク46を配置して固定することが望まれる。本発明の記録機器セットおよびホルダーにおいては、ICレコーダの姿勢を維持することができるため、マイク46を所望の位置に配置して固定することができる。ICレコーダの他にも、たとえば、デジタルカメラなどにも本発明を適用することができる。
【0022】
また、録音機器1は、略直方体形状の筐体2およびスライド式USB端子を有している。筐体2には、表示パネルおよび種々の操作ボタンなどが組み込まれている。筐体2の側端部に、USB端子が突出する開口部を覆う蓋部4が設けられている。
【0023】
図2は、本実施形態に係る録音機器のUSB端子をスライドして外部に突出させた状態を模式的に示す斜視図である。図2に示すように、蓋部4は筐体2と図示しないジョイントにより回転可能に連結されている。具体的には、蓋部4を筐体2の長手方向において筐体2の外側にスライドさせた後、蓋部4を反対側に回転させた状態が、図2に示す状態である。
【0024】
USB端子5は、外部機器に電気的に接続するためのプラグ6およびプラグ6の根本に形成された樹脂製の保護部7を有している。外部機器としては、たとえば、USBインタフェースを備えるPCなどがある。プラグ6は、直方体形状の外形を有している。保護部7は、プラグ6より一回り大きな直方体形状の外形を有している。開口部3は矩形状であり、USB端子5をスライドして外部に突出させた状態において、開口部3と保護部7とは嵌合している。
【0025】
図3は、本実施形態に係る録音機器のUSB端子をスライドして外部に突出させた状態を録音機器の裏面側から模式的に示す斜視図である。図3に示すように、筐体2の裏面には、筐体2の長手方向に延びる長円形状のスライド孔部8が形成されている。スライド孔部8の内部には、保護部7から突出したスライドつまみ9が配置されている。スライドつまみ9は、スライド孔部8に沿って図中の矢印方向にスライドするように設けられている。
【0026】
スライドつまみ9を筐体2の端部側にスライドさせることにより、USB端子5を筐体2の外部に突出させることができる。一方、スライドつまみ9を筐体2の中央側にスライドさせることにより、USB端子5を筐体2の内部に収納させることができる。
【0027】
図4は、本実施形態に係る録音機器のUSB端子を筐体の内部に収納した状態を模式的に示す斜視図である。筐体2には、内部にUSB端子5を収納する収納部10が設けられている。収納部10にUSB端子5が収納された状態においては、開口部3とプラグ6の外形との間に隙間が形成されている。
【0028】
図5は、本実施形態に係るホルダーの構成を模式的に示す斜視図である。図6は、図5のホルダーを矢印VIから見た図である。図5に示すように、本実施形態に係る録音機器セットに含まれるホルダー11は、録音機器1を被固定部材に固定する固定部12と、録音機器1を取付ける取付部18と、固定部12と取付部18とを連結する連結部15とを含む。
【0029】
図5,6に示すように、固定部12は、クリップ構造を有しており、第1固定部材13、第2固定部材14、第1固定部材13と第2固定部材14とを軸支するシャフト25、および、シャフト25に巻き回されたばね26を含む。
【0030】
第1固定部材13は、略直方体形状を有する第1基部41を有している。第1基部41の下面には、略平坦な面を有する載置面38が形成されている。第1基部41の長手方向における一方の端部の上面には、略平坦な面を有する第1挟持面33が形成されている。第1基部41の短手方向における両端部近傍において、第1基部41の上面から上方に延設された1対のシャフト受け部39が形成されている。
【0031】
第2固定部材14は、第1固定部材13に対向するように配置されている。第2固定部材14は、外形が略直方体形状を有する第2基部42を有している。第2基部42の中央部周辺に、後述する球状部17が通過可能な孔部43が形成されている。孔部43に繋がって、後述する係止部16が形成されている。第2基部42の短手方向における両端部において、第2基部42の下面から下方に延設された1対の側部40が形成されている。
【0032】
第2固定部材14には、第2基部42の長手方向における一方の端部の下面から下方に延設された周側部44、および周側部44の下端から連続して第2基部42に対向する底部45が形成されている。底部45において、第1挟持面33に対向する下面に、略平坦な面を有する第2挟持面34が形成されている。
【0033】
第1固定部材13のシャフト受け部39と第2固体部材14の側部40とは、対向するように配置されている。第1固定部材13の1対のシャフト受け部39および第2固体部材14の1対の側部40のそれぞれに、シャフト25が貫通するシャフト用孔部が形成されている。シャフト用孔部は、第1固定部材13および第2固体部材14の長手方向に直交する方向に開けられている。1対の側部40には、シャフト用孔部と周側部44との間の位置に、半円形状の凹部37が形成されている。
【0034】
1対のシャフト受け部39および1対の側部40のシャフト用孔部にシャフト25が挿通されることにより、第1固定部材13および第2固定部材14がシャフト25を中心に揺動自在に軸支されている。ばね26は、第1固定部材13の長手方向における第1挟持面33とは反対側の端部の上面と、第2固定部材14の長手方向における第2挟持面34とは反対側の端部の下面とを引き離す方向に付勢している。その結果、第1固定部材13および第2固定部材14は、ばね26により第1挟持面33と第2挟持面34とが押圧するように付勢されている。
【0035】
固定部12の上方に、録音機器1を取付ける取付部18が配置されている。取付部18は、USB端子5のプラグ6の外形と嵌合する内壁23を有する嵌合部19を含む。嵌合部19は、録音機器1の筐体2の開口部3と嵌合可能な外壁24を有している。
【0036】
プラグ6の外形は直方体形状であるため、内壁23は、嵌合部19にプラグ6が挿入される方向から見て、矩形形状を有している。また、内壁23は、嵌合部19の内部にプラグ6を完全に収納可能な奥行きを有するように形成されている。外壁24は、USB端子5の保護部7の外形と略同一の直方体形状を有している。外壁24は、内壁23の奥行きと同等以上の長さを有するように形成されている。
【0037】
嵌合部19には、嵌合部19におけるUSB端子5と嵌合しない位置の下面から下方に突出した軸部20が形成されている。軸部20は、円柱形状を有している。嵌合部19と軸部20とから、取付部18が構成されている。軸部20の先端に球状部17が形成されている。
【0038】
第2固定部材14の第2基部42に、球状部17の上半分の一部を覆う係止部16が設けられている。第2基部42の係止部16の直下の下面に、球状部17の下半分を収納する半球状の凹部が形成された収納板31が取付けられている。第2基部42と収納板31とは、ねじ28により連結されている。球状部17、係止部16、収納板31およびねじ28により連結部15が構成されている。連結部15は、ボールジョイント構造を有している。
【0039】
連結部15は、取付部18と固定部12とを相対移動可能に連結している。具体的には、ねじ28の締め付けトルクを管理することにより、取付部18が図5中の矢印21方向に回動および矢印22方向に揺動することができるように、球状部17を係止している。
【0040】
ねじ28の締め付けトルクが高すぎた場合、球状部17が完全に固定されてしまうため、取付部18と固定部12とは相対移動することができない。一方、ねじ28の締め付けトルクが低すぎた場合、球状部17の係止が不十分となるため、録音機器1を取付部18に取付けた際に、録音機器1の姿勢を維持することができない。
【0041】
また、連結部15において、固定部12と取付部18との接触位置に潤滑剤が塗布されている。この潤滑剤によって、固定部12と取付部18とが相対移動した際の球状部17の摺動音を低減することができる。
【0042】
以下、本実施形態の録音機器セット30における録音機器1とホルダー11との取付け構造について説明する。図7は、本実施形態において、USB端子を突出させた状態の録音機器をホルダーに取付けた状態を模式的に示す側面図である。図7に示すように、USB端子5を筐体2の収納部10からスライド突出させた状態において、録音機器1をホルダー11に取付けることができる。
【0043】
録音機器1をホルダー11に取付けるためには、嵌合部19内にプラグ6を挿入して、嵌合部19の端部と保護部7の端部とを接触または近接させる。プラグ6の外形と嵌合部19の内壁とは嵌合するように形成されており、また、連結部15の球状部17は、録音機器1の重さによっては動かないように係止されている。そのため、図7に示す状態においても、録音機器1の姿勢を維持して被固定部材に固定することができる。
【0044】
ただし、図7に示す状態においては、USB端子5がスライド突出した状態で録音機器1を固定しているため、録音機器1をホルダー11に取付けた状態において、録音機器1に衝撃などの外力が作用した場合に、USB端子5にその外力が集中して負荷される。そのため、録音機器1の保護の観点から、USB端子5に外力の負荷しにくい取付け方法が望まれる。
【0045】
図8は、本実施形態において、USB端子を収納した状態の録音機器をホルダーに取付けた状態を模式的に示す側面図である。本実施形態の録音機器セット30においては、図8に示すように、USB端子5を収納部10内に収納した状態において、録音機器1をホルダー11に取付けることができる。
【0046】
録音機器1をホルダー11に取付けるためには、まず、図7に示すように、嵌合部19内にプラグ6を挿入して、嵌合部19の端部と保護部7の端部とを接触または近接させる。次に、スライドつまみ9によりUSB端子5を収納部10内に収納する。このとき、嵌合部19も筐体2の内部に挿入される。
【0047】
図9は、図8の矢印IXから見た状態を示す図である。図10は、図9のX−X線矢印方向から見た断面図である。図9,10に示すように、嵌合部19の外形と筐体2の開口部3とは嵌合するように形成されている。
【0048】
そのため、USB端子5を収納部10内に収納した状態でホルダー11に取り付けた際、プラグ6、嵌合部19および開口部3がそれぞれ嵌合しているため、USB端子と嵌合部19と筐体2とが一つの構造体のようになる。その結果、録音機器1とホルダー11との取付け強度を向上させることができる。
【0049】
録音機器1をホルダー11に取付けた状態において、録音機器1に衝撃などの外力が作用した場合に、その外力は、筐体2とUSB端子5に分散して作用するため、録音機器1が外力により破壊することを抑制することができる。
【0050】
図11は、本実施形態に係るホルダーにおいて、取付部が固定部から離脱した状態を模式的に示す側面図である。図11に示すように、ホルダー11に取付部18と固定部12とを引き離す方向の過負荷が作用した際、取付部18は固定部12から離脱するように取付部18と固定部12とは連結されている。ここで、過負荷とは、ホルダー11の構成部品を破壊可能な程度の負荷のことをいう。
【0051】
過負荷が作用した際、取付部18が固定部12から離脱することにより、ホルダー11の構成部品が破壊することを防止することができる。本実施形態においては、第2固定部材14を弾性変形可能な樹脂材料で形成している。そのため、取付部18と固定部12とを引き離す方向の過負荷が作用した際に、球状部17を係止している係止部16が弾性変形して球状部17の係止を解除する。その結果、取付部18は固定部12から離脱するため、過負荷によって取付部18および固定部12が破壊することを防止することができる。
【0052】
本実施形態に係るホルダー11の連結部は、離脱した取付部18を固定部12に再連結可能に構成されている。上記のように、係止を解除した後の係止部16は、元の形状に戻っている。また、球状部17の下半分を収納した収納板31は、ねじ28により固定されているため脱着可能に第2固定部材14に取付けられている。
【0053】
図12は、本実施形態に係る固定部を下側から見た状態を模式的に示す底面図である。図12に示すように、第1固定部材13には、ねじ28の締結用孔部29が形成されている。本実施形態の第1固定部材13には、3つの締結用孔部29が形成されているが、孔の数はこれに限られない。
【0054】
締結用孔部29にドライバーなどを通すことができるため、容易にねじ28の締結および取り外しを行なうことができる。ねじ28を取り外して収納板31を第2固定部材14から取り外すことにより、再度、球状部17を孔部43に通過させた後、第2固定部材14の係止部16に係止させることができる。球状部17を係止部16に係止させた状態で、収納板31をねじ28により第2固定部材14に取付けることにより、離脱した取付部18を固定部12に再連結することができる。
【0055】
以下、本実施形態に係るホルダーを被固定部材に固定する方法について説明する。図13(A)は、平面上にホルダーを載置した状態、(B)は、挟持面で被固定部材を挟持した状態、(C)は、固定部の凹部で被固定部材を挟持した状態を模式的に示す図である。
【0056】
図13(A)に示すように、固定部12は、上面に平坦な面を有する被固定部材32の上面に載置可能な載置面38を有している。そのため、載置面38を被固定部材32の上面に接触させてホルダー11を載置することにより、ホルダー11を安定して固定することができる。
【0057】
上記の通り、固定部12は、被固定部材35を挟持する挟持手段であるばねの付勢力を利用したクリップ構造を有している。図13(B)に示すように、固定部12は、被固定部材35を間に挟持可能な対向する挟持面33,34を有している。クリップ構造により挟持面33,34を被固定部材35に押圧させて被固定部材35を挟持させることにより、ホルダー11を被固定部材35に固定することができる。
【0058】
図13(C)に示すように、固定部12は、円柱形状の外形を有する被固定部材36の外形に沿う凹部37を有する。クリップ構造により凹部37を被固定部材36に押圧させて被固定部材36を挟持させることにより、ホルダー11を被固定部材36に固定することができる。
【0059】
本実施形態に係るホルダー11においては、上記の3通りの固定方法が可能な構造に形成されているが、いずれか1つの固定方法または他の固定方法が可能なように構成されていてもよい。
【0060】
上記のホルダー11においては、録音機器1のUSB端子5のプラグ6および録音機器1の筐体2の開口部3に嵌合する嵌合部19を有する取付部18に録音機器1を取付けるため、録音機器1を固定する際の録音機器1本体にかかる負荷を抑制することができる。
【0061】
なお、本実施形態においては、保護部7の外形を直方体形状としたため、開口部3および嵌合部19を直方体形状としたが、保護部7の外形および嵌合部19の外形と開口部3とが嵌合するものであればよく、保護部7の外形および嵌合部19の外形と開口部3の形状とは特に限定されない。
【0062】
また、連結部15としてボールジョイント構造を用いたが、他のフレキシブル構造を用いてもよい。さらに、本実施形態においては、第1固定部材13、第2固定部材14、球状部17および収納板31の材料として、ポリブチレンテレフタラート(PBT)を用いた。PBTを用いることにより、球状部17の摺動音の発生を抑制させることができるが、使用できる材料はこれに限られない。
【0063】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1 録音機器、2 筐体、3 開口部、4 蓋部、5 USB端子、6 プラグ、7 保護部、8 スライド孔部、9 スライドつまみ、10 収納部、11 ホルダー、12 固定部、13 第1固定部材、14 第2固体部材、15 連結部、16 係止部、17 球状部、18 取付部、19 嵌合部、20 軸部、23 内壁、24 外壁、25 シャフト、29 締結用孔部、30 録音機器セット、31 収納板、32,35,36 被固定部材、33,34 挟持面、37 凹部、38 載置面 39 シャフト受け部、40 側部、41 第1基部、42 第2基部、43 孔部、44 周側部、45 底部、46 マイク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器に電気的に接続する接続端子および筐体を有する記録機器と、
前記記録機器の姿勢を維持するホルダーと
を備え、
前記筐体は、内部に前記接続端子を収納する収納部、および、前記接続端子を外部に突出可能とする開口部を有し、
前記ホルダーは、前記記録機器が所定の姿勢で取付けられる取付部を含み、
前記取付部は、前記接続端子の外形と嵌合する内壁を有する嵌合部を含み、
前記嵌合部は、前記開口部と嵌合可能な外壁を有する、記録機器セット。
【請求項2】
外部機器に電気的に接続する接続端子を収納する収納部および該接続端子の突出用開口部が形成された筐体を有する記録機器の姿勢を維持するホルダーであって、
前記記録機器を所定の姿勢で取付けられる取付部を備え、
前記取付部は、前記接続端子の外形と嵌合する内壁を有する嵌合部を含み、
前記嵌合部は、前記開口部と嵌合可能な外壁を有する、ホルダー。
【請求項3】
前記取付部は、スライドして前記筐体から突出可能な前記接続端子の外形と嵌合する内壁を有する嵌合部を含む、請求項2に記載のホルダー。
【請求項4】
前記記録機器を被固定部材に固定する固定部と、
前記固定部と前記取付部とを連結する連結部と
を備え、
前記連結部は、前記取付部と前記固定部とを相対移動可能に連結する、請求項2または3に記載のホルダー。
【請求項5】
前記連結部は、前記取付部と前記固定部とを引き離す方向の過負荷が作用した際に前記取付部が前記固定部から離脱するように、前記取付部と前記固定部とを連結する、請求項4に記載のホルダー。
【請求項6】
前記連結部は、離脱した前記取付部を前記固定部に再連結可能に構成されている、請求項5に記載のホルダー。
【請求項7】
前記連結部は、ボールジョイント構造を有する、請求項4から6のいずれかに記載のホルダー。
【請求項8】
前記連結部において、前記固定部と前記取付部との接触位置に潤滑剤が塗布された、請求項4から7のいずれかに記載のホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−138978(P2011−138978A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299087(P2009−299087)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】